JP2014161812A - 冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法、組成が調整された冷媒を製造する方法、化学反応促進装置、化学反応促進方法、及び化学反応が促進された化学品を製造する方法 - Google Patents

冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法、組成が調整された冷媒を製造する方法、化学反応促進装置、化学反応促進方法、及び化学反応が促進された化学品を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒又は化合物内に存在する不純物の化学反応を促進させて目的の組成とすることが可能な冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を提供する。
【解決手段】冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置100は、筒状の胴部110aと、胴部110aの両端部を閉塞する110b,110cとを有する本体110と、一端側が端壁部110cに取り付けられると共に、他端側が本体110内に位置し且つ端壁部110bに向かうように、胴部110aの中心軸に沿って延びる管部とを備える。本体110には、冷媒を導入するための開口H1が形成されている。胴部110aの内面には、中心軸に対して螺旋状に延びる螺旋溝116を、開口H1側に少なくとも有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法、組成が調整された冷媒を製造する方法、化学反応促進装置、化学反応促進方法、及び化学反応が促進された化学品を製造する方法に関する。
冷凍空調システムに用いるための種々の冷媒が知られている。特許文献1は、冷媒の一種であるペンタフルオロエタン(CHFCF、「R−125」ともいう。)の製造方法を開示している。ペンタフルオロエタンは、テトラクロロエチレン(CCl)を触媒の存在下でフッ化水素(HF)と反応させることにより得られる。
特表2009−519921号公報
しかしながら、テトラクロロエチレンとフッ化水素とは、化学反応式に従って100%の割合で反応してペンタフルオロエタンとなるわけではない。すなわち、得られたペンタフルオロエタン内には、未反応の原料や、原料からペンタフルオロエタンに至る間の中間物質や、化合物から分離したフッ素原子同士が単共有結合したF分子などの目的化合物以外の物質(以下、「不純物」という。)が含まれている。
このような不純物の存在は、ペンタフルオロエタンに限られず、化合物一般に見られる。すなわち、原料から化合物を得る際には、原料が完全に化合物に変化するわけではなく、必ず不純物が生ずる。たとえ化合物から不純物を除去したとしても、化合物をとりまく環境(例えば、温度や圧力)が変化した場合には、原子の結合状態が変化して不純物が生じうる。
そのため、本発明の目的は、冷媒又は化合物内に存在する不純物の化学反応を促進させて目的の組成とすることが可能な、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法、組成が調整された冷媒を製造する方法、化学反応促進装置、化学反応促進方法、及び化学反応が促進された化学品を製造する方法を提供することにある。
本発明の一側面に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置は、筒状の胴部と、胴部の両端部を閉塞する第1及び第2の端壁部とを有する本体と、一端側が第1の端壁部に取り付けられると共に、他端側が本体内に位置し且つ第2の端壁部に向かうように、胴部の中心軸に沿って延びる管部と、互いに離間するように配置された胴部の内周面と管部の外周面とで構成される冷媒の流路とを備え、本体には、気液混合状態の冷媒を導入するための開口が形成されており、胴部の内面は、中心軸に対して螺旋状に延びる第1の螺旋溝を開口側に少なくとも有しており、第1の螺旋溝の存在により凹凸が流路に沿って並んだ凹凸面を呈している。
本発明の一側面に係る冷媒の冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置では、胴部の内面が、中心軸に対して螺旋状に延びる第1の螺旋溝を開口側に少なくとも有している。気液混合状態の冷媒は、開口から導入されると、胴部のうち開口側に存在する第1の螺旋溝に衝突しつつ流路内を流れる。そのため、本体内において冷媒の旋回流が形成される。ここで、冷媒が第1の螺旋溝に沿って旋回しつつ流れる場合、冷媒の移動距離が増大するにもかかわらず、本発明の一側面に係る装置に流入する冷媒の流量と当該装置から流出する冷媒の流量とは同じであるため、当該装置内における冷媒の流速が極めて大きくなる。そのため、不純物を含む冷媒には、遠心力、第1の螺旋溝との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、冷媒中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、冷媒組成に再結合される。その結果、冷媒中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の冷媒組成とすることが可能となる。
胴部の内面は、第1の螺旋溝を胴部の全長にわたって有してもよい。この場合、不純物を含む冷媒が第1の螺旋溝に長く接触することとなる。そのため、不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより促進される。
開口側における第1の螺旋溝のピッチは、開口から離れる側における第1の螺旋溝のピッチよりも狭くてもよい。
中心軸方向における第1の螺旋溝の幅をLとし、第1の螺旋溝のうちピッチが狭い開口側に部分をL1としたときに、L1/L≧1/3を満してもよい。
胴部は、胴部の内壁面に取り付けられた円筒形コイルばねを含み、第1の螺旋溝は、円筒形コイルばねの隣り合う金属線の間隙によって構成されてもよい。この場合、円筒形コイルばねを用いることにより、第1の螺旋溝を簡便に且つ低コストで構成できる。
金属線の断面は円形状を呈しており、金属線の径は2mm〜6mmであってもよい。
開口は管部の一端と対向していなくてもよい。この場合、冷媒が開口から管部に直接流れにくくなる。
開口は、第2の端壁部のうちその外周縁側に形成されており、管部は中心軸上に位置しており、開口から導入される冷媒は、胴部の内周面に沿って流れ、第1の端壁部によってその向きを反転されて管部の外周面に沿って流れた後、管部の他端を通じて外部に流出してもよい。
開口は胴部のうち第1の端壁部側に形成されており、管部は中心軸上に位置しており、開口から導入される冷媒は、胴部の内周面と管部の外周面との間を流れ、第2の端壁部によってその向きを反転された後、管部の他端を通じて外部に流出してもよい。
本発明の一側面に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置は、開口に接続されると共に一端が本体内に位置する入口管部をさらに備え、入口管部の一端は、入口管部の軸に対して斜めに傾斜しており、入口管部の一端のうち胴部に近い側の部分は、入口管部の一端のうち中心軸側の部分よりも短くてもよい。この場合、入口管部の一端は、胴部の内面側に向かう。そのため、入口端部の一端から本体内に導入された冷媒は、主として第1の螺旋溝に向かって流れる。従って、本体内において冷媒の旋回流がより形成されやすくなる。その結果、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより促進される。
管部の外周面は、中心軸に対して螺旋状に延びる第2の螺旋溝を有してもよい。この場合、冷媒が第2の螺旋溝に接しつつ流れるので、旋回流がさらに形成されやすくなる。そのため、第1の螺旋溝で化学結合が切断しきれなかった不純物があった場合でも、不純物を含む冷媒が管部の外周面に沿って流れることにより、当該不純物が外方(第1の螺旋溝側)に向けて移動しやすくなる。その結果、不純物が再び第1の螺旋溝に接して化学結合の切断が行われるので、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより一層促進される。
第2の螺旋溝は雄ねじによって構成されてもよい。この場合、第2の螺旋溝を簡便に且つ低コストで構成できる。
管部内には、管部の流路面積よりも小さい流路面積を有する絞り部材が少なくとも一つ設けられていてもよい。この場合、絞り部材の上流側に対して絞り部材の下流側の圧力が低くなる。そのため、不純物に作用する冷媒からの力が相対的に低くなると共に、冷媒が絞り部材を通過する過程で不純物を含む冷媒に対して衝撃力が作用する。従って、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がさらに促進される。
絞り部材は、厚さ方向に貫通する少なくとも一つの貫通孔を有する平板であってもよい。
本発明の一側面に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置は、一端が第1の端壁部寄りに位置すると共に、他端が管部の他端に向かうように、本体内に配置された補助管部をさらに備えてもよい。第1の螺旋溝によって不純物の化学結合が切断されると共に冷媒組成へと再結合されると、冷媒がほぼ完全に液化されて大部分が管路から装置の外部へと流れ出ていくが、ほぼ完全に液化された冷媒のうち一部が第1の端壁部寄りに溜まって液溜まりを形成することがある。この場合、補助管部の一端が第1の端壁部寄りに位置し且つ補助管部の他端が管部の他端に向かっているので、液溜まりとなっている冷媒を補助管部により管部に直接流すことができる。従って、不純物が冷媒組成へと再結合されると共にほぼ完全に液化された冷媒を、補助管部を通じて効率よく下流側へ流すことが可能となる。
本発明の他の側面に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法は、上記の装置の開口から本体内に冷媒を導入し、流路内において冷媒を第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む。
本発明の他の側面に係る冷媒の組成を調整する方法では、気液混合状態の冷媒は、開口から導入されると、胴部のうち開口側に存在する第1の螺旋溝に衝突しつつ流路内を流れる。そのため、本体内において冷媒の旋回流が形成される。ここで、冷媒が第1の螺旋溝に沿って旋回しつつ流れる場合、冷媒の移動距離が増大するにもかかわらず、装置に流入する冷媒の流量と装置から流出する冷媒の流量とは同じであるため、装置内における冷媒の流速が極めて大きくなる。そのため、不純物を含む冷媒には、遠心力、第1の螺旋溝との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、冷媒中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、冷媒組成に再結合される。その結果、冷媒中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の冷媒組成とすることが可能となる。
本発明の他の側面に係る組成が調整された冷媒を製造する方法は、上記の装置の開口から本体内に冷媒を導入し、流路内において冷媒を第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む。
本発明の他の側面に係る冷媒を製造する方法では、気液混合状態の冷媒は、開口から導入されると、胴部のうち開口側に存在する第1の螺旋溝に衝突しつつ流路内を流れる。そのため、本体内において冷媒の旋回流が形成される。ここで、冷媒が第1の螺旋溝に沿って旋回しつつ流れる場合、冷媒の移動距離が増大するにもかかわらず、装置に流入する冷媒の流量と装置から流出する冷媒の流量とは同じであるため、装置内における冷媒の流速が極めて大きくなる。そのため、不純物を含む冷媒には、遠心力、第1の螺旋溝との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、冷媒中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、冷媒組成に再結合される。その結果、冷媒中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の冷媒組成とすることが可能となる。
本発明の他の側面に係る化学反応促進装置は、筒状の胴部と、胴部の両端部を閉塞する第1及び第2の端壁部とを有する本体と、一端側が第1の端壁部に取り付けられると共に、他端側が本体内に位置し且つ第2の端壁部に向かうように、胴部の中心軸に沿って延びる管部と、互いに離間するように配置された胴部の内周面と管部の外周面とで構成される化学品の流路とを備え、本体には、気液混合状態の化学品を導入するための開口が形成されており、胴部の内面は、中心軸に対して螺旋状に延びる第1の螺旋溝を開口側に少なくとも有しており、第1の螺旋溝の存在により凹凸が流路に沿って並んだ凹凸面を呈している。
本発明の他の側面に係る化学反応促進装置では、胴部の内面が、中心軸に対して螺旋状に延びる第1の螺旋溝を開口側に少なくとも有している。気液混合状態の化学品は、開口から導入されると、胴部のうち開口側に存在する第1の螺旋溝に衝突しつつ流路内を流れる。そのため、本体内において化学品の旋回流が形成される。ここで、化学品が第1の螺旋溝に沿って旋回しつつ流れる場合、化学品の移動距離が増大するにもかかわらず、本発明の他の側面に係る装置に流入する化学品の流量と当該装置から流出する化学品の流量とは同じであるため、当該装置内における化学品の流速が極めて大きくなる。そのため、不純物を含む化学品には、遠心力、第1の螺旋溝との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、化学品中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、化学品の組成として再結合される。その結果、化学品中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の化学品組成とすることが可能となる。
本発明の他の側面に係る化学反応促進方法は、上記の化学反応促進装置の開口から本体内に化学品を導入し、流路内において化学品を第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む。
本発明の他の側面に係る化学反応促進方法では、気液混合状態の化学品は、開口から導入されると、胴部のうち開口側に存在する第1の螺旋溝に衝突しつつ流路内を流れる。そのため、本体内において化学品の旋回流が形成される。ここで、化学品が第1の螺旋溝に沿って旋回しつつ流れる場合、化学品の移動距離が増大するにもかかわらず、装置に流入する化学品の流量と装置から流出する化学品の流量とは同じであるため、装置内における化学品の流速が極めて大きくなる。そのため、不純物を含む化学品には、遠心力、第1の螺旋溝との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、化学品中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、化学品の組成として再結合される。その結果、化学品中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の化学品組成とすることが可能となる。
本発明の他の側面に係る化学反応が促進された化学品を製造する方法は、上記の化学反応促進装置の開口から本体内に化学品を導入し、流路内において化学品を第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む。
本発明の他の側面に係る化学品を製造する方法では、気液混合状態の化学品は、開口から導入されると、胴部のうち開口側に存在する第1の螺旋溝に衝突しつつ流路内を流れる。そのため、本体内において化学品の旋回流が形成される。ここで、化学品が第1の螺旋溝に沿って旋回しつつ流れる場合、化学品の移動距離が増大するにもかかわらず、装置に流入する化学品の流量と装置から流出する化学品の流量とは同じであるため、装置内における化学品の流速が極めて大きくなる。そのため、不純物を含む化学品には、遠心力、第1の螺旋溝との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、化学品中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、化学品の組成として再結合される。その結果、化学品中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の化学品組成とすることが可能となる。
本発明によれば、冷媒又は化合物内に存在する不純物の化学反応を促進させて目的の組成とすることが可能な、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法、組成が調整された冷媒を製造する方法、化学反応促進装置、化学反応促進方法、及び化学反応が促進された化学品を製造する方法を提供できる。
図1は、本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を備える冷媒組成調整システムを示す概略図である。 図2(a)は本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を示す断面図であり、図2(b)は当該装置を中心軸方向から見たときの側面図である。 図3(a)は他の本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を示す断面図であり、図3(b)は当該装置を中心軸方向から見たときの側面図である。 図4(a)はさらに他の本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を示す断面図であり、図4(b)は当該装置を中心軸方向から見たときの側面図である。 図5(a)はさらに他の本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を示す断面図であり、図5(b)は絞り部材を中心軸方向から見たときの側面図である。 図6は、さらに他の本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を示す断面図である。 図7は、さらに他の本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を示す断面図である。 図8は、本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を備える冷媒組成調整システムの他の例を示す概略図である。 図9は、本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置を備える冷媒組成調整システムの他の例を示す概略図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、冷媒組成調整システム1は、原料を貯留する容器2,3と、製造された冷媒を貯留する容器4と、本実施形態に係る冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置100とを備える。容器2,3の下端にはそれぞれ、管路2a,3aが設けられている。これらの管路2a,3aは合流して、容器4の上端に設けられた管路4aと接続されている。装置100は、管路4aの中間部分に取り付けられている。
冷媒の種類としては、例えば、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HCF(ハイドロフルオロカーボン)又はその他の混合冷媒などが挙げられる。
CFCは、塩素を含んでいるため、オゾン層の破壊の程度が高いことが知られている。CFCとしては、例えば、R−11(CClF)、R−12(CCl)、R−13(CClF)、R−114(CCl)、R−115(CClFCF)などが挙げられる。CFC系混合冷媒としては、例えば、48.8%のR−22と51.2%のR−115とが混合されたR−502などが挙げられる。
HCFCは、塩素を含んでいるが水素も含んでいるため、オゾン層の破壊の程度が低いことが知られている。HCFCとしては、例えば、R−22(CHClF)、R−123(CHClCF)、R−123a(CHClFCClF)、R−124(CHClFCF)、R−141b(CHCClF)、R−142b(CHCClF)などが挙げられる。HCFC系のフロン代替混合冷媒としては、例えば、53%のR−22と13%のR−152aと34%のR−124とが混合されたR−401A、61%のR−22と11%のR−152aと28%のR−124とが混合されたR−401B、33%のR−22と15%のR−152aと52%のR−124とが混合されたR−401C、7%のR−125と46%のR−143と47%のR−22とが混合されたR−408A、60%のR−22と25%のR−124と15%のR−142bとが混合されたR−409A、65%のR−22と25%のR−124と10%のR−142bとが混合されたR−409Bなどが挙げられる。
HCFは、塩素を含んでいないため、オゾン層の破壊が全く起こらないことが知られている。HCFとしては、例えば、R−23(CHF)、R−32(ジフルオロメタンともいう)(CH)、R−125(ペンタフルオロエタンともいう)(CHFCF)、R−413a(CHCF)、R−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタンともいう)(CHFCF)、R−152a(CHCHF)、R−227ea(CFCHFCF)、R−236fa(CHCHCF)、R−245ca(CHCFCHF)、R−245cb(CFCFCH)、R−245fa(CFCHCHF)などが挙げられる。HCF系のフロン代替混合冷媒としては、例えば、44%のR−125と52%のR−143aと4%のR−134とが混合されたR−404A、20%のR−32と40%のR−125と40%のR−134aとが混合されたR−407A、10%のR−32と70%のR−125と20%のR−134とが混合されたR−407B、23%のR−32と25%のR−125と52%のR−134aとが混合されたR−407C、15%のR−32と15%のR−125と70%のR−134aとが混合されたR−407D、25%のR−32と15%のR−125と60%のR−134aとが混合されたR−407E、50%のR−32と50%のR−125とが混合されたR−410A、45%のR−32と55%のR−125とが混合されたR−410B、50%のR−12と50%のR−143とが混合されたR−507Aなどが挙げられる。
装置100は、図2に示されるように、本体110と、管部112,114とを有する。本体110は、胴部110aと、胴部110aの両端部を閉塞する一対の端壁部110b,110cとを含む。
胴部110aは、円筒状の筒体110dと、円筒形コイルばね110eとを含む。筒体110dの長さは例えば15cm程度に設定することができ、筒体110dの内径は例えば8.5cm程度に設定することができる。円筒形コイルばね110eは、筒体110dの内壁面に取り付けられている。そのため、胴部110aの内面は、胴部110aの中心軸(以下、「中心軸」という。)に対して螺旋状に延びる螺旋溝116を有する。すなわち、本実施形態において、螺旋溝116は、円筒形コイルばね110eの隣り合う金属線の間隙によって構成されている。
当該金属線の断面は、図2に示されるように、円形状を呈している。当該金属線の径は、2mm〜6mm程度に設定することができ、特に4mm程度に設定してもよい。胴部110aの内面(螺旋溝116)は、管部114の外周面とは離間している。そのため、胴部110aの内面と管部114の外周面との間において、冷媒が流れる流路が構成されている。胴部110aの内面は、螺旋溝116の存在により凹凸が当該流路に沿って(端壁部110b,110cの対向方向に)並んだ凹凸面を呈している。
本実施形態において、円筒形コイルばね110eの全長は、筒体110dの全長と略等しい。そのため、螺旋溝116は、胴部110aの全体にわたって存在している。図2に示されるように、本実施形態において、管部112側における螺旋溝116のピッチは、管部112から離れる側(管部114側)における螺旋溝116のピッチよりも狭い。中心軸方向における螺旋溝116(円筒形コイルばね110e)の全幅をLとし、螺旋溝116のうちピッチが狭い管部112側の部分をL1としたときに、L1/L≧1/3を満たしてもよいし、1/3≦L1/L≦2/3を満たしてもよいし、1/3≦L1/L≦1/2を満たしてもよい。管部114側における螺旋溝116のピッチは、管部112側から管部114側に向かうにつれて、連続的に又は段階的に広くなるように設定してもよい。
端壁部110b,110cは、円板状を呈する。端壁部110bの外周縁側には、開口H1が形成されている。管部112は、開口H1と連通するように端壁部110bに取り付けられている。端壁部110cの中心近傍には、開口H2が形成されている。管部114は、一端が本体110内(胴部110a内)に位置するように、開口H2内に挿通された状態で端壁部110cに取り付けられている。そのため、開口H1(管部112)と開口H2(管部114)とは、中心軸方向から見たときに対向していない。
管部114の外周面であって本体110内(胴部110a内)に位置する部分には、雄ねじが形成されている。そのため、管部114の外周面は、中心軸に対して螺旋状に延びる螺旋溝118を有する。管部114の螺旋溝118の巻き方向は、円筒形コイルばね110eの巻き方向と同じである。
本実施形態では、図2に示されるように、管部112が上向きとなるように管路4aの上流側(容器2,3側)に取り付けられていると共に、管部114が下向きとなるように管部4aの下流側(容器4側)に取り付けられている。しかしながら、装置100の向きはこれに限定されず、例えば、管部112が下向きで且つ管部114が上向きとなっていてもよいし、管部112,114が水平となっていてもよい。
続いて、冷媒組成調整システム1を用いて冷媒の組成を調整する方法について説明する。以下では、一例として、容器2に貯留された気液混合状体のR−32と容器3に貯留された気液混合状体のR−125とからR−410Aを製造する場合について説明する。
容器2から導出されたR−32と容器3から導出されたR−125とはそれぞれ管路2a,3aを通って管路4aにて合流し、混合された状態で装置100に至る。混合された状態の原料冷媒(R−32及びR−125)が装置100内に流入すると、原料冷媒は螺旋溝116に衝突しつつ流れる。そのため、本体110内において原料冷媒の旋回流が形成される。原料冷媒中には通常不純物が含まれており、冷媒の旋回流に随伴して流れる不純物は、旋回流から作用する遠心力により外方に向かい、胴部110aの内面に押し寄せられる。胴部110aの内面は螺旋溝116を有するので、不純物は螺旋溝116と接触しながら螺旋溝116に沿って流れていく。
ここで、冷媒が螺旋溝116に沿って旋回しつつ流れる場合、冷媒の移動距離が増大するにもかかわらず、管部112から装置100内に流入する冷媒の流量と管部114から装置100の外に流出する冷媒の流量とが同じであるため、装置100内における冷媒の流速が極めて大きくなる。具体的には、冷媒の移動距離は、円筒形コイルばね110eを構成する金属線の長さとほぼ同等となる。円筒形コイルばね110eの金属線の長さは例えば筒体110dの長さの100倍以上であるため、螺旋溝116に沿って流れる冷媒の流速も100倍以上に加速されて、マッハ1を超える速度に達する。そのため、不純物を含む冷媒には、遠心力、螺旋溝116との摩擦力、超高速で流れることによる衝撃力などの物理的な力が複合的且つ過大に作用する。従って、原料冷媒中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、目的化合物としての冷媒(R−410A)の組成に再結合される。なお、このような超高速の旋回流が装置100内で生ずる結果、中心軸寄りの領域(管部114の周囲)が真空に近い状態となっている。
胴部110aの内面における螺旋溝116に沿って流れた冷媒は、端壁部110cに当たってその流れの向きを反転され、管部114の外周面に沿いつつ端壁部110bに向かって流れる。つまり、冷媒は螺旋溝118に接しつつ流れるので、螺旋溝118によっても旋回流が形成される。そのため、螺旋溝116で化学結合が切断しきれなかった不純物があった場合でも、不純物を含む冷媒が管部114の外周面に沿って流れることにより、当該不純物が外方(螺旋溝116)に向けて移動しやすくなる。その結果、不純物が再び螺旋溝116に接して化学結合の切断が行われるので、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより一層促進される。
管部114の本体110内における端部まで冷媒が流れると、冷媒は、当該端部の開口から管部114内に流れる。そのため、組成が調整された冷媒(R−410A)が、管部114(開口H2)から流出する(図2の矢印参照)。装置100から流出した冷媒は、管路4aを通って容器4に貯留される。
以上のような本実施形態では、胴部110aの内面が、中心軸に対して螺旋状に延びる螺旋溝116を有する。不純物を含む液状の冷媒が螺旋溝116に衝突しつつ流れる過程で、不純物の化学結合が強制的に切断され、冷媒組成に再結合される。その結果、冷媒中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の冷媒組成とすることが可能となる。
本実施形態では、螺旋溝116が、胴部110aの全長にわたって存在している。そのため、不純物を含む冷媒が螺旋溝116に長く接触することとなる。従って、不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより促進される。
本実施形態では、螺旋溝116が円筒形コイルばね110eの隣り合う金属線の間隙によって構成されている。そのため、円筒形コイルばね110eを用いることにより、螺旋溝116を簡便に且つ低コストで構成できる。
本実施形態では、開口H1(管部112)と開口H2(管部114)とが、中心軸方向から見たときに対向していない。そのため、冷媒が開口H1(管部112)から開口H2(管部114)に直接流れにくくなっている。
本実施形態では、管部114の外周面が、中心軸に対して螺旋状に延びる螺旋溝118を有している。そのため、冷媒が螺旋溝118に接しつつ流れるので、旋回流がさらに形成されやすくなる。そのため、螺旋溝116で化学結合が切断しきれなかった不純物があった場合でも、不純物を含む冷媒が管部114の外周面に沿って流れることにより、当該不純物が外方(螺旋溝116側)に向けて移動しやすくなる。その結果、不純物が再び螺旋溝116に接して化学結合の切断が行われるので、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより一層促進される。
本実施形態では、螺旋溝118が雄ねじによって構成されている。そのため、螺旋溝118を簡便に且つ低コストで構成できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では円筒形コイルばね110eにより螺旋溝116を構成したが、筒体110dの内壁面に螺旋溝を直接形成してもよい。溝の断面形状として、U字形状、三角形状、四角形状、その他の異形状など、各種の形状を採用できる。
本実施形態では、螺旋溝116は筒体110dの全長と略等しい長さであったが、胴部110aの内面は、冷媒が流入する開口H1(管部112)側に少なくとも螺旋溝116を有していればよい。
本実施形態では、筒体110dは円筒状を呈していたが、筒体110dの形状として、六角形状(図3参照)又は四角形状(図4参照)といった多角形状や、楕円形状など、各種の形状を採用できる。
本実施形態では、管部112と連通する開口H1が端壁部110bに形成されていたが、胴部110aや端壁部110cに開口H1が形成されていてもよい。図4に示されるように、胴部110aにおける端壁部110c寄りの部分に開口H1が形成されている場合には、冷媒は、端壁部110bに向かって流れた後、管部114内に流れる。図4において、円筒形コイルばね110eは開口H1から端壁部110bにわたって存在している。すなわち、胴部110aの内面のうち、開口H1から端壁部110bの間の部分が、螺旋溝116を有している。これにより、円筒形コイルばね110eが開口H1を閉塞して冷媒の流れを妨げることを防いでいる。開口H1部分において円筒形コイルばね110eを構成する金属線同士が離間し、冷媒が流通できるようになっていれば、図4のように開口H1が胴部110aに形成されている場合でも、円筒形コイルばね110eが胴部110aの全長にわたって存在していてもよい。図4のように開口H1が胴部110aに形成されている場合には、開口H1から端壁部110bまでの螺旋溝116の長さをLとし、螺旋溝116のうちピッチが狭い管部112側の部分の長さをL1としたときに、L1/L≧1/3を満たしてもよいし、1/3≦L1/L≦2/3を満たしてもよいし、1/3≦L1/L≦1/2を満たしてもよい。
本実施形態における円筒形コイルばね110eの金属線の断面形状として、円形状や、矩形状など、各種の形状を採用できる。
本実施形態では、管部114の螺旋溝118が雄ねじによって構成されていたが、管部114の外周面に金属線を螺旋状に巻き付けて、隣り合う金属線の間隙によって螺旋溝118を構成してもよい。管部114に螺旋溝118がなくてもよい。
螺旋溝116,118のピッチは、中心軸方向に沿って一定でもよいし、変化してもよい。
図5に示されるように、管部114内には絞り部材120が設けられていてもよい。図5(a)に示される例では、平板状を呈する10個の絞り部材120が管部114内に設けられている。管部114内における絞り部材120の数は、5個〜10個程度であってもよいし、少なくとも一つであってもよい。
絞り部材120は、管部114の流路面積よりも小さい流路面積を提供することができればよい。絞り部材120によって提供される流路面積は、絞り部材120の存在により上流側において圧力が高まって、絞り部材120の上流側に位置する機器に負荷をかけない程度か、当該負荷がごく僅かとなるように設定されているとよい。絞り部材120によって提供される流路面積は、例えば、管部114によって提供される流路面積の2/3〜3/4程度に設定することができる。絞り部材120の形状は、平板状に限られず、種々の形状を採用することができる。絞り部材120が平板状である場合には、図5(b)に示されるように、厚さ方向に貫通する少なくとも一つの貫通孔120a(図5(b)では9個の貫通孔120a)が絞り部材120に形成されていてもよい。
絞り部材120の存在により、絞り部材120の上流側に対して絞り部材120の下流側の圧力が低くなる。そのため、不純物に作用する冷媒からの力が相対的に低くなると共に、冷媒が絞り部材120を通過する過程で不純物を含む冷媒に対して衝撃力が作用する。従って、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がさらに促進される。中心軸方向から見て、各絞り部材120の貫通孔120aが互いに重なり合っていてもよい。中心軸方向から見て、隣り合う絞り部材120の貫通孔120aが部分的に重なり合っているか、又は重なり合っていなくてもよい。この場合、冷媒に作用する衝撃力がより大きくなるので、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより一層促進される。
図6に示されるように、管部(入口管部)112の先端112aが管部112の中心軸に対して斜めに傾斜していてもよい。具体的には、管部112は、端壁部110bの開口H1に接続されている。管部112の先端112aは、本体110内(胴部110a内)に位置している。先端112aのうち胴部110aに近い側の部分が、先端112aのうち胴部110aの中心軸側の部分よりも短くなるように、管部112が本体110に対して取り付けられている。図6の例では、先端112aのうち胴部110aに近い側の部分は、胴部110aの内面に接しているが、胴部110aの内面に接していなくてもよい。管部112を以上のように構成すると、管部112の先端112aは、胴部110aの内壁面に向かう。そのため、管部112の先端112aから本体110内において冷媒の旋回流がより形成されやすくなる。その結果、冷媒中に存在する不純物の化学結合の切断と冷媒組成への再結合がより一層促進される。
図6に示されるように、装置100は、本体110内に配置された補助管部130を備えてもよい。具体的には、補助管部130は、管部114に沿って平行に延びる直線状部分と、U字形状に屈曲された屈曲部とが接続されて構成されている。補助管部130の一端(直線状部分の一端)130aは、端壁部110c寄りに位置している。補助管部130の他端(屈曲部の一端)130bは、管部114内に導かれて管部114の内面に接しており、管部114の先端に向かっている。
ところで、端壁部110cによって胴部110aの一端部が閉塞されているので、端壁部110cの近傍には、螺旋溝116によって不純物の化学結合が切断されると共に冷媒組成へと再結合された後の冷媒、すなわちほぼ完全に液化された冷媒が溜まりやすくなっている。特に、図6の例では、円筒形コイルばね110eが胴部110aの中央部に存在しており、端壁部110b,110cの近傍には円筒形コイルばね110eが存在していない。そのため、ほぼ完全に液化された冷媒がよりいっそう端壁部110cの近傍に溜まりやすくなっている。この冷媒の液溜まりが生ずる端壁部110c寄りに補助管部130の一端130aが位置しており、補助管部130の他端130bが管部114の先端に向かっているため、補助管部130により液溜まりとなっている冷媒を、補助管部130により管部114に直接流すことができる。従って、不純物が冷媒組成へと再結合されると共にほぼ完全に液化された冷媒を、補助管部130を通じて効率よく下流側へ流すことが可能となる。なお、図6の例では、円筒形コイルばね110eが胴部110aの全長にわたって存在していなかったが、図2の例のように、円筒形コイルばね110eが胴部110aの全長にわたって存在していてもよい。図6の例では、図5の例のように管部114内に絞り部材120が設けられているが、図2の例のように管部114内に絞り部材120が設けられていなくてもよい。
図7に示されるように、冷媒組成調整システム1において、2つ以上の装置100が連結されたものを用いてもよい。具体的には、図7(a)に示されるように、一方の装置110の管部114(開口H2)と他方の装置100の管部114(開口H2)とを連通させてもよい。この場合において、これらの2つの管部114同士が、直接接続されていてもよいし、間接的に接続されていてもよい。また、具体的には図7(b)に示されるように、一方の装置100の管部112(開口H1)と他方の装置100の管部112(開口H1)とを連通させてもよい。この場合において、これらの2つの管部112同士が、直接接続されていてもよいし、間接的に接続されていてもよい。なお、間接的に接続されているとは、2つの装置100の間に他の部材が介在していてもよいことを意味する。
本実施形態では、管路4aの中間部分に装置100を取り付けたが、図8に示されるように、管路2a,3aの中間部分にも装置100を取り付けてもよい。
本実施形態では、冷媒組成調整システム1が2つの原料の容器2,3を備えていたが、原料の容器を3つ以上備えていてもよい。この場合において、各原料の容器と管路4aとの間の管路にそれぞれ装置100を取り付けてもよい。
本実施形態では、複数の原料冷媒から目的化合物の冷媒を得る際に装置100を用いて冷媒組成の調整を行った。しかしながら、目的化合物としての冷媒を得た後であっても、当該冷媒をとりまく環境(例えば、温度や圧力)が変化した場合には、原子の結合状態が変化して不純物が生じうる。そのため、1つの原料冷媒を装置100に導入して冷媒組成の調整を行ってもよい。具体的には、図9に示されるように、容器2,4を管路4aにより接続し、管路4aの中間部分に装置100が取り付けられた冷媒組成調整システム1を用いてもよい。
本実施形態では、冷媒の組成を調整するために装置100を用いたが、装置100を冷媒以外の化学品を製造するために用いることができる。装置100に化学品を導入すると、化学品中に存在する不純物の化学結合が強制的に切断され、化学品の組成として再結合される。その結果、化学品中に不純物が存在する場合であっても、当該不純物の化学反応を促進させて目的の化学品組成とすることが可能となる。化学品としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、nブタン、イソペンタン、nペンタン等が挙げられる。
本実施形態に係る装置100は、冷媒の組成を調整すると共に、組成が調整された冷媒を製造するためのもの、又は化学品の化学反応を促進すると共に、化学反応が促進された化学品を製造するためのものであり、熱交換器や冷凍空調システムの一部として用いられる装置ではない。
1…冷媒組成調整システム、100…冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置、110…本体、110a…胴部、110b,110c…端壁部、110d…筒体、110e…円筒形コイルばね、112,114…管部、116,118…螺旋溝、120…絞り部材、120a…貫通孔、130…補助管部、H1,H2…開口。

Claims (20)

  1. 筒状の胴部と、前記胴部の両端部を閉塞する第1及び第2の端壁部とを有する本体と、
    一端側が前記第1の端壁部に取り付けられると共に、他端側が前記本体内に位置し且つ前記第2の端壁部に向かうように、前記胴部の中心軸に沿って延びる管部と、
    互いに離間するように配置された前記胴部の内周面と前記管部の外周面とで構成される冷媒の流路とを備え、
    前記本体には、気液混合状態の冷媒を導入するための開口が形成されており、
    前記胴部の内面は、
    前記中心軸に対して螺旋状に延びる第1の螺旋溝を前記開口側に少なくとも有しており、
    前記第1の螺旋溝の存在により凹凸が前記流路に沿って並んだ凹凸面を呈している、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる装置。
  2. 前記胴部の内面は、前記第1の螺旋溝を前記胴部の全長にわたって有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記開口側における前記第1の螺旋溝のピッチは、前記開口から離れる側における前記第1の螺旋溝のピッチよりも狭い、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記中心軸方向における前記第1の螺旋溝の幅をLとし、前記第1の螺旋溝のうちピッチが狭い前記開口側に部分をL1としたときに、L1/L≧1/3を満たす、請求項3に記載の装置。
  5. 前記胴部は、前記胴部の内壁面に取り付けられた円筒形コイルばねを含み、
    前記第1の螺旋溝は、前記円筒形コイルばねの隣り合う金属線の間隙によって構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記金属線の断面は円形状を呈しており、
    前記金属線の径は2mm〜6mmである、請求項5に記載の装置。
  7. 前記開口は前記管部の前記一端と対向していない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記開口は、前記第2の端壁部のうちその外周縁側に形成されており、
    前記管部は前記中心軸上に位置しており、
    前記開口から導入される冷媒は、前記胴部の内周面に沿って流れ、前記第1の端壁部によってその向きを反転されて前記管部の外周面に沿って流れた後、前記管部の前記他端を通じて外部に流出する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記開口は前記胴部のうち前記第1の端壁部側に形成されており、
    前記管部は前記中心軸上に位置しており、
    前記開口から導入される冷媒は、前記胴部の内周面と前記管部の外周面との間を流れ、前記第2の端壁部によってその向きを反転された後、前記管部の前記他端を通じて外部に流出する、請求項7に記載の装置。
  10. 前記開口に接続されると共に一端が前記本体内に位置する入口管部をさらに備え、
    前記入口管部の前記一端は、前記入口管部の軸に対して斜めに傾斜しており、
    前記入口管部の前記一端のうち前記胴部に近い側の部分は、前記入口管部の前記一端のうち前記中心軸側の部分よりも短い、請求項7〜9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記管部の外周面は、前記中心軸に対して螺旋状に延びる第2の螺旋溝を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記第2の螺旋溝は雄ねじによって構成される、請求項11に記載の装置。
  13. 前記管部内には、前記管部の流路面積よりも小さい流路面積を有する絞り部材が少なくとも一つ設けられている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記絞り部材は、厚さ方向に貫通する少なくとも一つの貫通孔を有する平板である、請求項13に記載の装置。
  15. 一端が前記第1の端壁部寄りに位置すると共に、他端が前記管部の前記他端に向かうように、前記本体内に配置された補助管部をさらに備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置の前記開口から前記本体内に冷媒を導入し、前記流路内において冷媒を前記第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む、冷媒に含まれる不純物を冷媒組成として再結合させる方法。
  17. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置の前記開口から前記本体内に冷媒を導入し、前記流路内において冷媒を前記第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む、組成が調整された冷媒を製造する方法。
  18. 筒状の胴部と、前記胴部の両端部を閉塞する第1及び第2の端壁部とを有する本体と、
    一端側が前記第1の端壁部に取り付けられると共に、他端側が前記本体内に位置し且つ前記第2の端壁部に向かうように、前記胴部の中心軸に沿って延びる管部と、
    互いに離間するように配置された前記胴部の内周面と前記管部の外周面とで構成される化学品の流路とを備え、
    前記本体には、気液混合状態の化学品を導入するための開口が形成されており、
    前記胴部の内面は、
    前記中心軸に対して螺旋状に延びる第1の螺旋溝を前記開口側に少なくとも有しており、
    前記第1の螺旋溝の存在により凹凸が前記流路に沿って並んだ凹凸面を呈している、化学反応促進装置。
  19. 請求項18に記載の装置の前記開口から前記本体内に化学品を導入し、前記流路内において化学品を前記第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む、化学反応促進方法。
  20. 請求項18に記載の装置の前記開口から前記本体内に化学品を導入し、前記流路内において化学品を前記第1の螺旋溝に衝突させつつ流通させる工程を含む、化学反応が促進された化学品を製造する方法。
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