ぱちんこ遊技機に関する。
現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口(スタートチャッカー)に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレー上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。
ここで、このように構成されたぱちんこ遊技機には、遊技球の流下(転動)方向を変化させる振分部材を設けることによって、遊技の興趣性を向上させているものが存在している。
特開2010−29479号公報
特開2010−68964号公報
しかしながら、このような遊技球の振分部材を用いて、遊技の興趣性を向上させる、或いは、遊技の保全性を高めるといった観点からは、更なる改善の余地があるという課題が存在する。
本態様に係るぱちんこ遊技機は、
遊技盤(例えば、遊技盤100)と、
遊技盤(例えば、遊技盤100)に形成された開口部に配置される遊技球振分ユニット(例えば、振分始動口ユニット2600)と
を備えたぱちんこ遊技機において、
遊技球振分ユニット(例えば、振分始動口ユニット2600)は、
遊技球が入球可能な入球口である共通入球口(例えば、共通入球口2600F0)と、
遊技球が入球可能な入球口であって、共通入球口(例えば、共通入球口2600F0)よりも下流に設けられた第一始動口(例えば、第1主遊技始動口2210)と、
遊技球が入球可能な入球口であって、共通入球口(例えば、共通入球口2600F0)よりも下流に設けられた第二始動口(例えば、第2主遊技始動口2110)と、
共通入球口(例えば、共通入球口2600F0)に入球した遊技球の流下方向を第一始動口(例えば、第1主遊技始動口2210)及び第二始動口(例えば、第2主遊技始動口2110)のいずれかに向けて変化させる部材であって、当該流下方向を第一始動口(例えば、第1主遊技始動口2210)と第二始動口(例えば、第2主遊技始動口2110)とに向けて交互に変化させるよう構成された振分部材(例えば、振分部材2600I)と
を備え、
第一始動口(例えば、第1主遊技始動口2210)又は第二始動口(例えば、第2主遊技始動口2110)への入球に基づき乱数を取得すると共に当該取得した乱数に基づき当否判定を実行し、当該当否判定の結果が当選である場合には遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させ得るよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、遊技球の振分部材を用いて、遊技の興趣性を向上させる、或いは、遊技の保全性を高めることができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。
図2は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の背面図である。
図3は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の遊技盤の構成図である。
図4は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの外観図である。
図5は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの外観図である。
図6は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの展開図である。
図7は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの構成図である。
図8は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材の構成図である。
図9は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの作用図である。
図10は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの作用図である。
図11は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の振分部材ユニットの作用図である。
図12は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的全体構成図である。
図13は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。
図14は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側でのメインフローチャートである。
図15は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
図16は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での電動役物駆動判定処理のフローチャートである。
図17は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
図18は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞判定処理のフローチャートである。
図19は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞エラー報知制御処理のフローチャートである。
図20は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
図21は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
図22は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられるテーブル構成図である。
図23は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での特定遊技終了判定処理のフローチャートである。
図24は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。
図25は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
図26は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。
図27は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのメインフローチャートである。
図28は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での保留情報管理処理のフローチャートである。
図29は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。
図30は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。
図31は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での特別遊技中表示制御処理のフローチャートである。
図32は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのエラー報知制御処理のフローチャートである。
図33は、本実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側でのメインフローチャートである。
図34は、本実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞判定処理のフローチャートである。
図35は、第二実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞判定処理のフローチャートである。
図36は、第二実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
図37は、第二実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞判定処理のフローチャートである。
図38は、第三実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞判定処理のフローチャートである。
図39は、第三実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
図40は、第三実施形態の変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御装置側での不正入賞判定処理のフローチャートである。
実施するための形態
はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「入球(入球口)」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無い「スルーチャッカー」への通過も含む。「情報(又は識別情報)」とは、五感(視覚、聴覚、触覚等)を通じて情報の種類を識別可能であればどのような形態でもよいが、好適には、視覚的なもの、例えば、数字、文字、図柄等の形状のあるものを挙げることができる。「情報出力部」とは、出力方法には何ら限定されず、例えば、発光手段(例えば液晶、LED、7セグ)の発光(発光の有無だけでなく、色の違いも含む)、物理的な表示(例えば、リール帯に描かれた図柄を所定位置に停止表示する)、音声出力装置(いわゆるスピーカー)等、を挙げることができる。「「乱数(乱数値)」とは、ぱちんこ遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当り図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動入球口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。
尚、以下の実施形態は、従来の第1種ぱちんこ遊技機を二つ混在させたような機種(第1種第1種複合機)である。但し、これには何ら限定されず、他の遊技機(例えば、従来の第1種、第2種、第3種、一般電役等のぱちんこ遊技機や、これらを混合させたような機種)に応用された場合も範囲内である。尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。また、本実施形態では、各種テーブルに関し、抽選テーブルと参照テーブルとが存在するが、これらも限定的ではなく、抽選テーブルを参照テーブルとしたり或いはこの逆としてもよい。
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。以下、これらを順に説明する。
はじめに、ぱちんこ遊技機の遊技機枠は、外枠102、前枠104、透明板106、扉108、上球皿110、下球皿112及び発射ハンドル116を含む。まず、外枠102は、ぱちんこ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠104は、外枠102の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠102に開閉可能に取り付けられる。前枠104は、遊技球を発射する機構、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構等を含む。透明板106は、ガラス等により形成され、扉108により支持される。扉108は、図示しないヒンジ機構を介して前枠104に開閉可能に取り付けられる。上球皿110は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿112への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿112は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、上球皿110と下球皿112の間にはスピーカ114が設けられており、遊技状態等に応じた効果音が出力される。
次に、遊技盤は、外レール122と内レール124とにより区画された遊技領域120が形成されている。そして、当該遊技領域120には、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口の他、第1主遊技始動口2210、第2主遊技始動口2110、第2−2主遊技始動口2110(2)、振分始動口ユニット2600、補助遊技始動口2410、第1大入賞口2120、第2大入賞口2220、第1主遊技図柄表示装置2130、第2主遊技図柄表示装置2230、演出表示装置2140、補助遊技図柄表示装置2420、センター飾り192及びアウト口142が設置されている。以下、各要素を順番に詳述する。
次に、第1主遊技始動口2210は、第1主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第1主遊技始動口2210は、第1主遊技始動口入球検出装置(第1入球検出装置)2211を備える。ここで、第1主遊技始動口入球検出装置2211は、第1主遊技始動口2210への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1主遊技始動口入球情報を生成する。
次に、第2主遊技始動口2110は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2主遊技始動口2110は、第2主遊技始動口入球検出装置(第2入球検出装置)2111を備える。ここで、第2主遊技始動口入球検出装置2111は、第2主遊技始動口2110への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2主遊技始動口入球情報を生成する。
次に、第2−2主遊技始動口2110(2)は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2−2主遊技始動口2110(2)は、第2−2主遊技始動口入球検出装置(第2入球検出装置)2111(2)と、第2主遊技始動口電動役物(電動役物)2112と、を備える。ここで、第2−2主遊技始動口入球検出装置2111(2)は、第2−2主遊技始動口2110(2)への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2−2主遊技始動口入球情報を生成する。次に、第2主遊技始動口電動役物2112は、第2−2主遊技始動口2110(2)に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該通常状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。尚、本例においては、第2主遊技始動口電動役物2112が閉鎖状態にある場合には、第2−2主遊技始動口2110(2)の直上に存在する遮蔽部材の存在により、第2−2主遊技始動口2110(2)の上部が塞がれており、第2−2主遊技始動口2110(2)へは殆ど遊技球が入球しないように構成されている。
このように、本実施形態においては、第1主遊技に対応する始動入賞口を一つ備え、第2主遊技に対応する始動入賞口を二つ備えるよう構成されている。ここで、第2主遊技に対応する始動入賞口は、後述するように、いずれに遊技球が入球したとしても、共通の当否抽選、図柄抽選等が実行されるよう構成されているため、実質的には、いずれに遊技球が入球したとしても遊技内容が異なるものではないことを補足しておく。尚、本実施形態では、第2主遊技に対応する始動入賞口を二つ備えるよう構成されているが、これには限定されない。その場合には、第2−2主遊技始動口2110(2)を設けなくてもよく、また、第2主遊技始動口2110にて第2主遊技始動口電動役物2112を設けるよう構成してもよい。
次に、本実施形態においては、遊技領域120の下方(遊技領域120の中心点を基準)にて、振分始動口ユニット2600が設けられている。振分始動口ユニット2600の詳細については後述するが、図示するように、振分始動口ユニット2600には、第1主遊技始動口2210(及び第1主遊技始動口入球検出装置2211)と第2主遊技始動口2110(第2主遊技始動口入球検出装置2111)とが配設されており、遊技領域120を流下する遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に誘導され易いよう構成されている。
次に、補助遊技始動口2410は、補助遊技始動口入球検出装置(入球検出装置)2411を備える。ここで、補助遊技始動口入球検出装置2411は、補助遊技始動口2410への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す補助遊技始動口入球情報を生成する。尚、補助遊技始動口2410への遊技球の入球は、第2主遊技始動口電動役物2112を拡開させるための抽選の契機となる。
次に、第1大入賞口2120は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄や小当り図柄で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口142の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口2120は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置(第1入賞検出装置)2121と、第1大入賞口電動役物(第1電動役物)2122と、を備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置2121は、第1大入賞口2120への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報を生成する。第1大入賞口電動役物2122は、第1大入賞口2120に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第1大入賞口2120を可変させる{例えば、第1大入賞口電動役物ソレノイド2122aを励磁及び消磁することで実現可能に構成される}。
次に、第2大入賞口2220は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄や小当り図柄で停止した場合に開状態となる、羽根形状を成しセンター飾り192の外周部左上に設けられた、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第2大入賞口2220は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口入賞検出装置(第2入賞検出装置)2221と、第2大入賞口電動役物(第2電動役物)2222と、を備える。ここで、第2大入賞口入賞検出装置2221は、第2大入賞口2220への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入球情報を生成する。第2大入賞口電動役物2222は、第2大入賞口2220に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第2大入賞口2220を可変させる{例えば、第2大入賞口電動役物ソレノイド2222aを励磁及び消磁することで実現可能に構成される}。尚、本実施形態では、大入賞口は二つ存在するが、第1主遊技に基づく特別遊技と第2主遊技に基づく特別遊技を一つの大入賞口で実行するよう構成してもよい。また、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状(及び羽根形状)を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(所謂、ベロ型アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。(但し、あくまで好適な態様であり、これには限定されない)。
次に、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)は、第1主遊技(第2主遊技)に対応する第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)に関連した表示等を実行する装置である。具体的構成としては、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)は、第1主遊技図柄表示部2131(第2主遊技図柄表示部2231)と、第1主遊技図柄保留表示部2132(第2主遊技図柄保留表示部2232)とを備える。ここで、第1主遊技図柄保留表示部2132(第2主遊技図柄保留表示部2232)は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、第1主遊技(第2主遊技)に係る乱数の保留数(実行されていない主遊技図柄の変動数)に相当する。尚、第1主遊技図柄表示部2131(第2主遊技図柄表示部2231)は、例えば7セグメントLEDで構成され、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は、「0」〜「9」の10種類の数字及びハズレの「−」で表示される{但し、これには限定されず、いずれの主遊技図柄が表示されたかのかを遊技者が認識困難となるよう、7セグメントLEDを用いて記号等によって表示することが好適である。また、保留数表示においても、4個のランプから構成されていることには限定されず、最大4個分の保留数を表示可能に構成(例えば、1個のランプから構成されており、保留数1:点灯、保留数2:低速点滅、保留数3:中速点滅、保留数4:高速点滅、するよう構成)されていればよい}。
尚、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本実施形態では、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)自体に演出的な役割を持たせて第1装飾図柄(第2装飾図柄)を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置2140のような液晶ディスプレーに、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)を表示させるように構成してもよい。
次に、演出表示装置2140は、主として、第1主遊技図柄・第2主遊技図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の変動表示及び停止表示が行われると共に、装飾図柄の保留球表示が行われる。具体的には、後述する演出表示制御手段2320の表示制御により、画面上に、装飾図柄の変動表示及び停止表示が実行される装飾図柄表示領域2311(不図示)と、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄に対応した装飾図柄の保留表示が実行される装図保留表示部2312(不図示)と、が形成される。尚、演出表示装置2140は、本実施形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。
次に、補助遊技図柄表示装置2420は、補助遊技図柄に関する表示等を実行する装置である。具体的構成としては、補助遊技図柄表示装置2420は、補助遊技図柄表示部2421と、補助遊技図柄保留表示部2422とを備える。ここで、補助遊技図柄保留表示部2422は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、補助遊技図柄変動の保留数(実行されていない補助遊技図柄変動の数)に相当する。
最後に、センター飾り192は、演出表示装置2140の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置2140の保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果ランプ190は、遊技領域120又は遊技領域120以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
次に、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機の背面側における基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、ぱちんこ遊技機の全体動作を制御し、特に第1主遊技始動口2210(第2主遊技始動口2110)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御装置(メイン基板)1000と、遊技内容に興趣性を付与する演出表示装置2140上での各種演出に係る表示制御等を行う演出制御手段(サブメイン制御部)2320と、主に演出表示を実行する演出表示装置(サブサブ制御部)2310と、賞球タンク212、賞球レール214及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンク212から供給される遊技球を上球皿110へ払い出す払出ユニット216等を備える賞球払出機構(セット基盤)210と、払出ユニット216による払出動作を制御する賞球払出制御装置3000と、上球皿110の遊技球(貯留球)を遊技領域120へ1球ずつ発射する発射装置232と、発射装置232の発射動作を制御する発射制御基板230と、ぱちんこ遊技機の各部へ電力を供給する電源ユニット290と、ぱちんこ遊技機の電源をオンオフするスイッチである電源スイッチ292等が、前枠104裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
次に、図3は、振分始動口ユニット2600を遊技盤から取り外した図である。当該振分始動口ユニット2600は、同図に示されるように、遊技盤100に対して着脱可能に構成されている。以下、図4〜図11を参照しながら、本発明の特徴部分である振分始動口ユニット2600について詳述する。
次に、図4は、振分始動口ユニット2600の(a)上面図、(b)正面図及び(c)底面図である。振分始動口ユニット2600の上部には、遊技領域120を流下してきた遊技球が当該振分始動口ユニット2600内に入球可能な、共通入球口2600F0が設けられている。また、振分始動口ユニット2600の底面には、当該振分始動口ユニット2600の共通入球口2600F0に入球した後、第1主遊技始動口2210又は第2主遊技始動口2110(これらの位置については後述する)へ入球されなかった遊技球を、当該振分始動口ユニット2600の外に排出するための排出口2600F−b1が設けられている。
次に、図5は、振分始動口ユニット2600の(a)背面図、(b)右側面図及び(c)左側面図である。振分始動口ユニット2600は、第1主遊技始動口2210(第2主遊技始動口2110)に入球した遊技球を検出するためのセンサとして、第1主遊技始動口入球検出装置2211(第2主遊技始動口入球検出装置2111)を有しており、当該センサによって遊技球が検出されると、後述するように特別遊技への移行当否抽選及び賞球払出が行われることとなる。また、振分始動口ユニット2600の右側面(左側面)には、当該振分始動口ユニット2600の共通入球口2600F0に入球した後、第1主遊技始動口2210又は第2主遊技始動口2110へ入球されなかった遊技球を、当該振分始動口ユニット2600の外に排出するための排出口2600F−b2(2600F−b3)が設けられている。
次に、図6は、振分始動口ユニット2600の分解図である。ここで、振分始動口ユニット2600は、前面カバー部材2600Fと、振分部材2600Iと、背面部材2600Bと、から構成されており、振分部材2600Iは、前面に羽根M2600I−Mと、羽根L2600I−Lと、羽根R2600I−Rと、を有していると共に、背面に、金属球2600I−aを収容可能な空間(後述する転動空間2600I−b)を有する(尚、以降の図においては同図に示されるように、金属球2600I−aをドット調とすることで、遊技球と金属球2600I−aとを区別する)。また、当該振分部材2600Iは前後方向に貫通した軸穴2600I−Hを有し、背面部材2600Bに設けられたピンに当該軸穴2600I−Hを嵌合し、前面カバー部材2600Fと背面部材2600Bとの間にて、当該軸穴2600I−Hを軸として一定の範囲内(遊技者側から見た場合に、当該振分部材2600Iが右に傾いた第1位置と、当該振分部材2600Iが左に傾いた第2位置と、の範囲内)で回転可能に取り付けられている(このような、振分部材2600Iに一定範囲の回転を与える機構に関しては後述する)。また、前面カバー部材2600Fと背面部材2600Bとは、ねじ止め及び/又は嵌め込み加工等によって当該部材同士を固定可能に構成されている。
次に、図7は、振分始動口ユニット2600の前面カバー部材2600Fの斜視図である。ここで、前面カバー部材2600Fは、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110を構成する部材であり、更に、遊技球を第1主遊技始動口2210と第2主遊技始動口2110とに夫々誘導するための誘導リブL2600F1及び誘導リブR2600F2と、振分部材2600Iの回転を制限するための振分部材支持部2600F−aと、振分始動口ユニット2600内の遊技球を当該ユニット外に排出し得る排出口2600F−b(1〜3)と、を有している。
ここで、振分始動口ユニット2600が排出口2600F−b(1〜3)を有していることによって奏する効果を詳述する。まず、当該排出口2600F−b(1〜3)が存在することで、共通入球口2600F0に入球した遊技球が各主遊技始動口に入球しない場合があるため、遊技球が各始動口に入球するまで、遊技者は遊技球の動向に興味を持つことができ、遊技者にとっては遊技の興趣性が向上する。また、振分始動口ユニット2600内部の遊技球が排出口2600F−b(1〜3)から排出された場合{又は排出口2600F−b(1〜3)を通じて遊技球が主遊技始動口に入球した場合}、「第1主遊技→第2主遊技→第1主遊技→第2主遊技・・・」という規則的な図柄変動に変化が生じ、単調な遊技となることを防止することができるため、遊技者にとっては遊技の興趣性が向上する(但し、当該効果は、共通入球口2600F0に入球した遊技球が第1主遊技始動口2210と第2主遊技始動口2110とに交互に振り分けられるという趣旨を重視するのであれば、後述するように、誘導リブ等の遊技球の振分を補助する、換言すれば、当該交互に振り分けられる事象の発生を安定化させる機能を備えることが好適である)。
他方、振分始動口ユニット2600の内部に、排出口2600F−b(1〜3)を通じて遊技球が入球する可能性があるため、共通入球口2600F0に入球しなかった遊技球が、排出口2600F−b(1〜3)を通じて始動口に入球した際には、遊技者は予期せぬ利益を得ることができ、遊技者にとっては遊技の興趣性が向上する。尚、排出口2600F−b(1〜3)の大きさ・位置等、本例には限定されず、更には、当該効果に注目して、排出口2600F−b(1〜3)を主遊技始動口への入球経路として見做した場合、振分始動口ユニット2600外を流下する遊技球を排出口2600F−b(1〜3)から取り込むための電動役物(いわゆる、電チュー)を設け、排出口2600F−b(1〜3)を通じて遊技球が入球し易い状態を創出可能に構成してもよく、その場合には、遊技機の設計時における拡張容易性が創出されることとなるため、製造コストを削減できるという効果を奏する。
また、振分始動口ユニット2600内で球詰まりが生じた場合には、排出口2600F−b(1〜3)を通じて遊技球を排出することが可能であるため、当該球詰まりを起こしている遊技球を主遊技始動口へ入球させることなく、振分始動口ユニット2600外へ排出することができ、遊技場運営者にとってはメンテナンスが容易となるという効果を奏する。尚、このように構成する場合には、当該球詰まりを起こしている遊技球の排出を操作するための部材を振分始動口ユニット2600に設けるよう構成しておくことが好適である。
また、各誘導リブ(誘導リブL2600F1及び誘導リブR2600F2)は、共通入球口2600F0から第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110への、遊技球の流下を平滑なものとし、遊技球が各入球口に到達するまでの時間を略一様なものとする役割を有する。例えば、振分部材2600Iが第1位置にあり、第1の遊技球が共通入球口2600F0へ入球し第1主遊技始動口2210への振り分けが行われた後に、第2の遊技球が共通入球口2600F0へ入球し第2主遊技始動口2110へ振り分けられた場合には、本来であれば、第1の遊技球が第1主遊技始動口2210へ入球した後に(ある程度の時間差で)、第2の遊技球が第2主遊技始動口2110へ入球する。しかし、第1の遊技球が第1主遊技始動口への入球経路を平滑に流下しなかった場合(例えば、第1の遊技球が第1主遊技始動口2210までの経路において、壁との微小衝突を繰り返しながらゆっくりと流下した場合等)、第2の遊技球が第1の遊技球よりも先に始動口へ入球するという事態が生じ得る。その場合、第1主遊技始動口2210(又は第2主遊技始動口2110)の一方の始動口への入球が連続することとなる。各誘導リブ(誘導リブL2600F1及び誘導リブR2600F2)を前面カバー部材2600Fにおける遊技球経路に設けることにより、当該経路において遊技球の動きが誘導され(遊技球の不測の動き防止し)、遊技球が円滑に流下するようになる。その結果、振分部材2600Iによって左右に振り分けられた遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110へと交互に入球することを補助する(先に入球した遊技球が一方の入球口に到達するより早く、後から入球した遊技球が他方の入球口に到達することを防ぐ)ことが可能となる。尚、当該誘導リブ(誘導リブL2600F1及び誘導リブR2600F2)は、遊技球が正確に振り分けられることで、経路内で遊技球が接近して存在し難くなり、振分始動口ユニット2600内部での球ガミを防止する、という効果をも有する。ここで、当該誘導リブ(誘導リブL2600F1及び誘導リブR2600F2)によって遊技球を誘導するとは、振分部材2600Iによって左右に振り分けられた遊技球が、第1主遊技始動口2210又は第2主遊技始動口2110に入球することを確定させる、という効果を意味するものではない(そのような効果を有していてもよいが、ここでは、前述したような、遊技球の動きを円滑なものとし遊技球の不測の動きを抑える、といった効果を主に意味する)。また、同図に示されように、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110付近(共通入球口2600F0に近い位置)に、第1主遊技始動検出装置2211及び第2主遊技始動検出装置2111を夫々組み付け可能な溝が設けられている(第1主遊技始動検出装置2211及び第2主遊技始動検出装置2111を実際に組み付けた図は、例えば後述の図9〜11等である)。このような構成とすることで、共通入球口2600F0から、第1主遊技始動検出装置2211及び第2主遊技始動検出装置2111までの経路が短いことに起因し、共通入球口2600F0に入球した遊技球が当該経路を流下した際に、第1主遊技始動口2210に到達するまでの時間と、第2主遊技始動口2110に到達するまでの時間と、の到達時間の誤差を減少させることが出来る(遊技球の流下経路が長ければ、遊技球の流下速度を始めとする様々な要素により、このような誤差が生じ易いものとなる)。その結果、先に入球した遊技球が一方の主遊技始動検出装置で検出されるより早く、後から入球した遊技球が他方の主遊技始動検出装置で検出される、といった事態を防ぐことが可能となる。
また、当該前面カバー部材2600Fは、透明(半透明を含む)な素材で作られていたり、開口部を設けるなど(いわゆる、肉抜き)して、振分始動口ユニット2600内部での遊技球の動きを遊技者が視認できるよう構成してもよい。
次に、図8は、振分始動口ユニット2600の振分部材2600Iの拡大図である。ここで、同図(a)〜(d)に図示されるように、振分部材2600Iは、当該部材の背面側に、金属球2600I−aと、金属球2600I−aが転動可能な転動空間2600I−bと、を有している。ここで、金属球2600I−aは、当該振分部材2600Iの内部(転動空間2600I−b)を左右に転動することで、当該金属球2600I−aを含む当該振分部材2600Iの重心位置を変更する錘であり、遊技球の質量以下の質量(例えば、遊技球の質量≧金属球2600I−aの質量)である(例えば、遊技球0.5個分である)。振分部材2600I(振分部材2600Iの前面に存在する羽根M2600I−M、羽根L2600I−L又は羽根R2600I−R)に、別の質量体(例えば遊技球1個)が積載すると、当該質量体(例えば遊技球1個)を含んだ振分部材2600Iの重心位置が決まる。その結果、振分部材2600Iが、軸穴2600Hの一軸において固定されていることに起因して、振分部材2600I(転動空間2600I−b)が左右に傾斜し、金属球2600I−aが転動空間2600I−bを転動し得る状態となる(尚、当該振分部材2600Iを用いた第1主遊技始動口又は第2主遊技始動口への遊技球振り分け方法に関しては後述する)。尚、本実施形態においては、金属球2600I−aの質量を遊技球の質量以下としているが、本例はあくまで一例であり、錘となる金属球2600I−aの材質及び質量や転動空間2600I−bの形状等は何ら限定されない。例えば、遊技球の質量の約1.5倍の質量である金属球2600I−aを振分部材2600I内部の錘として設けてもよい(振分部材2600Iをこのように構成した場合の効果については後述する)。また、当該錘(例えば金属球2600I−a)の形状は、左右に転動可能な形状を有していれば、球状には何ら限定されず、例えば円柱形状の物体を錘として用いてもよい(更には、転動空間2600I−bの床面をラック形状とし、金属球2600I−aをピニオン形状とすることで、金属球2600I−aを転動空間2600I−b内部で転動させる、等としてもよい)。尚、本実施形態においては、転動空間2600I−bの背面が開口しており、当該開口空間に金属球2600I−aを据え、次いで振分始動口ユニット2600と背面部材2600Bとを組み付けることにより、当該開口部が背面部材2600Bによって塞がれ、金属球2600I−aが転動空間2600I−b内に封入される、という構成としているがこれには限定されない。例えば、振分部材ユニット2600Iの転動空間2600I−bの内部に金属球2600I−aを予め封入するような構成(金属球2600I−aを据えた転動空間2600I−bの全面を、予め壁面で囲うような構成)としてもよい。
また、転動空間2600I−b内部に存在する金属球2600I−aは、振分部材2600Iが、同図(a)、(b)に図示するように第2位置にある場合には転動空間2600I−bの略左端、同図(c)、(d)に図示するように第1位置にある場合には転動空間2600I−bの略右端に転動することによって、振分部材2600Iの重心を左右に変更し得るよう構成されている。ここで、転動空間2600I−bは、金属球2600I−aが転動する経路幅(前後幅)及び高さが金属球2600I−aの直径より大きく、金属球2600I−aの直径の1.5個分より小さくなるよう構成されている。このような構成とすることにより、振分部材2600Iが変動した際の、金属球2600I−aの浮き上がりや、金属球2600I−aが転動空間2600I−bの壁面と衝突した際の金属球2600I−aの揺動等を防止出来る。その結果、金属球2600I−aの転動が平滑なものとなる(更には振分部材2600Iの重心変動が平滑に行われる)ため、遊技球が振分部材ユニット2600に入球した際に、振分部材2600Iが正常に変動しない、といった事態を防止することが可能である。また、転動空間2600I−bの内壁面における底面は、平滑面にて構成されており、その結果、振分部材2600Iが傾いた際に金属球2600I−aが転動し易いものとなり、上記効果をより高めている。更に、転動空間2600I−bの内壁面や壁面部材中には、ゴム等を配したり埋め込んだりしてもよい。このような構成とすることにより、前述のような、金属球2600I−aが転動空間2600I−bの壁面と衝突した際の、金属球2600I−aの揺動を防止する効果を更に高めることが可能となる。
ここで、金属球2600I−aの材質は特に限定されないが、非磁性体(例えば、非磁性ステンレス鋼やアルミニウム等)であることが好適である。このような構成とすることにより、例えば磁石を用いた不正行為(ゴト行為等)に対しても、金属球2600I−aが影響を受けることがないため、振分部材ユニット2600による、第1主遊技始動口2210又は第2主遊技始動口2110への遊技球の振り分けを正常なものとし、遊技の公平性を担保出来る(但し、振分部材ユニット2600にて、金属球2600I−a近傍へ接近する磁力を検出可能なセンサを設けることで、このような不正行為を防止することもできる)。また、金属球2600I−aの材質は、長期の使用における変質の少なさや、ある程度の密度を有する(限定された空間である転動空間2600I−bに入ることが可能な大きさの金属球2600I−aでも、振分部材2600Iの重心変動に十分に関与し得る質量を持つ)ために、金属であることが好適であるが、これには限定されず、例えば、ゴム球やガラス球等を用いてもよい。
次に、図9〜図11は、振分始動口ユニット2600の作用図である。ここで、同図では説明の為、前面カバー部材2600Fを取り除いた振分始動口ユニット2600の正面図{各図(a)}、及び背面部材2600Bを取り除いた振分始動口ユニット2600の背面図{各図(b)}を用いて、当該振分始動口ユニット2600の作用を説明する。
まず、図9にて図示されるように、振分部材2600Iが遊技者側から見て右に傾いた第1位置にあり(羽根L2600I−Rが振分部材支持部2600F−aと接触している)、金属球2600I−aは、転動空間2600I−bの略右端に位置している状況を想定する。
(動作1)次に、図9及び10にて図示されるように、共通入球口2600F0に入球した遊技球Yは、振分部材2600Iが第1位置にあることに起因して、振分部材2600Iの羽根L2600I−L及び羽根M2600I−Mに接触する。
(動作2)次に、図10及び11にて図示されるように、振分部材2600Iの羽根L2600I−L及び羽根M2600I−Mに接触した遊技球Yは、流下してきた勢いと遊技球Y自体の質量によって、羽根Lを下に押し、軸穴2600I−Hが回転の軸となるように振分部材2600Iを左回転させ(羽根L2600I−Lが一定角度回転した後、羽根L2600I−Lの下端が振分部材支持部2600F−aと接することで回転は停止する)、振分部材2600Iを第2位置へと変位させる。その結果、遊技球Yが第1主遊技始動口2210の上空に移動し(第1主遊技始動口2210へと遊技球Yが流下可能となるような空間が形成され)、遊技球Yが第1主遊技始動口2210(第1主遊技始動検出装置2211)へと流下する。ここで、振分部材2600Iが左回転したことに起因して、振分部材2600I内部の金属球2600I−aが転動空間2600I−bの略右端から略左端へと転動し、振分部材2600Iの重心を変更する。
(動作3)次に、振分部材2600Iが第2位置にある状況下、共通入球口2600F0に遊技球Yが入球した際、振分部材2600Iが第2位置にあることに起因して、当該共通口2600F0に入球した遊技球Yは、振分部材2600Iの羽根R2600I−R及び羽根M2600I−Mに接触する。
(動作4)次に、振分部材2600Iの羽根R2600I−R及び羽根M2600I−Mに接触した遊技球Yは、流下してきた勢いと遊技球Y自体の質量によって、羽根Rを下に押して、軸穴2600I−Hが回転の軸となるように振分部材2600Iを右回転させ(羽根R2600I−Rが一定角度回転した後、羽根R2600I−Rの下端が振分部材支持部2600F−aと接することで回転は停止する)、振分部材2600Iを第1位置へと変位さる。その結果、遊技球Yが第2主遊技始動口2110の上空に移動し(第2主遊技始動口2110へと遊技球Yが流下可能となるような空間が形成され)、遊技球Yが第2主遊技始動口2110(第2主遊技始動口入球検出装置2111)へと流下する。ここで、振分部材2600Iが右回転したことに起因して、振分部材2600I内部の金属球2600I−aが転動空間2600I−bの略左端から略右端へと転動し、振分部材2600Iの重心を変更する。
本実施形態における振分部材2600Iは、上記(動作1)〜(動作4)を繰り返すことで、第1位置と第2位置とに順次変位する。その結果、振分始動口ユニット2600に入球した遊技球は、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれかに順次振り分けられることとなる。尚、本実施形態における、振分部材2600Iの動作機構は、基本的には遊技球の流下及び金属球2600I−aの転動に伴う振分部材2600Iの重心の変動による動作機構であればよい。従って、振分部材2600Iの動作の形態(遊技球の振り分け速度や動作の安定性等)は、転動空間2600I−bの形状(遊技球が転動し得る距離や、床面の曲面の形状等)、回転軸(軸穴2600I−H)と金属球2600I−aとの距離、金属球2600I−aの質量、振分部材2600I自体の質量等によって様々に変化するものであるが、これらは適宜設定することが可能である。ここで、当該動作機構における金属球2600I−aの役割について説明する。例えば、金属球2600I−a(及び転動空間2600I−b)が存在しない場合、振分部材2600Iが振分部材支持部2600F−aと接触した場合等に、振分部材2600Iが意図せず変位(回転)してしまう、といった事態が考え得る。振分部材2600Iを、金属球2600I−aを含む構成とすることにより、振分部材2600Iの質量が増すことから、振分部材2600Iの不要な揺動を制限することが可能となる。更には、金属球2600I−aが振分部材2600I内部(転動空間2600I−b)にて転動可能なように構成されていることから、振分部材2600Iが変動した際に、金属球2600I−aが当該変動に合わせて転動する(振分部材2600Iの変動を補助する)ことで、振分部材2600Iの変動をより平滑なものとすることが出来る。尚、本実施形態においては、振分部材2600Iに遊技球1個のみが積載された場合にも、振分部材2600Iが左右に傾き易いように構成されているが、これには限定されない。例えば、金属球2600I−aの質量が遊技球1個分を超える質量(例えば遊技球1.5個分の質量)とする等して、当該振分部材2600Iに1個の遊技球が積載しても振分部材2600Iが変動せず、2個以上の遊技球が積載することで振分部材2600Iが変動する、といった構成としてもよい。この場合、当該振分部材2600Iは、当該2個の遊技球を第1主遊技始動口又は、第2主遊技始動口に向かって流下させつつ、第2位置から第1位置へ、又は第1位置から第2位置へと変位するため、共通入球口2600F0に入球した遊技球を、2個ずつ、第1主遊技始動口2210と第2主遊技始動口2110とに交互に振り分けることも可能となる。ここで、振分始動口ユニット2600は、振分部材2600Iの機構(振分部材2600Iの形状や金属球2600I−aの動作等)のみによる振り分け手段(電気的な機構を有さない機構)とすることにより、部材点数を減少させているが、これには何ら限定されない。例えば、振分始動口ユニット2600の振分機構の一部として、電気的な機構(例えばモーター等)による補助機構を更に有していてもよい。この場合、不測の事態により振分部材2600Iの変動機構が機能しなくなった場合{例えば、振分部材2600Iの前面部材(羽根L、M及びR等の羽根部材)に遊技球が複数流下してしまい振分機構が機能しなくなった場合}等に、当該補助機構によって強制的に振分部材を作動させることで、遊技球を強制的に始動口へ誘導する、等としてもよい。
このように、本実施形態における振分始動口ユニット2600は、その機構上、共通入球口2600F0へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられることを意図して設計されている。よって、第1主遊技始動口2210への入球に起因して遊技者に付され得る利益率と、第2主遊技始動口2110への入球に起因して遊技者に付され得る利益率と、を異ならせることで、遊技者にとっては、大当り発生時において相対的に有利になる状況と相対的に不利になる状況とが交互に現れるため、メリハリを利かせた遊技性を実現することが可能となる。
次に、図12のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、前述したように、遊技の進行を制御する主制御基板1000と、主制御基板1000からの情報(信号、コマンド等)に基づいて遊技球の払出を制御する賞球払出制御基板3000と、主制御基板1000からの情報(信号、コマンド等)に基づいて装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置2140上での各種演出、スピーカ114からの音響、遊技効果ランプ190の点灯、エラー報知等の実行を制御する副制御基板2000と、これらの制御基板を含む遊技機全体に電源を供給する電源供給ユニット290と、を主体として構成されている。尚、副制御基板2000は、装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置2140上での各種演出、スピーカ114からの音響、遊技効果ランプ190の点灯、エラー報知を制御するサブメイン制御部2320と、演出表示装置2140上での装飾図柄の変動表示・停止表示及び保留表示や予告表示等の表示処理を実行するサブサブ制御部2310の2つの制御部とを備えている。ここで、主制御基板1000、賞球払出制御基板3000、サブメイン制御部2320及びサブサブ制御部2310には、様々な演算処理を行うCPU、CPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAMが搭載されている。以下、各基板の概略構成及び各基板・装置間の電気的な接続態様について概説する。
まず、主制御基板1000は、入賞口センサS{前述した第1主遊技始動口入球検出装置2211、第2主遊技始動口入球検出装置2111、補助遊技始動口入球検出装置2411、第1大入賞口入賞検出装置2121、第2大入賞口入賞検出装置2221、一般入賞検出装置(不図示であるが、一般入球口とは、賞球はあるが図柄抽選を行わない入球口である)等}、図示略する駆動ソレノイド(前述した、第1大入賞口電動役物ソレノイド2122a、第2大入賞口電動役物ソレノイド2222a等)、情報表示LED(不図示)等、遊技の進行に必須となる入出力装置と電気的に接続され、各入力装置からの入力信号に基づいて遊技の進行を制御している。更に、主制御基板1000は、賞球払出制御基板3000と、副制御基板2000(サブメイン制御部2320・サブサブ制御部2310)とも電気的に接続されており、遊技進行に基づいて、賞球払出等に関する情報(コマンド)を賞球払出制御基板3000に、演出・遊技の進行状態等に関する情報(コマンド)を副制御基板2000にそれぞれ送信可能に構成されている。尚、主制御基板1000は、外部接続端子(不図示であるが、例えば、リレースイッチ構造を有する端子盤を挙げることができる)を介してホールコンピュータH等と接続可能となっており、外部接続端子を介してホールコンピュータHと配線接続することで、主制御基板1000から外部の装置に対して遊技関連情報を出力できるよう構成されている。
また、本実施形態では、同図の矢印表記の通り、主制御基板1000と賞球払出制御基板3000とは、双方向通信が可能となるよう構成されている一方、主制御基板1000とサブメイン制御部2320とは、主制御基板1000からサブメイン制御部2320への一方向通信が可能となるよう構成されている(通信方法は、シリアル通信、パラレル通信のいずれを用いてもよい)。尚、制御基板間(制御装置間)の通信については一方向通信でも双方向通信でもよい。
次に、賞球払出制御基板3000は、遊技球の払出を実行する賞球払出機構210と、遊技者によって操作可能な装置であって遊技球の貸出要求を受付け賞球払出制御基板3000に伝達する遊技球貸出装置100とに接続されている。また、図示略するが、本実施形態では、賞球払出制御基板内に、発射装置の制御回路部が併設されており、賞球払出制御基板と発射装置(発射ハンドル・発射モータ・球送り装置等)とも接続されている。尚、本実施形態では、遊技球貸出装置100を別体として遊技機に隣接する形態を採用しているが、遊技機と一体としてもよく、その場合には、賞球払出制御基板3000により貸出制御及び電子マネー等貸出用の記録媒体の管理制御等を統括して行ってもよい。
次に、副制御基板2000は、前述したように装飾図柄等を表示する演出表示装置2140と、スピーカ114と、遊技効果ランプ190、その他演出用の駆動装置(不図示)と接続されている。本実施形態では、前述の通り、副制御基板2000内にサブメイン制御部2320とサブサブ制御部2310とを有しており、サブメイン制御部2320によりスピーカ114から出力させる音声の制御、遊技効果(電飾)ランプ190の点灯制御並びに、演出表示装置2140上で表示する表示内容の決定制御が行われ、サブサブ制御部2310により、演出表示装置2140上の表示制御(実体的な表示制御)が行われるように構成されている。尚、本実施形態では、サブメイン制御部2320とサブサブ制御部2310とを、副制御基板2000にて一体化されるよう構成されているが、これに限定されるわけではない(別基板として構成してもよいが、一体化するよう構成することでスペースメリットや配線等にノイズが混入してしまう事態を低減できるといったメリットが生ずる)。また、両制御部での作業分担についても、例えばサブサブ制御部2310により音声制御を実行させる(VDPに音声制御回路が一体化されたものを採用する場合に好適)等、適宜変更できる。また、賞球として物理的な賞球を付与せずに電子的な価値を付与してもよい。
次に、図13のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の各種機能について説明する。はじめに、主制御装置1000は、遊技に係る遊技周辺機器(第1主遊技周辺機器A、第2主遊技周辺機器B、第1・第2主遊技共用周辺機器C、補助遊技周辺機器D)、演出に係るサブメイン制御部2320(演出表示制御手段2320)、主制御装置1000からの払出指示に基づき所定数の賞球の払出制御を行う賞球払出制御装置3000と、情報伝達可能に接続されている。また、サブメイン制御部2320(演出表示制御手段2320)は、画像演出を実行するサブサブ制御部2310(演出表示手段2310)、各種遊技効果ランプ190(例えばサイドランプ)やスピーカ114等とも電気的に接続されている。更に、賞球払出制御装置3000は、ステッピングモータやスプロケット等を備えた賞球払出装置と電気的に接続されている。尚、主制御装置1000、サブメイン制御部2320(演出表示制御手段2320)、サブサブ制御部2310(演出表示手段2310)、賞球払出制御装置3000等は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子等から構成される。尚、以下で主制御装置1000に含まれるとする各手段を周辺機器(例えば、遊技周辺機器2000)に搭載される形で構成してもよい。例えば、周辺機器(例えば、遊技周辺機器2000)に含まれるとする各手段を主制御装置1000に搭載される形で構成してもよい。以下、上記各手段(装置)の詳細を説明する。
まず、主制御装置1000は、主遊技(第1主遊技、第2主遊技、特別遊技)・補助遊技・一般遊技に関する主たる制御を司る遊技制御手段1100と、遊技周辺機器2000側に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、15R大当り(出球あり)、2R大当り(出球無し)、小当り、ハズレ}、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、保留情報等}を送信するための情報送信制御手段1300(及び未送信コマンドを蓄積するコマンド送信用バッファ1301)と、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出制御装置3000を制御する賞球払出決定手段1400と、振分始動口ユニット2600によって第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に入球するよう構成されている状況下、振分始動口ユニット2600の設計意図に沿わない入球の発生可否を監視する不正入賞監視制御手段1500と、を有している。
ここで、遊技制御手段1100は、各入球口(始動口等)への遊技球の流入を判定するための入球判定手段1110と、各乱数の取得可否を判定し、当該判定結果に基づき当該各乱数を取得するための乱数取得判定実行手段1120と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段1130と、後述する第1主遊技側乱数・第2主遊技側乱数・補助遊技側乱数に基づき特別遊技の当否及び第2主遊技始動口電動役物2112の開放可否を抽選する当否抽選手段1135と、各乱数に基づき、各図柄の停止図柄及び変動態様(変動時間等)を決定するための図柄内容決定手段1140と、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段1150と、第2主遊技始動口2110の第2主遊技始動口電動役物2112の開閉決定に直接関連する各種処理を行うための電動役物開閉制御手段1160と、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段1170と、第1主遊技及び第2主遊技並びに補助遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段1180と、現在及び過去の遊技状態[例えば、主遊技に関する状態{通常遊技状態、特定遊技状態(確率変動遊技状態、時間短縮遊技状態)、特別遊技状態}、補助遊技に関する状態(易開放状態、非易開放状態)、主遊技図柄や補助遊技図柄に係る停止図柄及び変動態様情報、各種フラグのオンオフ状況、特別遊技中の遊技状態(例えばラウンド数や入賞個数情報)]等を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段1190と、を有している。以下、各手段について詳述する。
まず、入球判定手段1110は、第1主遊技始動口2210へ遊技球が入球したか否かを判定する第1主遊技始動口入球判定手段1111と、第2主遊技始動口2110へ遊技球が入球したか否かを判定する第2主遊技始動口入球判定手段1112と、補助遊技始動口2410に遊技球が流入したか否かを判定する補助遊技入球口入球判定手段1113とを有している。
次に、乱数取得判定実行手段1120は、第1主遊技始動口2210への遊技球の入球に基づき第1主遊技側乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第1当選乱数、第1変動態様決定乱数、第1主遊技図柄決定乱数等)を取得する第1主遊技乱数取得判定実行手段1121と、第2主遊技始動口2110への遊技球の入球に基づき第2主遊技側乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第2当選乱数、第2変動態様決定乱数、第2主遊技図柄決定乱数等)を取得する第2主遊技乱数取得判定実行手段1122と、補助遊技側選乱数の取得の可否を判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を取得するための補助遊技乱数取得判定実行手段1123とを有している。
ここで、上記を含め本特許請求の範囲及び本明細書における「乱数」は、例えば、乱数の種類(例えば、当選乱数や変動態様決定乱数)により割り振られた「0」〜「65535」や「0」〜「255」といった所定範囲からランダムに選択された値である。また、乱数としては、数学的に発生させる乱数でなくともよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数等により発生させる擬似乱数でもよい。例えば、乱数にある夫々の値の発現方式が、乱数の数列に沿って順々に値を発現させる方式(プラスワン方式)、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶然性のある値によって定める方式(初期値更新方式)、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
次に、保留制御手段1130は、第1主遊技図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該第1主遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131aに保留するための第1主遊技図柄保留手段1131と、第2主遊技図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該第2主遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aに保留するための第2主遊技図柄保留手段1132と、補助遊技図柄変動許可が下りていない状況で取得した補助遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を図柄変動許可が下りるまで補助遊技図柄保留情報一時記憶手段1133aに保留するための補助遊技図柄保留手段1133と、を有している。ここで、第1主遊技図柄保留手段1131、第2主遊技図柄保留手段1132及び補助遊技図柄保留手段1133は、最大4個まで記憶可能な、前記乱数を保留順序と結合した形で一時記憶するための、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132a及び補助遊技図柄保留情報一時記憶手段1133aを夫々有している。
次に、当否抽選手段1135は、当否抽選の結果、当りである場合に特別遊技への移行決定をする(例えば、内部的に当りフラグをオンにする)特別遊技移行決定手段1135aと、当否抽選を行う際に参照される当否抽選用テーブル1135bとを、有している。ここで、当否抽選用テーブル1135bは、第1主遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第1主遊技用当否抽選テーブル1135b−1と、第2主遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第2主遊技用当否抽選テーブル1135b−3と、を有している。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。
次に、図柄内容決定手段1140は、取得した遊技内容決定乱数(第1主遊技乱数)に基づき、第1主遊技図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する第1主遊技内容決定手段1141と、取得した遊技内容決定乱数(第2主遊技乱数)に基づき、第2主遊技図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する第2主遊技内容決定手段1142と、取得した補助遊技図柄当選乱数に基づき補助遊技図柄の停止図柄を決定する補助遊技内容決定手段1143とを有している。
ここで、第1主遊技内容決定手段1141は、第1主遊技図柄に係る停止図柄や変動態様を決定する際に参照される第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141aを有しており、当該第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141aは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている(例えば、遊技状態に関しては、通常遊技→第1主遊技通常遊技状態用抽選テーブル、確率変動遊技→第1主遊技確率変動遊技状態用抽選テーブル、時間短縮遊技→第1主遊技時間短縮遊技状態用抽選テーブル)。また、第2主遊技内容決定手段1142は、第2主遊技図柄に係る停止図柄や変動態様を決定する際に参照される第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142aを有しており、当該第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142aは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている(例えば、遊技状態に関しては、通常遊技→第2主遊技通常遊技状態用抽選テーブル、確率変動遊技→第2主遊技確率変動遊技状態用抽選テーブル、時間短縮遊技→第2主遊技時間短縮遊技状態用抽選テーブル)。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。更に、補助遊技内容決定手段1143は、補助遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される補助遊技内容決定用抽選テーブル1143aを有しており、当該補助遊技内容決定用抽選テーブル1143aは、遊技状態に応じて異なる各種当選テーブルを備えている(通常遊技→補助遊技通常用抽選テーブル、確率変動遊技及び時間短縮遊技→補助遊技時間短縮用抽選テーブル)。
次に、表示制御手段1150は、第1主遊技図柄表示装置2130の第1主遊技図柄表示部2131上で、所定時間第1主遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1主遊技図柄制御手段1151と、第2主遊技図柄表示装置2230の第2主遊技図柄表示部2231上で、所定時間第2主遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第2主遊技図柄制御手段1152と、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a及び第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aのいずれにも乱数が一時記憶されている場合には、いずれの乱数保留手段に一時記憶された乱数に基づく主遊技図柄の変動を優先するかを決定する主遊技図柄保留解除制御手段1154と、補助遊技図柄表示装置2420の補助遊技図柄表示部2421上で、所定時間補助遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う補助遊技図柄制御手段1153とを有している。
ここで、第1主遊技図柄制御手段1151は、前記第1主遊技内容決定手段1141により決定された変動態様に係る変動時間を管理するための第1主遊技図柄変動時間管理手段1151aを更に有している。また、第1主遊技図柄変動時間管理手段1151aは、ゼロクリア可能な第1主遊技図柄変動管理用タイマ1151a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。次に、第2主遊技図柄制御手段1152は、前記第2主遊技内容決定手段1142により決定された変動態様に係る変動時間を管理するための第2主遊技図柄変動時間管理手段1152aを更に有している。また、第2主遊技図柄変動時間管理手段1152aは、ゼロクリア可能な第2主遊技図柄変動管理用タイマ1152a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。更に、補助遊技図柄制御手段1153は、補助遊技図柄表示装置2420の補助遊技図柄表示部2421上での補助遊技図柄の変動時間を管理するための補助遊技図柄変動時間管理手段1153aを有している。また、補助遊技図柄変動時間管理手段1153aは、時間を計測可能な補助遊技図柄変動管理用タイマ1153a−1を更に備えている。
次に、電動役物開閉制御手段1160は、第2主遊技始動口2110の電動役物2112を開閉する処理を行うための条件を充足しているか否かを判定するための条件判定手段1161と、第2主遊技始動口2110の電動役物2112の駆動(開放)時間を計測する開放タイマ1162とを有している。
次に、特別遊技制御手段1170は、特別遊技(大当り、小当り)に移行するための条件を充足しているか否か、具体的には、大当り又は小当りに当選している{特別遊技(大当り、小当り)実行許可フラグが発生している}か否かを判定する条件判定手段1171と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、開状態となる大入賞口、ラウンド数、ラウンド間時間等)を特別遊技関連情報一時記憶手段1194中にセットする特別遊技内容決定手段1172と、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220を所定条件で開状態にするという特別遊技(大当り、小当り)を実行するための特別遊技実行手段1173と、特別遊技に関する各種処理の時間管理(例えば、第1大入賞口2120及び第2大入賞口2220の開閉時間)を行うための特別遊技時間管理手段1174とを有している。ここで、特別遊技時間管理手段1174は、ラウンド時間を管理する特別遊技用タイマ1174aを更に有している。また、特別遊技内容決定手段1172は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブル1172aを更に有している(テーブルの詳細については不図示)。
次に、特定遊技制御手段1180は、特定遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する特定遊技終了条件判定手段1181と、を有している。ここで、特定遊技終了条件判定手段1181は、時短回数をカウント可能な時短回数カウンタ1181aを更に有している。ここで、「特定遊技」とは、例えば、特別遊技への抽選確率が通常遊技時よりも高い確率変動遊技や、主遊技図柄の変動時間が通常遊技時よりも相対的に短い時間短縮遊技を指す。
ここで、本実施形態においては、時短中には、非時短中と比較して、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動時間が相対的に短縮される(時間短縮機能)。更に、補助遊技図柄の変動時間も相対的に短縮されると共に、第2主遊技始動口2110の電動役物2112の開放延長時間が相対的に延長される(開放時間延長機能)。また、本実施形態における時短は、第1主遊技図柄の変動回数と第2主遊技図柄の変動回数の合計値が所定回数を超えた場合に終了する(時短回数制限無しの確率変動遊技を除く)。即ち、時短回数は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動(停止)毎に減算されるよう構成されている。尚、上記の特定遊技終了条件判定手段1181は、例えば、図柄変動の度に所定確率で特定遊技(例えば確率変動遊技や時間短縮遊技)から通常遊技への移行抽選を行う機能を有していてもよい(転落抽選機能を有するぱちんこ遊技機の場合)。
次に、遊技状態一時記憶手段1190は、第1主遊技(第1主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第1主遊技状態一時記憶手段1191と、第2主遊技(第2主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第2主遊技状態一時記憶手段1192と、補助遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための補助遊技状態一時記憶手段1193と、特別遊技における現在の遊技状態(例えば、ラウンド数、任意のラウンドにおける遊技球の入賞個数、特別遊技に関する各種フラグのオンオフ等)を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段1194とを有している。
ここで、第1主遊技状態一時記憶手段1191は、第1主遊技に関する各種遊技状態における各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するための第1フラグ一時記憶手段1191aと、現在変動中の第1主遊技図柄(変動開始条件が成立した第1主遊技図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191bとを有している。
また、第2主遊技状態一時記憶手段1192は、第2主遊技に関する各種遊技状態における各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するための第2フラグ一時記憶手段1192aと、現在変動中の第2主遊技図柄(変動開始条件が成立した第2主遊技図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192bとを有している。
また、補助遊技状態一時記憶手段1193は、補助遊技に関する情報(例えば、補助遊技図柄当選フラグ・開放延長フラグ・時間短縮フラグ等の各種フラグのオンオフ情報)を一時記憶するための補助遊技関連情報一時記憶手段1193aと、現在変動中の補助遊技図柄(変動開始条件が成立した補助遊技図柄)に係る停止図柄等の情報を一時記憶するための補助遊技図柄情報一時記憶手段1193bとを有している。
次に、情報送信制御手段1300は、サブメイン制御部2320側に送信するコマンドを格納しておくためのコマンド送信用バッファ1301を有している。
次に、不正入賞監視制御手段1500は、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110における、不正な入球の発生可否を判定する不正入賞判定手段1501と、当該発生可否を判定するための情報が一時記憶される入賞関連情報一時記憶手段1502と、を更に有している。
次に、遊技周辺機器2000について説明する。尚、一部の周辺機器については既に詳細構成を述べたので、残る構成について簡潔に説明する。まず、遊技周辺機器は、第1主遊技側の周辺機器である第1主遊技周辺機器Aと、第2主遊技側の周辺機器である第2主遊技周辺機器Bと、第1主遊技側と第2主遊技側の共用周辺機器である第1・第2主遊技共用周辺機器Cと、補助遊技に関する補助遊技周辺機器Dと、サブメイン制御部2320(演出表示制御手段2320)、サブサブ制御部2310(演出表示装置2140)等、を有している。ここで、サブメイン制御部2320により制御される演出は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動と時間的に同期の取れた形での装飾図柄の変動を含め、遊技の結果に影響を与えない情報のみの表示に係るものである。以下、これらの周辺機器を順番に説明する。
まず、第1主遊技周辺機器Aは、特別遊技移行の契機となる第1主遊技始動口2210と、第1主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第1主遊技図柄表示装置2130と、を有している。
次に、第2主遊技周辺機器Bは、特別遊技移行の契機となる第2主遊技始動口2110及び第2−2主遊技始動口2110(2)と、第2主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第2主遊技図柄表示装置2230と、を有している。
次に、第1・第2主遊技共用周辺機器Cは、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技の際には所定条件下で開状態となる第1大入賞口2120と、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技の際には所定条件下で開状態となる第2大入賞口2220と、を有する。
次に、補助遊技周辺機器Dは、第2主遊技始動口電動役物2112の開放の契機となる補助遊技始動口2410と、補助遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な補助遊技図柄表示装置2420とを有している。
ここで、演出表示制御手段(サブメイン制御部)2320は、主制御装置1000側からの各種情報を受信するための表示情報受信手段2321と、装飾図柄の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司る装飾図柄表示制御手段2322と、装飾図柄の保留個数管理や保留表示処理を司る装図保留情報表示制御手段2323と、演出制御全般に係る情報を一時記憶するための演出一般情報一時記憶手段2324と、主制御装置1000側から送信された情報に基づきエラー報知を実行するエラー報知制御手段2325と、サブサブ制御部2310側との情報送受信を制御する情報送受信制御手段2400と、を有している。以下、上記各手段を詳述する。
まず、表示情報受信手段2321は、主制御装置1000側からの第1主遊技及び第2主遊技に関する図柄情報や表示指示情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段2321aを有している。
次に、装飾図柄表示制御手段2322は、主制御装置1000側からの情報に基づいて、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定する装図表示内容決定手段2322aと、装飾図柄の図柄変動に係る各種情報(変動態様情報、停止図柄情報、各種フラグ等)を一時記憶するための装図表示関連情報一時記憶手段2322cと、装飾図柄の変動時間を計時するための装図変動時間管理タイマ2322dと、を有している。ここで、装図表示内容決定手段2322aは、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定する際に参照される装図変動内容決定用抽選(参照)テーブル2322a−1を有している(テーブルの詳細については不図示)。
次に、装図保留情報表示制御手段2323は、装飾図柄に係る保留に関する情報を一時記憶するための装図保留情報一時記憶手段2323aを有している。
また、演出表示手段(サブサブ制御部)2310は、サブメイン制御部2320側との情報送受信を制御する副情報送受信制御手段2450と、装図保留表示部2312へ画像を表示する画像表示制御手段2313と、演出表示装置2140上表示領域である装飾図柄表示領域2311と、第1主遊技側の保留球情報を表示するための第1保留表示部2312aと、第2主遊技側の保留球情報を表示するための第2保留表示部2312bと、を有している。ここで、画像表示制御手段2313は、サブメイン制御部2320側から受信したコマンドや各種画像表示に係る情報を一時記憶するための画像表示関連情報一時記憶手段2313aを更に有している。
尚、第1主遊技図柄表示装置2130、第2主遊技図柄表示装置2230及び補助遊技図柄表示装置2420が、主制御装置1000と情報伝達可能に接続されており、残る演出表示手段2310が、演出表示制御手段2320と情報伝達可能に接続されている。即ち、第1主遊技図柄表示装置2130、第2主遊技図柄表示装置2230及び補助遊技図柄表示装置2420は、主制御装置1000により制御され、演出表示手段2310は、演出表示制御手段2320により制御されることを意味する。尚、主制御装置1000と片方向通信(一方向通信)により制御される他の周辺機器を介して、別の周辺機器を制御するように構成してもよい。
次に、図14は、主制御装置1000が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。遊技機の電源投入後、同図(a)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源投入後、初期設定を行った後(不図示)、ステップ3002で、主制御装置1000は、RAMクリアボタンの入力ポートを確認し、電源供給ユニット290のリセットボタン(RAMクリアボタン)が操作されたか否か、即ち、遊技場の管理者等によって意図的にRAMの内容をクリアさせる操作が行われたか否かを判定する。ステップ3002でYesの場合、ステップ3004で、主制御装置1000は、主制御装置1000側のRAM内容(例えば、遊技状態一時記憶手段1190内の情報等)を全てクリアする。次に、ステップ3006で、情報送信制御手段1300は、主制御基板1000のRAMをクリアしたことを示すラムクリア情報(コマンド)をサブメイン制御部2320側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ3014の処理に移行する。他方、ステップ3002でNoの場合は、ステップ3008で、主制御装置1000は、主制御装置1000におけるRAM領域の内容をチェックする(例えば、電断時に記録されたチェックサムとRAM領域に保存されている情報量との比較を行う)。次に、ステップ3010で、主制御装置1000は、当該チェック結果に基づきRAMの内容が正常でないか否か(正確に電断時の情報がRAMにバックアップされていないか否か)を判定する。ステップ3010でYes、即ちRAMにバックアップされていたデータが異常な場合には、ステップ3004の処理(前述したRAMクリア処理)に移行する。他方、ステップ3010でNo、即ちRAMにバックアップされていたデータが正常な場合、ステップ3011で、主制御装置1000は、主遊技装置1000におけるRAM内に記憶(バックアップ)されている電断時の各種情報コマンドを取得し、ステップ3012で、取得した各種情報コマンドをサブメイン制御部2320側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ3014の処理に移行する。次に、ステップ3014で、主制御装置1000は、同図のステップ1000によって示される主制御装置1000側のメイン処理に係る実行定時割り込み(例えば、約1.5ms毎のハードウェア割り込みを契機とするが、本例では、当該割り込み周期をTとする)を許可し(その結果、当該実行定時割り込みタイミング到達時には、同図のステップ1000が実行されることとなる)、ステップ3020の処理に移行する。尚、ステップ3020に移行後は、次の定時割り込みタイミングに到達するまで、主制御装置1000は、各種乱数更新処理(例えば、乱数カウンタのインクリメント処理)を繰り返し実行することとなる。
次に、タイマ割り込み処理について説明する。主制御装置1000は、定時割り込みタイミングに到達した場合に発生する割り込み要求に基づいて、同図(b)の処理を実行する。即ち、定時割り込み周期Tの到達時(例えば、約1.5ms毎のハードウェア割り込み)を契機として、ステップ1100で、主制御装置1000は、後述の補助遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1200で、主制御装置1000は、後述の電動役物駆動判定処理を実行する。次に、ステップ1300で、主制御装置1000は、後述の主遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御装置1000は、後述の主遊技図柄表示処理を実行する。次に、ステップ1500で、主制御装置1000は、後述の特別遊技作動条件判定処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御装置1000は、後述の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1700で、主制御装置1000(特に賞球払出決定手段1400)は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、賞球払出制御処理(賞球払出機構210の駆動制御等を賞球払出制御基板3000に実行させ、その結果を管理するための処理等)を実行する。次に、ステップ1800で、主制御装置1000は、外部信号の出力処理(外部端子板、ホールコンピュータH等への情報出力)を実行する。次に、ステップ1900で、主制御装置1000は、制御コマンド送信処理(前述の各処理でセットされたコマンドをサブメイン制御部側に送信する)を実行し、本割り込み処理の実行直前に実行されていた処理に復帰する。
次に、NMI割り込み処理について説明する。前述の通り、主制御装置1000は、リセットICからの電断信号がCPUのNMI端子に入力されるように構成されており、遊技機における電源断時において、同図(c)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源断時(本例では、NMI割り込み時)において、ステップ3604で、主制御装置1000は、RAM領域の情報に基づき電断時情報(例えば、チェックサム)をセットする。次に、ステップ3606で、主制御装置1000は、RAM領域への書き込みを禁止すると共に、タイマ割り込み処理を禁止し、電源断待ちループ処理に移行する。
次に、図15は、図14におけるステップ1100のサブルーチンに係る、補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、補助遊技入球口入球判定手段1113は、補助遊技入球口2410に遊技球が入球(流入、ゲートの場合は通過)したか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、補助遊技乱数取得判定実行手段1123は、補助遊技図柄保留情報一時記憶手段1133aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1104でYesの場合、ステップ1106で、補助遊技乱数取得判定実行手段1123は、補助遊技内容決定乱数(例えば、補助遊技図柄当選乱数)を取得する。次に、ステップ1108で、補助遊技図柄保留手段1133は、何個目の保留であるかという情報と共に、当該乱数を補助遊技図柄保留情報一時記憶手段1133aにセットする形で保留球を1加算し、次の処理(ステップ1200の電動役物駆動判定処理)に移行する。尚、ステップ1102及びステップ1104でNoの場合も、次の処理(ステップ1200の電動役物駆動判定処理)に移行する。
次に、図16は、図14におけるステップ1200のサブルーチンに係る、電動役物駆動判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、電動役物開閉制御手段1160は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193aを参照して、電動役物開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、補助遊技図柄制御手段1153は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193aを参照して、補助遊技図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、補助遊技内容決定手段1143は、補助遊技図柄保留情報一時記憶手段1133aにアクセスし、補助遊技図柄に関する保留球があるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1216で、補助遊技内容決定手段1143は、補助遊技状態一時記憶手段1193を参照して補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)を取得すると共に、補助遊技内容決定用抽選テーブル1143aを参照し、当該取得した補助遊技側の遊技状態及び当該保留球に基づく補助遊技図柄乱数に基づき停止図柄を決定(例えば、補助遊技時短フラグがオンである場合には、オフである場合と比して高確率で当選図柄を選択)して補助遊技図柄情報一時記憶手段1193bに一時記憶する。次に、ステップ1218で、補助遊技図柄変動時間管理手段1153aは、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)に基づき、補助遊技図柄変動管理用タイマ1153a−1に補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間(例えば、補助遊技時短フラグがオンの場合には5秒、補助遊技時短フラグがオフの場合には30秒)をセットする。そして、ステップ1220で、補助遊技図柄制御手段1153は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a中の補助遊技図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1222で、補助遊技図柄保留手段1133は、補助遊技図柄に関する当該保留球を1減算した上で補助遊技図柄保留情報一時記憶手段1133aに記録されている保留情報を更新すると共に、補助遊技図柄制御手段1153は、補助遊技図柄変動管理用タイマ1153a−1をスタートした後、補助遊技図柄表示部2421上で補助遊技図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1224で、補助遊技図柄変動時間管理手段1153aは、補助遊技図柄変動管理用タイマ1153a−1を参照して、補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1224でYesの場合、ステップ1226で、補助遊技図柄制御手段1153は、補助遊技図柄情報一時記憶手段1193bを参照して補助遊技図柄の停止図柄を取得すると共に、当該取得した補助遊技図柄の停止図柄を補助遊技図柄表示部2421上で確定表示する。そして、ステップ1228で、補助遊技図柄制御手段1153は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a中の補助遊技図柄変動中フラグをオフにする。次に、ステップ1230で、条件判定手段1161は、当該補助遊技図柄の停止図柄が「当り」であるか否かを判定する。ステップ1230でYesの場合、ステップ1232で、電動役物開閉制御手段1160は、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)に基づき、開放タイマ1162に電動役物の開放時間に係る所定時間(例えば、補助遊技時短フラグがオンの場合には6秒、補助遊技時短フラグがオフの場合には0.5秒)をセットする。次に、ステップ1234で、電動役物開閉制御手段1160は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a中の電動役物開放中フラグをオンにする。そして、ステップ1236で、電動役物開閉制御手段1160は、第2主遊技始動口2110の電動役物2112を開放する。次に、ステップ1238で、電動役物開閉制御手段1160は、開放タイマ1162を参照して、電動役物の開放時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1238でYesの場合、ステップ1240及びステップ1242で、電動役物開閉制御手段1160は、第2主遊技始動口2110の電動役物2112を閉鎖すると共に、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a中の電動役物開放中フラグをオフにし、次の処理(ステップ1300の主遊技内容決定乱数取得処理)に移行する。
尚、ステップ1202でNoの場合にはステップ1238に移行し、ステップ1204でNoの場合にはステップ1224に移行し、ステップ1206、ステップ1224、ステップ1230及びステップ1238でNoの場合には次の処理(ステップ1300の主遊技内容決定乱数取得処理)に移行する。
また、本フローチャートでは、便宜上、ステップ1226での停止図柄表示後、すぐに次のステップに移行しているが、これには限定されない。その場合には、500ms程度の停止表示固定時間を経てから次の処理に移行するよう構成してもよい(例えば、停止表示固定中フラグ及びタイマを利用して分岐処理を行うことによりこの処理を達成可能である)。
次に、図17は、図14におけるステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、第1主遊技始動口入球判定手段1111は、第1主遊技始動口2210の第1入球検出装置2211から第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1330で、不正入賞監視制御手段1500は、後述する不正入賞判定処理を実行する。次に、ステップ1304で、第1主遊技乱数取得判定実行手段1121は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131aを参照し、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、第1主遊技乱数取得判定実行手段1121は、第1主遊技内容決定乱数を取得する。
尚、本実施形態においては、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、これら3つの乱数は夫々更新周期・乱数範囲の異なる乱数生成手段から生成され、本タイミングで一連的に取得するようになっている。
次に、ステップ1307で、第1主遊技乱数取得判定実行手段1121は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a及び第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aを参照し、現在一時記憶されている全保留個数を取得すると共に、(全保留個数+1)を入賞順として導出する。次に、ステップ1308で、第1主遊技乱数取得判定実行手段1121は、当該取得した第1主遊技側乱数及び当該導出した入賞順を、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131aにセットする。次に、ステップ1309で、情報送信手段1300は、当該取得した第1主遊技側乱数及び当該導出した入賞順を保留情報として(保留発生コマンドとして)、サブメイン制御部2320へ送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットする。
次に、ステップ1310で、第2主遊技始動口入球判定手段1112は、第2主遊技始動口2110の第2入球検出装置2111から第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1310でYesの場合、ステップ1330で、不正入賞監視制御手段1500は、後述する不正入賞判定処理を実行する。次に、ステップ1312で、第2主遊技乱数取得判定実行手段1122は、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aを参照し、主遊技(特に第2主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1312でYesの場合、ステップ1314で、第2主遊技乱数取得判定実行手段1122は、第2主遊技内容決定乱数を取得する。次に、ステップ1315で、第2主遊技乱数取得判定実行手段1122は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a及び第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aを参照し、現在一時記憶されている全保留個数を取得すると共に、(全保留個数+1)を入賞順として導出する。次に、ステップ1316で、第2主遊技乱数取得判定実行手段1122は、当該取得した第2主遊技側乱数及び当該導出した入賞順を、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aにセットする。次に、ステップ1317で、情報送信手段1300は、当該取得した第2主遊技側乱数及び当該導出した入賞順を保留情報として(保留発生コマンドとして)、サブメイン制御部2320へ送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットし、ステップ1380に移行する。尚、ステップ1312でNoの場合には、ステップ1380に移行する。
他方、ステップ1310でNoの場合、ステップ1311で、第2主遊技始動口入球判定手段1112は、第2−2主遊技始動口2110(2)の第2−2入球検出装置2111(2)から第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1311でYesの場合には、ステップ1330を実行することなく、ステップ1312に移行する。尚、ステップ1311でNoの場合には、ステップ1380に移行する。そして、ステップ1380で、不正入賞監視制御手段1500は、後述する不正入賞エラー報知制御処理を実行し、次の処理(ステップ1400の主遊技図柄表示処理)に移行する。
次に、図18は、図14におけるステップ1330のサブルーチンに係る、不正入賞判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1332で、不正入賞判定手段1501は、今回の入賞が、第1主遊技始動口2210への入賞であるか否か(第1入球検出装置2211から第1主遊技始動口入球情報を受信したものであるか否か)を判定する。ステップ1332でYesの場合、ステップ1334で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の前回入賞種別に「1」がセットされているか否かを判定する。ステップ1334でYesの場合、ステップ1336で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値Cntに1加算(インクリメント)し、ステップ1340に移行する。他方、ステップ1334でNoの場合(入賞関連情報一時記憶手段1502内の前回入賞種別に「2」がセットされている場合)、ステップ1338で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値Cntをクリア(ゼロクリア)し、ステップ1340に移行する。次に、ステップ1340で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の前回入賞種別に「1」をセットし、ステップ1352に移行する。
他方、ステップ1332でNoの場合、換言すれば、今回の入賞が、第2主遊技始動口2110への入賞である場合(第2入球検出装置2111から第2主遊技始動口入球情報を受信したものである場合)、ステップ1344で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の前回入賞種別に「2」がセットされているか否かを判定する。ステップ1344でYesの場合、ステップ1346で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値Cntに1加算(インクリメント)し、ステップ1350に移行する。他方、ステップ1354でNoの場合(入賞関連情報一時記憶手段1502内の前回入賞種別に「1」がセットされている場合)、ステップ1348で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値Cntをクリア(ゼロクリア)し、ステップ1350に移行する。次に、ステップ1350で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の前回入賞種別に「2」をセットし、ステップ1352に移行する。
次に、ステップ1352で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値Cntを確認する。次に、ステップ1354で、不正入賞判定手段1501は、当該確認結果に基づき、カウンタ値Cntが所定値(例えば、3)以上であるか否か、換言すれば、一方の始動口のみに対して当該所定値以上の回数連続して入賞したか否かを判定する。ステップ1354でYesの場合、ステップ1356で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞エラー報知許可フラグをオンにし、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。尚、ステップ1354でNoの場合には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
次に、図19は、図17におけるステップ1380のサブルーチンに係る、不正入賞エラー報知制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1382で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞エラー報知許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1382でYesの場合、ステップ1384で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞エラー報知許可フラグをオフにする。次に、ステップ1386で、不正入賞監視制御手段1500は、ホールコンピュータH側(外部端子板)へのエラー報知外部信号をセットする。次に、ステップ1386で、不正入賞監視制御手段1500は、サブメイン制御部2320側へのエラー報知開始制御コマンドをセットする。次に、ステップ1390で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内のエラー報知期間タイマ値Tに所定値(例えば、30秒)をセットしてカウントダウンを開始し、ステップ1392に移行する。尚、ステップ1382でNoの場合には、ステップ1392に移行する。次に、ステップ1392で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内のエラー報知期間タイマ値がゼロであるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する。ステップ1392でYesの場合、ステップ1394で、不正入賞監視制御手段1500は、サブメイン制御部2320側へのエラー報知終了制御コマンドをセットし、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。尚、ステップ1392でNoの場合には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
次に、図20は、図14におけるステップ1400のサブルーチンに係る、主遊技図柄表示処理のフローチャートである。まず、ステップ1402で、主遊技図柄保留解除制御手段1154は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a及び第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132aを参照し、第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄に係る保留情報が存在しているか否かを判定する。ステップ1402でYesの場合、ステップ1404で、主遊技図柄保留解除制御手段1154は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a及び第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132a内の入賞順を参照し、最先の入賞順は第1主遊技図柄に係る保留情報であるか否かを判定する。ステップ1404でYesの場合、ステップ1400(1)で、遊技制御手段1100は、後述の第1主遊技図柄表示処理を実行し、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。他方、ステップ1404でNoの場合、ステップ1400(2)で、遊技制御手段1100は、後述の第2主遊技図柄表示処理を実行し、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。尚、ステップ1402でNoの場合には、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。このように、本実施形態においては、第1主遊技始動口2210又は第2主遊技始動口2110に入球した順番に従い、順次図柄変動が開始されることとなる。しかしながら、これには限定されず、一方の主遊技側の図柄変動を優先して実行(いわゆる優先消化)するよう構成してもよいし、双方の主遊技図柄を同時並行的に抽選する(いわゆる並列抽選を実行する)よう構成してもよい。
次に、図21は、図20におけるステップ1400(1){ステップ1400(2)}のサブルーチンに係る、第1主遊技図柄表示処理(第2主遊技図柄表示処理)のフローチャートである。尚、本処理は、第1主遊技図柄側と第2主遊技図柄とで略同一の処理となるため、第1主遊技図柄側について主に説明し、第2主遊技図柄側の処理については括弧書きとする。まず、ステップ1402で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ここで、この変動開始条件は、特別遊技中や図柄変動中でないことが条件となる。
次に、ステップ1414で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132a)に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)を読み出し、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132a)から削除してシフトする(保留消化処理)と共に、残りの保留情報における夫々の入賞順を1減算(デクリメント)する。次に、ステップ1403で、当否抽選手段1135は、各遊技状態に対応する第1主遊技用当否抽選テーブル1135b−1(第2主遊技用当否抽選テーブル1135b−3)を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否(本例では、大当り)抽選を実行する。
ここで、図22(主遊技テーブル1)は、第1主遊技用当否抽選テーブル1135b−1(第2主遊技用当否抽選テーブル1135b−3)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、確率変動遊技状態時における大当り当選確率は、非確率変動遊技状態時における大当り当選確率よりも高確率となるよう構成されている。尚、当選確率はあくまでも一例であり、これには何ら限定されない(例えば、大当りの他にも小当りに当選するよう構成してもよい)。
フローチャートの説明に戻ると、次に、ステップ1416−1で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらを第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に一時記憶する。
ここで、図22(主遊技テーブル2)は、第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)の一例である(特に、停止図柄決定用テーブルの一例)。本例に示されるように、本実施形態においては、大当りに当選した場合、特別遊技時における最大実行ラウンド数の異なる複数の主遊技図柄候補(本例では、「1A、1B、3A、3B」=8R及び「7A、7B」=16R)の内から一の主遊技図柄が大当り図柄として決定されるよう構成されている。ここで、大当り図柄「1A、1B」は、後述するように、当該大当り図柄に係る特別遊技実行後には確率変動遊技状態へ移行しないこととなる態様である(以下、非確変大当り、と呼ぶことがある)一方、大当り図柄「3A、3B、7A、7B」は、後述するように、当該大当り図柄に係る特別遊技実行後には確率変動遊技状態へ移行することとなる態様である(以下、確変大当り、と呼ぶことがある)。そして、本例に示されるように、本実施形態においては、第1主遊技側にて大当りした場合よりも第2主遊技側にて大当りした場合の方が、遊技者にとってより有利な大当り図柄が選択され易いよう構成されている。
次に、ステップ1416−3で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、各遊技状態に対応する第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第1主遊技内容決定乱数)(特に、変動態様抽選乱数)に基づいて主遊技図柄の変動態様を決定し、これらを第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に一時記憶して、ステップ1419に移行する。
ここで、図22(主遊技テーブル3)は、第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)の一例である(特に、変動態様決定用テーブルの一例)。本例に示されるように、本実施形態においては、主遊技図柄の当否抽選結果及び主遊技時短フラグ状態に基づき、主遊技図柄の変動態様(変動時間)が決定されるよう構成されている。即ち、主遊技図柄の当否抽選結果が当りの場合には相対的に変動時間が長時間となる変動態様が決定され易く、主遊技時短フラグがオフである場合(時短遊技状態)には相対的に変動時間が短時間となる変動態様が決定され易いよう構成されている。尚、本例はあくまでも一例であり、変動態様(変動時間)の種類や選択率等には何ら限定されない。また、本実施形態では、説明の便宜上、保留球数に応じて異なるテーブルを有するよう構成しなかったが、保留球数に応じて異なるテーブルを有するように構成してもよいことはいうまでもない。
次に、ステップ1419で、情報送信制御手段1300は、第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に一時記憶された主遊技図柄に係るコマンド(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等)及び現在の遊技状態に係るコマンド(図柄変動表示開始指示コマンド)を、サブメイン制御部2320側に送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットする。次に、ステップ1420で、第1主遊技図柄変動時間管理手段1151a(第2主遊技図柄変動時間管理手段1152a)が、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間を第1主遊技図柄変動管理用タイマ1151a−1(第2主遊技図柄変動管理用タイマ1152a−1)にセットする。そして、ステップ1422で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)の第1主遊技図柄表示部2131(第2主遊技図柄表示部2231)上で、第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に記憶された変動態様に従い、主遊技図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1446で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)中の変動中フラグをオンする。そして、ステップ1434で、第1主遊技図柄変動時間管理手段1151a(第2主遊技図柄変動時間管理手段1152a)が、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1434でYesの場合、ステップ1437で、情報送信制御手段1300は、図柄変動が終了する旨の情報(図柄確定表示指示コマンド)を、サブメイン制御部2320側に送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットする。次に、ステップ1438で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)の第1主遊技図柄表示部2131(第2主遊技図柄表示部2231)上での主遊技図柄の変動表示を停止し、第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップ1440で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)中の変動中フラグをオフにする。次に、ステップ1417で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)を参照し、停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する。ステップ1417でYesの場合、ステップ1418で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194のフラグエリア内にある、条件装置作動フラグをオンにし、ステップ1442に移行する。他方、ステップ1417でNoの場合、ステップ1418の処理を実行せずにステップ1442に移行する。そして、ステップ1442で、第1主遊技図柄変動時間管理手段1151a(第2主遊技図柄変動時間管理手段1152a)は、第1主遊技図柄変動管理用タイマ1151a−1(第2主遊技図柄変動管理用タイマ1152a−1)をリセットする。
次に、ステップ1450で、遊技制御手段1100は、後述の特定遊技終了判定処理を実行し、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。尚、ステップ1434でNoの場合には、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。
尚、ステップ1402でNoの場合には、ステップ1444で、第1主遊技図柄制御手段1151(第2主遊技図柄制御手段1152)は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)を参照し、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1444でYesの場合にはステップ1434に移行し、ステップ1444でNoの場合には次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。
次に、図23は、図21におけるステップ1450のサブルーチンに係る、特定遊技終了判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1452で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aを参照して、時短回数カウンタ値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1454で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aの時短回数カウンタ値を1減算する。次に、ステップ1456で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aを参照して、時短回数が0であるか否かを判定する。ステップ1456でYesの場合、ステップ1460で、特定遊技制御手段1180は、第1フラグ一時記憶手段1191a中の主遊技時短フラグ及び第2フラグ一時記憶手段1192a中の主遊技時短フラグをオフにする。次に、ステップ1462で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190内の補助遊技時短フラグをオフにし、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。尚、ステップ1452及びステップ1456でNoの場合にも、次の処理(ステップ1500の特別遊技作動条件判定処理)に移行する。
次に、図24は、図14におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、条件判定手段1171は、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)の第1主遊技図柄表示部2131(第2主遊技図柄表示部2231)上に表示された主遊技図柄が停止したか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、条件判定手段1171は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194のフラグエリアを参照し、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1504でYesの場合、ステップ1505で、特別遊技内容決定手段1172は、当該所定態様に基づき、特別遊技内容参照テーブル1172aを参照することにより、当該特別遊技の内容(例えば、当たり図柄に対応した最大ラウンド数や、各ラウンドにおける大入賞口の開閉態様)を特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットする。次に、ステップ1552及びステップ1554で、特定遊技制御手段1180は、第1フラグ一時記憶手段1191a及び第2フラグ一時記憶手段1192a中の特定遊技フラグ(主遊技確変フラグ・主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)を一旦オフにすると共に、時短回数カウンタ1181aをリセット(時短回数カウンタ値=0)する。次に、ステップ1506及びステップ1508で、条件判定手段1171は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194中の特別遊技移行許可フラグをオンにすると共に、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)中の当りフラグをオフにし、次の処理(ステップ1600の特別遊技制御処理)に移行する。尚、ステップ1502及びステップ1504でNoの場合にも、次の処理(ステップ1600の特別遊技制御処理)に移行する。
次に、図25は、図14におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604及びステップ1606で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにする。次に、ステップ1608で、情報送信制御手段1300は、特別遊技を開始する旨の情報(特別遊技開始表示指示コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットし、ステップ1612に移行する。他方、ステップ1602でNoの場合、ステップ1610で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1610でYesの場合には、ステップ1612に移行する。尚、ステップ1610でNoの場合には、特別遊技実行手段1173は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(ステップ1700の賞球払出処理)に移行する。
次に、ステップ1612で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、ラウンド継続フラグがオンであるか否か、換言すれば、当該ラウンドが途中であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、当該ラウンドが途中である場合、以下で詳述するステップ1614〜1622の処理を行うことなく、ステップ1624に移行する。そして、ステップ1624で、情報送信制御手段1300は、特別遊技中(各ラウンド実行中)に係る各種情報(ラウンド数や大入賞口への入賞個数)を表すコマンド(遊技状態コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットし、ステップ1626に移行する。
他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、当該ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットした開放パターン(例えば、開放し続ける開放パターン、開閉を行うパターン)をセットする。次に、ステップ1616で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の入賞球カウンタをゼロクリアする。次に、ステップ1618で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド数カウンタに1を加算する。尚、特別遊技関連情報一時記憶手段1194に記憶されているラウンド数は、特別遊技開始直後(初期値)は0であり、以後ラウンドを重ねていく毎に1ずつインクリメントされる。次に、ステップ1620で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド継続フラグをオンにする。そして、ステップ1622で、特別遊技実行手段1173は、第1大入賞口2120の第1電動役物2122又は第2大入賞口2220の第2電動役物2222を駆動して第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220を開放し、特別遊技用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)に所定時間(例えば30秒)をセット(計時開始)して、ステップ1626に移行する。
次に、ステップ1626で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照して当該ラウンドで所定球(例えば10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合には、ステップ1630に移行する。他方、ステップ1626でNoの場合、ステップ1628で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)を参照して大入賞口開放に係る所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ1628でYesの場合にも、ステップ1630に移行し、ステップ1628でNoの場合には、次の処理(ステップ1700の賞球払出処理)に移行する。
次に、ステップ1630で、特別遊技実行手段1173は、第1大入賞口2120の第1電動役物2122又は第2大入賞口2220の第2電動役物2222の駆動を停止して第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220を閉鎖する。そして、ステップ1632で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)をリセットする。次に、ステップ1634で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ1636で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照して、当該ラウンドが最終ラウンド(例えば、確率変動大当り及び時間短縮変動大当りの場合は第15ラウンド、突然確率変動大当りの場合は第2ラウンド)であるか否かを判定する。ステップ1636でYesの場合、ステップ1638で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ1640で、情報送信制御手段1300は、特別遊技を終了する旨の情報(特別遊技終了表示指示コマンド)を、サブメイン制御部2320側に送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットする。そして、ステップ9000で、遊技制御手段1100は、後述の特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行し、次の処理(ステップ1700の賞球払出処理)に移行する。尚、ステップ1636でNoの場合にも、次の処理(ステップ1700の賞球払出処理)に移行する。
次に、図26は、図25におけるステップ9000のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。まず、ステップ9002で、特定遊技制御手段1180は、第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b及び第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192bを参照し、特別遊技の開始時における停止図柄を確認する。次に、ステップ9012で、特定遊技制御手段1180は、当該確認結果に基づき、特別遊技の開始時における停止図柄が確変大当り図柄(本例では、「3A、3B、7A、7B」)であるか否かを判定する。ステップ9012でYesの場合、ステップ9014で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190内の主遊技確変フラグをオンにする。次に、ステップ9021で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aの値に所定回数(本例では、65535であり、実質的に、次回の大当りまで時間短縮遊技状態が継続することが確定する回数)をセットする。次に、ステップ9024で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190内の主遊技時短フラグをオンにする。次に、ステップ9026で、特定遊技制御手段1180は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193aの補助遊技時短フラグをオンにし、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。尚、ステップ9012でNoの場合には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
次に、図27〜図32を参照して、サブメイン制御部2320側で実行される制御処理を説明する。まず、図27は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、副制御基板2000側(特に、サブメイン制御部2320側)のメインフローチャートである。ここで、同図(a)の処理は、遊技機への電源投入時等のリセット後に実行されるサブ基板側での初期処理である。即ち、遊技機への電源投入時において、サブメイン制御部2320の繰り返し処理ルーチンであるステップ5000を繰り返し実行するループ処理に移行する。ここで、ステップ5000が実行された場合、同図(b)の処理に示されるように、まず、ステップ5600で、演出表示制御手段2320は、後述する保留情報管理処理を実行する。次に、ステップ5700で、演出表示制御手段2320は、後述する装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップ5800で、演出表示制御手段2320は、後述する装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップ6000で、演出表示制御手段2320は、後述する特別遊技中表示制御処理を実行する。次に、ステップ6200で、演出表示制御手段2320は、後述するエラー報知制御処理を実行する。次に、ステップ7000で、演出表示制御手段2320は、表示コマンド送信制御処理{詳細は割愛するが、例えば、サブメイン制御部2320側における情報送受信制御手段2400から、サブサブ制御部2310側における副情報送受信制御手段2450へ表示処理に係るコマンド(コマンドのセット処理については一例を後述する)を送信する処理に相当する。尚、当該受信したコマンドに基づき、サブサブ制御部2310側における画像表示制御手段2313が、画像表示処理を実行するよう構成されている}を実行し、本繰り返し処理ルーチンを終了する。
以上のように、サブメイン制御部は、リセット後、サブメイン側ルーチン(S5000〜S7000)をループ処理する形態を採用している。また、同図(c)の処理は、サブメイン制御部2320の割り込み処理であり、前述した主制御基板1000のSTB信号線からの信号がサブメイン制御部2320のCPUの一端子(本例では、NMI端子)に接続されていた場合における処理フロー(ステップ4700)である。即ち、サブメイン制御部2320のCPUにおいてNMI割り込みが発生した場合(STB信号線がオンとなった場合)、ステップ4800で、サブメイン制御部2320は、主制御装置1000側からのコマンド入力ポート(前述したデータ信号線の入力ポート)を確認する。そして、ステップ4900で、サブメイン制御部2320は、当該確認結果に基づき、サブメイン制御部2320側のRAM(本例では、メイン側情報一時記憶手段2321a)に、主制御装置1000側から送信されたコマンドを一時記憶し、本割り込み処理直前に実行されていた処理へ復帰する。
次に、図28は、図27におけるステップ5600のサブルーチンに係る、保留情報管理処理のフローチャートである。まず、ステップ5602で、装図保留情報表示制御手段2323は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から新たな保留発生コマンド(第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄に係る保留情報)を受信したか否かを判定する。ステップ5602でYesの場合、ステップ5604で、装図保留情報表示制御手段2323は、装図保留情報一時記憶手段2323a内の装図保留カウンタ(本例では、第1主遊技用が最大4個、第2主遊技用が最大4個)に「1」を加算する。次に、ステップ5606で、装図保留情報表示制御手段2323は、主制御装置1000側から送信された保留発生コマンドに基づき、保留情報(特に、主遊技図柄抽選に係る乱数値)を、装図保留情報一時記憶手段2323aに一時記憶し、ステップ5620に移行する。
他方、ステップ5602でNoの場合、ステップ5610で、装図保留情報表示制御手段2323は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から図柄変動表示開始指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ5610でYesの場合、ステップ5612で、装図保留情報表示制御手段2323は、装図保留情報一時記憶手段2323a内の装図保留カウンタから「1」を減算する。次に、ステップ5614で、装図保留情報表示制御手段2323は、当該図柄変動に係る保留情報を、装図保留情報一時記憶手段2323aから削除すると共に、残りの保留情報をシフトする。次に、ステップ5616で、演出表示制御手段2320は、装図表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグ領域にアクセスし、図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップ5620に移行する。
次に、ステップ5620で、装図保留情報表示制御手段2323は、演出表示手段2310を駆使して演出表示装置2140上(特に、第1保留表示部2312a、第2保留表示部2312b)に、装図保留情報一時記憶手段2323a内の装図保留カウンタ値と同数の保留表示ランプを点灯表示し、次の処理(ステップ5700の装飾図柄表示内容決定処理)に移行する。尚、ステップ5610でNoの場合には、ステップ5620に移行する。
次に、図29は、図27におけるステップ5700のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ5702で、装図表示内容決定手段2322aは、装図表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアを参照し、図柄内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ5702でYesの場合、ステップ5704で、装図表示内容決定手段2322aは、装図表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリア内の図柄内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ5706で、装図表示内容決定手段2322aは、メイン側情報一時記憶手段2321a内に一時記憶された図柄情報(主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様)と、装図変動内容決定用抽選テーブル2322a−1とを参照して、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定し装図表示関連情報一時記憶手段2322cに一時記憶する。ここで、装飾図柄の停止図柄としては、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)とし、ハズレや小当りの場合には、3つの数字がそろわない図柄とすることを例示することができる。また、装飾図柄の変動態様としては、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)に基づき、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ変動態様を決定することを例示することができる。
次に、ステップ5708で、装図表示内容決定手段2322aは、装図表示関連情報一時記憶手段2322c内の図柄内容決定フラグをオンにし、次の処理(ステップ5800の装飾図柄表示制御処理)に移行する。尚、ステップ5702でNoの場合にも、次の処理(ステップ5800の装飾図柄表示制御処理)に移行する。
次に、図30は、図27におけるステップ5800のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ5802で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図表示関連情報一時記憶手段2322c内の図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ5802でYesの場合、ステップ5804で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図表示関連情報一時記憶手段2322c内の図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ5806で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図表示関連情報一時記憶手段2322c内の図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ5809で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図変動時間管理タイマ2322dをスタートし、ステップ5810に移行する。尚、ステップ5802でNoの場合にも、ステップ5810に移行する。
次に、ステップ5810で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図表示関連情報一時記憶手段2322c内の図柄変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ5810でYesの場合、ステップ5812で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図変動時間管理タイマ2322dと装図表示関連情報一時記憶手段2322cに一時記憶された変動態様に基づき、装飾図柄の変動開始タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ5812でYesの場合、ステップ5814で、装飾図柄表示制御手段2322は、装飾図柄の変動表示コマンドをセットし、ステップ5830に移行する。他方、ステップ5812でNoの場合、ステップ5816で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図変動時間管理タイマ2322dと装図表示関連情報一時記憶手段2322cに一時記憶された変動態様に基づき、装飾図柄の停止表示タイミング(仮停止表示タイミング又は確定表示タイミング)に到達したか否かを判定する。ステップ5816でYesの場合、ステップ5818で、装飾図柄表示制御手段2322は、装飾図柄の停止表示コマンド(仮停止表示コマンド又は確定表示コマンド)をセットし、ステップ5830に移行する。他方、ステップ5816でNoの場合、ステップ5820で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図変動時間管理タイマ2322dと装図表示関連情報一時記憶手段2322cに一時記憶された変動態様に基づき、予告画像やリーチ画像の表示タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ5820でYesの場合、ステップ5822で、装飾図柄表示制御手段2322は、当該予告画像やリーチ画像に係る画像表示コマンドをセットし、ステップ5830に移行する。尚、ステップ5820でNoの場合には、ステップ5830に移行する。
次に、ステップ5830で、装飾図柄表示制御手段2322は、主遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する(例えば、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から主遊技図柄が停止表示される旨の情報を受信したか否かを判定する)。ステップ5830でYesの場合、ステップ5832で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図変動時間管理タイマ2322dを停止すると共にリセット(ゼロクリア)する。次に、ステップ5834で、装飾図柄表示制御手段2322は、装図表示関連情報一時記憶手段2322c内の図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(ステップ6000の特別遊技中表示制御処理)に移行する。尚、ステップ5810又はステップ5830でNoの場合にも、次の処理(ステップ6000の特別遊技中表示制御処理)に移行する。
次に、図31は、図27におけるステップ6000のサブルーチンに係る、特別遊技中表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ6002で、演出表示制御手段2320は、演出一般情報一時記憶手段2324のフラグエリアを参照し、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ6002でYesの場合、ステップ6004で、演出表示制御手段2320は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、メイン側から特別遊技開始表示指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ6004でYesの場合、ステップ6006及びステップ6008で、演出表示制御手段2320は、演出一般情報一時記憶手段2324のフラグエリア内の特別遊技中フラグをオンにすると共に、演出表示装置2140上で大当り開始表示を行い(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)、ステップ6012に移行する。尚、ステップ6002でNoの場合にも、ステップ6012に移行する。
次に、ステップ6012で、演出表示制御手段2320は、メイン側から逐次送信されている遊技情報に基づき、演出表示装置2140上にてラウンド数と入賞個数を逐次表示する(遊技性や大当りの種類等に基づき、必要に応じて適宜実行すればよい)。次に、ステップ6014で、演出表示制御手段2320は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、メイン側から特別遊技終了表示指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ6014でYesの場合、ステップ6016で、演出表示制御手段2320は、演出表示装置2140上で、大当り終了表示を行う(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)。次に、ステップ6018で、演出表示制御手段2320は、演出一般情報一時記憶手段2324のフラグエリア内の特別遊技中フラグをオフにし、次の処理(ステップ6200のエラー報知制御処理)に移行する。尚、ステップ6004又はステップ6014でNoの場合にも、次の処理(ステップ6200のエラー報知制御処理)に移行する。
次に、図32は、図27におけるステップ6200のサブルーチンに係る、エラー報知制御処理のフローチャートである。まず、ステップ6202で、エラー報知制御手段2325は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から、エラー報知開始制御コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ6202でYesの場合、ステップ6204で、エラー報知制御手段2325は、演出表示装置2140上で、始動口にて不正入賞が発生した旨のエラー報知を継続して実行する。次に、ステップ6206で、エラー報知制御手段2325は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から、エラー報知終了制御コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ6206でYesの場合、ステップ6208で、エラー報知制御手段2325は、演出表示装置2140上で継続して実行されているエラー報知を解除(消去)し、次の処理(ステップ7000の表示コマンド送信制御処理)に移行する。尚、ステップ6202又はステップ6206でNoの場合には、次の処理(ステップ7000の表示コマンド送信制御処理)に移行する。
以上のように構成することで、本実施形態に係るぱちんこ遊技機によれば、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられるよう構成されている状況下、一方の始動口のみに対して所定回数以上に亘って連続して入賞した場合には、始動口への不正入賞が発生したことを外部へ報知することができることとなる。よって、第1主遊技始動口2210への入球に起因して遊技者に付され得る利益率と第2主遊技始動口2110への入球に起因して遊技者に付され得る利益率とを異ならせるよう構成した場合であっても、ゴト行為によって{第2主遊技始動口2110への入球を集中して(連続して)発生させ}、設計値を超える利益率を導出されてしまう事態を効果的に防止することが可能となる。
尚、前述したように、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210側へ向けて所定個数(例えば、2個)の遊技球を振り分けた後に、第2主遊技始動口2110側へ向けて所定個数(例えば、2個)の遊技球を振り分ける動作を繰り返すよう構成した場合においても同様に適用可能であり、その場合には、当該所定個数以上の特定回数(例えば、5回)に亘って連続して入賞した場合には、始動口への不正入賞が発生したと判定するよう構成すればよい。
尚、本実施形態においては、主制御装置1000側において、始動口への不正入賞の発生有無を検出するよう構成されているが、これには限定されず、特に、サブメイン制御部2320側において、始動口への不正入賞の発生有無を検出するよう構成してもよい。その場合には、ステップ1330のサブルーチンに係る不正入賞判定処理や、ステップ1380のサブルーチンに係る不正入賞エラー報知制御処理を、サブメイン制御部2320側において実行するよう構成すればよい。
(変更例1)
尚、始動口への不正入賞を発生させるためのゴト行為は、電源断・電源断復帰と複合して実行されることが想定される。即ち、一方の始動口のみに対して所定回数以上に亘って連続して入賞した場合には、始動口への不正入賞が発生したと判定するよう構成した場合において、当該所定回数に到達するまでに一旦電断・電断復帰を行わせることで、連続入賞回数をリセットせしめる手法と複合させるのである。そこで、このような手法に対する対策としての構成一例を、本実施形態からの変更例(変更例1)とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
次に、図33は、本実施形態からの変更例1における、主制御装置1000が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。はじめに、本実施形態からの変更点は、ステップ3013−1(変1)、ステップ3013−2(変1)及びステップ3602(変1)についてであり、その目的は、電源断時において、一方の始動口のみに対する連続入賞回数に係る情報をバックアップすると共に、電源断復帰時において、当該バックアップした情報を復元することである。即ち、遊技機の電源断時(本例では、NMI割り込み時)において、ステップ3602(変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値及び前回入賞種別をバックアップ用のRAM領域に退避する。また、遊技機の電源投入後において、ステップ3013−1(変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、バックアップ用のRAM領域に退避された同一始動口連続入賞カウンタ値及び前回入賞種別を復元し、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値及び前回入賞種別としてセットする。次に、ステップ3013−2(変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内のエラー情報復元フラグをオンにする。尚、以上の処理において、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値及び前回入賞種別が、直接バックアップされるよう構成されている場合には、これらをバックアップ用のRAM領域に退避する処理及びバックアップ用のRAM領域から復元する処理は必要ないことを補足しておく。
次に、図34は、本実施形態からの変更例1における、図17のステップ1330のサブルーチンに係る、不正入賞判定処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態からの変更点は、ステップ1360(変1)〜ステップ1366(変1)についてであり、その目的は、電源断復帰時において復元された、一方の始動口のみに対する連続入賞回数に係る情報を所定期間(例えば、30秒間)に亘って保持した後にクリアすることである。ここで、このような処理としている趣旨は、前述したような、電源断・電源断復帰と複合してゴト行為が行われ得ることを想定し、当該所定期間に亘って継続して連続入賞回数に係るエラー報知が発生し易い状況を維持する(ゴト行為を遅延させることができる)一方、ゴト行為が行われていない場合には、速やかに当該エラー報知が発生し易い状況を解除するためである。即ち、ステップ1360(変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内のエラー情報復元フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1360(変1)でYesの場合、ステップ1362(変1)で、不正入賞判定手段1501は、遊技機の電源断復帰後から所定期間(例えば、30秒間)が経過したか否かを判定する。ステップ1362(変1)でYesの場合、ステップ1364(変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞カウンタ値Cntをクリアする。次に、ステップ1366(変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内のエラー情報復元フラグをオフにし、ステップ1332に移行する。尚、ステップ1360(変1)又はステップ1362(変1)でNoの場合には、ステップ1332に移行する。
以上のように構成することで、本実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機によれば、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられるよう構成されており、一方の始動口のみに対して所定回数以上に亘って連続して入賞した場合には、始動口への不正入賞が発生したことを外部へ報知することができるよう構成されている状況下、電源断時において、一方の始動口のみに対する連続入賞回数に係る情報をバックアップすると共に、電源断復帰時において、当該バックアップした情報を復元するよう構成されているため、始動口への不正入賞を発生させるためのゴト行為が、電源断・電源断復帰と複合して実行された場合であっても、連続入賞回数に係るエラー報知が発生し易い状況を維持することができる(ゴト行為を遅延させることができる)のである。
また、本実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機によれば、電源断復帰時において復元された、一方の始動口のみに対する連続入賞回数に係る情報を所定期間(本例では、30秒間)に亘って保持した後にクリアするよう構成されているため、当該所定期間に亘って継続して連続入賞回数に係るエラー報知が発生し易い状況を維持する(ゴト行為を遅延させることができる)一方、ゴト行為が行われていない場合には、速やかに当該エラー報知が発生し易い状況を解除することができることとなる。尚、ゴト行為の監視を主とするよう構成するのであれば、電源断復帰時において復元された、一方の始動口のみに対する連続入賞回数に係る情報をクリアしないよう構成しておくことが好適である。
(第二実施形態)
尚、本実施形態においては、一方の始動口のみに対して「所定回数以上に亘って連続して入賞した場合」には、始動口への不正入賞が発生したと判定するよう構成されているが、当該判定条件はこれには限定されない。そこで、当該判定条件として、「所定回数以上に亘って連続して入賞した場合」とは異なる条件にて構成する場合の一例を、第二実施形態とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
次に、図35は、第二実施形態における、図17のステップ1330のサブルーチンに係る、不正入賞判定処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態からの変更点は、ステップ1334(第2)〜ステップ1354(第2)及びステップ1358(第2)についてであり、その目的は、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した後、当該一方に再度入球するまでのインターバルに基づき、始動口への不正入賞が発生したか否かを判定することである。即ち、今回の入賞が、第1主遊技始動口2210への入賞である状況下、ステップ1334(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第1入賞間隔計時タイマ値がゼロ超過であるか否かを判定する。ステップ1334(第2)でYesの場合、ステップ1336(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第1入賞間隔異常検出フラグをオンにする。次に、ステップ1338(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第1入賞間隔計時タイマ値に所定値T(第1主遊技始動口2210→第2主遊技始動口2110→第1主遊技始動口2210と交互に連続入賞した場合における、振分始動口ユニット2600の機構上の最短間隔となる設計値)をセットしてカウントダウンを開始し、ステップ1354(第2)に移行する。他方、今回の入賞が、第2主遊技始動口2110への入賞である状況下、ステップ1344(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第2入賞間隔計時タイマ値がゼロ超過であるか否かを判定する。ステップ1344(第2)でYesの場合、ステップ1346(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第2入賞間隔異常検出フラグをオンにする。次に、ステップ1348(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第2入賞間隔計時タイマ値に所定値T(第2主遊技始動口2110→第1主遊技始動口2210→第2主遊技始動口2110と交互に連続入賞した場合における、振分始動口ユニット2600の機構上の最短間隔となる設計値)をセットしてカウントダウンを開始し、ステップ1354(第2)に移行する。次に、ステップ1354(第2)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の第1入賞間隔異常検出フラグ(又は第2入賞間隔異常検出フラグ)がオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1354(第2)でYesである場合には、ステップ1356及びステップ1358(第2)で、不正入賞判定手段1501は、始動口への不正入賞が発生したと判定し、入賞関連情報一時記憶手段1502内の同一始動口連続入賞エラー報知許可フラグをオンにすると共に、当該オンである第1入賞間隔異常検出フラグ(又は第2入賞間隔異常検出フラグ)をオフにする。
以上のように構成することで、第二実施形態に係るぱちんこ遊技機によれば、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられるよう構成されている状況下、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した後、当該一方に再度入球するまでのインターバルが、振分始動口ユニット2600の機構上の最短間隔となる設計値よりも短期間である場合には、始動口への不正入賞が発生したことを外部へ報知することができることとなる。よって、第1主遊技始動口2210への入球に起因して遊技者に付され得る利益率と第2主遊技始動口2110への入球に起因して遊技者に付され得る利益率とを異ならせるよう構成した場合であっても、ゴト行為によって{第2主遊技始動口2110への入球を集中して(連続して)発生させ}、設計値を超える利益率を導出されてしまう事態を効果的に防止することが可能となる。
尚、前述したように、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210側へ向けて所定個数(例えば、2個)の遊技球を振り分けた後に、第2主遊技始動口2110側へ向けて所定個数(例えば、2個)の遊技球を振り分ける動作を繰り返すよう構成した場合においても同様に適用可能であり、その場合には、前述した所定値Tを適宜延長するよう構成すればよい。また、第二実施形態においても、本実施形態と同様に、サブメイン制御部2320側において、始動口への不正入賞の発生有無を検出するよう構成してもよい。
(第二実施形態の変更例1)
尚、始動口への不正入賞を発生させるためのゴト行為は、第1主遊技始動口2210や第2主遊技始動口2110へ直接遊技球を入球させる(或いは、金属球が先端に取り付けられた棒状部材を遊技機外部から挿入し、始動口の入球センサをきらせる)手法、即ち、共通入球口2610へ遊技球を入球させることなく、不正入賞を発生せしめる手法が想定される。そこで、このような手法に対する対策としての構成一例を、第二実施形態からの変更例(変更例1)とし、以下、第二実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
次に、図36は、第二実施形態からの変更例1における、図14のステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。はじめに、第二実施形態からの変更点は、ステップ1301−1(第2変1)及びステップ1301−2(第2変1)についてであり、その目的は、共通入球口2610へ流入した遊技球の個数を、振分始動口ユニット2600内に存在すると見做す遊技球個数として加算することである。即ち、ステップ1301−1(第2変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、共通入球口2610に遊技球が入球したか否かを判定する。ここで、当該判定を行うに際しては、共通入球口2610にセンサ(他の入球口に用いられるセンサと同様のセンサ)を設けておき、当該センサからの信号に基づき判定するよう構成すればよい。ステップ1301−1(第2変1)でYesの場合、ステップ1301−2(第2変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の有効入球数カウンタ値を1加算(インクリメント)し、ステップ1302に移行する。尚、ステップ1301−1(第2変1)でNoの場合には、ステップ1302に移行する。
次に、図37は、第二実施形態からの変更例1における、図36のステップ1330のサブルーチンに係る、不正入賞判定処理のフローチャートである。はじめに、第二実施形態からの変更点は、ステップ1331(第2変1)、ステップ1335(第2変1)及びステップ1345(第2変1)についてであり、その目的は、第1主遊技始動口2210や第2主遊技始動口2110に入球した遊技球の個数を、振分始動口ユニット2600内に存在すると見做す遊技球個数から減算すると共に、当該遊技球個数に基づき不正入賞の判定条件を充足したか否かを判定することである。即ち、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれかに入球した場合における、ステップ1331(第2変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の有効入球数カウンタ値を1減算(デクリメント)し、ステップ1332に移行する。また、第二実施形態において不正入賞の一判定条件を充足した場合における、ステップ1335(第2変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の有効入球数カウンタ値が所定値(本例では、ゼロ)未満であるか否かを判定する。そして、ステップ1335(第2変1)でYesの場合には、不正入賞の判定条件を充足したものと見做すこととなる。また、同様に、ステップ1345(第2変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の有効入球数カウンタ値が所定値(本例では、ゼロ)未満であるか否かを判定する。そして、ステップ1345(第2変1)でYesの場合には、不正入賞の判定条件を充足したものと見做すこととなる。
以上のように構成することで、第二実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機によれば、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられるよう構成されており、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した後、当該一方に再度入球するまでのインターバルが、振分始動口ユニット2600の機構上の最短間隔となる設計値よりも短期間である場合には、始動口への不正入賞が発生したことを外部へ報知することができるよう構成されている状況下、共通入球口2610へ流入した遊技球の個数と第1主遊技始動口2210又は第2主遊技始動口2110に入球した遊技球の個数とに基づき、当該不正入賞が、共通入球口2610へ入球して発生したものなのか、共通入球口2610へ入球せず発生したものなのかを切り分けることが可能となる結果、当該不正入賞に係る判定精度をより高めることができることとなる。
尚、前述したように、共通入球口2610へ流入した遊技球は、振分始動口ユニット2600内の遊技球を第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110に入球させることなく振分始動口ユニット2600外へと排出可能な排出口2620から排出され得る{但し、その事象が発生する確率は、極めて低確率(例えば、1/10000未満)である}ため、このような事態を踏まえて設計しておいてもよい。その場合には、排出口2620にセンサ(他の入球口に用いられるセンサと同様のセンサ)を設けておき、当該センサにて遊技球を検出した場合には、入賞関連情報一時記憶手段1502内の有効入球数カウンタ値をデクリメントする、等を挙げることができる。
尚、共通入球口2610にセンサ(他の入球口に用いられるセンサと同様のセンサ)を設けるよう構成した場合、第二実施形態におけるステップ1338(第2)やステップ1348(第2)でセットする所定値T(第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した後、当該一方に再度入球するまでのインターバルとしてセットする時間値)を補正するよう構成することも可能である。ここで、振分部材2630の左右方向への傾倒動作は、支軸2631に汚れ等が付着すると、当該傾倒動作が緩慢になることが想定され、その結果、当該インターバルは設計値よりも長期間となってしまう恐れがある(結果として、不正入賞であるものが不正入賞でないと見做される恐れがある)ため、所定値Tを補正する必要が生じてくるのである。よって、具体的には、ある遊技球が共通入球口2610に入球してから、当該ある遊技球が第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に入球するまでの期間を測定し、当該測定した期間が設計値よりも長期間となった場合には、振分部材2630の左右方向への傾倒動作が緩慢になったものと見做し、双方の期間の差分(正確には、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110に交互に入賞するよう構成されていた場合には、当該差分×2となる期間)を所定値Tに加算して補正するよう構成することで、本目的を達成することができることとなる。尚、このように構成する場合には、共通入球口2610に遊技球が連続して入球することで、「ある遊技球が共通入球口2610に入球してから、当該ある遊技球が第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に入球するまでの期間」の測定結果が不正確となってしまう事態をケアする必要があるが、後述する手法を準用することで解消することができることを補足しておく。
(第三実施形態)
尚、始動口への不正入賞が発生したと判定する判定条件として、本実施形態及び第二実施形態とは更に異なる条件にて構成することも可能である。そこで、このような構成の一例を、第三実施形態とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
次に、図38は、第三実施形態における、図17のステップ1330のサブルーチンに係る、不正入賞判定処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態からの変更点は、ステップ1334(第3)及びステップ1344(第3)についてであり、その目的は、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果とが整合しているか否かを判定することである。即ち、第1主遊技始動口2210へ入球した場合における、ステップ1334(第3)で、不正入賞判定手段1501は、振分部材2630が「第1位置」に位置していないか否かを判定する。そして、ステップ1334(第3)でYesの場合には、不正入賞が発生したものと見做す一方、ステップ1334(第3)でNoの場合には、不正入賞が発生していないものと見做すこととなる。また、同様に、第2主遊技始動口2110へ入球した場合における、ステップ1344(第3)で、不正入賞判定手段1501は、振分部材2630が「第2位置」に位置していないか否かを判定する。そして、ステップ1344(第3)でYesの場合には、不正入賞が発生したものと見做す一方、ステップ1344(第3)でNoの場合には、不正入賞が発生していないものと見做すこととなる。
尚、振分部材2630の位置を検出する場合には、例えば、支軸2631の回転角を測定するよう構成してもよいし、振分部材2630の傾倒角度を検出(本例のような、支軸2631を中心とした三本足の部材であれば、足の存在位置を検出)するよう構成してもよい。また、ステップ1334(第3)においては、振分部材2630が「第1位置」に変位した後からの所定期間内での入球でないか否か、を判定条件とする{同様に、ステップ1344(第3)においては、振分部材2630が「第2位置」に変位した後からの所定期間内での入球でないか否か、を判定条件とする}よう構成してもよい。
以上のように構成することで、第三実施形態に係るぱちんこ遊技機によれば、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられるよう構成されている状況下、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した時点での、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果とが整合していない場合には、始動口への不正入賞が発生したことを外部へ報知することができることとなる。よって、第1主遊技始動口2210への入球に起因して遊技者に付され得る利益率と第2主遊技始動口2110への入球に起因して遊技者に付され得る利益率とを異ならせるよう構成した場合であっても、ゴト行為によって{第2主遊技始動口2110への入球を集中して(連続して)発生させ}、設計値を超える利益率を導出されてしまう事態を効果的に防止することが可能となる。
尚、前述したように、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210側へ向けて所定個数(例えば、2個)の遊技球を振り分けた後に、第2主遊技始動口2110側へ向けて所定個数(例えば、2個)の遊技球を振り分ける動作を繰り返すよう構成した場合においても同様に適用可能である(そのまま適用可能である)。また、第三実施形態においても、本実施形態と同様に、サブメイン制御部2320側において、始動口への不正入賞の発生有無を検出するよう構成してもよく、その場合には、振分部材2630の位置を検出するためのセンサを、サブメイン制御部2320側へ入力するよう構成しておくことが好適となる。
(第三実施形態の変更例1)
尚、第三実施形態のように構成する場合、共通入球口2610に遊技球が連続して入球することで、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した時点での、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果とが整合しなくなる事態をケアする必要がある。そこで、このような問題点を解決するための構成一例を、第三実施形態からの変更例(変更例1)とし、以下、第三実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
次に、図39は、第三実施形態からの変更例1における、図14のステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。はじめに、第三実施形態からの変更点は、ステップ1301−1(第3変1)及びステップ1301−2(第3変1)についてであり、その目的は、振分部材2630の傾倒動作(変位)が行われた後からの経過時間を計測すると共に、当該計測中において新たに振分部材2630の傾倒動作(変位)が行われた場合には、経過時間をリセットするよう構成することである。即ち、ステップ1301−1(第3変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、振分部材2630が新たに傾倒動作(変位)を行ったか否かを判定する。ステップ1301−1(第3変1)でYesの場合、ステップ1301−2(第3変1)で、不正入賞監視制御手段1500は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の連続入賞計時タイマに所定値T(振分部材2630によって遊技球が振り分けられた後、第1入球検出装置2211又は第2入球検出装置2111によって検出されるまでの最短時間となる設計値)をセットしカウントダウンを開始して、ステップ1302に移行する。尚、ステップ1301−1(第3変1)でNoの場合には、ステップ1302に移行する。
次に、図40は、第三実施形態からの変更例1における、図39のステップ1330のサブルーチンに係る、不正入賞判定処理のフローチャートである。はじめに、第三実施形態からの変更点は、ステップ1331(第3変1)についてであり、その目的は、振分部材2630の傾倒動作(変位)が行われた後からの経過時間が所定値T以上であった場合には、第三実施形態と同様に、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果とが整合しているか否かの判定処理を実行する一方、当該経過時間が所定値T未満であった場合には、当該判定処理を実行しないよう構成することである。即ち、ステップ1331(第3変1)で、不正入賞判定手段1501は、入賞関連情報一時記憶手段1502内の連続入賞計時タイマがタイムアップしたか否か、換言すれば、振分部材2630によって遊技球が振り分けられた後、第1入球検出装置2211又は第2入球検出装置2111によって検出されるまでの最短時間となる設計値が経過したか否かを判定する。ステップ1331(第3変1)でYesの場合には、第三実施形態と同様の処理が実行される一方、ステップ1331(第3変1)でNoの場合には、当該処理を実行することなく、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
以上のように構成することで、第三実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機によれば、共通入球口2610へ流入した遊技球が、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が交互に振り分けられるよう構成されており、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した時点での、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果とが整合していない場合には、始動口への不正入賞が発生したことを外部へ報知することができるよう構成されている状況下、振分部材2630の傾倒動作(変位)が行われた後からの経過時間が所定値T(振分部材2630によって遊技球が振り分けられた後、第1入球検出装置2211又は第2入球検出装置2111によって検出されるまでの最短時間となる設計値)以上であった場合には、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果とが整合しているか否かの判定処理を実行する一方、当該経過時間が所定値T未満であった場合には、当該判定処理を実行しないよう構成されているため、共通入球口2610に遊技球が連続して入球することで、振分部材2630直上にて遊技球が連続して存在している場合には、最後の遊技球を対象として、当該判定処理が実行され得る結果、第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方に遊技球が入球した時点での、振分部材2630の左右方向への傾倒動作と第1主遊技始動口2210及び第2主遊技始動口2110のいずれか一方への入球結果との整合性の判定精度をより高めることができることとなる。
(補足説明)
尚、以上の実施形態及び変更例にて示した夫々の構成を組み合わせて実施することも可能であり、如何様な組み合わせであっても適宜設計事項の範囲内である。例えば、本実施形態からの変更例1にて示した「電源断時において、不正入賞に係る情報をバックアップすると共に、電源断復帰時において、当該バックアップした情報を復元する」との概念を、他の実施形態及び変更例に適用して、エラー報知が発生し易い状況を維持するよう構成することは容易である。また、例えば、第二実施形態からの変更例1にて示した「不正入賞が、共通入球口2610へ入球して発生したものなのか、共通入球口2610へ入球せず発生したものなのかを切り分ける」との概念を、他の実施形態及び変更例に適用して、不正入賞に係る判定精度をより高めるよう構成することは容易である。更に、第三実施形態からの変更例1にて示した「振分部材2630直上にて遊技球が連続して存在している場合には、最後の遊技球を対象として不正入賞判定処理を実行する」との概念を、他の実施形態及び変更例に適用して、不正入賞に係る判定精度をより高めるよう構成することは容易である。また、不正入賞の判定条件が異なる、本実施形態、第二実施形態、第三実施形態を併用することで、不正入賞に係る検出性能を向上させるよう構成することもまた容易である。
2600 振分ユニット部材、2600B 背面部材
2600F 前面カバー部材、2600F0 共通入球口
2600F1 誘導リブL、2600F2 誘導リブR
2600F−a 振分部材支持部、2600Fb−1〜3 排出口
2600I 振分部材、2600I−a 金属球
2600I−b 転動空間、2600I−H 軸穴
2600I−L 羽根L、2600I−M 羽根M
2600I−R 羽根R
1000 主制御装置、1100 遊技制御手段
1110 入球判定手段、1111 第1主遊技始動口入球判定手段
1112 第2主遊技始動口入球判定手段、1113 補助遊技入球口入球判定手段
1120 乱数取得判定実行手段、1121 第1主遊技乱数取得判定実行手段
1122 第2主遊技乱数取得判定実行手段、1123 補助遊技乱数取得判定実行手段
1130 保留制御手段、1131 第1主遊技図柄保留手段
1131a 第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段、1132 第2主遊技図柄保留手段
1132a 第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段、1133 補助遊技図柄保留手段
1133a 補助遊技図柄保留情報一時記憶手段、1135 当否抽選手段
1135a 特別遊技移行決定手段、1135b 当否抽選用テーブル
1135b−1 第1主遊技用当否抽選テーブル、1135b−3 第2主遊技用当否抽選テーブル
1140 図柄内容決定手段、1141 第1主遊技内容決定手段
1141a 第1主遊技内容決定用抽選テーブル、1142 第2主遊技内容決定手段
1142a 第2主遊技内容決定用抽選テーブル、1143 補助遊技内容決定手段
1143a 補助遊技内容決定用抽選テーブル、1150 表示制御手段
1151 第1主遊技図柄制御手段、1151a 第1主遊技図柄変動時間管理手段
1151a−1 第1主遊技図柄変動管理用タイマ、1152 第2主遊技図柄制御手段
1152a 第2主遊技図柄変動時間管理手段、1152a−1 第2主遊技図柄変動管理用タイマ
1154 主遊技図柄保留解除制御手段、1153 補助遊技図柄制御手段
1153a 補助遊技図柄変動時間管理手段、1153a−1 補助遊技図柄変動管理用タイマ
1160 電動役物開閉制御手段、1161 条件判定手段
1162 開放タイマ、1170 特別遊技制御手段
1171 条件判定手段、1172 特別遊技内容決定手段
1172a 特別遊技内容参照テーブル、1173 特別遊技実行手段
1174 特別遊技時間管理手段、1174a 特別遊技用タイマ
1180 特定遊技制御手段、1181 特定遊技終了条件判定手段
1181a 時短回数カウンタ、1190 遊技状態一時記憶手段
1191 第1主遊技状態一時記憶手段、1191a 第1フラグ一時記憶手段
1191b 第1主遊技図柄情報一時記憶手段、1192 第2主遊技状態一時記憶手段
1192a 第2フラグ一時記憶手段、1192b 第2主遊技図柄情報一時記憶手段
1193 補助遊技状態一時記憶手段、1193a 補助遊技関連情報一時記憶手段
1193b 補助遊技図柄情報一時記憶手段、1194 特別遊技関連情報一時記憶手段
1300 情報送信制御手段、1301 コマンド送信用バッファ
1400 賞球払出決定手段、1500 不正入賞監視制御手段
1501 不正入賞判定手段、1502 入賞関連情報一時記憶手段
2000 遊技周辺機器
2210 第1主遊技始動口、2211 第1入球検出装置
2130 第1主遊技図柄表示装置、2131 第1主遊技図柄表示部
2132 第1主遊技図柄保留表示部、2110 第2主遊技始動口
2111 第2入球検出装置、2110(2) 第2−2主遊技始動口
2111(2) 第2−2入球検出装置、2112 電動役物
2230 第2主遊技図柄表示装置、2231 第2主遊技図柄表示部
2232 第2主遊技図柄保留表示部、2120 第1大入賞口
2121 第1入賞検出装置、2122 第1電動役物
2220 第2大入賞口、2221 第2入賞検出装置
2222 第2電動役物、2410 補助遊技入球口
2411 入球検出装置、2420 補助遊技図柄表示装置
2421 補助遊技図柄表示部、2422 補助遊技図柄保留表示部
2320 演出表示制御手段(サブメイン制御基板)、2321 表示情報受信手段
2321a メイン側情報一時記憶手段、2322 装飾図柄表示制御手段
2322a 装図表示内容決定手段、2322a−1 装図変動内容決定用抽選テーブル
2322c 装図表示関連情報一時記憶手段、2322d 装図変動時間管理タイマ
2323 装図保留情報表示制御手段、2323a 装図保留情報一時記憶手段
2324 演出一般情報一時記憶手段、2325 エラー報知制御手段
2400 情報送受信制御手段
2310 演出表示手段(サブサブ制御基板)、2450 副情報送受信制御手段
2313 画像表示制御手段、2313a 画像表示関連情報一時記憶手段
2311 装飾図柄表示領域、2312a 第1保留表示部
2312b 第2保留表示部、3000 賞球払出制御装置