JP2014145478A - リリーフバルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間リリーフバルブが作動しない状態においも、弁手段が粘着する事が無く、安定で、長寿命なリリーフバルブを提供する。
【解決手段】弁手段2が、ハウジング1内を軸方向移動可能に支持されたシャフト21と、シャフトに保持され、第1ポート11側に向かって拡径する環状のシールリップを備えた弾性材製のパッキン22と、前記シールリップが摺接する領域の前記ハウジング内周面には、大径円筒内周面14と、小径円筒内周面15と、前記大径円筒内周面と前記小径円筒内周面を連結している傾斜面16が形成されると共に、前記傾斜面に流体圧力が排出される為の軸方向に伸びる切り欠き部17が形成され、流体圧力により前記弁手段がバネ手段3に抗して第2ポート側12に移動し、前記シールリップが前記切り欠き部が存在する領域に達した段階で、前記切り欠き部から流体圧力が排出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体圧力が一定値を越えたときに開くリリーフバルブに関する。
また、本発明は、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム等のガス圧制御系に使用されるリリーフバルブに関する。
リリーフバルブは、入口ポートと出口ポートの間の流路を、閉弁方向に付勢された弁体で常時は閉塞するという基本構造を有し、入口ポートの圧力が付勢力に打ち勝つと、弁体が移動して入口ポートと出口ポートの間の流路を開き、圧力を開放する。
この種リリーフバルブとしては、例えば、図8に示す構造のものが知られている。(特許文献1)
この種従来のリリーフバルブは、流体圧力が作用する第1ポート110と流体圧力が排出される第2ポート120とを備えた円筒形状のハウジング100と、この第1ポート110と第2ポート120の間の連通路130を開閉する為に軸方向移動可能に支持された弁手段200と、この弁手段200を閉弁方向に付勢するバネ手段300とより構成されている。
そして、リリーフバルブが作動しない状態においては、弁手段200が弁座190に常時押圧された状態が続く為、弁手段200の弁座190と当接する弾性材層201が弁座190と粘着し、規定圧力になっても高圧流体をリリース(放出)しない問題を惹起した。
この点を改良する案として、テーパー面の弁座に弁手段を当接する構造のものが提案されたが、弁手段が弁座に常時押圧された状態が続く構造である事に変わりが無い為、図8に示した構造のもの同様に、弁手段が粘着し、規定圧力になっても高圧流体をリリース(放出)しない問題を招来した。
特開2008−138732号公報
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、長期間リリーフバルブが作動しない状態においも、弁手段が粘着する事が無く、安定で、長寿命なリリーフバルブを提供することを目的とする。
本発明のリリーフバルブは、流体圧力が作用する第1ポートと流体圧力が排出される第2ポートとを備えた円筒形状のハウジングと、前記第1ポートと前記第2ポートの間の連通路を開閉する為に軸方向移動可能に支持された弁手段と、前記弁手段を閉弁方向に付勢するバネ手段とよりなるリリーフバルブにおいて、前記弁手段が、前記ハウジング内を軸方向移動可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに保持され、前記第1ポート側に向かって拡径する環状のシールリップを備えた弾性材製の第1パッキンと、前記シールリップが摺接する領域の前記ハウジング内周面には、大径円筒内周面と、小径円筒内周面と、前記大径円筒内周面と前記小径円筒内周面を連結している傾斜面が形成されると共に、前記傾斜面に流体圧力が排出される為の軸方向に伸びる切り欠き部が形成され、流体圧力により前記弁手段が前記バネ手段に抗して前記第2ポート側に移動し、前記シールリップが前記切り欠き部が存在する領域に達した段階で、前記切り欠き部から流体圧力が排出される様に成したことを特徴とする。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明のリリーフバルブによれば、ハウジング内周面には、大径円筒内周面と、小径円筒内周面と、前記大径円筒内周面と前記小径円筒内周面を連結している傾斜面が形成されると共に、前記傾斜面に流体圧力が排出される為の軸方向に伸びる切り欠き部が形成され、流体圧力により弁手段がバネ手段に抗して排出ポート側に移動し、第1パッキンのシールリップが、前記切り欠き部が存在する領域に達した段階で、前記切り欠き部から流体圧力が排出される構成とする事により、長期間リリーフバルブが作動しない状態においも、弁手段が粘着する事が無い為、安定で、長寿命なリリーフバルブを提供出来る。
請求項2記載の発明のリリーフバルブによれば、切り欠き部が小径円筒内周面の一部にまで達している構成としている為、リリーフバルブが開の状態から圧力が低下し、再度閉の状態になる際に、第1パッキンのシールリップが小径円筒内周面に接した後、切り欠き部による連通が遮断され、安定したシール性能が発揮出来る。
請求項3記載の発明のリリーフバルブによれば、シャフトには、ハウジング内周面に形成した軸方向溝と係合する突起が形成されている為、シャフトとハウジングとの間の相対回転が防止出来る為、安定したリリーフバルブ機能が発揮出来る。
請求項4記載の発明のリリーフバルブによれば、第1パッキンと対向する形で第1パッキンよりも第1ポート側に配置され、第2ポート側に向かって拡径する環状のシールリップを備えた弾性材製の第2パッキンを有する構成とする事により、第1ポート側(機器側)が第2ポート側(外気側)に比べ低い圧力(負圧)になったとしても、第2パッキンの存在により、第2ポート側から第1ポート側に流体が侵入することを効果的に阻止出来る。
請求項5記載の発明のリリーフバルブによれば、シャフト外周面の第2パッキンが保持されている保持領域の第1ポート側に、この保持領域よりも短い軸方向溝を形成している為、第2パッキンが誤って逆方向に組み付けられた場合(シールリップが第1ポート側に向かって拡径する形に組み付けられた場合)、第2ポート側から第1ポート側への流体の侵入が阻止できないため、誤った取り付けを容易に発見出来る。
請求項6記載の発明のリリーフバルブによれば、第1パッキンと第2パッキンとの間に環状のスペーサを配置する構成とする事により、第1パッキンと第2パッキンのシールリップ間の衝突が避けられる為、第1パッキンと第2パッキンの良好な密封機能を安定的に確保出来る。
本発明の第1の態様に係る閉じた状態のリリーフバルブの縦断面図。 図1の部分拡大図。 本発明の第1の態様に係る開いた状態のリリーフバルブの縦断面図。 図3の部分拡大図。 本発明の第1の態様に係るリリーフバルブを、流体圧力を排出する第2ポート側からみた側面図。 本発明に係る第2の態様のリリーフバルブを図1と同様に示した図。 図6の部分拡大図。 従来技術に係るリリーフバルブの縦断面図。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の第1の態様に係るリリーフバルブを図1乃至図5に基づき説明する。
本発明の第1の態様に係るリリーフバルブは、流体圧力が作用する第1ポート11と流体圧力が排出される第2ポート12とを備えた円筒形状のハウジング1と、この第1ポート11と第2ポート12の間の連通路13を開閉する為に軸方向移動可能に支持された弁手段2と、この弁手段2を閉弁方向に付勢するバネ手段3とより構成されている。
そして、弁手段2は、ハウジング1内を軸方向移動可能に支持されたシャフト21と、このシャフト21に保持され、第1ポート11側に向かって拡径する環状のシールリップ221を備えた弾性材製のパッキン22を有している。
また、このシールリップ221が摺接する領域のハウジング1内周面には、大径円筒内周面14と、小径円筒内周面15と、大径円筒内周面14と小径円筒内周面15を連結している傾斜面16が形成されている。
更に、この傾斜面16には、流体圧力が排出される為の軸方向に伸びる切り欠き部17が形成されている。
そして、図3及び図4に示す様に、流体圧力により弁手段2がバネ手段3に抗して第2ポート12側(図上左側)に移動し、シールリップ221が切り欠き部17の存在する領域に達した段階で、切り欠き部17から流体圧力が排出される様に構成されている。
この様に、図1及び図2に示す様に、リリーフバルブが閉の状態においては、バネ手段3の押圧力は、ハウジング1に設けた内方フランジ19とシャフト21の段部が接して受ける為、シールリップ221にバネ手段3の押圧力が作用する事は無い。
この様に、長期間リリーフバルブが作動しない状態においても、弁手段2が粘着する事が無い為、安定で、長寿命なリリーフバルブを提供出来る。
更に、内方フランジ19には流体を流通させる為の貫通孔が複数個設けられている。
この貫通孔の数は、用途に応じ適宜調整される。
また、パッキン22は、シャフト21の外周面に設けた段部とシャフト21の外周面に嵌合した嵌合フランジ23とにより囲まれる環状溝内に配置されている。
そして、このパッキン22は、シャフト21の外周面と密接して、流体の漏洩を阻止している。
この為、構成部品が少なく安価に製作出来る。
また、本第1の態様においては、ハウジング1の外側にOリングを介して、円筒状のカバー部材4を被せる構造としている。
また、図2に示す様に、切り欠き部17は、傾斜面16のみでなく、小径円筒内周面15の一部にまで入り込む形で存在している。
この事により、リリーフバルブが開の状態から圧力が低下し、再度閉の状態になる際に、パッキン22のシールリップ221が小径円筒内周面15に接した後、切り欠き部による連通が遮断され、安定したシール性能が発揮出来る。
また、通常のリリーフバルブが閉じている状態においては、シールリップ221が、切り欠き部17が存在しない小径円筒内周面15に接すると共に、流体圧力により小径円筒内周面15に押し付けられている為、圧力流体が漏洩する事は無い。
この切り欠き部17は、図5に示す様に、円周上等配に3ヶ所設けているが、円周上1ヶ所以上存在すれば良く、複数本設ける場合は、実施形態の様に円周上等配に設ける事が好ましい。
また、シャフト21には、ハウジング1内周面に形成した軸方向溝18と係合する突起211が形成されている。
この突起211は、バネ手段3の圧力を調整する為に、シャフト21外周面に螺合した圧力調整ネジ24に一体的に設けられている。
この様な構成とする事により、シャフト21とハウジング1との間の相対回転が防止出来る為、安定したリリーフバルブ機能が発揮出来る。
また、シャフト21の第2ポート12側には、プラスドライバー用の溝が設けられており、このプラスドライバー用の溝を用いてシャフト21を回動させる事により、圧力調整ネジ24を回動させ、圧力調整ネジ24と内方フランジ19との間に配置した、コイルバネであるバネ手段3の押圧力を調整出来る。
パッキン22の材質としては、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、ふっ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフオン化ポリエチレン(CSM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム(AU)等のゴム状弾性材が好ましい。
ついで、本発明の第2の態様に係るリリーフバルブを図6及び図7に基づき説明する。
先に説明した第1の態様と相違する点は、第1パッキン22と対向する形で第1パッキン22よりも第1ポート11側に配置され、第2ポート12側に向かって拡径する環状のシールリップ251を備えた弾性材製の第2パッキン25を有する構成とした点である。
第1パッキン22は、先に説明した第1の態様と同様に機能して、第1パッキン22のシールリップ221が、切り欠き部17が存在する領域に達した段階で、切り欠き部17から流体圧力を排出するものであり、長期間リリーフバルブが作動しない状態においも、弁手段が粘着する事が無い為、安定で、長寿命なリリーフバルブを提供出来る。
更に、本発明の第2の態様に係るリリーフバルブは、新たに第2ポート12側に向かって拡径する環状のシールリップ251を備えた弾性材製の第2パッキン25を配置する構成とした為、第1ポート11側(機器側)が第2ポート側(外気側)に比べ低い圧力(負圧)になったとしても、第2パッキン25のシールリップ251が、第2ポート側12(外気側)の流体圧力により小径円筒内周面15に押し付けられ、第2ポート12側から第1ポート11側に流体が侵入することを効果的に阻止する。
また、第2パッキン25は、シャフト21の外周面に嵌合した嵌合フランジ23により第1ポート11側への移動を阻止されている。
また、シャフト21外周面の第2パッキン25が保持されている保持領域X(第2パッキン25の軸方向長さ)の第1ポート11側に、この保持領域Xよりも短い軸方向溝212を形成してある。
より具体的には、嵌合フランジ23に向かって開口する軸方向溝212となっている。
この為、図7の状態とは逆の向き(シールリップ251が第1ポート11側に向かって拡径する向き)に第2パッキン25を配置すると、第2パッキン25の内周リップ252が、軸方向溝212が存在する領域に当接する為、内周リップ252の密封機能が発揮できなくなる。
この軸方向溝212の軸方向長さは、第2パッキン25が逆の向きに取り付けられた際には、内周リップ252の密封機能が発揮されなくなる範囲(内周リップ252がシャフト21外周面と密接している領域を超える範囲)に存在すれば良く、第2パッキン25が正常に取り付けられた際には、内周リップ252の密封機能が損なわれない範囲(保持領域Xよりも短い範囲)で有る必要がある。
この結果、第2パッキン25が誤って逆方向に組み付けられた場合(シールリップ251が第1ポート11側に向かって拡径する形に組み付けられた場合)、第2ポート12側から第1ポート11側への流体の侵入が阻止できないため、誤った取り付けを容易に発見出来る。
また、第1パッキン22と第2パッキン25との間に環状のスペーサ5を配置する構成としている。
この為、第1パッキン22と第2パッキン25のシールリップ221、251間の衝突が避けられる為、第1パッキン22と第2パッキン25の良好な密封機能を安定的に確保出来る。
また、本発明は、上述の発明を実施するための形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本発明に係るリリーフバルブは、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム等のガス圧制御系に用いて有用である。
1 ハウジング
2 弁手段
3 バネ手段
4 カバー部材
5 スペーサ
11 第1ポート
12 第2ポート
13 連通路
14 大径円筒内周面
15 小径円筒内周面
16 傾斜面
17 切り欠き部
18 軸方向溝
19 内方フランジ
21 シャフト
22 第1パッキン
23 嵌合フランジ
24 圧力調整ネジ
25 第2パッキン
211突起
212軸方向溝
221シールリップ
251シールリップ
252内周リップ

Claims (6)

  1. 流体圧力が作用する第1ポート(11)と流体圧力が排出される第2ポート(12)とを備えた円筒形状のハウジング(1)と、前記第1ポート(11)と前記第2ポート(12)の間の連通路(13)を開閉する為に軸方向移動可能に支持された弁手段(2)と、前記弁手段(2)を閉弁方向に付勢するバネ手段(3)とよりなるリリーフバルブにおいて、
    前記弁手段(2)が、前記ハウジング(1)内を軸方向移動可能に支持されたシャフト(21)と、前記シャフト(21)に保持され、前記第1ポート(11)側に向かって拡径する環状のシールリップ(221)を備えた弾性材製の第1パッキン(22)と、前記シールリップ(221)が摺接する領域の前記ハウジング(1)内周面には、大径円筒内周面(14)と、小径円筒内周面(15)と、前記大径円筒内周面(14)と前記小径円筒内周面(15)を連結している傾斜面(16)が形成されると共に、前記傾斜面(16)に流体圧力が排出される為の軸方向に伸びる切り欠き部(17)が形成され、流体圧力により前記弁手段(2)が前記バネ手段(3)に抗して前記第2ポート(12)側に移動し、前記シールリップ(221)が前記切り欠き部(17)の存在する領域に達した段階で、前記切り欠き部(17)から流体圧力が排出される様に成したことを特徴とするリリーフバルブ。
  2. 前記切り欠き部(17)が前記小径円筒内周面(15)の一部にまで達していることを特徴とする請求項1記載のリリーフバルブ。
  3. 前記シャフト(21)には、前記ハウジング(1)内周面に形成した軸方向溝(18)と係合する突起(211)が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のリリーフバルブ。
  4. 前記第1パッキン(22)と対向する形で前記第1パッキン(22)よりも前記第1ポート(11)側に配置され、前記第2ポート(12)側に向かって拡径する環状のシールリップ(251)を備えた弾性材製の第2パッキン(25)を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のリリーフバルブ。
  5. 前記シャフト(21)外周面の前記第2パッキン(25)が保持されている保持領域(X)の前記第1ポート(11)側に前記保持領域(X)よりも短い軸方向溝(212)を形成したことを特徴とする請求項4記載のリリーフバルブ。
  6. 前記第1パッキン(22)と前記第2パッキン(25)との間に環状のスペーサ(5)を配置したことを特徴とする請求項4または5記載のリリーフバルブ。
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