JP2014135974A - X線診断装置 - Google Patents

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匠真 五十嵐
Tomohiro Kawasaki
友寛 川崎
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恵夢 藤原
Tetsuya Yokota
哲也 横田
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Abstract

【課題】手術のナビゲーションを行なう場合に、切開する領域を極力最小限になるように抑制し、術中の進行具合と術前計画との差異を直感的に容易に把握させる。
【解決手段】X線診断装置は、被検体のX線画像データを生成するX線撮影制御部73と、予め記憶された被検体のボリュームデータを、X線画像データに位置合わせする術前ボリューム生成部76と、術前ボリュームデータに、手術器具及びインプラントの少なくとも一方の3次元位置情報を合成し、切削対象部位のうち既切削領域を差分する術中ボリューム生成部78と、計画切削領域から、既切削領域を差分処理して、残切削領域を生成する差分処理部79と、術中ボリュームデータに、残切削領域を合成処理し、合成ボリュームデータを生成する合成ボリューム生成部80と、合成ボリュームデータに基づいて所要の視線方向で画像を生成して表示させるナビゲーション情報提示部81と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明の一態様としての本実施形態は、手術のナビゲーションを行なうことが可能なX線診断装置に関する。
変形性股関節症という病気が知られている。この変形性股関節症という病気は、股関節が痛くなる病気である。変形性股関節症は、股関節での血液循環が悪いために、又は関節を酷使した状態であるために関節軟骨(関節を滑らかに動かすために骨の表面を覆うことによりクッションの働きをしている軟骨)や軟骨下骨が変形し、股関節に変形や骨破壊が起こり、その結果疼痛や歩行困難になる病気である。
整形外科領域では、変形性股関節症の患者に対して、人工股関節に置換するための人工股関節形成手術が施術される場合がある。この人工股関節形成手術は、変形股関節症やリウマチ等により引き起こされる骨頭壊死等で損傷した股関節の損傷面を除去し、その部分を人工股関節に置換する手術である。これにより、劇的に症状が改善しうる。
そして、人工股関節形成手術は、以下の工程で行なわれる。
第1に、皮膚が股関節の横や前後から切開される。第2に、大腿骨頭を脱臼させた後、大腿骨頭が除去される。第3に、臼蓋の処理が行なわれ、第4に臼蓋カップが設置される。第5に、大腿骨髄腔の処理が行なわれ、第6に大腿骨ステムが設置される。そして、第7に大腿骨ヘッドが取り付けられ、第8に傷口が閉じられる。
人工股関節形成手術には、いくつかの術式の方法が存在し、近年では患者になるべく負担をかけないMIS(minimally invasive surgery)という手術方法が用いられるようになってきている。このMISの手術方法は、最小侵襲手術といわれる。なぜならば、従来の術式では15cm乃至20cmの縫合の傷跡が残ってしまうところ、MISの手術方法は、縫合の傷跡を10cm以下に抑制することができ、患者に対して従来の術式に比べて低侵襲性を有するからである。
しかし、MISの手術方法の場合、その施術を行なう医師にある程度の熟練度が要求される。そのため、MISの手術方法による施術が行なわれる場合、一般的に、手術をナビゲートする手術ナビゲーションシステムが用いられる。この手術ナビゲーションシステムは、手術中に患者の体内又は手術器具に備えられるマーカの3次元的な位置を、マーカが有する赤外線LED(light emitting diode)から赤外線と複数の赤外線カメラとを使用して三角計測の原理によりリアルタイムに検出して表示するシステムである。
そして、この手術ナビゲーションシステムに関する技術として、下記の特許文献1及び特許文献2が挙げられる。まず、特許文献1に開示された手術ナビゲーションシステムでは、手術前にX線CT(computed tomography)装置等によって生成されたCTボリュームデータ(3Dモデル)と、患者に予め埋め込んである赤外線マーカと、関節鏡(関節手術のための内視鏡)に設置した赤外線マーカとに基づいて、仮想鏡視画像が生成される。また、術前計画は、この仮想鏡視画像を元に生成される。そして、手術ナビゲーションシステムでは、手術中にリアルタイムで取得できる鏡視画像と仮想鏡視画像とを重ね合わせてリアルタイムに表示することができる。
また、特許文献2に開示された手術ナビゲーションシステムでは、手術器具や患者の骨に予め取り付けたマーカの現在の3次元座標データを取得し、これをインプットデータとして用いることにより、手術前に取得されたCTボリュームデータに基づく3次元画像を更新することができる。
特開2009−273521号公報 特開2009−172124号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、患者の体内にマーカを埋め込んだり、また患部を確認するための関節鏡を患者の体内に挿入したりするために、患者に対する侵襲度が増してしまう。また、患者の体内に埋め込まれるマーカは人の手によって直接埋め込まれるために、マーカが埋め込まれる患者体内での位置を厳密に特定することは困難であり、埋め込まれたマーカの位置情報に誤差が生じうる。
また、特許文献2に開示された技術では、手術前に取得された3次元画像がリアルタイムで更新はされるものの、術中の進行具合と術前計画との差異を画像上で確認することはできない。そのため、術中の進行具合と術前計画との差異が視覚情報の不足によって直感的に把握することができず、また、MISの手法自体そもそも視覚情報が不足しがちな手法であり、MISの手法を用いた手術が成功するか否かは医師の熟練度によって大きく依存することとなってしまう。
このように、従来技術では、種々の課題があった。そして、手術のナビゲーションを行なう場合において、患者の体表を切開する領域を極力最小限になるように抑制しつつ、かつ、術中の進行具合と術前計画との差異を直感的に容易に術者に把握させることができるX線診断装置が要望される。特に、熟練度が低い医師でも手術ミスを回避することができるように、術中に、術前計画時に決めた骨の切削量やインプラントの埋め込み具合が再現できているかを直感的に容易に術者に把握させることができるX線診断装置が要望される。
本実施形態のX線診断装置は、上述した課題を解決するために、手術器具及びインプラントの少なくとも一方の3次元位置を検知し、前記手術器具及びインプラントの少なくとも一方の3次元位置情報を生成する位置検知手段と、被検体のX線撮影を実行させてX線画像データを生成するX線撮影制御手段と、予め記憶された前記被検体のボリュームデータを、前記X線画像データに位置合わせして、術前ボリュームデータを生成する術前ボリューム生成手段と、前記術前ボリュームデータに、前記3次元位置情報を合成し、切削対象部位のうち既切削領域を差分して術中ボリュームデータを生成する術中ボリューム生成手段と、計画切削領域から、前記既切削領域を差分処理して、残切削領域を生成する差分処理手段と、前記術中ボリュームデータに、前記残切削領域を合成処理し、合成ボリュームデータを生成する合成ボリューム生成手段と、前記合成ボリュームデータに基づいて所要の視線方向で画像を生成して表示させる表示制御手段と、を有する。
本実施形態のX線診断装置の構成例を示す図。 3次元位置センサによる3次元位置検知方法を説明するための説明図。 図1に示す本実施形態のX線診断装置の構成の変形例を示す図。 本実施形態のX線診断装置の機能を示すブロック図。 術前ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を示す図。 (A),(B)は、術中ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を示す図。 (A),(B)は、合成ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を示す図。 本実施形態のX線診断装置におけるナビゲーション情報表示処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態のX線診断装置におけるナビゲーション情報表示処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態のX線診断装置における位置合わせ情報の算出処理を説明するためのフローチャート。 (A)〜(C)は、種々のナビゲーション情報の表示例を示す図。 (A),(B)は、種々のナビゲーション情報の表示例を示す図。
本実施形態のX線診断装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のX線診断装置の構成例を示す図である。
図1は、本実施形態のX線診断装置1を示す。X線診断装置1は、Cアーム保持装置11及びDF(digital fluorography)装置12を備える。
概略Cアーム構造のCアーム保持装置11は、X線管21、X線検出装置22、Cアーム23、天板(カテーテルテーブル)24、高電圧供給装置25、駆動機構26、及び3次元位置センサ27を備える。なお、Cアーム保持装置11は、X線管21が天板24の上方に位置するオーバーチューブタイプである場合を説明するが、X線管21が天板24の下方に位置するアンダーチューブタイプである場合であってもよい。また、X線管21のX線の出射側に、複数枚の鉛羽で構成されるX線照射野絞りを設けるようにしてもよいし、シリコンゴム等で形成されハレーションを防止するために所定量の照射X線を減衰させる補償フィルタを設けるようにしてもよい。
X線管21は、Cアーム23の一端に設けられ、高電圧供給回路25から高電圧電力の供給を受けて、この高電圧電力の条件に応じて被検体(患者)Oの切削対象部位(大腿骨)を含む領域に向かってX線を曝射する。X線管21は、所定部位を撮影するための撮影X線や、所定部位を透視するための透視X線を曝射することができる。具体的には、撮影X線の場合には、例えばX線管21が管電圧80[kV]、管電流500[mA]に制御されることで曝射される一方、透視X線の場合には、X線管21が管電圧80[kV]、管電流50[mA]に制御されることで曝射される。
X線検出装置22は、Cアーム23の他端であってX線管21が設けられる側に対向する側に設けられ、患者(被検体)Pの所要部位を透過したX線を検出する。X線検出装置22は、I.I.(image intensifier)−TV系であり、大きくは、I.I.22a及びTVカメラ22bを備える。
I.I.22aは、患者Oを透過したX線を可視光に変換し、輝度の倍増を行なって感度のよい投影データを形成することが可能である。TVカメラ22bは、CCD(charge coupled device)撮像素子を用いて光学的な投影データを電気信号に変換する。
Cアーム23は、その一端にX線管21を支持しつつ、他端にX線検出装置22を支持することにより、X線管21とX線検出装置22とを、患者Oを中心に対向配置させる。Cアーム23は、駆動機構26によって、その移動量、移動タイミング及び移動速度が制御される。
天板24は、患者Oを載置する。
高電圧供給装置25は、DF装置12の制御によって、X線管21に高電圧電力を供給する。
駆動機構26は、DF装置12による制御に従って、Cアーム23を円弧動(LAO(left anterior oblique view)方向及びRAO(right anterior oblique view)方向の移動)させたり、Cアーム23を回転動(CRA(cranial view)方向及びCAU(caudal view)方向の移動)させたりする。駆動機構26によってCアーム23の円弧動や回転動が制御されることによって、一方向の画像データを取得するDA撮影や多方向の画像データを取得する回転DA撮影が実現される。
また、駆動機構26は、DF装置12による制御に従ってCアーム23を患者Oの体軸方向(図1のz軸方向)に対して平行移動させたり、Cアーム23及び天板24を一体として起倒させたりする。さらに、駆動機構26は、X線管21及びX線検出装置22を患者Oの体軸方向に移動させて撮影するために、DF装置12による制御に従ってCアーム23を患者Oの体軸方向に直線移動させる。加えて、駆動機構26は、DF装置12による制御に従って天板24を上下方向(図1のy軸方向)、左右方向(図1のx軸方向)及び体軸方向に移動させる。
3次元位置センサ27は、例えば人工股関節形成手術等において使用される手術器具や、患者Oの体内に埋め込まれるインプラント等に備えられる赤外線ダイオードマーカ29(図2に図示)(以下、単に「マーカ」という。)の3次元的な位置を所定の間隔(例えば、1秒間に3回や5回等)で検知して検知信号(3次元位置情報)を生成する。生成された3次元位置情報はDF装置12に出力される。
図2は、3次元位置センサ27による3次元位置検知方法を説明するための説明図である。
図2に示すように、3次元位置センサ27は、支持機構28により支持される。3次元位置センサ27は、手術器具(例えば骨の切削用のノミ等)やインプラントに設けられるマーカ29から照射される赤外線を撮影するための複数の赤外線カメラ27aを有する。マーカ29は、インプラントに予め埋め込まれ、又は、一時的に接着される。図2に示す場合、3次元位置センサ27は、3つの赤外線カメラ27aを有する。
そして、3次元位置センサ27は、複数の赤外線カメラ27aを用いてマーカ29から照射される赤外線を撮影し、三角計測(三角測量)の原理によってマーカ29の3次元的な位置を検知する。なお、マーカ29に代えて赤外線を照射する他の赤外線発光手段を用いてもよい。
図1の説明に戻って、DF装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークNと相互通信可能である。DF装置12は、A/D(analog to digital)変換回路31、画像生成・処理回路32、画像メモリ33、プロセッサとしてのCPU(central processing unit)34、メモリ35、HDD(hard disc drive)36、システム制御装置37、入力装置38、表示装置39、及び通信制御装置40のハードウェアを備える。CPU34は、共通信号伝送路としてのバスを介して、DF装置12を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。
また、A/D変換回路31、画像生成・処理回路32、及び画像メモリ33は、画像処理部60を構成する。
A/D変換回路31は、X線検出装置22から出力された時系列的なアナログ信号(ビデオ信号)をデジタル信号に変換する。
画像生成・処理回路32は、CPU34の制御によって、A/D変換回路31から出力された投影データのデジタル信号に対してフレーム単位の画像データを生成する。また、画像生成・処理回路32は、生成されるフレーム単位の画像データを画像メモリ33やHD36に記憶させたり、生成されるフレーム単位のリアルタイム表示用の画像データ又は画像メモリ33に記憶された再生表示用のフレーム単位の画像データに対して画像処理を施し、画像処理後の画像データをCPU34に出力したりする。画像処理としては、画像データに対する拡大/諧調/空間ファイルタ処理や、時系列に蓄積された画像データの最小値/最大値トレース処理及びノイズを除去するための加算処理等が挙げられる。
画像メモリ33は、CPU34の制御によって、画像生成・処理回路32から出力された画像データを記憶する。
CPU34は、その後、画像生成・処理回路32から出力された画像データを種々のパラメータの文字情報や目盛等と共に合成し、ビデオ信号として表示装置34に出力する。
表示装置39は、モニタ等を含み、CPU34から出力されるビデオ信号を基に、X線画像をモニタ上に表示する。
CPU34は、術者等によって入力装置38が操作等されることにより指令が入力されると、メモリ35に記憶しているプログラムを実行する。また、CPU34は、HDD36に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置40で受信されてHDD36にインストールされたプログラム、あるいは記憶媒体ドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD36にインストールされたプログラムを、メモリ35にロードして実行する。
メモリ35は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等を含む記憶装置である。メモリ35は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)及びデータを記憶したり、CPU34のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いたりする記憶装置である。
HDD36は、磁性体を塗布又は蒸着した金属のディスクによって構成され、読み取り装置(図示しない)に着脱不能で内蔵されている。HDD36は、DF装置12にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、収集した画像データを記憶する記憶装置である。
システム制御装置37は、図示しないCPU及びメモリを有する。システム制御装置37は、CPU34からの指示に従って、Cアーム保持装置11の高電圧供給装置25及び駆動機構26や3次元位置センサ27等の動作を制御する。
入力装置38は、術者等によって操作が可能なキーボード及びマウス等を有し、操作に従った入力信号がCPU34に送られる。
通信制御装置40は、各規格に応じた通信制御を行なう。通信制御装置40は、電話回線等を通じてネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、X線診断装置1は、通信制御装置39からネットワークN網に接続することができる。
なお、X線検出装置22は、I.I.22a及びTVカメラ22bの代わりに、平面検出器(FPD:flat panel detector)を有するものであってもよい。
図3は、図1に示す本実施形態のX線診断装置の構成の変形例を示す図である。なお、図3において、図1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、X線検出装置22が平面検出器を有する場合、X線検出装置22は、2D状に配列された検出素子によりX線を検出して電気信号に変換する平面検出器(2Dアレイ型X線検出器)51と、その平面検出器51の各検出素子によって電気信号として検出されたX線検出データを収集するDAS(data acquisition system)52とを備える。DAS52は、X線検出データをDF装置12の画像処理部61に供給する。
そして、DF装置12の画像処理部61は、Cアーム保持装置11のDAS52から入力された生データに対して対数変換処理や、感度補正等の補正処理(前処理)を行なって投影データを生成してHDD36等の記憶装置に記憶させる。CPU34は、生成される投影データに基づく画像を表示装置45に表示させたりする。
図4は、本実施形態のX線診断装置1の機能を示すブロック図である。以下、図3に示す平面検出器51及びDAS52を有するX線検出装置22を備えるX線診断装置1の場合について説明するが、図1に示すX線診断装置1の場合であってもよい。
図1に示すDF装置12のCPU34がプログラムを実行することによって、X線診断装置1は、図4に示すように、インターフェース部71、術前計画生成部72、X線撮影制御部73、DRR(digital reconstructed radiograph)画像生成部74、位置合わせ処理部75、術前ボリューム生成部76、3次元位置情報取得部77、術中ボリューム生成部78、差分処理部79、合成ボリューム生成部80、及びナビゲーション情報提示部81としての機能を備える。なお、図4が示す各部の全部又は一部は、DF装置12にハードウェアとして備えられるものであってもよい。また、図4が示す各部の全部又は一部は、DF装置12のみならず、Cアーム保持装置11に備えられるものであってもよい。
インターフェース部71は、構成要素72乃至81と、入力装置38及び表示装置39とを媒介するGUI(graphical user interface)等のインターフェースである。
術前計画生成部72は、HDD36等の記憶装置に予め記憶された患者Oのボリュームデータと、インプラントに関するメッシュデータとに基づく術前計画生成画面上で、インターフェース部71を介して入力された情報に従って、計画切削領域の設定等の術前計画を生成する。以下、ボリュームデータとして、図示しないX線CT(computed tomography)装置で生成されたCTボリュームデータを用いる場合について説明する。
インプラントに関するメッシュデータとは、患者Oの体内に埋め込まれる医療器具に関する3次元画像データであり、所定の区画(メッシュ)単位で区分された3次元画像データである。
術前計画生成画面には、CTボリュームデータと、インプラントに関するメッシュデータとに基づく種々の画像が所定の表示領域に表示される。術者は、術前計画生成画面上で、これから実行する手術における術前計画の生成に関する術前計画生成情報を入力することができる。
X線撮影制御部73は、インターフェース部71を介して入力された情報に従って、手術前(又は手術中)に、DF装置12のシステム制御装置37を制御し、システム制御装置37を介してCアーム保持装置11に所定の条件のX線撮影を実行させる。X線撮影により取得されたX線画像データは、画像処理部61(図3に図示)により所定の画像処理が施された後、HDD36等の記憶装置に記憶される。
DRR画像生成部74は、HDD36等の記憶装置に予め記憶された患者OのCTボリュームデータに基づいて、所定の演算処理を用いて再構成することによりDRR画像データを生成する。なお、DRR画像データは、X線画像データを模擬した2次元画像データである。
位置合わせ処理部75は、解剖学的に特徴をもった構造をランドマーク(目印)として、DRR画像生成部74によって生成されたDRR画像データと、記憶装置から読み出されたX線画像データとの位置合わせ処理を行なう。そして、位置合わせ処理部75は、X線画像データに対するDRR画像データの移動・変形量としての位置合わせ情報を生成する。
術前ボリューム生成部76は、CTボリュームデータに、位置合わせ処理部75からの位置合わせ情報を適用して、術前ボリュームデータを生成する。術前ボリューム生成部76は、術前ボリュームデータに基づく3次元画像を、インターフェース部71を介して表示装置39に表示させてもよい。
図5は、術前ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を示す図である。
図5に示すように、術前ボリュームデータに基づく大腿骨が表示される。また、大腿骨には、術前計画生成部72によって設定された計画切削領域Pが示される。図5に示す例では、大腿骨の計画切削領域Pの境界線(図中破線)が示される。なお、大腿骨の計画切削領域Pが、他の領域とは異なる色彩等の表示形態で示されてもよい。
図4の説明に戻って、3次元位置情報取得部77は、X線撮影制御部73によるX線撮影中に、Cアーム保持装置11の3次元位置センサ27からマーカ29の3次元位置情報を順次取得する。この3次元位置情報には、手術器具やインプラント等に備えられたマーカ29の3次元的な位置情報が含まれている。
術中ボリューム生成部78は、術前ボリューム生成部76によって生成された術前ボリュームデータに、3次元位置情報取得部77によって順次取得されたマーカ29の3次元位置情報を合成して、術中ボリュームデータを順次生成する。具体的には、術中ボリューム生成部78は、術前ボリューム生成部76によって生成された術前ボリュームデータに、マーカ29が備えられた手術器具やインプラントの3次元位置情報を合成して術中ボリュームデータを生成する。
また、術中ボリューム生成部78は、3次元位置情報取得部77によって順次取得されたマーカ29の3次元位置情報に基づく、マーカ29の3次元位置の所定期間内の移動量が閾値を超える場合に、術前ボリューム生成部76によって生成された術前ボリュームデータに、3次元位置情報取得部77によって取得された、移動量が閾値を超えた3次元位置情報を合成し、大腿骨のうち既切削領域を差分して術中ボリュームデータを生成する。既切削領域は、移動量が閾値を超えた3次元位置情報の軌跡によって形成される面が大腿骨を分離する場合の、分離された大腿骨要素のうち、より体積が小さい方とされる。術中ボリューム生成部78は、術中ボリュームデータに基づく3次元画像を、インターフェース部71を介して表示装置39に表示させてもよい。
図6(A),(B)は、術中ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を示す図である。
図6(A),(B)に示すように、術中ボリュームデータに基づいて、既切削領域Fが差分された大腿骨が表示される。また、術前計画生成部72によって設定された計画切削領域Pを示す境界線(図中破線)が示される。なお、インプラントの3次元位置情報(メッシュデータを含む)が合成されていてもよい。
図6(A)に示すように、3次元位置情報取得部77によって取得されたマーカ29の3次元位置Mが表示される。術者は、境界線と3次元位置Mとの位置関係に従って手術器具を移動させていく。
また、複数のマーカ29が手術器具に備えられる場合、手術器具の角度を検出することが可能である。その場合、図6(B)に示すように、3次元位置情報取得部77によって取得された複数のマーカ29の3次元位置に基づいて、手術器具に関するメッシュデータを利用した手術器具Iが表示される。術者は、境界線と手術器具Iとの位置関係に従って手術器具を移動させていく。
図4の説明に戻って、差分処理部79は、術前計画生成部72によって設定された計画切削領域から、術中ボリューム生成部78によって生成された既切削領域を差分処理して、残切削領域を生成する。
合成ボリューム生成部80は、術中ボリューム生成部78によって順次生成された術中ボリュームデータに、差分処理部79によって生成された残切削領域を合成(重畳)処理し、合成ボリュームデータを生成する。合成ボリューム生成部80は、合成ボリュームデータに基づく3次元画像を、インターフェース部71を介して表示装置39に表示させる。
図7(A),(B)は、合成ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を示す図である。
図7(A),(B)に示すように、合成ボリュームデータに基づいて、大腿骨の一部分に、差分処理部79によって生成された残切削領域Rが表示される。なお、インプラントの3次元位置情報(メッシュデータを含む)が合成されていてもよい。
図7(A)に示すように、3次元位置情報取得部77によって取得されたマーカ29の3次元位置Mが表示される。術者は、境界線と3次元位置Mとの位置関係に従って手術器具を移動させていく。
また、複数のマーカ29が手術器具に備えられる場合、手術器具の角度を検出することが可能である。その場合、図7(B)に示すように、3次元位置情報取得部77によって取得された複数のマーカ29の3次元位置に基づいて、手術器具に関するメッシュデータを利用した手術器具Iが表示される。術者は、境界線と手術器具Iとの位置関係に従って手術器具を移動させていく。
図7(A),(B)に示す3次元画像がリアルタイムに表示されることで、マーカ29が備えられる手術器具やインプラント等が移動した移動量を入力データとして取り扱い、手術器具やインプラントを含めた3次元画像がリアルタイムに表示される。
また、残切削領域Rが、色調が用いられて色塗り表示される。これにより、術者は、合成ボリュームデータに基づく3次元画像上で残切削領域Rを明確に識別することができ、人工股関節形成手術等の手術において手術の進捗状況を知ることができるとともに、合成ボリュームデータに基づく3次元画像を手術におけるナビゲーション情報として用いて手術を進めることができる。
なお、図7(A),(B)に示す場合、計画切削領域Pを示す境界線(図中破線)は、ナビゲーション情報として表示される。これにより、術者は、予め術前計画で設定した計画切削領域Pを示す境界線を視覚的に知ることができる。
また、図7(A),(B)に示す場合、残切削領域Rが色塗り表示されるようにしたが、このような場合に限られず、破線表示されるようにしてもよい。さらに、残切削領域Rが色塗り表示でかつ破線表示されるようにしてもよい。
図4の説明に戻って、ナビゲーション情報提示部81は、合成ボリューム生成部80によって生成された合成ボリュームデータに基づく3次元画像をナビゲーション情報として生成し、インターフェース部71を介して表示装置39に表示させる。なお、ナビゲーション情報提示部81は、術前計画生成部72によって生成された術前計画に関する情報や、術中ボリューム生成部78によって生成された術中ボリュームデータを表示してもよい。
続いて、本実施形態のX線診断装置1におけるナビゲーション情報表示処理を説明する。
図8及び図9は、本実施形態のX線診断装置1におけるナビゲーション情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
なお、ナビゲーション情報表示処理が開始される以前に、人工股関節形成手術等が施術される患者Oに対して図示しないX線CT装置が用いられることにより、この患者Oに関するCTボリュームデータが取得される。そして、X線診断装置1の通信制御装置40は、ネットワークNを介してCTボリュームデータを受信し、受信されたCTボリュームデータをHDD36等の記憶装置に予め記憶しておくものとする。
図8に示すステップS1において、X線診断装置1は、HDD36等の記憶装置に予め記憶された患者OのCTボリュームデータと、インプラントに関するメッシュデータとを読み出す。
ステップS2において、X線診断装置1は、術前計画の生成にあたり、CTボリュームデータとインプラントに関するメッシュデータとを用いた術前計画生成画面を表示装置39に表示させ、入力装置38から入力され情報に従って、計画切削領域の設定等の術前計画を生成する。
次に、術者は、大腿骨を脱臼させた後、入力装置38を操作して複数方向からのX線画像を取得するためのX線撮影処理を開始するとの入力を行なう。そして、ステップS3において、X線診断装置1は、術前計画生成後に、DF装置12のシステム制御装置37を制御し、システム制御装置37を介してCアーム保持装置11に所定の条件のX線撮影を実行させる。X線撮影により取得されたX線画像データは、画像処理部61(図3に図示)により所定の画像処理が施された後、HDD36等の記憶装置に記憶される。
なお、上記のX線撮影処理が実行される場合には、マーカ29が備えられる手術器具(例えば骨の切削用のノミ等)やインプラントも含めてX線撮影処理が実行されてもよい。
ステップS4において、X線診断装置1は、記憶装置に予め記憶された患者OのCTボリュームデータに基づいて、所定の演算処理を用いて再構成することによりDRR画像データを生成する。
ステップS5において、X線診断装置1は、解剖学的に特徴をもった構造をランドマーク(目印)として、ステップS4によって生成されたDRR画像データと、記憶装置から読み出されたX線画像データとの位置合わせ処理を行なう。そして、X線診断装置1は、X線画像データに対するDRR画像データの移動・変形量としての位置合わせ情報を生成する。
なお、従来技術では、人の手によって赤外線マーカが患者の体内に埋め込まれ、その上でこの赤外線マーカを頼りにCTボリュームデータとの位置合わせを行なっていたが、赤外線マーカが埋め込まれる患者体内での位置を厳密に特定することは困難であり、埋め込まれたマーカの位置情報に誤差が生じうる。そこで、本実施形態のX線診断装置1は、解剖学的に特徴をもった構造をランドマークとして用いて、X線画像データとDRR画像データとの位置合わせ処理を行なう。これにより、マーカ29の正確な初期位置を特定することができる。
なお、本実施形態のX線診断装置1における位置合わせ処理(図8のステップS5の位置合わせ情報の生成処理)について説明する。
図10は、本実施形態のX線診断装置1における位置合わせ情報の算出処理を説明するためのフローチャートである。
ステップS51において、X線診断装置1は、DRR画像データの境界線を追跡し、例えば大腿骨や骨盤の境界線を抽出する。
ステップS52において、X線診断装置1は、大腿骨の場合、大腿骨の指定の領域に対おいて曲率を算出し、その中で曲率の大きさが上位2つの部分を大腿骨の大転子と小転子と認識し、この2か所をランドマーク(目印)に決定する。また、X線診断装置1は、骨盤の場合、坐骨の指定の領域に対おいて曲率を算出し、その中で曲率の大きさが上位2つの部分を坐骨の出っ張り部分と認識し、この2か所をランドマーク(目印)に定める。
ステップS53において、X線診断装置1は、上記のランドマークを用いて、DRR画像データとX線画像データとの位置合わせ処理を行なう。これにより、X線画像データと予め用意したCTボリュームデータに基づくDRR画像データとの座標軸を合わせることができ、術中ボリュームデータを生成する際に利用されるマーカ29の3次元位置情報の誤差を確実にかつ簡単に解消することができる。
なお、位置合わせ処理に用いられるX線画像データに、手術器具やインプラントに関する画像が含まれている場合を考える。その場合、手術器具やインプラントの境界線が追跡され、手術器具やインプラントの境界線が抽出される。そして、手術器具やインプラントに備えられるマーカ29の位置(例えば手術器具の先端やインプラントの先端等)が画像上で識別できるようにする。これにより、術者により手術器具やインプラントが操作されて移動される前のマーカ29の初期位置を画像上で視認することができる。
図8の説明に戻って、ステップS6において、X線診断装置1は、ステップS1によって読み出されたCTボリュームデータに、ステップS5によって生成された位置合わせ情報を適用して、術前ボリュームデータを生成する。術前ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を図5に示す。
図9の説明に進んで、術者は、入力装置38を操作してナビゲーション情報の表示処理を開始するとの指示入力を行なう。ステップS7において、X線診断装置1は、ナビゲーション情報の表示処理を開始するとの指示入力を受け付けたか否かを判断し、ナビゲーション情報の表示処理を開始するとの指示入力を受け付けたと判断するまで待機する。
ナビゲーション情報の表示処理が開始されると、ステップS8において、X線診断装置1は、Cアーム保持装置11の3次元位置センサ27から供給された3次元位置情報を取得する。この3次元位置情報には、手術器具やインプラント等に備えられるマーカ29の3次元的な位置情報が含まれる。
ステップS9において、X線診断装置1は、ステップS8によって取得されたマーカ29の3次元位置情報に基づいて、マーカ29の3次元位置の所定期間内の移動量が閾値を超えたか否かを判断する。具体的には、例えば手術器具に備えられるマーカ29の最新の3次元位置情報が(X2,Y2,Z2)である場合に、前回取得されたマーカ29の最新の3次元位置情報に含まれる座標が(X1,Y1,Z1)であるとき、前回取得された座標と最新の座標は異なることから、X線診断装置1は、ステップS8によって得される3次元位置情報に基づいて、マーカ29が移動したと判断する。
他方、例えば手術器具に備えられるマーカ29の最新の3次元位置情報が(X2,Y2,Z2)である場合に、前回取得されたマーカ29の最新の3次元位置情報に含まれる座標が(X2,Y2,Z2)であるとき、前回取得された座標と最新の座標は同じであることから、X線診断装置1は、ステップS8によって取得される3次元位置情報に基づいて、マーカ29が移動していないと判断する。
ステップS9の判断でYES、すなわち、マーカ29の移動量が閾値を超えたと判断された場合、ステップS10において、X線診断装置1は、ステップ6によって生成された術前ボリュームデータに、ステップS8によって取得された、移動量が閾値を超えた最新の3次元位置情報を合成し、大腿骨のうち既切削領域を差分して術中ボリュームデータを生成する。既切削領域は、移動量が閾値を超えた3次元位置情報の軌跡によって形成される面が大腿骨を分離する場合の、分離された大腿骨要素のうち、より体積が小さい方とされる。術中ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を図6(A),(B)に示す。
なお、ステップS9,S10に代えて、又は、並行して、X線診断装置1は、ステップS6によって生成された術前ボリュームデータに、移動量が閾値を超えた3次元位置情報を合成して術中ボリュームデータを生成してもよい。
ステップS11において、X線診断装置1は、ステップS2によって設定された計画切削領域から、ステップS10によって生成された既切削領域を差分処理して、残切削領域を生成する。
ステップS12において、X線診断装置1は、ステップS10によって生成された最新の術中ボリュームデータに、差分処理部79によって生成された最新の残切削領域を合成(重畳)処理し、合成ボリュームデータを生成し、合成ボリュームデータに基づく3次元画像をナビゲーション情報として表示装置39に表示させる。合成ボリュームデータに基づく3次元画像の表示例を図7(A),(B)に示す。
ステップS13において、X線診断装置1は、ナビゲーション情報の表示処理を終了するとの指示入力を受け付けたか否かを判断する。
ステップS13の判断でYES、すなわち、ナビゲーション情報の表示処理を終了するとの指示入力を受け付けたと判断される場合、X線診断装置1は、ナビゲーション情報表示処理を終了する。
一方、ステップS13の判断でNO、すなわち、ナビゲーション情報の表示処理を終了するとの指示入力を受け付けていないと判断される場合、X線診断装置1は、ステップS9に戻り、次のタイミングで、ステップS8によって取得されたマーカ29の3次元位置情報に基づいて、マーカ29の3次元位置の所定期間内の移動量が閾値を超えたか否かを判断する。
以上のように、本実施形態のX線診断装置1は、手術器具やインプラントに備えられるマーカ29の3次元位置情報を順次取得し、マーカ29の位置や移動量を手術器具やインプラント等の入力データとして取り扱い、この3次元位置情報に基づいて、手術器具に関する画像データを含めた術中ボリュームデータを順次生成することができる。そして、X線診断装置1は、合成ボリュームデータに基づく3次元画像をナビゲーション情報として表示することができる。
これにより、術者は、合成ボリュームデータに基づく3次元画像上で差分を明確に識別することができ、人工股関節形成手術等の手術において手術の進捗状況を知ることができると共に、合成ボリュームデータを手術におけるナビゲーション情報として用いて手術を進めることができる。その結果、X線診断装置1は、手術のナビゲーションを行なう場合において、患者の体表を切開する領域を極力最小限になるように抑制しつつ、かつ、術中の進行具合と術前計画との差異を直感的に容易に術者に把握させることができる。そして、術者は、仮に熟練度が低くても、容易に人工股関節形成手術等を成功させることができる。
ところで、図8及び図9を用いて説明したナビゲーション情報表示処理においては、X線診断装置1は、位置合わせ処理の場合にX線撮処理を実行してX線画像データを位置合わせ処理に利用するようにしたが、このような場合に限られない。すなわち、X線診断装置1は、医師等の術者がX線撮影の必要性を感じた場合にその指示を受けて適宜X線撮影処理を実行し、X線画像データにより取得される術中の新たな情報を、3次元画像としての術中更新画像に付加するようにしてもよい。これにより、マーカ29の3次元位置情報に基づいて更新される術中ボリュームデータに対して、術中に撮影されるX線画像データに含まれるより正確な情報を適宜付加することができる。
さらに、X線診断装置1は、予め記憶されているCTボリュームデータ、術前計画に関する情報、3次元位置情報、術前ボリュームデータ、術中ボリュームデータ、及び合成ボリュームデータに基づいて種々のナビゲーション情報を生成することもできる。
具体的には、X線診断装置1のナビゲーション情報提示部81は、まず、手術器具の位置と共に手術器具の進入方向に関する情報をナビゲーション情報として生成する。このとき、手術器具の進入方向を知るために予め手術器具には、複数のマーカ29が備えられるものとする。これにより、ナビゲーション情報提示部81は、複数のマーカ29の3次元位置情報を取得することで、手術器具の進入方向を認識し、手術器具の進入方向に関する情報をナビゲーション情報として生成することができる。手術器具の進入方向に関する情報は、ナビゲーション情報として表示装置39により表示される。
図11(A)〜(C)、及び、図12(A),(B)は、種々のナビゲーション情報の表示例を示す図。
手術器具(例えば骨を切削するノミ等)の進入方向に関する情報には、手術器具の3次元位置情報や、手術器具の大腿骨に対する角度や計画切削領域の境界線までの距離(ボクセル数)等に関する情報が含まれている。これらの情報は、図11(A)に示すように、手術器具に関する画像の近傍に数値によって表示される。なお、予め術者により術前計画時に大腿骨の切削角度等が所定の幅で設定されるようにした上で、その設定された角度と実際の手術器具の大腿骨に対する角度とがナビゲーション情報として表示されるようにしてもよい。また、手術器具の進入方向が変われば、上記の情報もそれに応じて自動的に変化するものとする。
また、ナビゲーション情報提示部81は、計画切削領域を大腿骨から切削する場合に次に手術器具をどこから当てるべきかに関する情報をナビゲーション情報として表示する。次に手術器具を当てる箇所(すなわち、マーカ29を有する手術器具が当てられる領域)は、図11(A)に示すように、例えば矢印表示される。その場合、現在の手術器具Iの(knife)の位置(position)、角度(angle)、3次元画像の視線方向における残切削領域の深さ(distance)の情報についても表示することが望ましい。
さらに、術前ボリュームデータ、術中ボリュームデータ、及び合成ボリュームデータに基づく3次元画像は、視線変更が変更可能である。表示された3次元画像の視線方向が変更され、術者による任意方向、又は、手術器具の法線方向を視線方向とする3次元画像が表示される。図11(B)は、図6(B)に示す3次元画像の視線方向が変更され、手術器具の法線方向を視線方向として表示される3次元画像を示す。これにより、術面が術者から見ることができる方向に、3次元画像が回転される。その場合、手術器具(knife)Iの位置(position)、角度(angle)、3次元画像の視線方向における残切削領域の深さ(distance)の情報についても表示することが望ましい。
また、ナビゲーション情報提示部81は、図11(C)に示すように、術前計画に関する情報に基づいて、残切削領域において透明度を設定し、表示装置39に半透明表示させるようにしてもよい。これにより、術者は、残切削領域において奥行き方向の情報を視覚的に得ることができる。
加えて、ナビゲーション情報提示部81は、合成ボリュームデータに基づいて所要の視線方向で3次元画像を生成する際、合成ボリュームデータに含まれる残切削領域内を、3次元画像の視線方向における残切削領域の深さ(切削余地)に従った表示形態とする3次元画像を生成してナビゲーション情報として表示装置39に表示させてもよい。
例えば図12(A)に示す場合、手術器具の法線方向を視線方向とする3次元画像を生成する際、残切削領域R内のうち、大きい切削余地の領域を白色で、小さい切削余地の領域を黒色とするグレースケール表示される。これにより、術者は、残切削領域を視覚的に簡単にかつ直感的に認識することができる。
また、図12(A)に示すように、ナビゲーション情報提示部81は、切削余地が閾値よりも小さい場合、術者に対する警告情報を表示装置39に表示させるようにしてもよい。図12(A)の場合、術者に対する警告情報として「Attention」等の文字が赤色で表示される。なお、警告音をスピーカ(図示しない)から発するようにしてもよい。
また、図12(B)に示すように、ナビゲーション情報提示部81は、術中ボリュームデータから任意の3断面のMPR(multi−planar reconstruction)画像(図中左上、右上、及び左下)を生成する際、残切削領域R内のうち、大きい切削余地の領域を白色で、小さい切削余地の領域を黒色とするグレースケール表示される。なお、このとき、ナビゲーション情報提示部81は、手術器具の法線方向と垂直となる断面に関するMPR画像とそれに対応する直交3断面の画像を生成し、ナビゲーション情報としてこれらの画像を表示するようにしてもよい。
本実施形態のX線診断装置1によると、手術のナビゲーションを行なう場合において、患者の体表を切開する領域を極力最小限になるように抑制しつつ、かつ、種々のナビゲーション情報により、術中の進行具合と術前計画との差異を直感的に容易に術者に把握させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 X線診断装置
27 3次元位置センサ
29 マーカ
34 CPU
37 システム制御装置
38 入力装置
39 表示装置
71 インターフェース部
72 術前計画生成部
73 X線撮影制御部
74 DRR画像生成部
75 位置合わせ処理部
76 術前ボリューム生成部
77 3次元位置情報取得部
78 術中ボリューム生成部
79 差分処理部
80 合成ボリューム生成部
81 ナビゲーション情報提示部

Claims (13)

  1. 手術器具及びインプラントの少なくとも一方の3次元位置を検知し、前記手術器具及びインプラントの少なくとも一方の3次元位置情報を生成する位置検知手段と、
    被検体のX線撮影を実行させてX線画像データを生成するX線撮影制御手段と、
    予め記憶された前記被検体のボリュームデータを、前記X線画像データに位置合わせして、術前ボリュームデータを生成する術前ボリューム生成手段と、
    前記術前ボリュームデータに、前記3次元位置情報を合成し、切削対象部位のうち既切削領域を差分して術中ボリュームデータを生成する術中ボリューム生成手段と、
    計画切削領域から、前記既切削領域を差分処理して、残切削領域を生成する差分処理手段と、
    前記術中ボリュームデータに、前記残切削領域を合成処理し、合成ボリュームデータを生成する合成ボリューム生成手段と、
    前記合成ボリュームデータに基づいて所要の視線方向で画像を生成して表示させる表示制御手段と、
    を有するX線診断装置。
  2. 前記手術器具及びインプラントの少なくとも一方に設けられる、赤外線を発光する赤外線発光部をさらに有し、
    前記位置検知手段は、前記赤外線発光部からの赤外線を用いて前記赤外線発光部の3次元位置を検知し、前記赤外線発光部の3次元位置情報を生成する請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記X線画像データに対する、前記ボリュームデータに基づくDRR(digital reconstructed radiograph)画像データの位置合わせ情報を生成する位置合わせ処理手段をさらに有し、
    前記術前ボリューム生成手段は、前記ボリュームデータに、前記位置合わせに関する情報を適用して、前記術前ボリュームデータを生成する請求項1又は2に記載のX線診断装置。
  4. 前記術中ボリューム生成手段は、前記既切削領域を、前記3次元位置情報の軌跡によって形成される面が切削対象部位を分離する場合の、分離された切削対象部位要素のうち、より体積が小さい方とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  5. 前記術中ボリューム生成手段は、複数タイミングでX線撮影を実行させることにより生成される新たなX線画像データに含まれる情報を、前記術中ボリュームデータに付加する請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  6. 前記表示制御手段は、前記残切削領域内を、前記所要の視線方向における残切削領域の深さに従った表示形態とする3次元画像を生成する請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  7. 前記位置検知手段が、前記手術器具の複数点に関して複数の3次元位置をそれぞれ検知する場合、
    前記表示制御手段は、前記所要の視線方向を、前記複数の3次元位置により表される前記手術器具の法線方向とする請求項6に記載のX線診断装置。
  8. 前記表示制御手段は、前記合成ボリュームデータに含まれる残切削領域と他の領域とが異なる表示形態となる3次元画像を生成する請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  9. 前記表示制御手段は、次に前記手術器具が当てられる領域を矢印表示させる請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  10. 前記位置検知手段が、前記手術器具の複数点に関して複数の3次元位置をそれぞれ検知する場合、
    前記表示制御手段は、前記複数の3次元位置により表される前記手術器具の法線方向を前記所要の視線方向とする3次元画像を生成する請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  11. 前記表示制御手段は、前記術前計画に関する情報に基づいて、前記術中ボリュームデータに含まれる計画切削領域が半透明となる3次元画像を生成する請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  12. 前記表示制御手段は、前記残切削領域の深さが基準値よりも小さい場合、警告情報を表示させる請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  13. 前記表示制御手段は、前記残切削領域内を、直交3方向における残切削領域の深さに従った表示形態とする前記直交3方向に垂直な3断層画像を生成する請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
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