JP2014141554A - 樹脂組成物、注入剤および充填方法 - Google Patents

樹脂組成物、注入剤および充填方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目的とする箇所で硬化性成分を確実に硬化させ得る樹脂組成物、かかる樹脂組成物と粒子とを含む注入剤、および、かかる粒子を地中に形成された亀裂に充填する充填方法を提供すること。
【解決手段】本発明の注入剤は、地下層中に形成された亀裂に注入される液剤であり、亀裂に充填される粒子と、本発明の樹脂組成物と、粒子および樹脂組成物を亀裂に移送するための流体とを含む。また、本発明の樹脂組成物は、粒子の外表面の少なくとも一部を被覆する表面層を形成するために用いられ、イソシアネート硬化剤と、このイソシアネート硬化剤との反応により硬化する、ポリオール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の硬化性成分とを含有し、イソシアネート硬化剤および硬化性成分の少なくとも一方が、殻体に内包されることにより、イソシアネート硬化剤と硬化性成分とが分別された状態で存在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、注入剤および充填方法に関する。
近年、地下層からオイル状またはガス状の炭化水素(流体)を回収することが積極的に行われている。具体的には、炭化水素を含有する地下層(シェール層)に到達する掘削穴を形成し、この掘削穴を介して炭化水素を回収する。この場合、地下層は、流体が掘削穴に流入するのを許容する十分な流体浸透性(コンダクティビティー)を備える必要がある。
この地下層の流体浸透性を確保するために、例えば、水圧破砕が行われる。水圧破砕の作業では、まず、粘性流体を掘削穴を介して、十分な速度および圧力で、地下層に注入して地下層に亀裂を形成する。その後、粒子を含有する注入剤を地下層に注入し、形成された亀裂内に粒子を充填して亀裂の閉塞を防止する。
このような粒子としては、例えば、シリカサンドやガラスビーズのようなコア粒子を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆した被覆粒子がある。しかしながら、かかる被覆粒子を作成するためには、熱硬化性樹脂を硬化させるために、多大なエネルギーが必要になるという問題がある。
そこで、かかる問題を解決するため、粒子と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを添加した注入剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この注入剤は、粒子と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを地下層に形成された亀裂に充填し、その後、地中の熱エネルギーを利用して、硬化剤の作用によりエポキシ樹脂を硬化させ、その硬化物で粒子を被覆し、亀裂内に定着することを目的としている。
しかしながら、このような注入剤では、エポキシ樹脂と硬化剤とが常に接触した状態にある。このため、エポキシ樹脂が目的としない場所で硬化してしまうおそれがある。例えば、掘削穴の途中でエポキシ樹脂が硬化するようなことがあれば、粒子を亀裂に十分に充填できず、結果として炭化水素の回収が困難となってしまう場合がある。
米国特許第5,609,207号
本発明の目的は、目的とする箇所で硬化性成分を確実に硬化させ得る樹脂組成物、かかる樹脂組成物と粒子とを含む注入剤、および、かかる粒子を地中に形成された亀裂に充填する充填方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(21)に記載の本発明により達成される。
(1) 地下層中に形成された亀裂に充填される粒子の外表面の少なくとも一部を被覆する表面層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
イソシアネート硬化剤と、該イソシアネート硬化剤との反応により硬化する、ポリオール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の硬化性成分とを含有し、
前記イソシアネート硬化剤および前記硬化性成分の少なくとも一方が、殻体に内包されることにより、前記イソシアネート硬化剤と前記硬化性成分とが分別された状態で存在していることを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記殻体は、圧力6,000psiかつ温度30〜120℃の条件で崩壊する上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 前記殻体の平均粒径は、0.1〜100μmである上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記殻体の平均厚さは、前記殻体の最大粒径の1/4〜1/100である上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(5) 前記殻体は、生分解性高分子および親水性高分子よりなる群から選択される少なくとも1種の高分子を主成分として含む材料で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(6) 前記高分子の重量平均分子量は、1,000〜500,000である上記(5)に記載の樹脂組成物。
(7) 前記生分解性高分子は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリブチレンサクシネートよりなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(5)または(6)に記載の樹脂組成物。
(8) 前記親水性高分子は、ポリビニルアルコールおよびそのエステル誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(5)ないし(7)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(9) 前記殻体の前記イソシアネート硬化剤または前記硬化性成分の内包率は、10〜50重量%である上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(10) 前記硬化性成分は、100℃以下の温度で前記イソシアネート硬化剤と反応することにより硬化する上記(1)ないし(9)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(11) 前記イソシアネート硬化剤は、脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(12) 前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールおよびポリカーボネートポリオールよりなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(1)ないし(11)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(13) 前記フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂、アルキレンエーテル化レゾール型フェノール樹脂、ジメチレンエーテル型フェノール樹脂およびアミノメチル型フェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(1)ないし(12)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(14) 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(1)ないし(13)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(15) 前記イソシアネート硬化剤のイソシアネート当量をXとし、前記硬化性成分の前記イソシアネート硬化剤と反応する反応性官能基1個当たりの前記硬化性成分の分子量をYとしたとき、前記イソシアネート硬化剤と前記硬化性成分との配合比は、0.8X/Y〜1.2X/Yである上記(1)ないし(14)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(16) 前記イソシアネート硬化剤が前記殻体に内包されている上記(1)ないし(15)のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
(17) 地下層中に形成された亀裂に注入される注入剤であって、
前記亀裂に充填される粒子と、
上記(1)ないし(16)のいずれか1つに記載の樹脂組成物と、
前記粒子および前記樹脂組成物を前記亀裂に移送するための流体とを含むことを特徴とする注入剤。
(18) 前記粒子の平均粒径は、100〜3,000μmである上記(17)に記載の注入剤。
(19) 前記粒子の含有量は、5〜50重量%である上記(17)または(18)に記載の注入剤。
(20) 前記樹脂組成物の含有量は、前記粒子100重量部に対して1〜20重量部である上記(17)ないし(19)のいずれか1つに記載の注入剤。
(21) 上記(17)ないし(20)のいずれか1つに記載の注入剤を地下層中に形成された亀裂に、前記地下層に至る掘削穴を介して移送し、前記注入剤を前記亀裂に注入することにより、前記粒子を前記亀裂に充填する充填方法であって、
前記注入剤を前記亀裂に注入する際の圧力および/または地中の温度を要因として、前記殻体を崩壊させることにより、前記イソシアネート硬化剤と前記硬化性成分とを接触させ、これらを反応させることにより前記硬化性成分を硬化させるとともに、その硬化物で前記粒子の外表面の少なくとも一部を被覆することを特徴とする充填方法。
本発明によれば、イソシアネート硬化剤と硬化性成分とが分別された状態で存在しているため、不要な箇所で硬化性成分が硬化するのを防止することができる。
本発明の注入剤の実施形態を示す図である。 粒子が硬化性成分の硬化物で被覆された被覆粒子を示す部分断面図である。 図2に示す被覆粒子に圧力が付与された状態を示す部分断面図である。 図1に示す内包物を内包した殻体を示す断面図である。 本発明の注入剤の他の実施形態を示す図である。 地下層から炭化水素を回収する方法を説明するための概念図である。
以下、本発明の樹脂組成物、注入剤および充填方法について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の注入剤の実施形態を示す図、図2は、粒子が硬化性成分の硬化物で被覆された被覆粒子を示す部分断面図、および、図3は、図2に示す被覆粒子に圧力が付与された状態を示す部分断面図である。
本発明の注入剤は、地下層(シェール層)からオイル状またはガス状の炭化水素(流体)を回収する際に、地下層中に形成された亀裂に注入される。図1に示すように、本実施形態の注入剤100は、亀裂に充填される粒子2と、イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15を内包する殻体10と、このイソシアネート硬化剤Aとの重合(架橋)反応により硬化する硬化性成分Bを含み、粒子2、殻体10および硬化性成分Bを亀裂に移送するための流体20とを含んでいる。なお、イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15を内包する殻体10と、硬化性成分Bとにより、本発明の樹脂組成物が構成される。
粒子2は、地下層中に形成された亀裂に充填された状態で、図2に示すように、硬化性成分Bの硬化物で形成された表面層3により被覆され、被覆粒子1として存在する。被覆粒子1は、地下層中に形成された亀裂に充填され、この亀裂が閉塞するのを防止するとともに、地下層の被覆粒子1の充填部位(地下層の亀裂)の流体浸透性を確保する。これにより、亀裂と連通する掘削穴への炭化水素の流入効率を高めることができる。
粒子2は、亀裂内で支持材として機能する。この粒子2には、比較的高い機械的強度を有する種々の粒子を用いることができ、特定の種類に限定されない。粒子2の具体例としては、例えば、砂粒子、セラミックス粒子、シリカ粒子、金属粒子、クルミ殻等が挙げられる。
これらの中でも、複数の粒子2は、砂粒子およびセラミックス粒子のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。砂粒子およびセラミックス粒子は、高い機械的強度を有するとともに、比較的安価かつ容易に入手可能である。
複数の粒子2の平均粒径は、100〜3,000μm程度であることが好ましく、200〜1,000μm程度であることがより好ましい。このようなサイズの粒子2を用いることにより、被覆粒子1が充填された亀裂の流体浸透性を十分に確保することができる。
なお、複数の粒子2は、粒径にバラつきが存在し、10倍程度粒径が異なる粒子を含んでいてもよい。すなわち、複数の粒子2の粒度分布を測定したとき、山形関数で表される粒度分布曲線のピークの半値幅が比較的大きな値であってもよい。
なお、図2では、粒子2の断面形状は、ほぼ円形状として示されているが、楕円形状、多角形状、異形状等であってもよい。これらの場合、粒子2の粒径は、横断面における最大長として規定される。
粒子2としてセラッミクス粒子を用いる場合、断面形状ができる限り円形状に近いことが好ましい。かかるセラッミクス粒子は、特に高い機械的強度を有する。また、かかるセラッミクス粒子を用いることにより、被覆粒子1同士は、亀裂に充填された状態で、点接触するようになる。このため、それらの間に形成される空間(流路)の容積を増大させることができる。
また、粒子2としては、自然に産出される砂粒子をそのまま用いることもできる。かかる砂粒子を用いることにより、注入剤100の生産性の向上とコスト削減とを図ることができる。さらに、粒子2として、セラミックス粒子と砂粒子との混合物を用いてもよい。この場合、セラミックス粒子と砂粒子との混合比は、重量比で好ましくは1:9〜9:1程度、より好ましくは3:7〜7:3程度とされる。
各粒子2の外表面の少なくとも一部は、表面層3で被覆されている。この表面層3は、図3に示すように、地下層の亀裂に充填された粒子2が地中の圧力で仮に崩壊した場合でも、粒子2の破片が散逸するのを防止するよう機能する。このため、被覆粒子1同士の間の空間(流路)が、粒子2の破片により閉塞するのを防止することができる。これにより、被覆粒子1が充填された亀裂の流体浸透性をより確実に確保することができる。
注入剤100全体における粒子2の含有量は、5〜50重量%程度であることが好ましく、5〜15重量%程度であることがより好ましい。かかる量の粒子2を含む注入剤では、流体の粘度に係らず、粒子2を安定的に分散させることができる。
表面層3は、図2に示すように、粒子2の外表面の全体を被覆するのが好ましいが、粒子2の外表面の一部のみを被覆していてもよい。すなわち、複数の粒子2は、地下層中に形成された亀裂に充填された状態おいて、それらの全てが、外表面の全体を表面層3により被覆されていてもよく、外表面の一部のみを表面層3により被覆されていてもよい。また、前記状態において、一部の粒子2が、外表面の全体を表面層3により被覆され、残りの粒子2が、外表面の一部のみを表面層3により被覆されていてもよい。かかる表面層3は、樹脂組成物に含まれる硬化性成分Bがイソシアネート硬化剤Aとの重合(架橋)反応により硬化して形成された硬化物(イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとの共重合体)で構成されている。この硬化性成分Bについて、以下詳述する。
注入剤100は、本発明の樹脂組成物として、イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15を内包する殻体10と、硬化性成分Bとを含んでいる。このような注入剤(樹脂組成物)100中においては、イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとが分別された状態で存在している。また、殻体10は、所定の条件で崩壊するように設計されている。これにより、殻体10は、イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとが、不要な箇所で接触して、硬化性成分Bが硬化するのを防止するよう機能するとともに、必要な箇所(すなわち地下層中に形成された亀裂)において、イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとが接触して硬化性成分Bが硬化するよう機能する。
具体的には、かかる殻体10は、好ましくは圧力6,000psiかつ温度30〜120℃の条件で、より好ましくは圧力6,000psiかつ温度50〜100℃の条件で崩壊するように設計される。このような条件で殻体10が崩壊するように設計することにより、殻体10は、比較的浅い箇所に位置する地下層においても崩壊するようになるので、注入剤(樹脂組成物)100を、当該地下層から炭化水素を回収する場合に好適に使用することができる。
また、殻体10の平均粒径は、0.1〜100μm程度であるのが好ましく、0.1〜75μm程度であるのがより好ましく、0.1〜50μm程度であるのがさらに好ましい。前記下限値より小さい粒径の殻体10の作成は、実質的に困難であるか、作成するのにコストがかかり過ぎる。一方、前記上限値を超える粒径の殻体10は、内包物15の量に対して、殻体10自体の厚さが薄くなる傾向にある。このため、かかる殻体10は、その構成材料にもよるが、崩壊し易くなるおそれがある。
殻体10(殻体10の壁)の平均厚さtは、殻体10の最大粒径Dの1/4〜1/100程度であるのが好ましく、1/10〜1/75程度であるのがより好ましく、1/15〜1/75程度であるのがさらに好ましい。具体的には、殻体10の平均厚さtは、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましく、0.1〜1μm程度であるのがさらに好ましい。かかる膜厚の殻体10であれば、適度な機械的強度を維持しつつ、内部空間の容積を十分に確保することができる。したがって、殻体10が不要な箇所で崩壊するのを防止しつつ、殻体10は、十分な量の内包物15を内包することができる。
なお、殻体10がほぼ球形状の場合、殻体10の最大粒径とは、殻体10の外径(直径)を意味し、殻体10が楕円状または異形状の場合、殻体10の最大粒径とは、殻体10の外形の最大長を意味する。
このような殻体10は、各種樹脂材料で構成することができるが、生分解性高分子および親水性高分子よりなる群から選択される少なくとも1種の高分子を主成分として含む材料で構成されていることが好ましい。生分解性高分子は、地中(地下層中)において経時的に分解されるため、環境安全性が極めて高いことから好ましい物質である。親水性高分子は、流体(フラックフルード)20中において殻体10に高い分散性を付与することができ、かつ、粒子2との親和性に優れる点で好ましい物質である。また、親水性高分子は、硬化性成分Bが硬化する際に、表面層3中に取り込まれることにより、表面層3に水に対する親和性(すなわち炭化水素に対する流体反撥性)を向上するように機能し、被覆粒子1の充填部位(地下層の亀裂)の流体浸透性を高める効果もある。
かかる高分子の重量平均分子量は、1,000〜500,000程度であるのが好ましく、5,000〜300,000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲の高分子を用いて殻体10を構成することにより、殻体10に十分な機械的強度を付与することができる。また、このような範囲の重量平均分子量を有する高分子を選択することにより、殻体10に、前述したような圧力6,000psiかつ温度30〜120℃の条件で崩壊する特性を容易に付与することができる。
生分解性高分子としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリブチレンサクシネート、ポリアリレート、ポリプロピレンフマレート、ポリカプロラクトン、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカルボネート、乳酸−グリコール酸共重合体、乳酸−カプロラクトン共重合体、グリコール酸−カプロラクトン共重合体、コハク酸−1,4ブタンジオール共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、生分解性高分子は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリブチレンサクシネートよりなる群から選択される1種を含むことが好ましい。これらは、殻体10を作成し易く、また、比較的速い速度で生分解するためである。
一方、親水性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリアミド、デンプン、セルロースまたはこれらの誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、親水性高分子は、ポリビニルアルコールおよびそのエステル誘導体(部分けん化ポリビニルアルコール)よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらを用いることにより、殻体10を形成し易くなり、また、形成された殻体10の安定性を向上させることができる。
また、殻体10の内包物15の内包率は、10〜50重量%程度であるのが好ましく、20〜50重量%程度であるのがより好ましく、25〜40重量%程度であるのがさらに好ましい。内包率を前記範囲とすることにより、適度な厚さを有する殻体10とすることができる。このため、樹脂組成物の保存時等に殻体10から内包物15が染みだし、硬化性成分Bが部分的に硬化するのを防止することができるとともに、必要時には、殻体10を容易かつ確実に崩壊させることができる。
このような殻体10は、例えば、コアセルベーション法、界面重合法、イン・サイチュ法等を用いることにより作成することができる。かかる方法を用いることにより、イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15として内包した状態の殻体10が得られる。なお、内包物15は、粉末状、顆粒状のような固体状であってもよく、液状であってもよい。例えば、内包物15が液状である場合、内包物15には、殻体10を作成する際に、イソシアネート硬化剤Aを溶解または分散するための液剤が含まれることがある。
本実施形態では、硬化性成分Bは、流体20中に溶解または分散している。かかる硬化性成分Bは、イソシアネート硬化剤Aとの重合(架橋)反応により100℃以下の温度で硬化するのが好ましく、75℃以下の温度で硬化するのがより好ましく、25℃(室温)以下の温度で硬化するのがさらに好ましい。かかる硬化性成分Bを用いることにより、注入剤(樹脂組成物)100を、比較的浅い箇所に位置する地下層から炭化水素を回収する場合に、特に好適に使用することができる。また、このように、硬化性成分Bが比較的低い温度でイソシアネート硬化剤Aとの反応により硬化するとしても、本発明の樹脂組成物(注入剤100)では、イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとが殻体10により分別された状態で存在しているため、殻体10が崩壊する前では、硬化性成分Bの硬化を的確に防止することができる。
かかる硬化性成分Bは、ポリオール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。これらの成分は、イソシアネート硬化剤Aとの反応により、室温程度の温度で容易に硬化するため、特に本発明での使用に適する。また、これらの成分を用いることにより、表面層3に特に高い機械的強度を付与することができる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、その他の各種ポリオール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールおよびポリカーボネートポリオールよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらのポリオールは、イソシアネート硬化剤Aとの反応性が特に高い。
フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、アルキレンエーテル化レゾール型フェノール樹脂、ジメチレンエーテル型フェノール樹脂、アミノメチル型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂、アルキレンエーテル化レゾール型フェノール樹脂、ジメチレンエーテル型フェノール樹脂およびアミノメチル型フェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらのフェノール樹脂は、イソシアネート硬化剤Aとの反応性が特に高い。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらのエポキシ樹脂は、イソシアネート硬化剤Aとの反応性が特に高い。
一方、イソシアネート硬化剤Aは、硬化性成分Bに対して、これに重合(架橋)可能な重合モノマー(架橋剤)でる。イソシアネート硬化剤Aとしては、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、イソシアネート硬化剤Aは、脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらのイソシアネート硬化剤Aは、硬化性成分Bとの反応性が極めて高い。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート等が挙げられる。
一方、芳香族ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタレン−1、5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
なお、殻体10の構成材料としては、上述した高分子の中でも、特に、硬化性成分Bの粒子2に対する親和性より、粒子2に対する親和性が高い高分子を選択するのが好ましい。かかる高分子を用いることにより、その殻体10に対する親和性が好適に発揮され、硬化性成分Bの分子を粒子2の外表面付近に集めることができる。その結果、粒子2を地下層中に形成された亀裂に充填した際に、粒子2を硬化性成分Bの硬化物でより確実に被覆して、表面層3で粒子2の外表面の全体および/または一部が被覆されてなる被覆粒子1とすることができる。なお、粒子2に対する親和性は、例えば、表面張力、接触角等により評価することができる。
また、イソシアネート硬化剤Aのイソシアネート当量をXとし、硬化性成分Bのイソシアネート硬化剤Aと反応する反応性官能基1個当たりの硬化性成分Bの分子量をYとしたとき、イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとの配合比は、0.8X/Y〜1.2X/Y程度であることが好ましく、0.9X/Y〜1.1X/Y程度であることがより好ましい。イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとの配合比を上記範囲の値に設定することにより、注入剤100を地下層中に形成された亀裂に注入した際に、硬化性成分Bを硬化させ得る十分な量のイソシアネート硬化剤Aを確保することができる。
本実施形態では、イソシアネート硬化剤A(イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15)が殻体10に内包されている。しかしながら、本発明では、イソシアネート硬化剤Aおよび硬化性成分Bの少なくとも一方が、殻体に内包されていればよい。したがって、イソシアネート硬化剤Aの代わりに硬化性成分Bを含有する内包物15が殻体10に内包されていてもよい。また、図4および図5に示すように、注入剤100は、イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15を内包する殻体10と、硬化性成分Bを含有する内包物16を内包する殻体11とを含んでいてもよい。
なお、イソシアネート硬化剤Aを殻体に内包するようにすれば、イソシアネート硬化剤Aの加水分解を防ぎ、高いレベルで硬化性成分Bとの反応性(低温硬化性)を維持することができる。
このような樹脂組成物の含有量は、100重量部の粒子2に対して1〜20重量部程度であるのが好ましく、1〜15重量部程度であるのがより好ましく、5〜15重量部程度であるのがさらに好ましい。注入剤100が上記範囲の量で樹脂組成物を含んでいれば、地下層中に形成された亀裂に粒子2を充填する際に、大部分の粒子2の外表面に確実に表面層(被覆層)3を形成することができる。
注入剤100を調製するために用いられる流体20としては、地下層に亀裂を形成する際に用いられるのと同一の流体が好ましい。かかる流体20の25℃における粘度は、10〜500mPa・s程度であることが好ましく、15〜300mPa・s程度であることがより好ましく、20〜100mPa・s程度であることがさらに好ましい。このような粘度の流体20を用いることにより、亀裂を確実に形成することができる。また注入剤100中における粒子2の分散性を高め、粒子2を効率よく亀裂にまで移送および充填することができる。
このような流体20は、水を主成分とし、ゲル化剤、電解質のような化合物を含むことが好ましい。このような化合物を用いることにより、流体20の粘度を前述のような範囲の値に容易かつ確実に調製することができる。
ゲル化剤としては、例えば、セルロース、グァーガムまたはこれらの誘導体(ハイドロキシエチル誘導体、カルボキシメチルハイドロキシエチル誘導体)のような多糖類が好適に用いられる。なお、このような多糖類の重量平均分子量は、100,000〜5,000,000程度であるのが好ましく、500,000〜3,000,000程度であるのがより好ましい。
また、電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム等が挙げられる。なお、流体は、天然に存在する電解質水溶液(例えば、海水、ブライン溶液)に、ゲル化剤等を添加することにより調整することもできる。
次に、地下層から炭化水素を回収する方法について説明する。
図6は、地下層から炭化水素を回収する方法を説明するための概念図である。
なお、以下では、イソシアネート硬化剤Aを含有する内包物15が殻体10に内包され、硬化性成分Bが流体20に含まれている場合を一例に説明する。
[1]まず、図6に示すように、地表Sから、炭化水素を含有する目的の地下層Lにまで、鉛直方向に掘削穴91を掘り進める。その後、掘削穴91が地下層Lに到達したら、掘削方向を変更して、掘削穴91を地下層L内の水平方向に、所定の距離で堀り進める。
[2]次に、流体を、所定の速度および圧力で掘削穴91を介して地下層Lに注入する。このとき、流体が地下層Lの脆弱な部分を徐々に破壊し、掘削穴91に連通する複数の亀裂92が地下層L中に形成される。
[3]続いて、流体に代えて、前述したような注入剤100を所定の速度および圧力で掘削穴91を介して地下層Lに注入する。このとき、注入剤100が各亀裂92に注入され、各亀裂92に複数の粒子2が充填される。
また、注入剤100を亀裂92に注入する際の圧力および/または地中の温度を要因として、殻体10が崩壊する。これにより、イソシアネート硬化剤Aが殻体10から放出され、硬化性成分Bと接触する。このとき、イソシアネート硬化剤Aとの重合(架橋)反応により硬化性成分Bが硬化するとともに、その硬化物(イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとの共重合体)で粒子2の外表面が被覆され、被覆粒子1が生成する。
なお、殻体10は、注入剤100が亀裂92へ注入される前段階、すなわち掘削穴91等を注入剤100が通過する際には崩壊することなく、亀裂92に注入された際の温度、圧力等の条件により初めて崩壊するよう設計されている。注入剤100が亀裂92に注入される前段階では、殻体10内にイソシアネート硬化剤Aが内包されているため、硬化性成分Bの硬化が防止され、注入剤100を亀裂92へ注入する際の殻体10の崩壊により、イソシアネート硬化剤Aと硬化性成分Bとが接触して、亀裂92内において硬化性成分Bの硬化が開始する。
なお、この工程[3]は、注入剤100中の粒子2および/または樹脂組成物の量を徐々に増加させて行うことが好ましい。これにより、粒子2(被覆粒子1)を各亀裂92に確実かつ高密度で充填することができる。
以上のような工程[1]〜[3]が、本発明の充填方法に相当する。
このようにして、各亀裂92に被覆粒子1が充填されることにより、各亀裂92が地中の圧力により閉塞することを防止することができる。これにより、地下層Lからの掘削穴91への炭化水素の流入効率を高め、炭化水素の回収効率を向上させることができる。
[4]次に、地表Sに設置されたポンプPにより各亀裂92および掘削穴91を介して、地下層Lから炭化水素を回収する。
なお、注入剤100を用いて、前記工程[2]および[3]を同時に行ってもよい。すなわち、地下層L中に複数の亀裂92を形成しつつ、各亀裂92に複数の粒子2を充填するようにしてもよい。
以上、本発明の樹脂組成物、注入剤および充填方法を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
1.カプセル化イソシアネート硬化剤およびカプセル化硬化性成分の作成
まず、ヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアネート硬化剤)と、重量平均分子量が10,000のポリ乳酸とを用意し、コアセルベーション法により、ほぼ球形のカプセル化イソシアネート硬化剤を作成した。
別途、ポリエーテルポリオール(硬化性成分)と、重量平均分子量が8,000のポリブチレンサクシネートとを用意し、コアセルベーション法により、ほぼ球形のカプセル化硬化性成分を作成した。なお、ポリエーテルポリオールは、ヘキサメチレンジイソシアネートとの重合反応により、100℃以下の温度においても硬化を開始する。
得られたカプセル化イソシアネート硬化剤において、カプセル(殻体)の平均粒径は、2.5μm、カプセルの平均厚さは、0.25μm(カプセルの外径(最大粒径)に対するカプセルの厚さは、1/10)、カプセルのヘキサメチレンジイソシアネートの内包率は、80重量%であった。
また、得られたカプセル化硬化性成分において、カプセル(殻体)の平均粒径は、1.8μm、カプセル(殻体)の平均厚さは、0.06μm(カプセルの外径(最大粒径)に対するカプセルの厚さは、1/30)、カプセルのポリエーテルポリオールの内包率は、60重量%であった。
2.樹脂組成物の作成
カプセル化イソシアネート硬化剤と、カプセル化硬化性成分とを、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート当量Xとポリエーテルポリオールの水酸基1個当たりのポリエーテルポリオールの分子量Yとの比が1となるように混合して、樹脂組成物を作成した。
3.注入剤の作成
水圧破砕法に用いられる液体(流体)に、平均粒径250μmの砂粒子と、樹脂組成物とを混合して、注入剤を作成した。
なお、砂粒子の含有量は、9重量%、樹脂組成物の含有量は、粒子100重量部に対して5重量部とした。
4.樹脂組成物の硬化性評価
得られた注入剤を、圧力6,000psiかつ温度80℃の条件で加熱・加圧した。その結果、砂粒子の外表面がヘキサメチレンジイソシアネートとポリエーテルポリオールとの共重合体(硬化物)で被覆されることが確認された。
1 被覆粒子
2 粒子
3 表面層
10、11 殻体
D 最大粒径
t 平均厚さ
15、16 内包物
A イソシアネート硬化剤
B 硬化性成分
20 流体
100 注入剤
91 掘削穴
92 亀裂
L 地下層
P ポンプ
S 地表

Claims (21)

  1. 地下層中に形成された亀裂に充填される粒子の外表面の少なくとも一部を被覆する表面層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
    イソシアネート硬化剤と、該イソシアネート硬化剤との反応により硬化する、ポリオール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の硬化性成分とを含有し、
    前記イソシアネート硬化剤および前記硬化性成分の少なくとも一方が、殻体に内包されることにより、前記イソシアネート硬化剤と前記硬化性成分とが分別された状態で存在していることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記殻体は、圧力6,000psiかつ温度30〜120℃の条件で崩壊する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記殻体の平均粒径は、0.1〜100μmである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記殻体の平均厚さは、前記殻体の最大粒径の1/4〜1/100である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記殻体は、生分解性高分子および親水性高分子よりなる群から選択される少なくとも1種の高分子を主成分として含む材料で構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記高分子の重量平均分子量は、1,000〜500,000である請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記生分解性高分子は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリブチレンサクシネートよりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項5または6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記親水性高分子は、ポリビニルアルコールおよびそのエステル誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項5ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記殻体の前記イソシアネート硬化剤または前記硬化性成分の内包率は、10〜50重量%である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記硬化性成分は、100℃以下の温度で前記イソシアネート硬化剤と反応することにより硬化する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 前記イソシアネート硬化剤は、脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールおよびポリカーボネートポリオールよりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. 前記フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂、アルキレンエーテル化レゾール型フェノール樹脂、ジメチレンエーテル型フェノール樹脂およびアミノメチル型フェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  15. 前記イソシアネート硬化剤のイソシアネート当量をXとし、前記硬化性成分の前記イソシアネート硬化剤と反応する反応性官能基1個当たりの前記硬化性成分の分子量をYとしたとき、前記イソシアネート硬化剤と前記硬化性成分との配合比は、0.8X/Y〜1.2X/Yである請求項1ないし14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  16. 前記イソシアネート硬化剤が前記殻体に内包されている請求項1ないし15のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  17. 地下層中に形成された亀裂に注入される注入剤であって、
    前記亀裂に充填される粒子と、
    請求項1ないし16のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、
    前記粒子および前記樹脂組成物を前記亀裂に移送するための流体とを含むことを特徴とする注入剤。
  18. 前記粒子の平均粒径は、100〜3,000μmである請求項17に記載の注入剤。
  19. 前記粒子の含有量は、5〜50重量%である請求項17または18に記載の注入剤。
  20. 前記樹脂組成物の含有量は、前記粒子100重量部に対して1〜20重量部である請求項17ないし19のいずれか1項に記載の注入剤。
  21. 請求項17ないし20のいずれか1項に記載の注入剤を地下層中に形成された亀裂に、前記地下層に至る掘削穴を介して移送し、前記注入剤を前記亀裂に注入することにより、前記粒子を前記亀裂に充填する充填方法であって、
    前記注入剤を前記亀裂に注入する際の圧力および/または地中の温度を要因として、前記殻体を崩壊させることにより、前記イソシアネート硬化剤と前記硬化性成分とを接触させ、これらを反応させることにより前記硬化性成分を硬化させるとともに、その硬化物で前記粒子の外表面の少なくとも一部を被覆することを特徴とする充填方法。
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