JP2014123577A - 質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定試料4をイオン化するために外部から流入するガス23をイオン化するイオン源101と、イオン化した測定試料4を分離する質量分析部102とを有し、イオン源101は、質量分析部102からの差動排気によって内部が減圧され、ガス23を取り込み内圧が上昇して略100Pa〜略10000Paのときにガス23をイオン化し、質量分析部102は、ガス23の取り込みに連動して上昇した内圧がガス23の取り込み後に略0.1Pa以下に低下したときに、イオン化した測定試料4を分離する。イオン源101が取り込むガス23の流量を抑制する抑制手段9と、イオン源101が取り込むガス23の流れを開閉する開閉手段8とを有する。
【選択図】図1A
Description
イオン化した前記測定試料を分離する質量分析部とを有し、
前記イオン源は、前記質量分析部からの差動排気によって内部が減圧され、前記ガスを取り込み内圧が上昇して略100Pa〜略10,000Paのときに前記ガスをイオン化し、
前記質量分析部は、前記ガスの取り込みに連動して上昇した内圧が前記ガスの取り込み後に略0.1Pa以下に低下したときに、イオン化した前記測定試料を分離する質量分析装置であることを特徴としている。
図1Aに、本発明の第一の実施形態に係る質量分析装置100の構成図を示す。質量分析装置100は、真空チャンバ17を有している。真空チャンバ17には、ターボ分子ポンプ13と粗引きポンプ14とが直列に接続されている。これにより、真空チャンバ17内を、略0.1Pa以下の高真空に減圧させることができる。真空チャンバ17には、真空ゲージ15が設けられ、真空チャンバ17内の真空度(圧力)が計測できる。計測された真空度は、制御回路21に送信される。制御回路21では、受信した真空度に基づいて、ターボ分子ポンプ13と粗引きポンプ14の運転を制御している。
オリフィス5には、試料容器29が接続されている。試料容器29は、両端が開口しており、パイプ(管)状の容器を用いることができる。そして、一端の開口がオリフィス5に接続され、他端の開口がイオン源101の誘電体容器(誘電体隔壁)1に接続されている。試料容器29内には、試料(測定試料)4が配置されている。試料4が液体の場合は、ガラス濾紙や固相抽出材などに吸着され気道を確保した状態で試料容器29内に配置されている。試料4が固体の場合は、そのまま試料容器29内に配置したり、ガラス濾紙などにこすりつけて試料容器29内に配置したりすることができる。試料4が気化しにくい場合は、試料容器29の外側に配置された加熱ヒータ3で温めることによって、試料4の気化を促進することができる。加熱ヒータ3は、ヒータ用電源7から電力が供給されるが、制御回路21は、その電力を調整し加熱ヒータ3のオンオフさらには温度を制御することができる。
そして、質量選択的に排出されたイオン(イオン排出方向26)は、電子増倍管、マルチチャネルプレート、もしくは、コンバージョンダイノードとシンチレータとフォトマルなどからなるイオン検出器16により、電気的な信号に変換され、制御回路21へ送られ蓄積(記憶)される。
まず、図3(a)に示すように、パルスバルブ8を開ける。そうすると、図3(b)と(c)に示すように、バリア放電部10(誘電体容器1)の圧力と質量分析部102の圧力が上昇する。図3(d)に示すように、バリア放電部10(誘電体容器1)の圧力が適当な値に上昇するタイミングに合わせて、バリア放電電極2にバリア放電用交流電源6から数kV、数MHzの交流電圧を印加して、バリア放電を発生させる。パルスバルブ8の開と同時に、図3(e)と(f)に示すように、オリフィス5とインキャップ電極19に適当なバイアス電圧(例えば20V(図3(e)参照)と50V(図3(f)参照))を加え、発生した試料分子イオンを質量分析部102内へ導く。図3(e)と(f)では、測定する試料分子イオンが負イオンであると仮定して、オリフィス5に20V、インキャップ電極19に50Vを印加している。また、図3(g)と(h)に示すように、質量分析部102内へ導かれてきた試料分子イオンを、エンドキャップ電極20に−50Vが印加されて発生する静電場と、リニアイオントラップ電極18a、18b、18c、18dに数MHzのRF電圧が印加されて生じる高周波電界とによって、質量分析部102の中央部に直線的にトラップ(蓄積)する。
排気待ちステップでは、パルスバルブ8が閉弁状態となり、真空チャンバ17の圧力が質量分析が可能な0.1Pa以下になるまで待つ。真空チャンバ17内の圧力が0.1Pa以下に低下するまで1〜3秒程度待つ。真空チャンバ17内の圧力は真空ゲージ15でモニタする。
イオン選択ステップでは、トラップされたイオンのうち、特定の範囲のm/z値の試料分子イオン(目的イオン)を選択するために、図3(i)に示すようにリニアイオントラップ電極18aと18bに補助交流電圧22aを加え、図3(h)に示すようにトラップRF電圧22bも高くして、FNF(Filtered Noise Field)処理することで測定したい範囲のm/z値外の試料分子イオンをトラップ領域から排出する。なお、トラップした試料分子イオン全てを質量分離する場合は、このFNF処理は省略される。
イオン解離ステップでは、試料分子イオンをCID(Collision Induced Dissociation)処理してプロダクトイオンを発生させる。図3(i)に示すように、CIDのターゲットとなるプリカーサイオン(目的イオン)のm/z値に合った補助交流電圧22aを、リニアイオントラップ電極18aと18bに加え、プリカーサイオンを質量分析部102にある中性分子(N2やO2)と衝突させてフラグメント(解離)させる(フラグメントイオンの生成)。プリカーサイオンは、補助交流電圧22aに共鳴し、トラップ内で中性分子(バッファガス)と多重衝突して分解し、フラグメントイオンを生成する。バッファガスの圧力としては、0.01〜1Pa程度の圧力が好適である。なお、プロダクトイオンを質量分離する必要がない場合は、このCID処理は省略される。
最後に、図3(h)と(i)に示すように、トラップRF電圧22bと補助交流電圧22aの電圧値(波高値)をスイープして、m/z値が小さいイオンから順に、リニアイオントラップ電極18aのスリット18eからイオン検出器16の方向に排出する。m/z値の違いから生じるイオン検出器16での検出タイミングの違いが、質量分析のMSスペクトルとなって記録される。すなわち、検出されたイオンの質量数とその信号量から質量分析スペクトルを取得することができる。質量スキャンステップでは、図3(j)に示すようにイオン検出器16の電圧をオンする必要がある。なお、イオン検出器16の電圧には安定化に時間を要する高電圧が用いられているので、イオン選択ステップやイオン解離ステップの間にオンしておいてもよい。これは、イオン検出器16として、電子増倍管などの圧力が高い領域では高電圧が印加できないものを想定していたためで、イオン検出器16にフォトマルや半導体検出器などを用いる場合は、イオン検出器16の電圧を装置稼働中常にオンにすることができ(常時オン)、オンオフのスイッチング動作を省くことができる。
図4に、本発明の第一の実施形態の変形例に係る質量分析装置における質量分析方法(周波数スイープ方式)のシーケンスに対応させて、(a)パルスバルブの開閉、(b)バリア放電部の圧力、(c)質量分析部の圧力、(d)バリア放電電極の交流電圧、(e)オリフィスDC電圧、(f)インキャップ電極DC電圧、(g)エンドキャップ電極DC電圧、(h)トラップRF電圧、(i)補助交流電圧、(j)イオン検出器のオンオフを示す。第一の実施形態の変形例が、第一の実施形態と異なっているのは、質量スキャンステップである。第一の実施形態では、図3(h)と(i)に示すように、トラップRF電圧22bと補助交流電圧22aの電圧値(波高値)をスイープしていたが、変形例では、図4(i)に示すように、補助交流電圧22aの周波数をスイープして、図4(h)に示すように、トラップRF電圧22bは電圧値も周波数も一定に保っている。変形例の周波数スイープ方式でも、m/z値が小さいイオンから順に、リニアイオントラップ電極18aのスリット18eからイオン検出器16の方向にイオンが排出される。
図6Aに、本発明の第二の実施形態に係る質量分析装置100の構成図を示す。第二の実施形態の質量分析装置100が、第一の実施形態の質量分析装置100と異なっている点は、誘電体容器1と試料容器29の並びの順番が逆になっている点である。すなわち、試料容器29は、第一の実施形態と同様に、パルスバルブ8とキャピラリ9に対して、大気(空気)の流れ23や試料分子(気体)の流れ28における下流側に配置されているが、イオン源101(誘電体容器1)に対して、大気(空気)の流れ23や試料分子(気体)の流れ28における上流側に配置されている点が異なっている。
図6Cに、本発明の第二の実施形態の変形例一に係る質量分析装置100の一部分を示す。第二の実施形態の変形例一では、バリア放電部10を発生させるバリア放電電極2の一方の電極を、オリフィス5が兼ねている。これによって構造を簡略化できるだけでなく、オリフィス5は、誘電体容器1の内部空間に露出し、すなわち、バリア放電部10に露出するので、バリア放電部10を、オリフィス5により近付けることができ、発生したイオンの伝送ロスを少なくすることができる。
図6Dに、本発明の第二の実施形態の変形例二に係る質量分析装置100の一部分を示す。第二の実施形態の変形例二では、バリア放電部10を発生させるバリア放電電極2の一方の電極を、誘電体容器1の内部空間に配置して露出させ、すなわち、バリア放電部10内に配置して露出させている。これによっても、バリア放電部10を発生させることができる。また、第二の実施形態の変形例二は、第二の実施形態だけでなく、第一の実施形態や後記する第三の実施形態でも利用できる。
図6Eに、本発明の第二の実施形態の変形例三に係る質量分析装置100の一部分を示す。第二の実施形態の変形例三の質量分析装置100が、第二の実施形態の質量分析装置100と異なっている点は、試料分子(気体)の流れ28上に、バリア放電部10が発生していない点である。このため、第二の実施形態の変形例三では、試料イオン化容器33が設けられている。試料イオン化容器33は、筒状で、第二の実施形態で誘電体容器1が配置されていた位置、すなわち、オリフィス5と試料容器29の間の位置に配置され、オリフィス5と試料容器29に接続されている。また、試料イオン化容器33の側壁には、誘筒状の電体容器1が接続されている。筒状の誘電体容器1の中心軸の延長線と、筒状の試料イオン化容器33の中心軸とは、交差し、直交している。誘電体容器1には、キャピラリ9aとパルスバルブ8aが接続されている。
図6Fに、本発明の第二の実施形態の変形例四に係る質量分析装置100の一部分を示す。第二の実施形態の変形例四も第二の実施形態と同様に、試料4がパルスバルブ8と誘電体容器1の間に配置され接続されているが、第二の実施形態の変形例四では第二の実施形態とは異なり、試料4はバイアル瓶31内に入れられている。バイアル瓶31内の試料4の上側のヘッドスペース部32には、試料4が気化し、その気体が生じている。ヘッドスペース部32とパルスバルブ8とは、キャピラリ9bで接続されている。また、ヘッドスペース部32と誘電体容器1とは、キャピラリ9cで接続されている。キャピラリ9cの一端は、誘電体容器1のオリフィス5に対向する壁面から内部空間にまで差し込まれ、バリア放電部10よりもオリフィス5側に達している。キャピラリ9cは、円筒形状をしており、その中心軸は、円筒状の誘電体容器1の中心軸に一致し、そのキャピラリ9cの中心軸の延長上にはオリフィス5が設けられている。なお、キャピラリ9cは、バリア放電電極2から放射される高周波が内部に透過しないように、シールドされ接地されている。
図6Gに、本発明の第二の実施形態の変形例五に係る質量分析装置100の一部分を示す。第二の実施形態の変形例五の質量分析装置100が、第二の実施形態の変形例三の質量分析装置100と異なっている点は、試料4がバイアル瓶31内に入れられている点である。このバイアル瓶31を用いるヘッドスペース法は、第二の実施形態の変形例四と同様であるが、キャピラリ9cが、変形例四では誘電体容器1に接続されているが、変形例五では、試料イオン化容器33に接続されている点が異なっている。試料イオン化容器33内には、バリア放電部10が発生しないので、試料分子(気体)の流れ28が試料イオン化容器33内に流れ込んでも、試料分子(気体)の流れ28が、バリア放電部10に突っ込むことはない。また、バリア放電部10が試料イオン化容器33内に生じないので、試料イオン化容器33内におけるキャピラリ9cの端部の位置は、基本的には試料イオン化容器33の中心軸上ならどこでもよいが、イオン分子反応の効率を高めるためには、オリフィス5から誘電体容器1の接続位置より離れた位置が好ましい。
第二の実施形態の変形例五によっても、バリア放電部10が、試料分子(気体)の流れ28から離れているので、気化した試料4がバリア放電部10で直接イオン化されず、第一の実施形態と同様に、バリア放電部10でイオン化された大気内の水分や酸素分子の反応イオンによるイオン分子反応で試料分子イオンを生成することができる。
図6Hに、本発明の第二の実施形態の変形例六に係る質量分析装置100の一部分を示す。第二の実施形態の変形例六の質量分析装置100が、第二の実施形態の変形例五の質量分析装置100と異なっている点は、キャピラリ9b、9cの替わりの細管35が埋め込まれて一体化したキャップ34を使って、パルスバルブ8と、バイアル瓶31と、試料イオン化容器33とを接続している。これによってキャピラリ9b、9cで接続した場合よりもバイアル瓶31の交換が容易になる。また、キャップ34の細管35は、バイアル瓶31側の端部に、気体だけを通す多孔質フィルタ36が設けられており、液体や粉体(固形物)がキャップ34の細管35に入るのを防いでいる。
図7Aに、本発明の第三の実施形態に係る質量分析装置100の構成図を示す。第三の実施形態の質量分析装置100が、第二の実施形態の質量分析装置100と異なっている点は、パルスバルブ8が、試料容器29と誘電体容器1との間に配置されて、キャピラリ9が、試料容器29の端部に取り付けられている点である。すなわち、試料4が設けられる試料容器29は、大気(空気)の流れ23や試料分子(気体)の流れ28における、パルスバルブ8とキャピラリ9の間に配置されている。そして。試料4が設けられる試料容器29は、キャピラリ9に対して、大気(空気)の流れ23や試料分子(気体)の流れ28における、下流側に配置され、パルスバルブ8に対して、上流側に配置されている。第一と第二の実施形態では、パルスバルブ8の開閉動作によって、大気が誘電体容器1内および試料容器29内に間欠的に導入されるが、第三の実施形態では、大気と気化された試料4が誘電体容器1に間欠的に導入される。そのため、パルスバルブ8を開けた時だけ、試料4が誘電体容器1や質量分析部102に導入され、試料4による誘電体容器1や質量分析部102のコンタミネーションを少なくすることができる。また、試料容器29がパルスバルブ8の大気側に取り付けられているため、試料容器29の交換が簡単に実施できる。
図7Bに、本発明の第三の実施形態の変形例一に係る質量分析装置100の一部分を示す。第三の実施形態の変形例一では、第三の実施形態と比べ、試料4がパルスバルブ8とキャピラリ9の上流側に配置されている点が異なっている。試料4は、キャピラリ9に対して上流側に配置され、そのキャピラリ9は、パルスバルブ8に対して上流側に配置されている。試料4は、キャピラリ9の先端の近傍であれば、質量分析装置100と独立して離れた場所におくことができる。第三の実施形態の変形例一では、試料4を、試料台30上に載せるだけでよく、試料4が、揮発性の高い化学物質である場合などに好適である。
図7Cに、本発明の第三の実施形態の変形例二に係る質量分析装置100の一部分を示す。第三の実施形態の変形例二も変形例一と同様に、試料4がパルスバルブ8とキャピラリ9の上流側に配置されている。ヘッドスペース法により、試料4は、バイアル瓶31内に入れられ、試料4が揮発したバイアル瓶31のヘッドスペース部32の気体が、ヘッドスペース部32に一端が差し込まれたキャピラリ9から、誘電体容器1内に取り込まれる。試料4が、液体で、夾雑物が多く含まれている場合などは、このヘッドスペース法によれば、夾雑物の影響を低減することができるので、第三の実施形態の変形例二が好適である。
図7Dに、本発明の第三の実施形態の変形例三に係る質量分析装置100の一部分を示す。第三の実施形態の変形例三の質量分析装置100が、第三の実施形態の質量分析装置100と異なっている点は、キャピラリ9cが誘電体容器1の内側に設けられている点である。キャピラリ9cの一端は、パルスバルブ8の流出口に接続されている。キャピラリ9cのもう一端は、誘電体容器1のバリア放電部10よりもオリフィス5側に達している。キャピラリ9cは、円筒形状をしており、その中心軸は、円筒状の誘電体容器1の中心軸に一致し、そのキャピラリ9cの中心軸の延長上にはオリフィス5が設けられている。なお、キャピラリ9cは、バリア放電電極2から放射される高周波が内部に透過しないように、シールドされ接地されている。
第三の実施形態の変形例三では、気化した試料4はパルスバルブ8の下流のキャピラリ9cを通って、バリア放電部10の下流に導入される。試料4がキャピラリ9cの内側を流れ、キャピラリ9cの外側で、大気がイオン化され、反応イオンが生成される。キャピラリ9cの下流側で、反応イオンによって試料4がイオン化される。これによって、バリア放電部10が、試料分子(気体)の流れ28から離れているので、気化した試料4がバリア放電部10で直接イオン化されず、第一の実施形態と同様に、バリア放電部10でイオン化された大気内の水分や酸素分子の反応イオンによるイオン分子反応で試料分子イオンを生成することができる。
図7Eに、本発明の第三の実施形態の変形例四に係る質量分析装置100の一部分を示す。本発明の第三の実施形態の変形例四に係る質量分析装置100は、第三の実施形態の変形例一の質量分析装置100のパルスバルブ8の上流側と、第三の実施形態の変形例三の質量分析装置100のパルスバルブ8の下流側とを組み合わせた構造をしている。第三の実施形態の変形例四によっても、気化した試料4はパルスバルブ8の下流のキャピラリ9cを通って、バリア放電部10の下流に導入される。これによって、バリア放電部10が、試料分子(気体)の流れ28から離れているので、気化した試料4がバリア放電部10で直接イオン化されず、第一の実施形態と同様に、バリア放電部10でイオン化された大気内の水分や酸素分子の反応イオンによるイオン分子反応で試料分子イオンを生成することができる。
図7Fに、本発明の第三の実施形態の変形例五に係る質量分析装置100の一部分を示す。本発明の第三の実施形態の変形例五に係る質量分析装置100は、第三の実施形態の変形例二の質量分析装置100のパルスバルブ8の上流側と、第三の実施形態の変形例三の質量分析装置100のパルスバルブ8の下流側とを組み合わせた構造をしている。第三の実施形態の変形例五によっても、気化した試料4はパルスバルブ8の下流のキャピラリ9cを通って、バリア放電部10の下流に導入される。これによって、バリア放電部10が、試料分子(気体)の流れ28から離れているので、気化した試料4がバリア放電部10で直接イオン化されず、第一の実施形態と同様に、バリア放電部10でイオン化された大気内の水分や酸素分子の反応イオンによるイオン分子反応で試料分子イオンを生成することができる。
2 バリア放電電極(第一の電極と第二の電極)
3 加熱ヒータ
4 試料(測定試料)
5 オリフィス(第一のオリフィス)(第一の電極又は第二の電極)
6 バリア放電用交流電源
7 ヒータ用電源
8 パルスバルブ(開閉手段)
9 キャピラリ(第二のキャピラリ)(抑制手段)
10 バリア放電部
11 スライドバルブ(チャンバ開閉手段)
12a スライドバルブ移動方向
13 ターボ分子ポンプ
14 粗引きポンプ
15 真空ゲージ
16 イオン検出器
17 真空チャンバ
18a、18b、18c、18d リニアイオントラップ電極
19 インキャップ電極
20 エンドキャップ電極
21 制御回路
22a リニアイオントラップ電極用電源(補助交流電圧(電源))
22b リニアイオントラップ電極用電源(トラップRF電圧(電源))
23 大気(外部から流入するガス(空気))の流れ
24 反応イオンの流れ
25 試料分子イオンの流れ
26 質量分離された試料分子イオンの流れ
27 排気される気体分子の流れ
28 試料分子(気体)の流れ
29 試料容器
30 試料台
31 バイアル瓶
32 ヘッドスペース部
33 試料イオン化容器
34 キャップ
35 細管
36 多孔質フィルタ
100 質量分析装置
101 イオン源
102 質量分析部
Claims (11)
- 測定試料をイオン化するために外部から流入するガスをイオン化するイオン源と、
イオン化した前記測定試料を分離する質量分析部とを有し、
前記イオン源は、前記質量分析部からの差動排気によって内部が減圧され、前記ガスを取り込み内圧が上昇して略100Pa〜略10,000Paのときに前記ガスをイオン化し、
前記質量分析部は、前記ガスの取り込みに連動して上昇した内圧が前記ガスの取り込み後に略0.1Pa以下に低下したときに、イオン化した前記測定試料を分離することを特徴とする質量分析装置。 - 前記イオン源が取り込む前記ガスの流量を抑制する抑制手段と、
前記イオン源が取り込む前記ガスの流れを開閉する開閉手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。 - 前記抑制手段と前記開閉手段は、前記イオン源に対して、前記ガスの流れにおける上流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の質量分析装置。
- 前記イオン源は、内部を減圧可能な誘電体隔壁と、前記誘電体隔壁を介して交流電圧を印加可能な第一の電極と第二の電極を有し、
前記交流電圧の印加によって内部に発生する放電によって、前記ガスをイオン化することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の質量分析装置。 - 前記第一の電極と前記第二の電極は、前記イオン源の前記誘電体隔壁の外側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の質量分析装置。
- 前記第一の電極と前記第二の電極のいずれか一方は、前記イオン源の減圧可能な内部の前記誘電体隔壁を介した外側に配置され、
他方は、前記イオン源の減圧可能な内部に露出していることを特徴とする請求項4に記載の質量分析装置。 - 前記質量分析部が、内圧が略0.1Pa以下に低下してイオン化した前記測定試料を分離した後に、
前記イオン源が、前記ガスを取り込み内圧が再度上昇して略100Pa〜略10,000Paのときに前記ガスをイオン化することで、
前記測定試料を繰り返し質量分析することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の質量分析装置。 - 前記イオン源に流入する前記ガスは、空気又は空気を含んだガスであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の質量分析装置。
- 前記質量分析部を収容する真空チャンバにおける前記ガスの流れの上流側の入口に設けられ、前記質量分析部からの差動排気によって前記イオン源の内部を減圧にする第一のオリフィス又は第一のキャピラリを有することを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の質量分析装置。
- 前記抑制手段は、第二のオリフィス又は第二のキャピラリであることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の質量分析装置。
- 前記開閉手段は、開弁時間を略200m秒間以下にできるパルスバルブであることを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれか1項に記載の質量分析装置。
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