以下、本発明の遊技機を手段として区分して示し、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技が実行される遊技実行領域を備えた遊技機本体(遊技盤15を含む本体枠12)と、
前記遊技実行領域に設けられるとともに第1識別情報(LEDの表示色、貝キャラクタ)を変化表示する第1識別情報表示手段(第1特定ランプ部43a、第1副表示領域Ga)と、
前記遊技実行領域に設けられるとともに第2識別情報(LEDの表示色、貝キャラクタ)を変化表示する第2識別情報表示手段(第2特定ランプ部43b、第2副表示領域Gb)と、
前記遊技実行領域に設けられた第1作動口(上側作動口35a)を遊技球が通過した場合、情報(大当たり乱数カウンタC1等のカウンタ値)を取得する第1情報取得手段(情報取得処理機能S305)と、
前記遊技実行領域に設けられた第2作動口(下側作動口35b)を遊技球が通過した場合、情報(大当たり乱数カウンタC1等のカウンタ値)を取得する第2情報取得手段(情報取得処理機能S305)と、
前記各情報取得手段の取得した情報を用いて当たり外れの判定を行う判定手段(大当たり判定機能S901)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記第1識別情報又は前記第2識別情報の変化表示を行うとともに、前記第1情報取得手段の取得した情報を用いた判定結果が当たりの場合には第1特定識別情報(赤色又は緑色のLED表示色、貝殻部が開いた状態の貝キャラクタ)を前記第1識別情報表示手段に最終停止表示するように、前記第2情報取得手段の取得した情報を用いた判定結果が当たりの場合には第2特定識別情報(赤色又は緑色のLED表示色、貝殻部が開いた状態の貝キャラクタ)を前記第2識別情報表示手段に最終停止表示するように、対応する識別情報表示手段を表示制御する識別情報制御手段(特定ランプ部切り替え処理機能S705,S708,S709、サブ制御装置65)と、
前記判定手段の判定結果が当たりであって前記第1特定識別情報又は前記第2特定識別情報を最終停止表示した場合、遊技状態を通常遊技状態より遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)に移行させる特別遊技状態移行手段(遊技状態移行処理機能S606)と
を備えた遊技機において、
前記判定手段、前記第1情報取得手段の取得した情報を保留記憶する第1保留記憶手段(第1特定ランプ部用保留エリアRa)、及び前記第2情報取得手段の取得した情報を保留記憶する第2保留記憶手段(第2特定ランプ部用保留エリアRb)を有し、遊技に関わる主要な制御を行う主制御手段と、
前記第1保留記憶手段が前記情報を保留記憶した場合に第1保留情報(赤色点灯)を表示し、前記第2保留記憶手段が前記情報を保留記憶した場合に第2保留情報(青色点灯)を表示する保留状況表示手段(図柄表示装置41)と、
前記主制御手段の配下で前記保留状況表示手段を表示制御する従制御手段(サブ制御装置65及び表示制御装置62)と
を設け、
前記識別情報制御手段を、一方の識別情報の変化表示を行っている場合には他方の識別情報の変化表示を行わない構成とし、
前記従制御手段は、前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段が情報を保留記憶した保留記憶順序を記憶する順序記憶手段(順序記憶エリアSA)を備えることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、一方の識別情報の変化表示が行われている場合には他方の識別情報の変化表示が行われないため、遊技機の処理負荷が集中することを抑制しつつ、識別情報の変化表示に対する遊技者の注意が分散することを回避することが可能となる。また、判定手段、第1保留記憶手段及び第2保留記憶手段を有し、遊技に関わる主要な制御を行う主制御手段と、該主制御手段の配下で保留状況表示手段の表示制御を行う従制御手段とを設けたため、主制御手段の処理負荷を低減させることが可能となる。
さらに、従制御手段には、第1保留記憶手段と第2保留記憶手段が情報を保留記憶した保留記憶順序を記憶する順序記憶手段を設けたため、主制御手段の処理負荷が増大化することを抑制しつつ、順序記憶手段の記憶結果に基づいて保留状況表示手段を表示制御することが可能となる。
以上の結果、遊技機の処理負荷が集中することを抑制しつつ、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
手段2.上記手段1において、前記従制御手段は、前記順序記憶手段の記憶結果に基づいて前記保留状況表示手段を表示制御することを特徴とする遊技機。
手段2によれば、従制御手段は、順序記憶手段の記憶結果に基づいて保留状況表示手段を表示制御するため、主制御手段の処理負荷が増大化することを抑制しつつ、各保留記憶手段の保留記憶状況に関する表示を多様化させることが可能となる。
手段3.上記手段1又は手段2において、前記従制御手段は、前記各保留記憶手段が共に前記情報を保留記憶している場合、前記順序記憶手段の記憶結果に基づいて、これら保留記憶手段の保留記憶した順序を示唆できるように前記第1保留情報と前記第2保留情報を表示させるべく前記保留状況表示手段を表示制御する保留情報表示手段(加算表示処理機能及び減算表示処理機能)を備えることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、各保留記憶手段が共に情報を保留記憶している場合、これら保留記憶手段の保留記憶した順序を示唆できるように第1保留情報と第2保留情報が表示される。かかる構成とすることにより、保留状況表示手段に表示されている保留情報を通じて、各保留記憶手段の保留状況のみならずその保留記憶順序をも遊技者に把握させることが可能となる。また、遊技者は、保留記憶順序を通じて、遊技球を所定の位置へ飛翔させた場合にいずれの作動口を遊技球が通過し易いか等の情報を把握することが可能となる。このように、各保留記憶手段の保留状況のみならず、遊技球が作動口を通過する通過し易さに関する情報についても保留状況表示手段を通じて遊技者に把握させることが可能な構成とすることにより、各種情報を把握しようとした結果として遊技者の注意が分散することを回避することが可能となり、遊技者を識別情報の変化表示に注視させることが可能となる。
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記保留状況表示手段に、前記第1保留情報及び前記第2保留情報を表示する保留情報表示領域(第1表示部a1〜a4及び第2表示部b10〜b44、h1〜h8)と、前記第1識別情報又は前記第2識別情報が変化表示されていることを示す変化情報を表示する変化情報表示領域(共通表示部ab0)と、を別個に設け、前記従制御手段は、前記識別情報制御手段が前記識別情報の変化表示を開始する場合に、対応する保留情報を前記変化情報表示領域に向けて移動表示させるべく前記保留状況表示手段を表示制御する移動表示手段(移動表示処理機能S1405,S1414,S1903,S1913)を備えることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、保留状況表示手段には、第1保留情報及び第2保留情報が表示される保留情報表示領域と、第1識別情報又は第2識別情報が変化表示されていることを示す変化情報が表示される変化情報表示領域とが別個に設けられている。また、識別情報の変化表示が開始される場合には、対応する保留情報が変化情報表示領域に向けて移動するように表示される。かかる構成とすることにより、移動表示される保留情報を通じて、いずれの識別情報が変化表示されるのかを遊技者に把握させることが可能となる。
手段5.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記従制御手段は、前記第2保留情報を前記第1保留情報と異なる表示態様で表示するように前記保留状況表示手段を表示制御することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、第1保留情報と第2保留情報は異なる表示態様で表示されるため、各保留記憶手段の保留記憶数を別個に把握させることが可能となる。故に、各保留記憶手段の保留記憶数を容易に把握させることが可能となる。
手段6.上記手段4において、前記従制御手段は、前記第2保留情報を前記第1保留情報と異なる表示態様で表示するように前記保留状況表示手段を表示制御するものであって、前記移動表示手段が前記第1保留情報又は前記第2保留情報を前記変化情報表示領域に向けて移動表示させた場合、前記変化情報表示領域に前記移動表示手段が移動表示させた保留情報と同じ表示態様の変化情報を表示させるべく前記保留状況表示手段を表示制御する変化情報表示手段(共通表示部点灯表示処理機能S1406,S1415,S1904,S1914)を備えることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、第1保留情報と第2保留情報は異なる表示態様で表示されるため、各保留記憶手段の保留記憶数を別個に把握させることが可能となる。故に、各保留記憶手段の保留記憶数を容易に把握させることが可能となる。また、第1保留情報又は第2保留情報を変化情報表示領域に向けて移動表示された場合には、この移動表示された保留情報と同じ表示態様の変化情報が変化情報表示領域に表示される。かかる構成とすることにより、現在行われている識別情報の変化表示がいずれの保留記憶手段に保留記憶された情報に基づくものであるのかを、変化情報の表示態様から把握させることが可能となる。
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記判定手段は、前記第1保留記憶手段及び前記第2保留記憶手段に保留記憶されている情報のうち最初に保留記憶された情報を用いて当たり外れの判定を行うことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、第1保留記憶手段及び第2保留記憶手段に保留記憶されている情報のうち最初に保留記憶された情報を用いて当たり外れの判定が行われ、対応する識別情報の変化表示が行われる。つまり、識別情報の変化表示は、第1保留記憶手段と第2保留記憶手段が情報を保留記憶した保留記憶順序に基づいて行われる。かかる構成を上記手段1乃至手段6のいずれかの構成に適用することにより、第1識別情報又は第2識別情報の変化表示を開始させる際に、いずれの保留記憶手段の保留記憶数が減少したのか等の情報を主制御手段から従制御手段に対して送信せずとも、従制御手段側で独自に第1保留情報又は第2保留情報の表示を変更することが可能となる。故に、主制御手段の処理負荷を好適に低減させることが可能となる。
手段8.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第2保留記憶手段が前記情報を保留記憶しているか否かを把握する保留状況把握手段(保留記憶数把握処理機能S1601)を備え、前記判定手段は、前記第2保留記憶手段が前記情報を保留記憶していることを前記保留状況把握手段が把握した場合、前記第1保留記憶手段と前記第2保留記憶手段の保留記憶順序に関わらず前記第2保留記憶手段が保留記憶している情報を用いて当たり外れの判定を行うことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、第2保留記憶手段に情報が保留記憶されている場合、第1保留記憶手段と第2保留記憶手段の保留記憶順序に関わらず第2保留記憶手段に保留記憶されている情報を用いて当たり外れの判定が行われ、第2識別情報の変化表示が行われる。つまり、識別情報の変化表示は、第2識別情報の変化表示が第1識別情報の変化表示より優先して行われる。かかる構成を上記手段1乃至手段6のいずれかの構成に適用することにより、第1識別情報又は第2識別情報の変化表示を開始させる際に、いずれの保留記憶手段の保留記憶数が減少したのか等の情報を主制御手段から従制御手段に対して送信せずとも、従制御手段側で独自に第1保留情報又は第2保留情報の表示を変更することが可能となる。故に、主制御手段の処理負荷を好適に低減させることが可能となる。
手段9.上記手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記従制御手段は、前記順序記憶手段として、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかを纏めて記憶する順序記憶領域を備えることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかを順序記憶領域に纏めて記憶する構成としたため、従制御手段の記憶容量の増大化や処理負荷の増大化を抑制することが可能となる。
手段10.上記手段9において、前記順序記憶領域はバイト単位で構成されるものであって、当該順序記憶領域はビット単位で構成される第2順序記憶領域(第1エリア〜第8エリア)を複数含み、前記各第2順序記憶領域にいずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかを記憶させる構成としたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、順序記憶領域はバイト単位で構成されており、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかは、順序記憶領域のビット単位で構成される第2順序記憶領域に記憶される。したがって、第2順序記憶領域を1ビットで構成すれば、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかを1バイトの増加のみで最大8個まで記憶させることができ、第2順序記憶領域を2ビットで構成したとしても、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかを1バイトの増加のみで最大4個まで記憶させることができる。故に、記憶容量の増大化を好適に抑制することが可能となる。
手段11.上記手段10において、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかを前記各第2順序記憶領域に所定順(下位ビットから上位ビットへの向き)に記憶させ、前記判定手段がいずれかの保留記憶手段に保留記憶されている情報を用いる場合には、前記各第2順序記憶領域に記憶されている記憶結果を前記所定順と逆順(上位ビットから下位ビットへの向き)にシフトさせる構成としたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、いずれの保留記憶手段が情報を保留記憶したかは各第2順序記憶領域に所定順に記憶され、判定手段がいずれかの保留記憶手段に保留記憶されている情報を用いる場合には、各第2順序記憶領域に記憶されている記憶結果が所定順と逆順にシフトされる。かかる構成とすることにより、各第2順序記憶領域に記憶されている記憶結果と、各保留記憶手段が情報を保留記憶した順序とを一致させることができる。故に、比較的簡易な構成で各保留記憶手段が情報を保留記憶した順序を記憶することが可能となる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前扉枠13を開いた状態の斜視図、図4はパチンコ機10の本体枠12を開いた状態の斜視図である。なお、図1〜図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図4に示すように、パチンコ機10は、取付対象としての外枠11を備えており、該外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方に開放できるようになっている。なお、外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。
本体枠12の前面側には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方に開放できるようになっている。前扉枠13には、その中央部に略円形状の窓部14が形成されている。本体枠12には、窓部14と対応する位置に、遊技盤15が着脱可能に装着されている。そして、遊技盤15の前面部の略中央部分だけが前扉枠13の窓部14を通じて視認可能な状態となっている。本実施の形態では、これら本体枠12、前扉枠13、遊技盤15等により遊技機本体が構成されている。
前扉枠13には、手前側へ膨出した第1膨出部16が窓部14の下方に設けられており、その第1膨出部16内側には、上方に開口した上皿17が設けられている。上皿17は、第1払出口18より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)へ導くための球受皿である。第1膨出部16には、上皿17の下流側に球抜きスイッチ19が設けられるとともに、上皿17の前方に貸球操作部20が配設されている。球抜きスイッチ19は、上皿17に貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。貸球操作部20には、球貸しボタン21と、返却ボタン22と、度数表示部23とが設けられている。球貸しボタン21は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン22は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部23は、カード等の残額情報を表示するものである。また、第1膨出部16の前面側中央部には、遊技者により操作可能なプッシュ式の選択スイッチ24が設けられている。選択スイッチ24には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で選択スイッチ24を操作された場合、図柄表示装置41の表示モードが変更されるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、手前側へ膨出した第2膨出部25が設けられており、その第2膨出部25内側には、上方に開口した下皿26が設けられている。下皿26は、第2払出口27より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿26には、例えば球抜きレバー19を操作された場合、上皿17に貯留された遊技球が第2払出口27より排出されるようになっている。第2膨出部25前面側には、下皿26に貯留された遊技球を下方に排出するための球抜きレバー28が設けられている。また、第2膨出部25の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル29が設けられている。遊技球発射ハンドル29は、本体枠12の背面側に設けられた遊技球発射装置30(図4参照)に連結されており、上皿17に貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル29を回転させることにより、遊技盤15に形成された遊技領域に向けて発射される。
次に、遊技盤15の構成を図5に基づいて説明する。遊技盤15には、遊技球発射装置30より発射された遊技球を遊技盤15上部に案内する内レール31と外レール32が設けられている。内レール31は右上方の約1/2ほどを除いて略半円環状に形成され、外レール32は内レール31の上方開放領域を囲むようにかつ内レール31の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。本実施の形態では、遊技盤15のうち内レール31と外レール32によって囲まれた領域が、遊技球の流下可能な遊技領域となっている。
遊技盤15には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。遊技盤15の表面には、各開口部と対応する位置に、一般入賞口33、可変入賞装置34、作動口装置35、スルーゲート36及び可変表示ユニット37等がそれぞれ取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット37が遊技盤15の略中央に配置され、その下方に作動口装置35が配置され、さらにその下方に可変入賞装置34が配置されている。また、可変表示ユニット37の左右両側にスルーゲート36が配置され、遊技盤15の下部両側に一般入賞口33がそれぞれ複数配置されている。
作動口装置35には、上側作動口35aと下側作動口35bとが設けられ、更に下側作動口35bには左右一対の可動片よりなる電動役物35cが設けられている。また、作動口装置35には電動役物35cを開放するための作動口ソレノイド(図示略)が設けられており、電動役物35cは、当該作動口ソレノイドの励磁状態が切り替わることで閉鎖状態(通常状態)と開放状態とが切り替わるようになっている。その詳細を図6に示す。図6の(a)は電動役物35cが閉鎖状態にある場合を、(b)は電動役物35cが開放状態にある場合を図示している。作動口ソレノイドが励磁されていない場合、電動役物35cたる左右両可動片は、図6(a)に示すように下側作動口35bを閉鎖するよう起立した状態で保持される。一方、作動口ソレノイドが励磁された場合には、左可動片が左方へと傾動すると共に右可動片が右方へと傾動し、図6(b)に示すように下側作動口33bが開放される。その後、作動口ソレノイドの励磁が終了すると、左右両可動片が上下方向に起立した状態に復帰して下側作動口35bが閉鎖される。また、上側作動口35aを構成する作動口ケース35dは、手前側に張り出すと共に正面から見て横長矩形状をなしている。作動口ケース35dの左右幅(すなわち上側作動口35aの左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さであって、電動役物35cが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物(可動片)35c間の距離よりも大きい長さとされている。さらに、作動口装置35は、電動役物35cが閉鎖状態にある場合に作動口ケース35dの下部と電動役物35cの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう、両作動口35a,35bの設置間隔が調整されている。このため、電動役物35cの閉鎖状態では遊技球が下側作動口35bに入賞できず、電動役物35cが開放状態となった場合に限って遊技球が下側作動口35bに入賞可能となる。
前記一般入賞口33、可変入賞装置34及び作動口35a,35bに遊技球が入賞すると、遊技盤15の背面側に設けられた検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿17(場合によっては下皿26)に対し所定数の賞球が払い出される。また、上側作動口35aと下側作動口35bでは、遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数が相違するようになっており、上側作動口35aに入賞した場合には3個の賞球が払い出され、下側作動口35bに入賞した場合には5個の賞球が払い出されるようになっている。
その他に、遊技盤15の最下部にはアウト口38が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口38を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤15には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車39等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット37には、作動口35a,35bへの入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット37には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の右上部には、所定の識別情報を表示するための第1特定ランプ部43aと第2特定ランプ部43bが横並びの状態で設けられている。センターフレーム42の左上部には、役物ランプ部44と、該役物ランプ部44に対応した役物保留ランプ45が設けられている。遊技球がスルーゲート36を通過した回数は最大4回まで保留され、役物保留ランプ45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の左下部には、第1特定ランプ部43a及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ46aが設けられており、センターフレーム42の右下部には、第2特定ランプ部43b及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ46bが設けられている。遊技球が作動口35a,35bに入賞した個数はそれぞれ最大4個まで保留され、対応する保留ランプ46a,46bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。すなわち、上側作動口35aに遊技球が入賞した場合には第1保留ランプ46aが点灯され、下側作動口35bに遊技球が入賞した場合には第2保留ランプ46bが点灯されるようになっている。
図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置62により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示された場合には、大当たり発生としてそれ以降の遊技状態が特別遊技状態としての大当たり状態に移行する。また、図柄表示装置41には、各作動口35a,35bに遊技球が入賞した順序を把握可能に各保留個数が表示されるようになっている。これら図柄の変動表示及び各保留個数の表示については、後に詳細に説明することとする。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置の他に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部43a及び第2特定ランプ部43bには、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDが配設されている。各特定ランプ部43a,43bは、対応する作動口35a,35bへの入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。第1特定ランプ部43aを例として具体的に説明すると、上側作動口35aへの入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部43aには、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たり発生としてそれ以降の遊技状態が大当たり状態に移行し、青色が停止表示された場合には、大当たり発生とならず大当たり状態に移行しない。第2特定ランプ部43bについても同様であり、下側作動口35bへの入賞をトリガとして、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たり発生としてそれ以降の遊技状態が大当たり状態に移行し、青色が停止表示された場合には、大当たり発生とならず大当たり状態に移行しない。これら発光色の切り替えに関しては、後に詳細に説明することとする。
役物ランプ部44には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDが配設されている。この役物ランプ部44は、スルーゲート36の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート36を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、役物ランプ部44には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、下側作動口35bに設けられた電動役物35cが開放状態に切り替えられるようになっている。電動役物35cは、予め定めた閉鎖条件が成立するまで開放状態が継続されるようになっている。なお、電動役物35cの閉鎖条件については後述することとする。
可変入賞装置34は、通常状態において遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、大当たり状態に移行すると遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り替えられるようになっている。より詳しくは、可変入賞装置34が開放状態となると、可変入賞装置34の大入賞口に遊技球が入賞し易い状態となる。そして、可変入賞装置34は、開放時間(例えば29.5秒)の経過又は所定数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合に閉鎖状態に切り替えられる。大当たり状態は、可変入賞装置34が開閉されたことを1ラウンドとして、15ラウンドの開閉が行われるまで継続する。なお、可変入賞装置34の閉鎖状態を、遊技球が入賞できない状態ではなく遊技球が入賞し難い状態としてもよい。
前扉枠13の説明に戻り、前扉枠13にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり状態下や所定のリーチ演出時等において点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14の上部周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した電飾部51が設けられ、電飾部51の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部52が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部52が大当たりランプとして機能し、大当たり状態下で点灯や点滅を行うことにより大当たり状態に移行していることを報知する。また、第1膨出部16にも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部53が設けられている。さらに、前扉枠13には、電飾部51を挟むようにして左右一対のスピーカカバー部54が形成されており、当該スピーカカバー部54の後方に設置されたスピーカ55の出力音がスピーカカバー部54を通じて前方に発せられるようになっている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図7は遊技盤15の背面図、図8はパチンコ機10の背面図である。なお、理解を容易なものとするため、先ず遊技盤15の背面の構成を説明する。
遊技盤15の背面側には、可変表示ユニット37及び図柄表示装置41を覆うようにして合成樹脂製のフレームカバー61が設けられており、そのフレームカバー61の後端(図7においては手前側)には、図柄表示装置41と前後に重なるようにして表示制御装置62が着脱可能に取り付けられている。また、フレームカバー61には、表示制御装置62を覆うようにしてサブ制御装置ユニット63が取り付けられている。サブ制御装置ユニット63は、取付台64を有し、該取付台64にサブ制御装置65が搭載されている。サブ制御装置65は、後述する主制御装置71からの指令に基づいて、表示制御装置62や電飾部51等の制御を行う。サブ制御装置ユニット63は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて遊技盤15の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、サブ制御装置ユニット63によって覆われることとなる表示制御装置62等を容易に確認することを可能とするための工夫である。具体的に説明すると、サブ制御装置ユニット63には遊技盤15の背面から見て右端部に支軸部66が設けられ、その支軸部66による軸線を中心にサブ制御装置ユニット63が回動可能となっている。また、サブ制御装置ユニット63には、支軸部66の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部67が設けられており、この締結部67によってサブ制御装置ユニット63が遊技盤15(フレームカバー61)の裏面に沿った状態で保持されるようになっている。
遊技盤15の裏面であって可変表示ユニット37の下方には、集合板ユニット68が設けられている。集合板ユニット68には、各種入賞口に入賞した遊技球やアウト口38を通過した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
入賞検知機構について簡単に説明すると、集合板ユニット68には、遊技盤15表側の一般入賞口33と対応する位置に入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置34と対応する位置にカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは、可変入賞装置34に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口装置35の上側作動口35aと対応する位置には当該上側作動口35aへの遊技球の入賞を検知する上側作動口スイッチが設けられ、下側作動口35bと対応する位置には当該下側作動口35bへの遊技球の入賞を検知する下側作動口スイッチが設けられている。さらに、スルーゲート36と対応する位置にはスルーゲート36の遊技球の通過を検知するゲートスイッチが設けられている。入賞口スイッチ、ゲートスイッチ及びカウントスイッチは、図示しない中継基板を介して後述する主制御装置71に接続されており、上側作動口スイッチと下側作動口スイッチは、中継基板を介することなく直接主制御装置71に接続されている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置71に取り込まれ、該主制御装置71よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置94に送信される。そして、払出制御装置94の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。
集合板ユニット68の裏面には、主制御装置ユニット69が取り付けられている。主制御装置ユニット69は、主制御取付台70を有し、該主制御取付台70に主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は、遊技に関わる主たる制御を行う。主制御装置ユニット69は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて遊技盤15の裏面に対して展開できる構成となっている。具体的に説明すると、主制御装置ユニット69には遊技盤15の背面から見て左端部に支軸部72が設けられ、その支軸部72による軸線を中心に主制御装置ユニット69が回動可能となっている。また、主制御装置ユニット69には、その右端部すなわち支軸部72の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部73が設けられており、この締結部73によって主制御装置ユニット69が遊技盤15(集合板ユニット68)の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
本体枠12には、上述した遊技盤15が裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数の係止固定具によって後方へ脱落しないように固定されている。また、例えば図4等に示すように、本体枠12の開放端側には、施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠76と、その基枠76に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆77とを備え、基枠76の下部にシリンダ錠78が一体化されている。当該施錠装置75は、シリンダ錠78だけが本体枠12の前方に突出するとともにパチンコ機10前面に露出するように、本体枠12に設けられている。シリンダ錠78は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを一方に回すと外枠11に対する本体枠12の施錠が解除され、キーを他方に回すと本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除されるようになっている。本体枠12には、施錠装置75側の下部に、遊技球発射装置30が設けられている。
本体枠12の背面側には、当該本体枠12を覆うようにして裏セット機構81が取り付けられている。裏セット機構81は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12の裏面に対して展開できる構成となっている。具体的に説明すると、裏セット機構81には本体枠12の背面から見て右端部に支軸部82が設けられ、その支軸部82による軸線を中心に裏セット機構81が回動可能となっている。また、裏セット機構81には、支軸部82の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部83が設けられるとともに、本体枠12には、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部が設けられており、これら締結部83及び係止部によって裏セット機構81が本体枠12の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
裏セット機構81には、遊技盤16の背面側を覆うようにして、より具体的には、サブ制御装置ユニット63と主制御装置ユニット69の一部とを覆うようにして、透明樹脂材料にて成形された防護カバー84が設けられている。
また、裏セット機構81には、防護カバー84を迂回するようにして払出機構部85が配設されている。すなわち、裏セット機構81の最上部には上方に開口した貯留タンク86が設けられており、貯留タンク86には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。貯留タンク86の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール87が連結され、タンクレール87の下流側には、上下方向に延びるケースレール88が連結されている。ケースレール88の下流側には、払出装置89が設けられている。払出装置89は、遊技球を下流側に払い出すための払出モータ、払出モータの回転を検出する払出回転センサ、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチ等を有する。当該払出装置89は、払出制御装置94からの払出指令により払出モータを駆動し、必要個数の遊技球の払出を適宜行う。払出装置89より払い出された遊技球は、図示しない払出通路等を通じて上皿17又は下皿26に供給される。払出装置89の下方には、裏セット中継基板90が設けられている。裏セット中継基板90は、払出制御装置94から払出装置89への払出指令信号を中継する機能と、外部より例えば交流24ボルトの主電源を取り込む機能とを有する。裏セット中継基板90には電源スイッチ91が設けられており、当該電源スイッチ91を切替操作することで電源ONと電源OFFとを切り替えることができる。
裏セット機構81には、防護カバー84の下方に電源・発射制御装置92が設けられている。電源・発射制御装置92は、裏セット機構81が本体枠12の裏面に沿った状態で保持された場合に、主制御装置71の下方に位置するように設けられている。電源・発射制御装置92は、各種制御装置等で要する所定の電源を生成して出力するとともに、遊技球発射ハンドル29が操作された場合に遊技球の打ち出しの制御を行う。また、電源・発射制御装置92には、RAM消去スイッチ93が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。しかしながら、RAM消去スイッチ93を押しながら電源を投入した場合には、RAMデータが初期化されるようになっている。電源・発射制御装置92の背面側には、当該電源・発射制御装置92と前後に重なるようにして払出制御装置94が設けられている。払出制御装置94は、賞球や貸出球を払い出す制御を行う。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。図9では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置71に設けられた主制御基板71aには、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU101が搭載されている。CPU101には、該CPU101により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM102と、そのROM102内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM103と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM103は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置92に設けられた電源・発射制御基板92aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源・発射制御基板92aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電源が供給される。
主制御基板71aのCPU101には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御基板71aの入力側には、主制御装置71に設けられた電源監視基板71b、払出制御装置94に設けられた払出制御基板94a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視基板71bには電源・発射制御基板92aが接続されており、主制御基板71aには電源監視基板71bを介して電源が供給される。
一方、主制御基板71aの出力側には、電源監視基板71b、払出制御基板94a及び中継端子板95が接続されている。払出制御基板94aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。かかる場合に、当該各種コマンドは、ハーネスを介して一方向通信によって出力される(すなわち、コマンドを入力した旨の情報が払出制御基板94aから主制御基板71aに対して出力されない)。また、中継端子板95を介して主制御基板71aからサブ制御装置65に設けられたサブ制御基板65aに対して各種コマンドなどが出力される。加えて、主制御基板71aの出力側には、各特定ランプ部43a,43bに配設されたLEDのスイッチや役物ランプ部44に配設されたLEDのスイッチも接続されている。つまり、各特定ランプ部43a,43bと役物ランプ部44は、主制御基板71aにより直接的に制御されている。なお、図示は省略したが、主制御基板71aの出力側には、可変表示ユニット37の役物保留ランプ45,第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bのそれぞれに配設されたランプスイッチも接続されている。
電源監視基板71bは、主制御基板71aと電源・発射制御基板92aとを中継し、また電源・発射制御基板92aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板94aは、払出装置89を駆動させて賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU111は、そのCPU111により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM112と、ワークメモリ等として使用されるRAM113とを備えている。
払出制御基板94aのRAM113は、主制御基板71aのRAM103と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板92aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータを保持できる構成となっている。また、RAM113における各種のカウンタ等が記憶される作業エリアには、コマンド入力フラグ格納エリアなどといった各種フラグ格納エリアと共に、主制御基板71aから出力されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ113aが設けられている。
コマンドバッファ113aは、主制御基板71aから出力されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ113aにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御基板94aのCPU111には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板94aの入力側には、主制御基板71a、電源・発射制御基板92a、及び裏セット中継基板90が接続されている。また、払出制御基板94aの出力側には、主制御基板71aと裏セット中継基板90が接続されている。この場合に、裏セット中継基板90を介して払出装置89などを含む払出機構部85が接続されている。
電源・発射制御基板92aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御基板71aや払出制御基板94a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部は、裏セット中継基板90を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMのデータ記憶保持用電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びデータ記憶保持用電源を主制御基板71aや払出制御基板94a等に対して供給する。なお、データ記憶保持用電源を生成するとは、データ記憶保持用コンデンサの充電を行うことをいう。
また、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられている。電源部は、RAM消去スイッチ93のスイッチ信号を読み込み、当該スイッチ93の読み込み状態に応じて、主制御基板71aのRAM103に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。すなわち、RAM消去スイッチ93が押された場合、RAM消去スイッチ回路は主制御基板71aに対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチ93が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御基板71aにおいてRAM103のデータがクリアされる。また、この際、主制御基板71aから払出制御基板94aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板94aにおいてもRAM113のデータがクリアされる。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル29の操作に伴って遊技球発射装置30の発射制御を担うものである。遊技球発射装置30に設けられ、遊技球を遊技領域に向けて発射させる発射ソレノイドは、所定の発射条件が成立している場合に駆動される。発射制御の概略を説明すると、発射制御部には、遊技球発射ハンドル29、より詳しくは遊技球発射ハンドル29に設けられた発射スイッチ、タッチセンサ及び止め打ちスイッチが接続されている。発射制御部は、発射スイッチとタッチセンサが共にオン、止め打ちスイッチがオフの状態となった場合に限り、発射許可信号を主制御基板71a(電源監視基板71bを介して)に出力する。主制御基板71aは、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期(本実施の形態では0.6秒)の発射制御信号を発射制御部(電源監視基板71bを介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従って発射ソレノイドを駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル29にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいて発射ソレノイドによる打ち出し速度を決定する。
サブ制御基板65aは、表示制御装置62やスピーカ55、電飾部65の制御を行うものである。サブ制御基板65aは、CPU、ROM及びRAM等を備えており、CPUにはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。サブ制御基板65aの入力側には、中継端子板95を介して主制御基板71aが接続されるとともに、選択スイッチ24が接続されている。サブ制御基板65aは、主制御基板71aから出力される各種コマンドや遊技者による選択スイッチ24の操作に基づいて、表示制御装置62に対して各種コマンドを出力するとともに、スピーカ55、電飾部65の駆動制御を行う。表示制御装置62は、サブ制御基板65aから出力される各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示や各保留個数の表示等を制御する。なお、サブ制御基板65aが表示制御装置62を介することなく図柄表示装置41を直接制御する構成としても良いし、主制御基板71aからの各種コマンドが表示制御装置62に直接入力される構成としても良い。或いは、サブ制御装置65及び表示制御装置62に代えて、前記サブ制御装置の機能と前記表示制御装置の機能とを有する制御装置を設ける構成としても良い。
ここで、電源監視基板71bは、上述したように、電源・発射制御基板92aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。より詳しくは、電源監視基板71bは、電源が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、主制御基板71aのCPU101に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号SG1を出力する。停電信号SG1が入力された場合、主制御基板71aは、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて後述する停電時処理を実行する。なお、NMI端子とは、割込禁止設定をできない割込端子のことをいう。
また、主制御基板71aは、停電時処理において、払出制御基板94aのCPU111に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)へ停電信号SG2を出力する。停電信号SG2が入力された場合、払出制御基板94aは、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。すなわち、本パチンコ機10の場合、払出制御基板94aは、電源監視基板71bから停電信号が直接入力されるのではなく、主制御基板71aを介して停電信号が入力される。さらにいうと、停電信号SG2は払出制御基板94aのNMI端子に入力される構成であるため、停電信号SG2を伝送するための信号線は、賞球コマンドなどといったコマンド信号を伝送するための信号線とは別個に設けられている。
なお、電源・発射制御基板92aは、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。詳細には、電源及び発射制御基板92aには、上述したデータ記憶保持用コンデンサとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからの放電により5ボルト電源が維持されるようになっている。このため、主制御基板71aと払出制御基板94aは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図10、図11に基づいて説明する。図10は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図11は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図10(a)〜(j)に示すように、図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄の右側に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「第1特定図柄」に相当し、当該第1特定図柄で大当たりが発生した場合、遊技状態が大当たり状態に移行するとともに、さらにその後、特定遊技状態としての高確率状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「第2特定図柄」に相当し、当該第2特定図柄で大当たりが発生した場合、大当たり状態には移行するものの、大当たり状態終了後は高確率状態に移行することなく通常状態に移行する。なお、高確率状態とは、大当たり状態の終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変状態のことをいい、通常状態(低確率状態)とはそのような高確率状態でない遊技状態をいう。また、両特定ランプ部43a,43bにおいては、大当たり状態終了後に高確率状態に移行する特定大当たりの場合に第1特定識別情報としての赤色が表示され、大当たり状態終了後に通常状態に移行する非特定大当たりの場合に第2特定識別情報としての緑色が表示される。
次に、図柄表示装置41の表示画面Gについて説明する。図11に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gは、図柄が変動表示される変動表示領域g1と、所定の固定画像(本実施の形態では岩画像)が表示されると共に図柄が変動表示されない固定表示領域g2と、に大別することができる。但し、変動表示領域g1と固定表示領域g2を区分する仕切り線は表示されていないため、これら表示領域g1,g2は1つの表示領域として視認されるようになっている。
変動表示領域g1には、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、上述した主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、変動表示領域g1では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって右から左へとスクロールするように変動表示されるとともに、図柄列毎に3個の図柄が視認可能となるように停止表示される。この結果として、図柄の変動表示が終了した場合には、3×3の計9個の図柄が視認可能に停止表示されるようになっている。
また、変動表示領域g1には、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに大当たり図柄の組み合わせ(本実施の形態では同一主図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たり発生として大当たり動画が表示されるようになっている。また、大当たりの前段階として、上図柄列Z1と下図柄列Z3の同一主図柄がいずれかの有効ラインに停止表示されるとリーチとなり、その後にリーチ演出が行われる。なお以下の説明では便宜上、各主図柄を各々に付された数字で記述することとし、具体的にはそれぞれ「1」図柄、「2」図柄、「3」図柄、・・・「9」図柄と記述する。また、リーチとなった場合の上図柄列Z1と下図柄列Z3の同一主図柄をリーチ図柄と記述し、リーチ図柄が停止した有効ラインをリーチラインと記述する。
表示画面Gには、その左上角隅部すなわち固定表示領域g2側の上角隅部に、第1副表示領域Gaと第2副表示領域Gbが横並びに設定されている。第1副表示領域Gaと第2副表示領域Gbの境界部、及びこれら副表示領域Ga,Gbと固定表示領域g2の境界部には、それぞれの表示領域を区分する仕切り線が表示されている。このため、両副表示領域Ga,Gbは、表示画面Gにおいて明確に区画されている。両副表示領域Ga,Gbには、図柄とは別に周期的に変動表示される貝キャラクタがそれぞれ表示されている。貝キャラクタは、その貝殻部が周期的に開閉を繰り返すように変動表示される。そして、特定大当たりの場合には貝殻部が完全に開放された状態で変動表示が終了され、非特定大当たりの場合には貝殻部が半分開放された状態で変動表示が終了され、外れの場合には貝殻部が閉鎖された状態で変動表示が終了されるようになっている。詳細は後述するが、第1副表示領域Gaの貝キャラクタは、第1特定ランプ部43aの切り替え表示が行われる場合に変動表示され、第2副表示領域Gbの貝キャラクタは、第2特定ランプ部43bの切り替え表示が行われる場合に変動表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、その左下角隅部すなわち固定表示領域g2側の下角隅部に、共通保留表示領域ABと第1保留表示領域Aが横並びに設定されている。共通保留表示領域ABと第1保留表示領域Aの境界部、及びこれら保留表示領域AB,Aと固定表示領域g2の境界部には、それぞれの表示領域を区分する仕切り線が表示されている。このため、両保留表示領域AB,Aは、表示画面Gにおいて明確に区画されている。共通保留表示領域ABには、図柄が変動表示されている場合には点灯表示され、図柄が変動表示されていない場合には消灯表示される共通表示部ab0が表示されている。より詳しくは、共通表示部ab0は、上側作動口35aへの入賞に基づいて図柄が変動表示される場合には赤色点灯表示され、下側作動口35bへの入賞に基づいて図柄が変動表示される場合には青色点灯表示され、図柄が変動表示されていない場合には消灯表示されるようになっている。第1保留表示領域Aには、上側作動口35aへの入賞に伴って点灯表示される4つの第1表示部a1〜a4が表示されている。つまり、本実施の形態では、第1保留ランプ46aのみならず第1表示部a1〜a4の点灯表示状況からも、上側作動口35aに入賞して保留された保留個数が把握できるようになっている。なお、本実施の形態において「消灯表示される」とは、対応する領域の発光素子が消灯されることではなく、表示部の外形線が表示されると共にその内部領域が白色表示されていることを言う。また、「点灯表示される」とは、表示部の外形線が表示されると共にその内部領域が赤色表示又は青色表示されていることを言う。第1表示部a1〜a4についても同様である。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置71内のCPU101は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、各特定ランプ部43a,43bの発光色の設定や、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄を外れ変動させる際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCSと、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCU,CM,CLとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCU,CM,CLは、CPU101内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM103の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM103には、第1特定ランプ部用保留エリアRaと、第2特定ランプ部用保留エリアRbと、共通保留エリアCRと、実行エリアAEとよりなる保留球格納エリアが設けられている。そして、この保留球格納エリアに、作動口装置35への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
ここで、保留球格納エリアについてより詳細に説明する。
第1特定ランプ部用保留エリアRaは、上側作動口35aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアであり、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアから構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するための2バイト領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するための1バイト領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するための1バイト領域とよりなる4バイト構成となっている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上側作動口35aへの遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
第2特定ランプ部用保留エリアRbは、下側作動口35bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアであり、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアから構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するための2バイト領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するための1バイト領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するための1バイト領域とよりなる4バイト構成となっている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、下側作動口35bへの遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
共通保留エリアCRは、各作動口35a,35bへの遊技球の入賞順序を記憶するための保留エリアであり、第1エリア〜第8エリアの8つの記憶エリアから構成されている。共通保留エリアCRは1バイト構成となっており、各ビットが上記各記憶エリアと対応付けられている。より詳しくは、下位ビットから順に第1エリア、第2エリア、・・・、第8エリアと対応付けられている。
実行エリアAEは、各特定ランプ部43a,43bの切り替え表示等を開始する際に、第1特定ランプ部用保留エリアRa又は第2特定ランプ部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値をシフトさせるためのエリアである。実行エリアAEは、大当たり乱数カウンタC1の値をシフトさせるための2バイト領域と、大当たり種別カウンタC2の値をシフトさせるための1バイト領域と、リーチ乱数カウンタC3の値をシフトさせるための1バイト領域とよりなる4バイト構成となっている。
次に、各カウンタについてより詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口装置35に入賞したタイミングでRAM103の保留球格納エリアに格納される。より詳しくは、上側作動口35aに遊技球が入賞したタイミングでRAM103の第1特定ランプ部用保留エリアRaに格納され、下側作動口35bに遊技球が入賞したタイミングでRAM103の第2特定ランプ部用保留エリアRbに格納される。すなわち、いずれの作動口35a,35bに遊技球が入賞した場合であっても、この大当たり乱数カウンタC1の値が格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、通常状態と高確率状態とで2種類設定されており、通常状態下で大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態下で大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たり状態の終了後に高確率状態に移行させるか否かを決定することとしており、例えば、C2=0〜24が大当たり状態終了後に高確率状態に移行する特定大当たりに該当し、C2=25〜49が大当たり状態終了後に通常状態に移行する非特定大当たりに該当する。すなわち、大当たりの2分の1で特定大当たりとなり、大当たり状態終了後の2分の1で高確率状態に移行する。また、詳細は後述するが、大当たり種別カウンタC2により、停止表示させる大当たり図柄の組み合わせと、この大当たり図柄の組み合わせを停止表示させる有効ラインとを決定可能な構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口装置35に入賞したタイミングでRAM103の保留球格納エリアに格納される。より詳しくは、上側作動口35aに遊技球が入賞したタイミングでRAM103の第1特定ランプ部用保留エリアRaに格納され、下側作動口35bに遊技球が入賞したタイミングでRAM103の第2特定ランプ部用保留エリアRbに格納される。すなわち、いずれの作動口35a,35bに遊技球が入賞した場合であっても、この大当たり種別カウンタC2の値が格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、最終停止図柄列(本実施の形態では中図柄列Z2)のその遊技回で大当たりとなり得る大当たり図柄(具体的にはリーチ図柄と同一の主図柄)がリーチラインから前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、最終停止図柄列の大当たり図柄がリーチラインの前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、上図柄列Z1と下図柄列Z3の同一主図柄が有効ラインに停止せずリーチとならない「完全外れ」とを抽選することとしている。つまり、本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって外れリーチを行うか否かを抽選することとしており、例えばC3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、遊技状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口装置35に入賞したタイミングでRAM103の保留球格納エリアに格納される。より詳しくは、上側作動口35aに遊技球が入賞したタイミングでRAM103の第1特定ランプ部用保留エリアRaに格納され、下側作動口35bに遊技球が入賞したタイミングでRAM103の第2特定ランプ部用保留エリアRbに格納される。すなわち、いずれの作動口35a,35bに遊技球が入賞した場合であっても、このリーチ乱数カウンタC3の値が格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCU,CM,CLは、大当たり抽選が外れとなった時に上図柄列Z1、中図柄列Z2、下図柄列Z3の左ラインL1に停止表示させる停止図柄を決定するためのものであり、各図柄列Z1〜Z3において変動表示される図柄の数と同数のカウンタ値が用意されている。すなわち、上・外れ図柄カウンタCUと下・外れ図柄カウンタCLには18個(0〜17)のカウンタ値が用意されており、中・外れ図柄カウンタCMには20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCUにより上図柄列Z1の左ラインL1に停止表示させる停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄列Z2の左ラインL1に停止表示させる停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCLにより下図柄列Z3の左ラインL1に停止表示させる停止図柄が決定される。ちなみに、本実施の形態では、主図柄が昇順又は降順に配列された各図柄列Z1〜Z3がスクロールするように変動表示される。したがって、左ラインL1に停止表示させる図柄を決定すれば、中ラインL2と右ラインL3に停止表示させる図柄を一義的に導出することができる。
本実施の形態では、CPU101に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値(本実施の形態ではそれぞれ17,19,17)を超えた場合に最大値の分だけ減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCU,CM,CLは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCU,CM,CLの組み合わせが、RAM103の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファのいずれかに格納される。そして、図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファのいずれかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSの大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、図示は省略するが、役物ランプ部44の抽選には役物乱数カウンタC4が用いられる。役物乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。役物乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右いずれかのスルーゲート36を通過したことが検知された時に取得される。すなわち、図示は省略するが、RAM103には、1つの実行エリアと4つの保留エリアとからなる役物保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、スルーゲート36への遊技球の通過履歴に合わせて役物乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。当選となる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
次いで、主制御装置71内のCPU101により実行される各制御処理を図13〜図26のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU101の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。なお、これら各処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM102に記憶されている。
図13は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が電源監視基板71bからCPU101のNMI端子に出力され、CPU101は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM103に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。詳細は後述するが、停電時処理は、通常処理にて停電フラグがセットされていることを確認した場合に実行される。
図14は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置71のCPU101により例えば2msec毎に実行される。
先ずステップS201では、各種入賞スイッチや払出制御装置94などからの信号を読み込む処理を実行する。すなわち、主制御装置71に接続されている各種スイッチの状態や払出制御装置94などからの信号を読み込むとともに、当該スイッチや信号の状態を判定して検出情報を保存する(但し、RAM消去スイッチ93の状態や停電信号SG1を除く)。例えば、払出機構部85に何らかの異常が発生したことなどを示す異常信号が払出制御装置94から入力されている場合には、払出異常フラグをセットする。また、上側作動口スイッチから入賞を示す検知信号が入力されている場合には、上側入賞フラグをセットし、下側作動口スイッチから入賞を示す検知信号が入力されている場合には、下側入賞フラグをセットする。その他、入賞口スイッチ,カウントスイッチから入賞を示す検知信号が入力されている場合には、入賞を検知したスイッチと対応する入賞フラグをセットする。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM103の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1を1インクリメントするとともに、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を前記大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込む。また、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM103の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS204では、作動口装置35への入賞に伴う始動入賞処理(抽選手段)を実行する。
この始動入賞処理を図15のフローチャートにより説明する。
ステップS301では、遊技球が上側作動口35aに入賞(始動入賞)したか否かを上側入賞フラグのセット有無により判別する。遊技球が上側作動口35aに入賞したと判別すると、ステップS302では、上側作動口35aに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS303では、RAM103の第1特定ランプ部用保留エリアRaに保留記憶されている保留記憶数RaNをセットする。続くステップS304では、RAM103に設けられた作動口フラグ格納エリアに0をセットする。作動口フラグ格納エリアとは、いずれの作動口35a,35bに遊技球が入賞したのかを記憶するために用いられる格納エリアである。作動口フラグをセットした後、ステップS305では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本処理を終了する。
ステップS301にて遊技球が上側作動口35aに入賞していないと判別した場合、ステップS306では、遊技球が下側作動口35bに入賞(始動入賞)したか否かを下側入賞フラグのセット有無により判別する。遊技球が下側作動口35bに入賞したと判別すると、ステップS307では、RAM103に設けられた作動カウンタの値を1インクリメントする入賞球数記憶処理を行う。ステップS308では、下側作動口35bに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS309では、RAM103の第2特定ランプ部用保留エリアRbに保留記憶されている保留記憶数RbNをセットする。その後、ステップS310では、RAM103に設けられた作動口フラグ格納エリアに1をセットする。作動口フラグをセットした後、ステップS305にて情報取得処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS301,ステップS306が共にNOの場合、すなわち上側作動口35a,下側作動口35bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本処理を終了する。
ここで、ステップS305の情報取得処理を図16のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS401では、上述したステップS303又はステップS309にてセットした保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数Nを1インクリメントすると共に、ステップS403にて共通保留エリアCRの保留数CRNを1インクリメントする。続くステップS404では、作動口フラグ格納エリアに格納された値が0か否かを判別する。作動口フラグ格納エリアに格納された値が0でなく1である場合、遊技球が下側作動口35bに入賞したことを意味する。かかる場合には、ステップS405にて共通保留エリアCRの保留数CRNと対応する記憶エリアに保留フラグとして1をセットするとともに、ステップS406にて第2コマンドを設定する。ここで、第2コマンドとは、サブ制御装置65に対して出力されるコマンドであり、サブ制御装置65は、当該コマンドが入力されることで下側作動口35bに遊技球が入賞したことを把握する。その後、ステップS407では、前記ステップS203にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2特定ランプ部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした保留記憶数Nと対応する記憶エリアに格納する。そして、保留記憶数Nと対応する可変表示ユニット37の第2保留ランプ46bを点灯させた後、本処理を終了する。第2保留ランプ46bは左側から順次点灯されるようになっており、例えば保留記憶数Nが1であれば左端の第2保留ランプ46bが点灯され、保留記憶数Nが4であれば右端の第2保留ランプ46bが点灯されるようになっている。
一方、作動口フラグ格納エリアに格納された値が0である場合、遊技球が上側作動口35aに入賞したことを意味する。かかる場合には、共通保留エリアCRの保留数CRNと対応する記憶エリアに保留フラグをセットすることなくステップS408に進み、第1コマンドを設定する。ここで、第1コマンドとは、サブ制御装置65に対して出力されるコマンドであり、サブ制御装置65は、当該コマンドが入力されることで上側作動口35aに遊技球が入賞したことを把握する。その後、ステップS407では、前記ステップS203にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特定ランプ部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした保留記憶数Nと対応する記憶エリアに格納する。そして、保留記憶数Nと対応する可変表示ユニット37の第1保留ランプ46aを点灯させた後、本処理を終了する。第1保留ランプ46aは右側から順次点灯されるようになっており、例えば保留記憶数Nが1であれば右端の第1保留ランプ46aが点灯され、保留記憶数Nが4であれば左端の第1保留ランプ46aが点灯されるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、上記始動入賞処理を行った後、CPU101は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、遊技球が作動口装置35に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、図柄が変動表示を開始してから終了するまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞を確認した場合、各カウンタ値の格納処理(ステップS407)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM103の各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbに格納され管理される。そして、後述する図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
図17は、主制御装置71内のCPU101により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
メイン処理において、ステップS501では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、従側の制御装置(サブ制御装置65、払出制御装置94等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS502では、RAM103のアクセスを許可する。
ステップS503では、電源・発射制御装置92に設けられたRAM消去スイッチ93がオン操作されているか否かを判別し、続くステップS504では、RAM103の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS505ではRAM判定値を算出し、続くステップS506では、そのRAM判定値が後述する停電時処理にて保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM103の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM103の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時等において電源投入時にRAMデータを初期化する場合、RAM消去スイッチ93を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ93が押されていれば、ステップS509〜S511の処理に移行する。また、停電フラグがセットされていない場合や、RAM判定値により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS509〜S511の処理に移行する。
ステップS509では、従側の払出制御装置94を初期化すべく初期化信号を出力するとともに、サブ制御装置65に対して初期化コマンドを出力する。サブ制御装置65は、前記初期化コマンドが入力された場合、主制御装置71及び払出制御装置94が初期化されたことを報知すべく図柄表示装置41や電飾部51等の駆動制御を行う。続くステップS510ではRAM103の使用領域を0にクリアし、ステップS511ではRAM103の初期化処理を実行する。その後、ステップS512にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ93が押されていない場合には、停電フラグがセットされていること、及びRAM判定値が正常であることを条件に、ステップS507にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。続くステップS508では、サブ制御装置65等の従側の各制御装置を電源遮断前の状態に復帰させるべく、復電コマンドを出力する。その後、ステップS512にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰することとなる。
次に、通常処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS601〜S610の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS611,S612のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS601では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データを従側の各制御装置に出力する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置94に対して賞球数と対応する賞球払出コマンドを送信する。また、図柄表示装置41による図柄の変動表示に際しては、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、変動終了コマンド等の表示コマンドをサブ制御装置65に対して送信する。さらに、各保留個数の表示に際しては、第1コマンド又は第2コマンドをサブ制御装置65に対して送信する。
次に、ステップS602では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM103の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS603では、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3の各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの更新を実行する。
外れ図柄カウンタ更新処理を簡単に説明すると、かかる処理では、上・外れ図柄カウンタCU→中・外れ図柄カウンタCM→下・外れ図柄カウンタCLの順に1回の通常処理で1つずつ対応する外れ図柄カウンタの更新を行う。このため、各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの更新時期が重なることはなく、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCU,CM,CLの1セット分が更新されるようになっている。外れ図柄カウンタの更新について具体的には、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算するとともにその加算結果が最大値を超えた場合に最大値の分だけ減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCU,CM,CLの今回値とする。外れ図柄カウンタの更新を行った後には、外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値の組み合わせが示す図柄の組み合わせを判別するとともに、RAM103の対応するバッファにその時の外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値の組み合わせを格納し、本処理を終了する。すなわち、前後外れリーチの組み合わせを停止表示させる組み合わせである場合には、RAM103の前後外れリーチ図柄バッファに格納し、前後外れ以外リーチの組み合わせを停止表示させる組み合わせである場合には、RAM103の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納し、完全外れの組み合わせを停止表示させる組み合わせである場合には、RAM103の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値の組み合わせが大当たり図柄の組み合わせを停止表示させる組み合わせである場合には、その時の外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値の組み合わせを格納することなく、そのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタ更新処理の後、ステップS604では、コマンド設定処理を実行する。コマンド設定処理では、遊技球の払出や払出異常に関するコマンドを設定する処理を行う。具体的には、払出機構部85に何らかの異常が発生したことなどを示す払出異常フラグがセットされている場合、払出異常フラグをクリアすると共にエラーコマンドを設定する。当該エラーコマンドは、ステップS601の外部出力処理にてサブ制御装置65に対して出力され、サブ制御装置65は、エラーコマンドが入力された場合、所定の態様で電飾部51を発光させる制御を行う。また、一般入賞口33,可変入賞装置34,上側作動口35a,下側作動口35bのいずれかに遊技球が入賞したことを示す入賞フラグがセットされている場合には、入賞フラグをクリアすると共に、セットされている入賞フラグの種類と対応した賞球コマンドをセットする。例えば、上側作動口35aに入賞したことを示す上側入賞フラグがセットされている場合には、遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットし、下側作動口35bに入賞したことを示す下側入賞フラグがセットされている場合には、遊技球を5個払い出させるための賞球コマンドをセットする。賞球コマンドは、ステップS601の外部出力処理にて払出制御装置94に対して出力され、払出制御装置94は、賞球コマンドが入力された場合、対応する数の遊技球を払い出す制御を行う。
続くステップS605では、各特定ランプ部43a,43bに表示される色の切り替えを行うための特定ランプ部制御処理を実行する。詳細は後述するが、この特定ランプ部制御処理では、切り替え表示を行う側の特定ランプ部に配設されたLEDのスイッチのオンオフ制御の他に、大当たり判定や図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定も行う。その後、ステップS606では、遊技状態を大当たり状態や高確率状態に移行させるための遊技状態移行処理を実行する。
ステップS607では、役物ランプ部44に表示される色の切り替え処理を行うための役物ランプ部制御処理を実行する。簡単に説明すると、役物ランプ部制御処理では、役物保留球格納エリアの保留エリアに役物乱数カウンタC4の値が格納されている場合、保留エリアに格納されたデータを実行エリアにシフトさせる処理を実行するとともに、役物ランプ部44に表示される色の切り替え処理を開始する。そして、実行エリアに格納された役物乱数カウンタC4の値により役物ランプ部44の抽選を行い、当選である場合には所定時間経過後に赤色を停止表示させるとともに、下側作動口35bに設けられた電動役物35cを開放状態に切り替える。なお説明は省略したが、役物乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様、図14に示すタイマ割込み処理により更新されるようになっている。また、役物保留球格納エリアへの役物乱数カウンタC4の値の格納も、遊技球がスルーゲート36を通過したことを条件に、図14に示すタイマ割込み処理にて行われるようになっている。
本実施の形態では、役物ランプ部44の1回あたりの切り替え表示時間と、電動役物35cが開放状態から閉鎖状態に切り替えられる際の閉鎖条件が、その都度の遊技状態に応じて変更されるようになっている。
遊技状態が通常状態の場合、役物ランプ部44の切り替え表示時間が12.5秒に設定される。また、通常状態下で開放状態に切り替えられた電動役物35cは、開放状態に切り替えられてから0.6秒が経過した場合、又は下側作動口35bに遊技球が4個入賞した場合に閉鎖状態に切り替えられる。但し、遊技球は約0.6秒毎に1個発射することが可能なため、遊技状態が通常状態の場合、下側作動口35bに遊技球が4個入賞する前に0.6秒が経過して電動役物35cが閉鎖状態に切り替えられることとなる。さらにいうと、電動役物35cが開放されない限り下側作動口35bに遊技球が入賞することはなく、通常状態下では役物ランプ部44の切り替え表示が12.5秒間行われる一方で電動役物35cが0.6秒間しか開放されないため、通常状態下で第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)に達することは少ないと言える。また、上側作動口35aは常時入賞させることが可能な一方、通常状態下における下側作動口35bは入賞可能な期間より入賞不可能な期間の方が長いため、通常状態下では下側作動口35bに入賞する機会より上側作動口35aに入賞する機会の方が多く発生する。換言すれば、遊技状態が通常状態の場合、下側作動口35bに入賞させることは上側作動口35aに入賞させることより困難であると言える。
遊技状態が高確率状態の場合、役物ランプ部44の切り替え表示時間が2.5秒に設定される。また、高確率状態下で開放状態に切り替えられた電動役物35cは、開放状態に切り替えられてから5秒が経過した場合、又は下側作動口35bに遊技球が4個入賞した場合に閉鎖状態に切り替えられる。すなわち、遊技状態が高確率状態に移行すると、役物ランプ部44の切り替え表示時間が短縮されるとともに、電動役物35cの開放時間が延長され、その結果として通常状態より電動役物35cの開放されている期間が長くなるようになっている。ここで、遊技球は約0.6秒毎に1個発射することが可能なため、電動役物35cが開放されている5秒の間に8個の遊技球を発射することができる。したがって、遊技状態が高確率状態の場合、5秒が経過して電動役物35cが閉鎖状態に切り替えられる機会よりも下側作動口35bに遊技球が4個入賞して電動役物35cが閉鎖状態に切り替えられる機会の方が多くなる。さらにいうと、高確率状態下では役物ランプ部44の切り替え表示が2.5秒に短縮されるため、高確率状態下では第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)に達する機会が多く発生する。また、高確率状態下では、電動役物35cの開放時間が通常状態下より長くなるため、例えば上側作動口35aに入賞することなく当該上側作動口35aの近傍を落下する遊技球等が、電動役物35cによって下側作動口35bに案内される機会が増加する。この結果、遊技状態が高確率状態の場合、下側作動口35bに入賞させることの方が上側作動口35aに入賞させることより容易となる。
なお、下側作動口35bに入賞した遊技球数の把握は、上述した作動カウンタの値(ステップS307参照)に基づいて行い、当該作動カウンタの値は、電動役物35cを開放状態から閉鎖状態に切り替えた際にクリアする。遊技状態が通常状態である場合も同様である。
ステップS608では、遊技球を発射させるための発射制御処理を実行する。発射制御処理では、電源・発射制御装置92から発射許可信号が入力されていることと、発射制御信号を出力してから0.6秒が経過していることとを条件として、電源・発射制御装置92に対して発射制御信号を出力する。電源・発射制御装置92は、発射制御信号が入力された場合、1回入力される毎に遊技球発射装置30の発射ソレノイドを1回励磁し、遊技球を1個発射させる。
発射制御処理を行った後、ステップS609では、RAM103に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。停電フラグがセットされていない場合には、ステップS610にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINIと変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS611,S612)。つまり、ステップS611では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM103の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS612では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM103の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS601〜S609の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS609にて停電フラグがセットされていると判別した場合は、停電により電源が遮断されたことを意味する。かかる場合には、ステップS613以降に示す停電時処理を実行する。すなわち、ステップS613では、各割込み処理の発生を禁止し、ステップS614では、電源が遮断されたことを示す停電信号を他の制御装置(サブ制御装置65や払出制御装置94等)に対して出力する。続くステップS615では、RAM判定値を算出し、RAM103に保存する。ステップS616では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
次に、前記ステップS605の特定ランプ部制御処理を、図19〜図23のフローチャートを用いて説明する。
特定ランプ部制御処理において、ステップS701では、今現在の遊技状態が大当たり状態であるか否かを判別し、大当たり状態である場合にはそのまま本処理を終了する。大当たり状態でない場合には、ステップS702,S703にて第1特定ランプ部43a又は第2特定ランプ部43bが切り替え表示中であるか否かを判別する。いずれの特定ランプ部43a,43bも切り替え表示中でない場合(ステップS702,S703が共にNOの場合)にはステップS704に進み、共通保留エリアCRの保留数CRNが0か否かを判別する。そして、保留数CRNが0である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、保留数CRNが0でない場合、第1特定ランプ部用保留エリアRa又は第2特定ランプ部用保留エリアRbの少なくとも一方に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留記憶されていることを意味する。かかる場合にはステップS705に進み、第1特定ランプ部43a又は第2特定ランプ部43bに表示される色の切り替えを開始する切り替え開始処理を実行する。つまり、第1特定ランプ部43aの切り替え表示中に第2特定ランプ部43bの切り替え表示が開始されることはなく、第2特定ランプ部43bの切り替え表示中に第1特定ランプ部43aの切り替え表示が開始されることもない。
切り替え開始処理では、図20のフローチャートに示すように、ステップS801にて共通保留エリアCRのデータを右へ1ビットシフトする。すなわち、共通保留エリアCRの各記憶エリア(各ビット)に格納された値を下位ビット側へとシフトする。続くステップS802では、共通保留エリアCRのデータを右へ1ビットシフトさせた結果として保留フラグがあふれたか否か(キャリービット的な扱いとなるオーバーフロービットが0か1か)を判別する。ステップS801の処理を行った場合には第1エリアに格納された値があふれることとなるため、本実施の形態では、このときにあふれた値に基づいて切り替え表示を行うべき特定ランプ部を把握する。すなわち、ビット値が0であった場合(保留フラグがセットされていなかった場合)には、ステップS803〜S808に示す第1特定ランプ部切り替え開始処理を行い、ビット値が1であった場合(保留フラグがセットされていた場合)には、ステップS809〜S814に示す第2特定ランプ部切り替え開始処理を行う。
第1特定ランプ部切り替え開始処理では、ステップS803にて第1特定ランプ部43aに表示される色の切り替えを開始する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためのタイマをリセットし、さらに第1特定ランプ部43aに配設されたLEDのスイッチを全てオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、第1特定ランプ部43aには、赤色が表示される。ステップS804では、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS805では共通保留エリアCRの保留数CRNを1ディクリメントし、ステップS806ではこのときの保留数CRNを特定保留数として記憶する。ステップS807では、第1特定ランプ部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、ステップS808にて第1特定ランプ部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。そして、点灯中の第1保留ランプ46aを1つ消灯させた後、本処理を終了する。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ46aが左側から順に消灯されるようになっている。
第2特定ランプ部切り替え開始処理では、ステップS809にて第2特定ランプ部43bに表示される色の切り替えを開始する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためのタイマをリセットし、さらに第2特定ランプ部43bに配設されたLEDのスイッチを全てオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、第2特定ランプ部43bには、赤色が表示される。ステップS810では、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS811では共通保留エリアCRの保留数CRNを1ディクリメントし、ステップS812ではこのときの保留数CRNを特定保留数として記憶する。ステップS813では、第2特定ランプ部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、ステップS814にて第2特定ランプ部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。そして、点灯中の第2保留ランプ46bを1つ消灯させた後、本処理を終了する。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ46bが右側から順に消灯されるようになっている。
以上のとおり、各特定ランプ部切り替え開始処理では、処理を行う特定ランプ部用保留エリアが異なることを除いて同一の処理を行っている。より具体的に説明すると、ROM102には、特定ランプ部切り替え開始処理を行うための制御プログラムが予め1つだけ記憶されている。そして、ステップS802にて否定判定をした場合には、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを示すアドレスと各記憶エリアのアドレスを読み込み、ステップS802にて肯定判定をした場合には、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを示すアドレスと各記憶エリアのアドレスを読み込む。その後、読み込んだ各アドレスを元に、上記各特定ランプ部切り替え開始処理を前記1の制御プログラムに基づいて行っている。
特定ランプ部制御処理の説明に戻り、ステップS705にて切り替え開始処理を行った後、ステップS706では、図柄表示装置41による図柄の変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。ここで、変動開始処理について図21のフローチャートを用いて詳細に説明する。
変動開始処理では、ステップS901において、保留球格納エリアの実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。より具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値が、通常状態下で「337,673」のいずれかの場合に大当たりであると判別し、高確率状態下で「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」のいずれかの場合に大当たりであると判別する。
大当たりであると判別した場合には、ステップS902にて大当たりフラグをセットした後、ステップS903〜S906に示す大当たり種別判定処理を行う。先ずステップS903では、保留球格納エリアの実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が25未満か否かを判別する。大当たり種別カウンタC2の値が25未満である場合には特定大当たりであることを意味する。そこで、ステップS904では、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が赤色となるよう赤色表示フラグをセットし、ステップS905では特定フラグをセットする。一方、大当たり種別カウンタC2の値が25以上である場合には非特定大当たりであることを意味する。かかる場合にはステップS906に進み、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が緑色となるよう緑色表示フラグをセットする。
赤色表示フラグ又は緑色表示フラグをセットした後、ステップS907では大当たり図柄テーブルを参照し、保留球格納エリアの実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と対応する大当たり図柄の組み合わせを求める。
ここで、大当たり図柄テーブルとは、図22に示すように、大当たり種別カウンタC2の値と、大当たり図柄の組み合わせとの対応関係が定められたテーブルである。より詳しくは、大当たり種別カウンタC2の値と、大当たり図柄の組み合わせを停止表示させる場合に左ラインL1に停止表示させる各図柄列Z1〜Z3の停止図柄との対応関係が定められたテーブルである。
本実施の形態における大当たり図柄の組み合わせは、中図柄列Z2に「4」図柄が2個配されているため、この2通りの「4」図柄の組み合わせを含めて10通り存在する。そして、有効ラインが5ライン設定されることから、大当たり発生となる各図柄列Z1〜Z3の停止パターンは50通り存在することとなる。そこで、大当たり図柄テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の0〜49の各値と50通りの停止パターンとが対応付けられており、大当たり種別カウンタC2の値から大当たり発生となる場合の各図柄列Z1〜Z3の停止図柄を導出できるようになっている。より詳しくは、大当たり種別カウンタC2の0〜24の各値が特定大当たり発生となる奇数図柄(第1特定図柄)の組み合わせの各停止パターンと対応付けられており、25〜49の各値が非特定大当たり発生となる偶数図柄(第2特定図柄)の組み合わせの各停止パターンと対応付けられている。例えば、大当たり種別カウンタC2の値が2の場合、図柄の変動表示が終了した際に「5」図柄の組み合わせが中ラインL2に停止表示されることとなり、大当たり種別カウンタC2の値が27の場合、図柄の変動表示が終了した際に「6」図柄の組み合わせが中ラインL2に停止表示されることとなる。さらに具体的に説明すると、中ラインL2に「5」図柄の組み合わせが停止表示される場合、上図柄列Z1では「5」図柄と「6」図柄の間に配された副図柄が左ラインL1に停止表示され、中図柄列Z2と下図柄列Z3では「4」図柄と「5」図柄の間に配された副図柄が左ラインL1に停止表示される。したがって、大当たり図柄テーブルにおけるC2=2と対応するエリアには、上記各図柄を示す図柄番号の値、「11H,09H,09H」が格納されている。なお、「4a」図柄とは、中図柄列Z2の「9」図柄と「1」図柄との間に配された「4」図柄のことであり、「3」図柄と「5」図柄との間に配された「4」図柄との区別を容易なものとするため便宜上「4a」と記載している。
続くステップS908では、大当たり図柄テーブルの参照結果に基づいて、左ラインL1に停止表示させる図柄を示す停止図柄コマンドを各図柄列Z1〜Z3についてそれぞれ設定する。ステップS909では、各図柄列Z1〜Z3の図柄が停止するまでの大当たり変動パターンを決定する。このとき、RAM103のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかなリーチ種別を決定する。なお、変動種別カウンタCSの値と変動パターンとの関係は、図示しないテーブルにより予め規定されている。
ステップS910では、決定した変動パターンと、各図柄列Z1〜Z3の停止図柄とに基づいて変動表示時間を導出する。具体的には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ種別及び最終停止図柄列たる中図柄列Z2の左ラインL1に停止表示させる図柄と、変動表示時間と、の関係が規定された図示しないテーブルに基づいて変動表示時間を導出する。その後、ステップS911では、大当たり変動パターン及び変動表示時間を示す大当たり変動パターンコマンドを設定し、続くステップS912では、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の切り替え表示時間を計測するためのタイマにステップS910にて導出した変動表示時間をセットし、本処理を終了する。
ステップS901で大当たりではないと判別した場合にはステップS913に進み、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が青色となるよう青色表示フラグをセットする。その後、ステップS914では外れの場合の変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行し、本処理を終了する。
変動パターン決定処理について図23のフローチャートを用いて説明すると、ステップS1001では、保留球格納エリアの実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS1002で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238のいずれかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合にはステップS1003に進み、RAM103の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている上・中・下の各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値を参照する。前後外れ以外リーチ発生の場合にはステップS1004に進み、RAM103の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている上・中・下の各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値を参照する。ステップS1005では、ステップS1003又はステップS1004にて参照した上・中・下の外れ図柄カウンタCU,CM,CLの各値に基づいて、左ラインL1に停止表示させる図柄を示す停止図柄コマンドを各図柄列Z1〜Z3についてそれぞれ設定する。
各図柄列Z1〜Z3の停止図柄コマンドを設定した後、ステップS1006では、各図柄列Z1〜Z3の図柄を停止させるまでのリーチ変動パターンを決定する。このとき、RAM103のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかなリーチ種別を決定する。なお、変動種別カウンタCSの値とリーチ変動パターンとの関係は、図示しないテーブルにより予め規定されている。
ステップS1007では、決定したリーチ変動パターンと、各図柄列Z1〜Z3の停止図柄とに基づいて変動表示時間を導出する。このとき、上記ステップS910と同様に、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ種別及び最終停止図柄列たる中図柄列Z2の左ラインL1に停止表示させる図柄と、変動表示時間と、の関係が規定された図示しないテーブルに基づいて変動表示時間を導出する。その後、ステップS1008では、リーチ変動パターン及び変動表示時間を示すリーチ変動パターンコマンドを設定し、ステップS1009では、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の切り替え表示時間を計測するためのタイマにステップS1007にて導出した変動表示時間をセットし、本処理を終了する。
リーチ発生でない場合(ステップS1001がNOの場合)には、ステップS1010にてRAM103の完全外れ図柄バッファに格納されている上・中・下の各外れ図柄カウンタCU,CM,CLの値を参照し、ステップS1011では、参照した各値に基づいて、左ラインL1に停止表示させる図柄を示す停止図柄コマンドを各図柄列Z1〜Z3についてそれぞれ設定する。続くステップS1012では特定保留数を読み出し、ステップS1013では現在の遊技状態を把握する。そして、ステップS1014では変動表示時間テーブルを参照し、変動表示時間を導出する。
図24に示すように、変動表示時間テーブルには、特定保留数と変動表示時間との対応関係が遊技状態毎に定められている。遊技状態が通常状態の場合には、特定保留数が0〜2であれば変動表示時間が7秒と定められており、特定保留数が3又は4であれば変動表示時間が4秒と定められており、特定保留数が5〜7であれば変動表示時間が2秒と定められている。つまり、通常状態の場合、特定保留数が3個以上あれば3個未満のときより変動表示時間が短くなるように、さらに特定保留数が5個以上あれば5個未満のときより変動表示時間が短くなるように設定されている。また、遊技状態が高確率状態の場合には、特定保留数が0又は1であれば変動表示時間が7秒と定められており、特定保留数が2又は3であれば変動表示時間が4秒と定められており、特定保留数が4〜7であれば変動表示時間が2秒と定められている。つまり、高確率状態の場合、特定保留数が2個以上あれば2個未満のときより変動表示時間が短くなるように、さらに特定保留数が4個以上あれば4個未満のときより変動表示時間が短くなるように設定されている。以上のとおり、本実施の形態では、完全外れの場合、特定保留数が多くなるほど図柄の変動表示時間が短くなるように設定されている。
変動表示時間を導出した後、ステップS1015では完全外れ変動パターン及び変動表示時間を示す完全外れ変動パターンコマンドを設定する。つまり、完全外れの場合には、大当たりの場合や外れリーチの場合と異なり、変動種別カウンタCSの値に基づいて完全外れ変動パターンを決定することなく完全外れ変動パターンコマンドを設定する。ステップS1009では、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の切り替え表示時間を計測するためのタイマに完全外れの場合の変動表示時間をセットし、本処理を終了する。
ここで、本実施の形態における図柄の変動パターン及び各変動パターンにて行われる図柄表示装置41での表示演出について説明する。
「完全外れ変動」とは、各図柄列Z1〜Z3の高速変動が一斉に開始され、所定時間の経過を以って各図柄列Z1〜Z3の変動表示が停止される変動パターンである。このとき、完全外れ変動では、いずれの有効ラインL1〜L5にも上図柄列Z1の図柄と下図柄列Z3の図柄とが同一主図柄で停止することはなく、各図柄列Z1〜Z3の変動表示に併せて予告キャラクタやリーチキャラクタが表示されることもない。上述したとおり、完全外れ変動には、7秒間行われる変動パターンと、4秒間行われる変動パターンと、2秒間行われる変動パターンとがある。
7秒間行われる完全外れ変動では、各図柄列Z1〜Z3の高速変動が一斉に開始され、5秒後に上図柄列Z1の変動表示が停止され、6秒後に下図柄列Z3の変動表示が停止され、7秒後に中図柄列Z2の変動表示が停止される。
より具体的には、1秒経過後の各図柄列Z1〜Z3の変動速度が有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できない速度(本実施の形態では、0.05秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)となるように、各図柄列Z1〜Z3の変動表示が一斉に開始される。各図柄列Z1〜Z3の高速変動は変動表示が開始されてから4秒を経過するまで行われ、4秒を経過すると有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できるよう上図柄列Z1の変動速度が徐々に低下し、5秒後に上図柄列Z1の変動表示が停止される。そして、上図柄列Z1の変動表示が停止される5秒経過のタイミングから、有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できるよう下図柄列Z3の変動速度が徐々に低下し、6秒後に下図柄列Z3の変動表示が停止される。さらに、下図柄列Z3の変動表示が停止される6秒経過のタイミングから、有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できるよう中図柄列Z2の変動速度が徐々に低下し、7秒後に中図柄列Z2の変動表示が停止される。
4秒間行われる完全外れ変動では、各図柄列Z1〜Z3の高速変動が一斉に開始され、4秒後に各図柄列Z1の変動表示が一斉に停止される。
より具体的には、1秒経過後の各図柄列Z1〜Z3の変動速度が有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できない速度(本実施の形態では、0.05秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)となるように、各図柄列Z1〜Z3の変動表示が一斉に開始される。各図柄列Z1〜Z3の高速変動は変動表示が開始されてから3秒を経過するまで行われ、3秒を経過すると有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できるよう各図柄列Z1〜Z3の変動速度が徐々に低下し、4秒後に全図柄列Z1〜Z3の変動表示が同時に停止される。
2秒間行われる完全外れ変動では、各図柄列Z1〜Z3の高速変動が一斉に開始され、2秒後に各図柄列Z1の変動表示が一斉に停止される。
より具体的には、1秒経過後の各図柄列Z1〜Z3の変動速度が有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できない速度(本実施の形態では、0.05秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)となるように、各図柄列Z1〜Z3の変動表示が一斉に開始される。各図柄列Z1〜Z3の高速変動は変動表示が開始されてから1.5秒を経過するまで行われ、1.5秒を経過すると有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できるよう各図柄列Z1〜Z3の変動速度が徐々に低下し、2秒後に全図柄列Z1〜Z3の変動表示が同時に停止される。
「リーチ変動」とは、下図柄列Z3の変動表示が6秒後に停止されるまでは7秒間行われる完全外れ変動と同様であるが、このときいずれかの有効ラインL1〜L5に同一主図柄が停止してリーチ発生となり、7秒経過後も中図柄列Z2の変動表示が継続される変動パターンである。リーチ変動には、「ノーマルリーチ変動」と「スーパーリーチ変動」がある。ノーマルリーチ変動の場合には、リーチ発生となった際に表示モードに応じた予告キャラクタが所定確率で表示され、スーパーリーチ変動の場合には、リーチ発生となった際に表示モードに応じた予告キャラクタが常に表示される。また、ノーマルリーチ変動の場合には、予告キャラクタが表示されることはあるもののその後にリーチキャラクタが表示されることはなく、スーパーリーチ変動の場合には、予告キャラクタが表示された後の所定タイミングで表示モードやリーチラインに応じたリーチキャラクタが表示される。さらに、ノーマルリーチ変動とスーパーリーチ変動では、リーチ発生後の中図柄列Z2の変動表示態様が異なっている。
「ノーマルリーチ変動」の場合、中図柄列Z2は、リーチ発生タイミングで「1」図柄が中ラインL2を通過する(すなわち左ラインL1に到達する)ように変動表示され、その後は有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識可能な一定速度(本実施の形態では、0.5秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)で変動表示される。そして、「1」図柄が再度中ラインL2に到達した以降のタイミングで予め設定した停止図柄が左ラインL1に到達すると、変動表示が停止される。
「スーパーリーチ変動」の場合、中図柄列Z2は、リーチ発生タイミングで「1」図柄が中ラインL2を通過してから「7」図柄が中ラインL2を通過するまでの間、ノーマルリーチ変動と同じ速度で変動表示される。つまり、有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識可能な一定速度(本実施の形態では、0.5秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)で変動表示される。その後、「7」図柄が中ラインL2を通過したタイミングで表示モードやリーチラインに応じたリーチキャラクタが表示画面に登場表示されるとともに、このタイミングで中図柄列Z2の速度が変更される。具体的には、有効ラインにいずれの図柄が到達しているのかを認識できない速度(本実施の形態では、0.05秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)に変更される。リーチキャラクタが登場表示された後は、再びリーチキャラクタが登場表示される前と同じ速度(すなわち、0.5秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)で中図柄列Z2が変動表示される。そして、リーチキャラクタが登場表示された以降のタイミングで予め設定した停止図柄が左ラインL1に到達すると、変動表示が停止される。
図19の説明に戻り、ステップS702,S703のいずれかがYESの場合、すなわち第1特定ランプ部43a又は第2特定ランプ部43bが切り替え表示中である場合にはステップS707に進み、先の変動開始処理S706にてセットした切り替え表示時間を経過したか否かを判別する。切り替え表示時間を経過していないと判別した場合には、ステップS708にて表示色切り替え処理を実行する。この表示色切り替え処理により、各光源のスイッチがオンオフ制御され、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部に表示される色が切り替えられる。具体的には、切り替え開始処理のステップS803又はステップS809において切り替え時期を判断するためのタイマをリセットしてから所定時間(例えば、1sec)を経過したか否かを判別し、所定時間を経過していた場合には、現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御した上で、予め設定されているフラグを確認し、当該フラグに基づいて所定の光源をオン制御するとともに、フラグのセット及び消去処理を行う。このフラグは第1フラグ、第2フラグというように2種類設定されており、これら2種類のフラグの状態により次にオン制御する光源を決定する。例えば、第1フラグが0であり、第2フラグが1の場合には、緑色光源のスイッチをオン制御し、さらに第2フラグを消去する(両フラグが0の状態となる)。また、両フラグが0の場合には、青色光源のスイッチをオン制御し、さらに第1フラグをセットする(第1フラグが1、第2フラグが0の状態となる)。また、第1フラグが1であり、第2フラグが0の場合には、赤色光源のスイッチをオン制御し、さらに第1フラグを消去し、第2フラグをセットする(第1フラグが0、第2フラグが1の状態となる)。なお、切り替え開始処理においては、赤色光源のスイッチをオン制御した後に、第1フラグを消去し、第2フラグをセットする。これにより、赤色、緑色、青色の順序で現在切り替え表示を行っている特定ランプ部に表示される色が変更され、前記順序の色の切り替えが繰り返し行われることとなる。一方、切り替え時期を判断するタイマをリセットしてから所定時間を経過していなかった場合には、光源のスイッチのオンオフ制御を行うことなく本処理を終了する。
ステップS707において切り替え表示時間を経過したと判別した場合には、ステップS709において切り替え終了処理を実行する。この切り替え終了処理は、最終表示させる色の光源をオン制御するための処理である。具体的には、まず現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御する。その後、先の変動開始処理においてセットした表示フラグを確認し、表示フラグと対応する光源のスイッチをオン制御する。すなわち、特定大当たりの場合には赤色光源のスイッチをオン制御し、非特定大当たりの場合には緑色光源のスイッチをオン制御し、外れの場合には青色光源のスイッチをオン制御する。これにより、大当たり抽選の結果に応じた表示色が、現在切り替え表示を行っている特定ランプ部に最終表示されることとなる。なお、ここで設定された表示色は、次回の切り替え開始処理まで維持される。この切り替え終了処理を行った後、S710では切り替え表示時間が経過したことを示す変動終了コマンドを設定し、本処理を終了する。
なお、この特定ランプ部制御処理において設定された表示コマンド、具体的には、各図柄列Z1〜Z3の停止図柄コマンド,変動パターンコマンド,変動終了コマンドは、上述した図18の通常処理における外部出力処理S601においてサブ制御装置65に対して出力される。より詳しくは、図柄を変動表示させるにあたり、変動パターンコマンド→上図柄列Z1の停止図柄コマンド(上図柄コマンドともいう。)→中図柄列Z2の停止図柄コマンド(中図柄コマンドともいう。)→下図柄列Z3の停止図柄コマンド(下図柄コマンドともいう。)の順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドを出力し、変動表示時間(切り替え表示時間)を経過したタイミングで変動終了コマンドを出力するようになっている。また、サブ制御装置65は、これらのコマンドに基づいて、大当たり変動(大当たりリーチ変動)や外れリーチ変動の際に表示する予告キャラクタやリーチキャラクタ等の細かな表示内容、完全外れ変動の場合における各図柄列Z1〜Z3の停止パターン、変動表示すべき貝キャラクタ及びその最終停止表示態様を決定し、決定結果を表示制御装置62に対して出力する。表示制御装置62は、サブ制御装置65の決定結果に基づいて、図柄表示装置41を直接的に表示制御する。これにより、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が行われる。
次に、前記ステップS606の遊技状態移行処理を図25のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1101では、現在の遊技状態が大当たり状態か否かを判別する。大当たり状態でない場合には、大当たり変動が終了したか否かを判別する。具体的には、ステップS1102にて切り替え表示時間を経過したか否かを判別するとともに、ステップS1103にて大当たりフラグがセットされているか否かを判別する。切り替え表示時間を経過していない場合又は大当たりフラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、切り替え表示時間を経過し、且つ大当たりフラグがセットされている場合には、ステップS1104〜ステップS1108に示す大当たり状態開始処理を行う。大当たり状態開始処理では、ステップS1104にて大当たり状態であることを示す大当たり状態フラグをセットし、続くステップS1105にて大当たりフラグをクリアする。なお、上記ステップS1101等においては、大当たり状態フラグのセット有無により、現在の遊技状態が大当たり状態か否かを判別している。ステップS1106では、RAM103に設けられたラウンドカウンタRCに15をセットする。ラウンドカウンタRCとは、大入賞口が開放された回数をカウントするためのカウンタである。その後、ステップS1107では大入賞口を開閉させる開閉タイミングを計るためのタイマに5000(すなわち10秒)をセットし、続くステップS1108では状態移行コマンドをセットして本処理を終了する。ここで、状態移行コマンドとはサブ制御装置65に対して送信されるものである。サブ制御装置65は、当該コマンドを受信することにより、大当たり状態に移行したことを認識するとともに、大当たり状態に移行したことを示すオープニング動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。なお、セットされたタイマ値は、タイマ割込み処理の都度、すなわち2msec周期で1ずつ減算される。
一方、ステップS1101において遊技状態が大当たり状態であると判別した場合には、ステップS1109に進み、大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を行う。
大入賞口開閉処理では、図26のフローチャートに示す通り、先ずステップS1201にて大入賞口を開放中であるか否かを判別する。大入賞口を開放中でない場合には、ステップS1202にてラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別するとともに、ステップS1203にてタイマの値が0か否かを判別する。ラウンドカウンタRCの値が0である場合又はタイマの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が0でなく且つタイマの値が0である場合には、ステップS1204に進み、大入賞口を開放すべく可変入賞装置34を開放状態とする。続くステップS1205では、大入賞口に入賞した遊技球の数を記憶するための入賞カウンタPCに0をセットする。その後、ステップS1206ではタイマに14750(すなわち29.5秒)をセットするとともにステップS1207にて開放コマンドをセットし、本処理を終了する。この結果、大入賞口が最大29.5秒間開放されることとなる。ここで、開放コマンドとはサブ制御装置65に対して送信されるものである。サブ制御装置65は、当該コマンドを受信することにより、大入賞口が開放されたことを認識し、大入賞口が開放されている間に表示すべき動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。
また、ステップS1201にて大入賞口が開放中であると判別した場合には、ステップS1208に進み、タイマの値が0か否かを判別する。タイマの値が0でない場合、ステップS1209にて大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判別する。具体的には、カウントスイッチから遊技球入賞を意味する入賞検出信号が入力されたか否か、すなわち前記入賞検出信号が入力された場合にセットされるカウント入賞フラグがセットされているか否かを判別する。そして、入賞検出信号が入力されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、入賞検出信号が入力された場合には、ステップS1210にて入賞カウンタPCの値を1加算した後にステップS1211にて入賞カウンタPCの値が9か否かを判別し、9でない場合にはそのまま本処理を終了する。
ステップS1208にてタイマの値が0の場合、又はステップS1211にて入賞カウンタPCの値が9の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1212にて大入賞口を閉鎖すべく可変入賞装置34を閉鎖状態とする。続くステップS1213ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、ステップS1214にてラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別する。ラウンドカウンタRCの値が0でない場合にはステップS1215にてタイマに1000(すなわち2秒)をセットし、ラウンドカウンタRCの値が0である場合にはステップS1216にてタイマに5000(すなわち10秒)をセットする。その後、ステップS1217にて閉鎖コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、閉鎖コマンドとはサブ制御装置65に対して送信されるものである。サブ制御装置65は、当該コマンドを受信することにより、1回のラウンドが終了したことを認識し、例えば次回のラウンド数等を教示する開放前動画や、大当たり状態が終了したことを示すエンディング動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。
大入賞口開閉処理の後、ステップS1110ではラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別すると共に、ステップS1111にてタイマの値が0か否かを判別する。そして、ラウンドカウンタRC又はタイマの値の少なくとも一方が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRC及びタイマの値が共に0である場合には、ステップS1112に進み、大当たり状態を終了させるべく大当たり状態フラグをクリアする。したがって、大当たり状態下では、ラウンドカウンタRCにセットされた回数(すなわち15回)の大入賞口の連続開放が許容される。大当たり状態フラグをクリアした後、ステップS1113では、特定フラグがセットされているか否かを判別する。特定フラグがセットされている場合には、特定大当たりが発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS1114にてそれ以降の遊技状態を高確率状態とすべく高確率状態フラグをセットするとともに、ステップS1115にて特定フラグをクリアし、本処理を終了する。また、特定フラグがセットされていない場合には、非特定大当たりが発生したことを意味するため、高確率状態フラグをセットすることなくそのまま本処理を終了する。この結果、それ以降の遊技状態が通常状態に移行する。
以上のとおり、上側作動口35a又は下側作動口35bに遊技球が入賞した場合には、その個数が最大4個までそれぞれ保留される。そして、各特定ランプ部43a,43bは、各作動口35a,35bに入賞した順序で切り替え表示される。そこで、本パチンコ機10では、各作動口35a,35bに遊技球が入賞した順序を把握できるよう、図柄表示装置41の表示画面Gで各保留個数を表示する構成となっている。以下では、各保留個数を表示するにあたってサブ制御装置65の実行する各種処理と、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される具体的な表示態様について、詳細に説明する。
先ず、図柄表示装置41の表示画面Gについて改めて説明する。
図27に示すように、表示画面Gには、その左下角隅部に、共通保留表示領域ABと第1保留表示領域Aが横並びに設定されている。共通保留表示領域ABと第1保留表示領域Aの境界部、及びこれら保留表示領域AB,Aと固定表示領域g2の境界部には、それぞれの表示領域を区分する仕切り線が表示されている。このため、両保留表示領域AB,Aは、表示画面Gにおいて明確に区画されている。また、共通保留表示領域ABには、図柄の変動表示に併せて点灯表示又は消灯表示される共通表示部ab0が表示されており、第1保留表示領域Aには、上側作動口35aへの入賞に伴って点灯表示される4つの第1表示部a1〜a4が表示されている。このため、4つの第1表示部a1〜a4が表示されていることを通じて上側作動口35aへの入賞が最大4個まで保留されることを表示画面Gで把握でき、各第1表示部a1〜a4のうち点灯表示されている第1表示部の個数を通じて表示画面Gでその保留個数を把握できる。
共通表示部ab0及び第1表示部a1〜a4の上方には、下側作動口35bへの入賞に伴って点灯表示される第2表示部b10〜b44がそれぞれ4つずつ設定されている。つまり、表示画面Gには、計20個の第2表示部が設定されている。各第2表示部b10〜b44は、共通表示部a0や第1表示部a1〜a4とは異なり、下側作動口35bへの入賞が保留されている場合に限って表示画面Gに表示され、保留されていない場合には表示画面Gに表示されないようになっている。さらに、各第2表示部b10〜b44の表示される領域の境界部は、当該表示領域と共通保留表示領域ABや第1保留表示領域A等の他の表示領域とを区分する仕切り線が表示されておらず、表示画面Gにおいて区画されていない。このため、第2表示部が20個設定されているにも関わらず下側作動口35bへの入賞が最大20個まで保留されると誤解されることはなく、各第2表示部b10〜b44のうち実際に点灯表示されている第2表示部の個数を通じて表示画面Gでその保留個数を把握できる。なお、「表示されない(非表示とされる)」とは、表示部の外形線が表示されず、その内部領域に固定表示領域g2の固定画像が表示されていることを言う。ちなみに、第2表示部b10〜b44が点灯表示される場合には、固定表示領域g2において固定画像の手前側で重なるようにして点灯表示される。なお以下では、説明の便宜上、行と列を用いて第2表示部を特定することとする。例えば、第2表示部b31,b32,b33,b34は、第3行の第2表示部b31〜b34と記載し、第2表示部b11,b21,b31,b41は、第1列の第2表示部b11〜b41と記載することとする。同様に、第1表示部についても列を用いてその位置を特定することとする。
ここで、サブ制御装置65が各保留個数を表示するために実行する各種処理を説明するのに先立ち、各保留個数を表示するための構成について図28を用いて説明する。
サブ制御装置65は、上述したとおりCPU65a、ROM65b及びRAM65c等を備えており、各保留個数を表示するための各処理を実行するプログラムは、制御プログラムの一部としてROM65bに記憶されている。また、サブ制御装置65のRAM65cには、第1保留カウンタCaと、第2保留カウンタCbと、第3保留カウンタCcと、順序記憶エリアSAと、保留表示記憶エリアHCとが設けられている。
第1保留カウンタCaは、主制御装置71から第1コマンドを受信した場合にその受信回数をカウントするためのカウンタであり、第2保留カウンタCbは、主制御装置71から第2コマンドを受信した場合にその受信回数をカウントするためのカウンタである。第3保留カウンタCcは、主制御装置71から第1コマンド又は第2コマンドを受信した場合にその受信回数をカウントするためのカウンタである。順序記憶エリアSAは、第1コマンドと第2コマンドの受信順序を記憶するための記憶エリアであり、第1エリア〜第8エリアの8つの記憶エリアから構成されている。順序記憶エリアSAは1バイト構成となっており、各ビットが上記各記憶エリアと対応付けられている。より詳しくは、下位ビットから順に第1エリア、第2エリア、・・・、第8エリアと対応付けられている。保留表示記憶エリアHCは、点灯表示させている第2表示部の個数を列毎に記憶するための記憶エリアであり、第0エリアHC0〜第4エリアHC0の5つのエリアから構成されている。そして、サブ制御装置65は、各保留カウンタCa,Cb,Ccや順序記憶エリアSA、保留表示記憶エリアHCに記憶された情報に基づいて、表示画面Gに各保留個数を表示すべく表示制御を実行するようになっている。
次に、上側作動口35a又は下側作動口35bへの入賞に基づいて実行する加算表示処理を、図29のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、第1コマンドを受信したか否かを判別する。第1コマンドを受信した場合には、第1特定ランプ部用保留エリアRaに保留記憶されている保留記憶数RaNが4個未満であって、当該保留記憶数RaNが増加したことを意味する。かかる場合には、所定位置の第1表示部を点灯表示させるべく、ステップS1302〜S1306に示す第1加算表示処理を行う。
第1加算表示処理では、ステップS1302にて第1保留カウンタCaの値を取得する。続くステップS1303では、保留表示記憶エリアHCのうち取得したCa値と対応する記憶エリアに、第2保留カウンタCbの値を格納する。ステップS1304では、第2保留カウンタCbを0にクリアし、ステップS1305では、第1保留カウンタCaを1インクリメントする。その後、ステップS1306では、現在の第1保留カウンタCaの値と対応する第1表示部を赤色点灯させるための処理を行う。具体的には、第1保留カウンタCaの値と対応する第1点灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第1点灯コマンドを受信することにより、第1保留カウンタCaの値と対応する位置の第1表示部を赤色に点灯表示させるべく、図柄表示装置41を表示制御する。かかる処理を行うことにより、第1保留表示領域Aでは、各第1表示部a1〜a4が共通表示領域AB側の第1表示部a1から順次点灯表示されることとなる。つまり、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合には、左側から右側に向けて第1表示部が順次点灯表示される。
ステップS1301にて第1コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS1307にて第2コマンドを受信したか否かを判別する。第2コマンドを受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、第2コマンドを受信した場合には、第2特定ランプ部用保留エリアRbに保留記憶されている保留記憶数RbNが4個未満であって、当該保留記憶数RbNが増加したことを意味する。かかる場合には、所定位置の第2表示部を点灯表示させるべく、ステップS1308〜S1310に示す第2加算表示処理を行う。
第2加算表示処理では、ステップS1308にて第1保留カウンタCaの値を取得する。続くステップS1309では、第2保留カウンタCbを1インクリメントする。その後、ステップS1310では、Cb行Ca列の第2表示部を青色点灯させるための処理を行う。具体的には、点灯表示させる第2表示部の位置を示す第2点灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第2点灯コマンドを受信することにより、Cb行Ca列の第2表示部を青色に点灯表示させるべく、図柄表示装置41を表示制御する。かかる処理を行うことにより、第2表示部は次の順序で青色点灯表示されることとなる。すなわち、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが0の状況下で第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが増加した場合には、第1行第0列の第2表示部が青色点灯表示される。つまり、共通表示部ab0の上方の第2表示部が青色点灯表示される。第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した後に第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが増加した場合には、最後に点灯表示された第1表示部と対応する列の第1行の第2表示部が青色点灯表示される。また、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加することなく第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが続けて増加した場合には、最後に点灯表示された第1表示部と対応する列の第2表示部が第1表示部側の第2表示部から順次青色点灯表示される。つまり、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加することなく第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが続けて増加した場合には、下側から上側に向けて第2表示部が順次青色点灯表示される。
第1加算表示処理又は第2加算表示処理を行った後、ステップS1311では、第3保留カウンタCcを1インクリメントする。続くステップS1312では、第1コマンドを受信したか否かを判別する。第1コマンドを受信した場合には、ステップS1313にて順序記憶エリアSAの第3保留カウンタCcと対応する記憶エリアSA(Cc)に第1フラグとして1をセットし、本処理を終了する。また、第1コマンドではなく第2コマンドを受信した場合には、順序記憶エリアSAに第1フラグをセットすることなくそのまま本処理を終了する。
次に、図柄の変動表示を開始させる際に実行する減算表示処理を、図30のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1401では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、変動パターンコマンドを受信した場合には、主制御装置71が第1特定ランプ部43a又は第2特定ランプ部43bの切り替え表示を開始したことを意味するため、ステップS1402〜S1418の処理を実行し、表示画面Gに表示中の保留個数を変更する。
先ず、ステップS1402では、順序記憶エリアSAのデータを右へ1ビットシフトする。すなわち、順序記憶エリアSAの各記憶エリア(各ビット)に格納された値を下位ビット側へとシフトする。続くステップS1403では、順序記憶エリアSAのデータを右へ1ビットシフトさせた結果として第1フラグがあふれたか否か(キャリービット的な扱いとなるオーバーフロービットが0か1か)を判別する。ステップS1402の処理を行った場合には第1エリアに格納された値があふれることとなるため、本実施の形態では、このときにあふれた値に基づいていずれの特定ランプ部が切り替え表示されるのかを把握し、対応する表示部の点灯表示数を減少させる処理を実行する。つまり、ビット値が0であった場合(第1フラグがセットされていなかった場合)には、第2表示部の表示数を減少させるべく(下側作動口35bへの入賞に基づく保留個数の表示を減少させるべく)ステップS1404〜S1409に示す処理を実行し、ビット値が1であった場合(第1フラグがセットされていた場合)には、第1表示部の点灯表示数を減少させるべく(上側作動口35aへの入賞に基づく保留個数の表示を減少させるべく)ステップS1411〜S1418に示す処理を実行する。
第1フラグがセットされていなかった場合には、ステップS1404にて保留表示記憶エリアHCの第0エリアHC0に格納されている値nを取得する。続くステップS1405及びステップS1406では、移動表示処理を行うとともに共通表示部ab0を青色点灯させるための処理を行う。具体的には、第2移動コマンドと第2共通コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第2移動コマンドを受信することにより、第1行第0列の第2表示部b10から共通表示部ab0に向けて青色点灯をスライド表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、前記第2共通コマンドを受信することにより、共通表示部ab0を青色点灯表示させるべく図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS1407では、n行0列の第2表示部を非表示とするための処理を行う。すなわち、非表示とする第2表示部の位置を示す第2消灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第2消灯コマンドを受信することにより、n行0列の第2表示部を点灯表示から非表示へと切り替えるべく図柄表示装置41を表示制御する。このとき、表示制御装置62は、受信した第2消灯コマンドの示す位置が第1行第0列でない場合、第1行第0列の第2表示部b10を再度青色点灯させるべく図柄表示装置41を表示制御する。ステップS1408では、第0エリアHC0の値を1ディクリメントする。この結果、第0列で青色点灯表示されていた第2表示部が1つ非表示に切り替えられるとともに、共通表示部ab0が青色点灯表示されることとなる。
第2表示部の点灯表示数を1つ減少させた後、ステップS1409では、第2副表示領域Gbの貝キャラクタを変動表示させるための処理を行うとともに、ステップS1410では、図柄の変動表示を開始させるための処理を行い、本処理を終了する。具体的には、第2副表示コマンドと、高速変動コマンドとを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、第2副表示コマンドを受信することにより、第2副表示領域Gbの貝キャラクタの変動表示を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御し、高速変動コマンドを受信することにより、各図柄列Z1〜Z3の高速変動を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御する。このように、下側作動口35bへの入賞に基づく保留個数の表示を減少させた場合には、第2副表示領域Gbの貝キャラクタを変動表示させるとともに、各図柄列Z1〜Z3の図柄を変動表示させる。つまり、下側作動口35bに入賞した場合には、第2特定ランプ部43bの切り替え表示が行われるとともに、第2副表示領域Gbの貝キャラクタと各図柄列Z1〜Z3の図柄が変動表示される。
一方、ステップS1403にて第1フラグがセットされていた場合には、ステップS1411に進み、現在点灯表示中の第2表示部を全て非表示とすべく、図柄表示装置62に対して全消灯コマンドを送信する。その後、ステップS1412では、保留表示記憶エリアHCに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第0〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアHC1→第0エリアHC0、第2エリアHC2→第1エリアHC1、第3エリアHC3→第2エリアHC2、第4エリアHC4→第3エリアHC3といった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS1413では、第2表示部を再表示させるための処理を行う。具体的には、シフト後の各エリアHC0〜HC4の値を取得し、点灯表示させる第2表示部の位置を示す第2点灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第2点灯コマンドを受信することにより、対応する位置の第2表示部を青色に点灯表示させるべく、図柄表示装置41を表示制御する。この結果、表示画面Gでは、点灯表示されていた第n列の第2表示部が、第(n−1)列にシフトされたように表示されることとなる。
続くステップS1414及びステップS1415では、移動表示処理を行うとともに共通表示部ab0を赤色点灯させるための処理を行う。具体的には、第1移動コマンドと第1共通コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第1移動コマンドを受信することにより、第1列の第1表示部a1から共通表示部ab0に向けて赤色点灯をスライド表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、前記第1共通コマンドを受信することにより、共通表示部ab0を赤色点灯表示させるべく図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS1416では、第1保留カウンタCaの値と対応する第1表示部を消灯表示させるための処理を行う。具体的には、第1保留カウンタCaの値と対応する第1消灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第1消灯コマンドを受信することにより、第1保留カウンタCaの値と対応する位置の第1表示部を消灯表示させるべく、図柄表示装置41を表示制御する。このとき、表示制御装置62は、受信した第1消灯コマンドの示す位置が第1列でない場合、第1列の第1表示部a1を再度赤色点灯させるべく図柄表示装置41を表示制御する。ステップS1417では、第1保留カウンタCaの値を1ディクリメントする。この結果、赤色点灯表示されていた第1表示部のうち右端の第1表示部が消灯表示に切り替えられるとともに、共通表示部ab0が赤色点灯表示されることとなる。
第1表示部の点灯表示数を1つ減少させた後、ステップS1418では、第1副表示領域Gaの貝キャラクタを変動表示させるための処理を行うとともに、ステップS1410では、図柄の変動表示を開始させるための処理を行い、本処理を終了する。具体的には、第1副表示コマンドと、高速変動コマンドとを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、第1副表示コマンドを受信することにより、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの変動表示を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御し、高速変動コマンドを受信することにより、各図柄列Z1〜Z3の高速変動を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御する。このように、上側作動口35aへの入賞に基づく保留個数の表示を減少させた場合には、第1副表示領域Gaの貝キャラクタを変動表示させるとともに、各図柄列Z1〜Z3の図柄を変動表示させる。つまり、上側作動口35aに入賞した場合には、第1特定ランプ部43aの切り替え表示が行われるとともに、第1副表示領域Gaの貝キャラクタと各図柄列Z1〜Z3の図柄が変動表示される。
ここで、各特定ランプ部43a,43bの切り替え表示と、図柄表示装置41における図柄の変動表示,各副表示領域Ga,Gbにおける貝キャラクタの変動表示と、の関係を、第1特定ランプ部43aを切り替え表示させる場合を例として簡単に説明する。
主制御装置71は、第1特定ランプ部43aに配設されたLEDのスイッチをオンオフ制御することにより、第1特定ランプ部43aに表示される色の切り替え制御を開始するとともに、サブ制御装置65に対して変動パターンコマンドを出力する。サブ制御装置65は、変動パターンコマンドが入力された場合、減算表示処理において第1副表示領域Gaの貝キャラクタを変動表示させると判別し、表示制御装置62に対して第1副表示コマンドと高速変動コマンドを出力する。表示制御装置62は、第1副表示コマンドが入力されることにより、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの変動表示を開始させるとともに、高速変動コマンドが入力されることにより、上・中・下の各図柄列Z1〜Z3の変動表示を開始させるよう図柄表示装置41を表示制御する。このとき、第2副表示領域Gbの貝キャラクタの変動表示は開始させない。これにより、上・中・下の各図柄列Z1〜Z3の変動表示と、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの変動表示と、第1特定ランプ部43aの切り替え表示とが開始されることとなる。
その後、サブ制御装置65は、上図柄コマンド,中図柄コマンド,下図柄コマンドの各停止図柄コマンドが入力された場合、これら停止図柄コマンドの示す停止図柄に基づいて大当たりか否かを判別する。そして、サブ制御装置65は、当該判別結果と、変動パターンコマンドの示す変動パターン及び変動表示時間とに基づいて、リーチ変動の際に表示する予告キャラクタやリーチキャラクタ等の細かな表示内容、完全外れ変動の場合における各図柄列Z1〜Z3の停止パターン、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの最終停止表示態様等を決定し、決定結果を示す各種コマンドを表示制御装置62に対して出力する。表示制御装置62は、前記決定結果を示すコマンドが入力されることにより、決定結果と対応する表示演出を行いつつ、変動表示時間が経過するタイミングで各図柄列Z1〜Z3が停止表示しているように、且つ第1副表示領域Gaの貝キャラクタが前記最終停止表示態様で停止しているように、図柄表示装置41を独自に表示制御する。この間、主制御装置71は、第1特定ランプ部43aに配設されたLEDの各光源のスイッチをオンオフ制御することにより、第1特定ランプ部43aに表示される色の切り替え制御を継続して行う。具体的には、第1特定ランプ部43aでは、赤色、緑色、青色の順序でそれぞれの色が所定時間ずつ表示され、当該順序で表示される色の切り替えが繰り返し行われる。
変動開始処理にて設定した切り替え表示時間(変動表示時間)が経過した場合、主制御装置71は、第1特定ランプ部43aに配設されたLEDの各光源のスイッチうち、その時点でオン制御している光源のスイッチをオフ制御するとともに、変動開始処理にて設定した最終表示色と対応する光源のスイッチをオン制御する。このとき、主制御装置71は、サブ制御装置65に対して変動終了コマンドを出力する。サブ制御装置65は、当該変動終了コマンドが入力された場合、表示制御装置62に対して最終停止コマンドを出力する。表示制御装置62は、この最終停止コマンドが入力されることにより、各図柄列Z1〜Z3を最終停止表示させるとともに、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの変動表示を終了させるよう図柄表示装置41を表示制御する。これにより、変動表示時間(切り替え表示時間)の経過したタイミングで、図柄表示装置41の表示画面Gにおける図柄の変動表示と、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの変動表示と、第1特定ランプ部43aの切り替え表示と、が全て終了することとなる。
第2特定ランプ部43bの切り替え表示と、図柄表示装置41における図柄の変動表示、各副表示領域Ga,Gbにおける貝キャラクタの変動表示との関係は、第1副表示領域Gaの貝キャラクタではなく第2副表示領域Gbの貝キャラクタが変動表示されることを除き、第1特定ランプ部43aの場合と同様である。また、第2特定ランプ部43bの切り替え表示は、第1特定ランプ部43aと同一の制御が行われる。
ここで、保留個数が増加する場合の表示画面Gにおける各表示部の変化を、図31を用いて説明する。
第1特定ランプ部43aが切り替え表示されている場合には、共通表示部ab0が赤色点灯表示される。このとき、各保留個数が共に0であれば、4つの第1表示部が全て消灯表示されており、20個の第2表示部b10〜b44が全て非表示とされている。かかる状況下で上側作動口35aに入賞した場合、図31(a)に示すように、第1列の第1表示部a1が消灯表示から赤色点灯表示に切り替えられる。その後、下側作動口35bに入賞した場合には、図31(b)に示すように、第1行第1列の第2表示部b11が非表示から青色点灯表示に切り替えられる。上側作動口35aに入賞することなくさらに下側作動口35bに入賞した場合には、図31(c)に示すように、第2行第1列の第2表示部b21が非表示から青色点灯表示に切り替えられる。その後、上側作動口35aに入賞した場合には、図31(d)に示すように、第2列の第1表示部a2が消灯表示から赤色点灯表示に切り替えられる。なお、第2列の第1表示部a2が赤色点灯表示された後において、上側作動口35aに入賞する前に下側作動口35bに入賞した場合には、第2列の第2表示部b12〜b42が第1行から順に青色点灯表示に切り替えられることとなる。
このように、上側作動口35aへの入賞に基づいて保留個数が増加する場合には、第1列の第1表示部a1から第4列の第1表示部a4に向けて、すなわち共通表示部ab0から右方へ連なるようにして、第1表示部が赤色点灯表示に順次切り替えられる。一方、下側作動口35bへの入賞に基づいて保留個数が増加する場合には、最後に点灯表示に切り替えられた第1表示部から上方へ連なるようにして、第2表示部が青色点灯表示に順次切り替えられる。つまり、下側作動口35bへの入賞に基づいて保留個数が増加する場合には、最後に点灯表示に切り替えられた第1表示部から、第1表示部の点灯表示個数が増加する向きと直行する向きに連なるようにして、第2表示部が青色点灯表示に順次切り替えられる。
次に、保留個数が減少する場合の表示画面Gにおける各表示部の変化を、図32を用いて説明する。図32は、図31(d)に示す状況から保留個数が増加することなく減少し続けた場合を示す図である。図31に示す順序で各作動口35a,35bに入賞した場合には、第1特定ランプ部43a→第2特定ランプ部43b→第2特定ランプ部43b→第1特定ランプ部43aの順で切り替え表示が行われることとなる。
図31(d)において第1特定ランプ部43aの切り替え表示が終了した場合には、先ず共通表示部ab0が赤色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。そして、第0列の第2表示部b10〜b40がいずれも非表示であるため、図32(a)に示すように、点灯表示されている第1表示部及び第2表示部が、共通表示部ab0側に向けてシフト表示される。すなわち、第1列の第1表示部a1から共通表示部ab0に向けて赤色点灯がスライド表示されるとともに共通表示部ab0が消灯表示から赤色点灯表示に切り替えられ、第2列の第1表示部a2が赤色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。また、第1行第1列の第2表示部b11及び第2行第1列の第2表示部b21が青色点灯表示から非表示に切り替えられるとともに、第1行第0列の第2表示部b10及び第2行第0列の第2表示部b20が非表示から青色点灯表示に切り替えられる。これらの結果、共通表示部ab0が赤色点灯表示されていることを通じて、第1特定ランプ部43aが変動表示されていることや、上側作動口35aに入賞したことに基づいて図柄が変動表示されていることを把握させることができる。
図32(a)において第1特定ランプ部43aの切り替え表示が終了した場合には、共通表示部ab0が赤色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。そして、第0列の第2表示部b10〜b40のうち第1行の第2表示部b10と第2行の第2表示部b20が青色点灯表示されているため、図32(b)に示すように、点灯表示されている第2表示部が、共通表示部ab0側に向けてシフト表示される。すなわち、第1行の第2表示部b10から共通表示部ab0に向けて青色点灯がスライド表示されるとともに共通表示部ab0が消灯表示から青色点灯表示に切り替えられ、第2行の第2表示部b20が青色点灯表示から非表示に切り替えられる。このとき、第1表示部の点灯表示状況は変更されない。これらの結果、共通表示部ab0が青色点灯表示されていることを通じて、第2特定ランプ部43bが変動表示されていることや、下側作動口35bに入賞したことに基づいて図柄が変動表示されていることを把握させることができる。
図32(b)において第2特定ランプ部43bの切り替え表示が終了した場合には、共通表示部ab0が青色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。そして、第0列の第2表示部b10〜b40のうち第1行の第2表示部b10が青色点灯表示されているため、図32(c)に示すように、点灯表示されている第2表示部が、共通表示部ab0側に向けてシフト表示される。すなわち、第1行の第2表示部b10から共通表示部ab0に向けて青色点灯がスライド表示されるとともに共通表示部ab0が消灯表示から青色点灯表示に切り替えられ、第1行の第2表示部b10が青色点灯表示から非表示に切り替えられる。このとき、第1表示部の点灯表示状況は変更されない。これらの結果、共通表示部ab0が青色点灯表示されていることを通じて、第2特定ランプ部43bが変動表示されていることや、下側作動口35bに入賞したことに基づいて図柄が変動表示されていることを把握させることができる。
図32(c)において第2特定ランプ部43bの切り替え表示が終了した場合には、共通表示部ab0が青色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。そして、第0列の第2表示部b10〜b40がいずれも非表示であるため、図32(d)に示すように、点灯表示されている第1表示部が、共通表示部ab0側に向けてシフト表示される。すなわち、第1列の第1表示部a1から共通表示部ab0に向けて赤色点灯がスライド表示されるとともに共通表示部ab0が消灯表示から赤色点灯表示に切り替えられ、第1列の第1表示部a1が赤色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。この結果、共通表示部ab0が赤色点灯表示されていることを通じて、第1特定ランプ部43aが変動表示されていることや、上側作動口35aに入賞したことに基づいて図柄が変動表示されていることを把握させることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上側作動口35aに遊技球が入賞した場合には保留記憶数が4個未満であることを条件に第1特定ランプ部用保留エリアRaに各カウンタ値が格納され、下側作動口35bに遊技球が入賞した場合には保留記憶数が4個未満であることを条件に第2特定ランプ部用保留エリアRbに各カウンタ値が格納される構成とすることにより、遊技者の不利益に繋がる機会が生じることを低減させるとともに、遊技場の不利益に繋がる機会が生じることを低減させることが可能となる。すなわち、遊技者にとっては、最大8個まで各カウンタ値を保留記憶させることが可能なため、作動口に遊技球を通過させたにも関わらず当該結果に基づいて当たり抽選が行われないという不利益が生じる機会を低減させることができる。
確かに、遊技球が作動口に入賞した個数を例えば10個まで或いはそれ以上に保留できる構成とすれば、遊技者が遊技に能動的に参加できる機会すなわち遊技球を発射させる機会が低減することを抑制することが可能となる。しかしながら、パチンコ機においては遊技球が作動口に入賞した際に保留できる個数は例えば最大4個までと規制されているため、それ以上に保留数を増加させることはできない。
一方、本実施の形態においては、上側作動口35aに遊技球が入賞した場合には第1特定ランプ部43aを切り替え表示させるとともに最大4個まで保留できる構成とし、下側作動口35bに遊技球が入賞した場合には第2特定ランプ部43bを切り替え表示させるとともに最大4個まで保留できる構成とした。このため、保留できる個数に上限が設定されているパチンコ機において、結果として5個以上の入賞を保留できることとなり、遊技者の不利益に繋がる機会が生じることを低減させることが可能となる。
第1特定ランプ部用保留エリアRa又は第2特定ランプ部用保留エリアRbのいずれかに格納されたカウンタ値を用いて大当たり判定を行い、一方の特定ランプ部の切り替え表示中には他方の特定ランプ部の切り替え表示を行わない構成とした。かかる構成とすることにより、主制御装置71の処理負荷を分散させることができるとともに、遊技者が困惑する不具合が発生することを回避することができる。仮に第1特定ランプ部43aの切り替え表示を行っている最中に第2特定ランプ部43bの切り替え表示を行う構成とした場合、第1特定ランプ部43aの切り替え表示と第2特定ランプ部43bの切り替え表示を共に行う必要が生じ、主制御装置71に処理負荷が集中してしまうからである。また、いずれの切り替え表示を確認すれば良いのか、いずれの作動口への入賞に基づいて切り替え表示や図柄の変動表示が行われているのか等を遊技者が把握することができずに困惑する可能性が懸念されるからである。
図柄表示装置41の表示画面Gには、各作動口35a,35bに入賞した保留個数と、各作動口35a,35bに入賞した順序を把握できるように表示する構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者は、表示画面Gに点灯表示される個数を通じて、特定ランプ部43a,43bの切り替え表示及び図柄の変動表示が行われる残り回数(すなわち保留個数の総和)と、各特定ランプ部43a,43bの切り替え表示が行われる順序とを把握することが可能となる。故に、各特定ランプ部43a,43bが各作動口35a,35bに入賞した順序で切り替え表示される構成において、例えば上側作動口35aに入賞した個数が複数保留されるとともに下側作動口35bに入賞した個数が複数保留されている状況となった場合であっても、遊技者は第1表示部と第2表示部の点灯表示状況を確認することで入賞順序を把握することができる。この結果、遊技者を困惑させることなく図柄の変動表示に注視させることが可能となる。
表示画面Gには、上側作動口35aに遊技球が入賞した場合に赤色点灯表示される第1表示部と、下側作動口35bに入賞した場合に青色点灯表示される第2表示部とが、別領域に表示される構成とした。かかる構成とすることにより、各表示部の点灯表示状況を通じて、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数RaN,RbNを別個に把握させることができる。また、第1表示部は、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留個数が0の場合であっても4つ消灯表示されている構成とした。かかる構成とすることにより、第1表示部の個数を通じて第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNの上限が4個であることを遊技者に把握させることが可能となる。加えて、第1表示部が表示されている第1保留表示領域Aの境界部に仕切り線を表示する構成としたため、第1保留表示領域Aの大きさからも第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNの上限が4個であることを遊技者に把握させることが可能となる。このように、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNの上限が4個であることと、第1特定ランプ部用保留エリアRaに実際に保留されている保留記憶数RaNとを共に表示画面G上で把握させることが可能な構成とすることにより、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。下側作動口35bには電動役物35cが設けられており、遊技状態が通常状態の場合には、下側作動口35bに入賞させることが上側作動口35aに入賞させることより困難なものとなっている。このため、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが上限に達している状況下において、電動役物35cが開放状態に切り替えられて下側作動口35bに入賞することを期待しつつ遊技球を発射させるか、下側作動口35bに入賞させることを諦めて遊技球の発射を停止させるか、を遊技者に選択させることが可能となるからである。
サブ制御装置65に順序記憶エリアSAを設け、サブ制御装置65側で上側作動口35aと下側作動口35bへの入賞順序を記憶する構成とした。かかる構成とすることにより、いずれの特定ランプ部43a,43bが切り替え表示されるのかをサブ制御装置65が独自に把握することが可能となり、主制御装置71の処理負荷が増大化することを抑制しつつ、保留表示の多様化を図ることが可能となる。仮にサブ制御装置65側でいずれの特定ランプ部43a,43bが切り替え表示されるのかを独自に把握できない構成とした場合、主制御装置71は、変動パターンコマンドと前後していずれの特定ランプ部43a,43bを切り替え表示するのかを示すコマンドをサブ制御装置65に対して送信する必要が生じ、主制御装置71の処理負荷が増大化し得るからである。
第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNの上限が4個であることと、第1特定ランプ部用保留エリアRaに実際に保留されている保留記憶数RaNと、各作動口35a,35bに入賞した順序と、が図柄の変動表示される表示画面G上から把握可能な構成とすることにより、遊技者を図柄の変動表示に注視させつつ上記各情報を遊技者に把握させることが可能となる。
表示画面Gには、共通表示部ab0と各第1表示部a1〜a4を左右方向に並ぶようにして配置し、これら共通表示部ab0及び第1表示部a1〜a4の上方に、上下に並ぶようにして第2表示部をそれぞれ4つずつ配置する構成とした。かかる構成とすることにより、左右方向に表示される第1表示部の点灯表示状況を通じて第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを把握させることが可能となるとともに、上下方向に表示される第1表示部の点灯表示状況を通じて第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを把握させることが可能となる。また、第1表示部a1〜a4の上方のみならず共通表示部ab0の上方にも第2表示部を4つ配置することにより、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが0の場合に下側作動口35bに入賞し、その後に上側作動口35aに入賞した場合であっても、共通表示部ab0の上方に配置された第2表示部を青色点灯表示させた後に第1列の第1表示部a1を赤色点灯表示させることにより、各作動口35a,35bへの入賞順序を容易に把握させることが可能となる。
第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合には、左側から右側に向けて第1表示部が順次点灯表示され、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した後に第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが増加した場合には、最後に点灯表示された第1表示部と対応する列の第1行の第2表示部が青色点灯表示される構成とした。また、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加することなく第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが続けて増加した場合には、下側から上側に向けて第2表示部が順次青色点灯表示される構成とした。かかる構成とすることにより、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加するまでの間に増加した第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RaNを、各第1表示部の上方にそれぞれ表示されている第2表示部の個数を通じて把握させることが可能となる。故に、各作動口35a,35bへの入賞順序を容易に把握させることが可能となる。
サブ制御装置65は、変動パターンコマンドを受信した場合、順序記憶エリアSAのデータを右へ1ビットシフトし、第1フラグがあふれた場合に第1特定ランプ部43aが切り替え表示されると判別し、第1フラグがあふれなかった場合に第2特定ランプ部43bが切り替え表示されると判別する構成とした。かかる構成とすることにより、処理構成を複雑化させることなく、サブ制御装置65側でいずれの特定ランプ部43a,43bが切り替え表示されるのかを判別することが可能となる。
第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを減少させる場合には、赤色点灯表示されている第1表示部が右側から左側に減少するように、最後に赤色点灯表示された第1表示部が消灯表示される。このとき、青色点灯表示されている第2表示部は、その点灯表示個数を変化させることなく右側から左側にシフトされたように表示される。かかる構成とすることにより、各作動口35a,35bへの入賞順序を維持したまま共通表示領域AB側に第1表示部及び第2表示部の点灯表示状況を移動させることができ、その後に上側作動口35a又は下側作動口35bに入賞した場合であってもその入賞順序を容易に把握させることが可能となる。
第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを減少させる場合には、第0列すなわち共通表示領域ABの上方に青色点灯表示されている第2表示部が上側から下側に減少するように、第0列において最後に青色点灯表示された第2表示部が非表示とされる。このとき、第1表示部及び第1列以降の第2表示部の点灯表示状況は変更されない。第0列に第2表示部が点灯表示されている場合、当該第0列に点灯表示されている第2表示部の個数分だけ上側作動口35aより先に下側作動口35bに入賞したことを意味する。そこで、第1表示部及び第1列以降の第2表示部の点灯表示状況を変更することなく第0列の第2表示部の点灯表示状況のみを変更することにより、その後に上側作動口35a又は下側作動口35bに入賞した場合であってもその入賞順序を容易に把握させることが可能となる。
共通表示領域ABを、第1表示領域Aの第1列の第1表示部a1側すなわち最初に赤色点灯表示される第1表示部側に横並びに設けることにより、第1表示部及び第2表示部の点灯表示状況を通じて各作動口35a,35bへの入賞順序を把握させることのみならず、次回に行われる図柄の変動表示等がいずれの作動口35a,35bへの入賞に基づくものなのかを容易に把握させることが可能となる。
第1表示部を赤色点灯表示から消灯表示に切り替えた場合には、共通表示部ab0を赤色点灯表示させ、第0列の第2表示部を青色点灯表示から非表示に切り替えた場合には、共通表示部ab0を青色点灯表示させる構成とした。このように、共通表示部ab0の表示態様を消灯表示又は非表示に切り替えた表示部と同じ表示態様で表示する構成とすることにより、図柄の変動表示等が開始される際に第1表示部及び第2表示部の変化を視認していなくても、共通表示部ab0の表示色から現在の図柄の変動表示がいずれの作動口35a,35bへの入賞に基づいて行われているものなのかを把握させることが可能となる。故に、図柄の変動表示を注視させることが可能となる。
第1表示部の赤色点灯表示数を減少させる場合には、第1列の第1表示部a1から共通表示部ab0に向けて赤色点灯表示をスライド表示させた後に共通表示部ab0を赤色点灯表示させ、第2表示部の青色点灯表示数を減少させる場合には、第1行第0列の第2表示部b10から共通表示部ab0に向けて青色点灯表示をスライド表示させた後に共通表示部ab0を青色点灯表示させる構成とした。かかる構成とすることにより、図柄の変動表示等が開始される前段階において、赤色点灯表示又は青色点灯表示が共通表示部ab0に向けてスライド表示されることを通じて、これから行われる図柄の変動表示がいずれの作動口35a,35bへの入賞に基づくものなのかを把握させることが可能となる。
上側作動口35aに遊技球が入賞した場合と下側作動口35bに遊技球が入賞した場合とで各カウンタ値を異なる特定ランプ部用保留エリアに格納させる構成とする一方、各作動口に遊技球が入賞した順序で各カウンタ値を実行エリアに移動させる構成の場合、各特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数に基づいて変動表示時間を決定する構成とすると、遊技者が図柄の変動表示に違和感を抱く可能性が懸念される。
ここで、第1特定ランプ部用保留エリアに格納された各カウンタ値に基づいて大当たり判定を行った結果が外れであり、且つ完全外れであった場合を考える。このとき、第1特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が3個、第2特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が1個の状況下であった場合、第1特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数に基づいて変動表示時間を決定する構成とすると、短時間で完全外れ変動が終了することとなる。一方、次回の切り替え開始処理において第2特定ランプ部用保留エリアに格納された各カウンタ値に基づいて大当たり判定が行われ、その結果が外れ且つ完全外れであった場合、第1特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が3個あるにも関わらず長時間にわたって完全外れ変動が行われることとなる。このように、各特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数に基づいて変動表示時間を決定する構成とすると、遊技者が図柄の変動表示に違和感を抱く可能性が懸念される。このことは、いずれの特定ランプ部43a,43bの切り替え表示を行う場合であっても図柄表示装置41の表示画面で図柄を変動表示させる構成においてより顕著なものとなる。
そこで、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数の総和に基づいて完全外れの場合の変動表示時間を決定する構成とすることにより、上記懸念を好適に解消することができる。また、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数が上限に達している期間を低減させることにも繋がる。故に、遊技者が図柄の変動表示に違和感を抱くことを回避しつつ、遊技者の不利益に繋がる機会が生じることを好適に低減させることが可能となる。
各作動口35a,35bに遊技球が入賞した場合に各カウンタ値を格納させるための各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbと、各作動口35a,35bへの遊技球の入賞順序を記憶させるための共通保留エリアCRとを別個に設けることにより、RAM103の記憶容量が増大化することを抑制することが可能となる。仮に各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbに入賞順序も格納する構成とした場合、各記憶エリアに入賞順序を格納するための1バイト領域を新たに設ける必要が生じ、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの記憶容量が4バイトずつ増大化することとなる。このようなRAM103の記憶容量が増大化することに対する懸念は、特定ランプ部用保留エリアを3つ以上備えた構成すなわち特定ランプ部を3つ以上備えた構成や、特定ランプ部用保留エリアに5個以上保留記憶できる構成とした場合により顕著なものとなる。一方、共通保留エリアCRを別個に設けた場合、本実施の形態のように特定ランプ部用保留エリアを2つ備えた構成においては1バイトのみで入賞順序を記憶させることができ、特定ランプ部用保留エリアを3つ以上備えた構成であっても、特定ランプ部用保留エリアが4つ以下であれば2バイト、8つ以下であれば3バイトで入賞順序を記憶させることができる。故に、共通保留エリアCRを別個に設けることにより、RAM103の記憶容量が増大化することを抑制することが可能となる。
完全外れの場合に特定保留数に基づいて変動表示時間を決定する構成、すなわち特定保留数に基づいて変動表示時間を短くする構成とすることにより、図柄の変動表示を見て楽しむという受動的な遊技が損なわれることを回避することが可能となる。遊技者は、遊技状態が大当たり状態に移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的である。このため、リーチとなった後のリーチ演出は、遊技者が最も大当たり発生への期待感を高める表示演出である。一方、完全外れ変動の場合には、いずれの有効ラインL1〜L5にも上図柄列Z1の図柄と下図柄列Z3の図柄とが同一主図柄で停止しないためリーチとならず、各図柄列Z1〜Z3の変動表示に併せて予告キャラクタやリーチキャラクタが表示されることもない。したがって、大当たり変動やリーチ変動の場合ではなく完全外れ変動の場合に変動表示時間を特定保留数に基づいて短くする構成とすることにより、一方の特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が上限に達している状況下で長時間にわたって図柄の変動表示が行われる機会を低減させつつ、折角用意した表示演出が無駄なものとなってしまうことを回避することが可能となる。
特定保留数が4個の場合には、通常状態であれば完全外れ変動の変動表示時間を7秒から4秒に短縮させ、高確率状態であれば完全外れ変動の変動表示時間を7秒から2秒に短縮させる構成とした。特定保留数が4個の場合、一方の特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が上限に達している可能性が考えられる。そこで、かかる場合には完全外れ変動の変動表示時間を7秒間(すなわち特定保留数が0個の場合の変動表示時間)より短くすることにより、一方の特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が上限に達しているにも関わらず完全外れ変動が長時間にわたって行われることを回避することが可能となり、能動的な遊技を行う必要性が乏しくなる機会が生じることを好適に抑制することが可能となる。
遊技状態が通常状態の場合、特定保留数が3個以上あれば完全外れ変動の変動表示時間を7秒より短い変動表示時間に短縮させる構成とすることにより、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数が上限に達する機会を低減させることが可能となる。例えば第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数が3個の状況下で完全外れ変動を7秒間行った場合、遊技者はこの完全外れ変動を行っている最中に最大で11個の遊技球を発射させることができる一方、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数が3個の状況下で完全外れ変動を4秒間行った場合、遊技者はこの完全外れ変動を行っている最中に最大で6個の遊技球しか発射させることができないからである。また、かかる構成とすることにより、仮に完全外れ変動が行われている最中に第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数が4個に到達したとしても、その後に長期間にわたって完全外れ変動が行われる機会を低減させることが可能となる。
遊技状態が高確率状態の場合、特定保留数が2個以上あれば完全外れ変動の変動表示時間を7秒より短い変動表示時間に短縮させる構成とすることにより、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数が上限に達する機会を低減させることが可能となる。高確率状態下では電動役物35cが5秒間又は4個の遊技球が入賞するまで開放されるため、電動役物35cが開放されると下側作動口35bに多くの遊技球が続けて入賞し易くなる。このため、例えば特定保留数が2個の状況下で完全外れ変動を7秒間行った場合、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数が上限に達する可能性が十分に考えられるからである。
特定保留数が通常状態下にあっては5個以上、高確率状態下にあっては4個以上の場合に、完全外れ変動の変動表示時間を2秒とさらに短縮させる構成とした。かかる構成とすることにより、一方の特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が上限に達しているにも関わらず完全外れ変動が長時間にわたって行われる機会を低減させることが可能となる。つまり、特定保留数が上記個数以上ある場合、通常状態下にあっては第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数が上限に達している可能性が高く、高確率状態下にあっては第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数が上限に達している可能性が高いからである。
特定保留数と変動表示時間との対応関係が遊技状態毎に定められた変動表示時間テーブルを用意し、この変動表示時間テーブルに基づいて完全外れ変動の場合の変動表示時間を決定する構成とした。かかる構成とすることにより、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数の総和に基づいて完全外れ変動の変動表示時間を決定する本実施の形態において、処理構成を複雑化させることなく変動表示時間を決定することが可能となる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
上記実施の形態では、各作動口35a,35bに入賞した順序で特定ランプ部43a,43bの切り替え表示を行う構成について説明したが、第2の実施の形態では、各作動口35a,35bに入賞した順序に関わらず第2特定ランプ部43bの切り替え表示を優先して行う構成について説明する。なお、基本構成は上記実施の形態と同じであるため、ここでは上記実施の形態との相違点についてのみ説明する。
先ず、主制御装置71の構成について説明する。主制御装置71には、図33に示すように、基本構成は上記実施の形態と同様であるものの、保留球格納エリアに共通保留エリアCRが設けられていない。大当たりカウンタC1等の各種カウンタC1〜C3,CINI,CS,CU,CM,CLやカウンタバッファ、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rb、実行エリアAEの構成については上記実施の形態と同じため、説明を省略する。
次に、主制御装置71内のCPU101により実行される各制御処理のうち、上記実施の形態と異なる処理を行う情報取得処理、切り替え開始処理、大当たり種別判定処理について、図34〜図36のフローチャートを用いて説明する。
情報取得処理では、図34のフローチャートに示すように、ステップS1501において、先の始動入賞処理にてセットした保留記憶数N(RaN又はRbN、図15のS303,S309参照)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS1502にて対応する特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数Nを1インクリメントする。続くステップS1503では、保留球格納エリアに設けられた共通保留カウンタCRNを1インクリメントする。その後、ステップS1504では、作動口フラグ格納エリアに格納された値が0か否かを判別する。作動口フラグ格納エリアに格納された値が0でなく1である場合には、遊技球が下側作動口35bに入賞したことを意味するため、ステップS1505にて第2コマンドを設定する。一方、作動口フラグ格納エリアに格納された値が0である場合、遊技球が上側作動口35aに入賞したことを意味するため、ステップS1506にて第1コマンドを設定する。
第1コマンド又は第2コマンドを設定した後、ステップS1507では、前記ステップS203(図14参照)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する特定ランプ部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS1502にて1インクリメントした保留記憶数Nと対応する記憶エリアに格納する。そして、保留記憶数Nと対応する可変表示ユニット37の第1保留ランプ46a又は第2保留ランプ46bを点灯させた後、本処理を終了する。
次に、切り替え開始処理を図35のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1601では、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが0か否かを判別する。そして、保留記憶数RbNが0でない場合には、ステップS1602〜S1608に示す第2特定ランプ部切り替え開始処理を行い、保留記憶数RbNが0である場合には、ステップS1609〜S1614に示す第1特定ランプ部切り替え開始処理を行う。つまり、本実施の形態では、第2特定ランプ部用保留エリアRbに大当たり乱数等のデータが保留記憶されている場合、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbに保留記憶された順序に関わらず第2特定ランプ部切り替え開始処理を優先して行うようになっている。
第2特定ランプ部切り替え開始処理では、ステップS1602にて第2特定ランプ部43bに表示される色の切り替えを開始する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためのタイマをリセットし、さらに第2特定ランプ部43bに配設されたLEDのスイッチを全てオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、第2特定ランプ部43bには、赤色が表示される。ステップS1603では、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS1604では共通保留カウンタCRNを1ディクリメントし、ステップS1605ではこのときの保留数CRNを特定保留数として記憶する。ステップS1606では、第2特定ランプ部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、ステップS1607にて第2特定ランプ部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。そして、点灯中の第2保留ランプ46bを1つ消灯させた後、ステップS1608にて切り替えフラグをセットし、本処理を終了する。
第1特定ランプ部切り替え開始処理では、ステップS1609にて第1特定ランプ部43aに表示される色の切り替えを開始する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためのタイマをリセットし、さらに第1特定ランプ部43aに配設されたLEDのスイッチを全てオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、第1特定ランプ部43aには、赤色が表示される。ステップS1610では、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS1611では共通保留カウンタCRNを1ディクリメントし、ステップS1612ではこのときの保留数CRNを特定保留数として記憶する。ステップS1613では、第1特定ランプ部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、ステップS1614にて第1特定ランプ部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。そして、点灯中の第1保留ランプ46aを1つ消灯させた後、切り替えフラグをセットすることなくそのまま本処理を終了する。
次に、大当たり種別判定処理の説明に先立ち、本実施の形態における大当たり種別について説明する。
本実施の形態では、大当たり種別として、第1特定大当たりと、第2特定大当たりと、非特定大当たりとを備えている。第1特定大当たりとは、上記実施の形態における特定大当たりのことである。第2特定大当たりとは、大入賞口が15回ではなく2回だけ開閉される大当たり状態に移行するとともに、さらにその後、特定遊技状態としての高確率状態に移行する大当たりである。第2特定大当たりの場合には、変動表示領域g1において、上図柄列Z1の「3」図柄,中図柄列Z2の「4」図柄,下図柄列Z3の「1」図柄の組み合わせがいずれかの有効ラインに最終停止表示され、副表示領域Ga,Gbにおいて、貝キャラクタの貝殻部が4分の3だけ開放された状態で変動表示が終了され、特定ランプ部43a,43bにおいて、第3特定識別情報としての黄色が最終表示されるようになっている。
さて、大当たり種別判定処理では、図36のフローチャートに示すように、ステップS1701にて保留球格納エリアの実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が25未満か否かを判別する。大当たり種別カウンタC2の値が25以上である場合には、非特定大当たりであると判別し、ステップS1702にて現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が緑色となるよう緑色表示フラグをセットし、本処理を終了する。
大当たり種別カウンタC2の値が25未満である場合には、特定大当たりであると判別し、ステップS1703にて特定フラグをセットする。その後、ステップS1704では、切り替えフラグがセットされているか否かを判別する。切り替えフラグがセットされていない場合には、ステップS1705に進み、前記大当たり種別カウンタC2の値が5未満か否かを判別する。大当たり種別カウンタC2の値が5〜24のいずれかである場合(ステップS1705がNOの場合)には、第1特定大当たりであると判別し、ステップS1706にて現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が赤色となるよう赤色表示フラグをセットし、本処理を終了する。また、大当たり種別カウンタC2の値が0〜4のいずれかである場合(ステップS1705がYESの場合)には、第2特定大当たりであると判別する。そして、ステップS1707にて現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が黄色となるよう黄色表示フラグをセットするとともに、ステップS1708にてラウンドフラグをセットし、本処理を終了する。ここで、ラウンドフラグとは、遊技状態移行処理にて参照されるフラグである。より詳しくは、ラウンドカウンタRCにラウンド数をセットする際(図25のステップS1106)にラウンドフラグの有無を判別し、ラウンドフラグがセットされていない場合には、ラウンドカウンタRCに15をセットし、ラウンドフラグがセットされている場合には、ラウンドカウンタRCに2をセットする。この結果、第1特定大当たり又は非特定大当たり発生に伴う大当たり状態では大入賞口が15回開閉され、第2特定大当たり発生に伴う大当たり状態では大入賞口が2回開閉されることとなる。ステップS1704にて切り替えフラグがセットされていると判別した場合には、大当たり種別カウンタC2の値に関わらず第1特定大当たりであると判別する。すなわち、大当たり種別カウンタC2の値が0〜24のいずれであっても第1特定大当たりと判別する。そして、ステップS1709にて現在切り替え表示を行っている特定ランプ部の最終表示色が赤色となるよう赤色表示フラグをセットし、本処理を終了する。
このように、本実施の形態では、特定大当たりであると判別した場合、切り替えフラグの有無によって、すなわち第1特定ランプ部用保留エリアRaと第2特定ランプ部用保留エリアRbのいずれのデータを用いたかによって、第1特定大当たりと第2特定大当たりの発生する割合が変化するようになっている。換言すれば、遊技球が上側作動口35aに入賞した場合と、遊技球が下側作動口35bに入賞した場合とで発生する大当たり種別が変化するようになっている。遊技球が上側作動口35aに入賞した場合には、大当たりの50分の20で第1特定大当たりが発生し、50分の5で第2特定大当たりが発生し、50分の25で非特定大当たりが発生する。一方、遊技球が下側作動口35bに入賞した場合には、上記実施の形態と同様、大当たりの2分の1で第1特定大当たりが発生し、大当たりの2分の1で非特定大当たりが発生する。かかる構成の場合、第2特定大当たりでは大当たり状態下で2回しか大入賞口が開閉されないため、上側作動口35aに入賞して大当たり発生となるより、下側作動口35bに入賞して大当たり発生となった方が遊技者の有利度合いが大きくなる。
大当たり種別判定処理を行った後は、図21に示すように、ステップS907にて大当たり図柄テーブルを参照し、保留球格納エリアの実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と対応する大当たり図柄の組み合わせを求める。このとき、切り替えフラグがセットされているか否かを判別し、切り替えフラグがセットされていない場合には、図37に示す第1特定ランプ部用大当たり図柄テーブルを参照し、切り替えフラグがセットされている場合には、図22に示す第2特定ランプ部用大当たり図柄テーブルを参照する。
次に、サブ制御装置65の実行する各種処理と、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される具体的な表示態様とのうち、上記実施の形態と異なる点について詳細に説明する。
図38は、図柄表示装置41の表示画面Gのうち固定表示領域g2を示す図である。表示画面Gには、その左下角隅部に、共通保留表示領域ABが設定されている。共通保留表示領域ABと固定表示領域g2の境界部には、それぞれの表示領域を区分する仕切り線が表示されている。また、共通保留表示領域ABには、図柄の変動表示に併せて点灯表示又は消灯表示される共通表示部ab0が表示されている。より詳しくは、共通表示部ab0は、上側作動口35aへの入賞に基づいて図柄が変動表示される場合には赤色点灯表示され、下側作動口35bへの入賞に基づいて図柄が変動表示される場合には青色点灯表示され、図柄が変動表示されていない場合には消灯表示されるようになっている。
共通保留表示領域ABの右方には、上下に整列するようにして8つの保留表示部h1〜h8が設定されている。各保留表示部h1〜h8は、上側作動口35aへの入賞が保留されたことを示す場合に赤色点灯表示され、下側作動口35bへの入賞が保留されたことを示す場合に青色点灯表示されるようになっており、その他の場合には表示されないようになっている。つまり、本実施の形態では、上側作動口35aへの入賞が保留されたことを示すための表示部と、下側作動口35bへの入賞が保留されたことを示すための表示部とを個別に設定しておらず、各保留表示部h1〜h8を共通使用するようになっている。
ここで、サブ制御装置65の構成について説明する。サブ制御装置65は、図39に示すように、RAM65cに保留表示記憶エリアHCが設けられていないことを除き、上記実施の形態と同じである。
次に、上側作動口35a又は下側作動口35bに入賞した場合に、すなわち第1コマンド又は第2コマンドを受信した場合に実行する加算表示処理を、図40のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1801では、第1コマンドを受信したか否かを判別する。第1コマンドを受信した場合には、第1特定ランプ部用保留エリアRaに保留記憶されている保留記憶数RaNが4個未満であって、当該保留記憶数RaNが増加したことを意味する。かかる場合には、所定位置の保留表示部を点灯表示させるべく、ステップS1802〜S1804に示す第1加算表示処理を行う。
第1加算表示処理では、ステップS1802にて第1保留カウンタCaを1インクリメントするとともに、ステップS1803にて第3保留カウンタCcを1インクリメントする。その後、ステップS1804にて現在の第3保留カウンタCcの値と対応する保留表示部を赤色点灯させるための処理を行い、本処理を終了する。具体的には、第3保留カウンタCcの値と対応する第1点灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第1点灯コマンドを受信することにより、第3保留カウンタCcの値と対応する位置の保留表示部を非表示から赤色点灯表示に切り替えるべく、図柄表示装置41を表示制御する。
ステップS1801にて第1コマンドを受信していないと判別した場合には、第2コマンドを受信したことを意味するとともに、第2特定ランプ部用保留エリアRbに保留記憶されている保留記憶数RbNが4個未満であって、当該保留記憶数RbNが増加したことを意味する。かかる場合には、所定位置の保留表示部を点灯表示させるべく、ステップS1805〜S1808に示す第2加算表示処理を行う。
第2加算表示処理では、ステップS1805にて第2保留カウンタCbを1インクリメントするとともに、ステップS1806にて第3保留カウンタCcを1インクリメントする。その後、ステップS1807では、現在の第3保留カウンタCcの値と対応する保留表示部を青色点灯させるための処理を行う。具体的には、第3保留カウンタCcの値と対応する第2点灯コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第2点灯コマンドを受信することにより、第3保留カウンタCcの値と対応する位置の保留表示部を非表示から青色点灯表示に切り替えるべく、図柄表示装置41を表示制御する。保留表示部を青色点灯させるための処理を行った後、ステップS1808にて順序記憶エリアSAの第3保留カウンタCcと対応する記憶エリアSA(Cc)に第2フラグとして1をセットし、本処理を終了する。
かかる処理を行うことにより、表示画面Gでは、最下段の保留表示部h1から上側に向けて、各作動口35a,35bに入賞した順序と対応する発光色で各保留表示部h1〜h8が順次点灯表示されることとなる。
次に、図柄の変動表示を開始させる際に実行する減算表示処理を、図41のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1901では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、変動パターンコマンドを受信した場合には、主制御装置71が第1特定ランプ部43a又は第2特定ランプ部43bの切り替え表示を開始したことを意味するため、ステップS1902以降の処理を実行し、表示画面Gに表示中の保留個数を変更する。
先ず、ステップS1902では、第2保留カウンタCbの値が0か否かを判別する。主制御装置71側では第2特定ランプ部切り替え開始処理を優先して行うため、サブ制御装置65側では、第2保留カウンタCbの値すなわち第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを確認することにより、いずれの特定ランプ部が切り替え表示されるのかを把握し、対応する発光色の点灯表示数を減少させる処理を実行する。つまり、第2保留カウンタCbの値が0である場合(第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが0の場合)には、赤色点灯表示している保留表示部の数を減少させるべく(上側作動口35aへの入賞に基づく保留個数の表示を減少させるべく)ステップS1903〜S1909に示す処理を実行し、第2保留カウンタCbの値が0でない場合(第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが0でない場合)には、青色点灯表示している保留表示部の数を減少させるべく(下側作動口35bへの入賞に基づく保留個数の表示を減少させるべく)ステップS1911〜S1920に示す処理を実行する。
第2保留カウンタCbの値が0である場合には、ステップS1903及びステップS1904において、移動表示処理を行うとともに共通表示部ab0を赤色点灯させるための処理を行う。具体的には、第1移動コマンドと第1共通コマンドを表示制御装置62に対して送信する。第2保留カウンタCbの値が0である場合、少なくとも第1段の保留表示部h1が赤色点灯表示されているため、表示制御装置62は、前記第1移動コマンドを受信することにより、第1段の保留表示部h1から共通表示部ab0に向けて赤色点灯をスライド表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、前記第1共通コマンドを受信することにより、共通表示部ab0を赤色点灯表示させるべく図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS1905では、第1保留カウンタCaの値を1ディクリメントし、ステップS1906では、第3保留カウンタCcの値を1ディクリメントする。続くステップS1907では、順序記憶エリアSAの各記憶エリア(各ビット)に格納された値を下位ビット側へとシフトする。そして、ステップS1908では、各保留表示部h1〜h8の点灯表示状況を変更するための第1修正表示処理を行う。具体的には、第1保留カウンタCaの値を示す保留数コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記保留数コマンドを受信することにより、第1保留カウンタCaの値に1加算した段の保留表示部を赤色点灯表示から非表示に切り替えるべく、図柄表示装置41を表示制御する。このとき、表示制御装置62は、第1保留カウンタCaの値が0でない場合、第1段の保留表示部h1を再度赤色点灯させるべく図柄表示装置41を表示制御する。なお、第2保留カウンタCbの値が0である場合には、点灯表示されている保留表示部の発光色は全て赤色であり、第1保留カウンタCaの値と第3保留カウンタCcの値は一致している。したがって、サブ制御装置65は、第3保留カウンタCcの値を示す保留数コマンドを表示制御装置62に対して送信しても良い。上述した処理を行うことにより、赤色点灯表示されていた保留表示部のうち最上段の保留表示部が非表示に切り替えられるとともに、共通表示部ab0が赤色点灯表示されることとなる。
保留表示部の赤色点灯表示数を1つ減少させた後、ステップS1909では、第1副表示領域Gaの貝キャラクタを変動表示させるための処理を行うとともに、ステップS1910では、図柄の変動表示を開始させるための処理を行い、本処理を終了する。具体的には、第1副表示コマンドと、高速変動コマンドとを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、第1副表示コマンドを受信することにより、第1副表示領域Gaの貝キャラクタの変動表示を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御し、高速変動コマンドを受信することにより、各図柄列Z1〜Z3の高速変動を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御する。
第2保留カウンタCbの値が0でない場合には、ステップS1911にて第2フラグ検索処理を行う。具体的には、順序記憶エリアSAの各記憶エリアを参照し、第2フラグがセットされている記憶エリア、すなわちビット値が1の記憶エリアを検索する。続くステップS1912では、第2フラグがセットされている記憶エリアのうち最下位に位置する記憶エリア(第nエリア)を把握する。その後、ステップS1913及びステップS1914では、移動表示処理を行うとともに共通表示部ab0を青色点灯させるための処理を行う。具体的には、第2フラグがセットされている最下位エリアの位置を含む第2移動コマンドと、第2共通コマンドとを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記第2移動コマンドを受信することにより、第n段の保留表示部h(n)から共通表示部ab0に向けて青色点灯をスライド表示させるべく図柄表示装置41を表示制御し、前記第2共通コマンドを受信することにより、共通表示部ab0を青色点灯表示させるべく図柄表示装置41を表示制御する。ステップS1915では、第2保留カウンタCbの値を1ディクリメントし、ステップS1916では、第3保留カウンタCcの値を1ディクリメントする。続くステップS1917及びステップS1918では、順序記憶エリアのデータをシフトする処理を行う。具体的には、ステップS1917にて第nエリアのデータをクリアし、ステップS1918にて第nエリアより上位側に位置する記憶エリア(第(n+1)エリア〜第8エリア)のデータを下位ビット側へとシフトする。なお、第2フラグがセットされている最下位エリアが第8エリアである場合には、第8エリアのデータをクリアする処理のみを行う。また、第nエリアより下位側に位置する記憶エリアについては、データをシフトさせることなくそのまま維持する。
順序記憶エリアのデータをシフトした後、ステップS1919では、各保留表示部h1〜h8の点灯表示状況を変更するための第2修正表示処理を行う。具体的には、n≦Ccの場合、順序記憶エリアSAのうち第nエリアから第3保留カウンタCcの値と対応する記憶エリア(第Ccエリア)までの各記憶エリアに格納されているデータを参照し、参照結果を示す参照結果コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記参照結果コマンドを受信することにより、第n段〜第Cc段の保留表示部h(n)〜h(Cc)を対応する発光色に切り替えるとともに第(Cc+1)段の保留表示部h(Cc+1)を点灯表示から非表示へと切り替えるべく図柄表示装置41を表示制御する。このとき、表示制御装置62は、順序記憶エリアSAに格納されているデータが0であることを示す参照結果コマンドを受信した場合、対応する位置の保留表示部を赤色点灯表示に切り替え、順序記憶エリアSAに格納されているデータが1であることを示す参照結果コマンドを受信した場合、対応する位置の保留表示部を青色点灯表示に切り替えるべく図柄表示装置41を表示制御する。また、n>Ccの場合には、第n段の保留表示部h(n)を非表示とすべく非表示コマンドを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、前記非表示コマンドを受信することにより、先の移動表示処理にて青色点灯をスライド表示させた第n段の保留表示部h(n)を非表示へと切り替えるべく図柄表示装置41を表示制御する。
上述した処理を行うことにより、保留表示部h1〜h8の点灯表示状況は以下のように変更される。青色点灯表示されている保留表示部が1つであって、当該保留表示部より上段の保留表示部が非表示である場合には、青色点灯表示されている保留表示部が非表示に切り替えられる。青色点灯表示されている保留表示部が1つであって、当該保留表示部より上段の保留表示部が少なくとも1つ赤色点灯表示されている場合には、青色点灯表示されている保留表示部が赤色点灯表示に切り替えられるとともに、赤色点灯表示されている最上段の保留表示部が非表示に切り替えられる。青色点灯表示されている保留表示部が2つ以上ある場合には、青色点灯表示されている最下段の保留表示部から点灯表示されている最上段の保留表示部までの各保留表示部において、各保留表示部の発光色が1段ずつ下方にシフトされたかのように発光色が切り替えられるとともに、前記最上段の保留表示部が非表示に切り替えられる。
第2修正表示処理を行った後、ステップS1920では、第2副表示領域Gbの貝キャラクタを変動表示させるための処理を行うとともに、ステップS1910では、図柄の変動表示を開始させるための処理を行い、本処理を終了する。具体的には、第2副表示コマンドと、高速変動コマンドとを表示制御装置62に対して送信する。表示制御装置62は、第2副表示コマンドを受信することにより、第2副表示領域Gbの貝キャラクタの変動表示を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御し、高速変動コマンドを受信することにより、各図柄列Z1〜Z3の高速変動を開始させるべく図柄表示装置41を表示制御する。
ここで、保留個数が増加する場合の表示画面Gにおける保留表示部の変化を、図42を用いて説明する。
第1特定ランプ部43aが切り替え表示されている場合には、共通表示部ab0が赤色点灯表示される。このとき、各保留個数が共に0であれば、8つの保留表示部h1〜h8が全て非表示とされている。かかる状況下で上側作動口35aに入賞した場合、図42(a)に示すように、第1段の保留表示部h1が非表示から赤色点灯表示に切り替えられる。その後、下側作動口35bに入賞した場合には、図42(b)に示すように、第2段の保留表示部h2が非表示から青色点灯表示に切り替えられる。その後、上側作動口35aに入賞した場合には、図42(c)に示すように、第3段の保留表示部h3が非表示から赤色点灯表示に切り替えられる。その後、下側作動口35bに入賞した場合には、図42(d)に示すように、第4段の保留表示部h4が非表示から青色点灯表示に切り替えられる。このように、上側作動口35a又は下側作動口35bに入賞した場合には、上方に向けて連なるように保留表示部が点灯表示される。
次に、保留個数が減少する場合の表示画面Gにおける各表示部の変化を、図43を用いて説明する。図43は、図42(d)に示す状況から保留個数が増加することなく減少し続けた場合を示す図である。図42に示す順序で各作動口35a,35bに入賞した場合には、第2特定ランプ部43b→第2特定ランプ部43b→第1特定ランプ部43a→第1特定ランプ部43aの順で切り替え表示が行われることとなる。
図42(d)において第1特定ランプ部43aの切り替え表示が終了した場合には、図43(a)に示すように、共通表示部ab0が赤色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。そして、第2段の保留表示部h2から青色点灯表示が左方にスライド表示されるとともに共通表示部ab0に向けて下方にスライド表示され、図43(b)に示すように、共通表示部ab0が消灯表示から青色点灯表示に切り替えられる。このとき、保留表示部においては、第3段の保留表示部h3の赤色点灯表示が第2段の保留表示部h2にスライド表示され、第4段の保留表示部h4の青色点灯表示が第3段の保留表示部h3にスライド表示され、第4段の保留表示部h4が非表示に切り替えられる。第1段の保留表示部h1は赤色点灯表示のまま変更されない。図43(b)において第2特定ランプ部43bの切り替え表示が終了した場合には、図43(c)に示すように、共通表示部ab0が青色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。そして、第3段の保留表示部h3から青色点灯表示が左方にスライド表示されるとともに共通表示部ab0に向けて下方にスライド表示され、共通表示部ab0が消灯表示から青色点灯表示に切り替えられる。このとき、保留表示部においては、第3段の保留表示部h3が非表示に切り替えられる。第1段の保留表示部h1及び第2段の保留表示部h2は赤色点灯表示のまま変更されない。その後、第2特定ランプ部43bの切り替え表示が終了した場合には、図43(d)に示すように、共通表示部ab0が青色点灯表示から消灯表示に切り替えられる。この時点においては青色点灯表示されている保留表示部が存在しないため、第1段の保留表示部h1から共通表示部ab0に向けて赤色点灯表示がスライド表示され、共通表示部ab0が消灯表示から赤色点灯表示に切り替えられる。そして、第2段の保留表示部h2の赤色点灯表示が第1段の保留表示部h1にスライド表示されるとともに、第2段の保留表示部h2が非表示に切り替えられる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、上述した効果に加えて以下の優れた効果を奏する。
第2特定ランプ部43bの切り替え表示を第1特定ランプ部43aの切り替え表示より優先して行う構成の場合、少なくとも主制御装置71側で各作動口35a,35bへの入賞順序を記憶している必要がなく、主制御装置71側で入賞順序を記憶する構成とした場合、RAM103の記憶容量の増大化が懸念されるとともに処理負荷の増大化が懸念される。また、かかる構成においては、入賞順序自体を図柄表示装置41に表示しない構成とすることも確かに可能であるが、遊技者の注意が分散してしまう可能性が懸念される。入賞順序を図柄表示装置41に表示しなかった場合、各作動口35a,35bにより多くの遊技球が入賞することを望む遊技者は、遊技球発射ハンドル29の回転位置(遊技球が落下し始める落下開始位置)と、各作動口35a,35bの近傍での遊技球の挙動(各作動口35a,35bへの入賞し易さ)との関係を確認しながら遊技球発射ハンドル29を調整することとなり、表示画面Gと、前記落下開始位置と、各作動口35a,35bとに注意を向けながら遊技を行う必要が生じるからである。
一方、サブ制御装置65に順序記憶エリアSAを設け、表示画面G上で入賞順序を把握できるように各保留個数を表示する構成においては、入賞順序を通じて各作動口35a,35bへの入賞し易さを把握することが可能となり、表示画面Gから注意を分散させることなく遊技球発射ハンドル29の調整を行うことが可能となる。故に、主制御装置71の処理負荷や記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技者に図柄の変動表示を楽しませることが可能となり、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
各保留表示部h1〜h8を、赤色点灯表示又は青色点灯表示しない場合に消灯表示ではなく非表示とする構成とした。かかる構成とすることにより、上側作動口35aと下側作動口35bのいずれの保留個数を表示する場合であっても保留表示部h1〜h8を点灯表示させる、すなわち保留表示部h1〜h8を共通使用する構成において、上側作動口35aと下側作動口35bの入賞が合計で最大8個まで保留されると遊技者が誤解することを回避することが可能となる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記各実施の形態では、各作動口35a,35bに遊技球が入賞した順序を把握できるよう、図柄表示装置41の表示画面Gで各保留個数を表示する構成としたが、各作動口35a,35bに遊技球が入賞した順序を把握できないよう、図柄表示装置41の表示画面Gで各保留個数を表示する構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、サブ制御装置65に順序記憶エリアSAを設け、特定ランプ部の切り替え表示が開始される際に対応する点灯表示を共通表示部ab0に向けて移動表示させる構成とすれば、次にいずれの特定ランプ部が切り替え表示されるのかを遊技者に把握させることが可能となる。或いは、順序記憶エリアSAの各記憶エリアに格納されているデータを確認し、例えば一方の作動口に連続して入賞している場合に前記一方の作動口に入賞し易い状況にあることを表示画面G上で報知する構成とすれば、表示画面G上でいずれの作動口に入賞させ易いのかを把握させることが可能となり、遊技者の注意が分散することを回避することが可能となる。このように、サブ制御装置65に順序記憶エリアSAを設けることにより、各保留個数に関する表示の多様化を図ることや表示画面G上で各種情報を遊技者に把握させることが可能となり、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(2)上記各実施の形態では、下側作動口35bに電動役物35cを設けることにより、通常状態下において下側作動口35bに入賞させることが上側作動口35aに入賞させることより困難な構成としたが、電動役物を設けることなく一方の作動口に入賞させることが他方の作動口に入賞させることより困難な構成とすることも可能である。例えば、一方の作動口には当該作動口に遊技球が案内され得るように障害釘を植設し、他方の作動口には当該作動口への入賞が阻害されるように障害釘を植設する構成とする。或いは、一方の作動口を、例えば可変表示ユニットに設けられたワープ通路等の所定通路を遊技球が通過した場合に限って入賞の可能性が生じる位置に設ける構成とする。これら構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(3)上記各実施の形態では、通常状態下では下側作動口35bに入賞させることが上側作動口35aに入賞させることより困難なものとなり、高確率状態下では上側作動口35aに入賞させることが下側作動口35bに入賞させることより困難なものとなる構成としたが、遊技状態に関わらず下側作動口35bへの入賞が上側作動口35aへの入賞より困難な構成としても良いことは言うまでもない。
(4)上記第1の実施の形態では、第1保留表示領域Aを他の表示領域と区分する仕切り線を表示する構成としたが、4つの第1表示部が保留個数に関わらず表示されているのであれば、前記仕切り線を表示せずとも良い。第1表示部の表示個数から第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNの上限が4であることを把握させることができるからである。同様に、第1保留表示領域Aを他の表示領域と区分する仕切り線が表示されているのであれば、点灯表示する場合に限って4つの第1表示部を表示する構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には、第1保留表示領域Aの大きさから第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNの上限が4であることを把握させる必要があるため、第1保留表示領域Aの大きさを、第1表示部を4つ表示することが可能であって5つは表示できない大きさとする必要がある。
(5)上記第1の実施の形態では、第1保留表示領域Aを区分する仕切り線や各第1表示部の外形線を連続する直線で表示する構成としたが、破断線や一点鎖線等で表示しても良いことは言うまでもない。これら構成とした場合であっても、赤色点灯表示される領域を容易に把握させることができるからである。また、前記仕切り線や外形線は、少なくとも第1表示部の表示される領域と第2表示部の表示される領域とを区分する機能を有していれば良く、例えば図柄の変動表示される領域と区分する機能や背景画像の表示される領域と区分する機能は有していなくとも良い。
(6)上記各実施の形態では、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合に対応する表示部を赤色点灯表示させ、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが増加した場合に対応する表示部を青色点灯表示させる構成としたが、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合に対応する表示部を点灯表示させ、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが増加した場合に対応する表示部を点滅表示させる構成としても良い。このように、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合と第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが増加した場合とで異なる表示態様を表示する構成とすれば、その表示態様から各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数RaN,RbNやその保留記憶順序を把握させることが可能となる。
また、上記第1の実施の形態のように各保留個数を異なる表示部に表示する構成においては、第1表示部と第2表示部を同じ表示態様で表示する構成としても良い。すなわち、第1表示部と第2表示部を共に赤色点灯表示させる構成としても良いし、第1表示部と第2表示部を共に青色点灯表示させる構成としても良い。これら構成とした場合であっても、第1保留表示領域Aで点灯表示される第1表示部の個数を通じて第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを把握させることができ、第1保留表示領域A外で点灯表示される第2表示部の個数を通じて第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNを把握させることができる。
(7)上記第1の実施の形態では、各第1表示部を横並びに配置するとともに、各第2表示部を各第1表示部の上方に並ぶように配置したが、かかる構成を変更する。
例えば、各第1表示部を縦並びに配置するとともに、各第2表示部を各第1表示部の右方に並ぶように配置する構成とする。そして、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合には、上側から下側に向けて第1表示部が順次点灯表示され、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが続けて増加した場合には、左側から右側に向けて第2表示部が順次青色点灯表示される構成とする。
或いは、各第1表示部を横並びに配置するとともに、各第2表示部を各第1表示部から右斜め上方に並ぶように配置する構成とする。そして、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが増加した場合には、右側から左側に向けて第1表示部が順次点灯表示され、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが続けて増加した場合には、右斜め下側から右斜め上側に向けて第2表示部が順次青色点灯表示される構成とする。
これら構成とした場合であっても、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。つまり、第1表示部を所定方向に並ぶように配置するとともに、第2表示部を前記所定方向と交差する方向に配置すれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(8)上記第1の実施の形態では、各第2表示部を各第1表示部の上方に並ぶように、すなわち各第1表示部に対して同じ向きに並ぶように第2表示部をそれぞれ配置する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば第1列と第3列の第2表示部b11〜41,b13〜b43を対応する第1表示部a1,a3の上方に並ぶように配置し、第2列と第4列の第2表示部b12〜42,b14〜b44を対応する第1表示部a2,a4の下方に並ぶように配置する構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが減少した場合に、点灯表示されている第2表示部が第1表示部に対して上下反転する形で移動することとなるため、遊技者が困惑する可能性が懸念される。
(9)上記第1の実施の形態では、各第1表示部を横並びに配置するとともに、各第2表示部を各第1表示部の上方に並ぶように配置したが、かかる構成を変更する。第1表示部を共通表示部ab0から右方に連なるようにして配置し、第2表示部を共通表示部ab0から左方に連なるようにして配置する。そして、上側作動口35a又は下側作動口35bに入賞した場合には、対応する表示部を点灯表示に切り替えるとともに、当該表示部に入賞順序番号を表示する構成とする。かかる構成とした場合であっても、各表示部の点灯表示個数を通じて各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数RaN,RbNを把握させることができ、入賞順序番号を通じてその保留記憶順序を把握させることができる。
(10)上記各実施の形態では、各保留個数が表示される領域では図柄が変動表示されない構成としたが、図柄が変動表示される構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には、図柄の視認性が低下しないよう、第1表示部や第2表示部、保留表示部の点灯表示を半透明とすることが望ましい。
(11)上記第1の実施の形態における共通表示部ab0は、上側作動口35aへの入賞に基づいて図柄が変動表示される場合に赤色点灯表示され、下側作動口35bへの入賞に基づいて図柄が変動表示される場合に青色点灯表示され、図柄が変動表示されていない場合に消灯表示される構成とした。つまり、共通表示部ab0を表示個数の減少した第1表示部又は第2表示部と同じ表示態様で表示する構成としたが、同じ表示態様で表示しなくても良い。例えば、共通表示部ab0を、図柄が変動表示される場合に点滅表示され、図柄が変動表示されていない場合に消灯表示される構成とする。かかる構成とした場合であっても、移動表示処理を行うことにより、いずれの作動口への入賞に基づいて図柄が変動表示されるのかを遊技者に把握させることが可能となる。上記第2の実施の形態についても同様である。
(12)上記各実施の形態では、図柄の変動表示に併せて点灯表示又は消灯表示される共通表示部ab0を設ける構成としたが、設けなくても良い。上記実施の形態で説明した第1表示部と第2表示部の加算表示及び減算表示を行えば、各表示部の表示状況から各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数RaN,RbNとその保留記憶順序を把握させることが可能だからである。またこのとき、移動表示処理を行う際に共通表示部ではなく表示画面G外へと赤色点灯表示又は青色点灯表示をシフト表示する構成とすれば、表示画面G外へと移動表示される点灯表示の発光色を通じて、いずれの作動口への入賞に基づいて図柄が変動表示されるのかを遊技者に把握させることが可能となる。
(13)上記第1の実施の形態では、共通表示部ab0と第1表示部a1〜a4を横並びに設ける構成としたが、共通表示部ab0を表示画面Gの右上隅角部に配置し、第1表示部a1〜a4を表示画面Gの左下隅角部に配置する構成としても良い。またこのとき、共通表示部ab0を表示画面Gの右上隅角部に配置することに伴い、第1列の第2表示部b11〜b41を共通表示部ab0から下方に連なるように配置しても良い。当該位置に第1列の第2表示部b11〜b41を移動させたとしても、第1表示部の並ぶ方向と第2表示部の並ぶ方向が交差することとなるため、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。また、このように第1表示部a1〜a4と共通表示部ab0を対角の離間する位置に配置したとしても、減算表示処理において移動表示処理を行うことにより、いずれの作動口への入賞に基づいて図柄が変動表示されるのかを把握させることができ、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。
(14)上記第1の実施の形態では、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが0の場合、第2表示部を非表示とする構成としたが、第1表示部と同様に消灯表示する構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には、20個の第2表示部を全て消灯表示するのではなく、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数RbNの上限である4個の第2表示部を消灯表示することが望ましく、第1表示部や第2表示部の点灯表示状況に応じて消灯表示する第2表示部を変化させることが望ましい。例えば、第1表示部の点灯表示個数が0の場合には、第0列の4つの第2表示部b10〜b40を消灯表示させ、第1表示部の点灯表示個数が2の場合には、第2列の4つの第2表示部b12〜b42を消灯表示させる構成とする。また、第1表示部の点灯表示個数が3であって、第1列の第2表示部を2つ点灯表示させている場合、第3列の4つの第2表示部のうち2つを消灯表示させる構成とする。
(15)上記第2の実施の形態では、点灯表示させない場合に保留表示部を非表示とする構成としたが、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶できる上限値(すなわち4)と同数の保留表示部を消灯表示させ、当該消灯表示されている保留表示部を青色点灯表示させた場合に、赤色点灯表示されている保留表示部と消灯表示されている保留表示部の総和が前記上限値となるよう、非表示の保留表示部を消灯表示に切り替える構成としても良い。かかる構成とした場合には、点灯表示されている保留表示部を通じて各作動口35a,35bへの入賞順序を遊技者に把握させつつ、消灯表示されている保留表示部を通じて第1特定ランプ部用保留エリアRaに保留記憶できる残りの個数を遊技者に把握させることが可能となる。
(16)上記各実施の形態では、図柄表示装置41の表示画面Gに各保留個数を表示させる構成としたが、図柄表示装置とは別に各保留個数を表示するための表示装置を設ける構成としても良い。前記表示装置としては、液晶表示装置に限らずLED等の発光装置を用いても良い。
(17)上記各実施の形態では、上側作動口35aに入賞した場合には3個の賞球が払い出され、下側作動口35bに入賞した場合には5個の賞球が払い出される構成としたが、上側作動口35aに入賞した場合に下側作動口35bに入賞した場合より多くの賞球が払い出される構成としても良いし、いずれの作動口35a,35bに入賞した場合であっても同じ数の賞球を払い出す構成としても良い。つまり、各作動口に入賞した場合に払い出される賞球は任意の数として良い。
(18)上記各実施の形態では、電動役物35cが開放状態となった場合に限って下側作動口35bへの遊技球の入賞が可能な構成としたが、電動役物35cの開閉により下側作動口35bへの遊技球の入賞し易さが変化する構成であれば良い。つまり、電動役物35cが閉鎖状態である場合に遊技球が下側作動口35bに入賞可能な構成であっても良い。
(19)上記各実施の形態では、特定保留数が所定数ある場合に完全外れ変動の変動表示時間を短くする構成としたが、これに代えて又は加えて、特定保留数が所定数ある場合に大当たり変動の変動表示時間やリーチ変動の変動表示時間を短くする構成としても良い。但し、リーチとなってから中図柄列Z2が停止するまでの期間は、遊技に受動的に参加している中で遊技者が最も大当たり発生となることを期待する期間である。したがって、大当たり変動やリーチ変動の変動表示時間を短くする場合には、リーチとなる以前の高速変動が行われる時間を短縮させることが望ましい。
(20)特定保留数が多くなるほど変動表示時間が短くなる構成としても良い。例えば、8秒、7秒、6秒、5秒、4秒、3秒、2秒、1秒の8パターンを完全外れ変動の変動表示時間として用意し、特定保留数が0の場合には8秒間の完全外れ変動を行い、特定保留数が1の場合には7秒間の完全外れ変動を行うと言うように、特定保留数が多くなるほど変動表示時間が短縮される構成とする。
(21)上記各実施の形態では、特定保留数と変動表示時間との対応関係が定められた変動表示時間テーブルを用意し、この変動表示時間テーブルに基づいて完全外れ変動の変動表示時間を決定する構成としたが、かかる構成を変更する。完全外れの基本変動表示時間として予め所定時間(例えば7秒)を設定すると共に、特定保留数と減算時間との対応関係が定められた減算時間テーブルを用意する。そして、完全外れ変動を行う場合に、前記所定時間から特定保留数に応じた減算時間を減算することで変動表示時間を短縮させる構成とする。かかる構成としても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。また、かかる構成においては、各図柄列Z1〜Z3が高速変動される時間より短い時間を減算時間として設定しておけば、完全外れ変動のみならず大当たり変動やリーチ変動を行う場合にも変動表示時間の短縮を図ることが可能となる。なお、減算時間を1種類のみ備える構成においては、減算時間テーブルを用意せずとも、その減算時間のみを記憶させておけば良い。
(22)上記各実施の形態では、特定保留数が4個である場合、遊技状態が通常状態であれば4秒間の完全外れ変動を行う構成としたが、特定保留数が4個である場合にも5個以上の場合と同様に2秒間の完全外れ変動を行う構成としても良い。変動パターン決定処理のステップS1012にて読み出した特定保留数が4個であった場合、前回の図柄の変動表示が終了した時点における特定保留数は5個であったことを意味する。このことは、両特定ランプ部用保留エリアRa,Rbに各カウンタ値が保留記憶されていたことを意味し、一方の特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が上限に達している可能性も考えられる。そこで、特定保留数が4個以上である場合には、完全外れ変動の変動表示時間を遊技状態に関わらず最も短い変動表示時間とすることにより、各特定ランプ部用保留エリアの保留記憶数が上限に達している状況下で完全外れ変動が長時間にわたって行われることを回避することが可能となる。
なお、第1特定ランプ部用保留エリアに保留記憶できる上限数と第2特定ランプ部用保留エリアに保留記憶できる上限数が異なる場合、ステップS1012にて読み出した特定保留数が保留記憶数の大きい側の上限数以上であれば、遊技状態に関わらず最も短い変動表示時間を完全外れ変動の変動表示時間として決定する構成とすれば良い。例えば、第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数の上限が4であり、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数の上限が2の場合、ステップS1012にて読み出した特定保留数が4以上であれば、遊技状態に関わらず完全外れ変動の変動表示時間を2秒とする。
(23)上記各実施の形態では、完全外れ変動の場合、変動表示を開始させる際の特定保留数に基づいて変動表示時間を決定する構成としたが、これに代えて又は加えて、変動表示の最中に特定保留数を把握する把握手段を設け、特定保留数が所定数(例えば7)以上となった場合に、現在行っている変動表示の残余時間を短縮させる構成としても良い。
(24)上記各実施の形態では、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbと対応する保留ランプ46a,46bを設ける構成としたが、表示画面Gにて表示する構成においては設けなくても良いことは言うまでもない。
(25)上記各実施の形態では、いずれの作動口に遊技球が入賞した場合であっても同じカウンタC1〜C3からカウンタ値を取得する構成としたが、異なるカウンタからカウンタ値を取得する構成としても良い。例えば、大当たりカウンタを2つ用意し、上側作動口に遊技球が入賞した場合には一方の大当たりカウンタからカウンタ値を取得し、下側作動口に遊技球が入賞した場合には他方の大当たりカウンタからカウンタ値を取得する構成とする。このとき、各大当たりカウンタを、大当たり確率は同一であって大当たりとなるカウンタ値が異なる構成としても良いし、大当たり確率は同一であって大当たりとなるカウンタ値及びカウンタの大きさが異なる構成としても良い。大当たり確率が異なる構成としても良いことは言うまでもない。
(26)上記第1の実施の形態では、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbと共通保留エリアCRとを別個に設ける構成としたが、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbに各作動口35a,35bへの入賞順序を記憶するための入賞順序記憶エリアを設ける構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には、第1エリア〜第4エリアの各エリアに1バイトの入賞順序記憶エリアを設ける必要があり、入賞順序を記憶するために8バイトの記憶エリアを用意する必要が生じる。このため、1バイトの共通保留エリアCRで入賞順序を記憶した上記実施の形態と比して、7バイト余分に記憶エリアを確保する必要があり、RAM103の記憶容量が圧迫されることが懸念される。
(27)上記各実施の形態では、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数の上限を4個としたが、かかる構成に限定されるものではない。保留エリアの保留記憶数の上限が例えば8個に制限されている遊技機に上記構成を適用した場合であっても、結果として保留記憶数を16個に増加させることが可能となり、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、各特定ランプ部用保留エリアRa,Rbの保留記憶数の上限が異なる構成であっても良い。例えば第1特定ランプ部用保留エリアRaの保留記憶数の上限を4個とし、第2特定ランプ部用保留エリアRbの保留記憶数の上限を3個としてもよい。
(28)上記各実施の形態では、図柄の変動表示を行う図柄表示装置41と別に第1特定ランプ部43aと第2特定ランプ部43bを設ける構成としたが、主制御装置71が図柄表示装置41を直接表示制御する構成であって、表示画面にて各特定ランプ部43a,43bの代替となる識別情報を変動表示させるのであれば、両特定ランプ部43a,43bを設けずともよい。上記実施の形態を例に説明すると、上側作動口に入賞した場合には第1副表示領域の貝キャラクタを変動表示させ、下側作動口に入賞した場合には第2副表示領域の貝キャラクタを変動表示させるように主制御装置が図柄表示装置を表示制御するのであれば、両特定ランプ部は不要である。
(29)上記各実施の形態では、表示画面Gに第1副表示領域Gaと第2副表示領域Gbとを設定し、第1特定ランプ部43aの切り替え表示が行われる場合に第1副表示領域Gaの貝キャラクタを変動表示し、第2特定ランプ部43bの切り替え表示が行われる場合に第2副表示領域Gbの貝キャラクタを変動表示する構成としたが、これら副表示領域Ga,Gbを設けずとも良い。すなわち、表示画面を区画することなく各図柄列Z1〜Z3の図柄と貝キャラクタとを変動表示させる構成とする。そして、大当たりの場合には、同一主図柄の組合せが形成されると共に貝キャラクタの貝殻部が開放された状態で変動表示が終了される構成とする。かかる構成においては、貝キャラクタと各図柄列の図柄とにより絵柄識別情報が構成される。なお、副表示領域Ga,Gbを設けず、貝キャラクタも変動表示させない(貝キャラクタを表示しない)構成としても良い。
(30)上記各実施の形態では、第1特定ランプ部43aの切り替え表示が行われる場合に第1副表示領域Gaの貝キャラクタを変動表示し、第2特定ランプ部43bの切り替え表示が行われる場合に第2副表示領域Gbの貝キャラクタを変動表示する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、いずれの特定ランプ部が切り替え表示されているのかを表示画面を通じて容易に把握できる構成であれば良い。
例えば、第1特定ランプ部43aの切り替え表示が行われる場合と第2特定ランプ部43bの切り替え表示が行われる場合とで変動表示される各図柄列Z1〜Z3の図柄(図柄自体又は図柄の表示色)を変化させたり、切り替え表示される特定ランプ部に応じた背景画像に変化させたりする構成としても良い。或いは、図柄表示装置41を複数設け、第1特定ランプ部43aの切り替え表示が行われる場合と第2特定ランプ部43bの切り替え表示が行われる場合とで図柄の変動表示が行われる表示装置が異なる構成としても良い。
(31)上記各実施の形態におけるサブ制御装置65は、上図柄コマンド,中図柄コマンド,下図柄コマンドの各停止図柄コマンドが入力された場合に、これら停止図柄コマンドの示す停止図柄に基づいて大当たりか否かを判別する構成としたが、大当たりか否かを示す情報も含めた変動パターンコマンドを主制御装置71が出力する構成とし、当該変動パターンコマンドが入力された場合にサブ制御装置65が大当たりか否かを把握する構成としても良い。なお、大当たりか否かを示す情報を含むコマンドを、変動パターンコマンドと別個に出力する構成としても良い。
(32)上記各実施の形態では、変動表示時間を経過したタイミングで主制御装置71がサブ制御装置65に対して変動終了コマンドを出力する構成としたが、変動終了コマンドを出力せずともよい。変動表示時間を示す変動パターンコマンドを出力する構成においてはサブ制御装置65が変動表示時間を把握することができるため、変動終了コマンドを出力せずとも主制御装置71が決定した変動表示時間の経過タイミングと図柄の変動表示終了タイミングとの調和を図ることができるからである。
(33)上記各実施の形態では、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2とを個別に設けたが、大当たり種別カウンタC2を設けずともよい。すなわち、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて当たり外れの判定と特定当たりか非特定当たりかの判定を行う。
例えば、上記第1の実施の形態において、通常状態下で大当たりとなる乱数の値は「337,673」の2つである。そこで、先ず大当たり乱数カウンタC1の値が「337,673」のいずれかであれば当たりと判定し、その後に再度大当たり乱数カウンタC1の値を確認し、「337」であれば特定当たりと判定し、「673」であれば非特定当たりと判定する構成とする。
または、「337」であれば特定当たりと判定し、「673」であれば非特定当たりと判定し、それ以外の値であれば外れと判定する構成とする。つまり、当たり外れの判定と当たり種別の判定とを1つの処理で行ってもよい。
(34)上記各実施の形態では、特定大当たりが発生すると特別遊技状態としての大当たり状態に移行し、その後、特定遊技状態としての高確率状態に移行するパチンコ機について説明したが、特定遊技状態として高確率状態以外の遊技状態に移行する構成であってもよい。例えば、特別遊技状態として8ラウンドの大入賞口開閉が行われる大当たり状態に移行し、その後、特定遊技状態として7ラウンドの大入賞口開閉が行われる第2大当たり状態に移行する構成とする。つまり、特定大当たりと非特定大当たりとで大入賞口の開閉回数が異なるパチンコ機であってもよい。または、特定遊技状態として、大当たり確率はアップしないものの、役物ランプ部44の切り替え表示時間が短縮されたり、作動口装置35に付随的に設けられた電動役物35cの開放時間や開放回数がアップされたりする役物高確率作動状態に移行する構成であってもよい。
さらにいうと、特定遊技状態として、特定大当たりの場合と非特定大当たりの場合とで遊技者の有利度合いが異なる遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、特定大当たりの場合には高確率状態に移行し、非特定大当たりの場合には高確率状態に移行しないものの所定回数の変動表示が行われるまで役物高確率作動状態に移行する構成としてもよい。または、特定大当たりの場合には図柄の変動表示が100回行われるまで高確率状態に移行し、非特定大当たりの場合には図柄の変動表示が30回行われるまで高確率状態に移行する構成としてもよい。或いは、特定大当たりの場合には図柄の変動表示が100回行われるまで通常遊技状態より当選確率が10倍アップする高確率状態に移行し、非特定大当たりの場合には図柄の変動表示が100回行われるまで通常遊技状態より当選確率が2倍アップする高確率状態に移行する構成としてもよい。役物高確率作動状態が継続する遊技回数が特定大当たりと非特定大当たりで異なる構成としてもよいことは言うまでもなく、これらを組み合わせてもよいことも言うまでもない。
以上のとおり、非特定当たりの場合には通常遊技状態より遊技者に有利な第1遊技状態に移行し、特定当たりの場合には非特定当たりの場合(第1遊技状態)より遊技者に有利な第2遊技状態に移行する構成であればよい。
(35)上記各実施の形態では、主制御装置71において、図柄表示装置41における各図柄列Z1〜Z3の停止図柄、図柄の変動パターンやリーチ種別を決定する構成であったが、これを変更してもよい。例えば、主制御装置71は、図柄の変動パターンやリーチ種別を決定せずに各図柄列Z1〜Z3の停止図柄のみを決定し、サブ制御装置65が図柄の変動パターンとリーチ種別を決定する構成であってもよい。かかる構成においても、主制御装置71の決定した各図柄列Z1〜Z3の停止図柄と変動表示時間によってサブ制御装置65が図柄の変動パターンを導出できる構成であれば、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することが明らかである。また、主制御装置71が変動表示時間のみを決定し、サブ制御装置65が各図柄列Z1〜Z3の停止図柄、図柄の変動パターンやリーチ種別を決定する構成としても良い。
(36)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等に適用しても良いことは言うまでもない。例えば、作動口を遊技球が通過したことを契機として第1抽選を行い、この第1抽選に当選すると特別装置が所定の開放状態となり、特別装置の特定領域に遊技球が入ると大当たり発生となるタイプのパチンコ機に適用しても良い。また、遊技者に払い出すべき賞球を仮想遊技媒体として貯留記憶する貯留記憶手段を備えたパチンコ機に適用しても良い。