JP2014148451A - 硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外領域に強い電磁波吸収を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化チタンナノロッドと、前記酸化チタンナノロッドの表面に存在する大きさが6.0nm以下である硫化銅粒子と、を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド、及びその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド及びその製造方法に関する。
太陽電池の一種として、透明電極側に形成された酸化チタン(例えば、TiO)等の金属酸化物n型半導体膜と、金属酸化物n型半導体膜に担持された半導体量子ドットと、無機系液体電解質と、対極とを備えた太陽電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
半導体量子ドットはナノサイズの半導体粒子であり、その粒径を制御することによって吸収波長を変化させることができる。所望の粒径の量子ドットを半導体電極上に効率よく担持させ、太陽電池の太陽エネルギー捕捉効率を高めるため、半導体電極を金属イオン含有溶液に浸漬させた状態で紫外線等の光を照射して量子ドットを半導体電極に担持させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の半導体量子ドットは太陽電池の太陽エネルギー捕捉効率を向上させる目的で使用されており、可視光域以外の光に対する吸収を高める観点からの検討はなされていない。この点、CuS、CuSe等の2価の銅と16族元素との化合物は近赤外領域において吸収を示すことが知られている。また、非特許文献1は酸化チタン粒子に硫化銅を担持させる方法を開示している。
特開2008−16369号公報 特開2011−91032号公報
Z. Huang, X. Wen and X. Xiao, Photoelectrochemical Properties of CuS-TiO2 Composite Coating Electrode and Its Preparation via Electrophoretic Deposition, Journal of The Electrochemical Society, 158(12) H1247-H1251 (2011)
しかしながら、非特許文献1に記載の酸化チタン微粒子はナノロッド状ではない。また、硫化銅を担持した酸化チタン微粒子の近赤外領域における吸収についても言及されていない。本発明は、近赤外領域に強い電磁波吸収を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、硫化銅量子ドットを担持させる酸化チタン粒子がナノロッド形状であると硫化銅量子ドットが良好に形成されることを見出すとともに、硫化銅量子ドットを担持させた酸化チタンナノロッドは近赤外領域に強い電磁波吸収を発現することを見出した。さらに、硫化銅量子ドットを担持させた酸化チタンナノロッドは、イオウと、銅(II)イオンと、酸化チタンナノロッドと、溶媒とを含む組成物に紫外線を照射することで、効率よくかつ簡便な方法により製造できることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1>酸化チタンナノロッドと、前記酸化チタンナノロッドの表面に存在する大きさが6.0nm以下である硫化銅粒子と、を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド。
<2>前記硫化銅粒子の大きさは0.5nm〜5.5nmである、<1>に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド。
<3>前記酸化チタンナノロッドの結晶形態はルチル型である、<1>又は<2>に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド。
<4>イオウと、銅(II)イオンと、酸化チタンナノロッドと、溶媒とを含む組成物に紫外線を照射することを含む、硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
<5>前記組成物中のイオウの濃度は0.1mM〜15.0mMである、<4>に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
<6>前記組成物中の銅(II)イオンの濃度は0.1mM〜15.0mMである、<4>又は<5>に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
<7>前記組成物中の酸素の少なくとも一部を除去することをさらに含む、<4>〜<6>のいずれか1つに記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
本発明によれば、近赤外領域に強い電磁波吸収を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド及びその製造方法が提供される。
実施例及び比較例で作製した硫化銅量子ドット担持酸化チタン粒子の拡散反射スペクトルを表す図である。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド>
本発明の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドは、酸化チタンナノロッドと、酸化チタンナノロッドの表面に存在する粒径が6.0nm以下である硫化銅粒子と、を有する。前記硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドは、近赤外領域(波長800nm〜2000nm)に強い電磁波吸収を有する。より具体的には、例えば、硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの粉末試料の拡散反射スペクトルを測定した場合、得られたクベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)関数が、波長800nm〜2000nmの領域で2.5を超える程度の吸収を示す。前記クベルカ−ムンク関数は、粉末試料の拡散反射測定を行ったとき、透過光スペクトルと定量的な比較が可能な関数である。前記拡散反射スペクトルの測定は、例えば、V−570(商品名、日本分光株式会社製)を用いて行うことができる。
本発明において硫化銅粒子の大きさ(粒径)は、透過型電子顕微鏡で100個観察した際の最大寸法の平均値を意味する。本明細書において「硫化銅量子ドット」とは、大きさが6.0nm以下である硫化銅粒子を意味する。硫化銅粒子の大きさが6.0nmを超えると、近赤外領域の吸収が不充分となる傾向にある。硫化銅量子ドットの大きさは、例えば0.5nm〜6.0nmであってよく、0.5nm〜5.5nmであることが好ましい。
硫化銅量子ドットの大きさは均一であるほど好ましい。従って、硫化銅量子ドット100個を母集団として計算した時の標準偏差は小さいほど好ましい。
1個の酸化チタンナノロッドが有する硫化銅量子ドットの数は、酸化チタンナノロッドの大きさに応じて異なるが、酸化チタンナノロッド1個あたり5個以上であることが好ましい。例えば、1個の酸化チタンナノロッドが有する硫化銅量子ドットの数は5個〜30個とすることができる。
硫化銅量子ドットの組成はCuSのみからなっても、CuSが含まれていてもよい。CuSは近赤外域に強い吸収を有するが、CuSはCuSよりも近赤外域の吸収が小さいため、CuSの割合が大きいほど好ましい。
本発明において使用される酸化チタンナノロッドとは、形状異方性を有する酸化チタン粒子を意味する。より具体的には、透過型電子顕微鏡により観察した際の長軸の長さと短軸の長さとの比(アスペクト比)が2:1以上である酸化チタン粒子を酸化チタンナノロッドと定義する。本発明においては、例えばアスペクト比が3:1〜7:1である酸化チタンナノロッドを用いることができる。酸化チタン粒子がナノロッド状ではなく不定形等の形状であると、表面に形成される硫化銅粒子の大きさが大きくなり量子ドット状に形成されにくい傾向にある。
酸化チタンナノロッドの大きさは特に制限されないが、例えば透過型電子顕微鏡により観察した際の100個のナノロッドの長軸の長さの平均値が20nm〜500nmである酸化チタンナノロッドを用いることが好ましく、25nm〜400nmである酸化チタンナノロッドを用いることがより好ましく、30nm〜300nmである酸化チタンナノロッドを用いることがさらに好ましい。
酸化チタンナノロッドの結晶形態は、ルチル型であってもアナターゼ型であってもよい。アナターゼ型の酸化チタンナノロッドを用いる場合は、後述する方法よりも、銅イオンと酸化チタンナノロッドと、溶媒とを含む組成物に紫外線を照射して銅が表面に析出した酸化チタンナノロッドを作製し、次いで前記酸化チタンナノロッドの表面に析出した銅とイオウとを反応させて硫化銅に変換する方法による方が量子ドットのサイズを制御しやすいために好ましい。
ルチル型酸化チタンナノロッドの結晶形態がルチル型であることは、得られたルチル型酸化チタンナノロッドの粉末についてX線結晶構造解析を行った際にルチル型の酸化チタンに特徴的な回折パターン(例えば、27.4°付近に見られる(110)面に対応する回折ピークが最も大きい)が観察されることにより判断することができる。
酸化チタンナノロッドの結晶形態がアナターゼ型であることは、得られた酸化チタンナノロッドの粉末についてX線結晶構造解析を行った際にアナターゼ型の酸化チタンに特徴的な回折パターン(例えば、25.3°付近に見られる(101)面に対応する回折ピークが最も大きい)が観察されることにより判断することができる。
<硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法>
本発明の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法は、イオウと、銅(II)イオンと、酸化チタンナノロッドと、溶媒とを含む組成物に紫外線を照射することを含む。前記製造方法によれば、近赤外領域(波長800nm〜2000nm)に強い電磁波吸収を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドを製造することができる。
前記製造方法は、イオウと、銅(II)イオンと、酸化チタンナノロッドと、溶媒とを含む組成物中の酸素の少なくとも一部を除去することを含むことが好ましい。酸素の少なくとも一部を除去することにより、酸素の還元が銅イオンの還元に優先して起こることを抑制でき、銅イオンの還元がより促進される傾向にある。酸素の少なくとも一部を除去する方法は特に制限されない。例えば、組成物を不活性ガスでバブリングすることによって行うことができる。不活性ガスのバブリングは、紫外線照射の前に行っても、紫外線照射と同時に行ってもよい。不活性ガスの種類は特に制限されず、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素等を用いることができる。
前記組成物に使用する溶媒は特に制限されないが、後述する電流2倍効果を発現する溶媒を含むことが好ましい。溶媒は、イオウを溶解できる範囲であれば電流2倍効果を発現する溶媒とその他の溶媒の混合物であってもよく、電流2倍効果を発現する溶媒のみからなってもよい。その他の溶媒としては、アセトニトリル、水等が挙げられる。
電流2倍効果について説明する。酸化チタンに紫外光を照射すると光励起が起こり、電子eと正孔hが発生する。酸化チタン伝導帯の電子は系中の金属イオンを還元し、酸化チタン価電子帯に生じた正孔hはアルコールを酸化し、ラジカル(エタノールの場合は・COH)を生成する。このラジカルは強い還元力を持っており、酸化チタンの伝導帯に直接電子注入される。この現象を、電流2倍効果(アルコール1分子あたり、励起状態の酸化チタンに2電子を注入できる効果)という。電流2倍効果を発現する溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール、ギ酸等が挙げられる。
組成物中のイオウ濃度は0.1mM〜15.0mMが好ましく、0.2mM〜14.0mMがより好ましく、0.3mM〜12.0mMがさらに好ましい。イオウ濃度が15.0mM以下であると、CuS+S→CuSの反応が抑制される傾向にある。イオウ濃度が0.1mM以上であると、硫化銅の析出速度が良好となる傾向にある。
組成物中の銅(II)イオン濃度は0.1mM〜15.0mMが好ましく、0.2mM〜14.0mMがより好ましく、0.3mM〜12.0mMがさらに好ましい。銅(II)イオン濃度が15.0mM以下であると、CuS+S→CuSの反応が抑制される傾向にある。銅(II)イオン濃度が0.1mM以上であると、硫化銅の析出速度の低下が良好となる傾向にある。
組成物中の銅(II)イオン濃度とイオウ濃度との比率は特に制限されないが、3:1〜1:3であることが好ましく、2:1〜1:2であることがより好ましく、同じであることがさらに好ましい。
銅(II)イオンを組成物中に導入するための化合物は特に制限されない。例えば、過塩素酸銅(II)(Cu(ClO・3HO)、硝酸銅(II)(Cu(NO)、硫酸銅(II)(CuSO・5HO)等が好ましく用いられる。
酸化チタンナノロッドは公知の方法で合成したものを使用できる。酸化チタンナノロッドの合成方法としては、J.Phys.Chem.B,110,2087−2092(2006)に記載されている水熱法が知られている。その他、チタン化合物と、ポリアルキレングリコールと、アンモニアとを含む混合水溶液を加熱することで合成されるルチル型酸化チタンナノロッドも使用できる。当該方法では、例えば数平均分子量が100〜50,000のポリエチレングリコールをポリアルキレングリコールとして使用することができる。また当該方法により製造される酸化チタンナノロッドは(101)面に垂直な方向に成長し、(101)面に垂直な方向の長さと(101)面に平行な方向の長さとの比が2:1以上である構造を有することを特徴とする。組成物中の酸化チタンナノロッドの濃度は特に制限されない。
紫外線の照射時間は、2時間を超えないことが好ましい。紫外線照射時間が2時間以内であるとCuSの生成が抑制される傾向にある。また、紫外線の照射時間は15分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。紫外線照射時間が15分以上であると硫化銅が充分に析出する傾向にある。
紫外線の波長は硫化銅粒子が析出できれば特に制限はない。例えば、320nm〜380nmの範囲を含む紫外線から選択することができる。紫外線の照射強度は特に制限されず、照射時間、組成物中の各成分の濃度等を考慮して設定できる。例えば、2.5mWcm−2〜5.5mWcm−2が好ましく、3.0mWcm−2〜5.0mWcm−2がより好ましい。光源は特に制限されず、通常使用されるものから選択できる。紫外線を照射している間の組成物の温度は特に制限されない。
紫外線照射後、硫化銅粒子が析出した酸化チタンナノロッドを濾過し、蒸留水で洗浄し、乾燥させて硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドを得る。これらの工程は特に制限されず、公知の手段を用いて行うことができる。
<硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの用途>
本発明の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドは波長800nm〜2000nmの近赤外領域の電磁波をよく吸収するため、近赤外線を遮断する種々の用途への利用が期待される。さらに、本発明の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドは形状異方性を有するため、電場を印加した時に電場方向に配向すると考えられる。この電場応答性を利用することで、近赤外領域の電磁波の透過率を制御する用途への利用が期待される。
例えば、2枚の透明導電性基材の間に光調整粒子が電界の印加の有無に応じて移動可能な状態で封入された構造を有する調光素子が知られている。この調光素子は、電界が印加されると光調整粒子が電場に対して平行に配列した状態となり、電界が印加されていないと不規則に散乱した状態となる。この現象を利用すると、電界の印加の有無によって調光素子の光透過率を制御することができる。
上記の調光素子の光調整粒子として本発明の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドを使用することにより、近赤外領域の電磁波の透過率を制御可能な調光素子が得られると考えられる。このような調光素子は、高温時は熱線を遮蔽し、低温時は熱線を透過することで冷暖房効率を向上させる窓ガラス等に有効に利用できると考えられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(酸化チタンナノロッドの作製)
28質量%のアンモニア水25mlに数平均分子量が200であるポリエチレングリコール(PEG200、日油株式会社製)を20質量%の濃度になるように添加し、30分間攪拌して、第一の水溶液を調製した。また、20質量%の三塩化チタン水溶液(関東化学株式会社製)12.5mlを三塩化チタンの濃度が10質量%となるように純水で希釈して25mlとした。この水溶液に、PEG200を濃度が20質量%になるように添加し、30分間攪拌して、第二の水溶液を調製した。
冷却器を備えたフラスコに第一の水溶液を入れ、加熱還流しながら第二の水溶液を20分かけて滴下して、混合水溶液を調製した。得られた混合水溶液をさらに180分加熱還流した。その後、混合水溶液を冷却し、生成した酸化チタン粒子を蒸留水で洗浄し、乾燥させた。
得られた酸化チタン粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、酸化チタン粒子100個の長軸の長さの平均値は45nm、短軸の長さの平均値は8nmであり、ナノロッド状であることが確認された。また、得られた酸化チタン粒子の粉末X線結晶構造解析を行ったところ、ルチル型の酸化チタンに特徴的な回折パターンが得られた。
(硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの作製)
250mlのエチルアルコールにイオウ(和光純薬工業株式会社製)を1.37mMの濃度となるように溶解し、過塩素酸銅(II)(Cu(ClO・3HO)(純正化学株式会社製)を1.37mMの濃度となるように溶解し、さらに上記方法で作製した酸化チタンナノロッドを0.5g添加した。
不活性ガスをバブリングするための導入管を備え、周囲が恒温水で覆われ、さらに容器の開口部以外からの光の入射を遮断するための箱に入った容器に上記組成物を入れた。開口部を石英板で覆った状態で、25℃で組成物にアルゴンガスをバブリングしながら紫外線を1時間照射した。紫外線の照射は、容器の開口部の上部から行った。紫外線の光源としては、水銀ランプ(株式会社東芝製、H400−P、λex>320nm、I320−400nm=3.2mWcm−2)を使用した。
紫外線の照射後、硫化銅が粒子状に表面に析出した酸化チタンナノロッドを濾過し、蒸留水で洗浄し、乾燥させた。酸化チタンナノロッド上に析出した硫化銅粒子100個の大きさを透過型電子顕微鏡で観察したところ、その平均粒径は1.9nmであり、その標準偏差は2.0nmであった。以上より、酸化チタンナノロッド上に硫化銅量子ドットが形成されていることが確認された。
<実施例2>
紫外線照射時間を2時間にしたことを除いては実施例1と同様にして、硫化銅が粒子状に表面に析出した酸化チタンナノロッドを作製した。透過型電子顕微鏡で観察したところ、酸化チタンナノロッド上に析出した硫化銅粒子の100個の平均粒径は2.6nmであり、その標準偏差は0.7nmであった。以上より、酸化チタンナノロッド上に硫化銅量子ドットが形成されていることが確認された。
<実施例3>
過塩素酸銅の代わりに硝酸銅(II)(Cu(NO・3HO)(純正化学株式会社製)を1.37mMの濃度となる量で用いたことを除いては実施例1と同様にして、硫化銅が粒子状に表面に析出した酸化チタンナノロッドを作製した。透過型電子顕微鏡で観察したところ、酸化チタンナノロッド上に析出した硫化銅粒子の100個の平均粒径は3.0nmであり、その標準偏差は2.1nmであった。以上より、酸化チタンナノロッド上に硫化銅量子ドットが形成されていることが確認された。
<比較例1>
紫外線照射を行わなかったことを除いては実施例1と同様にして、酸化チタンナノロッドを処理した。透過型電子顕微鏡で観察したところ、酸化チタンナノロッドの表面に硫化銅粒子は全く生成していなかった。
<比較例2>
酸化チタンナノロッドの代わりに、ルチル型酸化チタン粒子(不定形、粒径80nm、MT700−B、テイカ株式会社製)を用いたことを除いては実施例1と同様にして、硫化銅が粒子状に表面に析出した酸化チタン粒子を作製した。透過型電子顕微鏡で観察したところ、酸化チタンナノロッド上に析出した硫化銅粒子の100個の平均粒径は30nm以上であり、硫化銅量子ドットは形成されなかった。
<比較例3>
酸化チタンナノロッドの代わりに、アナターゼ型酸化チタン粒子(不定形、粒径150nm、A−100、石原産業株式会社製)を用いたことを除いては実施例1と同様にして、硫化銅が粒子状に表面に析出した酸化チタン粒子を作製した。透過型電子顕微鏡で観察したところ、酸化チタンナノロッド上に析出した硫化銅粒子の100個の平均粒径は50nm以上であり、硫化銅量子ドットは形成されなかった。
<近赤外領域における吸収の評価>
実施例1、比較例2及び比較例3でそれぞれ作製した硫化銅粒子を表面に有する酸化チタンナノロッドの800〜2000nmの近赤外領域における拡散反射スペクトルを比較した。拡散反射スペクトルは、V−570(商品名、日本分光株式会社製)を用いて測定した。その結果、図1に示すように、硫化銅粒子量子ドットが形成された実施例1の酸化チタンナノロッドがもっとも強く近赤外領域の光を吸収していることが分かった。

Claims (7)

  1. 酸化チタンナノロッドと、前記酸化チタンナノロッドの表面に存在する大きさが6.0nm以下である硫化銅粒子と、を有する硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド。
  2. 前記硫化銅粒子の大きさは0.5nm〜5.5nmである、請求項1に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド。
  3. 前記酸化チタンナノロッドの結晶形態はルチル型である、請求項1又は請求項2に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッド。
  4. イオウと、銅(II)イオンと、酸化チタンナノロッドと、溶媒とを含む組成物に紫外線を照射することを含む、硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
  5. 前記組成物中のイオウの濃度は0.1mM〜15.0mMである、請求項4に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
  6. 前記組成物中の銅(II)イオンの濃度は0.1mM〜15.0mMである、請求項4又は請求項5に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
  7. 前記組成物中の酸素の少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の硫化銅量子ドット担持酸化チタンナノロッドの製造方法。
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