JP2014134512A - 計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】土や雪などの軟路面中に埋め込んだ複数の力センサ配列によって、タイヤに働く力を三次元的に計測する計測装置を提供することを目的とする。
【解決手段】軟弱な軟路面20の内部に複数の三方向センサ12を水平面内および深さ方向に配置し、前記三方向センサ12の位置と、前記三方向センサ12により計測されたセンサ情報から、前記軟路面20にめり込みながら走行するタイヤ30に作用する力を出力する計測装置1。
【選択図】図1
【解決手段】軟弱な軟路面20の内部に複数の三方向センサ12を水平面内および深さ方向に配置し、前記三方向センサ12の位置と、前記三方向センサ12により計測されたセンサ情報から、前記軟路面20にめり込みながら走行するタイヤ30に作用する力を出力する計測装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は計測装置に関し、特に圃場または雪道を走行する車両に装着されるタイヤの性能評価に供する計測装置に関する。
従来、タイヤ性能を評価するためにタイヤと路面の相互作用を計測する試みが成されてきた。舗装路面において路面は平坦な剛体と考えられ、平板上を転動するタイヤの接地圧分布がタイヤと路面の代表的な相互作用となっていた。過去、これを測定する装置が開発されてきた(例えば特許文献1参照)。
しかし、雪道や軟土の圃場では路面がタイヤの接地圧によって変形し、タイヤ回転によって路面表面だけでなく路面内部にもせん断力分布を発生させる。この接地圧やせん断力分布を制御することが軟路面上でのタイヤ性能の向上に繋がるため、タイヤと軟路面との相互作用を計測することが望まれていたが、このような相互作用を計測する方法がなかった。
そこで発明者はこれまでに数値シミュレーションを活用してタイヤと路面の相互作用を予測してきた。例えばタイヤの圃場走行シミュレーション(例えば特許文献2参照)、 タイヤの雪上走行シミュレーション(例えば特許文献3参照)等である。
しかし従来の方法では、数値シミュレーションによってタイヤと軟路面との相互作用は3次元情報として活用可能になったが、実測出来ないことが難点であった。この実測値をデータとして採取できれば軟路面上での性能に優れたタイヤを設計し提供することが出来る。
本発明は上記事実を考慮して、土や雪などの軟路面中に埋め込んだ複数の力センサ配列によって、タイヤに働く力を三次元的に計測する計測装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、軟弱な軟路面の内部に複数の三方向センサを水平面内および深さ方向に配置し、前記三方向センサの位置と、前記三方向センサにより計測されたセンサ情報から、前記軟路面にめり込みながら走行するタイヤに作用する力を出力することを特徴とする。
請求項1に記載の計測装置では、軟路面の内部に三方向センサを平面内および深さ方向に立体的に配置することにより、路面表面だけでなく、軟路面内部の情報を3次元的に計測することが出来る。また多数の小型センサを密に配置することにより、センサの初期配置位置をもとに出力センサの位置情報を得ることが出来、これによりセンサ計測結果を3次元情報に変換することが出来る。
請求項2の発明は、請求項1に記載の計測装置において、前記センサ情報は圧力およびせん断力であることを特徴とし、これにより、タイヤ接地圧および前後方向せん断力、横方向せん断力を計測することが出来、タイヤ性能を適切に評価することが出来る。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の計測装置において、前記軟路面は雪または土で構成されていることを特徴とし、これにより、前記軟路面は雪または土であることを特徴としている。これにより、雪上を走行する冬用タイヤや圃場を走行する農業用タイヤの設計に本発明を活用することが出来る。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の計測装置において、複数の前記センサは、水平面内では3行×3列以上、深さ方向では2層以上のセンサを配したことを特徴とし、軟路面内部の3次元情報を得ることが可能になる。
以上説明したように、本発明に係る計測装置によれば、土や雪などの軟路面中に埋め込んだ複数の力センサ配列によって、タイヤに働く力を三次元的に計測する計測装置とすることができる。
<基本構成>
以下に本発明の実施形態を、図を参照して説明する。図1(A)〜(C)は本発明の実施形態を説明するための図である。
図1(A)に示すように、本願発明の実施形態に係る計測装置1では、積雪や圃場など柔軟な軟路面20の上をタイヤ30が走行する際に路面への沈み込みから、タイヤ30が軟路面20に与える剪断力、接地圧などを3次元的に計測するセンサアレイ10を路面内センサとして設置し、タイヤ30による軟路面20の変形を前提としたタイヤ30と軟路面20との相互作用を計測する。
センサアレイ10は個々の三方向センサ12を同一平面上にm行×n列配置し、この三方向センサ12の配列を深さ方向にp段だけ重ねた結果、m×n×p個の三方向センサ12を用いた3次元配列の三方向センサ12としている。三方向センサ12としてはXYZの3軸方向について測定可能な所謂3分力センサが望ましいが、単方向センサを3つ組合わせ、これに代えてもよい。
三方向センサ12同士はケーブル14で接続され、さらに図示しない制御部、電源部に接続されて計測システムを構築している。三方向センサ12の例として、具体的には歪みゲージを用いて剪断力、接地圧力を測定するロードセルなどが好適に用いられる。これにより、図1(B)に示すように剛体路面120に設けられた分力計112、カメラ114、レンズ116などを用いて、剛体路面120においてタイヤ30が与える接地圧力、踏面内剪断力などを点情報として計測する計測装置とは以下の点で異なる。
すなわち、剛体路面120上ではタイヤ30のみが変形し、接地圧力や剪断力は剛体路面120とタイヤ30とが接触するピンポイントでの計測となる。しかし実際の走行では剛体の路面以外を走行する場合があり、特に圃場や雪などの柔軟な軟路面20の上を走行する場合では、軟路面20とタイヤ30の両方について変形する可能性を考慮せねばならない。
すなわち、例えば雪上を走行するタイヤ30において、軟路面20である雪面上を回転、走行するタイヤ30は、以下のような種々の力の影響を受ける。例えばタイヤ30の踏面が雪面を圧縮し踏み固める圧縮抵抗FA、タイヤ30のトレッドパターンに含まれるブロック32が雪面を剪断する雪柱剪断力FB、タイヤ30と雪面との表面摩擦力FC、ブロック32に設けられたサイプ34が雪面に食いつくエッジ効果FDなどである。
これらは剛体路面120に設けられた計測装置では測定困難なものであり、本願発明の実施形態に係る計測装置1において、軟路面20内に3次元配置された三方向センサ12からなるセンサアレイ10を備えたことにより計測が可能となる。
<計測>
本願発明の実施形態に係るセンサアレイ10を用いた計測装置1で実際に計測を行った例を以下に示す。
タイヤ30の規格として、荷重は標準荷重であり、標準荷重とは、下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことである。このときの内圧は下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。
また、タイヤ30に用いるリムは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、"Approved Rim"、"Recommended Rim" )のことである。そして規格とは、タイヤ30が生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えばアメリカ合衆国では "The Tire and Rim Association Inc. のYear Book" で、欧州では"The European Tire and Rim Technical Organization の Standards Manual"で、日本では日本自動車タイヤ協会の"JATMA Year Book"にて規定されている。
本実施形態に係るセンサアレイ10を用いた計測装置1を用いて、上記のタイヤ30にて圃場走行の計測を行い、3次元情報を圧力分布、前後方向せん断力分布として図2(A)(B)に示した。なお各三方向センサ12の大きさは、平面内では一辺が2mm以下の正方形以下、深さ方向では厚み2mm以下が望ましい。これにより、分解能2mm以下でのセンサ情報及び位置計測が可能になり、高精度な計測が可能になる。
計測に使用したセンサアレイ10の具体的な構成は以下の通りである。すなわち、平面内の大きさ:2mm×2mm、厚さ2mm、3軸方向の高感度な力センサである三方向センサ12を、平面内の数:20×20個、厚さ方向に10層、これらを互いに5mm間隔で立体的に配置した。また、センサアレイ10の強度は軟路面20の中でタイヤ30を支えるようなものではなく、タイヤ30の走行によって軟路面20と同時に変形する程度のものである。さらに一度計測を終えたセンサアレイ10は軟路面20と同様にタイヤ30によって変形し、初期位置から移動しているので、次の測定前に再度位置を調整する。
また、三方向センサ12の数は平面内では3以上、深さ方向では2以上とする。平面内X軸、Y軸方向にはではセンサアレイ10による計測情報から軟路面20のせん断応力分布を算出する精度を確保する必要がある。このためにセンサアレイ10の中心からXY各軸の両側に最低限一つの三方向センサ12が必要である。これにより、タイヤ接地面の各部位とセンサ情報から得たせん断応力分布を対応させ、タイヤ設計の妥当性を判断することが出来る。深さ方向には軟路面20の変形を計測するために2層以上のセンサアレイ10が必要である。これにより、平面内各部位における軟路面20の層間のせん断変形を把握することが出来る。
使用したタイヤ30は、タイヤサイズは540/65R30であり、ETRTO記載の農業用トラクタ向けのリムW16L×30の構造とした。また、上記のタイヤで内圧35psi(=240kPa)、荷重7385lbs(=32.9kN)で圃場走行した。
図2(A)(B)には、走行の過程で得られるタイヤ30の矢印R方向への転動時に生じる圃場への轍22形成により圃場(軟路面20)に生じた圧力分布、剪断応力分布を計測した結果を示す。
図2(A)には、軟路面20の上を走行しながら、軟路面20を変形させ(食い込み)轍22を形成するタイヤ30によって、例として軟路面20に印加される剪断力をグラフ40として、図2(B)には接地圧力の分布をグラフ42として示している。
これらの結果から、本願発明の実施形態に係る計測装置1では、タイヤ30が接地する面の挙動のみならず、圃場のような軟路面20を深さ方向(Z方向)について計測した3次元的な力の情報が得られていることが解る。
以上、実施例を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
1:計測装置、12:三方向センサ、20:軟路面、30:タイヤ
Claims (4)
- 軟弱な軟路面の内部に複数の三方向センサを水平面内および深さ方向に配置し、
前記三方向センサの位置と、前記三方向センサにより計測されたセンサ情報から、前記軟路面にめり込みながら走行するタイヤに作用する力を出力する計測装置。 - 前記センサ情報は圧力および剪断力である請求項1に記載の計測装置。
- 前記軟路面は雪または土で構成されている請求項1または請求項2に記載の計測装置。
- 複数の前記三方向センサは、水平面内では3行×3列以上、深さ方向では2層以上のセンサを配した請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013003751A JP2014134512A (ja) | 2013-01-11 | 2013-01-11 | 計測装置 |
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JP2014134512A true JP2014134512A (ja) | 2014-07-24 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016050855A (ja) * | 2014-08-29 | 2016-04-11 | 東洋ゴム工業株式会社 | タイヤ踏面の接地面挙動測定装置、及びタイヤ踏面の接地面挙動測定方法 |
JP2018080974A (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | 東洋ゴム工業株式会社 | タイヤの接地特性測定方法及び測定装置 |
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2013
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