JP2014157091A - 地下水の年代測定装置及び地下水の年代測定方法 - Google Patents

地下水の年代測定装置及び地下水の年代測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自然有機物由来の14Cを的確に評価して地下水の年代を測定する。
【解決手段】 現場から採取した地下水3中の腐植物等の粉末を溶媒に溶かして人工有機物及び自然有機物を含む溶液7とし、溶液7をpH1からpH3(pH2)に調整し、pH1からpH3に調整された溶液7をアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11に通水することで、ウラニンと共にフルボ酸を樹脂11に吸着させ、ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11に対し、pH6からpH7の液体を通水してフルボ酸を離脱させ(溶出させ)、樹脂から離脱されたフルボ酸由来の14Cを検出し、検出されたフルボ酸由来の14Cを評価することで地下水の年代を導出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、地下水の年代を測定する地下水の年代測定装置及び地下水の年代測定方法に関する。
放射性廃棄物処分の安全評価を行うため、処分場周辺の地下水流動を把握することが必要である。地下水流動の特性を把握するため、地中の特定物質の移動状況を監視し、放射性廃棄物の地中への漏洩を求めることが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。一方で、地下水の年代を評価(推定)することにより、地下水の流動状況を把握し、放射性廃棄物の地中への移動挙動評価を行うことが考えられている。
地下水の年代の評価は、採取した地下水の成分等を分析し、地下水と共に移動する放射性炭素(自然有機物由来の炭素)を評価することで、地下水の年代を推定することができると考えられている。地下水はボーリング孔を利用して採取することになるが、ボーリング孔は掘削液を用いて掘削されるため、ボーリング孔を利用して採取された地下水には掘削液が混入している。掘削液には、混入割合を把握するために蛍光塗料(人工的有機物)が添加されているので、地下水の年代を推定する場合には、地下水から掘削液の蛍光塗料に由来する炭素を分けて自然有機物由来の有機炭素だけを評価する必要がある。
地下水に溶存する有機物を合成吸着部材製の樹脂に吸着させる技術は知られているが、掘削液の蛍光塗料に由来する炭素を分離した状態で、地下水と共に移動する自然有機物由来の炭素を評価する技術は確立されていないのが現状である。このため、地下水と共に移動する自然有機物由来の炭素を評価することは、地下水の年代の側定に有効であることが知られているにも拘らず、地下水の年代評価の分野の技術として確立されているとはいえないのが実情であった。
特開2009−32463号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、地下水と共に移動する放射性炭素(自然有機物由来の炭素)を的確に評価して地下水の年代を測定することができる地下水の年代測定装置及び地下水の年代測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の地下水の年代測定装置は、pH1からpH3に調整された、地下水に関連する液体が通水されることで、人工有機物及び自然有機物が吸着され、人工有機物及び自然有機物が吸着された後にpH6からpH7の液体が通水されることで、吸着している自然有機物が離脱されるアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂と、前記合成吸着部材製の樹脂から離脱された前記自然有機物に由来する14Cを検出する自然有機物検出手段と、前記自然有機物検出手段で検出された前記自然有機物に由来する14Cを評価し、評価結果により前記地下水の年代を類推する年代導出手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、地下水に関連する液体として、例えば、予め地下水の有機物(腐植物等)を濃縮して凍結乾燥し、粉末状にしたものを溶媒に溶かした溶液を適用することができる。現場から採取した腐植物等の粉末を溶媒に溶かして人工有機物及び自然有機物を含む溶液とし、溶液をpH1からpH3に調整する。pH1からpH3に調整された溶液をアクリル酸エステル系の樹脂に通水することで、人工有機物及び自然有機物が吸着される。人工有機物及び自然有機物が吸着された後、pH6からpH7の液体を樹脂に通水することで、吸着している自然有機物が離脱される。
自然有機物検出手段により、樹脂から離脱された自然有機物に由来する14Cを検出する。地下水に含まれる自然有機物由来の14Cは地下水と共に移動しているため、14Cを評価することで地下水の年代を測定することが可能である。このため、地下水の年代導出手段により、自然有機物由来の14Cを評価することで、人工有機物由来の14Cが取り除かれた状態の14Cに基づいて地下水の年代が測定される。
このため、地下水と共に移動する放射性炭素(自然有機物由来の炭素)を的確に評価して地下水の年代を測定することが可能になる。
そして、請求項2に係る本発明の地下水の年代測定装置は、請求項1に記載の地下水の年代測定装置において、自然有機物はフルボ酸であり、自然有機物検出手段では、フルボ酸由来の14Cを検出することを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、フルボ酸由来の14Cを評価することで、人工有機物由来の14Cが取り除かれた状態の14Cに基づいて地下水の年代が測定される。
また、請求項3に係る本発明の地下水の年代測定装置は、請求項1もしくは請求項2に記載の地下水の年代測定装置において、地下水に関連する液体は、地下水の有機物を濃縮して得られた粉末を溶媒に溶かした溶液であることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、現場で採取された地下水の有機物(腐植物等)を濃縮して粉末とし、粉末を溶媒に溶かした溶液を用いることができるので、現場以外の分析施設で、即ち、所望の場所で、地下水の年代を容易に測定することができる。
上記目的を達成するための請求項4に係る本発明の地下水の年代測定方法は、地下水に関連する液体をpH1からpH3に調整し、pH1からpH3に調整した液体をアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂に通水して人工有機物及びフルボ酸を吸着し、人工有機物及びフルボ酸が吸着された樹脂に対し、pH6からpH7の液体を通水してフルボ酸を離脱させ、樹脂から離脱されたフルボ酸由来の14Cを検出し、検出されたフルボ酸由来の14Cを評価することで前記地下水の年代を導出することを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、フルボ酸由来の14Cに基づいて地下水の年代が測定され、地下水と共に移動する放射性炭素(自然有機物由来の炭素)を的確に評価して地下水の年代を測定することが可能になる。
そして、請求項5に係る本発明の地下水の年代測定方法は、請求項4に記載の地下水の年代測定方法において、地下水に関連する液体は、地下水の有機物を濃縮して得られた粉末を溶液に溶かした液体であることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、現場で採取された地下水の有機物(腐植物等)を濃縮して粉末とし、粉末を溶媒に溶かした溶液を用いることができるので、現場以外の分析施設で、即ち、所望の場所で、地下水の年代を容易に測定することができる。
本発明の地下水の年代測定装置及び地下水の年代測定方法は、地下水と共に移動する放射性炭素(自然有機物由来の炭素)を的確に評価して地下水の年代を測定することが可能になる。
ボーリング掘削の概念図である。 本発明の一実施例に係る地下水の年代測定装置の概略構成図である。 合成吸着部材製の樹脂を決定するための概略構成図である。 ウラニンとフルボ酸の吸着割合とpHとの関係を説明するグラフである。 フルボ酸の離脱割合とpHとの関係の特性図である。 ウラニンの離脱割合とpHとの関係の特性図である。
図1に基づいてボーリング掘削における地下水の採取状況を説明する。図1にはボーリング掘削の概念を示してある。
広域での地下水流通を評価するために、例えば、放射性廃棄物の安全評価を行うために、地下水が採取されて地下水の年代が測定される。図に示すように、ボーリング孔1は掘削液2が供給されながら掘削され、掘削液2は地中に浸透すると共に地下水3に混合される。地下水3と共に移動する放射性炭素(自然有機物由来の炭素)を評価することで、地下水3の年代を推定することができることが確認されている。
図に示すように、地下水3には掘削液2が混入しており、掘削液2には、混入割合を把握するために蛍光塗料が添加されている。蛍光塗料には、人工的有機物であるウラニンやエオシンが含まれるため、地下水3の年代を推定する場合には、地下水3から掘削液2の蛍光塗料(例えば、ウラニン)に由来する炭素を分けて自然有機物由来の炭素だけを評価する必要がある。
本発明は、地下水3と共に移動する放射性炭素(自然由来の有機物に含まれる放射性炭素:フルボ酸由来の14C)を評価する際に、蛍光塗料(ウラニン)に由来する炭素を取り除いた状態でフルボ酸由来の14Cだけを評価することで地下水3の年代を測定するものである。
具体的には、例えば、予め地下水の有機物(腐植物等)を濃縮して凍結乾燥し、粉末状にしたものを溶媒に溶かした溶液を用い、現場から採取した地下水中の腐植物等の粉末を溶媒に溶かして人工有機物及び自然有機物を含む溶液とし、溶液をpH1からpH3に調整する。pH1からpH3に調整された溶液をアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂に通水することで、人工有機物(ウラニン)と共に自然有機物(フルボ酸)を合成吸着部材製の樹脂に吸着させる。
ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂に対し、pH6からpH7の液体を通水してフルボ酸を離脱させ(溶出させ)、樹脂から離脱されたフルボ酸由来の14Cを検出し、検出されたフルボ酸由来の14Cを評価することで地下水の年代を導出する。
フルボ酸由来の14Cを評価することで、人工有機物由来の14Cが取り除かれた状態の14Cに基づいて地下水の年代が測定される。このため、地下水と共に移動するフルボ酸由来の14C(自然有機物由来の放射性炭素)を的確に評価して地下水の年代を測定することが可能になる。そして、現場で採取された地下水の有機物(腐植物等)を濃縮して粉末とし、粉末を溶媒に溶かした溶液を用いているので、現場以外の分析施設で、即ち、所望の場所で、地下水の年代を容易に測定することができる。
図2に基づいて地下水の年代測定装置の概略を説明する。
図2には本発明の一実施例に係る地下水の年代測定装置の概略構成を説明するブロック構成を示してあり、図2(a)は溶液作製の概念、図2(b)はフルボ酸及びウラニンの吸着の概念、図2(c)は年代測定の概念である。
図2(a)に示すように、現場で汲み上げられた地下水3の有機物(腐植物)が濃縮手段5で濃縮され、粉末加工手段6で粉末状にされる。粉末状にされた有機物(腐植物)は、溶媒で液体化され、人工有機物(ウラニン)及び自然有機物(フルボ酸)を含む溶液7とされる。
濃縮手段5は、例えば、合成吸着部材製樹脂や逆浸透膜等に地下水3を通水することで有機物(腐植物)を濃縮する手段とされている。粉末加工手段6は、例えば、濃縮された腐植物を凍結・乾燥して粉末にする手段とされている。
図2(b)に示すように、溶液7がpH2(pH1からpH3)に調整される。アクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11が充填された吸着カラム12が備えられ、pH2に調整された溶液7が樹脂11に通水される。これにより、樹脂11にウラニン及びフルボ酸が吸着される。
粉末状にされた有機物(腐植物)、もしくは、溶液7が通水されてpH2に保たれた樹脂11(ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂)が所望の分析施設に運ばれる。所望の分析施設は現場と一体となっていることもある。
図2(c)に示すように、ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11(吸着カラム12)にpH7(pH6からpH7)の液体を通水し、吸着しているフルボ酸(自然有機物)だけを離脱させて排水する。
吸着カラム12から排出される排水(ウラニンが取り除かれた排水)からフルボ酸を取り出し、フルボ酸由来の14Cを検出する自然有機物検出手段13が備えられている。そして、自然有機物検出手段13で検出されたフルボ酸由来の14Cが年代導出手段14で評価される。
年代導出手段14では、フルボ酸由来の炭素において、12C、13C、14Cにおける14Cの比率を求め、14Cの比率に応じて年代が評価される。そして、地下水3と共に移動するフルボ酸由来の14Cの評価結果に応じて地下水3の年代が測定される。
年代導出手段14では、ウラニンが取り除かれた地下水3のフルボ酸由来の14Cが評価されるので、蛍光塗料(ウラニン)に由来する人工有機物の14Cが取り除かれた状態の自然有機物由来の14Cを評価することができる。このため、地下水と共に移動する放射性炭素同位体、即ち、フルボ酸由来(自然有機物由来)の14Cを的確に評価して地下水3の年代を測定することが可能になる。
アクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11は、例えば、細孔体積が0.79(mL/g)、比表面積が160(m/g)、細孔半径(最頻度)が225(Å)の樹脂11が用いられる。
図3から図6に基づいて、合成吸着部材製の樹脂11として上述したアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11を適用した根拠を説明する。
図3には合成吸着部材製の樹脂の評価を行うための機構の概略構成、図4にはウラニンとフルボ酸の捕集割合とpHとの関係を樹脂11について示したグラフである。また、図5にはフルボ酸の離脱割合とpHとの関係の特性、図6にはウラニンの離脱割合とpHとの関係の特性を示してあり、図5、図6中の折れ線グラフは各pHでの離脱割合、棒グラフはpHを高くした際のトータルの離脱割合である。
図3に示すように、例えば、直径rmm(例えば、5mmから10mm程度)で長さTmm(例えば、100mm程度)の通路部材16にアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11を充填し、pH2からpH5にそれぞれ調整された溶液7を所定の圧力で通水し、ウラニンとフルボ酸の捕集割合を測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、樹脂11は、pH1、pH2、pH3、pH4の溶液について、ウラニン(■)を略100%捕集することができ、pH5の溶液について、ウラニン(■)を80%程度捕集することができ、pH6の溶液について、ウラニン(■)を50%程度捕集できることが判る。一方、樹脂11は、pH1、pH2の溶液について、フルボ酸(●)を95%以上捕集することができ、pH3、pH4の溶液について、フルボ酸(●)をそれぞれ80%程度、50%程度捕集でき、pH5、pH6の溶液について、フルボ酸(●)は10%程度以下しか捕集できないことが判る。
このことから、アクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11は、pH2(pH1)に調整された溶液について、ウラニン(■)を略100%捕集することができると共に、フルボ酸(●)を95%以上捕集することができることがわかる。また、pH3に調整された溶液についても、ウラニン(■)を略100%捕集することができると共に、フルボ酸(●)を80%以上捕集することができることが判る。
つまり、樹脂11は、pH1からpH3に調整された溶液(腐植物を溶解させた溶液)から、蛍光塗料に由来する有機物であるウラニンと、地下水の自然有機物であるフルボ酸を高い捕集率で吸着させることが可能であることが判る。特に、pH2に調整された溶液から、ウラニン及びフルボ酸を高い捕集率で吸着させることが可能である。
アクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂11は、以下に説明するように、ウラニンとフルボ酸の離脱状況が異なるため、腐植物を溶解させた溶液から、蛍光塗料に由来する有機物であるウラニンと、地下水の自然有機物であるフルボ酸を吸着し、所定の条件(後述するように、例えば、pH7に調整)でフルボ酸だけを多く離脱させることができる。
ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11から、ウラニン、フルボ酸が離脱する状況を図5、図6に基づいて説明する。
図5、図6には、pH6からpH8まで、pHを異ならせた液体をウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11に通水し、フルボ酸及びウラニンの離脱割合を確認した結果を示してある。
図5の折れ線グラフに示すように、pH6、pH6.5、pH7で、フルボ酸がそれぞれ45%程度、10%程度、5%程度離脱することが判る。図5の棒グラフで示すように、pH7でトータル60%程度のフルボ酸が離脱することが判る。pH7.2、pH7.4、pH7.6、pH7.8、pH8でのフルボ酸の離脱率は、5%に満たない状態であることが判る。
このことから、ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11にpH7の液体を通水することにより、フルボ酸を60%程度離脱させることができることが判る。そして、pH7.2以上になると、フルボ酸の離脱割合は増加しないことが判る。
尚、ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11にpH7の液体を通水した場合も、pH6からpH7まで、pHを異ならせた液体を樹脂11に通水してトータル60%程度のフルボ酸を離脱させた場合と同様に、60%程度のフルボ酸を離脱させることができる。
一方、図6の折れ線グラフに示すように、pH6、pH6.5、pH7で、ウラニンが離脱しないことが判る。そして、pH7.2、pH7.4、pH7.6、pH7.8でpHの値が増えるに従ってウラニンの離脱割合が高くなることが判る。図6の棒グラフで示すように、pH7ではウラニンが離脱することがなく、pH7.2からトータルのウラニンの離脱割合が増加し、pH8でウラニンの離脱割合がトータルで60%を超えることになることが判る。
このことから、ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11にpH7.2よりも値が低いpH(pH7)の液体を通水することにより、ウラニンを離脱させないようにすることができることが判る。そして、pH7.2以上になると、ウラニンが離脱し始めることが判る。
図5、図6の結果から、ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂11にpH6からpH7の液体を通水することにより、蛍光塗料に由来する有機物であるウラニンを離脱させずに、地下水の自然有機物であるフルボ酸を離脱させることができることが判る。特に、pH7の液体を通水することにより、ウラニンを離脱させずに、フルボ酸を60%程度離脱させて回収することができる。
従って、フルボ酸由来の14Cを評価することができ、地下水の腐植物を溶解させた溶液から、液蛍光塗料(ウラニン)に由来する人工有機物の14Cが取り除かれた状態のフルボ酸由来の14Cを評価することで、地下水と共に移動するフルボ酸由来(自然有機物由来)の14Cを的確に評価して地下水の年代を的確に測定することができる。
そして、粉末状にされた有機物(腐植物)、もしくは、溶液7が通水されてpH2に保たれた樹脂11(ウラニン及びフルボ酸が吸着された樹脂)を所望の分析施設に運ぶことで、地下水を採取する現場から離れた分析施設で、即ち、所望の場所で、有機物(腐植物)として自然有機物であるフルボ酸を回収し、フルボ酸由来の14Cに基づいて、地下水の年代を測定することができる。
上述した手法によりウラニンが取り除かれた地下水3のフルボ酸由来の14Cを評価して地下水の年代を測定した場合、従来から行われている、He等を用いた手法の結果と略同じ結果が得られていることが確認されている。
本発明は、地下水の年代を測定する地下水の年代測定装置及び地下水の年代測定方法の産業分野で利用することができる。
1 ボーリング孔
2 掘削液
3 地下水
5 濃縮手段
6 粉末加工手段
7 溶液
11 樹脂
12 吸着カラム
13 自然有機物検出手段
14 年代導出手段
16 通路部材

Claims (5)

  1. pH1からpH3に調整された、地下水に関連する液体が通水されることで人工有機物及び自然有機物が吸着され、人工有機物及び自然有機物が吸着された後にpH6からpH7の液体が通水されることで、吸着している自然有機物が離脱されるアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂と、
    前記合成吸着部材製の樹脂から離脱された前記自然有機物に由来する14Cを検出する自然有機物検出手段と、
    前記自然有機物検出手段で検出された前記自然有機物に由来する14Cを評価し、評価結果により前記地下水の年代を類推する年代導出手段とを備えた
    ことを特徴とする地下水の年代測定装置。
  2. 請求項1に記載の地下水の年代測定装置において、
    自然有機物はフルボ酸であり、
    自然有機物検出手段では、フルボ酸由来の14Cを検出する
    ことを特徴とする地下水の年代測定装置。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の地下水の年代測定装置において、
    地下水に関連する液体は、
    地下水の有機物を濃縮して得られた粉末を溶媒に溶かした溶液である
    ことを特徴とする地下水の年代測定装置。
  4. 地下水に関連する液体をpH1からpH3に調整し、pH1からpH3に調整した液体をアクリル酸エステル系の合成吸着部材製の樹脂に通水して人工有機物及びフルボ酸を吸着し、人工有機物及びフルボ酸が吸着された樹脂に対し、pH6からpH7の液体を通水してフルボ酸を離脱させ、樹脂から離脱されたフルボ酸由来の14Cを検出し、検出されたフルボ酸由来の14Cを評価することで前記地下水の年代を導出することを特徴とする地下水の年代測定方法。
  5. 請求項4に記載の地下水の年代測定方法において、
    地下水に関連する液体は、地下水から有機物を濃縮して得られた粉末を溶液に溶かした液体である
    ことを特徴とする地下水の年代測定方法。
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