JP2014124412A - 生体音集音装置、及び生体音集音装置を備える電子聴診装置 - Google Patents

生体音集音装置、及び生体音集音装置を備える電子聴診装置 Download PDF

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Abstract

【課題】集音対象とする生体音を高感度に集音できる生体音集音装置と、生体音集音装置を備える電子聴診装置を提供する。
【解決手段】生体音集音装置1は、筐体40と、集音対象部位より集音した音波を電気信号に変換するマイク10と、集音対象部位に接触する第1の面を有する第1の生体音伝播部21と、第1の生体音伝播部の第1の面に対向する第2の面22と接し、マイクを覆う第2の生体音伝播部30とを備える。第1の生体音伝播部は、第1の面を有する第1の層21と、第1の層と接し、第2の面を有する第2の層22を備え、第1の層は、フッ素化された低分子材料または高分子材料を用いて形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体音集音装置、及び生体音集音装置を備えた電子聴診装置で、特に妊産婦の腹部から胎児の生体音を集音するための生体音集音装置及び電子聴診装置に関する。
聴診器は、従来から医療現場で生体音を診断する装置として広く用いられてきた。聴診器は、通常、生体音を集音するチェストピース部と、チェストピース部に接続されて生体音を音波として伝送するチューブと、チューブの先端に配設されたイヤー部を有する。近年においては、聴診器の電子化技術により、生体音を電気信号に変換して信号処理し、その後再び音波に変換して診断する電子聴診装置が開発されている。電子聴診装置により、聴音データを保存して情報を共有化したり、聴診技術の伝承を図ったりすることが可能となってきた。さらに、聴音データの解析によって、隠れている疾患の兆候を顕在化させることも期待されている。
チェストピース部に、マイクロホン(以下、マイク)を備える電子聴診装置がある。特許文献1には、声帯の規則振動を伴わない音声を頭部や頸部付近から採取するマイクが開示されている。特許文献2には、音を受け、伝達する受音部材と、受音部材に結合されたヘッドセットと、受音部材と関連する、摩擦音を低減するための手段とを含む聴診器が開示されている。
従来の生体音集音装置は、集音対象が心音、肺音、もしくは呼吸音であり、その集音帯域は20Hzから500Hz程度であったが、従来の集音対象より微小な生体音を集音する技術や、集音可能な帯域を広げる広帯域化技術が進化している。集音された音と、疾患との新たな関連付けを行って早期に疾病を発見したり、予防医学に貢献したりすることが期待されている。
一方で、生体は部位により構造組織が異なるため、集音対象部位が異なれば生体音の伝播も異なり、集音環境が一様ではない。そこで集音対象部位を、骨部を含まない生体軟部組織に限定し、更に集音対象部位で発生しうる音の帯域に帯域を狭めることにより、高感度で高いシグナルノイズ比(S/N比)の生体音が集音可能となることも望まれている。
国際公開第2005/067340号パンフレット 特表2008−526310号公報
電子聴診装置がマイクを備える場合、集音した生体音が増幅されるが、聴診対象である人の集音対象部位の体表または着衣との摩擦音のような、不要な音も集音され増幅されてしまう。特許文献2に開示された摩擦音低減手段を設けると、摩擦音に基づく不要な音を低減できるが、これは特にダイアフラムに圧電素子を備えるような、振動を検出する電子聴診装置で効果が得られる。一方で、マイクで集音する電子聴診装置のダイアフラムでは、摩擦音低減手段を設けることで高周波数帯域においては僅かな効果が認められるが、集音対象とする周波数帯域、例えば50〜150Hz、には効果が得られなかった。
本発明は上記問題に鑑み、摺動による雑音の混入が生じ難く、集音対象とする生体音を高感度に集音できる生体音集音装置、及び生体音集音装置を備える電子聴診装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するため、以下の生体音集音装置及び、生体音集音装置を備える電子聴診装置を提供する。
集音対象部位より生体音を集音する生体音集音装置において、筺体と、前記集音対象部位より集音した音波を電気信号に変換するマイクと、前記集音対象部位に接触する第1の面を有する第1の生体音伝播部と、前記第1の生体音伝播部の前記第1の面に対向する第2の面と接し、前記マイクを覆う第2の生体音伝播部と、を備え、前記第1の生体音伝播部は、前記第1の面を有する第1の層と、前記第1の層と接し、前記第2の面を有する第2の層を備え、前記第1の層は、フッ素化された低分子材料または高分子材料を用いて形成されたことを特徴とする生体音集音装置。
本発明の生体音集音装置、及び生体音集音装置を備える電子聴診装置によれば、摺動による雑音の混入が生じ難く、集音対象とする生体音を高感度に集音できる。
第1実施形態に係る生体音集音装置の概略断面図である。 第2実施形態に係る生体音集音装置の概略断面図である。 第3実施形態に係る生体音集音装置の概略断面図である。 実施例の生体音集音装置における周波数特性を示す図である。 比較例1の生体音集音装置における周波数特性を示す図である。 比較例2の生体音集音装置における周波数特性を示す図である。 比較例3の生体音集音装置における周波数特性を示す図である。
以下、本発明に係る生体音集音装置及びこれを備える電子聴診装置の実施形態について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、これらのサイズや比率に限定されない。また、以降の実施形態や変形例において、同種の部材には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
生体音集音装置を備える電子聴診装置は、音波変換部、イヤー部等を有する。生体音集音装置によって集音した生体音に基づく音波(以下、生体音波)は、電気信号に変換され、信号線は電気信号を伝送し、音波変換部で電気信号から音波に変換され、イヤー部から出力される。使用者は、イヤー部から出力される音波に基づく生体音を聞き、診断する。
電子聴診装置は、取得した生体音を保存する記憶部、生体音を解析する解析部、生体音のデータを転送する転送部、生体音のデータを表示する表示部などを有してもよい。
また生体音集音装置及びこれを備える電子聴診装置は、集音対象部位を生体の軟部組織である妊産婦の腹部とし、腹部から胎児心音等の生体音を集音する。集音対象部位は生体の軟部組織であれば、どこでもよい。なお集音対象の音には胎児心音の他、心音、肺音、呼吸音、血流音、蠕動音、嚥下音等の軟部組織から集音される、生体音全般を含む。また集音を行う対象は、人に限定されず、犬、猫、家畜等の動物であってもよい。
<第1実施形態>
図1に、第1実施形態に係る生体音集音装置1の概略断面図を示す。生体音集音装置1は、マイクロホンユニット10(以下、単にマイク10とも称する)、第1の生体音伝播部20、第2の生体音伝播部30、筺体40、信号線50等を備える。
筐体40の外部形状は円筒形状で、円筒の一端は、円筒の直径と同径の円板が円筒と一体的に形成されており(天面)、円筒の他端(底面)は開口している。筐体40の内部形状は、円錐形状や円筒形状であり、内部に空洞を有する構造である。筐体40の形状は、聴診に適していれば特に限定されない。
筐体40内は、開口している側から第1の生体音伝播部20、第2の生体音伝播部30がこの順で設けられている。すなわち、第1の生体音伝播部20が筐体40の底面側、第2の生体音伝播部30が筐体40の天面側に設けられている。マイク10は、第2の生体音伝播部30内に設けられている。
筺体40の材料は、一例として、アルミニウム、真鍮、ステンレス等の制振性の高い金属や、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂が挙げられる。本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、筐体40の材料は特に限定されない。
マイクロホンユニット10は、少なくとも振動板(ダイアフラム)と、検出部を有する。マイク10は、第1の生体音伝播部20及び第2の生体音伝播部30を伝播する生体音に基づく音波を電気信号に変換する。マイク10は、例えば、エレクトレットコンデンサマイクロホンを採用することができる。また、他の小型のダイナミックマイクロホン、マイクロエレクトロメカニカルシステム(以下、MEMS)によるシリコンマイクロホンを採用してもよい。
音波は、第1の生体音伝播部20、第2の生体音伝播部30を介してマイク10に伝播される。マイク10は、第2の生体音伝播部30にその全体または一部が収まるような位置に設けられる。マイク10の第1の生体音伝播部20側の面と、第2生体音伝播部30と第1の生体音伝播部20の第2の層22との境界面とを離間させると、生体音の高音域を減衰させることに効果があり、高周波数のノイズ低減に優れた特性を有する。一方で離間距離が大きくなると、低周波数の音圧が低下してしまう。従って、境界面と1mm程度離間するようにマイク10を配置すると、音圧低下や周波数特性の劣化が生じにくく好ましい。より好ましくは0.5mm程度とする。あるいは、マイク10の第1の生体音伝播部20側の面と、第2の生体音伝播部30の第1の生体音伝播部20と接する面である境界面と、が同一面上に位置するよう設けてもよい。
マイク10の第1の生体音伝播部20側の面と、境界面との離間距離は、第1の生体音伝播部20と第2生体音伝播部30を形成する材料に応じて調整する。調整により、第1の生体音伝播部20を通じた雑音の混入が生じにくく、混入した雑音を大きく減衰でき、集音対象である生体音をマイク10に効率よく伝導することが可能となる。
第1の生体音伝播部20は、筐体40の底面側の開口と同形の円形状である。第1の生体音伝播部20は、集音対象部位(腹部)60の体表61に接触する第1の面を有する第1の層21と、第1の層21の第1の面に対向する面上に形成された第2の層22を有する。第2の層22の、第1の層21と接する面と対向する面上には、第2の生体音伝播部30が形成される。本実施形態においては、体表61に第1の生体音伝播部20の第1の層21の第1の面(以下、表面)を接触させ、生体音を集音する。
第1の生体音伝播部20は、生体内を伝導する生体音を第2の生体音伝播部30を介して、マイク10に伝導させる。第1の生体音伝播部20は、体表61の他、手術中の体内の体表等に接触させてもよい。
図1では、筐体40の腹部60と対向する面(以下、筐体40の底面)と第1の生体音伝播部20の表面とが同一平面上に位置するが、第1の生体音伝播部20の表面が筐体40の表面よりも腹部60側に突出していてもよい。その場合、第1の生体音伝播部20の表面が腹部60の体表61と接触するものの、筐体40の底面は体表61と接触しない。
第1の生体音伝播部20は、生体音を集音する対象部位の音響特性インピーダンスに近い音響特性インピーダンスを有する材料を用いて形成する。集音対象部位と第1の生体音伝播部20との音響インピーダンスの差が大きいと、集音対象部位と第1の生体音伝播部20の領域界面で反射が生じ、第1の生体音伝播部20へ生体音に基づく音波が伝播し難くなる。
第1の生体音伝播部20の厚みは、生体音の伝播距離が長くなると減衰が生じるため薄いことが好ましいが、一方で入射した生体音が第2の生体音伝播部30から射出が生じないような厚みが必要である。
ここで、集音対象部位の音響特性インピーダンスとは、集音対象部位を構成する皮膚、皮下組織、臓器、筋肉等の軟部組織、及び骨格からなる硬組織の各部位の伝達特性を合成して求める音響インピーダンスのことである。なお、集音対象部位の音響インピーダンスは、集音対象部位の断面積内あるいは容積内を構成する各器官の特性インピーダンスの分率和で表される。各組織の音響特性インピーダンスは、組織の密度と組織中の音速の積である。
生体は、水から骨まで様々な音響特性を有する部位(皮質骨、海綿骨、内臓、筋繊維、脂肪、腱、血管、血液、水分)の混合体で、部位、場所、個体により構成比率が異なり、部位の音響インピーダンスもそれぞれの固有値の合成となっている。生体の音速、または生体中の音の伝播速度、は臓器、組織により多少差があるが、一般的には軟部組織の音響インピーダンスは1.35×106〜1.72×106kg/m2秒の値を示す。また骨部の音響インピーダンスは、軟部組織と比較して密度が高く音速が早いため、3.86×106〜6.7×106kg/m2秒の値を示す。
胎児心音を集音するための対象部位として適している腹部60は、皮膚、臓器、筋肉、脂肪、血管等の軟部組織で形成されていることに特徴がある。聴音される生体音は、これら全組織を伝播してきた音となる。そのため、第1の生体音伝播部20を形成する材料の音響インピーダンスは、軟部組織の音響インピーダンスの範囲に含まれることが好ましく、含まれない場合には軟部組織の音響インピーダンスと差が小さいことが好ましい。さらには、体表61への密着性と形状追随性に優れた粘弾性を備え、硬度及びヤング率が高く、摺動ノイズが低く、生体内の音速とほぼ同等な音速であることが好ましい。
第1の生体音伝播部20の材料に、ウレタンエラストマーやシリコーンエラストマー等を用いると、体表61に対する密着性が良好となる。第1の生体音伝播部20が体表61に対して密着し、より強固に人体に対して保持させることができる。ただし、シリコーンエラストマーの中でも、音響インピーダンスの低いシリコーンエラストマーを第1の生体音伝播部20に用いると、伝播時の損失が大きくなり、減衰が大きくなることにより生体音の伝播効率が低くなる。そのため、音響インピーダンスが高めのシリコーンエラストマーを用いることが好ましい。
例えば、第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスを1.5×106kg/m2秒とすることにより、第1の生体音伝播部20の表面から第2の生体音伝播部30を通じて伝播する生体音を高い効率でマイク10まで導くことが可能となる。ショアA硬度35のシリコーンエラストマーは、1.5×106kg/m2秒の音響特性インピーダンスを示す。
フッ素化された高分子は基本的に密度が高く、音響特性インピーダンスも高いことが知られている。そのため、第1の生体音伝播部20をフッ素化された高分子材料で形成すると、第1の生体音伝播部20の音響特性インピーダンスが集音対象部位の音響特性インピーダンスと比較して高くなりすぎる。また、音の伝播効率が低下する。
従って、第1の生体音伝播部20をフッ素化された高分子材料を用いて形成し、低摩擦係数特性と音の伝播効率とを両立させることは容易ではない。フッ素化された高分子材料を用いる場合、第1の生体音伝播部20を構成する材料のうち音響インピーダンスが集音対象部位に近い材料の構成比率が高くなるよう、各材料を組み合わせることが必要となる。
本実施形態では第1の生体音伝播部20は、第1の層21をフッ素化された高分子を用いて形成する(以下、高分子層21とも呼ぶ)。第1の層21は、体表61との摺動ノイズを低減させるため、体表61との摩擦係数が小さい材料を用いて形成することが好ましい。
第1の層21を形成するフッ素化された高分子材料として、四フッ化ポリエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−三フッ化ポリエチレン共重合体(P(VDF−TrFE))、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(EFTE)の単体、またはこれらを混合した混合物を用いることが好ましい。高分子材料を用いてフィルム状、またはシート状の第1の層21を形成し、第2の層22に接着等により付着させる。または、高分子材料を溶解させた溶液を第2の層22上にディップ、スプレー、スピンコート等にて塗布し、薄膜状の第1の層21を形成してもよい。あるいは、LB膜等の単分子膜を第2の層22の表面に転写させて、第1の層21を形成することもできる。
第1の生体音伝播部20の第2の層22は、集音対象部位からの集音に適した音響インピーダンスを有する材料を用いて形成すればよく、粘弾性体やゴム弾性体を用いることが好ましい。ここで、粘弾性体とは、粘性と弾性の両方の性質を合わせ持つ物質であり、樹脂などの高分子物質が挙げられる。また、ゴム弾性体とは、常温でヤング率が約1〜10MPaの範囲にあり、わずかな応力で伸び、外力を除くと元に戻る性質を有する物質である。ゴム弾性体の例としては、ポリエーテルゴムや多硫化ゴム、シリコンゴムが挙げられる。シリコーンエラストマーやウレタンエラストマーは、第2の層22の材料として好ましい。
例えば、シリコーンエラストマーを用いて、厚みが2mmの第2の層22を形成する。フッ素化された高分子材料として、音響特性インピーダンスが4.5×106kg/m2秒であるポリフッ化ビニリデン(以下、PVDF)を用いて高分子層21を形成した場合、高分子層21の厚みが0.1mmであれば、第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスは1.64×106kg/m2秒であり、高分子層21の厚みが1mmであれば、第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスは2.1×106kg/m2秒である。
高分子層21が1mmの場合は、生体軟部の音響インピーダンスよりも第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスが高くなってしまうため、本実施形態の生体音集音装置1及び電子聴診装置には適していない。従って、第1の層21の厚みと第2の層22の厚みの比を、集音対象領域の音響インピーダンスと第1の生体音伝播部20の音響特性インピーダンスとが適切な関係となるよう調整すればよい。
第2の生体音伝播部30は、第1の生体音伝播部20における第2の層22と筺体40の内部側面41とに区画される空間に充填されている。第2の生体音伝播部30は、マイク10を保持し、外部環境ノイズの遮蔽特性に優れていることが好ましい。また第2の生体音伝播部30は、集音対象部位である腹部60、第1の生体音伝播部20、及び筺体40との音響インピーダンス差を大きくし、ノイズ成分を減衰させるフィルタとしての機能を果たすため、低めの音響インピーダンスを有するシリコーンエラストマーを用いて形成することが好ましい。このとき、第1の生体音伝播部20よりも音響インピーダンスが小さいことが、より好ましい。
第2の生体音伝播部30の材料は、上記した要件を満足するものであれば特に限定されないが、粘弾性体やゴム弾性体が好ましく、特にシリコーンエラストマー、ウレタンエラストマーが好ましい。
なお、第1の生体音伝播部20や第2の生体音伝播部30には、特性に影響を与えない範囲で他の添加材等が含有されていてもよい。
第1実施形態に係る生体音集音装置1の製造方法の一例を説明する。
第2の生体音伝播部30の材料であるシリコーンエラストマーの主剤と硬化剤を混合する。硬化剤は、主剤に対し10重量%とした。マイク10を筐体40の内壁に接しないよう支持し、筐体40の天面側に形成されている信号線50を通すための開口部を一時的に封止する。
未硬化の第2の生体音伝播部30の材料を筐体40の開口側から充填し、24時間室温で放置して硬化させる。第2の生体音伝播部30の音響特性インピーダンスは、1.4×106kg/m2秒である。
第1の生体音伝播部20は、シリコーンエラストマーを用いて形成した2mm厚の第2の層22と、フッ素化された高分子としてPVDFを用いて形成した0.1mm厚の第1の層21(PVDFフィルム)とを備え、第2の層22を第2の生体音伝播部30に接着する。第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスは1.64×106kg/m2秒である。第1の生体音伝播部20と第2の生体音伝播部30の接合方法は特に制限がないが、通常、第2の生体音伝播部30の密着力で十分である。
第1実施形態に係る生体音集音装置1によれば、第1の生体音伝播部20の第1の層21の全体を腹部60の体表61に密着させるので、効率よく集音することができる。第1の生体音伝播部20の第1の層21の全体を体表61に密着させると、摩擦係数が低いため、摺動により発生する雑音を低減できる。
さらに、第1の生体音伝播部20として、フッ素化された高分子材料により形成した第1の層21を備えることにより、腹部60と第1の生体音伝播部20との界面において生体音の減衰を少なくし、高感度に生体音を集音することができる。これは、第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスを1.5×106kg/m2秒以上とすることにより、ヤング率や音速を集音対象部位である腹部60とほぼ同程度に高く保つことができるためである。
また、第2の生体音伝播部30の音響インピーダンスと、腹部60、第1の生体音伝播部20及び筐体40の音響インピーダンスとの差が大きいことで、より効果的に外部雑音の減衰を大きくし、雑音混入を抑制することができる。第2の生体音伝播部30の音響インピーダンスは、1.5×106kg/m2秒未満であることが好ましい。第2の生体音伝播部30として、硬度が低く、減衰が大きく、かつ音速が低いものを用いると、より効果的に生体音の帯域以外の音を第2の生体音伝播部30内で効率的に減衰させることが可能となる。その結果、雑音を低減させることができる。
また、第1の生体音伝播部20の厚みと、マイク10の位置を調整することで、集音した生体音のマイク10までの伝送距離を短くし、第2の生体音伝播部30中での生体音の減衰を抑えられる。
第1の生体音伝播部20は、フッ素化された高分子材料を用いて形成することで、集音対象部位である生体の音響インピーダンスに対して適切な音響インピーダンスを有し、集音対象部位と接触する表面が摩擦特性に優れている。そのため生体音集音装置1は、生体音の伝播特性に優れた信号強度が大きく、集音対象部位上を摺動させる際に発生する摺動ノイズが小さく、S/N比の高いものとなる。
<第2実施形態>
図2に、第2実施形態の生体音集音装置2の概略断面図を示す。生体音集音装置2は、第1の生体音伝播部23の構成が異なる点を除き、第1実施形態の生体音集音装置1と同様の構成である。
生体音集音装置2は、マイク10、第1の生体音伝播部23、第2の生体音伝播部30、筺体40、信号線50等を備える。
第1の生体音伝播部23の、集音対象部位の体表61に接触する第1の面は、主材で形成された主材部と、フッ素化された高分子材料を用いて形成された高分子部24とを有する。高分子部24は、フッ素化された高分子材料が粉末状、フレーク状、粒子状、微粒子状等の形態を含む粉体状で、主材部の間に形成されている。主材には、シリコーンエラストマーやウレタンエラストマーを用いる。主材と粉体状の高分子材料との混合は、既知の混合あるいは分散方法で行えばよい。
複数の材料によって形成した第1の生体音伝播部23の音響インピーダンスは、各材料の音響インピーダンスの合成で表される。本実施形態では、体表61に接触する第1の面が集音に影響を及ぼすため、第1の生体音伝播部23の第1の面に平行な断面における各材料の含有比で第1の生体音伝播部23の音響インピーダンスを定義する。集音対象部位の音響インピーダンスと第1の面の音響インピーダンスとが集音に適する関係になるように、第1の面に平行な面の断面における第1の面を構成する各材料の比率、すなわち断面における主材部と高分子部24の比によって調整すればよい。さらには、第1の面が低摩擦となるような調整が望ましい。
第1の生体音伝播部23を、主材をシリコーンエラストマー、高分子材料をPVDFを用いて形成する場合、断面積におけるシリコーンエラストマーに対するPVDFの含有比は7%以下が好ましい。例えば、PVDFを5%含有する第1の生体音伝播部23の音響インピーダンスは1.65×106kg/m2秒であった。
第1の生体音伝播部23は、フッ素化された高分子材料を用いて形成することで、集音対象部位である生体の音響インピーダンスに対して適切な音響インピーダンスを有し、集音対象部位と接触する表面が摩擦特性に優れている。そのため生体音集音装置2は、生体音の伝播特性に優れた信号強度が大きく、集音対象部位上を摺動させる際に発生する摺動ノイズが小さく、S/N比の高いものとなる。
<第3実施形態>
図3に、第3実施形態の生体音集音装置3の概略断面図を示す。生体音集音装置3は、第1の生体音伝播部25の構成が異なる点を除き、第1実施形態、第2実施形態の生体音集音装置(1、2)と同様の構成である。
生体音集音装置3は、マイク10、第1の生体音伝播部25、第2の生体音伝播部30、筺体40、信号線50等を備える。
第1の生体音伝播部25は、第1実施形態の第1の生体音伝播部20と同様に集音対象部位(腹部)60の体表61に接触する第1の面を有する第1の層26と、第1の層26の第1の面に対向する面上に形成された第2の層27を有する。
本実施形態では第1の生体音伝播部25は、第1の層26をフッ素化された低分子を用いて形成する(以下、低分子層26とも呼ぶ)。第1の層26を形成するフッ素化された低分子材料として、一方に直鎖もしくは分岐したフッ化アルキル鎖を有し、他方にシリル基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基等を有する化合物の単体、またはこれらを混合した混合物を用いることが好ましい。
第2の層27の材料、例えばシリコーンエラストマー、とフッ素化された低分子材料とを混合し、シリコーンエラストマーを重合硬化させる際にフッ化アルキル部を第2の層27の表面へ析出させて、第1の層26を形成する。低分子材料に、炭素数C1からC8までのいずれかの鎖長を有するフッ化アルキル鎖を有する低分子化合物を用いると、フッ化アルキル鎖部分はシリコーンエラストマーと相溶性が極めて低いため、分散していた低分子化合物はシリコーンエラストマーの表面に析出する。第2の層27の第2の生体音伝播部30と接していない面から析出したフッ化アルキル鎖は、単分子層(第1の層26)を形成する。
炭素数がC8より小さいC1〜C7の、鎖長が短いフッ化アルキル鎖を用いても同様に単分子層が形成される。分子鎖の片端に非重合性官能基を有するフッ化アルキル鎖は、主材に分散させ表層に析出させて単分子層を形成する方法が適しているが、第1実施形態の第1の層21を形成する方法と同様に第2の層27に低分子材料を塗布して第1の層26を形成してもよい。
または、第2の層27の表面にフッ素化された低分子材料を付加重合させる等してもよい。この場合は、シリル基等の付加重合性官能基を有するフッ化アルキル鎖を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。あるいは、シリコーンエラストマー等の第1の生体音伝播部25における主材に、フッ素化された低分子材料が含有された状態で第1の生体音伝播部25を形成してもよい。この場合は、第1の層26と第2の層27からなる積層構造を有さない。
シリコーンエラストマーを用いて形成した第2の層27上に、フッ化アルキル鎖長に応じた第1の層26が形成されているが、炭素数C8であるパーフルオロオクタンカルボン酸を用いると、析出して形成される第1の層26の厚みは10nm程度と非常に薄く、主材であるシリコーンエラストマーの音響インピーダンスにほとんど影響を与えない。第1の生体音伝播部25の第1の層26の体表61と接触する面(表面)の低摩擦係数を実現するものである。
フッ素化された低分子を用いて形成した層を第1の生体音伝播部24の一方の面に設けると、摺動により発生する雑音を低減させることができる。生体音を効率よく集音することが可能となる。なお、シリコーンエラストマーを主材とし、第2の層27を形成する例について述べたが、他の材料を用いた場合においても同様である。
第3実施形態の第1の生体音伝播部25は、集音対象部位に対する高い密着力と、生体音の高い伝播効率とを両立することが可能となる。第1の生体音伝播部25の表面が集音対象部位の体表に強く密着することで、生体音集音装置3と集音対象部位の体表61との隙間が小さくなり、隙間からマイク10に雑音が浸入することを、より確実に防止できる。
第1の生体音伝播部25は、フッ素化された低分子材料を用いて形成することで、集音対象部位である生体の音響インピーダンスに対して適切な音響インピーダンスを有し、集音対象部位と接触する表面が摩擦特性に優れている。そのため生体音集音装置3は、生体音の伝播特性に優れた信号強度が大きく、集音対象部位上を摺動させる際に発生する摺動ノイズが小さく、S/N比の高いものとなる。
本発明の各実施形態では、集音対象とする周波数帯域は50Hz〜200Hzで、特に胎児の心音帯域である100Hz前後の帯域の信号が十分な感度で検出できることを目的としている。生体音集音装置、または電子聴診装置は集音対象部位上で静止させて集音するが、胎児の心音は成人と異なり、胎勢が時々変化して聞こえづらいことがある。そうした場合には生体音集音装置、または電子聴診装置を集音対象部位の周辺を摺動させながら、よりよく音が聞こえる場所を探すこととなる。そのため、集音された音に対して妨害となるような体表61や衣服との摺動摩擦により発生する摺動ノイズを低減させることが求められる。特に、胎児心音がノイズに埋没することを避けるため同帯域の摺動ノイズの低減が必要である。集音対象ではない50Hz〜200Hz以外の帯域の音は、ローパスフィルタやハイパスフィルタを適用した信号処理により除けばよい。
図1に示す生体音集音装置1を、以下の実施例及び比較例1〜3に記載のように作製し、それぞれの特性を測定した。
実施例の生体音集音装置1の第1の生体音伝播部20は、PVDFを用いて形成した80μm厚の第1の層21と、シリコーンエラストマーを用いて形成した2mm厚の第2の層22を備える。既述の通り、PVDFの音響特性インピーダンスは4.5×106kg/m2秒、シリコーンエラストマーの音響特性インピーダンスは1.5×106kg/m2秒である。このようにして形成された第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスは、1.62×106kg/m2秒であった。
図4に実施例の生体音集音装置1の周波数特性を示す。横軸が周波数、縦軸が音圧を示し、実線が静的な周波数特性、破線が動的な周波数特性を示す。測定する周波数帯域は、電子聴診装置の対応する20Hzから1kHzとした。
周波数特性の測定は、以下の方法で行った。胎児の心音の代用信号として100Hzサイン波(0.5mV)を入力した加振器上に、20mm厚の水枕と20mm厚のウレタンエラストマーを積層させた擬似人体モデルを置いた。生体音集音装置1を接続するマイクアンプのゲインを、胎児心音と略同等にマイク出力が30dBとなるよう調整した。
静的な特性は、マイクアンプのゲインを維持したまま、生体音集音装置1を擬似人体モデルに接触させて測定した。動的な特性は、マイクアンプのゲインを維持したまま、50gの荷重を負荷した状態で人体前腕部内側に接触させながら、生体音集音装置1を速度5cm/秒で前腕長手方向に摺動させて測定した。
図4より、実施例の生体音集音装置1は、静的な特性の測定にて100Hzの信号が約35dBと、十分な感度で得られることがわかる。また、動的な特性の測定にて得られた周波数特性と比較して、100Hz以下の低域の音圧の増加が認められるが、100Hzの信号がノイズに埋没することがないことが確認できた。
(比較例1)第1の生体音伝播部20の第1の層21を、音響特性インピーダンスが2.0×106kg/m2秒のポリウレタンフィルムを用いて、0.1mmの厚みで形成した。第2の層22は実施例と同じ、2mm厚のシリコーンエラストマーとする。比較例1における第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスは、1.52×106kg/m2秒であった。
図5に比較例1の生体音集音装置の周波数特性を示す。横軸が周波数、縦軸が音圧を示し、実線が静的な周波数特性、破線が動的な周波数特性を示す。測定方法は既に説明したとおりである。
図5より比較例1では、実施例と比較して20Hzから1kHzの全帯域において、動的な特性の測定時のマイク出力音圧が大幅に増加している。また、静的な特性で測定した100Hzの信号強度が、実施例と比較して低下している。
(比較例2)第1の生体音伝播部20を、第1の層21を設けず、実施例と同じ、2mm厚のシリコーンエラストマーで形成された第2の層22のみとした。従って、体表61に第2の層22が接触する。第1の生体音伝播部20の音響インピーダンスは、1.5×106kg/m2秒であった。
図6に、比較例2の生体音集音装置の周波数特性を示す。横軸が周波数、縦軸が音圧を示し、実線が静的な周波数特性、破線が動的な周波数特性を示す。測定方法は既に説明したとおりである。
図6より比較例2では、実施例と比較して20Hzから1kHzの全帯域において、動的な特性の測定時のマイク出力音圧が増加している。また、静的な特性で測定した100Hzの信号強度が、実施例と比較して低下している。
(比較例3)第1の生体音伝播部20として、音響特性インピーダンスが4.5×106kg/m2秒の四フッ化ポリエチレン(PTFE)を用いて形成した、厚さ2mmのPTFEプレートを用いた。
図7に、比較例3の生体音集音装置の周波数特性を示す。横軸が周波数、縦軸が音圧を示し、実線が静的な周波数特性、破線が動的な周波数特性を示す。測定方法は既に説明したとおりである。
図7より比較例3は、実施例と比較して100Hzの信号出力音圧が約15dB低い一方で、摺動によるノイズ、すなわち動的な特性の測定時のマイク出力音圧が低いことが分かる。従って、動的な特性の測定におけるノイズ増加は認められないが、静的な特性の測定における100Hzの信号強度自体が低く、結果として実施例に比べS/N比が低下している。
Figure 2014124412
表1には、実施例、比較例1〜3より求めた、各周波数における動的特性(摺動)の測定時のノイズレベルと、静的特性の測定における100Hzのノイズレベルとの差を示す。50Hz、150Hz、200Hzでは摺動時のノイズレベルを抑えるため小さい方が好ましく、100Hzにおいては摺動ノイズ発生時においては,信号レベルとなる絶対値が大きい方が好ましい。
実施例は、50Hz及び150Hzにおいて、ノイズレベル差が比較例1及び比較例2と比べると小さく、100Hzにおいていずれの比較例よりも信号感度が高い。
比較例1及び比較例2では、第1の生体音伝播部20と集音対象部位との音響インピーダンス差は適切な範囲に保たれており、静的な周波数特性において100Hzの信号強度に大きな低下は見られない。しかしながら、比較例1及び比較例2の第1の生体音伝播部20は、体表61との摩擦係数が大きいため、摺動時には100Hzの信号強度を低下させる要因となっていると考えられる。
比較例3の第1の生体音伝播部20は、実施例と同様にフッ素化された高分子材料を用いて形成しているが、フィルムと比較して高い剛性を有する板状であるため摩擦係数が低く、摺動時のノイズレベルが極めて低い。また、音響インピーダンスが集音対象部位のものと比較して高すぎるため、生体音の伝播が阻害され、信号レベルも実施例と比較すると大きく劣る。
実際の胎児心音は100Hzの単一周波数ではなく,100Hz±20Hz程度の半値幅の広い信号として検出されるため、100Hzの信号強度が十分に取れることが必要である。生体上を摺動させる際の摩擦係数を低下させるために用いるフッ素化された高分子材料は、より剛性を出すためには膜厚が厚いほうが好ましいが、厚くなると音響インピーダンスが高くなり、生体音を効率良く伝播できないという問題を同時に有している。このため第1の生体音伝播部20における、フッ素化された高分子材料の割合には最適な範囲がある。第1の層21の膜厚であれば、主材となるシリコーンエラストマーを2mm厚とした場合、0.16mm以下であることが好ましい。
本発明は、生体を伝導する生体音を集音する生体音集音装置に好適に適用できる。また、生体音集音装置を備える電子聴診装置に好適に適用できる。特に、妊産婦の腹部より胎児の心音等の生体音を集音する、生体音集音装置、及び電子聴診装置に好適である。また、生体音の集音に際して超音波式胎児心音測定に必要なジェルやゼリー等の使用が不要であり、より簡単に利用できる。
1、2、3 生体音集音装置
10 マイクロホンユニット
20、23、25 第1の生体音伝播部
21、26 第1の層
22、27 第2の層
24 高分子部
30 第2の生体音伝播部
40 筺体
50 信号線
60 集音対象部位(腹部)
61 体表

Claims (9)

  1. 集音対象部位より生体音を集音する生体音集音装置において、
    筺体と、
    前記集音対象部位より集音した音波を電気信号に変換するマイクと、
    前記集音対象部位に接触する第1の面を有する第1の生体音伝播部と、
    前記第1の生体音伝播部の前記第1の面に対向する第2の面と接し、前記マイクを覆う第2の生体音伝播部と、を備え、
    前記第1の生体音伝播部は、前記第1の面を有する第1の層と、前記第1の層と接し、前記第2の面を有する第2の層を備え、前記第1の層は、フッ素化された低分子材料または高分子材料を用いて形成されたことを特徴とする生体音集音装置。
  2. 前記第1の生体音伝播部の音響インピーダンスが、集音対象部位の音響インピーダンスの範囲を示すよう、前記第1の層及び前記第2の層を形成することを特徴とする請求項1に記載の生体音集音装置。
  3. 前記フッ素化された高分子材料は、四フッ化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−三フッ化ポリエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体の単体のいずれか、または前記各単体を混合した混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の生体音集音装置。
  4. 前記フッ素化された低分子材料は、炭素数1から炭素数8までのフッ化アルキル鎖を有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の生体音集音装置。
  5. 前記フッ素化された低分子材料は、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の生体音集音装置。
  6. 集音対象部位より生体音を集音する生体音集音装置において、
    筺体と、
    前記集音対象部位より集音した音波を電気信号に変換するマイクと、
    前記集音対象部位に接触する第1の面を有する第1の生体音伝播部と、
    前記第1の生体音伝播部の前記第1の面に対向する第2の面と接し、前記マイクを覆う第2の生体音伝播部と、を備え、
    前記第1の生体音伝播部は、主材とフッ素化された高分子材料とを用いて形成され、前記第1の面は、前記フッ素化された高分子材料を用いて形成された高分子部と、前記主材を用いて形成された主材部とを有することを特徴とする生体音集音装置。
  7. 前記第1の生体音伝播部の音響インピーダンスが、集音対象部位の音響インピーダンスの範囲を示すよう、前記第1の層及び前記第2の層を形成することを特徴とする請求項6に記載の生体音集音装置。
  8. 前記高分子部は、前記フッ素化された高分子材料が粉体状となり形成されることを特徴とする請求項6記載の生体音集音装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された生体音集音装置と、
    前記生体音集音装置が集音した音に基づく電気信号を音波に変換する音波変換部と、
    前記音波を出力する出力部と、を備える電子聴診装置。
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