JP2014139703A - メタン抑制栽培法のビジネスモデル - Google Patents

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Abstract

【課題】メタン排出の抑制のための既存の技術がより広汎に使われるようにするための方法を提供する。
【解決手段】水田からのメタンの排出の抑制を増大する方法として、水田において水稲が栽培された場合に通常発生するメタンの排出量を計算する排出量計算ステップ、水位管理およびメタン発生抑制資材の使用量を含むメタンの排出に関するメタン抑制栽培パラメータからメタンの排出が抑制される抑制率または抑制時排出量を計算する抑制率または抑制時排出量計算ステップ、水稲が栽培された期間におけるメタン抑制栽培パラメータを較正するメタンの排出の抑制の割引率を計算する割引率計算ステップ、メタン排出の削減量を計算する削減量計算ステップ、および削減量の対価として炭素クレジットが取得され債権者に炭素クレジットが付与される炭素クレジット付与ステップとで構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、メタン抑制栽培法のビジネスモデルに関し、より具体的には、水田等の湿地からのメタンの排出を抑制するための方法に関する。
メタンガス(以下「メタン」ということがある)は地球上で発生する温暖化ガス(温室効果ガス)の14%を占めるところ、その発生源の一つが水田であることが知られている。水田は世界的に面積が広大であるため、そこからのメタン発生量を削減することは我が国を含む水稲栽培国の急務であるが、有効な施策は取られていない。
メタンの発生を抑制する方法や作用を有する物質自体は知られている。
例えば、近年の研究成果により、水田の水位コントロール(無潅水の期間を作る)や、不耕起栽培によって、メタンの放出が抑えられるという知見が得られている。
また、鉄鋼の製造工程で産出されるスラグ等の資材が、メタン発生の抑制効果を有することも明らかになっている。
特開2010−97577号公報
農業環境技術研究所、「2006年版IPCCガイドラインに採用された水田から発生するメタンの新しい算定方法」、[online]、[平成23年4月25日検索]、インターネット〈URL:http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result23/result23_06.html>
上記のような研究成果による知見があるにもかかわらず、メタンの発生を抑制する方法や作用を有する物質の水田への適用はほとんどなされていないのが現状である。その理由として、手間の問題もさることながら、必要な資材を購入することによりコストが増大することも大きな問題として存在する。
また、メタンの排出削減を行うことに対するインセンティブを与える手法として、メタンの発生を抑制する栽培を行った者に排出権を与えることが考えられるが、該排出権を発生させるための方法論、モニタリングや検証の手法も確立されていない。
したがって、メタン排出の抑制のための既存の技術がより広汎に使われるようにするための方法はメタン排出の抑制に資するものであるにもかかわらず、かかる方法は見出されていないばかりでなく、それを提供することはこれまでは課題として取り上げられることさえなかったのである。
本発明者らは上記課題に鑑み、上記既存の技術がより広汎に使われるようにするための方法について鋭意検討したところ、水稲の生産者に経済的なインセンティブを与えることによって上記課題が解決される可能性があることに着目し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のステップを含む、水田からのメタンの排出の抑制を増大する方法に関する:
前記水田における水稲の栽培基本パラメータから、該水田において水稲が栽培された場合に通常発生するメタンの排出量(A)を計算する排出量計算ステップ;
前記水田において水稲が栽培される際に採用される、水位管理およびメタン発生抑制資材の使用量を含むメタンの排出に関するメタン抑制栽培パラメータから、メタンの排出が抑制される抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を計算する抑制率または抑制時排出量計算ステップ;
前記水田において水稲が栽培された後に、該水稲が栽培された期間におけるメタン発生抑制資材使用情報を含む割引率情報によって、前記メタン抑制栽培パラメータを較正するメタンの排出の抑制の割引率(C)(0≦C≦1)を計算する割引率計算ステップ;
抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を用いた式A×B1×Cまたは式(A−B2)×Cにより、前記水田におけるメタン排出の削減量を計算する削減量計算ステップ;および
前記削減量の対価として炭素クレジットが取得され、債権者に前記炭素クレジットが付与される炭素クレジット付与ステップ。
また、本発明は、栽培基本パラメータが提供され、会員データベースに格納され、BAUシナリオデータベースに格納されている情報と照合されることにより、排出量計算ステップにおいてメタンの排出量(A)が計算される、前記方法に関する。
さらに、本発明は、メタン抑制栽培パラメータが提供され、栽培情報データベースに格納され、栽培情報データベースに格納されている情報と照合されることにより、抑制率または抑制時排出量計算ステップにおいて抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)が計算される、前記方法に関する。
またさらに、本発明は、メタン発生抑制資材使用情報が、メタン発生抑制資材生産者によって販売されたメタン発生抑制資材販売量についてのメタン発生抑制資材販売データベースに格納されている情報と照合され、割引率計算ステップにおいて割引率(C)が計算される、前記方法に関する。
また、さらに、本発明は、割引率情報が、さらに水位情報を含む、前記いずれか方法に関する。
また、本発明は、メタン排出削減水稲栽培のモニタリングおよび検証の確証として、メタン発生抑制資材の販売者にメタン発生抑制資材の販売履歴を発行させるステップをさらに含む、前記いずれかの方法に関する。
さらにまた、本発明は、水稲の栽培基本パラメータが、土壌の種類および/または分析データ、栽培時期、水位調整システム、肥培管理、栽培される品種、栽培密度および栽培が行われる場所の気象データからの1種または2種以上を含む、前記いずれかの方法に関する。
また、本発明は、メタン抑制栽培パラメータが、各種栽培データ、使用される有機物の量および不耕起栽培の有無からの1種または2種以上をさらに含む、前記いずれかの方法に関する。
さらに本発明は、メタン発生抑制資材が製鋼スラグを含む、前記いずれかの方法に関する。
またさらに本発明は、以下のステップを含む、前記いずれかの方法に関する:
2以上の債権者が所属する組織が、少なくとも各債権者の水田におけるメタン発生抑制資材施用および水位コントロールをモニタリングするステップ、
該組織が、モニタリングの結果を炭素クレジット認証機関に報告するステップ、
炭素クレジット認証機関が、予め設定された基準および報告されたモニタリングの結果に基づいて、該組織に炭素クレジットを付与するステップ、および
該組織が、各債権者の栽培面積に応じて前記炭素クレジットを各債権者に分配するステップ。
そして、本発明は、前記いずれかの方法に用いられた水田において生産される水稲に関する。
本発明者らは、メタンガス排出の抑制方法を、経済的インセンティブを付加した形で実施できる方法(モデル)を構築した。
すなわち、本発明によれば、メタン排出抑制資材であるメタン発生抑制資材を購入・施用した債権者に炭素クレジットを対価として付与することによりメタン発生抑制資材を従来に比較して安価で施用することが可能となるため、メタン発生抑制資材の使用量の増大により、温暖化ガスであるメタンの排出量の低減を促進することができる。したがって、本発明は、メタン排出抑制効果を有さない他の土壌改良資材に優先してメタン発生抑制資材が施用されるようにすることによって、地球環境問題、とくに温暖化問題の解決に寄与する環境保全型農業の普及に貢献するものである。
本発明においては、栽培基本パラメータ、メタン抑制栽培パラメータ、メタン発生抑制資材の種類の好適な選択により、メタンの排出量を一層削減することができる。
また、本発明においては、各種パラメータをデータベース化することによって、より簡便にメタン排出抑制のシステムを管理することができる。
本発明のうち、水利組合のような2以上の債権者が所属する組織を作り、各債権者の水田におけるメタン発生抑制資材施用および水位コントロールをモニタリングして、炭素クレジットを付与する炭素クレジット認証機関に報告するステップを含むものによれば、メタン排出の抑制がより正確かつ客観的に把握されるため、メタンの排出量をより一層効率的に削減することができる。
さらに、本発明の方法を行うための水稲を生産する方法によれば、水稲栽培に伴うメタンの排出量を低減することができる。
前記水稲を生産する方法によって生産された水稲は、温暖化ガス抑制米として、プレミアをつけることが可能となるため、栽培者または債権者の利益に資するものである。
本発明の方法において用いられるメタン発生抑制資材はとくに限定されないところ、スラグやキレート鉄が例示される。これらのうち、スラグは、植物の生育に必要な微量元素も含むため増収効果も有すると考えられる。したがって、スラグが用いられる本発明の方法は、日本国内のみならず、年間通じて高温で2期作、3期作が行われる東南アジア諸国等において、一層有効である。
なお、温暖化ガス排出量取引システムとして、家庭や業務事業所(9業種=事務所・ビル、デパート、卸小売業、飲食店、学校、ホテル・旅館、病院、劇場・娯楽場、その他サービス(福祉施設等))をいう)が所有するファクス器機や光学式読取り装置付携帯電話を接続可能なファクス通信網とインターネット網を介して電気、ガス、水道の検針票を利用して環境負荷増加量及び低減量を定量化とクレジット化して提供する温暖化ガス排出量取引システムが知られている(特許文献1)。
該システムは、温暖化ガス排出量取引が行われる点において本発明と類似するものではあるが、対象である温暖化ガスの種類(二酸化炭素)や含まれるステップの構成は言うに及ばず、その思想は「温暖化ガス削減量をいつでも売買に参加できる方式と簡単入力で自己削減量が測れ(原記載のまま)どこからでも温暖化ガス排出量取引システムに参加出来るネットオークション形式システムを考慮する」ことであって、本願発明の思想とはまったく異なるものである。
本発明の方法の概略を示す図である。 本発明の方法の一態様を示す図である。なお、図中、「CER」(Certified Emission Reduction)は認証排出削減量を示し、本発明においては炭素クレジットと等価である。 また、一点鎖線で囲まれた部分は本発明の本質的な部分を示す。
(定義)
本明細書において「メタンの排出の抑制を増大する」とは、メタンの排出の抑制がより大きくなることを意味し、大きくなる程度は限定されない。
本発明は、図1にも示される各ステップからなる。これら各ステップについて述べながら、本発明を以下により詳細に説明する。
なお、本発明が実施されることによって炭素クレジットを付与される者を本明細書では債権者と記載する。債権者は限定されないところ、栽培者自身のほか、プロジェクトデベロッパーや企業であってもよい。本明細書において「栽培者または債権者」と記載した場合の栽培者は、債権者であってもなくてもよい。
また、本発明を実施させる実施者としては、前記プロジェクトデベロッパーや企業のほか自治体や国も想定される。
(1)メタンの排出量(A)を求めるステップ
本発明においては、まず、メタンの排出量(A)およびメタンの排出を抑制できる抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を求める。メタンの排出量(A)および抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)から、メタン排出の抑制量の予測値が求められる。
メタンの排出量(A)は、債権者の水田における水稲の栽培基本パラメータから求められる。これらを含む栽培基本パラメータからメタンの排出量(A)を求める方法は公知である(非特許文献1)。
該栽培基本パラメータとして、土壌の種類および/または分析データ、栽培時期、水位調整システム、肥培管理、栽培される品種、栽培密度および栽培が行われる場所の気象データからの1種または2種以上を含むものは好ましい。
なお、本発明における「スラグ」は、鉱石から金属を製錬する際に、冶金対象である金属から溶融によって分離した鉱石母岩の鉱物成分などを含む物質であればとくに限定されない。本発明において好ましいスラグは、高炉スラグおよび製鋼スラグが包含される鉄鋼スラグ(製鉄スラグ)であり、製鋼スラグはケイ酸や微量元素含量が多く、水稲の生育により好ましい資材であるためとくに好ましい。
(2)抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を求めるステップ
次に、抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を求めるステップにおいて、債権者の水田において採用されるメタン抑制栽培パラメータに基づいて、メタンの排出が抑制される抑制率または抑制時排出量を計算する。
抑制率(B1)および抑制時排出量(B2)のうち、抑制率(B1)は、前記メタン抑制栽培パラメータを考慮した場合に削減されると考えられるメタン排出の削減量の、メタンの排出量(A)に対する割合である。また、抑制時排出量(B2)は、前記メタン抑制栽培パラメータを考慮した場合に削減されると考えられるメタンの排出量を考慮した排出量である。すなわち、前記メタン抑制栽培パラメータを考慮した場合のメタンの排出の削減量が、式A×B1または式A−B2によって求められる。
前記メタン抑制栽培パラメータから抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を求める方法も公知である(非特許文献1)。
メタン抑制栽培パラメータには、少なくとも水位管理およびメタン発生抑制資材の使用量が包含される。また、該パラメータとして、各種栽培データ、使用される有機物の量および不耕起栽培の有無からの1種または2種以上をさらに含むものは好ましい。
また、各カテゴリーの水田からの排出係数、水稲栽培面積および収穫面積、ベースライン排出係数、水田タイプと栽培期間中の水管理にともなう拡大係数、有機物施用にともなう拡大係数、ならびに土壌タイプと水稲品種にともなう拡大係数を併せて用いてもよい。
(3)割引率(C)を求めるステップ
次に、前記水田において水稲が栽培された後に、該水稲が栽培された期間におけるメタン発生抑制資材使用情報を含む割引率情報によって、前記メタン抑制栽培パラメータを較正するメタンの排出の抑制の割引率(C)(0≦C≦1)を計算する。
本ステップは、前記メタン抑制栽培パラメータを較正して適用し、メタン排出の抑制量の実際の値を求めるために、メタン発生抑制資材使用情報を含む割引率情報からメタンの排出の抑制の割引率を計算するステップである。
メタン発生抑制資材の施用量に応じて、規定量以上であれば割引率をゼロとし、該施用量が少ないほど割引率を高くするように設定する。
メタン発生抑制資材使用情報は、メタン発生抑制資材販売者からの販売情報の照合することによって、一層正確なものとなるため好ましい。
また、割引率情報が、さらに水位情報を含む前記方法は、割引率がより正確に計算されるため好ましい。
なお、水位管理において無潅水の期間を設けることにより、メタン排出量が低減されることは上記のとおりである。したがって、水位が規定値より高い場合には、割引率を高くする。
(4)メタン排出の削減量を求めるステップおよび炭素クレジットを付与するステップ
上記のようにしてメタンの排出量(A)、抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)および割引率(C)を求め、抑制率または抑制時排出量を抑制率(B1)(0≦B1≦1)として求めた場合には式A×B1×Cにより、抑制率または抑制時排出量を抑制時排出量(B2)(B2≦A)として求めた場合には式(A−B2)×Cにより、メタン排出の削減量を計算することができる。すなわち、当該メタン排出の削減量を計算するステップは、実際のメタン排出の削減量を計算するステップである。
そして、前記削減量の対価として炭素クレジットが取得され、前記水稲を栽培した栽培者その他の債権者に該炭素クレジットが付与される。同炭素クレジットは対価として、該栽培者または債権者がメタン発生抑制資材購入費用に充当することができるため、該栽培者または債権者はメタン発生抑制資材を実質的により安価に購入し、施用することが可能となる。もしくは、栽培者または債権者は、該炭素クレジットを次回以降の栽培のためのメタン発生抑制資材を購入する費用に充当してもよい。
本発明の方法のうち、上記メタン排出削減水稲栽培のモニタリングおよび検証の確証として、メタン発生抑制資材の販売者にメタン発生抑制資材の販売履歴を発行させるステップをさらに含むものは好ましい。
メタン発生抑制資材としてスラグを施用した場合の対価の額は、例えば以下のように試算される。
製鋼スラグの施用を含むメタン排出抑制水稲栽培でメタンの排出が50%削減されるところ、メタンの単位面積当たりの排出量は20トン−CO/haであり、5US$/トン−COの対価が得られるとすると、単位面積当たりの対価は50US$/haとなる。かかる対価は、スラグ施用のコストを十分に補填し得るものである。
かかる対価は、スラグの施用による増収効果に加重して得られるものであり、その意義は大きいものである。
本発明の方法のうち、以下のものは、それぞれ好ましい:
栽培基本パラメータが提供され、会員データベースに格納され、BAU(Business as Usual)シナリオデータベースに格納されている情報と照合されることにより、排出量計算ステップにおいてメタンの排出量(A)が計算されるもの;
メタン抑制栽培パラメータが提供され、栽培情報データベースに格納され、栽培情報データベースに格納されている情報と照合されることにより、抑制率または抑制時排出量計算ステップにおいて抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)が計算されるもの;および
メタン発生抑制資材使用情報および水位情報が、メタン発生抑制資材生産者によって販売されたメタン発生抑制資材販売量についてのメタン発生抑制資材販売データベースおよび気象データベースに格納されている情報とそれぞれ照合され、割引率計算ステップにおいて割引率(C)が計算されるもの。
これらの方法を実施するための手法は、本技術分野において公知である。また、上記栽培基本パラメータ、メタン抑制栽培パラメータ、メタン発生抑制資材使用情報、水位情報は、それぞれインターネットを介して提供されてよい。また、これらを提供するのは、栽培者または債権者等であってよい。
また、本発明の方法のうち、さらに以下のステップを含むものは好ましい。これらの態様の概略は図2に示した。
2以上の債権者が所属する組織が、少なくとも各債権者の水田におけるメタン発生抑制資材施用および水位コントロールをモニタリングするステップ、
該組織が、モニタリングの結果を炭素クレジット認証機関に報告するステップ、
炭素クレジット認証機関が、予め設定された基準および報告されたモニタリングの結果に基づいて、該組織に炭素クレジットを付与するステップ、および
該組織が、各債権者の栽培面積に応じて前記炭素クレジットを各債権者に分配するステップ。
上記組織は、例えば水利組合のようなものであってよい。該水利組合は、メタン発生抑制資材業者からのメタン発生抑制資材購入や各栽培者または債権者への該メタン発生抑制資材の販売を行うことができる。
水利組合の代表者は、各栽培者または債権者のメタン発生抑制資材施用および水位コントロールの状況をモニタリングし、さらに不耕起栽培実施等をモニタリングしてもよい。該モニタリング結果は、該組織を通じてCDM(Clean Development Mechanism)事務局等の炭素クレジット認証機関に報告され、債権者は対価として炭素クレジットを取得することができる。該炭素クレジットは各栽培者または債権者の水田の面積に応じて分配し、その金銭的な対価はメタン発生抑制資材購入代金に充当することができる。
炭素クレジット(CER)についての情報もデータベース化されてよい。
また、栽培者または債権者への対価は、CER自体を排出権需要者(電力会社、鉄鋼製造業者等)に付与された後、当該CERに相当する金銭的な対価(キャッシュ)が需要者から栽培者または債権者に分配されてよい。この場合の金銭的な対価は、前記需要者によりインセンティブとして直接分配されてもよいし、各種金融機関を通して分配されてもよい。ただし、本発明において、上記炭素クレジット認証機関および金融機関を用いることは、本発明において不可欠な構成ではない。
さらに、栽培者または債権者への対価は、CERデータベース等から栽培者または債権者にCERとして分配されてもよい。
本発明は、前記いずれかの方法に用いられた水田において生産される水稲にも関する。該水稲は、温暖化ガス抑制米として、プレミアをつけて販売することが可能であり、栽培者または債権者に一層大きい利益をもたらすものである。
本発明によれば、温暖化ガスであるメタンの排出量の低減を促進することができる。したがって、本発明は水稲栽培業およびその関連産業の発展に寄与するところ大である。

Claims (11)

  1. 以下のステップを含む、水田からのメタンの排出の抑制を増大する方法:
    前記水田における水稲の栽培基本パラメータから、該水田において水稲が栽培された場合に通常発生するメタンの排出量(A)を計算する排出量計算ステップ;
    前記水田において水稲が栽培される際に採用される、水位管理およびメタン発生抑制資材の使用量を含むメタンの排出に関するメタン抑制栽培パラメータから、メタンの排出が抑制される抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を計算する抑制率または抑制時排出量計算ステップ;
    前記水田において水稲が栽培された後に、該水稲が栽培された期間におけるメタン発生抑制資材使用情報含む割引率情報によって、前記メタン抑制栽培パラメータを較正するメタンの排出の抑制の割引率(C)(0≦C≦1)を計算する割引率計算ステップ;
    抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)を用いた式A×B1×Cまたは式(A−B2)×Cにより、前記水田におけるメタン排出の削減量を計算する削減量計算ステップ;および
    前記削減量の対価として炭素クレジットが取得され、債権者に前記炭素クレジットが付与される炭素クレジット付与ステップ。
  2. 栽培基本パラメータが提供され、会員データベースに格納され、BAUシナリオデータベースに格納されている情報と照合されることにより、排出量計算ステップにおいてメタンの排出量(A)が計算される、請求項1に記載の方法。
  3. メタン抑制栽培パラメータが提供され、栽培情報データベースに格納され、栽培情報データベースに格納されている情報と照合されることにより、抑制率または抑制時排出量計算ステップにおいて抑制率(B1)または抑制時排出量(B2)が計算される、請求項2に記載の方法。
  4. メタン発生抑制資材使用情報が、メタン発生抑制資材生産者によって販売されたメタン発生抑制資材販売量についてのメタン発生抑制資材販売データベースに格納されている情報と照合され、割引率計算ステップにおいて割引率(C)が計算される、請求項3に記載の方法。
  5. 割引率情報が、さらに水位情報を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. メタン排出削減水稲栽培のモニタリングおよび検証の確証として、メタン発生抑制資材の販売者にメタン発生抑制資材の販売履歴を発行させるステップをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 水稲の栽培基本パラメータが、土壌の種類および/または分析データ、栽培時期、水位調整システム、肥培管理、栽培される品種、栽培密度および栽培が行われる場所の気象データからの1種または2種以上を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. メタン抑制栽培パラメータが、各種栽培データ、使用される有機物の量および不耕起栽培の有無からの1種または2種以上をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. メタン発生抑制資材が製鋼スラグを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. さらに以下のステップを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法:
    2以上の債権者が所属する組織が、少なくとも各債権者の水田におけるメタン発生抑制資材施用および水位コントロールをモニタリングするステップ、
    該組織が、モニタリングの結果を炭素クレジット認証機関に報告するステップ、
    炭素クレジット認証機関が、予め設定された基準および報告されたモニタリングの結果に基づいて、該組織に炭素クレジットを付与するステップ、および
    該組織が、各債権者の栽培面積に応じて前記炭素クレジットを各債権者に分配するステップ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法に用いられた水田において生産される水稲。
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