JP2014158628A - 画像処理装置、画像処理方法、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、制御プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元画像に基づいて正確に椎体同士の境界を特定する。
【解決手段】画像処理装置1は、3次元CT画像において、終板、椎間板、および海綿骨に対応する画素を特定する画素特定部31と、脊椎の構造を終板、椎間板、および海綿骨を示すコードの配列によって表す脊椎コード配列を生成するコード配列生成部32と、脊椎コード配列のうち標準コード配列にマッチする区間において、該椎間板を示すコードに対応する位置を椎体同士の境界位置として特定する境界位置特定部33とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は画像処理装置および画像処理方法に関する。より具体的には、3次元画像における特徴を特定するための画像処理装置および画像処理方法に関する。
近年、骨粗鬆症の罹患者が増加傾向にある。そのため、骨粗鬆症の早期発見・早期治療の実現が求められている。現在臨床において、DXA(二重X線吸収法:Dual-energy X-ray Absorptiometry)が骨粗鬆症の診断に使用されており、また補助的にQCT(定量的CT測定法:Quantitative Computed Tomography)が使用されている。
骨粗鬆症等の早期発見・早期治療のためには、医師の負担を軽減できる骨粗鬆症診断の普及が必要である。それゆえ、コンピュータ支援診断(Computer Aided Diagnosis、CAD)による骨粗鬆症診断の実現が期待されている。
骨粗鬆症の診断は、椎体の中の海綿骨の骨密度の測定結果を利用して行われている。海綿骨の骨密度を測定するために3次元CT画像から1つの椎体を特定するためには、1列に並ぶ複数の椎体の境界位置を特定する必要がある。
非特許文献1には、3次元QCTを用いて骨粗鬆症を診断するための、対話型のシステムが記載されている。
非特許文献2には、椎体の中心軸上のCT値のプロファイルから椎間板を認識して、各椎体を分割するアルゴリズムが記載されている。
非特許文献3には、椎骨の統計的形状モデルをベースにして椎体を抽出するアルゴリズムが記載されている。
非特許文献4−7には、3次元CT画像から椎間板または終板等を抽出し、椎体を分割する方法が記載されている。
A Mastmeyer, K Engelke, C Fuchs, WA Kalender, "A hierarchical 3D segmentation method and the definition of vertebral body coordinate systems for QCT of the lumbar spine", Medical Image Analysis, 10, pp.560-577, 2006. J Yao, SD O’connor, RM Summers, "Automated spinal column extraction and partitioning", In: Proceedings of IEEE International Symposium Biomedical, Imaging: Nano to Macro. pp.390-393, 2006. T Klinder, J Ostermann, M Ehm, A Franz, R Kneser, C Lorenz, "Automated model-based vertebra detection, identification, and segmentation in CT images", Medical Image Analysis, 13, 471-482, 2009. 中山周平, 久保満,河田佳樹,仁木登, 町田優, 笹川道三,"マルチスライスCT 画像を用いた骨粗鬆症診断支援システムの構築", 信学技報,MI2002-83,19-23,2003. 仁木登,"肺がんCT 検診のコンピュータ支援診断の展開", 信学論(D)-II, Vol.J91-D-II,No.7,pp.1715-1729,2008. E Takahashi, S Saita, Y Kawata, N Niki, M Ito, H Nishitani, N Moriyama, "Computer aided diagnosis of osteoporosis using multi-slice CT images", Proc. SPIE Medical Imaging, Vol.7624, pp.76243Q-1-8, 2010. E Takahashi, Y Kawata, N Niki, Y Nakano, M Harada, N Moriyama, "Computer aided diagnosis for osteoporosis based on spinal column structure analysis", Proc. SPIE Medical Imaging, Vol.8315, pp.831533-1-8, 2012.
しかしながら、非特許文献1の技術は、椎体の位置を特定するために、医師による段階毎の入力操作を必要とする対話型のシステムである。そのため、医師の負担を軽減するためには、自動で椎体同士の境界を特定できるシステムを実現することが好ましい。
また非特許文献2−7の技術は、椎体の変形が小さい場合を対象とした技術であり、椎体の変形が大きい場合、例えば椎体骨折または脊椎側湾症等が生じている場合には検出精度が低くなるという問題を生じる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、3次元画像に基づいて正確に椎体同士の境界を特定する画像処理装置または画像処理方法を実現することにある。
本発明の一態様に係る画像処理装置は、被検体の脊椎を表し3次元に配列した画素を有する3次元画像から、上記脊椎における特徴を特定する画像処理装置であって、上記3次元画像において、終板に対応する領域、椎間板に対応する領域、および海綿骨に対応する領域を特定する領域特定部と、上記3次元画像に含まれる、上記脊椎が延びる第1方向と交差する上記脊椎の複数の断面像について、各断面像が上記終板、上記椎間板、および上記海綿骨のいずれに対応するかに応じて、上記脊椎の上記第1方向に沿った構造を上記終板を示すコード、上記椎間板を示すコード、および上記海綿骨を示すコードの配列によって表す1次元の脊椎コード配列を生成するコード配列生成部と、上記脊椎コード配列のうち、椎間板−終板−海綿骨の順番でコードが変化する第1区間において、該椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を上記脊椎の複数の椎体同士の境界位置として特定する境界位置特定部とを備える。
本発明の一態様に係る画像処理方法は、被検体の脊椎を表し3次元に配列した画素を有する3次元画像から、上記脊椎における特徴を特定する画像処理方法であって、上記3次元画像において、終板に対応する領域、椎間板に対応する領域、および海綿骨に対応する領域を特定する領域特定ステップと、上記3次元画像に含まれる、上記脊椎が延びる第1方向と交差する上記脊椎の複数の断面像について、各断面像が上記終板、上記椎間板、および上記海綿骨のいずれに対応するかに応じて、上記脊椎の上記第1方向に沿った構造を上記終板を示すコード、上記椎間板を示すコード、および上記海綿骨を示すコードの配列によって表す1次元の脊椎コード配列を生成するコード配列生成ステップと、上記脊椎コード配列のうち、椎間板−終板−海綿骨の順番でコードが変化する第1区間において、該椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を上記脊椎の複数の椎体同士の境界位置として特定する境界位置特定ステップとを含む。
上記構成によれば、3次元画像から脊椎の構造を表す1次元の脊椎コード配列を生成し、椎体コード配列に含まれる複数のコードが所定の順番で変化するか否かに基づき、椎体同士の境界位置を特定することができる。それゆえ、上記画像処理装置は、例えば椎体骨折等が生じている場合であっても、3次元画像から自動でかつ高い精度で椎体の境界位置を特定することができる。よって、特定された椎体の境界位置の情報を利用することにより、椎体骨折評価または海綿骨の骨密度評価に関して、利用者(医師)の負担を大きく軽減することができる。
上記画像処理装置は、肋骨と上記脊椎との接続位置または椎間孔の位置に対応する位置を、参照点として特定する参照点特定部を備え、上記境界位置特定部は、上記脊椎コード配列のうち上記第1区間に該当しない第2区間について、上記椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置から第1範囲内に上記参照点が存在する場合、該椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、所定の順番でコードが変化する区間に該当しない第2区間についても、参照点に基づいて椎体同士の境界位置を特定することができる。それゆえ、何らかの原因により終板等が正確に検出されない場合であっても、椎体同士の境界位置を精度よく特定することができる。
上記境界位置特定部は、上記第2区間について、上記終板を示すコードを生成した断面像に対応する位置から第2範囲内に上記参照点が存在する場合、該終板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、何らかの原因により椎間板等が正確に検出されない場合であっても、参照点に基づいて椎体同士の境界位置を精度よく特定することができる。
上記画像処理装置は、肋骨と上記脊椎との接続位置または椎間孔の位置に対応する位置を、参照点として特定する参照点特定部を備え、同じ上記コードが連続して並ぶ複数のコードを同値コード列とすると、上記脊椎コード配列のうち上記第1区間に該当しない第2区間について、上記境界位置特定部は、上記椎間板を示す上記同値コード列のうち上記参照点から最も近くにある上記同値コード列の中の少なくとも1つの上記コードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、何らかの原因により終板または椎間板等が正確に検出されない場合であっても、参照点に基づいて椎体同士の境界位置を精度よく特定することができる。
同じ上記コードが連続して並ぶ複数のコードを同値コード列とすると、上記第2区間について、上記境界位置特定部は、上記終板を示す上記同値コード列のうち上記参照点から最も近くにある上記同値コード列の中の少なくとも1つの上記コードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、何らかの原因により終板または椎間板等が正確に検出されない場合であっても、参照点に基づいて椎体同士の境界位置を精度よく特定することができる。
上記第1区間は、終板−椎間板−終板−海綿骨−終板−椎間板−終板の順番でコードが変化する区間であってもよい。
上記の構成によれば、脊椎コード配列から正常な椎体に対応するコード配列を特定することができる。
上記脊椎コード配列において、上記椎間板を示すコードと上記海綿骨を示すコードとが隣接している場合、または、上記脊椎コード配列において、上記コードが海綿骨−終板−海綿骨の順番で変化する場合、上記境界位置特定部は、上記被検体の脊椎に異常があると判定する構成であってもよい。
正常な脊椎の脊椎コード配列には、椎間板−海綿骨の順番でコードが変化する箇所、および海綿骨−終板−海綿骨の順番でコードが変化する箇所は存在しないと考えられる。上記の構成によれば、このようなコード配列が存在する場合に、脊椎に異常があると判定することができる。
上記領域特定部は、上記3次元画像の画素毎に、上記画素の画素値を第4の次元とする4次元超曲面の最大主曲率方向ベクトルを求め、上記最大主曲率方向ベクトルと上記第1方向とのなす角が、0°を含む第3範囲内である上記画素を、上記終板を示す画素の候補とし、上記終板を示す画素の候補の少なくとも一部よりなる領域を上記終板に対応する領域として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、脊椎の延びる方向に対してほぼ垂直な面形状の組織である終板を、3次元画像の画素値に基づいて特定することができる。それゆえ、椎体において椎間板と接する終板に対応する画素を精度よく特定することができる。
上記領域特定部は、特定された2つの上記終板に挟まれた第1領域を特定し、上記3次元画像にボトムハットフィルタを適用して得られる画素値が第1閾値以上の領域を第2領域として特定し、上記第1領域と上記第2領域とが重なる領域を上記椎間板に対応する領域として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、一般に画素値の大きい終板に挟まれた椎間板に対応する画素を、精度よく特定することができる。
上記第1方向に垂直な平面において、上記椎体から脊柱管に向かう方向を第2方向とすると、上記参照点特定部は、上記第1方向と交差する上記脊椎の断面像において上記脊柱管の位置から上記第2方向に垂直な方向に骨が存在しない場合、該断面像上の点を上記椎間孔の位置に対応する上記参照点として特定する構成であってもよい。
上記の構成によれば、第1方向に垂直な平面における椎体および脊柱管の位置に基づいて、椎間孔の位置を特定することができる。そのため、椎間孔の位置を正確に特定することができる。
上記画像処理装置は、上記3次元画像において、上記脊柱管を含む上記脊椎の領域を特定し、上記脊椎の領域から骨の領域を除去することにより上記脊柱管を含む第3領域を特定し、上記第3領域において所定の形状とマッチする領域を上記脊柱管として特定する脊柱管特定部を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、骨の領域を除去した第3領域から、所定の形状にマッチする脊柱管の位置を正確に特定することができる。
上記コード配列生成部は、上記第1方向と交差する上記脊椎の各断面像について、該断面像において上記椎体を示す領域に含まれる複数の点が、上記終板、上記椎間板、および上記海綿骨のいずれの領域に対応するかに応じて、該断面像に対応する上記コードを生成する構成であってもよい。
上記画像処理装置は、互いに隣接する2つの上記境界位置の間にある2つの上記終板の間隔から上記椎体の高さ分布を特定し、上記椎体の高さ分布に基づいて上記椎体の変形の程度を評価する評価部を備える構成であってもよい。
上記構成によれば、3次元画像から自動でかつ高い精度で椎体の変形の程度の評価を行うことができる。それゆえ、椎体骨折評価に関して、利用者(医師)の負担を大きく軽減することができる。
上記画像処理装置は、上記3次元画像の画素値は、骨の密度を反映したものであり、互いに隣接する2つの上記境界位置の間の領域における上記画素の上記画素値から、骨密度を評価する評価部を備える構成であってもよい。
上記構成によれば、3次元画像から自動でかつ高い精度で椎体の骨密度評価を行うことができる。それゆえ、骨密度評価に関して、利用者(医師)の負担を大きく軽減することができる。
上記3次元画像の画素値は、上記被検体におけるX線の吸収率に対応していてもよい。
本発明の各態様に係る画像処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像処理装置が備える各部として動作させることにより上記画像処理装置をコンピュータにて実現させる画像処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一態様によれば、例えば椎体骨折等が生じている場合であっても、3次元画像から自動でかつ高い精度で椎体の境界位置を特定することができる。よって、特定された椎体の境界位置の情報を利用することにより、椎体骨折評価または海綿骨の骨密度評価に関して、利用者(医師)の負担を大きく軽減することができる。
本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 (a)は生成された3次元の骨画像の一断面を示し、(b)は穴埋めされた画像の一断面を示し、(c)は距離変換画像の一断面を示し、(d)は逆距離変換画像の3次元表示を示す。 (a)は差分画像を示し、(b)は椎体領域を示す画像を示す。 (a)は、3次元CT画像において椎体中心線上の点を通り椎体中心線に垂直な断面を示す図であり、(b)は、3次元CT画像において椎体中心線および脊柱管中心線を通る断面を示す図である。 (a)は、胸骨および肋軟骨の領域の除去処理を示す断面図であり、(b)は、骨画像に対して距離変換をおこなって生成した脊椎からの距離変換画像を示す図である。 (a)は、脊椎を含む断面における最大主曲率を画素値とする画像を示し、(b)は、強調画像を示し、(c)は、脊椎を含む断面における椎体の構造を示す画像である。 正常な脊椎の脊椎コード配列の例を示す図である。 正常な脊椎の1つの椎体に対応する脊椎コード配列を拡大して示す図である。 (a)は、椎体中心線に垂直な断面における骨密度の測定領域ROIを示す図であり、(b)は、椎体中心線を通る断面における骨密度の測定領域ROIを示す図である。 上記画像処理装置の処理フローを示す図である。 境界位置を特定する処理フローを詳細に説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[実施形態1]
マルチスライスCT(MDCT)装置は、被検体の胸部X線断層画像を複数撮像し、連続して隣接する断層像を連結することで3次元画像を生成する。MDCT装置によって生成された3次元画像は、被検体の体内の組織によってX線が吸収された吸収率に基づいた断層像を用いて生成されている。従って、3次元画像を構成する画素の画素値は、対応する部位の上記X線の吸収率に対応している。なお図面におけるマルチスライスCT画像では、X線吸収率が高い箇所は明るく、低い箇所は暗い。
X線吸収率を評価するためには、一般的に、Hounsfield Unit(H.U.)という単位系が用いられる。この単位系では、純水(HO)のX線吸収率は0H.U.であり、空気(air)のX線吸収率は−1000H.U.と規定される。なお骨皮質は+1000H.U.程度である。
本実施形態の画像処理装置は、被検体の脊椎を撮影したマルチスライスCT画像から、自動で椎体の位置を特定し、自動で椎体骨折の有無および骨密度を評価することができる。これにより、骨粗鬆症診断を支援することができる。
なお、画像中の距離をmmで表すことがあるが、これは画像中の距離を実際の被検体における距離に換算したものである。
(画像処理装置の構成)
図1は、本実施形態の画像処理装置1の構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、脊椎構造解析部2、椎体構造解析部3、評価部4、出力部5、および記憶部6を備える。画像処理装置1は、外部(例えば図示しないMDCT装置)より3次元CT画像を取得し、記憶部6に記憶させる。この3次元CT画像は、被検体の脊椎を表し3次元に配列した画素を有する画像である。3次元CT画像の画素値は、CT値(H.U.)を表す。脊椎構造解析部2、椎体構造解析部3、および評価部4は、記憶部6に対してデータ(画像および特定した情報等)を読み書きすることができる。
(脊椎構造解析部の構成)
脊椎構造解析部2は、脊椎特定部21、脊柱管特定部22、代表線特定部23、および参照点特定部24を備える。
脊椎特定部21は、所定のCT値(例えば200H.U.〜80H.U.)を閾値tとして3次元画像を2値化した骨画像を生成する。上記閾値tは、例えば胸骨と肋骨とが連結して抽出できるような値に設定することができる。図2の(a)は、生成された3次元の骨画像の一断面を示す。図2の(a)では白い箇所が骨を表す。なお、図2の(a)では参考までに内臓器官等を暗いグレーで描いている。
脊椎特定部21は、骨画像にクロージング処理を適用して骨の領域内部の穴を埋めた画像を生成する。図2の(b)は、穴埋めされた画像の一断面を示す。
脊椎特定部21は、穴埋めされた画像の骨の領域にユークリッド距離変換を適用して、骨表面からの距離変換画像を生成する。図2の(c)は、距離変換画像の一断面を示す。距離変換画像では、骨領域において骨表面からの距離が大きい箇所ほど大きな画素値(図2の(c)において明るい)を有する。脊椎は椎骨が連なって構成され、体において中軸的な支持構造であるので、距離変換画像において大きな画素値(距離値)を有する画素が、脊椎に対応する。距離変換画像における距離値に基づいて、脊椎と、その他の細い骨とを区別することができる。他の太い骨である上腕骨を誤検出することを避けるために、脊椎特定部21は、3次元の距離変換画像における所定の断面(中間スライス)において、距離値の極大値を探索する。脊椎特定部21は、距離値が極大値となる画素をシードポイントとして、距離値の閾値d[mm]以上という条件を用いて領域拡張をすることにより、領域を抽出する。脊椎特定部21は、抽出された領域に逆距離変換を適用して領域を復元する。図2の(d)は、逆距離変換画像の3次元表示である。脊椎特定部21は、逆距離変換された領域と、穴埋めされた画像の骨の領域とが重なる領域を、脊椎として特定する。脊椎特定部21は、特定した脊椎の領域を2値で表す脊椎画像を脊柱管特定部22に出力する。
脊柱管特定部22は、脊椎の領域から骨の領域を除去することにより、脊柱管を含む領域を特定する。具体的には脊椎画像と骨画像の差分を求めることにより、脊柱管を含む領域(第3領域)を特定することができる。図3の(a)は、2値の脊椎画像の画素値(脊椎のみ1)から2値の骨画像の画素値(骨のみ1)を減じた差分画像を示す。差分が負なら差分画像の画素値を0とし、差分が正なら差分画像の画素値を1とする。なお図3では参考までに内臓器官等を暗いグレーで描いている。差分画像において画素値が1の領域は、脊柱管を含む領域を示す。
脊柱管特定部22は、所定の断面における脊柱管を含む領域において所定のテンプレートとマッチする領域を、脊柱管として特定する。所定のテンプレートは、例えば直径L[mm]で内側の画素値が1の円を含み、背景(N[mm]×N[mm])の画素値が0である画像を用いる。例えばNはLの2倍とする。差分画像I(x,y)上の点(u,v)における、テンプレートがT(i,j)との相違度m(u,v)は、次式で表される。
脊柱管特定部22は、相違度m(u,v)が最小になる位置を椎孔と特定する。脊柱管特定部22は、各断面において特定された椎孔を体軸方向に補間することにより、脊柱管の領域を特定する。また、脊柱管特定部22は、特定した脊柱管に3次元ユークリッド細線化を適用することにより、脊柱管の芯線を求め、芯線を平滑化することにより脊柱管中心線を求める。このようにして、脊柱管特定部22は、脊柱管の位置(脊柱管の領域および脊柱管中心線)を特定する。
代表線特定部23は、脊椎の領域を、脊柱管より被検体の前面側である椎体領域と、脊柱管より背面側の椎弓領域とに分割する。図3の(b)は、椎体領域を示す画像を示す。代表線特定部23は、脊柱管中心線と同様の手順で、椎体領域の位置を代表する椎体中心線(椎体代表線)を特定する。具体的には、椎体領域に対してテンプレートマッチングを行って椎体の領域を絞り込み、絞り込まれた椎体の領域に3次元ユークリッド細線化および平滑化を適用することにより、椎体中心線を特定することができる。椎体中心線は、椎体を通り、脊椎の複数の椎体が並ぶ方向に沿って延びる。椎体中心線の接線ベクトルは、脊椎が延びる方向(第1方向)と平行である。
参照点特定部24は、椎体中心線上の各点について、椎間孔の位置に対応するか否かを判定する。椎間孔は、脊柱管から両側面に空いた隙間である。1つ椎間孔は1つの椎体に対応して位置する。そのため、椎間孔の位置を特定できれば、椎体の位置を特定するための情報を得ることができる。すなわち、椎体の境界位置は、椎間孔の位置の付近にあると考えられる。図4の(a)は、3次元CT画像において椎体中心線上の点を通り椎体中心線に垂直な断面を示す図である。図4の(b)は、3次元CT画像において椎体中心線および脊柱管中心線を通る断面像を示す図である。椎体中心線上の点を通り椎体中心線に垂直な平面について、脊柱管中心線と該平面の交点をp0、椎体中心線と該平面の交点をp1とする。点p0から点p1に向かうベクトルをvとする。該平面においてベクトルvに垂直なベクトルをベクトルwとする。なお、該平面の法線ベクトルをベクトルnとする。参照点特定部24は、該平面において点p0からベクトルwの方向を探索し、所定の探索範囲内に骨が存在しない場合、椎体中心線上の点p1を椎間孔の位置に対応する参照点として特定する。所定の探索範囲は、例えば点p0から椎体領域の左右の境界までとする。
参照点特定部24は、椎体中心線上の各点について、肋骨と脊椎との接続位置に対応するか否かを判定する。脊椎は頸椎、胸椎、および腰椎からなり、胸椎は関節面を介して肋骨に接続されている。よって、肋骨との接続位置を特定できれば、胸椎の椎体の位置を特定するための情報を得ることができる。すなわち、椎体の境界位置は、肋骨との接続位置の付近にあると考えられる。参照点特定部24は、3次元CT画像(または骨画像)の骨領域から、不要な胸骨および肋軟骨の領域を除去する。図5の(a)は、胸骨および肋軟骨の領域の除去処理を示す断面図である。例えば、骨画像の断面において、骨の前面と被検体の胴体の幅との2つの交点と、体の重心とを頂点とする三角形を規定し、この三角形の内部に含まれる骨領域は、胸骨および肋軟骨等の領域であるとして除去する。
参照点特定部24は、胸骨等が除去された三次元CT画像(または骨画像)において、上記脊椎からの距離に応じて複数の区間を設定する。脊椎に近い区間ほど区間番号が小さい。図5の(b)は、骨画像に対して距離変換をおこなって生成した脊椎からの距離変換画像を示す図である。なお、この距離変換画像においては、区間を可視化するために、距離値5の倍数で区切った区間を明暗で示している。参照点特定部24は、脊椎の右側および左側のそれぞれで区間番号を1から増加させていき、(i)ある区間に含まれる骨の数Aが所定の範囲内(11本以上、13本以下)であり、かつ、(ii)骨の数Aが該区間の外側(脊椎とは反対側)に隣接する区間に含まれる骨の数Bと同数であり、かつ、(iii)該区間において脊椎の左右の骨の数が等しい区間を第1区間として特定する。肋骨の数は一般に11から13の間であるので、第1区間に含まれる骨は肋骨であるとみなすことができる。参照点特定部24は、第1区間に含まれる骨が他の骨と接続しない複数の区間のうち、最も脊椎に近い区間(区間番号が小さい区間)を第2区間として特定する。参照点特定部24は、第2区間に含まれる各骨について、骨の重心から脊椎中心線上の最も近い点を、肋骨の接続位置に対応する参照点として特定する。
脊椎構造解析部2は、脊椎中心線、および参照点の情報を椎体構造解析部3に出力する。
(椎体構造解析部の構成)
椎体構造解析部3は、画素特定部31(領域特定部)、コード配列生成部32、および境界位置特定部33とを備える。
画素特定部31は、脊椎における終板に対応する領域(画素)の特定、椎間板に対応する領域の特定、および海綿骨に対応する領域の特定を行う。終板は、椎体において椎間板との境界に分布する硬くて緻密な皮質骨であり、3次元CT画像において周囲の組織よりも大きいCT値を示す。椎間板は、2つの椎体の間に存在し、終板よりも小さいCT値を示す。海綿骨は、椎体において2つの終板に挟まれた領域であり、終板よりも小さいCT値を示す。
画素特定部31は、3次元CT画像の画素毎に、画素の画素値を第4の次元とする4次元超曲面の最大主曲率および最大主曲率方向ベクトルを求める。3次元CT画像における画素の座標を(x,y,z)とし、該画素の画素値(CT値)をf(x,y,z)とする。4次元超曲面の向きは(fx,fy,fz,−1)で与えられる。ここで、fx,fy,fzは、それぞれf(x,y,z)の1階偏導関数である。曲面の第1基本形式Fおよび第2基本形式Fは以下の式で表される。
ここで、fxx,fyy,fzz,fxy,fyz,fxzは、それぞれf(x,y,z)の2階偏導関数である。行列W=F −1の固有値(eigen value)が、主曲率k、k、k(ここでk≧k≧k)となる。また、行列Wの固有ベクトルが主曲率方向ベクトルとなる。すなわち、kが最大主曲率であり、kに対応する固有ベクトルが最大主曲率方向ベクトルである。最大主曲率kは、3次元CT画像における濃淡の勾配を反映した値であり、最大主曲率方向ベクトルは、濃淡の勾配の方向を反映したベクトルである。図6の(a)は、脊椎を含む断面における最大主曲率を画素値とする画像を示す。終板はCT値の小さい椎間板と接しているため、終板に対応する画素の最大主曲率kは値が大きい。また、面形状である終板は、椎体の中心軸に対して垂直に分布している。それゆえ、画素特定部31は、椎体領域の画素のうち、(i)画素の最大主曲率kが閾値t1以上であり、かつ、(ii)画素の最大主曲率方向ベクトルが椎体中心線の接線方向と略平行になる画素を、終板候補として特定する。対象画素の最大主曲率方向ベクトルと対象画素に最も近い椎体中心線上の点における椎体中心線の接線ベクトルとのなす角が、0°を含む所定の範囲内(第3範囲内)であれば、画素特定部31は、対象画素は上記(ii)を満たすと判定することができる。上記所定の範囲は、例えば−22.5°以上、+22.5°以下の範囲とすることができる。画素特定部31は、終板候補の領域に対して薄面化処理を適用し、終板候補のうち面形状を構成する画素(薄面化処理後に残った、面を形成する画素)について、椎体中心線に沿った分布量を特定する。画素特定部31は、その分布量が多い箇所における面形状を構成する画素を終板に対応する画素として特定する。
なお、分布量の特定は以下のように行う。まず椎体中心線上の各点において、接線ベクトルに垂直なN×Nの平面を定義する。Nは椎体を含む十分な大きさである。該平面の法線を各軸(x軸、y軸、z軸)に約±5°程度傾けた範囲内で、傾けた平面と接触する面形状を構成する画素の総数を求める。傾けた各平面における総数の最大値をこの点(椎体中心線上の点)での面形状の面積とする。同様に、傾けた各平面上の椎体の断面積(画素数)を求め、その最小値をこの点(椎体の中心線上の点)での椎体の断面積とする。面形状の面積を椎体の断面積で正規化した(除算した)値を分布量とし、分布量が閾値p%(例えば20%)以上の点(椎体中心線上の点)に対応する面形状を構成する画素を終板として特定する。なおpは学習データから求めることができる。このようにして画素特定部31は、終板を特定することができる。
画素特定部31は、特定された終板に対してフィルタサイズM[mm]でクロージング処理を行うことにより、2つの終板に挟まれた第1領域を特定する。また、画素特定部31は、3次元CT画像に対してボトムハットフィルタを適用することにより、椎間板の領域を強調した強調画像を生成する。図6の(b)は、強調画像を示す。ボトムハットフィルタは大きい画素値に挟まれた領域を強調するため、ボトムハットフィルタは終板に挟まれた椎間板の領域を強調することができる。画素特定部31は、強調画像において画素値が閾値(第1閾値)t2以上である領域を第2領域として特定する。画素特定部31は、第1領域と第2領域とが重なる領域に含まれる画素を、椎間板に対応する画素として特定する。
画素特定部31は、椎体領域のうち、終板にも椎間板にも対応しない画素を、海綿骨に対応する画素として特定する。椎体領域のうち、椎間板を除く領域が、椎体に対応する領域である。さらに椎体において、海綿骨は、終板に挟まれている。
図6の(c)は、脊椎を含む断面における椎体の構造を示す画像である。図6の(c)において、椎体は明るく、椎間板は暗く描かれている。椎体中心線に沿って脊椎は、椎間板、終板、および海綿骨の配列で表現することができる。
コード配列生成部32は、椎体中心線に沿った脊椎の構成を、椎間板を表すコードS1、海綿骨を表すコードS2、および終板を表すコードS3の配列によって表す1次元の脊椎コード配列(脊椎モデル)を生成する。脊椎コード配列の各コードは、椎体中心線上の各点に対応する。コード配列生成部32は、3次元CT画像における各画素が、終板、椎間板、および海綿骨のいずれに対応するかに応じて、椎体中心線上の各点に対応するコードを特定する。具体的には、コード配列生成部32は、以下の手順で椎体中心線上の各点に対応するコードを特定する。
(1)椎体中心線上の各点について、該点を通り椎体中心線に交差する(椎体中心線に垂直な)平面(断面)を設定する。なお、コードを求める各点の間隔は任意に設定することができる。
(2)椎体中心線上の該点について、設定された上記平面上の椎体領域内の各画素が対応する状態(椎間板、海綿骨、または終板)のうち、最も頻度の高い状態に、該点を分類する。例えば上記平面上において終板に対応する画素が最も多い場合、椎体中心線上の該点に対応するコードをS3とする。
(3)椎体中心線上の全ての点について、該点に対応するコードを特定する。
生成された脊椎コード配列の各コードは、対応する椎体中心線上の点が椎間板、海綿骨、および終板のいずれの状態に分類されるかを表している。
図7は、正常な脊椎の脊椎コード配列の例を示す図である。図7において、横軸は椎体中心線上における位置(1が頭側)を示し、縦軸は椎体中心線上の各点(位置)の状態を表すコードを示す。図7において、参照点特定部24が特定した肋骨の接続位置に対応する参照点を四角マークで、椎間孔の位置に対応する参照点を三角マークで示す。正常な脊椎コード配列では、連続して並ぶ海綿骨に対応するコードS2の両側に終板に対応するコードS3が存在し、さらにその両外側に椎間板に対応するコードS1が存在する。また、肋骨の接続位置に対応する参照点および椎間孔の位置に対応する参照点は、椎間板に対応するコードS1または終板に対応するコードS3の近傍に位置する。
図8は、正常な脊椎の1つの椎体に対応する脊椎コード配列を拡大して示す図である。縦軸および横軸は図7と同じである。点線で囲まれた箇所が、1つの椎体に対応する。正常な1つの椎体では、椎間板に対応する1つ以上のコードS1が並ぶ領域A1、終板に対応する1つ以上のコードS3が並ぶ領域A2、海綿骨に対応する1つ以上のコードS2が並ぶ領域A3、終板に対応する1つ以上のコードS3が並ぶ領域A4、椎間板に対応する1つ以上のコードS1が並ぶ領域A5がこの順番で配列している。すなわち、正常な1つの椎体では、コードの配列が「椎間板−終板−海綿骨−終板−椎間板」の順番で変化する。なお領域A1、A5の外側には、別の椎体の終板が存在する。
境界位置特定部33は、コード配列生成部32が生成した被検体の脊椎コード配列が、正常な椎体を表す標準コード配列とマッチ(適合)するか否かを判定し、判定結果に応じて複数の椎体同士の境界位置(区切り位置)を特定する。標準コード配列は、例えば「終板−椎間板−終板−海綿骨−終板−椎間板−終板」の順番でコードが変化するコード配列である。なお、標準コード配列として、頭側または足側から「椎間板−終板−海綿骨」の順番でコードが変化するコード配列を用いてもよく、「椎間板−終板−海綿骨−終板−椎間板」の順番でコードが変化するコード配列を用いてもよい。なお、標準コード配列は、あらかじめ記憶部6に記憶されていてもよい。具体的には、境界位置特定部33は、以下の手順で境界位置を特定する。
(1)被検体の脊椎コード配列において、標準コード配列とマッチする区間を探索し、マッチした区間(マッチ領域、第1区間)のコードS1に対応する椎体中心線上の点を境界位置とする。すなわち、「椎間板−終板−海綿骨−終板−椎間板」の順にコードが変化する部分を探索し、マッチする部分の椎間板の位置を境界位置とする。なお、コードS1が連続して複数並んでいる場合、例えば、連続して並ぶコードS1(同値コード列)の任意の点(例えば中点)を境界位置とすることができる。脊椎コード配列のうち標準コード配列にマッチする部分全てについて、境界位置を特定する。
(2)被検体の脊椎コード配列の標準コード配列とマッチしない区間(非マッチ領域、第2区間)において、肋骨または椎間孔の位置に対応する参照点に近いコードS1(椎間板)に対応する椎体中心線上の点を境界位置とする。すなわち、何らかの理由で終板等が正確に検出できていない場合は、参照点の付近の椎間板の位置を、境界位置とする。具体的には、脊椎コード配列が標準コード配列とマッチしない場合、参照点から第1範囲内にあるコードS1に対応する椎体中心線上の点を境界位置として特定する。あるいは、脊椎コード配列が標準コード配列とマッチしない場合、参照点から最も近い連続して配列するコードS1の任意の点(例えば中点)に対応する椎体中心線上の点を境界位置として特定してもよい。
(3)肋骨および椎間孔の付近にコードS1が存在しない場合、癒着等によって境界が確認できない状態であることが考えられる。それゆえ、被検体の脊椎コード配列の標準コード配列とマッチしない部分において、参照点から第1範囲内にコードS1が存在しない場合、参照点に近い(参照点の付近にある)コードS3(終板)に対応する椎体中心線上の点を境界位置とする。具体的には、脊椎コード配列が標準コード配列とマッチしない部分(非マッチ領域)において、参照点から第1範囲内にコードS1が存在しない場合、参照点から最も近い連続して配列するコードS3(同値コード列)の任意の点(例えば中点)に対応する椎体中心線上の点を境界位置として特定する。あるいは、脊椎コード配列が標準コード配列とマッチしない部分において、参照点から第1範囲内にコードS1が存在しない場合、参照点から第2範囲内にあるコードS3に対応する椎体中心線上の点を境界位置として特定してもよい。
(4)境界位置を通り椎体中心線に垂直な平面を、複数の椎体同士を分ける境界面とする。
なお、被検体の脊椎コード配列に標準コード配列とマッチしない部分が存在する場合、境界位置特定部33は、被検体の脊椎に異常があると判定してもよい。例えば、椎間板を示すコードS1と海綿骨を示すコードS2とが隣接している場合、または、配列するコードが「海綿骨−終板−海綿骨」の順番で変化する場合、境界位置特定部33は、被検体の脊椎に異常があると判定してもよい。境界位置特定部33は、判定結果を出力部5を通じて外部機器または利用者に通知してもよい。
椎体構造解析部3は、境界位置、境界面、および椎体中心線の情報を評価部4に出力する。
(評価部4の構成)
評価部4は、椎体の骨折評価および椎体の骨密度評価を行う。
評価部4は、椎体毎に1つの椎体の高さの分布を求め、1つの椎体の高さの分布に基づいて該椎体の骨折の有無を評価する。具体的には、評価部4は、椎体中心線上の、椎体を挟んで互いに隣接する2つの境界位置の1点(中点)に基準面を設定する。基準面の法線ベクトルの初期値は、椎体を挟んで互いに隣接する2つの境界面の法線ベクトルの和とする。評価部4は、基準面の角度を初期値から変化させ、最適な基準面で椎体の高さ分布を求める。具体的には、基準面の法線ベクトルの各成分を0°(初期値)から±15°まで1°間隔で変化させ、それぞれの傾きにおいて距離h(i,j)、個数S、および評価値Rを求める。ここで、h(i,j)は、基準面上の点P(i,j)を通る基準面の法線と2つの境界面との交点p2、p3間の距離である。法線が両方の境界面と交わるような基準面上の点P(i,j)の数をSとする。評価値Rは、距離h(i,j)および個数Sから以下の式で求める。
ここで、基準面のサイズをK×Kとする。Kは、脊椎特定部21が領域拡張において用いた距離値の上記閾値d[mm]の2倍の値としてもよい。評価部4は、評価値Rが最小となる傾きの基準面におけるh(i,j)を、椎体の高さ分布とする。椎体の高さ分布h(i,j)の最大値をHmax、最小値をHminとする。評価部4は、HmaxおよびHminから変形度Chを求める。
Ch=1−(Hmin/Hmax) …(6)
変形度Chは椎体の変形の程度を示す。評価部4は、変形度Chが次式を満たす場合、椎体の骨折はないと判定し、次式を満たさない場合、椎体の骨折があると判定する。
Ch<α …(7)
ここでαは骨折評価の閾値である。
ただし、椎体の高さについて外れ値の除外を行った上で、変形度Chを求めることが好ましい。例えば、四分位数を用いて椎体高さの有効範囲を決定する。対象の椎体の高さの累積分布関数(Cumulative distribution function:CDF)における四分位数(逆CDF、Quantile function)をCDF−1とすると、第1四分位数Q1、第3四分位数Q3、四分位数範囲(Inter quartile range:IQR)は次式で表される。
Q1=CDF−1(0.25) …(8)
Q3=CDF−1(0.75) …(9)
IQR=Q3−Q1 …(10)
そして、下限値Rminおよび上限値Rmaxは次式で表される。
Rmin=Q1−IQR×1.5 …(11)
Rmax=Q3+IQR×1.5 …(12)
評価部4は、下限値Rminから上限値Rmaxまでの範囲を有効範囲として、有効範囲外のh(i,j)を外れ値として除外した上で、変形度Chを求める。すなわち評価部4は、有効範囲における椎体高さ分布h(i,j)の最大値をHmax、最小値をHminとする。
評価部4は、脊椎に椎体骨折が存在しないと判定した場合、椎体の海綿骨の骨密度測定を行う。評価部4は、椎体を挟んで互いに隣接する2つの境界位置の間の領域(測定領域)における画素の画素値(CT値)から、骨密度を評価する。評価部4は、あらかじめ骨塩定量ファントム(基準体)から得た測定値を用いて、被検体の3次元CT画像のCT値から骨密度を求める。ファントム内に埋め込まれた標準物質のハイドロキシアパタイト相当量と標準物質の平均CT値とから求めた換算式を用いて、被検体の骨密度を求めることができる。図9の(a)は、椎体中心線に垂直な断面における骨密度の測定領域ROIを示し、図9の(b)は、椎体中心線を通る断面における骨密度の測定領域ROIを示す。骨密度の測定領域ROIは、皮質骨および栄養管の影響を避けるために、海綿骨内に設定される。例えば、評価部4は、2つの終板の間の海綿骨に対応する位置に楕円柱の測定領域ROIを設定する。楕円の中心は椎体中心線上に設定し、長径および短径はそれぞれ椎体を囲む矩形の各辺の1/3とする。また、椎体を分ける2つの境界面の間の中央の1/3の範囲を楕円柱の高さとする。評価部4は、測定領域ROIの平均CT値から骨密度を特定することができる。
評価部4は、骨折評価および骨密度評価の結果を記憶部6に記憶する。また、評価部4は、骨折評価および骨密度評価の結果を、出力部5を介して外部機器または利用者に通知する。
(画像処理フロー)
図10は、画像処理装置1の画像処理方法のフローを示す図である。フローは大きく脊椎構造解析、椎体構造解析、および椎体評価に分かれる。
脊椎構造解析では、まず、3次元CT画像から脊椎の領域を特定する(ステップ:S11)。
脊椎の領域から脊柱管の領域および脊柱管中心線を特定する(S12)。
脊柱管の位置から、椎体領域および椎体中心線を特定する。椎体中心線および脊柱管中心線から、椎間孔の位置を特定する(S13)。
骨画像から肋骨の接続位置を特定する(S14)。
3次元画像から生成した4次元超曲面の最大主曲率ベクトルに基づいて、終板に対応する画素を特定する(S15)。
終板に挟まれた領域を第1領域として特定する。また、3次元画像において画素値が大きい領域に挟まれた領域を第2領域として特定する。第1領域と第2領域とが重なる領域の画素を椎間板に対応する画素として特定する(S16)。また、終板でも椎間板でもない領域から海綿骨に対応する画素を特定する。
椎体中心線上の各点を、椎間板、海綿骨および終板のいずれかに分類する。椎体中心線上の各点の分類に基づいて、脊椎を表す1次元の脊椎コード配列を生成する(S17)。
脊椎コード配列と標準コード配列とのマッチング結果に基づいて、椎体同士の境界位置を特定する(S18)。
特定された境界位置に基づいて各椎体を区別し、各椎体について椎体骨折の有無を評価する(S19)。
特定された境界位置に基づいて椎体の海綿骨の領域を特定し、海綿骨の骨密度を評価する(S20)。
図11は、S18の処理フローを詳細に説明する図である。脊椎コード配列の中から、標準コード配列にマッチするマッチ領域を特定する(S31)。なお、図7および図8に示すように、脊椎コード配列および標準コード配列は、同じコードが連続して並んでいる箇所を含む。ただし、連続して並ぶコードの数が脊椎コード配列と標準コード配列との間で異なっていても、コードが変化する順序が同じであればマッチすると判定する。脊椎に異常がない場合、脊椎コード配列には、複数のマッチ領域が含まれる。また、標準コード配列は椎間板に対応するコードS1を含むので、マッチ領域も椎間板に対応するコードS1を含む。
各マッチ領域について、連続して並ぶコードS1のうちの1つ(中点)に対応する椎体中心線上の点を、椎体同士の境界位置として特定する(S32)。
脊椎コード配列に、標準コード配列にマッチしない非マッチ領域が存在しない場合(S33でNo)、境界位置を通り椎体中心線に垂直な平面を境界面として特定する(S34)。
脊椎コード配列に、標準コード配列にマッチしない非マッチ領域が存在する場合(S33でYes)、非マッチ領域において参照点から第1範囲内にコードS1が存在するか否かを判定する(S35)。
非マッチ領域が存在し、かつ、非マッチ領域において参照点から第1範囲内にコードS1が存在する場合(S35でYes)、参照点から第1範囲内にあるコードS1に対応する椎体中心線上の点を、境界位置として特定する(S36)。その後S34の処理を行う。
非マッチ領域が存在し、かつ、非マッチ領域において参照点から第1範囲内にコードS1が存在しない場合(S35でNo)、参照点から最も近いコードS3を含む同値コード列の中点に対応する椎体中心線上の点を、境界位置として特定する(S37)。なお、同値コード列は、同じコードが連続して並ぶ複数のコードからなる。その後S34の処理を行う。
(画像処理装置の効果)
画像処理装置1は、3次元CT画像から脊椎の構造を表す1次元の脊椎コード配列を生成し、脊椎コード配列と正常な脊椎の標準コード配列とのマッチング結果に基づき、椎体同士の境界位置を特定することができる。それゆえ、画像処理装置1は、椎体骨折等が存在する場合であっても、3次元CT画像から自動でかつ正確に椎体の境界位置を特定することができる。そのため、画像処理装置1は、境界位置の情報を用いて、自動で骨折評価および骨密度評価を行うことができる。よって、画像処理装置1は、利用者(医師)の負担を大きく軽減することができる。
(変形例)
以上では、MDCT装置が撮影した3次元CT画像を用いて脊椎の特徴を特定する画像処理装置について説明したが、3次元CT画像に限らず、脊椎の組織を濃淡で表す3次元画像を用いることもできる。例えば、MRI等で得られる3次元画像を用いることもできる。
なお、各閾値は、学習データ(サンプル)に基づいて適宜決定することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像処理装置1の制御ブロック(特に脊椎構造解析部2、椎体構造解析部3、評価部4、出力部5、脊椎特定部21、脊柱管特定部22、代表線特定部23、参照点特定部24、画素特定部31、コード配列生成部32、および境界位置特定部33)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、画像処理装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例について説明する。
MDCT装置によって得られた3次元CT画像について、画像処理装置1を用いて処理を行った。3次元CT画像の画像サイズは512×512ピクセル、ピクセルサイズは0.551〜0.680mm、スライス厚は1.0mm、再構成間隔は1.0〜0.5mm、再構成関数はFC52である。
2値化に用いる閾値t、距離値の閾値d、テンプレートの直径L、フィルタサイズM、および骨折評価の閾値αは、学習データより求めた。
2値化に用いる閾値tについて、各学習データに対して200H.U.から80H.U.まで10H.U.刻みで減少させて胸骨と肋骨とを連続して抽出できる値t’を求めた。全ての学習データにおける上記値t’の中の最小値を閾値tとした。
脊椎を抽出するための距離値の閾値dについて、各学習データに対して骨表面からの距離変換画像を作成し、各アキシャル面の画像における最大距離値の中の最小値d’を求めた。全ての学習データにおける上記値d’の中の最小値を閾値dとした。
脊柱管を抽出するためのテンプレートの直径Lについて、各学習データに対して骨と脊椎の差分画像の背景からの距離変換画像を作成し、各アキシャル面の画像における最大距離値の中の最小値L’を求めた。全ての学習データにおける上記値L’の中の最小値をテンプレートの直径Lとした。
椎間板を抽出するためのフィルタサイズMについて、上記脊椎を抽出するための距離値の閾値dの1/2とした。
分布量の閾値p%は20%とした。
骨折評価の閾値αについて、正常症例と骨折症例とを基に変形度を0.01刻みで変化させたときの感度と特異度とからROC曲線を作成し、(感度,1−特異度)が(1,0)に最も近い点の値をαとした。
526症例について、正常症例をN1、N2に分け、骨折症例をF1、F2に分けた。N1+F1をグループAとし、N2+F2をグループBとした。パラメータ(t、d、L、M、α)についてグループAから学習したパラメータは(100、10、10、5、0.3)であり、グループBから学習したパラメータは(100、10、10、5、0.28)であった。なお、閾値d、L、Mは、ピクセルサイズに基づいて画素数に換算して用いる。骨塩定量ファントムから求めた骨密度BMDの換算式は以下の通りである。
BMD=(CT値+2.0)/1.362 …(13)
なお、東芝社製MDCT装置Aquilion ONEでの換算式は以下の通りである。
BMD=(CT値+29.6)/1.752 …(14)
グループA、Bに対して、画像処理装置1によって椎体骨折の判定を行った。一方、比較対象として、グループA、Bに対して、3次元CT画像から得られた断面画像に基づき、単純X線の骨折判定基準を用いて手動によって椎体骨折の判定を行った。手動による判定をゴールドスタンダードとして、画像処理装置1による椎体骨折の判定結果と、目視による椎体骨折の判定結果とを比較した。画像処理装置1による判定結果では、グループAにおける感度は1.0、特異度は0.978、FN(偽陰性:False Negative)は0個、FP(偽陽性:False Positive)は66個(0.25個/症例)であった。画像処理装置1による判定結果では、グループBにおける感度は0.985、特異度は0.989、FNは1個、FPは33個(0.125個/症例)であった。グループAおよびBの平均では、感度は0.9924、特異度は0.9839、FPは0.19個/症例であった。このように画像処理装置1によって高い精度で椎体骨折の有無を判定することが可能であった。
また、グループA、Bに対して、画像処理装置1によって海綿骨の骨密度測定を行った。比較対象として、グループA、Bに対して、臨床でも用いられている全身DXAによる骨密度測定を行い、画像処理装置1の測定結果と比較した。画像処理装置1による測定結果と全身DXAによる測定結果との相関係数の2乗値は0.8288となり、高い相関が得られた。
このように画像処理装置1は、自動でかつ高い精度で椎体骨折の評価および骨密度の測定を行うことができる。
本発明は、3次元画像から脊椎の特徴を特定する画像処理装置に利用することができる。
1 画像処理装置
2 脊椎構造解析部
3 椎体構造解析部
4 評価部
5 出力部
6 記憶部
21 脊椎特定部
22 脊柱管特定部
23 代表線特定部
24 参照点特定部
31 画素特定部(領域特定部)
32 コード配列生成部
33 境界位置特定部
ROI 測定領域

Claims (18)

  1. 被検体の脊椎を表し3次元に配列した画素を有する3次元画像から、上記脊椎における特徴を特定する画像処理装置であって、
    上記3次元画像において、終板に対応する領域、椎間板に対応する領域、および海綿骨に対応する領域を特定する領域特定部と、
    上記3次元画像に含まれる、上記脊椎が延びる第1方向と交差する上記脊椎の複数の断面像について、各断面像が上記終板、上記椎間板、および上記海綿骨のいずれに対応するかに応じて、上記脊椎の上記第1方向に沿った構造を上記終板を示すコード、上記椎間板を示すコード、および上記海綿骨を示すコードの配列によって表す1次元の脊椎コード配列を生成するコード配列生成部と、
    上記脊椎コード配列のうち、椎間板−終板−海綿骨の順番でコードが変化する第1区間において、該椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を上記脊椎の複数の椎体同士の境界位置として特定する境界位置特定部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 肋骨と上記脊椎との接続位置または椎間孔の位置に対応する位置を、参照点として特定する参照点特定部を備え、
    上記境界位置特定部は、上記脊椎コード配列のうち上記第1区間に該当しない第2区間について、上記椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置から第1範囲内に上記参照点が存在する場合、該椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記境界位置特定部は、上記第2区間について、上記終板を示すコードを生成した断面像に対応する位置から第2範囲内に上記参照点が存在する場合、該終板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 肋骨と上記脊椎との接続位置または椎間孔の位置に対応する位置を、参照点として特定する参照点特定部を備え、
    同じ上記コードが連続して並ぶ複数のコードを同値コード列とすると、
    上記脊椎コード配列のうち上記第1区間に該当しない第2区間について、上記境界位置特定部は、上記椎間板を示す上記同値コード列のうち上記参照点から最も近くにある上記同値コード列の中の少なくとも1つの上記コードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 同じ上記コードが連続して並ぶ複数のコードを同値コード列とすると、
    上記第2区間について、上記境界位置特定部は、上記終板を示す上記同値コード列のうち上記参照点から最も近くにある上記同値コード列の中の少なくとも1つの上記コードを生成した断面像に対応する位置を、上記境界位置として特定することを特徴とする請求項2または4に記載の画像処理装置。
  6. 上記第1区間は、終板−椎間板−終板−海綿骨−終板−椎間板−終板の順番でコードが変化する区間であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 上記脊椎コード配列において、上記椎間板を示すコードと上記海綿骨を示すコードとが隣接している場合、または、上記脊椎コード配列において、上記コードが海綿骨−終板−海綿骨の順番で変化する場合、
    上記境界位置特定部は、上記被検体の脊椎に異常があると判定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 上記領域特定部は、
    上記3次元画像の画素毎に、上記画素の画素値を第4の次元とする4次元超曲面の最大主曲率方向ベクトルを求め、
    上記最大主曲率方向ベクトルと上記第1方向とのなす角が、0°を含む第3範囲内である上記画素を、上記終板を示す画素の候補とし、
    上記終板を示す画素の候補の少なくとも一部よりなる領域を上記終板に対応する領域として特定することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 上記領域特定部は、
    特定された2つの上記終板に挟まれた第1領域を特定し、
    上記3次元画像にボトムハットフィルタを適用して得られる画素値が第1閾値以上の領域を第2領域として特定し、
    上記第1領域と上記第2領域とが重なる領域を上記椎間板に対応する領域として特定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 上記第1方向に垂直な平面において、上記椎体から脊柱管に向かう方向を第2方向とすると、
    上記参照点特定部は、上記第1方向と交差する上記脊椎の断面像において上記脊柱管の位置から上記第2方向に垂直な方向に骨が存在しない場合、該断面像上の点を上記椎間孔の位置に対応する上記参照点として特定することを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  11. 上記3次元画像において、上記脊柱管を含む上記脊椎の領域を特定し、上記脊椎の領域から骨の領域を除去することにより上記脊柱管を含む第3領域を特定し、上記第3領域において所定の形状とマッチする領域を上記脊柱管として特定する脊柱管特定部を備えることを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 上記コード配列生成部は、上記第1方向と交差する上記脊椎の各断面像について、該断面像において上記椎体を示す領域に含まれる複数の点が、上記終板、上記椎間板、および上記海綿骨のいずれの領域に対応するかに応じて、該断面像に対応する上記コードを生成することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  13. 互いに隣接する2つの上記境界位置の間にある2つの上記終板の間隔から上記椎体の高さ分布を特定し、上記椎体の高さ分布に基づいて上記椎体の変形の程度を評価する評価部を備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  14. 上記3次元画像の画素値は、骨の密度を反映したものであり、
    互いに隣接する2つの上記境界位置の間の領域における上記画素の上記画素値から、骨密度を評価する評価部を備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  15. 上記3次元画像の画素値は、上記被検体におけるX線の吸収率に対応していることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  16. 被検体の脊椎を表し3次元に配列した画素を有する3次元画像から、上記脊椎における特徴を特定する画像処理方法であって、
    上記3次元画像において、終板に対応する領域、椎間板に対応する領域、および海綿骨に対応する領域を特定する領域特定ステップと、
    上記3次元画像に含まれる、上記脊椎が延びる第1方向と交差する上記脊椎の複数の断面像について、各断面像が上記終板、上記椎間板、および上記海綿骨のいずれに対応するかに応じて、上記脊椎の上記第1方向に沿った構造を上記終板を示すコード、上記椎間板を示すコード、および上記海綿骨を示すコードの配列によって表す1次元の脊椎コード配列を生成するコード配列生成ステップと、
    上記脊椎コード配列のうち、椎間板−終板−海綿骨の順番でコードが変化する第1区間において、該椎間板を示すコードを生成した断面像に対応する位置を上記脊椎の複数の椎体同士の境界位置として特定する境界位置特定ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
  17. 請求項1から15のいずれか一項に記載の画像処理装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各部として機能させるための制御プログラム。
  18. 請求項17に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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