JP2014159364A - フラーレン構造体およびそれを用いた用途 - Google Patents

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マラパン サティシュ
Qingmin Ji
慶敏 吉
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Abstract

【課題】 機能性を備えたフラーレン分子を用いた三次元のカーボン構造体およびその用途を提供すること。
【解決手段】 本発明によるフラーレン分子を含有するカーボン構造体は、フラーレン分子からなる細線と、銀イオン粒子または金属銀粒子とを含み、細線は、互いに交差しており、銀イオン粒子または金属銀粒子は、少なくとも細線の表面に位置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フラーレン分子を有するカーボン構造体およびその用途に関し、詳細には、機能性を備えたフラーレン分子を有する三次元カーボン構造体およびその用途に関する。
フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンに代表されるカーボン構造体は、電子材料、触媒、生体材料への応用が期待され、注目されている。
フラーレンを構成要素に用いたカーボン構造体として炭素細線を製造する技術がある(例えば、特許文献1および2を参照。)。特許文献1および2の炭素細線の製造方法は、フラーレンを溶解している第1溶媒を含む溶液と、第1溶媒よりもフラーレンの溶解能が小さな第2溶媒とを合わせる工程と、この溶液と第2溶媒との間に液−液界面を形成する工程と、液−液界面にて炭素細線を析出させる工程とを含む。特許文献1および2によれば、第1溶媒として炭化水素系溶媒および第2溶媒としてアルコール系溶媒を用い、液−液界面析出法を採用することにより、一次元のカーボン構造体として、フラーレンの針状結晶からなる炭素細線が得られる。このような炭素細線は、マイクロマシン等の超小型デバイスの導電性細線として利用され得る。
また、フラーレンを溶解する溶媒と、アルコール系溶媒との選択により、別のカーボン構造体を製造する技術がある(例えば、非特許文献1を参照。)。非特許文献1によれば、特許文献1および2と同様に、液−液界面析出法を採用するが、フラーレンを溶解する溶媒としてベンゼン、トルエン、CCl等、ならびに、アルコール系溶媒としてイソプロパノールまたはtert−ブチルアルコールを用いると、二次元のカーボン構造体としてフラーレンナノシートが得られる。さらに、このようなフラーレンナノシートは、液−液界面析出法に使用した溶媒の選択に応じて、さらなる水処理により、二次元のカーボン構造体であるフラーレンナノシートから一次元のカーボン構造体である炭素細線に変化し得る。フラーレンナノシートあるいは炭素細線のように二次元あるいは一次元のフラーレン構造体を溶媒の選択によって製造できるので、用途のさらなる拡大が期待できる。
しかしながら、引用文献1、2および非特許文献1のいずれも、三次元のフラーレン構造体を製造するにはいたっていない。一次元および二次元のフラーレン構造体に加えて、三次元のフラーレン構造体が得られれば、適用可能な用途が拡大するので、好ましい。また、フラーレン固有の特性に加えてさらなる機能性を有するフラーレン構造体が得られることが望まれる。
以上より、本発明の課題は、機能性を備えたフラーレン分子を用いた三次元のカーボン構造体およびその用途を提供することである。
本発明によるフラーレン分子を含有するカーボン構造体は、前記フラーレン分子からなる細線と、銀イオン粒子とを含み、前記細線は、互いに交差しており、前記銀イオン粒子は、少なくとも前記細線の表面に位置し、これにより上記課題を達成する。
本発明によるフラーレン分子を含有するカーボン構造体は、前記フラーレン分子からなる細線と、金属銀粒子とを含み、前記細線は、互いに交差しており、前記金属銀粒子は、少なくとも前記細線の表面に位置し、これにより上記課題を達成する。
前記フラーレン分子は、C60、高次フラーレン、内包フラーレン、および、その誘導体からなる群から選択され得る。
本発明による発光材料は、フラーレン分子からなり、互いに交差する細線と、少なくとも前記細線の表面に位置する銀イオン粒子とを含むカーボン構造体を含有し、これにより上記課題を達成する。
本発明による抗菌剤は、フラーレン分子からなり、互いに交差する細線と、少なくとも前記細線の表面に位置する銀イオン粒子とを含むカーボン構造体を含有し、これにより上記課題を達成する。
本発明によるSERS活性基板は、基板と、前記基板に付与された、フラーレン分子からなり、互いに交差する細線と、少なくとも前記細線の表面に位置する金属銀粒子とを含むカーボン構造体とを含み、これにより上記課題を達成する。
本発明による有機太陽電池は、透明基板と、第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とを備え、前記光電変換層は、上述のカーボン構造体を含み、これにより上記課題を達成する。
本発明によるカーボン構造体は、フラーレン分子からなる細線と、銀イオン粒子とを含み、細線は、互いに交差する。本発明によるカーボン構造体は、交差する細線により全体の構造が、三次元のフラーレン構造体である。さらに、本発明によるカーボン構造体において、銀イオン粒子は、少なくとも細線の表面に位置する。このような銀イオン粒子により、優れた発光特性および抗菌活性を有する。
また、本発明による別のカーボン構造体は、上記カーボン構造体の銀イオン粒子に代えて、金属銀粒子を含む。ここでも、本発明による別のカーボン構造体は、交差する細線により全体の構造が、三次元のフラーレン構造体である。さらに、本発明による別のカーボン構造体において、金属銀粒子は、少なくとも細線の表面に位置する。このような金属銀粒子により、優れたSERS活性を有する。
本発明によるフラーレン構造体を示す模式図 本発明によるカーボン構造体を製造するステップを示すフローチャート 本発明によるカーボン構造体の製造における変化を模式的に示す図 本発明による別のフラーレン構造体を示す模式図 本発明による別のフラーレン構造体を製造するステップを示すフローチャート 本発明によるカーボン構造体100、400を用いた有機太陽電池の模式図 本発明によるカーボン構造体400を用いた表面増強ラマン(SERS)活性基板の模式図 図2のステップS230後の実施例1のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 図2のステップS240後の実施例1のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 図2のステップS230後の実施例2のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 図2のステップS240後の比較例1のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 図2のステップS240後の比較例2および3のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 図2のステップS240後の比較例4〜6のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 実施例3のフラーレン構造体の様子を示すSEM像 実施例1のフラーレン構造体のSTEM元素マッピングを示す図 実施例1のフラーレン構造体のTG−DTAの結果を示す図 実施例1のフラーレン構造体のXRDパターンを示す図 比較例7のフラーレンC60、実施例1および3のフラーレン構造体のXRDパターンを示す図 実施例1のフラーレン構造体の発光スペクトルを示す図 比較例7のフラーレンC60、実施例1および3のフラーレン構造体およびナノポーラスC60ナノウィスカの発光スペクトルを示す図 比較例7のフラーレン、ならびに、実施例1および実施例3のフラーレン構造体のSERSスペクトルを示す図 実施例1のフラーレン構造体と比較例7のフラーレンC60との抗菌活性の様子を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、同様の構成要素には同様の参照番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明によるフラーレン構造体について詳述する。
図1は、本発明によるフラーレン構造体を示す模式図である。
本発明によるフラーレン構造体100は、フラーレン分子からなる細線110と、銀イオン粒子120とを含む。細線110は、互いに交差しており、六面体形状130を構成し、フラーレン構造体100の外観をなしている。また、銀イオン粒子120は、少なくとも細線110の表面に位置する。図1は、本発明によるフラーレン構造100の構造を理解するために、六面体形状130中に意図的に空隙が存在するように示されるが、実際には、六面体形状130は、細線110で満たされており、細線110が互いに交差する部分のみが空隙(孔)となり得ることを理解されたい。
本発明によるカーボン構造体100は、細線110により全体の構造が六面体形状130となる三次元のフラーレン構造体である。また、本発明によるカーボン構造体100は、フラーレン分子固有の性質(化学的安定性、耐熱性、断熱性、高い電子受容性、光エネルギ吸収性等)、および、細線110が交差した構造による多孔性に加えて、銀イオン粒子120による優れた発光特性および抗菌活性を有する。
細線110を構成するフラーレン分子は、C60、高次フラーレン、内包フラーレンおよびその誘導体からなる群から選択される。高次フラーレンは、C60よりも炭素の多いフラーレンを意図し、例えば、C70、C74、C76、C78等である。内包フラーレンは、C60あるいは高次フラーレンに金属元素、窒素元素などを意図的に内包させたフラーレンを意図する。誘導体は、これらC60、高次フラーレンおよび内包フラーレンに、ヒドロキシル基、アルコキシ基等の任意の機能性の置換基を修飾させたフラーレンを意図する。これらフラーレン分子の中でも、C60は、入手が容易であり、後述する本発明の製造方法の実施容易性の観点からも好ましい。
本明細書において、細線110は、ウィスカ、ナノウィスカ、ナノファイバ、ワイヤ、ロッド、チューブ、ナノチューブと呼ばれる細線を意図している。また、細線110のそれぞれは、好ましくは、六面体形状130のX軸、Y軸およびZ軸方向に伸びており、互いに直交するようにして位置する。これは、細線110の核の成長方向が六面体形状130のX軸、Y軸およびZ軸方向であるためである。これにより、フラーレン構造体100の強度が増大し、機械的に安定となる。また、細線110が極めて規則的に位置することにより、六面体形状130は立方体となるので、フラーレン構造体100に方位依存性もなく、取り扱いに有利である。
銀イオン粒子120は、Agの銀イオンからなり、少なくとも細線110の表面に位置する。しかしながら、銀イオン粒子120は、細線110の内部に位置してもよい。例えば、細線110は、成長時に成長方向に孔を生じる場合があり、その孔を介して銀イオン粒子120が内部に位置してもよい。
本発明によるカーボン構造体100、すなわち六面体形状130の例示的な大きさ(1辺の長さ)は、4μm〜15μmである。なお、カーボン構造体100の大きさは、製造条件によって変化し得る。
次に、このようなカーボン構造体100を製造する方法を説明する。
図2は、本発明によるカーボン構造体を製造するステップを示すフローチャートである。
図3は、本発明によるカーボン構造体の製造における変化を模式的に示す図である。
図2および図3を参照して、本発明のカーボン構造体を製造するステップを詳述する。
ステップS210:1−ブタノールに銀塩を溶解させた銀イオン溶液をインキュベートする。
銀塩は、1−ブタノールに溶解し、銀イオンを生成する任意の銀塩が採用される。例示的には、銀塩は、硝酸銀、塩化銀、硫化銀、硫酸銀およびシアン化銀からなる群から選択される。中でも硝酸銀は、入手が容易であるとともに、本発明のカーボン構造体の製造を確実にするので好ましい。
銀イオン溶液は、飽和溶液であっても未飽和溶液であってもよいが、好ましくは飽和溶液である。飽和溶液であれば、後述のステップS230の析出させるステップにおいて、フラーレン構造体を効率的に析出させることができる。また、銀イオン溶液に、フラーレン構造体の析出を促進する助剤を添加してもよい。このような助剤は、例えば、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物、アルコキシド、その他の有機または無機化合物等である。
本発明の製造方法では、銀イオン溶液の溶媒として1−ブタノールを用い、銀イオン溶液をインキュベートすることによって、銀イオン溶液中の銀イオンは特定の凝集状態をとり得る。このような凝集状態については、詳細は解明されていないが、フラーレン構造体を構成する細線110(図1)を直交させる配位方向を持つ複合体であると想定され、これにより、図1を参照して詳述した六面体形状130をとり得る。
インキュベートは、好ましくは、銀イオン溶液を少なくとも8日間保持する。より好ましくは、インキュベートは、銀イオン溶液を暗所にて少なくとも8日間保持する。これは、銀イオン溶液の光化学反応を抑制し、効果的に凝集状態を維持するためである。なお、インキュベートする期間の上限に特に制限はないが、製造効率の観点から最大1ヶ月(約30日)とするのが好ましい。本明細書において、用語「インキュベート(incubate)」とは、溶液のエージングあるいは保持を意図する。
ステップS220:フラーレン分子の良溶媒にフラーレン分子を溶解させたフラーレン溶液に、ステップS210の銀イオン溶液を添加し、フラーレン溶液と銀イオン溶液との間に液−液界面を形成する。
フラーレン分子(図3の320)は、図1を参照して説明したフラーレン分子と同様であるため説明を省略する。フラーレン分子の良溶媒は、フラーレン分子を溶解する任意の溶媒であるが、好ましくは非極性溶媒である。例示的には、非極性溶媒は、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、ヘキサン、ペンタン、およびこれらの誘導体からなる群から選択される炭化水素系溶媒である。これらの炭化水素系溶媒の中でも、ベンゼン、トルエンおよびm−キシレンからなる群から選択される溶媒が好ましい。これらは、いずれも入手が容易であるとともに、本発明のカーボン構造体の製造を確実にするので好ましい。
このようにして得られたフラーレン溶液は、飽和溶液であっても未飽和溶液であってもよいが、好ましくは飽和溶液である。飽和溶液であれば、後述のステップS230の析出させるステップにおいて、フラーレン構造体を効率的に析出させることができる。なお、フラーレン溶液に、フラーレン分子の溶解を高める助剤を加えてもよい。このような助剤は、例えば、芳香族炭化水素類等である。
このようなフラーレン溶液に銀イオン溶液を添加し、フラーレン溶液と銀イオン溶液との間に液−液界面を形成する具体的な方法は、例えば、フラーレン溶液を入れた容器の壁面に銀イオン溶液を伝わせるように添加する壁法、あるいは、フラーレン溶液を入れた容器に銀イオン溶液を静かに滴下する滴下法がある。これにより液−液界面が形成される。
好ましくは、液−液界面を形成する具体的な方法は、壁法または滴下法により液−液界面を形成した後、フラーレン溶液と銀イオン溶液との混合物に超音波照射する。これにより、フラーレン溶液と銀イオン溶液とは相互に拡散し、後述の析出効率を向上させる。
より好ましくは、液−液界面を形成する具体的な方法は、上記混合物を遮光した状態で、1℃以上21℃以下の温度範囲に保持し、1分以上10分以下の間超音波照射する。遮光によりフラーレン溶液および銀イオン溶液の光化学反応を抑制できるので、不要な反応が生じることなく収率を向上させ得る。また、超音波照射時間は厳密である必要はないが、約10分間の比較的長い超音波照射を行うことにより、液−液界面の形成が促進され得る。
ここで図3を参照し、ステップS220における変化を説明する。ステップS220の液−液界面の形成に伴い、フラーレン溶液と銀イオン粒子との混合物中では、図3に示すように、フラーレン分子の良溶媒と1−ブタノールとの混合溶媒310中にフラーレン分子320と銀イオン粒子(図示せず)とが分散した状態A1をとる。
ステップS230:ステップS220にて形成された液−液界面にフラーレン構造体を析出させる。
フラーレン構造体の析出は、ステップS220で液−液界面を形成後のフラーレン溶液と銀イオン溶液との混合物を、静置すればよい。より好ましくは、上記混合物を、1℃以上21℃以下の温度範囲で、少なくとも20時間以上保持すればよい。混合物を1℃未満あるいは21℃を超えて保持すると、フラーレン構造体の析出効率が低下する場合がある。また析出時間が20時間未満であると、フラーレン構造体の析出が十分でない場合がある。また、ステップS220と同様に、ステップS230においても、好ましくは、混合物は遮光される。
ここで再度図3を参照し、ステップS230における変化を説明する。ステップS220で得られた状態A1は、ステップS230の析出により、状態B1、B2およびB3を経る。詳細には、析出時に、状態A1は、等方的に凝集し、立方晶最密構造をとる(状態A1から状態B1への変化)。次いで、状態B1は、静置される間、フラーレン分子320に基づいてフラーレン分子からなる核330を生成する(状態B1から状態B2への変化)。その後、状態B2は、さらに静置される間、立方晶最密構造内にて同相の様態で生成した核を成長させる(状態B2から状態B3への変化)。ここで状態B3の成長した核は、最終的に得られるフラーレン構造体の細線となる。細線は、立方晶最密構造のX軸、Y軸およびZ軸方向に伸びており、互いに直交し得る。状態B3における核の成長は、核が最終的に得られるフラーレン構造体の細線の長さになるまで、進行し、終了する。状態B1〜B3までは、ステップS230において、自己組織的に進行する。なお、銀イオン粒子は、状態B1〜B3の変化に伴い、フラーレン分子からなる核と相分離した状態で核の少なくとも表面に位置し得る。
しかしながら、ステップS230で得られたフラーレン構造体は、立方晶最密構造に基づく六面体形状を有する三次元のフラーレン構造体であり、位相同形のフラーレン分子からなる細線を有するが、その表面は非常に滑らかであり、フラーレン分子からなる細線は明瞭には現れない。
ステップS240:ステップS230で析出させたフラーレン構造体を1−ブタノールで洗浄する。これにより、フラーレン分子からなる細線が互いに交差したフラーレン構造体があらわになる(図3の状態B3から状態C1への変化)。このようにして、図1を参照して説明した本発明によるフラーレン構造体100が得られる。
以上、ステップS210〜S240により、本発明のフラーレン構造体100(図1)が得られる。銀イオン溶液の溶媒として1−ブタノールを用い、銀イオン溶液をインキュベートすることによって、銀イオン溶液中の銀イオンは特定の凝集状態をとり得る。そのような銀イオン溶液をフラーレン溶液に添加し、液−液界面を形成することにより、その界面に、自己組織的に、フラーレン分子が凝集した六面体形状を有するカーボン構造体を析出させることができる。このようなカーボン構造体を1−ブタノールで洗浄すれば、六面体形状を維持しつつ、かつ、表面に銀イオン粒子を有する、フラーレン分子からなる細線からなるカーボン構造体を得ることができる。
本発明によるフラーレン構造体100は、フラーレン分子固有の特性(化学的安定性、耐熱性、断熱性、高い電子受容性、光エネルギ吸収性等)および細線110が交差した構造による多孔性に加えて、少なくとも表面に位置する銀イオン粒子により発光特性および抗菌活性を有する。このようなフラーレン構造体100は、例えば、高い電子受容性を利用した太陽電池の光電変換層に、多孔性を利用した触媒、光触媒金属および抗菌剤の担体、吸着剤または物質合成テンプレートに、発光特性を利用した発光材料に、抗菌活性を利用した抗菌剤に適用され得る。また、本発明によるフラーレン構造体100は、共有結合でつながれていないのでフラーレン分子を溶解せしめる溶媒(例えば、芳香族炭化水素類等)との接触により速やかに、また、通常の生理的条件下でも徐々に分解するので、環境残留性が低く、環境汚染の心配がない。
(実施の形態2)
実施の形態2では、本発明による別のフラーレン構造体について詳述する。
図4は、本発明による別のフラーレン構造体を示す模式図である。
本発明による別のフラーレン構造体400は、フラーレン分子からなる細線110と、金属銀粒子410とを含む。細線110は、互いに交差しており、六面体形状130を構成し、フラーレン構造体400の外観をなしている。また、金属銀粒子410は、少なくとも細線110の表面に位置する。図4は、本発明による別のフラーレン構造体400の構造を理解するために、六面体形状130中に意図的に空隙があるように示されるが、実際には、六面体形状130は、細線110で満たされており、細線110が互いに交差する部分のみが空隙(孔)となり得ることを理解されたい。
ここで、細線110および六面体形状130は、それぞれ、図1のフラーレン構造体100における細線110および六面体形状130と同様であるため説明を省略する。
すなわち、図4に示す別のフラーレン構造体400は、図1に示すフラーレン構造体100における銀イオン粒子120に代えて金属銀粒子410を有する以外は、同様である。したがって、別のフラーレン構造体400もまた、細線110により全体の構造が六面体形状130となる三次元のフラーレン構造体である。さらに、本発明に別のよるカーボン構造体400は、フラーレン分子固有の性質(化学的安定性、耐熱性、断熱性、高い電子受容性、光エネルギ吸収性等)、および、細線110が交差した構造による多孔性に加えて、金属銀粒子410による優れたSERS活性を有する。
図5は、本発明による別のフラーレン構造体を製造するステップを示すフローチャートである。
ステップS510:互いに交差しており、全体として六面体形状130を構成しているフラーレン分子からなる細線110と、少なくともその表面に位置する銀イオン粒子120とを含むカーボン構造体100(図1)を、還元剤を用いて還元する。これにより、銀イオン粒子120は、金属イオン粒子410となる。
還元剤は、フラーレン分子が還元されない限り特に制限はないが、例えば、ヒドラジン水和物が適用され得る。ヒドラジン水和物は、銀イオン粒子120を還元するだけであり、フラーレン分子を還元することもなく、カーボン構造体全体の構造を損なうこともないため、好ましい。
還元は、好ましくは、カーボン構造体100を分散させた1−ブタノール溶液に還元剤を添加し、これを少なくとも2時間保持する。これにより、銀イオン粒子120は完全に還元され金属イオン粒子410となる。
なお、ステップS510に先立って、図2のステップS210〜S240を行い、カーボン構造体100を製造してもよい。
以上、ステップS510により、本発明による別のカーボン構造体400(図4)が得られる。カーボン構造体100(図1)の銀イオン粒子120(図1)を還元するだけでよいので、マイルドな条件を適用でき、カーボン構造体の三次元の六面体形状が損なわれることはない。
本発明による別のカーボン構造体400は、フラーレン分子固有の性質(化学的安定性、耐熱性、断熱性、高い電子受容性、光エネルギ吸収性等)、および、細線110が交差した構造による多孔性に加えて、金属銀粒子410による優れたSERS活性を有する。このようなフラーレン構造体400は、例えば、高い電子受容性を利用した太陽電池の光電変換層に、多孔性を利用した触媒、光触媒金属および抗菌剤の担体、吸着剤または物質合成テンプレートに、SERS活性を利用したSERS活性基板に適用され得る。また、本発明による別のフラーレン構造体400は、例えば、芳香族炭化水素類等の溶媒との接触により速やか分解するので、環境残留性が低く、環境汚染の心配がない。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1および2で説明したカーボン構造体100、400を用いた用途について詳述する。
図6は、本発明によるカーボン構造体100、400を用いた有機太陽電池の模式図を示す。
有機太陽電池600は、本発明によるカーボン構造体100、400の電子受容性を利用した用途の一例である。有機太陽電池600は、透明基板610と、第1の電極層620と、光電変換層630と、第2の電極層640とを備える。
透明基板610は、光透過率の高い任意の基板であるが、具体的には、ガラス基板、ポリカーボネート等の透明樹脂基板である。第1の電極層620は、光透過率の高い任意の電極であるが、具体的には、ITO、AZO、IZO等の透明導電性材料である。第2の電極層640は、光電変換層630で発生した電荷を収集する機能を有する任意の電極であるが、具体的には、Al、Au等の金属材料である。第1の電極層620および第2の電極層640は、物理的・化学的気相成長法等によって製造される。
光電変換層630は、導電性高分子と本発明によるカーボン構造体100、400とをさらに含む。導電性高分子は、電子供与性の任意の導電性高分子であるが、具体的には、ポリ(3−オクチルチオフェン)、フェニレンビニレン、フルオレン等である。カーボン構造体100、400は、実施の形態1および2と同様であるため説明を省略する。導電性高分子は、本発明によるカーボン構造体100、400における交差した細線の隙間を埋めるように位置する。これにより、カーボン構造体100、400に均一に分散された導電性高分子からなる光電変換層630となるので、光電変換層630全体にpn接合部が分散した状態となり、光電変換層630のさらなる薄膜化を可能にする。
光電変換層630は、本発明によるカーボン構造体100、400を、導電性高分子を含有する溶液に浸漬させ、これを塗布すればよい。これにより、カーボン構造体100、400中の細線が交差した空隙に導電性高分子が充填される。
このような有機太陽電池600の動作を説明する。
光が透明基板610および第1の電極層620を介して、光電変換層630に入射すると、光電変換層630中の導電性高分子において電子とホールとのエキシトンが生成される。次いで、エキシトンは、導電性高分子と本発明のフラーレン構造体100、400との界面まで移動し、電荷分離する。エキシトンから電荷分離された電子は、本発明のフラーレン構造体100、400間をホッピング伝導し、第2の電極640まで移動する。一方、エキシトンから電荷分離されたホールは、導電性高分子を介して第1の電極620まで移動する。このようにして、有機太陽電池600は動作する。
図7は、本発明によるカーボン構造体400を用いた表面増強ラマン(SERS)活性基板の模式図である。
SERS活性基板700は、本発明によるカーボン構造体400のSERS活性を利用した用途の一例である。SERS活性基板700は、基板710と、SERS活性材料720とを備える。
基板710は、ガラス基板等用途に応じた任意の基板である。SERS活性材料720は、本発明によるカーボン構造体400である。カーボン構造体400は、実施の形態2と同様であるため説明を省略する。なお、SERS活性材料720の基板710への付与は、例えば、カーボン構造体400を分散させた溶液の塗布、浸漬、または、スピンコートによって行われる。
このようなSERS活性基板700は、SERS活性材料720としてSERS活性に優れたカーボン構造体400を用いているので、単一分子についてもラマンスペクトル測定を可能にする。SERS活性基板700は、有機分析物あるいは微量環境物質の検出、高感度分析等に適用できる。
上述の例示的な用途以外にも、本発明によるカーボン構造体100の抗菌活性を利用した抗菌剤、あるいは、発光特性を利用した発光材料への適用は言うまでもない。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
実施例1では、フラーレン分子としてC60、フラーレン分子の良溶媒としてベンゼン、および、銀塩としてAgNOを用いて、図2の製造方法によりフラーレン構造体100を製造した。
過剰のC60粉末(純度99.5%、MTR Ltd.)をベンゼン(25mL)に溶解させ、30分間超音波照射した後、未溶解のC60粉末をろ過除去し、フラーレン溶液を得た。ここで、フラーレン溶液は飽和溶液であった。過剰のAgNO(約1g、和光純薬工業)を1−ブタノール(100mL)に溶解させ、5分間超音波照射した後、未溶解のAgNOをろ過除去し、銀イオン溶液を得た。ここで、銀イオン溶液は飽和溶液であった。
銀イオン溶液を8日間暗所にてインキュベートした(図2のステップS210)。フラーレン溶液(1mL)を10mLのガラス容器に入れ、アルミ箔により遮光した。次いで、フラーレン溶液を入れたガラス容器に、インキュベートした銀イオン溶液(5mL)をゆっくりと滴下し、ベンゼンと1−ブタノールとの間に液−液界面を形成した(図2のステップS220)。詳細には、氷水浴を用いて、フラーレン溶液と銀イオン溶液との混合物を15℃にて15分間静置させ、次いで、10分間超音波照射した。
氷水浴を用いて、超音波照射した混合物を透明なプラスチック窓のついたインキュベータ(SANYO MIR−153、三洋電機)内で、15℃、48時間保持し、フラーレン構造体を析出させた(図2のステップS230)。ここでもやはりアルミ箔で遮光した。析出したフラーレン構造体を走査型電子顕微鏡SEM(FE−SEM, Hitachi−4800)により観察した。シリコン基板にフラーレン構造体を滴下し、大気中で蒸発させ、SEM用の試料にした。観察時の加速電圧は15kVであった。観察結果を図8に示し後述する。
析出したフラーレン構造体を1−ブタノールで洗浄した(図2のステップS240)。このようにして、本発明によるフラーレン構造体100(図1)を製造した。洗浄後のフラーレン構造体について種々の分析を行った。
フラーレン構造体を上述のSEMおよび透過型電子顕微鏡TEM(JEOL JEM−2100F)により観察し、STEMマッピングモードを用いて元素マッピング分析を行った。フラーレン構造体を1−ブタノールで洗浄した後、炭素コーティングされたCu製グリッドに配置し、HR−TEMおよびSTEM用の試料にした。観察および分析時の加速電圧は200kVであった。結果を図9および図15に示し後述する。
さらに、フラーレン構造体について、エネルギ分散型X線分析(EDX)および示差熱熱重量同時分析TG−DTA(TG/DTA6300, Seiko Instrument Inc.)を行い、Ag含有量を測定した。アルミナ製パンに配置したフラーレン構造体(約7mg)を大気中室温から900℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の熱量と重量との変化を測定した。結果を図16に示し後述する。
フラーレン構造体について粉末X線回折XRD(RIGAKU, RINT2000)を行い、構造解析を行った。1−ブタノールで洗浄し、過剰の銀イオン粒子を除去した後、室温にて乾燥させたフラーレン構造体を測定に用いた。XRDでは、波長λ=1.541Åを有するCuKα線を用いた。結果を図17および図18に示し後述する。
フラーレン構造体の発光特性(PLスペクトル)を、液体窒素冷却CCD検出器を備えた分光光度計を用いたフォトルミネッセンス法により測定した。石英ガラスにフラーレン構造体をキャストしてPLスペクトル用の試料とした。試料を波長514.5nmを有するArレーザにより励起し、分光光度計により発光スペクトルを検出した。結果を図19および図20に示し後述する。
フラーレン構造体中に残留する溶媒を完全に除去するために、洗浄後のフラーレン構造体を真空中、150℃、2時間熱処理を行った。熱処理後のフラーレン構造体について、上述の手順によりXRDおよび発光特性を調べた。これらの結果を図17〜図20に示し、後述する。
フラーレン構造体のラマンスペクトルを、半導体レーザ(λ=532nm)を備えたマイクロラマンシステム(NRS−100, JASCO)を用いて測定した。ローダミン6Gエタノール溶液(10−7M)をフラーレン構造体に滴下し、乾燥させて、ラマンスペクトル用の試料とした。結果を図21に示し後述する。
フラーレン構造体の抗菌活性を抗菌試験により調べた。フラーレン構造体(1mg)を水(1mL)に分散させ、室温で1日保持し、抗菌試験用の試料とした。抗菌試験には、市販のDDチェッカコンタクトプレート(DENKA SEIKEN Co. Ltd.)を23℃〜27℃で24時間活性化させた。試料(10μL)をDDチェッカコンタクトプレートに滴下し、37℃で24時間培養させ、バクテリアを成長させた。なお、試料が滴下されたDDチェッカコンタクトプレートの表面に、顕色剤(4〜5滴)を滴下し、バクテリアの成長を可視化した。これにより、成長したコロニーの数に応じて発色(赤色)するので、バクテリアの成長を目視にて確認できる。
実施例2では、インキュベートを30日間行い、20時間フラーレン構造体を析出させた以外は、実施例1と同様であった。析出直後(図2のステップS230)のフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。観察結果を図10に示し後述する。
比較例1
比較例1では、インキュベートを行わない以外は、実施例1と同様であった。得られたフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。結果を図11に示し後述する。
比較例2
比較例2では、銀塩AgNOに代えてPdClを用いた以外は、実施例1と同様であった。得られたフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。観察結果を図12に示し後述する。
比較例3
比較例3では、銀塩AgNOに代えてHAuClを用いた以外は、実施例1と同様であった。得られたフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。観察結果を図12に示し後述する。
比較例4
比較例4では、1−ブタノールに代えて2−プロパノールを用いた以外は、実施例1と同様であった。得られたフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。観察結果を図13に示し後述する。
比較例5
比較例5では、銀塩AgNOに代えてPdClおよび1−ブタノールに代えて2−プロパノールを用いた以外は、実施例1と同様であった。得られたフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。観察結果を図13に示し後述する。
比較例6
比較例6では、銀塩AgNOに代えてHAuClおよび1−ブタノールに代えて2−プロパノールを用いた以外は、実施例1と同様であった。得られたフラーレン構造体を実施例1と同様にSEMにより観察した。観察結果を図13に示し後述する。
実施例3では、実施例1で得られたフラーレン構造体100(図1)を用いて、図5の製造方法により別のフラーレン構造体400(図4)を製造した。フラーレン構造体100を還元剤を用いて還元した(図5のステップS510)。詳細には、1−ブタノール5mLに分散させたフラーレン構造体100を、還元剤として、50倍に希釈したヒドラジン一水和物0.5mL(0.1mLヒドラジン一水和物を5mL1−ブタノールで希釈した)に添加し、2時間保持した。その後、フラーレン構造体100を1−ブタノールで洗浄し、過剰のヒドラジン一水和物を除去した。
このようにして得られた別のフラーレン構造体について種々の分析を行った。別のフラーレン構造体の表面観察、構造解析、発光特性およびSERS活性を、それぞれ、実施例1と同様に、SEM、粉末X線回折、フォトルミネッセンス法、および、ラマンスペクトル法により調べた。結果を図14、図18、図20および図21に示し、後述する。
比較例7
実施例1〜3および比較例1〜5において、出発原料として用いたフラーレンC60について、種々の分析を行い、実施例1〜3と比較した。フラーレンC60の構造解析、発光特性およびSERS活性を、それぞれ、実施例1と同様に、粉末X線回折、フォトルミネッセンス法、および、ラマンスペクトル法により調べた。結果を図18、図20および図21に示し、後述する。
以上、実施例1〜3および比較例1〜7の実験条件を表に示す。
次に、実施例1〜3、および、比較例1〜7の結果について詳述する。
図8は、図2のステップS230後の実施例1のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図8より、図2のステップS230直後に得られたフラーレン構造体は、六面体形状を有するものの、その表面は滑らかであり、細線を明瞭に示さなかった。また、フラーレン構造体は、1辺が約5μmの立方体(六面体)形状であった。
図9は、図2のステップS240後の実施例1のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図9(A)によれば、図2のステップS240の1−ブタノールによる洗浄後も、フラーレン構造体は、1辺が約5μmの立方体(六面体)形状を維持することが確認された。図9(B)によれば、フラーレン構造体の全体が、互いに交差する細線から構成されていることが分かった。
図8および図9より、本発明のカーボン構造体100(図1)を製造する際に、図2のステップS240の1−ブタノールでの洗浄が必須であることが確認された。
図10は、図2のステップS230後の実施例2のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図8と同様に、図2のステップS230直後に得られたフラーレン構造体は、六面体形状を有するものの、その表面は滑らかであり、細線を明瞭に示さなかった。また、フラーレン構造体は、1辺が約10μmの立方体(六面体)形状であった。なお、図示しないが、このようなフラーレン構造体に図2のステップS240を行うと、図9と同様に、互いに交差した細線から構成されたフラーレン構造体が得られることを確認した。
以上、図8〜図10によれば、本発明によるフラーレン構造体100(図1)は、図2のステップS240の1−ブタノールによる洗浄により、その表面形態を滑らかな表面から細線へと変化させることが分かった。また、インキュベートの期間および析出時間の違いにより、得られるフラーレン構造体の大きさを変化させることができる。
図11は、図2のステップS240後の比較例1のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図11によれば、インキュベートを行わなかった比較例1のフラーレン構造体は、細線を示すものの六面体形状を有しなかった。すなわち、比較例1では、三次元のフラーレン構造体は得られなかった。このことから、図2のステップS210のインキュベートは、細線が六面体形状を構成したフラーレン構造体100(図1)の製造に必須であることが確認された。
図12は、図2のステップS240後の比較例2および3のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図12(A)および(B)は、それぞれ、比較例2および比較例3のフラーレン構造体である。図12(A)によれば、フラーレン構造体は、ロッド状の細線を示し、図12(B)によれば、フラーレン構造体は、針状の細線を示したが、いずれも、細線から構成された六面体形状を有しなかった。すなわち、比較例2および3では、三次元のフラーレン構造体は得られなかった。このことから、図2のステップS210における銀塩は、細線が六面体形状を構成したフラーレン構造体100(図1)の製造に必須であることが確認された。
図13は、図2のステップS240後の比較例4〜6のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図13(A)〜(C)は、それぞれ、比較例4、比較例5および比較例6のフラーレン構造体である。図13(A)および(C)によれば、フラーレン構造体は、互いに交差する細線を示し、図13(B)によれば、フラーレン構造体は、細線と無定形の凝集体を示したが、細線から構成された六面体形状を有しなかった。すなわち、比較例4〜6では、三次元のフラーレン構造体は得られなかった。このことから、図2のステップS210における1−ブタノールは、細線が六面体形状を構成したフラーレン構造体100(図1)の製造に必須であることが確認された。
以上より、本発明によるフラーレン構造体100(図1)の製造においては、図2のすべてのステップが必須であることが示された。
図14は、実施例3のフラーレン構造体の様子を示すSEM像である。
図14は、図9(B)と同様の形態であり、細線が、1辺が約5μmの六面体形状を構成したフラーレン構造体を示した。このことから、図5のステップS510の還元を行っても、フラーレン構造体の形状に及ぼす影響はないことが分かった。
図15は、実施例1のフラーレン構造体のSTEM元素マッピングを示す図である。
図15の上段は、フラーレン構造体の各部位の電子顕微鏡写真であり、図15の中段は、炭素の分布図(炭素はグレースケールで明るく示される)であり、図15の下段は、銀の分布図(銀はグレースケールで明るく示される)である。図15の(a)欄は、フラーレン構造体の六面体形状全体であり、図15の(b)欄は、フラーレン構造体の六面体形状の角であり、図15の(c)欄は、フラーレン構造体の六面体形状を構成する細線1つである。なお、図示しないが、実施例3のフラーレン構造体(すなわち、実施例1のフラーレン構造体を還元したフラーレン構造体)も同様の結果を示した。
図15(a)および(b)より、フラーレン構造体の全体に炭素および銀が分布していることが分かる。図15(c)の上段より、細線の表面に粒子が位置しており、図15(c)の下段より、これら粒子は、銀であることが分かった。なお、この粒子のサイズは、10nm〜30nmの範囲であった。このことから、本発明によるフラーレン構造体100(図1)および別のフラーレン構造体400(図4)は、フラーレン分子(実施例1および3ではC60)からなり、互いに交差し六面体形状を構成した細線と、少なくとも細線の表面に位置する銀イオン粒子(実施例1)または金属銀粒子(実施例3)とを含むことが確認された。
図16は、実施例1のフラーレン構造体のTG−DTAの結果を示す図である。
図16から算出される銀含有量は、16wt%であった。この結果は、EDX(図示せず)より得られた銀含有量(16wt%〜20wt%)に良好に一致した。
図17は、実施例1のフラーレン構造体のXRDパターンを示す図である。
図18は、比較例7のフラーレンC60、実施例1および3のフラーレン構造体のXRDパターンを示す図である。
図17の(a)および図18の(b)は、図2のステップS240後、かつ、熱処理前の実施例1のフラーレン構造体のXRDパターンであり、図17の(b)および図18の(c)は、図2のステップS240後、かつ、熱処理後の実施例1のフラーレン構造体のXRDパターンであり、図18の(a)は、比較例7のフラーレンC60のXRDパターンであり、図18の(d)は、実施例3のフラーレン構造体(すなわち、実施例1のフラーレン構造体を還元したフラーレン構造体)のXRDパターンである。
図17中の「*」および「●」は、それぞれ、AgNOと、面心立方(fcc)結晶相とを示す。図17中に示すミラー指数の添え字「o」および「h」は、それぞれ、斜方晶および六方晶を示す。
図18の(a)に示されるように、フラーレンC60は、面心立方(fcc)格子を有することが知られている。一方、図17(a)および図18(b)によれば、実施例1の熱処理前のフラーレン構造体は、斜方晶と六方晶との混合であった。このことは、出発原料として用いたフラーレン分子C60が、C60のコンポーネントを有しつつ、C60粉末の結晶構造とは異なる結晶構造を有する細線を構成していることを示唆する。また、図18(b)から、実施例1の熱処理前のフラーレン構造体は、六方晶について格子長a=2.3517(3)nm、c=1.03335(6)nm、ならびに、斜方晶について格子長a=1.0159(2)nm、b=3.1341(4)nm、c=1.0083(5)nmを有することが分かった。
一方、図17(b)および図18(c)によれば、実施例1の熱処理後のフラーレン構造体には、六方晶および斜方晶の相変態により、fcc結晶相の形成が認められた。図示しないが、熱処理後もフラーレン構造体は六面体形状を維持することを確認した。このことから、熱処理によって、fcc結晶相の形成が認められるものの、フラーレン構造体の形状は変化しないことが分かった。
さらに、図18(d)によれば、実施例3のフラーレン構造体は、金属銀fcc結晶格子に特有の(111)の強い回折ピーク(JCPDF番号00−001−1164)を示した。このような強い(111)の回折ピークは、図18(b)および(c)には見られなかった。このことから、図5のステップS510の還元により、フラーレン構造体100における銀イオン粒子は、金属銀粒子に還元されることが確認された。なお、金属銀の強い回折ピークにより10°〜30°の低角側のフラーレン分子(ここではC60)のコンポーネントに特有のピークが不明瞭となっているが、挿入図に示すように、実施例3のフラーレン構造体もまた、C60のコンポーネントを示すことが確認された。
図19は、実施例1のフラーレン構造体の発光スペクトルを示す図である。
図20は、比較例7のフラーレンC60、実施例1および3のフラーレン構造体およびナノポーラスC60ナノウィスカの発光スペクトルを示す図である。
図19の(a)および図20の(ii)は、図2のステップS240後、かつ、熱処理前の実施例1のフラーレン構造体の発光スペクトルであり、図19の(b)は、図2のステップS240後、かつ、熱処理後の実施例1のフラーレン構造体の発光スペクトルであり、図20の(i)は、比較例7のフラーレンC60の発光スペクトルであり、図20の(iii)は、実施例3のフラーレン構造体(すなわち、実施例1のフラーレン構造体を還元したフラーレン構造体)の発光スペクトルであり、図20の(iv)は、ナノポーラスC60ナノウィスカの発光スペクトルを示す。なお、発光スペクトルの励起波長は、いずれも、514.5nmであった。
フラーレン分子(ここではC60)のフォトルミネッセンスは概して弱いことが知られている。これは、最低空軌道(LUMO)と最高被占軌道(HOMO)との間の光学的禁制遷移に基づく。例えば、図20(i)に見られる、弱い780nm近傍の発光帯は、直接励起−ポーラロン再結合によるゼロフォノン(ZP)線による。さらに、図20(i)の長波長側にブロードなテイルは、C60粉末の未分解のフォノンレプリカに起因する。
図19(a)および図20(ii)によれば、実施例1のフラーレン構造体は、図20(i)に見られた基本ZP帯を超える複数のシャープなピークを示した。これらのシャープなピークの強度は、基本ZP帯の強度の3倍〜5倍であった。なお、図19(a)と図19(b)とを比較すると、実施例1のフラーレン構造体の発光スペクトルは、熱処理(ここでは、真空中150℃2時間の熱処理)によっても変化せず、発光特性が安定であることが分かった。また、図17を参照して説明した、熱処理によるfcc結晶相の生成によっても、発光特性への影響はないことが確認された。
一方、図20(iii)によれば、実施例3のフラーレン構造体は、図20(i)のフラーレンC60に匹敵するPLスペクトルを示し、実施例1のフラーレン構造体で見られたシャープなピークを示さなかった。実施例3のフラーレン構造体の発光特性は、参考に示した図20(iv)のナノポーラスC60ナノウィスカのそれに類似していることが分かった。
図19および図20より、本発明のフラーレン構造体100(ここでは実施例1のフラーレン構造体)は、優れた発光特性を示し、本発明の別のフラーレン構造体400(ここでは実施例3のフラーレン構造体)は、発光特性を示さないことが確認された。このことから、実施例1のフラーレン構造体の発光特性は、その形態(六面体形状)に起因するのではなく、フラーレン分子(ここではC60)の局所的環境の効果に起因すると推測される。
詳細には、フラーレン分子C60と銀イオン粒子(Agイオン)との間の局所的な相互作用により、フラーレン分子C60の光学的禁制遷移の対称性選択則が緩和される。その結果、Jahn−TellerおよびHertzberg−Teller電子振動相互作用を含む電子状態と振動モードとの間のカップリングが促進され、図19および図20(ii)に示すように良好に分解された発光スペクトルが得られる。なお、図19および図20(ii)に示されるピーク強度は、例えば、C60を埋め込んだポーラスシリコンに見られるピーク強度よりも強いことが分かっており、C60と銀イオン粒子(Agイオン)との間により強い相互作用が働いていることが示唆される。このことは、本発明のフラーレン構造体100(ここでは、実施例1のフラーレン構造体)は、発光材料としてC60を埋め込んだポーラスシリコンよりも有望であることを示す。
図21は、比較例7のフラーレン、ならびに、実施例1および実施例3のフラーレン構造体のSERSスペクトルを示す図である。
図21(i)は、比較例7のフラーレンC60のSERSスペクトルであり、図21(ii)は、実施例1のフラーレン構造体のSERSスペクトルであり、図21(iii)は、実施例3のフラーレン構造体(すなわち、実施例1のフラーレン構造体を還元したフラーレン構造体)のSERSスペクトルである。
図21(i)および(ii)に示されるように、比較例1のフラーレンC60および実施例1のフラーレン構造体のいずれのSERSスペクトルも、ローダミン6Gを示すピークを示さなかった。一方、図21(iii)に示されるように、実施例3のフラーレン構造体のSERSスペクトルは、ローダミン6Gを示すピークを明瞭に示した。このことから、入射光に共鳴するラマン散乱の強度は、本発明による別のフラーレン構造体400(ここでは実施例3のフラーレン構造体)に固定された金属銀粒子において効率的に増大されることが確認された。このような別のフラーレン構造体400は、そのSERS活性を利用したSERS活性基板に適用できる。SERS活性基板は、有機分析物あるいは微量環境物質の検出、高感度分析等に利用され得る。
図22は、実施例1のフラーレン構造体と比較例7のフラーレンC60との抗菌活性の様子を示す図である。
図22(i)は、実施例1のフラーレン構造体の抗菌活性の様子であり、図22(ii)は、比較例7のフラーレンC60の抗菌活性の様子である。図22において、グレースケールで暗く示される部分は、バクテリアが発生していることを示す。
図22(i)によれば、実施例1のフラーレン構造体を用いた場合、バクテリアの発生は確認されなかった。さらに、10日間培養させても同様にバクテリアの発生は確認されなかった。一方、図22(ii)に示されるように、比較例7のフラーレンC60には、顕著なバクテリアの発生が確認された。このことから、このことは、本発明のフラーレン構造体100(ここでは、実施例1のフラーレン構造体)は、互いに交差し六面体形状を構成する細線の少なくとも表面に高濃度で位置する銀イオン粒子により、抗菌剤として有望であることを示す。
本発明によるフラーレン構造体は、フラーレン分子固有の特性(化学的安定性、耐熱性、断熱性、高い電子受容性、光エネルギ吸収性等)および多孔性に加えて、表面に位置する銀イオン粒子による発光特性および抗菌活性、あるいは、表面に位置する金属銀粒子によるSERS活性を有する。これらを利用した、太陽電池、触媒・抗菌剤等の担体、吸着剤、物質合成テンプレート、発光材料、抗菌剤、SERS活性基板に適用可能である。
100、400 フラーレン構造体
110 細線
120 銀イオン粒子
130 六面体形状
310 混合溶媒
320 フラーレン分子
330 核
410 金属銀粒子
600 太陽電池
610 透明基板
620 第1の電極
630 光電変換層
640 第2の電極
700 SERS活性基板
710 基板
720 SERS活性材料
特開2003−1600号公報 特開2008−69043号公報
M.Sathishら、J.AM.CHEM.SOC.2009,131,6372−6373

Claims (8)

  1. フラーレン分子を含有するカーボン構造体であって、
    前記フラーレン分子からなる細線と、
    銀イオン粒子と
    を含み、
    前記細線は、互いに交差しており、
    前記銀イオン粒子は、少なくとも前記細線の表面に位置する、カーボン構造体。
  2. 前記フラーレン分子は、C60、高次フラーレン、内包フラーレン、および、その誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載のカーボン構造体。
  3. フラーレン分子を含有するカーボン構造体であって、
    前記フラーレン分子からなる細線と、
    金属銀粒子と
    を含み、
    前記細線は、互いに交差しており、
    前記金属銀粒子は、少なくとも前記細線の表面に位置する、カーボン構造体。
  4. 前記フラーレン分子は、C60、高次フラーレン、内包フラーレン、および、その誘導体からなる群から選択される、請求項3に記載のカーボン構造体。
  5. 請求項1に記載のカーボン構造体を含有する発光材料。
  6. 請求項1に記載のカーボン構造体を含有する抗菌剤。
  7. 基板と、前記基板に付与された請求項3に記載のカーボン構造体とを含む、SERS活性基板。
  8. 透明基板と、第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とを備え、
    前記光電変換層は、請求項1または3に記載のカーボン構造体を含む、有機太陽電池。
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