JP2014149459A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CMOS型の撮像素子を2つ有する撮像装置において、本発光時の発光量を適正に算出するとともに、レリーズタイムラグを低減すること。
【解決手段】 第1及び第2の撮像素子(14、24)と、フラッシュ(48)とを有する撮像装置において、フラッシュをプリ発光させて撮像した場合に、第1の撮像素子の一部の領域が電荷の蓄積をしている間にプリ発光の反射光により露光されると共に、他の一部の領域は電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されず、前記一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間は前記プリ発光の反射光により露光されないとともに、前記他の一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されるように、第1及び第2の撮像素子の電荷の蓄積開始及び読み出しタイミング及びフラッシュをプリ発光させるタイミングを制御する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、CMOS型の撮像素子を2つ有しフラッシュ撮影を行う撮像装置、及びその制御方法に関するものである。
従来の撮像装置において、撮影を行う被写体に対するフラッシュの本発光量を決定するために、本発光の直前に予備(プリ)発光を行ってフラッシュの本発光量を算出するフラッシュ発光制御方法を実行するものがある。
また、デジタルカメラの撮像素子には、主にCCDイメージセンサが使用されてきた。しかしながら、近年、イメージセンサの多画素化に伴い、ランダムアクセスが可能で、CCDイメージセンサに対してより高速に読み出しを行うことのできるCMOSイメージセンサが主流になってきている。
しかし、CMOSイメージセンサを用いた従来のデジタルカメラでは、露光動作及び読み出し動作が水平ライン毎に異なる。そこで、XYアドレス方式の撮像素子の撮像装置におけるフラッシュ発光制御方法では、グローバルシャッターを用いて全読み出しラインの電荷蓄積時間の開始タイミングを合わせて、フラッシュの予備発光を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、互いに異なる位置に設けられた複数の撮像素子を用いて、右目用と左目用の画像を取得して、立体画像を撮影するデジタルカメラが実用化されている。
特開2006−050337号公報
しかしながら、特許文献1の方式では、読み出しライン数が多い場合、最後に読み出すラインでは、最初に読み出すラインに比べて電荷蓄積時間が長くなってしまう。つまり、最初に読み出すラインと最後に読み出すラインとでは、電荷蓄積時間に大きな差が生じる。そのため、日中シンクロなど、外光が強い場合にプリ発光を行うと、CMOSイメージセンサの一部の領域の入力光量がダイナミックレンジを超える場合があり、その領域では本来の受光量を検出できず、本発光時の光量設定の精度が低下する恐れがある。
また、CMOSイメージセンサ等を用いたデジタルカメラ等の撮像装置におけるフラッシュ発光制御では、本発光の直前にプリ発光を行って得られた輝度データとプリ発光を行わずに得られた輝度データとを比較して、本発光時の発光量を算出する。そのため、ユーザによるシャッターレリーズから本発光までの間に、少なくともプリ発光を行う撮影とプリ発光を行わない撮影とを行う時間がかかるため、レリーズタイムラグが発生していた。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、CMOS型の撮像素子を2つ有する撮像装置において、本発光時の発光量を適正に算出するとともに、レリーズタイムラグを低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、同じ被写体を撮影するように視差を持って設置された第1及び第2の撮像素子と、前記第1及び第2の撮像素子の電荷の蓄積と読み出しを制御する撮像制御手段と、前記被写体を照明する光を発光する発光手段と、前記発光手段を発光させるタイミングを制御する発光制御手段と、前記発光手段をプリ発光させて前記第1及び第2の撮像素子で撮像した2つの画像の輝度の差分に基づいて、予め決められた輝度の画像を得るために必要な前記発光手段の発光量を算出する算出手段とを有し、前記2つの画像を撮像する際に、前記第1の撮像素子の一部の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されると共に、前記一部の領域を除く前記第1の撮像素子の他の一部の領域は電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されず、前記一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間は前記プリ発光の反射光により露光されないとともに、前記他の一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されるように、前記撮像制御手段が前記第1及び第2の撮像素子の電荷の蓄積開始及び読み出しタイミングを制御し、前記発光制御手段が前記発光手段をプリ発光させるタイミングを制御する。
以上に説明したように本発明によれば、CMOS型の撮像素子を2つ有する撮像装置において、本発光時の発光量を適正に算出するとともに、レリーズタイムラグを低減することができる。
本発明の第1及び第2の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す斜視図。 第1及び第2の実施形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図。 第1及び第2の実施形態に係るデジタルカメラの撮影動作のフローチャート。 第1及び第2の実施形態に係るデジタルカメラの露出決定について説明する図。 第1の実施形態に係るフラッシュ調光処理のフローチャート。 第1の実施形態に係るプリ発光撮影期間の撮像素子の露光とフラッシュ発光との関係を示したタイミングチャート。 第1の実施形態に係るデジタルカメラのプリ発光撮影で取得された画像データについて説明する図。 第1及び第2の実施形態に係るデジタルカメラの調光処理時の中央重点重みを表す図。 第1及び第2の実施形態に係るデジタルカメラのフラッシュの本発光量を算出するための概念を説明する図。 第2の実施形態に係るフラッシュ調光処理のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラのプリ発光撮影期間の撮像素子の露光とフラッシュ発光の関係を示したタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラのプリ発光撮影で取得された画像データについて説明する図である。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラについて説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの前面の外観構成を示す斜視図を示す。図1(a)に示すように、デジタルカメラ本体100の前面には、被写体を照明する光を発光するフラッシュ48、第一の撮像部101、第二の撮像部102が設けられている。また、デジタルカメラ100の上面には、レリーズボタン60、電源制御スイッチ72が設けられている。第一の撮像部101と第二の撮像部102は視差を持って並行に設置され、第一の撮像部101から得られる被写体像と第二の撮像部102から得られる被写体像は、それぞれ左目用と右目用の画像となる。
図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの背面の外観構成を示す斜視図を示す。図1(b)に示すように、デジタルカメラ本体100の背面には、表示部40、モード切り替えスイッチ56、操作部70が設けられている。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図を示す。図2において、第一の撮像部101は、撮影レンズ10、絞り機能を備えるシャッター12、光学像を電気信号に変換する撮像素子14(第1の撮像素子)、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器16等で構成される。第2の撮像部102も同様に、撮影レンズ20、絞り機能を備えるシャッター22、光学像を電気信号に変換する撮像素子24(第2の撮像素子)、撮像素子24から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器26等で構成される。本実施形態において、第一及び第二の撮像部101、102を構成する撮像素子14、24はそれぞれCMOSイメージセンサである。CMOSイメージセンサは水平1ライン毎に時間をずらしながら電荷の蓄積と読み出しとを順次行う。電荷の蓄積と読み出しの処理は、通常、センサ上部の水平ラインから順次行う。また、本実施形態において、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の画素サイズは同じである。
撮像制御部18は第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の電荷の蓄積と読み出しを制御する。撮像制御部18は、撮像素子14、24の電荷の蓄積と読み出しを水平1ライン毎に行っていく処理をセンサ上部の水平ラインから順次行うか、もしくはセンサ下部の水平ラインから順次行うかを制御する。また、撮像制御部18は、タイミング発生部30から第一及び第二の撮像部101、102へ送信するクロック信号と同じクロック信号を受信する。これにより、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の駆動に同期した任意のタイミングで第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の電荷の蓄積と読み出し開始を制御することができる。
タイミング発生部30は、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24、A/D変換器16、26、撮像制御部18、フラッシュ制御部46にクロック信号や制御信号を供給し、メモリ制御部34及びシステム制御部50により制御される。
画像処理部32は、A/D変換器16、26からのデータ、または、メモリ制御部34からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部32では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が合焦制御を行うことで、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理が行われる。画像処理部32では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。画像処理部32では、また、プリ発光撮影時の画像データから所定の演算処理を行い、得られた演算結果から本発光撮影時のフラッシュ48の発光光量の算出を行う、本発明の特徴である調光処理も行う。
A/D変換器16、26からの出力データは、画像処理部32及びメモリ制御部34を介して、撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリ38に書き込まれる。メモリ38は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像及び音声を格納するのに十分な記憶容量を備えており、複数枚の静止画像を連続して撮影する連続撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ38に対して行うことが可能となる。また、メモリ38はシステム制御部50の作業領域としても使用することが可能である。更に、メモリ38は、記録媒体200の書き込みバッファとしても使われる。また、メモリ38は画像表示用のメモリを兼ねており、メモリ38に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器36を介してLCD等からなる表示部40により表示される。表示部40を用いて、撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能(スルー表示)を実現することが可能である。
圧縮・伸張部42は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸張し、メモリ38に格納された撮影画像を読み込んで圧縮処理を行い、処理を終えたデータをメモリ38に書き込む。また、記録媒体200などからメモリ38に読み込まれた圧縮画像を読み込んで伸張処理を行い、処理を終えたデータをメモリ38に書き込む。圧縮・伸張部42によりメモリ38に書き込まれた画像データは、システム制御部50のファイル部においてファイル化され、インターフェース90を介して記録媒体200に記録される。
露出制御部44は、システム制御部50の制御に従い、TTL方式によるAE(自動露出)処理、フラッシュ調光処理を行う。本実施形態において、フラッシュ48は発光部にLED(Light Emitting Diode)を用いたLEDフラッシュである。フラッシュ48は、フラッシュ制御部46の制御信号に従い発光する。
フラッシュ制御部46は、タイミング発生部30から第一及び第二の撮像部101、102へ送信するクロック信号と同じクロック信号を受信する。これにより、フラッシュ制御部46は、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子の駆動に同期した任意のタイミングでフラッシュ48を発光制御することができる。また、フラッシュ制御部46は、フラッシュ48の発光光量を任意に、もしくは露出制御部44におけるフラッシュ調光処理の結果などをもとに制御する。
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。不揮発性メモリ52は、電気的に消去・記録可能であり、例えばEEPROM等が用いられ、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等を記憶する。システムメモリ54は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ52から読み出したプログラム等を展開する。ここでいう、プログラムとは、後述の各実施形態における各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
モード切替スイッチ56は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替えるためのスイッチである。62は第1シャッタースイッチSW1、64は第2シャッタースイッチSW2であり、第1シャッタースイッチSW1(62)は、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理等の動作開始を指示する。第2シャッタースイッチSW2(64)は、まずAWB(オートホワイトバランス)処理、調光(プリ発光)処理等の動作開始を指示する。続いて、第一及び第二の撮像部101、102から読み出した信号をそれぞれA/D変換器16、26、メモリ制御部34を介してメモリ38に画像データを書き込む露光処理の動作開始を指示する。同時に、画像処理部32やメモリ制御部34での演算を用いた現像処理、メモリ38から画像データを読み出し、圧縮・伸張部42で圧縮を行い、記録媒体200に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。また、動画撮影の場合は動画撮影の開始・停止を指示する。
70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作部である。操作部70の各操作部材は、表示部40に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えばメニューボタンが押されると各種設定が可能なメニュー画面が表示部40に表示される。利用者は、表示部40に表示されたメニュー画面と、4方向キーやSETボタンを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
電源制御スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替える。電源制御部74は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行うである。また、検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部86は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなり、コネクタ82及び84は、電源部86と電源制御部74とを接続する。
90は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースであり、92は、記録媒体200とインターフェース90との接続のためのコネクタである。200は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、デジタルカメラ100とのインターフェース204、及び、記録媒体200とデジタルカメラ100とを接続するためのコネクタ206を備えている。
なお、本実施形態では記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを1系統持つものとして説明するが、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。さらに、インターフェース90、そしてコネクタ92に各種通信カードを接続することにより、他機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
以下、図を参照しながら上記構成を有するデジタルカメラ100において、本発明の特徴である一度のプリ発光によってフラッシュ調光処理を行うフラッシュ発光撮影動作について説明する。
図3に本実施形態に係るデジタルカメラのフラッシュ発光撮影動作のフローチャートを示す。まず、デジタルカメラ100の電源制御スイッチ72によって電源をONし(S301)、モード切替スイッチ56と操作部70によってデジタルカメラ100のモードを設定する(S302)。ここで、フラッシュ発光撮影モードを設定すると(S302でYes)、第一及び第二の撮像部101、102からの画像データを表示部40へ逐次表示するスルー表示を行う(S304)。S302において、その他のモード、例えば、動画撮影モードや再生モードなどのいずれかに設定された場合は(S302でNo)、設定された各モードの処理を行う(S303)。
S304の後、レリーズボタン60のSW1(62)を押下すると(S305でYes)、システム制御部50は合焦処理を行い、合焦結果に基づいて第一及び第二の撮像部101、102の撮影レンズ10、20の焦点を被写体に合わせる(S306)。なお、S306の処理をAF(オートフォーカス)処理と呼ぶ。
続いて、露出制御部44は、システム制御部50の制御に従い露出条件を決定する(S307)。まず、露出制御部44は測光を行い、被写体輝度値Bvを取得する。撮影感度Sv、電荷蓄積時間Tv、絞り値Avの露出条件は、取得された被写体輝度値Bvから適正な露出値Evが得られるよう、以下の式(1)に従い決定する。
Ev=Bv+Sv=Tv+Av …(1)
ここで、被写体輝度値Bv、撮影感度Sv、電荷蓄積時間Tv及び絞り値AvはAPEX表記された値である。
本実施形態では、不揮発性メモリ52は、図4(a)に示すようなプログラム線図を記憶している。露出制御部44は、取得した被写体輝度値Bvから、プログラム線図に従い、フラッシュ発光撮影において適正露出が得られる撮影感度Sv_1、電荷蓄積時間Tv_1、絞り値Av_1の露出条件を決定する。例えば、図4(a)に示す例のように露出値EvがEv10である場合、図中の位置Aから、電荷蓄積時間TvをTv7、絞り値AvをAv3と決定する。S307の処理をAE(オートエクスポージャ)処理と呼ぶ。
本実施形態において、プリ発光撮影時の電荷蓄積時間Tvは、以下の式(2)を満たすよう設定される。
T1<Ttv …(2)
ここで、Ttvは、APEX表記された電荷蓄積時間Tvの時間換算である。電荷蓄積時間Ttvの単位は秒である。また、T1は、第一及び第二の撮像部101、102の各撮像素子14、24がセンサ上部あるいは下部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングからセンサ中央の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングまでの時間である。
図4(b)に時間T1と電荷蓄積時間Ttvの関係を図示する。図4(b)において、VDは垂直同期信号を表しており、タイミング発生部30から各撮像素子14、24に供給される。図中の平行四辺形は、第一及び第二の撮像部101、102の各撮像素子14、24が水平ライン毎に電荷の蓄積と読み出しを順次行い、画面領域を露光するタイミングを模擬的に表したものである。平行四辺形の左の斜辺が水平ライン毎に電荷の蓄積を開始するタイミングを表し、対辺の斜辺が水平ライン毎に電荷の読み出しを開始するタイミングを表す。平行四辺形の左右の対辺が互いに平行であることは、本実施形態において、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の全水平ラインについて、電荷の蓄積開始から読み出し開始までにかかる時間が等しいことを示す。平行四辺形の横幅は電荷蓄積時間Ttvを表し、平行四辺形の上辺は特に撮像素子14、24の上部の最初の水平ラインの電荷蓄積時間Ttvを表し、平行四辺形の底辺は撮像素子14、24の下部の最後の水平ラインの電荷蓄積時間Ttvを表す。
また、上述したように時間T1は撮像素子14、24の上部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングからセンサ中央の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングまでの時間である。本実施形態において、時間Ttvは時間T1よりも長くなるよう設定される。S307で決定される露出条件は、第一及び第二の撮像部101、102の両方に設定され、第一及び第二の撮像部101、102で同じ露出条件となる。
S307の後、レリーズボタン60のSW2(64)が押下されずに(S308でNo)、さらにレリーズボタン60のSW1(62)も解除されたならば(S309でNo)、S305に戻る。また、S307の後、レリーズボタン60のSW2(64)が押下されずに(S308でNo)、レリーズボタン60のSW1(62)も解除されないならば(S309でYes)、S308に戻る。また、S307の後、レリーズボタンのSW2(64)が押下されたならば(S308でYes)、フラッシュ発光撮影に先だって、フラッシュ48の本発光の光量を算出するフラッシュ調光処理を行う(S310)。
ここで、フラッシュ調光処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。まず、撮像制御部18は、フラッシュ調光処理のプリ発光撮影時における第二の撮像部102の撮像素子24の電荷の蓄積と読み出しの処理を、センサ上部の水平ラインから順次行う処理からセンサ下部の水平ラインから順次行うように変更する(S501)。なお、撮像制御部18は第二の撮像部102の撮像素子24のみ、電荷の蓄積と読み出しの処理(第2の方向)を変更するよう制御し、第一の撮像部101の撮像素子14は変更しない。そのため、プリ発光時において、本発光撮影時の第一の撮像部101の撮像素子14の電荷の蓄積と読み出しの処理(第1の方向)は、センサ上部の水平ラインから順次行う。
次に、フラッシュ制御部46は、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する(S502)。本実施形態においては、フラッシュ制御部46は、撮像素子14のフラッシュ48からの反射光により露光されない領域が、撮像素子24の同じ領域においてフラッシュ48からの反射光により露光されるようフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する。
このフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングについて、図6を用いて説明する。図6は本実施形態のプリ発光撮影における第一及び第二の撮像部101、102の電荷の蓄積及び読み出しタイミングと、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを表すタイミングチャートである。
図6(a)において、VDは垂直同期信号を表しており、タイミング発生部30から第一及び第二の撮影部101、102の各撮像素子14、24に供給される。VDの立ち下がりから次のVDの立ち下がりまでが1フィールド期間であり、この期間に各撮像素子14、24から各1枚の画像データが取得される。特にフラッシュ48がプリ発光し、その反射光を第一及び第二の撮像部101、102の各撮像素子14、24が露光するフィールドを、図中に「プリ発光撮影フィールド」と示す。
第一及び第二の撮像部101、102の各フィールド期間に記された平行四辺形は、各撮像素子14、24が水平ライン毎に電荷の蓄積と読み出しを順次行い、画面領域を露光するタイミングを模擬的に表したものである。601の平行四辺形は、プリ発光撮影フィールドにおいて第一の撮像部101の撮像素子14が露光するタイミングを表す、第一の撮像部101の露光期間である。ここで、第一の撮像部101の露光期間601に示す撮像素子14の電荷の蓄積と読み出しの処理は、センサ上部の水平ラインから順次行っている。602の平行四辺形は、プリ発光撮影フィールドにおいて第二の撮像部102の撮像素子24が露光するタイミングを表す、第二の撮像部102の露光期間である。ここで、第二の撮像部102の露光期間602に示す撮像素子24の電荷の蓄積と読み出しの処理は、撮像制御部18により変更されたため(図5のS501)、センサ下部の水平ラインから順次行っている。本実施形態において、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の上部もしくは下部の最初の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングはともに同じタイミングである。
本実施形態では、第一及び第二の撮影部101、102の各撮像素子14、24は、ともに、タイミング発生部30から同一のVDを供給され、それを基準に駆動されている。そのため、第1及び第2の撮影部101、102の各撮像素子14、24の上部もしくは下部の最初の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングを一致させることができる。もちろん、図5のS501において撮像制御部18により電荷の蓄積と読み出しの処理が変更された場合も同様である。
図6(a)におけるフラッシュ光は、フラッシュ48の発光タイミングを表す。フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを図中に「プリ発光」として示す。フラッシュ制御部46は、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光されない領域に対応する第二の撮像部102の撮像素子24の領域が反射光により露光されるように、フラッシュ48の発光を制御する。具体的には、フラッシュ制御部46は、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24がそれぞれセンサ中央の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングでフラッシュ48をプリ発光するように制御する。
第一の撮像部101の露光期間601の領域Aは、撮像素子14にフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される領域である。本実施形態においては、第一の撮像部101の撮像素子14の中央の水平ラインから上部の領域がフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される。第二の撮像部102の露光期間602の領域Bは、撮像素子24がフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される領域である。第二の撮像部102の撮像素子24の中央の水平ラインから下部の領域がフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される。
本実施形態において、フラッシュ制御部46は、タイミング発生部30からVDを供給されており、VDの立ち下がりからプリ発光までの時間を時間Tとしてフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する。時間Tは、以下の式(3)に従い決定する。
T=T1+T2 …(3)
ここで、時間T1は、各撮像素子14、24のセンサ上部もしくは下部の最初の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングから各撮像素子14、24のセンサ中央の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングまでの時間である。本実施形態において、時間T1は撮像素子14、24とも同じ時間であり、図6(a)にT1として示す。
また、時間T2はVD立ち下がりから各撮像素子14、24のセンサ上部もしくは下部の最初の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングまでの時間である。本実施形態において、時間T2は撮像素子14、24とも同じ時間であり、図6(a)にT2として示す。
本実施形態において、時間T1及び時間T2はカメラの露出条件に依らず、センサによって決まる固定値のため、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する時間Tは固定値となる。不揮発性メモリ52は予め時間Tを記憶しており、フラッシュ制御部46は不揮発性メモリ52から時間Tを読み出してフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定することができる。
また、このフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングと発光時間の詳細について、図6(b)を用いて説明する。図6(b)は、図6(a)のプリ発光のタイミングを拡大したタイミングチャートである。HDは水平同期信号を表しており、タイミング発生部30から各撮影部の各撮像素子14、24、またフラッシュ制御部46に供給される。図6(b)において、第一及び第二の撮像部101、102の露光は、センサ中央付近の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングを示している。図6(b)において、水平ラインのライン数をyラインとしたときの、y/2−1ラインからy/2+2ラインまでのタイミングを示している。各水平ラインの電荷の蓄積の開始のタイミングはHD信号に同期している。HD信号の周期は、撮像素子14、24の水平ライン毎に順次行う電荷の蓄積における、一水平ラインの電荷の蓄積を開始してから次の水平ラインの電荷の蓄積を開始するまでの時間Thdである。この時間Thdを図6(b)にThdとして示す。フラッシュ制御部46によるフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングは、上記式(3)によって決定されることで、図6(b)に示すタイミングで発光される。
フラッシュ48が図6(b)に示すタイミングでプリ発光することにより、撮像素子14のセンサ中央の水平ラインであるy/2ラインから上部の水平ライン(一部の領域)が、外光及びプリ発光の反射光により露光される。また、撮像素子24のセンサ中央の水平ラインであるy/2ラインより下部の水平ライン(一部の領域)が、外光及びプリ発光の反射光により露光される。一方、撮像素子14のセンサ中央の水平ラインであるy/2ラインより下部の水平ライン(他の一部の領域)は、外光のみにより露光され、プリ発光の反射光には露光されない。同様に、撮像素子24のセンサ中央の水平ラインであるy/2ラインから上部の水平ライン(他の一部の領域)は、外光のみにより露光され、プリ発光の反射光には露光されない。このように、フラッシュ48のプリ発光の反射光により露光されない撮像素子14の領域に対応する撮像素子24の領域が、プリ発光の反射光により露光される。
なお、本実施形態において、フラッシュ制御部46は、タイミング発生部30からHD信号を供給されるため、撮像素子14、24の駆動のタイミングに同期させてフラッシュ48の発光タイミングを制御することができる。
また、フラッシュ48のプリ発光の発光時間を時間Tfとする。本実施形態において、時間Tfは、撮像素子14、24の水平ライン毎に順次行う電荷の蓄積における、一水平ラインの電荷の蓄積を開始してから次の水平ラインの電荷の蓄積を開始するまでの時間Thdよりも短い時間になるよう設定される。フラッシュ48のプリ発光の発光時間Tfを時間Thdよりも短い時間になるよう制御することで、撮像素子14、24のプリ発光の反射光により露光される領域はすべて所定の光量のプリ発光の影響を受けるようにすることができる。また、プリ発光の反射光により露光されない領域はすべてプリ発光の影響を受けないようにすることができる。プリ発光の発光時間Tf及び時間Thdは、いずれもカメラの露出条件に依らない固定値で良い。
図5に戻り、502の後、プリ発光撮影を行う(S503)。プリ発光撮影において、第一及び第二の撮像部101、102の各撮像素子14、24は、電荷の蓄積と読み出しの処理をそれぞれの方向で処理していき、フラッシュ48は、S502で決定されたタイミングで発光する。
次に、撮像制御部18は、第二の撮像部102の撮像素子24の電荷の蓄積と読み出しの処理を、S501で行われた変更の前の状態であるセンサ上部の水平ラインから順次行うように変更する(S504)。
続いて、S503のプリ発光撮影によって取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの画像データを用いてフラッシュ発光撮影時のフラッシュ48の本発光量を算出する(S505)。ここで、S505における本発光量の算出処理について詳細を説明する。
従来のデジタルカメラでのフラッシュ調光処理は、プリ発光して露光するプリ発光撮影と、プリ発光せずに外光のみで露光する外光撮影の二回の撮影を行い、両撮影から取得された二枚の画像データから演算して求める方法が一般的である。しかし、本発明の本実施形態にかかるデジタルカメラのフラッシュ調光処理は、外光撮影を行う必要はなく、プリ発光撮影のみで取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの二枚の画像データを用いて演算して求める。本実施形態において、S503のプリ発光撮影における第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の露出条件は同じ設定である。
まず、S504のプリ発光撮影で取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの2枚の画像データを用いて被写体の重みを算出する。なお、前述の通り、両画像データを取得した第一及び第二の撮像部101、102の露出条件は同じである。まず、二枚の画像をm×nのブロックに分割して、ブロック毎に輝度値を算出する。ここで、m、nは、任意の自然数である。ただし、縦方向のブロック数nは偶数とする。輝度値は下記の式(4)で算出する。
Y=3×WbR×R+6×WbG×G+WbB×B …(4)
ここで、WbR、WbG、WbBは、それぞれ赤、緑、青のホワイトバランス係数であり、R、G、Bは、それぞれ赤、緑、青のブロック積分平均値である。
図7に、S503のプリ発光撮影で取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの画像データの一例を示す。図7において、701はプリ発光撮影で取得された第一の撮像部101の撮像素子14からの画像データの一例である。画像701の画像サイズは、横x画素、縦y画素である。また、画像701は、ここでは10×6のブロックに分割されている。702は被写体像である。703は画像701のうち、外光とプリ発光の反射光により露光されている領域であり、この領域703においてブロック毎に算出される輝度値をプリ発光測光値とする。領域703は画像701の中央から上部の領域であり、サイズは横x画素、縦y/2画素である。704は、画像701のうち外光のみにより露光されている領域であり、この領域704においてブロック毎に算出される輝度値を外光測光値とする。本実施形態において、領域704は画像701の中央の水平ラインから下部の領域であり、サイズは横x画素、縦y/2画素である。
また、705はプリ発光撮影で取得された第二の撮像部102の撮像素子24からの画像データの一例である。画像705の画像サイズは、横x画素、縦y画素である。また、画像705は、画像701と同様に、ここでは10×6のブロックに分割されている。706は画像705のうち、外光のみにより露光されている領域であり、この領域706においてブロック毎に算出される輝度値は、外光測光値である。本実施形態において、領域706は画像705の中央の水平ラインから上部の領域であり、サイズは横x画素、縦y/2画素であって、画像701における領域703に対応する領域である。707は画像705のうち、外光とプリ発光の反射光により露光されている領域であり、この領域707においてブロック毎に算出される輝度値はプリ発光測光値である。本実施形態において、領域707は画像705の中央の水平ラインから下部の領域であり、サイズは横x画素、縦y/2画素であって、画像701における領域704に対応する領域である。
このとき、各ブロックのプリ発光による輝度値FLASHijは以下の式(5)で与えられる。
FLASHij=|Y1ij−Y2ij| (1≦i≦m,1≦j≦n)…(5)
ここで、Y1ijは、プリ発光撮影で取得された第一の撮像部101の撮像素子14からの画像データのブロック毎に算出される輝度値である。また、Y2ijは、プリ発光撮影で取得された第二の撮像部102の撮像素子24からの画像データのブロック毎に算出される輝度値である。i,jは、各ブロックのxy座標を示す。本実施形態において、各画像データはm×nのブロックに分割されている。図7においては、m=10、n=6である。図7に示すように、画像701のあるブロックの輝度値Y1ijがプリ発光測光値であるとき、画像705の同ブロックの輝度値Y2ijは外光測光値である。逆に、画像701のあるブロックの輝度値Y1ijが外光測光値であるとき、画像705の同ブロックの輝度値Y2ijはプリ発光測光値である。そのため、二枚の画像データのブロック毎の輝度差が、各ブロックのプリ発光による輝度値となる。
さらに、被写体は画面中央にいる確率が高いため、下記の式(6)のように、図8に示すような中央重点重み係数Wijをプリ発光による輝度値FLASHijに乗算することで被写体重みWlijを算出する。
Wlij=FLASHij×Wij (1≦i≦m,1≦j≦n) …(6)
図9は、外光のみの被写体輝度値DLと外光及びプリ発光の被写体輝度値FLを表す。なお、被写体輝度値DL及びFLは、被写体重みWlijを用いて下記の式(7)から(12)で算出する。
FL1=Σ(Y1ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,1≦j≦n/2) …(7)
DL1=Σ(Y1ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,n/2+1≦j≦n) …(8)
DL2=Σ(Y2ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,1≦j≦n/2) …(9)
FL2=Σ(Y2ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,n/2+1≦j≦n) …(10)
FL=(FL1+FL2)/2 …(11)
DL=(DL1+DL2)/2 …(12)
ここで、FL1は、図7の領域703の外光及びプリ発光の被写体輝度値であり、DL1は領域704の外光のみの被写体輝度値である。また、FL2は、図7の領域707の外光及びプリ発光の被写体輝度値であり、DL1は領域706の外光のみの被写体輝度値である。
このとき、プリ発光による輝度値は図9に示すようにFL−DLとなる。また、Yrefを予め定めた被写体の適正輝度値とすると、本発光量は、Yref−DLとなる。したがって、プリ発光量に対して何倍の発光量を照射すればよいか(「ΔEF」と呼ぶ。)については、下記の式(13)により算出することができる。
ΔEF=(Yref−DL)/(FL−DL) …(13)
式(13)で算出したΔEF、すなわちプリ発光量の何倍の発光量で照射すればよいかの値は、本発光撮影時の露出条件がプリ発光撮影時の露出条件と同じ条件の場合についてである。プリ発光撮影時と本発光撮影時の露出条件が異なる場合は、下記の(14)を用いて算出する。
ΔEF=Yref−DL×2(ΔSV+ΔAv+ΔTv)/(FL−DL)×2(ΔSV+ΔAv) …(14)
ただし、ΔSv、ΔAv、ΔTvはそれぞれ撮影感度差分値、絞り値差分値、電荷蓄積時間差分値である。プリ発光撮影時の露出条件を、撮影感度Svp、電荷蓄積時間Tvp、絞り値Avpとし、本発光撮影時の露出条件を、撮影感度Svc、電荷蓄積時間Tvc、絞り値Avcとした場合、下記の式(15)により求めることができる。
ΔSv=Svp−Svc
ΔAv=Avp−Avc
ΔTv=Tvp−Tvc …(15)
上述したように、画像データの中央の水平ラインより上部の領域において、プリ発光撮影で得られた撮像素子14からの画像データは外光及びプリ発光の反射光によるデータであり、撮像素子24からの画像データは外光のみによるデータである。そのため、2つの画像の差分からプリ発光量を算出し、フラッシュ48の本発光量を算出することができる。また、画像データの中央の水平ラインより下部の領域においては、プリ発光撮影で得られた撮像素子14からの画像データは外光のみによるデータであり、撮像素子24からの画像データは外光及びプリ発光の反射光によるデータである。そのため、同様にして、2つの画像の差分からプリ発光量を算出し、フラッシュ48の本発光量を算出することができる。すなわち、本発明の本実施形態においては、一度のプリ発光撮影から得られた画像データから、全画面でフラッシュ調光することができる。
続いて、図3のS310によって算出されたフラッシュ48の本発光量でフラッシュ発光撮影を行う(S311)。次に、S311のフラッシュ発光撮影で取得した画像データをメモリ38に記録する。そして、システム制御部50は、表示部40に対し、画像のクイックレビュー表示を行う(S312)。S312の後、システム制御部50は、取得した画像データを画像ファイルとして記録媒体200に対し書き込みを行う記録処理を実行する(S313)。
以上、第1の実施形態の撮像装置の一例であるデジタルカメラ100においては、プリ発光撮影時の第二の撮像部102の撮像素子24の電荷の蓄積と読み出しを第一の撮像部101の撮像素子14の電荷の蓄積と読み出しと異なる方向で処理を行うよう制御する。また、フラッシュ48は、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48の反射光により露光されない領域に対応する、第二の撮像部102の撮像素子24の領域を、フラッシュ48の反射光により露光するよう発光タイミングが制御される。つまり、フラッシュ48は、プリ発光撮影時に、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の画面の中央の水平ラインの電荷の蓄積が開始されるタイミングでプリ発光する。
さらに、上記のように制御されたプリ発光撮影によって取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの2つの画像データを用いてフラッシュ48の本発光量を算出する。このとき、画像データの中央の水平ラインより上部の領域と下部の領域のそれぞれにおいて、一方の画像の領域が外光及びプリ発光の反射光により露光されている場合、もう一方の画像の領域が外光のみにより露光されている。そのため、2つの画像データの差分から画面全体でフラッシュ48のプリ発光量を算出し、その値からフラッシュ48の本発光量を算出することができる。以上の処理により、フラッシュ48の一度のプリ発光を露光するプリ発光撮影のみで全画面でフラッシュ調光することができる。これにより、レリーズタイムラグを低減し、かつ本発光時の発光量を適正に算出することができる。
なお、本第1の実施形態において、撮像制御部18は、プリ発光撮影時における第二の撮像部102の撮像素子24の各水平ラインの電荷の蓄積と読み出し順序を変更した。しかし、第一の撮像部101の撮像素子14と第二の撮像部102の撮像素子24のそれぞれの水平ラインの電荷の蓄積と読み出し順序がお互いに逆方向であれば、撮像素子14、24のいずれを制御しても構わない。
また、プリ発光撮影によって取得された画像データを用いたフラッシュ調光処理は、撮像制御部18によって撮像素子14、24のいずれが制御されたかに合わせて、外光及びプリ発光の反射光により露光された領域か、外光のみにより露光された領域かの処理を変えれば良い。撮像制御部18が、プリ発光撮影時における第一の撮像部101の撮像素子14の各水平ラインの電荷の蓄積と読み出し順序を変更した場合、例えば、式(7)から(10)までの式を、下記の式(16)から(19)に変えれば良い。その他の処理は特に変える必要は無い。
FL1=Σ(Y1ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,n/2+1≦j≦n) …(16)
DL1=Σ(Y1ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,1≦j≦n/2) …(17)
DL2=Σ(Y2ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,n/2+1≦j≦n) …(18)
FL2=Σ(Y2ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,1≦j≦n/2) …(19)
なお、上記例では、撮像素子14、24の全ての領域から電荷を読み出して得られる画像に基づいて本発光量を算出する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、撮像素子14、24の一部の領域を測光領域として設定し、設定された領域から得られる画像に基づいて本発光量を求めても良い。その場合、測光領域の半分にあたる行の電荷を蓄積開始するタイミングで、フラッシュ48を発光させるように制御すれば良い。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、プリ発光撮影において、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24のいずれか一方の各水平ラインの電荷の蓄積と読み出し順序を変更して、互いの電荷の蓄積と読み出し順序が逆となるようにした。そして、プリ発光撮影におけるフラッシュ48の発光タイミングは、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48の発光の反射光により露光されない領域に対応する、第二の撮像部102の撮像素子24の領域が露光されるように決定する。よって、第1の実施形態において、フラッシュ48は第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24がセンサ中央の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングで発光する。
しかしながら、フラッシュ48の発光応答特性が遅い場合、フラッシュ48の発光するタイミング前後の水平ラインで、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24がともにプリ発光の反射光により露光される可能性がある。もしくは撮像素子14、24がともにプリ発光の反射光により露光されない可能性がある。このような場合、これらの水平ラインから成る領域では、精度よく調光できない。特に第1の実施形態の場合、撮像素子14、24の中央の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングでフラッシュ48はプリ発光するため、画像の中央に精度よく調光ができない領域ができる可能性がある。中央重点測光のときには、画像の中央に調光の重みづけがなされるため、調光の精度を損なう恐れがある。また、特定のスポット枠内の被写体輝度を用いてフラッシュ調光を行うスポット測光の場合には、中央にスポットがある場合に、精度よく調光できない可能性がある。
第2の実施形態では、上記の問題に対応した制御方法について説明する。なお、第2の実施形態に係るデジタルカメラの構成は、上述した第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、第2の実施形態のフラッシュ発光撮影モードにおける撮影動作は、図3のS310におけるフラッシュ調光処理以外は、上述した第1の実施形態の場合と同じである。従って、以下、第2の実施形態に係るデジタルカメラにおいて、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
図10は、図3のS310において第2の実施形態で行われるフラッシュ調光処理のフローチャートであり、図5に示す処理の代わりに行われる。
まず、撮像制御部18は、プリ発光撮影時における第二の撮像部102の撮像素子24(第2の撮像素子)のセンサ上部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングを変更する(S1001)。本第2の実施形態において、撮像制御部18は、第二の撮像部102の撮像素子24が各水平ラインの電荷の読み出しを開始するタイミングで、第一の撮像部101の撮像素子14(第1の撮像素子)が各水平ラインの電荷の蓄積を開始するよう制御する。撮像制御部18が、第二の撮像部102の撮像素子24のセンサ上部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングを変更する時間差を時間Tdとすると、時間Tdは式(20)で求めることができる。
Td=Ttv …(20)
ここで、Ttvは、APEX表記された電荷蓄積時間Tvの時間換算である。
次に、フラッシュ制御部46によるフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する(S1002)。ここで、フラッシュ制御部46は、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光されない領域に対応する、第二の撮像部102の撮像素子24の領域が露光されるようにフラッシュ48を発光するよう制御する。ただし、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングの算出方法は、第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態において、フラッシュ制御部46は、タイミング発生部30からVDを供給されており、VDの立ち下がりからプリ発光までの時間を時間Tとしてフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する。時間Tは、以下の式(21)及び(22)に従い決定する。なお、T1は、第一及び第二の撮像部101、102の各撮像素子14、24がセンサ上部あるいは下部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングからセンサ中央の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングまでの時間である。
T2−Td+2×T1≦T≦T2+Ttv
(T1<Ttv≦2×T1) …(21)
T2≦T≦T2+2×T1 (2×T1<Ttv) …(22)
本第2の実施形態のフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングは、第一及び第二の撮像部101、102の電荷蓄積時間Ttvによって条件が異なる。
式(21)は、電荷蓄積時間Ttvが、撮像素子14、24の最初の水平ラインの電荷の蓄積の開始から、中央の水平ラインの電荷の蓄積の開始よりも長く、最後の水平ラインの電荷の蓄積の開始までの時間2×T1よりも短い場合である。このとき、フラッシュ48は、式(21)に示すように、撮像素子24の最初の水平ラインの電荷の読み出しを開始してから、第一の撮像部101の撮像素子14の最初の水平ラインの電荷の読み出しを開始するまでの期間の任意のタイミングで発光する。
また、式(22)は、電荷蓄積時間Ttvが、撮像素子14、24の最初の水平ラインの電荷の蓄積の開始から、最後の水平ラインの電荷の蓄積の開始までの時間2×T1よりも長い場合である。このとき、フラッシュ48は、式(22)に示すように、撮像素子24の最初の水平ラインの電荷の読み出しを開始してから、同じく撮像素子24の最後の水平ラインの電荷の読み出しを開始するまでの期間の任意のタイミングで発光する。
ここで、S1001で決定される撮像制御部18によって制御された第一及び第二の撮像部101、102の電荷の蓄積及び読み出しタイミングと、S1002で決定されるフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングについて、図11を用いて説明する。図11は、本第2の実施形態のプリ発光撮影における第一及び第二の撮像部101、102の電荷の蓄積及び読み出しタイミングと、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを表すタイミングチャートである。特に、図11(a)は式(21)に示す条件におけるタイミングチャートを、図11(b)は式(22)に示す条件におけるタイミングチャートをそれぞれ示す。
図11において、VDは垂直同期信号である。また、第一及び第二の撮像部101、102の各フィールド期間に記された平行四辺形は、各撮像素子14、24が水平ライン毎に電荷の蓄積と読み出しを順次行い、画面領域を露光するタイミングを模擬的に表したものである。
平行四辺形1101は、プリ発光撮影フィールドにおいて第一の撮像部101の撮像素子14を露光するタイミングを表す、第一の撮像素子14の露光期間である。撮像素子14の電荷の蓄積と読み出しの処理は、センサ上部の水平ラインから順次行っている。平行四辺形1102は、プリ発光撮影フィールドにおいて第二の撮像部102の撮像素子24を露光するタイミングを表す、第二の撮像素子24の露光期間である。第1の実施形態と異なり、第二の撮像部102の撮像素子24の電荷の蓄積と読み出しの処理は、第一の撮像部101の撮像素子14と同様にセンサ上部の水平ラインから順次行っている。第二の撮像部102の撮像素子24の上部の最初の水平ラインが電荷の蓄積を開始するタイミングは、撮像制御部18により制御されたため(図10のS1001)、第一の撮像部101の撮像素子14のタイミングよりも時間Tdだけ早くなっている。上述したように、時間Tdは各水平ラインの電荷蓄積時間Ttvに等しい。そのため、第二の撮像部102の撮像素子24が各水平ラインの電荷の読み出しを開始するタイミングと、第一の撮像部101の撮像素子14が各水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングは一致している。ここで、電荷蓄積時間Ttvは、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の最初の水平ラインの電荷の蓄積もしくは読み出しの開始から、最後の水平ラインの電荷の蓄積もしくは読み出し開始までの時間2×T1よりも短い。
フラッシュ制御部46は、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光されない領域に対応する第二の撮像部102の撮像素子24の領域が露光されるように、フラッシュ48を発光するよう制御する。フラッシュ48のプリ発光タイミングを図中に「プリ発光」として示す。このとき、フラッシュ48は、式(21)に示すように、第二の撮像部102の撮像素子24の最初の水平ラインの電荷の読み出しを開始してから、撮像素子14の最初の水平ラインの電荷の読み出しを開始するまでの期間の任意のタイミングで発光する。任意のタイミングでフラッシュ48が発光する期間を図中にT3として示す。
図11(a)において、第一の撮像部101の露光期間1101の領域Aは、第一の撮像部101の撮像素子14において、フラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される領域である。言い換えると、領域Aは、第一の撮像部101の撮像素子14において、フラッシュ48が式(21)を満たす任意の時間Tでプリ発光するタイミングで電荷の蓄積を開始する水平ラインから上部の領域である。
一方、第二の撮像部102の露光期間1102の領域Bは、第二の撮像部102の撮像素子24において、フラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される領域である。言い換えると、領域Bは、第二の撮像部102の撮像素子24において、フラッシュ48が式(21)を満たす任意の時間Tでプリ発光するタイミングで電荷の読み出しを開始する水平ラインから下部の領域である。このように、式(21)を満たす任意の時間Tにより決定されるフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって、撮像素子14、24における外光及びプリ発光により露光される領域と、外光のみにより露光される領域との境界を任意に制御することができる。
図11(b)において、平行四辺形1103は、プリ発光撮影フィールドにおいて第一の撮像部101の撮像素子14を露光するタイミングを表す、第一の撮像素子14の露光期間である。撮像素子14の電荷の蓄積と読み出しの処理は、センサ上部の水平ラインから順次行っている。平行四辺形1104は、プリ発光撮影フィールドにおいて第二の撮像部102の撮像素子24を露光するタイミングを表す、第二の撮像素子24の露光期間である。図10のS1001の処理により、第二の撮像部102の撮像素子24が各水平ラインの電荷の読み出しを開始するタイミングと、第一の撮像部101の撮像素子14が各水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングは一致している。だだし、図11(a)に示すタイミングと異なり、電荷蓄積時間Ttvが、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の最初の水平ラインの電荷の蓄積の開始から、最後の水平ラインの電荷の蓄積の開始までの時間2×T1よりも長い。
フラッシュ制御部46は、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48のプリ発光の反射光により露光されない領域に対応する第二の撮像部102の撮像素子24の領域が露光されるように、フラッシュ48を発光するよう制御する。フラッシュ48のプリ発光タイミングを図中に「プリ発光」として示す。このとき、フラッシュ48は、式(22)に示すように、第二の撮像部102の撮像素子24の最初の水平ラインの電荷の読み出しを開始してから、撮像素子24の最後の水平ラインの電荷の読み出しを開始するまでの期間の任意のタイミングで発光する。任意のタイミングでフラッシュ48が発光する期間を図中にT4として示す。
図11(b)において、第一の撮像部101の露光期間1103の領域Cは、第一の撮像部101の撮像素子14において、フラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される領域である。言い換えると、領域Cは、第一の撮像部101の撮像素子14において、フラッシュ48が式(22)を満たす任意の時間Tでプリ発光するタイミングで電荷の蓄積を開始する水平ラインから上部の領域である。
一方、第二の撮像部102の露光期間1104の領域Dは、第二の撮像部102の撮像素子24において、フラッシュ48のプリ発光の反射光により露光される領域である。言い換えると、領域Dは、第二の撮像部102の撮像素子24において、フラッシュ48が式(22)を満たす任意の時間Tでプリ発光するタイミングで電荷の読み出しを開始する水平ラインから下部の領域である。このように、式(22)を満たす任意の時間Tにより決定されるフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって、撮像素子14、24における外光及びプリ発光により露光される領域と、外光のみにより露光される領域との境界を任意に制御することができる。
図10のステップ1002の後、上述したフラッシュ48の発光タイミング及び撮像素子14、24の読み出し制御によりプリ発光撮影を行う(S1003)。S1004で、撮像制御部18は、第二の撮像部102の撮像素子24の電荷の蓄積の開始タイミングを、S1001で行われた制御の前の状態である、第一の撮像部101の撮像素子14の電荷の蓄積の開始タイミングと同じタイミングになるように変更する。
続いて、第2の実施形態におけるステップS1003のプリ発光撮影によって取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの画像データを用いてフラッシュ発光撮影時のフラッシュ48の本発光量を算出する(S1005)。以下、S1005における本発光量算出の処理について詳細を説明する。
まず、上述したプリ発光撮影で取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの2枚の画像データを用いて被写体の重みを算出する。第2の実施形態における被写体重みの算出は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図12に、第2の実施形態においてプリ発光撮影で取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの画像データの一例を示す。図12において、1201は、プリ発光撮影で取得された第一の撮像部101の撮像素子14からの画像データの一例である。画像1201の画像サイズは、横x画素、縦y画素である。また、画像1201は、ここでは10×6のブロックに分割されている。1202は被写体像である。1203は、画像1201のうち、外光とプリ発光からの反射光により露光されている領域であり、この領域においてブロック毎に算出される輝度値をプリ発光測光値とする。領域1203は、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって決まる領域であり、サイズは横x画素、縦y_1画素である。y_1は、以下の式(23)を満たす。
y_1={(T−T2)/(2×T1)}×y …(23)
ここで、時間Tは、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングを決定する時間であり、式(21)及び(22)を満たしている。以降の計算式の時間Tも、すべて同様である。
1204は、画像1201のうち外光のみにより露光されている領域であり、この領域1204においてブロック毎に算出される輝度値を外光測光値とする。本実施形態において、領域1204は、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって決まる領域であり、サイズは横x画素、縦y_2画素である。y_2は、以下の式(24)を満たす。
y_2=y−y_1={(2×T−T+T2)/(2×T1)}×y …(24)
また、1205はプリ発光撮影で取得された第二の撮像部102の撮像素子24からの画像データの一例である。画像1205の画像サイズは、横x画素、縦y画素である。また、画像1205は、画像1201と同様に、ここでは10×6のブロックに分割されている。1206は画像1205のうち、外光のみにより露光されている領域であり、この領域1206においてブロック毎に算出される輝度値は、外光測光値である。本実施形態において、領域1206は、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって決まる領域であり、サイズは横x画素、縦y_1画素である。y_1は、式(23)を満たす。領域1206は、画像1201における領域1203に対応する領域である。
1207は、画像1205のうち、外光とプリ発光の反射光により露光されている領域であり、この領域1207においてブロック毎に算出される輝度値はプリ発光測光値である。本実施形態において、領域1207は、フラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって決まる領域であり、サイズは横x画素、縦y_2画素である。y_2は、式(24)を満たす。領域1207は、画像1201における領域1204に対応する領域である。
また、本第2の実施形態の各ブロックのプリ発光による輝度値FLASHijの算出方法は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。第1の実施形態と同様に、図12に示すように、画像1201のあるブロックの輝度値Y1ijがプリ発光測光値であるとき、画像1205の同ブロックの輝度値Y2ijは外光測光値である。逆に、画像1201のあるブロックの輝度値Y1ijが外光測光値であるとき、画像1205の同ブロックの輝度値Y2ijはプリ発光測光値である。そのため、二枚の画像データのブロック毎の輝度差が、各ブロックのプリ発光による輝度値となる。さらに、本実施形態の被写体重みWlijの算出は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本第2の実施形態において、外光のみの被写体輝度値DLと外光及びプリ発光の被写体輝度値FLは、被写体重みWlijを用いて下記の式(25)〜(30)で算出する。
FL1=Σ(Y1ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,1≦j≦{(T―T2)/(2×T1)}×y/n) …(25)
DL1=Σ(Y1ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,{(T―T2)/(2×T1)}×y/n+1≦j≦n)…(26)
DL2=Σ(Y2ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,1≦j≦{(T―T2)/(2×T1)}×y/n)…(27)
FL2=Σ(Y2ij×Wlij)/ΣWlij
(1≦i≦m,{(T―T2)/(2×T1)}×y/n+1≦j≦n)…(28)
FL=(FL1+FL2)/2 …(29)
DL=(DL1+DL2)/2 …(30)
ここで、FL1は、図12の領域1203の外光及びプリ発光の被写体輝度値であり、DL1は領域1204の外光のみの被写体輝度値である。また、FL2は、図12の領域1207の外光及びプリ発光の被写体輝度値であり、DL1は領域1206の外光のみの被写体輝度値である。
プリ発光量に対して何倍の発光量を照射すればよいか(「ΔEF」と呼ぶ。)については、第1の実施形態と同様に式(13)で算出する。また、プリ発光撮影時と本発光撮影時の露出条件が異なる場合は、第1の実施形態と同様に式(14)を用いて算出する。
以上のようにして、S1005の本発光量算出の処理を終え、第2の実施形態のフラッシュ調光処理フローを終了する。
以上、第2の実施形態の撮像装置の一例であるデジタルカメラ100においては、プリ発光撮影時の第二の撮像部102の撮像素子24の各水平ラインの電荷の蓄積開始のタイミングを変更する。具体的には、撮像制御部18は、第二の撮像部102の撮像素子24が各水平ラインの電荷の読み出しを開始するタイミングで、第一の撮像部101の撮像素子14が各水平ラインの電荷の蓄積を開始するようタイミングを制御する。また、フラッシュ48は、第一の撮像部101の撮像素子14においてフラッシュ48からの反射光により露光されない領域に対応する、第二の撮像部102の撮像素子24の領域を、フラッシュ48の反射光により露光するよう発光タイミングが制御される。つまり、フラッシュ48は、第二の撮像部102の撮像素子24の各水平ラインの電荷の読み出しのタイミングと、第一の撮像部101の撮像素子14の各水平ラインの電荷の蓄積のタイミングとが重なる期間内の任意のタイミングでプリ発光する。
さらに、上記のように制御されたプリ発光撮影によって取得された第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24からの2つの画像データを用いてフラッシュ48の本発光量を算出する。このとき、画像データのうち、フラッシュ48のプリ発光したタイミングで電荷の読み出しを開始した水平ラインより上部の領域と下部の領域のそれぞれにおいて、一方の画像の領域が外光及びプリ発光を露光している場合、もう一方の画像の領域が外光のみを露光している。そのため、2つの画像データの差分から画面全体でフラッシュ48のプリ発光量が算出され、その値からフラッシュ48の本発光量を算出される。
以上の処理により、フラッシュ48の一度のプリ発光で露光するプリ発光撮影のみで全画面でフラッシュ調光することができる。さらに、任意に設定することのできるフラッシュ48のプリ発光の発光タイミングによって、プリ発光撮影で取得される画像における外光及びプリ発光を露光する領域と外光のみを露光する領域との境界を任意に制御することができる。これにより、フラッシュ48の発光応答特性が遅い場合に発生する、発光タイミング前後の水平ラインから成る調光精度が低下する領域を、任意にずらすことができるため、例えば、中央重点測光時に、調光精度が低下する領域を中心からずらすことができる。また、スポット測光時に、調光精度が低下する領域をスポット内に入らないようにすることができる。これにより、フラッシュ48の発光応答特性が遅い場合にも、精度良くフラッシュ調光できる。
第2の実施形態において、撮像制御部18は、プリ発光撮影時における第二の撮像部102の撮像素子24のセンサ上部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングを変更した。しかし、撮像素子14、24のうち、いずれか一方が各水平ラインの電荷の読み出しを開始するタイミングで、もう一方が各水平ラインの電荷の蓄積を開始するよう制御されるのであれば、撮像素子14、24のいずれを制御しても構わない。
また、撮像制御部18はプリ発光撮影時における第二の撮像部102の撮像素子24のセンサ上部の最初の水平ラインの電荷の蓄積を開始するタイミングを、第一の撮像部101の撮像素子14の同じタイミングに対して早くなるよう制御した。しかし、タイミングの制御は必ずしも早くする必要はなく、タイミングを遅らせても良い。この場合も、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24のうち、いずれか一方が各水平ラインの電荷の読み出しを開始するタイミングで、もう一方が各水平ラインの電荷の蓄積を開始するよう制御される。
また、フラッシュ48は、撮像素子14、24のいずれが制御されたか、もしくは電荷の蓄積を開始するタイミングを早くしたか遅くしたかに合わせて制御すれば良い。いずれの場合も、第一及び第二の撮像部101、102の撮像素子14、24の一方の各水平ラインの電荷の読み出しと、もう一方の各水平ラインの電荷の蓄積開始が重なる期間内の任意のタイミングでプリ発光される。
また、プリ発光撮影によって取得された画像データを用いたフラッシュ調光処理は、被写体輝度値DL、FLの算出処理を変えれば良い。被写体輝度値DL、FLの算出は、撮像素子14、24のいずれが制御されたか、もしくは電荷の蓄積を開始するタイミングを早くしたか遅くしたかに合わせて、画像データの外光及びプリ発光を露光する領域か、外光のみを露光する領域かの処理を変える。その他の処理は特に変える必要は無い。
なお、第1及び第2の実施形態では、フラッシュ発光撮影モードに設定された場合を例に説明したが、本発明の特徴はフラッシュ発光撮影に先だってプリ発光を伴うフラッシュ調光処理時が実施されるものであればよく、撮影モードに限定されるものではない。例えば、自動撮影モード時において、AE処理の結果光量が足りず、結果としてフラッシュ発光撮影になった場合に、プリ発光を伴うフラッシュ調光処理時に本発明の特徴である処理を実施してもよい。

Claims (10)

  1. 同じ被写体を撮影するように視差を持って設置された第1及び第2の撮像素子と、
    前記第1及び第2の撮像素子の電荷の蓄積と読み出しを制御する撮像制御手段と、
    前記被写体を照明する光を発光する発光手段と、
    前記発光手段を発光させるタイミングを制御する発光制御手段と、
    前記発光手段をプリ発光させて前記第1及び第2の撮像素子で撮像した2つの画像の輝度の差分に基づいて、予め決められた輝度の画像を得るために必要な前記発光手段の発光量を算出する算出手段とを有し、
    前記2つの画像を撮像する際に、前記第1の撮像素子の一部の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されると共に、前記一部の領域を除く前記第1の撮像素子の他の一部の領域は電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されず、前記一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間は前記プリ発光の反射光により露光されないとともに、前記他の一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されるように、前記撮像制御手段が前記第1及び第2の撮像素子の電荷の蓄積開始及び読み出しタイミングを制御し、前記発光制御手段が前記発光手段をプリ発光させるタイミングを制御することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮像制御手段は、前記第1の撮像素子の電荷の蓄積開始及び読み出しを第1の方向に行い、前記第2の撮像素子の電荷の蓄積及び読み出しを、前記第1の方向と逆の第2の方向に行い、
    前記発光制御手段は、前記第1及び第2の撮像素子から電荷を読み出す領域の半分にあたる行の電荷を蓄積開始するタイミングで、前記発光手段をプリ発光させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像制御手段は、前記第1の撮像素子の電荷の蓄積開始を、前記第2の撮像素子の電荷の蓄積開始から電荷蓄積時間、遅らせ、
    前記発光制御手段は、前記第2の撮像素子の電荷の読み出しにかかる時間と、前記第1の撮像素子の電荷の蓄積開始にかかる時間とが重なる間に、前記発光手段をプリ発光させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記発光制御手段は、前記第2の撮像素子の電荷の読み出しを開始してから、前記第2の撮像素子の電荷の読み出しが終了するまでの間に、前記発光手段をプリ発光させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記発光制御手段は、前記第1及び第2の撮像素子の中央の行の電荷の蓄積を開始するタイミングを除くタイミングで、前記発光手段をプリ発光させることを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。
  6. 同じ被写体を撮影するように視差を持って設置された第1及び第2の撮像素子と、前記被写体を照明する光を発光する発光手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
    制御手段が、前記発光手段をプリ発光させて撮像を行う場合に、前記第1の撮像素子の一部の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されると共に、前記一部の領域を除く前記第1の撮像素子の他の一部の領域は電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されず、前記一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間は前記プリ発光の反射光により露光されないとともに、前記他の一部の領域に対応する前記第2の撮像素子の領域が電荷の蓄積をしている間に前記プリ発光の反射光により露光されるように、前記第1及び第2の撮像素子の電荷の蓄積開始及び読み出しタイミング及び前記発光手段をプリ発光させるタイミングを制御する制御工程と、
    算出手段が、前記発光手段をプリ発光させて前記第1及び第2の撮像素子で撮像した2つの画像の輝度の差分に基づいて、予め決められた輝度の画像を得るために必要な前記発光手段の発光量を算出する算出工程と
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  7. 前記制御工程では、
    前記第1の撮像素子の電荷の蓄積開始及び読み出しを第1の方向に行い、前記第2の撮像素子の電荷の蓄積及び読み出しを、前記第1の方向と逆の第2の方向に行い、
    前記第1及び第2の撮像素子から電荷を読み出す領域の半分にあたる行の電荷を蓄積開始するタイミングで、前記発光手段をプリ発光させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置の制御方法。
  8. 前記制御工程では、
    前記第1の撮像素子の電荷の蓄積開始を、前記第2の撮像素子の電荷の蓄積開始から電荷蓄積時間、遅らせ、
    前記第2の撮像素子の電荷の読み出しにかかる時間と、前記第1の撮像素子の電荷の蓄積開始にかかる時間とが重なる間に、前記発光手段をプリ発光させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置の制御方法。
  9. 前記制御工程では、前記第2の撮像素子の電荷の読み出しを開始してから、前記第2の撮像素子の電荷の読み出しが終了するまでの間に、前記発光手段をプリ発光させることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置の制御方法。
  10. 前記制御工程では、前記第1及び第2の撮像素子の中央の行の電荷の蓄積を開始するタイミングを除くタイミングで、前記発光手段をプリ発光させることを特徴とする請求項8または9に記載の撮像装置の制御方法。
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