JP2014157080A - 配管用音波検出装置 - Google Patents

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Tomoyuki Nagai
智之 永井
Hidefumi Yamanaka
秀文 山中
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Abstract

【課題】周囲からの雑音の影響を極力抑制して、配管からの波動信号のみを音波として確実に検出し、各種の配管における様々な状況判別に供することのできる配管用音波検出装置の提供。
【解決手段】波動信号を伝播する導波棒1と導波棒1から発生する音波を検出するマイクロフォン3が、マイクロフォン3の受音部3aと導波棒1の基端部1bとの間に空間7を有する状態で、かつ、導波棒1のうち基端部1bと先端部1aを除く他の部位が吸音体4、5により覆われ、マイクロフォン3の受音部3aと空間7が吸音体6により覆われた状態で装置本体8に保持され、導波棒1の先端部1aが流体の通流する配管Pに接触される配管当接端部2として構成されている配管用音波検出装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、液体が通流する配管において、当該配管からの波動信号を音波として検出することによってキャビテーションの発生の有無などを判別するのに使用する配管用音波検出装置に関する。
配管専用の音波検出装置としては、従来、特別な構成のものが存在せず、例えば、キャビテーションの発生有無を検出する場合であれば、検出対象となる配管の近くにマイクロフォンの受音部を近づけて配管からの波動信号を音波として検出し、その検出した音波に基づいてキャビテーション発生の有無などを判別していたのが実情である。
しかし、このような検出方法では、マイクロフォンの受音部と配管との距離の差によって検出結果に差異が生じるばかりか、周囲からの雑音の影響が多大で、信頼性の高い音波検出による確実な判別は不可能であった。
そこで、従来から知られている導波棒、特に、周囲からの雑音の混入を防止するために、周囲が吸音体で覆われた従来公知の導波棒を使用することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−197057号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の導波棒は、地中を伝播する波動信号を検出するために考えられたもので、マイクロフォンに関する言及もなく、当該導波棒をそのまま配管用として使用することは不可能である。
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、周囲からの雑音の影響を極力抑制して、配管からの波動信号のみを音波として確実に検出し、各種の配管における様々な状況判別に供することのできる配管用音波検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による配管用音波検出装置の特徴構成は、波動信号を伝播する導波棒と当該導波棒から発生する音波を検出するマイクロフォンが、当該マイクロフォンの受音部と前記導波棒の基端部との間に空間を有する状態で、かつ、前記導波棒のうち前記基端部と先端部を除く他の部位が吸音体により覆われ、前記マイクロフォンの受音部と前記空間が吸音体により覆われた状態で装置本体に保持され、前記導波棒の先端部が流体の通流する配管に接触される配管当接端部として構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、導波棒とマイクロフォンが、マイクロフォンの受音部と導波棒の基端部との間に空間を有する状態で装置本体に保持され、導波棒の先端部が配管当接端部として構成されているので、当該配管当接端部を流体の通流する配管に接触させることにより、配管からの波動信号が導波棒を介して前記空間内の空気を振動させ、それをマイクロフォンの受音部が受音することで、マイクロフォンの受音部と配管との距離を常に一定に維持した状態で配管からの波動信号を音波として検出することができる。
そして、導波棒のうち基端部と先端部を除く他の部位が吸音体により覆われ、マイクロフォンの受音部と前記空間も吸音体により覆われた状態で装置本体に保持されているので、マイクロフォンの受音部が周囲からの雑音を拾う可能性も少なく、その結果、信頼性の高い配管からの音波検出が可能となり、各種の配管における様々な状況を確実に判別することができる。
本発明による配管用音波検出装置の更なる特徴構成は、前記導波棒が、当該導波棒の外周方向に配設されて前記装置本体側に螺合の複数本の導波棒用ねじによって、前記吸音体を挟んだ状態で押圧されて前記装置本体に保持され、前記マイクロフォンが、当該マイクロフォンの外周方向に配設されて前記装置本体側に螺合の複数本のマイクロフォン用ねじによって、前記吸音体を挟んだ状態で押圧されて前記装置本体に保持されている点にある。
上記特徴構成によれば、導波棒とマイクロフォンは、いずれも複数本のねじにより装置本体に確実に保持され、しかも、それら複数本のねじは、吸音体を挟んだ状態で押圧して導波棒とマイクロフォンを保持するので、周囲の雑音がねじを介して導波棒やマイクロフォンに伝達するおそれもなく、信頼性の高い音波検出が可能となる。
本発明による配管用音波検出装置の更なる特徴構成は、前記導波棒の基端部から前記マイクロフォンの受音部までを視認できる視認窓が前記装置本体に設けられ、当該視認窓に対向する前記吸音体部位が透明な吸音体により構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、視認窓から透明な吸音体を通して導波棒の基端部とマイクロフォンの受音部までを目視により視認できるので、例えば、装置の組み立て時やメンテナンスの際に、装置本体の外側から導波棒の基端部やマイクロフォンの受音部の設置状況を確認したり、その基端部から受音部までの距離を確認するができるなど、実際の実施や使用に際してきわめて便利である。
本発明による配管用音波検出装置の更なる特徴構成は、前記マイクロフォンが、前記導波棒の基端部側への指向性を有する指向性マイクロフォンである点にある。
上記特徴構成によれば、指向性マイクロフォンを使用することによって、導波棒から波動信号を音波としてより一層信頼性の高い状態で確実に検出することができる。
配管用音波検出装置の縦断正面図 図1におけるII−II線矢視図 配管用音波検出装置の分解斜視図 別実施形態による配管用音波検出装置の縦断正面図
本発明による配管用音波検出装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の音波検出装置は、例えば、都市ガスやプロパンガスを燃料とする瞬間湯沸器において、図1に示すように、加熱後の温水が通流する金属製の配管Pからの波動信号を音波として検出し、キャビテーションの発生の有無を判別するのに使用され、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属製またはセラミックス製の丸棒状の導波棒1と当該導波棒1から発生する音波を検出する円筒形状のマイクロフォン3を有している。
導波棒1の先端部1aは、配管Pに接触される配管当接端部2として構成され、先細りの先鋭な形状を有し、導波棒1の基端部1bは、平坦な面に形成されている。
当該導波棒1は、その先端部1aと基端部1bを除く他の部位が、中心に導波棒1が貫通する円形孔4aを備えた円筒形の吸音体4により覆われ、特に、その基端部1bの近傍は、中心に導波棒1が貫通する円形孔5aを備えた円環状の透明な吸音体5により覆われている。
導波棒1の基端部1bとマイクロフォン3の受音部3aとの間には、音波伝播用の空間7が設けられ、当該空間7とマイクロフォン3の受音部3aが、図2および図3にも示すように、中心にマイクロフォン3が貫通する円形孔6aを備えた断面正方形の透明な吸音体6により覆われている。
つまり、吸音体6の円形孔6aにより空間7が形成され、当該空間7の下部が円環状の吸音体5と導波棒1の基端部1bにより閉鎖され、上部がマイクロフォン3の受音部3aにより閉鎖された構成とされ、当該マイクロフォン3として、対向する導波棒1の基端部1bへの指向性を有する指向性マイクロフォンが使用される。
そして、これら導波棒1、マイクロフォン3、および、吸音体4、5、6などが装置本体8に取り付けられて保持されている。
そのため、装置本体8は、図3から明らかなように、断面形状が正方形の有底の箱状に構成され、その底部8aに形成された円形孔に吸音体4により覆われた導波棒1が挿入され、装置本体8の内部に前記空間7を有する状態で吸音体6により覆われたマイクロフォン3が挿入されている。当該装置本体8の互いに対向する側部には、透明な吸音体5、6に対向する状態で、それぞれ装置本体8の上方開口部から底部8aにまで至るスリット状の視認窓9が設けられ、装置本体8の外側から視認窓9を通して、導波棒1の基端部1bからマイクロフォン3の受音部3aまでを目視により視認できるように構成されている。
当該装置本体8に対して、導波棒1は、当該導波棒1の外周方向に配設されて装置本体8に螺合された複数本(この実施形態では2本)の導波棒用ねじ10によって、吸音体4を挟んだ状態で互いに対向する方向から押圧されて保持され、マイクロフォン3は、当該マイクロフォン3の外周方向に配設されて装置本体8に螺合された複数本(この実施形態では2本)のマイクロフォン用ねじ11によって、吸音体6を挟んだ状態で互いに対向する方向から押圧されて保持されている。
つぎに、この配管用音波検出装置の使用方法について説明する。
例えば、温水が通流する瞬間湯沸器の金属製の配管Pにおいて、その配管P内を通流する温水にキャビテーションが発生しているか否かを判別する場合であれば、図1に示すように、キャビテーションが発生しやすい箇所に予め検出ポイント用の目印12を付しておき、当該目印12上に導波棒1の先端部1aである配管当接端部2を接触させる。
すると、温水の通流に起因する波動信号(キャビテーション音)が、導波棒1を伝播して導波棒1の基端部1bに至り、空間7内の空気を振動させ、その空気振動をマイクロフォン3の受音部3aが受音することになる。
したがって、配管P内を通流する温水にキャビテーションが発生した場合と発生しない場合との音波を予め検出しておいて、その検出結果と比較することにより、キャビテーション発生の有無を確実に判別することができる。
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、マイクロフォン3を覆う透明な吸音体6として、その中心にマイクロフォン3が貫通する円形孔6aを備えた円筒形のものを示したが、図4に示すように、円形孔6aの下方を小径の円形孔にして、円形孔6aの途中にマイクロフォン3の受音部3aが当接する段部6bを形成して実施することもできる。
このような段部6bを設けることによって、マイクロフォン3を所定の位置に保持し易くなるという利点がある。
(2)先の実施形態では、導波棒1を導波棒用ねじ10により、また、マイクロフォン3をマイクロフォン用ねじ11により、それぞれ装置本体8に保持させる構成を示したが、ねじ10、11を用いることなく、例えば、接着剤により接着して保持させるなど、導波棒1とマイクロフォン3の保持手段については種々の構成を採用することができる。
また、視認窓9の形状についても種々の改変が可能であり、その視認窓9の形状に対応して、視認窓9に対向する部位のみを透明な吸音体で構成することもでき、マイクロフォン3に関しても、必ずしも指向性マイクロフォンを使用する必要はない。
(3)先の実施形態では、本発明の配管用音波検出装置を使用して、温水が通流する瞬間湯沸器の配管Pにおいて、キャビテーション発生の有無を判別する場合について説明したが、例えば、気体が通流する配管からの波動信号を音波として検出することにより、配管からの気体漏洩の有無を判別するなど、本発明の音波検出装置は、各種の配管における様々な状況の判別に使用することができる。
1 導波棒
1a 導波棒の先端部
1b 導波棒の基端部
2 配管当接端部
3 マイクロフォン
3a マイクロフォンの受音部
4 吸音体
5、6 透明な吸音体
7 空間
8 装置本体
9 視認窓
10 導波棒用ねじ
11 マイクロフォン用ねじ
P 配管

Claims (4)

  1. 波動信号を伝播する導波棒と当該導波棒から発生する音波を検出するマイクロフォンが、当該マイクロフォンの受音部と前記導波棒の基端部との間に空間を有する状態で、かつ、前記導波棒のうち前記基端部と先端部を除く他の部位が吸音体により覆われ、前記マイクロフォンの受音部と前記空間が吸音体により覆われた状態で装置本体に保持され、前記導波棒の先端部が流体の通流する配管に接触される配管当接端部として構成されている配管用音波検出装置。
  2. 前記導波棒が、当該導波棒の外周方向に配設されて前記装置本体側に螺合の複数本の導波棒用ねじによって、前記吸音体を挟んだ状態で押圧されて前記装置本体に保持され、前記マイクロフォンが、当該マイクロフォンの外周方向に配設されて前記装置本体側に螺合の複数本のマイクロフォン用ねじによって、前記吸音体を挟んだ状態で押圧されて前記装置本体に保持されている請求項1に記載の配管用音波検出装置。
  3. 前記導波棒の基端部から前記マイクロフォンの受音部までを視認できる視認窓が前記装置本体に設けられ、当該視認窓に対向する前記吸音体部位が透明な吸音体により構成されている請求項1または2に記載の配管用音波検出装置。
  4. 前記マイクロフォンが、前記導波棒の基端部側への指向性を有する指向性マイクロフォンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の配管用音波検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017207465A (ja) * 2016-05-11 2017-11-24 株式会社リニア・サーキット 振動センサ
CN109489797A (zh) * 2018-11-20 2019-03-19 西北工业大学 一种耐高温耐腐蚀声传感器、声场测定系统及方法
CN109506771A (zh) * 2018-11-20 2019-03-22 西北工业大学 高温液体介质中具有空间定位功能的声场检测方法及装置

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