以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示(変動表示)ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(入賞)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の左右両側部位置には、パチンコ遊技機1の前方領域(撮像領域)を撮像するための2つの赤外線カメラ60a,60bが設けられている。また、画像表示装置5の上部位置には、赤外線カメラ60a,60bにて撮像される撮像領域に向けて所定周波数帯域(本実施例では波長約900ナノメータ)の赤外線を放射する2つの赤外線LED62a,62bが設けられている。
このように、本実施例では、複数の赤外線カメラ60a,60bが画像表示装置5の両側に離間配置されていることで、個々の赤外線カメラ60a,60bで撮像した画像の視差により、対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを検出できるようになっている。
また、複数の赤外線カメラ60a,60bにて撮像した画像の視差により対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを検出することで、例えば、これら対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを検出するために、レーザーや超音波を用いると、レーザー光が遊技者の目に入射して目を傷つけてしまう危険性の問題や、隣接或いは対向する他のパチンコ遊技機1から出力される超音波によって正確な検出が不可能となってしまうという問題があるが、これらの問題を解消することができる。
また、赤外線LED62aから特定の検出用パターン(例えば多数の丸い点が所定間隔で配列されたパターン)の赤外線の光を投影して、該検出用パターンによる画像を1の赤外線カメラで撮像することで、検出用パターンの点間距離や形状から対象物の距離や遠近の動き等を検出するようにして、赤外線カメラの数を1つのみに低減するようにしても良いが、この場合には、超音波の場合と同様に、隣接或いは対向する他のパチンコ遊技機1から出力される検出用パターンの光が互いに干渉して良好な検出ができなくなってしまう可能性があるのに対し、本実施例のように、複数の赤外線カメラ60a,60bによる画像の視差を使用する場合には、これら隣接或いは対向する他のパチンコ遊技機1の影響を解消できることから好ましい。
また、本実施例では、赤外線LED62a,62bを設けており、これら赤外線LED62a,62bによって撮像領域が、赤外線カメラ60a,60bにて撮像可能な赤外光にて照らされるので、周囲の明るさ等に影響されることなく、遊技者の動作を確実に検出できるようになるとともに、これら使用する電磁波(光)として、可視光ではなく目視できない赤外線を使用しているので、演出用の光以外にこれら検出用の光が放射されることにより、演出用の光による演出効果が低下してしまうことも回避できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら使用する電磁波(光)としては、可視光としても良いし、同じ赤外線であっても、異なる周波数帯域のものを使用しても良い。
また、本実施例では、赤外線LED62a,62bも複数(2つ)設けており、このようにすることは、赤外線LEDを1つだけ設けた場合に生じる陰を生じ難くすることができるため、これら陰によって対象物の距離や遠近の動き等を検出精度が低下してしまうことを防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤外線LEDを1つだけ設けるようにしても良い。
また、本実施例の赤外線カメラ60a,60bは、赤外線LED62a,62bから放射される所定波長帯域の光のみを透過可能であって、可視光を殆ど透過しない赤外線フィルタを有するCCDイメージセンサを使用しており、これら赤外線フィルタを有していることで、隣接或いは対向する他のパチンコ遊技機1から放射される可視光によって赤外線カメラ60a,60bの撮像に悪影響が生じてしまうことを防止し、隣接或いは対向する他のパチンコ遊技機1の発光状況等に影響されることなく、安定した撮像ができるようになっている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図3に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第1始動領域とは異なる始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(入賞)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(入賞)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(入賞)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(入賞)しにくいまたは通過(入賞)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(入賞)した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(入賞)した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図3に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(入賞)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(入賞)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(入賞)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(入賞)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(入賞)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(入賞)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(入賞)した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(入賞)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(入賞)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(入賞)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。また、遊技機用枠3の右上部位置には、パチンコ遊技機1の前方に向けて突部30が突出形成されている。この突部30の右側面には報知用LED30aが設けられており(図2参照)、該報知用LED30aの発光態様がパチンコ遊技機1の右側方から目視可能となっている。このため、本実施例における報知用LED30aの発光態様は、パチンコ遊技機1が設置されている遊技場の店員等が目視可能となっている一方、遊技者自身は突部30の左側方に位置しているため、目視不可能となっている。尚、本実施例ではパチンコ遊技機1の右上部位置に突出形成された突部30の右側面に報知用LED30aを設けることで、パチンコ遊技機1の右側方から該報知用LED30aの発光態様を目視可能としたが、本発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1の左上部位置にも突部30を突出形成するとともに、該突部30の左側面に報知用LED30aを設けることで、該報知用LED30aの発光態様をパチンコ遊技機1の左側方から目視可能としても良い。
パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図3に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(入賞)した遊技球が図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(入賞)した遊技球が図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(入賞)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、図9に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の態様などにより遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、図9に示すように、「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、後述する演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄を変動させてから、複数の演出図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)にて演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した演出図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の演出図柄表示エリア(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lと「右」の演出図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の変動表示演出では、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに複数の演出図柄を仮停止表示させた後、所定数の演出図柄について変動表示を再度実行することにより、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する演出図柄が停止表示されるときとがある。尚、図9に示す例では、ノーマルリーチとなるときにのみ、「滑り」が発生する形態を例示しているが、非リーチやスーパーリーチのときにも「滑り」が発生するようにしても良い。
「擬似連」の変動表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、演出図柄の変動表示が開始されてから全部の演出図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する演出図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再変動表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の変動表示演出において、擬似連変動(再変動)が2回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、演出図柄の変動表示があたかも3回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の変動表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば1回や、4回や5回といった、2回〜3回よりも少ない回数や、多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした演出図柄の変動表示動作を利用した変動表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の変動表示演出では、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する演出図柄を仮停止表示させた後、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する演出図柄が仮停止表示されたときには、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に変動表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の変動表示演出では、演出図柄の変動表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの演出図柄を、確定演出図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の変動表示演出では、「擬似連」の変動表示演出と同様に、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の演出図柄を一旦仮停止表示させた後、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄を再び変動させる「擬似連」の変動表示演出とは異なり、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて演出図柄を再び変動させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
この実施の形態における予告演出には、プッシュセンサ35Bにてプッシュボタン31Bの押下動作を検出するために該プッシュボタン31Bの押下動作を行うよう遊技者に促す第1の促進演出を実行し、プッシュボタン31Bの押下動作を検出したことに応じて実行される第1の特定演出を実行するボタン操作演出と、赤外線カメラ60a,60bにより遊技者の所定動作(ジェスチャー)を検出するために遊技者に該所定動作を行うよう促す第2の促進演出を実行し、遊技者の所定動作を検出したことに応じて実行される第2の特定演出を実行するジェスチャー演出と、が含まれている。
ボタン操作演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示が開始された後、後述する予告演出設定処理にて決定された期間で実行される。ボタン操作演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像や操作動作を案内するメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下動作を促す第1の促進演出と、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下動作が検出されたことなどにより、画像表示装置5の表示画面にプッシュボタン31Bの押下動作結果を表示する第1の特定演出とが含まれていれば良い。遊技者によるプッシュボタン31Bの押下動作を促す第1の促進演出としては、画像表示装置5に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組合せたものであってもよい。ボタン操作演出が行われるときには、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下動作を有効に検出するボタン操作有効期間となる。そして、操作検出有効期間内にプッシュボタン31Bに対する押下動作がプッシュセンサ35Bによって検出されたときには、その押下動作に応じて第1の特定演出が実行される。よって、遊技者がプッシュボタン31Bの押下動作を実施しないときには、第1の促進演出がボタン操作演出の終了期間まで継続され、遊技者がプッシュボタン31Bの押下動作を実施したときには、最初の押下動作(ボタン操作)を実施した時点から第1の特定演出が実行される。
尚、このボタン操作演出における第1の促進演出としては、例えば、プッシュボタン31Bを連打する動作、あるは、プッシュボタン31Bを所定期間に亘って押し続ける(いわゆる長押し)動作等のうち、第1の特定演出の対象動作とするいずれかの動作を案内するようになっていれば良い。
第1の特定演出は、プッシュボタン31Bの押下動作が検出されたことに基づいて、例えば画像表示装置5の表示画面に、予め用意された演出画像を表示させることなどにより、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを遊技者に報知する演出である。尚、この実施の形態においては、後述するように、第1の特定演出においては、画像表示装置5にプッシュボタン31Bの押下動作に応じてガラス板に徐々にヒビが入っていき、最終的に該ガラス板が割れる画像(図25(c)及び図25(d)参照)が表示されるようになっている。
ジェスチャー演出は、ボタン操作演出が実行された後、または該ジェスチャー演出単体で、後述する所定の期間で実行される。ジェスチャー演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像や操作動作を案内するメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者に手腕等の特定部位を動かす、本発明における所定動作としての所定のジェスチャーを実行するよう促す第2の促進演出と、画像表示装置5の表示画面に所定のジェスチャーの検出に応じて変化する第2の特定演出とが含まれていれば良い。遊技者に手腕等の特定部位によるジェスチャーを促す第2の促進演出としては、画像表示装置5に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組合せたものであってもよい。ジェスチャー演出が行われるときには、遊技者の手腕等の特定部位による所定のジェスチャーを有効に検出するジェスチャー有効期間となる。そして、ジェスチャー有効期間内に、遊技者の特定部位によるジェスチャーが検出されたときには、そのジェスチャーの検出に応じてガラス板に徐々にヒビが入っていき、最終的に該ガラス板が割れる画像(図26(d)及び図26(e)参照)が表示されるようになっている。
尚、ジェスチャー演出の対象とする所定のジェスチャーとしては、例えば、遊技者が腕を振る動作、あるいは、遊技者が掌をパチンコ遊技機1に接近させる動作のように異なる動作を実行させるための複数の態様が含まれていても良い。
また、本実施例では、ジェスチャー演出を、ボタン操作演出が実行された後、または該ジェスチャー演出単体で実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ジェスチャー演出は、ボタン操作演出が実行される前に実行しても良い。
第2の特定演出は、遊技者の手腕等の特定部位による所定のジェスチャーが検出されたことに基づいて、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、ジェスチャー演出の演出態様に基づいて予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを遊技者に報知する演出である。尚、この実施の形態においては、後述するように、第2の特定演出においては、ボタン操作演出と同様に、画像表示装置5に、遊技者のジェスチャーに応じてガラス板に徐々にヒビが入っていき、最終的に該ガラス板が割れる画像(図26(d)及び図26(e)参照)が表示される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、上述したように、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα〜スーパーリーチβ(疑似連を伴うものを含む)といったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「2」〜「4」、「5」〜「8」または「2」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回、50回、25回のいずれかの回数)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回、50回、25回のいずれかの回数)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(入賞)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定演出図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定演出図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定演出図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
演出図柄の変動表示結果として開放チャンス目を構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、変動表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、演出図柄の変動表示結果としてリーチ組合せを構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定演出図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定演出図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
つまり、開放チャンス目を構成する確定演出図柄が導出表示された場合には、終了後において時短制御が実施されないが確変制御が実行されて大当りの当選確率が高い高確状態に移行する「突確」である場合とともに、終了後におい時短制御並びに確変制御が実行されずにその前の遊技状態が維持される、すなわち、その前の遊技状態が大当りの当選確率が低い通常遊技状態(低確状態)が維持される場合があるので、遊技者は、開放チャンス目となった後の遊技状態が、高確状態であるのか低確状態かが識別困難となるので、遊技者に対して、高確状態となっている可能性があるのではという期待感を与えることのできる遊技状態、つまり、高確状態を遊技者に識別困難に潜伏させる潜伏状態を形成することができる。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、赤外線LED62a、62b及び報知用LED30aといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9、赤外線LED62a、62b及び報知用LED30aなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。尚、中継基板15を介すことなく、主基板11と演出制御基板12を直接接続しても良い。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9、赤外線LED62a、62b及び報知用LED30aなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。尚、赤外線LED62a、62bの点灯/消灯駆動については、後述する信号処理回路126が実施するようにしても良い。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR3の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
この実施の形態では、図9に示すように、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、赤外線カメラ60a,60bにて撮像した画像信号を処理して、画像認識により遊技者の動作検出処理等を行う信号処理回路126と、時刻情報を出力可能なRTC200が搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線、赤外線カメラ60a、60bにて撮像された画像データを信号処理回路126に対して伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部(図示略)と、演出制御タイマ設定部(図示略)と、演出制御カウンタ設定部(図示略)と、演出制御バッファ設定部(図示略)とを備えている。また、RAM122には、遊技者の手腕等の特定部位がジェスチャー演出の実行期間中以外でパチンコ遊技機1に接近することで検出された期間を記憶可能な接近検出履歴テーブルを備えている。この接近検出履歴テーブルは、図24に示すように、遊技者の手腕等の特定部位がジェスチャー演出の実行期間中以外でパチンコ遊技機1に接近した状態で検出された時点にてRTC200から取得したその時点の時刻情報を接近検出開始時刻として追加記憶可能であるとともに、その後において遊技者の手腕等の特定部位がパチンコ遊技機1に接近した状態で接近位置にて検出されなくなった時点にてRTC200から取得したその時点の時刻情報を接近検出終了時刻として追加記憶可能となっている。
尚、この実施の形態では、ジェスチャー演出において遊技者が行う所定のジェスチャーが、後述するように、手腕を前後に振る動作とされているので、不正行為を行う者が不正行為にて行う行動である、例えば、ガラスを割る行為や手をガラスに近づける行為と類似する行為となる。よって、これらの不正の行為がジェスチャー演出の実行期間中以外で実行されているかについては、遊技者の身体部位が予め定められた距離よりもパチンコ遊技機1側に侵入したことを検出することで実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の手法、例えば、遊技者が所定の距離内に侵入しても、遊技機の特定の部位に近づいた場合にのみ異常接近として接近検出履歴テーブルに記憶するようにしても良い。
演出制御フラグ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図3に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替期間を決定することなどにより、演出図柄の変動表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(VideoDisplayProcessor)、CGROM(CharacterGeneratorROM)、VRAM(VideoRAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやセンサユニット32から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9、報知用LED30a及び赤外線LED62a、62bなどに供給する。
信号処理回路126は、赤外線カメラ60a,60bから出力される画像データを一時記憶可能なワークメモリや、ワークメモリに記憶されている画像データに基づいて遊技者の動作検出等を行う画像処理プロセッサを有している。
画像処理プロセッサは、赤外線カメラ60a、60bによって撮像された画像データから遊技者の各部位を特定し、該特定した部位のパチンコ遊技機1からの位置を、赤外線カメラ60aで撮像された画像データと赤外線カメラ60bで撮像された画像データの視差の大きさから算出するモジュールICである。
また、演出制御基板12には、前述のようにランプ制御基板14を介して赤外線LED62a,62bが接続されており、該赤外線LED62a,62bの点灯制御が演出制御用CPU120によって実施される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、始動入賞判定処理として、図4のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば、図示しない遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば、図示しない遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(入賞)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(入賞)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図示しない第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図示しない第2特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。このとき、対応する始動口データを、乱数値MR1〜MR3を示す数値データとともにセットしてもよい。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
図5に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻す期間となったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻す期間となったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図6は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、図示しない始動データ記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動口データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図7(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図7(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」および「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」して大当り遊技状態に制御すると決定される確率や特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図6に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図8に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図6に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図10は、図4のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。大当りフラグがオンである場合(ステップS261;Yes)には、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS262)。そして、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、特定した大当り種別に対応する大当り変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS263)。
「非確変」の大当り種別に対応する大当り変動パターン決定テーブルは、特図表示結果を「非確変大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。また、「確変」の大当り種別に対応する大当り変動パターン決定テーブルは、特図表示結果を「確変大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。「突確」の大当り種別に対応する大当り変動パターン決定テーブルは、特図表示結果を「突確大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り変動パターン決定テーブルでは、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている。例えば、大当り種別が「非確変」の場合に使用される「非確変」の大当り種別に対応する大当り変動パターン決定テーブルと、大当り種別が「確変」の場合に使用される「確変」の大当り種別に対応する大当り変動パターン決定テーブルとでは、同一の変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
一方、大当りフラグがオフであると判定ときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS265)。
小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、例えばRAM102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS267)。そして、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、特定した遊技状態である時短状態または通常状態(非時短制御中)に対応するハズレ変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS268)。
「時短状態」に対応するハズレ変動パターン決定テーブルは、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるときに変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。「通常状態」に対応するハズレ変動パターン決定テーブルは、遊技状態が時短制御が実施されていない通常状態であるときに変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、「通常状態」に対応するハズレ変動パターン決定テーブルとして、保留記憶数の数に対応して複数のハズレ変動パターン決定テーブルを使用するようにしても良い。
これら各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている。例えば、遊技状態が時短状態である場合に使用される「時短状態」に対応するハズレ変動パターン決定テーブルと、遊技状態が「通常状態」に対応するハズレ変動パターン決定テーブルとでは、同一の変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、遊技状態が「時短状態」であるか「通常状態」であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
そして、ステップS267の後、例えばRAM102に設けられた時短フラグ等の各フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態を特定する(ステップS268)。なお、ステップS267の処理を実行したときには、例えばRAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。変動表示結果通知コマンドは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから、上述したコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図11のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図11に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがセットされているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発光することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば、図しない演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新した後、遊技者がパチンコ遊技機1に対して不正行為を行っているか否かを監視する不正監視処理(ステップS77)を実行する。
不正監視処理は、赤外線カメラ60a、60bにおいて撮像された画像データに基づき、ジェスチャー演出の実行中であるか否かに応じて遊技者の特定部位(例えば、手腕)がパチンコ遊技機1の前方所定距離内に位置しているか否か、及び接近履歴検出テーブルに記憶されている直近の所定時間における接近検出開始時刻及び接近検出終了時刻に基づいて、報知用LED30aの発光態様を変化させる処理である。
図12は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、予告演出を実行するか否かを決定する処理や、予告演出の実行設定を行う処理や、画像表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、予告演出などといった演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図13は、変動表示開始設定処理として、図12のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す変動表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告演出設定処理を実行する(ステップS521)。そして、該予告演出設定処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば主基板11から伝送された変動表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが演出図柄の変動表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定演出図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を決定する。ここで、例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定演出図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を決定するときには、左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより「突確」や「小当り」の変動パターンのいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定演出図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドによりリーチとなる変動パターンが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる演出図柄を確定演出図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの演出図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定演出図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの演出図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定演出図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定演出図柄に決定された場合には、変動表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定演出図柄に決定された場合には、変動表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、その他の変動表示中における演出の実行設定を行う(ステップS529)。一例として、ステップS529の処理では、例えば、セリフ予告やクイズ予告や先読み予告演出等の各種の変動中予告演出や、これら変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば変動表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、変動表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、変動表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS529の処理では、変動表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS530)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばキャラクタ表示予告の先読み予告演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS530の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。続いて、画像表示装置5における演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を変動表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、変動表示開始設定処理を終了する。
図14は、予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、ボタン操作演出の実行の有無を、ボタン操作演出実行決定用乱数と、各変動パターン毎に該ボタン操作演出実行決定用乱数の決定値が割り当てられたボタン操作演出決定用テーブルを使用して決定する(ステップS539)。
ボタン操作演出決定用テーブルでは、変動パターンに応じてボタン操作演出の実行の有無の決定割合(ボタン操作演出実行決定用乱数の決定値数)を、図15に示すように異ならせている。具体的には、変動パターンがノーマルリーチ、非リーチのどちらも実行されない「非リーチ共通」である場合は、15%の割合でボタン操作演出の実行を決定し、85%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。変動パターンがノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレを含む「ハズレ各種」である場合は、20%の割合でボタン操作演出の実行を決定し、80%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。変動パターンが「小当り」である場合は、40%の割合でボタン操作演出の実行を決定し、60%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。そして、変動パターンが「大当り」である場合は、70%の割合でボタン操作演出の実行を決定し、30%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。つまり、ボタン操作演出の実行の決定割合は、変動パターンが「ハズレ各種」である場合が「非リーチ共通」である場合よりも高く、「小当り」である場合が「ハズレ各種」である場合よりも高く、「大当り」である場合が最も高くなるように設定されている。
このようにボタン操作演出の実行割合が「大当り」の変動パターンで最も高く設定されていることで、ボタン操作演出が実行された変動表示では、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
次に、図14に示すステップS539の処理に基づいて、ボタン操作演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS540)。このとき、「ボタン操作演出実行有り」であれば(ステップS540;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を決定する(ステップS541)。
ステップS541の処理では、例えば、図16に示すように、変動開始から「左」と「右」の各演出図柄表示エリア5L、5Rで変動表示される演出図柄が停止表示されるまでの、予め設定されている予告演出実行対象期間を、「期間1」〜「期間7」の7つの期間に分け、この7つの期間のうちからいずれかの期間を選択することにより、ボタン操作演出の実行期間を決定する。
これら期間を選択する具体的な手法としては、期間決定用乱数と、各期間毎に該期間決定用乱数の決定値が割り当てられた期間決定用テーブルを使用して、期間を決定することができる。尚、これら期間決定用テーブルとしては、非確変大当りと決定されている場合と、確変大当りと決定されている場合と、突確大当りと決定されている場合と、小当りに決定されている場合と、ハズレに決定されている場合とで、同一の期間に対する決定値の割当てが異なるようにすることで、例えば、はずれに決定されている場合には、「期間1」から「期間3」等の変動開始からの経過時間が比較的小さい期間が決定される割合が高く、小当りや突確大当りに決定されている場合には、「期間4」や「期間5」等の変動開始からの経過時間が中間の期間が決定される割合が高く、非確変大当りや確変大当りが決定されている場合には、「期間5」から「期間7」等の変動開始からの経過時間が比較的大きい期間が決定される割合が高くなるようにしても良い。
そして、これら期間を決定したとき、例えば、決定したボタン操作演出の実行期間に基づいて、ボタン操作演出の開始タイミングと終了タイミングとをそれぞれ演出制御プロセスタイマ判定値に設定する。なお、「期間1」〜「期間7」のそれぞれ期間の長さは、第1の促進演出と第1の特定演出とを実行するに十分な長さを有している。また、それぞれの期間の長さは、第2の促進演出と第2の特定演出とを実行するに十分な長さを有している。
そして、ステップS541+に進んで、演出制御フラグ設定部にボタン操作演出フラグをセットした後、ジェスチャー演出決定処理(ステップS542)を実施し、予告演出設定処理を終了する。
尚、図14に示すステップS540においてボタン操作演出を実行しない「ボタン操作演出実行無し」であると判定した場合には、ステップS541〜ステップS541+を経由することなく、ジェスチャー演出決定処理(ステップS542)を実施した後、予告演出設定処理を終了する。
図17は、図14に示すステップS542におけるジェスチャー演出決定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すジェスチャー演出決定処理において、演出制御用CPU120は、後述する接近制御タイマが動作中であるか否かを判定する(ステップS601)。接近継続タイマが動作中でない場合は(ステップS601;No)、通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルをセットし(ステップS602)、接近継続タイマが動作中である場合は(ステップS601;Yes)、接近継続タイマ動作時用ジェスチャー演出決定用テーブルをセットする。そして、ジェスチャー演出の実行の有無を、ジェスチャー演出実行決定用乱数と、各変動パターン毎に該ジェスチャー演出実行決定用乱数の決定値が割り当てられた通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルまたは、接近継続タイマ動作中時用ジェスチャー演出決定用テーブルのいずれかを使用して決定する。
通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルでは、変動パターンに応じてジェスチャー演出の実行の有無の決定割合(ジェスチャー演出実行決定用乱数の決定値数)を、図19(A)に示すように異ならせている。具体的には、変動パターンがノーマルリーチ、非リーチのどちらも実行されない「非リーチ共通」である場合は、10%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、90%の割合でジェスチャー演出の非実行を決定する。変動パターンがノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレを含む「ハズレ各種」である場合は、15%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、85%の割合でジェスチャー演出の非実行を決定する。変動パターンが「小当り」である場合は、20%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、80%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。そして、変動パターンが「大当り」である場合は、85%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、15%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。つまり、ボタン操作演出の実行の決定割合は、変動パターンが「ハズレ各種」である場合が「非リーチ共通」である場合よりも高く、「小当り」である場合が「ハズレ各種」である場合よりも高く、「大当り」である場合が最も高くなるように設定されている。
このようにジェスチャー演出の実行割合が「大当り」の変動パターンで最も高く設定されていることで、ジェスチャー演出が実行された変動表示では、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
また、変動パターンが「大当り」である場合、通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルを使用してジェスチャー演出の実行を決定する割合は、ボタン操作演出決定用テーブルを使用してボタン操作演出の実行を決定する割合よりも高く設定されている。このため、本実施例では、ボタン操作演出決定用テーブルを使用してボタン操作演出が実行される場合と通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルを使用してジェスチャー演出が実行される場合とでは、通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルを使用してジェスチャー演出が実行される場合の方が変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなっている。尚、大当り期待度とは、ボタン操作演出(ジェスチャー演出)が実行されて変動表示結果が「大当り」となる割合を、ボタン操作演出(ジェスチャー演出)が実行されて変動表示結果が「大当り」となる割合とボタン操作演出(ジェスチャー演出)が実行されて変動表示結果が「大当り」以外となる割合との合算値で除した値である。
接近継続タイマ動作時用ジェスチャー演出決定用テーブルでは、変動パターンに応じてジェスチャー演出の実行有無の決定割合を、図19(B)に示すように異ならせている。具体的には、変動パターンがノーマルリーチ、非リーチのどちらも実行されない「非リーチ共通」である場合は、0%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、100%の割合でジェスチャー演出の非実行を決定する。変動パターンがノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレを含む「ハズレ各種」である場合は、2%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、98%の割合でジェスチャー演出の非実行を決定する。変動パターンが「小当り」である場合は、2%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、98%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。そして、変動パターンが「大当り」である場合は、10%の割合でジェスチャー演出の実行を決定し、90%の割合でボタン操作演出の非実行を決定する。つまり、ボタン操作演出の実行の決定割合は、変動パターンが「ハズレ各種」及び「小当り」である場合が「非リーチ共通」である場合よりも高く、「大当り」である場合が最も高くなるように設定されている。
また、図19(A)及び図19(B)に示すように、各変動パターンにおいて接近継続タイマ動作時用ジェスチャー演出決定用テーブルを使用してジェスチャー演出の実行が決定される割合は、各変動パターンにおいて通常時用ジェスチャー演出決定用テーブルを使用してジェスチャー演出の実行が決定される割合よりも低く設定されている。つまり、本実施例では、接近継続タイマが動作中である場合は、ジェスチャー演出の実行期間中以外で遊技者の身体部位がパチンコ遊技機1に対して接近している場合であるので、遊技者の手腕等の身体部位のパチンコ遊技機1への接近がパチンコ遊技機1への不正行為に伴う接近であるのか否かを正確に判断できるようにするため、不正行為と同様の動作を遊技者に実施させるジェスチャー演出の実行頻度が、接近継続タイマが動作中出ない場合と比較して低く抑えられるようになっている。
尚、本実施例では、接近継続タイマが動作中である場合は、接近継続タイマが動作中でない場合よりもジェスチャー演出の実行頻度が低く抑えられているが、本発明はこれに限定されず、接近継続タイマが動作中である場合は、ジェスチャー演出の実行の有無を一義的に非実行に決定するようにしても良い。
次に、図17に示すステップS604の処理に基づいて、ジェスチャー演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS605)。このとき、「ジェスチャー演出有り」であれば(ステップS605;Yes)、ジェスチャー演出の実行期間を決定する(ステップS606)。
ステップS606の処理では、例えば、ステップS541の処理と同様に、変動開始から「左」と「右」の各演出図柄表示エリア5L、5Rで変動表示される演出図柄が停止表示されるまでの期間を、「期間1」〜「期間7」といった7つの期間に分け、いずれかの期間を選択することにより、ジェスチャー演出の実行期間を決定する。
これら期間を選択する具体的な手法としては、期間決定用乱数と、各期間毎に該期間決定用乱数の決定値が割り当てられた期間決定用テーブルを使用して、期間を決定することができる。尚、これら期間決定用テーブルとしては、非確変大当りと決定されている場合と、確変大当りと決定されている場合と、突確大当りと決定されている場合と、小当りに決定されている場合と、ハズレに決定されている場合とで、同一の期間に対する決定値の割当てが異なるようにすることで、例えば、はずれに決定されている場合には、「期間1」から「期間3」等の変動開始からの経過時間が比較的小さい期間が決定される割合が高く、小当りや突確大当りに決定されている場合には、「期間4」や「期間5」等の変動開始からの経過時間が中間の期間が決定される割合が高く、非確変大当りや確変大当りが決定されている場合には、「期間5」から「期間7」等の変動開始からの経過時間が比較的大きい期間が決定される割合が高くなるようにしても良い。
そして、ステップS606+に進んで、演出制御フラグ設定部にジェスチャー演出フラグをセットし、ボタン操作演出の実行が有りか否かを判定する(ステップS607)。ボタン操作演出の実行が有りか否かは、演出制御フラグ設定部を参照し、ボタン操作演出フラグがセットされているか否かを判定すれば良い。ボタン操作演出の実行が有る場合、つまり、ボタン操作演出フラグがセットされている場合は(ステップS607;Yes)、実行が決定されているボタン操作演出とジェスチャー演出を実行する期間が、重複または隣接する期間とならないようにするためのジェスチャー演出実行期間再決定処理(ステップS609)を実行して、ジェスチャー演出決定処理を終了する。
尚、図17に示すステップS605においてジェスチャー演出を実行しない「ジェスチャー演出実行無し」であると判定した場合は(ステップS605;No)、ステップS606〜ステップS609の処理を経由すること無くジェスチャー演出決定処理を終了し、ステップS607においてボタン操作演出の実行が無い場合、つまり、ボタン操作演出フラグがセットされていない場合は(ステップS607;No)、ステップS609の処理を経由すること無くジェスチャー演出決定処理を終了する。
図18は、図17に示すステップS609におけるジェスチャー演出実行期間再決定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示すジェスチャー演出実行期間再決定処理において、演出制御用CPU120は、ステップS541の処理で決定されたボタン操作演出の実行期間と、ステップS606の処理で決定されたジェスチャー演出の実行期間とが同一期間であるか否かを判定する(ステップS611)。
ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とが同一期間である場合は(ステップS611;Yes)、ボタン操作演出の実行期間が期間7であるか否かを判定する(ステップS612)。ボタン操作演出の実行期間が期間7である場合は(ステップS612;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を期間5、ジェスチャー演出の実行期間を期間7に再決定して(ステップS613)ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了し、ボタン操作演出の実行期間が期間7でない場合は(ステップS612;No)、ボタン操作演出の実行期間が期間6であるか否かを判定する(ステップS614)。ボタン操作演出の実行期間が期間6である場合は(ステップS614;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を期間4,ジェスチャー演出の実行期間を期間6に再決定して(ステップS615)ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了し、ボタン操作演出の実行期間が期間6でない場合は(ステップS614;No)、ボタン操作演出の実行期間が期間5であるか否かを判定する(ステップS616)。
ボタン操作演出の実行期間が期間5である場合は(ステップS616;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を期間5に維持するとともに、ジェスチャー演出の実行期間を期間7に再決定して(ステップS617)ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了し、ボタン操作演出の実行期間が期間5でない場合は(ステップS616;No)、ボタン操作演出の実行期間が期間4であるか否かを判定する(ステップS618)。ボタン操作演出の実行期間が期間4である場合は(ステップS618;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を期間4に維持するとともに、ジェスチャー演出の実行期間を期間6または期間7に再決定して(ステップS619)ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了し、ボタン操作演出の実行期間が期間4でない場合は(ステップS618;No)、ボタン操作演出の実行期間が期間3であるか否かを判定する(ステップS620)。ボタン操作演出の実行期間が期間3である場合は(ステップS620;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を期間3に維持するとともに、ジェスチャー演出の実行期間を期間5〜期間7の中から再決定して(ステップS621)ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了する。
ボタン操作演出の実行期間が期間3でない場合は(ステップS620;No)、ボタン操作演出の実行期間が期間2であるか否かを判定する(ステップS622)。ボタン操作演出の実行期間が期間2である場合は(ステップS622;Yes)、ボタン操作演出の実行期間を2に維持するとともに、ジェスチャー演出の実行期間を期間4〜期間7の中から再決定し(ステップS623)、ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了する。ボタン操作演出の実行期間が期間2でない場合は(ステップS622;No)、ボタン操作演出の実行期間を期間1に維持するとともに、ジェスチャー演出の実行期間を期間3〜期間7の中から再決定し(ステップS624)、ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了する。
また、ステップS611においてボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が同一期間でない場合は(ステップS611;No)、ボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間であるか否かを判定する(ステップS625)。ボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間である場合は(ステップS625;yes)、例えば、ボタン操作演出の実行期間が期間3、ジェスチャー演出の実行期間が期間4のようにボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とが隣接しているか否かを判定する(ステップS626)。ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とが隣接している場合は(ステップS626)前述した、ステップS612〜ステップS624の処理を実行してジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了する。
また、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が隣接していない場合は(ステップS626;No)、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とを入れ替えることで、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間を再決定し、ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了する。
尚、ステップS625においてボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間でない場合は(ステップS625;No)、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とが隣接しているか否かを判定する(ステップS625a)。ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とが隣接していない場合は(ステップS625a)、ジェスチャー演出実行期間再決定処理を終了し、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とが隣接している場合は(ステップS625a;Yes)、ステップS614〜ステップS624の処理を実行してジェスチャー演出実行期間差異決定処理を終了する。
尚、本実施例では、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が同一期間である場合、ボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間である場合またはボタン操作演出の実行期間とボタン操作演出の実行期間とが隣接している場合においてステップS614〜ステップS624及びステップS627に示す処理を実行することでボタン操作演出の実行期間及びジェスチャー演出の実行期間を再決定したが、本発明はこれに限定されず、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が同一期間である場合、ボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間である場合またはボタン操作演出の実行期間とボタン操作演出の実行期間とが隣接している場合は、ステップS541及びステップS606の処理のようにボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間とを個別に再決定するようにしても良い。尚、再決定したボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が同一期間である場合、再決定したボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間である場合または再決定したボタン操作演出の実行期間とボタン操作演出の実行期間とが隣接している場合は、ステップS541及びステップS606の処理のようなボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間との決定を繰り返し決定すれば良い。
また、本実施例では、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が同一期間である場合、ボタン操作演出の実行期間がジェスチャー演出の実行期間よりも後の期間である場合またはボタン操作演出の実行期間とボタン操作演出の実行期間とが隣接している場合においてステップS614〜ステップS624及びステップS627に示す処理を実行することでボタン操作演出の実行期間及びジェスチャー演出の実行期間を再決定したが、本発明はこれに限定されず、ボタン操作演出の実行期間及びジェスチャー演出の実行期間の際決定は、ボタン操作演出の実行期間とジェスチャー演出の実行期間が同一期間である場合に限り行うようにしても良い。
図20は、変動表示中演出処理として、図12のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した変動表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、変動表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて変動表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、演出制御フラグ設定部にボタン操作演出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS552)。ボタン操作演出フラグがセットされていると判定した場合(ステップS552;Yes)、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、ボタン操作演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS553)。
ステップS553の処理にてボタン操作演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS553;Yes)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部にプッシュボタン動作有効期間フラグをセットすることで、遊技者のプッシュボタン31Bの押下動作を受け付け可能(有効化)に制御し(ステップS553a)、例えば、図25(b)に示すように、プッシュボタン31Bの画像を画像表示装置5の表示画面に表示したり、プッシュボタン31Bの押下動作を行うよう遊技者に促すようなメッセージを画像表示装置5の表示画面に表示するなどして、第1の促進演出を実行する(ステップS554)。このとき、演出制御フラグ設定部に設けられたボタン操作演出実行中フラグをセットし(ステップS555)、変動表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS553の処理にてボタン操作演出の開始タイミングでないと判定した場合(ステップS553;No)、演出制御フラグ設定部にボタン操作演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS556)。
ボタン操作演出実行中フラグがセットされていると判定した場合(ステップS556;Yes)、プッシュボタン31Bの押下動作を検出したか否かを判定する(ステップS557)。プッシュボタン31Bの押下操作を検出した場合(ステップS557;Yes)、図25(c)及び図25(d)に示すように、第1の特定演出として、画像表示装置5に、ガラス板に徐々にヒビが入り、最終的にガラス板が割れる演出表示を実行する(ステップS558)。
一方、プッシュボタン31Bの押下動作を検出していないと判定した場合(ステップS557;No)、またはステップS558の処理の実行後、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、ボタン操作演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS560)。ボタン操作演出の終了タイミングである場合(ステップS560;Yes)、ボタン操作演出を終了し(ステップS561)、続けてプッシュボタン動作有効期間フラグをリセットすることでプッシュボタン31Bの押下動作の受け付け(入力)を無効化する(ステップS561a)。そして、ボタン操作演出フラグをリセットするとともに、ボタン操作演出実行中フラグがセットされていれば、ボタン操作演出実行中フラグをリセットして(ステップS562)、ステップS563に進む。
また、ステップS560の処理にてボタン操作演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS560;No)には、変動表示中演出処理を終了する。この場合、演出プロセスフラグは更新されていないため、再度変動表示中演出処理が実行されることになる。そして、ボタン操作演出フラグやボタン操作演出実行中フラグ、プッシュボタン動作有効期間フラグといった各種フラグはリセットされていないため、プッシュボタン31Bの押下動作が検出されるか、あるいはボタン操作演出の終了タイミングとなるまでステップS557の処理やステップS560の処理が繰り返し実行されることとなる。
ステップS552の処理にてボタン操作演出フラグがセットされていないと判定した場合(ステップS552;No)や、ステップS556の処理にてボタン操作演出実行中フラグがセットされていないと判定した場合(ステップS556;No)や、ステップS562の処理を実行した後、前記遊技制御フラグ設定部などに設けられたジェスチャー演出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS563)。ジェスチャー演出フラグがセットされていないと判定した場合(ステップS563;No)、変動表示中演出処理を終了する。一方、ジェスチャー演出フラグがセットされていると判定した場合(ステップS563;Yes)、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、ジェスチャー演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS564)。
ステップS564の処理にてジェスチャー演出の開始タイミングであると判定した場合(ステップS564;Yes)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部にジェスチャー有効期間フラグをセットすることで遊技者のジェスチャーを受け付け可能(入力を有効化)に制御するとともに、例えば、図26(b)に示すように、遊技者に所定のジェスチャーを促す画像や、図26(c)に示すメッセージを画像表示装置5の表示画面に表示する等により、ジェスチャーを行うよう遊技者に促すとともに、ジェスチャー入力が有効であることを報知する第2の促進演出の実行を開始する(ステップS565)。尚、ステップS565の処理において第2の促進演出が実行されることに応じて遊技者が該第2の促進演出にて促されたジェスチャーを実行することで、遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の前面(ガラス面)の状態を目視し難くなる。そして、演出制御フラグ設定部にジェスチャー演出実行中フラグをセットし(ステップS566)、変動表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS564の処理にてジェスチャー演出の開始タイミングでないと判定した場合(ステップS564;No)、演出制御フラグ設定部にジェスチャー演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS567)。
ジェスチャー演出実行中フラグがセットされていると判定した場合(ステップS567;Yes)、演出制御用CPU120は、信号処理回路126から赤外線カメラ60a、60bによって撮像されたパチンコ遊技機1の前方領域の画像データを取得し、該画像データから遊技者の手腕等の特定部位の動作を特定し(ステップS567a)、該特定した動作が図26(b)に示すように、第2の促進演出にて促した所定のジェスチャーに該当するか否かを判定する(ステップS568)。第2の促進演出にて促した所定のジェスチャーに該当する動作である場合は(ステップS568;Yes)、第2の特定演出として、ガラス板に徐々にヒビが入り、最終的にガラス板が割れる表示を実行する(ステップS569)。ステップS567においてジェスチャー演出実行中フラグがセットされていないと判定した場合(ステップS567;No)ステップS567a〜ステップS569を経由せず変動表示中演出処理を終了する。
一方、ジェスチャー演出にて促した所定のジェスチャーに該当する動作でない場合(ステップS568;No)、またはステップS569の処理の実行後は、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値と合致したか否かを判定するなどして、ジェスチャー演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS571)。ジェスチャー演出の終了タイミングである場合(ステップS571;Yes)、ジェスチャー演出を終了し(ステップS572)、ジェスチャー有効期間フラグをリセットすることで遊技者のジェスチャーの受け付けを無効化する(ステップS572a)。そして、ジェスチャーの受け付け(入力)を無効化したことを、例えば、図示しないメッセージ等を表示して報知する。続けて、ジェスチャー演出フラグをリセットするとともに、ジェスチャー演出実行中フラグがセットされていれば、該ジェスチャー演出実行中フラグもリセットしてリセットして(ステップS573)、変動表示中演出処理を終了する。尚、ステップS573では、ジェスチャー有効期間フラグもリセットされる。
また、ステップS571の処理にてジェスチャー演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS571;No)には、ステップS572〜ステップS573の処理を経由せずに変動表示中演出処理を終了する。この場合、演出プロセスフラグは更新されていないため、再度変動表示中演出処理が実行されることになる。そして、ジェスチャー演出フラグやジェスチャー演出実行中フラグ、ジェスチャー有効期間フラグといった各種フラグはリセットされていないため、遊技者のジェスチャーが検出されるか、あるいはジェスチャー演出の終了タイミングとなるまでステップS568の処理やステップS571の処理が繰り返し実行されることとなる。
ステップS551にて変動表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS564)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS564;No)、変動表示中演出処理を終了して待機する。なお、変動表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS574にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS574;Yes)、例えば所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の変動表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS575)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS576)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS577)、変動表示中演出処理を終了する。
図22は、ボタン操作演出とジェスチャー演出とが実行される場合における演出の実行タイミングの一例を示している。図22は、ジェスチャー演出決定処理及びジェスチャー演出実行期間再決定処理を含む予告演出設定処理を実行した結果、ボタン操作演出の実行期間を期間2、ジェスチャー演出の実行期間を期間4に決定した場合の例を示している。
具体的に、ボタン操作演出においては、図25(a)に示す演出図柄の変動中においてボタン操作演出の開始タイミングとなると、図25(b)に示すように、プッシュボタン31Bの画像と、「ボタンを押してガラス板を割れ!!」のメッセージが画像表示装置5に表示される。そして、プッシュボタン31Bの押下操作が検出されると、図25(c)に示すように、第1の特定演出としてガラス板に徐々にヒビが入っていき、最終的に該ガラス板が割れる画像が表示される。
また、ジェスチャー演出においては、図26(a)に示す演出図柄の変動中においてジェスチャー演出の開始タイミングとなると、図26(b)に示すように、遊技者に腕を前後に振るジェスチャーを促す画像と、「案内動作でガラス板を割れ!!」のメッセージが画像表示装置5に表示される。そして、画像表示装置5に遊技者のジェスチャーの受け付けを開始することを示す「動作スタート」のメッセージが表示される。
図26(d)及び図26(e)に示すように、遊技者が腕を前後に振るジェスチャーを行うことで該ジェスチャーが赤外線カメラ60a、60bにて撮像されると、第2の特定演出としてガラス板に徐々にヒビが入っていき、最終的に該ガラス板が割れる画像が表示される。その後は、図26(f)及び図26(g)に示すように、変動パターンによってはリーチ演出等が実行され、最終的に演出図柄が「大当り」、「小当り」「ハズレ」等の組み合わせで導出表示される。
図22におけるボタン操作有効期間とは、プッシュボタン動作有効期間フラグがオン状態にセットされている期間をいい、ジェスチャー有効期間とは、ジェスチャー有効期間フラグがオン状態にセットされている期間をいう。
尚、ボタン操作演出フラグは、ステップS541+にてセットされた後、ボタン操作演出実行中フラグとともに、ボタン操作演出の実行期間が経過したときにリセットされ、ジェスチャー演出フラグは、ステップS606+にてセットされた後、ジェスチャー演出実行中フラグとともに、ジェスチャー演出の実行期間が経過したときにリセットされる。
図22では、期間2になるタイミングでボタン操作演出が実行されるとともにボタン操作演出実行中フラグがオン状態にセットされ、その後、ボタン操作演出フラグ及びボタン操作演出実行中フラグが期間2の終了と同時にクリアされる場合を示すとともに、期間4になるタイミングでジェスチャー演出が実行されるとともにジェスチャー演出実行中フラグがオン状態にセットされ、その後、ジェスチャー演出フラグ及びジェスチャー演出実行中フラグが期間4の終了と同時にクリアされる場合を示している。
このように、遊技者に動作を促すボタン操作演出とジェスチャー演出とが同時に実行される期間が存在しないことに加えて、ボタン操作演出及びジェスチャー演出の前後の期間においても他のボタン操作やジェスチャーを要する演出が実行されず、遊技者は当該期間に複数の動作を要求されることがなくなる。
図21は、不正監視処理として、図11の演出制御メイン処理のステップS77にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す不正監視処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御フラグ設定部に不正報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS901)。不正報知フラグがセットされていない場合は(ステップS901;No)、接近継続タイマが動作中であるか否かを判定する(ステップ902)。接近継続タイマが動作中でない場合は(ステップS902;No)、演出制御フラグ設定部にジェスチャー演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS903)。ジェスチャー演出実行フラグがセットされていない場合は(ステップS903;No)、信号処理回路126から赤外線カメラ60a、60bによって撮像されたパチンコ遊技機1の前方領域の画像データを取得し、該画像データから遊技者の手腕等の特定部位の位置を特定し(ステップS904)、該特定した部位がパチンコ遊技機1に対する所定距離以内の接近位置であるか否かを判定する(ステップS905)。
特定した部位がパチンコ遊技機1に対する所定距離以内の接近位置である場合は(ステップS905;Yes)、接近継続タイマを1分に相当するカウントにセットするとともに(ステップS906)、RTC200から時刻情報を取得し、該取得した時刻情報を接近検出開始時刻として接近検出履歴テーブルに追加記憶する(ステップS907)。尚、ステップS906の処理では、接近継続タイマに1分に相当するカウントをセットしているが、本発明はこれに限定されず、接近継続タイマにセットされるカウントは、1分以外の期間に相当するカウントであっても良い。
そして、特定した部位がパチンコ遊技機1に対する所定距離以内の接近位置でない場合(ステップS905;No)、ステップS907の実行後または後述するステップS909において不正報知時間が経過したと判定した場合(ステップS909;Yes)、更には、後述するステップS920においてジェスチャー演出実行中フラグがセットされていないと判定した場合(ステップS920;No)は、図23に示すように、パチンコ遊技機1において遊技者によって不正操作が実行されていない通常状態(通常時)であると判定し、報知用LED30aの赤色点灯を実行して(ステップS908)、不正監視処理を終了する。
また、ステップS901において不正報知フラグがセットされていると判定した場合は(ステップS901;Yes)、後述するステップS918において計時が開始される不正報知時間が経過したか否かを判定する(ステップS909)。不正報知時間が経過したと判定した場合は(ステップS909;Yes)、前述したようにステップS908の処理を実行し、不正報知時間が経過していないと判定した場合は(ステップS909;No)、ステップS919に進む。
そして、ステップS902において接近継続タイマが動作中であると判定した場合は(ステップS902;Yes)、信号処理回路126から赤外線カメラ60a、60bによって撮像されたパチンコ遊技機1の前方領域の画像データを取得し、該画像データから遊技者の手腕等の特定部位の位置を特定し(ステップS910)、該特定した部位がパチンコ遊技機1に対する所定距離以内に接近しているか否かを判定する(ステップS911)。尚、遊技者の手腕等の特定部位ではなく、遊技者の身体のいずれかの部位がる所定距離以内に接近しているか否かを判定するようにしても良い。
尚、特定した部位がパチンコ遊技機1に対する所定距離以内に接近していないと判定した場合は(ステップS911;No)、接近継続タイマを停止し(ステップS914)、RTC200から時刻情報を取得し、該取得した時刻情報を接近検出終了時刻として接近検出履歴テーブルに追加記憶する(ステップS915)。そして、接近検出履歴テーブルに記憶されている接近検出開始時刻及び接近検出終了時刻に基づいて、直近の所定時間である3分において、遊技者の手腕等の特定の部位がパチンコ遊技機1の所定距離以内の接近位置に位置していた期間である合計接近期間が閾値である5分を超えているか否かを判定する(ステップS916)。尚、本実施例では、ステップS916の処理における直近の所定時間を3分、合計接近期間の閾値を5分に設定しているが、本発明はこれに限定されず、合計接近期間の閾値が示す期間が直近の所定時間が示す期間よりも長期間であれば、これら直近の所定時間と合計接近期間の閾値とは任意の期間に設定しても良い。
そして、合計接近期間が閾値を超えている場合は(ステップS916;Yes)、演出制御フラグ設定部に不正報知フラグをセットするとともに(ステップS917)、不正報知時間の計時を開始する(ステップS918)。
ステップS918の実行後またはステップS909において不正報知時間が経過していないと判定した場合は(ステップS909;No)、図23に示すように、パチンコ遊技機1において遊技者によって不正操作が実行されている不正検出状態(不正検出時)であると判定し、報知用LED30aの赤色点滅を実行して(ステップS919)、不正監視処理を終了する。
また、特定した部位がパチンコ遊技機1に対する所定距離以内の接近位置であると判定した場合は(ステップS911;Yes)、接近継続タイマを1減算更新し(ステップS912)、接近継続タイマがタイマアップしたか否かを判定する(ステップS913)。接近継続タイマがタイマアップしたと判定した場合は(ステップS913;Yes)、前述したステップS917〜S919の処理を実行して不正監視処理を終了する。
また、ステップS913において接近継続タイマがタイマアップしていないと判定した場合(ステップS913;No)または合計接近期間が閾値を超えていない場合は(ステップS916;No)、演出制御フラグ設定部にジェスチャー演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS920)。ジェスチャー演出実行フラグがセットされていない場合は(ステップS920;No)、前述したようにステップS908の処理を実行し、ジェスチャー演出実行フラグがセットされている場合(ステップS920;Yes)またはステップS903においてジェスチャー演出実行フラグがセットされている場合(ステップS903;Yes)は、図23に示すように、パチンコ遊技機1においてジェスチャー演出が実行されているジェスチャー演出実行期間中であると判定し、報知用LED30aの青色点灯を実行して(ステップS921)、不正監視処理を終了する。
以上のように、本実施例では、パチンコ遊技機1において、遊技者によって不正操作が実行されていない通常状態(通常時)である場合と、遊技者によって不正操作が実行されている不正検出状態(不正検出時)である場合と、パチンコ遊技機1においてジェスチャー演出が実行されているジェスチャー演出実行期間中である場合とで、パチンコ遊技機1の右側方から目視可能である報知用LED30aの発光態様を変化させることで、パチンコ遊技機1が設置されている遊技場の店員等のパチンコ遊技機1の管理者は、遊技者の腕等に遮られてパチンコ遊技機1の前面の状態が目視にて確認し難い状態であっても、遊技者の動きが不正行為の動きであるのか、またはジェスチャー演出に伴う動きであるのかを報知用LED30aの発光態様を確認することで容易に判別することが可能となっている。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、ジェスチャー演出実行中であるか否かを報知用LED30aの発光態様により識別できるため、遊技者がジェスチャー演出に応じた動作をしていることが、演出のためであるのか、不正行為のためであるのかを容易に判別できるようになるので、遊技者のジェスチャーに応じた演出を実行しても、不正行為を抑止することができる。
また、遊技場の店員等の管理者は、報知用LED30aの発光態様を目視することで、パチンコ遊技機1に近づいてパチンコ遊技機1の正面側に移動しなくても、パチンコ遊技機1がジェスチャー演出中であるか否かを容易に認識できる。
また、不正が実行されている可能性が高いことが報知用LED30aの赤色点滅によって報知されるので、不正をより効果的に抑止できる。
また、例えば、不正の可能性が高いと判断する前に成立する条件を特定条件として設定したときに、これら不正の可能性が高いことの判断が、ジェスチャー演出における遊技者が実行する腕を前後に振る等の動作により不正確になってしまうことを防止できる。
また、ボタン操作演出とジェスチャー演出が変動表示中における同一期間に実行されることがないので、ボタン操作演出とジェスチャー演出とが同一期間中に実行されることで遊技者の動作が煩雑となって、パチンコ遊技機1の興趣が低下してしまうことを抑止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明の適用された遊技機の例として、演出図柄を変動表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、本発明は、これらパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について簡単に説明する。
図27は、この発明を適用したスロットマシン1001の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン1001は、大別して、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bと、から構成されている。
スロットマシン1001の筐体1001aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓1003において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図28参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓1003に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓1003に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
前面扉1001bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器1051(図28参照)の表示領域1051aが配置されている。液晶表示器1051は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域1051aの透視窓1003に対応する透過領域1051b及び透視窓1003を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域1051aの透過領域1051bを除く領域の裏面には、背後から表示領域1051aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられていて、種々の画像の表示が可能とされており、特に、透視窓1003の上部領域は、種々の演出が表示される演出表示領域1051cとされている。
また、前面扉1001bには、遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部1004、メダルが払い出されるメダル払出口1009、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ1005、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ1006、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ101010、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ1007、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1001bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器1011、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器1012、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器1013が設けられている。
また、前面扉1001bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED1014、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED1015、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED1016、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED1017、スタートスイッチ1007の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED1018、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED1019、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED1020、パチンコ遊技機1における赤外線カメラ60a,60bと同様に、スロットマシン1001の前面の撮像領域を撮像するための2つの赤外線カメラ1060a,1060bと、該撮像領域に向けて赤外線を照射するための2つの赤外線LED1062a,1062b、スロットマシン1001のパチンコ遊技機1の右側方から発光態様が目視可能な報知用LED1130aと、が設けられている。尚、報知用LED1130aは、パチンコ遊技機1における報知用LED30aと同様に、スロットマシン1001の右上部位置から前方に向けて突出形成された突部1130の右側面に設けられることで、スロットマシン1001の右側方から発光態様が目視可能となっている。
MAXBETスイッチ1006の内部には、1枚BETスイッチ1005及びMAXBETスイッチ1006の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED1021が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rがそれぞれ設けられている。
ストップスイッチ8Rの右側には、操作レバー1600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン1516が遊技者により操作可能に設けられている。
プッシュボタン1516は、パチンコ遊技機1のプッシュボタン516と同じく、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン1516の直下に設けられたバネ部材により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン1516の設置位置における筐体内部などには、プッシュボタン1516に対してなされた遊技者の操作行為を検出するボタンスイッチ1516aが設けられている。
スロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ1006を操作する。こうして賭数が設定されると、複数の入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、変動表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、変動表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートスイッチ1007が操作されると、その操作が検出されたことに基づき、変動表示の開始条件が成立したことに対応して、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると、対応する2L、2C、2Rの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン1001では、スタートスイッチ1007が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
図28は、スロットマシン1001の構成を示すブロック図である。スロットマシン1001には、図28に示すように、遊技制御基板1040、演出制御基板1090、電源基板1101が設けられており、遊技制御基板1040によって遊技状態が制御され、演出制御基板1090によって遊技状態に応じた演出が制御される。
尚、図28においては、遊技制御基板1040と演出制御基板1090とが演出中継基板1080を介して接続されるようになっているが、該演出中継基板1080を使用せずに、遊技制御基板1040と演出制御基板1090とを直接接続するようにしても良い。
遊技制御基板1040には、前述した1枚BETスイッチ1005、MAXBETスイッチ1006、スタートスイッチ1007、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ1010、リセットスイッチ1023、打止スイッチ1036a、自動精算スイッチ1036b、投入メダルセンサ1031、ドア開放検出スイッチ1025、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述した払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板1040には、前述したクレジット表示器1011、遊技補助表示器1012、ペイアウト表示器1013、1〜3BETLED1014〜1016、投入要求LED1017、スタート有効LED1018、ウェイト中LED1019、リプレイ中LED1020、BETスイッチ有効LED1021、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器1024、流路切替ソレノイド1030、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述したホッパーモータ1034bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板1040に搭載されたメイン制御部1041の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板1040には、メインCPU1041a、ROM1041b、RAM1041c、I/Oポート1041dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部1041、乱数を生成する乱数回路1042、遊技制御基板1040に直接または電源基板1101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1044、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路1045等の各種回路が搭載されている。
メインCPU1041aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM1041bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板1040に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
メインCPU1041aは、基本処理として遊技制御基板1040に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU1041aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路1048から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。
メインCPU1041aは、I/Oポート1041dを介して演出制御基板1090に、各種のコマンドを送信する。
演出制御基板1090には、スロットマシン1001の前面扉1001bに配置された液晶表示器1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、前述したリールLED1055、ボタンスイッチ1516a、赤外線カメラ1060a,1060b、赤外線LED1062a,1062b、報知用LED1130a等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板1090に搭載された後述のサブ制御部1091による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板1090には、メイン制御部1041と同様にサブCPU1091a、ROM1091b、RAM1091c、I/Oポート1091dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部1091、演出制御基板1090に接続された液晶表示器1051の表示制御を行う表示制御回路1092、演出効果LED1052、リールLED1055の駆動制御を行うLED駆動回路1093、スピーカ1053、1054からの音声出力制御を行う音声出力回路1094、電源投入時またはサブCPU1091aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU1091aにリセット信号を与えるリセット回路1095、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置1097、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU1091aに対して出力する電断検出回路1098、赤外線カメラ1060a,1060bにて撮像した画像信号を処理する、パチンコ遊技機1における信号処理回路126と同一の機能を備える信号処理回路1099b、時刻情報を出力可能なRTC1200、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
以上のように、スロットマシン1001においても、赤外線カメラ1060a,1060b、赤外線LED1062a,1062b、RTC1200を設けるとともに、これらの各デバイスを、パチンコ遊技機1において演出を制御する演出制御基板12と同様の機能を備える演出制御基板1090に接続するとともに、該演出制御基板1090に、パチンコ遊技機1における信号処理回路126と同一の機能を備える信号処理回路1099b、パチンコ遊技機1における演出制御用CPU120と同一の機能を備え同一の処理を行うサブCPU1091aを設けることで、リール2L、2C、2Rが停止することでパチンコ遊技機1と同様に、図25(b)及び図25(c)に示すボタン操作演出や、図26(b)〜図26(e)に示すジェスチャー演出を実行することができるとともに、スロットマシン1001において遊技者によって不正操作が実行されていない通常状態(通常時)であるとサブCPU1091aが判定することによる報知用LED1130aの赤色点灯、スロットマシン1001において遊技者によって不正操作が実行されている不正検出状態(不正検出時)であるとサブCPU1091aが判定することによる報知用LED30aの赤色点滅及びスロットマシン1001においてジェスチャー演出が実行されているジェスチャー演出実行期間中であるとサブCPU1091aが判定することによる報知用LED1130aの青色点灯を実行することができる。
また、前記実施例では、ジェスチャー演出において遊技者に促す所定動作として、図26(b)に示す腕を前後に振るジェスチャーを促したが、本発明はこれに限定されず、ジェスチャー演出において遊技者に促す所定動作としては、腕を左右に振るジェスチャーや、パチンコ遊技機1またはスロットマシン1001の所定箇所に手を接近させるものであっても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1において、遊技者によって不正操作が実行されていない通常状態(通常時)である場合と、遊技者によって不正操作が実行されている不正検出状態(不正検出時)である場合と、パチンコ遊技機1においてジェスチャー演出が実行されているジェスチャー演出実行期間中である場合とで報知用LED30aの発光態様を変化させることで、遊技場の店員等に対してパチンコ遊技機1がジェスチャー演出を実行しているのか、遊技者から不正操作を受けているのかを報知したが、本発明はこれに限定されず、遊技場の店員に対してチンコ遊技機1がジェスチャー演出を実行しているのか、遊技者から不正操作を受けているのかの報知は、例えば、遊技効果ランプ9の発光態様の変化や、スピーカ8L、8Rから出力される音声報知、画像表示装置5に表示される画像の表示態様にて行われても良いし、また、ジェスチャー演出実行期間であることを遊技場内のパチンコ遊技機の稼働状況を管理するための管理コンピュータに対して通知して、該管理コンピュータにてジェスチャー演出実行期間であることを店員に報知しても良いし、これら管理コンピュータに接続された、例えばインカム等の放送装置にて遊技場内の各店員に、ジェスチャー演出実行期間である遊技機の台番等とジェスチャー演出実行期間中であることを報知するようにしても良い。更に、不正検出状態(不正検出時)である場合において、管理コンピュータに対して所定の信号を出力し、該管理コンピュータにおいて信号の出力状況を表示することでパチンコ遊技機1において遊技者がパチンコ遊技機1に対して不正操作を行っていることを報知するようにしても良い。
また、前記実施例では、ジェスチャー演出実行期間中以外で遊技者の手腕等の特定部位が検出されている状態である接近継続タイマ動作中では、パチンコ遊技機1において遊技者によって不正操作が実行されていない通常状態(通常時)よりも低い割合でジェスチャー演出の実行が決定されているが、本発明はこれに限定されず、接近継続タイマ動作中は、ジェスチャー演出を一義的に非実行に決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、促進演出としてプッシュボタン31Bの押下操作を促すボタン操作演出を実行しているが、本発明はこれに限定されず、促進演出としては、スティックコントローラ31Aの傾動操作を促すスティックコントローラ操作演出を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、ジェスチャー演出実行中に赤外線カメラ60a、60bが遊技者の腕の前後の動きを検出することで、第2の特定演出を実行したが、本発明はこれに限定されず、ジェスチャー演出においては、遊技者の腕のみでなく、遊技者の顔や肩等の他の部位の動きを検出して第2の特定演出を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、ジェスチャー演出非実行時に赤外線カメラ60a、60bが遊技者の腕の位置を検出することで接近継続タイマを動作させたが、本発明はこれに限定されず、ジェスチャー演出非実行時は、遊技者の腕のみでなく、遊技者の顔や肩等の他の部位の位置を検出して接近継続タイマを動作させるようにしても良い。
また、前記実施例では、ボタン操作演出の実行とジェスチャー演出の実行が決定され、且つジェスチャー演出の方がボタン操作演出よりも前の期間にて実行が決定された場合は、ボタン操作演出をジェスチャー演出よりも前の期間にて実行するようにボタン操作演出とジェスチャー演出との実行期間を再決定しているが、本発明はこれに限定されず、ボタン操作演出がジェスチャー演出よりも前の期間にて実行されるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技者によって不正操作が実行されていない通常状態(通常時)である場合と、遊技者によって不正操作が実行されている不正検出状態(不正検出時)である場合と、パチンコ遊技機1においてジェスチャー演出が実行されているジェスチャー演出実行期間中である場合とで報知用LED30aの発光態様を変化させているが、本発明はこれに限定されず、報知用LED30aによる発光は、パチンコ遊技機1においてジェスチャー演出が実行されているジェスチャー演出実行期間中のみ実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、第1の特定演出及び第2の特定演出において、第1の促進演出に応じたプッシュボタン31Bの押下操作及び第2の促進演出に応じたジェスチャーが実行されることで、ガラス板に徐々にヒビが入り、最終的にガラス板が割れる表示を実行しているが、本発明はこれに限定されず、ボタン操作演出及びジェスチャー演出の実行を決定した後、プッシュボタン31Bの押下操作及びジェスチャーが実行されることで第1の特定演出及び第2の特定演出においてガラス板が割れるか否かをガラス板破壊用乱数と、各変動パターン毎に該ガラス板は海洋乱数の決定値が割り当てられたガラス板破壊決定用テーブルを使用して決定しても良い。この場合は、「大当り」の変動パターンである場合にガラス板が割れることが最も高い割合で決定され、以下、「小当り」、「ハズレ各種」、「非リーチ共通」の変動パターンの順にガラス板が割れる割合が高いことで、ガラス板が割れた変動表示では、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなるようにしても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1の前方に向けて突出形成された突部30の右側面に報知用LED30aを設けることで、遊技場の店員等のパチンコ遊技機1の管理者が報知用LED30aの発光態様をパチンコ遊技機1の側方から目視可能となっているが、本発明はこれに限定されず、例えば、報知用LED30aを突部30の正面や遊技機用枠3の上端部正面に設けることで、報知用LED30aの発光態様をパチンコ遊技機1の前方から目視可能としてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、遊技者が手を前後に振る動作が、パチンコ遊技機1においてジェスチャー演出を実行させるための動作であるか否かを、店員等に解り易くするために、ジェスチャー演出の実行期間中において継続して報知用LED30aを青色に点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技者が、予めジェスチャー演出の動作内容を知っているために、ジェスチャー演出が開始される前に、ジェスチャー演出の動作を行い易いように、遊技機に接近する準備動作等を実施する場合や、ジェスチャー演出が終了しても、遊技の進行に集中していること等により、直ぐにはジェスチャー演出の動作を解除せずに、ジェスチャー演出が終了してからジェスチャー演出の動作を解除する解除動作をする場合もあるので、これらの準備動作や解除動作が実施される期間についても、これら準備動作や解除動作がジェスチャー演出を実行させるための動作であることを店員に認識させるために、報知用LED30aを青色に点灯するようにしても良い。つまり、報知用LED30aを青色に点灯して報知するタイミング(期間)は、ジェスチャーの入力が有効とされている有効期間と同一であっても良いし、これら有効期間に、準備動作が実施される可能性のある期間や解除動作が実施される可能性のある期間の少なくとも一方を加えた期間とすることで、有効期間と異なる期間としても良い。
また、前記実施例では、報知用LED30aを青色に点灯して報知するタイミング(期間)を、ジェスチャーの入力が有効とされている有効期間を全て含む形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ジェスチャーの入力が有効とされている有効期間の一部の期間のみを報知するタイミング(期間)としても良いし、これら有効期間を全てを含まずに、例えば、上述した準備動作が実施される可能性のある期間や、解除動作が実施される可能性のある期間の少なくとも一方の期間において、報知用LED30aを青色に点灯して報知するようにしても良い。