JP2014125965A - 発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法 - Google Patents

発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】深度の異なる海水の利用により、発電出力を一層向上させ得る発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法を提供する。
【解決手段】この発電システムは、第二の発電設備(6〜10)が、深層水を低温熱源とし且つ第一の発電設備(2,3,4)の復水器2からの温排水を高温熱源とし、熱交換後の温排水を周辺海域に放水可能であり、第一の発電設備は、第二の発電設備で熱交換後の深層水を復水器(2)に導いてタービン(3)からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を第一の発電設備の高温熱源として供給可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所や火力発電所等の発電設備に好適に採用し得る発電システムに係り、特に、これら発電設備の復水器の温排水を高温熱源とするとともに海水を低温熱源とし、低沸点媒体を作動流体として発電する発電設備を備える発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法に関する。
原子力発電所や火力発電所等の発電設備では、復水器の冷却水として使用された大量の水(一般に海水)が温水として排出されている。しかし、現状では排出されるエネルギーのごく一部が、魚類の養殖や温室栽培の熱源、あるいは関連施設の暖房用熱源として利用されているに過ぎず、大規模な工業的利用は行われていない。その理由は、温排水と海水温の温度差が約7℃程度と小さいため、この温度差を利用する熱機関の効率が低く、他方では設備費が割高になることから経済性が成り立ちにくいことが大きな要因と考えられる。
これに対し、このような各種工場排熱をはじめとする、例えば100℃以下の低温排熱の有効利用については、多くの検討や研究開発が行われてきた。例えば、特許文献1には、復水器の温排水を高温熱源とするとともに海洋深層水を低温熱源とし、低沸点媒体であるアンモニアを作動流体として発電する発電システムが開示されている。
特開2005−256699号公報(図8)
しかしながら、特許文献1記載の技術では、海洋深層水を用いた低沸点媒体発電により、復水器の温排水の有効利用を可能とするものの、低沸点媒体発電で熱交換後の海洋深層水や復水器の温排水をそのまま放水しており、この放水温度に対する考慮が不十分である。
つまり、例えば海洋深層水を低沸点媒体発電で低温熱源として一旦利用した後であっても、その温度が未だ相対的に低い温度であれば、更に低温熱源として利用できるであろうし、逆に、海に放水する際に、周辺海域の表層水の温度よりも高い温度で放水してしまえば、海域の熱的汚染となり得るため、環境上好ましいとはいえない。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、複数の発電設備を有する発電システムにおいて、深度の異なる海水の利用により、発電出力を一層向上させ得る発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発電システムは、タービンの出側に設置された復水器を有する第一の発電設備と、高温熱源と低温熱源との温度差により低沸点媒体を作動流体として発電する第二の発電設備とを備える発電システムであって、周辺海域の深度の異なる海水を取水する複数の取水口を有し、該複数の取水口のうち、海面に近い位置に設けられた表層水取水口から取水される海水を表層水とよび、前記表層水取水口よりも深い位置に設けられた深層水取水口から取水される海水を深層水とよぶとき、前記第二の発電設備は、前記低温熱源として前記深層水の取水およびその停止を切替え可能に且つ前記高温熱源として前記第一の発電設備の復水器からの温排水の取水およびその停止を切替え可能に構成されるとともに、熱交換後の前記温排水を前記周辺海域に放水およびその停止を切替え可能に構成され、さらに、前記低温熱源として用いられた後の前記深層水を前記第一の発電設備の前記復水器の冷却水として供給およびその停止を切替え可能に、且つ前記周辺海域への放水およびその停止を切替え可能に構成され、前記第一の発電設備は、前記表層水を直接取水可能に、且つ前記深層水を直接又は前記第二の発電設備で前記低温熱源として用いられた後の前記深層水を取水可能に構成されるとともに、その取水した表層水と深層水とを混合して又は表層水のみを前記復水器の冷却水として選択的に導入可能とされており、その導入した冷却水で前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給又は前記周辺海域への放水を選択可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る発電システムであれば、第一の発電設備と第二の発電設備に導入される表層水の温度と深層水の温度に基づいて、正味発電出力が最大となるように、第一の発電設備と第二の発電設備の運転環境を適宜選択して組み合わせることができる。そのため、表層水と深層水の温度の変化に応じて、第一の発電設備と第二の発電設備を適切な運転状態に設定して効率の良い運転を行うことができる。なお、表層水と深層水の温度は、季節などにより変わるので、例えば週、上中下旬または月等の所定期間毎に設備の運転の選択を適宜に行って、正味発電出力が最大となるような適切な運転を行うことが好ましい。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発電システムの運転方法のうち、第一の態様は、上記本発明の一態様に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水のみを前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水の一部または全部を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給し、前記第二の発電設備が、前記深層水取水口から取水される深層水を前記低温熱源とするとともに前記第一の発電設備の復水器からの前記温排水を前記高温熱源として発電し、熱交換後の温排水および熱交換後の深層水を前記周辺海域に放水することを特徴とする。
表層水温度の条件を特に規定しない場合において、表層水のみで第一の発電設備の復水器を冷却する運転は有効である。つまり、第一の態様の発電システムの運転方法であれば、表層水温度の条件を特に規定しない場合に、復水器の冷却を表層水のみで行い、復水器の温排水と深層水取水口から取水される低温の深層水で第二の発電設備での発電を行う。表層水温度が定格(設計値)を上回る場合(夏季など)には、第一の発電設備の発電出力の低下を容認し、第二の発電設備での発電によってその補償または軽減を図るものである。また、表層水温度が定格(設計値)を下回る場合(冬季など)には、第一の発電設備の発電出力の増加に加え、第二の発電設備での発電による発電出力の追加を図ることができる。
また、本発明の一態様に係る発電システムの運転方法のうち、第二の態様は、上記本発明の一態様に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、前記第一の発電設備が、前記表層水を取水するとともに該表層水と前記第二の発電設備での熱交換で加温された深層水とを混合して前記復水器の冷却水とし、該冷却水を前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給し、前記第二の発電設備が、前記深層水取水口から取水される深層水を前記低温熱源とするとともに前記第一の発電設備の復水器からの温排水を前記高温熱源とし、熱交換後の前記温排水を前記周辺海域に放水することを特徴とする。
表層水温度が定格(設計値)を下回る場合に、復水器の冷却水を、表層水と第二の発電設備での冷却排水(つまり熱交換で加温された深層水)と混合して運転する方法も有効となる。つまり、第二の態様の発電システムの運転方法であれば、復水器の温排水温度を高くすることにより、深層水との温度差を増加させ、これにより、第二の発電設備での発電の出力増加を図ることができる。冬季の表層水の温度低下による復水器温度低下で得られる第一の発電設備の発電の出力増加よりも、第二の発電設備での発電の出力増加を図るものであり、条件が整えば、結果として全体出力を増加させることができる。
ここで、表層水温度が定格(設計値)を下回る場合であれば、復水器の冷却水の流量を定格よりも減らして、復水器の温度が定格となるように維持する運転が好ましい。つまり、上記第一または第二の態様の発電システムの運転方法において、前記復水器の冷却水の流量を、前記復水器の圧力が定格値となるように制御することは好ましい。復水器の冷却水は、表層水のみ、または表層水と第二の発電設備での冷却排水(つまり熱交換で加温された深層水)との混合とする。
また、本発明の一態様に係る発電システムの運転方法のうち、第三の態様は、上記本発明の一態様に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水と前記深層水取水口から取水される深層水とを取水し、その取水した表層水と深層水とを混合して前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給することなく前記周辺海域に放水することを特徴とする。
表層水の温度が定格(設計値)を上回る場合に、第二の発電設備での発電を停止し、第一の発電設備のみで深層水を利用する運転も有効である。つまり、第三の態様の発電システムの運転方法であれば、表層水の温度が定格(設計値)を上回る場合には、深層水取水容量の範囲内で第一の発電設備の復水器に深層水を直接送り、深層水と表層水を混合して復水器を冷却するとよい。取水可能な深層水全量を復水器の冷却水に利用(不足分は表層水を使用)しても復水器温度を定格まで下げられない場合は、深層水流量を取水可能な最大値とし、復水器温度は成り行きのままとして運転する。
ここで、取水可能な深層水全量を復水器の冷却水に利用(不足分は表層水を使用)すれば復水器温度を定格以下にできる場合は、深層水流量を制御して復水器温度を定格に維持するとよい。つまり、上記第三の態様の発電システムの運転方法において、前記表層水と深層水とを混合した冷却水の流量を、前記復水器の圧力が定格値となるように制御することは好ましい。これにより、深層水取水用ポンプの所要動力を低減し、本体発電出力は定格のままで正味発電出力の増加が可能となる。
また、本発明の一態様に係る発電システムの運転方法のうち、第四の態様は、上記本発明の一態様に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水のみを取水し、その取水した表層水の流量を定格流量で前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給することなく前記周辺海域に放水することを特徴とする。
復水器の冷却水の流量を定格流量とすれば、表層水温度が定格(設計値)よりも高い夏季には発電出力が定格よりも低下するものの、表層水温度が低い冬季においては逆に出力を増加させることができる。つまり、第四の態様の発電システムの運転方法であれば、第二の発電設備での発電を停止した場合であっても、年間の表層水の温度変化を考慮して月別に発電システムの運転方法を検討すれば、表層水温度が低い冬季において効率良く運転することが可能である。
また、本発明の一態様に係る発電システムの運転方法のうち、第五の態様は、上記本発明の一態様に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水のみを取水し、その取水した表層水の流量を前記復水器の圧力が定格値となるように制御して前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給することなく前記周辺海域に放水することを特徴とする。
取水可能な表層水全量を復水器の冷却水に利用すれば復水器温度を定格以下にできる場合は、表層水流量を制御して復水器温度を定格に維持するとよい。つまり、第五の態様の発電システムの運転方法であれば、表層水取水用ポンプの所要動力を低減し、本体発電出力は定格のままで正味発電出力の増加が可能となる。
ここで、上記本発明の一態様に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法において、前記表層水の温度と前記深層水の温度に基づいて、上記第一から第五の態様の発電システムの運転方法のうちから、正味発電出力が最大となるいずれか一の態様の発電システムの運転方法を選択し、該選択した発電システムの運転方法によって本発明の一態様に係る発電システムを運転することは好ましい。
このような発電システムの運転方法であると、第一の発電設備と第二の発電設備に導入される表層水の温度と深層水の温度に基づいて、正味発電出力が最大となるように、第一の発電設備と第二の発電設備の運転環境を選択して運転することができる。そのため、表層水と深層水の温度の変化に応じて、第一の発電設備と第二の発電設備を適切な運転状態に設定して効率良く発電することができる。なお、表層水と深層水の温度は、季節などにより変わるので、例えば週、上中下旬または月等の所定期間毎に発電システムの運転方法の選択を適宜に行って前記一の態様の発電システムの運転方法を選択することは好ましい。
具体的な発電所の周辺海域にあっては、例えば周辺の水深が浅いために、十分な深度と低温での深層水の取水が経済的に難しい場合もある。そのような場合であっても、本発明の発電システムを用いた発電システムの運転方法によれば、季節等の所定期間による水温の変化に基づいて、本発明の発電システムを用いた運転方法の選択的運用によって発電効率を一層向上させることが可能である。
上述のように、本発明によれば、深度の異なる海水の利用により、発電出力を一層向上させ得る発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法を提供することができる。
本発明に係る発電システムの一実施形態を説明する模式図である。 本発明に係る発電システムの運転方法の第一実施形態を説明するブロック図である。 本発明に係る発電システムの運転方法の第二実施形態を説明するブロック図である。 本発明に係る発電システムの運転方法の第三実施形態を説明するブロック図である。 本発明に係る発電システムを用いた発電システムの運転方法の効果を説明するグラフである。
以下、本発明に係る発電システムの一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、本明細書において、「表層水」とは、第一および第二の発電設備のいずれかの設備が海水を取水する複数の取水口のうち、海面に近い位置に設けられた取水口(以下、「表層水取水口」ともいう)から取水される海水をいい、「深層水」とは、前記表層水取水口よりも深い位置に設けられた取水口(以下、「深層水取水口」ともいう)から取水される海水をいう。
この発電システムは、既設の火力発電所または既設の原子力発電所等の発電設備を「第一の発電設備」とし、この第一の発電設備に対して、更に、図1の符号6〜9等の設備が「第二の発電設備」として新規に付設されている。第二の発電設備は、低沸点媒体を作動流体として発電するものである。低沸点媒体としては、アンモニア、またはアンモニアと水の混合物等を好適に用いることができる。なお、この例では、既設の第一の発電設備に対して第二の発電設備を新規に付設する例で説明するが、本発明はこれに限らず、第一および第二の発電設備を共に新設する場合であっても本発明を採用することができることは勿論である。
詳しくは、図1に示すように、第一の発電設備は、第一発電設備の蒸気発生器(またはボイラー)から蒸気が導入されるタービン3と、このタービン3の出側に設置された復水器2と、タービン3の出力軸に連結された発電機4とを有する。タービン3に導入された蒸気は発電用の動力となり、発電機4によって発電をした後に、エネルギーを失った蒸気が復水器2に送られるように構成されている。復水器2には、第一発電設備の蒸気発生器に復水を送水するための復水送水ラインP1が接続され、復水送水ラインP1には復水給水ポンプ1が付設されている。復水給水ポンプ1は、復水器2で復水された媒体(水)を、第一発電設備の蒸気発生器に戻すようになっている。発電機4で発電された電力は、送電線L1を介して変電・送電設備5に送られ、さらに、変電・送電設備5から外部への送電ラインL3に送電されるようになっている。なお、本発明の第一の発電設備は、タービンの出側に設置された復水器を有するものであれば、種々の周知の発電設備が対応可能なものなので、火力発電所または原子力発電所の詳細な説明は省略する。
一方、第二の発電設備は、同図に示すように、低沸点媒体用蒸気発生器6と、低沸点媒体蒸気用タービン7と、このタービン7の出力軸に連結された低沸点媒体用発電機8と、凝縮器9とを有する。蒸気発生器6は、高温熱源により第二の発電設備の作動流体である低沸点媒体の蒸気を発生させる。蒸気発生器6で発生された低沸点媒体蒸気はタービン7に送られる。タービン7に導入された低沸点媒体蒸気は発電用の動力となり、発電機8によって発電をした後に、エネルギーを失った低沸点媒体蒸気が凝縮器9に送られる。低沸点媒体蒸気は凝縮器9で低温熱源により液化される。凝縮器9には戻しラインP11が接続されており、戻しラインP11にはポンプ10が付設されている。ポンプ10は、液化された低沸点媒体を第二発電設備の蒸気発生器6に戻しラインP11から戻すようになっている。第二の発電設備の発電機8で発電された電力は、送電線L2を介して上記変電・送電設備5に送られ、変電・送電設備5から外部への送電ラインL3に送電されるようになっている。つまり、この例では、変電・送電設備5は、第一および第二の発電設備で共用化されている。
ここで、上記第一の発電設備の復水器2には、低温海水を導入するための取水ライン(復水器冷却ライン)P2と、復水器2で熱交換して昇温した温海水を第二の発電設備の蒸気発生器6に向けて送る温海水送水ラインP3とが接続されている。復水器2は、温海水送水ラインP3により、第二の発電設備の蒸気発生器6に向けて温海水を高温熱源として送水可能とされている。温海水送水ラインP3の途中には、開閉バルブ16が介装され、この開閉バルブ16を切替えることにより、蒸気発生器6は、復水器2からの温排水の取水およびその停止が切替え可能とされている。
さらに、温海水送水ラインP3には、開閉バルブ16よりも上流側の途中の位置に、バイパスラインP6が接続されている。このバイパスラインP6は、バイパス用バルブ13を介して放水ラインP7に接続されている。また、放水ラインP7には、開閉バルブ18を介して蒸気発生器6に接続され、蒸気発生器6からの温排水が放水ラインP7から周辺海域に放水可能とされている。また、開閉バルブ16を閉じてバイパス用バルブ13を開くことにより、温海水送水ラインP3の温海水(温排水)を、復水器2から蒸気発生器6に向けた送水を停止するとともに、放水ラインP7に向けて直接放水可能とされている。
ここで、低温海水の取水ライン(冷却ライン)P2は、周辺海域の深度の異なる海水を取水することができるように複数の取水口20,30に接続されている。複数の取水口20,30のうち、表層水取水口30は、海面に近い位置に設けられ、深層水取水口20は、表層水取水口30よりも深い位置に設けられている。なお、複数の取水口20,30相互の境界となる水深差は、例えば5m、10m、100m等、発電所周辺海域の最大水深や気象、海象条件によって適宜設定可能である。例えば大阪湾のように浅く、海底付近の海水温度と海面海水温度との差が小さい海域では5m、また、富山湾のように海岸から僅かに離れただけで水深が深く、海底付近の海水温度と海面海水温度との差が大きい海域では100mなどに設定することができる。
この例では、取水ラインP2は、調整バルブ15を介して深層水取水ラインP9に接続されている。深層水取水ラインP9には、深層水取水口20から深層水を取水可能に深層水取水用ポンプ11が付設されている。また、取水ラインP2には、調整バルブ15よりも復水器2側の途中部分に表層水取水ラインP10が接続されている。表層水取水ラインP10には、表層水取水口30から表層水を取水可能に表層水取水用ポンプ14が付設されている。
さらに、深層水取水ラインP9には、調整バルブ15よりも深層水取水用ポンプ11側の途中部分に、取水ラインP4が接続されている。取水ラインP4は、開閉バルブ19を介して凝縮器9に接続され、凝縮器9に向けて深層水を送水可能とされている。そして、凝縮器9には、排水ラインP5が開閉バルブ17を介して取水ラインP2に接続されている。その接続位置は、本実施形態の例では、調整バルブ15よりも復水器2側の途中部分且つ表層水取水ラインP10の接続部よりも調整バルブ15寄りの位置とされている。
また、排水ラインP5には、開閉バルブ17よりも凝縮器9側の途中部分に排水ラインP8が接続されている。排水ラインP8には開閉バルブ12が介装されている。これにより、開閉バルブ12を閉じ開閉バルブ17を開くことにより、第二の発電設備の凝縮器9で熱交換されて昇温した海水(深層水)を取水ラインP2に導入可能であり、また、開閉バルブ12を開き開閉バルブ17を閉じることにより、凝縮器9で熱交換されて昇温した海水(深層水)を排水ラインP8から周辺海域に放水可能とされている。
上述した配管により、海水ポンプ11は、深層水取水口20から取水した深層水を凝縮器9側と取水ラインP2側に適宜送水可能とされている。また、調整バルブ15は、単なる開閉バルブではなく、取水ラインP2に向けて深層水の流量の調整が可能であり、取水ラインP5から取り込まれる凝縮器9で熱交換されて昇温した海水に、深層水取水ラインP9側の深層水を所望の割合に混合可能に設けられている。これにより、取水ラインP2は、復水器冷却用の低温海水として、深層水、第二発電設備の凝縮器9の排水、および表層水を適宜混合した冷却用海水を取水可能になっている。
次に、この発電システムの作用・効果、並びにこの発電システムを用いた発電システムの運転方法およびその作用・効果について説明する。
上述したように、この発電システムは、第二の発電設備(符号6〜10)が、低温熱源として深層水の取水およびその停止を切替え可能に且つ高温熱源として第一の発電設備(符号2,3,4)の復水器2からの温排水の取水およびその停止を切替え可能に構成されている。さらに、第二の発電設備(符号6〜10)は、熱交換後の温排水を周辺海域に放水およびその停止を切替え可能に構成されている。さらに、第二の発電設備(符号6〜10)は、低温熱源として用いられた後の深層水を第一の発電設備の復水器2の冷却水として供給およびその停止を切替え可能に、且つ周辺海域への放水およびその停止を切替え可能に構成されている。そして、第一の発電設備(2,3,4)は、表層水を直接取水可能に、且つ深層水を直接又は第二の発電設備で低温熱源として用いられた後の深層水を取水可能に構成されている。さらに、第一の発電設備(2,3,4)は、その取水した表層水と深層水とを混合して又は表層水のみを復水器2の冷却水として選択的に導入可能とされている。さらに、第一の発電設備(2,3,4)は、その導入した冷却水でタービン3からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を第二の発電設備の高温熱源として供給又は周辺海域への放水を選択可能に構成されている。
これにより、この第一および第二の発電設備を備える発電システムであれば、第一の発電設備と第二の発電設備に導入される表層水の温度と深層水の温度に基づいて、正味発電出力が最大となるように、第一の発電設備と第二の発電設備の運転環境を適宜選択して組み合わせることができる。そのため、表層水と深層水の温度の変化に応じて、第一の発電設備と第二の発電設備を適切な運転状態に設定して効率の良い運転を行うことができる。
また、この発電システムであれば、第一の発電設備の復水器の冷却用として、深層水と表層水とを適宜の割合に混合できる。そのため、導入する海水の温度を種々の条件に対して、効率の良い発電システムの運転方法への迅速な変更を可能とする上で好適である。
また、この発電システムであれば、低沸点媒体が、アンモニア、またはアンモニアと水の混合物等を用いているので、高温熱源と低温熱源との温度差により低沸点媒体を作動流体として発電する第二の発電設備を構築する上で好適である。
また、この発電システムにおいて、温排水の放水温度が、周辺海域の表層水の温度と同等とすれば、周辺海域の環境上も好ましい放水が可能となる。「同等の温度」とは、表層水の温度を基準として、±2℃の範囲をいう。また、温排水の放水温度が、周辺海域の表層水の温度よりも低い温度とされていれば、周辺工業地帯からの複合的熱汚染を抑制する効果が期待できる。
例えば、第一の発電設備は、復水器2の冷却水として周辺海域の表層水を取水し、その表層水と第二発電設備での熱交換で加温された海水とを適宜の割合で混合使用して、温排水の放水温度が、周辺海域の表層水のみを第一の発電設備の復水器2に直接導いてタービン3からの排蒸気と熱交換しその熱交換後の温排水を周辺海域に放水したときの当該温排水の温度よりも低い温度とすれば、周辺海域の環境を、少なくとも既設の第一の発電設備(例えば原子力発電所や火力発電所等)で従来放水がされていた周辺海域の環境よりも良い環境とすることができる。
次に、上記発電システムを用いた発電システムの運転方法について説明する。
まず、図2に、上記発電システムを用いた発電システムの運転方法の第一実施形態を示す。同図に示す発電システムの運転方法は、復水器2の温排水を第二発電設備での温排水利用発電の温熱源として利用する以外は、第一の発電設備での発電と第二の発電設備とが独立して運転される例である。
同図に示すように、この第一実施形態の運転方法は、上述した発電システムを用いた発電システムの運転方法であり、複数のバルブ12、13、15〜19のうち、調整バルブ15および排水ラインP5の開閉バルブ17が閉じられ、他のバルブは開かれている。これにより、第一の発電設備(2,3,4)は、復水器2の冷却水として表層水のみを復水器2に導いてタービン3からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水の一部または全部を第二の発電設備(6〜10)の高温熱源として供給する。さらに、第二の発電設備(6〜10)は、深層水取水口20から取水される深層水を低温熱源とするとともに第一の発電設備(2,3,4)の復水器2からの温排水を高温熱源として発電し、熱交換後の温排水および熱交換後の深層水を周辺海域に放水する。
表層水温度の条件を特に規定しない場合において、表層水のみで第一の発電設備(2,3,4)の復水器2を冷却する運転が有効となる。つまり、この場合には、第一実施形態の運転方法であれば、復水器2の冷却は表層水のみで行い、復水器2の温排水と深層水取水口20から取水される低温の深層水で第二の発電設備(6〜10)での発電を行うので、表層水温度が定格(設計値)を上回る場合(夏季など)には、第一の発電設備(2,3,4)の発電出力の低下を容認し、第二の発電設備(6〜10)での発電によってその補償または軽減を図ることができる。また、表層水温度が定格(設計値)を下回る場合(冬季など)には、第一の発電設備(2,3,4)の発電出力の増加に加え、第二の発電設備(6〜10)での発電による発電出力の追加を図ることができる。
次に、図3に、上記発電システムを用いた発電システムの運転方法の第二実施形態を示す。同図に示す発電システムの運転方法は、復水器2の温排水を第二発電設備での温排水利用発電の温熱源として利用するとともに、第二の発電設備で用いた深層水を第一の発電設備においても更に使用する運転例である。
同図に示すように、この第二実施形態の運転方法は、上述した発電システムを用いた発電システムの運転方法であり、複数のバルブ12、13、15〜19のうち、調整バルブ15および排水ラインP8の開閉バルブ12が閉じられ、他のバルブは開かれている。これにより、第一の発電設備(2,3,4)は、表層水を取水するとともにその表層水と第二の発電設備(6〜10)での熱交換で加温された深層水とを混合して復水器2の冷却水とし、その冷却水を復水器2に導いてタービン3からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を第二の発電設備(6〜10)の高温熱源として供給する。さらに、第二の発電設備(6〜10)は、深層水取水口20から取水される深層水を低温熱源とするとともに第一の発電設備(2,3,4)の復水器2からの温排水を高温熱源とし、熱交換後の温排水を周辺海域に放水する。
表層水温度が定格(設計値)を下回る場合であれば、復水器の冷却水を、表層水と第二の発電設備での冷却排水(つまり熱交換で加温された深層水)と混合して運転する方法が有効となる。つまり、この第二実施形態の運転方法であれば、復水器2の温排水温度を高くすることにより、深層水との温度差を増加させ、これにより、第二の発電設備(6〜10)での発電の出力増加を図ることができるからである。冬季の表層水の温度低下による復水器2の温度低下で得られる第一の発電設備(2,3,4)の発電の出力増加よりも、第二の発電設備(6〜10)での発電の出力増加を図るものであり、条件が整えば、結果として全体出力を増加させることができる。
ここで、上記第一または第二実施形態の運転方法において、復水器2の冷却水の流量を、復水器2の圧力が定格値となるように制御することは好ましい。つまり、表層水温度が定格(設計値)を下回る場合であれば、復水器2の冷却水の流量を定格よりも減らし、復水器温度が定格となるように維持する運転が好ましい。これにより、取水用ポンプの所要動力を低減し、本体発電出力は定格のままで正味発電出力の増加が可能となる。復水器の冷却水は、表層水のみ、または表層水と第二の発電設備(6〜10)での冷却排水(つまり熱交換で加温された深層水)との混合とする。
次に、図4に、上記発電システムを用いた発電システムの運転方法の第三実施形態を示す。同図に示す発電システムの運転方法は、深層水を第一の発電設備が単独で利用する(第二の発電設備での温排水利用発電を停止する)運転例である。
同図に示すように、この第三実施形態の運転方法は、上述した発電システムを用いた発電システムの運転方法であり、複数のバルブ12、13、15〜19のうち、バイパス用バルブ13および調整バルブ15が開かれ、他のバルブ12、16〜19はいずれも閉じられている。これにより、第一の発電設備(2,3,4)が、復水器2の冷却水として表層水と深層水取水口20から取水される深層水とを直接取水し、その取水した表層水と深層水とを混合して復水器2に導いてタービン3からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を第二の発電設備(6〜10)の高温熱源として供給することなく周辺海域に放水する。
表層水の温度が定格(設計値)を上回る場合に、第二の発電設備(6〜10)での発電を停止し、第一の発電設備(2,3,4)のみで深層水を利用する運転も有効である。つまり、この場合には、この第三実施形態の運転方法であれば、深層水取水容量の範囲内で第一の発電設備(2,3,4)の復水器2に深層水を直接送り、深層水と表層水を混合して復水器を冷却する運転が有効となる。なお、取水可能な深層水全量を復水器2の冷却水に利用(不足分は表層水を使用)しても復水器温度を定格まで下げられない場合は、深層水流量を取水可能な最大値とし、復水器温度は成り行きのままとして運転する。
ここで、上記第三実施形態の運転方法において、表層水と深層水とを混合した冷却水の流量を、復水器2の圧力が定格値となるように制御することは好ましい。つまり、取水可能な深層水全量を復水器2の冷却水に利用(不足分は表層水を使用)すれば復水器温度を定格以下にできる場合は、深層水流量を制御して復水器温度を定格に維持する。これにより、取水用ポンプの所要動力を低減し、本体発電出力は定格のままで正味発電出力の増加が可能となる。
以上説明したように、この発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法によれば、深度の異なる海水の利用により、発電効率を一層向上させることができる。なお、本発明に係る発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記発電システムを用いた発電システムの運転方法として、第一の発電設備(2,3,4)が、復水器2の冷却水として表層水のみを取水し、その取水した表層水の流量を定格流量で復水器2に導いてタービン3からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を第二の発電設備(6〜10)の高温熱源として供給することなく周辺海域に放水するように運転してもよい。
復水器2の冷却水の流量を定格流量とすれば、表層水温度が定格(設計値)よりも高い夏季には発電出力が定格よりも低下するものの、表層水温度が低い冬季においては逆に出力を増加させることができる。よって、第二の発電設備(6〜10)での発電を停止した場合であっても、年間の表層水の温度変化を考慮して月別に発電システムの運転方法を検討すれば、表層水温度が低い冬季において効率良く運転することが可能である。
また、例えば、上述した発電システムを用いた発電システムの運転方法として、第一の発電設備が、復水器2の冷却水として表層水のみを取水し、その取水した表層水の流量を復水器2の圧力が定格値となるように制御して復水器2に導いてタービン3からの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を第二の発電設備(6〜10)の高温熱源として供給することなく周辺海域に放水するように運転してもよい。
取水可能な表層水全量を復水器の冷却水に利用すれば復水器温度を定格以下にできる場合は、表層水流量を制御して復水器温度を定格に維持するとよい。これにより、取水用ポンプの所要動力を低減し、本体発電出力は定格のままで正味発電出力の増加が可能となる。
さらに、上述した発電システムを用いた発電システムの運転方法として、表層水の温度と深層水の温度に基づいて、上述した発電システムの運転方法のうちから、正味発電出力が最大となるいずれか一の発電システムの運転方法を選択し、その選択した発電システムの運転方法によって発電システムを運転することは好ましい。この場合において、週、上中下旬または月等の所定期間毎に、正味発電出力が最大となるような一の発電システムの選択を行って、その選択した一の発電システムにより運転することが望ましい。
図5に、上述した発電システムの運転方法のうちから、正味発電出力が最大となるいずれか一の発電システムの運転方法を選択し、その選択した発電システムの運転方法によって発電システムを年間を通して運転したシミュレーション結果の一例を示す。
同図に示すように、定格からの発電出力偏差を見ると、従来例(第一の発電設備のみ)においては、年間を通して取水する表層水の温度変化により、特に夏季(7〜9月)において発電出力が低下している。これに対し、本発明例のシミュレーション結果では、海水の温度変化に応じた変化はあるものの、上述した発電システムの運転方法のうちから、正味発電出力が最大となるいずれか一の発電システムの運転方法を選択しているので、深度の異なる海水の有効利用により、発電出力を一層向上させることができることがわかる。
例えば周辺海域の水深が浅い場合には、冬季を中心として、低沸点媒体発電が可能な程度の低温海水の取水により、発電出力を一層向上させることができる。また、夏季に低沸点媒体発電が可能な程の低温が得られないときでも、深度の異なる海水の利用により、従来利用している表海水に比べて低温の取水が可能なときは、低沸点媒体発電を休止または低負荷運転として、底層から取水した表層水よりも低温の深層水の全てあるいは一部を第一の発電設備の復水器の冷却に直接使用することにより、火力・原子力発電所の宿命である夏季の発電出力低下を回避または軽減可能であり、同時に放水温度を従来より下げることも可能となる。
このように、本発明の発電システムおよびこれを用いた発電システムの運転方法によれば、具体的な発電所を対象として本発明の発電システムの適用可能性を検討する場合に、発電所の設備諸元に基づく検討だけでなく、年間を通して取水する海水の温度変化、および、立地条件(水深等の周辺海底地形)をも考慮することで一層好適な運転を行うことができる。
1 復水給水ポンプ(第一発電設備)
2 復水器(第一発電設備)
3 タービン(第一発電設備)
4 発電機(第一発電設備)
5 変電・送電設備(第一、第二共通設備)
6 低沸点媒体用蒸気発生器(第二発電設備)
7 低沸点媒体用タービン(第二発電設備)
8 低沸点媒体用発電機(第二発電設備)
9 低沸点媒体用凝縮器(第二発電設備)
10 ポンプ(第二発電設備)
11 深層水取水用ポンプ(第一、第二共通設備)
12、16、17、18、19 開閉バルブ
13 バイパス用バルブ
14 表層水取水用ポンプ(第一発電設備)
15 調整バルブ

Claims (10)

  1. タービンの出側に設置された復水器を有する第一の発電設備と、高温熱源と低温熱源との温度差により低沸点媒体を作動流体として発電する第二の発電設備とを備える発電システムであって、
    周辺海域の深度の異なる海水を取水する複数の取水口を有し、該複数の取水口のうち、海面に近い位置に設けられた表層水取水口から取水される海水を表層水とよび、前記表層水取水口よりも深い位置に設けられた深層水取水口から取水される海水を深層水とよぶとき、
    前記第二の発電設備は、前記低温熱源として前記深層水の取水およびその停止を切替え可能に且つ前記高温熱源として前記第一の発電設備の復水器からの温排水の取水およびその停止を切替え可能に構成されるとともに、熱交換後の前記温排水を前記周辺海域に放水およびその停止を切替え可能に構成され、さらに、前記低温熱源として用いられた後の前記深層水を前記第一の発電設備の前記復水器の冷却水として供給およびその停止を切替え可能に、且つ前記周辺海域への放水およびその停止を切替え可能に構成され、
    前記第一の発電設備は、前記表層水を直接取水可能に、且つ前記深層水を直接又は前記第二の発電設備で前記低温熱源として用いられた後の前記深層水を取水可能に構成されるとともに、その取水した表層水と深層水とを混合して又は表層水のみを前記復水器の冷却水として選択的に導入可能とされており、その導入した冷却水で前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給又は前記周辺海域への放水を選択可能に構成されていることを特徴とする発電システム。
  2. 請求項1に記載の発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、
    前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水のみを前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水の一部または全部を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給し、
    前記第二の発電設備が、前記深層水取水口から取水される深層水を前記低温熱源とするとともに前記第一の発電設備の復水器からの前記温排水を前記高温熱源として発電し、熱交換後の温排水および熱交換後の深層水を前記周辺海域に放水することを特徴とする発電システムの運転方法。
  3. 請求項1に記載の発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、
    前記第一の発電設備が、前記表層水を取水するとともに該表層水と前記第二の発電設備での熱交換で加温された深層水とを混合して前記復水器の冷却水とし、該冷却水を前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給し、
    前記第二の発電設備が、前記深層水取水口から取水される深層水を前記低温熱源とするとともに前記第一の発電設備の復水器からの温排水を前記高温熱源とし、熱交換後の前記温排水を前記周辺海域に放水することを特徴とする発電システムの運転方法。
  4. 前記復水器の冷却水の流量を、前記復水器の圧力が定格値となるように制御することを特徴とする請求項2または3に記載の発電システムの運転方法。
  5. 請求項1に記載の発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、
    前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水と前記深層水取水口から取水される深層水とを取水し、その取水した表層水と深層水とを混合して前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給することなく前記周辺海域に放水することを特徴とする発電システムの運転方法。
  6. 前記表層水と深層水とを混合した冷却水の流量を、前記復水器の圧力が定格値となるように制御することを特徴とする請求項5に記載の発電システムの運転方法。
  7. 請求項1に記載の発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、
    前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水のみを取水し、その取水した表層水の流量を定格流量で前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給することなく前記周辺海域に放水することを特徴とする発電システムの運転方法。
  8. 請求項1に記載の発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、
    前記第一の発電設備が、前記復水器の冷却水として前記表層水のみを取水し、その取水した表層水の流量を前記復水器の圧力が定格値となるように制御して前記復水器に導いて前記タービンからの排蒸気と熱交換し、その熱交換後の温排水を前記第二の発電設備の前記高温熱源として供給することなく前記周辺海域に放水することを特徴とする発電システムの運転方法。
  9. 請求項1に記載の発電システムを用いた発電システムの運転方法であって、
    前記表層水の温度と前記深層水の温度に基づいて、請求項2〜8に記載の発電システムの運転方法のうちから、正味発電出力が最大となるいずれか一の発電システムの運転方法を選択し、該選択した発電システムの運転方法によって請求項1に記載の発電システムを運転することを特徴とする発電システムの運転方法。
  10. 週、上中下旬または月等の所定期間毎に前記選択を行って前記一の発電システムの運転方法を選択することを特徴とする請求項9に記載の発電システムの運転方法。
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JP2019078185A (ja) * 2017-10-20 2019-05-23 松尾 栄人 蓄熱型太陽熱発電システム

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