以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材における例えば上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。
図2は、スティックコントローラ122の構成例を示す側面図である。スティックコントローラ122は、遊技者が把持する操作桿122Aを含み、操作桿122Aの所定位置(例えば遊技者が操作桿122Aを把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン121が設けられている。トリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手(例えば左手など)で把持した状態で所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することによって所定の指示操作ができるように構成されている。
操作桿122Aの内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図4を参照)が内蔵されている。スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部には、操作桿122Aに対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123が設けられている。例えば、傾倒方向センサユニット123は、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されている。
なお、下皿におけるスティックコントローラ122の取付位置は、下皿の中央部分に限られず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、または電磁的に検出できるように構成される。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4を参照)が設けられている。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にあるが、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。また、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置の位置関係が上下ではなく、例えば左右の位置関係であってもよい。
スティックコントローラ122に設けられたトリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。プッシュボタン120は、スティックコントローラ122とは別個に上皿を形成するガラス扉枠2の所定位置に設けられ、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを把持しない状態でも、操作手で押下操作することなどによって指示操作ができるように構成されている。従って、プッシュボタン120に比べて、トリガボタン121に対して、連続的な指示操作となる連打操作がなされることは困難である。
また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126が内蔵されている。この実施の形態では、例えば、バイブレータ用モータ126の軸の重心を偏らせたり軸に重りを取り付け、演出制御用マイクロコンピュータ100によりバイブレータ用モータ126を回転制御することによって振動を生じさせ、スティックコントローラ122を振動動作させるように制御される。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態の遊技機は、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が行われるが、演出表示装置9では、例えば、キャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいて報知画像を表示するような演出も実行される。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
演出表示装置9の右方には、可動部材である演出用役物127が設けられている。演出用役物127は、可動部材用モータ128の回転軸に取り付けられ、可動部材用モータ128が回転すると移動する。演出表示装置9を用いた演出を行う場合、演出用役物127等の可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われることがある。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dに代えて、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成する場合、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成することが望ましい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口(第1大入賞口)が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、普通図柄の表示結果を示唆するような演出や特別図柄の表示結果および変動パターンの種類を示唆するような演出が行われる演出エリア9Fが表示される。
また、演出表示装置9の左部には、モータ24によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入不可能な状態(閉鎖状態)になる。第2大入賞口に進入した遊技球は、第2入賞スイッチ71で検出される。
なお、この実施の形態では、2R確変大当りにもとづく大当り遊技中、10R確変大当りおよび15R確変大当りにもとづく大当り遊技中に、第1大入賞口が開放状態に制御される。また、小当り遊技状態中、および突然確変大当りにもとづく大当り遊技中に、第2大入賞口が開放状態に制御される。
「2R確変大当り」は、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである。「15R確変大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(ただし、時短状態にも制御される)。「10R確変大当り」は、10ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(ただし、時短状態にも制御される)。
「突然確変大当り」は、15R大当りや2R確変大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容される大当りであるが、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(ただし、確変状態に制御されるのみで時短状態には制御されない)。なお、「突然確変大当り」を、「突確大当り」ともいう。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数は2であるが、15R大当りの場合に比べて各ラウンドの開放時間が極めて短ければ、2ラウンドよりも多いラウンド数にしてもよい。例えば、15R大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数と同じにしてもよい。
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態と小当り遊技状態とでは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の10秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書では、小当りについても開放回をラウンドとする。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23および第2入賞口スイッチ71からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および第2大入賞口を形成するための可動部材76を開放状態に制御するモータ24を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、トリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、演出用役物127を動作させるために可動部材用モータ128を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認するが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンの種別を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図7に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められているが(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定態様演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定態様演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定態様演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定態様演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
なお、この実施の形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態であるある場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図9(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当り「15R確変大当り」、10ラウンドの確変大当り「10R確変大当り」および2ラウンドの確変大当り「2R確変大当り」とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定するが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了していることにもとづいて大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることにもとづいて、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、10ラウンドおよび2ラウンドの3種類であるが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」の4種類であるが、4種類にかぎらず、例えば、5種類以上の大当り種別(例えば、通常大当り(大当り遊技後に遊技状態が非確変状態になる)を含む)を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が4種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。
「10R確変大当り」は、10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。
「2R確変大当り」は、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。
なお、「2R確変大当り」は、後述する「突然確変大当り」と同様に大入賞口の開放回数が2回(2ラウンド)のみ許容される大当りであるが、「突然確変大当り」と異なり、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長い(この実施の形態では29秒)。従って、後述する「突然確変大当り」の場合には、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することは殆ど期待できないのであるが、「2R確変大当り」となった場合には、大入賞口の開放回数は少ないものの大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することを期待することができる。
また、「突然確変大当り」は、「15R確変大当り」や「10R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S169参照)。
なお、上述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させる。なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「10R確変大当り」や「2R確変大当り」である場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる図10(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、10R/2R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや10R確変大当り、2R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図10(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図10(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図11(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図11(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、図11(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、図11(C)には、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが示されている。また、図11(D)には、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dが示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図11に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dが用いられるが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図11(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが用いられるが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルが用いられるが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルが複数備えられているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」は、特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を意味する。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図11(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図11(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定態様演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図11(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定態様演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図11(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図12(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図12(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図12(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図12(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定態様演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定態様演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定態様演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図14および図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14および図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8E01(H)は、普通図柄の表示結果が当りになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄変動開始指定(当り)コマンドであり、コマンド8E02(H)は、普通図柄の表示結果がはずれになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンドである。コマンド8E03(H)は、普通図柄の変動(可変表示)を終了することを示す普通図柄変動終了指定コマンドである。ただし、この実施の形態では、遊技状態(高ベース状態/低ベース状態)に応じて普通図柄の変動時間は一定であるから、普通図柄変動終了指定コマンドを使用しなくてもよい。
コマンド8E04(H)は、普通図柄の当りにもとづく当り遊技中において可変入賞球装置15が閉鎖するときに送信されるコマンド(普通電動役物開放終了指定コマンド)である。なお、普通電動役物開放終了指定コマンドは、普通図柄の当りにもとづく当り遊技中に複数回可変入賞球装置15が開放される場合には、各々の開放の終了時に送信される。例えば、この実施の形態では、低ベース状態であるときに普通図柄当りとなって可変入賞球装置15が開放される場合には、可変入賞球装置15が0.1秒短期開放された後に5.3秒長期開放されるので(図20参照)、可変入賞球装置15の0.1秒の短期開放を終了して閉鎖したときと、可変入賞球装置15の5.3秒の長期開放を終了して閉鎖したときとの合計2回普通電動役物開放終了指定コマンドが送信される。なお、CPU56が、複数回の可変入賞球装置15の開放のうち最後の開放の終了時にのみ普通電動役物開放終了指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図28参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図16は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時判定処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「10R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図17および図18は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図17および図18に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や飾り図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態かつはずれとなると判定した場合、後述する入賞時判定処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図11(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値を抽出して導き出されたものである。このことは、他の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図10(A)〜(D)や図11(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値を抽出してカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態かつはずれとなると判定した場合、後述する入賞時判定処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態かつはずれとなると判定した場合、後述する入賞時判定処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時判定処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時判定処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時判定処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図10および図11参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する特定演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図17および図18に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、「特定演出」は、予告対象となる変動表示の表示結果や変動表示態様をその変動表示が開始されるよりも前にあらかじめ判定して実行される予告演出の一種である。この実施の形態では、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、1回または複数回の変動表示において特定演出を行う。また、この実施の形態では、後述する所定演出を実行して可変入賞球装置15が長期開放されることを報知(「○」の報知結果を報知)した後に、第2保留記憶数が所定数以上(本例では、2以上)となったことを条件に、スペシャルモードに移行され、特定演出を実行可能である。そして、この実施の形態では、特定演出が開始されると、第2保留記憶数が0となるまで特定演出の実行が継続される。従って、この実施の形態では、特定演出は、必ずしも予告対象の変動表示までに終了するとはかぎらず、予告対象の変動表示を終了した後も継続して実行される場合がある。なお、特定演出を複数回の変動表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、例えば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の可変表示において予告演出を実行してもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図16に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図17および図18に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する特定演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14および図15に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14および図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
次に、CPU56が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図19は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲートスイッチ32aがオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS411)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS412)を実行する。その後、ステップS400〜S404のいずれかの処理を実行する。
ステップS400〜S404の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS400):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401):普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS402):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS403):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にする。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS404):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖状態にして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図20は、普通図柄の当りに関する判定値が設定された普通図柄当り決定テーブルの一例を示す説明図である。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数がとりうる範囲は1〜250であるが、普通図柄当り決定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値と比較され判定値が設定されている。
図20(A)には、低ベース状態で使用されるテーブルが示されている。図20(A)に示すように、低ベース状態では、2/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が2回開放(初回の開放の開放時間は0.1秒、2回目の開放の開放時間は5.3秒:閉鎖時間(インターバル時間)は4.5秒)する。なお、低ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、10秒である。ただし、普通図柄の変動時間として複数種類の変動時間を用意し、CPU56は、使用する変動時間をそれらのうちから選択するようにしてもよい。また、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間(のいずれかまたは双方を複数種類用意し、CPU56は、開放回数および開放時間のいずれかまたは双方を選択するようにしてもよい。
以下、初回の開放(0.1秒の開放)を短期間開放といい、2回目の開放(5.3秒の開放)を長期間開放ということがある。なお、所定演出(○)または所定演出(×)を報知するタイミングは、短期間開放した後である。よって、短期間開放が行われた時点では所定演出の実行によって長期間開放が行われるか否かを把握することはできず、遊技者の期待感(長期間開放に対する)をより高めることができる。所定演出は、特別図柄や飾り図柄の変動表示において特別演出(リーチ演出)が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が遊技球が開放状態に制御されるか否かを報知する演出である。
図20(B)には、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルが示されている。図20(B)に示すように、高ベース状態では、249/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が5回開放(初回の開放の開放時間は0.1秒、初回開放後の閉鎖時間は0.1秒、2〜5回の各々の開放時間は1.36秒、2〜5回の各開放の間のインターバル時間は、1.38秒)する。このように、低ベース状態で当りとなった場合と高ベース状態で当りとなった場合とでは、可変入賞球装置15の最初の開放態様は同じ(ともに0.1秒開放)であるが、それより後の可変入賞球装置15の開放態様が異なる。なお、高ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、1.5秒である。図20に示すように、遊技状態が低ベース状態のときは低い確率で当りになり、高ベース状態のときは極めて高い確率(この例では、略100%であるが、100%でもよい。)で当りになる。
また、図20(A),(B)に示すように、この実施の形態では、普通図柄の変動表示結果がはずれとなる場合であっても、0.1秒間のごく短時間1回だけ可変入賞球装置15が開放される。
なお、この実施の形態では、図20に示すように、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合と比較して、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率を高める(普図高確率)ことによって、高ベース状態である場合には可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなるようにして始動入賞しやすくするが、このような態様にかぎられない。例えば、高ベース状態であるときと低ベース状態であるときとで普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率は同じであるものの、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる時間(図20に示す普通電動役物開放時間)を長くすることによって、高ベース状態である場合には始動入賞しやすくなるように構成してもよい。その場合には、低ベース状態である場合と高ベース状態である場合とで開放回数を同じにし、例えば、低ベース状態での各々の開放回の開放時間を、0.1秒、0.1秒、0.1秒、5.3秒とし(開放回数が4回の場合)、高ベース状態での各々の開放回の開放時間を、図20(B)に示されたようにすればよい。
また、図20に示すように、CPU56は、通常状態(低ベース状態:非時短状態)では当り遊技状態における総開放期間(図20(A)に示す例では、0.1秒+5.3秒=5.4秒)が高ベース状態(時短状態)での総開放期間(図20(B)に示す例では、0.1秒+1.36秒×4=5.54秒)よりも短くなるとともに、初回の開放期間(図20(A)に示す例では、0.1秒)が2回目の開放期間(図20(A)に示す例では、5.3秒)よりも短くなるように制御する。また、CPU56は、高ベース状態では当り遊技状態における各々の開放期間(図20(B)に示す例では、0.1秒と1.36秒)が低ベース状態での最長の開放期間(図20(A)に示す例では、5.3秒)よりも短くなるように制御する。よって、低ベース状態において、遊技者に、あたかも長期間開放がなされたかのような印象を与えることができる(初回の開放期間が極めて短いので遊技者は開放に気付かない場合があるので)。その結果、低ベース状態において可変入賞球装置15が開放状態に制御されることへの遊技者の期待感を高めることができる。さらに、低ベース状態において、1回だけ短期間開放する(例えば、0.1秒開放する)当りもあるようにしてもよい。そのような遊技機では、0.1秒の開放に気付いた遊技者は、その時点では、長期間開放がなされるか否かを把握することができず、長期間開放に対する遊技者の期待感をより高めることができる。
また、CPU56は、低ベース状態では当り遊技状態における総非開放期間(複数回の開放状態の間の非開放状態の期間の合計:図20(A)に示す例では、4.5秒)が高ベース状態での総非開放期間(図20(B)に示す例では、0.1秒+1.38秒×3=4.24秒)よりも長くなるように制御する。よって、低ベース状態において可変入賞装置への遊技球の入賞が過大になって遊技店に不利益がもたらされてしまうことを防止することができる。
一方で、低ベース状態では、高ベース状態である場合と比較して、総開放時間が短い点で平均して不利であるといえるものの、高ベース状態にはない長期間(5.3秒)の可変入賞球装置15の開放が行われ、極めて可変入賞球装置15に入賞しやすい期間が存在するので、そのような意味で、低ベース状態では、高ベース状態よりも有利な期間が含まれているといえる。
また、この実施の形態では、低ベース状態で当りとなった場合には、0.1秒の初回開放の後に4.5秒のインターバル期間を経て5.3秒の長期間の開放が行われるのであるが、この実施の形態では、後述するように、0.1秒の初回の開放が終わると長期開放報知用画像の表示が行われ、4.5秒のインターバル期間中において長期間の開放が行われることが報知される。そして、このインターバル期間4.5秒と長期間の開放期間(5.3秒)を加えた9.8秒の期間は、遊技球を発射してからその発射した遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの期間Xよりも十分長い期間とされている。そのように構成することによって、この実施の形態では、長期開放報知用画像が表示されたのを見て可変入賞球装置15が長期間開放されることを認識した遊技者が遊技球を発射してから、その発射した遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの十分な期間が確保されている。従って、長期開放報知用画像を表示してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの期間が短すぎて、遊技者が長期開放報知用画像の表示を認識してから可変入賞球装置15への遊技球の入賞を狙っても間に合わず利益を得られない事態を防止することができる。
なお、図20に示す開放回数、開放期間および閉鎖期間(インターバル時間)は一例であって、当り遊技状態において可変入賞球装置15が複数回開放され、低ベース状態では総開放期間が高ベース状態での総開放期間よりも短くなるとともに初回の開放期間が2回目の開放期間よりも短くなり、高ベース状態では当り遊技状態における各々の開放期間が低ベース状態での最長の開放期間よりも短くなり、低ベース状態では当り遊技状態における総非開放期間が高ベース状態での総非開放期間よりも長くなるように制御されるのであれば、図20に示す開放回数、開放期間および閉鎖期間とは異なる回数および期間を用いてもよい。
また、図20(B)に示す例では、高ベース状態における初回の開放期間が2回目以降の開放期間よりも短いが、高ベース状態における初回の開放期間を、2回目以降の開放期間よりも長くしてもよい。また、低ベース状態における総開放期間が高ベース状態における総開放期間よりも短いことを条件として、高ベース状態における各回の開放期間または閉鎖期間を様々に異ならせてもよい。
図21は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS415)。最大値に達していなければ、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し(ステップS416)、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(RAM55に設けられた普図保留記憶バッファ)に格納する(ステップS417)。また、CPU56は、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす(ステップS418)。
CPU56は、ステップS400の普通図柄通常処理において、普通図柄の変動を開始することができる状態であり、かつ、ゲート通過記憶数が0でなければ、保存領域(普図保留記憶バッファ)に格納されている普通図柄当り判定用乱数の値と図20に示された普通図柄当り決定テーブルとを用いて、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。すなわち、普通図柄当り判定用乱数の値が普通図柄当り決定テーブルに設定されている判定値(当りに対応する判定値)のいずれかの一致する場合に、当りと判定する。当りと判定した場合には、普通図柄当りフラグをセットする。なお、CPU56は、遊技状態が低ベース状態であれば(高ベースフラグがセットされていなければ)、図20(A)に示されたテーブルを使用し、高ベース状態であれば(高ベースフラグがセットされていれば)、図20(B)に示されたテーブルを使用する。なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示結果が当りであることを、普図当りとも表現する。また、この実施の形態では、普通図柄の変動表示結果がはずれであることを、普図はずれとも表現する。
図22は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する(ステップS431)。具体的には、高ベースフラグがセットされているか否か確認する。高ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに1.5秒に相当する値を設定する(ステップS432)。低ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに10秒に相当する値を設定する(ステップS433)。
また、普通図柄通常処理で当りに決定されている場合(普通図柄当りフラグがセットされている場合)には(ステップS434)、普通図柄の表示結果を当りにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS435)。普通図柄通常処理ではずれに決定されている場合には、普通図柄の表示結果をはずれにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS436)。
次いで、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を−1し(ステップS437)、減算後のゲート通過記憶カウンタの値(すなわち、普図保留記憶数)をEXTデータにセットして、普図保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS438)。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS439)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
なお、この実施の形態では、普通図柄変動パターン設定処理において、普通図柄変動開始指定コマンドや普図保留記憶数指定コマンドを送信するが、ステップS400の普通図柄通常処理において普通図柄の表示結果を当りとするか否かの決定を行った後に普通図柄変動開始指定コマンドを送信したり、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を−1して普図保留記憶数指定コマンドを送信したりするようにしてもよい。
図23は、普通図柄変動処理(ステップS402)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS441)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS441のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS445)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS441のY)、CPU56は、普通図柄変動終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS442)とともに、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS443)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS403)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS444)。
図24は、普通図柄停止時処理(ステップS403)を示すフローチャートである。普通図柄停止時処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS451)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS452)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに初回開放の普通電動役物作動時間(0.1秒)に相当する値をセットする(ステップS454)。なお、この実施の形態では、図20に示したように、普図当りであるか普図はずれであるかにかかわりなく、また、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるか低ベース状態(非時短状態)であるかにかかわりなく、可変入賞球装置15の最初の開放態様は同じであるので、CPU56は、遊技状態にかかわらず0.1秒に相当する値をセットする。
また、CPU56は、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にし(ステップS455)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS456)。
CPU56は、普通電動役物開放中処理において、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態にする。そして、最終回の可変入賞球装置15の開放が終了したときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。最終回でなかった場合には、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに次回の普通電動役物作動時間(可変入賞球装置15の開放期間(図20参照))に相当する値をセットし、再び、可変入賞球装置15を開放状態にする。なお、CPU56は、可変入賞球装置15を直ちに開放状態にするのではなく、所定のインターバル時間(図20参照)が経過したときに開放状態にする。なお、普図はずれとなった場合には、ごく短時間の0.1秒の開放を行っただけで、可変入賞球装置15の動作を終了し、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新することになる。
また、CPU56は、普通電動役物開放中処理において、可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態にするときに、普通電動役物開放終了指定コマンド(図14参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置15の開放状態に関する演出制御コマンドを送信しないが、可変入賞球装置15の開放状態が終了するときに、閉鎖を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560が、開放時間が経過していなくても所定個の入賞があると可変入賞球装置15を閉鎖するように制御する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は未だ可変入賞球装置15が開放していると認識しているが、実際には可変入賞球装置15が閉鎖されている状況が生ずる。しかし、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変入賞球装置15を閉鎖することを報知するように構成されているので、閉鎖を示す演出制御コマンドにもとづいて報知を終了させることができる。
図25は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図26は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図27参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図27は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図27に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220)。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、ステップS1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218〜S1220の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図27参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1230)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1231)。
なお、ステップS1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1229〜S1231の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図28は、ステップS1217,S1228の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって飾り図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する特定演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時判定処理を実行する場合)には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時判定処理を実行する場合)には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図17および図18に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定する(図18参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、EXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時判定処理を実行する場合)には、図9(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時判定処理を実行する場合)には、図9(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「10R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「10R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
また、例えば、CPU56は、「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図18参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図18参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図10、図11参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図17および図18に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する特定演出を実行するようにしてもよい。
図29および図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次に特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される場合を示しているが、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるように構成してもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるように構成してもよい。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図28に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「10R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「10R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図10(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図10(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。
高ベースフラグがセットされていない場合には(ステップS95)、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS96)。高確率フラグがセットされていない場合には(ステップS96)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否か確認する(ステップS97)。合算保留記憶数が3未満である場合には(ステップS97)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図11(B)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図11(D)参照)を選択する(ステップS100)。そして、ステップS102に移行する。
高ベースフラグがセットされている場合には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図11(C)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図11(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図13参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、直ちに変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時判定処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して特定演出を行うように構成することが好ましい。
図32は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「10R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「10R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「2R確変大当り」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115,S116)。なお、「2R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」および「2R確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS118)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS118のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS120)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す高確率フラグ、および時短状態であることを示す高ベースフラグをリセットする(ステップS132)。また、CPU56は、15R確変大当り、10R確変大当りまたは2R確変大当りである場合には大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、大当りの種別が突確大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS133)。なお、大当りの種別は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)によって判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15)をセットする(ステップS135)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS137)。セットされている場合には、ステップS138に移行する。高確率フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。高ベースフラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、高ベースフラグをリセットする(ステップS144)。そして、ステップS145に移行する。
ステップS138では、CPU56は、高確率回数カウンタの値を−1する。そして、高確率回数カウンタの値が0になった場合には、確変状態(高確率状態)であることを示す高確率フラグをリセットする(ステップS139,S140)。そして、ステップS141に移行する。
ステップS145では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS150に移行する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS146)。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。また、開放回数カウンタに開放回数(具体的には、2回)をセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。
ステップS150では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図35は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ステップS162では、CPU56は、15R確変大当り、10R確変大当りまたは2R確変大当りであった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、高確率フラグをセットして遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行させる(ステップS166)。また、CPU56は、高確率状態における変動表示回数をカウントするための高確率回数カウンタに所定回数(例えば71回)をセットする(ステップS167)。また、2R確変大当りであった場合には(ステップS168)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS171)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
ステップS166〜S170の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、2R確変大当り以外が発生した場合に確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。2R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態に移行される。
なお、この実施の形態では、ステップS169の処理でセットされた高ベースフラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、高ベースフラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS171)。ステップS171の処理で、CPU56は、CPU56は、高ベース状態(時短状態)であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。高ベースフラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、高確率状態(確変状態)であることを示す高確率フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。高確率フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS172)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図36は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理において、演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S708の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15〜図17参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動時間を計測するための普通図柄変動時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS707)。普通図柄変動時間タイマの値が0でなければ、演出制御用CPU101は、普通図柄変動時間タイマの値を1減算する(ステップS708)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14および図15参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、2msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図37〜図40は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタ(コマンド受信バッファにおけるどの領域からコマンドを読み出すべきかを示すポインタ)の値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS632)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS633)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS636)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))であれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図41は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図41に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図26に示された始動口スイッチ通過処理におけるステップS1218〜S1220,S1229〜S1231で、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドが実質的に一括して送信される。そのため、図41に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図41に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図41では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図41に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、飾り図柄の変動表示を開始するごとに、飾り図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する飾り図柄変動開始処理のステップS8007で1つずつ削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されるのであるから、図41に示す例では、第2保留記憶が1つ存在することから第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示がまず実行される。そして、第2保留記憶数加算指定コマンドを含む始動入賞時コマンドが格納されている最初の格納領域が格納領域5のみであることから、格納領域5に格納されている各コマンドが削除される。次いで、第2保留記憶が新たに発生しなかった場合には、次に第1特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示が実行される。そして、第1保留記憶数加算指定コマンドを含む始動入賞時コマンドが格納されている最初の格納領域が格納領域1であることから、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドと、第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドとを共通の始動入賞時コマンド格納領域に格納して管理する場合を示しているが、この実施の形態では第2特別図柄の変動表示が優先実行されるように構成され入賞順を管理する必要はないことから、第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドを格納する第1始動入賞時コマンド格納領域と、第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドを格納する第2始動入賞時コマンド格納領域とを別々に設けるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、保留記憶数加算指定コマンドを保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時判定処理(図28参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS654)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンドや保留記憶数加算指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを受信し損なったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS656A)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に保留記憶数加算指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1保留記憶数加算指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも受信し損なったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1増加させる(ステップS656B)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する(ステップS656C)とともに、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS656D)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS658A)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に保留記憶数加算指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2保留記憶数加算指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも受信し損なったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増加させる(ステップS658B)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する(ステップS658C)とともに、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS658D)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS662A)。例えば、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合であれば、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ消去し、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合であれば、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1つ消去する。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する(ステップS662B)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合であれば、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算し、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合であれば、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS662C)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数や、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、合算保留記憶数や第1保留記憶数、第2保留記憶数が0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する合算保留記憶数や第1保留記憶数、第2保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で合算保留記憶数や第1保留記憶数、第2保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った合算保留記憶数や第1保留記憶数、第2保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって合算保留記憶数や第1保留記憶数、第2保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動開始指定コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、受信した普通図柄変動開始指定コマンドを、RAMに設けられた普通図柄変動開始指定コマンド格納領域に格納する(ステップS672)。また、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS673)とともに、普通図柄の変動表示中であることを示す普通図柄変動中フラグをセットする(ステップS674)。
ステップS673では、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグをセットし、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグをセットする。
また、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動時間を計測するための普通図柄変動時間タイマに10秒に相当する値をセットする(ステップS675)。
なお、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態であるときには普通図柄の変動時間が10秒とされ、遊技状態が高ベース状態であるときには普通図柄の変動時間が1.5秒とされるのであるが、ステップS675では、遊技状態にかかわらず、一律に普通図柄変動時間タイマに10秒に相当する値をセットする。一律に10秒に相当する値をセットするようにしても、この実施の形態では、後述する所定演出を高ベース状態であるときには行わないように制御するので、所定演出の実行に関して支障が生ずることはない。高ベース状態であった場合には、1.5秒後に普通図柄の変動表示が終了したときに普通図柄変動終了指定コマンドを受信したことにより、普通図柄変動時間タイマの値がリセットされることになる(ステップS677参照)。なお、ステップS675において、高ベース状態であるか否かを確認し(具体的には、後述する遊技状態データの値が02(H)または04(H)であるかを確認し)、高ベース状態でない場合のみ普通図柄変動時間タイマに10秒に相当する値をセットし、高ベース状態である場合には普通図柄変動時間タイマに1.5秒に相当する値をセットするようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動終了指定コマンドであれば(ステップS676)、演出制御用CPU101は、普通図柄変動中フラグをリセットするとともに、普通図柄変動時間タイマをリセットする(ステップS677)。また、演出制御用CPU101は、今回終了した普通図柄の変動表示が普図当りとなるものであったか否かを確認する(ステップS678)。なお、普図当りであるか否かは、具体的には、ステップS672で普通図柄変動開始指定コマンド格納領域に格納された普通図柄変動開始指定コマンドが当りを示すものであったか否か(EXTデータが「01(H)」であるか否か:図14参照)を確認することによって判定できる。普図当りである場合には、演出制御用CPU101は、遊技状態が低ベース状態であるか否かを確認する(ステップS679)。なお、低ベース状態であるか否かは、具体的には、後述するステップS682で設定される遊技状態データの値が低確率低ベース状態を示す値(本例では、「01(H)」)または高確率低ベース状態を示す値(本例では、「03(H)」)であるか否かを確認することによって判定できる。低ベース状態である場合には、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動表示を終了してから後述する長期開放報知用画像を表示するまでの待機時間を計測するための開放報知待機時間タイマに所定値をセットする(ステップS680)。
この実施の形態では、既に説明したように、低ベース状態であるときに普図当りとなった場合には、初回の開放として極めて短期間(本例では、0.1秒)可変入賞球装置15が開放された後、4.5秒間のインターバル期間を経て、2回目の開放として長期間(本例では、5.3秒)可変入賞球装置15が開放される。そして、この実施の形態では、初回の0.1秒間の開放が終わった後に、後述するように、長期間の開放が行われることを示す長期開放報知用画像が表示されることによって、遊技者に可変入賞球装置15が長期間開放されることを報知する。そのため、この実施の形態では、ステップS680では、演出制御用CPU101は、開放報知待機時間タイマに、所定値として、普通図柄の変動表示を終了してから初回の開放を終了してインターバル期間が始まるまでの期間(本例では、0.1秒)に相当する値をセットする。
なお、開放報知待機時間タイマに所定値としてセットされる値は、0.1秒に相当する値にかぎらず、初回の開放を終了した後であり長期間開放が開始されるまでの期間であって、長期開放報知用画像の表示を認識して遊技者によって発射された遊技球が長期開放された可変入賞球装置15に十分に間に合って入賞可能な値であれば、例えば、0.2秒や1.0秒に相当する値であってもよい。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド:図15参照)であれば(ステップS681)、演出制御用CPU101は、RAMに確保されている遊技状態データの領域に、受信した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態に応じた値を設定する(ステップS682)。以下、遊技状態データの領域に設定された値を遊技状態データという。
なお、一例として、低確率低ベース状態(非確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「01(H)」である。低確率高ベース状態(非確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「02(H)」である。高確率低ベース状態(確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「03(H)」である。高確率高ベース状態(確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「04(H)」である。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS684)。そして、ステップS611に移行する。
図42は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図42に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2、所定演出決定用乱数SR3、ボタン演出決定用乱数SR5、および特定演出決定用乱数SR6を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2は、擬似連演出を伴う飾り図柄の変動中に仮停止表示させる図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
所定演出決定用乱数SR3は、所定演出を実行するか否か決定するための乱数である。
ボタン演出決定用乱数SR5は、ボタン演出(図50参照)を実行するか否か決定するための乱数である。
特定演出決定用乱数SR6は、特定演出を実行するか否か決定するための乱数である。
図43は、図36に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、第1所定演出処理(ステップS810A)、第2所定演出処理(ステップS810B)、および開放報知演出処理(ステップS810C)を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図44は、所定演出の実行区間の一例を示す説明図である。「所定演出」は、特別図柄や飾り図柄の変動表示において特別演出(リーチ演出)が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が遊技球が進入(通過)しやすい状態(例えば、開放状態)に制御されるか否かを報知する演出である。また、この実施の形態では、所定演出において、所定の種類の当り(例えば、小当り)になることが報知される場合もある。この実施の形態では、所定演出において、演出表示装置9の表示画面においてルーレットを回転させるような態様の演出が実行される。なお、所定演出において、必ずしも、100%特別演出が実行されることを報知したり、100%可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する必要はなく、特別演出が実行される可能性を示唆する報知をしたり、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御される可能性を示唆する報知をしたりするものであってもよい。また、所定演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行される。
図44に示す例では、所定演出は、予兆演出、開始演出、報知用演出、結果報知演出の順に実行される。なお、予兆演出が実行される期間を第1期間といい、開始演出、報知用演出および結果報知演出が実行される期間を第2期間という。
また、第1期間の演出(予兆演出)の実行が省略されることがある。また、結果報知演出の期間は短縮されることがある。
予兆演出は、遊技者に所定演出が開始されることを想起させるような演出である。開始演出は、所定演出が開始されたことを遊技者に認識させるための演出である。報知用演出は、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを遊技者に期待させるような演出である。結果報知演出は、遊技者が可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かを想起可能な演出である。
なお、第1期間の予兆演出が実行された後に第2期間の開始演出以降の演出(本例では、ルーレットの演出)に発展しない場合も設けられていることが望ましい。そのようにすれば、予兆演出が実行されることによって、ルーレットなどの演出が行われるかもしれないという期待感だけでなく、必ずしもルーレットなどの演出に発展しないかもしれないとの不安感も与えることができ、予兆演出の演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、後述するように、普通図柄の変動表示の開始を契機として所定演出の有無や種類が決定されて所定演出が実行される場合と、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として所定演出の有無や種類が決定されて所定演出が実行される場合とがある。以下、この実施の形態では、普通図柄の変動表示の開始を契機として決定処理が行われて実行される所定演出を「第1所定演出」といい、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として決定処理が行われて実行される所定演出を「第2所定演出」といって区別する場合がある。
図45は、所定演出の一例を示す説明図である。なお、図45には、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されること(本例では、可変入賞球装置15が長期開放されること)を報知するための演出が例示されている。
図45(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図45(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような表示制御が実行される。そのような表示制御による演出が予兆演出に相当する。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出のための画像である報知画像(例えば、「ルーレットチャンス」を表示する画像)9bを表示する制御が実行される(図45(C)参照)。そのような表示制御による演出が開始演出に相当する。そして、報知用演出が開始される。
この実施の形態では、報知用演出は、演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出(ルーレットが回転するような態様の演出)である(図45(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cが停止表示される(図45(E)参照)。次いで、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9dが表示される(図45(F)参照)。その後、演出表示装置9に、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9eが表示される(図45(G)参照)。なお、図45(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後普通図柄変動終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cを停止表示し(図45(E)参照)、初回の開放の終了時に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9dを表示する(図45(F)参照)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した時点から所定時間経過後に、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cを停止表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、画像9cが停止表示されたときから所定の時間が経過したら、報知用画像9dを表示するようにしてもよい。その場合には、普通図柄変動終了指定コマンドの受信を契機にして報知用画像9dが表示されることになる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が可変入賞球装置15の開放開始時に普通電動役物開放開始指定コマンドを送信するように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初回の開放時の普通電動役物開放開始指定コマンドの受信時や2回目の開放時の普通電動役物開放開始指定コマンドの受信時に、報知用画像9dを表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果が当り図柄であることを示す普通図柄変動開始指定(当り)コマンド(コマンド8E01(H))を受信してから所定の時間(例えば、変動時間)が経過したら画像9cを表示し、さらに所定の時間(例えば、可変入賞球装置15の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したら報知用画像9dを表示するようにしてもよい。その場合には、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドの受信を契機にして報知用画像9dが表示されることになる。
図46は、所定演出の他の例を示す説明図である。なお、図46には、所定の種類の当り(この例では、小当り)になることを報知するための演出が例示されている。
図46(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図46(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図46(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図46(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、所定の種類の当り(この例では、小当り)になることを示唆する画像9fが停止表示される(図46(E)参照)。次いで、所定の種類の当りの発生を報知するような報知用画像9gが表示される(図46(F)参照)。その後、演出表示装置9に、第2大入賞口(可動部材76による)が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9hが表示される(図46(F)参照)。なお、図46(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
図47は、所定演出のさらに他の例を示す説明図である。なお、図47には、リーチ演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)が実行されることを報知するための演出が例示されている。
図47(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図47(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図47(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図47(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9iが停止表示される(図47(E)参照)。なお、図47に示す例では、リーチになることを示唆する画像9iとして「激熱」の文字列を含む画像が示されているが、この実施の形態では、リーチになることを示唆する画像として、「激熱」の文字列を含む画像と「チャンス」の文字列を含む画像との2つがある。そして、この実施の形態では、スーパーリーチとなる場合には、ノーマルリーチとなる場合と比較して、「チャンス」の文字列を含む画像よりも「激熱」の文字列を含む画像が停止表示される割合が高い。
そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図47(F)参照)。その後、演出表示装置9に、スーパーリーチの発生を明示する画像9jが表示される(図47(F)参照)。なお、図47(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
また、この実施の形態では、特別演出(リーチ演出)が実行されることや可変入賞球装置15が遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されることを報知する所定演出が実行される場合に、それらの報知結果が報知される前に、特別演出(リーチ演出)が実行されず可変入賞球装置15も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を報知する所定演出(すなわち、「偽」の所定演出)が実行される場合がある。
図48は、一例として、特別演出(リーチ演出)が実行されることを報知する前に、はずれの報知結果を報知する所定演出が実行される場合の具体例を示す説明図である。
図48(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図48(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図48(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図48(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチ演出が実行されず可変入賞球装置15も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を示唆する画像9kが停止表示される(図48(E)参照)。
次いで、再び報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄の変動が開始され、再び報知用演出が開始されたような演出が実行される(図48(F)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9iが停止表示される(図48(G)参照)。そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図48(H)参照)。その後、演出表示装置9に、スーパーリーチの発生を明示する画像9jが表示される(図48(I)参照)。
また、この実施の形態では、図45に示すような態様で可変入賞球装置15が長期開放されることが報知された後に、可変入賞球装置15が長期開放されている間に発生した第2始動入賞口14への始動入賞に対してスペシャルモードに移行して特定演出に発展する場合がる。
図49は、可変入賞球装置15が長期開放されることが報知された後にスペシャルモードに移行する場合の具体例を示す説明図である。なお、図49に示す例では、遊技状態が低ベース状態であるとともに、第1保留記憶数が1であり且つ第2保留記憶数が0である場合に所定演出が実行されて可変入賞球装置15が長期開放されることが報知された場合を示している。
所定演出が実行されて演出エリア9Fに報知結果として「○」が表示された後、図49(A)に示すように(図45(G)に相当)、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9eが表示されると、可変入賞球装置15の長期開放(本例では、5.3秒)が開始される。そして、可変入賞球装置15が開放されたことから第2始動入賞口14に始動入賞しやすい状態となり、第2始動入賞口14への始動入賞が発生すると、図49(B)に示すように、第2保留記憶表示部18dにおいて保留表示が1つ表示される。
次いで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されることから、第2保留記憶が1つ発生したことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、図49(C)に示すように、それに対応して飾り図柄の変動表示が開始される。なお、図49(C)に示す例では、第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示を開始したときに、可変入賞球装置15の長期開放がまだ継続している場合が示されている。
可変入賞球装置15の長期開放がまだ継続している間に、第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示が開始された場合には、図49(C)に示すように、演出表示装置9の表示画面において舞台の幕が閉まるような態様の特定導入演出が実行される。次いで、図49(D−1)や図49(D−2)に示すように、特定導入演出を伴う飾り図柄の変動表示の実行中も可変入賞球装置15の長期開放が継続している間、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したことにもとづいて第2保留記憶数が増加し、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示が増加していく。なお、図49(D−1)に示す例では、可変入賞球装置15の長期開放が終了するまでの間に第2保留記憶数が4つまで増加した場合が示されており、図49(D−2)に示す例では、可変入賞球装置15の長期開放が終了するまでの間に第2保留記憶数が1つしか増加しなかった場合が示されている。
次いで、特定導入演出を伴う飾り図柄の変動表示を終了し、可変入賞球装置15の長期開放も終了した後、次の第2特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄の変動表示を開始する場合には、第2保留記憶数が所定数以上(本例では、2以上)溜まっていれば、特定演出を実行することに決定された場合には、図49(E−1)に示すように、舞台の幕が開き、「スペシャルモード」などの文字列が表示されてスペシャルモードに移行したことが報知される。そして、その後、スペシャルモードに移行されている間、後述する演出態様で特定演出が実行される(図67参照)。一方、第2保留記憶数が所定数以上溜まっていなければ、図49(E−2)に示すように、スペシャルモードには移行されず、以降、通常の飾り図柄の変動表示が実行されることになる(すなわち、特定演出は実行されない)。
なお、この実施の形態では、図49(E−1)に示すような態様でスペシャルモードに移行することを報知した後、後述する図67に示すような態様でスペシャルモード中に特定演出が実行される場合を示しているが、スペシャルモードにおける演出は、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、第2保留記憶数に対応して物語のストーリーが複数の変動表示にわたって展開していくような演出を実行するように構成してもよい。
なお、図49に示す例では、最初の第2特別図柄の変動表示を開始したときにまだ可変入賞球装置15の長期開放が継続されている場合を示したが、最初の第2特別図柄の変動表示を開始したときに既に可変入賞球装置15の長期開放が終了している場合には、図49(C)に示す特定導入演出を経由することなく、第2保留記憶数が所定数以上であれば、直ちに図49(E−1)に示す態様でスペシャルモードに移行され、第2保留記憶数が所定数以上でなければ、図49(E−2)に示す態様で通常の飾り図柄の変動表示が実行されることになる。なお、既に可変入賞球装置15の長期開放が終了している場合であっても、必ず図49(C)に示す特定導入演出を実行するように構成してもよい。また、逆に、最初の第2特別図柄の変動表示を開始したときにまだ可変入賞球装置15の長期開放が継続されている場合であっても、特定導入演出を実行せずに、直ちにスペシャルモードに移行して特定演出を実行するように構成してもよい。
次に、通常の予告演出(特定演出ではない予告に関する演出)を説明する。この実施の形態では、予告演出として、「役物作動演出」が行われる。「役物作動演出」が行われるときには、プッシュボタン120による操作を示唆するボタン操作示唆表示201が演出表示装置9に表示される。例えば、図50に示すように、ボタン操作示唆表示201として、「PUSH!」の文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示が表示される。また、ボタン操作示唆表示201の表示期間を示すメータ202が、ボタン操作示唆表示201の下方に表示される。
なお、ボタン操作示唆表示の表示期間は、プッシュボタン120の操作が有効な期間(操作有効期間)に相当する。メータ202の表示態様は、ボタン操作示唆表示201の表示時間の残りに応じて変化する。遊技者は、ボタン操作示唆表示201の残り表示時間によって、プッシュボタン120の操作が有効である時間の残りを大まかに把握することができる。
また、ボタン操作示唆表示201は、特別図柄および飾り図柄の表示結果が大当り図柄になる可能性を報知する操作時演出に相当する。
また、ボタン操作示唆表示201の表示期間は、実際のプッシュボタン120の操作の有効期間よりも前に終了するように設定される。一例として、図50に示すように、実際のプッシュボタン120の操作有効期間が終了する前(この例では、0.2秒前)に、ボタン操作示唆表示201の表示期間が終了する。通常、遊技者は、ボタン操作示唆表示201の表示期間がプッシュボタン120の操作有効期間であると認識し、メータ202が表示が空になる(期間終了に相当)以前にプッシュボタン120を操作しようと試みる。表示期間を操作有効期間に一致させた場合には、遊技者が、ボタン操作示唆表示201の表示期間にもとづいて、操作有効期間の終了間際にプッシュボタン120を操作したときに、実際にはプッシュボタン120が操作されたのは操作有効期間経過後であったという状況が生じうる。その場合、遊技者は、操作有効期間内にプッシュボタン120を操作したにもかかわらず、所定の演出が実行されないと誤解する問題がある。しかし、この実施の形態では、操作有効期間よりも前にボタン操作示唆表示の表示期間が終了するので、そのような誤解が生ずることを防止することができる。
図51は、役物作動演出の一例を示す説明図である。図52は、役物作動演出の他の例を示す説明図である。図53は、役物作動演出における役物作動の実行タイミングを示す説明図である。
図51および図53に示すように、役物作動演出は、リーチ状態(D00参照)になった後に実行される。また、役物作動演出が実行される際に、味方のキャラクタ画像400と敵のキャラクタ401画像とが争うような態様のバトル演出が実行される(図51におけるD00および図53(A)参照)。その後、バトル演出が中断され、演出表示装置9にボタン操作示唆表示201およびメータ202が表示される(図51におけるD01および図53(B)参照)。
なお、図51に示すように、バトル演出が中断されて、ボタン操作示唆表示201が表示される。よって、遊技者はプッシュボタン120の操作の有効期間を認識し易くなる。
図51に示す例では、役物作動演出の態様として、「勝利演出」、「敗北演出」および「復活演出」がある。
D11〜D13に示す「勝利演出」の態様では、プッシュボタン120の操作有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作すると、直後に演出用役物127が動作し(図51におけるD11および図53(C),(D)参照)、演出表示装置9に「勝利」の文字画像402と特定のキャラ画像403が表示された後(図51におけるD12および図53(C),(D)参照)、大当りを示す飾り図柄が停止表示される(図51におけるD13および図53(C),(D)参照)。
D31,D33に示す「敗北演出」の態様では、プッシュボタン120の操作有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作すると、直後に演出表示装置9に「敗北」の文字画像404が表示された後(図51におけるD31および図53(G)参照)、はずれを示す飾り図柄が停止表示される(図51におけるD33および図53(G)参照)。
D21〜D23に示す「復活演出」の態様では、プッシュボタン120の操作有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作すると、直後に演出表示装置9に一旦「敗北」の文字画像404が表示され(図51におけるD21および図53(G),(H)参照)、その後に演出用役物127が動作し(図51におけるD22参照)、大当りを示す飾り図柄が停止表示される(図51におけるD23および図53(G),(H)参照)。
なお、復活演出の態様で予告演出が実行される場合には、プッシュボタン120が操作されたときから所定時間が経過した時点で操作時演出としての演出用役物127の動作が行われることになる。また、その場合、プッシュボタン120が操作されたときに操作時演出とは異なる演出(図51に示す例では、「敗北」の文字画像404を表示する演出)が実行される。
また、演出用役物127が動作することは、操作時演出(この例では、ボタン操作示唆表示201)の実行中にプッシュボタン120が操作されたことにもとづいて実行される特別演出に相当する。図51に示すように、「復活演出」が実行される場合には、プッシュボタン120が操作されたときから所定時間が経過した時点で特別演出(演出用役物127の作動)が実行される。
プッシュボタン120が操作有効期間内に操作されなかった場合に、役物作動演出の態様として勝利演出または復活演出が選択されているときには(図52(F)参照)、演出表示装置9に、「敗北」の文字画像404が表示される(図52におけるD21参照)。しかし、演出用役物127が動作した後(図52におけるD22)、最終的には、大当りを示す飾り図柄が停止表示される(図52におけるD23)。
プッシュボタン120が操作有効期間内に操作されなかった場合に、役物作動演出の態様として敗北演出が選択されているときには、演出表示装置9に、「敗北」の文字画像404が表示される(図52におけるD31および図53(I)参照)。その後、はずれを示す飾り図柄が停止表示される(図52におけるD33および図53(I)参照)。
図52に示すように、この実施形態では、プッシュボタンが120が操作有効期間内に操作されなかった場合には、役物作動演出の態様として勝利演出が選択されている場合であっても、勝利演出は実行されず復活演出が実行される。
図54〜図57は、第1所定演出処理(ステップS810A)を示すフローチャートである。第1所定演出処理では、普通図柄の変動表示が開始されたことを契機として所定の条件が成立すると所定演出が開始される。
第1所定演出処理において、演出制御用CPU101は、第1所定演出を実行中であることを示す第1所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS731)。第1所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2所定演出を実行中であることを示す第2所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS732)。第2所定演出実行中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。第2所定演出実行中フラグがセットされていない場合には、ステップS741に移行する。
ステップS731で第1所定演出実行中フラグがセットされていた場合には(すなわち、第1所定演出の実行中である場合には)、演出制御用CPU101は、第1所定演出の演出期間を計測するための第1所定演出タイマの値を−1する(ステップS734)。そして、第1所定演出タイマの値が0になったときには(ステップS735)、第1所定演出を終了する(ステップS736)。また、演出制御用CPU101は、第1所定演出実行中フラグをリセットする(ステップS737)。また、演出制御用CPU101は、第1所定演出で報知結果として「○」を報知した場合であれば(ステップS737AのY)、第1所定演出において可変入賞球装置15が長期開放されることを報知したことを示す開放報知済フラグをセットする(ステップS737B)。
第1所定演出タイマの値が0になっていない場合、ステップS759の処理で「所定演出(○)」を実行することに決定されているときには、演出制御用CPU101は、普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS738)。なお、演出制御用CPU101は、ステップS738では、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した後の最初に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを確認対象とする。すなわち、可変入賞球装置15の初回の開放に関するコマンドを確認対象とする(2回目以降に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したときには、ステップS738では当該コマンドを受信したことにしない。)。演出制御用CPU101は、普通電動役物開放終了指定コマンドを受信した場合には、演出表示装置9の表示画面に報知用画像9d(図45(F)参照)を表示する(ステップS739)。
なお、演出制御用CPU101は、第1所定演出タイマの値が0になっていない場合に、例えば、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後普通図柄変動終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9c(図45(E)参照)を演出表示装置9の表示画面に停止表示する処理も行う。
最初に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したときに可変入賞球装置15が開放状態に制御されることが報知されるので、実質的に、第2回目の可変入賞球装置15が開放状態に制御されることが報知される。この実施の形態では、第2回目の可変入賞球装置15が開放期間は長い(図20(A)参照)。よって、報知が実行されることによって、低ベース状態において可変入賞球装置15が開放状態に制御されることへの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が複数回の可変入賞球装置15の開放のうち最後の開放の終了時にのみ普通電動役物開放終了指定コマンドを送信するように構成されている場合には、演出制御用CPU101が、ステップS738の処理で、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した後、所定の時間(例えば、可変入賞球装置15の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したか否か確認し、経過した場合にステップS739の処理を実行するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101が、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後、所定の時間(例えば、可変入賞球装置15の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したか否か確認し、経過した場合にステップS739の処理を実行するようにしてもよい。さらに、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづく当り遊技を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ560が「当り遊技開始コマンド」を送信するように構成されている場合には、演出制御用CPU101が、「当り遊技開始コマンド」を受信した後、所定の時間(例えば、可変入賞球装置15の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したか否か確認し、経過した場合にステップS739の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS741では、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグ(次に開始される特別図柄および飾り図柄の変動中に第1所定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する。次変動ありフラグがセットされている場合には、ステップS761に移行する。
次変動ありフラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマ(特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始されない期間を計測するためのタイマ)が動作中(0でない)であるか否か確認する(ステップS742)。未変動期間計測タイマが動作中でない場合には、ステップS751に移行する。なお、特別図柄の変動と飾り図柄の変動とは同期しているので、以下、特別図柄の変動を例にして説明を行う。
未変動期間計測タイマが動作中である場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する(ステップS743)。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動開始処理または飾り図柄変動中処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動が開始された場合にはステップS771に移行する。
特別図柄の変動が開始されていない場合には、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマの値を−1する(ステップS744)。そして、未変動期間計測タイマの値が0になったときにはステップS771に移行する(ステップS745)。未変動期間計測タイマの値が0でない場合には、処理を終了する。
ステップS751では、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド(普通図柄変動開始指定(当り)コマンドまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド)を受信したことを示す普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグ(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、処理を終了する。
普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS752)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。
高ベース状態を示す値になっていない場合には、演出制御用CPU101は、大当り遊技状態(小当り遊技状態も含む)であるか否か確認する(ステップS753)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には、処理を終了する。
大当り遊技状態でない場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時格納領域(図41参照)に、小当りに対応する図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド:図16参照)が記憶されているか否か確認する(ステップS754)。小当りに対応する図柄指定コマンドが記憶されている場合には、処理を終了する。
小当りに対応する図柄指定コマンドが記憶されていない場合には、演出制御用CPU101は、特定演出の実行中であることを示す特定演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS754A)。特定演出実行フラグがセットされていれば(すなわち、特定演出の実行中であれば)、処理を終了する。
特定演出実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、特定導入演出の実行中であることを示す特定導入演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS754B)。特定導入演出実行フラグがセットされていれば(すなわち、特定導入演出の実行中であれば)、処理を終了する。
特定導入演出実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS755)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でない場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が終了してから1分以上経過しているか否か確認する(ステップS757)。
なお、例えば、特別図柄の変動が終了してからの時間を計測するためのタイマを用意し、そのタイマの計測値を確認することによって、ステップS757の判定処理が実現される。特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合には処理を終了する。特別図柄の変動が終了してからの時間が1分未満である場合には、ステップS759に移行する。
また、特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合に処理を終了することは、遊技者が特別図柄の変動が終了してから暫くの間遊技を継続することを考慮するためである。すなわち、この実施の形態では、低ベース状態における普通図柄の変動時間は10秒であり(図20参照)、ゲート通過記憶数(普通図柄保留数)の上限値は4であるから、[4×10秒]よりもやや多い時間が経過するまでは、ステップS759の処理を実行した方がよいと考えられるからである。
特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPU101は、変動開始から所定時間(この例では、11.5)経過しているか否か確認する(ステップS758)。所定時間が経過している場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出が実行されることになる変動パターンによって飾り図柄の変動(可変表示)が実行されときには、変動開始から11.5秒後にスーパーリーチ演出が開始される。
所定時間が経過していない場合には、演出制御用CPU101は、第1所定演出の有無および種類の決定を行う(ステップS759)。そして、ステップS764に移行する。なお、変動開始からの経過時間は、例えば、変動時間タイマ(図64および図72参照)の値によって判定される。
ステップS759では、演出制御用CPU101は、例えば、図58に示す第1所定演出決定テーブルを用いて、第1所定演出の有無および種類(いずれの報知結果とするか)を決定する。
図58に示す第1所定演出決定テーブルには、普通図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)と普通図柄の表示結果を当り図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)との各々に応じて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と、所定演出(×)を実行することに対応する判定値と、所定演出(○)を実行することに対応する判定値と、所定演出(×)の後に所定演出(○)を実行することに対応する判定値とが設定されている。なお、所定演出(×)とは、リーチ演出が実行されず可変入賞球装置15も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を報知する所定演出であり、所定演出(○)とは、可変入賞球装置15が遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されることを報知する所定演出である。なお、第1所定演出決定テーブルには、少なくとも所定演出を実行することに対応する判定値が設定されていればよい。また、図58には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
なお、図58に示す「報知内容」(所定演出)の態様に代えて、または図58に示す「報知内容」の態様に加えて、他の態様を用いてもよい。例えば、一般に確変確定報知のために使用されるパトランプ(緊急用の赤色灯)状の画像や、特別図柄の表示結果を予告報知するためのステップアップ予告演出において使用されるキャラクタ画像や、大当り報知のための画像等を、他の態様として用いてもよい。それらを使用する場合には、確変確定報知、ステップアップ予告演出、大当り報知等と所定演出とを連動させた演出が実現される。
また、図58に示す例では、普図当りとなる場合であっても、10%の低い割合で所定演出を実行しない場合があるように構成しているが、普図当りとなる場合には、100%の割合で所定演出を実行するように構成してもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS759の処理において、所定演出決定用乱数(図42参照)を抽出し、所定演出決定用乱数が所定演出を実行することに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1所定演出決定テーブルにおける「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用し、普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1所定演出決定テーブルにおける「普通図柄当り」に関する判定値を使用する。なお、普通図柄変動開始指定コマンド格納領域(ステップS672参照)に格納されている普通図柄変動開始指定コマンドを確認することにより普図当りであるか否かを判定し、普図当りであれば「普通図柄当り」に関する判定値を使用し、普図当りでなければ「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、ステップS759の処理を実行するときに、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、ステップS733で「Y」と判定した場合にも、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする。また、演出制御用CPU101は、ステップS752,S753,S754,S757,S758で「Y」と判定したことによりステップS759の処理に移行しなかった場合にも、セットされている普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする。
なお、この実施の形態では、ステップS752の処理が実行されることによって低ベース状態である場合にのみステップS759の第1所定演出の決定処理が行われる場合があり、図58に示すように普通図柄当りとなる場合にのみ報知結果が「○」となる第1所定演出が実行される場合があるのであるから、第1所定演出が実行されて「○」の報知結果が報知された場合には、可変入賞球装置15が5.3秒間の長期開放されることが報知されることになる(図20参照)。
ステップS761では、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値によって判定される。特別図柄の変動が開始されていない場合には、演出短縮用タイマ(所定演出の演出期間の短縮の程度を決定するためのタイマ)の値を+1する(ステップS762)。特別図柄の変動が開始された場合には、ステップS771に移行する。
ステップS764では、演出制御用CPU101は、第1所定演出を実行することに決定されているか否か確認する。なお、ステップS759の処理で第1所定演出を実行することに決定される。第1所定演出を実行することに決定されていない場合には、処理を終了する。
第1所定演出を実行することに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS765)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でなければ、ステップS770に移行する。特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチにもならないはずれであるか否か確認する(ステップS766)。変動パターンがリーチ演出を含む場合には、ステップS771に移行する。
変動パターンがリーチにもならないはずれである場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動の残り時間(例えば、図64および図72に示す変動時間タイマの値で特定される。)が普通図柄の変動時間(例えば、10秒:可変入賞球装置が遊技球が進入しやすい状態に制御されるまでの期間に相当)よりも短いか否か確認する(ステップS767)。短くない場合には、ステップS771に移行する。なお、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動の残り時間が、普通図柄の変動時間より短い所定時間(例えば、3秒)よりも短いか否か確認するようにしてもよい。
特別図柄の変動の残り時間が短い場合には、演出制御用CPU101は、保留記憶がある(少なくとも第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とのいずれかが0でない)か否か確認する(ステップS768)。保留記憶がない場合には、ステップS771に移行する。
保留記憶がある場合には、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグをセットする(ステップS769)。
ステップS770では、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマに所定の時間(この例では、3秒)に相当する値を設定する。
ステップS771では、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する。次変動ありフラグがセットされている場合には、演出短縮用タイマの値(ステップS741,S761,S762参照)に応じた所定演出パターンを選択する(ステップS772)。具体的には、所定演出のパターンを、図44に示された所定演出の期間から演出短縮用タイマの値を減算した期間を演出期間とするパターンに決定する。短縮される期間は、図44に示された結果報知演出の期間である。
次変動ありフラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、未変動期間計測用タイマの値(ステップS742,S743,S744参照)が0になっているか否か確認する(ステップS773)。未変動期間計測用タイマの値が0になっていない場合には、演出制御用CPU101は、未変動期間計測用タイマの値に応じた所定演出パターンを選択する(ステップS774)。具体的には、所定演出のパターンを、図44に示された所定演出の期間から未変動期間計測用タイマの値を減算した期間を演出期間とするパターンに決定する。なお、短縮される期間は、図44に示された結果報知演出の期間である。
未変動期間計測用タイマの値が0である(未変動期間計測用タイマがタイムアウトしている)場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS775)。特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPU101は、第2期間(図44参照)から開始される所定演出パターンを選択する(ステップS776)。特別図柄の変動中でない場合には、演出制御用CPU101は、第1期間(図44参照)から開始される所定演出パターンを選択する(ステップS777)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1所定演出タイマに、決定された所定演出のパターンに応じた時間に対応する値をセットする(ステップS778)。そして、演出制御用CPU101は、第1所定演出を開始する(ステップS779)とともに、第1所定演出実行中フラグをセットする(ステップS780)。
なお、第1所定演出実行中フラグをセットする場合、第1所定演出の報知結果も特定可能な情報もセットする。この場合、例えば、報知結果が「×」であることを示すフラグや、報知結果が「○」であることを示すフラグ、所定演出(×)の後に所定演出(○)を実行することを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、例えば、第1所定演出実行中フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第1所定演出実行中フラグの所定ビットにいずれの報知結果であるかを指定する値を設定することによって、いずれの報知結果であるかを特定可能であるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、具体的は、第1所定演出は、後述するプロセステーブルに設定されているデータに従って演出制御を実行することによって実現される(ただし、図45に示す報知用画像の表示制御を除く)。その場合には、演出制御用CPU101は、ステップS779の処理で、決定された所定演出のパターンに応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。なお、各プロセステーブルは、あらかじめROMに格納されている。
図59は、第2所定演出処理(ステップS810B)を示すフローチャートである。第2所定演出処理では、演出制御用CPU101は、まず、新たな変動カテゴリコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS5201)。新たな変動カテゴリコマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、第1所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5202)。第1所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5203)。第2所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2所定演出の実行が決定されていることを示す第2所定演出決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5204)。
第2所定演出決定フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する(ステップS5205)。次変動ありフラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマが動作中(0でない)であるか否か確認する(ステップS5206)。
未変動期間計測タイマが動作中でない場合には、演出制御用CPU101は、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS5207)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。
高ベース状態を示す値になっていない場合には、演出制御用CPU101は、大当り遊技状態(小当り遊技状態も含む)であるか否か確認する(ステップS5208)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には、処理を終了する。
大当り遊技状態でなければ、演出制御用CPU101は、新たに受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別がスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りの判定結果を示しているか否か確認する(ステップS5209)。具体的には、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンド、変動カテゴリ12コマンド、変動カテゴリ23コマンドまたは変動カテゴリ26コマンド(図17および図18参照)を受信したか否かを確認する。
スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りであれば、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5209A)。特定演出実行フラグがセットされていれば(すなわち、特定演出の実行中であれば)、処理を終了する。
特定演出実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、特定導入演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5209B)。特定導入演出実行フラグがセットされていれば(すなわち、特定導入演出の実行中であれば)、処理を終了する。
特定導入演出実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2所定演出の有無および種類を決定するための第2所定演出決定テーブルとして、入賞時判定結果(スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当り)および合算保留記憶数に応じた所定演出決定テーブルを選択する(ステップS5210)。
また、演出制御用CPU101は、ステップS5210の処理で選択した第2所定演出決定テーブルを用いて、第2所定演出の有無および種類の決定を行う(ステップS5211)。
図60は、第2所定演出決定テーブルを示す説明図である。図60に示すように、この実施の形態では、第2所定演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果および合算保留記憶数に対応付けて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と、所定演出(×)を実行することに対応する判定値と、所定演出(チャンス)を実行することに対応する判定値と、所定演出(激熱)を実行することに対応する判定値とが設定されている。
また、図60に示すように、この実施の形態では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、特別演出に対する期待度が最も高い所定演出(激熱)が高い割合で決定されるとともに、合算保留記憶数が多くなるに従って所定演出(激熱)の実行割合が高まる。
また、演出制御用CPU101は、第2所定演出を実行することに決定した場合には、第2所定演出決定フラグをセットする(ステップS5213,S5214)。
なお、第2所定演出決定フラグをセットする場合、第2所定演出の報知結果も特定可能な情報もRAMに記憶する。一例として、報知結果が「×」であることを示すフラグや、報知結果が「チャンス」であることを示すフラグ、報知結果が「激熱」であることを示すフラグをセットする。また、例えば、第2所定演出決定フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第2所定演出決定フラグの所定ビットにいずれの報知結果であるかを指定する値を設定することによって、いずれの報知結果であるかを特定可能であるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS5215)。なお、変動回数カウンタは、第2所定演出を含む変動表示が開始されるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。なお、この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の変動表示中に第2所定演出の実行の決定が行われてステップS5215で変動回数カウンタがセットされた場合には、まず、その実行中の変動表示の終了時に変動回数カウンタの値が1減算され(ステップS8312参照)、結果として、第2所定演出を含む変動表示の1つ前の変動表示までで変動回数カウンタの値が0になる。なお、ステップS5215において、特別図柄や飾り図柄の変動表示中でない場合には、演出制御用CPU101は、現在の合算保留記憶数から1減算した値を変動回数カウンタにセットするようにすることが望ましい。そのように構成すれば、必ず第2所定演出を含む変動表示の1つ前の変動表示までで変動回数カウンタの値が0になるようにすることができる。
なお、第2所定演出が実行される場合に、例えば、変動回数カウンタの値が0になるまでの間の各変動表示(第2所定演出が実行される1つ前までの変動表示)において連続演出を実行するようにしてもよい。例えば、変動回数カウンタの値が0になるまでの間の各変動表示において、図45(B)に示したような予兆演出を連続して実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、第2所定演出が出現することに対する期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、第2所定演出の有無や態様を始動入賞時に決定する場合を示しているが、この実施の形態で示した処理方法にかぎられない。例えば、変動表示を開始するときに、第2所定演出の有無や態様を決定するように構成してもよい。この場合、例えば、第2所定演出処理(ステップS810B参照)を、図43に示すような演出制御プロセス処理ごとに実行するのではなく、図63に示す飾り図柄変動開始処理において実行するように構成すればよい。
図61は、開放報知演出処理(ステップS810C)を示すフローチャートである。開放報知演出処理では、演出制御用CPU101は、まず、開放報知待機時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6501)。開放報知待機時間タイマの値が0でなければ、演出制御用CPU101は、開放報知待機時間タイマの値を1減算し(ステップS6502)、減算後の開放報知待機時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6503)。減算後の開放報知待機時間タイマの値が0となっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に長期開放報知用画像を表示する制御を行う(ステップS6504)。例えば、演出制御用CPU101は、長期開放報知用画像として、可変入賞球装置15が長期間開放されることを示唆する文字列(例えば、「長期間開放するよ」などの文字列)を含む画像を表示する制御を行う。
なお、既に説明したように、開放報知待機時間タイマには、普通図柄変動終了指定コマンドを受信したタイミングで普通図柄の変動表示を終了してから初回の開放を終了してインターバル期間が始まるまでの期間(本例では、0.1秒)に相当する値がセットされるので(ステップS680参照)、ステップS6501〜S6504の処理が実行されることによって、普通図柄の変動表示を終了した後、可変入賞球装置15の初回の0.1秒の開放を終了したタイミングで長期開放報知用画像が表示されることになる。
なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が長期間(本例では、5.3秒間)開放される場合に必ず長期開放報知用画像を表示する場合を示しているが、例えば、乱数を用いた抽選を行って長期開放報知用画像の表示を行うか否かを決定し、長期開放報知用画像の表示を行うと決定した場合にのみ、ステップS6504の処理を実行して、長期開放報知用画像の表示を行うようにしてもよい。
図62は、図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図63および図64は、図43に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、特定演出の有無を決定する特定演出決定処理を実行する(ステップS8001)。
図65は、特定演出決定処理(ステップS8001)を示すフローチャートである。特定演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6001)。第1所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。第2所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2所定演出決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6003)。
第2所定演出決定フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する(ステップS6004)。次変動ありフラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマが動作中(0でない)であるか否か確認する(ステップS6005)。
未変動期間計測タイマが動作中でない場合には、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示を開始する場合であるか否かを確認する(ステップS6006)。なお、第2特別図柄の変動表示を開始する場合であるか否かは、例えば、第2図柄変動指定コマンドを受信したか否かを確認することによって判定できる。
第2特別図柄の変動表示を開始する場合であれば、演出制御用CPU101は、既に特定演出を実行中であることを示す特定演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6007)。なお、特定演出実行フラグは、後述するステップS6015でセットされる。既に特定演出実行フラグがセットされている場合には、そのまま処理を終了する。
特定演出実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、開放報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6008)。開放報知済フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。
開放報知済フラグがセットされていれば(すなわち、第1所定演出が実行されて可変入賞球装置15が長期開放されることが報知された後であれば)、演出制御用CPU101は、普通電動役物開放終了指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS6009)。なお、この実施の形態では、図20に示したように、可変入賞球装置15が長期開放される場合には、まず0.1秒間の短期開放が行われた後に5.3秒間の長期開放が行われるので、それぞれの開放終了ごとに普通電動役物開放終了指定コマンドが送信されることになり、普通電動役物開放終了指定コマンドが合計で2回送信されることになる。そして、既に説明したように、1回目の短期開放で送信された普通電動役物開放終了指定コマンドについては、第1所定演出処理のステップS738で確認されステップS739の報知用画像9dの表示が行われるので、ステップS6009で確認される普通電動役物開放終了指定コマンドは、2回目の長期開放で送信された普通電動役物開放終了指定コマンドということになる。
ステップS6009で普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したことを確認した場合には(すなわち、可変入賞球装置15の長期開放が終了したことを確認した場合には)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数が所定数以上(本例では、2以上)であるか否かを確認する(ステップS6010)。第2保留記憶数が所定数以上でなければ、そのまま処理を終了する。第2保留記憶数が所定数以上であれば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果に応じて特定演出決定テーブルを選択する(ステップS6011)。そして、特定演出決定テーブルと特定演出決定用乱数とにもとづいて特定演出を実行するか否か決定する(ステップS6012)。具体的には、特定演出決定用乱数を抽出し、乱数値に一致する判定値(特定演出決定テーブルに設定されている判定値)に応じて、特定演出を実行するか否か決定する。
図66は、特定演出決定テーブルを示す説明図である。特定演出決定テーブルには、特定演出を実行しないことに対応する判定値と、特定演出を実行することに対応する判定値とが設定されている。なお、特定演出を実行しないことに対応する判定値と特定演出を実行することに対応する判定値とのいずれかを特定演出決定テーブルに設定するようにしてもよい。
図66に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドによって変動パターン種別の入賞時判定結果として「ボタン演出リーチ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」のいずれかの判定結果が示されている場合に、高い割合で特定演出が実行される。なお、この実施の形態では、ボタン演出リーチは、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4(図7参照)である。変動パターン種別では、ノーマルCA3−1またはノーマルCA2−4である(図12参照)。
なお、この実施の形態では、例えば、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている格納領域(すなわち、第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて送信された始動入賞時のコマンド)を全て特定し、それらの格納領域に格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドで特定される入賞時判定結果にもとづいて、特定演出の有無を決定するものとする。例えば、ボタン演出リーチとなる旨を示す変動カテゴリコマンドが1つでも格納されていれば、図66に示すボタン演出リーチに対応する判定値にもとづいて特定演出の有無を決定し、スーパーリーチとなる旨を示す変動カテゴリコマンドが1つでも格納されていれば、図66に示すスーパーリーチに対応する判定値にもとづいて特定演出の有無を決定し、ボタン演出リーチとなる旨を示す変動カテゴリコマンドおよびスーパーリーチとなる旨を示す変動カテゴリコマンドのいずれも格納されていなければ、図66に示すその他に対応する判定値にもとづいて特定演出の有無を決定する。
また、この実施の形態では、特定演出が一度開始されると、第2保留記憶数が0となるまで特定演出の実行が継続される(後述するステップS8321〜S8324参照)。従って、この実施の形態では、可変入賞球装置15が長期開放されている間に発生した全ての第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示にわたって特定演出が実行される。また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が長期開放されている間に発生した全ての第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示を終了した後であっても、特定演出が開始された後にさらに第2始動入賞口14への始動入賞が発生して第2保留記憶数が増加した場合には、その増加した第2保留記憶を消化するまで特定演出が継続されることになる。
なお、特定演出の継続期間は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、ボタン演出リーチやスーパーリーチとなると判定した判定対象の変動表示の1つ前の変動表示で特定演出を終了したり、その判定対象の変動表示まで特定演出を実行して終了したりしてもよい。
特定演出を実行することに決定した場合には(ステップS6012)、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグをセットする(ステップS6013)。また、演出制御用CPU101は、開放報知済みフラグをリセットするとともに、セットされていれば、特定導入演出実行フラグをリセットする(ステップS6014)。
ステップS6015で普通電動役物開放終了指定コマンドを受信していなければ(すなわち、まだ可変入賞球装置15の長期開放中であれば)、演出制御用CPU101は、特定導入演出実行フラグをセットする(ステップS6015)。
図67は、特定演出の一例を示す説明図である。なお、図67に示す特定演出は、図49(E−1)に示す態様でスペシャルモードに移行することが報知された後の各変動表示において実行される。スペシャルモードに移行した後、図49(E−1)に示したスペシャルモードの導入画面から舞台の幕の表示や「スペシャルモード」などの文字列が消去され、図67(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、可変入賞球装置15の長期開放中に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄の変動が開始されるときに、爆発するような画像9Mによって特定演出が実行される(図67(B)参照)。そして、飾り図柄の変動が開始される(図67(C)参照)。なお、図49(E−1)に示した舞台の幕の表示や「スペシャルモード」などの文字列を特定演出が終了するまで継続するようにしてもよい。
次いで、可変入賞球装置15の長期開放中に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2保留記憶がまだ残っていれば、図67(D)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、次回の飾り図柄の変動が開始されるときに、爆発するような画像9Mによって特定演出が実行される(図67(E)参照)。そして、飾り図柄の変動が開始される(図67(F)参照)。また、図67(G)に示すように、変動時間を終了して左中右の飾り図柄の停止図柄を停止表示する。なお、この例では、図67(G)において、第2保留記憶数が0になり、特定演出を終了したものとする。なお、この場合、例えば、図67(G)に示す表示画面において、「スペシャルモード終了」などの文字列を表示してスペシャルモードを終了し特定演出を終了したことを報知可能に構成することが望ましい。また、この実施の形態では、特定演出の実行中には、所定演出を実行しないように制御されており(ステップS754A,S5209A参照)、図67(G)において特定演出を終了したことによって、以降の変動表示において所定演出の実行が可能となる。
例えば、第2保留記憶数が0となったことにもとづいて、次回第1特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄の変動表示が実行されるときに、所定演出の実行が決定された場合には、図67(G)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、次回の飾り図柄の変動が実行され(図67(H)参照)、変動中に所定演出が実行される(図67(I),(J)参照)。
なお、図67に示す例では、一例として、可変入賞球装置15が長期開放されている間に発生した第2始動入賞口14への始動入賞の中にボタン演出リーチとなるものもスーパーリーチとなるものもなかった場合(図66に示すその他の判定値にもとづいて特定演出の実行が決定された場合)が示されているが、長期開放中に発生した第2始動入賞口14への始動入賞の中にボタン演出リーチとなるものやスーパーリーチとなるものがあった場合には、特定演出中の変動表示においてボタン演出リーチやスーパーリーチが実行される場合もある。また、さらに、特定演出中の変動表示において大当り図柄が停止表示された場合には、特定演出中に大当りに発展する場合もある。
また、図67に例示されたような特定演出の態様は一例であり、他の態様の特定演出を用いてもよい。他の態様として、例えば、保留数表示を特定の態様で表示する保留球予告、所定演出(ルーレット演出)における予兆演出と同等の演出、チャンス目の仮停止表示、特定のストーリーにもとづく動画像演出(予告演出実行時にのみに出現する動画像演出)がある。
ステップS8002では、演出制御用CPU101は、ボタン演出を実行するか否かとボタン演出の態様を決定するために予告演出決定処理を実行する。
ボタン演出は、図50等に示されたボタン操作示唆表示201(すなわち、操作時演出)である。ボタン演出の態様は、図51および図52に例示された役物作動演出の態様としての「勝利演出」、「敗北演出」および「復活演出」である。
図68は、ボタン演出決定処理(ステップS8002)を示すフローチャートである。ボタン演出決定処理において、演出制御用CPU101は、ボタン演出決定用乱数を抽出し(ステップS911)、乱数値に一致する判定値(ボタン演出決定テーブルに設定されている判定値)に応じて、ボタン演出を実行するか否かと、ボタン演出の態様(種類)とを決定する(ステップS912)。
図69は、ボタン演出決定テーブルを示す説明図である。ボタン演出決定テーブルには、ボタン演出の態様に対応する判定値が設定されている。ボタン演出の態様として、図51および図52に例示された役物作動演出の態様としての「勝利演出」、「敗北演出」および「復活演出」がある。
図69に示すように、入賞時判定結果として「大当り」とするものがある場合には、「勝利演出」または「復活演出」を実行することに決定される。入賞時判定結果として「大当り」とするものがない場合には、高い割合で「敗北演出」を実行することに決定され、低い割合で「復活演出」を実行することに決定される。
なお、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果として「大当り」とするものがない場合に「復活演出」を実行するときには、「復活演出」が実行された後に、再び「敗北演出」が実行される。
また、図69に示す例では、「勝利演出」、「敗北演出」または「復活演出」を実行することに決定されるが、いずれの演出も実行しない(すなわち、ボタン演出を実行しない。)こともあるように、ボタン演出決定テーブルを構成してもよい。その場合には、入賞時判定結果として「大当り」とするものがある場合には、入賞時判定結果として「大当り」とするものがない場合に比べて、低い割合でボタン演出を実行しないことに決定されるように、ボタン演出決定テーブルが構成される。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果として「大当り」とするものがない場合には、スーパーリーチまたはボタン演出リーチ(図66参照)に対応する入賞時判定結果が始動入賞時コマンド格納領域(図41参照)に存在するときに、ステップS911〜S915の処理を実行するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、ボタン演出を実行することに決定した場合には(ステップS913)、ボタン演出フラグをセットする(ステップS914)。また、ステップS912の処理で決定したボタン演出の態様を示すデータをRAMに記憶する(ステップS915)。
次に、飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8003)。また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を読み出す(ステップS8004)。そして、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンドに応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8005)。そして、決定した停止図柄をRAMに記憶する(ステップS8006)。
また、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の今回の変動表示に対応するコマンドが格納されている格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS8007)。例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄の変動表示を実行する場合であれば、第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されている最初の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドを削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする。また、例えば、第2特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄の変動表示を実行する場合であれば、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている最初の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドを削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする。
なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8005において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、ステップS8005の処理で、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図70は、演出表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図70に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドまたは表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った飾り図柄の組合せを決定する。なお、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」のいずれであるかに応じて停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、「15R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った飾り図柄の組合せを決定する割合を高くし、「10R確変大当り」や「2R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った飾り図柄の組合せを決定する割合を高くするようにしてもよい。
具体的には、演出制御用CPU101は、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」にすることに決定されている場合には、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの飾り図柄の組合せ(チャンス目)を決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されている場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。具体的には、演出制御用CPU101は、特定導入演出実行フラグがセットされている場合には(すなわち、特定導入演出を実行する場合には)、変動パターンに応じて特定導入演出を含むプロセステーブルを選択する(ステップS8008,S8014)。この場合、ステップS8014で選択したプロセステーブルにもとづいて後述するステップS8018,S851が実行されることによって特定導入演出が実行される。また、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグがセットされている場合には(すなわち、特定演出を実行する場合には)、変動パターンに応じて特定演出を含むプロセステーブルを選択する(ステップS8009,S8015)。この場合、ステップS8015で選択したプロセステーブルにもとづいて後述するステップS8018,S851が実行されることによって特定演出が実行される。
また、第2所定演出実行中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、第1期間(図44参照)から開始される所定演出パターンを選択し(ステップS8010,S8011)、所定演出および変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8012)。また、演出制御用CPU101は、第2所定演出タイマに、所定演出の演出期間に対応する値をセットする(ステップS8013)。また、演出制御用CPU101は、第2所定演出実行中フラグもセットされていなかった場合には、使用する変動パターンに応じたプロセステーブル(特定導入演出、特定演出、および所定演出のいずれも含まないプロセステーブル)を選択する(ステップS8016)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8017)。
図71は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセステーブルには、可動役物を駆動するためのデータ(例えば、演出用役物127を動作させる可動部材用モータ128の動作を規定するためのデータ)も設定されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図71に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8018)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8019)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8020)。
図72は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第2所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS840)。第2所定演出実行中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、第2所定演出タイマの値を−1する(ステップS841)。そして、第2所定演出タイマの値が0になったときには(ステップS842)、第2所定演出を終了する(ステップS843)。また、演出制御用CPU101は、第2所定演出実行中フラグをリセットする(ステップS844)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマおよび変動時間タイマの値を−1する(ステップS845,S846)。また、ボタン操作タイマが動作中であれば、ボタン操作タイマの値を−1する(ステップS847)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS848)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS849)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS850)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS851)。
また、演出制御用CPU101は、ボタン演出フラグがセットされている場合には(ステップS855)、プッシュボタン120の操作有効期間であるボタン操作有効期間が開始しているか否か確認する(ステップS856)。操作有効期間が開始しているか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。演出制御用CPU101は、操作有効期間が開始していない場合には、操作有効期間の開示時点になったか否か確認する(ステップS857)。操作有効期間の開始時点になったときには、演出制御用CPU101は、操作有効期間を計時するためのボタン操作タイマをスタートさせる(ステップS858)。
また、演出制御用CPU101は、ボタン操作有効期間であるときには、入力ポート106(図4参照)を介してプッシュボタン120の操作がなされたか否か確認する(ステップS860)。プッシュボタン120の操作がなされない場合には、ステップS865に移行する。
プッシュボタン120の操作がなされた場合には、演出制御用CPU101は、使用するプロセステーブルを、ボタン演出の態様(役物作動演出の態様:「勝利演出」、「敗北演出」または「復活演出」(図51参照))に応じたテーブルに変更する(ステップS861)。以後、演出は、プロセステーブルにもとづいて、図51のD11〜D13、D21〜D23またはD31,D33に示されたように実行される。なお、ボタン演出の態様は、図68に示すステップS915の処理でRAMに記憶されている。
また、プッシュボタン120の操作がなされない場合でも、ボタン操作タイマがタイムアウトしたら(すなわち、操作有効期間が終了したら)、ステップS861の処理を実行する。その場合には、以後、演出は、プロセステーブルにもとづいて、図52のD21〜D23またはD31,D33に示されたように実行される。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS865)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS867)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS866)、演出制御用CPU101は、ステップS867の処理を実行する。
図73は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされていたら確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8300)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って演出表示装置9において停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りにすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8311に移行する。
大当りにすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、大当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8305)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8306)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8307)。
ステップS8311では、演出制御用CPU101は、第2所定演出決定フラグがセットされているか否か確認する。第2所定演出決定フラグがセットされていない場合には、ステップS8321に移行する。セットされている場合には、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS8312)。ただし、第1特別図柄の変動表示に対応する飾り図柄の変動表示に対して第2所定演出の実行を決定した場合には、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されるのであるから、複数回の第1特別図柄の変動表示の途中で第2特別図柄の変動表示が割り込んだ場合であれば、ステップS8312において、変動回数カウンタの値の減算を行わないように制御する。
また、演出制御用CPU101は、減算後の変動回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS8313)。変動回数カウンタの値が0でない場合には、ステップS8321に移行する。0になっている場合には、演出制御用CPU101は、第2所定演出実行中フラグをセットする(ステップS8314)。
なお、第2所定演出実行中フラグをセットする場合、第2所定演出の報知結果を特定可能な情報もセットする。例えば、報知結果を特定可能な情報は、報知結果が「×」であることを示すフラグ、報知結果が「チャンス」であることを示すフラグ、報知結果が「激熱」であることを示すフラグである。また、例えば、第2所定演出実行中フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第2所定演出実行中フラグの所定ビットにいずれの報知結果であるかを指定する値を設定することによって、いずれの報知結果であるかを特定可能であるようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、第2所定演出決定フラグをリセットし(ステップS8315)、ステップS8321に移行する。
ステップS8321では、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数が0となっているか否かを確認する(ステップS8323)。第2保留記憶数が0となっていれば、演出制御用CPU101は、特定演出実行フラグをリセットし(ステップS8324)、特定演出を終了する。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8326)。なお、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする処理も行う。例えば、演出制御用CPU101は、ボタン演出フラグをリセットする。
その後、演出制御用CPU101は、図43に示すように、大当り表示処理、ラウンド中処理、ラウンド後処理、大当り終了演出処理を順次実行する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件(本例では、第2始動入賞口14への始動入賞の発生)にもとづく飾り図柄の変動表示において、特定演出を実行するか否かを決定し、特定演出を実行することが決定されたことにもとづいて、飾り図柄の変動表示中に特定演出を実行する。また、可変入賞球装置15を、第1期間にわたって開放状態に変化させる第1開放状態に制御可能であるとともに、第1期間とは異なる第2期間にわたって開放状態に変化させる第2開放状態に制御可能である(本例では、図20に示すように、低ベース状態であるときに、可変入賞球装置15を0.1秒間の短期開放する場合と、5.3秒間の長期開放する場合とがある)。そして、第1開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件にもとづく飾り図柄の変動表示と、第2開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件の成立にもとづく飾り図柄の変動表示とで、異なる割合で特定演出を実行すると決定する(本例では、5.3秒間の長期開放されるときに第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合にのみ特定演出を実行すると決定する場合がある)。そのため、第1開放状態となるか第2開放状態となるかによって、開放状態中に成立した始動条件にもとづく飾り図柄の変動表示での特定演出の実行割合が異なるので、特定演出が単調となることを防止することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞球装置15が開放状態に変化しているときに、当該可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件の成立数(本例では、第2保留記憶数)に応じて、異なる割合で特定演出を実行すると決定する(本例では、第2保留記憶数が所定数以上(本例では、2以上)である場合にのみ特定演出を実行すること決定する場合がある)。そのため、可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件の成立数に応じて特定演出の実行割合が異なるので、特定演出が単調となることを防止することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、第2期間(本例では、5.3秒)は、第1期間(本例では、0.1秒)よりも長い期間であり、第2開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件の成立にもとづく飾り図柄の変動表示においてのみ、特定演出を実行すると決定する。そして、特定演出を実行することが決定されたときには、第2開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件にもとづく全ての飾り図柄の変動表示において特定演出を実行する。そのため、第2開放状態中に始動条件が成立することに対して遊技者を注目させることができる。
なお、この実施の形態では、第2開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞した場合にのみ特定演出を実行可能とし、第1開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞した場合には特定演出を実行しないように構成する場合を示しているが、特定演出の実行割合の異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞した場合(すなわち、短期開放されているときに第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合)であっても、低い割合で特定演出を実行すると決定するように構成してもよい。また、例えば、逆に、第1開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞した場合の方が、第2開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞した場合よりも高い割合で特定演出を実行すると決定する(すなわち、短期開放されているときに第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合の方が特定演出の実行割合を高くする)ように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第2保留記憶数が所定数以上(本例では、2以上)である場合にのみ特定演出を実行可能とし、第2保留記憶数が所定数未満である場合には特定演出を実行しないように構成する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2保留記憶数が所定数未満であっても、低い割合で特定演出を実行すると決定するように構成してもよい。また、例えば、逆に、第2保留記憶数が所定数未満である場合の方が、第2保留記憶数が所定数以上である場合よりも高い割合で特定演出を実行すると決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第2保留記憶数が2以上であるか否かに応じて特定演出の実行割合を異ならせる場合を示したが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、第2保留記憶数が1以上であるか否かや3以上であるか否かに応じて特定演出の実行割合を異ならせてもよい。また、例えば、第2保留記憶数と比較する閾値を複数用いて段階的に特定演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。この場合、例えば、第2保留記憶数が3以上である場合に特定演出の実行割合が最も高くなるようにし、次に第2保留記憶数が2である場合に特定演出の実行割合が高くなるようにし、第2保留記憶数が2未満である場合に特定演出の実行割合が最も低くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が長期開放されている間に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく全ての第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示において、図67(B),(E)に示すように毎回同様の態様で爆発するような画像9Mを表示することによって特定演出を実行する場合を示しているが、特定演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、長期開放されている間に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく全ての第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示にわたって、連続して実行される連続演出(例えば、擬似連と同様の態様で連続してチャンス目図柄を停止表示させたり、カウントダウンするような態様の演出)として特定演出を実行してもよいし、変動表示ごとに個別に単発の演出態様で特定演出を実行してもよい。また、特定演出として複数の変動表示において所定のストーリー性をもった画像を表示する演出を実行してもよい。
また、この実施の形態では、特定演出の演出の種類としては、図67(B),(E)に示すような1種類のものだけである場合を示したが、複数種類の特定演出を用意し、例えば、大当りやスーパーリーチに対する期待度(信頼度)に応じて、いずれの種類の特定演出が選択されるかの割合を異ならせてもよい。そのようにすれば、特定演出に種類によって、大当りやスーパーリーチに対する期待感を異ならせることができる。また、例えば、長期開放されている間に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく複数の変動表示にわたって連続して同じ種類の特定演出が出現した場合には、大当りやスーパーリーチに対する期待度(信頼度)が高くなるようにしたり(または逆に低くなるようにしてもよい)、毎回必ず異なる種類の特定演出が出現した場合には、大当りやスーパーリーチに対する期待度(信頼度)が高くなるようにしたり(または逆に低くなるようにしてもよい)してもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態に制御されているときに、普通図柄はずれとなる場合に可変入賞球装置15の0.1秒間の短期開放のみ行い、普通図柄当りとなる場合に可変入賞球装置15の5.3秒間の長期開放を行う場合を示したが、この実施の形態で示した制御方法にかぎられない。例えば、普通図柄当りとして普通図柄当り1と普通図柄当り2の2種類を設けるようにし、普通図柄当り1となる場合に可変入賞球装置15の0.1秒間の短期開放のみ行い、普通図柄当り2となる場合に可変入賞球装置15の5.3秒間の長期開放を行う(普通図柄はずれの場合には全く開放を行わない)ように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定演出の実行中に、可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じてさらに始動条件が成立した場合には、当該始動条件にもとづく飾り図柄の変動表示においても継続して特定演出を実行する。そのため、特定演出が開始された後にも第2開放状態中に始動条件が成立することに対して遊技者を注目させることができる。
図74は、特定演出の実行タイミングを説明するための説明図である。図74に示すように、この実施の形態では、可変入賞球装置15が5.3秒間の長期開放aされている間に第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合にのみ特定演出が実行される場合がある。また、図74に示す例では、可変入賞球装置15の長期開放a中に第2始動入賞口14に4つの始動入賞A〜Dが発生した場合が示される。そして、図74に示す例では、可変入賞球装置15の長期開放aの継続中に最初に発生した第2始動入賞口14への始動入賞Aにもとづいて第2特別図柄の変動表示が開始された場合が示されている。この場合、始動入賞Aにもとづく第2特別図柄の変動表示が開始された時点では、可変入賞球装置15の長期開放aがまだ終了していないので、可変入賞球装置15の長期開放a中に発生する第2保留記憶数がまだ確定していない。そのため、この実施の形態では、可変入賞球装置15の長期開放aが終了する前に第2特別図柄の変動表示が開始されてしまった場合には、その第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示ではまだ特定演出の決定や実行を行わずに、図74に示すように特定導入演出(図49(C)参照)を実行する。
次いで、可変入賞球装置15の長期開放aを終了した後に始動入賞Aにもとづく第2特別図柄の変動表示を終了し、始動入賞Bにもとづく第2特別図柄の変動表示が開始されたものとする。そして、その始動入賞Bにもとづく第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示を開始するときに、第2保留記憶数が所定数以上(本例では、2以上)であることにもとづいて特定演出の実行を決定し、図74に示すように、スペシャルモードに移行して特定演出(図67(B),(E)参照)の実行を開始したものとする。
また、その後、長期開放a中に発生した始動入賞A〜Dにもとづく第2特別図柄の変動表示を全て終了する前に、例えば長期開放aの後に行われた長期開放b(0.1秒間の短期開放であってもよい)中に新たに第2始動入賞口14への始動入賞Eが発生した場合には、始動入賞A〜Dにもとづく第2特別図柄の変動表示を全て終了した後であっても、図74に示すように、新たに発生した始動入賞Eにもとづく第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示においても特定演出の実行が継続される。
また、この実施の形態によれば、始動条件が成立したときに抽出された数値データ(本例では、大当り判定用乱数(ランダムR)、変動パターン種別判定用乱数)にもとづいて、飾り図柄の変動表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示されるか否かを先読み判定し、その先読み判定結果にもとづいて、開放状態中に可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことに応じて成立した始動条件にもとづく複数の飾り図柄の変動表示において特定演出を実行するか否かを決定する。そのため、特定演出が複数の飾り図柄の変動表示において実行されることによって、遊技者の期待感を高めることができる。
なお、この実施の形態では、先読み判定結果にもとづいて特定演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、可変入賞球装置15を長期開放した場合に第2始動入賞口14に始動入賞が発生して第2特別図柄の変動表示を開始するごとに、その今回実行する変動表示(以下、当該変動表示ともいう)が大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かにもとづいて特定演出を決定して、その第2特別図柄の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示において特定演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図66に示すように、先読み判定結果にもとづきボタン演出リーチとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かにもとづいて特定演出の有無を決定する場合を示したが、この実施の形態で示した構成にかぎらず、例えば、大当りとなるか否かやリーチとなるか否かにかかわらず、可変入賞球装置15の長期開放時に第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合には、その第2特別図柄の変動表示において100%の割合で特定演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、(1)可変入賞球装置15の長期開放中に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示を開始するタイミングで特定演出の有無を決定する場合を示したが、特定演出の有無を決定する決定タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、(2)可変入賞球装置15の長期開放中に発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示を開始した後、所定期間(例えば、3秒間)経過したタイミングで(ただし、第2特別図柄の変動表示中)特定演出の有無を決定するように構成してもよい。
上記の(1)の構成を採用する場合、例えば、上記のように当該変動表示ごとに特定演出の有無を決定して実行するように構成した場合には、第1保留記憶も第2保留記憶もないときに(すなわち、第1特別図柄の変動表示も第2特別図柄の変動表示も実行されていないときに)、可変入賞球装置15の長期開放中に発生した1つ目の第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示では、その始動入賞にもとづいて直ちに第2特別図柄の変動表示が開始されることになり、常に第2保留記憶数が0という状態で特定演出の決定が行われてしまい、(本例のように、第2保留記憶数に応じて特定演出の実行割合を異ならせる場合には)特定演出が全く実行されないか極めて低い割合でしか特定演出が実行されないという問題が生じうる。しかし、上記の(2)の構成を採用すれば、所定期間が経過するまでの間に第2保留記憶数が複数溜まる可能性が高まるので、1つ目の第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示であっても、特定演出が実行される可能性が高まる。また、この実施の形態で示したように、先読み判定結果にもとづいて特定演出の決定および実行を行う場合であっても、上記の(2)の構成を採用すれば、1つ目の第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動表示から第2保留記憶数が複数溜まる可能性が高まり、同様の効果を得ることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞球装置15が第2開放状態(本例では、5.3秒の長期開放される状態)に変化するか否かを示唆する所定演出(本例では、図45に示す態様の所定演出)を実行する。また、特定演出とは異なる演出であって、飾り図柄の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出表示されるか否かを示唆する特別演出(本例では、リーチ演出)を実行する。そして、特別演出が実行される飾り図柄の変動表示が実行されるときには、所定演出の実行を制限する。そのため、第2開放状態になることを示唆する所定演出の実行により遊技に対する興趣を向上させることができるとともに、所定演出の実行によって却って特別演出に遊技者を注目させることができなくなる事態を防止することができる。
なお、この実施の形態では、特定演出の実行中も所定演出を実行しないように制限する場合を示しているが、特定演出の実行中であっても所定演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、特定演出の実行中である場合には、スペシャルモード中用の専用の所定演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開放状態に制御されることを予告する開放予告演出(本例では、長期開放報知用画像を表示)を実行する。そして、開放予告演出の実行後に発射された遊技球が可変入賞球装置15に入賞可能な時間が経過してから可変入賞球装置15を開放状態に制御する。そのため、開放予告演出を実行してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの期間が短すぎて、遊技者が開放予告演出を認識してから可変入賞球装置15への遊技球の入賞を狙っても間に合わず利益を得られない事態を防止することができる。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置が長期間(本例では、低ベース状態で普図当りとなったときに5.3秒開放される)開放状態に制御されることを報知する開放パターン報知(本例では、長期開放報知用画像を表示)を実行する。そして、長期間の可変入賞球装置15の開放が行われる場合とそうでない場合とで、最初の開放態様として共通の開放態様(本例では、最初の開放態様は、0.1秒間の開放で共通)で可変入賞球装置15を開放状態に制御し、最初の開放態様による可変入賞球装置15の開放状態への制御を終了した後に開放パターン報知を実行する。そのため、最初の開放態様による可変入賞球装置15の開放状態への制御を終了するまで、長期間可変入賞球装置15が開放状態に制御されることに対する期待感を持続させることができる。
図75は、可変入賞球装置15の開放タイミングを示す説明図である。図75(A)に示すように、遊技状態が低ベース状態で普図当りとなるときには、普通図柄の変動表示を終了すると、初回の開放として可変入賞球装置15が0.1秒間開放され、4.5秒間の閉鎖期間を経過した後、5.3秒間の長期間の可変入賞球装置15の開放が行われる。また、図75(B)に示すように、遊技状態が低ベース状態で普図はずれとなるときには、普通図柄の変動表示を終了すると、可変入賞球装置15が0.1秒間1回だけ開放される。
また、図75(A)に示すように、遊技状態が低ベース状態で普図当りとなる場合には、初回の0.1秒の開放を終了した後に長期開放報知用画像が表示され、可変入賞球装置15が長期間開放されることが予告される。そして、図75(A)に示すように、可変入賞球装置15が長期間開放されるまでのインターバル期間として十分長い期間(本例では、4.5秒)が設けられているので、長期開放報知用画像が表示されたのを見て可変入賞球装置15が長期間開放されることを認識した遊技者が遊技球を発射してから、その発射した遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの十分な期間が確保されている。具体的には、図20に示したように、インターバル期間4.5秒と長期間の開放期間(5.3秒)を加えた9.8秒の期間は、遊技球を発射してからその発射した遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの期間Xよりも十分長い期間とされているので、少なくとも長期間の可変入賞球装置15の開放が終了するまでに遊技球が到達するまでの十分な期間が設けられている。従って、長期開放報知用画像を表示してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの期間が短すぎて、遊技者が長期開放報知用画像の表示を認識してから可変入賞球装置15への遊技球の入賞を狙っても間に合わず利益を得られない事態を防止することができる。
また、図75に示すように、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態であるときに、普図当りであるか普図はずれであるかにかかわらず(すなわち、長期間の開放が行われるか否かにかかわらず)、最初の開放態様は0.1秒間の開放で共通であり、その0.1秒間の開放後に長期開放報知用画像の表示が行われる。そのため、最初の開放態様による可変入賞球装置15の開放状態への制御を終了するまで、長期間可変入賞球装置15が開放状態に制御されることに対する期待感を持続させることができる。すなわち、この実施の形態では、最初の開放態様は共通なのであるから、初回の0.1秒の開放が行われた段階では(さらに、第1所定演出も行われていなければ)その後に5.3秒の長期間の開放が行われるか否かを認識できない。そこで、初回の開放が終わった後に長期開放報知用画像の表示を行うようにすることによって、初回の開放が終わるまでは長期間の開放が行われるか否かを認識できないようにして期待感を持続させ、遊技に対する興趣を向上させている。
なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が長期間開放されることの予告態様として、「長期間開放するよ」などの文字列を含む長期開放報知用画像を表示する場合を示したが、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、演出表示装置9において可変入賞球装置15が開放されるまでの時間をカウントダウンしていくような態様の演出を行ってもよい。また、例えば、所定の点灯・点滅パターンで枠LEDなどを点滅させたり、所定の効果音をスピーカ27から出力することによって、可変入賞球装置15が開放されることを予告してもよい。また、例えば、可変入賞球装置15が長期間開放されることの予告を行った後、可変入賞球装置15の開放が開始されると、例えば、「長期間の開放中」などの文字列を含む画像を表示したりして可変入賞球装置15の長期間の開放中であることを報知したりしてもよい。
また、この実施の形態では、普図はずれとなる場合に0.1秒間の可変入賞球装置15の開放を1回だけ実行する場合を示したが、最初の開放態様は共通であり且つ長期間の開放を含まないものであればよく、例えば、0.1秒間の開放を複数回実行するものであってもよい。
なお、第1所定演出を実行することに決定されている場合には、第1所定演出の実行が終了するまで第2所定演出を開始しないようにしたり、第2所定演出を実行することに決定されている場合には、第2所定演出の実行が終了するまで第1所定演出を開始しないようにしたりしてもよい。そのように制御する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図54〜図57に示す第1所定演出処理において、第2所定演出実行フラグがセットされている場合には直ちに第1所定演出処理を終了するように構成され、また、図54に示す第1所定演出処理で、第2所定演出実行フラグがセットされている場合には直ちに第1所定演出処理を終了するように構成され、図54〜図57に示す第1所定演出処理において、第2所定演出実行フラグ(第2所定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされている場合には直ちに第1所定演出処理を終了するように構成され、また、図59に示す第2所定演出処理で、第1所定演出実行フラグ(第1所定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされている場合には直ちに第2所定演出処理を終了するように構成される。
また、識別情報の表示結果が大当り図柄や小当り図柄になる可能性を報知する所定演出が実行されることに対応する保留記憶が記憶されている場合には、当該保留記憶にもとづく第2所定演出が終了するまで、可変入賞球装置15が遊技球が通過しやすい状態に制御されるか否かを報知する第1所定演出の実行を禁止するようにしてもよい。そのように制御する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図54〜図57に示す第1所定演出処理において、始動入賞時コマンド格納領域に大当りまたは小当りに対応する図柄確定コマンドが存在するか否か確認し、存在する場合には、直ちに第1所定演出処理を終了するように構成される。
また、この実施の形態では、図66に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果がボタン演出リーチを示す場合に高い割合で特定演出を実行することに決定するが、他の条件にもとづいて、特定演出を実行するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、入賞時判定結果が大当りを示す場合に高い割合(100%でもよい。)で特定演出を実行することに決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技者の操作を条件とする演出として、図50〜図52に示されたようなボタン演出を例示したが、遊技者の操作を条件とする他の演出も実行するようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プッシュボタン120が操作されたことにもとづいて、操作時演出とは異なる操作対応演出を実行するか否か決定するようにしてもよい。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作対応演出として、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの保留表示を利用した「保留球変化」の特定演出を実行することに決定したときに、プッシュボタン120の操作を促す態様のボタン保留表示(例えば、プッシュボタン120の形状を模した態様の保留表示)を1つ増加させ、その後、プッシュボタン120による操作を検出したことにもとづいてボタン保留表示を特殊保留表示(例えば、「熱」などの文字を含む丸形表示)に変更する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「保留球変化」の特定演出を実行するときにプッシュボタン120の操作が有効になる期間である実行期間を設ける。そして、「保留球変化」の特定演出の実行中に図50〜図52に示されたようなボタン演出における操作有効期間に入った場合に、ボタン演出の操作を有効にし、ボタン演出の操作有効期間が終了した後に特定演出に関する操作を有効にしたり、ボタン演出の実行期間に入ったら、特定演出に関する操作を有効にし、特定演出の操作有効期間が終了した後にボタン演出に関する操作を有効にするようにしてもよい。また、「保留球変化」の特定演出と図50〜図52に示されたようなボタン演出とのうちの一方の態様を変化させるためのプッシュボタン120による操作を有効とする期間を設け、その期間が終了した後、さらに所定の待機期間(例えば、2秒)が経過した後に、他方の態様を変化させるためのプッシュボタン120による操作を有効とする。そのような制御を行うことによって、一方の演出に関する操作の有効期間の直後に操作がなされたことによって意図しない他方の演出の態様が変化してしまうことを防止することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1回のプッシュボタン120による操作で特定演出と図50〜図52に示されたようなボタン演出との双方の態様を変化させるように構成されていてもよい。そのように構成されている場合には、プッシュボタン120の操作を何度も行う遊技者の煩わしさを低減できる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが 本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。