JP2014156396A - 遮熱コーティング材料、並びにガスタービン用翼、燃焼器、ガスタービン、及びジェットエンジン - Google Patents

遮熱コーティング材料、並びにガスタービン用翼、燃焼器、ガスタービン、及びジェットエンジン Download PDF

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章二 森田
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Abstract

【課題】相転移といった問題を抱えず、熱伝導率がジルコニアのそれよりも小さい、新規の遮熱コーティング材料を提供する。
【解決手段】本発明の遮熱コーティング材料は、25℃で周波数1MHzでの誘電率が35以上の誘電体を主体として含む。高誘電率化合物を利用することにより低熱伝導性の遮熱コーティング材料を提供することで、現用のジルコニアにくらべ、低熱伝導率を示す遮熱コーティング膜に用いて好適な材料を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、発電用ガスタービンの動翼、静翼、燃焼器、およびジェットエンジンなどの高温環境下で使用される機器部品に適用可能な遮熱コーティング材料に関する。
ガスタービンやジェットエンジンなどの高効率化のために、その燃焼ガスは高温化の一途をたどっている。そのために金属製部品を高温(例えば1500℃級ガスタービンで翼表面温度は約1400℃)から保護するため、部品の表面には遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)が施されている。この遮熱コーティングの材料としては、実用上、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等の希土類安定化ジルコニアをはじめとする低熱伝導性のセラミックスがほとんど唯一のものである(例えば、特許文献1参照)。上記遮熱コーティングは、金属製部品である基材上に減圧プラズマ溶射等で金属接合層を施した上に大気圧プラズマ溶射により施工される。
大気圧プラズマ溶射によって金属製部品上に施された遮熱コーティングは、緻密な組織ではなく内部に多数の気孔を有している。図1に遮熱コーティングの組織の模式図を示す。図1に示すように、遮熱コーティング1の組織中には、径が数十μmにおよぶ大気孔2、径が数μm程度の小気孔3、幅の狭い線状の気孔4,5など、さまざまな形状の気孔が存在している。遮熱コーティング1自体が低熱伝導性のセラミックスであるのと同時に、内部に存在するこのような多数の気孔2〜5によって材料の断熱性能が保たれており、基材である金属製部品の高温環境下での使用が可能となっている。
遮熱コーティングによる100℃の高温化により、カルノー効率は1%以上向上するため、遮熱能力が高いコーティング材料が求められている。
ジルコニアに代わる遮熱コーティング材料として、LaZrをはじめとする立方晶パイロクロア型構造の材料を適用するという報告(特許文献2〜4参照)もある。係る文献では、LaZrは、熱伝導率がジルコニアのそれよりも小さいことにより、遮熱コーティング材料として好適であるとされている。しかしながらLaZrの熱膨張率はジルコニアのそれよりも小さいため、実際には基材となる金属製部品との間に引っ張り応力が残留するであろうという問題を抱えている。
特開2003−026475号公報 特開平10−212108号公報 ヨーロッパ特許第0848077号 米国特許第6117560号
このように、遮熱コーティングとして用いる材料には、熱伝導率が極力小さいことが求められる。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、熱伝導率がジルコニアのそれよりも小さい、新規の遮熱コーティング材料を提供することを目的としている。
上述したように、使用温度よりも高い融点を持ち、熱伝導率が小さい材料を、ジルコニアに代わる新規の遮熱コーティング材料として提供すべく、本発明者らは第一原理計算を用いて材料の探索を行った。前記「第一原理計算」は、量子力学の基礎方程式を解く条件を変えることにより、ナノメートルスケールでの種々の物性値を得る方法である。
そして、本発明者らは、高誘電率の化合物と低熱伝導性に相関があることをはじめて見出した。誘電率が高い化合物は電子雲が変形しやすいことから、酸素欠損が生じやすくフォノンの平均自由行程が短くなるためと思われる。ジルコニアの屈折率は2.1〜2.2、室温(25℃)での誘電率は1MHzで23と報告されている。LaZrの屈折率は2.09、室温(25℃)での誘電率は1MHzで10と報告されているが、より高い屈折率、誘電率をもつ材料が望ましいと考えられる。
その後さらに研究を重ね、種々の高誘電率化合物を合成した結果、高誘電率化合物は低熱伝導性を発揮することが明らかとなった。
すなわち、本発明の参考例は、屈折率の基準値を定め、該基準値以上の屈折率を有する化合物を選ぶことによる低熱伝導性化合物の探索方法を提供する。
また、本発明の参考例は、屈折率と熱伝導率の相関性を利用し、25℃で波長600nmでの屈折率が2.2以上の化合物を選ぶことによる低熱伝導性化合物の探索方法を提供する。
また、本発明の参考例は、25℃で波長600nmでの屈折率が2.2以上の誘電体(高誘電率化合物)を主体として含むことを特徴とする低熱伝導性の遮熱コーティング材料を提供する。
上記本発明の参考例の低熱伝導性化合物の探索方法及び低熱伝導性の遮熱コーティング材料において、この誘電体の25℃で波長600nmでの屈折率は、2.3以上がより好ましく、2.4以上ではさらに好ましく、2.5以上ではさらに好ましく、2.6以上ではさらに好ましく、2.7以上ではさらに好ましく、2.8以上ではさらに好ましく、2.9以上ではさらに好ましく、3.0以上ではさらに好ましく、4.0以上では最も好ましい。前記屈折率が高いほど、前記遮熱コーティング材料の熱伝導率がより低くなるからである。
また、本発明は、25℃で周波数1MHzでの誘電率が35以上の誘電体を主体として含み、前記誘電体が、MgPrSnO、Sr0.5Ba0.5Nb0.4Ta1.6、YPrFeSbO、Bi11、NdNb、Sn(NbO、(SrBiTa0.4(BiTiNbO0.6、(SrBiNb0.50(BiTiNbO0.50、YBiFeSbO、Ba0.53Sr0.24Ti1.22、YErFeSbO、Ba0.984Sr0.016TiO、YLaFeSbO、ZnBi1.5Nb1.5、(SrBiNb0.25(BiTiNbO0.75、BiTiNbO21、CaNdSnO、(SrBiNb0.75(BiTiNbO0.25、SrMo0.5Ni0.5、YSmFeSbO、BiZn0.667Nb1.333、BiInNbO、(SrBiNb0.40(BiTiNbO0.60、BiSrNb、CaBiTa、MgLaSnO、SrTa、BaMnTiO、BaNb、及びTiNbからなる群から選択されることを特徴とする低熱伝導性の遮熱コーティング材料を提供する。
上記本発明の低熱伝導性の遮熱コーティング材料において、この誘電体の25℃で周波数1MHzでの誘電率は、45以上がより好ましく、55以上ではさらに好ましく、65以上ではさらに好ましく、75以上ではさらに好ましく、85以上ではさらに好ましく、95以上ではさらに好ましく、200以上ではさらに好ましく、300以上では最も好ましい。前記誘電率が高いほど、前記遮熱コーティング材料の熱伝導率がより低くなるからである。
誘電率が45以上の誘電体は、BiTi2.86Nb0.1412、MgNdSnO、CoOFe、(SrBiTa0.2(BiTiNbO0.8、(SrBiTa0.6(BiTiNbO0.4、YNdFeSbO、LaNiO、SmTiZnO、(Bi1.5Zn0.5)(Zn0.5Nb1.5)O、AlNb、BaNdTiZrNb30、(SrBiTa0.8(BiTiNbO0.2、BiTiからなる群から選択される。
誘電率が55以上の誘電体は、GdTiZnO、SrBi(Ta,Nb)、BaNdTiNb30、BiMg0.667Nb1.333、BaNdTiZrNb30、ZnCo0.2Cr0.8MnO、ZnCo0.6Cr0.4MnO、BiTi12、Ca0.850.15Ti0.85Co0.15からなる群から選択される。
誘電率が65以上の誘電体は、Ba0.80La0.20Ti0.95、Ba0.5Sr0.5Ti、BaBiTi18、BiCu0.667Nb1.333からなる群から選択される。
誘電率が75以上の誘電体は、Ba0.9La0.066Nb、Ba0.9Sm0.067Nb、BaZr0.25Nb1.55.25、SnNb、ZnCo0.8Cr0.2MnO、Sr0.3La0.7MnOからなる群から選択される。
誘電率が85以上の誘電体は、SrBiVO12.5である。
誘電率が95以上の誘電体は、BaDyTiNb30、(BiFeO0.8(BaTiO0.2、BaSmTiNb30、(Ba,Sr)Nb、Ba0.700.20Nb、Ba0.85Sm0.10Nb、Ni0.4Zn0.6Fe、Ba0.6Sm0.267Nb、BaCaTiNb15、ZnCo0.5Cr0.5MnO、Ca0.900.10Ti0.90Co0.10、BaTiNb15、Ba0.65Zr0.3Nb0.75、Ca0.970.03Ti0.97Co0.03、Ba0.8La0.132Nb、BaMgTa、InCaCu15、Ba0.6Sr0.4TiO、ZnMnCrO、Zn0.3Mg0.9Ti0.2Fe1.6、Ba0.25Sr0.75Nb、In14CaCu32、BaBiTa、Sr0.75Ba0.25Nb、BaSnFe11、Ba0.67Sr0.33Nb、ZnCo0.4Cr0.6MnO、Ba0.75La0.165Nb、(Ba,Mg)(Ti,Sn)O、La0.67CuTi12、Ba0.5Sm0.333Nb、Sr0.80La0.20Ti0.80Co0.20、SrMg0.33Nb4.6715、Ba0.25Sr0.75Nb、Sr0.46Ba0.54Nb、Ba0.70La0.198Nb、LaYbO、BaTi、Ba0.59Sr0.32Ti1.08、MgNb、Ba0.60La0.264Nb、ZnMnCoO、CaNb、(BiFeO0.9(BaTiO0.1からなる群から選択される。
誘電率が200以上の誘電体は、Sr0.6Ba0.4Nb、Ba0.750.16Nb、BiCuO、BiTiFe21、SbNbO、SrCaTiNb15、(SrB0.5(BiVO5.50.5、Sr0.5Ba0.5Nb、BaBiNb、BaTi0.90Sn0.04Si0.06、Ba0.7Sm0.2Nb、Ba0.90La0.10Ti0.975、BaBiMoO、SrTiNb30、MnTa、Ba0.80.13Nb、(SrB0.5(BiVO5.50.5、Sr0.90La0.10Ti0.90Co0.10、Ba0.7Zr0.4Nb0.7、BiCuTiFeO12からなる群から選択される。
誘電率が300以上の誘電体は、BiTiNbO、SrBiNbからなる群から選択される。
なお、誘電率は通常、実数部と虚数部とからなる複素数として表されるが、本発明に好適に用いられる誘電体は虚数部の絶対値が0に近い値であるため、虚数部については無視される。
また、本発明の参考例及び本発明において、前記誘電体の「屈折率」および「誘電率」は、その誘電体が気孔を含まない状態で測定される屈折率および誘電率を表すものとする。
本発明の遮熱コーティング材料は、単独でも十分に低熱伝導性を発揮する。また、本発明の遮熱コーティング材料は、それぞれを複合化して用いても、低熱伝導性を損なわないであろうことが推定されるため、遮熱コーティング材料として十分適していると考えられる。
本発明によれば、高誘電率化合物を利用することにより低熱伝導性の遮熱コーティング材料を提供することで、現用のジルコニアにくらべ、低熱伝導率を示す遮熱コーティング膜に用いて好適な材料を提供することができる。
さらに本発明によれば、高誘電率化合物を利用することにより低熱伝導性の遮熱コーティング材料を提供し、それぞれを複合化した材料を含む構成とすることで、上記熱伝導率がさらに適切な範囲に制御された遮熱コーティング材料を提供することができる。
遮熱コーティングの組織の模式図である。 MgO−SiO系の状態図である。 FeO−SiO系の状態図である。 MnO−SiO系の状態図である。 NiO−SiO系の状態図である。 CoO−SiO系の状態図である。 FeO−MgO−SiO系の状態図である。 CaO−MgO−SiO系の状態図である。 FeO−MnO−SiO系の状態図である。 MgO−MnO−SiO系の状態図である。 MgSiO−NiSiO系の状態図である。 誘電体の屈折率の逆数と熱伝導率の実測値との関係をプロットしたグラフである。 誘電体の誘電率の逆数と熱伝導率の実測値との関係をプロットしたグラフである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
Mn0.91Zn0.09Feは、屈折率が4.65と大きい。出発原料を所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1400℃で仮焼した。その仮焼粉を粉末X線回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、単相になっていることを確認した。
試料を1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。熱伝導率は0.9[W/mK]であり、遮熱コーティングとして好適な物性値を示した。
[実施例2]
YBaCuは、屈折率が4.5と大きい。出発原料を所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1400℃で仮焼した。その仮焼粉を粉末X線回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、単相になっていることを確認した。
試料を1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。熱伝導率は0.91[W/mK]であり、遮熱コーティングとして好適な物性値を示した。
[実施例3]
BiTiNbOについて、1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。熱伝導率は0.8[W/mK]であり、遮熱コーティングとして好適な物性値を示した。
[実施例4]
SrBiNbについて、1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。熱伝導率は0.81[W/mK]であり、遮熱コーティングとして好適な物性値を示した。
[実施例5]
本発明による低熱伝導材料同士を複合化させることを検討した。
複合材の熱伝導率(λ)はMaxwell−Euckenの式と呼ばれる以下の(1)式で表される。(1)式中、λは熱伝導率、Vは体積分率、添え字mはマトリクス、添え字pは添加する相である。
λ=λ(1+2VΦ)/(1−VΦ)・・・(1)
ただし、Φは以下の(2)式で表される。
Φ=(1−λ/λ)/(2λ/λ+1)・・・(2)
これら(1)および(2)式を用いることにより、異なる熱伝導率をもつ2つの材料を複合化させたときに、複合熱伝導率を計算することができる。
いま例えばMn0.91Zn0.09FeとBiTiNbOとを1:1で複合化する場合の熱伝導率について考える。仮にMn0.91Zn0.09Feをマトリクス、BiTiNbOを添加する相とすると、λ=0.9、λ=0.8、またV=0.5であり、それらを(1)および(2)式に代入すればその複合熱伝導率(λ)は
λ=0.85
となる。これは遮熱コーティングとして好適な値である。
このように低熱伝導性を示す本発明の材料同士を複合化させることにより、熱伝導率を調節することが可能となる。本発明の他の材料についても同様の検討を行うことにより、熱伝導率を制御できることは容易に推定できる。
[実施例6]
組成式NdTi,LaSi,LaTi,SrNb,SrTa,SrTi,LaNiO,LaTaOで表される組成物を選定した。
そして、それぞれの構成元素の酸化物または炭酸塩を出発原料に選び、所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1200℃で仮焼した。得られた仮焼粉を粉末X線回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、すべての試料で単相になっていることが確認された。
次いで、上記各試料を1400℃で焼成し、その焼結体から4×4×15mmの棒状試料を切出して、熱膨張率を測定した。1000℃における熱膨張率の値を表1に示す。なお比較材として3YSZ(3mol%Y−ZrO:イットリア部分安定化ジルコニア)の熱膨張率の値も表中に記載した。
Figure 2014156396
作製した試料のうち、NdTi,SrNb,SrTi,LaNiOにおいて熱膨張率が3YSZのそれよりも大きな値を示している。このことは、これらの材料を遮熱コーティングとして使用した場合、下地の金属製部品との間に引っ張り応力を生じる可能性が現用のジルコニアよりも小さいということを示唆している。
次に、NdTi,LaSi,LaTi,SrNb,SrTa,SrTi,LaNiO,LaTaOについて、1400℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表2に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2014156396
材料の熱伝導率λと比熱C、熱伝達媒体(フォノン)の平均自由行程L、その運動速度vとの間には、下記に示す(3)式の関係がある。フォノンの平均自由行程Lは絶対温度Tと逆比例する(L∝(1/T))ため、セラミックスの場合、(3)式は、下記(4)式(ただしAは比例定数)のように表され、温度上昇とともに熱伝導率は減少する傾向を示す。
λ∝C・L・v・・・(3)
λ=A・(C・L・v)/T・・・(4)
表2に掲げたNdTi,LaSi,LaTi,SrNb,SrTa,SrTi,LaNiOの熱伝導率は室温(〜300K)で測定した値である。(4)式によれば、これらの材料の1000℃(1273K)における熱伝導率は室温時の値の約1/4になることが推定できる。その1000℃における推定熱伝導率値を表3に示す。
表3に示すように、これらの材料の1000℃における熱伝導率はいずれもジルコニアのそれよりも小さいと推定でき、遮熱コーティング材料として適していると考えられる。
Figure 2014156396
[実施例7]
本実施例では、上記実施例6で熱膨張率、熱伝導率を測定した材料の複合化することを検討した。
実施例6によればLaSi,LaTi,SrTaおよびLaTaOは、そのままでは熱膨張率がジルコニアのそれよりも小さいため、遮熱コーティング材料として用いた場合に引っ張り応力が生じるおそれがある。そこで、これらの材料の低熱伝導性を維持したまま高熱膨張率化を図るため、表1に掲げた他の高熱膨張率材料との複合化を検討した。
熱膨張率差の大きい2種類のセラミックスを複合化する際に、その複合材の熱膨張率(α)はTurnerの式と呼ばれる以下の(5)式で表される。(5)式中、αは熱膨張率、Kは体積弾性率、Vは体積分率、添え字mはマトリクス、添え字pは添加する相である。
α=(α+α)/(V+V) ・・・(5)
また複合材の熱伝導率(λ)は、前述の(1)式に(2)式を代入すると、以下の(6)式で表される。(6)式中、λは熱伝導率、Vは体積分率、添え字mはマトリクス、添え字pは添加する相である。
λ=λ{1+2V(1−λ/λ)/(2λ/λ+1)}/{1−V(1−λ/λ)/(2λ/λ+1)} ・・・(6)
いま例えば表1、2中に示した低熱膨張性(低熱伝導性)材料LaTaO(α=5.33、λ=2.11)を高熱膨張性(高熱伝導性)材料であるSrTi(α=11.99、λ=5.64)に複合化させるとする。すなわちSrTiをマトリクス、LaTaOを添加する相とする。LaTaOを10vol%添加することにするとV=0.1、またSrTiおよびLaTaOの体積弾性率はそれぞれK=146.7、K=213.6である。
これらの数値を(5)式、(6)式に代入すると、
(5)式より α=11.06
(6)式より λ=5.11
となる。λ=5.11は室温熱伝導率であるから、1000℃における熱伝導率は約1/4になると推定するとλ=1.28となる。これは熱膨張率、熱伝導率とも現用のジルコニア系材料のそれらにくらべて遮熱コーティングとして有利な値である。
このように2種類の材料を複合化させることにより、熱膨張率、熱伝導率とも両者の間を取ることができ、その値は体積分率を適正に定めることにより制御できることが分かる。そしてここでは、例としてSrTiとLaTaOを複合化する場合を計算したが、表中に掲げた他の材料についても同様の検討を行うことにより熱膨張率、熱伝導率を制御できることは容易に推定できる。
従って、表1および2に掲げた材料を2種類あるいはそれ以上複合化させた材料も、遮熱コーティング材料として十分適していると考えられる。
[実施例8]
MgSiOは、絶縁材料としてIC基板やパッケージ等の電子・電気機器に使用されているが、遮熱コーティングをはじめとする高温構造材料に使用された例はない。本発明者らはMgSiOのもつ高熱膨張性および低熱伝導性に着目し、遮熱コーティングへの適用を考え、まずMgSiOならびにその類似化合物について調査した。
MgSiOは鉱物名Forsteriteと呼ばれ、斜方晶、空間群Pmnbで分類されるMSiO(Mは2価の金属元素)のオリビン型構造をとる材料に属する。このような斜方晶、空間群Pmnbで分類されるオリビン型構造をとる材料には、他にFeSiO(鉱物名Fayalite)、MnSiO(鉱物名Tephroite)、NiSiO(鉱物名Liebenbergite)、CoSiO等がある。
上記組成式中Mで表されている2価の金属元素は特に1種類である必要はなく、(M,M’)SiOの形、例えば(Fe,Mg)SiO(鉱物名Olivine)、(Ca,Mg)SiO(鉱物名Monticellite)、(Fe,Mn)SiO(鉱物名Knebelite)、(Ca,Mn)SiO(鉱物名Glaucochroite)、(Ca,Fe)SiO(鉱物名Kirschsteinite)等の材料も存在する。この2価の金属元素の部分は(M,M’)でという形で示されるように、MとM’が必ずしも1:1の比をとるとは限らず、任意の比を取ることができる。
これらのMSiOあるいは(M,M’)SiOで表される材料について熱的安定性を調べた。各材料の状態図を、図2から図11に示す。またそれぞれの状態図から読み取れる融点(または分解温度)を表4に示す。尚、図2から図11の各状態図の出典については、表9に記載している。
Figure 2014156396
遮熱コーティングとして使用することを考えると、これらのうち融点が1400℃よりも低いFeSiO、MnSiO、(Fe,Mn)SiO、CaMnSiO、CaFeSiOは、明らかに不適切である。しかしながら例えば(Fe,Mg)SiOの場合で分かるように、高融点のMgSiOと低融点のFeSiOを複合化させることにより、その中間の融点をもった(Fe,Mg)SiOを作ることが可能である。そしてその融点をFeとMgの比率で制御できることは図7のFeO−MgO−SiO系状態図から読み取れる。従って、FeとMgの場合以外でも(M,M’)SiOのMとM’の元素の組み合わせならびにその比率により所望の融点をもった材料を得ることが可能となることは容易に推測できる。
そこで、組成式MgSiO、NiSiO、CoSiO、(Ca,Mg)SiO、(Mg,Co)SiO、(Mg,Ni)SiO、(Ni,Co)SiOで表される組成物について、各構成元素の酸化物粉体を所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した後、乾燥させて1200℃で仮焼することにより、仮焼粉を作製した。それらの仮焼粉を粉末X線回折にて同定したところ、SiO等の未反応原料成分は残っておらず、すべての試料で単相になっていることが確認された。
表4で掲げた材料についてその理論密度を表5に示す。ただしそれらの材料のうち融点が1400℃よりも低いため遮熱コーティングとしての使用が不適切であるものは省略した。また上記で作製したMgSiO、NiSiO、CoSiO、(Ca,Mg)SiO、(Mg,Co)SiO、(Mg,Ni)SiO、(Ni,Co)SiOの各仮焼粉について1400℃で焼成し、その焼結体の密度を測定した結果も表5に記載する。ただし、これらのうちCoSiOは焼結体の一部が溶融してしまったため測定から除外した。さらに比較材として3YSZ(3mol%Y−ZrO:イットリア部分安定化ジルコニア)の密度の値も表中に記載した。
Figure 2014156396
比較材として提示した3YSZの相対密度が約97%であり、ほとんど緻密体になっているのに比べ、他の材料では相対密度が75〜94%と低い値を示した。これはMSiOおよび(MM’)SiO系の材料がジルコニアに比べると全般的に難焼結性であると推定できる。遮熱コーティングとして金属部品に溶射された場合、その組織は図1で示したように多数の気孔をもった状態となる。そしてそのような多数の気孔の存在により、材料の断熱性能が保てるのであるから、現用のジルコニアに比べ緻密になりにくいと思われるこれらMSiOおよび(MM’)SiOのオリビン型構造をもった材料は、遮熱コーティングとして適していると考えられる。
またいずれの材料も理論密度がジルコニアのそれの1/2〜5/6程度であるため、遮熱コーティングとして施工した際に重量の軽減が図れ、ガスタービン等の効率に好影響を及ぼすことが期待できるため、そのような点でもこれらの材料は実用的に適っていると考えられる。
[実施例9]
次に、組成式MgSiO、NiSiO、(Ca,Mg)SiO、(Mg,Co)SiO、(Mg,Ni)SiO、(Ni,Co)SiOで表される組成物を、1400℃で焼成して作製し、得られた各焼結体から4×4×15mmの棒状試料を切出して、熱膨張率を測定した。1000℃における熱膨張率の値を表6に示す。なお比較材として3YSZの熱膨張率の値も表中に記載した。
Figure 2014156396
表6に示すように、作製したいずれの試料も熱膨張率は3YSZのそれよりも大きな値を示している。これは遮熱コーティングとして使用した際、下地の金属製部品との間に引っ張り応力を生じる可能性が現用のジルコニアよりも小さいということを示唆している。したがってこの点でもこれらMSiOおよび(MM’)SiOのオリビン型構造をもった材料は遮熱コーティングとして適していると考えられる。
次に、組成式MgSiO、NiSiO、(Ca,Mg)SiO、(Mg,Co)SiOで表される組成物を1400℃で焼成して作製し、得られた各焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表7に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2014156396
先の実施例6の中で述べたのと同様の考察を行うと、表7に掲げたMgSiO、NiSiO、(Ca,Mg)SiO、(Mg,Co)SiOの室温(〜300K)で測定した熱伝導率値に対し、1000℃(1273K)における熱伝導率はそれら室温時の値の約1/4になることが推定できる。1000℃における推定熱伝導率値を表8に示す。
Figure 2014156396
表8に示すように、これらの材料の1000℃における熱伝導率はいずれもジルコニアのそれよりも小さいと推定でき、遮熱コーティングとして十分適していると考えられる。
Figure 2014156396
[実施例10]
本例では、先の実施例6中で、熱膨張率がジルコニアのそれよりも大きく、また熱伝導率がジルコニアのそれよりも小さいと推定できるため、遮熱コーティング材料として適していると述べたSrNbを基に、その他のNbを含む酸化物について同様に熱膨張率α、熱伝導率λの検討を行った。また同じく実施例6中で述べたLaNiOを基に、Laの代わりに他の希土類元素、例えばPr,Nd,Eu等のLaと同じく3価をとる希土類元素を置換した酸化物、さらに実施例6中で述べたLaTaOを基にLaの代わりに他の3価の金属元素、例えばAl,V,Cr,Fe,Ga,Y,Rh,In,Ce,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを置換した酸化物、およびその他のTaを含む酸化物について同様に熱膨張率α、熱伝導率λの検討を行った。ここで選定した材料は、SrとNbの比を変えたSrNb、SrNb15、Srに代わり同じアルカリ土類金属系であるCaを用いたCaNb、Srの代わりに希土類元素を用いたYNbO、LaNbO等のNbを含む酸化物、LaNiO中のLaの代わりにNdで置換したNdNiO、LaTaO中のLaの代わりNdで置換したNdTaO、およびCaTa、BaTaとした。それら材料を表10に示す。
Figure 2014156396
表10に示すように、これらの材料はすべて融点が1400℃以上であり、遮熱コーティングとして使用可能な温度域での熱的安定性には問題がないと考えられる。
表10に掲げた材料を合成するにあたり、それぞれの構成元素の酸化物、水酸化物または炭酸塩を出発原料に選び、所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1400℃で仮焼した。得られた仮焼粉を粉末X線回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、全ての試料で単相になっていることが確認された。次いで、上記各試料を1500℃で焼成し、その焼結体から4×4×15mmの棒状試料を切出して、熱膨張率を測定した。1000℃における熱膨張率の値を表11に示す。なお比較材として3YSZの熱膨張率も表中に記載した。
Figure 2014156396
作製した試料のうち、SrNb、SrNb15、CaNb、LaNbOにおいて熱膨張率が3YSZのそれよりも大きな値を示している。このことは、これらの材料を遮熱コーティングとして使用した場合、下地の金属製部品との間に引っ張り応力を生じる可能性が現用のジルコニアよりも小さいということを示唆している。またYNbOにおいても熱膨張率がジルコニアのそれよりも小さいとはいえほぼ同等であるため、遮熱コーティングとして使用した場合、下地の金属製部品との間に生じる引っ張り応力は、現用のジルコニアを使用した場合と同程度と推定でき、遮熱コーティング材料として熱膨張的には問題ないと考えられる。
なお、本実施例では表11に掲げた9種類の試料についてのみ熱膨張率の測定を行ったが、LaNiOにおけるLaの代わりにNd以外の希土類元素、例えばPr,Euを置換した酸化物や、LaTaOにおけるLaの代わりにNd以外の3価の金属元素、例えばAl,V,Cr,Fe,Ga,Y,Rh,In,Ce,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを置換した酸化物であっても、NdNiOやNdTaOと同様の結晶構造をとるため、同程度の大きさの熱膨張率を持つであろうことは容易に推測できる。
次に、SrNb、CaNb、YNbO、NdNiO、NdTaO、CaTa、BaTaについて、1500℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表12に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2014156396
実施例6中で述べたのと同様の考察を行い、先に示した式(4)により1000℃(1273K)における熱伝導率を推定すると、表13のようになる。
Figure 2014156396
表13に示すように、これらの材料の1000℃における熱伝導率はいずれもジルコニアのそれよりも小さいと推定でき、遮熱コーティング材料として適していると考えられる。
また、実施例7で説明した式(5)および(6)を用いることにより、熱膨張率、熱伝導率を制御することが可能であるため、表11および12に掲げた材料を2種類あるいはそれ以上複合化させた材料も、遮熱コーティング材料として十分適していると考えられる。同様に実施例6中の表1および2に掲げた材料と本実施例中の表11および12に掲げた材料とを2種類あるいはそれ以上複合化させた材料も、遮熱コーティング材料として十分適していると考えられる。
なお、本実施例では表12に掲げた7種類の試料についてのみ熱伝導率の測定を行ったが、LaNiOにおけるLaの代わりにNd以外の希土類元素、例えばPr,Euを置換した酸化物や、LaTaOにおけるLaの代わりにNd以外の3価の金属元素、例えばAl,V,Cr,Fe,Ga,Y,Rh,In,Ce,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを置換した酸化物であっても、NdNiOやNdTaOと同様の結晶構造をとるため、同程度の大きさの熱伝導率を持つであろうことは容易に推測できる。
[実施例11]
本例では、先の実施例6中で、熱膨張率がジルコニアのそれよりも大きく、また熱伝導率がジルコニアのそれよりも小さいと推定できるため、遮熱コーティング材料として適していると述べたSr−Nb系酸化物の固溶体を基に、BaTaの固溶体、およびLaNiOの固溶体や、その他の類似化合物について同様に熱膨張率α、熱伝導率λの検討を行った。ここで選定した材料はCaNb,Ca11Nb21,BaTa1.8Ti0.2,BaTa1.8Zr0.2,SrNb1.8Ti0.2,SrNb2−xZr,SrNb2−xTi,SrNb1.8Zr0.2,LaNbO,DyNbO,La1.8Ca0.2NiO,LaWO12,CeWO12,DyWO12,SmWO12,YbWO12,YWO12,DyWO,YbWOSrYb、LaWO12、DyWOとした。これらの材料を表14に示す。
Figure 2014156396
表14に示すように、これらの材料はすべて融点が1700℃以上であり、中にはイットリアを固溶したジルコニアの融点以上である2500℃を超える融点のものもあり、遮熱コーティングとして使用可能な温度域での熱的安定性には問題がないと考えられる。
次に、上記表15に掲げた材料を合成した。これらの材料を合成するにあたり、それぞれの構成元素の酸化物、水酸化物または炭酸塩を出発原料に選び、所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1400℃で仮焼した。得られた仮焼粉を粉末X線回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、全ての試料で単相になっていることが確認され、置換固溶を狙ったものについては各ピークを詳細に調べ、一定方向にピークシフトが認められて、添加固溶成分が結晶中に確実に固溶していることを確認した。次いで、上記各試料を1500℃で焼成し、その焼結体から4×4×15mmの棒状試料を切出して、熱膨張率を測定した。なお、一般的に類似化合物、類似結晶構造をとるものであっても、その微妙な違いにより熱伝導率は大きく異なることが多いが、熱膨張率はそれほど大きく違うことは少ない。つまり、CaNb、Ca11Nb21についてはCaNbと、BaTa2−xTi、BaTa2−xZr、についてはBaTaと、SrNb2−xTi、SrNb2−xZrについてはSrNbと、SrNb2−xTi、SrNb2−xZrについてはSrNbと、LaNbO、DyNbOについてはLaNbOと、La2−xCaNiOについてはLaNiOと、CeWO12、DyWO12、SmWO12、YbWO12、YWO12についてはLaWO12と、YbWOについてはDyWOと同等の熱膨張率の値となることが明らかであるので、ここでは省略することとし、SrYb、LaWO12、DyWOの1000℃における熱膨張率の値を表15に示す。なお比較材として3YSZの熱膨張率も表中に記載した。
Figure 2014156396
表15に示すように、作製した試料のうち、SrYb,LaWO12,DyWOにおいて熱膨張率が3YSZのそれよりも大きな値を示している。このことは、これらの材料を遮熱コーティングとして使用した場合、下地の金属製部品(母材)との間に引っ張り応力を生じる可能性が現用のジルコニアよりも小さいということを示唆している。
次に、CaNb,Ca11Nb21,BaTa1.8Ti0.2,BaTa1.8Zr0.2,SrNb1.8Ti0.2,SrNb2−xZr,SrNb2−xTi,SrNb1.8Zr0.2,LaNbO,DyNbO,La1.8Ca0.2NiO,LaWO12,CeWO12,DyWO12,SmWO12,YbWO12,YWO12,DyWO,YbWOについて、1400℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表16に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2014156396
以上に得られた結果から、実施例6中で述べたものと同様の考察を行い、先に示した式(4)により1000℃(1273K)における熱伝導率を推定すると、表17のようになる。
Figure 2014156396
表16、表17に示したように、これらの材料の室温、1000℃における熱伝導率はいずれもジルコニアのそれよりも小さいと推定でき、遮熱コーティング材料として適していると考えられる。
また、実施例7で説明した式(5)および(6)を用いることにより、熱膨張率、熱伝導率を制御することが可能であるため、表15および表16に掲げた材料を2種類あるいはそれ以上複合化させた材料も、遮熱コーティング材料として十分適していると考えられる。同様に実施例6中の表1および表2に掲げた材料と本実施例中の表15および16に掲げた材料とを2種類あるいはそれ以上複合化させた材料も、遮熱コーティング材料として十分適していると考えられる。
なお、本実施例では表16に掲げた19種類の試料についてのみ熱伝導率の測定を行ったが、LaWO12、DyWOにおけるLaの代わりにその他の希土類元素、例えばPr、Nd、Eu、Gd、Er等を置換した酸化物であっても、LaWO12やDyWOと同様の結晶構造をとるため、同程度の大きさの熱伝導率を持つであろうことは容易に推測できる。
[実施例12]
本例では、先の実施例6中で、熱膨張率がジルコニアのそれよりも大きく、また熱伝導率がジルコニアのそれよりも小さいと推定した材料が、遮熱コーティング材料として適当であるとの検証試験を実施した。検証には適用先としてガスタービンの運転状況を想定し、最も大きな応力がかかる状態として起動・停止時に負荷される熱応力を考え、この熱応力による疲労現象を要素的に調べた熱サイクル試験を実施した。
まず、組成Ni−16Cr−8.5Co−1.7Mo−2.6W−1.7T−0.9Nb−3.4Al−3.4Ti(at%)であるNi基耐熱合金を円板状に切出して試験片基材とした。そしてこの基材表面をAl粉末によりグリッドブラストした後、その上に金属結合層としてCo−32Ni−21Cr−8Al−0.5Y(at%)なる組成のCoNiCrAlY合金からなるボンドコート層を低圧プラズマ溶射法により形成し、このCoNiCrAlY合金のボンドコート層の上に大気圧プラズマ溶射法によりセラミックス層(遮熱コーティング材料で構成される皮膜)を積層して遮熱コーティング膜を形成して試験片とした。
なお、ボンドコート層(CoNiCrAlY合金膜)の厚さは0.1mm、セラミックス層の厚さは0.5mmとした。
次に、この試験片に対して、遮熱コーティング膜側の表面を大型の赤外線ランプを集光させて加熱し、表面温度が所定の温度にまで加熱されたらシャッターによりランプの光を遮断することにより冷却し、続いて所定の温度にまで冷却されたら再度シャッターを開けて加熱をする加熱/冷却サイクルを繰り返す熱サイクル試験を行った。
また、試験を短サイクルで終了させるために、加速化条件として試験片の加熱される反対側表面に対して約−20℃の冷却空気をノズルから噴射して試験片全体を冷却した。これにより、試験片は遮熱コーティング膜と反対側の表面を中心としてほぼ0℃に冷却されるので、赤外線ランプにより加熱される際の遮熱コーティング膜側の表面以外は、常に全体が冷却されるようになる。そしてこのような温度差を意図的に付与することで、試験片には皮膜界面を中心とする非常に大きな熱応力が負荷されることになる。この試験を目視で遮熱コーティング面の剥離が確認されるまで行った。
上記熱サイクル試験を、SrNbからなる遮熱コーティング膜を被覆した試料について行った。熱サイクル試験の条件として、試験片加熱面(遮熱コーティング膜表面)の最高温度を1450℃とし、最高界面温度(遮熱コーティング膜と基材との界面の最高温度)を850℃とする繰り返しの加熱を行った。その際、加熱時間1分、冷却時間1分の繰り返しとした。この熱サイクル試験の結果を表18に示す。また、比較のために3YSZの遮熱コーティング膜の場合について併記した。
Figure 2014156396
表18から明らかなように、SrNbは遮熱コーティング材料として優れた効果を有することが確認できた。これはこの材料が比較材よりも高い熱膨張率と低い熱伝導率を兼ね備えた結果であると考えられ、その他の材料に対しても同等の効果が認められるであろうことは容易に推測できる。
[参考例1]
SrNb、SrNb、YSZ、LaZr、LaTaO、LaNiO、MgCoSiO、CaMgSiOおよびMgSiOについて、25℃で波長600nmでの屈折率の逆数と熱伝導率の実測値との関係を調べた。結果をプロットしたグラフを図12に示す。また、この結果から前記屈折率の逆数(x)と前記熱伝導率(y)の関係を最小二乗法により近似したところ、
y=27.328x−11.222
であった。この式で表される直線を図12のグラフ中に示す。
この結果から、屈折率が大きい材料ほど、熱伝導率が低く、遮熱コーティング材料として優れていることが推測できる。
[実施例13]
SrNb、SrNb、YSZ、LaZr、LaTaO、LaNiO、MgCoSiO、CaMgSiOおよびMgSiOについて、25℃で周波数1MHzでの誘電率の逆数と熱伝導率の実測値との関係を調べた。結果をプロットしたグラフを図13に示す。また、この結果から前記誘電率の逆数(x)と前記熱伝導率(y)の関係を最小二乗法により近似したところ、
y=55.783x−0.6328
であった。この式で表される直線を図13のグラフ中に示す。
この結果から、誘電率が大きい材料ほど、熱伝導率が低く、遮熱コーティング材料として優れていることが推測できる。
[参考例2]
本発明の参考例の遮熱コーティング材料に好適に用いられ得る、25℃で波長600nmでの屈折率が2.2以上の誘電体を以下に列記する。なお、各誘電体の組成式の右側に、25℃で波長600nmでのそれぞれの屈折率を併記する。
Mn0.91Zn0.09Fe 4.65
YBaCu(x) 4.5
YMnO 4.5
LaCuO 2.86
CuFe 2.71
Bi12TiO20 2.682
Bi12GeO20 2.67214
BiMoO 2.67
Bi12TiO20 2.65
Sb0.8Bi0.2NbO 2.61
Sb0.9Bi0.1NbO 2.61
Sb0.7Bi0.3NbO 2.61
MnBO 2.6
CaFe 2.58
SbNbO 2.58
(Fe,Mn)(Ta,Nb) 2.53
(Fe,Mn)(Nb,Ta) 2.53
Sn{(Ta,Nb)} 2.52
FeTiSb21 2.51
BiTi12 2.5
BiWO 2.5
BiVO 2.5
Sr0.61Ba0.39(Nb) 2.4973
BaLaNb12 2.487
MnTiO 2.481
InSb12 2.48
Sb(Ta,Nb)O 2.48
InSb12 2.48
Bi12ZnO19 2.48
SbTaO 2.452
NdCuO 2.45
BiNbO 2.45
FeNb 2.45
BiNbO 2.45
MnWO 2.43
Bi(Ta,Nb)O 2.428
DyVO 2.422
BiVO 2.41
FeTiO 2.4075
MnNb 2.4
(TmBiY)(FeGa)12 2.4
FeWO 2.4
(Mg,Fe,Mn)(Nb,Ti,Ta) 2.4
FeNb 2.4
NiFe 2.39
Bi(CO)O 2.39
BiSrTa 2.38
FeTiO 2.375
(Mn,Sb,Ca)(Mn,Fe,Mg){OSiO} 2.36
Ba0.67Sr0.33Nb 2.357
Sr0.75Ba0.25Nb 2.356
Sr0.46Ba0.54Nb 2.355
LaTi 2.35
BiTaO 2.35
ZrNb11 2.35
MgFe 2.34
ZnMn 2.34
MnTa 2.34
UV10 2.34
PrTi 2.34
FeSb 2.33
ZrNb17 2.325
YVO 2.3175
(Ba,Sr)Nb 2.317
ZnFe 2.31
FeWO 2.31
MgTiO 2.31
TiNb 2.305
(U,Ca,Y,Ce)(Ti,Fe) 2.3
(Ga0.69(LaS)0.31 2.3
MgNb 2.29
CrNiO 2.29
LaTiNbO 2.29
CaFe 2.29
CaCr 2.29
AlNb2564 2.28
MgCaFe 2.28
Mn(Ta,Nb,Sn) 2.28
YNbO 2.28
LaTiNbO14 2.28
NdTi 2.27
YbSb12 2.27
PtO 2.26
TbSb12 2.26
DyVO 2.257
YbVO 2.256
ErVO 2.254
VNb 2.25
BaZr0.25Nb1.55.25 2.25
(Y,Ce,Fe,U,Ca)(Nb,Ta,Fe) 2.25
YbTi 2.25
GdVO 2.244
(Bi,Lu,Nd)(Fe,Al)12 2.2403
BaNb 2.24
NbTiYO 2.24
CaTi 2.24
PrSb12 2.22
AlNb1129 2.22
SmTi 2.22
BiOF 2.213
2.875Nd0.125Fe12 2.211
LaNbO 2.21
(ZrO0.915(Sm0.085 2.21
(ZrO0.915(Dy0.085 2.21
Fe12 2.2
CaNb 2.2
LaTiNbO 2.2
MnWO 2.2
(Ta,Nb,Sn,Mn,Fe) 2.2
InSn(7−x) 2.2
Ba0.75Sr0.25TiO 2.2
[実施例14]
本発明の遮熱コーティング材料に好適に用いられ得る、25℃で周波数1MHzでの誘電率が35以上の誘電体を以下に列記する。なお、各誘電体の組成式の右側に、25℃で波長1MHzでのそれぞれの誘電率を併記する。
BiTiNbO 312.9487179
SrBiNb 312.9487179
Sr0.6Ba0.4Nb 293.1794872
Ba0.750.16Nb 286.5897436
BiCuO 286.5897436
BiTiFe21 284.2833333
SbNbO 280
SrCaTiNb15 280
(SrB0.5(BiVO5.50.5 279.6705128
Sr0.5Ba0.5Nb 278.0230769
BaBiNb 270.1153846
BaTi0.90Sn0.04Si0.06 270.1153846
Ba0.7Sm0.2Nb 256.9358974
Ba0.90La0.10Ti0.975 253.6410256
BaBiMoO 253.6410256
SrTiNb30 248.6987179
MnTa 237.1666667
Ba0.80.13Nb 233.8717949
(SrB0.5(BiVO5.50.5 231.5653846
Sr0.90La0.10Ti0.90Co0.10 227.2820513
Ba0.7Zr0.4Nb0.7 222.0102564
BaYCu(x) 220.6923077
BiCuTiFeO12 218.0564103
BaDyTiNb30 196.3102564
(BiFeO0.8(BaTiO0.2 194.3333333
BaSmTiNb30 192.6858974
(Ba,Sr)Nb 191.0384615
Ba0.700.20Nb 191.0384615
Ba0.85Sm0.10Nb 191.0384615
Ni0.4Zn0.6Fe 191.0384615
Ba0.6Sm0.267Nb 187.7435897
BaCaTiNb15 187.7435897
ZnCo0.5Cr0.5MnO 184.4487179
Ca0.900.10Ti0.90Co0.10 177.2
BaTiNb15 171.2692308
Ba0.65Zr0.3Nb0.75 163.3615385
Ca0.970.03Ti0.97Co0.03 161.0551282
Ba0.8La0.132Nb 158.0897436
BaMgTa 154.7948718
InCaCu15 153.1474359
Ba0.6Sr0.4TiO 144.9102564
ZnMnCrO 143.2628205
Zn0.3Mg0.9Ti0.2Fe1.6 141.9448718
Ba0.25Sr0.75Nb 141.6153846
In14CaCu32 141.6153846
BaBiTa 138.3205128
Sr0.75Ba0.25Nb 138.3205128
BaSnFe11 135.025641
Ba0.67Sr0.33Nb 134.3666667
ZnCo0.4Cr0.6MnO 133.3782051
Ba0.75La0.165Nb 131.7307692
(Ba,Mg)(Ti,Sn)O 130.0833333
La0.67CuTi12 127.7769231
Ba0.5Sm0.333Nb 125.1410256
Sr0.80La0.20Ti0.80Co0.20 125.1410256
SrMg0.33Nb4.6715 121.8461538
Ba0.25Sr0.75Nb 116.9038462
Sr0.46Ba0.54Nb 115.2564103
Ba0.70La0.198Nb 111.9615385
LaYbO 111.9615385
BaTi 106.6897436
YBaCu(x) 105.3717949
Ba0.59Sr0.32Ti1.08 103.3948718
MgNb 103.3948718
Ba0.60La0.264Nb 102.0769231
ZnMnCoO 102.0769231
CaNb 95.81666667
(BiFeO0.9(BaTiO0.1 95.48717949
SrBiVO12.5 85.27307692
Ba0.9La0.066Nb 82.30769231
Ba0.9Sm0.067Nb 82.30769231
BaZr0.25Nb1.55.25 82.30769231
SnNb 82.30769231
ZnCo0.8Cr0.2MnO 80.66025641
Sr0.3La0.7MnO 79.01282051
Ba0.80La0.20Ti0.95 73.74102564
Ba0.5Sr0.5Ti 72.42307692
BaBiTi18 72.42307692
BiCu0.667Nb1.333 72.42307692
GdTiZnO 62.53846154
SrBi(Ta,Nb) 62.53846154
BaNdTiNb30 59.9025641
BiMg0.667Nb1.333 59.24358974
BaNdTiZrNb30 57.92564103
ZnCo0.2Cr0.8MnO 57.59615385
ZnCo0.6Cr0.4MnO 57.59615385
BiTi12 55.94871795
Ca0.850.15Ti0.85Co0.15 55.94871795
BiTi2.86Nb0.1412 54.63076923
MgNdSnO 52.65384615
CoOFe 51.66538462
(SrBiTa0.2(BiTiNbO0.8 49.35897436
(SrBiTa0.6(BiTiNbO0.4 49.02948718
YNdFeSbO 49.02948718
LaNiO 48.04102564
SmTiZnO 47.71153846
(Bi1.5Zn0.5)(Zn0.5Nb1.5)O 46.06410256
AlNb 46.06410256
BaNdTiZrNb30 46.06410256
(SrBiTa0.8(BiTiNbO0.2 45.40512821
BiTi 45.14153846
MgPrSnO 44.41666667
Sr0.5Ba0.5Nb0.4Ta1.6 43.59294872
YPrFeSbO 43.42820513
Bi11 42.93397436
NdNb 42.76923077
Sn(NbO 42.76923077
(SrBiTa0.4(BiTiNbO0.6 42.43974359
(SrBiNb0.50(BiTiNbO0.50 42.11025641
YBiFeSbO 41.78076923
Ba0.53Sr0.24Ti1.22 41.45128205
BaTa 41.45128205
YErFeSbO 41.45128205
Ba0.984Sr0.016TiO 41.12179487
YLaFeSbO 40.79230769
ZnBi1.5Nb1.5 40.49576923
(SrBiNb0.25(BiTiNbO0.75 39.47435897
BiTiNbO21 39.47435897
CaNdSnO 39.47435897
(SrBiNb0.75(BiTiNbO0.25 38.48589744
SrMo0.5Ni0.5 38.48589744
YSmFeSbO 37.4974359
BiZn0.667Nb1.333 37.16794872
BiInNbO 36.83846154
(SrBiNb0.40(BiTiNbO0.60 36.17948718
BiSrNb 36.17948718
CaBiTa 36.17948718
MgLaSnO 36.17948718
SrTa 36.17948718
BaTa 35.19102564
BaMnTiO 35.19102564
BaNb 35.170833333
TiNb 35.154358974
本発明による遮熱コーティング材料によれば、低熱伝導性の遮熱コーティング膜を提供することができ、その膜をガスタービン等の翼の表面に施工する遮熱コーティング膜に用いるならば、優れた耐熱性を得ることができ、燃焼ガスの高温化にも容易に対応可能な高性能のガスタービンを得ることができる。
1 化合物母材
2 数十μm径の大気孔
3 数μm径の小気孔
4 線状気孔
5 線状気孔

Claims (14)

  1. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が35以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、MgPrSnO、Sr0.5Ba0.5Nb0.4Ta1.6、YPrFeSbO、Bi11、NdNb、Sn(NbO、(SrBiTa0.4(BiTiNbO0.6、(SrBiNb0.50(BiTiNbO0.50、YBiFeSbO、Ba0.53Sr0.24Ti1.22、YErFeSbO、Ba0.984Sr0.016TiO、YLaFeSbO、ZnBi1.5Nb1.5、(SrBiNb0.25(BiTiNbO0.75、BiTiNbO21、CaNdSnO、(SrBiNb0.75(BiTiNbO0.25、SrMo0.5Ni0.5、YSmFeSbO、BiZn0.667Nb1.333、BiInNbO、(SrBiNb0.40(BiTiNbO0.60、BiSrNb、CaBiTa、MgLaSnO、SrTa、BaMnTiO、BaNb、及びTiNbからなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  2. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が45以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、BiTi2.86Nb0.1412、MgNdSnO、CoOFe、(SrBiTa0.2(BiTiNbO0.8、(SrBiTa0.6(BiTiNbO0.4、YNdFeSbO、LaNiO、SmTiZnO、(Bi1.5Zn0.5)(Zn0.5Nb1.5)O、AlNb、BaNdTiZrNb30、(SrBiTa0.8(BiTiNbO0.2、BiTiからなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  3. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が55以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、GdTiZnO、SrBi(Ta,Nb)、BaNdTiNb30、BiMg0.667Nb1.333、BaNdTiZrNb30、ZnCo0.2Cr0.8MnO、ZnCo0.6Cr0.4MnO、BiTi12、Ca0.850.15Ti0.85Co0.15からなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  4. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が65以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、Ba0.80La0.20Ti0.95、Ba0.5Sr0.5Ti、BaBiTi18、BiCu0.667Nb1.333からなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  5. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が75以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、Ba0.9La0.066Nb、Ba0.9Sm0.067Nb、BaZr0.25Nb1.55.25、SnNb、ZnCo0.8Cr0.2MnO、Sr0.3La0.7MnOからなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  6. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が85以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、SrBiVO12.5であることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  7. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が95以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、BaDyTiNb30、(BiFeO0.8(BaTiO0.2、BaSmTiNb30、(Ba,Sr)Nb、Ba0.700.20Nb、Ba0.85Sm0.10Nb、Ni0.4Zn0.6Fe、Ba0.6Sm0.267Nb、BaCaTiNb15、ZnCo0.5Cr0.5MnO、Ca0.900.10Ti0.90Co0.10、BaTiNb15、Ba0.65Zr0.3Nb0.75、Ca0.970.03Ti0.97Co0.03、Ba0.8La0.132Nb、BaMgTa、InCaCu15、Ba0.6Sr0.4TiO、ZnMnCrO、Zn0.3Mg0.9Ti0.2Fe1.6、Ba0.25Sr0.75Nb、In14CaCu32、BaBiTa、Sr0.75Ba0.25Nb、BaSnFe11、Ba0.67Sr0.33Nb、ZnCo0.4Cr0.6MnO、Ba0.75La0.165Nb、(Ba,Mg)(Ti,Sn)O、La0.67CuTi12、Ba0.5Sm0.333Nb、Sr0.80La0.20Ti0.80Co0.20、SrMg0.33Nb4.6715、Ba0.25Sr0.75Nb、Sr0.46Ba0.54Nb、Ba0.70La0.198Nb、LaYbO、BaTi、Ba0.59Sr0.32Ti1.08、MgNb、Ba0.60La0.264Nb、ZnMnCoO、CaNb、(BiFeO0.9(BaTiO0.1からなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  8. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が200以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、Sr0.6Ba0.4Nb、Ba0.750.16Nb、BiCuO、BiTiFe21、SbNbO、SrCaTiNb15、(SrB0.5(BiVO5.50.5、Sr0.5Ba0.5Nb、BaBiNb、BaTi0.90Sn0.04Si0.06、Ba0.7Sm0.2Nb、Ba0.90La0.10Ti0.975、BaBiMoO、SrTiNb30、MnTa、Ba0.80.13Nb、(SrB0.5(BiVO5.50.5、Sr0.90La0.10Ti0.90Co0.10、Ba0.7Zr0.4Nb0.7、BiCuTiFeO12からなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  9. 25℃で周波数1MHzでの誘電率が300以上の誘電体を主体として含み、
    前記誘電体が、BiTiNbO、SrBiNbからなる群から選択されることを特徴とする遮熱コーティング材料。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の組成物を複合化させた組成物を主体として含む遮熱コーティング材料。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の遮熱コーティング材料を用いた遮熱コーティングを有するガスタービン用翼。
  12. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の遮熱コーティング材料を用いた遮熱コーティングを有する燃焼器。
  13. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の遮熱コーティング材料を用いた遮熱コーティングを有するガスタービン。
  14. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の遮熱コーティング材料を用いた遮熱コーティングを有するジェットエンジン。
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