JP2014149207A - 漏洩検出装置及び漏洩検出方法 - Google Patents

漏洩検出装置及び漏洩検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査物の外部から気体の漏洩を検出する。
【解決手段】音響検出部10は、被検査物6における漏洩部8から漏洩する気体の超音波漏洩音Ls、及び漏洩部8の方向から伝播する周囲の騒音(NE)を検出して主音波信号Smを出力する主音響検出器12mと、主音響検出器12mの近傍に配置され、漏洩部8の方向から伝播する周囲の騒音(NE)を検出して副音波信号Ssを出力する副音響検出器12sと、主音響検出器12mと副音響検出器12sとの間に配置され、副音響検出器12sに対する超音波漏洩音Lsの到達を遮る音響シールド16とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検査物の機器から漏洩する気体を検出する漏洩検出装置及び漏洩検出方法に関する。
従来、気体の漏洩試験方法として、石鹸水法やガス検知法、超音波検知法、その他の試験方法が知られている。
石鹸水法は、被検査物の内部に空気圧を加えた後に、被検査物の外側に石鹸水を塗ることによって生ずる石鹸水の泡の膨らみを観察して、気体の漏洩を判別する方法である。石鹸水法は、液体を塗布することができない素材、高温、低温の検体には適用することができない。また、検査後に洗浄が必要になることから、洗浄を行うことかできない検体にも、適用することができない。
ガス検知法の一例として、比較的重いガスを注入しておき、ガスの漏れを水銀などの触媒を用いて質量分析を行う方法が知られている。
ガス検知法は、微小漏洩に対する検出に適するものの、計測レンジが狭いために、検体に対する適用範囲が狭いという問題がある。
超音波検知法は、気体が被検査物から漏洩する際に発生する超音波を検出する方法である。超音波検知法は、計測レンジの下限が高いことが短所となっている。
被検査物の周囲では、人の活動に伴って衝撃音や摩擦音に起因する超音波が発生しているために、検出すべき超音波が、これらの騒音に埋もれてしまう可能性が高い。また、超音波検知法では、流量の定量的評価を行うことができなかった。
特許文献1には漏洩量測定装置が開示されている。特許文献1に記載されている漏洩量測定装置は、映像観測装置と、音響計測装置と、特徴量抽出装置と、漏洩量に関するデータベースと、漏洩量検索装置とを備えている。
特許文献1に記載されている前記映像観測装置は、漏洩流体の映像を観測する。前記音響計測装置は、漏洩流体の音響を計測する。前記特徴量抽出装置は、映像観測装置および音響計測装置の出力から漏洩流体の特徴量を抽出する。前記漏洩量検索装置は、抽出された一つ又は複数の特徴量によって、流体圧力および温度、漏洩媒体の相状態、漏洩部の面積および形状毎に作成した逐次の漏洩量に関するデータベースを検索して漏洩量を求める。更に前記漏洩量検索装置は、漏洩流体の漏洩量と漏洩時間とから漏洩事象による全漏洩量を求め、逐次の漏洩量、漏洩事象による全漏洩量、漏洩部の面積および形状をモニタ表示可能に構成している。
特許第4175732号公報
本発明の目的は、組み立てた状態の被検査物の外部から気体の漏洩を検出することが可能な漏洩検出装置、及び漏洩検出方法を提供することである。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による音響検出部(10)は、主音響検出器(12m)と、副音響検出器(12s)と、音響シールド(16)とを備える。前記主音響検出器(12m)は、被検査物(6)における漏洩部(8)から漏洩する気体の超音波漏洩音(Ls)、及び前記漏洩部(8)の方向から伝播する周囲の騒音を検出して主音波信号(Sm)を出力する。前記副音響検出器(12s)は、前記主音響検出器(12m)の近傍に配置され、前記漏洩部(8)の方向から伝播する周囲の騒音を検出して副音波信号(Ss)を出力する。前記音響シールド(16)は、前記主音響検出器(12m)と前記副音響検出器(12s)との間に配置され、前記副音響検出器(12s)に対する前記超音波漏洩音の到達を遮る。
前記音響シールド(16)は、鋼板や銅板、アルミニウム板等の金属板又は樹脂板から構成される基材(14)を含み、前記基材(14)における前記主音響検出器(12m)及び副音響検出器(12s)側の表面に、樹脂、スポンジ等の吸音材(15)を配置してある。
また、本発明による漏洩検出装置は、前記音響検出部(10)と、周波数分析部(24)と、漏洩音抽出部(28)とを備える。前記周波数分析部(24)は、前記主音波信号(Sm)及び前記副音波信号(Ss)に対して周波数分析を行って、主音響スペクトラム(Fm)及び副音響スペクトラム(Fs)を出力する。前記漏洩音抽出部(28)は、前記主音響スペクトラム(Fm)及び前記副音響スペクトラム(Fs)を用いて、前記主音響スペクトラム(Fm)に含まれる周囲の騒音成分を減少させた超音波漏洩音(Ls)を抽出して、計測音圧(SPL)を取得する。
前記漏洩音抽出部(28)は、40kHz〜150kHzの間の超音波漏洩音(Ls)を抽出する。
前記漏洩検出装置は、前記主音響検出器(12m)から前記漏洩部(8)近傍までの検体距離(r)を取得して、当該検体距離(r)及び前記計測音圧(SPL)を用いて、前記超音波漏洩音(Ls)の発生音圧(PWL)を算出する漏洩量算出部(32)を備える。
前記漏洩検出装置は、測距センサ(18)と、距離算出部(26)とを備える。前記測距センサ(18)は、前記主音響検出器(12m)から前記漏洩部(8)近傍までの前記検体距離(r)に関する信号を検出して出力する。前記距離算出部(26)は、前記測距センサ(18)から取得した前記検体距離(r)に関する信号に基づいて、前記検体距離(r)を算出して出力する。また、前記漏洩量算出部(32)は、前記距離算出部(26)にて算出した前記検体距離(r)を取得する。
前記漏洩検出装置は、漏洩する気体の密度及び気体の音速を含む検出環境に応じて決定される環境定数(b)を記録するデータベース(36)を備え、前記漏洩量算出部(32)は、前記発生音圧(PWL)及び環境定数(b)に基づいて漏洩部における気体の漏洩量(F)を算出する。
本発明によれば、組み立てた状態の被検査物の外部から気体の漏洩を検出することができる。また、気体の漏洩量を検出することが可能となる。
図1は、本発明の漏洩検出装置の概略構成を説明する外観斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る漏洩検出装置の構成及び漏洩検出方法を説明する図である。 図3は、漏洩音抽出部における超音波漏洩音の抽出処理例を説明する図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る音響検出部の構成を説明する図である。 図5は、本発明の第3の実施形態に係る音響検出部の構成を説明する図である。 図6は、本発明の第4の実施形態に係る漏洩検出装置の構成及び漏洩検出方法を説明する図である。 図7は、本発明の第5の実施形態に係る音響検出部の構成を説明する図である。 図8は、本発明の第6の実施形態に係る音響検出部の構成を説明する図である。
添付図面を参照して、本発明による漏洩検出装置及び漏洩検出方法を実施するための形態を、以下に説明する。
(第1の実施形態)
図1を参照して、被検査物6における漏洩部8から気体の漏洩を検出する漏洩検出装置について説明する。本発明では、被検査物6の内部に予め高圧の気体を封入しておき、主音響検出器12mを用いて漏洩部8を検出すると共に、漏洩量Fを算出する。なお、検査用の気体として、例えばヘリウムガス等の気体を用いることができる。
本発明に係る漏洩検出装置は、音響検出部10と、処理部20と、表示・出力部60とを備えている。音響検出部10は、被検査物6における漏洩部8から発せられる超音波漏洩音Ls、及び漏洩部8の方向から伝播してくる周囲の騒音を検出して、主音波信号Sm及び副音波信号Ss等を出力する。処理部20は、音響検出部10から取得した主音波信号Smに対して周波数分析を行って、気体の漏洩の有無や、漏洩している気体の流量を表す漏洩量Fを算出する。表示・出力部60は、気体の漏洩の有無(漏洩検出判定Le)や漏洩量F、漏洩部8から音響検出部10までの検体距離r、その他の情報を表示する。
図1に示す音響検出部10は、主音響検出器12mと、副音響検出器12sと、主音響検出器12mと副音響検出器12sとの間に配置される音響シールド16と、測距センサ18とを備えている。主音響検出器12mは、被検査物6における漏洩部8から発せられる超音波漏洩音Ls、及び漏洩部8の方向から伝播してくる周囲の騒音を検出して主音波信号Smに変換して出力する。
副音響検出器12sは、漏洩部8の方向から伝播してくる周囲の騒音を検出して副音波信号Ssを出力する。音響シールド16は、主音響検出器12m及び副音響検出器12sの間、又はこれらの近傍に配置することによって、副音響検出器12sに向かう超音波漏洩音Lsの到達を遮る。測距センサ18は、主音響検出器12mから、被検査物6における漏洩部8近傍までの検体距離rに関する信号を検出して出力する。主音響検出器12m及び副音響検出器12sとして、例えば指向性を有する超音波マイクロフォンを用いることができる。
本発明では、主音響検出器12mは、超音波漏洩音Ls及び周囲の騒音の双方を取得して主音波信号Smに変換している。これに対して副音響検出器12sは、音響シールド16の存在によって超音波漏洩音Lsが遮られているために、周囲の騒音のみを取得して副音波信号Ssに変換する。
処理部20は、主音響検出器12m及び副音響検出器12sから取得した主音波信号Sm及び副音波信号Ssを演算することによって、主音波信号Smに含まれる騒音成分を低減させて、気体の漏洩判断や、漏洩している気体の漏洩量(気体の流量)の算出精度を向上させている。なお、副音響検出器12sは、X方向と平行に、3個以上配置することもできる。
被検査物6の漏洩部8から発せられる超音波漏洩音Lsの主な周波数帯は、40〜150kHzの超音波である。従って、超音波漏洩音Lsの波長は8.25〜2.2mm程度となるために、音響シールド16端部における回折は生じにくい。従って、音響シールド16を配置することによって、副音響検出器12sに対する遮音を効果的に行うことができる。
次に、図2を参照して、音響検出部10及び処理部20の構成とその機能について説明する。図2に示す音響検出部10の中央部には、漏洩部8の方向から伝播する音波を取得する主音響検出器12mが配置されている。主音響検出器12mの音響検出方向は、漏洩部8の方向が最大利得となるように走査して、検出方向を決定する。図2に示す例では、漏洩部8と主音響検出器12mとを結ぶ直線の方向をX方向と定義し、X方向に対して直角な方向をY方向と定義する。
主音響検出器12mの近傍の両脇(図2に示す+Y方向及び−Y方向)には、板状の音響シールド16がそれぞれX方向と平行に配置されている。音響シールド16の基材14は、漏洩部8から発せられる超音波漏洩音Lsを反射せずに吸収する素材を含むことが好ましい。この素材として、鋼板や銅板、アルミニウム板等の金属板や、樹脂板を用いることができる。図2に示す実施形態では、更に吸音性や制振性を向上させるために、音響検出器側の表面に、樹脂、スポンジ等の吸音材15を配置して、主音響検出器12m及び副音響検出器12sに対する超音波の反射を低減させている。
2つの音響シールド16の側方(図2に示す+Y方向及び−Y方向)には、それぞれ副音響検出器12sが配置されている。主音響検出器12m及び副音響検出器12sには、同一の特性を有する検出器を用いることができる。
図2に示すように、被検査物6の漏洩部8から発せられた超音波漏洩音Lsの一部は−X方向に伝播してゆき、主音響検出器12mに到達して主音波信号Smに変換される。しかし、漏洩部8から発せられた超音波漏洩音Lsは、音響シールド16に遮音されて副音響検出器12sには直接到達することができない。
音響検出部10に配置されている測距センサ18は、漏洩部8から主音響検出器12mまでの検体距離rを精度良く測定するために、主音響検出器12mの近傍に配置することが好ましい。測距センサ18として、超音波測距センサ、三角測量式光センサ、光波測距儀、電波測距儀、静電容量センサ、その他のセンサを用いることができる。
図2に示す処理部20は、増幅器22と、周波数分析部24と、距離算出部26と、漏洩音抽出部28と、漏洩量算出部32と、データベース36とを備えている。増幅器22は、主音響検出器12m及び副音響検出器12sから取得した音波信号に対して増幅やフィルタリング等の信号処理を行って、処理後の主音波信号Sm及び副音波信号Ssを出力する。
周波数分析部24は、主音波信号Sm及び副音波信号Ssに対して周波数分析を行って、周波数帯域Sf毎の主音響スペクトラムFm及び副音響スペクトラムFsを出力する。主音響スペクトラムFm及び副音響スペクトラムFsは、周波数帯域Sf毎のパワースペクトラム又はリニアスペクトラムであり、FFT演算(高速フーリエ演算)やフィルタリングの手法を用いて取得することができる。FFTの時間窓として、ハニング、矩形等を用いることができ、サンプリング時間を長く設定することによって、単発的な騒音の影響を減少させることができる。
漏洩音抽出部28は、主音響スペクトラムFm及び副音響スペクトラムFsを入力して、それぞれの周波数帯域Sf毎の音響スペクトラムSpに対してゲインを設定した後に、周波数帯域Sf毎に差分を演算する。このようにして、主音響スペクトラムFmに含まれる周囲の騒音成分を減少させて、超音波漏洩音Lsを効果的に抽出する処理を行うことができる。
漏洩音抽出部28では、先ず複数の副音響検出器12sを介して取得した副音響スペクトラムFsに対してゲイン調整を行う。そして、その後にこれらの総和(総和副音響スペクトラムAFs)を算出する。例えば、漏洩部8よりも遥か遠方(X方向)に存在する騒音源から放射される騒音は、主音響検出器12m及び2つの副音響検出器12sによって検出される。従って、主音響検出器12mから取得した主音響スペクトラムFmのゲイン1に対して、2つの副音響検出器12sから取得した副音響スペクトラムFsのゲインを−1/2とすることによって、周囲の騒音成分を減少又はキャンセルさせることができる。
次に、漏洩音抽出部28における超音波漏洩音Lsの抽出処理の一例を、図3を用いて説明する。図3に示すように、漏洩音抽出部28では、総和副音響スペクトラムAFsと主音響スペクトラムFmとを得ている。総和副音響スペクトラムAFsは、超音波漏洩音Lsを含まない周囲の騒音の音響スペクトラムSpであり、主音響スペクトラムFmは、周囲の騒音と超音波漏洩音Lsを含む音響スペクトラムSpである。
なお、同図に示す周波数帯域Sfは、それぞれの音響スペクトラムSpの周波数fの分解能に相当する。また、同図に示す漏洩音域Bfは、40〜150kHzの範囲内におけるいずれかの音域であり、漏洩音抽出部28は、この漏洩音域Bfの音域の超音波漏洩音Lsを抽出ことができる。
主音響スペクトラムFmには、超音波漏洩音Lsが含まれている。被検査物6における気体の漏洩を検出する際には、先ず利用者が漏洩部8の存在を知る必要がある。従って漏洩音抽出部28は、超音波漏洩音Lsの存在を通知するための漏洩検出判定Leを検出する機能を有している。漏洩検出判定Leは、主音響スペクトラムFmの漏洩音域Bfにおいて、例えば音響スペクトラムSpの値が、所定の漏洩音閾値Psを超えているか否かに基づいて判断することができる。
図3に示す実施形態では、漏洩音閾値Psを超えている部分が存在しているので、漏洩音抽出部28は漏洩検出判定Leの出力を決定する。この漏洩検出判定Leは、表示・出力部60に伝達されて、利用者に通知される。
なお、漏洩音閾値Psは、主音響検出器12mから被検査物6における漏洩部8までの検体距離rに応じて変更することもできる。
超音波漏洩音Lsは超音波であるため、利用者が聞くことはできない。よって、超音波漏洩音Lsが放射されていたとしても、利用者は漏洩部8の存在や漏洩部8の場所を特定することができない。従って、利用者が漏洩部8の存在を探す際には、例えば音響検出部10を伏角・方位角方向に走査しながら、漏洩検出判定Leの存在を調査することによって行う。利用者が漏洩検出判定Leの存在を確認した場合には、音響検出部10を漏洩部8に接近させて、漏洩部8の正確な位置や漏洩量を測定することができる。
図3に示すように、漏洩音抽出部28では、主音響スペクトラムFmと総和副音響スペクトラムAFsとを用いて演算処理を行って、主音響スペクトラムFmに含まれる周囲の騒音成分を減少又はキャンセルさせる。このようにして、超音波漏洩音Lsの漏洩音響スペクトラムDfを抽出する。図3に示す実施形態では、各周波数帯域Sf毎に主音響スペクトラムFmと総和副音響スペクトラムAFsとの差を演算して、漏洩音響スペクトラムDfを取得している。
更に漏洩音抽出部28では、漏洩音響スペクトラムDfの漏洩音域Bfにおける音響スペクトラムSpの総和(面積に相当する)、又は音響スペクトラムSpの最大値等に基づいて演算を行って計測音圧SPL(dB)を取得して、漏洩量算出部32に出力する。
図2に示す距離算出部26は、測距センサ18から取得した信号に基づいて、主音響検出器12mから漏洩部8近傍までの検体距離rを算出して出力する。また、検体距離rに関する情報は、利用者が入力部38を操作して入力することもできる。
図2に示す漏洩量算出部32は、漏洩音抽出部28から入力した計測音圧SPLと、距離算出部26等から入力した検体距離rとを用いて、漏洩量Fを算出する処理を行う。以下、漏洩量Fの算出方法について、数式を用いて説明する。
(計測音圧SPLと発生音圧PWLとの関係)
気体の漏洩部8における超音波漏洩音Lsの発生音圧PWL(dB)は、漏洩音抽出部28から入力した超音波漏洩音Lsの計測音圧SPL(dB)と、距離算出部26等から入力した検体距離r(m)とを用いて、下記の(式1)により算出することができる。
PWL=SPL+10・log(2×π×r2)−10・log(S) …(式1)
但し、
PWL:漏洩部における超音波漏洩音の発生音圧(dB)
SPL:主音響検出器による超音波漏洩音の計測音圧(dB)
r:主音響検出器から漏洩部までの検体距離(m)
S:主音響検出器及び副音響検出器における有感部面積(m2
(発生音圧PWLの計算式)
一方、気体の漏洩部8における超音波漏洩音Lsの発生音圧PWL(dB)は、下記の(式2)を用いて算出することができる。
PWL=10・logρ+20・logd+80・logV−50・logC+74 …(式2)
但し、
PWL:漏洩部における超音波漏洩音の発生音圧(dB)
ρ:噴出気体密度(Kg/m2
d:漏洩部直径(m)
V:漏洩部における気体の噴出速度(m/s)
C:大気圧中における音速(m/s)
(漏洩部における気体の漏洩量Fの計算式)
漏洩部8における気体の漏洩量Fは、下記の(式3)を用いて算出することができる。
F=V×π×d2 …(式3)
但し、
F:漏洩部における気体の漏洩量(m3/s)
V:漏洩部における気体の噴出速度(m/s)
d:漏洩部直径(m)
(計算式の変形と発生音圧PWLの算出)
上記(式2)に(式3)を変形して代入すると、発生音圧PWL(dB)を算出することができる。先ず、上記(式3)は、以下の(式4)のように変形することができる。
logF=log(V×π×d2
=logV+logπ+2・logd …(式4)
上記(式4)をlogdについて解くと、下記の(式5)が得られる。
2・logd=logF−logV−logπ …(式5)
ここで、上記(式2)に(式5)を代入すると、下記の(式6)が得られる。
PWL=10・logρ+10・logF−10・logV−10・logπ+80・logV−50・logC+74 …(式6)
漏洩検出時において、被検査物6の内部に加える気体の圧力を0.2MPa以上に設定することによって、漏洩部8から噴出する気体の噴出速度Vをチョーク流(音速流)とすることができる。従って、漏洩部8における噴出速度V(m/s)に、大気圧中における音速C(m/s)を代入することによって、上記(式6)を下記の(式7)のように簡略化することができる。
PWL=10・logF+(10・logρ−20・logC−10・logπ+74) …(式7)
ここで、上記(式7)における(10・logρ−20・logC−10・logπ+74)は、温度、気圧、使用気体の物性等の検出環境に応じて決定される定数となる。その定数を環境定数bとして下記の(式8)に表す。
b=10・logρ−20・logC−10・logπ+74 …(式8)
但し、
b:検出環境に応じて決定される環境定数
ここで、環境定数bは、予め算出してデータベース36に記録しておくことができる。また、環境定数bは、漏洩検出試験に用いる気体と同一の気体を用いると共に、同一温度、同一圧力の検出環境下で予め疑似漏洩試験を行って、データベース36に記録しておくこともできる。
(気体の漏洩量の算出)
上記(式7)に上記(式8)を代入し、logF=Xとすると、発生音圧PWL(dB)は、下記の(式9)によって算出することができる。
PWL=10・logF+b
=10・X+b …(式9)
但し、
PWL:漏洩部における超音波漏洩音の発生音圧(dB)
X:logF(Fは、漏洩部における気体の漏洩量(m3/s))
b:検出環境に応じて決定される環境定数((式8)を参照。)
上記の(式1)及び(式9)を用いることによって、計測音圧SPL(dB)と検体距離r(m)とから、漏洩部8における漏洩量F(m3/s)の推定を行うことができる。また、主音響検出器12mに加えて副音響検出器12sを用いて検出環境における騒音成分を検出することによって、主音波信号Smに含まれる騒音成分を減少させて、超音波漏洩音Lsの抽出を効果的に行うことができる。また、騒音成分を減少させることによって、非接触測定であること及び計測上限が高いという従来の超音波検知法の特徴を維持しつつ、計測下限を下げて検出に関するS/N比を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、本発明に係る音響検出部10の他の実施形態について説明する。なお、図1及び図2に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図4においては、測距センサ18の記載は省略してある。
図2に示した実施形態は、主音響検出器12mの近傍の両脇(+Y方向及び−Y方向)に板状の音響シールド16をそれぞれ配置し、副音響検出器12sに対しては片側のみ音響シールド16を配置した実施形態である。これに対し、図4に示す実施形態は、副音響検出器12sの両側に音響シールド16を配置した実施形態である。
図4に示す音響検出部10を用いることによって、副音響検出器12sにおける集音の指向性を向上させることができると共に、副音響検出器12sの指向性を主音響検出器12mの指向性と等しくすることができる。これにより、騒音成分を減少させる処理が容易となり、漏洩音響スペクトラムDf及び漏洩量FのS/N比を向上させることができる。また、主音響検出器12m及び副音響検出器12sを、図4に示すX方向に移動可能に構成することによって、漏洩部8までの検体距離rに応じて指向性の調節を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図5を参照して、本発明に係る音響検出部10の他の実施形態について説明する。なお、図1及び図2に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図5においては、測距センサ18の記載は省略してある。
図2に示した実施形態は、主音響検出器12mの近傍の両脇(+Y方向及び−Y方向)に板状の音響シールド16をそれぞれ配置した実施形態である。これに対し、図5に示す実施形態は、主音響検出器12m及び副音響検出器12sを、基材14に開設されている筒状の開口内に配置した実施形態である。基材14における筒状の開口内壁には、吸音材15を配置することができる。
図5に示す音響検出部10を用いることによって、副音響検出器12sにおける集音の指向性を向上させることができると共に、副音響検出器12sの指向性を主音響検出器12mの指向性と等しくすることができる。これにより、騒音成分を減少させる処理が容易となり、漏洩音響スペクトラムDf及び漏洩量FのS/N比を向上させることができる。また、主音響検出器12m及び副音響検出器12sを、図5に示すX方向に移動可能に構成することによって、漏洩部8までの検体距離rに応じて指向性の調節を行うことが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、図6を参照して、本発明に係る漏洩検出装置の他の実施形態について説明する。なお、図1及び図2に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示した実施形態は、主音響検出器12mの近傍の両脇(+Y方向及び−Y方向)に2つの副音響検出器12sを配置した実施形態である。これに対し、図4に示す実施形態は、主音響検出器12mの−Y方向に一つの副音響検出器12sを配置した実施形態である。主音響検出器12mと副音響検出器12sとの間には、音響シールド16を配置してある。
図2に示した実施形態では、複数の副音響検出器12sを用いて周囲の騒音成分の検出を行っていたために、複数の副音波信号Ss間でゲインを調節して設定する必要があった。図6に示す実施形態では、主音波信号Smと副音波信号Ssとの間のみでゲインの設定を行う。図6に示す音響検出部10及び処理部20を用いることによっても、図2にて説明した漏洩検出装置と同様の効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明に係る音響検出部10の他の実施形態について説明する。なお、図1、図2及び図6に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図7においては、測距センサ18の記載は省略してある。
図6に示した実施形態は、主音響検出器12mと副音響検出器12sとの間に板状の音響シールド16を一枚配置した実施形態である。これに対し、図7に示す実施形態は、主音響検出器12m及び副音響検出器12sの両側に音響シールド16を配置した実施形態である。
図7に示す音響検出部10を用いることによっても、図6に示した漏洩検出装置と同様の効果を得ることができる。また、主音響検出器12m及び副音響検出器12sを、図7に示すX方向に移動可能に構成することによって、漏洩部8までの検体距離rに応じて指向性の調節を行うことが可能となる。
(第6の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明に係る音響検出部10の他の実施形態について説明する。なお、図1、図2及び図6に示した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図8においては、測距センサ18の記載は省略してある。
図6に示した実施形態は、主音響検出器12mと副音響検出器12sとの間に板状の音響シールド16を一枚配置した実施形態である。これに対し、図8に示す実施形態は、主音響検出器12m及び副音響検出器12sを、基材14に開設されている筒状の開口内に配置した実施形態である。基材14における筒状の開口内壁には、吸音材15を配置することができる。
図8に示す音響検出部10を用いることによっても、図6に示した漏洩検出装置と同様の効果を得ることができる。また、主音響検出器12m及び副音響検出器12sを、図8に示すX方向に移動可能に構成することによって、漏洩部8までの検体距離rに応じて指向性の調節を行うことが可能となる。
以上、実施の形態を参照して本発明による漏洩検出装置及び漏洩検出方法について説明したが、本発明による漏洩検出装置及び漏洩検出方法は上記実施形態に限定されない。上記実施形態に様々の変更を行うことが可能である。上記実施形態に記載された事項と上記他の実施形態に記載された事項とを組み合わせることが可能である。
また、本発明に係る漏洩検出装置及び漏洩検出方法は、ロケットエンジン用の機器や配管における気体の漏洩検出や、タービンエンジンやレシプロエンジン、各種プラント、その他における配管の漏洩検出に適用することができる。
6...被検査物
8...漏洩部
10...音響検出部
12m...主音響検出器
12s...副音響検出器
14...基材
15...吸音材
16...音響シールド
18...測距センサ
20...処理部
24...周波数分析部
26...距離算出部
28...漏洩音抽出部
32...漏洩量算出部
36...データベース
38...入力部
60...表示・出力部
b...環境定数
F...漏洩量
Fm...主音響スペクトラム
Fs...副音響スペクトラム
Le...漏洩検出判定
Ls...超音波漏洩音
PWL...発生音圧
r...検体距離
Sm...主音波信号
Sp...音響スペクトラム
SPL...計測音圧
Ss...副音波信号

Claims (11)

  1. 被検査物における漏洩部から漏洩する気体の超音波漏洩音、及び前記漏洩部の方向から伝播する周囲の騒音を検出して主音波信号を出力する主音響検出器と、
    前記主音響検出器の近傍に配置され、前記漏洩部の方向から伝播する周囲の騒音を検出して副音波信号を出力する副音響検出器と、
    前記主音響検出器と前記副音響検出器との間に配置され、前記副音響検出器に対する前記超音波漏洩音の到達を遮る音響シールドと、
    を備える音響検出部。
  2. 前記音響シールドは、鋼板や銅板、アルミニウム板等の金属板又は樹脂板から構成される基材を含み、
    前記基材における前記主音響検出器及び副音響検出器側の表面に、樹脂、スポンジ等の吸音材を配置した請求項1に記載の音響検出部。
  3. 請求項1又は2に記載の音響検出部と、
    前記主音波信号及び前記副音波信号に対して周波数分析を行って、主音響スペクトラム及び副音響スペクトラムを出力する周波数分析部と、
    前記主音響スペクトラム及び前記副音響スペクトラムを用いて、前記主音響スペクトラムに含まれる周囲の騒音成分を減少させて前記超音波漏洩音を抽出して、計測音圧を取得する漏洩音抽出部と、
    を備える漏洩検出装置。
  4. 前記漏洩音抽出部は、40kHz〜150kHzの間の超音波漏洩音を抽出する請求項3に記載の漏洩検出装置。
  5. 前記主音響検出器から前記漏洩部近傍までの検体距離を取得して、当該検体距離及び前記計測音圧を用いて、前記超音波漏洩音の発生音圧を算出する漏洩量算出部を備える請求項3又は4に記載の漏洩検出装置。
  6. 前記主音響検出器から前記漏洩部近傍までの前記検体距離に関する信号を検出して出力する測距センサと、
    前記測距センサから取得した前記検体距離に関する信号に基づいて、前記検体距離を算出して出力する距離算出部と、
    を備え、
    前記漏洩量算出部は、前記距離算出部にて算出した前記検体距離を取得する請求項5に記載の漏洩検出装置。
  7. 漏洩する気体の密度及び気体の音速を含む検出環境に応じて決定される環境定数を記録するデータベースを備え、
    前記漏洩量算出部は、前記発生音圧及び環境定数に基づいて、漏洩部における気体の漏洩量を算出する請求項6に記載の漏洩検出装置。
  8. 主音響検出器において、被検査物における漏洩部から漏洩する気体の超音波漏洩音、及び前記漏洩部の方向から伝播する周囲の騒音を検出して主音波信号を出力する工程と、
    副音響検出器において、前記漏洩部の方向から伝播する周囲の騒音を検出して副音波信号を出力する工程と、
    周波数分析部において、前記主音波信号及び前記副音波信号に対して周波数分析を行って、主音響スペクトラム及び副音響スペクトラムを出力する工程と、
    漏洩音抽出部において、前記主音響スペクトラム及び前記副音響スペクトラムを用いて、前記主音響スペクトラムに含まれる周囲の騒音成分を減少させて前記超音波漏洩音を抽出して、計測音圧を取得する工程と、
    を有する漏洩検出方法。
  9. 前記漏洩音抽出部は、40kHz〜150kHzの間の超音波漏洩音を抽出する工程を含む請求項8に記載の漏洩検出方法。
  10. 検体距離を取得する工程と、
    漏洩量算出部において、前記検体距離と前記計測音圧とに基づいて、前記超音波漏洩音の発生音圧を算出する工程と、
    を有する請求項8又は9に記載の漏洩検出方法。
  11. 漏洩する気体の密度及び気体の音速を含む検出環境に応じて決定される環境定数を取得する工程と、
    前記漏洩量算出部において、前記発生音圧及び環境定数に基づいて漏洩部における気体の漏洩量を算出する工程を含む請求項10に記載の漏洩検出方法。
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