JP2014130124A - 面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】テラヘルツ時間領域分光法による空間計測の分解能を向上させることができるようにする。
【解決手段】計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測対象物からの反射波の電界の計測を行い(S1)、計測によって得られた電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定し(S2)、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する(S3)ようにした。
【選択図】図1
【解決手段】計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測対象物からの反射波の電界の計測を行い(S1)、計測によって得られた電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定し(S2)、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する(S3)ようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、テラヘルツ時間領域分光イメージングによる断面構造の計測に用いて効果的な深度方向の空間分解能を向上させるための技術に関する。
テラヘルツ波技術の進展により、テラヘルツ波イメージングによる非破壊検査は様々な分野で用いられ始めている。これまでに、遮熱材の欠陥検出,隠匿物検出,薬剤のコーティング厚さ分布計測,木材やコンクリートなどの建材中の欠陥検出,絵画の塗料分析などが報告されている。テラヘルツ波はプラスチック,樹脂,セラミック,木材などを比較的良く透過するため、対象物の断面構造(言い換えると、深度方向の分布)を計測することができ、これを面内方向の二次元分布計測と組み合わせることで三次元計測が可能となる。なお、0.1〜10 THz の範囲がテラヘルツ波帯やテラヘルツ領域などと呼ばれる。
深度方向の空間分解能を得るには極めて短いパルスを用いて断面構造における各界面からの反射波を計測する。このようなパルスは10〜100 fs オーダのレーザ光を光伝導アンテナに照射することで発生させることができる。これらのパルスは、時間幅が短い分、広帯域の周波数特性を持つ。テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:Terahertz Time Domain Spectroscopy の略)ではこの特性を活かし、時間波形から対象物の吸収特性や屈折率などを得るようにしている(非特許文献1)。
Y.Lee:"Principles of terahertz science and technology",Springer,New York,2009年
しかしながら、従来のテラヘルツ時間領域分光法では、これまでの実験結果から、反射波の振幅分布に基づく、つまり全周波数成分を含む場合の空間分解能は0.6 mm 程度であり、厚さ約1 mm のセラミック層を透視した場合には1 mm 程度が空間分解能の上限(限界)であることが分かっている(福地哲生 他:「テラヘルツ波を用いた遮熱コーティングの非破壊検査における空間分解能評価」,光応用・視覚,計測合同研究会資料,LAV-12-3/IM-12-11,pp.11-16,2012年;福地哲生 他:「テラヘルツ波を用いたガスタービン用遮熱コーティングの非破壊検査技術の開発(第2報)」,電力中央研究所報告H11004,2012年)。したがって、従来のテラヘルツ時間領域分光法は空間分解能が十分に高いとは言えない。
そこで、本発明は、テラヘルツ時間領域分光法による空間計測の分解能を向上させることができる面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムを提供することを目的とする。
本発明者は、テラヘルツ時間領域分光法による空間計測の分解能の向上についての検討を重ね、反射波の電界データ(具体的には、反射波の電界の時間変化を表す波形)の周波数の範囲を限定することによって空間分解能が変化することを突き止めた。
本発明の面内空間分解能の向上方法は、上記知見に基づくものであり、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測対象物からの反射波の電界の計測を行い、計測によって得られた電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定し、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算するようにしている。
また、本発明の面内空間分解能の向上装置は、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置から読み込む手段と、電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定する手段と、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する手段とを有するようにしている。
また、本発明の面内空間分解能の向上プログラムは、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置から読み込む手段、電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定する手段、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する手段としてコンピュータを機能させるようにしている。
これら本発明の面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムによると、計測によって得られた反射波の電界データの周波数を適切に限定した上でスペクトル強度を計算するようにしているので、空間分解能の向上に対して不必要なデータが排除され、空間分解能の向上に必要なデータのみによってスペクトル強度が計算される。
また、本発明の面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムは、周波数フィルタとして数式1に示す矩形フィルタ若しくは数式2に示すガウスフィルタを用いるようにし、数式1について0.5≦a≦1.25且つ0.75≦b≦1.5(ただし、a<b)、或いは、数式2について0.5≦μ≦1.5且つ0.25≦σ≦1.0であるようにしても良い。
f:周波数 [THz],
a:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の下限周波数 [THz],
b:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の上限周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
これらの場合には、空間分解能の向上に対して不必要なデータが適切に排除されて空間分解能の向上に必要なデータのみが適切に抽出される。
また、本発明の面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムは、計算されたスペクトル強度に対して線形フィルタ,逆ガウス型フィルタ,上下左右方向エッジ強調マスク,上下左右斜め方向エッジ強調マスクのうちのいずれか一つを更に適用するようにしても良い。この場合には、コントラスト比を向上させ、空間分解能の更なる向上が図られる。
本発明の面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムによれば、空間分解能の向上に対して不必要なデータを排除し、空間分解能の向上に必要なデータのみによってスペクトル強度を計算することができるので、テラヘルツ波イメージングの空間分解性能を高め、テラヘルツパルス波を用いたイメージングによる非破壊検査技術としての有用性、延いては信頼性の向上を図ることが可能になる。具体的には、検査対象物の断面構造(即ち、深度方向の分布)の空間分解能を向上させて検査処理に対して有用な情報を提供することを可能にし、検査精度の向上が可能になる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1から図7に、本発明の面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムの実施形態の一例を示す。
本実施形態の面内空間分解能の向上方法は、図1に示すように、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測対象物からの反射波の電界の計測を行い(S1)、計測によって得られた電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定し(S2)、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する(S3)ようにしている。
また、本実施形態の面内空間分解能の向上装置は、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置としてのデータサーバ(16)から読み込む手段(11a)と、電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定する手段(11b)と、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する手段(11c)とを有する。
さらに、本実施形態の面内空間分解能の向上プログラムは、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置としてのデータサーバ(16)から読み込む手段(11a)、電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定する手段(11b)、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する手段(11c)としてコンピュータを機能させる。
そして、面内空間分解能の向上方法の実行にあたっては、まず、計測対象物にテラヘルツパルス波を照射することによる計測対象物からの反射波の電界の計測が行われる(S1)。
本発明で用いられ得るテラヘルツ波イメージング装置の一例を図3に示す。このテラヘルツ波イメージング装置は、レーザ2から出射された超短パルスレーザ光をハーフミラー8によって二つに分岐する。そして、分岐したうちの一方を送信用光伝導アンテナ3に入射して幅約1 ps のテラヘルツ波パルスを発生させ、このテラヘルツ波はレンズ4によって計測対象物1の表面上に集束され、計測対象物1から反射されたテラヘルツ波はレンズ4及び偏光子9を介して受信用光伝導アンテナ5に導かれて超短パルスレーザ光を入射した時点における電界を計測するようにしている。
テラヘルツ波の電界の時間変化を得るには、ハーフミラー8によって分岐したうちの一方のレーザ光であって送信用光伝導アンテナ3へ導入するレーザ光に対し、前記分岐したうちの他方のレーザ光であって受信用光伝導アンテナ5へ導入するレーザ光の時間遅延を走査する。この時間遅延の走査は可動ミラー6を用いて行う。本実施形態の装置では、可動ミラー6は1秒間に100回走査されるため、サンプリング周波数は100 Hz である。
受信用光伝導アンテナ5によって受信された反射波のテラヘルツ波信号は、必要に応じてアンプ(図示していない)によって増幅された後にA/Dコンバータでデジタル化され、保存される。可動ミラー6の位置を変えながら上記動作を繰り返すことによって、テラヘルツ波の時間波形として取得される。
また、送受信器(具体的にはアンテナ3,5など)は一体型のヘッドに搭載されて可動ステージ7に取り付けられている。そして、ヘッドを平面方向に走査することによってテラヘルツ波を照射する計測対象物1上の平面位置(x,y)を変えることができる。個々の平面位置(x,y)において可動ミラー6の移動による時間遅延の走査を行い、テラヘルツ波の時間波形を取得し、最終的には時間波形の2次元分布が得られる。
なお、本実施形態では図3に示すテラヘルツ波イメージング装置を用いるようにしているが、本発明で用いられ得る計測装置は図3に示すものには限られない。すなわち、テラヘルツ時間領域分光法において用いられ得るものであって、具体的には、テラヘルツ波を出射して反射波の電界(テラヘルツパルス波の振動電場の強さ)を計測し得るものであれば、どのような計測装置であっても構わない。
次に、S1の処理によって計測され取得された反射波の電界データに対して周波数フィルタを適用することによる電界データの周波数の限定が行われる(S2)。
ここで、本発明の面内空間分解能の向上方法におけるS2以降の処理は本発明の面内空間分解能の向上装置によって実行され得る。
そして、本発明の面内空間分解能の向上方法におけるS2以降の処理及びこれら処理を実行する面内空間分解能の向上装置は、本発明の面内空間分解能の向上プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現され得る。本明細書では、面内空間分解能の向上プログラムをコンピュータ上で実行することによってS2以降の処理を実行する面内空間分解能の向上装置が実現されると共に面内空間分解能の向上方法におけるS2以降の処理が実行される場合を説明する。
面内空間分解能の向上プログラム17を実行するためのコンピュータ10(本実施形態では、面内空間分解能の向上装置10でもある)の全体構成を図2に示す。このコンピュータ10(面内空間分解能の向上装置10)は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14及びメモリ15を備え相互にバス等の信号回線によって接続されている。また、コンピュータ10には記憶装置としてのデータサーバ16がバス等の信号回線によって接続されており、その信号回線を介してデータや制御指令等の信号の送受信(即ち出入力)が相互に行われる。
制御部11は記憶部12に記憶されている面内空間分解能の向上プログラム17によってコンピュータ10全体の制御並びに面内空間分解能の向上に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部12は少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
メモリ15は制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
入力部13は少なくとも作業者の命令を制御部11に与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。
表示部14は制御部11の制御によって文字や図形等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
そして、本実施形態では、上述のS1の処理において計測され取得された反射波の電界データが反射波電界データベース18としてデータサーバ16に格納(保存)される。具体的には、原点(任意)からの横方向平面位置x mm、縦方向平面位置y mm における周波数f THz 別の反射波の電界(電場)の強さF(x,y,f) a.u. の値が反射波電界データベース18に記録される。なお、データサーバ16に格納される反射波の電界の強さF(x,y,f) のデータは全ての周波数(f)成分を含むものである。また、S1の処理において計測されたデータは、例えば、計測装置から適当な記憶媒体に保存されて作業者によってデータサーバ16内の反射波電界データベース18に記録・蓄積されるようにしても良いし、計測装置から通信手段(無線・有線)を介してデータサーバ16内の反射波電界データベース18に自動的に記録・蓄積されるようにしても良い。
そして、コンピュータ10(本実施形態では、面内空間分解能の向上装置10でもある)の制御部11には、面内空間分解能の向上プログラム17を実行することにより、S1の処理において計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置としてのデータサーバ16から読み込む処理を行うデータ読込部11aと、電界データに周波数フィルタを適用して電界データの周波数を限定する処理を行う周波数フィルタ部11bと、周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する処理を行うスペクトル強度計算部11cとが構成される。
面内空間分解能の向上プログラム17が実行されることによる具体的な処理としては、まず、コンピュータ10(面内空間分解能の向上装置10)の制御部11に構成されたデータ読込部11aが反射波の電界データの読み込みを行う(S2−1)。
具体的には、データ読込部11aは、S1の処理において計測され取得されてデータサーバ16に格納されている反射波電界データベース18に記録されている反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータをデータサーバ16から読み込む。
そして、データ読込部11aは、読み込んだ反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータをメモリ15に記憶させる。
続いて、制御部11の周波数フィルタ部11bが、反射波の電界データに対して周波数フィルタを適用することによる電界データの周波数の限定を行う(S2−2)。
具体的には、周波数フィルタ部11bは、S2−1の処理においてメモリ15に記憶された反射波の電界の強さF(x,y,f) のデータをメモリ15から読み込む。
そして、周波数フィルタ部11bは、周波数フィルタを適用して反射波の電界データの周波数帯域を限定する。本発明における周波数フィルタとしては、例えば、周波数軸(周波数の並び)に対して関数値が矩形の分布型を有する矩形フィルタ(数式3)やガウス分布型を有するガウスフィルタ(数式4)が用いられ得る。
f:周波数 [THz],
a:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の下限周波数 [THz],
b:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の上限周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
なお、矩形フィルタにおける、フィルタ関数によって限定する周波数帯域の下限周波数a THz の値は0.5〜1.25 THz の範囲で適宜選択されると共に上限周波数b THz の値は0.75〜1.5 THz の範囲で適宜選択され、0.75≦a≦1.25且つ1.0≦b≦1.5が好ましく、1.00≦a≦1.25且つ1.25≦b≦1.5がより一層好ましい(ただし、いずれについてもa<b)。また、b−a≧0.25が好ましく、b−a=0.5がより一層好ましい。以上を踏まえて具体的には例えば、a=0.5且つb=0.75,a=0.75且つb=1.0が選択され得て、a=0.5且つb=1.0が好ましく(図4)、a=1.0且つb=1.25,a=1.25且つb=1.5がより一層好ましく、a=1.0且つb=1.5が最も好ましい(図5)。
また、ガウスフィルタにおける、フィルタ関数によって着目する周波数帯域の中心周波数σ THz の値は、0.5〜1.5 THz の範囲で適宜選択され、0.75≦σ≦1.5が好ましく(σ=0.75:図6)、1.0≦σ≦1.5がより一層好ましく、σ=1.25が更に好ましい(図7)。
また、分散値σの値は、0.25〜1.0 THzの範囲で適宜選択され、0.25≦σ≦0.75が好ましく、0.4≦σ≦0.6がより一層好ましく、σ=0.5が更に好ましい。
そして、周波数フィルタ部11bは、周波数フィルタを適用した後の反射波の電界の強さFflt(x,y,f)を数式5によって計算する。
ここに、Fflt(x,y,f):周波数フィルタ適用後の反射波の電界の強さ [a.u.],
w(f):フィルタ関数,
F(x,y,f):反射波の電界の強さ(計測値) [a.u],
x:原点(任意)からの横方向平面位置 [mm],
y:原点(任意)からの縦方向平面位置 [mm],
f:周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
w(f):フィルタ関数,
F(x,y,f):反射波の電界の強さ(計測値) [a.u],
x:原点(任意)からの横方向平面位置 [mm],
y:原点(任意)からの縦方向平面位置 [mm],
f:周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
そして、周波数フィルタ部11bは、計算した周波数フィルタ適用後の反射波の電界の強さFflt(x,y,f)の値をメモリ15に記憶させる。
次に、S2−2の処理によって計算された周波数フィルタ適用後の周波数が限定された反射波の電界の強さFflt(x,y,f)のデータを用いてのスペクトル強度の計算を行う(S3)。
具体的には、スペクトル強度計算部11cは、S2−2の処理においてメモリ15に記憶された周波数フィルタ適用後の反射波の電界の強さFflt(x,y,f)の値をメモリ15から読み込み、平面位置(x,y)別の全周波数成分を積算したスペクトル強度S(x,y)を、数式6によって計算する。
Fflt(x,y,f):周波数フィルタ適用後の反射波の電界の強さ [a.u.],
x:原点(任意)からの横方向平面位置 [mm],
y:原点(任意)からの縦方向平面位置 [mm],
f:周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
そして、スペクトル計算部11bは、S3までの処理による計算結果として、計算した平面位置(x,y)別のスペクトル強度S(x,y)の値を、表示部14に表示したり、例えば記憶部12やデータサーバ16に計算結果データファイルとして保存したりする。
そして、制御部11は、面内空間分解能の向上の処理を終了する(END)。
以上の構成を有する本発明の面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラムによれば、計測によって得られた反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータの周波数fを適切に限定した上でスペクトル強度S(x,y)を計算するようにしているので、空間分解能の向上に対して不必要なデータを排除し、空間分解能の向上に必要なデータのみによってスペクトル強度を計算することができ、テラヘルツ波イメージングの空間分解性能を高め、テラヘルツパルス波を用いたイメージングによる非破壊検査技術としての有用性、延いては信頼性の向上を図ることが可能になる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるが本発明の実施の形態がこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータが蓄積される記憶手段をデータサーバ16としているが、記憶部12でも良いし、他の記憶装置を用いるようにしても良い。また、反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータを記憶装置に一旦蓄積することなく、計測装置からコンピュータ10(面内空間分解能の向上装置10)に直接入力し、入力されたデータから処理を順次行うようにしても良い。
また、上述の実施形態における周波数フィルタの適用結果に、他のフィルタ・他の画像処理を更に適用するようにしても良い。ここで、更に適用するフィルタ・画像処理は、特定のものに限定されるものではなく、具体的には例えば空間周波数フィルタや画像フィルタなどが考えられる。
(空間周波数フィルタの適用)
空間周波数フィルタは、「投影」を行った後の二次元分布に対して二次元フーリエ変換を行い、空間周波数(kx,ky)特性に対してフィルタ処理を行うものである。すなわち、もとの強度分布をI(x,y),その二次元フーリエ変換をF(kx,ky),空間周波数フィルタをH(kx,ky)とすると、処理後の強度分布I'(x,y)は数式7で表される。
空間周波数フィルタは、「投影」を行った後の二次元分布に対して二次元フーリエ変換を行い、空間周波数(kx,ky)特性に対してフィルタ処理を行うものである。すなわち、もとの強度分布をI(x,y),その二次元フーリエ変換をF(kx,ky),空間周波数フィルタをH(kx,ky)とすると、処理後の強度分布I'(x,y)は数式7で表される。
空間分解能の向上に有効な空間周波数フィルタとしてはハイパスフィルタが挙げられる。具体的には、急峻なカットオフを用いると処理画像が劣化するため、数式8に示す線形フィルタHL、或いは、数式9に示す逆ガウス型フィルタHGなどが具体的には挙げられる。ここで、k=(kx+ky)1/2である。
数式8における定数k1及びk2は、画像化に用いる空間周波数成分の範囲を決めるものであり、特定の値に限定されるものではなく、フィルタを適用するデータの特性などを考慮して適宜設定される。例えば、テラヘルツ波イメージング結果のサンプリング間隔やフィルタ適用前の解像度などを考慮して適宜設定される。
具体的には例えば、テラヘルツ波イメージング結果がサンプリング間隔0.2 mm にて250×250点(つまり、計測範囲は50 mm ×50 mm)測定したものである場合には、二次元フーリエ変換における空間周波数の最低値は1/50 mm =0.02 mm-1,最高値は125/50 mm =2.5 mm-1 になる。そして、フィルタ適用前の解像度が例えば1.6 mm-1 程度である場合には、この値がk1とk2との中間付近に来るようにk1=0.4 mm-1,k2=2.5 mm-1 に設定されることが例として挙げられる。
なお、画像の適切なコントラストを保つため、k<k1の場合について、HL=0ではなく、HLがゼロよりも大きい値(具体的には例えば、HL=0.05)に設定されても良い。
一方、数式9における定数aは、フィルタ適用後に残留する平均輝度の割合を示すものであり、特定の値に限定されるものではなく、フィルタを適用するデータの特性など考慮して適宜設定される。例えば、フィルタ適用前の解像度などを考慮して適宜設定される。
具体的には例えば、画像の適切なコントラストを保つことを考慮してa=0.95に設定されることが例として挙げられる(なお、コントラストを保つ必要がない場合は、a=1.0に設定される場合もある)。
また、数式9における定数Δkは、空間周波数フィルタの幅を示すものであり、特定の値に限定されるものではなく、フィルタを適用するデータの特性などを考慮して適宜設定される。例えば、フィルタ適用前の解像度に相当するk=1.6 mm-1 においてHG=0.5になるようにΔkが設定される、すなわち、0.5=1−0.95exp[−(1.6/Δk)2]からΔk=2.0 mm-1 に設定されることが例として挙げられる。
そして、上述の実施形態の周波数フィルタの適用結果への空間周波数フィルタの更なる適用として、具体的には、S3までの処理による計算結果としての平面位置(x,y)別のスペクトル強度S(x,y)に対し、数式8で表される線形フィルタHLを適用したり、数式9で表される逆ガウス型フィルタHGを適用したりする。つまり、面内空間分解能の向上装置であれば、数式8で表される線形フィルタHLを適用する手段を更に有するようにしたり、数式9で表される逆ガウス型フィルタHGを適用する手段を更に有するようにしたりし、或いは、面内空間分解能の向上プログラムであれば、数式8で表される線形フィルタHLを適用する手段としてもコンピュータを機能させるようにしたり、数式9で表される逆ガウス型フィルタHGを適用する手段としてもコンピュータを機能させるようにしたりする。
(画像フィルタの適用)
空間分解能の向上に有効な画像フィルタとしては原画像の2次元行列とマスクと呼ばれる2次元行列Kとの畳み込みを行うものが挙げられる。具体的には、原画像の画素(i,j)における輝度をIijとした場合、処理後の輝度I'ijは数式10で表される。
空間分解能の向上に有効な画像フィルタとしては原画像の2次元行列とマスクと呼ばれる2次元行列Kとの畳み込みを行うものが挙げられる。具体的には、原画像の画素(i,j)における輝度をIijとした場合、処理後の輝度I'ijは数式10で表される。
数式10において、Iij;klは画素(i,j)を中心とする、大きさk×lの副行列であり、マスクと同じ大きさである。一例として、エッジ強調に用いられるラプラシアン(Laplacian)フィルタの場合のマスクKLは数式11で与えられる。以下では、「ラプラシアン」はこのフィルタを適用した結果を示す。
数式12におけるαは、原画像に対するラプラシアンの割合を示すパラメータであり、α=0は処理なし(即ち、原画像のまま)の場合に、α=1は原画像とラプラシアンとを重畳した場合に、α>>1は原画像の平均輝度を維持したラプラシアンに、それぞれ相当する。
そして、上述の実施形態の周波数フィルタの適用結果への画像フィルタの更なる適用として、具体的には、S3までの処理による計算結果としての平面位置(x,y)別のスペクトル強度S(x,y)に対し、数式12で表される上下左右方向エッジ強調マスクKUを適用したり、数式13で表される上下左右斜め方向エッジ強調マスクKVを適用したりする。つまり、面内空間分解能の向上装置であれば、数式12で表される上下左右方向エッジ強調マスクKUを適用する手段を更に有するようにしたり、数式13で表される上下左右斜め方向エッジ強調マスクKVを適用する手段を更に有するようにしたりし、或いは、面内空間分解能の向上プログラムであれば、数式12で表される上下左右方向エッジ強調マスクKUを適用する手段としてもコンピュータを機能させるようにしたり、数式13で表される上下左右斜め方向エッジ強調マスクKVを適用する手段としてもコンピュータを機能させるようにしたりする。
本発明の面内空間分解能の向上方法によるテラヘルツ波イメージングにおける空間分解能の向上効果を検証した実施例を図8から図17を用いて説明する。
(1)検証方法
本実施例では、図3に示すテラヘルツ波イメージング装置(具体的には、Picometrix社製・T-Ray4000)を用いると共に、図8に示す光学機器用の解像度ターゲット(テストパターン)を用いて検証を行った。なお、0〜2 THz の周波数帯域で計測を行った。
本実施例では、図3に示すテラヘルツ波イメージング装置(具体的には、Picometrix社製・T-Ray4000)を用いると共に、図8に示す光学機器用の解像度ターゲット(テストパターン)を用いて検証を行った。なお、0〜2 THz の周波数帯域で計測を行った。
ここで、既存の検討により、反射波の振幅分布に基づく、全周波数成分を含む場合の空間分解能評価を行い、0.6 mm 程度の空間分解能であることが確認されている(福地哲生 他:「テラヘルツ波を用いた遮熱コーティングの非破壊検査における空間分解能評価」,光応用・視覚,計測合同研究会資料,LAV−12−3/IM−12−11,pp.11−16,2012年)。
本実施例で用いたテストパターン(図8)は、ソーダ石灰ガラスに縦横方向に5本の線群から成るパターンをクロム蒸着したものであり、米国国立標準技術研究所(NIST)の規格NBS1963Aに準拠している。線群の間隔は最大1.0 mm から最小0.055 mm であり、線幅は間隔の1/2である。テストパターン中の各線群に付されている数値は1 mm あたりの線数であり、線間隔 [mm]はその逆数になる。なお、以下においては、各線群に付されている数値を用いて、例えば「線群1.0」や「線群1.1」のように各線群のことを表記する。
ここでは、図4〜7に示す周波数フィルタを用いて反射波の電界データの周波数帯域を限定し、イメージング結果を比較した。
そして、数式6によって、矩形フィルタを用いた場合は、矩形範囲として指定した周波数帯域における反射波のスペクトル強度の積分値を計算し、一方、ガウスフィルタを用いた場合は、反射波のスペクトル強度分布とガウス分布との畳み込み積分値を計算した。
(2)検証結果
まず、本発明の面内空間分解能の向上方法を適用しないで(即ち、周波数フィルタを適用しないで)、テストパターンからの反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータを用いて全周波数帯域におけるスペクトル強度を積算して図9に示す反射波の電界強度分布が得られた。
まず、本発明の面内空間分解能の向上方法を適用しないで(即ち、周波数フィルタを適用しないで)、テストパターンからの反射波の電界の強さF(x,y,f)のデータを用いて全周波数帯域におけるスペクトル強度を積算して図9に示す反射波の電界強度分布が得られた。
図9に示す結果から、個別の線として識別できる線群は1.6以下(即ち、線間隔0.625 mm 以上)であることが確認された。なお、識別の可否は、線群の各線方向に対して直交する直線上の強度分布に5つの有意な極小値が確認できるか否かで判断した(図10に一例を示す)。
次に、テストパターンからの反射波の電界データに、帯域0.5〜1.0 THz の矩形フィルタ(図4参照)を適用した上でスペクトル強度を積算して図11に示す結果が得られ、また、帯域1.0〜1.5 THz の矩形フィルタ(図5参照)を適用した上でスペクトル強度を積算して図12に示す結果が得られた。
図11における解像度は図9と大きく変わらないことが確認された。一方、図12における解像度は図9と比べて明らかに改善されており、縦線は線群2.5(線間隔0.40 mm)、横線は線群2.0(線間隔0.50 mm)の場合でも識別可能であることが確認された。なお、横方向と縦方向との分解能が異なるのは、送受信器を搭載した可動ステージ7のたわみが影響しているためと考えられた。
また、テストパターンからの反射波の電界データに、中心周波数0.75 THz のガウスフィルタ(図6参照)を適用した上でスペクトル強度を積算して図13に示す結果が得られ、中心周波数1.25 THz のガウスフィルタ(図7参照)を適用した上でスペクトル強度を積算して図14に示す結果が得られた。なお、ガウスフィルタの半値全幅は0.35 THz とした。
図13における解像度は図9や図11と大きく変わらないことが確認された。一方、図14においては、縦線は線群2.5(線間隔0.40 mm)、横線は線群2.0(線間隔0.50 mm)の場合でも識別可能であり、図12における解像度と殆ど同じであることが確認された。
また,図9と図11〜14とを比較し、周波数フィルタの適用によって線群の濃淡(コントラスト)が増加していることが確認された。これは、各線群に対して直交する方向の強度分布の変調度が向上していることによると考えられた。図9,12,14中の線群1.6(線間隔0.625 mm)に対して直交する直線上の強度分布を求めて図10に示す結果が得られた。
図10に示す結果から、周波数フィルタ無しの場合でも5つの極小値が確認でき、個別の線が読み取れると判断できるものの、変調度(即ち、極大値と極小値との差を平均値で除算した指標)は4%程度であることが確認された。一方で、1.0〜1.5 THz の矩形フィルタ又は中心周波数1.25 THz のガウスフィルタを用いた場合の変調度は40%程度であり、フィルタ無しの場合と比べて1桁向上することが確認された。
また、周波数フィルタの適用による濃淡(コントラスト)の向上を定量的に評価するため、図9,11〜14中の線群1.0〜2.0(線間隔0.5〜1.0 mm)について、線群に対して直交する直線上の強度分布から5つの極大値の平均値Imaxと5つの極小値の平均値Iminとを求め、C=(Imax−Imin)/(Imax+Imin)で与えられるコントラスト比を算出して図15に示す結果が得られた。なお、コントラスト比Cの値が大きいほど濃淡が明確であり、完全な灰色の場合はコントラスト比C=0、完全な白黒の場合はコントラストC=1になる。
図15に示す結果から、周波数帯域1.0〜1.5 THz の矩形フィルタ又は中心周波数1.25 THz のガウスフィルタを用いることにより、コントラスト比を4倍以上向上させることが可能であることが確認された。
以上の結果から、テラヘルツ波イメージングにおいて、周波数フィルタを用いて反射波の電界データの周波数帯域を適切に限定することによって空間分解能とコントラスト比との向上が可能であることが確認された。具体的には、本発明を適用することにより、本発明を適用しない場合(即ち、全周波数帯域を用いた場合)には0.6 mm 程度である空間分解能を0.40 mm まで向上させることが可能であり、また、本発明を適用しない場合と比べてコントラスト比を4倍以上向上させることが可能であることが確認された。なお、空間分解能の向上効果は周波数フィルタの形状が異なっても大きな差違はなく、矩形フィルタでもガウスフィルタでも同様の結果が得られることが確認された。
(3)更なるフィルタ・画像処理の適用
次に、周波数フィルタの適用結果に対して他のフィルタや画像処理を更に適用した場合の空間分解能の向上効果を検証した。
次に、周波数フィルタの適用結果に対して他のフィルタや画像処理を更に適用した場合の空間分解能の向上効果を検証した。
まず、周波数フィルタ(ガウスフィルタ:中心周波数1.25 THz,半値全幅0.40 THz)の適用結果に空間周波数フィルタである逆ガウス型フィルタHGを更に適用して図16に示す結果が得られた。なお、図16の右図は、左図(画像)中の破線内の輝度を横方向に積算した結果である。また、逆ガウス型フィルタHGを表す数式9に関し、a=0.95,Δk=2.0 mm-1 にされた。
図16に示す結果から、線群2.5の5本の線を明確に判別することができると共に、コントラスト比が大幅に向上することが確認された。
また、周波数フィルタ(ガウスフィルタ:中心周波数1.25 THz,半値全幅0.40 THz)の適用結果に上下左右方向エッジ強調マスクKUを更に適用して図17に示す結果が得られた。なお、図17の右図は、左図(画像)中の破線内の輝度を横方向に積算した結果である。また、上下左右方向エッジ強調マスクKUを表す数式12に関し、α=3.0にされた。
図17に示す結果から、線群2.5の5本の線を明確に判別することができると共に、コントラスト比が大幅に向上することが確認された。
以上の結果から、周波数フィルタの適用結果に空間周波数フィルタ若しくは画像フィルタ(エッジ強調マスク)を更に適用することにより、コントラスト比が大幅に向上し、空間分解能の更なる向上が可能であることが確認された。
10 面内空間分解能の向上装置
17 面内空間分解能の向上プログラム
17 面内空間分解能の向上プログラム
Claims (9)
- 計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測対象物からの反射波の電界の計測を行い、前記計測によって得られた電界データに周波数フィルタを適用して前記電界データの周波数を限定し、前記周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算することを特徴とする面内空間分解能の向上方法。
- 前記周波数フィルタとして以下の数式1に示す矩形フィルタ
f:周波数 [THz],
a:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の下限周波数 [THz],
b:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の上限周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
若しくは以下の数式2に示すガウスフィルタ
f:周波数 [THz],
μ:フィルタ関数によって着目する周波数帯域の中心周波数 [THz],
σ:フィルタ関数としての分散値
をそれぞれ表す。
を用いるようにし、数式1について0.5≦a≦1.25且つ0.75≦b≦1.5(ただし、a<b)、或いは、数式2について0.5≦μ≦1.5且つ0.25≦σ≦1.0であることを特徴とする請求項1記載の面内空間分解能の向上方法。 - 計算された前記スペクトル強度に対して線形フィルタ,逆ガウス型フィルタ,上下左右方向エッジ強調マスク,上下左右斜め方向エッジ強調マスクのうちのいずれか一つを更に適用することを特徴とする請求項1記載の面内空間分解能の向上方法。
- 計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置から読み込む手段と、前記電界データに周波数フィルタを適用して前記電界データの周波数を限定する手段と、前記周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する手段とを有することを特徴とする面内空間分解能の向上装置。
- 前記周波数フィルタとして以下の数式3に示す矩形フィルタ
f:周波数 [THz],
a:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の下限周波数 [THz],
b:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の上限周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
若しくは以下の数式4に示すガウスフィルタ
f:周波数 [THz],
μ:フィルタ関数によって着目する周波数帯域の中心周波数 [THz],
σ:フィルタ関数としての分散値
をそれぞれ表す。
を用いるようにし、数式3について0.5≦a≦1.25且つ0.75≦b≦1.5(ただし、a<b)、或いは、数式4について0.5≦μ≦1.5且つ0.25≦σ≦1.0であることを特徴とする請求項4記載の面内空間分解能の向上装置。 - 計算された前記スペクトル強度に対して線形フィルタ,逆ガウス型フィルタ,上下左右方向エッジ強調マスク,上下左右斜め方向エッジ強調マスクのうちのいずれか一つを適用する手段を更に有することを特徴とする請求項4記載の面内空間分解能の向上装置。
- 計測対象物にテラヘルツパルス波を照射して計測された計測対象物からの反射波の電界データを記憶装置から読み込む手段、前記電界データに周波数フィルタを適用して前記電界データの周波数を限定する手段、前記周波数が限定された電界データを用いてスペクトル強度を計算する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする面内空間分解能の向上プログラム。
- 前記周波数フィルタとして以下の数式5に示す矩形フィルタ
f:周波数 [THz],
a:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の下限周波数 [THz],
b:フィルタ関数によって限定する周波数帯域の上限周波数 [THz]
をそれぞれ表す。
若しくは以下の数式6に示すガウスフィルタ
f:周波数 [THz],
μ:フィルタ関数によって着目する周波数帯域の中心周波数 [THz],
σ:フィルタ関数としての分散値
をそれぞれ表す。
を用いるようにし、数式5について0.5≦a≦1.25且つ0.75≦b≦1.5(ただし、a<b)、或いは、数式6について0.5≦μ≦1.5且つ0.25≦σ≦1.0であることを特徴とする請求項7記載の面内空間分解能の向上プログラム。 - 計算された前記スペクトル強度に対して線形フィルタ,逆ガウス型フィルタ,上下左右方向エッジ強調マスク,上下左右斜め方向エッジ強調マスクのうちのいずれか一つを適用する手段としてもコンピュータを機能させることを特徴とする請求項7記載の面内空間分解能の向上プログラム。
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JP2013127287A JP2014130124A (ja) | 2012-11-28 | 2013-06-18 | 面内空間分解能の向上方法、向上装置及び向上プログラム |
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JP2016090550A (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-23 | パイオニア株式会社 | 情報取得装置及び固定具 |
-
2013
- 2013-06-18 JP JP2013127287A patent/JP2014130124A/ja active Pending
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