以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定(抽選)に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定(抽選)を総称して「特別図柄判定(特別図柄抽選)」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定(抽選)を「普通図柄判定(抽選)」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定(抽選)が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示器5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図4参照)が内蔵されている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば、所定の方向に移動したり、内蔵された発光素子(例えばLED)を発光させたりすることによって各種の演出を行う。可動役物7は、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞に応じて動作する。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種の演出を行う。スピーカ24は、液晶表示器5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄表示器45の点灯パターンによって普通図柄の結果が当たりか否か(短開放当たり、長開放当たり、ハズレの何れか)が報知される。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、判定(抽選)の実行や大当たり遊技の制御、演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、および各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。また、図4に示す他に、パチンコ遊技機1は、賞球の払い出しを制御する払出制御部(図示せず)も備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、およびRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、および表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、または普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116を介して大入賞口13の開閉させることによって、特別遊技を実行する。また、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を動作させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、CPU101は、特別図柄の変動開始や変動停止を示す情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や、普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータ、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を演出制御部130に送信する。
また、CPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄判定を実行すると、第1特別図柄表示器41に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、第2特別図柄判定を実行すると、第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、普通図柄判定を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
また、CPU101は、第1特別図柄判定の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄判定の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄判定の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、およびRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄判定の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、およびRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、およびスピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンドおよびROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDPおよび音響DSPに出力することによって、VDPおよび音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、および描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、およびRAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25や枠ランプ37、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤ランプ25、および可動役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、および可動役物7の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、可動役物7を動作させるためのモータの駆動を制御する。
[本実施形態の遊技機の演出概要]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における演出について説明する。図5は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において行われる演出の流れを示す図である。本実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾図柄を用いて次以降の特別図柄の変動において表示される背景画像を切り替える演出が行われる。
図5に示すように、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動開始すると、液晶表示器5において装飾図柄が変動開始する(ステップS10)。この場合において、液晶表示器5には第1背景画像が表示されており、当該第1背景画像に重畳されて装飾図柄が変動する。
次に、装飾図柄が液晶表示器5において仮停止する(ステップS11)。ここで、仮停止とは、遊技者が停止したと認識できる態様で、例えば、上下方向に装飾図柄が微変動している状態である。装飾図柄が仮停止すると、装飾図柄の画像が切り替わって第2背景画像の一部に変化する(ステップS12)。この変化する画像は、次に表示される第2背景画像の一部の画像である。
ステップS12に続いて、背景画像の一部が拡大され(ステップS13)、背景が第1背景画像から第2背景画像に切り替わる(ステップS14)。背景画像が切り替わった後は、例えば、複数の特別図柄の変動にわたって行われる連続演出が行われ、当該連続演出中は、切り替わった後の第2背景画像が表示される。
図6は、本実施形態のパチンコ遊技機1の液晶表示器5において行われる演出の一例を示す図である。
図6(A)に示すように、液晶表示器5には、装飾図柄51と、保留画像521〜522と、第1背景画像53と、モード表示画像54とが表示される。装飾図柄51は、特別図柄の変動に応じて変動し、特別図柄の停止に応じて停止する。装飾図柄51は、3つの領域51a、51b、51cに表示される装飾図柄によって構成され、例えば、同じ種類の装飾図柄が3つ揃った場合には、大当たりとなる。
保留画像521および522は、特別図柄判定の権利の保留を示す画像である。保留画像521は、現在変動中の特別図柄が停止した後に消化される保留を示し、保留画像522は、保留画像521に係る変動が終了した後に消化される保留を示す。図6(A)では、特別図柄が変動開始した直後であって、第1特別図柄判定の権利が2つ保留されている。
第1背景画像53は、液晶表示器5において背景として表示される画像であり、現在の遊技状態が通常遊技状態であることを示す背景画像である。モード表示画像54は、現在の演出モードを表す画像である。パチンコ遊技機1には、遊技状態が通常遊技状態である場合において複数の演出モード(例えば、AモードやBモード)が用意されており、各演出モードに応じた背景画像が用意されている。
なお、特別図柄の変動中にリーチ演出(2つの同種の装飾図柄がそろって3つ目の装飾図柄がそろうことを遊技者に期待させる演出)が行われる場合は、背景は第1背景画像53からリーチ演出用の画像に切り替えられる。
また、パチンコ遊技機1が通常遊技状態とは異なる状態(例えば、大当たり遊技中や確変遊技状態、時短遊技状態)では、通常遊技状態とは異なる背景画像に切り替わり、遊技者は現在の遊技状態を認識することができる。
図6(A)に示すように、特別図柄の変動開始直後では、装飾図柄51は半透明で第1背景画像53に重畳されて表示される。図6(B)〜図6(H)では、装飾図柄51を用いて第1背景画像53が第2背景画像55に切り替えられる様子が示されている。なお、図6(B)〜図6(G)では、第1背景画像53及びモード表示画像54は継続して表示されているものとするが、説明の簡略化のためこれらの画像の表示は省略する。
図6(B)に示すように、特別図柄が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに装飾図柄が停止(仮停止)する。この左領域51aに仮停止した装飾図柄を左装飾図柄と呼ぶことにする。左装飾図柄が停止すると、左装飾図柄は、例えば画面の上下方向の軸周りに回転する。
左装飾図柄が回転すると、左装飾図柄はある画像の一部を切り取ったような画像55aに変化する(図6(C))。画像55aは、第2背景画像55(次に表示される背景画像)の一部を切り取った画像であり、画像55aが表示されることによって、背景が第1背景画像53から別の第2背景画像55に切り替わることが示唆される。次に、右領域51cに装飾図柄(右装飾図柄)が仮停止し、右装飾図柄も左装飾図柄と同様に回転する(図6(D))。
右装飾図柄が回転すると、右装飾図柄はある画像の一部を切り取ったような画像55cに変化する(図6(E))。画像55cは、第2背景画像55の一部を切り取った画像であり、第2背景画像55のうちの画像55aとは異なる領域を切り取った画像である。
さらに、中領域51bに装飾図柄(中装飾図柄)が仮停止し、中装飾図柄も左装飾図柄と同様に回転する(図6(F))。すると、中装飾図柄は、第2背景画像55の一部を切り取った画像55bに変化する(図6(G))。画像55bは、第2背景画像55の一部を切り取った画像であり、第2背景画像55のうちの画像55a及び画像55cとは異なる領域を切り取った画像である。
そして、3つの画像55a、55b、および55cが表示された後、背景は第1背景画像53から第2背景画像55に切り替わる(図6(H))。
図7は、背景画像の切り替わり前後の詳細を示す図である。
図7(A)に示すように、3つの画像55a〜55cが表示されると、各画像はそれぞれ拡大される。例えば、第2背景画像55を切り取った画像55aは、その切り取る領域が拡大するようにして、拡大する。なお、この3つの画像55a〜55cが表示されている間も現在の第1背景画像53は背景として表示されたままであるが、画像55a〜55cの表示領域では、これらの画像が重畳して表示されている。
3つの画像55a〜55cが拡大されると、背景画像は第2背景画像55に切り替わる。そして、特別図柄の変動停止に応じて、装飾図柄51が停止して、切り替わった後の第2背景画像55に当該停止した装飾図柄51が重畳して表示される(図7(B))。
そして、次の特別図柄の変動では、第2背景画像55に装飾図柄51が重畳されて変動表示される(図7(C))。なお、図7(C)に示すように、画面にはゾーン表示画像56が表示される。ゾーン表示画像56は、ゾーン演出(連続演出)が行われていることを示す画像であり、第2背景画像55に対応する画像である。第2背景画像55及びゾーン表示画像56が表示されている間は、ゾーン演出が行われていることを示している。ゾーン演出は、複数の特別図柄の変動にわたって行われる演出であり、ゾーン演出における最終の特別図柄の変動において大当たりとなる期待度が高い。
図8は、背景の切り替わりタイミングとその後に行われるゾーン演出の一例を示す図である。
図8に示すように、特別図柄の変動中(当該変動中)には第1背景画像53が表示されており、当該変動中の所定のタイミングで上述のように装飾図柄51を用いて、第2背景画像55の一部が表示される。そして、3つの装飾図柄を用いて第2背景画像55の一部の画像がそれぞれ表示されると、第2背景画像55に切り替わり、ゾーン演出に突入する。ゾーン演出に突入後、変動中の特別図柄は停止し、当該変動が終了する。次に、保留1(図6の保留画像521に対応する特別図柄判定の権利)が消化されて、当該権利に対応する特別図柄が変動する。この保留1の変動中は、第2背景画像55が表示されており、ゾーン演出が実行中であることが示される。保留1の変動終了後に、保留2(図6の保留画像522に対応する特別図柄判定の権利)が消化されて、当該権利に対応する特別図柄が変動する。保留2の変動中も、第2背景画像55が表示される。保留2の変動は、ゾーン演出(連続演出)の最終変動であり、保留2の変動において大当たりとなる可能性が高い。
なお、ゾーン演出の最終変動において、例えばリーチ演出が行われる場合は、第2背景画像55に代えてリーチ演出用の背景画像が表示される。
ゾーン演出が行われる期間、およびゾーン演出に突入するタイミングはどのようなものでもよい。例えば、図8では、ゾーン演出は3回の特別図柄の変動(当該変動、保留1の変動、及び保留2の変動)にわたって行われる例について示しているが、2回の特別図柄の変動にわたって行われてもよい。
図9は、背景の切り替わりタイミングとその後に行われるゾーン演出の他の例を示す図である。図9に示すように、特別図柄の現在の変動(当該変動)において第2背景画像55に切り替わってゾーン演出に突入し、次の特別図柄の変動においてゾーン演出が終了してもよい。このように、当該変動と保留1の変動の2回の変動にわたってゾーン演出が行われてもよい。
また、1回の特別図柄の変動においてゾーン演出が行われてもよい。具体的には、特別図柄の現在の変動(当該変動)において装飾図柄51を用いて第2背景画像55の一部が表示され、当該変動中に第1背景画像53から第2背景画像55に切り替わり、ゾーン演出に突入する。そして、当該変動中に大当たりか否かの報知が行われ、ゾーン演出が終了してもよい。
図10は、背景の切り替わりタイミングとその後に行われるゾーン演出の他の例を示す図である。図10に示すように、特別図柄の現在の変動(当該変動)において装飾図柄51を用いて第2背景画像55の一部が表示されて、当該変動が終了する。この時点では、背景は第1背景画像53のままである。そして、次の変動(保留1の変動)が開始された場合に背景が第2背景画像55に切り替わってゾーン演出に突入したことが報知されてもよい。
なお、図6では特別図柄の変動時間が所定時間(例えば、12秒)である場合において装飾図柄51を用いて背景画像を切り替える例について説明した。本実施形態では、特別図柄の変動時間が図6に示す場合よりも短い時間(例えば、8秒、4秒等)においても、装飾図柄51を用いた背景切替演出が行われる。
図11は、特別図柄の変動時間が8秒である場合の装飾図柄51を用いた背景切替演出の一例を示す図である。図12は、特別図柄の変動時間が4秒である場合の装飾図柄51を用いた背景切替演出の一例を示す図である。
図11(A)に示すように、特別図柄の変動開始直後では、装飾図柄51は半透明で第1背景画像53に重畳されて表示される。特別図柄の変動開始から所定時間経過すると、左装飾図柄が仮停止する(図11(B))。次に、右装飾図柄が仮停止する(図11(C))。さらにその後、中装飾図柄が仮停止する(図11(D))。そして、仮停止した左装飾図柄、中装飾図柄、及び、右装飾図柄が同時に回転し(図11(E))、それぞれ、第2背景画像55の一部を切り取った画像55a、画像55b、及び、画像55cに変化する(図11(F))。その後、図6と同様に、これらの画像55a、画像55b、及び、画像55cが拡大されて、第1背景画像53から第2背景画像55に切り替わる(図11(G))。
また、図12(A)に示すように、特別図柄の変動開始直後では、装飾図柄51は半透明で第1背景画像53に重畳され、特別図柄の変動開始から所定時間経過すると、左装飾図柄、中装飾図柄、及び、右装飾図柄が同時に仮停止する(図12(B))。次に、仮停止した左装飾図柄、中装飾図柄、及び、右装飾図柄が同時に回転し(図12(C))、それぞれ、第2背景画像55の一部を切り取った画像55a、画像55b、及び、画像55cに変化する(図12(D))。その後、図6と同様に、これらの画像55a、画像55b、及び、画像55cが拡大されて、第1背景画像53から第2背景画像55に切り替わる(図12(E))。
このように、特別図柄の変動時間に応じて、3つの装飾図柄をそれぞれ別のタイミングで仮停止させたり、同じタイミングで仮停止させたり、あるいは、3つの装飾図柄をそれぞれ別のタイミングで回転させて第2背景図柄55の一部に変化させたり、同じタイミングで回転させて第2背景図柄55の一部に変化させたりしてもよい。また、3つの装飾図柄のうちの2つを同時に仮停止させてもよいし、2つを同時に回転させてもよい。これにより、特別図柄の変動時間に応じて、上述した背景切替演出を行うことができる。
以上のように、本実施形態では、背景を第1背景画像53から第2背景画像55に切り替える背景切替演出が行われる。背景切替演出では、背景画像が第2背景画像55に切り替わる前に、装飾図柄を用いて当該第2背景画像55の一部が表示される。背景として第2背景画像55が表示されるゾーン演出では、大当たりに対する期待度(信頼度)が高い。背景が第2背景画像55に切り替わる前に、第2背景画像55の一部を表示させることにより、ゾーン演出に突入することを示唆し、遊技者の期待感を高めることができる。また、装飾図柄を用いて次に変化する背景画像の一部を表示することにより、遊技者に意外感を与えることができる。
[遊技制御部100によるメイン処理]
次に、図13を参照しつつ、遊技制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。ここで、図13は、遊技制御部100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図13に示されている一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図13以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(16R確変大当たり、10R通常大当たり等)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選または落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数は、予め定めれた範囲で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数はリセットされる。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。この始動口スイッチ処理については、図14を参照して、後に詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。このゲートスイッチ処理については、図15を参照して、後に詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。特別図柄処理については、図16を参照して、後に詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、図20を参照して、後に詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、図21を参照して、後に詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動チューリップ処理を実行する(ステップS7)。電動チューリップ処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ処理については、図23を参照して、後に詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出す。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御部130に送信する。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
次に、図14を参照して、遊技制御部100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。ここで、図14は、図13のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図14に示すように、ステップS201において、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(乱数データD1の大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留玉に係る特別図柄判定の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄判定の結果が報知される。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定の権利についての判定処理であり、大当たりか否かや大当たりの種類、変動パターン等を判定して当該判定結果を示す事前判定情報を生成する処理である。その後、CPU101は、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図13のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。なお、ステップS205の事前判定処理では、ステップS204で取得された各種乱数がそのまま事前判定情報として生成されて、当該事前判定情報が保留コマンドに含められてもよい。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否か(第2始動口12に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
[遊技制御部100によるゲートスイッチ処理]
図15は、図13のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図15に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
CPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。なお、ステップS204において格納された普通図柄乱数に対して上記ステップS205と同様に事前判定処理が行われ、当該事前判定処理の結果が普通図柄の保留コマンドとして演出制御部130に送信されてもよい。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
次に、図16〜図19を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図16は、図13におけるステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。図17は、図16のステップS407の大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。図18は、図16のステップS408の変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図16に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数U2を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS404)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄判定が保留されていない)と判定した場合(ステップS403:NO)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS405)、「1」以上であると判定した場合(ステップS405:YES)、保留数U1を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS406)。一方、CPU101は、ステップS405で保留数U1が「1」以上でないと判定した場合(ステップS405:NO)、客待ちコマンドをRAM103に設定して、図16に示す特別図柄処理を終了する。
CPU101は、ステップS404またはステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。以下、図17を参照して、大当たり判定処理について説明する。
図17に示すように、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS501)。具体的には、CPU101は、図16のステップS404の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第2特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合は、通常よりも大当たりと判定される確率が高い。一方、図16のステップS406の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第1特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS501:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS502)。具体的には、CPU101は、ステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数がROM102に予め記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS503)。
一方、ステップS501において大当たりでないと判定された場合(ステップS501:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS504)。
ステップS503の処理、またはステップS504の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、図16の特別図柄処理に処理を戻す。
図16に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。以下、図18を参照して、変動パターン設定処理について説明する。
図18に示すように、CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理の結果が大当たりであったか否かを判定する(ステップS510)。CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりと判定した場合(ステップS510:YES)には、大当たり用の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS511)。大当たり用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。
一方、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりでないと判定した場合(ステップS510:NO)、すなわち、ステップS407の大当たり判定処理においてハズレと判定した場合、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS512)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒にRAM103に格納されたリーチ乱数が、ROM102に予め記憶されている値と一致するか否かを判定する。当該判定結果に基づいて、CPU101は、リーチ演出を行うか否かを決定する(ステップS513)。そして、CPU101は、リーチ演出を行うと決定した場合(ステップS513:YES)にはリーチ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS514)。リーチ用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。CPU101は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS513:NO)にはハズレ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS515)。ハズレ用の変動パターンテーブルには、4秒、8秒、12秒等の変動パターンが記憶されている。
ステップS511、ステップS514、またはステップS515の処理の後、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS516)。具体的には、ステップS516において、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。
このようにして、CPU101は、ステップS2で取得された変動パターン乱数と大当たりか否かによってセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS517)。ステップS517の処理の後、CPU101は、図18に示す変動パターン設定処理を終了して、図16の特別図柄処理に処理を戻す。
図16に戻り、ステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図13のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS407〜S409の処理がステップS404の処理に続いて行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS406の処理に続いて行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、またはステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた変動停止コマンドは、図13のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。停止中処理の詳細については後述する。
ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、またはステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、図13のステップS5の普通図柄処理を実行する。
[遊技制御部100による停止中処理]
次に、図16のステップS416の停止中処理について説明する。図19は、図16のステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。
図19に示されるように、CPU101は、上記ステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図13のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出が行われる。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
ステップS488の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、図19の停止中処理を終了する。
[遊技制御部100による普通図柄処理]
次に、図20を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。図20は、図13のステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄判定の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動チューリップ17を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動チューリップ17は、普通図柄判定の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動チューリップ17の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。また、当たりの種類が長開放当たりか短開放当たりかで、電動チューリップ17の動作パターンは異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、図20の普通図柄処理を終了する。
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、図20の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことに応じて上記ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が補助遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、CPU101は、普通図柄判定の当たりの種類が長開放当たりか否かを判定する(ステップS508)。ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口12を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口12を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されている。CPU101は、取得された普通図柄乱数に基づいて、長開放当たりか否かを判定する。なお、普通図柄判定の当落を決定するための普通図柄乱数(第1普通図柄乱数)とは別に、普通図柄の当たりの種類を決定するための乱数(第2普通図柄乱数)が設けられてもよい。この場合、第1普通図柄乱数に基づいて当たりか否かが判定され、当たりである場合に、第2普通図柄乱数に基づいて当たりの種類(長開放当たり、又は短開放当たり)が決定されてもよい。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS508:YES)、CPU101は、長開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS509)。一方、長開放当たりでないと判定した場合(ステップS508:NO)、CPU101は、短開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS510)。
ステップS507の処理、ステップS509の処理、又はステップS510の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS511)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS511:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS512)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS511:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS513)。このステップS512又はステップS513の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS512又はステップS513の処理に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS514)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS515)。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS516)。具体的には、ステップS513の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS512又はステップS513の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS516:NO)、CPU101は、図20の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS516:YES)、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS517)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、ステップS509、又はステップS510の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS517の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS515の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS518)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS519)、当たりであると判定した場合(ステップS519:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS520)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ17が作動する。
ステップS520の処理の後、ステップS516の処理でNOと判定した場合、またはステップS519の処理でNOと判定した場合、CPU101は、図20の普通図柄処理を終了する。
[遊技制御部100による大入賞口処理]
次に、図21を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。図21は、図13のステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。
図21に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、大入賞口13の開放パターンを設定し(ステップS604)、設定した開放パターンで大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS605)。ステップS605の処理の後、CPU101は、次にステップS607の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS606)。エンディング中でなければ(ステップS606:NO)、CPU101は、次にステップS607の処理を実行し、エンディング中であれば(ステップS606:YES)、次にステップS611の処理を実行する。
ステップS607において、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンでの大入賞口13の開放制御が終了したか否かを判定する。判定結果が肯定の場合(ステップS607:YES)、CPU101は、大入賞口13の開放制御を終了する(ステップS608)。続いて、CPU101は、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS609)。ここでセットされたエンディングコマンドは、図13のステップ9の出力処理において演出制御部130に送信される。演出制御部130は、当該エンディングコマンドを受信したことに応じて、大当たり遊技が終了することを示すエンディング演出を実行する。次に、CPU101は、エンディング時間の計測を開始する(S610)。
CPU101は、ステップS610の処理を行った場合、またはステップS606の処理でYESと判定した場合、予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。エンディング時間が経過していれば(ステップS611:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS612)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS612の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS613)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS607の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、または、ステップS613の処理を実行した場合、CPU101は、図21に示す大入賞口処理を終了する。
[遊技制御部100による遊技状態設定処理]
次に、図21のステップS612の遊技状態設定処理について説明する。図22は、図21のステップS612の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。
図22に示されるように、CPU101は、大当たりの種類が高確率遊技状態への移行を伴う確変大当たりか否かを判定する(ステップS630)。確変大当たりであった場合(ステップS630:YES)、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数XにXmaxを設定する(ステップS632)。ここで、Xmaxは予め定められた値であり、Xmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。Xに非常に大きな値Xmaxが設定されるため、事実上、高確率遊技残余回数Xが0になるまでに、遊技機1は、次の大当たりとなる。
ステップS632の処理の後、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS633)。その後、CPU101は、補助遊技残余回数JにJmaxを設定する(ステップS634)。Jmaxは予め定められた値であり、Jmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。
一方、確変大当たりでない場合(ステップS630:NO)、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定し(ステップS635)、補助遊技残余回数Jに100を設定する(ステップS636)。
ステップS634の処理またはステップS636の処理を実行した場合、CPU101は、図22に示す遊技状態設定処理を終了する。
[遊技制御部100による電動チューリップ処理]
次に、図13のステップS7の電動チューリップ処理の詳細について説明する。図23は、図13の電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動チューリップ17が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動チューリップ17が動作中ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、CPU101は、補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS703)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS703:NO)、上記ステップS509又はステップS510でセットした図柄に基づいて、長開放当たりか否かを判定する(ステップS704)。長開放当たりでないと判定した場合(ステップS704:NO)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS704:YES)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS706)。
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS703:YES)、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS707)。
CPU101は、ステップS705、ステップS706、又はステップS707の処理によって電動チューリップ17の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動チューリップ17の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS708)。
CPU101は、ステップS708の処理を実行した場合、または電動チューリップ17の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS708の処理で開始された電動チューリップ17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS709)。ここで、電動チューリップ17の動作が完了したと判定した場合(ステップS709:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS710)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS709の処理でNOと判定した場合、またはステップS710の処理を実行した場合、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
[演出制御部130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御部100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図24〜図28を参照して説明する。
図24は、演出制御部130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図24〜図28に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図24に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御部130は、コマンド制御処理を実行する(ステップS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドを生成する。そして生成したコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。また、演出制御部130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(次のステップS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御部140及びランプ制御部150は、所定の演出を実行する。このコマンド制御処理の詳細については、図25に基づいて後に詳述する。
ステップS1001の処理に続いて、演出制御部130は、操作受付処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。以上で、図24に示す処理は終了する。
[演出制御部130によるコマンド制御処理]
以下、図25を参照しつつ、演出制御部130において実行されるコマンド制御処理について説明する。ここで、図25は、図24のステップS1001におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
まず、演出制御部130は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、演出制御部130は、事前判定処理を実行する(ステップS1302)。
ステップS1302の処理では、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。事前判定処理については後に詳述する。
ステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1301:NO)、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、演出制御部130は、変動開始処理を実行する(ステップS1304)。ここでは、演出制御部130は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる演出を決定し、決定した演出を開始する。変動開始処理については後に詳述する。
ステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1303:NO)、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、演出制御部130は、変動終了処理を実行する(ステップS1306)。変動終了処理では、演出制御部130は、特別図柄の変動に伴って行われる演出を終了する。変動終了処理については後に詳述する。
ステップS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1305:NO)、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、演出制御部130は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御部130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御部140やランプ制御部150に実行させる。
ステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1307:NO)、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、演出制御部130は、エンディング処理を実行する(ステップS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。演出制御部130は、エンディング処理の結果を示すコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、演出制御部130は、図25に示す処理を終了する。
以上のように、遊技制御部100からのコマンドに基づいて、演出制御部130による演出制御が行われる。
[演出制御部130による事前判定処理]
以下、図25のステップS1302の事前判定処理の詳細について説明する。図26は、図25のステップS1302の事前判定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御部130は、まず、現在の保留数に1を加算する(ステップS1321)。演出制御部130は、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定のそれぞれの保留数をRAM133に記憶しており、保留コマンドの受信に応じて保留数を1だけ増加させる。
次に、演出制御部130は、受信した保留コマンドを解析し(ステップS1322)、解析結果に基づいて、事前判定を行う(ステップS1323)。具体的には、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、この保留コマンドに係る特別図柄の変動において大当たりとなるか否か、大当たりの種類、変動パターン、特別図柄が変動する際の変動演出の内容等を判定する。
ステップS1323に続いて、演出制御部130は、事前判定の結果に基づいてゾーン演出を実行するか否かを判定する(ステップS1324)。具体的には、演出制御部130は、受信した保留コマンドに含まれる変動パターン及び既に保留されている特別図柄判定の権利に対応する変動パターンに基づいて、受信した保留コマンドに係る特別図柄の変動を最終変動とするゾーン演出を行うか否かを判定する。例えば、受信した保留コマンドに係る特別図柄判定の結果が大当たりである場合、ハズレである場合よりも高い確率でゾーン演出を行うと判定される。
ゾーン演出を実行すると判定した場合(ステップS1324:YES)、演出制御部130は、背景切替演出を行うタイミングを決定する(ステップS1325)。ここでは、演出制御部130は、現在保留されている特別図柄判定の権利のうち、どの権利に対応する変動において背景切替演出(図6に示すような、背景画像を第2背景画像55に切り替えてゾーン演出を開始させる演出)を行うかを決定する。演出制御部130は、最終変動を除いて、ゾーン演出が行われる間の特別図柄の変動では大当たりとならないように、あるいは特定の変動パターンが含まれないように、背景切替演出を行うタイミングを決定する。例えば、既に2つの保留があり、今回の保留コマンドを受信したことによって保留が3つになった場合において、1つ目の保留が大当たりである場合や特定の演出(リーチ演出等)が行われるには、演出制御部130は、当該1つ目の保留において背景切替演出を行うと決定しない。
ステップS1325に続いて、演出制御部130は、RAM133に記憶している演出フラグFをONに設定する(ステップS1326)。演出フラグFは、ゾーン演出が行われることを示すフラグである。
ステップS1326の処理を行った場合、又は、ステップS1324でNOと判定した場合、演出制御部130は、受信した保留コマンドに対応する保留画像を液晶表示器5に表示させる(ステップS1327)。以上で、図26の処理は終了する。
[演出制御部130による変動開始処理]
以下、図25のステップS1304の変動開始処理の詳細について説明する。図27は、図25のステップS1304の変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図27に示すように、演出制御部130は、演出フラグFがONか否かを判定する(ステップS1331)。演出フラグFがONである場合(ステップS1331:YES)、演出制御部130は、今回の特別図柄の変動においてゾーン演出を開始するか否かを判定する(ステップS1332)。ここでは、演出制御部130は、今回の変動が図26のステップS1325において決定された背景切替演出を行う変動か否かを判定する。
ゾーン演出を開始すると判定した場合(ステップS1332:YES)、演出制御部130は、背景切替演出を含む変動演出を選択する(ステップS1333)。すなわち、演出制御部130は、図6に示すような装飾図柄51を用いて背景を第2背景画像55に切り替える背景切替演出を含む演出を、今回の特別図柄の変動に伴う変動演出として選択する。
一方、ステップS1331でNOと判定した場合、又は、ステップS1332でNOと判定した場合、演出制御部130は、受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、変動演出を選択する(ステップS1334)。
ステップS1333、又はステップS1334の処理を実行した場合、演出制御部130は、選択した変動演出を開始させる(ステップS1335)。具体的には、演出制御部130は、選択した変動演出を実行させるためのコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に対して送信する。これにより、ゾーン演出を開始する場合には、図6に示すような背景画像を切り替える演出が行われる。
そして、演出制御部130は、保留数を1だけ減算させるとともに液晶表示器5に表示されている1の保留画像を消滅させる(ステップS1336)、図27に示す処理を終了する。
[演出制御部130による変動終了処理]
以下、図25のステップS1306の変動終了処理の詳細について説明する。図28は、図25のステップS1306の変動終了処理の詳細を示すフローチャートである。
図28に示すように、演出制御部130は、RAM133に記憶している演出フラグFがONか否かを判定する(ステップS1341)。演出フラグFがONである場合(ステップS1341:YES)、演出制御部130は、ゾーン演出を終了するか否かを判定する(ステップS1342)。ここでは、今回の変動がゾーン演出の最終変動である場合、ゾーン演出を終了させると判定される。
ゾーン演出を終了させると判定した場合(ステップS1342:YES)、演出制御部130は、背景を第1背景画像53に戻し(ステップS1343)、演出フラグFをOFFに設定する(ステップS1344)。
ステップS1344の処理を行った場合、ステップS1341でNOと判定した場合、又は、ステップS1342でNOと判定した場合、演出制御部130は、変動演出を終了させて装飾図柄51を停止させる(ステップS1345)。以上で、図28の処理は終了する。
なお、図28の変動終了処理において大当たりの場合には、大当たりを示す装飾図柄51が停止される。この場合、大当たりを示す背景画像が表示されてもよい。
以上のように、本実施形態では、特別図柄判定の権利が保留された場合、保留に対する事前判定が行われ、事前判定の結果に基づいてゾーン演出が行われる。ゾーン演出の開始の際には、装飾図柄を用いてゾーン演出中に表示される第2背景画像55の一部の画像が現在の第1背景画像53に重畳表示され、その後、第2背景画像55に切り替わる。
このように、本実施形態では、次の背景画像の一部を事前に表示することにより、背景画像が切り替わることを示唆することができる。また、装飾図柄を用いて次に表示される背景画像を示唆することにより、装飾図柄が停止して特別図柄判定の結果が表示されたように見せかけて次の演出(ゾーン演出)に発展させることができ、遊技者に意外感を抱かせることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、現在の背景画像を複数の特別図柄の変動にわたる連続演出(ゾーン演出)を示す第2背景画像55に切り替えた。他の実施形態では、第2背景画像は連続演出に限らず他の任意の演出を示す背景画像であってもよい。例えば、第2背景画像は所定の演出(例えば、特定のリーチ演出や通常遊技状態を示す他のモードの演出、確変遊技状態や時短遊技状態等)を示す背景画像であってもよい。すなわち、上述のような装飾図柄を用いた背景切替演出によって、第2背景画像に切り替えてリーチ演出への発展や通常遊技状態におけるモード移行、通常遊技状態から確変遊技状態等への移行が行われてもよい。
例えば、確変遊技状態への移行を伴う大当たりであって、大入賞口13の総開放時間が比較的短く遊技者が少量の賞球しか獲得できない大当たり(突然確変大当たり)が用意されている場合、通常遊技状態から突然確変大当たりとなって確変遊技状態に移行する際に、上記背景切替演出が行われてもよい。また、突然時短大当たりになった場合に、上記背景切替演出により通常遊技状態の背景画像から時短遊技状態への背景画像に切り替えられてもよい。突然時短大当たりとは、時短遊技状態(補助遊技状態)への移行を伴う大当たりであって、大入賞口13の総開放時間が比較的短く遊技者が少量の賞球しか獲得できない大当たりである。また、潜伏確変大当たりとなった場合に、上記背景切替演出により通常遊技状態の背景画像から通常遊技状態又は潜伏遊技状態(高確率遊技状態であって補助遊技状態でない遊技状態)を示す背景画像に切り替えられてもよい。また、大入賞口13の連続開放を伴わない小当たりとなった場合に、上記背景切替演出により背景画像が切り替えられてもよい。
また、上記実施形態では、装飾図柄を停止させて、当該装飾図柄を第2背景画像の一部に変化させた。他の実施形態では、装飾図柄を用いて第2背景画像の一部を事前に表示するものであれば、他の任意の態様で背景切替が行われてもよい。また、他の実施形態では、装飾図柄を用いずに、現在の背景画像に次の背景画像の一部を重畳表示して背景画像が切り替わることを示唆し、その後に背景画像を切り替えてもよい。
また、例えば、大当たり遊技中の背景を切り替える場合において、上述のような背景切替演出が行われてもよい。すなわち、現在の背景画像を次の背景画像に切り替える場合に、次の背景の一部を現在の背景に重畳表示させた後、次の背景に切り替えてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う遊技機であって、画像表示手段において所定の画像を表示させることにより演出を行う表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記画像表示手段において第1の背景画像を表示させる第1背景表示手段と、前記第1の背景画像に重畳させて、前記第1の背景画像とは異なる第2の背景画像の一部を前記画像表示手段に表示させる部分表示手段と、前記部分表示手段によって前記第2の背景画像の一部が表示されている場合、所定条件の成立に応じて、前記第2の背景画像の表示領域を拡大させて、前記第1の背景画像を前記第2の背景画像に置き換える背景画像置換手段と、を含む。
上記構成によれば、第1の背景画像から第2の背景画像に切り替える際に、第2の背景画像の一部を事前に表示させることができる。これにより、背景画像の切り替わりの前にこれから切り替わる背景画像を示唆することができる。
また、他の構成では、前記表示制御手段は、前記画像表示手段において複数の演出図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段を含み、前記部分表示手段は、前記演出図柄を用いて前記第2の背景画像の一部を前記画像表示手段に表示させてもよい。
上記構成によれば、装飾図柄を用いて第2の背景画像の一部を表示させて第2の背景画像に切り替わることを示唆することができる。
また、他の構成では、前記部分表示手段は、前記複数の演出図柄を用いて前記第2の背景画像のうちのそれぞれ異なる部分を前記画像表示手段に表示させ、前記背景画像置換手段は、前記部分表示手段によって前記複数の演出図柄を用いて前記第2の背景画像のうちのそれぞれ異なる部分が表示された場合、前記第1の背景画像を前記第2の背景画像に置き換えてもよい。
上記構成によれば、第2の背景画像の各部分が表示された場合に、第1の背景画像を第2の背景画像に切り替えることができる。
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う遊技機であって、画像表示手段において所定の画像を表示させることにより演出を行う表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記画像表示手段において複数の演出図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記画像表示手段において第1の背景画像を表示させる第1背景表示手段と、前記演出図柄を用いて、前記第1の背景画像が切り替わることを示唆する示唆演出を行う示唆演出実行手段と、前記示唆演出実行手段によって示唆演出が行われた後、前記第1の背景画像を、当該第1の背景画像とは異なる第2の背景画像に切り替える背景画像切替手段と、を含み、前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、前記第2の背景画像の一部の画像であって前記演出図柄の画像を前記第1の背景画像に重畳させて前記画像表示手段に表示させ、前記背景画像切替手段は、前記示唆演出実行手段によって前記示唆演出として前記第2の背景画像の一部の画像が表示された後、所定条件の成立に応じて、前記第2の背景画像の表示領域を拡大させて、前記第1の背景画像を前記第2の背景画像に切り替える。