JP2014127518A - 放熱フィルム、並びにその製造方法及び装置 - Google Patents

放熱フィルム、並びにその製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型の電子機器内の電子部品等から発生する熱を効率よく外部に放熱し得る安価な放熱フィルムを提供する。
【解決手段】 グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する伝熱層11と、伝熱層11の少なくとも一方の面に接着されたプラスチックフィルム12とからなり、伝熱層11の厚さが30〜250 g/m2(1 m2当たりのグラフェン微粒子の重量で表す。)であり、伝熱層11におけるバインダ樹脂とグラフェン微粒子との質量比が0.001〜0.1であり、かつ伝熱層11内のグラフェン微粒子がプラスチックフィルム12と実質的に平行に配向している放熱フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ノート型パソコン、スマートフォン、携帯電話等における電子部品等から発生する熱を効率よく外部に放熱するために使用する放熱フィルム、及びその製造方法及び装置に関する。
高性能化及び多機能化が進むノート型パソコン、スマートフォン、携帯電話等の小型の電子機器では、マイクロプロセッサー、画像処理チップ、メモリー等の電子部品を密に実装しなければならないので、熱による誤作動を防止するために、それらの電子部品の放熱が重要になってきている。
電子部品の放熱用に、従来からグラファイトシートを用いた放熱シートが提案されている。例えば、特開2006-306068号(特許文献1)は、少なくともグラファイトフィルムと粘着性樹脂組成物とを含み、粘着性樹脂組成物が反応硬化型ビニル系重合体である熱伝導シートを開示している。グラファイトフィルムは、(a) エキスパンド法により作製された膨張黒鉛、又は(b) ポリイミドフィルム等を2400℃以上の温度で熱処理することにより得られたものである。膨張黒鉛からなるグラファイトフィルムは、グラファイトを硫酸等の酸に浸漬してグラファイト層間化合物を作製し、熱処理により発泡させてグラファイト層間を剥離し、得られたグラファイト粉末を洗浄して酸を除去し、得られた薄膜状のグラファイト粉末をロール圧延することにより得られる。しかし、膨張黒鉛からなるグラファイトフィルムは膜強度が不十分である。またポリイミドフィルム等の熱処理により得られたグラファイトフィルムは高い放熱性を有するが、高価である。
特開2012-211259号(特許文献2)は、グラファイト片を含有する熱伝導シートであって、グラファイト片は、熱分解グラファイトシートを細長く切断した複数個の第一のグラファイト片と、第一のグラファイト片の短辺長さより小さい第二のグラファイト片とからなり、少なくとも第一のグラファイト片が熱伝導シートの両面を連結している熱伝導シートを開示している。この熱伝導シートは、例えばアクリルポリマー及び溶媒の混合物に、第一及び第二のグラファイト片をブレンドし、押出成形することにより得られる。しかし、押出成形してなる熱伝導シートでは、樹脂の体積分率が大きいので、十分な放熱性が得られない。
特開2012-140308号(特許文献3)は、第一の基板(例えば、銅基板上にニッケル触媒層を形成したもの)上に形成された一層又は複数層のグラフェン膜と第二の基板(プラスチック等)とを、揮発成分の含有量が1重量%未満で粘着性を有する樹脂層により張り合わせる工程と、上記第一の基板を除去する工程とを有するグラフェン膜の転写方法を開示している。しかし、グラフェン膜はCVD法により形成され、十分な膜厚にするのに非常に時間がかかる。その結果、グラフェン膜は高価にならざるを得ない。
特開2006-306068号公報 特開2012-211259号公報 特開2012-140308号公報
従って本発明の第一の目的は、小型の電子機器内の電子部品等から発生する熱を効率よく外部に放熱し得る安価な放熱フィルムを提供することである。
本発明の第二の目的は、かかる放熱フィルムを低コストで製造する方法及び装置を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、優れた熱伝導率を有するグラフェン微粒子と少量のバインダ樹脂とを含有する分散液を基板上に複数回に分けてスプレーすることにより、グラフェン微粒子が均一に分散した塗膜を形成し、次いでこの塗膜を圧延すると、均一に分散したグラフェン微粒子が少量のバインダ樹脂で密に接着された放熱フィルムが得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の放熱フィルムは、グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する伝熱層と、前記伝熱層の少なくとも一方の面に接着されたプラスチックフィルムとからなり、前記伝熱層の厚さが30〜250 g/m2(1 m2当たりのグラフェン微粒子の重量で表す。)であり、前記伝熱層における前記バインダ樹脂と前記グラフェン微粒子との質量比が0.001〜0.1であり、かつ前記伝熱層内の前記グラフェン微粒子が前記プラスチックフィルムと実質的に平行に配向していることを特徴とする。
前記放熱フィルムの熱伝導率は200 W/mK以上であるのが好ましい。前記放熱フィルムの表面抵抗は5Ω/□以下であるのが好ましい。前記放熱フィルムの電磁波シールド率(反射率)は90%以上であるのが好ましい。
前記グラフェン微粒子は5〜100μmの平均径及び5〜50 nmの平均厚さを有するのが好ましい。
前記バインダ樹脂はアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂又はポリビニルアルコールであるのが好ましい。
上記放熱フィルムを製造する本発明の方法は、(1) 1〜10質量%のグラフェン微粒子及び0.001〜1質量%のバインダ樹脂を含有し、前記バインダ樹脂と前記グラフェン微粒子との質量比が0.001〜0.1である有機溶媒分散液を各第一のプラスチックフィルムの一面に塗布した後乾燥する工程を複数回繰り返すことにより、前記プラスチックフィルムの一面にグラフェン微粒子及びバインダ樹脂からなる塗布層を形成し、(2) 一面に前記塗布層を有する一対の第一のプラスチックフィルムを前記塗布層を内側にして接着することにより、前記塗布層の両面にプラスチックフィルムを有する積層フィルムを形成し、(3) 前記積層フィルムを熱圧着することにより、前記塗布層を一体化するとともに薄肉化し、もってグラフェン微粒子及びバインダ樹脂からなる緻密な伝熱層を形成することを特徴とする。
前記分散液の一回の塗布量を1〜5 g/m2(1 m2当たりのグラフェン微粒子の重量で表す。)とするのが好ましい。
前記有機溶媒はケトン類、芳香族炭化水素類及びアルコール類からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
前記分散液の塗布をスプレー法により行うのが好ましい。
加熱雰囲気中で、前記プラスチックフィルムの進行方向に所定の間隔で配列された複数のノズルから、グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する有機溶媒分散液をスプレーすることにより、前記分散液の塗布及び乾燥を複数回に分けて行うのが好ましい。
前記乾燥工程を30〜100℃に加熱することにより行うのが好ましい。
前記熱圧着温度は150〜250℃であるのが好ましい。前記熱圧着圧力は10 MPa以上であるのが好ましい。
熱圧着した後の前記積層フィルムの両面から前記第一のプラスチックフィルムを剥離し、露出した前記伝熱層の少なくとも一方の面に第二のプラスチックフィルムを接着するのが好ましい。
前記第二のプラスチックフィルムを前記第一のプラスチックフィルムより薄くするのが好ましい。
前記第一のプラスチックフィルムを耐熱性樹脂により形成するのが好ましい。
前記第二のプラスチックフィルムは、前記伝熱層に貼付される側にシーラント層を有するのが好ましい。
前記伝熱層の一方の面だけにプラスチックフィルムを接着する場合、(1) 前記第一のプラスチックフィルムの一方だけを剥離するか、(2) 前記第一のプラスチックフィルムの両方を剥離し、露出した前記伝熱層の一方の面だけに第二のプラスチックフィルムを接着するのが好ましい。いずれの場合も、プラスチックフィルムのない前記伝熱層の面に接着層を形成するのが好ましい。
上記放熱フィルムを製造する本発明の装置は、(a) 一対の第一のプラスチックフィルムを搬送する手段と、(b) 各第一のプラスチックフィルムにグラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する分散液を複数回に分けて塗布するように、各第一のプラスチックフィルムの進行方向に沿って所定の間隔で配置された複数の分散液塗布手段と、(c) 前記分散液を塗布ごとに乾燥させる手段と、(d) 前記分散液の塗布・乾燥により得られた塗布層を有する一対の第一のプラスチックフィルムを前記塗布層を内側にして積層するロールと、(e) 得られた積層フィルムを熱圧着するロールとを具備することを特徴とする。
前記手段(a) により各第一のプラスチックフィルムは前記積層用ロールの両側に水平に搬送されるのが好ましい。
分散液塗布手段はスプレーノズルであるのが好ましい。
前記プラスチックフィルムの進行方向に所定の間隔で複数のノズルが配列されており、加熱雰囲気中で前記ノズルから、グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する有機溶媒分散液をスプレーし、もって前記分散液の塗布及び乾燥を複数回に分けて行うのが好ましい。
前記積層用ロール及び前記熱圧着用ロールはともにヒートロールであるのが好ましい。
前記熱圧着用ロールの下流に、前記積層フィルムから前記第一のプラスチックフィルムを剥離する手段と、露出した前記伝熱層の少なくとも一方の面に第二のプラスチックフィルムを接着する手段とを具備するのが好ましい。
前記第二のプラスチックフィルムは前記伝熱層に貼付される側にシーラント層を有し、露出した前記伝熱層の面に第二のプラスチックフィルムを接着する手段は、熱ラミネーション用ロールであるのが好ましい。
本発明の放熱フィルムは、ごく少量のバインダ樹脂により結合されたほぼ平行かつ均一に分散したグラフェン微粒子を含有する伝熱層を有するので、高い熱伝導率を有する。また、本発明の方法及び装置は、グラフェン微粒子とごく少量のバインダ樹脂とを含有する分散液を複数回に分けて塗布することにより伝熱層を形成するので、放熱フィルムを低コストで製造することができる。このような特徴を有する本発明の放熱フィルムは、ノート型パソコン、スマートフォン、携帯電話等の小型の電子機器に使用するのに好適である。
本発明の一実施形態による放熱フィルムを示す断面図である。 本発明に用いるグラフェン微粒子を示す概略斜視図である。 グラフェン微粒子の粒径を求める方法を示す概略図である。 グラフェン微粒子が凝集した伝熱層におけるグラフェン微粒子の分布を示す概略図である。 プラスチックフィルムにグラフェン微粒子の分散液を厚く塗布した結果、グラフェン微粒子が凝集した状態を示す断面図である。 プラスチックフィルムに分散液を薄く塗布した結果、グラフェン微粒子の均一な分散が維持されている状態を概略的に示す断面図である。 プラスチックフィルムに塗布した分散液を乾燥した後、グラフェン微粒子の分散液を薄く塗布した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態による放熱フィルムの製造装置を示す断面図である。 放熱フィルムの第一のプラスチックフィルムを第二のプラスチックフィルムに張替える方法の一例を示す断面図である。 放熱フィルムの放熱試験装置を示す概略断面図である。 図10の分解図である。 放熱試験装置に載置した放熱フィルム試験片の温度の測定点を示す平面図である。 実施例1の放熱フィルム試験片の放熱試験結果を示すグラフである。 比較例1のアルミニウム箔試験片の放熱試験結果を示すグラフである。 実施例2の放熱フィルムについて、放熱試験における最高温度とグラフェン微粒子の塗布量との関係を示すグラフである。 実施例2の放熱フィルムについて、表面抵抗とグラフェン微粒子の塗布量との関係を示すグラフである。 実施例2において、グラフェン微粒子の塗布量が120 g/m2の放熱フィルムの電磁波シールド率を示すグラフである。 実施例2において、グラフェン微粒子の塗布量が120 g/m2の放熱フィルムの断面を示す電子顕微鏡写真である。 実施例3において、放熱試験における最高温度とPMMA/グラフェン微粒子の質量比との関係を示すグラフである。 実施例4の各放熱フィルムの放熱試験における最高温度Tmaxを示すグラフである。 実施例5及び比較例2の放熱フィルムの放熱試験における最高温度Tmaxを示すグラフである。
本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、特に断りがなければ一つの実施形態に関する説明は他の実施形態にも適用される。また下記説明は限定的ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更をしても良い。
[1] 放熱フィルム
図1に示すように、本発明の一実施形態による放熱フィルム1は、伝熱層11とその両面に接着された一対のプラスチックフィルム12,12とからなる。本発明の別の実施形態よる放熱フィルム1は、伝熱層11とその一方の面に接着されたプラスチックフィルム12とからなる。以下、本発明の一実施形態による放熱フィルムについて詳細に説明するが、その説明は特に断らない限り本発明の別の実施形態よる放熱フィルムにも適用できる。
(1) 伝熱層
伝熱層11は、ごく少量のバインダ樹脂により結合されたグラフェン微粒子からなる。
(a) グラフェン微粒子
図2に示すように、グラフェン微粒子31はベンゼン環が二次元的に連結した板状の構造を有し、単層又は多層のいずれでも良いが、熱伝導率の観点から多層の方が好ましい。グラフェン微粒子31は六角状の格子構造を有するので、各炭素原子は3つの炭素原子に結合し、化学結合に用いられる4つの外殻電子のうちの1つは自由な状態にある(自由電子となる)。自由電子は結晶格子に沿って移動できるので、グラフェン微粒子31は高い熱伝導率を有する。
グラフェン微粒子31は板状であるので、その径は板面部の直径とする。図3に示すように、グラフェン微粒子31の板面部の輪郭は異形状であるので、グラフェン微粒子31の径は、同じ面積Sを有する円の直径dと定義する。各グラフェン微粒子31のサイズは直径d及び厚さtにより表されるので、使用したグラフェン微粒子31の平均径は(Σd)/n(ただし、nは測定したグラフェン微粒子31の個数)により表され、平均厚さは(Σt)/nにより表される。グラフェン微粒子31の直径d及び厚さtは、グラフェン微粒子31の顕微鏡写真を画像処理することにより求めることができる。
本発明に用いるグラフェン微粒子31の平均径は5〜100μmの範囲内であれば良い。グラフェン微粒子31の平均径が5μm未満であると、結合している炭素原子の長さが不十分であるので、得られる伝熱層11の熱伝導率が小さすぎる。一方、グラフェン微粒子31の平均径が100μm超になると、スプレーによる塗布が困難になる。グラフェン微粒子31の好ましい平均径は5〜50μmであり、より好ましくは10〜30μmである。グラフェン微粒子31の平均厚さは5〜50 nmの範囲内であれば良い。グラフェン微粒子31の平均厚さが5 nm未満であると、グラフェン微粒子31の間に介在するバインダ樹脂により伝熱層11の抵抗が大きくなる。一方、グラフェン微粒子31の平均厚さが50 nm超であると、グラフェン微粒子31を溶媒に均一に分散させるときにグラフェン微粒子31が破壊し易い。グラフェン微粒子31の平均厚さは好ましくは5〜30 nmであり、より好ましくは10〜25 nmである。
(b) バインダ樹脂
本発明に使用するバインダ樹脂は、有機溶媒に可溶でグラフェン微粒子を均一に分散できるものであれば特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)でも良い。本発明に使用し得る熱可塑性樹脂としては、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等が挙げられるが、なかでもポリメチルメタクリレート及びポリスチレンが好ましい。本発明に使用し得る熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。また本発明に使用し得る光硬化性樹脂としては、ジアクリレート類、トリアクリレート類等が挙げられる。熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂の場合、オリゴマーの状態で有機溶媒に溶解するのが好ましい。
(c) 組成比
バインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比が小さい程、伝熱層11は高い熱伝導率を有する。しかし、バインダ樹脂の割合が低すぎるとグラフェン微粒子の密着強度が不十分であり、伝熱層11は強度不足で破壊し易い。高い熱伝導率及び強度を有するために、バインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比は0.001〜0.1である。バインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比の上限は0.07が好ましく、0.05がより好ましく、0.03が最も好ましい。バインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比の下限は、グラフェン微粒子の密着性を確保できる限りできるだけ小さい方が良いが、技術的限界としては0.001であり、伝熱層11の機械的強度が重要な場合には0.01である。
(d) グラフェン微粒子の均一分布
伝熱層11におけるグラフェン微粒子の分布が均一でないと、(a) グラフェン微粒子の凝集によりグラフェン微粒子が不十分な領域が発生し、放熱フィルムは所望の熱伝導率を有さないだけでなく、(b) 熱伝導率の分布が不均一になり、個々の電子機器又は部品に応じて放熱フィルムを分割して使用する場合、熱伝導率が不十分な分割片ができるという問題も発生する。熱伝導率の分布が均一な伝熱層を得るためには、各塗布工程でグラフェン微粒子の分布が均一な塗布層を形成しなければならない。
図4に示すように、各塗布層でグラフェン微粒子の凝集が起こった場合、グラフェン微粒子の凝集域33と、グラフェン微粒子が存在しない樹脂のみの領域34とがある。これは電子顕微鏡写真により容易に確認できる。グラフェン微粒子の凝集域33の合計面積をS1とし、グラフェン微粒子が存在しない領域の合計面積をS2とすると、グラフェン微粒子が存在しない領域の面積率RsはS2/(S1+S2)×100(%)により求めることができる。塗布層の任意の3つの視野の電子顕微鏡写真(倍率:500倍、サイズ:10 cm×10 cm)における面積率Rsを平均することにより、グラフェン微粒子が存在しない領域の面積率を求める。この面積率が10%以内であれば、グラフェン微粒子の分散は良好であると言える。グラフェン微粒子が存在しない領域の面積率は好ましくは5%以内であり、より好ましくは2%である。
(e) 表面抵抗
本発明の放熱フィルムは、電磁波シールドフィルムとしても機能させることができる。十分な電磁波シールド機能を発揮するためには、伝熱層11の表面抵抗は好ましくは5Ω/□以下であり、より好ましくは3Ω/□以下である。表面抵抗は、放熱フィルムから切り出した10 cm×10 cmの正方形試験片の伝熱層に対して直流二端子法により測定する。
(f) 厚さ
伝熱層11の熱伝導率は伝熱層11の厚さに依存するが、グラフェン微粒子とバインダ樹脂とからなる伝熱層のうち熱伝導率に寄与するのは実質的にグラフェン微粒子だけであるので、伝熱層11の厚さを単位面積当たりのグラフェン微粒子の量により表すのが好ましい。グラフェン微粒子の単位面積当たりの量で表した伝熱層11の厚さは30〜250 g/m2であり、好ましくは40〜220 g/m2であり、より好ましく80〜200 g/m2であり、最も好ましくは120〜180 g/m2である。
(2) プラスチックフィルム
プラスチックフィルム12を形成する樹脂は、絶縁性とともに十分な強度、可撓性及び加工性を有する限り特に制限されず、例えばポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアリーレンサルファイド(ポリフェニレンサルファイド等)、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン(ポリプロピレン等)等が挙げられる。プラスチックフィルム12の厚さは10〜50μm程度で良い。
[2] 放熱フィルムの製造方法
(1) グラフェン微粒子の分散液の調製
グラフェン微粒子、バインダ樹脂及び有機溶媒を含有する分散液は、グラフェン微粒子の有機溶媒分散液にバインダ樹脂の有機溶媒溶液を混合することにより調製するのが好ましい。これは、グラフェン微粒子が凝集し易いため、グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を同時に有機溶媒に混合すると、グラフェン微粒子が凝集してしまうおそれがあるためである。両溶液を混合することにより得られるグラフェン微粒子の分散液において、グラフェン微粒子の濃度は1〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜8質量%が最も好ましく、特に2〜7質量%が好ましい。また、バインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比は0.001〜0.1である。バインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比は分散液と伝熱層とで変わらないので、分散液におけるバインダ樹脂/グラフェン微粒子の質量比の上限も0.07が好ましく、0.05がより好ましく、0.03が最も好ましい。
分散液に用いる有機溶媒としては、グラフェン微粒子を良く分散させ、バインダ樹脂を溶解するとともに、乾燥時間を短くするために蒸発し易い有機溶媒が好ましい。このような有機溶媒の例として、メチルエチルケトンのようなケトン類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素類、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。なかでもメチルエチルケトン、キシレン等が好ましい。これらは単独で用いても良いが、混合しても良い。
(2) 分散液の塗布・乾燥
所望の濃度の分散液をプラスチックフィルム12に一回で塗布すると、図5に概略的に示すように、分散液3中のグラフェン微粒子31が乾燥過程で凝集してしまうことが分った。これは、分散液3中ではグラフェン微粒子31の濃度は比較的低いので、凝集は起こらないが、乾燥過程で有機溶媒32の割合が低下していくと、グラフェン微粒子32の濃度が上昇し、凝集し易くなるためであると考えられる。図5において、33はグラフェン微粒子32が凝集した領域を示す。
鋭意研究の結果、分散液をできるだけ小量ずつ複数回に分けて塗布すると、グラフェン微粒子31の凝集を防止できることが分った。図6に示す第一回目の塗布では、分散液層3aの量は少なく、かつその厚さはグラフェン微粒子31の平均径に対して十分に小さいので、分散液層3aを乾燥させてもグラフェン微粒子31は凝集することなく分散した状態を維持する。従って、分散液層3aを乾燥してなる塗布層3a’では、ごく少量のバインダ樹脂により結合されたグラフェン微粒子31がほぼ均一に分布している。
一回に塗布する分散液の量は、グラフェン微粒子の単位面積当たりの重量として1〜5 g/m2であるのが好ましく、1〜3 g/m2であるのがより好ましく、1〜2 g/m2であるのが最も好ましい。分散液の塗布量が1 g/m2未満であると、伝熱層11の形成に時間がかかり過ぎ、また5 g/m2超であるとグラフェン微粒子の凝集が起こり易くなる。このような少量の分散液を均一に塗布するためには、スプレー法が好ましい。
分散液層3aを乾燥させた後、次の塗布を行う。分散液層3aの乾燥は自然乾燥で良いが、塗布工程を短時間化するためにプラスチックフィルムが変形しない程度に加熱しても良い。加熱温度は使用する有機溶媒の沸点に応じて決める。例えば、メチルエチルケトンを使用する場合、加熱温度は30〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。乾燥は、塗布した分散液層3a中の有機溶媒が完全に蒸発するまで行う必要はなく、次の塗布でグラフェン微粒子が遊離しない程度に乾燥させれば良い。
乾燥した塗布層3a’の上に、第二回目の分散液の塗布を行うと、図7に概略的に示すように、塗布層3a’を実質的に溶解せずに新たな分散液層3bが形成される。分散液の塗布及び乾燥のサイクルの回数は、塗布すべき伝熱層11の厚さに応じて決める。このように少量の分散液を複数回に分けて塗布することにより、グラフェン微粒子が十分に均一に分布した伝熱層11が得られる。
(3) プラスチックフィルムの張替え
形成された伝熱層11はバインダ樹脂の含有量が極めて少ないので、プラスチックフィルム12との接着力が高くない。そこで、後述するように、伝熱層11の形成に用いたプラスチックフィルム12を剥離し、代わりに高接着力を有するプラスチックフィルム13を貼付しても良い。伝熱層11の形成に用いたプラスチックフィルム12と張替え後のプラスチックフィルム13とを区別するために、前者を第一のプラスチックフィルムと呼び、後者を第二のプラスチックフィルムと呼ぶ。
第一のプラスチックフィルム12は、塗布層の形成後に積層工程及び熱圧着工程を経るので、十分な機械的強度及び耐熱性を要求される。そのため、比較的厚い耐熱性樹脂製のフィルムとするのが好ましい。耐熱性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等が好ましい。第一のプラスチックフィルム12の厚さは20〜100μmが好ましい。第二のプラスチックフィルム13への張替えを行う場合、第一のプラスチックフィルム12は剥離後に再利用できる。
第二のプラスチックフィルム13はヒートシール性を有する樹脂層(シーラント層)を有するので、熱ラミネーション法等により伝熱層11に強固に熱融着することができる。シーラント層を有する限り、第二のプラスチックフィルム13の厚さは20μm未満が好ましく、10μm以下がより好ましく、3〜8μmが最も好ましい。第二のプラスチックフィルム13のベースフィルムの材質は第一のプラスチックフィルム12と同じで良いが、非常に薄いポリエチレンテレフタレートフィルムが市販されているので、それを用いるの実用上好ましい。
伝熱層11の一方の面だけにプラスチックフィルムを接着する場合、(1) 第一のプラスチックフィルム12,12の一方だけを剥離するか、(2) 第一のプラスチックフィルム12,12の両方を剥離し、露出した伝熱層11の一方の面だけに第二のプラスチックフィルム13を接着するのが好ましい。いずれの場合も、伝熱層11の露出面に接着層を形成するのが好ましい。接着層は通常の粘着剤により形成できる。
[3] 放熱フィルムの製造装置
図8は放熱フィルムの製造装置10を概略的に示す。図示の例では、左右に複数の分散液の塗布・乾燥領域があり、塗布層11a,11bを形成されたプラスチックフィルム12a,12bは塗布層11a,11bを内側にして積層され、一体的な放熱フィルム1を形成する。
製造装置10は、(a) プラスチックフィルム12a,12bの送給口41a,41bと、温風送給口42a,42bと、排気口43とを具備するチャンバ4と、(b) プラスチックフィルム12a,12bに塗布層11a,11bを形成するためにグラフェン微粒子/バインダ樹脂の分散液をスプレーする複数のノズル45a,45bであって、プラスチックフィルム12a,12bの進行方向に沿って所定の間隔でチャンバ4の天井に左右対称に設けられた複数のノズル45a,45bと、(c) 塗布層11a,11bが形成されたプラスチックフィルム12a,12bを積層するための一対のロール46a,46bと、(d) 得られた積層フィルム1’を熱圧着するための圧延ロール対47a,47bと、(e) 熱圧着により形成された放熱フィルム1を巻き取るためのリール(図示せず)と、(f) 放熱フィルム1をリールに送給するためのガイドロール48a,48bとを具備する。プラスチックフィルム12a,12bは左右の開口部41a,41bから連続的に搬送され、温風も左右の開口部42a,42bから連続的に送給され、また各ノズル45a,45bは分散液を連続的にスプレーしている。
このような装置10において、各プラスチックフィルム12a,12bに各ノズル45a,45bから分散液を連続的にスプレーすると、まず一番外側のノズル45a,45bからスプレーされた分散液により形成された分散液層は温風により乾燥して塗布層となる。塗布層が次のノズル45a,45bの領域に達すると、次のノズル45a,45bからスプレーされた分散液により塗布層上に分散液層が形成される。分散液層は温風により乾燥する。このようにして、分散液の塗布及び乾燥は複数回繰り返される。隣接するノズル45a,45bの間隔は、プラスチックフィルム12a,12bの進行速度、分散液の塗布量及び乾燥時間を勘案して、適宜設定するのが好ましい。
上面に塗布層11a,11bが形成されたプラスチックフィルム12a,12bは、一対のロール46a,46bを通り、積層される。両塗布層11a,11bとも上面に形成されているので、積層により塗布層11a,11b同士が接着し、一体的な伝熱層12となる。
積層により塗布層11a,11b同士が完全に融着するように、積層用ロール46a,46bは高温に加熱されているのが好ましい。積層用ロール46a,46bの温度はバインダ樹脂の種類に応じて変わるが、一般に100〜200℃が好ましく、120〜180℃がより好ましい。積層用ロール対46a,46bの圧着圧力は大きくなくても良く、例えば1〜10 MPaで良い。
図6及び図7に示すように、分散液層3aではグラフェン微粒子31はほぼ平行に分散しているが、完全に平行である訳ではない。そのため、分散液層3aを乾燥すると、グラフェン微粒子31間の有機溶媒だけが蒸発し、ごく少量のバインダ樹脂により結合されたほぼ平行のグラフェン微粒子31の間には隙間が残る。グラフェン微粒子31間に隙間を有する塗布層3a’が多層に積層されるので、積層すべき塗布層11a,11bは多孔質である。従って、塗布層11a,11bを有するプラスチックフィルム12a,12bを積層しただけでは緻密な伝熱層11を有する放熱フィルムは得られない。
そのため、積層用ロール対46a,46bを通過して得られた積層フィルム1’を、下流に設けられた一段又は多段の熱圧着ロール対47a,47bにより熱圧着する必要がある。熱圧着条件は、バインダ樹脂の種類にもよるが、一般に100〜250℃の温度及び20 MPa(約200 kgf/cm2)以上の圧力であるのが好ましい。熱圧着温度が100℃未満であると、伝熱層11の十分な緻密化が達成されない。また熱圧着温度を250℃超にしても、バインダ樹脂の流動化効果は頭打ちで、経済的でない。熱圧着温度は好ましくは120〜200℃であり、より好ましくは150〜180℃である。熱圧着圧力が20 MPa未満であると、伝熱層11の十分な緻密化が達成されない。熱圧着圧力は温度に応じて変化するので、10 MPa以上の範囲、好ましくは15 MPa以上の範囲で適宜選択できる。
熱圧着用ロール対47a,47bは一段でも多段でも良いが、厚い伝熱層12を有する放熱フィルム1を製造する場合、多段とするのが好ましい。熱圧着用ロール対47a,47bの段数は圧下率に応じて適宜設定できる。
第二のプラスチックフィルム13への張替えを行う場合、伝熱層11の両面に一対の第一のプラスチックフィルム12,12を有する放熱フィルム1を図9に示す装置20に送給するか、図8に示す装置のガイドロール48a,48bの下流に図9に示す装置20を設ける。いずれの場合も、装置20は、放熱フィルム1から一方の第一のプラスチックフィルム12aを剥離するための一対のロール101a,101bと、露出した伝熱層11に一方の第二のプラスチックフィルム13aを熱融着するための一対のロール102a,102bと、放熱フィルム1から他方の第一のプラスチックフィルム12bを剥離するための一対のロール103a,103bと、露出した伝熱層11に他方の第二のプラスチックフィルム13bを熱融着するための一対のロール104a,104bとを具備する。伝熱層11の一方の面だけに第二のプラスチックフィルム13aを接着する場合、一対のロール104a,104bを省略する。
伝熱層11は極めて少量のバインダ樹脂しか含有しないので、第一のプラスチックフィルム12a,12bを両方とも剥離すると、残った伝熱層11は破断するおそれがある。そこで、片方の第一のプラスチックフィルム12aを剥離して一方の第二のプラスチックフィルム13aを接着した後に、残りの第一のプラスチックフィルム12bを剥離して他方の第二のプラスチックフィルム13bを接着すれば、伝熱層11を破断することなく、伝熱層11の両面に一対の第二のプラスチックフィルム13a,13bを有する放熱フィルム25が得られる。
[4] 放熱試験
本発明の放熱シートの放熱試験は、図10〜図12に示す装置50により行うことができる。この放熱試験装置50は、環状凹部52を有する断熱絶縁性台51と、環状凹部52に受承される円形板状のヒータ53と、ヒータ53の下面に貼付された温度測定用熱伝対54と、ヒータ53及び温度測定用熱伝対54に接続した温度調節器55と、ヒータ53が真ん中に位置するように台51の上に載置された放熱フィルム1の50 mm×100 mmの試験片56を覆う厚さ1 mmのアクリル板(100 mm×100 mm)57とを具備する。試験片56には図12に示す位置に8つの温度測定点t1〜t8があり、点t1〜t4で測定した温度の平均を最高温度(Tmax)とし、点t5〜t8で測定した温度の平均を最低温度(Tmin)とし、TmaxとTminの平均を平均温度(Tav)とする。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
6質量%のグラフェン微粒子(XG Sciences社製の「H-25」、平均径:25μm、平均厚さ:約15 nm)と、0.06質量%のポリメチルメタクリレート(PMMA)と、93.94質量%のメチルエチルケトンとからなる分散液を、2枚の厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム12の各々に塗布し、40℃で2分間乾燥させて、厚さ3 g/m2(1 m2当たりのグラフェン微粒子のグラム数で表す。)のグラフェン微粒子/PMMA層を形成した。この手順を合計20回繰り返し、各PETフィルム12に厚さ60μmのグラフェン微粒子/PMMAからなる塗布層(1 m2当たり60 g/m2のグラフェン微粒子を含有)を形成した。塗布層が内側になるように、一対の塗布層付き各PETフィルム12,12を120℃で積層し、150℃のロールにより20 Mpaで熱圧着し、厚さ80μmの伝熱層11(1 m2当たり120 g/m2のグラフェン微粒子を含有)を有する放熱フィルム1を得た。
放熱フィルム1から50 mm×100 mmの試験片を切り出し、図10〜図12に示す装置に載置し、20.5℃の室温で放熱試験を行った。ヒータ53は2.12 Wの電力で70℃に加熱した。放熱フィルム試験片の最高温度Tmax,最低温度Tmin及び平均温度Tavの測定結果を図13に示す。
比較例1
厚さ11μmのアルミニウム箔の50 mm×100 mmの試験片に対して、図10〜図12に示す装置により、22.4℃の室温で放熱試験を行った。ヒータ53は2.12 Wの電力で72℃に加熱した。放熱フィルム試験片の最高温度Tmax,最低温度Tmin及び平均温度Tavの測定結果を図14に示す。
図13と図14の比較から、本発明の放熱フィルムはアルミニウム箔より良好な放熱性を有することが分かる。
実施例2
6質量%のグラフェン微粒子H-25と、0.3質量%のPMMAと、93.7質量%のメチルエチルケトンとからなる分散液を使用し、伝熱層11におけるグラフェン微粒子の塗布量を10 g/m2、20 g/m2、30 g/m2、40 g/m2、50 g/m2、60 g/m2、90 g/m2、120 g/m2、及び180 g/m2とした以外実施例1と同様にして、放熱フィルム1を作製した。24℃の室温及び72℃のヒータ53の温度で実施例1と同様に測定した放熱フィルム試験片の5分後の最高温度Tmaxとグラフェン微粒子の塗布量(伝熱層11の厚さに相当する。)との関係を図15に示す。図15から明らかなように、グラフェン微粒子の塗布量が増大するにつれて、放熱フィルム試験片の最高温度Tmaxは低下した。特にグラフェン微粒子の塗布量が80 g/m2以上の場合、良好な放熱性を示した。
上記放熱フィルム試験片の各々の表面抵抗とグラフェン微粒子の塗布量との関係を図16に示す。図16から、グラフェン微粒子の塗布量が40 g/m2以上の場合、表面抵抗は5Ω/□以下と小さいことが分かる。
グラフェン微粒子の塗布量が120 g/m2の放熱フィルム試験片に対して、10〜1000 MHzの周波数の電磁波に対するシールド率を測定した。結果を図17に示す。図17から明らかなように、この放熱フィルム試験片は高い電磁波シールド率を示した。
グラフェン微粒子の塗布量が120 g/m2の放熱フィルム試験片の電子顕微鏡写真を図18に示す。図18から明らかなように、伝熱層11内でグラフェン微粒子(黒色線状)はほぼ平行であり、かつ均一に分散していた。
実施例3
6質量%のグラフェン微粒子H-25と、グラフェン微粒子H-25に対してそれぞれ0.1、0.3及び0.05の質量比のPMMAと、残部メチルエチルケトンとからなる分散液を使用し、伝熱層11の厚さを90μm(グラフェン微粒子の塗布量:120 g/m2)とした以外実施例1と同様にして、放熱フィルム1を作製した。25℃の室温及び73℃のヒータ53の温度で実施例1と同様に測定した放熱フィルム試験片の最高温度TmaxとPMMA/グラフェン微粒子の質量比との関係を図19に示す。図19から明らかなように、PMMA/グラフェン微粒子の質量比が低下するにつれて、放熱性が向上した。
実施例4
グラフェン微粒子として、XG Sciences社製のH-25(平均径:25μm、平均厚さ:約15 nm)、H-15(平均径:15μm、平均厚さ:約15 nm)、及びM-15(平均径:15μm、平均厚さ:6〜8 nm)を使用し、伝熱層11の厚さを110μm(グラフェン微粒子の塗布量:180 g/m2)とした以外実施例2と同様にして、放熱フィルム1を作製した。24℃の室温及び72℃のヒータ53の温度で実施例2と同様に測定した放熱フィルム試験片の最高温度Tmaxを図20に示す。図20から明らかなように、グラフェン微粒子の平均径が大きくなるにつれて、放熱性が向上した。
実施例5及び比較例2
6質量%のグラフェン微粒子H-25と、0.3質量%のPMMAと、93.7質量%のメチルエチルケトンとからなる分散液を使用し、実施例1と同様にして伝熱層11の厚さが110μm(グラフェン微粒子の塗布量:180 g/m2)の実施例5の放熱フィルム1を作製した。24℃の室温及び72℃のヒータ53の温度で実施例2と同様に測定した放熱フィルム試験片の最高温度Tmaxを図21に示す。図21にまた、上記と同じ条件で測定した厚さ100μmのグラファイトシート(パナソニック株式会社製)の最高温度Tmaxを示す。図21から、本発明の放熱フィルムは市販のグラファイトシートと同程度の放熱性を有することが分かる。
実施例6
第一のPETフィルム12,12の厚さを50μmとした以外実施例1と同様にして作製した放熱フィルム1から、第一のPETフィルム12,12を剥離し、次いで厚さ3μmのシーラント層を有する厚さ6μmの第二のPETフィルム13,13をヒートシールし、放熱フィルム20を作製した。放熱フィルム20に対して実施例1と同じ放熱試験を行った。その結果、実施例6の放熱フィルム20は実施例1の放熱フィルム1と同じ放熱性を有することが確認された。
1、25・・・放熱フィルム
11・・・伝熱層
12,12a,12b・・・第一のプラスチックフィルム
13,13a,13b・・・第二のプラスチックフィルム
3・・・分散液
3a・・・分散液層
3a’・・・乾燥したバインダ樹脂/グラフェン微粒子層
3b・・・次の分散液層
31・・・グラフェン微粒子
32・・有機溶媒
33・・グラフェン微粒子が凝集した領域
34・・グラフェン微粒子が存在しない領域
10・・・放熱フィルムの製造装置
4・・・チャンバ
41a,41b・・・第一のプラスチックフィルムの送給口
42a,42b・・・温風の送給口
43・・・排気口
45a,45b・・・分散液スプレー用ノズル
46a,46b・・・積層用ノズル
47a,47b・・・熱圧着用ノズル
48a,48b・・・ガイドロール
20・・・プラスチックフィルムの張替え装置
101a,101b・・・一方の第一のプラスチックフィルムを剥離するための一対のロール
102a,102b・・・一方の第二のプラスチックフィルムを接着するための一対のロール
103a,103b・・・他方の第一のプラスチックフィルムを剥離するための一対のロール
104a,104b・・・他方の第二のプラスチックフィルムを接着するための一対のロール
50・・・放熱試験装置
51・・・断熱絶縁性台
52・・・環状凹部
53・・・ヒータ
54・・・熱伝対
55・・・温度調節器
56・・・放熱フィルムの試験片
57・・・アクリル板

Claims (27)

  1. グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する伝熱層と、前記伝熱層の少なくとも一方の面に接着されたプラスチックフィルムとからなり、前記伝熱層の厚さが30〜250 g/m2(1 m2当たりのグラフェン微粒子の重量で表す。)であり、前記伝熱層における前記バインダ樹脂と前記グラフェン微粒子との質量比が0.001〜0.1であり、かつ前記伝熱層内の前記グラフェン微粒子が前記プラスチックフィルムと実質的に平行に配向していることを特徴とする放熱フィルム。
  2. 請求項1に記載の放熱フィルムにおいて、200 W/mK以上の熱伝導率を有することを特徴とする放熱フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の放熱フィルムにおいて、5Ω/□以下の表面抵抗を有することを特徴とする放熱フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の放熱フィルムにおいて、90%以上の電磁波反射率を有することを特徴とする放熱フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の放熱フィルムにおいて、前記グラフェン微粒子が5〜100μmの平均径及び5〜50 nmの平均厚さを有することを特徴とする放熱フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の放熱フィルムにおいて、前記バインダ樹脂がアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂又はポリビニルアルコールであることを特徴とする放熱フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の放熱フィルムを製造する方法において、(1) 1〜10質量%のグラフェン微粒子及び0.001〜1質量%のバインダ樹脂を含有し、前記バインダ樹脂と前記グラフェン微粒子との質量比が0.001〜0.1である有機溶媒分散液を各第一のプラスチックフィルムの一面に塗布した後乾燥する工程を複数回繰り返すことにより、前記プラスチックフィルムの一面にグラフェン微粒子及びバインダ樹脂からなる塗布層を形成し、(2) 一面に前記塗布層を有する一対の第一のプラスチックフィルムを前記塗布層を内側にして接着することにより、前記塗布層の両面にプラスチックフィルムを有する積層フィルムを形成し、(3) 前記積層フィルムを熱圧着することにより、前記塗布層を一体化するとともに薄肉化し、もってグラフェン微粒子及びバインダ樹脂からなる緻密な伝熱層を形成することを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の放熱フィルムの製造方法において、前記分散液の一回の塗布量を1〜5 g/m2(1 m2当たりのグラフェン微粒子の重量で表す。)とすることを特徴とする方法。
  9. 請求項7又は8に記載の放熱フィルムの製造方法において、前記有機溶媒がケトン類、芳香族炭化水素類及びアルコール類からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記分散液の塗布をスプレー法により行うことを特徴とする方法。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、加熱雰囲気中で、前記プラスチックフィルムの進行方向に所定の間隔で配列された複数のノズルから、グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する有機溶媒分散液をスプレーすることにより、前記分散液の塗布及び乾燥を複数回に分けて行うことを特徴とする方法。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記乾燥工程を30〜100℃に加熱することにより行うことを特徴とする方法。
  13. 請求項7〜12のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記熱圧着を150〜250℃の温度で行うことを特徴とする方法。
  14. 請求項7〜13のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記熱圧着を10 MPa以上の圧力で行うことを特徴とする方法。
  15. 請求項7〜14のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、熱圧着した後の前記積層フィルムの両面から前記第一のプラスチックフィルムを剥離し、露出した前記伝熱層の少なくとも一方の面に第二のプラスチックフィルムを接着することを特徴とする方法。
  16. 請求項7〜15のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記第二のプラスチックフィルムを前記第一のプラスチックフィルムより薄くすることを特徴とする方法。
  17. 請求項7〜16のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記第一のプラスチックフィルムを耐熱性樹脂により形成することを特徴とする方法。
  18. 請求項7〜17のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記第二のプラスチックフィルムは、前記伝熱層に貼付される側にシーラント層を有することを特徴とする方法。
  19. 請求項7〜18のいずれかに記載の放熱フィルムの製造方法において、前記伝熱層の一方の面だけにプラスチックフィルムを接着する場合、(1) 前記第一のプラスチックフィルムの一方だけを剥離するか、(2) 前記第一のプラスチックフィルムの両方を剥離し、露出した前記伝熱層の一方の面だけに第二のプラスチックフィルムを接着することを特徴とする方法。
  20. 請求項19に記載の放熱フィルムの製造方法において、プラスチックフィルムのない前記伝熱層の面に接着層を形成することを特徴とする方法。
  21. 請求項1〜6のいずれかに記載の放熱フィルムを製造する装置において、(a) 一対の第一のプラスチックフィルムを搬送する手段と、(b) 各第一のプラスチックフィルムにグラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する分散液を複数回に分けて塗布するように、各第一のプラスチックフィルムの進行方向に沿って所定の間隔で配置された複数の分散液塗布手段と、(c) 前記分散液を塗布ごとに乾燥させる手段と、(d) 前記分散液の塗布・乾燥により得られた塗布層を有する一対の第一のプラスチックフィルムを前記塗布層を内側にして積層するロールと、(e) 得られた積層フィルムを熱圧着するロールとを具備することを特徴とする装置。
  22. 請求項21に記載の放熱フィルムの製造装置において、前記手段(a) により各第一のプラスチックフィルムが前記積層用ロールの両側に水平に搬送されることを特徴とする装置。
  23. 請求項21又は22に記載の放熱フィルムの製造装置において、分散液塗布手段がスプレーノズルであることを特徴とする装置。
  24. 請求項21〜23のいずれかに記載の放熱フィルムの製造装置において、前記プラスチックフィルムの進行方向に所定の間隔で複数のノズルが配列されており、加熱雰囲気中で前記ノズルから、グラフェン微粒子及びバインダ樹脂を含有する有機溶媒分散液をスプレーし、もって前記分散液の塗布及び乾燥を複数回に分けて行うことを特徴とする装置。
  25. 請求項21〜24のいずれかに記載の放熱フィルムの製造装置において、前記積層用ロール及び前記熱圧着用ロールがともにヒートロールであることを特徴とする装置。
  26. 請求項21〜25のいずれかに記載の放熱フィルムの製造装置において、前記熱圧着用ロールの下流に、前記積層フィルムから前記第一のプラスチックフィルムを剥離する手段と、露出した前記伝熱層の少なくとも一方の面に第二のプラスチックフィルムを接着する手段とを具備することを特徴とする装置。
  27. 請求項21〜26のいずれかに記載の放熱フィルムの製造装置において、前記第二のプラスチックフィルムが前記伝熱層に貼付される側にシーラント層を有し、露出した前記伝熱層の面に第二のプラスチックフィルムを接着する手段が、熱ラミネーション用ロールであることを特徴とする装置。
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