JP2014138248A - 通信システム及び端末の通信経路制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】近接通信機能により端末同士を接続し、適切な通信キャリアを選択することで、円滑な通信環境を確保することを目的とする。
【解決手段】ネットワークコントローラから受信した仮想NWアドレスで、アドホック網の通信を行う第1の端末及び第2の端末の仮想スイッチ部を設定し、仮想ゲートウェイとなった第1の端末の仮想スイッチ部が、第2の端末からのパケットを受信して、仮想ゲートウェイとなった第1の端末が所属する第1の基地局に転送し、当該転送するパケットに前記仮想NWアドレスを付加し、第1のパケットカウント部は、ネットワークコントローラから通知された第1の端末と第2の端末の仮想NWアドレスを保持し、転送するパケットに含まれる仮想NWアドレスから、第1の端末が所属する第1の通信網とのパケット数と、第2の端末が所属する第2の通信網のパケット数をそれぞれ計数する。
【選択図】図12
【解決手段】ネットワークコントローラから受信した仮想NWアドレスで、アドホック網の通信を行う第1の端末及び第2の端末の仮想スイッチ部を設定し、仮想ゲートウェイとなった第1の端末の仮想スイッチ部が、第2の端末からのパケットを受信して、仮想ゲートウェイとなった第1の端末が所属する第1の基地局に転送し、当該転送するパケットに前記仮想NWアドレスを付加し、第1のパケットカウント部は、ネットワークコントローラから通知された第1の端末と第2の端末の仮想NWアドレスを保持し、転送するパケットに含まれる仮想NWアドレスから、第1の端末が所属する第1の通信網とのパケット数と、第2の端末が所属する第2の通信網のパケット数をそれぞれ計数する。
【選択図】図12
Description
本発明は、テザリング機能を備えた端末の通信制御に関する。
近年、テザリング機能を備えたスマートフォンなどの無線端末や、通信カードを実装したPC、あるいは通信キャリアの通信機能を持った無線ルータなどが普及しつつある。そして、テザリング機能を有する通信機器を有効に利用する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、通信キャリアなどの基地局と通信を行う機能と、近接した無線機器と通信を行う近接通信機能(Wi−FiあるいはBluetooth)(Bluetoothは登録商標、以下同じ。)を有した複数の端末を利用する際に、最も適切な端末を選択して近接通信を行う技術が開示されている。
スマートフォンなどの無線端末では、回線状況や電波の状況により一時的に通信が繋がりにくい状況や、恒常的に繋がりにくい場所や時間帯が発生する。しかし、同じ場所で無線端末の通信キャリアが複数存在する場合、他社の無線端末ではスムーズに通信が行われていることがある。原因としては、通信キャリア毎に基地局の設置場所や数が異なるなどロケーションの差や、基地局に収容された接続ユーザ数の過多によるスループットの低下などが挙げられる。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、近接通信機能により端末同士を接続し、適切な通信キャリアを選択することで、円滑な通信環境を確保することを目的とする。
本発明は、基地局と通信を行う第1の通信部と、端末同士の通信を行う第2の通信部とを備えた端末と、前記端末を管理するネットワークコントローラと、を備えた通信システムであって、前記基地局は、第1の通信網に接続された第1の基地局と、第2の通信網に接続された第2の基地局と、を含み、前記端末は、前記第1の通信網に所属して前記第1の基地局と接続する第1の端末と、前記第2の通信網に所属して前記第2の基地局と選択する第2の端末と、を含み、前記第1の通信網は、前記第1の基地局に接続された前記第1の端末を、前記第3の通信網に接続する第1のアクセスゲートウェイと、前記第1の基地局と第1のアクセスゲートウェイとの間で転送されるパケット数をカウントする第1のパケットカウント部と、を含み、前記第2の通信網は、前記第2の基地局に接続された前記第2の端末を、前記第3の通信網に接続する第2のアクセスゲートウェイと、前記第2の基地局と第2のアクセスゲートウェイとの間で転送されるパケット数をカウントする第2のパケットカウント部と、を含み、前記第1の端末の第2の通信部と、前記第2の端末の第2の通信部は相互に接続したアドホック網を形成し、前記第1の端末は、前記第1の基地局を介して前記ネットワークコントローラに当該端末の登録を要求し、前記第2の端末は、前記第2の基地局を介して前記ネットワークコントローラに当該端末の登録を要求し、前記ネットワークコントローラは、前記アドホック網の前記第1の端末と前記第2の端末に仮想ネットワークアドレスをそれぞれ付与し、前記第1の端末と前記第2の端末の何れかひとつを仮想ゲートウェイに決定し、前記第1の端末と前記第2の端末にネットワークアドレスと前記仮想ゲートウェイを通知し、前記第1の端末と前記第2の端末の仮想ネットワークアドレスを、前記1のパケットカウント部と前記第2のパケットカウント部に通知するネットワーク管理部を有し、前記第1の端末及び第2の端末は、前記ネットワークコントローラから受信した仮想ネットワークアドレスで、前記アドホック網の通信を行う仮想スイッチ部を有し、前記第1の端末及び第2の端末の仮想スイッチ部は、前記仮想ゲートウェイとなった前記第1または第2の端末の仮想スイッチ部が他の端末からのパケットを受信して、仮想ゲートウェイとなった前記第1または第2の端末が所属する前記第1または第2の基地局に転送し、当該転送するパケットに前記仮想ネットワークアドレスを付加し、前記第1または第2のパケットカウント部は、前記ネットワークコントローラから通知された前記第1の端末と前記第2の端末の仮想ネットワークアドレスを保持し、前記転送するパケットに含まれる仮想ネットワークアドレスから、前記第1の端末が所属する第1の通信網と、前記第2の端末が所属する第2の通信網毎に前記パケット数を計数する。
したがって、本発明は、異なる通信網(通信キャリア)に所属する端末同士を第2の通信部(例えば、近接通信機能)により接続し、適切な通信キャリアを選択して円滑な通信環境を確保することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例を示し、複数の通信事業者(通信キャリア)で無線通信を提供する通信システムの一例を示すブロック図である。図1において、3つの通信キャリア(A社、B社、C社)がキャリアAの通信網109−a〜キャリアCの通信網109−cを介してインターネット107に接続される無線通信ネットワーク108−a〜108−cを提供する例を示す。
通信キャリアAの通信網109−aは、無線通信ネットワーク108−aを介して携帯端末101−aと通信を行う基地局103−aと、基地局103−aとインターネット107の間でパケットを転送するアクセスゲートウェイ106−aと、基地局103−aとアクセスゲートウェイ106−aの間に配置されてパケット数をカウントするパケットカウンタサーバ104−aと、から構成される。
そして、基地局103−a、パケットカウンタサーバ104−a及びアクセスゲートウェイ106−aは、複数の携帯端末同士で構成するアドホック網(仮想ネットワーク)102を管理し、各携帯端末101−a〜101−cの通信経路を制御する仮想ネットワークコントローラ105に接続される。
通信キャリアB、Cも同様に構成されており、図1において、添え字が「b」が通信キャリアB、「c」が通信キャリアCの設備を示す。なお、各携帯端末101−a〜101−cは各通信キャリアA〜Cに所属する端末である。また、以下の説明では、各構成要素の総称を添え字無しの符号で示し、例えば、携帯端末101−a〜101−cの総称は符号101となる。他の構成要素も同様である。
また、各通信キャリアA〜Cのアクセスゲートウェイ106の接続先はインターネット107の例を示したが、プライベートネットワークやWANなどで構成してもよい。
また、基地局103が提供する無線通信ネットワーク108は、例えば、3G−LTE(3GPP Long Term Evolution)や、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)である。
また、アドホック網102は、後述するように複数の携帯端末101の近距離無線通信機能及び仮想スイッチソフトウェアによって構成される。近距離無線通信としては、WiFi(Wireless Fidelity)や、WiFi DirectあるいはBluetoothなどのIP(Internet Protocol)で通信が可能なものを採用することができる。
図2は、携帯端末101−aの一例を示すブロック図である。なお、携帯端末101−b、101−cは、携帯端末101−aと同様の構成であるので、説明は省略する。
携帯端末101−aは、演算を行うプロセッサ11と、データやプログラムを保持するメモリ12と、無線通信ネットワーク108−aを介して基地局103−aと通信を行う基地局通信部13と、ユーザからの入力や画面表示などを行う入出力部14と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部15と、近接した他の携帯端末101と通信を行う近接通信部16と、を備える。携帯端末101−aは、近接通信部16と基地局通信部13を接続して、近接通信部16に接続した機器を、基地局103と通信させるテザリング機能を有する。
メモリ12には、OS201と、仮想スイッチソフトウェア202と、仮想環境設定アプリケーション203と、アプリ#1〜アプリ#nを含むアプリケーション204がロードされ、プロセッサ11によって実行される。
プロセッサ11は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ11は、仮想スイッチソフトウェア202に従って動作することで仮想スイッチとして機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ11は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
携帯端末101−aの各機能を実現するプログラム、テーブル等の情報は、記憶部15を構成する不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
基地局通信部13は、上述したように3G−LTEや、WiMAXによって配下の携帯端末101−aと通信を行う。そして、携帯端末101−aは、近接通信部16が近接した他の携帯端末101と通信を行い、仮想環境設定アプリケーション203によってアドホック網102が設定される。
仮想環境設定アプリケーション203は、後述するように、仮想ネットワークコントローラ105から仮想ネットワークアドレスを取得して、アドホック網102内でのIPによる通信を行う。
仮想スイッチソフトウェア202は、仮想環境設定アプリケーション203が設定したアドホック網102内で、他の携帯端末101と仮想ネットワークアドレスを用いて通信を行う。
近接通信部16は、上述したようにWiFiや、WiFi DirectあるいはBluetoothを採用する。したがって、アドホック網102は、採用する通信方式によって通信可能な範囲が異なり、電波状態にもよるがアドホック網102の範囲は数メートルから数十メートルの範囲となる。
ここで、各携帯端末101の基地局通信部13は、携帯端末101が所属する通信キャリアA〜Cの基地局103−a〜103−cと通信する。一方、各携帯端末101の近接通信部16は、仮想環境設定アプリケーション203が稼働する他の携帯端末101であれば、所属する通信キャリアに係わらずアドホック網102内で通信することができる。
そして、仮想ネットワークコントローラ105は、後述するように、アドホック網102内のいずれかひとつの携帯端末101をゲートウェイとして決定する。
そして、アドホック網102内でゲートウェイとなった携帯端末101では、仮想スイッチソフトウェア202が、近接通信部16で他の携帯端末101から受信したパケットを基地局通信部13へ転送し、携帯端末101が所属する基地局103からインターネット107へ転送する。逆に、仮想スイッチソフトウェア202は、他の携帯端末101宛のパケットを基地局通信部13で受信すると、近接通信部16からアドホック網102内の他の携帯端末101へ転送する。このとき、仮想スイッチソフトウェア202は、マルチNAT(Network Address Translation)機能により、アドホック網102内の仮想ネットワークアドレスと、ゲートウェイとなった携帯端末101に割り当てられたIPアドレスの間でアドレス変換を行う。
このように、アドホック網102内では、図12で示すように、ゲートウェイとなった携帯端末101がプロクシ(マルチNAT機能)となって、アドホック網102内の携帯端末101の通信をまとめて行うことができる。つまり、ゲートウェイになった携帯端末101は、仮想ネットワークアドレスを用いたアドホック網102内の他の帯端末101のテザリングとプロクシを行うことで、無線ルータとして機能することになる。なお、図12は、アドホック網102を介して通信を行う際の通信経路の一例を示すブロック図である。
例えば、図12において、通信キャリアAの携帯端末101−aがアドホック網102のゲートウェイとなった場合、通信キャリアBの携帯端末101−bと通信キャリアCの携帯端末101−cのパケットを携帯端末101−aが、通信キャリアAの基地局103−aからアクセスゲートウェイ106−aを介してインターネット107に転送する。
これにより、基地局103−aのエリアでは、通信キャリアAの帯域や応答時間(遅延時間)が他の通信キャリアB、Cよりも良い場合、携帯端末101−b、101−cは、携帯端末101−aを経由して通信キャリアAを利用することで円滑な通信環境を確保できる。あるいは、通信キャリアBの基地局103−bや通信キャリアCの基地局103−cが繋がりにくい、あるいは接続できない状況であれば、携帯端末101−b、101−cは、携帯端末101−aを経由して通信キャリアAを利用することで円滑な通信環境を確保できる。
ここで、通信キャリアAは、他の通信キャリアB、Cのパケットを代理で転送するため、設備の利用に係る料金を請求するため転送した他社のパケット数を把握する必要がある。そこで、本発明では、アドホック網(仮想ネットワーク)102で用いる仮想ネットワークアドレスを発行する仮想ネットワークコントローラ105と、パケットに含まれる仮想ネットワークアドレスを検出して、通信キャリア毎のパケット数を計数するパケットカウンタサーバ104−a〜104−cを設ける。各通信キャリアは、自社のパケットカウンタサーバ104のパケット数を参照することで、他の通信キャリアに請求するべき料金を決定することができる。
なお、図2に示す携帯端末101の入出力部14は、タッチパネル式液晶などで構成することができる。また、アプリケーション204は、仮想スイッチソフトウェア202上で稼働することで、外部へのアクセスをアドホック網102を介して行うことが可能になる。
また、上記では、仮想スイッチソフトウェア202が実装されたスマートフォンなどの携帯端末101に本発明を適用する例を示したが、仮想スイッチソフトウェア202が実装されたPCやゲーム機、あるいは、携帯通信キャリアとの通信機能を有する無線ルータなどに本発明を適用することができる。
図3は、仮想ネットワークコントローラ105の一例を示すブロック図である。仮想ネットワークコントローラ105は、各通信キャリアの基地局103、パケットカウンタサーバ104、アクセスゲートウェイ106に接続されており、アドホック網102内の仮想ネットワークの管理と、各携帯端末101からのパケットの経路を制御する。
仮想ネットワークコントローラ105は、演算を行うプロセッサ21と、データやプログラムを保持するメモリ22と、各通信キャリアの機器と通信を行う通信部23と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部24と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部25と、を備える。
メモリ22には、OS31と、仮想ネットワーク管理部32と、仮想ネットワークテーブル41と、パケットカウントテーブル42がロードされ、仮想ネットワーク管理部32がプロセッサ21によって実行される。
プロセッサ21は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ21は、仮想ネットワーク管理プログラムに従って動作することで仮想ネットワーク管理部32として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ21は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
仮想ネットワークコントローラ105の各機能を実現するプログラム、テーブル等の情報は、記憶部25を構成するストレージサブシステムや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
仮想ネットワークテーブル41は、アドホック網102内の仮想ネットワークを管理するもので、仮想ネットワーク管理部32が管理する。また、パケットカウントテーブル42は、各通信キャリアのパケットカウンタサーバ104が計数したパケットカウントテーブル71を仮想ネットワーク管理部32が集約したものである。
図4は、パケットカウンタサーバ104−aの一例を示すブロック図である。なお、パケットカウンタサーバ104−b、10−cは、通信キャリアAのパケットカウンタサーバ104−aと同様の構成であるので、説明は省略する。パケットカウンタサーバ104−aは、通信キャリアAの基地局103−aとアクセスゲートウェイ106−aの間に配置されており、アドホック網102からのパケット数を計数してパケットカウントテーブル71を更新する。
パケットカウンタサーバ104−aは、演算を行うプロセッサ51と、データやプログラムを保持するメモリ52と、基地局103−a及びアクセスゲートウェイ106−aと通信を行う通信部53と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部54と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部55と、を備える。
メモリ52には、OS61と、パケット数を計数するパケットカウント部62と、計数されたパケット数を格納するパケットカウントテーブル71が保持されており、パケットカウント部62がプロセッサ51によって実行される。
プロセッサ51は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ51は、パケットカウントプログラムに従って動作することでパケットカウント部62として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ51は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
パケットカウンタサーバ104の各機能を実現するプログラム、テーブル等の情報は、記憶部55を構成するストレージサブシステムや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
パケットカウント部62は、受信したパケットを解析し、仮想ネットワークコントローラ105の仮想ネットワークテーブル41を参照して携帯端末101の端末ID毎にパケット数を計数し、パケットカウントテーブル71に蓄積する。
ここで、仮想ネットワークコントローラ105は、後述するように、アドホック網102に参加する携帯端末101に仮想ネットワークアドレスを付与する。アドホック網102のゲートウェイとなった携帯端末101は、パケットに送信元の携帯端末101の仮想ネットワークアドレスを含めて、基地局103に送信する。基地局103からパケットを受信したパケットカウント部62は、パケットから仮想ネットワークアドレスを抽出する。
図13は、パケットカウンタサーバ104が携帯端末101(基地局103)から受信するパケットの一例を示す図である。
パケットの構成は、IPヘッダP1とペイロードP2から構成され、IPヘッダP1の送信元アドレスが、アドホック網102のゲートウェイとなる携帯端末101に基地局103が割り当てたIPアドレスが含まれる。
パケットのペイロードP2には、アドホック網102内の送信元の携帯端末101に割り当てられた仮想ネットワークアドレスP21とデータP22が含まれる。パケットカウント部62は、仮想ネットワークアドレスP21を抽出し、仮想ネットワークコントローラ105から通知された仮想ネットワークアドレスなどを含むパケットカウントテーブル71を参照して、送信元の携帯端末101の端末IDと、通信キャリア名を取得する。
パケットカウント部62は、抽出した仮想ネットワークアドレスP21でパケットカウントテーブル71を検索し、当該仮想ネットワークアドレスがあれば、パケット数を加算し、当該仮想ネットワークアドレスのエントリがなければ、新たにエントリを追加する。
パケットカウント部62は、仮想ネットワークアドレスP21を抽出した後は、ペイロードP2から仮想ネットワークアドレスP21を削除しても良い。
図5は、パケットカウンタサーバ104のパケットカウントテーブル71の一例を示す図である。
パケットカウントテーブル71は、携帯端末101を特定するユニークな識別子を格納する端末ID711と、携帯端末101が所属する通信キャリアの名称または識別子を格納するキャリア名712と、仮想ネットワークコントローラ105が携帯端末101に割り当てた仮想ネットワークアドレス713と、パケットカウント部62で計数したパケットの数を格納するパケット数714からひとつのエントリが構成される。
端末ID711とキャリア名712及び仮想ネットワークアドレス713は上述のように、仮想ネットワークコントローラ105が通知したものである。
なお、通信キャリア単位でパケット数を計数する場合、仮想ネットワークアドレス713がユニークであれば、端末ID711を省略することができる。
図6は、仮想ネットワークコントローラ105のパケットカウントテーブル42の一例を示す図である。
パケットカウントテーブル42は、仮想ネットワークコントローラ105の仮想ネットワーク管理部32が、各通信キャリアのパケットカウンタサーバ104からパケットカウントテーブル71を取得して、ひとつのテーブルに集約したものである。なお、仮想ネットワーク管理部32は所定の周期で各通信キャリアのパケットカウンタサーバ104からパケットカウントテーブル71を取得し、パケットカウントテーブル42を更新する。
パケットカウントテーブル42は、図5のパケットカウントテーブル71に、パケットカウントテーブル71を取得した通信キャリアの名称または識別子を加えたものである。
仮想ネットワークコントローラ105のパケットカウントテーブル42は、携帯端末101を特定するユニークな識別子を格納する端末ID421と、携帯端末101が所属する通信キャリアの名称または識別子を格納するキャリア名422と、当該携帯端末101のパケットを転送した通信キャリアの名称または識別子を格納するホストキャリア名423と、仮想ネットワークコントローラ105が携帯端末101に割り当てた仮想ネットワークアドレス424と、パケットカウンタサーバ104が計数したパケットの数を格納するパケット数425からひとつのエントリが構成される。
ホストキャリア名423は、各通信キャリアのパケットカウンタサーバ104−a〜104−cのアドレスに対応する識別子などを予め設定しておき、当該識別子を用いるようにしても良い。
図7は、仮想ネットワークコントローラ105が管理する仮想ネットワークテーブル41の一例を示す図である。
仮想ネットワークテーブル41は、携帯端末101を特定するユニークな識別子を格納する端末ID411と、携帯端末101が基地局103側から割り当てられたIPアドレスを格納する端末アドレス412と、仮想ネットワークコントローラ105が携帯端末101に割り当てた仮想ネットワークアドレスを格納する仮想ネットワーク(図中NW)アドレス413と、アドホック網102に割り当てたゲートウェイとなる携帯端末101のIPアドレスを格納する仮想ゲートウェイ(図中GW)アドレス414と、携帯端末101が所属する通信キャリアの名称または識別子を格納するキャリア名415と、当該携帯端末101のパケットを転送した通信キャリアの名称または識別子を格納するホストキャリア名416と、ゲートウェイとなった携帯端末101が接続している基地局103の識別子を格納する基地局ID417と、アドホック網102の名称または識別子を格納するAdHocID418と、各携帯端末101が測定した各自の基地局との帯域(通信速度)を格納する帯域419からひとつのエントリが構成される。
端末ID411としては、例えば、発信者番号や個体識別番号などユニークな値を採用することができる。端末アドレス412は、携帯端末101が通信キャリアのDHCPサーバまたは基地局103が割り当てたIPアドレスを格納する。
仮想ネットワークアドレス413は、仮想ネットワークコントローラ105が各携帯端末に割り当てたユニークな仮想IPアドレスである。また、仮想ゲートウェイアドレス414は、アドホック網102内でゲートウェイとなった携帯端末101の仮想IPアドレスが格納される。
AdHocID418は、仮想ネットワークコントローラ105が決定する場合と、携帯端末101が決定する場合がある。携帯端末101が決定する場合は、アドホック網102を形成したときに、いずれかひとつの携帯端末101が仮想ネットワークコントローラ105に予め設定された識別子または名称をアドホック網102の識別子として通知する。
一方、仮想ネットワークコントローラ105がアドホック網102の識別子を決定する場合には、基地局103の設定場所に対応して予め設定された値をAdHocID418に設定する。例えば、野球場Aの1塁側では”dome1”などの予め設定された値を仮想ネットワークコントローラ105がアドホック網102の識別子として付与する。多数の人が集まる場所を通信エリアとする基地局103−a、103−b、103−cは、特定の基地局として配下のアドホック網102の名称または識別子を設定しておくことができる。なお、通信キャリアが異なる基地局103−a〜103−cであっても、同じ場所を通信エリアとする場合には、配下のAdHocIDを同じ値にすることができる。
帯域(Mbps)419は、アドホック網102内の携帯端末101のうち、最も通信状態のよいものをゲートウェイとして決定する指標として利用される性能情報である。アドホック網102に参加する各携帯端末101は、所定のタイミングで基地局を介して特定のサイト間の帯域(通信速度)を測定し、仮想ネットワークコントローラ105に通知する。仮想ネットワークコントローラ105は、各携帯端末101から受信した帯域情報を格納する帯域419に格納する。
なお、アドホック網102内のゲートウェイを決定するための指標としては、上記帯域に限定されるものではなく、各携帯端末101の電界強度(利得情報)や、各携帯端末101のパケット応答時間(例えば、ICMPの応答時間、または遅延時間)を利用してもよい。
また、基地局103の場所に応じて、優先的にゲートウェイとする通信キャリアを決定しておいても良い。
次に、図9は、近接通信を行うアドホック網102の一例を示す図である。アドホック網102は、基地局103に接続した携帯端末101に他の携帯端末101が、近接通信部16を介して通信を確立したときに形成される。
図9において、携帯端末101−aは基地局103−aと接続しているものとする。携帯端末101−aの仮想環境設定アプリケーション203は、ポーリングなどにより通信可能な他の携帯端末101を検索する。
アドホック網102は、仮想スイッチソフトウェア202と、仮想環境設定アプリケーション203が導入されている携帯端末101が、近傍に同じ仮想スイッチソフトウェア202と、仮想環境設定アプリケーション203を導入している機器を検出すると、近接通信部16同士が接続を行って、アドホック網102が形成される。
すでに、携帯端末101間で相互通信を確立しているアドホック網102の近傍に新たに携帯端末101−bが参加するとき、近接通信部16同士がリンクすることで、新たな携帯端末101−bがアドホック網102に参加する。
アドホック網102の形成は、同じ仮想スイッチソフトウェア202と仮想環境設定アプリケーション203を導入した携帯端末101同士が自由に参加するAnonymousモードと、仮想環境設定アプリケーション203の設定によりグループ限定でアドホック網102を形成するGroupモード、所定の条件が成立したときに形成されるPermissionモードがある。以下の説明では、Anonymousモードの例を示す。
基地局103−aと通信している携帯端末101−aは、通信キャリアCの携帯端末101−cを検出する。携帯端末101−aと101−cは、近接通信部16で接続してアドホック網102を形成する。この後、仮想ネットワークコントローラ105から仮想ネットワークアドレスを取得し、仮想ネットワークコントローラ105がゲートウェイの携帯端末101を決定すると、ひとつの通信キャリアに複数の通信キャリアの携帯端末101を接続する相乗りが開始される。ここでは、携帯端末101−aがゲートウェイとする。図12で示すように、通信キャリアAの携帯端末101−aは、通信キャリアBの携帯端末101−bのパケットと、通信キャリアCの携帯端末101−cのパケットを、通信キャリアAのネットワーク109−aで転送する。
一方、新たにアドホック網102へ参加する通信キャリアBの携帯端末101−bが加わると、携帯端末101−bが仮想ネットワークコントローラ105から新たな仮想ネットワークアドレスを取得して、ゲートウェイの携帯端末101−aを介してパケットを通信キャリアAで転送する。このとき、仮想ネットワークコントローラ105には、携帯端末101−bの新たなエントリを追加する。
アドホック網102から携帯端末101−cが離脱する場合、ゲートウェイとなっている携帯端末101−aが仮想ネットワークコントローラ105に離脱を通知する。仮想ネットワークコントローラ105は、図7の仮想ネットワークテーブル41から該当の携帯端末101−cのエントリを削除する。
次に、アドホック網102の形成からアドホック網102内の携帯端末101からの通信について以下に説明する。
図8は、通信システムで行われる処理の一例を示すシーケンス図で、特定の基地局の配下で行われる処理の一例である。図示の例では、通信キャリアAの携帯端末101−aが特定の基地局103−aの配下に入り、その後、通信キャリアBの特定の基地局103−bの配下に携帯端末101−bとアドホック網102を形成した例を示す。なお、特定の基地局103−a、103−bは、通信キャリアは異なるが、同じ通信エリアとする。
上述したように、特定の基地局103の配下のアドホック網102では、アドホック網の識別子が予め設定されている。通信キャリアAの携帯端末101−aは、基地局103−aの配下に入ったので、仮想ネットワークコントローラ105に当該携帯端末101−aの登録を要求する。基地局103−aは携帯端末101−aからの要求を仮想ネットワークコントローラ105に転送する(S1)。仮想ネットワークコントローラ105は、図7の仮想ネットワークテーブル41に、携帯端末101−aを登録し、AdHocID418に基地局103−aに対応付けられたアドホック網102の識別子である”dome1”を設定する。
また、この特定の基地局103の配下のアドホック網102では、予めゲートウェイとなる通信キャリアが仮想ネットワークコントローラ105の図示しないテーブルなどに設定されており、基地局103−aに接続する通信キャリアAの携帯端末101がゲートウェイに設定される。なお、通信キャリアAの携帯端末101が存在しない場合には、後述する図10の処理によってアドホック網102を形成する。
仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−aに割り当てる仮想ネットワークアドレスを決定し、基地局103−aの配下のAdHocID418とともに携帯端末101−aに通知する(S2)。
次に、通信キャリアBの携帯端末101−bが、基地局103−bと接続し、仮想ネットワークコントローラ105に登録を要求する(S3)。基地局103−aは携帯端末101−aからの要求を仮想ネットワークコントローラ105に転送する(S4)。
仮想ネットワークコントローラ105は、図7の仮想ネットワークテーブル41に、携帯端末101−bを登録し、AdHocID418には基地局103−bに対応付けられた”dome1”を設定する。
そして、仮想ネットワークコントローラ105は、上述のように、基地局103−aの配下では通信キャリアAの携帯端末101をゲートウェイする設定であるので、通信キャリアAの携帯端末101−aをゲートウェイとして決定する。
次に、仮想ネットワークコントローラ105は、ゲートウェイとなった携帯端末101−aの仮想ネットワークアドレスを、通信キャリアAの基地局103−aを介して携帯端末101−aへ通知し、通信キャリアBの基地局103−bを介して携帯端末101−bに通知する(S5、S6)。
また、仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102=”dome1”に参加する携帯端末101の端末ID411と仮想ネットワークアドレス413及びキャリア名415を、パケットの相乗りを実施する(ホストとなる)通信キャリアAのパケットカウンタサーバ104−aに通知する(S7)。これにより、パケットカウンタサーバ104−aは、パケットカウントテーブル71を更新しておく。
アドホック網102のゲートウェイの仮想ネットワークアドレスを受信した携帯端末101−aと携帯端末101−bは、近接通信部16で互いに接続してアドホック網102を形成する(S8)。
次に、アドホック網102の携帯端末101−bがインターネット107との通信を開始する。携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、アドホック網102内のゲートウェイのアドレスが携帯端末101−aであることを通知されているので、携帯端末101−aに対してインターネット107への接続要求を送信する(S9)。
すなわち、携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、仮想スイッチソフトウェア202のゲートウェイを、通信キャリアBの基地局103−bから、アドホック網102内のゲートウェイへ切替えたものである。
ゲートウェイとなった携帯端末101−aは、携帯端末101−bから受信したインターネット107への接続要求のパケットを、マルチNATによってアドレス変換を行ってから基地局103−aに転送する(S10)。基地局103−aは、受信したパケットをパケットカウンタサーバ104−aに転送する。
パケットカウンタサーバ104−aは、受信したパケットから図13に示す仮想ネットワークアドレスP21を抽出する。そして、パケットカウンタサーバ104−aは、上記ステップS9で更新されたパケットカウントテーブル71を参照して、抽出した仮想ネットワークアドレスP21に一致するエントリのパケット数714を更新する(S11)。
その後、パケットカウンタサーバ104−aは、パケットをアクセスゲートウェイ106−aに転送する。このとき、パケットカウンタサーバ104−aは、ペイロードP2から仮想ネットワークアドレスP21を削除することができる。
以上の処理により、通信キャリアAは、アドホック網102内のゲートウェイとなって通信キャリアBの携帯端末101−bのパケットを転送できる。これにより、携帯端末101−bは、通信キャリアAの携帯端末101−aを利用して、通信キャリアAの通信に相乗りすることができる。
そして、パケットカウンタサーバ104−aは、転送するパケットが何れの通信キャリアであるかを識別して計数しパケットカウントテーブル71に蓄積する。これにより、パケットの転送を代行した通信キャリアAは、転送を代行したパケット数について他の通信キャリアに費用を請求することができる。中継に使われた通信キャリア(あるいはネットワークプロバイダ)は通信量(パケット数)に応じた通信の代行費用を、通信キャリア間やネットワークプロバイダ間で相互に請求する仕組みを提供できる。なお、上記では、パケットカウンタサーバ104−aが基地局103−aからアクセスゲートウェイ106−aへ向けて転送するパケット数を計数する例を示したが、アクセスゲートウェイ106−a側から基地局103−aへ向けて転送するパケット数についても計数することができる。この場合、アクセス先のアドレスとアクセス元の仮想ネットワークアドレスを格納するテーブル(図式省略)を備えればよい。
また、仮想ネットワークコントローラ105は、特定の基地局103の配下のアドホック網102(仮想ネットワーク)では、ゲートウェイとなる通信キャリアAを指定することができ、通信キャリアの戦略や基地局103の容量、帯域に応じた制御を実現できる。
なお、図8では、ステップS8で、携帯端末101−aと携帯端末101−bが、近接通信部16で互いに接続してアドホック網102を形成する例を示したが、アドホック網102の形成は、ステップS1の以前に携帯端末101−aと携帯端末101−bの近接通信部16で互いに接続可能であればアドホック網102を形成しても良い。
図10は、通信システムで行われる処理の一例を示すシーケンス図で、携帯端末がアドホック網を動的に構成する処理の一例である。
まず、基地局103−aの配下にある携帯端末101−aと、基地局103−bの配下にある携帯端末101−bが、近接通信部16により相互に通信してアドホック網102を形成する(S21)。このとき、携帯端末101−a、101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、アドホック網102の識別子を所定の値に設定する。この値は、仮想環境設定アプリケーション203に設定されたデフォルト値であり、周囲に同一のアドホック網102の識別子が存在する場合には、予め設定された他の識別子を用いる。このアドホック網102の形成では、IP接続は行われず、近接通信部16のWiFi Directなどの機能によって通信を行う。
次に、携帯端末101−aはアドホック網102を形成したので、アドホック網102の識別子と、アドホック網102を構成する携帯端末101−a、101−bの識別子を取得して仮想ネットワークコントローラ105に登録するパケットを基地局103−aに送信する(S22)。基地局103−aは、このパケットを仮想ネットワークコントローラ105に転送する。なお、ここでは、携帯端末101−aが仮想ネットワークコントローラ105に登録を要求する例を示したが、携帯端末101−bが実施しても良く、ラウンドロビンなど公知の手法により、いずれかひとつの携帯端末101が仮想ネットワークコントローラ105に登録すれば良い。
このパケットを受信した仮想ネットワークコントローラ105は、仮想ネットワークテーブル41に、携帯端末101−a、101−bの識別子を端末ID411に格納するエントリを追加し、仮想ネットワークアドレスを決定して仮想ネットワークアドレス413に格納する。仮想ネットワークコントローラ105は、通信キャリア名を取得してキャリア名415に格納する。なお、通信キャリア名は各携帯端末101から取得して携帯端末の識別子と共に仮想ネットワークコントローラ105へ送信したものである。あるいは、端末ID411から各通信キャリアに問い合わせても良い。また、仮想ネットワークコントローラ105は、受信したアドホック網102の識別子をAdHocID418に格納する。また、仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−aの基地局103−aのIDを取得して基地局ID417に格納する。
仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内の携帯端末101−a、101−bに上記決定した仮想ネットワークアドレスをそれぞれの基地局103−a、103−bから通知する(S23、S24)。
次に、アドホック網102内のゲートウェイを決定するために、携帯端末101−aと101−bは、各基地局103−a、103−bを経由してそれぞれ性能情報を測定する。本実施例では、性能情報として上述したように所定のサイトと通信したときの帯域(通信速度)を測定し、仮想ネットワークコントローラ105に通知する(S25、S26)。
仮想ネットワークコントローラ105は、受信した性能情報(帯域)を仮想ネットワークテーブル41の各携帯端末101に対応するエントリの帯域419に格納する。
次に、仮想ネットワークコントローラ105は、同じ通信エリアで通信キャリアが異なる携帯端末101−aと101−bの性能情報を比較し、通信状況の良い方をゲートウェイとして決定する。図7の例では、携帯端末101−aが帯域=50Mbps、携帯端末101−bが帯域=25Mbpsであるので、仮想ネットワークコントローラ105は帯域の広い(通信速度が速い)アドホック網102=”dome1”のゲートウェイを携帯端末101−aに決定する。仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−aの仮想ネットワークアドレスを、携帯端末101−aと同じAdHocID418のエントリの仮想ゲートウェイアドレス414に格納する。
そして、仮想ネットワークコントローラ105は、ゲートウェイとなった携帯端末101−aの仮想ネットワークアドレスを、通信キャリアAの基地局103−aを介して携帯端末101−aへ通知し、通信キャリアBの基地局103−bを介して携帯端末101−bに通知する(S27、S28)。
また、仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102(AdHocID418)に参加する携帯端末101の端末ID411と仮想ネットワークアドレス413及びキャリア名415を、ホストとなる通信キャリアAのパケットカウンタサーバ104−aに通知する(S29)。これにより、パケットカウンタサーバ104−aは、パケットカウントテーブル71を更新しておく。
次に、アドホック網102の携帯端末101−bがインターネット107との通信を開始する。携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、アドホック網102内のゲートウェイのアドレスが携帯端末101−aであることを通知されているので、携帯端末101−aに対してインターネット107への接続要求を送信する(S30)。
すなわち、携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、仮想スイッチソフトウェア202のゲートウェイを、通信キャリアBの基地局103−bから、アドホック網102内のゲートウェイへ切替えたものである。
ゲートウェイとなった携帯端末101−aは、携帯端末101−bから受信したインターネット107への接続要求のパケットを、マルチNATによってアドレス変換を行ってから基地局103−aに転送する(S31)。基地局103−aは、受信したパケットをパケットカウンタサーバ104−aに転送する。
パケットカウンタサーバ104−aは、受信したパケットから図13に示す仮想ネットワークアドレスP21を抽出する。そして、パケットカウンタサーバ104−aは、上記ステップS29で更新されたパケットカウントテーブル71を参照して、抽出した仮想ネットワークアドレスP21に一致するエントリのパケット数714を更新する(S32)。
その後、パケットカウンタサーバ104−aは、パケットをアクセスゲートウェイ106−aに転送する。このとき、パケットカウンタサーバ104−aは、ペイロードP2から仮想ネットワークアドレスP21を削除することができる。
以上の処理により、通信キャリアAは、アドホック網102内のゲートウェイとなって通信キャリアBの携帯端末101−bのパケットを転送できる。これにより、携帯端末101−bは、自通信キャリアBよりも通信状態のよい通信キャリアAの携帯端末101−aを利用して、円滑な通信環境を確保することができる。
そして、パケットカウンタサーバ104−aは、転送するパケットが何れの通信キャリアであるかを識別して計数しパケットカウントテーブル71に蓄積する。これにより、パケットの転送を代行した通信キャリアAは、転送を代行したパケット数について他の通信キャリアに費用を請求することができる。
アドホック網102が形成される場合、数メートルから十数メートルの範囲のローカルな空間が予想され、基地局103の配置により通信キャリア毎に電波状態や利得、アドホック網102の参加ユーザ数以外の通信端末数や通信状態により、携帯端末101毎の通信速度が異なる。この場所は、基地局103の状態により常に通信の向き不向きが発生する場合と、基地局103に接続しているユーザ数の増減により通信状態が変化する場合がある。
通信キャリア間でパケットの相乗りを実施する場合、携帯端末101毎の通信状態を考慮して通信経路を決定する必要がある。通信経路の決定には大きく2種類ある。1つはアドホック網102を形成している携帯端末101の通信状況を取得して、通信経路(通信キャリア)を決定する動的設定(図10)がある。
そして、2つ目は、通信経路を決定する情報を仮想ネットワークコントローラ105に設定しておき、アドホック網102に参加した携帯端末101が相乗りする通信キャリアを決定しておく固定設定(図8)がある。
図10のような、動的設定の場合、アドホック網102を形成している携帯端末101は、自身の通信状況(性能情報)を仮想ネットワークコントローラ105に通知する。仮想ネットワークコントローラ105が通信経路を決定する上で必要となる情報は、携帯端末101が計測する転送帯域の他に、電界強度やパケットの応答時間である。仮想ネットワークコントローラ105は携帯端末101から送られた性能情報、または性能情報の組み合わせで各携帯端末101の通信状態を判定し、最適なパケットの「相乗り」を実現する携帯端末101を決定する。
ゲートウェイとなる携帯端末101が決定された場合、仮想ネットワークコントローラ105から、ゲートウェイの携帯端末101とその他のアドホック網102に参加する携帯端末101のそれぞれの仮想スイッチソフトウェア202に設定情報が送られる。
またゲートウェイとなる携帯端末101側の通信キャリアに設置されたパケットカウンタサーバ104−aにも仮想ネットワークコントローラ105から設定情報が送られる。経路情報は通信元からの通信状況を監視及びパケット数をカウントするために使用する。
パケットの相乗りを実施する通信経路が確定したアドホック網102内には、ゲートウェイとなる携帯端末101−aと、通信を委託する携帯端末101−bが存在する。
相乗りする携帯端末101−bの通信は、仮想ネットワークが構築されているので自身の通信も仮想ネットワーク上で送受信される。ゲートウェイとなった携帯端末101−aは、自身の通信キャリア網を経由して通信を行う。通信を委託する側の携帯端末101−b、アドホック網102を経由して、ゲートウェイとなった携帯端末101−aを経由して通信を行う。通信を委託する側の携帯端末101−bからの通信は、仮想ネットワークを経由して、ゲートウェイとなった携帯端末101−a側の通信キャリアAのネットワークを経由して通信を行う。アドホック網102を形成するのは複数の通信キャリア、複数のユーザが関わる。複数の通信キャリア、またはユーザおよび使用するアプリケーションは仮想ネットワーク(アドホック網102)上で通信する。
例えば、仮想ネットワークコントローラ105からA社の通信キャリアがゲートウェイとなる携帯端末101−aと指定され、他の携帯端末101は通信を委託する側の携帯端末101−bとして指定される。仮想ネットワーク(アドホック網102)の設定は仮想ネットワークコントローラ105が仮想ネットワークテーブル41を作成し、SDN(Software Defined Network)などの手法で設定するようにしてもよい。
図11は、通信システムで行われる処理の一例を示すシーケンス図で、携帯端末が通信不能になったときに行われる処理の一例である。この例は、図10に示したアドホック網102の動的な構成を応用したものである。
まず、基地局103−aの配下にある携帯端末101−aと、基地局103−bの配下にある携帯端末101−bが、近接通信部16により相互に通信してアドホック網102を形成する(S41)。このとき、携帯端末101−a、101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、アドホック網102の識別子を所定の値に設定する。この値は、仮想環境設定アプリケーション203に設定されたデフォルト値であり、周囲に同一のアドホック網102の識別子が存在する場合には、予め設定された他の識別子を用いる。このアドホック網102の形成では、IP接続は行われず、近接通信部16のWiFi Directなどの機能によって通信を行う。
次に、携帯端末101−bは基地局103−bとの通信が不能(あるいは繋がりにくい状態)になったため(S42)、アドホック網102の携帯端末101−aに相乗り通信の登録を要求する(S43)。
近接通信部16で相乗り通信の登録要求を受信した携帯端末101−aは、アドホック網102の識別子と、アドホック網102を構成する携帯端末101−aの識別子を取得して仮想ネットワークコントローラ105に登録するパケットを基地局103−aに送信する(S44)。基地局103−aは、このパケットを仮想ネットワークコントローラ105に転送する。
このパケットを受信した仮想ネットワークコントローラ105は、仮想ネットワークテーブル41に、携帯端末101−aの識別子を端末ID411に格納するエントリを追加し、仮想ネットワークアドレスを決定して仮想ネットワークアドレス413に格納する。仮想ネットワークコントローラ105は、通信キャリア名を取得してキャリア名415に格納する。また、仮想ネットワークコントローラ105は、受信したアドホック網102の識別子をAdHocID418に格納する。また、仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−aの基地局103−aのIDを取得して基地局ID417に格納する。
仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内の携帯端末101−aに上記決定した仮想ネットワークアドレスを基地局103−aから通知する(S45)。
次に、携帯端末101−aは、アドホック網102の識別子と、アドホック網102で相乗り通信を行う携帯端末101−bの識別子を取得して仮想ネットワークコントローラ105に登録するパケットを基地局103−aに送信する(S46)。基地局103−aは、このパケットを仮想ネットワークコントローラ105に転送する。
このパケットを受信した仮想ネットワークコントローラ105は、上記ステップS44のパケットと同様に、仮想ネットワークテーブル41に、相乗りをする携帯端末101−bの識別子を端末ID411に格納するエントリを追加し、仮想ネットワークアドレスを決定して仮想ネットワークアドレス413に格納する。仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−bの通信キャリア名を取得してキャリア名415に格納する。なお、通信キャリア名は携帯端末101−bから取得して携帯端末の識別子と共に仮想ネットワークコントローラ105へ送信したものである。あるいは、端末ID411にから各通信キャリアに問い合わせても良い。また、仮想ネットワークコントローラ105は、受信したアドホック網102の識別子をAdHocID418に格納する。
仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内の携帯端末101−aに上記決定した携帯端末101−bの仮想ネットワークアドレスを基地局103−aから通知する(S47)。
携帯端末101−bの仮想ネットワークアドレスを受信した携帯端末101−aは、近接通信部16により携帯端末101−bへ仮想ネットワークアドレスを通知する(S48)。
仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−bのパケットを相乗りさせるので、ゲートウェイとして携帯端末101−aを選択し、携帯端末101−aの仮想ネットワークアドレスをアドホック網102のゲートウェイアドレスとして通信キャリアAの基地局103−aから携帯端末101−a、携帯端末101−bに通知する(S49)。
また、仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102(AdHocID418)に参加する携帯端末101−bの端末ID411と仮想ネットワークアドレス413及び通信キャリア名415を、ホストとなる通信キャリアAのパケットカウンタサーバ104−aに通知する(S50)。これにより、パケットカウンタサーバ104−aは、パケットカウントテーブル71を更新しておく。
アドホック網102内のゲートウェイの仮想ネットワークアドレスを受信した携帯端末101−aは、近接通信部16により携帯端末101−bへゲートウェイの仮想ネットワークアドレスを通知する(S51)。
携帯端末101−a、101−bはそれぞれの仮想ネットワークアドレスと、ゲートウェイの仮想ネットワークアドレスを仮想環境設定アプリケーション203で仮想スイッチソフトウェア202に設定し、近接通信部16を介してIP接続によって通信を開始する。
次に、アドホック網102の携帯端末101−bがインターネット107との通信を開始する。携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、アドホック網102内のゲートウェイのアドレスが携帯端末101−aであることを通知されているので、携帯端末101−aに対してインターネット107への接続要求を送信する(S52)。
すなわち、携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、仮想スイッチソフトウェア202のゲートウェイを、通信キャリアBの基地局103−bから、アドホック網102内の仮想ネットワーク上のゲートウェイへ切替えたものである。
ゲートウェイとなった携帯端末101−aは、携帯端末101−bから受信したインターネット107への接続要求のパケットを、マルチNATによってアドレス変換を行ってから基地局103−aに転送する(S53)。基地局103−aは、受信したパケットをパケットカウンタサーバ104−aに転送する。
パケットカウンタサーバ104−aは、受信したパケットから図13に示す仮想ネットワークアドレスP21を抽出する。そして、パケットカウンタサーバ104−aは、上記ステップS50で更新されたパケットカウントテーブル71を参照して、抽出した仮想ネットワークアドレスP21に一致するエントリのパケット数714を更新する(S54)。
その後、パケットカウンタサーバ104−aは、パケットをアクセスゲートウェイ106−aに転送する。このとき、パケットカウンタサーバ104−aは、ペイロードP2から仮想ネットワークアドレスP21を削除することができる。
以上の処理により、通信キャリアAは、アドホック網102内のゲートウェイとなって、通信に障害が発生した通信キャリアBの携帯端末101−bのパケットを転送できる。これにより、携帯端末101−bは、通信状態が悪い通信キャリアBのネットワークに代わって通信キャリアAの携帯端末101−aを利用して、円滑な通信環境を確保することができる。
そして、パケットカウンタサーバ104−aは、転送するパケットが何れの通信キャリアであるかを識別して計数しパケットカウントテーブル71に蓄積する。これにより、パケットの転送を代行した通信キャリアAは、転送を代行したパケット数について他の通信キャリアに費用を請求することができる。
<ゲートウェイの動的な変更>
アドホック網102の動的な設定を用いた場合、通信状況や障害により通信経路を通信中に変更することができる。図14、図15は、通信中に性能情報をモニタリングして通信キャリアAで実施していた相乗り通信を、通信状態のよりよい通信キャリアBに変更する例を示す。図14は、アドホック網のゲートウェイを変更する際の通信経路の一例を示すブロック図である。図15は、通信システムで行われる処理の一例を示すシーケンス図で、アドホック網のゲートウェイを変更する処理の一例である。
アドホック網102の動的な設定を用いた場合、通信状況や障害により通信経路を通信中に変更することができる。図14、図15は、通信中に性能情報をモニタリングして通信キャリアAで実施していた相乗り通信を、通信状態のよりよい通信キャリアBに変更する例を示す。図14は、アドホック網のゲートウェイを変更する際の通信経路の一例を示すブロック図である。図15は、通信システムで行われる処理の一例を示すシーケンス図で、アドホック網のゲートウェイを変更する処理の一例である。
図14、図15では、通信キャリアAの携帯端末101−aが仮想ゲートウェイとなって、通信キャリアBの携帯端末101−bのパケットを相乗りさせている状態から、性能情報のモニタリングの結果、通信キャリアBの携帯端末101−bを仮想ゲートウェイに切替える例を示す。
まず、図10の処理によってアドホック網102を形成し、仮想ネットワークアドレスを決定してIP接続を行っていることを前提とする。
携帯端末101−bがインターネット107へ向けて送信したパケットは、アドホック網102内のゲートウェイである携帯端末101−aに送信され(S61)、携帯端末101−aから基地局103−aを経由し、通信キャリアAのネットワーク109−aからインターネット107へ転送される。そして、パケットカウンタサーバ104−aで、通信キャリアBに所属する携帯端末101−bのパケット数が捕捉される。
仮想ネットワークコントローラ105は、所定のタイミング(例えば、所定の周期など)でアドホック網102内の携帯端末101に各通信キャリアの性能情報の取得を要求する(S63)。性能情報の取得要求を受信したゲートウェイの携帯端末101−aは、アドホック網102内の携帯端末101−bに性能情報の取得要求を転送する(S64)。
本実施例では、性能情報として上述したように所定のサイトと通信したときの帯域(通信速度)を測定する。すなわち、携帯端末101−aは基地局103−aを経由して所定のサイトと通信したときの帯域(通信速度)を測定する(S65)。携帯端末101−bは基地局103−bを経由して所定のサイトと通信したときの帯域(通信速度)を測定する(S66)。携帯端末101−bは測定した性能情報を携帯端末101−aへ通知する(S67)。
携帯端末101−aは、自身の性能情報と、携帯端末101−bから受信した性能情報を仮想ネットワークコントローラ105に送信する(S68)。仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−aから受信した携帯端末101−aと携帯端末101−bの性能情報を、仮想ネットワークテーブル41の帯域419に格納し、ゲートウェイの更新処理を行う(S69)。
ゲートウェイの更新処理では、仮想ネットワークコントローラ105が、アドホック網102内の携帯端末101の性能情報を比較して、最も通信状態の良い携帯端末101をアドホック網102内のゲートウェイとして選択する。この例では、最も帯域の広い携帯端末101を仮想ネットワークのゲートウェイとして選択する。選択した携帯端末101が前回と同じであれば、ゲートウェイの変更は行わない。一方、選択した携帯端末101が前回と異なれば、アドホック網102内のゲートウェイを変更する。
ここでは、携帯端末101−bの方が、携帯端末101−aよりも帯域が広がったとする。これにより仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内のゲートウェイとして新たに携帯端末101−bを選択する。そして、仮想ネットワークコントローラ105は、図7に示した仮想ネットワークテーブル41の仮想ゲートウェイアドレス414に携帯端末101−bの仮想ネットワークアドレスを設定する。また、アドホック網102内の携帯端末101のホストキャリア名416を、携帯端末101−bが所属するB社に変更する。
仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内のゲートウェイが携帯端末101−bに変更されることを、新たにパケットの相乗りを行う通信キャリアBのパケットカウンタサーバ104−bに通知する(S71)。このとき、仮想ネットワークコントローラ105は、携帯端末101−bが所属するアドホック網102内の携帯端末101の識別子と仮想ネットワークアドレス及び通信キャリア名をパケットカウンタサーバ104−bに通知する。これにより、通信キャリアBのパケットカウンタサーバ104−bは、パケットカウントテーブル71を更新しておく。
次に、仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内のゲートウェイが携帯端末101−bに変更されることを携帯端末101−aに通知する(S72)。携帯端末101−aは、アドホック網102内の他の携帯端末101にゲートウェイが変更されることを通知する(S73)。これにより、携帯端末101−aの仮想環境設定アプリケーション203は、仮想スイッチソフトウェア202に対してゲートウェイ(ルータ)の機能を解除させる。一方、携帯端末101−bの仮想環境設定アプリケーション203は、仮想スイッチソフトウェア202に対してゲートウェイの機能を設定させる。
携帯端末101−aが、インターネット107にアクセスするパケットを近接通信部16から、新たなゲートウェイとなった携帯端末101−bへ送信する。携帯端末101−bは、通信キャリアAに所属する携帯端末101−aのパケットを、通信キャリアBの基地局103−bからパケットカウンタサーバ104−bに転送する。
通信キャリアBのパケットカウンタサーバ104−bは、受信したパケットから図13に示す仮想ネットワークアドレスP21を抽出する。そして、パケットカウンタサーバ104−bは、上記ステップS71で更新されたパケットカウントテーブル71を参照して、抽出した仮想ネットワークアドレスP21に一致するエントリのパケット数714を更新する(S32)。
その後、パケットカウンタサーバ104−bは、受信したパケットをアクセスゲートウェイ106−bに転送してインターネット107に転送する。このとき、パケットカウンタサーバ104−bは、ペイロードP2から仮想ネットワークアドレスP21を削除することができる。
以上の処理により、仮想ネットワークコントローラ105は、アドホック網102内の携帯端末101の各通信キャリアの通信状態を監視して、最も通信状態のよい通信キャリアの携帯端末101をゲートウェイとして切替えることができる。これにより、仮想ネットワークで構成されたアドホック網102の携帯端末101は、常時通信状態のよい通信キャリアに切替えながら、円滑な通信環境を確保することができる。そして、ゲートウェイとなった携帯端末101は、通信キャリアまたは基地局103の通信状態に応じて切替えられるが、各携帯端末101のアプリケーション204は、仮想スイッチソフトウェア202上で稼働するためゲートウェイの変更に影響を受けることなくインターネット107との通信を続行することが可能となる。
なお、上記実施形態において、通信エリア毎の通信量を測定するパケットカウント部62を、基地局103とアクセスゲートウェイの間に配置した計算機(パケットカウンタサーバ104)で実行する例を示したが、独立した計算機に限定されるものではなく、パケットカウント部62を基地局103またはアクセスゲートウェイ106で実行するようにしても良い。
また、本発明において説明した計算機等の構成、処理部及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、専用のハードウェアによって実現してもよい。
また、本実施例で例示した種々のソフトウェアは、電磁的、電子的及び光学式等の種々の記録媒体(例えば、非一時的な記憶媒体)に格納可能であり、インターネット等の通信網を通じて、コンピュータにダウンロード可能である。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
13 基地局通信部
16 近接通信部
41 仮想ネットワークテーブル
42、71 パケットカウントテーブル
101−a〜101−c 携帯端末
102 アドホック網
103−a〜103−c 基地局
104−a〜104−c パケットカウンタサーバ
105 仮想ネットワークコントローラ
106−a〜106−c アクセスゲートウェイ
107 インターネット
202 仮想スイッチソフトウェア
203 仮想環境設定アプリケーション
16 近接通信部
41 仮想ネットワークテーブル
42、71 パケットカウントテーブル
101−a〜101−c 携帯端末
102 アドホック網
103−a〜103−c 基地局
104−a〜104−c パケットカウンタサーバ
105 仮想ネットワークコントローラ
106−a〜106−c アクセスゲートウェイ
107 インターネット
202 仮想スイッチソフトウェア
203 仮想環境設定アプリケーション
Claims (10)
- 基地局と通信を行う第1の通信部と、端末同士の通信を行う第2の通信部とを備えた端末と、
前記端末を管理するネットワークコントローラと、を備えた通信システムであって、
前記基地局は、
第1の通信網に接続された第1の基地局と、
第2の通信網に接続された第2の基地局と、を含み、
前記端末は、
前記第1の通信網に所属して前記第1の基地局と接続する第1の端末と、
前記第2の通信網に所属して前記第2の基地局と選択する第2の端末と、を含み、
前記第1の通信網は、
前記第1の基地局に接続された前記第1の端末を、前記第3の通信網に接続する第1のアクセスゲートウェイと、
前記第1の基地局と第1のアクセスゲートウェイとの間で転送されるパケット数をカウントする第1のパケットカウント部と、を含み、
前記第2の通信網は、
前記第2の基地局に接続された前記第2の端末を、前記第3の通信網に接続する第2のアクセスゲートウェイと、
前記第2の基地局と第2のアクセスゲートウェイとの間で転送されるパケット数をカウントする第2のパケットカウント部と、を含み、
前記第1の端末の第2の通信部と、前記第2の端末の第2の通信部は相互に接続したアドホック網を形成し、前記第1の端末は、前記第1の基地局を介して前記ネットワークコントローラに当該端末の登録を要求し、前記第2の端末は、前記第2の基地局を介して前記ネットワークコントローラに当該端末の登録を要求し、
前記ネットワークコントローラは、
前記アドホック網の前記第1の端末と前記第2の端末に仮想ネットワークアドレスをそれぞれ付与し、前記第1の端末と前記第2の端末の何れかひとつを仮想ゲートウェイに決定し、前記第1の端末と前記第2の端末にネットワークアドレスと前記仮想ゲートウェイを通知し、前記第1の端末と前記第2の端末の仮想ネットワークアドレスを、前記1のパケットカウント部と前記第2のパケットカウント部に通知するネットワーク管理部を有し、
前記第1の端末及び第2の端末は、
前記ネットワークコントローラから受信した仮想ネットワークアドレスで、前記アドホック網の通信を行う仮想スイッチ部を有し、
前記第1の端末及び第2の端末の仮想スイッチ部は、
前記仮想ゲートウェイとなった前記第1または第2の端末の仮想スイッチ部が他の端末からのパケットを受信して、仮想ゲートウェイとなった前記第1または第2の端末が所属する前記第1または第2の基地局に転送し、当該転送するパケットに前記仮想ネットワークアドレスを付加し、
前記第1または第2のパケットカウント部は、
前記ネットワークコントローラから通知された前記第1の端末と前記第2の端末の仮想ネットワークアドレスを保持し、前記転送するパケットに含まれる仮想ネットワークアドレスから、前記第1の端末が所属する第1の通信網と、前記第2の端末が所属する第2の通信網毎に前記パケット数を計数することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記第1の端末は、
前記第1の基地局から第1の通信網の性能情報を測定して、当該性能情報を前記ネットワークコントローラに送信し、
前記第2の端末は、
前記第2の基地局から第2の通信網の性能情報を測定して、当該性能情報を前記ネットワークコントローラに送信し、
前記ネットワークコントローラは、
前記ネットワーク管理部が、前記受信した第1の通信網の性能情報と第2の通信網の性能情報を比較して性能情報の良い方の通信網に所属する前記第1または第2の端末を前記仮想ゲートウェイとして決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2の端末は、前記第3の通信網と通信できないときには、前記ネットワークコントローラに通信できないことを通知し、
前記ネットワークコントローラは、
前記第2の端末から前記第3の通信網と通信できない通知を受信すると、前記第1の端末を仮想ゲートウェイに決定し、前記第1の端末及び第2の端末に前記決定した仮想ゲートウェイを通知することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記ネットワーク管理部は、
前記仮想ゲートウェイとなる通信網を前記基地局に対応付けて予め設定し、前記アドホック網を構成する前記第1の端末及び第2の端末に、前記仮想ゲートウェイを通知することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記ネットワーク管理部は、
所定のタイミングになると、前記第1及び第2の端末に性能情報を要求し、前記第1及び第2の端末から性能情報を取得し、前記第1または第2の通信網のうち性能情報がよい方に所属する第1または第2の端末を仮想ゲートウェイとして決定することを特徴とする通信システム。 - 基地局と通信を行う第1の通信部と、端末同士の通信を行う第2の通信部とを備えた端末と、前記端末を管理するネットワークコントローラと、を備えて端末の通信経路を制御する方法であって、
前記基地局は、第1の通信網に接続された第1の基地局と、第2の通信網に接続された第2の基地局と、を含み、
前記端末は、前記第1の通信網に所属して前記第1の基地局と接続する第1の端末と、前記第2の通信網に所属して前記第2の基地局と選択する第2の端末と、を含み、
前記第1の通信網は、前記第1の基地局に接続された前記第1の端末を、前記第3の通信網に接続する第1のアクセスゲートウェイと、前記第1の基地局と第1のアクセスゲートウェイとの間で転送されるパケット数をカウントする第1のパケットカウント部と、を含み、
前記第2の通信網は、前記第2の基地局に接続された前記第2の端末を、前記第3の通信網に接続する第2のアクセスゲートウェイと、前記第2の基地局と第2のアクセスゲートウェイとの間で転送されるパケット数をカウントする第2のパケットカウント部と、を含み、
前記方法は、
前記第1の端末の第2の通信部と、前記第2の端末の第2の通信部が相互に接続してアドホック網を形成する第1のステップと、
前記第1の端末が、前記第1の基地局を介して前記ネットワークコントローラに当該端末の登録を要求する第2のステップと、
前記第2の端末が、前記第2の基地局を介して前記ネットワークコントローラに当該端末の登録を要求する第3のステップと、
前記ネットワークコントローラが、前記アドホック網の前記第1の端末と前記第2の端末に仮想ネットワークアドレスをそれぞれ付与し、前記第1の端末と前記第2の端末の何れかひとつを仮想ゲートウェイに決定する第4のステップと、
前記ネットワークコントローラが、前記第1の端末と前記第2の端末にネットワークアドレスと前記仮想ゲートウェイを通知する第5のステップと、
前記ネットワークコントローラが、前記第1の端末と前記第2の端末の仮想ネットワークアドレスを、前記1のパケットカウント部と前記第2のパケットカウント部に通知する第6のステップと、
前記第1の端末及び第2の端末の仮想スイッチ部が、前記ネットワークコントローラから受信した仮想ネットワークアドレスで、前記アドホック網の通信をそれぞれ行う第7のステップと、
前記仮想ゲートウェイとなった前記第1または第2の端末の仮想スイッチ部が、他の端末からのパケットを受信して、仮想ゲートウェイとなった前記第1または第2の端末が所属する前記第1または第2の基地局に転送し、当該転送するパケットに前記仮想ネットワークアドレスを付加する第8のステップと、
前記第1または第2のパケットカウント部は、前記ネットワークコントローラから通知された前記第1の端末と前記第2の端末の仮想ネットワークアドレスを保持し、前記転送するパケットに含まれる仮想ネットワークアドレスから、前記第1の端末が所属する第1の通信網と、前記第2の端末が所属する第2の通信網毎に前記パケット数を計数する第9のステップと、
を含むことを特徴とする端末の通信経路制御方法。 - 請求項6に記載の端末の通信経路制御方法であって、
前記第4のステップは、
前記第1の端末が、前記第1の基地局から第1の通信網の性能情報を測定して、当該性能情報を前記ネットワークコントローラに送信するステップと、
前記第2の端末が、前記第2の基地局から第2の通信網の性能情報を測定して、当該性能情報を前記ネットワークコントローラに送信するステップと、
前記ネットワークコントローラが、前記受信した第1の通信網の性能情報と第2の通信網の性能情報を比較して性能情報の良い方の通信網に所属する前記第1または第2の端末を前記仮想ゲートウェイとして決定するステップと、
を含むことを特徴とする端末の通信経路制御方法。 - 請求項6に記載の端末の通信経路制御方法であって、
前記第4のステップは、
前記第2の端末が、前記第3の通信網と通信できないときには、前記ネットワークコントローラに通信できないことを通知するステップと、
前記ネットワークコントローラは、前記第2の端末から前記第3の通信網と通信できない通知を受信すると、前記第1の端末を仮想ゲートウェイに決定するステップと、
を含むことを特徴とする端末の通信経路制御方法。 - 請求項6に記載の端末の通信経路制御方法であって、
前記第4のステップは、
前記ネットワークコントローラが、前記仮想ゲートウェイとなる通信網を前記基地局に対応付けて予め設定し、
前記第5のステップは、
前記ネットワークコントローラが、前記アドホック網を構成する前記第1の端末及び第2の端末に、前記仮想ゲートウェイを通知することを特徴とする端末の通信経路制御方法。 - 請求項6に記載の端末の通信経路制御方法であって、
前記ネットワークコントローラが、所定のタイミングになると、前記第1及び第2の端末に性能情報を要求し、前記第1及び第2の端末から性能情報を取得する第10のステップと、
前記ネットワークコントローラが、前記第1または第2の通信網のうち性能情報がよい方に所属する第1または第2の端末を仮想ゲートウェイとして決定する第11のステップと、
前記ネットワークコントローラが、前記決定した新たなゲートウェイを前記第1または第2の端末と、前記第1または第2のパケットカウント部にそれぞれ通知する第12のステップと、
をさらに含むことを特徴とする端末の通信経路制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013005417A JP2014138248A (ja) | 2013-01-16 | 2013-01-16 | 通信システム及び端末の通信経路制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013005417A JP2014138248A (ja) | 2013-01-16 | 2013-01-16 | 通信システム及び端末の通信経路制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014138248A true JP2014138248A (ja) | 2014-07-28 |
Family
ID=51415552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013005417A Pending JP2014138248A (ja) | 2013-01-16 | 2013-01-16 | 通信システム及び端末の通信経路制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014138248A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018173627A1 (ja) * | 2017-03-23 | 2018-09-27 | 日本電気株式会社 | 通信端末、通信システム、通信端末の制御方法及びプログラム |
-
2013
- 2013-01-16 JP JP2013005417A patent/JP2014138248A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018173627A1 (ja) * | 2017-03-23 | 2018-09-27 | 日本電気株式会社 | 通信端末、通信システム、通信端末の制御方法及びプログラム |
US11233695B2 (en) | 2017-03-23 | 2022-01-25 | Nec Corporation | Communication terminal, communication system, communication terminal control method, and program |
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