JP2014149173A - 蛋白質濃度計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象内の蛋白質濃度を計測可能な方法の提供。
【解決手段】蛍光蛋白質が存在する対象内における蛋白質濃度又は蛋白質濃度変化を計測する方法であって、前記蛍光蛋白質の蛍光強度又は蛍光波長を検出することを含み、前記蛍光蛋白質が、クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入されている改変蛍光蛋白質であって、前記改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する前記改変蛍光蛋白質、又は前記改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質である。
【選択図】なし

Description

本開示は、蛋白質濃度計測方法に関する。より具体的には、本開示は、細胞内に容易に遺伝子導入が可能な蛍光蛋白質を応用した技術を利用し、細胞内における蛋白質の濃度及び/又は蛋白質濃度変化を計測する方法に関する。
細胞の中は、水分子よりも遥かに多くの蛋白質により埋められている。細胞内の蛋白質は、集合と乖離を複雑に繰り返しており、局所的な蛋白質濃度は、ダイナミックに変化していると考えられている。この局所的な蛋白質濃度の変化は、細胞の動態に重要であるが、これまで、生きた細胞内の蛋白質濃度を直接計測する技術が存在しなかった。従来は、多数の細胞から細胞質を抽出し、上記抽出液の蛋白質濃度を計測する。例えば、細胞内の蛋白質濃度を計測するためには、多数の細胞から抽出された細胞質を収集し、上記溶液の蛋白質濃度を波長280nmにおける蛋白質中の芳香族アミノ酸(チロシン、トリプトファン)の吸光度を指標として測定する。その他、色素クーマシーブルーが、蛋白質と結合する際の吸光度の変化を測定する方法(Bradford法)、フェノール試薬と蛋白質に含まれるチロシン、トリプトファン、システインとが結合する際の吸光度の変化を測定する方法(Lowry法)などが挙げられる。しかしながら、上記の方法では、多数の細胞を必要とする上、細胞を死滅させてしまう。
一方、細胞内の蛋白質濃度を算出するための技術として、蛍光色素の拡散を指標とする方法(非特許文献1及び2)、細胞質の粘度を指標とする方法(非特許文献3)等が検討されている。非特許文献1及び2には、細胞内の蛋白質濃度が細胞に与える影響を調べる方法として、蛍光相関分光法が開示されている。蛍光相関分光法とは、蛍光色素、あるいは、蛍光蛋白質の溶液内拡散を指標とする方法である。溶液内の蛋白質濃度が高ければ、溶液内の粘性があがり、蛍光色素、あるいは、蛍光蛋白質の拡散速度は低下する。すなわち、蛍光色素、あるいは、蛍光蛋白質の拡散係数から、溶液内の蛋白質濃度の大小を知ることができる。しかしながら、蛋白質ではなく、高分子のポリマーや糖なども、溶液内の粘性を高める要因である(非特許文献3)。従って、蛍光蛋白質の溶液内拡散や粘度を指標にした見積法は、細胞内部の蛋白質濃度だけではなく、細胞内部にある高分子や糖鎖の影響を受けた、分子混雑具合と呼ばれる数値を算出することになり、実質的には、蛋白質濃度を計測する方法とはいえない。
Weiss S., Measuring conformational dynamics of biomolecules by single molecule fluorescence spectroscopy. Nature Struct. Biol.7: 724-729, 2000. Muller C. B., Eckert T., Loman A., Enderlein J., Richtering W., Dual-Focus Fluorescence Correlation Spectroscopy: A robust tool to study molecular crowding. Soft matter, 5: 1358-1366, 2009. Kalwarczyk T, et al., Comparative Analysis of Viscosity of Complex Liquids and Cytoplasm of Mammalian Cells at the Nanoscale, Nano Lett. 11: 2157-2163, 2011.
上記の通り、生きた細胞内の蛋白質濃度を計測できる技術はない。また、蛋白質濃度といった細胞内の環境を知ることができる技術は今後の生物研究を大きく発展させると考えられる。そこで、本開示は、生きた細胞内における蛋白質濃度を計測可能な方法を提供する。
本開示は、蛍光蛋白質が存在する対象内における蛋白質濃度又は蛋白質濃度変化を計測する方法に関する。本開示の測定方法は、前記蛍光蛋白質の蛍光強度又は蛍光波長を検出することを含み、前記蛍光蛋白質が、クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入されている改変蛍光蛋白質であって、前記改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する前記改変蛍光蛋白質、又は、前記改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質である。
本開示の計測方法によれば、液体及び/又は生きた細胞内における蛋白質濃度及び/又は蛋白質濃度変化を計測することができる。
YFPの発光団付近の構造を示す図である。 (イ)溶液内のBSA(Bovine serum albumin)濃度を変化させた場合におけるCFPの蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ロ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、CFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンをひとつ挿入した改変蛍光蛋白質の、蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ハ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、CFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンを3つ挿入した改変蛍光蛋白質の、蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ニ)CFPの144番目と145番目のアミノ酸の間に、グリシンをひとつ(CFP−1G)、ないし、3つを挿入した(CFP−3G)改変蛍光蛋白質、及び、CFPを用いて、溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、発光強度の変化を示すグラフである。 (イ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合におけるGFPの蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ロ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、GFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンをひとつ挿入した改変蛍光蛋白質の、蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ハ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、GFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンを3つ挿入した改変蛍光蛋白質の、蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ニ)GFPの144番目と145番目のアミノ酸の間に、グリシンをひとつ(GFP−1G)、ないし、3つを挿入した(GFP−3G)改変蛍光蛋白質、及び、GFPを用いて、溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、発光強度の変化を示すグラフである。 (イ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合におけるYFPの蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ロ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、YFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンをひとつ挿入した改変蛍光蛋白質の、蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ハ)溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、YFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンを3つ挿入した改変蛍光蛋白質の、蛍光スペクトル変化を示すグラフである。(ニ)YFPの144番目と145番目のアミノ酸の間に、グリシンをひとつ(YFP−1G)、ないし、3つを挿入した(YFP−3G)改変蛍光蛋白質、及び、YFPを用いて、溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、発光強度の変化を示すグラフである。 (イ)YFPの144番目と145番目のアミノ酸の間に、グリシンをひとつ(YFP−1G)、ないし、3つを挿入した(YFP−3G)改変蛍光蛋白質、YFP、及びCFPを用いて、溶液内のポリエチレングリコール(PEG6000)の濃度を変化させた場合における、発光強度の変化を示すグラフである。(ロ)YFPの144番目と145番目のアミノ酸の間に、グリシンをひとつ(YFP−1G)、ないし、3つを挿入した(YFP−3G)改変蛍光蛋白質、YFP、及びCFPを用いて、溶液内のスクロースの濃度を変化させた場合における、発光強度の変化を示すグラフである。 溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトル変化を示すグラフである。 溶液内のBSA濃度を変化させた場合における、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルのうち、450−470nmの領域を取り出した強度をI(460)、510−530nmの領域を取り出した強度をI(520)とした時、I(460)を、I(460)とI(520)の加算で割った比の変化を示すグラフである。 細胞にCFP−YFP−1Gを発現させ、その蛍光スペクトルから算出した細胞質内の蛋白質濃度のヒストグラムを示すグラフである。 細胞における蛋白質濃度と、細胞におけるCFP−YFP−1Gの拡散係数との関係を示すグラフである。
蛍光蛋白質は、通常、細胞内における蛋白質を標識し、上記蛋白質の局在を蛍光顕微鏡を用いて観察することに使用される。また、蛍光蛋白質を改変し、pH変化やCa2+イオン濃度などの細胞内の状態を検出することも提案されている。一方で、蛍光蛋白質は、溶液内の水の状態、すなわち、温度や圧力によって蛍光強度が変化することが知られているが、その変化量は微量であり、生理学的条件において検出できる程度ではない。蛍光蛋白質は、ベータカン構造と呼ばれる円柱構造を持つ蛋白質である。ベータカン構造の内部には、3つのアミノ酸残基から構成される発光団があり、上記発光団は、周囲のベータカン構造によるプロトン配置に対して、敏感に反応する。このことから、発光団に最も近いループにペプチドリンカーを挿入することによってベータカン構造に歪みを発生させた改変蛍光蛋白質が知られている(WO2012/06389)。
[蛋白質濃度の計測方法]
本開示は、蛍光蛋白質が存在する対象内における蛋白質濃度又は蛋白質濃度変化を計測する方法であって、前記蛍光蛋白質の蛍光強度又は蛍光波長を検出することを含む方法に関する(以下、「本開示の計測方法」ともいう)。本開示の計測方法に用いられる蛍光蛋白質(以下、「本開示の蛍光蛋白質」ともいう)は、クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入されている改変蛍光蛋白質であって、前記改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する前記改変蛍光蛋白質、又は、前記改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質である。本開示の計測方法によれば、一又は複数の実施形態において、細胞が生きたままで、蛍光顕微鏡下において、その細胞内の蛋白質濃度及び/又は蛋白質濃度変化を計測することができる。
生細胞内における蛋白質濃度を計測できる蛍光蛋白質は、これまでに報告されていない。また、生細胞における蛋白質濃度又は蛋白質濃度変化を計測できることは、生命現象の解明において非常に有用である。また、本開示の計測方法に用いられる改変蛍光蛋白質及び融合蛍光蛋白質は、遺伝子導入などの簡素な方法で、細胞内に当該蛍光蛋白質を発現させることができるので、多くの生物研究者にも有用で応用が可能なツールとなりうる。本開示の計測方法において蛋白質濃度又は蛋白質濃度変化を測定する対象は、蛋白質の存在するものであれば特に限定されるものではなく、一又は複数の実施形態において、液体、細胞、血管、及び胚等が挙げられる。細胞としては、一又は複数の実施形態において、蛍光蛋白質を導入可能な細胞が挙げられる。細胞としては、一又は複数の実施形態において、原核生物(細菌)、及び真核生物(原生生物、真菌、動物(ヒトを含む)、植物)等由来の細胞が挙げられる。また、細胞は生細胞であってもよい。液体としては、一又は複数の実施形態において、血液及び尿等の生体試料、並びに水溶液等が挙げられる。細胞への導入方法は、特に制限されず、一又は複数の実施形態において、本開示にかかる改変蛍光蛋白質及び/又は融合蛍光蛋白質を発現可能なベクターを用いた遺伝子導入方法が挙げられる。遺伝子導入方法としては、対象の細胞に応じた従来使用され、又は今後開発される導入方法を採用できる。
[改変蛍光蛋白質]
本開示の計測方法は、一又は複数の実施形態において、クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入された改変蛍光蛋白質(以下、「本開示の改変蛍光蛋白質」ともいう)を用いる。
〔蛍光蛋白質〕
本開示において「蛍光蛋白質」とは、励起光を当てると発光する蛋白質をいう。蛍光蛋白質としては、特に限定されないが、一例としてサンゴ由来:例えば、アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)、クサビライシ(Fungia sp.)、コモンサンゴ(Montipora. sp)等、イソギンチャク由来:例えば、オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)等、クラゲ由来:エクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)等が改変蛍光蛋白質の原料として挙げられる。好ましくはクラゲ由来の蛍光蛋白質を原料としたものが挙げられる。本開示において「クラゲ由来の蛍光蛋白質」とは、クラゲ由来の野生型蛍光蛋白質又は前記野生型蛍光蛋白質に由来する蛍光蛋白質を含みうる。クラゲ由来の蛍光蛋白質としては、一又は複数の実施形態において、全長238アミノ酸残基のクラゲ由来蛍光蛋白質が挙げられ、好ましくはクラゲ(Aequorea Victoria)由来の緑色蛍光蛋白質(GFP;全長238アミノ酸残基、GenBank Accession No. AAA27722、配列表の配列番号2)、YFP、CFP、EGFP、EYFP、及びECFP等のGFPに由来する変異蛍光蛋白質が挙げられる。以下、本開示において「クラゲ由来の蛍光蛋白質」を単に「蛍光蛋白質」と呼ぶことがある。なお、YFPの配列として238アミノ酸残基の配列番号3のアミノ酸配列が挙げられ、CFPの配列として238アミノ酸残基の配列番号1のアミノ酸配列が挙げられるが、本開示においてYFP及びCFPは前記配列限定のものに限定されない。例えば、クローニングやタグ標識のため、蛍光蛋白質としての機能に影響を与えない範囲で、N末端付近やC末端付近に1又は複数のアミノ酸残基の置換・付加・欠失・挿入がされたもの、及び、それに起因してアミノ酸配列の長さが238アミノ酸残基ではないものも含みうる。その場合のリンカーの挿入部位は、クラゲ由来の野生型蛍光蛋白質(例えば、GFP等)のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置(すなわち、発光団に最も近いループ)とすればよい。本開示における蛍光蛋白質は、蛋白質の形態に加え、該蛍光蛋白質をコードするポリヌクレオチドや、該蛍光蛋白質を発現可能なベクターの形態で、例えば市販の製品として、容易に入手できる。本開示における蛍光蛋白質としては、前記緑色蛍光蛋白質の203残基目のスレオニンをチロシンに換えた蛍光蛋白質であるYFP及びEYFP(とりわけ、配列番号3のアミノ酸配列で表わされるもの)が好ましい。なぜなら、YFP及びEYFPにおいては、発光団(65−67残基)と203残基のチロシンのフェノール環が電子的に相互作用しているため、YFP及びEYFPは、GFPと比べ、敏感にその発光特性が変化することが期待されるからである。
〔ペプチドリンカー〕
本開示において「ペプチドリンカー」とは、蛍光蛋白質に挿入されるアミノ酸配列をいう。ペプチドリンカーのアミノ酸の数は、蛋白質濃度の感受性及び蛍光強度の維持の観点から、1以上が好ましい。また、同様の観点から、前記ペプチドリンカーのアミノ酸の数は4以下が好ましく、より好ましくは3以下である。したがって、前記ペプチドリンカーのアミノ酸の数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。また、ペプチドリンカーのアミノ酸残基は、蛋白質濃度の感受性及び蛍光強度の維持の観点から、グリシンを含むことが好ましく、すべてグリシンであることがより好ましい。
ペプチドリンカーの挿入位置は、蛋白質濃度の感受性及び蛍光強度の維持の観点から、蛍光蛋白質の発光団に最も近いループであり、好ましくは蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144位と145位との間であり、より好ましくは野生型蛍光蛋白質、すなわち、全長238アミノ酸残基の緑色蛍光蛋白質(GFP; GenBank Accession No. AAA27722、配列番号2)の144位と145位との間に相同する部位である。挿入対象がアミノ酸配列の長さが238アミノ酸残基でない蛍光蛋白質の場合であっても、当業者であれば、通常のアライメントや目視による配列の比較等をすることにより容易に挿入部位を特定できる。
〔蛋白質濃度に対する感受性〕
本開示における改変蛍光蛋白質は、改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する。本開示において「蛋白質濃度に対する感受性を有する」としては、一又は複数の実施形態において、改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に応じて蛍光特性が変化することを含む。本開示において「蛍光特性」とは、励起波長、蛍光波長、これらのスペクトル、及び蛍光強度を含む。ペプチドリンカーが挿入された本開示の改変蛍光蛋白質は、一又は複数の実施形態において、これらの蛍光特性の少なくとも1つが本開示の改変蛍光蛋白質が存在する対象における蛋白質濃度に応じて変化し、好ましくは少なくとも蛍光強度が、本開示の改変蛍光蛋白質が存在する対象の蛋白質濃度の変化に応じて負の相関で変化する。なお、本開示において「蛍光強度が、本開示の改変蛍光蛋白質が存在する対象の蛋白質濃度の変化に応じて負の相関で変化する」とは、本開示の改変蛍光蛋白質が存在する対象の蛋白質濃度が増加すれば、蛍光強度が減少し、本開示の改変蛍光蛋白質が存在する対象の蛋白質濃度が減少すれば、蛍光強度が増加することをいう。
本開示の計測方法において、ゲルの濃度等による影響を受けにくく、中でもPEG等の高分子やスクロース等の糖の濃度等により影響されることなく蛋白質濃度を計測できる点から、改変蛍光蛋白質はYFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンを1つ挿入させた改変蛍光蛋白質(YFP−1G)が好ましい。
本開示の計測方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の改変蛍光蛋白質を、対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有さない蛍光蛋白質と組み合わせて使用してもよい。対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有さない蛍光蛋白質を内部標準として使用し、両者の蛍光特性を比較することによって、本開示の改変蛍光蛋白質が存在する対象内における蛋白質濃度を計測してもよい。本開示において「蛋白質濃度に対する感受性を有さない」としては、一又は複数の実施形態において、本開示の改変蛍光蛋白質と比較して対象内の蛋白質濃度に応じた蛍光特性の変化が少ないことをいい、好ましくは対象内の蛋白質濃度に応じて蛍光特性が実質的に変化しないこと、より好ましくは内部標準として使用できる程度に蛋白質濃度に応じた蛍光特性の変化がないこと、さらに好ましくは後述するFRETを利用した内部標準として利用可能な程度に蛋白質濃度に応じた蛍光特性の変化がないことをいう。内部標準として蛍光蛋白質を利用する場合、本開示の改変蛍光蛋白質と前記内部標準蛋白質と蛍光特性が異なることが好ましく、それぞれの励起波長及びそのスペクトルが互いに異なることが好ましい。
[融合蛍光蛋白質]
本開示の計測方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質(以下、「内部標準蛍光蛋白質」)が融合した融合蛍光蛋白質(以下、「本開示の融合蛍光蛋白質」ともいう)を用いる。該融合蛍光蛋白質を用いれば、例えば、蛍光スペクトルの変化等を検出することによって、対象内の蛋白質濃度及び/又は蛋白質濃度変化をより簡便に計測することができる。該融合蛍光蛋白質は、一又は複数の実施形態において、本開示の融合蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有し、また蛋白質濃度に応じて蛍光特性が変化する。
内部標準蛍光蛋白質は、一又は複数の実施形態において、該蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を実質的に有さないことが好ましい。内部標準蛍光蛋白質としては、一又は複数の実施形態において、上述の野生型蛍光蛋白質が挙げられ、中でも、蛋白質濃度に対する感受性が極めて低く、蛋白質濃度に応じた蛍光特性の変化が実質的に見られないことから、CFPが好ましい。
本開示の融合蛍光蛋白質としては、一又は複数の実施形態において、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用した計測を行う点から、内部標準蛍光蛋白質がドナー蛍光蛋白質であり、本開示の改変蛍光蛋白質がアクセプター蛍光蛋白質である融合蛍光蛋白質等が挙げられる。この形態の融合蛍光蛋白質であれば、蛍光スペクトルが対象内の蛋白質濃度に依存して変化することから、より簡便に蛋白質濃度を計測することができる。本開示の計測方法に用いられる融合蛍光蛋白質において、ゲルの濃度等による影響を受けにくく、中でもPEG等の高分子やスクロース等の糖の濃度等により影響されることなく蛋白質濃度を計測できる点から、YFGの変異体とCFPとの組み合わせが好ましい。また、融合蛍光蛋白質の特に限定されない一又は複数の実施形態において、本開示の改変蛍光蛋白質が、内部標準蛍光蛋白質のN末端に結合した形態であってもよい。
本開示の融合蛍光蛋白質において、本開示の改変蛍光蛋白質と前記内部標準蛍光蛋白質とは、リンカーを介して融合してもよい。リンカーのアミノ酸の数は、一又は複数の実施形態において、2〜20個、3〜10個、又は5〜10個である。
本開示の融合蛍光蛋白質は、例えば、公知の蛍光蛋白質のベクターに本開示の改変蛍光蛋白質をコードするDNA断片をクローニングするなどして、当業者であれば容易に製造できる。したがって、本開示はその他の態様において、本開示の融合蛍光蛋白質をコードするベクターに関する。前記ベクターは、本開示の融合蛍光蛋白質を発現するための発現ベクターであっても良い。該発現ベクターにおいて、発現系は特に制限されず、原核生物、真核生物を問わない。したがって、本開示はさらにその他の態様において、本開示の融合蛍光蛋白質が遺伝子導入された細胞又はヒトを除く生物に関する。さらにまた本開示は、前記ベクターを含むキットであって、任意に、遺伝子導入に必要な試薬、細胞、取扱説明書等を含むキットに関しうる。
[蛋白質濃度分布(局在)の観察方法]
本開示は、その他の形態において、本開示の蛍光蛋白質を用いて対象内における蛋白質濃度分布又は局在を観察する方法であって、蛍光蛋白質の蛍光を検出することを含む(以下、「本開示の観察方法」ともいう)。本開示の観察方法において、前記蛍光蛋白質は、クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入されている改変蛍光蛋白質であって、前記改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する前記改変蛍光蛋白質、又は、前記改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質である。本開示の観察方法によれば、蛋白質濃度に応じて蛍光特性が変化する本開示の蛍光蛋白質を用いることから、対象における蛋白質の濃度分布を可視化することができる。
以下、本開示を実施例及び図面を参照しながら説明する。
以下の実施例では、オワンクラゲ由来の緑色蛍光蛋白質(以下、GFP)、GFPの66番目のチロシンをトリプトファンに置換した青色蛍光蛋白質(以下、CFP)、及び、GFPの203残基目のスレオニンをチロシンに換えた黄色蛍光蛋白質(以下、YFP)を用いた。CFP、GFP、YFPの全ての場合において、図1に示すように、発光団のすぐ近くに146番目のチロシンのフェノール環が配置されている。
[CFP、GFP及びYFPの変異体の作製]
配列表の配列番号1〜3のアミノ酸配列でそれぞれ表わされる緑色蛍光蛋白質(GFP)、シアン色蛍光蛋白質(CFP)及び黄色蛍光蛋白質(YFP)の144番目のアスパラギン酸と145番目のチロシンとの間にペプチドリンカーを挿入した挿入変異体を作製した。挿入したペプチドリンカーは、それぞれ、G(変異体名:GFP−1G/CFP−1G/YFP−1G、以下「1G挿入変異体」ともいう)、及びGGG(変異体名:GFP−3G/CFP−3G/YFP−3G、以下「3G挿入変異体」ともいう)とした。
CFP、CFPの変異体、GFP、GFPの変異体、YFP及びYFPの変異体は、定法によって発現、精製した。すなわち、前記CFP、CFPの変異体、GFP、GFPの変異体、YFP又はYFPの変異体をコードするDNAプラスミドを大腸菌にトランスフォームして大腸菌内で上記YFP及びYFP変異体を発現させた。精製は、上記CFP、CFPの変異体、GFP、GFPの変異体、YFP及びYFPの変異体のN末端にFLAGタグ(DYKDDDDK:配列番号4)を付加することにより、収集した大腸菌のライゼート(細胞質)から分離精製した。
[波長特性の蛋白質濃度依存性]
CFP、CFPの変異体、GFP、GFPの変異体、YFP及びYFPの変異体を用いて、蛋白質の代表例としてBSA(Bovine serum albumin)濃度を変化させた場合における、蛍光スペクトルと発光強度の変化を調べた。蛍光強度は、蛍光分光度計(Shimadzu UV-Vis Spectrophotometer UV-1650PC)により、励起波長を488nmに固定し、蛍光波長500〜650nmの範囲で室温(25℃)で計測した。具体的には下記条件で測定した。その結果を図2〜4に示す。図2はCFP及びCFPの変異体の結果、図3はGFP及びGFPの変異体の結果、図4はYFP及びYFPの変異体の結果を示すグラフであって、(イ)が野生型蛍光蛋白質、(ロ)が1G挿入変異体、(ハ)が3G挿入変異体の結果をそれぞれ示し、(ニ)がBSA濃度と蛍光強度の変化率との関係を示す。
図2〜4に示すように、CFP、GFP、YFPの全ての場合において、上記のグリシンの挿入により、発光強度のBSA濃度依存性が向上した。また、CFPの発光強度は、GFP、YFPと比べて、発光強度のBSA濃度依存性が少なく、BSA濃度が250mg/mlの場合と0mg/mlの場合とで大きな差がなかった。従って、蛍光共鳴エネルギー移動におけるドナーに最適である。蛍光共鳴エネルギー移動において、ドナーの蛍光スペクトルとアクセプターの吸光スペクトルとは、重なりが多いほど良い。また、両者の蛍光スペクトルは離れているほど良い。従って、GFPよりもYFPの方が、蛍光共鳴エネルギー移動におけるアクセプターとして適している。YFP−1G及びYFP−3Gにおいて、発光強度のBSA濃度依存性は、両者には大きく差は無かった。しかしながら、3つ挿入した場合には、挿入していない場合に比べて、発光強度が20分の1程度にまで低下した。
[波長特性の蛋白質濃度依存性への影響]
CFP、YFP、及びYFPの変異体を用いて、高分子ポリマー代表例としてポリエチレングリコール(PEG6000)又は糖の代表例としてスクロースの濃度を変化させた場合における、蛍光スペクトルと発光強度の変化を調べた。その結果を図5に示す。図5において、(イ)がPEG6000、(ロ)がスクロースの結果を示す。なお、蛍光強度の測定は上述と同様に行った。
図5(イ)に示すように、YFP−3Gはポリエチレングリコール濃度の向上に伴い発光強度の低下が確認されたが、YFP、YFP−1G及びCFPでは確認されなかった。同様に、図5(ロ)に示すように、YFPはスクロース濃度の向上に伴い発光強度の低下が確認されたが、YFP−1G、YFP−3G及びCFPでは確認されなかった。
以上の理由から、以下の実験において、蛍光共鳴エネルギー移動におけるアクセプターとして、YFPの144番目と145番目のアミノ酸の間にグリシンをひとつ挿入した改変黄色蛍光蛋白質(YFP−1G)を選択した。
[融合蛍光蛋白質を用いた波長特性の蛋白質濃度依存性]
CFPのN末端にYFP−1Gを融合させた融合蛍光蛋白質(CFP−YFP−1G)を用いて、BSA(Bovine serum albumin)濃度を変化させた場合における、蛍光スペクトルと発光強度の変化を調べた。
[CFP−YFP−1Gの作製]
融合蛍光蛋白質(CFP−YFP−1G)は、CFPとYFP−1Gの間で蛍光共鳴エネルギー移動がおきるように、CFPのN末端にYFP−1Gを融合させた蛍光蛋白質を作製した。なお、CFPとYFP−1Gの間には、Gly−Gly−Ser−Gly−Gly−Thr(配列番号5)の6アミノ酸残基からなるペプチドが挿入されている。CFP−YFP−1Gは、上述した変異体と同様に発現、精製した。
図6に、作製したCFP−YFP−1Gについて、BSA濃度を0、50、100、150、200、又は250mg/mlに変化した場合における蛍光スペクトルの変化を示す。図6に示すように、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルは、476nmと526nmとの二つのピークがあり、それぞれのピークにおける強度が、溶液内のBSAの濃度に依存して、増加、または、減少していた。従って、溶液内のBSA濃度を変化させた場合において、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルのうち、450−470nmの領域を取り出した強度(I(460)と記す)と、510−530nmの領域を取り出した強度(I(520)と記す)とは、溶液内のBSA濃度に対し、前者は増加し、後者は減少する。
図6の結果に基き、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルのうち、450−470nmの領域を取り出した強度をI(460)、510−530nmの領域を取り出した強度をI(520)とした時、I(460)を、I(460)とI(520)の加算で割った比の変化をもとめた。得られたグラフを図7に示す。図7のグラフは、I(460)を、I(460)とI(520)の加算で割った比の、溶液内のBSA濃度に対する変化を示すグラフである。図7に示すように、上記比は、溶液内のBSA濃度に対して、ほぼ線形に減少していた。従って、図7のグラフを標準曲線とし、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルを計測することで、CFP−YFP−1Gが含まれる溶液内における蛋白質の濃度を計測できる。
[生細胞内の蛋白質濃度の計測]
上述の換算方法を用いれば、細胞で発現させた融合蛍光蛋白質の蛍光スペクトルを計測することによって細胞内の蛋白質濃度を計測することができる。このため、CFP−YFP−1Gをコードするプラスミドベクターを用いて、細胞にCFP−YFP−1Gを発現させて、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルの計測を行い、得られた蛍光スペクトルと上記の標準曲線とを用いて、生細胞内の蛋白質濃度の計測を行った。蛍光スペクトルの測定は以下の条件で行った。その結果を図8に示す。
〔蛍光スペクトルの測定条件〕
融合蛍光蛋白質が発現している細胞の蛍光スペクトルの計測は、走査型共焦点顕微鏡(OLYMPUS FV1000)で行った。波長442nmのレーザー光を用いて、細胞を励起し、450−470nmの発光領域から成る蛍光像と、510−530nmの発光領域から成る画像を取得し、それらを割った比の画像を作成する。各発光領域を取り出すには、光学バンドパスフィルターにより選択的に取得する方法と、分光器を用いて、各画素における蛍光スペクトルを取得し、後に必要な領域を取り出す方法が一般的である。上記画像の各画素における値は、450−470nmの領域を取り出した強度をI(460)、510−530nmの領域を取り出した強度をI(520)とした時、I(460)を、I(460)とI(520)の加算で割った値であり、図7のグラフを標準曲線とすることで、蛋白質濃度に変換される。
図8は、CFP−YFP−1Gを発現している細胞において、ひとつひとつの細胞が発する蛍光のスペクトルから見積もった細胞内の蛋白質濃度のヒストグラムである。図8に示すように、細胞内の蛋白質濃度の平均は約350mg/mlであって、ヒストグラムは広い分布を示した。細胞内における蛋白質濃度は平均で約300〜400mg/mlであると予想されている。このため、上記の得られた結果は、本開示の方法により計測される細胞内蛋白質濃度が、過去の予想に反せず妥当であることを示していると共に、細胞毎に、その内部の蛋白質濃度は、様々であることを示している。
細胞内の蛋白質の濃度を間接的に、かつ、相対的に見積もる方法として、蛍光蛋白質が細胞内を拡散する時の速度(拡散係数)を指標にする方法が挙げられる(非特許文献2及び3)。蛋白質の拡散運動は、周囲の他の蛋白質濃度のみならず、高分子や糖鎖による粘性抵抗も反映するため、拡散係数から、蛋白質濃度を見積もることはできない。CFP−YFP−1Gの蛍光は、高分子や糖鎖の存在には、ほとんど影響を受けず、蛋白質濃度にのみ影響を受ける(図5)。本実施例では、実際に、CFP−YFP−1Gの蛍光スペクトルにより見積もられた細胞質内の蛋白質濃度と、その細胞質内におけるCFP−YFP−1Gの拡散係数との相関を調べた(図9)。少なからず、細胞内の蛋白質濃度は、CFP−YFP−1Gの拡散に影響を与えるため、蛋白質濃度とCFP−YFP−1Gの拡散には、負の相関が確認できた。この結果からも、CFP−YFP−1Gが、確かに蛋白質濃度に関連する要素を感受していることが確認できる。一方で、図9の各点における標準偏差は、非常に大きい。すなわち、見積もられた蛋白質濃度と拡散係数の関係には、相関があるものの、非相関である要素も多く含まれていることを示している。この事は、CFP−YFP−1Gが、高分子や糖鎖の影響によらず、細胞内の蛋白質濃度を強く反映した発光をしていることを示している。
本開示によって開発された蛍光蛋白質は、細胞内外を問わず、光学顕微鏡下において、溶液内の蛋白質濃度を計測する方法として、用いることができる。本開示は、例えば、細胞生物学の分野、分子イメージングの分野、医療・診断薬分野、及び蛋白質の構造解析分野などにおいて有用である。
配列番号1:CFP(シアン色蛍光蛋白質)
配列番号2:GFP(緑色蛍光蛋白質)
配列番号3:YFP(黄色蛍光蛋白質)
配列番号4:FLAGタグ
配列番号5:リンカーペプチド

Claims (8)

  1. 蛍光蛋白質が存在する対象内における蛋白質濃度又は蛋白質濃度変化を計測する方法であって、
    前記蛍光蛋白質の蛍光強度又は蛍光波長を検出することを含み、
    前記蛍光蛋白質が、
    クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入されている改変蛍光蛋白質であって、前記改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する前記改変蛍光蛋白質、又は、
    前記改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質とが融合した融合蛍光蛋白質である、方法。
  2. 前記ペプチドリンカーが、1〜3個のアミノ酸である、請求項1記載の方法。
  3. 前記ペプチドリンカーのアミノ酸が、グリシンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記グラゲ由来の蛍光蛋白質が、全長238アミノ酸残基の黄色蛍光蛋白質(YFP)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記改変蛍光蛋白質が、クラゲ由来の蛍光蛋白質を原料とするものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質が、対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有さない蛍光蛋白質である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象が、液体、及び/又は細胞である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ベクターを含むキットであって、
    前記ベクターが、
    クラゲ由来の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の144番目と145番目との間に相同する位置にペプチドリンカーが挿入されている改変蛍光蛋白質であって、前記改変蛍光蛋白質が存在する対象内の蛋白質濃度に対する感受性を有する前記改変蛍光蛋白質と前記改変蛍光蛋白質の励起スペクトルとは異なる励起スペクトルを有する蛍光蛋白質とが融合した融合蛍光蛋白質をコードするベクターである、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の方法に用いるためのキット。
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