JP2014137171A - 給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法 - Google Patents
給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】熱エネルギーの損失を最小限にした上で、通常水位制御から高水位制御に切り替わる際のウォーターハンマーの発生を効果的に防止する。
【解決手段】ドレン水位が高レベルを超えたときに、高水位調整弁7を全閉状態から開く際には弁開度を最初から大きく開き、第2ドレン配管6に溜まっている冷えたドレン水を、高水位調整弁7流れるドレン水により復水器1に一気に押し流す。
【選択図】図1
【解決手段】ドレン水位が高レベルを超えたときに、高水位調整弁7を全閉状態から開く際には弁開度を最初から大きく開き、第2ドレン配管6に溜まっている冷えたドレン水を、高水位調整弁7流れるドレン水により復水器1に一気に押し流す。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、火力発電プラントや原子力発電プラントに設置されている給水加熱器のドレン配管に発生するウォーターハンマーを防止する方法に関する。
火力発電プラントや原子力発電プラントでは、プラントの熱効率を改善することを目的として復水器には給水加熱器が設けられている。この給水加熱器では、低圧タービンを回し終えた蒸気によって復水が加熱される。
この種の給水加熱器では、低圧タービンから送られてくる蒸気は復水と熱交換をした後、ドレン水となって給水加熱器内部のドレンタンクに一旦貯められる。ドレン水の水位は、プラントの運転状態によって変化するので、給水加熱器ではドレン水位の制御が行われている。ここで、図1は、火力または原子力発電プラントの復水器に設置されている低圧給水加熱器におけるドレン水位制御の系統図である。
図1において、参照番号1は、復水器を示している。この復水器1には、低圧給水加熱器として、上流側の給水加熱器2と下流側の給水加熱器3が2段に設けられている。上流側の給水加熱器2内のドレン水を下流側の給水加熱器3に導出する第1のドレン配管4には、通常運転時の水位を主として調整する通常水位調整弁5が設置されている。この第1ドレン配管4からは、ドレン水を復水器1に導く第2ドレン配管6が分岐しており、この第2ドレン配管6には、通常レベルを超える水位になったときにドレン水位を調整する高水位調整弁7が設置されている。
従来、給水加熱器2のドレン水位制御には、通常運転時の水位制御である通常水位制御と、通常水位制御では水位をコントロールできない場合に実行される高水位制御とがある。
通常水位制御では、給水加熱器2のドレン水位を第1の水位検知器8により検知し、通常水位を中心に一定の範囲で変動するように、第1ドレン配管4に設けてある通常水位調整弁5の開度をコントローラ9により調整する。このとき第2ドレン配管6の高水位調整弁7は全閉状態に維持される。給水加熱器2のドレン水は、第1ドレン配管4を通って下流側の給水加熱器3に送られ、ここでドレン水の熱エネルギーは復水の加熱に再利用される。
このような通常水位制御がドレン水位制御の基本となるが、給水加熱器2内の伝熱管からの漏れや、コントローラ9の故障等の原因によって、通常水位制御だけではドレン水位のコントロールが追いつかなくなることがある。このような場合には、通常水位制御から高水位制御に切り替わる。
この高水位制御では、給水加熱器2のドレン水位が所定の高レベルになったことが第2の水位検知器10によって検知されると、コントローラ12は第2ドレン配管6の高水位調整弁7を開き、ドレン水が第2ドレン配管6を通って直接復水器1に排出されるようにする。この間、通常水位調整弁5はドレン水位に応じた開度で開かれおり、ドレンの排出量が増えることからドレン水位を下げることができる。
給水加熱器2からドレン水を排出する第1ドレン配管4、第2ドレン配管6のうち、復水器1に向かって水平に延びる第2ドレン配管6では、配管引き回しのルート上、高水位調整弁7の下流側配管6bに鉛直に立ち上がっている箇所ができることがある。この下流側配管6bの立ち上がり箇所では、ドレン水を復水器1に排出しきれずにドレン水溜まりが発生することが多い。通常の運転状態にある給水加熱器2では、通常水位制御が行われており、高水位調整弁7は全閉状態のままになっている。このため、下流側配管6b内に溜まっているドレン水は、雰囲気温度まで冷えた状態になっている。
給水加熱器2内でドレン水位が上昇し、それまでの通常水位制御から高水位制御に切り替わり、高水位調整弁7が開くと、高温のドレン水は下流側配管6bに流れ込む。この下流側配管6bの内部は、復水器1と同じ真空状態になっているため、高温のドレン水は一気に水蒸気になる。その大量の水蒸気が冷えたドレン水との接触で急激に凝縮して、ドレン水同士が衝突し、この結果、ウォーターハンマーという現象が発生する。
従来、このようなウォーターハンマーの発生を防止するために、通常水位制御が行われている間も、高水位調整弁7を微開した状態にしておき、給水加熱器2からの熱いドレン水を常時小流量だけ第2ドレン配管6に流し続けるように運用し、第2ドレン配管6に溜まっているドレン水を高い温度に維持している。しかし、このような従来の運用では、本来、下流側の給水加熱器3で利用可能な熱エネルギーが常時復水器1に流すことで回収できずに失われることになり、エネルギー損失となっていた。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、熱エネルギーの損失を最小限にした上で、通常水位制御から高水位制御に切り替わる際のウォーターハンマーの発生を効果的に防止できるようにした給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、上流側の給水加熱器と下流側の給水加熱器とが2段に復水器に設置され、前記上流側の給水加熱器内のドレン水位を通常レベルに制御する通常水位調整弁を有し前記下流側の給水加熱器にドレン水を排出する第1のドレン配管と、前記上流側の給水加熱器内のドレン水位が前記通常レベルを超える所定の高レベルに達したときにドレン水を前記復水器に排出する高水位調整弁を有し前記第1のドレン配管から分岐する第2のドレン配管と、からなるドレン配管系統を備えた発電プラントの給水加熱器において、前記高水位調整弁が開かれたときに前記第2ドレン配管に流れ込んだドレン水が溜まっていた冷えたドレン水に接触することにより発生するウォーターハンマーを防止する方法であって、前記ドレン水位が高レベルを超えたときに、前記高水位調整弁を全閉状態から開く際には弁開度を最初から大きく開き、前記第2ドレン配管に溜まっている冷えたドレン水を、前記高水位調整弁を流れるドレン水により前記復水器に一気に押し流すようにしたことを特徴とするものである。
以下、本発明による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
第1実施形態
本発明の第1実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図1に並びに図2を参照しながら説明する。
この第1実施形態では、図1に示した給水加熱器2のドレン水位制御系統を利用して、ドレン水位の制御を行なう。給水加熱器2のドレン水位制御には、通常運転時の水位制御である通常水位制御と、通常水位制御では水位をコントロールできなくなった場合に実行される高水位制御とがある。
第1実施形態
本発明の第1実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図1に並びに図2を参照しながら説明する。
この第1実施形態では、図1に示した給水加熱器2のドレン水位制御系統を利用して、ドレン水位の制御を行なう。給水加熱器2のドレン水位制御には、通常運転時の水位制御である通常水位制御と、通常水位制御では水位をコントロールできなくなった場合に実行される高水位制御とがある。
図2は、給水加熱器2のドレン水位の変化と、ドレン水位制御で開閉操作される高水位調整弁7の開度の時間的推移を示すタイムチャートである。
通常水位制御では、給水加熱器2のドレン水位を第1の水位検知器8により検知し、あらかじめ設定してある通常水位NWLを中心に一定の範囲で変動するように、第1ドレン配管4に設けてある通常水位調整弁5の開度をコントローラ9により調整する。この間、第2ドレン配管6の高水位調整弁7は全閉とされる。給水加熱器2のドレン水は、第1ドレン配管4を通って下流側の給水加熱器3に送られ、この給水加熱器3でドレン水の熱エネルギーは復水の加熱に再利用される。
このような通常水位制御がドレン水位制御の基本となる(区間I)。ドレン水の水位は、通常水位NWL付近に維持される。この間、高水位調整弁7は、全閉のままの状態が長く続くので、第2ドレン配管6における第2水位調整弁7の下流側配管6bの内部には冷えたドレン水溜まりができている。
このような通常水位制御がドレン水位制御の基本となる(区間I)。ドレン水の水位は、通常水位NWL付近に維持される。この間、高水位調整弁7は、全閉のままの状態が長く続くので、第2ドレン配管6における第2水位調整弁7の下流側配管6bの内部には冷えたドレン水溜まりができている。
通常水位制御が行われながら、給水加熱器2の運転が続くと、やがて給水加熱器2内の伝熱管からの水漏れや、コントローラの故障等の原因によって、通常水位制御だけでは水位制御が追いつかなくなり、ドレン水位が次第に上昇することがある。図2に示されるように、通常水位制御を行っているにもかかわらず、ドレン水位が上昇を続け高水位Hを超えたことが、第2水位検知器10によって検知されると、コントローラ12は高水位調整弁7を、全閉から全開に近い、設定された大開度まで一気に開くようになっている。この結果、給水加熱器2のドレン水は、第2ドレン配管6に流れ込み、高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まって冷えているドレン水を復水器1に短時間で押し流す。この結果、給水加熱器2からの高温のドレン水は、冷えたドレン水に接触して蒸気になる暇もなく低温のドレン水とともに復水器1に流れ込んでしまうので、ウォーターハンマーの発生を防止することができる。
その後、ドレン水位の制御は、高水位制御に切り替わり、第2水位検知器10によって検知される水位に応じて、高水位調整弁7の開度はコントローラ12によって制御される。この間、通常水位調整弁5もドレン水位に応じた開度で開かれおり、さらに高水位調整弁7を大きく開いた結果、ドレン水位は急激に下がって、低水位Lに近くなるので、小さな開度が維持される。
高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まっていた冷えたドレン水は既に復水器1に押し流された後であるため、高水位制御が行われている間(区間II)に、ウォーターハンマーが発生することはない。
その後、ドレン水位がさらに低下し、低水位Lに達すると、高水位調整弁7は全閉となって高水位制御は終了し、ドレン水位の制御は通常水位調整弁5のみによる通常水位制御になる。通常水位制御が行われている間(区間III)、図2に示されるように、ドレン水位が次第に上昇し、再び高水位Hになると、ドレン水位の制御は再度高水位制御に切り替わる。この時点では、前回の高水位制御の区間IIで高水位調整弁7は開いており、下流側配管6bに残留しているドレン水も冷え切っていないため、ウォーターハンマーの発生する虞は少ない。そこで、高水位調整弁7の開度は大きく開けることなく、水位に応じた所定の開度が維持される(区間IV)。以後、ドレン水位が徐々に低下して高水位Hを切ったら、高水位調整弁7を全閉にしてから通常水位制御に切り替わる。
以上のようにして、第1実施形態によれば、従来のように、給水加熱器2からの熱いドレン水を常時小流量だけ第2ドレン配管6に流し続ける必要はなく、できるだけ熱損失を少なくして高水位制御の切り替わる際のウォーターハンマーの発生を防止することができる。
以上のようにして、第1実施形態によれば、従来のように、給水加熱器2からの熱いドレン水を常時小流量だけ第2ドレン配管6に流し続ける必要はなく、できるだけ熱損失を少なくして高水位制御の切り替わる際のウォーターハンマーの発生を防止することができる。
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図3並びに図4を参照しながら説明する。
次に、本発明の第2実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図3並びに図4を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第2実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法を実施するための給水加熱器2のドレン水位制御系統を示す図である。なお、図3において、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3に示すドレン水位制御系統では、高水位調整弁7の開閉制御にタイマー手段20が付加されている。このタイマー20手段は、高水位調整弁7が前回全閉となった時点からの時間を計測している。
図4は、第2実施形態のウォーターハンマー防止方法における給水加熱器2のドレン水位の変化と、高水位制御で開閉操作される高水位調整弁7の開度の時間的推移を示すタイムチャートである。
給水加熱器2で通常水位制御が長い間行われていると(区間I)、やがて給水加熱器2内の伝熱管からの水漏れや、コントローラの故障等の原因によって、通常水位制御だけでは水位制御が追いつかなくなる。ドレン水位は次第に上昇することがあり、図4に示されるように、高水位Hを超えたものとする。
高水位調整弁7が全閉になって通常水位制御が開始されてからこの時点までの経過時間がt1であるとする。この経過時間t1はタイマー手段20によって計られる。この経過時間t1の経過により、高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まっているドレン水の温度は低下しており、高水位調整弁7が開いて流入してくる高温のドレン水と接触した場合にウォーターハンマーが発生すると評価できる時間を経過している場合には、高水位調整弁7の開度は、全閉から全開に近い、設定された大開度まで一気に開かれる。この結果、給水加熱器2のドレン水は、第2ドレン配管6に流れ込み、高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まって冷えているドレン水を復水器1まで短時間で押し流す。この結果、給水加熱器2からの高温のドレン水は、冷えたドレン水に接触して蒸気になる暇もなく低温のドレン水とともに復水器1に流れ込んでしまうので、ウォーターハンマーの発生を防止することができる。
その後、ドレン水位の制御は、高水位制御に切り替わり、第2水位検知器10によって検知される水位に応じて、高水位調整弁7の開度はコントローラ12によって制御される。この間、低水位調整弁5も開いている上に高水位調整弁7を大きく開いた結果、ドレン水位は急激に下がって、低水位Lに近くなっているので、小さな開度が維持される。
高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まっていた冷えたドレン水は既に復水器1に押し流された後であるため、高水位制御が行われている間(区間II)に、ウォーターハンマーが発生することはない。
その後、ドレン水位がさらに低下し、低水位Lに達すると、高水位調整弁7が全閉となって高水位制御は終了し、ドレン水位の制御は低水位調整弁5のみによる通常水位制御に切り替わる。通常水位制御が行われている間(区間III)、図4に示されるように、ドレン水位が次第に上昇し、再び高水位Hになったとする。この間、高水位調整弁7が全閉となってからの経過時間t2がタイマー手段20によって計られる。この時点での経過時間t2は、高水位調整弁7を開いて流れ込んだ高温のドレン水が、高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まっているドレン水と接触した場合にウォーターハンマーが発生すると評価できる時間を経過していないものとする。この場合には、前回、高水位調整弁7を開けたときから長い時間が経過しておらず、高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まっているドレン水も冷えきっていないと考えられるので、高水位調整弁7の開度は大きく開けることなく、水位に応じた所定の開度が維持される(区間IV)。以後、ドレン水位が徐々に低下して高水位Hを切ったら、高水位調整弁7を全閉にしてから通常水位制御に切り替わることになる。
以上のようにして第2実施形態によれば、高水位調整弁7を大きく開いて一気にドレン水を押し流すかどうかをタイマー手段によって管理しているため、ウォーターハンマーの防止の上で必要もないのに高水位調整弁を大きくあけて熱損失を大きくしてしまうようなことがなくなるという効果が得られる。
以上のようにして第2実施形態によれば、高水位調整弁7を大きく開いて一気にドレン水を押し流すかどうかをタイマー手段によって管理しているため、ウォーターハンマーの防止の上で必要もないのに高水位調整弁を大きくあけて熱損失を大きくしてしまうようなことがなくなるという効果が得られる。
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図5並びに図6を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第3実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法を実施するための給水加熱器2のドレン水位制御系統を示す図である。なお、図5において、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第3実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図5並びに図6を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第3実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法を実施するための給水加熱器2のドレン水位制御系統を示す図である。なお、図5において、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図5に示すドレン水位制御系統では、高水位調整弁7の下流側配管6bの温度を検知する温度検出器22と、温度検出信号をコントローラ12に送信する温度発信器24が付加されている。
図6は、第3実施形態のウォーターハンマー防止方法における給水加熱器2のドレン水位の変化と、高水位制御で開閉操作される高水位調整弁7の開度の変化の時間的推移を示すタイムチャートである。
給水加熱器2で通常水位制御が長い間行われていると(区間I)、やがて給水加熱器2内の伝熱管からの水漏れや、コントローラの故障等の原因によって、通常水位制御だけでは水位制御が追いつかなくなり、ドレン水位が次第に上昇し、図6に示されるように、高水位Hを超えたものとする。
この時点での高水位調整弁7の下流側配管6bの温度がT1であったとする。このときの温度T1は、冷えたドレン水が下流側配管6bに溜まっていると評価できる基準温度T0よりも、低下していたとする。
この場合には、高水位調整弁7の開度は、全閉から全開に近い、設定された大開度まで一気に開かれる。この結果、給水加熱器2のドレン水は、第2ドレン配管6に流れ込み、高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まって冷えているドレン水を復水器1に短時間で押し流す。この結果、給水加熱器2からの高温のドレン水は、冷えたドレン水に接触して蒸気になる暇もなく低温のドレン水とともに復水器1に流れ込んでしまうので、従来のようなウォーターハンマーの発生を防止することができる。
その後、ドレン水位の制御は、高水位制御に切り替わり、第2水位検知器10によって検知される水位に応じて、高水位調整弁7の開度はコントローラ12によって制御される。ここでは、通常水位調整弁5も開いている上に高水位調整弁7を大きく開いた結果、ドレン水位は急激に下がって、低水位Lに近くなっているので、小さな開度が維持される。
高水位調整弁7の下流側配管6bに溜まっていた冷えたドレン水は既に復水器1に押し流された後であるため、高水位制御が行われている間(区間II)に、ウォーターハンマーが発生することはない。
その後、ドレン水位がさらに低下し、低水位Lに達すると、高水位調整弁7が全閉となって高水位制御は終了し、ドレン水位の制御は通常水位調整弁5のみによる通常水位制御に切り替わる。通常水位制御が行われている間(区間III)、図6に示されるように、ドレン水位が次第に上昇し、再び高水位Hになったとする。
この時点での高水位調整弁7の下流側配管6bの温度がT2であって、基準温度T0より高かったとする。この場合には、前回、高水位調整弁7を開けたときから長い時間が経過しておらず、高水位調整弁7の下流側配管6bではドレン水は高い温度を保っていると考えられるので、高水位調整弁7の開度は大きく開けることなく、水位に応じた所定の開度が維持される(区間IV)。以後、ドレン水位が徐々に低下して高水位Hを切ったら、高水位調整弁7を全閉にしてから通常水位制御に切り替わることになる。
以上のようにして第3実施形態によれば、高水位調整弁7を大きく開いて一気にドレン水を押し流すかどうかを下流側配管6bの温度計測によって管理しているため、ウォーターハンマーの防止の上で必要もないのに高水位調整弁を大きくあけて熱損失を大きくしてしまうようなことがなくなるという効果が得られる。
以上のようにして第3実施形態によれば、高水位調整弁7を大きく開いて一気にドレン水を押し流すかどうかを下流側配管6bの温度計測によって管理しているため、ウォーターハンマーの防止の上で必要もないのに高水位調整弁を大きくあけて熱損失を大きくしてしまうようなことがなくなるという効果が得られる。
第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図7を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第4実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法を実施するための給水加熱器2のドレン水位制御系統を示す図である。なお、図7において、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第4実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法について、図7を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第4実施形態による給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法を実施するための給水加熱器2のドレン水位制御系統を示す図である。なお、図7において、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図7に示すドレン水位制御系統では、第2ドレン配管6における高水位調整弁7の上流側配管6aには、下流側の給水加熱器3まで延びる第1のバイパス配管30が分岐している。この第1バイパス配管30の途中にはバイパス弁31が設けられている。これに対して、高水位調整弁7の下流側配管6bからは、復水器1にドレン排出をバイパスする第2のバイパス配管32が分岐している。この場合、第2バイパス配管32は、下流側配管6の配管立ち上がり部よりも上流側から分岐するようになっている。第2バイパス配管32の途中はバイパス弁33が設けられている。
この第4実施形態によれば、上述した第1実施形態の図1のタイムチャートで示されるウォーターハンマー防止方法が実施される以外に、第1バイパス配管30に設けられているバイパス弁31や、第2バイパス配管32に設けられているバイパス弁33を適宜に開いて、ドレン配管6に溜まっているドレン水を下流側の給水加熱器3あるいは復水器2に排出することができる。これによって、高水位調整弁7を長い間全閉にした結果、高水位調整弁7の上流側配管6aに溜まったドレン水を下流側の給水加熱器3に排出し、下流側配管6bに溜まったドレン水を復水器2に排出するというように、運転状況に応じて適宜ドレン水の排出が可能になる。これにより、高水位調整弁7を開いて高水位制御に切り替わるときのウォーターハンマーを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
1…復水器、2…上流側の給水加熱器、3…下流側の給水加熱器、4…第1のドレン配管、5…通常水位調整弁、6…第2のドレン配管、7…高水位調整弁、8…第1水位検知器、9…コントローラ、10…第2水位検知器、12…コントローラ、20…タイマー手段、22…温度検出器、24…温度発信器
Claims (4)
- 上流側の給水加熱器と下流側の給水加熱器とが2段に復水器に設置され、前記上流側の給水加熱器内のドレン水位を通常レベルに制御する通常水位調整弁を有し前記下流側の給水加熱器にドレン水を排出する第1のドレン配管と、前記上流側の給水加熱器内のドレン水位が前記通常レベルを超える所定の高レベルに達したときにドレン水を前記復水器に排出する高水位調整弁を有し前記第1のドレン配管から分岐する第2のドレン配管と、からなるドレン配管系統を備えた発電プラントの給水加熱器において、前記高水位調整弁が開かれたときに前記第2ドレン配管に流れ込んだドレン水が溜まっていた冷えたドレン水に接触することにより発生するウォーターハンマーを防止する方法であって、
前記ドレン水位が高レベルを超えたときに、前記高水位調整弁を全閉状態から開く際には弁開度を最初から大きく開き、前記第2ドレン配管に溜まっている冷えたドレン水を、前記高水位調整弁を流れるドレン水により前記復水器に一気に押し流すようにしたことを特徴とする給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法。 - 前記高水位調整弁を前回開いた時点からの経過時間が、高水位調整弁を開いて流れ込んだ高温のドレン水が、前記高水位調整弁の下流側配管に溜まっているドレン水と接触すると、ウォーターハンマーが発生すると評価できる時間を経過していない場合には、前記高水位調整弁の開度はドレン水位のレベルに応じた開度とすることを特徴とする請求項1に記載の給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法。
- 前記第2ドレン配管において前記高水位調整弁の温度が、冷えたドレン水が前記下流側配管に溜まっていると評価できる上での基準温度よりも高い場合には、前記高水位調整弁の開度はドレン水位のレベルに応じた開度とすることを特徴とする請求項1に記載の給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法。
- 第2ドレン配管における高水位調整弁の上流側配管から分岐して前記下流側の給水加熱器まで延びる第1のバイパス配管と、第2ドレン配管における高水位調整弁の下流側配管から分岐して前記復水器まで延びる第1のバイパス配管を設けることを特徴とする請求項1に記載の給水加熱器配管のウォーターハンマー防止方法。
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CN104896756A (zh) * | 2015-06-12 | 2015-09-09 | 艾欧史密斯(中国)热水器有限公司 | 热水器的控制方法 |
CN107131494A (zh) * | 2017-04-26 | 2017-09-05 | 中国能源建设集团广东省电力设计研究院有限公司 | 多模块式高温气冷堆核电站给水系统 |
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2013
- 2013-01-16 JP JP2013005413A patent/JP2014137171A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104896756A (zh) * | 2015-06-12 | 2015-09-09 | 艾欧史密斯(中国)热水器有限公司 | 热水器的控制方法 |
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CN107131494B (zh) * | 2017-04-26 | 2019-03-12 | 中国能源建设集团广东省电力设计研究院有限公司 | 多模块式高温气冷堆核电站给水系统 |
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