JP2014131139A - 密閉型スピーカユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】音響特性を低下させることなく、薄型化が可能な密閉型スピーカユニットを提供する。
【解決手段】筐体10の内部空間における振動板20の背面20bが臨む空間S1を気密空間に形成し、この気密空間に空気よりも比重の小さい気体Lを封入する。振動板20が振動する際の抵抗が小さくなり、振動板20を振動させるのに要するエネルギを少なくできるから、音響信号の入力に対する応答性が向上し、消費電力も低減化できる。振動板20の背面20bから出力される音が、振動板20に対し及ぼす影響が小さくなり、音響特性の悪化を防止できるから、スピーカユニットU1を密閉型にして、厚みの薄い製品を提供できる。気密空間S1は水、湿気、埃などが浸入しにくい構造であるから、スピーカユニットU1の内部が保護され、長寿命化を図れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、厚み寸法を小さくすることができる密閉型スピーカユニットに関する。
たとえば携帯電話装置などに組込まれるスピーカユニットは、小型で厚みの小さいことが要求される。図5は、このような要求に応える従来のスピーカユニットVの一例を示す断面図である。このスピーカユニットVは、たとえば携帯電話装置のハウジング8に凹部として設けられる取付部9に組込まれてスピーカを構成する。
図示するスピーカユニットVは、内部に空間を有する筐体1と、筐体1内に取付けられる振動板2と、振動板2の背面2bに連結したボイスコイル3と、ボイスコイル3の側方に配置される磁石5と、ボイスコイル3の内側へ挿入されて、振動板2の背面2bの中央領域と対向するように配置される円柱状のポールピース7と、磁石5とポールピース7とを接続するヨーク6とを備える。
スピーカユニットVの音を出力する側を前面側、その反対側を背面側とする。ハウジング8の取付部9における前面側部分には、音を通過させるための透孔8aが形成される。筐体1は、背面側において、ハウジング8との間に空間R2を形成するように、ハウジング8の取付部9に組み付けられる。筐体1の前面部には、ハウジング8に形成した透孔8aに臨む開口1aが形成される。筐体1の背面部には、振動板2の背面2bに臨む空間R1と筐体1の背面側の空間R2とを連通させる連通孔1bが形成される。振動板2は、筐体1の内面に周縁部が取付けられることにより、筐体1内で振動可能に配設される。ボイスコイル3は、筒状芯体3aの表面に導線3bを巻きつけて成り、磁石5とポールピース7との間の間隙部に配置される。
磁石5とポールピース7との間の間隙部は、磁気ギャップGと呼ばれる磁場を形成し、この磁気ギャップG内に配置されるボイスコイル3には、常時、磁力が作用する。したがって、ボイスコイル3に電流を流すと、ボイスコイル3に駆動力が発生し、この駆動力によって、ボイスコイル3と連結された振動板2が振動し、振動板2の前面2aから音が出力される構造となっている。
このような構造を有する従来のスピーカユニットVは、特許文献1〜3などに記載されている。特許文献1〜3のうち、特許文献1および2のスピーカユニットは、磁気ギャップを形成する磁石が、ボイスコイルの内側に配置されている点で、特許文献3とは異なっているが、特許文献1〜3のいずれも、振動板の背面に設けられたボイスコイルが磁気ギャップに配置され、ボイスコイルに電流を流すことで振動板を振動させて音を出力させる機構は共通である。
特許第3675950号公報 特許第2963917号公報 特開2001−300422号公報
一般に、ハウジングなどにスピーカユニットを組付けて構成したスピーカにおいて、スピーカユニットの振動板が振動するとき、その前面と背面とからは互いに逆位相の音が出力される。振動板が前面から出力する音の音圧と、背面から出力する音の音圧とは比例関係にある。そして、振動板の背面から出力された音は、筐体の内面で反射して、振動板に影響を及ぼす。このような要因のため、スピーカの筐体の容積が小さいと、振動板の前面側の音圧が、背面から出力され筐体で反射される音の音圧によって減殺される結果、振動板の前面から出力される音の音圧が低下して、音響特性が悪くなるという問題がある。
そこで,図5に示すように、従来の小型のスピーカユニットVにあっては、筐体1の内部空間における振動板2の背面2bが臨んでいる空間R1と、筐体1の背面側の空間R2とを連通孔1bを介して連通させる背面開放型の構成を採用して、筐体1の内部空間を擬似的に拡張する構造が採用されている。背面開放型とすることにより、振動板2が振動する際に、振動板2の背面から発生する逆位相の音の音圧を筐体1外部の空間R2へ逃がして、振動板2に対する影響を小さくし、振動板2の前面から出力する音の音圧が低下するのを防止している。
このように、従来の小型のスピーカユニットVは、背面開放型として、筐体1の背面側へ音圧を逃がすための空間R2を確保する必要があるから、その分だけ、スピーカユニットVの取付部9の容積を大きくしなくてはならない。したがって、たとえば携帯電話装置にあっては、スピーカユニットVの取付部9の容積を大きくする必要があるので、携帯電話装置を小型化、薄型化する上での障害となっている。
本発明の目的は、音響特性を悪化させることなく、薄型化が可能な密閉型スピーカユニットを提供することである。
本発明は、内部に空間を有する筐体と、
該筐体の内部に取付けられて該筐体の内部空間を音の出力面側とその反対面側とに区画する、音出力用の振動板とを有し、
前記筐体の内部空間における前記振動板の反対面が臨む空間が気密空間に形成され、
前記気密空間に、空気よりも比重の小さい気体が封入されていることを特徴とする密閉型スピーカユニットである。
また本発明は、前面に開口を有する筐体と、
該開口を閉塞するように該筐体に取り付けられる、音出力用の振動板とを有し、
前記振動板が臨む前記筐体の内部空間が気密空間に形成され、
前記気密空間に、空気よりも比重の小さい気体が封入されていることを特徴とする密閉型スピーカユニットである。
また本発明は、空気よりも比重の小さい前記気体が、不活性気体であることを特徴とする。
また本発明は、前記気密空間の圧力が、大気圧に等しいことを特徴とする。
また本発明は、前記気密空間の圧力が、大気圧よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、筐体の内部空間を音の出力面側と反対面側とに区画する振動板の反対面が臨む空間が気密空間に形成され、この気密空間に、空気よりも比重の小さい気体が封入される。すなわち、気密空間に封入される気体の慣性質量が、同体積の空気の慣性質量よりも小さくなる。そのため、振動板が振動する際に、振動板が反対面側へ変位するときの抵抗が小さくなるので、振動板を振動させるのに要するエネルギを少なくすることができるから、音響信号の入力に対する応答性の良好なスピーカユニットを提供できる。同時に、スピーカユニットの消費電力を低減化することができる。
また、振動板の反対面から出力される音が、筐体内部で反射して振動板に影響を及ぼすとしても、この音の影響は、空気より比重の小さい軽量な気体によるものであるから、振動板の音出力面から出力される音の音圧に対する減殺作用が小さくなり、よって、音響特性の悪化を防止することができる。したがって、スピーカユニットを密閉型にして、厚みの薄い製品を提供することができる。従来では、音響特性を改善するのに、筐体の外側に空間が必要であったのに対し、本発明によれば、筐体外部の空間を使用せずに音響特性の悪化を防止できるから、本発明に係るスピーカユニットが組込まれる製品の小型化および薄型化に寄与することができる。
さらに、振動板の反対面側に形成される気密空間は、水、湿気、埃などが浸入しにくい構造であるから、スピーカユニットの内部が保護され、長寿命化を図ることができる。
また本発明は、筐体の開口を閉塞するように取付けた振動板が臨む筐体の内部空間が気密空間に形成され、この気密空間に空気よりも比重の小さい気体が封入されているので、振動板を振動させるのに要するエネルギを小さくすることができ、音響信号の入力に対する応答性の良好なスピーカユニットを提供できると同時に、スピーカユニットの消費電力を低減化することができる。さらに、振動板の音出力面から出力される音の音圧に対し、振動板の反対面から出力される音の音圧が及ぼす減殺作用が小さくなり、音響特性の悪化が防止される。したがって、スピーカユニットの構造を密閉型として厚みを薄くできるから、筐体外部の空間が不要となり、本発明に係るスピーカユニットが組込まれる製品の小型化および薄型化に寄与することができる。さらにまた、筐体内部に形成される気密空間は、水、湿気、埃などが浸入しにくい構造であるから、スピーカユニットの内部が保護され、長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、気密空間に封入する気体を、不活性気体とするから、スピーカユニット内部に配設される各種電気部品などの酸化を防いで長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、気密空間の圧力を大気圧に等しくする場合、振動板に対し圧力差による負荷が作用せず、振動板の長寿命化を図れる。
また本発明によれば、気密空間の圧力を大気圧よりも大きくする場合、振動板に気密空間から膨張圧が作用し、振動板に適度な張力が付与されるから、音響特性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る密閉型スピーカユニットU1の概略構成を示す断面図である。 密閉型スピーカユニットU1の気密空間S1に気体Lを封入する手段の一例を説明するものであり、図2(A)は、気体Lを注入している状態の密閉型スピーカユニットU1の概略構成を示す断面図、図2(B)は、気体Lを充填した状態の密閉型スピーカユニットU1の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る密閉型スピーカユニットU2の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る密閉型スピーカユニットU3の概略構成を示す断面図である。 従来のスピーカユニットVの概略構成を示す断面図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る密閉型スピーカユニット(以下、単にスピーカユニットと言う)U1の概略構成を示す断面図、図2は、スピーカユニットU1の気密空間S1に気体Lを封入する手段の一例を説明するものであり、図2(A)は、気体Lを注入している状態のスピーカユニットU1の概略構成を示す断面図、図2(B)は、気体Lを充填した状態のスピーカユニットU1の概略構成を示す断面図である。本実施形態のスピーカユニットU1は、たとえば、携帯電話装置などのハウジング40に凹部として設けた取付部50に組込まれる。本実施形態のスピーカユニットU1は、高さの低い中空円柱状の形状である。なお、スピーカユニットU1の外形寸法は、適用対象に応じ、適宜決定すればよい。
スピーカユニットU1の振動板20における音を出力する面を前面20a、その反対側の面を背面20bとする。本実施形態のスピーカユニットU1は、内部に空間を有する筐体10と、筐体10内に周縁部20cが気密に取付けられて、筐体10の内部空間を、背面20b側の空間S1と前面20a側の空間S2とに区画する振動板20と、振動板20の背面20bに連結したボイスコイル30と、ボイスコイル30の側方に配置される磁石11と、ボイスコイル30の内側へ挿入されて、振動板20の背面20bの中央領域と対向するように配置される円柱状のポールピース13と、磁石11とポールピース13とを接続するヨーク12とを備える。
ハウジング40の取付部50における前面側部分には、音を通過させるための透孔41が形成される。筐体10は、合成樹脂などの非磁性材料で製作され、前面部に、ハウジング40の透孔41に臨む開口10aが形成される。また筐体10は、背面10bが取付部50の内面と密接するように、ハウジング40に組み込まれる。
振動板20は、通気性を持たない材料から成るフィルム状またはシート状の部材であって、合成樹脂、金属、または、これらの複合材料などで製作される。振動板20の周縁部20cが、筐体10の内面に、振動可能に且つ気密に取付けられる。
本実施形態の振動板20は、前面の中央部とその周囲とが凹曲面である形態としたが、これに限定されるものではなく、たとえば、全体を平面状とする形態、一部を平面状とする形態、全体を凸曲面とする形態、凹曲面と凸曲面とを組合わせた形態とすることなどが考えられる。
振動板20の背面20bに連結されるボイスコイル30は、中空の筒状芯体31の表面に、導線32を巻きつけて構成したものである。
ヨーク12およびポールピース13は、純鉄などの磁性材料で製作される。磁石は、フェライト磁石、アルニコ磁石、ネオジム磁石などが用いられる。本実施形態では、磁石11およびポールピース13を連結するヨーク12が、筐体10の背面10b側に組込まれている。
磁石11とポールピース13との間の間隙部は、磁気ギャップGと呼ばれる磁場を形成する。この磁気ギャップG内に配置されるボイスコイル30には、常時、磁力が作用するから、ボイスコイル30に電流を流すと、ボイスコイル30に駆動力が発生し、この駆動力によって、ボイスコイル30と連結された振動板20が振動し、振動板20の前面20aから音が出力される。
本実施形態のスピーカユニットU1は、筐体10の内部空間における、振動板20の背面20bが臨む空間S1を気密空間S1に形成し、この気密空間S1に、空気よりも比重の小さい気体Lが封入されているところを特徴とする。
筐体10内の空間S1を気密空間S1とするため、本実施形態では、筐体10と振動板20の周縁部20cとの接続部、および、筐体10とヨーク12との接合部に、気密化するために必要な処置を講じた。すなわち、筺体10と振動板20の周縁部20cとの接続部、および、筺体10とヨーク12との接合部に、接着剤などを塗布または充填することによって、これらの部分の気密性を確保している。
気密空間S1に、空気よりも比重の小さい気体Lを封入する手段は、たとえば次のような方法が考えられる。図2(A)に示すごとく、スピーカユニットU1の筺体10における、なるべく音響特性に影響を与えないと思われる箇所に貫通孔10cを形成し、この貫通孔10cから気体Lを注入して、気密空間S1を気体Lで充填したのち、図2(B)に示すごとく、貫通孔10cを接着剤などで気密に封止する。この場合、貫通孔10cは、気密空間S1への気体Lの注入と、気密空間S1内の空気の排出とを同時に行うため、筐体10の2箇所に設けるのが望ましい。また、貫通孔10cを2箇所に設ける場合は、音響特性を考慮して、図2に示すように、2つの貫通孔10cを、対向する位置に設けるのが好ましい。なお、貫通孔10cを1つだけ設け、この貫通孔10cから気密空間S1内へ細いパイプを挿入し、このパイプを通じて気体Lを注入し、気密空間S1を気体L1で充填することも可能である。
気密空間S1に封入される空気より比重の小さい気体Lとしては、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、および、これらの混合気体などが挙げられる。また、空気の一部を、ヘリウムガスなどの軽量気体で置換した混合気体も使用することができる。
前記のごとく構成された本実施形態のスピーカユニットU1は、振動板20の背面20b側の空間S1を気密空間S1とし、この気密空間S1に空気よりも比重の小さい気体L、つまり、空気より慣性質量の小さい気体Lを封入したので、振動板20が振動する際に、振動板20が背面20b側へ変位するときの抵抗が小さくなる。これにより、振動板20を振動させるのに要するエネルギを小さくすることができるから、音響信号の入力に対する応答性の良いスピーカユニットU1を提供できる。また、スピーカユニットU1の消費電力を低減化できる。
振動板20の背面20bから出力される音が、筐体10内部で反射して振動板20に影響を及ぼすことが考えられるが、この音の影響は、空気より比重の小さい軽量な気体Lによるものであるから、振動板20の前面20aから出力される音の音圧に対する減殺作用が小さくなり、音響特性の悪化を防止することができる。従来では、音響特性を改善するのに筐体10の外部に空間が必要であったのに対し、本実施形態のスピーカユニットU1によれば、筐体10外部の空間を使用せずに、音響特性の悪化を防止できるから、スピーカユニットU1を密閉型にして、厚みの薄い製品を提供することができる。よって、スピーカユニットU1が組込まれる製品の小型化および薄型化に寄与することができる。
さらに、振動板20の背面20b側に形成される気密空間S1は、水、湿気、埃などが浸入しにくい構造であるから、スピーカユニットU1の内部が保護され、長寿命化を図ることができる。
ところで、気密空間S1に封入する気体Lを、ヘリウムガスまたは窒素ガスなどの不活性気体とした場合は、スピーカユニットU1の内部に配設されるボイスコイル30などの各種電気部品が酸化するのを防止して、これらの長寿命化を図ることができる。
なお、気密空間S1内の気体Lは、圧力を大気圧に等しくすることも、大気圧よりわずかに大きくすることもできる。大気圧に等しくした場合は、振動板20に差圧による大きな負荷が作用せず、振動板20の長寿命化を図れる。気密空間S1内の気体Lの圧力を大気圧よりも大きくした場合は、振動板20に気密空間S1から膨張圧が作用し、振動板20に適度な張力が付与されるから、音響特性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係るスピーカユニットU2の概略構成を示す断面図である。第1の実施形態と共通する部材には、同じ参照符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のスピーカユニットU2は、前記第1の実施形態とは、筐体10および振動板21の構造が異なっている。本実施形態では、スピーカユニットU2の側面部および底面部の一部を構成している筐体10の前面部に、開口14aを有する前面板14を固定して一体化するともに、この開口14aを閉塞するように、振動板21が振動可能に取付けられている。
本実施形態の振動板21は、前面21a側に凸となる湾曲面に形成され、周縁部がフランジ部22によって、前面板14の開口縁部14bに、振動可能に接続されている。従って、振動板21の前面21aは、前面板14からわずかに突出する形態となっている。振動板21の背面21b側には、筒状芯体31と導線32とから成るボイスコイル30が連結されている。
振動板21の背面21bが臨む筐体10の内部空間Sは、気密空間Sに形成される。このため、筐体10と前面板14との固定部、および、振動板21とフランジ部22と開口縁部14bとの接続部は、いずれも気密性を保つように構成される。また、筐体10とヨーク12との接合部も、気密性を保つように構成される
気密空間Sには、空気よりも比重の小さい気体Lが封入される。これにより、本実施形態のスピーカユニットU2は、振動板21が振動する際の抵抗が小さくなり、振動板21を振動させるのに要するエネルギを小さくすることができるから、音響信号の入力に対し、応答性の良いスピーカユニットU2を提供できる。同時に、スピーカユニットU2の消費電力を低減化できる。
また、振動板21の背面21bから出力される音の影響は、空気より比重の小さい、すなわち慣性質量の小さい気体Lによるものであるから、振動板21の前面21aから出力される音の音圧に対する減殺作用が小さくなり、音響特性の悪化を防止できる。したがって、スピーカユニットU2を密閉型にして、厚みの薄い製品を提供することができるから、スピーカユニットU2を組込む製品の小型化および薄型化に寄与することができる。本実施形態のスピーカユニットU2は、振動板21を筐体10の前面部に位置させたので、第1の実施形態のスピーカユニットU1よりも、さらに薄型化を図ることができる。
なお、振動板21の背面21b側に形成される気密空間Sは、水、湿気、埃などが浸入しにくい保護された構造であるから、スピーカユニットU2の長寿命化を図ることができる。
気密空間Sに封入する気体Lを、ヘリウムガスまたは窒素ガスなどの不活性気体とした場合は、スピーカユニットU2の内部の各種電気部品が酸化するのを防止して、これらの長寿命化を図ることができる。
気密空間S内の気体Lの圧力を大気圧に等しくした場合は、振動板21に差圧による大きな負荷が作用せず、振動板21の長寿命化を図れる。気密空間S内の気体Lの圧力を大気圧よりも大きくした場合は、振動板21に気密空間Sから膨張圧が作用し、振動板21に適度な張力が付与されるから、音響特性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係るスピーカユニットU3の概略構成を示す断面図である。第1の実施形態と共通する部材には、同じ参照符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のスピーカユニットU3は、筐体10の内部空間の全体を気密化した点が、第1の実施形態と異なっている。すなわち、振動板20によって区画された筐体10内の背面20b側の空間S1を気密空間S1とするとともに、前面20a側の空間S2も、気密空間S2としたものである。
本実施形態にあっては、背面20b側の気密空間S1に封入する気体L1、および、前面20a側の気密空間S2に封入する気体L2を、いずれも空気より比重の小さい気体とし、両気密空間S1,S2の圧力を等しくする。
本実施形態のスピーカユニットU3は、ボイスコイル30に電流を流し、ボイスコイル30に発生させる駆動力で振動板20を振動させることによって、振動板20の前面20aから出力される音は、筐体10およびハウジング40を通過して、外部へ出力される。
本実施形態では、振動板20の前面20a側および背面20b側の両方に、空気より比重の小さい気体L1,L2を等圧で封入するから、振動板20が振動する際に気体から受ける抵抗が減少する。よって、音響信号の入力に対する応答性が向上し、消費電力が低減化するとともに、音響特性も向上したスピーカユニットU3を提供することができる。
さらに、本実施形態のスピーカユニットU3は、筐体10全体が気密構造となっているから、防水仕様のスピーカユニットU3を提供することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明に係るスピーカユニットは、携帯電話装置、スマートフォン装置、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型音響機器、ヘッドフォン、イヤフォンなどに適用することができる。なお、携帯電話装置などの、受話用スピーカと着信音などの音響出力用スピーカとの2種類のスピーカを備える機器については、本発明を両方のスピーカに適用してもよく、あるいは、いずれか一方だけに本発明を適用してもよい。
また本発明の適用対象は、小型のスピーカユニットに限定されるものではなく、密閉型のスピーカユニットであれば適用することが可能である。
10 筐体
11 磁石
12 ヨーク
13 ポールピース
20 振動板
20a 振動板の前面
20b 振動板の背面
20c 振動板の周縁部
21 振動板
22 フランジ部
30 ボイスコイル
40 ハウジング
50 取付部
G 磁気ギャップ
L 気体
S 気密空間
S1 気密空間
U1 スピーカユニット
U2 スピーカユニット
U3 スピーカユニット

Claims (5)

  1. 内部に空間を有する筐体と、
    該筐体の内部に取付けられて該筐体の内部空間を音の出力面側とその反対面側とに区画する、音出力用の振動板とを有し、
    前記筐体の内部空間における前記振動板の反対面が臨む空間が気密空間に形成され、
    前記気密空間に、空気よりも比重の小さい気体が封入されていることを特徴とする密閉型スピーカユニット。
  2. 前面に開口を有する筐体と、
    該開口を閉塞するように該筐体に取り付けられる、音出力用の振動板とを有し、
    前記振動板が臨む前記筐体の内部空間が気密空間に形成され、
    前記気密空間に、空気よりも比重の小さい気体が封入されていることを特徴とする密閉型スピーカユニット。
  3. 空気よりも比重の小さい前記気体は、不活性気体であることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型スピーカユニット。
  4. 前記気密空間の圧力は、大気圧に等しいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の密閉型スピーカユニット。
  5. 前記気密空間の圧力は、大気圧よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の密閉型スピーカユニット。
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CN113490109A (zh) * 2021-07-06 2021-10-08 维沃移动通信有限公司 声学模组及电子设备

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