JP2014163229A - 回転駆動機構、流体吐出装置ならびにパターン形成装置 - Google Patents

回転駆動機構、流体吐出装置ならびにパターン形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたシール性を確保しつつ、駆動軸が所定の軸線に対して偏心回転したときに駆動軸の偏心回転力を隔壁により仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸に伝達して従動軸を軸線に対して偏心回転させる。
【解決手段】軸体3はシール部材4で軸支され、当該シール部材4により後部ブロック部220の開口部(穴)を塞いだ状態で後部ブロック220に対して揺動および回転自在となっている。軸体3の一方端部は第1角度調整部材5Aを介して駆動軸24に連結されており、駆動軸24の偏心回転運動に応じて歳差運動する。また、軸体3の他方端部は第2角度調整部材5Bを介して従動軸320に連結されており、軸体3の歳差運動に応じて偏心回転する。このため、隔壁230の一方領域から他方領域に、逆に他方領域から一方領域に流体が流れ込むのを確実に防止しながら従動軸320を偏心回転することが可能となっている。
【選択図】図6

Description

この発明は、隔壁に仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸を偏心回転させる回転駆動機構、当該回転駆動機構を用いた流体吐出装置およびパターン形成装置に関するものである。
ペースト状の塗布液で基板上に微細パターンを形成するパターン形成装置では、塗布液を吐出する流体吐出装置が装備されている。この流体吐出装置では、タンクに貯留されている塗布液がノズルに圧送される。ノズルにはバルブが設けられており、モータの回転軸の回転を受けて軸がバルブ内で回転してノズルの吐出口を開閉し、当該バルブの開閉によってノズルからの塗布液の吐出が制御される。ここで、モータによりバルブを開閉する発明の一例が例えば特許文献1に記載されている。この特許文献1では、バルブを開閉する軸がギアボックスを介してパルスモータの回転軸に接続されており、当該パルスモータに対して駆動パルスを与えてバルブの開閉を制御している。
特開平6−337079号公報(図1、段落0023等)
ところで、バルブは流体の流路内に配置する一方、パルスモータについては流路外に配置する必要があり、特許文献1に具体的な構成は示されていないが、当然のことながら両者を隔壁によって仕切っている。そして、モータで発生した駆動力お回転駆動機構によりバルブに伝達する。したがって、回転駆動機構の構成部品のうち隔壁を貫いて設けられる回転軸のシール構造についても考慮する必要があり、例えばOリング(オーリング)等のシール部材を採用するのが一般的な対応策といえる。
しかしながら、バルブの適用箇所によっては特殊な構造を有するバルブを用いることが要望されることがあり、特許文献1に記載の発明とOリングによるシール構造とを組み合わせた技術をそのまま適用することができないことがある。例えば上記したようにペースト状の塗布液を用いるパターン形成装置では、塗布液の粘性が比較的高いために、一軸偏心ネジポンプ(モーノポンプ)の動作原理を利用したバルブを用いることが検討されている。このバルブは、後で具体的な構成を例示して説明するように、雌ネジ型ステータと雄ネジ型ロータとを有しており、雌ネジ型ステータに形成された雌ネジに対し、雄ネジ型ロータの雄ネジが接しながら偏心回転してステータに対するロータの相対回転角を変更可能となっている。そして、相対回転角の変化によって雌ネジと雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化することで流体の流量を制御する。したがって、雄ネジ型ロータに対して偏心回転力を与えてバルブを駆動する回転駆動機構が必要である。したがって、流体漏れを防止しつつ従動軸に対して偏心回転力を与えるための構成が要望されている。また、このような要望は、上記バルブに限定されず、一軸偏心ネジポンプをはじめとして隔壁の一方領域に配置されて偏心回転する回転負荷部の従動軸を偏心回転させるための回転駆動機構全般に共通するものである。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、優れたシール性を確保しつつ、駆動軸が所定の軸線に対して偏心回転したときに駆動軸の偏心回転力を隔壁により仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸に伝達して従動軸を軸線に対して偏心回転させる回転駆動機構、および当該回転駆動機構を用いる流体吐出装置およびパターン形成装置の提供を目的とする。
この発明にかかる回転駆動機構は、駆動軸が所定の軸線に対して偏心回転したときに駆動軸の偏心回転力を隔壁により仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸に伝達して従動軸を軸線に対して偏心回転させる回転駆動機構であって、軸線に対して傾斜した状態のまま、軸線が隔壁と交差する交差位置で隔壁に設けられた開口部に挿入されて一方端部が隔壁を挟んで一方領域の反対側の他方領域に延びるとともに他方端部が一方領域に延びる軸体と、交差位置で一方領域と他方領域を隙間なく仕切りながら軸体を回転自在に軸支する円環状のシール部材と、駆動軸と軸体の一方端部との角度関係を調整自在に駆動軸および一方端部を相互に連結する第1角度調整部材と、軸体の他方端部と従動軸との角度関係を調整自在に他方端部および従動軸を相互に連結する第2角度調整部材とを備え、駆動軸の偏心回転運動を第1角度調整部材によって軸体に伝達することで、軸体がシール部材により軸支される位置を支点として軸体を歳差運動させ、軸体の歳差運動を第2角度調整部材によって従動軸に伝達することで、従動軸を偏心回転させる。
また、この発明にかかる流体吐出装置は、流体を供給する流体供給部と、流体供給部から供給される流体を吐出口から吐出するノズルと、流体供給部からノズルの吐出口までの流体の流路上に設けられる回転負荷部と、回転負荷部を制御して吐出口からの流体の吐出を制御する吐出制御部とを備え、回転負荷部は、断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、断面が円形形状であるとともに雌ネジ型ステータの雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを有する雄ネジ型ロータとを備え、雌ネジ型ステータの流れ方向の長さは雌ネジ型ステータの雌ネジピッチの1/4周期以上かつ1周期未満であり、雌ネジ型ステータに対する雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて雌ネジと雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化して流れ方向の流体の流量を調整するバルブであり、吐出制御部は、上記回転駆動機構を有し、雄ネジ型ロータを従動軸として偏心回転させて流体の吐出を調整する。
また、この発明にかかるパターン形成装置は、基板を保持する基板保持部と、パターンを形成するための材料を含む流体を吐出する複数の吐出口を有するノズルと、流体をノズルに供給する流体供給部と、複数の吐出口のうち少なくとも1つを制御対象吐出口として流体供給部から該制御対象吐出口に至る流路上に設けられる回転負荷部と、基板保持部に保持された基板に対して相対的にノズルを走査移動させる走査移動部と、回転負荷部を制御して制御対象吐出口からの流体の吐出を制御する吐出制御部とを備え、回転負荷部は、断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、断面が円形形状であるとともに雌ネジ型ステータの雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを有する雄ネジ型ロータとを備え、雌ネジ型ステータの流れ方向の長さは雌ネジ型ステータの雌ネジピッチの1/4周期以上かつ1周期未満であり、雌ネジ型ステータに対する雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて雌ネジと雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化して流れ方向の流体の流量を調整するバルブであり、吐出制御部は、上記回転駆動機構を有し、雄ネジ型ロータを従動軸として偏心回転させて流体の流量を調整する。
このように構成された発明では、軸体はシール部材で軸支され、当該シール部材により上記一方領域と上記他方領域を隙間なく仕切りながら揺動および回転自在となっている。そして、この軸体の一方端部は第1角度調整部材を介して駆動軸に連結されており、駆動軸の偏心回転運動に応じて歳差運動する。また、軸体の他方端部は第2角度調整部材を介して従動軸に連結されており、軸体の歳差運動に応じて偏心回転する。このため、隔壁の一方領域から他方領域に、逆に他方領域から一方領域に流体が流れ込むのを確実に防止しながら従動軸を偏心回転することが可能となっている。
ここで、回転駆動機構は、上記したように駆動軸の偏心回転運動を従動軸に伝達する構成のみならず、上記偏心回転運動の駆動力、つまり偏心回転力を発生させて従動軸を偏心回転させる駆動部を備えるように構成してもよい。この駆動部としては、例えば軸線に対して偏心回転する回転軸を有する駆動モータで構成してもよい。この場合、回転軸が駆動軸として第1角度調整部材に直接接続されるように構成してもよいし、あるいは回転軸が連結部材を介して駆動軸に連結されるように構成してもよい。
また、上記したように回転軸が偏心回転するという特性を有する駆動モータの代わりに、一般的な駆動モータを偏心回転力の駆動源として用いてもよい。すなわち、駆動部が、軸線の軸方向に延びる回転軸を回転させる駆動モータと、一方端部が回転軸に接続されるとともに他方端部が駆動軸に接続されて一方端部に与えられる回転駆動力に応じて駆動軸を偏心回転させる偏心部材とを備えるように構成してもよい。
また、支点から第1角度調整部材における角度調整の中心までの距離をL1とするとともに当該中心における軸線からの変位量をe1とし、支点から第2角度調整部材における角度調整の中心までの距離をL2とするとともに当該中心における軸線からの変位量をe2としたとき、次式
e1/L1=e2/L2
で示す関係が成立するように構成するのが望ましい。このように構成した場合、歳差運動において支点位置で軸体は常に軸線と一致し、しかも軸線からの変位をゼロに抑えることができる。その結果、軸体の軸支位置、つまりシール部材の配設位置での気密性および液密性を高めることができ、流体の漏れをより確実に防止することができる。
さらに、本発明にかかる回転駆動機構により駆動する回転負荷部の一例としては、一軸偏心ネジポンプ(モーノポンプ)や当該ポンプの動作原理を利用したバルブが該当し、これらを構成する雄ネジ型ロータを従動軸として偏心回転させることができる。また、本発明にかかる流体吐出装置やパターン形成装置では、上記バルブを回転負荷部として用いており、上記回転駆動機構を用いることで隔壁からの流体の漏れを防止しながら高精度な流体の流量調整を行うことが可能となる。
以上のように、本発明によれば、シール部材により隔壁の一方領域と他方領域を隙間なく仕切った状態で軸体を軸支している。そして、その軸支された位置を支点として当該軸体を隔壁に対して歳差運動させることで駆動軸の偏心回転力を従動軸に伝達している。したがって、隔壁で仕切られた両側の領域(一方領域および他方領域)のシール性を確保しながら従動軸を偏心回転させることが可能となっている。
本発明にかかる流体吐出装置の一実施形態の外観を示す図である。 図1に示す流体吐出装置の断面図である。 図1に示す流体吐出装置で用いるバルブの構成を示す斜視図である。 吐出方向に対して直交する断面におけるステータおよびロータの形状を示す図である。 吐出制御部に装備される回転駆動機構を示す拡大斜視図である。 回転駆動機構の動作を模式的に示す図である。 回転駆動機構の角度調整部材の部分拡大図である。 本発明にかかるパターン形成装置の一実施形態を示す図である。 図8のパターン形成装置を用いて形成される太陽電池セルの例を示す図である。 図8の装置によるフィンガー電極形成の様子を模式的に示す図である。 本実施形態によるパターン形成処理を示すフローチャートである。
A.回転駆動機構を装備する流体吐出装置
A−1.概略構成
図1は本発明にかかる流体吐出装置の一実施形態の外観を示す図である。また、図2は図1に示す流体吐出装置の断面図である。この流体吐出装置100は前部ブロック部210と後部ブロック部220とを一体化したノズルブロック200を有している。この前部ブロック部210はノズルとして機能するものであり、その内部に図示を省略する流体供給部から圧送されてくる流体を貯留する貯留空間211が形成されるとともに、前端部に4つの吐出口212が一列で設けられている。各吐出口212は前部ブロック部210の外面に露出している。
吐出口212毎に吐出口212の直前位置にバルブ300が設けられるとともに、各ノズル300を制御して流体の吐出を調整する吐出制御部400が設けられている。それら4つの吐出制御部400はいずれも本発明にかかる回転駆動機構を利用してバルブ300を開閉させるものであり、それぞれ独立して作動することで貯留空間211内の流体の各吐出口212からの吐出を制御する。なお、本実施形態では、吐出口212の配列方向を「配列方向P」と称し、各吐出口212からの流体の吐出方向を「吐出方向Q」と称し、これら配列方向Pおよび吐出方向Qと直角に交差する交差方向を「交差方向R」と称する。また、本実施形態では、吐出口212の狭ピッチ化(具体的には、2[mm]ピッチ)を図るべく、一軸偏心ネジポンプ(モーノポンプ)を応用した小型化で高精度なバルブ300を用いている。以下、バルブ300の基本原理、バルブ300の構成および動作について説明した後、吐出制御部400の構成および動作について説明する。
A−2.バルブの基本原理
本願発明者は、従来より一軸偏心ネジポンプ(モーノポンプ)について種々の研究や改良などを検討しているが、その研究中に一軸偏心ネジポンプが一定の条件を満たすことでバルブとして機能するという知見を得た。一軸偏心ネジポンプは、例えば米国特許第5120204号明細書に記載されているように、流体の送出方向に延設された雄ネジ型ロータを、同一方向に延設される雌ネジ型ステータに嵌挿し、当該雌ネジ型ステータに対して相対的に偏心回転させることで流体を送り出すものであり、従来より広く使用されている。雌ネジ型ステータはフッ素ゴムなどの弾性部材で構成されており、送出方向に直交する、いずれの断面においても長円形状となっている雌ネジを有している。一方、雄ネジ型ロータはステンレスなどの金属材料で構成されており、送出方向に直交する各断面は円形形状を有している。そして、雌ネジ型ステータに対して雄ネジ型ロータが所定の偏心量で回転することでポンプとして機能する。
ここで、ポンプとして機能させるためには、ポンプの軸方向(送出方向)の長さ(以下「本体長さ」という)をステータの雌ネジピッチの1周期以上とする必要ある。というのも、この条件を満足しなければ、ステータとロータとでキャビティと称される密閉空間を形成することができないからである。一方、本体長さがステータの雌ネジピッチの1周期よりも短くしていくと、ステータに対するロータの相対回転角θ(0゜≦θ≦360゜、あるいは−180゜≦θ≦180゜)に応じて雌ネジと雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化する。
より詳しくは、本体長さVLが、ステータの雌ネジピッチの1周期未満で、かつ1/2周期以上となっているときには、特定の相対回転角θ1で全開状態となる。また、別の相対回転角θ2で全閉状態となる。したがって、相対回転角を角度θ1と角度θ2とに切り替えることで流体の流通と遮断とを制御可能となる。つまり、開閉バルブとして機能する。なお、本体長さVLが雌ネジピッチの1/2周期より長い場合には、全閉状態となる回転角の範囲は広がるとともに全開状態でのオリフィスは、本体長さVLが雌ネジピッチの1/2周期であるときの全開状態でのオリフィスよりも小さくなる。
さらに相対回転角が角度θ1から角度θ2に移行する間、逆に角度θ2から角度θ1に移行する間では、雌ネジと雄ネジとの間に形成されるオリフィスは相対回転角に応じて徐々に変化する。したがって、この現象を利用することで流量調整が可能となる。これらの点については、本体長さVLがステータの雌ネジピッチの1/2周期となっているバルブの動作を後で図6を参照しつつ詳述する。
また、本体長さVLがステータの雌ネジピッチの1/2周期未満となると、全閉状態が得られず、開閉バルブとしては機能しない。しかしながら、相対回転角に応じてオリフィスが変化するため、流量調整は可能となっている。ただし、本体長さVLがステータの雌ネジピッチの1/4周期よりも短くなると、相対回転角に応じたオリフィスの変化量は非常に小さくなり、事実上、流量調整は難しくなる。
上記バルブ300は上記知見に基づくものであり、当該バルブ300は次のように構成されて流量調整を行うことが可能となっている。以下、図3および図4を参照しつつバルブ300の構成および動作について説明する。
A−3.バルブの構成および動作
図3は図1に示す流体吐出装置で用いるバルブの構成を示す斜視図である。流体吐出装置100に装備される4つのバルブ300はいずれも同一構成を有している。バルブ300は、流体の吐出方向(+Q)に対して直交する断面が長円形状を有するとともに吐出方向(+Q)に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータ310と、吐出方向(+Q)に対して直交する断面が円形形状であるとともに雌ネジ型ステータ310の雌ネジ311と接しながら偏心回転自在な雄ネジ321を有する雄ネジ型ロータ320とを備えている。この実施形態では、ステータ310の軸方向(吐出方向Q)の長さ、つまり本体長さVLがステータ310の雌ネジピッチの1/2周期となっている。なお、以下においては、雌ネジ型ステータ310および雄ネジ型ロータ320をそれぞれ単に「ステータ310」および「ロータ320」と称する。
このロータ320の後端部には、後で詳述する吐出制御部400が取り付けられている。そして、吐出制御部400によりロータ320が偏心回転して流量制御を行う。
図4は吐出方向に対して直交する断面におけるステータおよびロータの形状を示す図である。この実施形態では、図3(a)に示すように、ステータ310の軸方向(吐出方向Q)の長さ、つまり本体長さVLはステータ310の雌ネジピッチの1/2周期となっている。そして、吐出方向(+Q)に対して直交する7つの断面、つまり図3(b)に示すように、
(1)断面…吐出口212側(同図の下側)のバルブ端部での断面、
(2)断面…(1)断面から雌ネジネジピッチの1/12周期だけ離れた位置での断面、
(3)断面…(1)断面から雌ネジネジピッチの2/12周期だけ離れた位置での断面、
(4)断面…(1)断面から雌ネジネジピッチの3/12周期だけ離れた位置での断面、
(5)断面…(1)断面から雌ネジネジピッチの4/12周期だけ離れた位置での断面、
(6)断面…(1)断面から雌ネジネジピッチの5/12周期だけ離れた位置での断面、
(7)断面…(1)断面から雌ネジネジピッチの6/12周期だけ離れた位置、つまり吐出制御部400側(同図の上側)のバルブ端部での断面、
でのステータ310およびロータ320の断面形状を、ロータ320を偏心回転の中心軸(吐出口212の中心軸)を中心として0゜、90゜、180゜、270゜だけ回転させた場合について、図示したものが図4である。なお、同図中のハッチング領域はキャビティが開であることを示している。
まず、ロータ320の回転角θが0°の場合、図4の最上行に示すように、上側キャビティUCVおよび下側キャビティDCVに着目すると、上側キャビティUCVは(1)断面で閉であり、下側キャビティDCVは(7)断面において閉であるので、バルブ300としては閉成状態となっている。また、ロータ320の回転角θが90°の場合、図4の上から2番目の行に示すように、上側キャビティUCVはどの断面でも開であるので、バルブ300としては開成状態である。同様に、ロータ320の回転角θが180°と270゜の場合についても、それぞれ閉成状態および開成状態であることが解る。つまり、上記のように構成されたバルブ300は、ロータ320の90°回転ごとに開閉を繰り返すバルブである。ちなみに全閉は、ロータ320の回転角θが0°と180°の場合である。また、全開は、ロータ320の回転角θが90°と270°の場合のみであり、それ以外では一部開となる。したがって、図示を省略する装置全体を制御する制御部により吐出制御部400の回転駆動部410を一定時間だけ作動させてロータ320の回転角θを0゜、90゜、180゜、270゜に制御することでバルブ300の開閉を制御することができる。また、全開状態から全閉状態に移行する、あるいは全閉状態から全開状態に移行する、例えば回転角θが0゜から90に移行するとき、オリフィスが連続的に変化してバルブ300を流通して吐出口212に供給される流体の流量を調整可能となっている。
以上のように、流体吐出装置100では、上記した「A−2.バルブの基本原理」の項で説明したバルブ300が用いられているため、ステータ310に対するロータ320の回転角を調整することで、吐出口212からの流体の吐出および停止を切り替えることができるとともに、吐出流量も調整可能となっている。また、この実施形態では、ステータ310内でロータ320を偏心回転させるのみであり、構成部品の変形がなく、高精度な流体吐出を安定して行うことができる。
また、従来のようにモータによって軸が回転して吐出口を開閉する装置(例えば特開2009−6233号公報に記載の装置)と比較して次の作用効果が得られる。すなわち、従来装置では軸力を発生させるために比較的大きなモータが必要であるのに対し、本実施形態ではその必要がないため、ロータ320の回転駆動源(次に説明する吐出制御部400の回転駆動部410)の小型化を図ることができる。このことは流体吐出装置100の小型化に大きく寄与する。
また、本実施形態では、螺旋状の雄ネジ321を有するロータ320を回転させることで全開状態から全閉状態に移行させる、または全閉状態から全開状態に移行させるため、ロータ320の回転方向に応じたポンプ効果が得られる。例えば図3(b)では、バルブ300のロータ320を同図において時計回りに偏心回転させると、吐出方向(+Q)と逆の方向(−Q)にポンプ効果が作用する。したがって、当該バルブ300の下方側に吐出口212が配置されている流体吐出装置100では、ロータ320を同図において時計回りに偏心回転させて全閉状態に切り替えると、全閉状態に移行しながらポンプ効果により吐出口212側の流体をバルブ300側に引き戻す。いわゆるサックバック効果が得られる。また、ロータ320を同図において反時計回りに偏心回転させて全開状態に切り替えると、全開状態に移行しながらポンプ効果により吐出口212側に流体を押し出す。いわゆる圧送効果が得られ、バルブ300の応答速度を高めることができる。よって、吐出口212から流体を吐出させる際には、同図において反時計回りにロータ320を偏心回転させることで圧送効果を発生させる一方、流体の吐出を停止する際には逆方向にロータ320を偏心回転させることでサックバック効果を発生させて吐出口212から流体が垂れるのを防止するのが好適である。
A−4.吐出制御部の構成および動作
図5は吐出制御部に装備される回転駆動機構を示す拡大斜視図である。また、図6は回転駆動機構の動作を模式的に示す図であり、構成理解を容易にするために前部ブロック部210を除いた状態でしかも軸体の偏心を明確にするために軸体の偏心を貫通孔221に比べて拡大誇張して図示している。さらに、図7は回転駆動機構の角度調整部材の部分拡大図であり、図6中の領域Rを拡大した図面である。以下、図2、図5ないし図7を参照しつつ吐出制御部400の構成および動作を説明する。
4つの吐出制御部400は基本的に同一である。各吐出制御部400は、本発明のかかる回転駆動機構の一実施形態である回転駆動機構1を利用して軸線AXに対するロータ320の偏心回転を制御するものである。この回転駆動機構1は、駆動部2、軸線AXに対して傾斜して延びる円柱状の軸体3、Oリング(オーリング)4、2つの角度調整部材5A、5Bおよび透過式光電センサ(図示省略)を有している。これらのうち駆動部2はバルブ300のロータ320を偏心回転させるための偏心回転力を発生するものであり、後部ブロック部220に設けられた貫通孔221の(−Q)側開口から後部ブロック部220の内部に配置される。この駆動部2は、マイクロ電動モータ(例えば並木精密宝石社製のマイクロモータSLBシリーズ)と減速器を一体化した駆動発生ユニット21、第1連結軸22、リジッドカップリング23、第2連結軸24、およびエンコーダ(図示省略)で構成されている。
マイクロ電動モータの回転軸は減速器を介して第1連結軸22と接続されている。さらに、当該第1連結軸22はリジッドカップリング23により第2連結軸24の(−Q)側端部に連結されている。そして、マイクロ電動モータが作動されると、マイクロ電動モータの回転軸の回転が減速器で例えば1/30に減速された後、第1連結軸22およびリジッドカップリング23を介して第2連結軸24に伝達され、第2連結軸24が駆動部2の駆動軸として回転するが、マイクロ電動モータの回転軸自体がラジアル方向に傾いているため、駆動部2の駆動軸(第2連結軸)24は軸線AXに対して偏心回転する。なお、本実施形態では、図2(a)に示すように、第2連結軸24の長さを2種類用意し、リジッドカップリング23の配設位置を吐出方向Qにおいて2段階に設定している。なお、同図中の符号222は、リジッドカップリング23の着脱作業を行うための作業用貫通孔である。
駆動部2の駆動軸24は第1角度調整部材5Aを介して軸体3の(−Q)側端部と連結されている。この第1角度調整部材5Aは駆動軸24と軸体3の(−Q)側端部との角度関係を調整する機能を有しており、本実施形態では次のように構成されたものが用いられている。すなわち、角度調整部材5Aは、例えば図7に示すように、軸方向Qに延びる軸形状を有しており、駆動部2側(同図の上方側)に角度調整部51が設けられるとともに、軸体3側(同図の下方側)に角度調整部52が設けられている。そして、角度調整部51の(−Q)側の端部が駆動軸24に連結され、角度調整部52の(+Q)側の端部が軸体3に連結され、さらに角度調整部51の(+Q)側の端部と角度調整部52の(−Q)側の端部が相互に直結されている。
角度調整部51では、軸方向Qと直交する第1直交方向Pから円柱形状の角度調整部材5Aの側面を軸方向Qに一定のピッチPTで連続的に削り取ることで、複数のノッチ部(第1凹部)NT1を軸方向Qに連設した波板形状の主面51aが形成されている。また、主面51aの反対側においても、第1直交方向Pから角度調整部材5Aの側面を一定のピッチPTで連続的に削り取ることで、図7への図示を省略しているが、複数のノッチ部(第2凹部)を軸方向Qに配設した波板形状の主面が形成されている。こうして角度調整部材5Aの中央部分に厚さ100[μm]程度の波板形状部位を形成しており、当該部位に屈曲性を与えている。なお、主面51aに設けたノッチ部NT1の個数および形状はもう一方の主面に設けたノッチ部と同一であり、複数対をなすようにノッチ部が配置され、これによって上記波板形状部位に複数のくびれ部51cが構成され、板バネ効果を発揮する。なお、ノッチ部の形状は任意であるが、本実施形態ではノッチ部の先端断面を図6に示すように円弧状形状に仕上げている。この点は、次に説明する角度調整部52のノッチ部でも同様である。
角度調整部52は、軸方向Qから見て角度調整部51と直交している点を除き、角度調整部51と同様の構成を有している。すなわち、角度調整部52は、軸心を中心に角度調整部51を90゜回転させたものと同一の構造を有している。より詳しくは、角度調整部52では、軸方向Qおよび第1直交方向Pと直交する第2直交方向Rから角度調整部材5Aの側面を軸方向Qに一定のピッチPTで連続的に削り取ることで、複数のノッチ部(第3凹部)NT3を軸方向Qに配設した波板形状の主面52aが形成されている。また、主面52aの反対側においても、第2直交方向Rから角度調整部材5Aの側面を一定のピッチPTで連続的に削り取ることで、複数のノッチ部(第4凹部)NT4を軸方向Qに配設された波板形状の主面52bが形成されている。したがって、角度調整部材5Aでは、軸方向Qから見て主面52a、52bは主面51aに対して直交関係にある。なお、本実施形態では、主面52aに設けたノッチ部NT3の個数および形状は主面414に設けたノッチ部NT4と同一であり、複数対をなすようにノッチ部(第3凹部)NT3とノッチ部(第4凹部)NT4が配置され、これによって複数のくびれ部52cが構成されている。
本実施形態では、直交関係を有する角度調整部51、52が軸方向Qに直列に形成されており、軸方向Qと直交する任意の方向に屈曲して駆動軸24と軸体3との角度関係を調整自在となっている。このため、駆動軸24および軸体3が軸線AXに対して偏角している場合であっても、それに応じた曲げ応力が角度調整部材5Aに作用し、くびれ部51c、52cの両方あるいは一方の幅が変化して上記偏角を吸収する。例えば図6に示すように、PQ平面内で偏角が存在するとき、角度調整部52が主体的に屈曲してくびれ部52cの幅が変化する。
また、角度調整部51、52のいずれにおいても複数のくびれ部を設けて偏角を吸収しているために、次の作用効果が得られる。各角度調整部51、52において偏角を吸収するためには、例えば波板形状部分を平板形状に仕上げるように構成する、換言すると単一のくびれ部で構成して板ばねとして機能させてもよいが、この場合、中央部に曲げ応力が集中しやすく、強度低下を招いてしまう。これに対し、本実施形態では、複数のくびれ部を設けているため、曲げ応力が複数のくびれ部に分散され、その結果、角度調整部材5Aは優れた耐力を有する。
このように構成された第1角度調整部材5Aを介して軸体3の(−Q)側端部は駆動軸24と連結されているが、その軸体3は上述したように軸線AXに対して傾斜しており、その状態のままOリング固定板230に穿設された開口部230aに挿通され、軸体3の(+Q)側端部は貯留空間211に延びている。このOリング固定板230は後部ブロック部220にネジなどの締結金具で取り付けられ、Oリングを後部ブロック部220に圧着することで貯留空間211と貫通孔221とを隙間なく仕切っている。
このOリング固定板230には、ロータ320毎に軸線AXと交差する交差位置に開口部230aが設けられている。各開口部230aは軸体3の外径よりも若干大きな内径を有しており、軸線AXに対して傾けた状態で軸体3を挿通可能となっている。また、各交差位置には、フッ素ゴム等の材質で作成されたOリング4が配置され、Oリング固定板230の一方領域(貯留空間211)と他方領域(貫通孔221の内部空間)を隙間なく仕切るように軸体3に取り付けられて、シール部材として機能している。なお、Oリング4の小型化が困難な場合には、Oリング4の代わりに円筒状のゴムを使用してもよい。
このように、本実施形態では、Oリング固定板230が貯留空間211と貫通孔221の間に隔壁として設けられるとともに、各交差位置にOリング4を設けてシールしているため、貯留空間211内に流通する流体が貫通孔221に流入したり、貫通孔221内の空気が貯留空間211内の流体に混入するのを効果的に防止している。しかも、Oリング4の取り付け位置を支点として軸体3は僅かながらも揺動自在に支持されており、後述するように当該支点を中心に歳差運動可能となっている。
軸体3の(+Q)側端部は貯留空間211に延びており、第2角度調整部材5Bを介してバルブ300のロータ320に連結されている。この第2角度調整部材5Bは第1角度調整部材5Aと同様に構成されており、軸体3に対して第1角度調整部材5Aと対称な構成を有している。つまり、第2角度調整部材5Bも軸方向(吐出方向Q)に延びる軸形状を有しており、軸体3側(図6の上方側)に角度調整部52が設けられるとともに、バルブ300側(同図の下方側)に角度調整部51が設けられている。そして、角度調整部材5Bの角度調整部52の(−Q)側端部が軸体3の(+Q)側端部に連結されるとともに、角度調整部材5Bの角度調整部51の(+Q)側端部がバルブ300のロータ320に溶接されている。
以上のように、本実施形態では、軸体3はOリング4で軸支され、当該Oリング4により後部ブロック部220の開口部(穴)を塞いで貯留空間211と貫通孔221の内部空間を隙間なく仕切りながら揺動および回転自在となっている。そして、駆動部2のマイクロ電動モータが作動すると、駆動部2の駆動軸24が軸線AXに対して偏心回転するが、その偏心回転力が第1角度調整部材5Aを介して軸体3に与えられ、軸体3はOリング4の配設位置を支点として歳差運動(「みそすり運動」、「すりこぎ運動」とも呼ばれている)を行う。また、この軸体3の(+Q)側端部は第2角度調整部材5Bを介してバルブ300のロータ320に連結されているため、軸体3の歳差運動に応じてロータ320が軸線AXを中心に偏心回転する。したがって、貯留空間211内の流体が貫通孔221に流入する、また貫通孔221内の空気が貯留空間211内の流体に入り込むという不都合を効果的に防止する、つまり優れたシール性を確保しながらロータ320の偏心回転を制御して流体の流量を制御することができる。
なお、本実施形態では、駆動部2で発生する偏心回転をロータ320の偏心回転に適合させるために、次に説明するようにレバー比を「2」に設定している。すなわち、上記のように構成された第1角度調整部材5A、5Bでは、基本的に角度調整部51、52の中心点が角度調整の中心であり、例えば図6に示すケースでは角度調整部52、52が主体的に屈曲して角度調整される。この場合、角度調整部52、52の中心点が角度調整の中心であり、軸体33の歳差運動の支点となるOリング4から角度調整部材5Aの角度調整部52の中心点P1までの距離を「L1」、Oリング4から角度調整部材5Bの角度調整部52の中心点P2までの距離を「L2」とし、中心点P1における駆動部2の軸線AXからの変位量を「e1」とし、中心点P2における駆動部2の軸線AXからの変位量を「e2」とすれば、
e1/L1=e2/L2
で示す関係が成立する。したがって、例えば距離L1=2[mm]、距離L2=4[mm]となっており、変位量e2=120[μm]である場合、上記レバー比(=2)から変位量e1は60[μm]となり、それを角度調整部材5A、5Bにより吸収する。また、駆動源として上記マイクロ電動モータを用いることにより、駆動部2の回転軸のラジアル方向クリアランス、つまり変位量e1=60[μm]が、駆動軸24の延長線上で倍加し、距離L3=6[mm]の位置では、120μm(片側60μm)となることを利用して変位量e1=60[μm]を吸収することができる。このように構成した場合、Oリング4を設けた支点位置では軸体33は軸線AXと一致し、しかも歳差運動中での軸体3からの変位をゼロに抑えることができる。その結果、軸体33の軸支位置、つまりOリング4の配設位置でのシール性を高めることができ、流体の漏れをより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、図5に示すように、駆動部2に近接して回転軸430に光が通過する横穴431が形成されていて当該横穴431を透過式光電センサで検出する度にパルス信号を出力するように構成され、回転軸430の概ねの角度を検出可能となっている。さらに、マイクロ電動モータの回転軸が1回転する毎にエンコーダからパルス信号が1回出力されるように構成されている。そして、これらの信号を使用して原点を正確に決定し、バルブ300のロータ320の偏心回転位置を制御することで、上記したように吐出量を制御可能となっている。
このように、本実施形態では、Oリング固定板230が本発明の「隔壁」の一例に相当しており、そのOリング固定板230の(+Q)側の領域、つまり貯留空間211が本発明の「隔壁により仕切られた一方領域」に相当し、(−Q)側の領域、つまり貫通孔221の内部空間が本発明の「隔壁を挟んで前記一方領域の反対側の他方領域」に相当している。また、駆動発生ユニット21のマイクロ電動モータが本発明の「駆動モータ」の一例に相当している。また、バルブ300が本発明の「回転負荷部」の一例に相当しており、バルブ300のロータ320が本発明の「従動軸」として機能している。
B.パターン形成装置
ところで、上記した流体吐出装置についてはパターン形成装置に適用することができ、当該適用によって優れた作用効果が発揮される。以下、流体吐出装置100をパターン形成装置に適用した実施形態を例示して説明する。
パターン形成装置は、パターンを形成するための材料を含んだ塗布液を基板上に塗布しこれを硬化させる装置であり、例えば光電変換面を有する基板に配線パターンを形成して光電変換デバイスを製造する技術に適用可能である。この技術では、多数の吐出口を有するノズルを基板に対し走査移動させるとともに、各吐出口からパターン形成材料を含む塗布液を吐出させることによって、互いに平行で長さの等しい多数のライン状パターンを基板上に形成している。
ところで、この種のパターン形成装置によってパターンを形成すべき基板の形状は様々である。例えば、太陽電池セルの基板として用いられる単結晶シリコン基板としては、正方形の四隅を切り落としたような八角形としたものがある。これは、円形の単結晶シリコンウエハの面積を有効に活用するためである。そのため、形成すべきパターンの長さは必ずしも一定ではない。
そこで、本発明にかかるパターン形成装置では、流体供給部から各吐出口までの流路上に上記バルブを設け、吐出口毎にバルブを開閉制御して塗布液の吐出および吐出停止を制御することで矩形形状ではない基板(以下、「異形基板」という)に対しも、塗布により効率よくパターンを形成することができる。以下、図8ないし図11を参照しつつ本発明にかかるパターン形成装置の一実施形態について詳述する。
図8は本発明にかかるパターン形成装置の一実施形態を示す図である。このパターン形成装置PFは、例えば表面に光電変換層を形成された単結晶シリコンウエハなどの基板W上に導電性を有する電極配線パターンを形成し、例えば太陽電池として利用される光電変換デバイスを製造する装置である。この装置PFは、例えば光電変換デバイスの光入射面に集電電極パターンを形成するという用途に好適に使用することができる。
このパターン形成装置PFでは、基台1110上にステージ移動機構1200が設けられ、基板Wを保持するステージ1300がステージ移動機構1200により図8に示すX−Y平面内で移動可能となっている。基台1110にはステージ1300を跨ぐようにしてフレーム1121が固定され、フレーム1121には塗布ヘッド部1500が取り付けられている。
ステージ移動機構1200は、ステージ1300をX方向に移動させるX方向移動機構1210、Y方向に移動させるY方向移動機構1220、および、Z方向を向く軸を中心に回転させるθ回転機構1230を有する。X方向移動機構1210は、モータ1211にボールねじ1212が接続され、さらに、Y方向移動機構1220に固定されたナット213がボールねじ1212に取り付けられた構造となっている。ボールねじ1212の上方にはガイドレール1214が固定され、モータ1211が回転すると、ナット213とともにY方向移動機構1220がガイドレール1214に沿ってX方向に滑らかに移動する。
Y方向移動機構1220もモータ1221、ボールねじ機構およびガイドレール1224を有し、モータ1221が回転するとボールねじ機構によりθ回転機構1230がガイドレール1224に沿ってY方向に移動する。θ回転機構1230はモータ231によりステージ1300をZ方向を向く軸を中心に回転させる。以上の構成により、塗布ヘッド部1500の基板Wに対する相対的な移動方向および向きが変更可能とされる。ステージ移動機構1200の各モータは、装置各部の動作を制御する制御部1600により制御される。
さらに、θ回転機構1230とステージ1300との間には、ステージ昇降機構1240が設けられている。ステージ昇降機構1240は、制御部1600からの制御指令に応じてステージ1300を昇降させ、基板Wを指定された高さ(Z方向位置)に位置決めする。ステージ昇降機構1240としては、例えばソレノイドや圧電素子などのアクチュエータによるもの、ギヤによるもの、楔の噛み合わせによるものなどを用いることができる。
塗布ヘッド部1500のベース1510には、液状(ペースト状)の塗布液を内部に貯留し制御部1600からの制御指令に応じて該塗布液を基板Wに向けて吐出する流体供給部1520が設けられている。流体供給部1520は、内部が空洞となって塗布液を貯留するシリンジポンプ1521と、該ポンプ1521の内部空間に挿入されたプランジャ1524とを備えている。プランジャ1524は、制御部1600により駆動制御されるモータ、ソレノイド等のアクチュエータまたは圧縮空気等によって上下駆動され、シリンジポンプ1521の内部空間に貯留された塗布液を加圧する。
また、流体供給部1520の下部には塗布液を基板Wに向けて吐出する機能を有する吐出ノズル1550が取り付けられている。吐出ノズル1550の詳しい構造については後述するが、その先端部には複数の吐出口1551がY方向に一列で形成されるとともに、流体供給部1520と各吐出口とを連通する塗布液流路が設けられている。また、各塗布液流路上に図3に示すバルブが設けられている。このため、プランジャ1524の作動によりシリンジポンプ1521が作動することで塗布液がノズル1550に向けて圧送され、さらに各バルブが開閉することで吐出口1551毎に個別に塗布液の吐出がオン・オフ制御される。
また、塗布ヘッド部1500のベース1510には、基板Wに向けてUV光(紫外線)を照射する光照射部1530が取り付けられている。光照射部1530は、紫外線を発生する光源ユニット1532に光ファイバ1531を介して接続される。図示を省略しているが、光源ユニット1532はその光出射部に開閉自在のシャッターを有しており、その開閉および開度によって出射光のオン・オフおよび光量を制御することができる。光源ユニット1532は制御部1600により制御されている。
図9は図8のパターン形成装置を用いて形成される太陽電池セルの例を示す図である。この太陽電池セルSは、単結晶シリコン基板Wの表面(光電変換面および反射防止膜が設けられた面)に、幅が細い多数のフィンガー配線パターンFと、これらを横断するように設けられたより幅広のバス配線パターンBとを設けた構造を有している。フィンガー配線パターンFとバス配線パターンBとはその交点において電気的に接続されている。
各部の寸法については、例えばフィンガー配線パターンFの幅および高さが50μm程度、バス配線パターンBの幅が1.8mmないし2.0mm、高さが50μmないし70μmとすることができるが、これらの数値に限定されるものではない。
シリコン基板Wは、概略正方形の四隅を切り取ってなる、中心軸Cに対して線対称な八角形をしている。これは、略円柱形に製造される単結晶シリコンロッドから切り出したウエハが円板形状をしており、その表面積を有効に利用して基板Wを作成する必要性から生じた形状である。
このため、基板W上に多数形成されるフィンガー電極Fは、基板Wの中央部の略矩形とみなせる矩形領域RRでは一定の長さを有しているが、端部領域ERではその形状に合わせて1本ごとに長さが異なっている。具体的には、矩形領域RRに形成される複数の電極Frはいずれも基板Wの長さより少し短い同一の長さを有しているのに対し、端部領域ERに形成される電極Feは、基板W端面の後退に伴って長さが変化し、基板最端部に近いものほど短くなっている。図9の例では、基板中央の矩形領域RRに20本の同一長の電極パターンFr、基板両端部の端部領域ERに互いに長さの異なる3本ずつの電極パターンFeがそれぞれ形成される。なお、これは単なる一例であり、パターンの本数はこれらに限定されるものではない。
吐出のオン・オフが一括して制御される多数のノズルを基板に対し一体的に相対移動させてパターンを形成する従来技術では、このような形状の基板に対応することができなかった。また、各ノズルを個別にオン・オフ制御するための具体的な技術はこれまで実用化されるに至っていない。これに対し、本実施形態のパターン形成装置PFは、以下に詳述する構造の吐出ノズルを用いて塗布を行うことにより、図9のような異形基板に対してもパターン形成を効率よく行うことが可能となっている。
図10は図8の装置によるフィンガー電極形成の様子を模式的に示す図である。図10(a)に示すように、この装置PFでは、基板Wを載置したステージ1300をX方向に移動させることによって、相対的に吐出ノズル1550を基板Wの表面に対して(−X)方向に走査移動させる。図10(b)に示すように、吐出ノズル1550の下面には、ノズル内部に形成された塗布液流路上に設けられたバルブ300と連通して開口する吐出口1551が設けられている。なお、各バルブ300の構成および各バルブ300を偏心回転させて吐出を制御する吐出制御部400については既に説明した通りであるため、ここでは詳しい説明については省略する。
吐出口1551は、吐出ノズル1550の下面に複数設けられており、これら複数の吐出口1551はY方向に沿って1列に等間隔で配置される。Y方向における吐出ノズル1550の寸法は同方向における基板Wの寸法と同程度またはそれ以上である。したがって、基板Wに対して吐出ノズル1550を1回走査移動させるのみで、基板Wの全面にフィンガー電極パターンFr,Feを形成することができる。
塗布液としては、導電性ペースト、すなわち導電性および光硬化性を有し、例えば導電性粒子、有機ビヒクル(溶剤、樹脂、増粘剤等の混合物)および光重合開始剤を含むペースト状の混合液を用いることができる。導電性粒子は電極の材料たる例えば銀粉末であり、有機ビヒクルは樹脂材料としてのエチルセルロースと有機溶剤を含む。また、塗布液の粘度は、光照射による硬化処理を実行する前において例えば50Pa・s(パスカル秒)以下で、硬化処理を実行した後は350Pa・s以上になることが好ましい。
吐出口1551から基板W表面に吐出された直後の塗布液に対して、ノズルの走査移動方向(−X方向)における吐出口1551の後方に配置された光照射部1530からの出射光Lが照射される。これにより、吐出直後の断面形状を維持したまま塗布液が硬化し、電極パターンFr,Feが形成される。吐出口1551の形状、塗布液の粘度および光照射条件を適宜に設定することにより種々の断面形状を有するパターンを形成することができ、特にパターン幅に対する高さの比、すなわちアスペクト比の高いパターンを形成することが可能である。
図11は本実施形態によるパターン形成処理を示すフローチャートである。この処理は、形成すべきパターンの本数に対応する26個の吐出口1551を有する吐出ノズル1550を用いて実行される。これらの吐出口1551の各々に対してバルブ300が設けられている。また、各吐出口1551に対応する回転駆動機構1が制御部1600により駆動制御されることでバルブ300が開閉制御される。このため、流体供給部1520から塗布液がノズル1550に向けて圧送された状態で、各バルブ300が開閉することで各吐出口1551からの塗布液の吐出を個別に制御可能となっている。なお、図10に示す符号P1ないしP3およびP24ないしP26は、端部領域ERを塗布するための吐出口を特定するための符号である。すなわち、26個の吐出口のうち最外側に位置する吐出口が符号P1,P26、これより1つ内側の吐出口を符号P2,P25、さらにこれより1つ内側の吐出口を符号P3,P24として表している。これらを除く残り20個の吐出口は矩形領域RRのパターンFrの形成に用いられる。これら吐出口P1〜P3,P24〜P26は後述するようにバルブの開閉制御によりその他の吐出口と異なるタイミングで独自に吐出制御される吐出口であり、本発明の「制御対象吐出口」の一例に相当している。
この処理では、最初に基板Wをパターン形成装置PFに搬入し、パターンを形成すべき面を上向きにしてステージ1300に載置する(ステップS101)。また、回転駆動部410を作動させて、全バルブ300のロータ320を回転角0゜に位置決めして全吐出口1551を閉塞しておく(ステップS102)。
この状態で、ステージ移動機構1200によりステージ1300をX方向に移動させ(ステップS103)、次いで、吐出ノズル1550が基板WのX方向端部の直上に移動してくるタイミングで、シリンジポンプ1521による塗布液への加圧を開始する(ステップS104)。また、これと同時に、吐出口P1〜P3,P24〜P26以外の吐出口1551に対応するバルブ300では、回転駆動部410によりロータ320を回転角90゜まで偏心回転させて開成される。これによって、中央部分に位置する20個の吐出口1551のみから塗布液の吐出が開始される。これにより矩形領域RRのパターンFrが形成開始される。
その後、以下の手順で制御対象吐出口を順次開放する(ステップS105)。すなわち、シリンジポンプ1521の加圧を開始してから所定時間経過後に制御対象吐出口のうち最も中央に近い吐出口P3,P24の閉塞をまず解除し、塗布液流路を開放する。次いでこれらの外側に隣接する吐出口P2,P25を開放し、最後に最も外側の吐出口P1,P26を開放する。これにより、基板Wの端部領域ERには、吐出口の開放タイミングに応じて始端位置がそれぞれ異なるパターンFeが形成される。
そのまま基板Wに対する吐出ノズル1550の走査移動を継続することで、基板W上には互いに平行な26本の電極パターンが形成されてゆく。基板Wが所定位置に達するまでこの状態を継続した後(ステップS106)、開放した順序とは逆の順序で、各吐出口P1〜P3,P24〜P26を順次閉塞する(ステップS107)。すなわち、最も外側の吐出口P1,P26を閉塞し、その後においてこれらに隣接する吐出口P2,P25を閉塞する。さらに、最も内側の吐出口P3,P24を閉塞する。吐出口の閉塞に伴って、当該吐出口からの塗布液によるパターン形成が少しずつ時間差を持って順次終了する。したがって、これらのパターンの終端位置も異なったものとなる。また、こうして終端側の端部領域ERへのパターン形成が完了し、さらに吐出ノズル1550が矩形領域RRの端部に達すると、上記吐出口P1〜P3,P24〜P26ではない吐出口1551を閉塞させる。
そして、シリンジポンプ1521からの加圧を停止する(ステップS108)。その後、ステージ1300の移動を停止し(ステップS109)、フィンガー電極パターンF(Fr,Fe)が形成された基板Wが搬出されて(ステップS110)、処理が完了する。
以上のようなパターン形成処理によると、基板Wの中央部の矩形領域RRでは、互いに平行で長さの等しいパターンFrが形成される。一方、基板両端の端部領域ERでは、基板Wの外側に近いほどパターンの形成開始が遅く、しかも形成終了が早くなる。基板Wと吐出ノズル1550とは一定速度で相対移動しているため、形成のタイミングの差異は基板W上におけるパターンの始端および終端位置に反映されて、最終的には図9および図10に示すようなフィンガー電極パターンFが形成される。この間、基板Wに対する吐出ノズル1550の走査移動は1回のみである。
また、各吐出口1551に対応してノズル1550の直近位置にバルブ300が設けられ、ロータ320の偏心回転により吐出口1551の開閉を個別に制御するように構成している。このため、吐出ノズル1550の走査移動によって一度に形成される多数のライン状パターンのうちの一部について、パターンの始端位置および終端位置を他のパターンと異ならせることができる。その結果、図9や図10に示すような異形基板であっても、その全面に効率よくパターンを形成することができる。
また、各バルブ300では、回転駆動機構1によってロータ320を偏心回転させることでバルブ300を開閉させているため、装置の小型化が可能である。そのため、上記したように比較的狭い間隔で吐出口1551を複数設けた、いわゆるマルチノズルにおいてもバルブ300を一列に配列することが可能となっている。
このように、本実施形態では、ステージ1300が本発明の「基板保持部」の一例として機能しており、ステージ移動機構1200が本発明の「走査移動部」の一例として機能している。
また、上記実施形態では、制御対象吐出口P1〜P3,P24〜P26に対応してバルブ300を設けるのみならず、それら以外の吐出口、つまり非制御対象吐出口に対してもバルブ300を設けて開閉制御しているが、非制御対象吐出口に対してバルブを設けることは必須事項ではない。例えば非制御対象吐出口からの吐出のオン・オフについては、シリンジポンプ1521のオン・オフにより制御してもよい。
また、上記実施形態では、一列に並ぶ吐出口のうち外側の一部を制御対象吐出口としているが、これに限定されない。すなわち、吐出口の配列が上記とは異なったものであってもよく、またどの吐出口を制御対象吐出口とするかは任意であり、これらのいずれにも本発明を適用することが可能である。また、全ての吐出口を制御対象吐出口としても構わない。また、上記実施形態では吐出ノズル1550における制御対象吐出口の配列が中心に対する対称性を有しているが、このことは必須の要件ではない。
C.その他
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、本発明にかかる回転駆動機構を、流体吐出装置100やパターン形成装置PFに適用しているが、本発明にかかる回転駆動機構の適用対象はこれに限定されるものではない。すなわち、駆動軸が所定の軸線に対して偏心回転したときに駆動軸の偏心回転力を隔壁により仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸に伝達して従動軸を軸線に対して偏心回転させる回転駆動機構全般に対して適用することができる。例えば一軸偏心ネジポンプを本発明にかかる回転駆動機構により駆動するように構成してもよい。つまり、断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、断面が円形形状であるとともに雌ネジ型ステータの雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを従動軸として有する雄ネジ型ロータとを備えたポンプを駆動するために、回転駆動機構が雄ネジ型ロータを従動軸として偏心回転させ、これによって雌ネジ型ステータに対する雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて雌ネジと雄ネジとの間に形成されるオリフィスを変化させて流れ方向に流体を送液させてもよい。
また、本実施形態のバルブ300や上記一軸偏心ネジポンプでは、ロータを積極的に軸線に対して偏心回転させるように構成しているが、機械的誤差によりロータなどの従動軸が偏心回転してしまう構成に対して本発明にかかる回転駆動機構を用いて回転駆動するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、マイクロ電動モータの回転軸が連結軸22、リジッドカップリング23および第2連結軸24を介して第1角度調整部材5Aと接続されて連結軸24が本発明の「駆動軸」として機能しているが、連結態様はこれに限定されず、またマイクロ電動モータの回転軸が第1角度調整部材5Aに直接接続され、本発明の「駆動軸」として機能するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、回転軸が偏心回転するという特性を有するマイクロ電動モータを駆動部2の駆動源として用い、駆動部2で発生した偏心回転力を回転駆動機構1によってロータ320に伝達してロータ320を偏心回転させているが、駆動部2の駆動源として偏心回転が発生しない駆動モータを用いてもよい。この場合、軸線の軸方向に延びる回転軸を回転させる駆動モータと、一方端部が回転軸に接続されるとともに他方端部が駆動軸に接続されて一方端部に与えられる回転駆動力に応じて駆動軸を偏心回転させる偏心部材とで駆動部を構成することができる。また、駆動源の駆動方式は電動式に限定されるものではなく、例えば圧空方式の駆動源を用いてもよい。
さらに、上記実施形態では、駆動部2で偏心回転力を発生させ、これを従動軸(実施形態ではロータ320)に伝達して偏心回転させているが、偏心回転力の発生源はこれに限定されるものではなく、例えばオペレータやユーザなどがマニュアル操作により発生させた偏心回転力を伝達する場合にも、本発明にかかる回転駆動機構によって偏心回転力を従動軸に伝達して偏心回転させるように構成してもよい。
この発明は、駆動軸が所定の軸線に対して偏心回転したときに駆動軸の偏心回転力を隔壁により仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸に伝達して従動軸を軸線に対して偏心回転させる回転駆動機構全般に適用することができる。また、流体吐出装置およびパターン形成装置に対しても、好適に適用することができる。
1…回転駆動機構
2…駆動部
5A…第1角度調整部材
5B…第2角度調整部材
24…駆動軸
51、52…角度調整部
100…流体吐出装置
210…前部ブロック部(ノズル)
212…吐出口
300…バルブ(回転負荷部)
320…ロータ(従動軸)
400…吐出制御部
P1〜P3,P24〜P26…制御対象吐出口
PF…パターン形成装置
W…基板

Claims (14)

  1. 駆動軸が所定の軸線に対して偏心回転したときに前記駆動軸の偏心回転力を隔壁により仕切られた一方領域に配置される回転負荷部の従動軸に伝達して前記従動軸を前記軸線に対して偏心回転させる回転駆動機構であって、
    前記軸線に対して傾斜した状態のまま、前記軸線が前記隔壁と交差する交差位置で前記隔壁に設けられた開口部に挿入されて一方端部が前記隔壁を挟んで前記一方領域の反対側の他方領域に延びるとともに他方端部が前記一方領域に延びる軸体と、
    前記交差位置で前記一方領域と前記他方領域を隙間なく仕切りながら前記軸体を回転自在に軸支する円環状のシール部材と、
    前記駆動軸と前記軸体の前記一方端部との角度関係を調整自在に前記駆動軸および前記一方端部を相互に連結する第1角度調整部材と、
    前記軸体の前記他方端部と前記従動軸との角度関係を調整自在に前記他方端部および前記従動軸を相互に連結する第2角度調整部材とを備え、
    前記駆動軸の偏心回転運動を前記第1角度調整部材によって前記軸体に伝達することで、前記軸体が前記シール部材により軸支される位置を支点として前記軸体を歳差運動させ、
    前記軸体の歳差運動を前記第2角度調整部材によって前記従動軸に伝達することで、前記従動軸を偏心回転させる回転駆動機構。
  2. 請求項1に記載の回転駆動機構であって、
    前記偏心回転力を発生させて前記従動軸を偏心回転させる駆動部を備える回転駆動機構。
  3. 請求項2に記載の回転駆動機構であって、
    前記駆動部は、前記軸線に対して偏心回転する回転軸を有する駆動モータを備え、
    前記回転軸が前記駆動軸として前記第1角度調整部材に直接接続される、または前記回転軸が連結部材を介して前記駆動軸に連結される回転駆動機構。
  4. 請求項2に記載の回転駆動機構であって、
    前記駆動部は、
    前記軸線の軸方向に延びる回転軸を回転させる駆動モータと、
    一方端部が前記回転軸に接続されるとともに他方端部が前記駆動軸に接続されて前記一方端部に与えられる回転駆動力に応じて前記駆動軸を偏心回転させる偏心部材と
    を備える回転駆動機構。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の回転駆動機構であって、
    前記支点から前記第1角度調整部材における角度調整の中心までの距離をL1とするとともに当該中心における前記軸線からの変位量をe1とし、
    前記支点から前記第2角度調整部材における角度調整の中心までの距離をL2とするとともに当該中心における前記軸線からの変位量をe2としたとき、次式
    e1/L1=e2/L2
    で示す関係が成立する回転駆動機構。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の回転駆動機構であって、
    前記回転負荷部が、
    断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、
    断面が円形形状であるとともに前記雌ネジ型ステータの前記雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを有する雄ネジ型ロータとを備え、
    前記雌ネジ型ステータの前記流れ方向の長さは前記雌ネジ型ステータの雌ネジピッチの1/4周期以上かつ1周期未満であり、
    前記雄ネジ型ロータが前記従動軸として前記回転駆動機構により偏心回転され、
    前記雌ネジ型ステータに対する前記雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて前記雌ネジと前記雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化して前記流れ方向の流体の流量を調整するバルブである回転駆動機構。
  7. 請求項6に記載の回転駆動機構であって、
    前記バルブは、前記雌ネジ型ステータの前記流れ方向の長さが前記雌ネジ型ステータの雌ネジピッチの1/2周期以上かつ1周期未満となるように構成され、
    前記雄ネジ型ロータを偏心回転させることで流体の流通および遮断を切り替える回転駆動機構。
  8. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の回転駆動機構であって、
    前記回転負荷部が、
    断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、
    断面が円形形状であるとともに前記雌ネジ型ステータの前記雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを前記従動軸として有する雄ネジ型ロータとを備え、
    前記雌ネジ型ステータに対する前記雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて前記雌ネジと前記雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化して前記流れ方向に流体を送液するポンプである回転駆動機構。
  9. 流体を供給する流体供給部と、
    前記流体供給部から供給される流体を吐出口から吐出するノズルと、
    前記流体供給部から前記ノズルの吐出口までの流体の流路上に設けられる回転負荷部と、
    前記回転負荷部を制御して前記吐出口からの流体の吐出を制御する吐出制御部とを備え、
    前記回転負荷部は、
    断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、
    断面が円形形状であるとともに前記雌ネジ型ステータの前記雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを有する雄ネジ型ロータとを備え、
    前記雌ネジ型ステータの前記流れ方向の長さは前記雌ネジ型ステータの雌ネジピッチの1/4周期以上かつ1周期未満であり、
    前記雌ネジ型ステータに対する前記雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて前記雌ネジと前記雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化して前記流れ方向の流体の流量を調整するバルブであり、
    前記吐出制御部は、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の回転駆動機構を有し、前記雄ネジ型ロータを前記従動軸として偏心回転させて流体の吐出を調整する流体吐出装置。
  10. 請求項9に記載の流体吐出装置であって、
    前記ノズルと前記バルブとが近接して配置される流体吐出装置。
  11. 請求項9または10に記載の流体吐出装置であって、
    前記流体はペースト状の塗布液である流体吐出装置。
  12. 基板を保持する基板保持部と、
    パターンを形成するための材料を含む流体を吐出する複数の吐出口を有するノズルと、
    前記流体を前記ノズルに供給する流体供給部と、
    前記複数の吐出口のうち少なくとも1つを制御対象吐出口として前記流体供給部から該制御対象吐出口に至る流路上に設けられる回転負荷部と、
    前記基板保持部に保持された前記基板に対して相対的に前記ノズルを走査移動させる走査移動部と、
    前記回転負荷部を制御して前記制御対象吐出口からの流体の吐出を制御する吐出制御部とを備え、
    前記回転負荷部は、
    断面が長円形状であるとともに流体の流れ方向に螺旋状に形成された雌ネジを有する雌ネジ型ステータと、
    断面が円形形状であるとともに前記雌ネジ型ステータの前記雌ネジと接しながら偏心回転自在な雄ネジを有する雄ネジ型ロータとを備え、
    前記雌ネジ型ステータの前記流れ方向の長さは前記雌ネジ型ステータの雌ネジピッチの1/4周期以上かつ1周期未満であり、
    前記雌ネジ型ステータに対する前記雄ネジ型ロータの相対回転角に応じて前記雌ネジと前記雄ネジとの間に形成されるオリフィスが変化して前記流れ方向の流体の流量を調整するバルブであり、
    前記吐出制御部は、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の回転駆動機構を有し、前記雄ネジ型ロータを前記従動軸として偏心回転させて流体の流量を調整するパターン形成装置。
  13. 請求項12に記載のパターン形成装置であって、
    前記ノズルと前記バルブとが近接して配置されるパターン形成装置。
  14. 請求項12または13に記載のパターン形成装置であって、
    前記流体はペースト状の塗布液であるパターン形成装置。
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CN115502034A (zh) * 2021-06-07 2022-12-23 万润科技股份有限公司 液室机构及液材挤出装置

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