図1は、情報処理装置の一例を示す図である。
情報処理装置は、例えばパーソナルコンピュータ、換言すれば、PCであり、PC本体1と、表示装置2と、カメラ3と、キーボード4と、マウス5とを含む。表示装置2は、文書、換言すれば、ドキュメントや画像を表示する表示画面24を含む。
PC本体1は、PCの本体を収容する筐体である。表示装置2は、PC本体1とは別に設けられた表示装置の筐体であり、PC本体1と接続され、例えば、表示画面24上に重要情報を含むドキュメントを表示する。カメラ3は、例えば、表示装置2において、表示画面24の上部の中央に設けられる。キーボード4及びマウス5は、各々、PC本体1と接続される。
なお、情報処理装置は、図1に示すPC本体1と表示装置2とが独立に設けられたデスクトップ型のPC以外にも、キーボード装置の筐体と表示装置の筐体とが折り畳み可能に一体に設けられたノート型のPC、キーボードを持たないタブレット型のPC、又は、携帯電話機能及び通信機能を備えるスマートフォンのような情報処理端末であってもよい。
図2は、情報処理装置の構成の一例を示す図である。
情報処理装置は、PC本体1に設けられた、表示処理部11と、ドキュメント記憶部12と、メタデータ記憶部13と、画面データ記憶部14と、画像処理部15と、見落し判定部16と、通知部17と、画面対応テーブル19と、重要情報テーブル20と、視線情報ログテーブル21と、位置情報テーブル22とを含む。また、情報処理装置1は、表示装置2と、カメラ3とを含む。
表示処理部11は、ユーザにより入力装置からドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、ドキュメント記憶部12に格納されたドキュメントのオープン処理を開始する。ドキュメント記憶部12は、例えばドキュメントのメタデータをファイル形式で格納する。ドキュメントのメタデータは、予め定められた情報である重要情報を含む。
具体的には、表示処理部11は、ドキュメントのオープンの指示において指定されたドキュメントのファイルをオープンし、オープンしたドキュメントのファイルから、ドキュメントのメタデータを読み込んで、読み込んだメタデータをメタデータ記憶部13に格納する。メタデータ記憶部13は、例えばHTML(HyperText Markup Language)で記述されたドキュメントのメタデータ13Aを格納する。
また、表示処理部11は、読み込んだメタデータ13Aに基づいて表示用の画面データを生成して、生成した表示用の画面データを画面データ記憶部14に格納する。画面データ記憶部14は、実際に表示画面24に表示される、表示用の画面データを格納する。この後、表示処理部11は、生成した表示用の画面データを表示装置2の表示画面24に表示する。これにより、ユーザの操作に合わせてドキュメントが表示装置2の表示画面24に表示され、ユーザは、表示されたドキュメントを見る。この時、ユーザの視線がカメラ3で撮影される。表示されたドキュメントは、重要情報を含む。
更に、表示処理部11は、ユーザにより入力装置からスクロールやアンカーのクリック等の画面の操作の指示を受け取った場合に、画面の操作の指示に従って、表示用の画面データを生成して、生成した表示用の画面データを画面データ記憶部14に格納すると共に、生成した表示用の画面データを表示装置2の表示画面24に表示する。これにより、ユーザの操作に合わせて、表示画面24が更新される。
表示処理部11は、ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、見落し判定部16を起動し、起動した見落し判定部16に、ドキュメントをオープンする指示を受けた旨を通知する。見落し判定部16は、ドキュメントをオープンする指示を受けた旨の通知を受けると、ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、ドキュメントをクローズする指示を受けた旨を通知するように、表示処理部11に対して依頼する。
一方、表示処理部11は、ドキュメントの閲覧を終了したユーザにより入力装置からドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、見落し判定部16の依頼に応じて、ドキュメントをクローズする指示を受けた旨を、見落し判定部16に通知する。そして、表示処理部11は、ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、開始したクローズ処理を後述するサンプリング時間に相当する時間だけ停止し、その後、ドキュメントのファイルをクローズする。
また、表示処理部11は、クローズ処理の停止中において、見落し判定部16から重要情報が見落とされたことが通知された場合に、ユーザに対して、表示装置2の表示画面24に、見落しメッセージをポップアップ表示する。そして、ポップアップ表示を見たユーザがドキュメントの閲覧を終了することを選択した場合、表示処理部11は、ドキュメントのクローズ処理を再開して、ドキュメントのファイルをクローズする。一方、ユーザがドキュメントの閲覧を終了しないことを選択した場合、表示処理部11は、ドキュメントをクローズする指示を破棄し、ドキュメントの表示を継続する。
画像処理部15は、ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、視線情報を生成する。具体的には、画像処理部15は、表示処理部11からドキュメントをオープンする指示を受けた旨を通知された場合に、視線情報を生成する。このため、表示処理部11は、ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、画像処理部15にドキュメントをオープンする指示を受けた旨を通知する。なお、画像処理部15は、ドキュメントをオープンする指示を受けたか否かに拘らず、視線情報を生成するようにしてもよい。
視線情報は、表示画面24に表示されたドキュメントに対するユーザの視線の位置が、視線領域のいずれに存在するかを示す。視線領域は、表示画面24を分割した領域である複数の領域である。視線情報及び視線領域については後述する。
見落し判定部16は、表示処理部11からドキュメントをオープンする指示を受けた旨を通知された場合に、ドキュメントのメタデータ13Aと、メタデータ13Aに基づいて生成されたドキュメント表示用の画面データとを、表示処理部11から取得する。
そして、見落し判定部16は、ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、取得したドキュメントのメタデータ13Aから、重要情報を抽出して、重要情報テーブル20を生成する。抽出される重要情報は、予め定められ、例えば、通常表示とは異なる表示がされる情報である。
また、見落し判定部16は、ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、表示画面24に表示されている画像の画面データを、予め定められた第1の時間毎に取得する。そして、見落し判定部16は、取得した表示画面24に表示されている画像の画面データに基づいて画面対応テーブル19を生成し、生成した画面対応テーブル19に基づいて、重要情報が複数の視線領域のいずれに存在するかを示す重要情報の位置情報を、第1の時間毎に取得する。具体的には、見落し判定部16は、第1の時間毎に取得した重要情報の位置情報を時系列に格納することにより、位置情報テーブル22を生成する。換言すれば、位置情報テーブル22は、見落し判定部16により第1の時間毎に更新される。
また、見落し判定部16は、ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、視線情報を、予め定められた第2の時間毎に取得する。具体的には、見落し判定部16は、第2の時間毎に取得した視線情報を時系列に格納することにより、視線情報ログテーブル21を生成する。換言すれば、視線情報ログテーブル21は、見落し判定部16により第2の時間毎に更新される。
なお、実際には、第1の時間と第2の時間とは、等しくされる。等しくされた第1の時間と第2の時間をサンプリング時間という。見落し判定部16は、位置情報テーブル22と視線情報ログテーブル21とを、サンプリング時間毎に更新する。
そして、見落し判定部16は、複数の重要情報の位置情報と複数の視線情報とに基づいて重要情報が確認されたか否かを判断する。具体的には、見落し判定部16は、位置情報テーブルに格納された重要情報の位置情報と、視線情報ログテーブル21に格納された視線情報とに基づいて、重要情報が確認されたか否かを判断する。
見落し判定部16は、ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、重要情報が見落とされたことを、通知部17に依頼して、表示処理部11に通知して表示させる。具体的には、見落し判定部16は、ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、位置情報テーブルにおける重要情報についてのフラグに基づいて、重要情報が見落とされたことを、通知部17に依頼して、表示処理部11に通知して表示させる。
ドキュメントをクローズする指示を受け取らない場合でも、見落し判定部16は、重要情報が表示画面24の外部にあり、かつ、重要情報が見落とされている場合に、重要情報が見落とされたことを、通知部17に依頼して、表示処理部11に通知して表示させる。具体的には、見落し判定部16は、重要情報が表示画面24に存在しない場合、換言すれば、重要情報が表示画面24の外部にある場合に、位置情報テーブル22における重要情報の位置を画面外とし、位置情報テーブル22において重要情報の位置が画面外であり、かつ、重要情報についてのフラグが重要情報が確認されていないことを示す場合に、重要情報が見落とされたことを、通知部17に依頼して、表示処理部11に通知して表示させる。
通知部17は、見落し判定部16からの依頼に応じて、重要情報が見落とされたことを、表示処理部11に通知する。
なお、画面対応テーブル19、重要情報テーブル20、視線情報ログテーブル21、位置情報テーブル22については、後述する。
以下、図3を参照して、画像処理部15における視線情報の処理について説明する。
図3は、情報処理装置の説明図であり、視線情報について示す。なお、図3は、PCのユーザ6が表示装置2の表示画面24に正対した状態を表すものとする。
例えば、PCのユーザ6は、表示装置2の表示画面24に表示されたドキュメント25を見る。ドキュメント25は、重要情報26を含む。この時、ユーザ6の視線の位置は、ドキュメント25上にある。そして、ユーザ6の視線の位置が重要情報26上にあれば、ユーザ6が重要情報26を確認したと考えられる。
ユーザ6は、表示装置2の表示画面24に正対して、表示画面24を見る。従って、表示装置2の表示画面24の上部の中央に設けられたカメラ3は、ユーザ6を撮影することができる。カメラ3により撮影されたユーザ6の画像は、ユーザ6の顔を含む。換言すれば、カメラ3は、表示画面24を見るユーザ6の顔を撮影して、ユーザ6の顔の画像を取得するように設定される。
カメラ3が撮影した画像は、画像処理部15に送られる。画像処理部15は、カメラ3が撮影したユーザ6の顔の画像を含む画像に基づいて、ユーザ6の視線の位置を表す視線情報を生成して、見落し判定部16に送る。
例えば、画像処理部15は、以下のようにして、視線情報を生成する。画像処理部15は、カメラ3が撮影した画像を受け取ると、受け取った画像についてエッジ抽出処理を行い、例えばエッジ抽出の結果と顔の標準画像とを比較することにより、ユーザ6の顔を検出する。画像処理部15は、顔の標準画像を予め保持する。なお、肌色の領域をユーザ6の顔として検出するようにしてもよい。次に、画像処理部15は、例えばエッジ抽出の結果に基づいて、検出したユーザ6の顔における目の垂直方向の位置と水平方向の位置とを推定することにより、検出したユーザ6の顔の画像からユーザ6の目の画像を切り出す。
そして、画像処理部15は、切り出した目の画像と当該画像の濃淡画像とに基づいて、切り出した目の画像における黒目の位置を、水平方向及び垂直方向について抽出する。この後、画像処理部15は、抽出した黒目の水平方向及び垂直方向を、各々、黒目の水平方向標準パターン及び垂直方向標準パターンと比較することにより、黒目の方向、換言すれば、視線方向を検出する。
この後、画像処理部15は、ユーザ6の目の空間座標位置(X’,Y’,Z’)を検出する。例えば、空間座標位置の座標X’及び座標Y’は、カメラ3が撮影した2次元の画像におけるユーザ6の目の座標から、検出することができる。空間座標位置のX軸及びY軸は、図6におけるX軸及びY軸と同じ方向である。また、空間座標位置の座標Z’は、検出したユーザ6の顔から、検出することができる。なお、空間座標位置の座標Z’は、照射した光がユーザ6の顔等で反射して帰ってくるまでの時間に基づいて算出するようにしてもよい。
この後、画像処理部15は、検出した視線方向と、ユーザ6の目の空間座標位置とに基づいて、視線の空間位置、換言すれば、視線の表示画面24における位置を検出する。これにより、表示画面24上におけるユーザ6の視線の位置を、視線の空間位置の座標X’及び座標Y’として求めることができる。
この後、画像処理部15は、求めた視線の空間位置の座標X’及び座標Y’を、視線領域のX座標及びY座標に変換する。画像処理部15は、変換した視線領域のX座標及びY座標を、視線情報として、見落し判定部16に送る。
視線領域は、図6等を参照して後述するように、表示画面24を予め定められた複数の領域に分割した領域である。視線領域のX座標及びY座標は、図6等を参照して後述するように、表示画面24の分割に基づいて各々の視線領域に付与されたX軸方向の識別情報及びY軸方向の識別情報である。画像処理部15は、表示画面24を分割した個々の視線領域の範囲を示す情報である画面分割情報を予め保持し、画面分割情報を用いて、視線の空間位置の座標X’及び座標Y’を、視線領域のX座標及びY座標に変換する。
例えば、視線領域のX座標及びY座標の単位距離は、視線の空間位置のX’ 座標及びY’ 座標の単位距離より十分に大きく、数10倍程度である。このように、求めた視線の空間位置の座標は、より大きな単位距離で表される視線領域の座標に変換される。従って、詳細な視線情報を不要とすることができ、ユーザ6の目の空間座標位置(X’,Y’,Z’)の検出の計算量を少なくすることができ、求めた視線の空間位置の座標X’及び座標Y’ の検出の計算量を少なくすることができる。
なお、画像処理部15が、視線領域のX座標及びY座標に代えて、求めた視線の空間位置の座標X’及び座標Y’を、見落し判定部16に送るようにしてもよい。この場合、見落し判定部16が、受け取った視線の空間位置の座標X’及び座標Y’を変換することにより、視線領域のX座標及びY座標、換言すれば、視線情報を生成する。
視線情報は、以上に説明した手段には限られず、それ以外の種々の手段によって生成することができる。
例えば、画像ラボ、2010年12月号、p57に掲載された「角膜反射を用いた三次元視線計測手法 リスティングの法則に基づく眼球の光軸と視軸の回転モデルによる視線推定」によって、視線情報を生成するようにしてもよい。また、近赤外光の反射角度や反射光の到達時間に基づいて、視線情報を生成するようにしてもよい。また、特開平8−322796号公報や特開平5−205030号公報に記載の手段に基づいて、視線情報を生成するようにしてもよい。
次に、図4〜図9を参照して、見落し判定部16における見落し防止処理について説明する。
起動された見落し判定部16は、前述したように、表示処理部11からドキュメントオープン通知を受信すると、表示処理部11からメタデータ13Aを取得し、取得したメタデータ13Aに基づいてドキュメントに含まれる重要情報を抽出し、抽出した重要情報を格納する重要情報テーブル20を作成する。
図4は、情報処理装置の説明図であり、ドキュメントのメタデータ13Aの一例を示す。
ドキュメントのメタデータ13Aは、例えばHTMLで記述されたデータである。メタデータ13Aは、重要情報の記述を含む。重要情報は、例えば、HTMLの場合、通常表示とは異なる表示の部分である。重要情報、換言すれば、通常表示とは異なる表示は、予め定められる。
通常表示とは異なる表示としては、「強調表示」「斜体表示」等がある。例えば、図4のメタデータ13Aにおいて、「xx会議室にて対策会議」は、強調表示のタグ「<STRONG> 〜 </STRONG>」により囲まれているので、重要情報であり、強調表示される。「xx会議室にて対策会議」を重要情報aということとする。また、「製品ラインナップ報告会」は、斜体表示のタグ「<EM> 〜 </EM>」により囲まれているので、重要情報であり、斜体表示される。「製品ラインナップ報告会」を重要情報bということとする。ドキュメントに含まれる重要情報の数は、2個に限られず、1個でも3個以上でもよい。
なお、通常表示とは異なる表示には、「強調表示」「斜体表示」に限られず、他の種々の表示を含めるようにしてもよい。例えば、通常表示とは異なる表示に、周囲の文字色から変更がされる「彩色」等を含めるようにしてもよい。また、重要情報は、通常表示とは異なる表示の部分に限られず、他の種々の記述を含めるようにしてもよい。
また、重要情報は、通常表示とは異なる表示の部分に限られず、これ以外の情報であってもよい。例えば、特定のカテゴリに属するデータを、重要情報としてもよい。この場合、例えばカテゴリを表すタグに基づいて、重要情報を抽出することができる。
図5は、情報処理装置の説明図であり、図5(A)は重要情報の一例を示し、図5(B)は表示画面の一例を示す。
図5(A)は、重要情報テーブル20に格納された重要情報の一例を示す。
重要情報テーブル20に格納された重要情報は、図4のメタデータ13Aから抽出される。図4のメタデータ13Aは、前述したように、重要情報a及び重要情報bを含む。重要情報aは、強調表示のタグで囲まれていたことを示す「<強調表示>」と共に、抽出され格納される。重要情報bは、斜体表示のタグで囲まれていたことを示す「<斜体表示>」と共に、抽出され格納される。
一方、表示処理部11は、前述したように、読み込んだメタデータ13Aに基づいて表示用の画面データを生成して、生成した表示用の画面データを画面データ記憶部14に格納し、生成した表示用の画面データを表示装置2の表示画面24に表示する。表示画面24の一部24Aには、メタデータ13Aに含まれる重要情報が含まれる。
図5(B)は、表示画面24の一部24Aに表示された重要情報の一例を示す。
表示画面24は、図4のメタデータ13Aに基づいて、生成される。表示画面24において重要情報が表示された部分を、表示画面24の一部24Aとして抜き出すと、図5(B)に示すような表示画面24の一部24Aとなる。表示画面24に表示された重要情報は、図4のメタデータにおける重要情報に基づいて生成される。
例えば、強調表示のタグ「<STRONG> 〜 </STRONG>」により囲まれた重要情報aは、例えば太字又はゴシック体により、強調表示されている。また、斜体表示のタグ「<EM> 〜 </EM>」により囲まれた重要情報bは、斜体表示されている。
また、見落し判定部16は、表示処理部11から表示用の画面データを取得し、取得した表示用の画面データと重要情報テーブル20の重要情報とに基づいて、画面対応テーブル19を生成し、生成した画面対応テーブル19に基づいて、取得した画面データにおける、換言すれば、その時点での重要情報の位置を抽出し、抽出した重要情報の位置に基づいて位置情報テーブル22を作成又は更新する。
なお、図5(B)に示すドキュメントは横書きの文書であるが、見落し判定の対象は、横書きの文書に限られず、縦書きの文書についても同様に見落し判定を行うことができる。この場合、座標を90°回転して、X座標を縦軸の座標とし、Y座標を横軸の座標とすればよい。
図6は、情報処理装置の説明図であり、表示画面24と、表示画面24における重要情報の位置との関係を示す。
見落し判定部16は、表示画面24を分割した個々の視線領域の範囲を示す情報である画面分割情報を予め保持し、画面分割情報を用いて、表示画面24を複数の視線領域に分割する。表示装置2の表示画面24は、例えば、X軸方向に10等分に分割され、かつ、Y軸方向に10等分に分割される。これにより、表示画面24は、100個の視線領域に分割される。換言すれば、視線領域は、表示画面24を予め定められた複数の領域に分割した場合における、個々の領域である。各々の視線領域は、X1〜X10のX座標と、Y1〜Y10のY座標とを用いて一意に表わされる。これにより、重要情報がその時点で表示画面24のどこに表示されているかを、視線領域を用いて表わすことができる。
なお、X軸方向の分割の数及びY軸方向の分割の数は、各々、10に限られず、これ以外の値であってもよい。また、X軸方向の分割の数とY軸方向の分割の数とは、等しい値でなくともよい。
例えば、表示画面24からその一部24Aを抜き出した時、図6に示すように、重要情報aが、複数の視線領域に表示されているとする。この場合、例えば、重要情報aの一部である重要情報a−1が座標(X5,Y3)の視線領域に表示され、重要情報aの他の一部である重要情報a−2が座標(X6,Y3)の視線領域に表示されている。換言すれば、重要情報a−1が座標(X5,Y3)の視線領域に対応し、重要情報a−2が座標(X6,Y3)の視線領域に対応する。重要情報と視線領域との対応を示す情報を画面対応情報という。
これにより、重要情報aがその時点で表示画面24のどこに表示されているかが、視線領域を用いた画面対応情報により特定される。重要情報bについても、同様に、その時点で表示画面24のどこに表示されているかが、視線領域を用いた画面対応情報により特定される。
表示画面24における重要情報の表示の位置、換言すれば、視線領域を用いた画面対応情報は、図6に示すように、画面対応テーブル19に格納される。なお、図6の画面対応テーブル19は、視線領域を用いた画面対応情報を、概念的に表わしたものである。実際には、画面対応テーブル19は、視線領域を用いた画面対応情報を格納する。例えば、重要情報aに対して、座標(X5,Y3)の視線領域と、座標(X6,Y3)の視線領域とが対応付けられる。これにより、重要情報aが、その時点で、座標(X5,Y3)及び座標(X6,Y3)の複数の視線領域に表示されていることが表わされる。重要情報bについても、同様である。
画面対応テーブル19は、現時点における表示画面24における重要情報の表示の位置を、視線領域用いた画面対応情報により示す。画面対応テーブル19に基づいて、位置情報テーブル22が作成され更新される。なお、画面対応テーブル19を省略して、位置情報テーブル22を作成し更新するようにしてもよい。
また、見落し判定部16は、画像処理部15からユーザ6の視線情報を取得し、取得した視線情報に基づいて視線情報ログテーブル21を作成又は更新する。
図7は、情報処理装置の説明図であり、視線情報ログテーブル21に格納された視線情報の一例を示す。
視線情報ログテーブル21は、複数の視線情報を含む。複数の視線情報は、先頭から順に時系列に並べられる。1個の視線情報は、時刻と、位置情報とを含む。例えば、図7における先頭の視線情報は、時刻「時刻1」と、位置情報「X=6,Y=5」とを含む。時刻は、その視線情報が取得された時刻を示す。位置情報は、その視線情報で表わされる視線の位置を示す。視線の位置は、視線領域のX座標及びY座標により表わされる。視線の位置は、視線が表示画面24の外部にある場合には、「画面外」とされる。従って、視線情報ログテーブル21は、その視線情報が取得された時刻と、その視線情報で表わされる視線の位置を示す位置情報であって視線領域の座標により表わされた位置情報とを含む。
そして、見落し判定部16は、視線情報ログテーブル21の視線情報と位置情報テーブル22の位置情報とに基づいて、ユーザ6が重要情報を確認したか否かを判別する。
図8は、情報処理装置の説明図であり、表示画面24における重要情報の位置と、視線情報との関係を示す。
例えば、時刻T1において、表示画面24の一部24Aに着目する。なお、例えば、時刻T1における表示画面24の一部24Aを、表示画面24A(T1)と表わす。表示画面24A(T1)において、図8に示すように、重要情報aが複数の視線領域に表示されており、かつ、視線情報は視線の位置が領域R1にあることを示しているとする。視線が存在する領域R1は、X座標及びY座標を用いた視線領域により表わされる。例えば、重要情報aが座標(X5,Y3)及び座標(X6,Y3)の複数の視線領域に表示されているとすると、領域R1は、座標(X4,Y3)の視線領域として表わされる。
この後、時刻が、T2、T3、T4の順に経過する。この時、表示画面24A(T2,T3,T4)において、重要情報aが表示されている視線領域には、変化がないものとする。なお、表示画面24A(T2,T3,T4)は、表示画面24A(T2)と、表示画面24A(T3)と、表示画面24A(T4)とを合わせて示した図である。
時刻T1後の時刻T2における表示画面24A(T2)において、図8に示すように、視線情報は、視線の位置が領域R2にあることを示しているとする。更に、視線情報は、時刻T2後の時刻T3における表示画面24A(T3)において視線の位置が領域R3にあることを示し、時刻T3後の時刻T4における表示画面24A(T4)において視線の位置が領域R4にあることを示しているとする。この場合、PCのユーザ6の視線は、重要情報aの左側から重要情報aの先頭に達し、重要情報aの表示された座標(X5,Y3)及び座標(X6,Y3)の視線領域を移動し、重要情報aの右側へと移動したことになる。従って、PCのユーザ6が重要情報aを確認したと判断することができる。
なお、実際には、PCのユーザ6の視線は、時刻T1〜T4毎に、個々の視線領域を移動するものではない。
図9は、情報処理装置の説明図であり、位置情報テーブル22に格納された重要情報の位置情報の一例を示す。
位置情報テーブル22は、複数の重要情報の位置情報を含む。複数の重要情報の位置情報は、先頭から順に矢印の方向に時系列に並べられる。図9において、1個の重要情報の位置情報を実線で囲んで示す。1個の重要情報の位置情報は、時刻と、重要情報と、重要情報の各々についての位置情報及びフラグとを含む。例えば、図9における先頭の重要情報の位置情報は、時刻「時刻1」と、複数の重要情報「a」及び「b」と、重要情報「a」についての位置情報「X=1,Y=1」及びフラグ「未確認」と、重要情報「b」についての位置情報「X=4,Y=1」及びフラグ「未確認」とを含む。
時刻は、その重要情報の位置情報が取得された時刻を示す。重要情報は、そのドキュメントに含まれる重要情報であり、実際には、重要情報の名前「a」「b」等により表わされる。重要情報の数は1個であっても複数であってもよい。重要情報についての位置情報は、重要情報の位置を示す。重要情報の位置は、視線領域のX座標及びY座標により表わされる。重要情報の位置は、重要情報が表示画面24の外部にある場合には、「画面外」とされる。重要情報についてのフラグは、重要情報が確認されたか否かを示し、「未確認」又は「確認済」のいずれかとされる。「未確認」は重要情報が確認されていないことを示し、「確認済」は重要情報が確認されたことを示す。従って、位置情報テーブル22は、その重要情報の位置情報が取得された時刻と、各々の重要情報の位置であって、視線領域の座標により表わされた位置と、重要情報が確認されたか否かを示す重要情報についてのフラグとを含む。
時刻は、予め定められた時間間隔とされる。位置情報テーブル22は、ドキュメントに含まれる全ての重要情報について、重要情報の位置情報を格納する。重要情報は、あるドキュメントがオープンされている期間中、変化することはない。重要情報の位置情報は、表示画面24についてのスクロール等の画面操作や、ドキュメントbに埋め込まれたアンカーのクリックによる他のドキュメントの参照等に応じて、その都度変化する。重要情報についてのフラグの初期値は「未確認」とされ、ユーザ6による重要情報の確認の検出に応じて「確認済」へ変化する。
そして、見落し判定部16は、ドキュメントクローズ通知を受信した場合、各々の重要情報に対して見落しがないか否かを判断する。見落し判定部16は、各々の重要情報に対して見落しがない場合、各々の重要情報が確認されたことを示す確認済み履歴を保存する。これにより、各々の重要情報が確認されたことを確認することができる。
また、見落し判定部16は、各々の重要情報のいずれかに対して見落しがある場合、表示処理部11を介して、ユーザ6に対して見落しメッセージをポップアップ表示する。これにより、重要情報の見落しがあった場合に、これを検出してユーザ6に通知することができる。従って、情報収集におけるユーザ6の利便性を大幅に向上することができる。また、ユーザ6が大量のドキュメントを閲覧する場合において、情報収集におけるユーザ6の負担を大幅に軽減することができる。
また、見落し判定部16は、各々の重要情報に対して見落しがあることを示す見落し履歴を保存する。これにより、1日の業務中に定期的に、又は、1日の業務の終了後に、又は、見落しがあったことにユーザ6が気付いた場合に、見落した重要情報を確認することができ、情報収集におけるユーザ6の利便性を大幅に向上することができる。
図10は、情報処理装置のハードウェア構成の説明図である。
CPU101は、システムコントローラ102を介して、主記憶装置103と接続される。CPU101は、システムコントローラ102を介して、主記憶装置103上に常駐する制御プログラムであるOSを実行し、コンピュータを制御する。CPU101は、システムコントローラ102を介して、主記憶装置103上のアプリケーションプログラムを実行する。これにより、表示処理部11、画像処理部15、見落し判定部16、通知部17が実現される。アプリケーションプログラムは、例えば、CD−ROMやDVD等の記録媒体に格納され、記録媒体からCD−ROMドライブやDVDドライブ等を介してハードディスク107に入力され、ハードディスク107から主記憶装置103にロードされる。
システムコントローラ102には、バス110が接続される。バス110には、表示装置104、出力装置105、ハードディスク107、入力装置108、カメラ109が接続される。換言すれば、CPU101は、システムコントローラ102及びバス110を介して、表示装置104、出力装置105、ハードディスク107、入力装置108、カメラ109に接続される。
ドキュメント記憶部12、メタデータ格納部13、画面データ記憶部14、画面対応テーブル19、重要情報テーブル20、視線情報ログテーブル21、位置情報テーブル22は、例えばハードディスク107に設けられる。データは、必要に応じてハードディスク107から主記憶装置103にロードされ処理される。
表示装置104は、表示装置2等である。カメラ109は、カメラ3である。入力装置108は、例えばキーボード4、マウス5等を含む。出力装置105は、例えばスピーカ、プリンタ等の出力装置を含む。なお、実際は、カメラ109は入力装置の一種であり、表示装置104は出力装置の一種である。
図11は、表示処理フローである。
表示処理部11は、ユーザ6がドキュメントのオープンを指示すると、ドキュメントをオープンする指示を受けた旨を見落し判定部16に通知し、ドキュメント記憶部12に格納されたドキュメントのオープン処理を開始して該当するドキュメントをオープンし(ステップS11)、オープンしたドキュメントのメタデータを読み込み(ステップS12)、読み込んだメタデータをメタデータ記憶部13に格納する。
そして、表示処理部11は、読み込んだメタデータ13Aに基づいて表示用の画面データを生成して(ステップS13)、生成した表示用の画面データを画面データ記憶部14に格納する。この後、表示処理部11は、生成した表示用の画面データを表示装置2に表示することにより、ドキュメントを表示する(ステップS14)。これにより、ドキュメントが表示装置2の表示画面24に表示され、表示されたドキュメントを見るユーザ6の視線がカメラ3で撮影される。
この後、表示処理部11は、ユーザ6がドキュメントのクローズを指示すると、その時点でオープンしているドキュメントのクローズ処理を開始し、ドキュメントをクローズする指示を受けた旨を見落し判定部16に通知する(ステップS15)。この後、表示処理部11は、クローズ処理の完了前に開始したクローズ処理を一時的に停止する(ステップS16)。一時的に停止する時間は、第1の時間及び第2の時間に相当する時間、換言すれば、重要情報の位置情報を取得し視線情報を取得するサンプリング時間である。表示処理部11は、クローズ処理の停止中に、クローズ処理の再開の通知を受け取ると、開始したクローズ処理を再開して最後まで実行して、該当するドキュメントをクローズする(ステップS17)。
図12は、見落し防止処理フローである。
見落し判定部16は、表示処理部11からドキュメントオープン通知を受信すると(ステップS21)、表示処理部11からメタデータ13Aを取得し(ステップS22)、取得したメタデータ13Aに基づいて、重要情報のテーブルである重要情報テーブル20を作成する(ステップS23)。
また、見落し判定部16は、表示処理部11から表示用の画面データを取得し(ステップS24)、取得した表示用の画面データを解析することにより、位置情報テーブル22に位置情報を1行追加する(ステップS25)。
この後、見落し判定部16は、最新の重要情報の各要素の位置が「画面外」の場合、最新の重要情報から1つ前の重要情報の各要素の位置が「画面外」でなければ、最新の重要情報がスクロールアウトされたものとして、表示処理部11を介して、ユーザ6に対して見落しメッセージをポップアップ表示する(ステップS26)。これにより、例えば、ユーザ6が確認済みでない重要情報がスクロールアウトされた場合に、これを検出してユーザ6に通知して、スクロールアウトされた重要情報がそのまま見落とされることを防止することができる。従って、情報収集におけるユーザ6の利便性を大幅に向上することができる。また、ユーザ6が大量のドキュメントを閲覧する場合において、情報収集におけるユーザ6の負担を大幅に軽減することができる。
この後、見落し判定部16は、画像処理部15からユーザ6の視線情報を取得し、視線情報ログテーブル21に視線情報を1行追加する(ステップS27)。そして、見落し判定部16は、視線情報ログテーブル21の視線情報と位置情報テーブル22の位置情報とに基づいて、ユーザ6が重要情報を確認したか否かを判別する(ステップS28)。ステップS28については、図13を参照して後述する。
見落し判定部16は、判別の結果、ユーザ6が重要情報を確認済みである場合(ステップS29 Yes)、ステップS24を繰り返す。また、見落し判定部16は、判別の結果、ユーザ6が重要情報を確認済みでない場合(ステップS29 No)、ドキュメントクローズ通知の受信を待つ(ステップS210)。
この後、見落し判定部16は、予め定められた時間だけドキュメントクローズ通知の受信を待ってもドキュメントクローズ通知を受信しない場合には(ステップS211 No)、ステップS24を繰り返す。また、見落し判定部16は、予め定められた時間内にドキュメントクローズ通知を受信した場合(ステップS211 Yes)、各々の重要情報に対して見落しがないか否かを判断する(ステップS212)。
見落し判定部16は、各々の重要情報に対して見落しがない場合(ステップS212 Yes)、各々の重要情報が確認されたことを示す確認済み履歴を保存し(ステップS213)、クローズ処理の再開を表示処理部11に通知する。
また、見落し判定部16は、各々の重要情報のいずれかに対して見落しがある場合(ステップS212 No)、表示処理部11を介して、ユーザ6に対して見落しメッセージをポップアップ表示し(ステップS214)、クローズ処理の再開を表示処理部11に通知する。
また、見落し判定部16は、ステップS214において、各々の重要情報に対して見落しがあることを示す見落し履歴を保存する。
図13は、見落し防止処理フローであり、図12のステップS28における処理の詳細を示す。
見落し判定部16は、第1の時刻Bの視線位置と、第2の時刻Bの要素aと要素bの位置とが同じか否かを判断する(ステップS31)。換言すれば、位置情報テーブル22の最新の、換言すれば、最下行の重要情報の位置情報と、視線情報ログテーブル21の最新の、換言すれば、視線情報とが比較され、同じ位置にあるか否かが判断される。なお、時刻Bは、図7及び図9における時刻Bである。
第1の時刻Bの視線位置と第2の時刻Bの要素の位置とが同じである場合(ステップS31 Yes)、見落し判定部16は、後述するステップS37を実行する。
第1の時刻Bの視線位置と第2の時刻Bの要素の位置とが同じでない場合(ステップS31 No)、見落し判定部16は、第1の時刻B−1の視線位置と、第2の時刻B−1の要素aと要素bの位置とが同じか否かを判断する(ステップS32)。換言すれば、ステップS31で使用した最新から1つ前の重要情報の位置情報と、最新から1つ前の視線情報とが比較され、同じ位置にあるか否かが判断される。これにより、重要情報から視線の位置が外れたタイミングで、重要情報が確認されたか否かが判断される。
第1の時刻B−1の視線位置と第2の時刻B−1の要素の位置とが同じでない場合(ステップS32 No)、見落し判定部16は、後述するステップS37を実行する。
第1の時刻B−1の視線位置と第2の時刻B−1の要素の位置とが同じである場合(ステップS32 Yes)、見落し判定部16は、同じ位置にあった重要情報の上にあり続けた視線情報と、その1つ前までの視線情報とを視線情報ログテーブル21から取得する(ステップS33)。例えば、図7及び図9の例において、時刻Aから時刻Bまでの視線情報と、重要情報の位置情報が該当する。
なお、このように、重要情報から視線の位置が外れたタイミングで、視線情報ログテーブル21が使用される。これにより、重要情報を見ている途中で視線の位置が外れることがあるので、重要情報に視線の位置が合わさったタイミングではなく、重要情報から視線の位置が外れたタイミングで判定を行うことができる。
この後、見落し判定部16は、取得したテーブルの先頭の視線位置と重要情報の要素の位置を比較し、視線の方が左側にあるか否かを判断する(ステップS34)。換言すれば、見落し判定部16は、視線の位置が、重要情報を左から右に横切ったか否かを判断する。具体的には、視線の位置が表示画面24の重要情報がある視線領域と重なる一つ以上前のサンプリング時間において、視線の位置が表示画面24の重要情報がある視線領域の左側にあった否かが判断される。また、視線の位置が表示画面24の重要情報が表示されている視線領域から離れた際のサンプリング時間において、視線の位置が表示画面24の重要情報がある視線領域の右側にあったか否かが判断される。例えば、図7及び図9の例において、時刻Aの視線情報のX座標と、重要情報bの時刻AのX座標とを比較した場合に、重要情報bのX座標の値の方が大きいか否かが判断される。
視線の位置が左側にない場合(ステップS34 No)、見落し判定部16は、後述するステップS37を実行する。
視線の位置が左側にある場合(ステップS34 Yes)、見落し判定部16は、抜き出した視線情報ログテーブルの先頭の時刻データから最新の時刻データ間で予め定められた時間が経過したか否かを判断する(ステップS35)。例えば、図7及び図9の例において、時刻Aから時刻Bの間において、予め定められた時間が経過したかが判断される。換言すれば、見落し判定部16は、予め定められた期間、ユーザ6の視線が1個の視線領域に留まったか否かを判断する。具体的には、例えば、文字列の長さに比例した期間、視線の位置が表示画面24の重要情報がある視線領域と重なっていたか否かが判断される。又は、重要情報が複数の視線領域に跨る場合に、全ての視線領域に視線の位置が重なったか否かが判断される。
予め定められた時間が経過しない場合(ステップS35 No)、見落し判定部16は、後述するステップS37を実行する。
予め定められた時間が経過した場合(ステップS35 Yes)、見落し判定部16は、対象となる重要情報を確認したものと判定して、最新の位置情報テーブル22のフラグを、「確認済」に変更する(ステップS36)。換言すれば、ユーザが重要情報を予め定められた時間以上見た場合である。
ステップS31において第1の時刻Bの視線位置と第2の時刻Bの要素の位置とが同じである場合、ステップS32において第1の時刻B−1の視線位置と第2の時刻B−1の要素の位置とが同じでない場合、ステップS34において視線の方が左側にない場合、及び、ステップS35において予め定められた時間が経過しない場合、見落し判定部16は、対象となる重要情報を「未確認」と判定する(ステップS37)。
図14は、情報処理装置の説明図である。
図14(A)は、図12のステップS214においてポップアップ表示される、ユーザ6に対する見落しメッセージの一例を示す。重要情報が表示画面24に表示されたドキュメント25に含まれているにも拘らず、ドキュメントクローズ通知を受け取った時点で、重要情報が見落とされているとする。この場合、ステップS214の処理により、ユーザ6がドキュメントを閉じる時点で、重要情報についての見落しメッセージ27が、表示画面24に表示される。これにより、ユーザ6は、重要情報の見落しを知ることができ、重要情報を確認することができる。
図14(B)は、図12のステップS214においてポップアップ表示される、ユーザ6に対する見落しメッセージの他の一例を示す。この場合、ステップS214の処理により、図14(A)の例に代えて、ユーザ6がドキュメントを閉じる時点で、重要情報についての見落しボタン28が、表示画面24に表示される。ユーザ6が見落しボタン28をクリックすると、ユーザ6が見落した重要情報29が色の付加、下線の付加、ゴシック等により強調表示される。これにより、ユーザ6は、重要情報の見落しを知ることができ、重要情報を確認することができる。
なお、見落しボタン28は、ユーザ6がドキュメントを閉じる時点に限らず、例えばユーザ6が重要情報を見落した時点で表示するようにしてもよい。
図14(C)は、図12のステップS26においてポップアップ表示される、ユーザ6に対する見落しメッセージの一例を示す。図14(C)に示すように、重要情報30が、表示画面24に表示されたドキュメント25に含まれている。表示画面24においてドキュメント25がスクロールされることにより、重要情報30が表示画面24から部分的にスクロールアウトして欠けてしまう。この場合、ステップS26の処理により、重要情報30についての見落しメッセージ31が、表示画面24に表示される。これにより、ユーザ6は、重要情報30の見落しを知ることができ、重要情報30を確認することができる。
以上の説明から理解されるように、以下のような実施の態様が把握される。
(付記1) 予め定められた情報である重要情報を含むドキュメントを表示装置の表示画面に表示する表示処理部と、
前記表示画面に表示された前記ドキュメントに対するユーザの視線の位置が、前記表示画面を分割した領域である複数の視線領域のいずれに存在するかを示す視線情報を生成する画像処理部と、
前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記重要情報が前記複数の視線領域のいずれに存在するかを示す重要情報の位置情報を予め定められた第1の時間毎に取得し、前記視線情報を予め定められた第2の時間毎に取得し、複数の前記重要情報の位置情報と複数の前記視線情報とに基づいて前記重要情報が確認されたか否かを判断し、前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、前記重要情報が見落とされたことを前記表示処理部に通知して表示させる見落し判定部とを含む
ことを特徴とする情報処理装置。
(付記2) 前記見落し判定部は、前記第1の時間毎に取得した前記重要情報の位置情報を時系列に格納することにより位置情報テーブルを生成し、前記第2の時間毎に取得した前記視線情報を時系列に格納することにより視線情報ログテーブルを生成し、前記位置情報テーブルに格納された前記重要情報の位置情報と前記視線情報ログテーブルに格納された前記視線情報とに基づいて、前記重要情報が確認されたか否かを判断する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3) 前記位置情報テーブルは、その重要情報の位置情報が取得された時刻と、各々の重要情報の位置であって、前記視線領域の座標により表わされた位置と、前記重要情報が確認されたか否かを示す前記重要情報についてのフラグとを含む
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
(付記4) 前記見落し判定部は、前記重要情報が前記表示画面の外部にある場合に、前記位置情報テーブルにおける前記重要情報の位置を画面外とし、前記位置情報テーブルにおいて前記重要情報の位置が画面外であり、かつ、前記重要情報についてのフラグが前記重要情報が確認されていないことを示す場合に、前記重要情報が見落とされたことを前記表示処理部に通知して表示させる
ことを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
(付記5) 前記見落し判定部は、前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、前記位置情報テーブルにおける前記重要情報についてのフラグに基づいて、前記重要情報が見落とされたことを前記表示処理部に通知して表示させる
ことを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
(付記6) 前記視線情報ログテーブルは、その視線情報が取得された時刻と、その視線情報で表わされる視線の位置を示す位置情報であって、前記視線領域の座標により表わされた位置情報とを含む
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
(付記7) 前記第1の時間と前記第2の時間とが等しく、
前記見落し判定部は、前記位置情報テーブルと前記視線情報ログテーブルとを、前記第1及び第2の時間毎に更新する
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
(付記8) 前記表示処理部は、前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記ドキュメントをオープンする指示を受けた旨を、前記見落し判定部に通知する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記9) 前記見落し判定部は、前記表示処理部から前記ドキュメントをオープンする指示を受けた旨を通知された場合に、前記ドキュメントのメタデータと前記メタデータに基づいて生成された前記ドキュメント表示用の画面データとを前記表示処理部から取得し、前記表示画面に表示されている画像の画面データを前記第1の時間毎に取得する
ことを特徴とする付記8に記載の情報処理装置。
(付記10) 前記表示処理部は、前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、前記ドキュメントをクローズする指示を受けた旨を、前記見落し判定部に通知する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記11) 前記表示処理部は、前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記ドキュメントのファイルをオープンして、オープンした前記ドキュメントを前記表示画面に表示する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記12) 前記画像処理部は、前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記視線情報を生成する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記13) 前記見落し判定部は、前記重要情報が前記表示画面の外部にあり、かつ、前記重要情報が見落とされている場合に、前記重要情報が見落とされたことを前記表示処理部に通知して表示させる
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記14) 前記第1の時間と前記第2の時間とが等しく、
前記表示処理部は、前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、開始したクローズ処理を前記第1及び第2の時間に相当する時間だけ停止した後に、前記ドキュメントのファイルをクローズする
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記15) 表示処理部が、予め定められた情報である重要情報を含むドキュメントを表示装置の表示画面に表示し、
画像処理部が、前記表示画面に表示された前記ドキュメントに対するユーザの視線の位置が、前記表示画面を分割した領域である複数の視線領域のいずれに存在するかを示す視線情報を生成し、
見落し判定部が、前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記重要情報が前記複数の視線領域のいずれに存在するかを示す重要情報の位置情報を予め定められた第1の時間毎に取得し、前記視線情報を予め定められた第2の時間毎に取得し、複数の前記重要情報の位置情報と複数の前記視線情報とに基づいて前記重要情報が確認されたか否かを判断し、
見落し判定部が、前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、前記重要情報が見落とされたことを前記表示処理部に通知して表示させる
ことを特徴とする情報処理方法。
(付記16) 見落し防止プログラムであって、
コンピュータに、
予め定められた情報である重要情報を含むドキュメントを表示装置の表示画面に表示する処理と、
前記表示画面に表示された前記ドキュメントに対するユーザの視線の位置が、前記表示画面を分割した領域である複数の視線領域のいずれに存在するかを示す視線情報を生成する処理と、
前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記重要情報が前記複数の視線領域のいずれに存在するかを示す重要情報の位置情報を予め定められた第1の時間毎に取得し、前記視線情報を予め定められた第2の時間毎に取得し、複数の前記重要情報の位置情報と複数の前記視線情報とに基づいて前記重要情報が確認されたか否かを判断する処理と、
前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、前記重要情報が見落とされたことを表示させる処理とを、実行させる
ことを特徴とする見落し防止プログラム。
(付記17) コンピュータに、
予め定められた情報である重要情報を含むドキュメントを表示装置の表示画面に表示する処理と、
前記表示画面に表示された前記ドキュメントに対するユーザの視線の位置が、前記表示画面を分割した領域である複数の視線領域のいずれに存在するかを示す視線情報を生成する処理と、
前記ドキュメントをオープンする指示を受け取った場合に、前記重要情報が前記複数の視線領域のいずれに存在するかを示す重要情報の位置情報を予め定められた第1の時間毎に取得し、前記視線情報を予め定められた第2の時間毎に取得し、複数の前記重要情報の位置情報と複数の前記視線情報とに基づいて前記重要情報が確認されたか否かを判断する処理と、
前記ドキュメントをクローズする指示を受け取った場合に、前記重要情報が見落とされたことを表示させる処理とを、実行させる見落し防止プログラムを記録した
ことを特徴とする記録媒体。