JP2014113609A - 保護面及びアーク溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接電流又は溶接電圧の波形によって判別することができない要因に基づくアーク光の強度の変動が生じても、溶接部を常に鮮明に目視することができる保護面HGを提供すること。
【解決手段】アーク光から溶接作業者の目を保護する遮光パネルGPを装着した保護面HGにおいて、遮光パネルGPを透過したアーク光の照度を測定する照度センサSDと、この照度の測定値Sdが予め定めた照度設定値と等しくなるように前記遮光パネルGPの光透過率を制御する透過率制御部GCと、を備えている。溶接姿勢、溶接進行位置、アーク発生部から保護面までの距離等の溶接電流又は溶接電圧の波形によってその変化を判別することができない要因によってアーク光の強度が変動しても、遮光パネルGPを透過した後の照度を所望値に保つことができるので、溶接部を常に鮮明に目視することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】アーク光から溶接作業者の目を保護する遮光パネルGPを装着した保護面HGにおいて、遮光パネルGPを透過したアーク光の照度を測定する照度センサSDと、この照度の測定値Sdが予め定めた照度設定値と等しくなるように前記遮光パネルGPの光透過率を制御する透過率制御部GCと、を備えている。溶接姿勢、溶接進行位置、アーク発生部から保護面までの距離等の溶接電流又は溶接電圧の波形によってその変化を判別することができない要因によってアーク光の強度が変動しても、遮光パネルGPを透過した後の照度を所望値に保つことができるので、溶接部を常に鮮明に目視することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アーク光から溶接作業者の目を保護するために遮光パネルの光透過率を制御する保護面及びこれを備えたアーク溶接装置に関するものである。
溶接作業者が手動でアーク溶接を行う場合、アーク光から目を保護するために遮光パネルを装着した保護面を使用する。遮光パネルは、光の透過率を小さくしたフィルタであり、この遮光パネルによってアーク発生部を目視で確認しながら溶接を行うことができる。溶接電流の大きさによってアーク光の強度が異なるので、光透過率が異なる複数の遮光パネルを用意しておき、溶接電流値に応じて遮光パネルを取り換えて使用する。アークが点弧するまでは遮光パネルによってほとんど溶接部を見ることはできないので、アークが点弧するまでは保護面を目の前から退避させておき、アークが点弧すると目の前に構えるという煩雑な操作を行う必要がある。
特許文献1の発明は、紫外線センサによってアーク光の発生を検出し、保護メガネ(保護面)の光透過率を変化させるものである。すなわち、紫外線センサがアーク光を検出していないとき(アーク点弧前のとき)は、光透過率を大きくして周囲が目視できるようにしている。そして、紫外線センサがアーク光を検出すると、光透過率が小さくなり暗転し、アーク光を遮光してアーク発生部が目視できるようにしている。光透過率の変化は、液晶パネルによって行う。この液晶パネルに基準以上の電圧を印加すると光透過率が大きくなり、電圧が印加されていないときは光透過率が最小となる。印加する電圧値に応じて光透過率を無段階に調整することができる。
特許文献2の発明は、溶接状態を検出し、この溶接状態に応じて保護シールド(遮光パネル)の光透過率を変化させるものである。すなわち、溶接電流の大きさ、短絡状態又はアーク発生状態のとき、交流アーク溶接の電極プラス極性又は電極マイナス極性のとき、パルスアーク溶接のピーク期間又はベース期間のときに、光透過率を変化させる。これにより、溶接状態を鮮明に目視できるようにしている。
上述した特許文献1では、アーク光が発生すると、保護面の遮光パネルの光透過率が自動的に小さくなるので、溶接作業者の目をアーク光から保護することができる。しかし、この特許文献1では、溶接電流値、アーク発生状態、アーク極性等の溶接状態によってアーク光の強度が変化しても、遮光パネルの光透過率は一定値であるので、溶接部が明る過ぎて目に負担となったり、逆に暗くなり目視しづらくなったりする場合があった。
上述した特許文献2では、溶接状態に適した光透過率に遮光パネルを変化させることができるので、溶接部を常に鮮明に目視することができる。しかし、この特許文献2によって遮光パネルの光透過率を適正化することができる溶接状態は、溶接電流の大小、短絡期間又はアーク期間、パルスアーク溶接のピーク期間又はベース期間、交流アーク溶接の電極プラス極性又は電極マイナス極性等である。すなわち、溶接電流又は溶接電圧の波形から溶接状態を判別することができる場合である。
溶接作業者が手動でアーク溶接を行っているときに、溶接トーチの前進角等の溶接姿勢が変わると、アーク光の強度が変化するために、遮光パネルを透過した後の明るさが変動することになる。溶接の進行位置によっても、遮光パネルに照射されるアーク光の強度は変動する。さらには、アーク発生部と保護面との距離によっても、遮光パネルに照射されるアーク光の強度は変動する。アーク光の強度が変動するこれらの要因は、溶接電流又は溶接電圧の波形によって判別することができないので、遮光パネルの光透過率を適正化できず、溶接部を常に鮮明に目視することができないという問題があった。
そこで、本発明は、溶接電流又は溶接電圧の波形によって判別することができない要因に基づくアーク光の強度の変動が生じても、溶接部を常に鮮明に目視することができる保護面及びアーク溶接装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、アーク光から溶接作業者の目を保護する遮光パネルを装着した保護面において、
前記遮光パネルを透過したアーク光の照度を測定する照度センサと、この照度の測定値が予め定めた照度設定値と等しくなるように前記遮光パネルの光透過率を制御する透過率制御部と、を備えたことを特徴とする保護面である。
前記遮光パネルを透過したアーク光の照度を測定する照度センサと、この照度の測定値が予め定めた照度設定値と等しくなるように前記遮光パネルの光透過率を制御する透過率制御部と、を備えたことを特徴とする保護面である。
請求項2の発明は、前記遮光パネルの光透過率に上限値を設けた、ことを特徴とする請求項1記載の保護面である。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の保護面と、電極に給電する溶接トーチと、前記電極と母材との間にアークを発生させる溶接電流及び溶接電圧を出力する溶接電源と、を備えたことを特徴とするアーク溶接装置である。
本発明によれば、溶接姿勢、溶接進行位置、アーク発生部から保護面までの距離等の溶接電流又は溶接電圧の波形によってその変化を判別することができない要因によってアーク光の強度が変動しても、遮光パネルを透過した後の照度を所望値に保つことができる。したがって、本発明では、溶接電流又は溶接電圧の波形によって判別することができない要因に基づくアーク光の強度の変動が生じても、溶接部を常に鮮明に目視することができる保護面及びアーク溶接装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る保護面を含むアーク溶接装置のブロック図である。同図は、アーク溶接装置が非消耗電極アーク溶接装置の場合であるが、消耗電極アーク溶接装置の場合も同様である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
溶接電源PSは、一般的な定電流特性を有する非消耗電極アーク溶接用の溶接電源であり、後述する溶接開始信号StがHighレベルになると、設定された溶接電流Iwを出力する。
溶接トーチ4の先端に装着されたタングステン等の電極1と母材2との間に溶接電流Iwが通電するアーク3が発生し、溶接電圧Vwが印加する。
トーチスイッチSTは、溶接トーチ4に設けられており、溶接作業者がオンするとHighレベルになる溶接開始信号Stを出力する。この溶接開始信号StがHighレベルになると、溶接電源PSは起動される。
破線で囲まれた保護面HGは、照度センサSD、透過率制御回路GC及び遮光パネルGPを備えている。保護面HGは、遮光パネルGPによってアーク光の光透過率が制限されて、溶接作業者の目をアーク光から保護する。
照度センサSDは、遮光パネルGPを透過した後の照度を測定して、照度測定信号Sdを出力する。
透過率制御回路GCは、上記の照度測定信号Sdを入力として、照度測定信号Sdの値が予め定めた照度設定値と等しくなるように透過率制御信号Gcを出力する。このときに、透過率制御信号Gcの値に上限値を設けても良い。このようにすれば、遮光パネルGPの光透過率に上限値が設けられるので、過渡的に明るくなり過ぎて目に負担をかけることを防止することができる。
遮光パネルGPは、上記の透過率制御信号Gcを入力として、透過率制御信号Gcによって定まる光透過率に制御される。遮光パネルGPは、従来技術と同様に、印加される電圧値によって光透過率を複数段階に変化させることができる液晶パネルを用いる。
保護面HGは、遮光パネルGPを透過した光の照度が照度設定値と等しくなるように、遮光パネルGPの光透過率が自動的に変化する。したがって、溶接中に、溶接姿勢、溶接進行位置、アーク発生部から保護面HGまでの距離等が変化してアーク光の強度が変動しても、遮光パネルGPを透過した後の明るさを一定に保つことができる。この結果、目への負担をかけることなく、溶接部を常に鮮明に目視することができる。
図2は、図1で上述した保護面HGの各信号の波形図である。同図(A)は溶接電流Iwを示し、同図(B)は溶接トーチ4の前進角θを示し、同図(C)は遮光パネルGPを透過する前の照度Spを示し、同図(D)は透過率制御信号Gcを示し、同図(E)は照度測定信号Sdを示す。以下、同図を参照して説明する。
溶接電流Iwは、同図(A)に示すように、一定値である。そして、同図(B)に示すように、前進角θが時間経過に伴って連続的に大きくなる場合である。前進角θが大きくなると、同図(C)に示すように、遮光パネルGPを透過する前の照度Spは次第に大きくなる。これは、遮光パネルGPに照射されるアーク光の強度が大きくなることに対応している。
照度Spが大きくなると、同図(D)に示すように、透過率制御信号Gcは次第に小さくなり、光透過率が小さくなる。この結果、同図(E)に示すように、照度測定信号Sdの値は一定値(照度設定値)となる。このように、アーク光の強度が変動しても、遮光パネルGPを透過した後の照度は常に所望値となる。
同図は、溶接姿勢が変化した場合であるが、溶接進行位置、アーク発生部から保護面までの距離等が変化して遮光パネルGPに照射されるアーク光の強度が変動した場合も同様である。
上述した実施の形態に係る保護面HGによれば、遮光パネルGPを透過したアーク光の照度を測定する照度センサSDと、この照度の測定値が予め定めた照度設定値と等しくなるように遮光パネルGPの光透過率を制御する透過率制御部GCと、を備えている。これにより、溶接姿勢、溶接進行位置、アーク発生部から保護面までの距離等の溶接電流又は溶接電圧の波形によってその変化を判別することができない要因によってアーク光の強度が変化しても、遮光パネルを透過した後の照度を所望値に保つことができる。したがって、本実施の形態では、溶接電流又は溶接電圧の波形によって判別することができない要因に基づくアーク光の強度の変動が生じても、溶接部を常に鮮明に目視することができる保護面及びアーク溶接装置を提供することができる。
1 電極
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
GC 透過率制御回路
Gc 透過率制御信号
GP 遮光パネル
HG 保護面
Iw 溶接電流
PS 溶接電源
SD 照度センサ
Sd 照度測定信号
Sp 遮光パネルを透過する前の照度
ST トーチスイッチ
St 溶接開始信号
Vw 溶接電圧
θ 前進角
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
GC 透過率制御回路
Gc 透過率制御信号
GP 遮光パネル
HG 保護面
Iw 溶接電流
PS 溶接電源
SD 照度センサ
Sd 照度測定信号
Sp 遮光パネルを透過する前の照度
ST トーチスイッチ
St 溶接開始信号
Vw 溶接電圧
θ 前進角
Claims (3)
- アーク光から溶接作業者の目を保護する遮光パネルを装着した保護面において、
前記遮光パネルを透過したアーク光の照度を測定する照度センサと、この照度の測定値が予め定めた照度設定値と等しくなるように前記遮光パネルの光透過率を制御する透過率制御部と、を備えたことを特徴とする保護面。 - 前記遮光パネルの光透過率に上限値を設けた、ことを特徴とする請求項1記載の保護面。
- 請求項1又は2記載の保護面と、電極に給電する溶接トーチと、前記電極と母材との間にアークを発生させる溶接電流及び溶接電圧を出力する溶接電源と、を備えたことを特徴とするアーク溶接装置。
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---|---|---|---|
JP2012268462A JP2014113609A (ja) | 2012-12-07 | 2012-12-07 | 保護面及びアーク溶接装置 |
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