JP2014148900A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘリカル式の圧縮機構部を有する圧縮機において、ローラーとシリンダの間において圧縮流体をシールする機能の信頼性を高め、圧縮効率の向上を図る。
【解決手段】圧縮機1は、シリンダ20とローラー21との間にブレード24により螺旋状に形成された圧縮室23で作動流体を圧縮する。圧縮機1は、ローラー21がシリンダ20に対して回転する際に、シリンダの内周壁202のうち、ローラーの外周壁211が接触または最も近づく近接部分2020の壁内部に設けられる永久磁石5を備える。シリンダの内周壁202における近接部分2020とローラーの外周壁211との間には、永久磁石5が発生する磁力を用いて磁性流体を介在させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローラーとシリンダとの間で、ローラーの螺旋状溝に対して出没するブレードにより作動流体を圧縮するヘリカル式の圧縮機構部を有する圧縮機に関する。
従来から知られている特許文献1に記載の圧縮機は、シリンダと、このシリンダ内に偏心して配置され螺旋状溝が設けられたローラーと、螺旋状溝に出没自在に嵌め込まれた螺旋状のブレードとからなる圧縮機構部を備える流体機械である。このような形式の圧縮機においては、低圧側、高圧側の圧力差により、ブレードの低圧側が螺旋状溝の低圧側側面に押し付けられるため、ブレードと低圧側溝側面に摩耗が発生して圧縮機の寿命を縮めることがあった。この課題の対策として、特許文献1では、螺旋状溝の側面に固体潤滑被膜を形成し、螺旋状溝において、低圧側側壁の固体潤滑被膜の厚さを高圧側側壁の固定樹脂被膜の厚さよりも厚くすることが提案されている。
特開2005−325827号公報
そこで、特許文献1の圧縮機では、螺旋状溝の低圧側側壁及び高圧側側壁に固体潤滑剤を塗布し、さらに低圧側側壁の固体潤滑剤の方を厚い被膜で覆うようにすることにより、ブレードとローラーとの摺動抵抗を抑制し、螺旋状溝面の摩耗の抑制を図っている。
しかしながら、特許文献1の圧縮機では、ローラーの外周壁とシリンダの内周壁の間の摺動部分には、金属の部材同士が摺れ合うことにより、摺動抵抗が大きくなるという問題がある。この点については、特許文献1においては、具体的な解決策が講じられていない。この摺動抵抗が大きくなると、ローラーとシリンダの間において圧縮流体をシールする機能が低下することになる。当該シール機能の低下により、圧縮効率が悪化し、圧縮機の性能低下をもたらすことにもなる。
また、特許文献1において螺旋状溝に予め塗布される固体樹脂膜は、一定の摺動抵抗を低減する効果はあるものの、摩耗しやすい構造であることには変わりなく、繰り返しの摺動によって摩耗が進み、膜厚は薄くなっていく。仮に、固体樹脂膜をローラーとシリンダの摺動部分に形成したとしても、経年劣化により薄くなった膜厚は、回復するものではなく、摺動抵抗は拡大していくので、ローラーとシリンダの間において圧縮流体をシールする機能は大きく低下することになる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ヘリカル式の圧縮機構部を有する圧縮機において、ローラーとシリンダの間において圧縮流体をシールする機能の信頼性を高め、圧縮効率の向上を図ることを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、本発明に係る圧縮機は、シリンダ(20)と、シリンダの内側に偏心して設けられ、外周面に螺旋状に延びる螺旋状溝(22)が形成されたローラー(21)と、螺旋状溝に出没可能に嵌め込まれたブレード(24)と、を含む圧縮機構部(2)、及びローラーを回転駆動するモータ部(3)を備え、シリンダとローラーとの間に前記ブレードにより螺旋状に形成された圧縮室(23)で作動流体を圧縮する圧縮機(1,1A,1B)であって、
ローラーがシリンダに対して回転する際に、シリンダの内周壁(202)のうち、ローラーの外周壁(211)が接触または最も近づく近接部分(2020)に対応する位置の壁内部に設けられる永久磁石(5)を備え、
シリンダの内周壁における近接部分(2020)とローラーの外周壁との間には、永久磁石が発生する磁力により磁性流体が介在することを特徴とする。
この発明によれば、永久磁石による磁力を利用して、磁性流体をシリンダの近接部分とローラーの外周壁との間に集め、介在させ続けることができる。このため、シリンダの近接部分とローラーとの間に磁性流体を介在させやすいメカニズムを構築することができるので、近接部分とローラーとのクリアランスを確実にシールすることができる。この磁性流体のシール作用により、シリンダの近接部分とローラーとの間における圧力漏れを防止できるので、圧力効率の向上が図れ、高回転、高圧縮能力を有する圧縮機を提供できる。したがって、本発明によれば、ローラーとシリンダの間において圧縮流体をシールする機能の信頼性を高め、圧縮効率の向上を図ることができる。
上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
第1実施形態に係る圧縮機の特徴的構成を説明するための断面図である。 図1の圧縮機についてII−II断面を矢印方向にみたときの矢視図である。 シリンダの内周壁におけるローラーの外周壁が接触または最も近づく近接部分とローラーとの位置関係を説明するための図である。 図2に示す圧縮機について他の例を示す矢視図である。 第2実施形態に係る圧縮機の特徴的構成を説明するための断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態について図1〜図4を用いて説明する。第1実施形態は、シリンダとローラーの間に螺旋状の圧縮室を有する本発明に係る圧縮機の一例である。本発明に係る圧縮機は、例えば車両用空調装置、ヒートポンプサイクルを用いた加熱方式の給湯装置に用いることができる。この場合、圧縮機は、凝縮器、減圧器、蒸発器等とともに、冷媒サイクルを構成する。
図1に示すように、圧縮機1は、少なくとも圧縮機構部2とモータ部3とを備えて構成される。モータ部3は、圧縮機構部2を駆動させる駆動部であり、モータステータとモータロータとを備える。シャフト4は、モータ部3と圧縮機構部2とを連結し、モータ部3の動力を圧縮機構部2に伝達する。
圧縮機構部2は、圧縮機構部2の外郭の一部を構成するシリンダ20と、シリンダ20の内側に偏心し回転自在に設けられるローラー21と、シリンダ20とローラー21間の空間に螺旋状の圧縮室23を形成するブレード24と、を備える。シリンダ20は、圧力容器を構成する円筒状の容器である。シリンダ20には、モータ部3寄りの一方側に、作動流体(例えば冷媒)を圧力容器内部に取り入れる吸込ポート201が形成される。他方側に設けられシリンダ20とともに圧力容器を形成する側壁部材25には、圧縮機構部2によって圧縮された作動流体を外部に吐き出す吐出ポート251が形成されている。
ローラー21は、シャフト4の回転に伴って回転する金属製の円筒状部材であり、例えばアルミニウム合金で形成されている。ローラー21は、その回転軸210(ローラーの軸線)が図1に示すように水平方向に延びるように配置されている。回転軸210は、圧縮機1全体またはシリンダ20の中心軸200に対して偏心している。したがって、ローラー21は、モータ部3に通電されて、その動力が圧縮機構部2に伝達されることにより、シリンダ20内で偏心回転(自転)して駆動される。ローラー21には、外周面に螺旋状に延びる所定幅寸法の螺旋状溝22が設けられている。螺旋状溝22は、回転軸210の方向に関してピッチが、図1の左の吸込ポート201側から図1の右の吐出ポート251側に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
ブレード24は、シリンダ20の内周面からその径方向内側に突出し、かつ螺旋状溝22に沿うように螺旋状に延びるように形成される帯状部材である。ブレード24は、シリンダ20の内周面に支持されて螺旋状溝22に出没可能となるように形成されている。ブレード24は、螺旋状溝22内に入ったり、螺旋状溝22内から出たりすることが自在となる形状、大きさに形成されている。ブレード24は、外力により変形しうる弾性を有する部材であり、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ化炭素樹脂で形成することができる。
ブレード24は、螺旋状溝22に嵌め込まれることにより圧縮室23を複数の作動室に区画する。螺旋状溝22に嵌め込まれた状態ブレード24は、ピッチが軸方向(例えば回転軸210の方向)の図1の左の吸込ポート201側から図1の右の吐出ポート251側、すなわち低圧側から高圧側に向けて短くなるように形成されている。当該ピッチは、軸方向に直交する方向からみたときに隣り合う2つのブレード24の間隔に相当する軸方向長さである。すなわち、ピッチは、作動室における軸方向長さである。このため、ブレード24によって区画された複数の作動室のうち軸方向の低圧側の作動室は、この作動室よりも軸方向高圧側に位置する作動室に比べて容積が小さくなっている。
図1において、左側に吸込ポート201が形成され、右側に吐出ポート251が形成されていることから、圧縮室23において、ブレード24を挟んで図の左側の作動室よりも右側の作動室の方が高圧状態になる。
図1及び図2に示すように、圧縮機1は、シリンダ20の壁内部に埋め込まれた永久磁石5を備える。近接部分2020は、ローラー21がシリンダ20に対して回転する際に、シリンダの内周壁202のうち、ローラーの外周壁211が接触、または最も近づく部分である。永久磁石5は、近接部分2020に対応する位置のシリンダの内周壁202の壁内部に設けられる。したがって、永久磁石5とローラーの外周壁211との間には、シリンダの内周壁202に一部分が介在しており、永久磁石5は、ローラーの外周壁211に直接接触するようには設置されていない。
近接部分2020は、シリンダの内周壁202のうち、シリンダ20の中心軸200に対してローラーの回転軸210が偏っている側であって、ローラー21の回転軸210に沿う方向に延びる部分に設定されている。例えば、近接部分2020は、図1において下側に位置するシリンダの内周壁202の部分に設定される。
この近接部分2020は、ローラー21がシリンダ20に対して回転する際に、ローラーの外周壁211がシリンダの内周壁202に摺動する部分であるため、回転ぶれが発生する。回転ぶれが発生すると、回転の際にローラー21がシリンダ20に衝突することになり、回転時の抵抗が大きくなるため、両壁間のクリアランスを小さく設定できないという問題がある。このクリアランスの大きさは、回転軸210の方向に隣り合う圧縮室23の高圧側から低圧側への作動流体の漏れ量に影響する。すなわち、クリアランスが大きくなりすぎると、作動流体が隣り合う圧縮室23の高圧側から低圧側への漏れ量が大きくなり、圧縮効率が大きく低下することになる。
また、近接部分2020は、金属部品同士が擦れ合いやすい部分であるため、摺動抵抗が大きくなりやすい。そして、摺動の反復により、表面の摩耗が進んで、近接部分2020には、シリンダ20とローラー21の両壁間に微細なクリアランスが生じることがある。
圧縮機1は、シリンダの内周壁202における近接部分2020とローラーの外周壁211との間には永久磁石5が発生する磁力を用いて磁性流体を介在させている。磁性流体は、流体でありながら磁性を帯び、磁石等が発生する時期によって吸い寄せられる性質を持つ流体である。例えば、磁性流体には、磁性粒子が含有されている。この磁性流体は、永久磁石5の磁力により、永久磁石5側、すなわち、近接部分2020に引きつけられるので、ローラー21の回転中でも近接部分2020とローラーの外周壁211との間に集められ留まりうる。
磁性流体は、近接部分2020とローラーの外周壁211との間に介在することにより、金属部材間の流体シールとして機能する。この流体シールは、金属同士の摺動により生じる抵抗を軽減し、円滑かつ安定した各部の挙動を提供する。この働きにより、ローラー21が回転ぶれするような場合であっても、ローラー21が近接部分2020に衝突しながら回転する事態を抑制する。この効果により、ローラー21と近接部分2020のクリアランスが抑えられ、高圧側の作動室から低圧側の作動室への作動流体の漏れを防止することができる。
図1〜図3に示すように、圧縮機1は、近接部分2020のシリンダ20の壁内部に、永久磁石5よりもローラー21から離れた位置でローラーの軸線(回転軸210)に沿うように延びる流体通路203を備える。なお、図3には、永久磁石5を図示していない。図3には、近接部分2020との位置関係を示すために、破線で流体通路203、高圧側孔部2030、低圧側孔部2031を図示している。
流体通路203は、圧縮室23に臨むようにシリンダの内周壁202にそれぞれ開口する第1の孔部及び第2の孔部に連通する。第1の孔部は、流体通路203の高圧側の端部に連通する高圧側孔部2030である。第2の孔部は、高圧側孔部2030よりも低圧側に位置し、流体通路203の低圧側の端部に連通する低圧側孔部2031である。
図1及び図3に示すように、高圧側孔部2030は、低圧側孔部2031よりも開口面積が小さくなるように設定される。また低圧側孔部2031は、ローラーの回転軸210の平行な方向の開口寸法が高圧側孔部2030よりも大きくなるように設定される。したがって、低圧側孔部2031は、高圧側孔部2030よりも磁性流体が流通しやすい孔部であり、近接部分2020の延びる方向(回転軸210の軸方向)について、高圧側孔部2030よりも磁性流体が広範囲に流通する孔部である。これにより、ローラーの外周壁211とシリンダの内周壁202の間と流体通路2023とが、低圧側孔部2031と高圧側孔部2030を経由して回路を形成するようになる。
永久磁石5は、流体通路203よりもシリンダ20の内周面寄りに位置する。永久磁石5の外周側の面は、流体通路203に面している。例えば、永久磁石5は、横断面が半円状である細長い半円柱状部材であり、その湾曲面側が近接部分2020側に位置し、その平面側が流体通路203に面するように設置される。
永久磁石5は、例えばドリルによる穴あけ加工により、回転軸210の軸方向に延びるようにシリンダ20の壁に形成された通路の内周面側(ローラー21に近い側)に設置される。永久磁石5が設置されていない通路の外周面側は、磁性流体が流通する流体通路203となる。なお、ドリルによる穴あけ加工が行われた開口端部は、永久磁石5を設置後に蓋部材を接合することにより閉じられる。また、高圧側孔部2030及び低圧側孔部2031は、シリンダ20の内壁に穴あけ加工を行うことにより、流体通路203に連通させることができる。このように作成した流体通路203には、高圧側孔部2030または低圧側孔部2031から磁性流体を流入させることにより、磁性流体を充填する。
高圧側孔部2030及び低圧側孔部2031は、永久磁石5に形成された各貫通孔を経由して、流体通路203にそれぞれ連通している。すなわち、図1に図示するように、永久磁石5は、ローラーの回転軸210の軸方向に平行な長さが流体通路203よりも長くなるように設定されている。
また、図1に図示する形態に限定されず、高圧側孔部2030及び低圧側孔部2031は、永久磁石5に形成された各貫通孔を経由することなく、流体通路203にそれぞれ連通するように設定してもよい。この場合、流体通路203は、ローラーの回転軸210の軸方向に平行な長さが永久磁石5よりも長くなるように設定されている。
また、図4に図示するように、近接部分2020に対応する位置のシリンダの内周壁202の壁内部に設けられる永久磁石5は、流体通路203Aとの間にシリンダの内周壁202に一部分が介在するように設置してもよい。この場合、圧縮機1Aの圧縮機構部2Aにおいて永久磁石5は、永久磁石5の下側(シリンダ20Aの外周面側)で回転軸210に平行に延びる薄肉部204を介して流体通路203に対向するように設置される。
次に、圧縮機1の作動について説明する。モータ部3に通電することにより、モータ部3が起動し、モータステータ内に回転磁界が生じてモータロータが回転駆動される。モータロータの回転力はシャフト4を介してローラー21を偏心回転させる。ローラー21の自転により、シリンダ20からみてブレード24が摺動しながら、低圧側から高圧側に移動する。そして、シリンダ20とローラー21との間にブレード24により形成される各作動室は、ローラー21の軸方向に螺旋状に移動しながら容積が次第に小さくなるように体積変化する。圧縮室23の各作動室では、体積変化により吸込ポート201を経て吸い込まれた作動流体が順次圧縮されて高圧化され、高圧側の圧縮室から吐出ポート251から外部に吐き出される。
そして、ローラーの外周壁211とシリンダの内周壁202の間の磁性流体は、ローラー21の自転に伴って回転軸210の方向に移動し、圧縮室23での圧縮により高圧になった作動流体により、高圧側孔部2030から流体通路203に押し出される。さらに、流体通路203に満たされた磁性流体は、低圧側孔部2031から摺動部分(ローラーの外周壁211とシリンダの内周壁202の間)に戻るため、磁性流体は、永久磁石5の周りを循環し続けることができる。また、磁性流体は、その表面張力により、ローラーの外周壁211とシリンダの内周壁202の間のクリアランスを封止する作用を発揮する。
以下、第1実施形態の圧縮機1がもたらす作用効果について説明する。圧縮機1は、ローラー21がシリンダ20に対して回転する際に、シリンダの内周壁202のうち、ローラーの外周壁211が接触または最も近づく近接部分2020に対応する位置の壁の内部に、永久磁石5を備える。シリンダの内周壁202における近接部分2020とローラーの外周壁211との間には、永久磁石5が発生する磁力を用いて磁性流体を介在させる。
ヘリカル式の圧縮機構部を有する圧縮機においては、前述のように、ローラー21の回転ぶれにより、近接部分2020ではローラー21がシリンダ20に衝突しうる。このため、両部材間(ローラー21とシリンダ20間)の設計上のクリアランスを小さく設定することに懸念がある。両部材間のクリアランスを小さく設定できなければ、圧縮効率を高くすることができず、高圧縮化が図れない。一方で、圧縮機を小型にするためには、性能確保のため高回転仕様にする必要があるが、高速化に伴い、回転ぶれが大きくなるため、高回転仕様、すなわち、性能確保と小型化を図ることが難しくなる。
そこで、圧縮機1の構成によれば、永久磁石5による磁力を利用して、磁性流体を近接部分2020とローラーの外周壁211との間に集めて介在させ続けることができる。すなわち、シリンダ20の近接部分2020とローラー21とのクリアランスを磁性流体によって封止する作用を働かすことができる。したがって、圧縮機1によれば、磁性流体のシール作用により、シリンダ20の近接部分2020とローラー21との間における圧力漏れを防止できるので、圧力効率の向上が図れ、高回転、高圧縮能力を有する圧縮機1を提供できる。
また、圧縮機1は、近接部分2020の壁内部に、永久磁石5よりもローラー21から離れた位置でローラーの回転軸210に沿うように延びる流体通路203を備える。この構成によれば、近接部分2020もローラーの回転軸210に沿うように延びる形態であるので、流体通路203は、近接部分2020に対応する位置で近接部分2020に沿って延びるとともに、永久磁石5の裏側で延びる通路となる。
さらに、流体通路203は、圧縮室23に臨むようにシリンダの内周壁202にそれぞれ開口する高圧側孔部2030(第1の孔部)及び低圧側孔部2031(第2の孔部)に連通する。高圧側孔部2030は、流体通路203の高圧側の端部に連通するとともに、低圧側孔部2031は、高圧側孔部2030よりも低圧側に位置し、流体通路203の低圧側の端部に連通する。
この構成によれば、近接部分2020とローラーの外周壁211の間に介在する磁性流体は、高圧側の作動室(圧縮室23)の圧力によって、高圧側孔部2030から流体通路203に流出し、低圧側孔部2031から低圧側の作動室(圧縮室23)に押し出される。したがって、圧縮室23で圧縮される作動流体の圧力を利用して、磁性流体を流体通路203に吐出し、流体通路203を介して圧縮室23の低圧側に押し出すことができる。このように作動流体の圧力と磁力とにより、永久磁石5を挟むように近接部分2020の表面上と流体通路203の間を循環する磁性流体の流れを形成できるため、シリンダ20とローラー21との間に磁性流体による封止作用を継続的に働かすことができる。したがって、継続的に、シリンダ20の近接部分2020とローラー21との間における圧力漏れを防止して、圧力効率の向上が図れる圧縮機1を提供できる。
また、高圧側孔部2030は、低圧側孔部2031よりも開口面積が小さくなるように設定される。高圧側孔部2030では、低圧側孔部2031よりも作動流体の圧力が高圧であるため、シリンダ20とローラー21との間に存在する磁性流体が勢いよく流体通路203に押し出される。上記の開口面積に係る構成によれば、この高圧の作動流体により、流体通路203に押し出される流体の量を調節できるとともに、磁性流体が低圧側孔部2031から近接部分2020側に戻りやすくなるという効果が得られる。
また、流体通路203には、磁性流体が満たされている。このため近接部分2020とローラーの外周壁211との間に介在する磁性流体が圧縮室23での圧力により高圧側孔部2030から流体通路203に流出し、流体通路203に満たされた磁性流体が低圧側孔部2031から近接部分2020の表面上に押し出される。このとき、流体通路203には磁性流体が満たされているので、圧縮室23での圧力によって循環する磁性流体に空気が混在してしまうことを抑制できる。したがって、いわゆるエア混入によって磁性流体の円滑な循環が妨げられることを防止できるのである。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態に対して他の形態である圧縮機1Bについて図5を参照して説明する。図5において第1実施形態で参照した図面と同一の符号を付した構成要素は、第1実施形態と同一の要素であり、その作用効果も同様である。以下、第1実施形態と異なる形態、作用、効果等について説明する。
圧縮機1Bは、圧縮機構部2で圧縮された作動流体が外部に向けて吐出される吐出ポート251(吐出口部)よりも下流に位置する部位に、磁性流体または磁性流体に含まれる磁性粒子(総称して磁性体ともいう)を引きつける永久磁石6をさらに備える。永久磁石6は、吐出ポート251に接続されるパイプ26に設けられる磁場生成部材の一例である。永久磁石6は、吐出ポート251よりも下流に位置するパイプ26内部の通路260に露出し、通路260を流れる作動流体に対して磁場を作用させ、作動流体に含まれる磁性体を引きつける。
したがって、圧縮室で圧縮された作動流体は、吐出ポート251から圧縮機1Bの外部に流出し、通路260を流れる際に、永久磁石6による磁力の作用を受ける。このとき、作動流体に含まれる磁性体は、永久磁石6に引きつけられるので、当該磁性体、例えば、圧縮機1Bの外部に作動流体とともに流出してしまった磁性流体の磁性体成分は、永久磁石6によって補足されて回収されることになる。第2実施形態の圧縮機1Bによれば、近接部分2020とローラーの外周壁211との間に介在する磁性流体が仮に作動流体に混じって圧縮機1Bの外部に流出した場合でも、永久磁石6の磁力により磁性体を補足して、外部の機器に流入することを抑制できる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
本発明に係る磁場生成部材は、上記の第2実施形態に記載する永久磁石6に限定されない。磁場生成部材は、通路260を流通する流体に含まれる磁性体を引きつける磁力を生成する手段であれば他の実施形態であってもよい。例えば、磁場生成部材は、コイルに通電することにより磁場を生成する装置であってもよい。
上記の実施形態において、永久磁石5は、近接部分2020に対応する位置の壁内部に連続した棒状である。しかしながら、永久磁石5は、近接部分2020にわたって設ける磁石であればよく、例えば、近接部分2020にわたり、部分的に分断された複数個の永久磁石から構成されるものであってもよい。
上記の第2実施形態において、パイプ26に設けられる永久磁石6は、通路260に露出しているが、パイプ26内に完全に埋め込まれ、通路260に露出しない形態であってもよい。要するに、永久磁石6を一例とする磁場生成部材は、通路260を流通する流体に含まれる磁性体を引きつけ、補足する作用を発揮するものであればよい。
また、永久磁石6等の磁場生成部材は、圧縮機1Bの外部に設けられ、吐出ポート251に連通する通路を構成する部材に設けられる形態であればよい。例えば、当該通路を形成する部材は、パイプ26の他、パイプよりも大型の容器であってもよい。
1,1A,1B…圧縮機、2,2A…圧縮機構部、3…モータ部、
5…永久磁石、6…永久磁石(磁場生成部材)、20,20A…シリンダ、
21…ローラー、22…螺旋状溝、23…圧縮室、
24…ブレード、202…シリンダの内周壁、211…ローラーの外周壁、
203,203A…流体通路、210…回転軸(ローラーの軸線)
2020…近接部分、2030…高圧側孔部(第1の孔部)
2031…低圧側孔部(第2の孔部)

Claims (4)

  1. シリンダ(20,20A)と、当該シリンダの内側に偏心して設けられ、外周面に螺旋状に延びる螺旋状溝(22)が形成されたローラー(21)と、前記螺旋状溝に出没可能に嵌め込まれたブレード(24)と、を含む圧縮機構部(2)、及び前記ローラーを回転駆動するモータ部(3)を備え、前記シリンダと前記ローラーとの間に前記ブレードにより螺旋状に形成された圧縮室(23)で作動流体を圧縮する圧縮機(1,1A,1B)であって、
    前記ローラーが前記シリンダに対して回転する際に、前記シリンダの内周壁(202)のうち、前記ローラーの外周壁(211)が接触または最も近づく近接部分(2020)に対応する位置の壁内部に設けられる永久磁石(5)を備え、
    前記シリンダの内周壁における前記近接部分と前記ローラーの外周壁との間には、前記永久磁石が発生する磁力により磁性流体が介在することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記近接部分の壁内部に、前記永久磁石よりも前記ローラーから離れた位置で前記ローラーの軸線(210)に沿うように延びる流体通路(203,203A)を備え、
    前記流体通路は、前記圧縮室に臨むように前記シリンダの内周壁にそれぞれ開口する第1の孔部(2030)及び第2の孔部(2031)に連通し、
    前記第1の孔部は、前記流体通路の高圧側の端部に連通するとともに、前記第2の孔部は、前記第1の孔部よりも低圧側に位置し、前記流体通路の低圧側の端部に連通することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記流体通路には、前記磁性流体が満たされていることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記圧縮機構部で圧縮された作動流体が圧縮機(1B)の外部に向けて吐出される吐出口部(251)よりも下流に位置する部位に、磁性体を引きつける磁場生成部材(6)をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の圧縮機。
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