JP2014109089A - 吸引式便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】便を含む排水のスムーズな吸引
【解決手段】
吸引式便器10は、便器本体12の底部12bには、排水口32から水平方向に広がった便受部41と、便受部41の周縁部から立ち上がった段差部42と、段差部42の上縁から連続し、便受部41よりも急な傾斜を有する傾斜面部43とが設けられている。排水管路13は、少なくとも段差部42の上縁よりも上まで排水が溜まるように、便器本体12に溜まる排水の高さを規定する排水面規定部70を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は吸引式便器に関する。
例えば、特許文献1には吸引式便器が開示されている。特許文献1で開示された吸引式便器は、便器と、便器の排水口に接続された排水管路と、排水管路の他端に接続された負圧タンクと、排水管路に設けられた開閉弁とを備えている。そして、便器に排泄物や排水が溜まっている状態において、負圧タンクを負圧にし、開閉弁を開くことによって、便器に溜まった排泄物および排水が排水管路を通じて負圧タンクに吸引搬送されるようになっている。
また、寝床やベッドの横に置いて用いられるポータブルトイレも知られている(例えば、特許文献2)。これらのポータブルトイレは、排便に介護が必要な高齢者や病人等が用をたすために用いられる。
特開1998−195960号公報 特開2010−240165号公報
ポータブルトイレは、寝床やベッドの横に置いて、自力でトイレまで行けない高齢者や病人等が用をたすための簡易トイレとして使用されている。ポータブルトイレは、寝床やベッドの横に置かれ、排泄物を受けるバケツのような容器が便器に設置されており、通常は、蓋がされている。使用者は、蓋を開けて使用し、その後、便器に所定量の水を流すなどし、使用後は蓋をする。介護者は、容器を取り外して、トイレに捨てに行き、容器を洗浄して、再びセットする。
かかるポータブルトイレは、排泄物を受けた容器に蓋をしたのみで、臭いが生じ易い。また、容器を取り外して、トイレに捨てに行き、容器を洗浄して、再びセットする作業は、介護者にとって負担である。介護される者にとっても精神的に負担が生じる。
このようなことから、本発明者は、ポータブルトイレに吸引式便器を適用することを検討している。この場合、寝床やベッドの横に設置されたポータブルトイレから便を搬送する排水管路を敷設する必要がある。この際、排水管路の敷設が容易になるように排水管路はできるだけ細くしたい。しかしながら、人間の便には、直径が25mm程度で、長さが80mm程度の便が普通にある。このため、排水管路の管路の内径(直径)を、例えば、20mm程度に細くすると、便を吸引することが難しくなる。特に、太く棒状の便は、吸引する際に管路に詰まり易い。
この際、水を多く注水すれば、便の詰まりを多少解消できる。しかし、ポータブルトイレを設置する場所に水道管が設置されていない場合も多く、新規に水道管を引くのには多大なコストが掛かる。このため、使用者が容易に注水可能な程度の水(例えば、500mL程度の水)で、標準的な1回の排泄物を1回の吸引で便器から排出できるようにしたい。なお、500mL程度の水であれば、市販のペットボトルで用意でき、保管にも場所を取らず、それほど重たくないので取り回しが容易である。
ここで提案される吸引式便器は、底部に排水口が設けられた有底の容器である便器本体と、吸引口を備えた負圧タンクと、便器本体の排水口と負圧タンクの吸引口とを接続する排水管路と、排水管路または前記吸引口に設けられた開閉弁とを備えている。ここで、便器本体の底部には、排水口から水平方向に広がった便受部と、便受部の周縁部から立ち上がった段差部と、段差部の上縁から連続し、前記便受部よりも急な傾斜を有する傾斜面部とが設けられている。また、排水管路は、少なくとも段差部の上縁よりも上まで排水が溜まるように、便器本体に溜まる排水の高さを規定する排水面規定部を有する。この吸引式便器によれば、便器本体に溜まった便を含む排水は、便が適当に粉砕されつつ、排水口にスムーズに吸引される。
ここで、便受部は、排水口から水平方向に広がるにつれて上方に向かうように傾斜していてもよい。これにより、便受部に便が残留しにくくなる。また、排水口の中心を通る鉛直軸に対する便受部の傾斜角度は、例えば、凡そ40度以上としてもよい。これにより、便受部の高さを低く抑えることができる。また、排水口の中心を通る鉛直軸に対する便受部の傾斜角度は、例えば、凡そ80度以下としてもよい。これにより、便受部に便が残留し難くなる。
また、排水口の中心を通る鉛直軸Lに対する傾斜面部の傾斜角度は、例えば、凡そ20度以上としてもよい。この場合、傾斜面部の高さを低く抑えることができる。また、傾斜面部が緩やかであると、便やトイレットペーパが、傾斜面部に引っ掛かる。このため、傾斜面部の傾斜角度は45度以下としてもよい。これにより、傾斜面部に適当な傾斜が得られ、便やトイレットペーパが傾斜面部に引っ掛かるのをより確実に防止できる。
また、便受部の周縁部(上縁)を基準としたときの段差部の高さは、例えば、5mm以上30mm以下としてもよい。これにより、棒状の長い便が、一端を排水口に向けて、傾斜面部に沿って傾かせ、便器本体の底部に立った状態で配置された場合に、便と、便器本体との間には、より適切な隙間が形成される。これにより、便がよりスムーズに吸引される。
また、傾斜面部の下縁の最も広い間隔は、凡そ75mm以下であってもよい。これによって、例えば、長さが75mmを越えるような棒状の長い便が、典型的には、少なくとも一部を傾斜面部に掛けつつ、一端を排水口に向けて、便器本体の底部に立った状態で配置される。このため、かかる便を排水口からスムーズに吸引することができる。
また、排水口の内径(直径)は、例えば、15mm以上25mm以下であってもよい。また、便受部は、平面視において円形に形成されていてもよい。この場合、排水口の内径(直径)をD1とし、便受部の周縁部の内径(直径)(便受部の上縁の内径(直径))をD2としたときに、1.5≦(D2/D1)≦4.0の関係が成立するように構成してもよい。
また、排水管路は、排水口から下方に延びた導入管を有していてもよい。これにより、負圧タンクからの吸引力のみならず、重力の作用も合わせて、便を含む排水に作用させることができる。このため、排水をスムーズに引き込むことができる。
また、排水管路は、導入管の下端から水平方向に延びた横引き管を有していてもよい。さらに、導入管の管軸と、横引き管の管軸との交差角度が略90度であってもよい。この場合、導入管から屈曲して横引き管が設けられているので、排水の進行方向が凡そ直角に変わる。排水に含まれる便は、管路の壁面に激しく衝突し、さらに細かく砕かれる。さらに、屈曲部分では、排水には乱流が生じるので、便は、排水および排水に含まれる空気にさらに細かく混ざり合う。このようなことから、便やトイレットペーパが詰まらずにスムーズに流れる。
図1は本実施形態に係る吸引式便器の構成を示す右側面図である。 図2は、吸引式便器を底面から見た斜視図である。 図3は、インナースリーブが取り外された便器本体の平面図である。 図4は、インナースリーブが装着された便器本体の底部を拡大した断面図である。 図5は、インナースリーブの側面図である。 図6は、便器本体に接続される排水管路を示す斜視図である。 図7は、制御装置の制御フローを示すフローチャートである。 図8は、便器本体に落下した便の状態を示す図である。 図9は、サンプルにおける便器本体の底部の構造を示している。 図10は、便器本体12の変形例を示す図である。 図11は、便器本体12の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る吸引式便器を図面に基づいて説明する。以下の説明において、前、後、左、右は、それぞれ便座に腰掛けた使用者から見た方向を意味しており、図面には、それぞれ符号Fr、Bk、L、Rが付されている。また、各図において同じ作用を奏する部材や部位には、同じ符号を付し、適宜に重複する説明を省略している。
図1は本実施形態に係る吸引式便器10の構成を示す右側面図である。図2は、吸引式便器10を底面から見た斜視図である。本実施形態に係る吸引式便器10は、図1および図2に示すように、外枠11と、便器本体12と、排水管路13と、負圧タンク14と、開閉弁15と、制御装置100とを備えている。ここでは、まず外枠11を説明し、便器本体12と、排水管路13と、負圧タンク14と、開閉弁15と、制御装置100を順に説明する。
《外枠11》
外枠11は、土台21と、便座22と、背もたれ23と、肘掛24、25とを備えている。土台21は、全体として凡そ矩形の箱状のフレームで構成されており、便器本体12を収容しうる空間を有している。土台21には4つの脚部26〜29が設けられている。当該脚部26〜29によって、土台21の底部に所要のスペースが形成されている。
便座22は、吸引式便器10の上部に取り付けられている。背もたれ23は、便座22に腰掛けた使用者の背中を支持しうる部位であり、土台21の後側の側面から上方に延びている。肘掛24、25は、便座22に着座した使用者が肘を付く部位である。背もたれ23や肘掛24、25は、使用者の動作能力や介護者のニーズに合わせて、適宜に土台21から取り外すことができる。また、肘掛24、25および脚部26〜29は、それぞれ高さを調整する機構を有しており、使用者の体格や介護者のニーズに合わせてそれぞれ高さが調整できる。
土台21の上部は、便器本体12の上部開口31に合わせた形状で開口した開口を有している。土台21の内部に収容された便器本体12は、上部開口31が露出するように土台21の上部に取り付けられている。また、土台21の上部に取り付けられた便座22は、便器本体12の上部開口31の上縁に沿って配置される。便座22の詳細な図示は省略するが、便座22は上部は使用者が便器本体12に便を配設可能なように開口している。図示は省略するが、便座22の開口には蓋を取り付けても良い。かかる蓋は、人が座れるように所要の強度を持たせ、かつ、上部にクッションを備えていてもよい。この場合、吸引式便器10は、便器として使用しない場合には便座22に蓋をするとよく、これにより、臭いが拡散するのを防止でき、また、適宜に腰掛として利用できるようになる。
《便器本体12》
次に、便器本体12の構造を説明する。
便器本体12は、図1に示すように、有底の容器である。この実施形態では、便器本体12は、プラスチック成形品であり、上部12aが広く開口し、底部12bに向けて縮径した有底の容器である。ここでは、便器本体12は、ポリプロピレン製である。便器本体12の底部12bの内部には、インナースリーブ30が装着されている。図3は、インナースリーブ30が取り外された便器本体12の平面図である。図4は、インナースリーブ30が装着された便器本体12の底部12bを拡大した断面図である。
《便器本体12の上部12a》
この実施形態では、図3に示すように、便器本体12の上部12aは、便座に腰掛けた使用者から見た方向において前側が広くなっている。便器本体12の上部開口31は外側に折り返っている。便器本体12は、当該上部開口31および便器内が土台21の上部から見えるように、上記外枠11の土台21の開口に隙間なく納められている。また、便器本体12は、便座に腰掛けた使用者の臀部が納まる位置に合わせて、便器本体12のやや後方に底部12bが設けられている。
《便器本体12の底部12b》
便器本体12の底部12bには、図4に示すように、排水口32が設けられている。かかる排水口32の周囲には、便受部41と、段差部42と、傾斜面部43とが設けられている。この実施形態では、図1および図3に示すように、便器本体12の底部12bは、凡そ逆円錐状に形成されている。かかる逆円錐状の底部12bの深部には、インナースリーブ30が装着される有底の凹部12cが形成されている。かかる凹部12cは、円筒部51と、段差52と、窪み53とを備えている。
ここで、便器本体12の底部12bのうち、逆円錐状に形成された側面は、便器本体12の傾斜面部43を形成する。円筒部51は、逆円錐状に形成された側面の下縁から下方に延びている。円筒部51は、便器本体12の段差部42を形成する。段差52は、かかる円筒部51の下縁から水平方向に張り出している。窪み53は、段差52の内側縁から下方に連続している。窪み53は、円筒部51よりも内径が少し小さい円筒状の有底の窪みで構成されている。当該窪み53の底54は平板状であり、当該窪み53の底54の中心には、インナースリーブ30の下部が挿通される挿通孔55が形成されている。当該窪み53の底54に形成された挿通孔55の周り(窪み53の底54の底面)に、インナースリーブ30をビス止めするためのビス孔56が形成されている。
《インナースリーブ30》
図5は、インナースリーブ30の側面図である。インナースリーブ30は、図5に示すように、便器本体12の底部12bに装着される筒状の部材である。この実施形態では、インナースリーブ30は塩化ビニル製である。インナースリーブ30は、上側軸部36と、下側軸部37を備えている。上側軸部36は、便器本体12の底部12bに装着される部位である。
上側軸部36は、便器本体12の底部12bに形成された、円筒部51の下部および窪み53に装着される。上側軸部36は、便器本体12の底部12bに凡そ隙間なく嵌る外形を有している。つまり、インナースリーブ30の上側軸部36の上段には、便器本体12の円筒部51に嵌る円筒部36aを有している。インナースリーブ30の上側軸部36の中段には、便器本体12の円筒部51の下部の段差52に合わせて段差36bが設けられている。インナースリーブ30の上側軸部36の下段には、上側軸部61の下段の円筒状の窪み53に嵌る円筒部36cを有している。
下側軸部37は、上側軸部36の下段の円筒部36cよりも細い軸37aで構成されている。当該軸37aは、便器本体12の底部12bの窪み53に形成された挿通孔55に挿通される。この実施形態では、上側軸部36の円筒部36a、36cと下側軸部37の軸37aとは、それぞれ同軸に沿って形成されている。
インナースリーブ30の上部には、便受部41となる逆円錐状の窪みが形成されている。当該窪み(便受部41)の中心に、排水口32が形成されている。そして、インナースリーブ30の中心軸L1(図1参照)に沿って、排水口32に連なる管路33が、上側軸部36と下側軸部37を貫通している。この実施形態では、段差部42(インナースリーブ30の上端)の直径は凡そ65mmである。排水口32および排水口32に連なる管路33の直径は凡そ20mmである。
《便器本体12の底部12bへのインナースリーブ30の取り付け構造》
この実施形態では、図4に示すように、便器本体12の底部12bにインナースリーブ30が取り付けられている。当該インナースリーブ30を便器本体12に取り付けることによって便受部41および排水口32が便器本体12の底部12bに設けられている。以下、便器本体12の底部12bの構造およびインナースリーブ30の取り付け構造をさらに説明する。
このインナースリーブ30は、図4に示すように、便器本体12の底部12bに形成された挿通孔55に下側軸部37を挿通させ、上側軸部36を便器本体12の底部12bに形成された窪み53および円筒部51に装着している。この際、窪み53の底には平板リング状のシール材57が装着されている。また、円筒部51と窪み53とに設けられた段差52には、Oリング58が装着されている。そして、便器本体12の底部12bの挿通孔55の周り(窪み53の底54の底面)に形成されたビス孔56を通じて、ビス59によってインナースリーブ30は便器本体12の底部12bにビス止めされている。
このように、この実施形態では、便器本体12の底部12bには、インナースリーブ30が装着されている。そして、インナースリーブ30の上面に便受部41が設けられ、排水口32が形成されている。さらに、便受部41の上縁からは、便器本体12の側面によって段差部42と傾斜面部43が形成されている。この実施形態では、便器本体12の底部12bからインナースリーブ30の下側軸部37が下方に延びている。インナースリーブ30の下側軸部37には、排水口32に連通した管路33が形成されている。以下、便器本体12の排水口32、管路33、便受部41、段差部42および傾斜面部43をさらに説明する。
《排水口32》
排水口32は、便器本体12に溜まった排水を排出する開口である。この実施形態では、排水口32は、インナースリーブ30に形成されている。排水口32は、インナースリーブ30に形成される管路33に連通している。管路33は、便器本体12の外部に延び出たインナースリーブ30の下側軸部37に沿って排水口32から凡そ垂直な軸Lに沿って真っ直ぐに形成されている。この実施形態では、インナースリーブ30に形成された排水口32および管路33の内径(直径)は、凡そ20mmである。
《便受部41》
便器本体12の底部12bに形成された便受部41は、排水口32から水平方向に広がっている。ここで、便受部41について、「水平方向に広がっている」とは、便受部41が排水口32から水平方向に広がった形態のみならず、水平方向に広がるにつれて上方に傾斜して広がっているような形態が含まれている。
この実施形態では、便受部41は、便器本体12の底部12bに装着されたインナースリーブ30の上面によって形成されている。また、便受部41は、排水口32から水平方向に広がるにつれて上方に傾斜して広がっている。より具体的には、便受部41は、排水口32の中心を通る鉛直軸L1を円錐軸とし、頂点を下方に向けた逆円錐の側面に沿った傾斜面で構成されている。排水口32の中心を通る鉛直軸L1に対する便受部41の傾斜角度θ1(図8参照)は、凡そ40度以上80度以下であるとよい。この実施形態では、便受部41の傾斜角度θ1(図8参照)は60度に設定されている。また、便受部41の下縁は排水口32となり、その内径D1(直径)は20mmである。また、便受部41の上縁は、段差部42となり、その内径D2(直径)は65mmである。
《段差部42》
段差部42は、便受部41の周縁部から立ち上がっている。この実施形態では、便器本体12の底部12bの内周面は、便器本体12の底部12bに装着されたインナースリーブ30の上部外周縁から上方に延びている。段差部42は、インナースリーブ30の上部外周縁から上方に延びた、便器本体12の底部12bの内周面によって構築されている。段差部42の高さ(便受部41と傾斜面部43との間の距離)は、凡そ10mm〜30mm程度にするとよく、好ましくは、15mm〜25mm程度にするとよい。この実施形態では、段差部42の高さを凡そ10mmとした。
《傾斜面部43》
傾斜面部43は、段差部42の上縁から連続し、便受部41よりも急な傾斜を有している。この実施形態では、傾斜面部43は、便器本体12の底部12bの内周面によって構築されている。傾斜面部43は、段差部42の上縁から水平方向に広がるにつれて上方に傾斜して広がっている。より具体的には、傾斜面部43は、排水口32の中心を通る鉛直軸L1を円錐軸とし、頂点を下方に向けた逆円錐の側面に沿った傾斜面で構成されている。傾斜面部43は、便受部41よりも急な傾斜を有しているとよい。排水口32の中心を通る鉛直軸L1に対する便受部41の傾斜角度θ2(図8参照)は、便受部41よりも急な傾斜とした上で、20度以上45度以下にするとよい。この実施形態では、排水口32の中心を通る鉛直軸L1に対する便受部41の傾斜角度θ1(図8参照)が60度であるのに対して、傾斜面部43の傾斜角度θ2(図8参照)は凡そ30度である。
後述するが、便器本体12の底部12b、特に、排水口32およびその近傍部分は、負圧タンク14による吸引力によって、大きな力がかかる。このため、便器本体12の底部12b、特に、排水口32およびその近傍部分は、所要の強度(剛性)を持たせたい。この実施形態では、この実施形態では、便器本体12の底部12bにインナースリーブ30が装着することによって、便器本体12の底部12bに所要の強度を持たせている。また、特に、強度を必要とする便器本体12の底部12bにインナースリーブ30を装着して、強度を確保しているが、便器本体12の他の部分は肉厚を薄くできる。このため、製造コストを少なく抑えることができる。
なお、この実施形態では、便器本体12の底部12bにインナースリーブ30が装着されているが、便器本体12は、インナースリーブ30を装着した形態に限定されない。例えば、便器本体12の底部12bに、排水口32を設け、排水口32の周囲に便受部41と、段差部42と、傾斜面部43とが順に設けられるように、便器本体12の底部12bを成形してもよい。
《カバー60》
この実施形態では、図1、図2および図4に示すように、かかる便器本体12の下部は、カバー60によって覆われている。カバー60は、土台21に取り付けられている。また、カバー60には、図4に示すように、便器本体12の底部12bから下方に延びたインナースリーブ30の下側軸部37が挿通するように、対応する位置に貫通孔62が形成されている。当該貫通孔62には、インナースリーブ30の下側軸部37および下側軸部37に取り付けられる排水管路13が挿通されている。
《配管スペース65》
また、この実施形態では、図1および図2に示すように、土台21の下部には、カバー60の下、および、カバー60の後ろ側(背もたれ23が設けられた部位の下側)に配管スペース65が設けられている。排水管路13は、かかる配管スペース65に配されている。
《排水管路13》
排水管路13は、図1に示すように、便器本体12の排水口32と負圧タンク14の吸引口93とを接続する管路である。この実施形態では、排水管路13は、便器本体12の底部12bから延びたインナースリーブ30の下側軸部37に接続されており、インナースリーブ30の管路33を通じて排水口32に接続されている。これにより、便器本体12の排水口32、インナースリーブ30の下側軸部37の管路33および排水管路13が連通されている。
図6は、便器本体12に接続される排水管路13を示す斜視図である。この実施形態では、排水管路13は、図1および図6に示すように、導入管71と、横引き管72と、立ち上がり管73と、横管74と、降下管75と、末管76と、接続管77とを備えている。排水管路13のうち、導入管71と、横引き管72と、立ち上がり管73と、横管74と、降下管75と、末管76は、塩化ビニル製の配管を用いている。
《導入管71》
導入管71は、図4に示すように、インナースリーブ30の下側軸部37に接続される管である。導入管71は、インナースリーブ30の下側軸部37が差し込まれる受口71aを有している。この実施形態では、導入管71とインナースリーブ30は同じ塩化ビニル製であるので、導入管71の受口71aと、インナースリーブ30の下側軸部37とは接着剤によって強固に接着することができる。
この実施形態では、導入管71は、インナースリーブ30の下側軸部37が差し込まれる受口71aを有し、排水口32から凡そ垂直に延びたインナースリーブ30の管路33に接続されている。導入管71は、当該受口71aから凡そ水平に屈曲しており、その先端には、横引き管72の一端が差し込まれる受口71bが設けられている。この実施形態では、インナースリーブ30の管路33の内径(直径)が凡そ20mmである。インナースリーブ30の管路33が接続される受口71a側では、導入管71から接続管77に至る管路の内径は凡そ20mmである。
ここで、導入管71の屈曲部分71cは、凡そ直角に屈曲させ、屈曲部分71cの高さ(エルボー高さ)を10mmとした。これによって、便器本体12の下部(ここでは、インナースリーブ30の下側軸部37)から導入管71および横引き管72の高さが低く抑えられている。
《横引き管72》
横引き管72は、カバー60の下の空間に配されている。横引き管72は、導入管71の下端から、カバー60の後ろに設けられた、吸引式便器10のカバー60の後ろ側の配管スペース65(図1参照)の左寄りの位置まで、左斜め後方向に延びている。横引き管72は、屈曲した継手81によって、立ち上がり管73に接続されている。
《立ち上がり管73》
立ち上がり管73は、吸引式便器10の配管スペース65の左寄りの位置で凡そ垂直に配されている。立ち上がり管73は、配管スペース65の上部の左寄りの位置において、横管74に接続されている。立ち上がり管73と横管74は、屈曲した継手82によって接続されている。
《横管74》
横管74は、吸引式便器10の配管スペース65の上部において凡そ左右に水平に配されている。横管74は、配管スペース65の上部の右よりの位置において、降下管75に接続されている。横管74と降下管75は、屈曲した継手83によって接続されている。
《降下管75》
降下管75は、図2に示すように、吸引式便器10のカバー60の後ろ側の配管スペース65の中央の位置で凡そ垂直に配されている。降下管75は、配管スペース65の下部の中央の位置において、末管76に接続されている。降下管75と末管76は、屈曲した継手84によって接続されている。
《末管76》
末管76は、吸引式便器10の後側の脚部28、29の間を抜けて、吸引式便器10の後方に端部76aを向けて配設されている。排水管路13は、導入管71から末管76まで、適当な位置でブラケットが取り付けられており、吸引式便器10の下部に固定されている。
《接続管77》
末管76の端部76aには、図1に示すように、負圧タンク14に接続される接続管77が接続されている。接続管77は、吸引式便器10の下部の配管スペース65に構築された排水管路13と負圧タンク14とを接続する配管である。
なお、この実施形態では、導入管71から末管76までの各配管は、例えば、塩化ビニル製の硬質配管を組み合わせ、例えば、接着剤を用いて接着することによって構築されている。接続管77は、可撓性を有する軟質配管で構築されている。各配管は、これに限定されず、例えば、適宜に硬質配管を用いて構築してもよく、また、可撓性を有する軟質配管を用いて構築してもよい。
《排水面規定部70》
吸引式便器10と負圧タンク14とを接続する排水管路13は、排水面規定部70を備えている。排水面規定部70は、少なくとも段差部42の上縁よりも上まで排水が溜まるように、便器本体12に溜まる排水の高さを規定する部位である。この実施形態では、便器本体12に溜まる水の高さは、立ち上がり管73に接続された横管74の底部の高さによって予め定められた高さに規定される。
つまり、この実施形態では、排水管路13が大気開放されている状態で、吸引式便器10に注水すると、注水された水は、排水口32から排水管路13に流入し、導入管71、横引き管72および立ち上がり管73に満たされて横管74に達する。さらに、便器本体12への注水が継続されると、注水された水は、横管74の底部を流れて降下管75へ流れていく。このため、排水管路13が大気開放されている状態では、便器本体12に十分な注水がある場合でも、便器本体12に溜まる水の高さは、立ち上がり管73に接続された横管74の底部の高さによって予め定められた高さに規定される。このように、排水面規定部70は、立ち上がり管73と、立ち上がり管73に接続された横管74とによって構成されている。
なお、この実施形態では、立ち上がり管73に接続された横管74の底部の高さh1は、図1に示すように、便器本体12の段差部42の上縁よりも上、具体的には、便器本体12の傾斜面部43の上段付近に設定されている。なお、導入管71から接続管77に至る管路は、途中で絞っても良い。これにより管路を細くできる。例えば、導入管71から接続管77に至る管路は、複数の屈曲する部分を有している。かかる屈曲する部分で、管路を絞ってもよい。この場合、例えば、導入管71から横引き管72に至る導入管71の屈曲部分71cで管路を絞ってもよく、横引き管72が接続される管路の内径(直径)を凡そ16mmとし、導入管71の屈曲部分71cから下流側を凡そ16mmにしてもよい。
《負圧タンク14》
次に、負圧タンク14を説明する。負圧タンク14は、図1に示すように、タンク本体91と、真空ポンプ92と、吸引口93と、排出口94と、排出弁95と、大気開放弁96、気圧計97を備えている。
《タンク本体91》
タンク本体91は、所要の真空圧に耐えうる耐圧容器である。吸引式便器10では、タンク本体91を減圧し、大気開放する際の吸引力によって、便器本体12から便を含む排水を吸引する。このためにタンク本体91は、十分な容量(例えば、凡そ7L〜15L)を有しているとよい。
《真空ポンプ92、減圧弁92c》
真空ポンプ92は、タンク本体91内の空気を吸引し、タンク本体91を減圧する装置である。この実施形態では、真空ポンプ92は、所要の能力を備えており、例えば、真空度0.8Mpa(残留気体の圧力)程度までタンク本体91を減圧することができる。また、タンク本体91と真空ポンプ92を繋ぐ配管92aには、エアフィルタ92bと、減圧弁92cとを備えている。エアフィルタ92bは、タンク本体91から真空ポンプ92に引き込まれる空気中の異物を取り除くフィルタである。また、減圧弁92cは、真空ポンプ92による真空引きのタイミングを制御する弁である。
《吸引口93、排出口94、排出弁95、大気開放弁96》
吸引口93は、タンク本体91に設けられた開口であり、タンク本体91を排水管路13に接続される。排出口94は、タンク本体91の底部に設けられた開口であり、汚水ます200に接続されている。排出弁95は、当該排出口94に設けられている。大気開放弁96は、タンク本体91に設けられており、タンク本体91を大気開放する弁である。また、タンク本体91にはタンク本体91の内圧を測定する気圧計97が設けられている。
《開閉弁15》
開閉弁15は、負圧タンク14の吸引口93に設けられている。この実施形態では、開閉弁15が、負圧タンク14の吸引口93に設けられているので、排水管路13に要求される耐圧性能を緩和できる。これにより、排水管路13により汎用性のある配管を用いることができ、負圧吸引式トイレ10のコストを安価に抑えることができる。なお、図示は省略するが、開閉弁15は、排水管路13に設けられていてもよい。開閉弁15を排水管路13に設ける場合には、排水管路13は、少なくとも真空引きされる部分において所要の耐圧性を有する配管を用いるとよい。なお、開閉弁15を、排水管路13の便器本体12に近い側に設けることにより、排水管路13内まで真空引きできる。このため、負圧吸引式トイレ10において排水管路13が長くても必要な吸引力を得ることができる。
ここで、減圧弁92cと排出弁95と大気開放弁96と開閉弁15は、それぞれ電磁弁であり、制御装置100によって電気的に制御されている。また、気圧計97は、タンク本体91の内圧のデータを制御装置に適宜に送信する。
《制御装置100》
制御装置100は、減圧弁92cと排出弁95と大気開放弁96と開閉弁15とを制御する。図7は、制御装置100の制御フローを示すフローチャートである。
制御装置100の制御フローは、例えば、以下の工程S1〜S8による。また、例えば、図1に示す例では、吸引式便器10側の適当な位置(例えば、肘掛25)に操作スイッチ110が設けられている。そして、吸引式便器10の使用者が操作スイッチ110を操作するのを基に、図7の制御フローをスタートさせるとよい。なお、ここでは、制御装置100による制御は、制御装置100に内臓されるタイマーに基づいて、各工程を所定のタイミングで順次実行するシーケンス制御である。
《タンク本体91の減圧工程S1、S2》
タンク本体91の減圧工程は、開閉弁15と排出弁95と大気開放弁96が閉じられた状態で、減圧弁92cを開き、真空ポンプ92を作動(ON)させる(S1)。これによって負圧タンク14のタンク本体91が真空引きされる。減圧工程S1は、予め定められた時間KT1経過後に停止される。減圧工程S1は、予め定められた時間KT1経過後、減圧弁92cを閉じ、真空ポンプ92を停止(OFF)する(S2)。これによって、タンク本体91は、予め定められた真空度よりも低い真空度に減圧される。
ここで、予め定められた時間KT1は、真空ポンプ92が作動してからタンク本体91が所要の真空度に達するまでの時間を予め調べておき、これに基づいて定めると良い。このため、ここで設定される時間KT1は、真空ポンプ92の吸引能力やタンク本体91の容量に応じて変わる。また、タンク本体91が予め定められた真空度よりも、確実に低い真空度になるように適当な時間を設定するとよい。
なお、減圧を停止する工程(S2)は、ここではタイマーで制御されているが、より確実にタンク本体91を予め定めた真空度にするため、タンク本体91に取り付けられた気圧計97によって得られるタンク本体91の真空度のデータに基づいて減圧弁92cと真空ポンプ92を停止させるタイミングを調整してもよい。つまり、制御装置100は、タンク本体91の真空度のデータを得つつ、{タンク本体91の真空度<B1(予め定められた真空度)}となったタイミングで、減圧弁92cを閉じ、真空ポンプ92を停止(OFF)してもよい。
また、タイマーで制御する場合でも、減圧を停止する工程(S2)の後で、気圧計97に基づいてタンク本体91の真空度を測り、そのデータに基づいて、タンク本体91が予め定められた真空度に達していない場合には、さらに所定時間の減圧(追加の減圧)を行うようにしてもよい。この場合、気圧計97によってタンク本体91の真空度を測り、タンク本体91が予め定められた真空度に達するまで、追加の減圧を繰り返すようにしてもよい。これにより、予め定められた真空度よりも低い真空度まで、より確実に、タンク本体91を減圧することができる。
《吸引工程S3、S4》
便器本体12からタンク本体91に排水を吸引する吸引工程(S3)は、S1およびS2によって、所要の真空度にタンク本体91が減圧された状態で行われる。ここでは、開閉弁15を開け、便器本体12に溜まった排水をタンク本体91に吸引する。これによって、タンク本体91が排水管路13を通じて便器本体12に通じる。便器本体12は大気に開放されているので、減圧された状態から大気圧に戻ろうとするタンク本体91によって吸引力が生じる。かかる吸引力によって、便器本体12に溜まった排水は、排水管路13を通じてタンク本体91に引き込まれる。ここでは、開閉弁15が開かれてから予め定められた時間KT2が経過した後、開閉弁15は閉じられる(S4)。
《大気開放S5、排水の排出S6》
次に、タンク本体91に排水が引き込まれた状態で、大気開放弁96が開かれ、タンク本体91が大気開放される(S5)。そして、かかる大気開放にタイミングを遅らせて、排出弁95を開ける(S6)。これにより、タンク本体91に溜まった排水を汚水ます200へ自然流下させることができる。ここでは、大気開放弁96が開かれてから予め定められた時間KT3が経過した後、大気開放弁96が閉じられる(S7)。また、排出弁95が開かれてから予め定められた時間KT3が経過した後、排出弁95が閉じられる(S8)。これにより、便器本体12およびタンク本体91は、操作スイッチ110が操作される前の状態に戻る。
なお、ここでは、便器本体12への注水は使用者が行っているが、例えば、図1に示すように、吸引式便器10に注水用のタンク120とポンプ122を用意しておき、操作スイッチ110が押された際に、減圧工程の前段階、或いは、負圧タンク14の減圧が行われているのと同時に、ポンプを作動させてタンクから便器本体12に所定量の水が管路124を通して注水されるように制御を構築してもよい。
《吸引式便器10の作用》
上述したように、この吸引式便器10の便器本体12は、図1、図3および図4に示すように、便器本体12と、負圧タンク14と、排水管路13と、開閉弁15とを備えている。ここで、便器本体12は、底部12bに排水口32が設けられた有底の容器である。負圧タンク14は、吸引口93を備えている。排水管路13は、便器本体12の排水口32と負圧タンク14の吸引口93とを接続する管路である。開閉弁15は、排水管路13または吸引口93に設けられている。便器本体12の底部12bには、排水口32から水平方向に広がった便受部41と、便受部41の周縁部から立ち上がった段差部42と、段差部42の上縁から連続し、便受部41よりも急な傾斜を有する傾斜面部43とが設けられている。排水管路13は、段差部42の上縁よりも上まで排水が溜まるように、便器本体12に溜まる排水の高さを規定する排水面規定部70を有している。
この実施形態では、上述したように、便受部41の中心に排水口32が形成されている。排水口32の周囲には、排水口32の中心を通る鉛直軸L1に対する傾斜角度は凡そ30度である逆円錐状の傾斜面部43が設けられている。そして、傾斜面部43の下縁から段差部42を経て便受部41が設けられている。便受部41は、段差部42の下縁から中心に向けて、傾斜面部43よりも緩やかに傾斜している。ここで、排水口32の内径(D1)は凡そ20mmである。傾斜面部43の下縁および段差部42の内径(D2)は凡そ65mmである。段差部42の高さ(H1)は凡そ10mmである。傾斜面部43の傾斜角度(θ2)は凡そ30度である。排水口32の中心を通る鉛直軸L1に対する便受部41の傾斜角度(θ1)が凡そ60度である。
かかる吸引式便器10では、吸引式便器10の使用者は、便座22に座って排便する。図8は、便器本体12に落下した便300の状態を示している。ここで、便器本体12に落下した便300は、人間の便を模して所定の粘度に味噌を練って作製した模擬便である。ここでは、直径(Bd)が25mm、長さ(BL)が800mmの円筒形状に成形した模擬便を用いている。かかる形状の模擬便を採用したのは、吸引式便器10において、排水口よりも太い棒状の便が一端を排水口に向けて配置された状態が、最も便が排水口に吸引されにくい典型例の一つであるとの経験則に倣っている。
なお、図8では、便器本体12に模擬便300が1本置かれた状態を示しているが、統計的には、一般的な日本人の成人男性の1回の平均的な排便量は、当該便300の2本分に相当する。また、統計的には、一般的な日本人の成人男性の1回の平均的な尿の量は、凡そ500mLである。加えて使用者による注水することを考慮すると、上述した便300に加えて凡そ500mL〜1L程度の排水が便器本体12に溜まる。このような状態で、さらに、通常、使用者が排便後に肛門を拭くのにトイレットペーパーを用いるので、さらに数枚の所要長さのトイレットペーパーが追加される。
この吸引式便器10では、便器本体12の底部12bの形状によって、便器本体12に落下した便300は、典型的には、図8に示すように、一端を排水口32に向けて、傾斜面部43に沿って傾き、便器本体12の底部12bに立った状態で配置される。便器本体12は、傾斜面部43と便受部41との間に段差部42を有している。一端を排水口32に向けて、傾斜面部43に沿って傾き、便器本体12の底部12bに立った状態で配置される便300と、便器本体12との間には、かかる段差部42によって隙間S1が形成される。
また、排水は、排水口32から排水管路13に流れ込む。この際、図1に示すように、便器本体12に溜まる排水の高さは、排水管路13に設けられた排水面規定部70によって規定される。ここでは、便器本体12に溜まる排水の高さは、立ち上がり管73に接続された横管74の底部の高さによって規定される。この実施形態では、立ち上がり管73に接続された横管74の底部までの高さh1は、図1に示すように、便器本体12の段差部42の上縁よりも上、具体的には、便器本体12の傾斜面部43の上段付近に設定されている。このため、十分な水が注水されると、便器本体12には、便器本体12の傾斜面部43の上段付近まで排水が溜まりうる。なお、排水管路13が大気開放されていない状態で、便器本体12に注水されると、排水によって排水管路13内の空気が閉じ込められて排水管路13の内圧が高くなる分、便器本体12にはより高い位置まで排水が溜められる。
また、この実施形態では、排水管路13の内径は凡そ20mmと狭く、また、便器本体12の傾斜面部43の傾斜が急である。このため、排水管路13に溜まる排水は少なく、また便器本体12の容積は底に行くほど小さい。このため、500mL程度の排水であっても、便器本体12では、便300やトイレットペーパよりも十分に高い位置まで排水が溜まる。また、この際、棒状の便300の長さ方向の中間部分が、段差部42の上縁に当たる。この状態では、便300の自重によって、便300の長さ方向の中間部分に外力P1が作用する。このため、図示されないが、かかる外力P1の作用によって長さ方向の中間部分で、便300の形状が崩れうる。
この吸引式便器10では、使用者によって棒状の便300が排泄された場合でも、典型的には、このような状態で操作スイッチ110が操作される。このような状態で操作スイッチ110が操作されると、負圧タンク14のタンク本体91が予め定められた真空度まで減圧され、その後、開閉弁15が開かれる。開閉弁15が開かれると、便器本体12に溜まった便300を含む排水が、相当の勢いで排水口32から引き込まれる。
この際、便器本体12には、便300と便器本体12との間に適度な隙間S1が形成されている。当該隙間S1に排水が溜まっている。このため、排水口32に吸引される際に、当該隙間S1に溜まった排水が排水口32に引き込まれる勢いによって便300が粉砕される。特に、棒状の長い便300では、図8に示すように、長さ方向の中間部分に外力P1が作用している。便300は中間部分で分断され易い。このため、この実施形態では、便器本体12の排水口32が凡そ20mmと狭いが、便300が適当に崩れて粉砕されつつ排水口32へ引き込まれる。さらに、粉砕された便300を含み排水には、排水口32に引き込まれる空気が多く含まれる。
このように、この吸引式便器10では、便器本体12の底部12bに、排水口32から水平方向に広がった便受部41と、便受部41の周縁部から立ち上がった段差部42と、段差部42の上縁から連続し、便受部41よりも急な傾斜を有する傾斜面部43とが設けられている。このため、便器本体12には、便300と便器本体12との間に適度な隙間S1が形成されている。さらに、排水管路13は、少なくとも段差部42の上縁よりも上まで排水が溜まるように、便器本体12に溜まる排水の高さを規定する排水面規定部70を有している。このため、上述した隙間S1には排水が流入している。そして、この状態で、便器本体12に溜まった便300を含む排水が、排水口32から吸引されるため、例えば、隙間S1に流入した排水が引き込まれる際の力などが便300に作用する。このため、便300は、適当に粉砕されつつ、排水口32にスムーズに吸引される。この場合、排水口32の内径(直径)が、例えば、ここで開示されるように20mm程度であっても、さらには15mm程度であっても排水は概ねスムーズに吸引される。
さらに、この実施形態では、排水口32に連なる管路33は垂直に形成されている。このため、負圧タンク14からの吸引力のみならず、便300を含む排水の自重による重力の作用によって、排水口32から管路33へ、便300を含む排水を引き込むことができる。排水口32に連なる管路33は、導入管71から横引き管72へ至る際の最初の屈曲部分71cにおいて、凡そ直角に進路が変わる。この際、排水に含まれる便300は、管路の壁面に激しく衝突するので、さらに細かく砕かれる。さらに、屈曲部分71cでは、排水には乱流が生じるので、便は、排水および排水に含まれる空気にさらに細かく混ざり合う。このため、この実施形態では、かかる排水管路13の内径(直径)は、導入管71の屈曲部分71cにおいて、凡そ20mmと狭くなっているが、当該部分71cでも便300やトイレットペーパが詰まらずに流れる。
さらに、この実施形態では、排水管路13には、導入管71と、横引き管72と、立ち上がり管73と、横管74と、降下管75と、末管76と、接続管77と、負圧タンク14に至る経路において複数の屈曲箇所が設けられている。かかる屈曲箇所では、排水の進行方向が急に変化するため、乱流が生じ、便300がさらに細かく粉砕されるとともに、排水および排水に含まれる空気が混ぜられる。
このように、排水に含まれる便300やトイレットペーパは、排水口32および排水管路13において詰まらずに、タンク本体91に引き込まれる。さらに、この実施形態では、傾斜面部43のみならず、便受部41に適度な傾斜が付いているので、便器本体12に便300が残留し難い。
本発明者は、かかる吸引式便器10について、以下の試験によって、段差部42を設けたことによる効果を調べた。
<サンプル1>
ここでは、図1に示す吸引式便器10について排水試験を行った。サンプル1では、図8に示すように、便器本体12は、排水口32の内径D1を20mm、便受部41の外径D2を65mm、排水口32から便受部41と段差部42とを合わせた合計高さH2を35mm、傾斜面部43の傾斜角度θ2を30度とした。また、便受部41のテーパ高さH3を10mmとした。つまり、かかるサンプル1では、段差部42の高さH1が25mmであった。ここでは、段差部42の高さH2は25mmであり、便受部41の傾斜は比較的緩やかに設定されている。なお、ここで、図8は、便器本体12の排水口32の周囲を模式的に示すものであり、各サンプルを具体的に示すものではない。
ここでは、洗浄水250mL×2(500mL)、疑似便2個(直径25mm×長さ80mm×2個)、トイレットペーパ2枚(幅114mm×長さ750mm×2枚)、疑似尿500mLを便器本体12に入れた。そして、負圧タンク14を真空度0.8MPaに減圧した後に、開閉弁15を開き、便器本体12に溜まった疑似便を含む排水を負圧タンク14に吸引した。
<サンプル2>
便受部41のテーパ高さH3を15mmとし、段差部42の高さH1を20mmとしたこと以外はサンプル1と同様の排水試験を行った。つまり、サンプル2では、サンプル1に比べて、段差部42の高さH1が低くなり、便受部41の傾斜はきつくなる。
<サンプル3>
便受部41のテーパ高さH3を20mmとし、段差部42の高さH1を15mmとしたこと以外はサンプル1と同様の排水試験を行った。つまり、サンプル3では、サンプル2に比べて、段差部42の高さH1がさらに低くなり、便受部41の傾斜はさらにきつくなる。
<サンプル4>
図9は、サンプル4における便器本体12の底部12bの構造を示している。サンプル4は、図9に示すように、便受部41のテーパ高さH3を35mmとし、段差部42や便受部41(図8参照)に相当する部位がなく、逆円錐状の傾斜面部43の底に排水口32が形成された便器本体12を使用した。この点を除き、サンプル1と同様の排水試験を行なった。
なお、真空排水試験は、各サンプルで3回ずつ行った。結果を表1に示す。ここでは排泄物残りが見られなかったものを「○」、若干の排泄物(残りが見られたが、実用では問題ないレベルであるものを「△」、排泄物残りが見られたものを「×」で示している。
Figure 2014109089
表1に示すように、サンプル2とサンプル3では、排泄物の残留が見られなかった。これは、サンプル2とサンプル3では、図8に示されるように、便器本体12の底部12bに立った状態で配置される便300と、便器本体12との間には、段差部42によって適度な隙間S1が形成される。このため、便器本体12に溜まる排水が隙間S1に流れ込む。排水口32に吸引される場合には、かかる隙間S1に溜まった水の作用も合わさり便300が適当に粉砕されつつ、排水に混ざりながら吸引される。
サンプル1では、3回目に排泄物の残留が見られた、これは、排泄物は、特に便受部41に付着して残留していた。これは、サンプル1では、サンプル2とサンプル3に比べて便受部41の傾斜が緩やかであったためと考えられる。また、サンプル4では、1回目〜3回目の全てにおいて、便器本体12内に排泄物が残留した。これは、図9に示すように、便300が便器本体12の側面に付着するものであり、排水口32に吸引された後も、便300の一部が、便器本体12の側面に付着したまま残る傾向が見られた。
このように、吸引式便器10では、便器本体12が一様な傾斜であると便が残留しやすいと考えられる。また、便器本体12に適度な傾斜の便受部41と、適度な高さの段差部42が設けられているとよいと考えられる。
以上のように、吸引式便器10は、図1に示すように、底部12bに排水口32が設けられた有底の容器である便器本体12と、吸引口93を備えた負圧タンク14と、便器本体12の排水口32と負圧タンク14の吸引口93とを接続する排水管路13と、排水管路13または吸引口93に設けられた開閉弁15とを備えている。
そして、便器本体12の底部12bには、排水口32から水平方向に広がった便受部41と、便受部41の周縁部から立ち上がった段差部42と、段差部42の上縁から連続し、便受部41よりも急な傾斜を有する傾斜面部43とが設けられている。排水管路13は、少なくとも段差部42の上縁よりも上まで排水が溜まるように、便器本体12に溜まる排水の高さを規定する排水面規定部70を有している。この吸引式便器10によれば、便器本体12に溜まった便300(図8参照)を含む排水は、便300が適当に粉砕されつつ、排水口32にスムーズに吸引される。
この場合、便受部41は、排水口32から水平方向に広がるにつれて上方に向かうように傾斜していてもよい。これにより、便受部41に便が残留しにくくなる。なお、便受部41の傾斜角度θ1(図8参照)の傾斜がきつくなると、便受部41の上縁の開口部分を広く取るべく、所要の高さが必要になる。このため、排水口32の中心を通る鉛直軸Lに対する便受部41の傾斜角度θ1は、例えば、凡そ30度以上であるとよく、より好ましくは40度以上であるとよい。また、排水口32の中心を通る鉛直軸Lに対する便受部41の傾斜角度θ1は、凡そ80度以下であるとよい。これにより、便受部41に便が残留し難くなる。
また、傾斜面部43の傾斜が急であると、傾斜面部43の上縁を所要の面積を確保するのに所要の高さが必要になる。このため、排水口32の中心を通る鉛直軸Lに対する傾斜面部43の傾斜角度θ2(図8参照)は、例えば、凡そ20度以上であるとよい。また、傾斜面部43が緩やかであると、便300やトイレットペーパが、傾斜面部43に引っ掛かる。このため、当該傾斜角度θ2は45度以下であるとよい。これにより、傾斜面部43に適当な傾斜が得られ、便300やトイレットペーパが傾斜面部43に引っ掛かるのをより確実に防止できる。また、便受部41の傾斜角度θ1と便受部41と傾斜面部43の傾斜角度θ2は、θ1>θ2であるとよく、その差(θ1−θ2)は、凡そ10度以上あるとよい。
また、便受部41の周縁部(上縁)を基準としたときの段差部42の高さH1(図8参照)は、例えば、5mm以上30mm以下であるとよい。これにより、棒状の長い便が、一端を排水口32に向けて、傾斜面部43に沿って傾き、便器本体12の底部12bに立った状態で配置された場合に、便300と便器本体12との間に、より適切な隙間S1が形成される。これによって、便300を排水口32からスムーズに吸引することができる。この際、便受部41の周縁部を基準としたときの段差部42の高さH1は、より好ましくは10mm以上、25mm以下であるとよい。
また、傾斜面部43の下縁で囲まれる周縁の最も広い間隔(距離)は、凡そ75mm以下であるとよい。これによって、例えば、長さが75mmを越えるような棒状の長い便300が、典型的には、図8に示すように、少なくとも一部を傾斜面部43に掛けつつ、一端を排水口32に向けて、便器本体12の底部12bに立った状態で配置される。これによって、かかる便300を排水口32からスムーズに吸引することができる。
また、排水口32の内径(直径)は、例えば、15mm以上25mm以下でもよい。この吸引式便器10は、便受部41、段差部42、傾斜面部43を備えているので、15mm以上25mm以下程度の狭い排水口32でも便を含む排水をスムーズに吸引することができる。
また、便受部41は、便受部41は、平面視において円形に形成されていてもよい。この場合、排水口32の内径(直径)をD1とし、便受部41の周縁部の内径(直径)(便受部41の上縁の内径(直径))をD2としたときに、1.5≦(D2/D1)≦4.0の関係が成立するとよい。
また、排水管路13は、例えば、図1および図6に示すように、排水口32から下方に延びた導入管71を有していてもよい。これにより、負圧タンク14からの吸引力のみならず、重力の作用も合わせて、便300を含む排水に作用する。このため、例えば、排水口32を側面に設けて排水口32から連なる管路33が水平に形成され、排水を水平に引き込む場合に比べて、排水を格段にスムーズに引き込むことができる。
また、排水管路13は、導入管71の下端から水平方向に延びた横引き管72を有していてもよい。さらに、導入管71の管軸と、横引き管72の管軸との交差角度が略90度であってもよい。この場合、導入管71から屈曲して横引き管72が設けられているので、排水の進行方向が凡そ直角に変わる。排水に含まれる便300は、管路の壁面に激しく衝突し、さらに細かく砕かれる。さらに、屈曲部分71cでは、排水には乱流が生じるので、便は、排水および排水に含まれる空気にさらに細かく混ざり合う。このようなことから、便300やトイレットペーパが詰まらずにスムーズに流れる。
以上、本発明の種々の実施形態および試験例を説明してきたが、ここで挙げた実施形態および試験例は、特に言及されない限りにおいて、本発明を限定するものではない。
例えば、上述した実施形態における便器本体12は、底部12bにインナースリーブ30が装着された形態を示したが、これに限定されない。便器本体12は、例えば、便受部41と段差部42と傾斜面部43とを射出成形によって一体成形してもよい。この場合、便器本体12の肉厚は薄くしたいが、便器本体12の底部12b、特に、排水口32および排水口32の近傍には、吸引力によって相当の力が作用する。このため、便器本体12の底部12bの内側にインナースリーブ30を装着することに代えて、図示は省略するが、便器本体12の底部の外側にアウタースリーブを装着し、便器本体12の底部12bに所要の強度を確保してもよい。
また、上記実施形態における便受部41は、排水口32から水平方向に広がるにつれて上方に傾斜しているが、これに限定されない。便受部41は、排水口32から水平方向に傾斜することなく広がっていてもよい。この場合、太く長い棒状の便に対しては、段差部によって便と便器本体12との間に隙間S1が比較的広く確保できる。このため、便受部41の隅に少し便が残留する場合があるが、大方の便はスムーズに吸引される。
また、上述した実施形態における便受部41、段差部42および傾斜面部43は、図1に示すように、排水口32を囲うように、平面視において円形に形成されているが、これに限定されない。例えば、便受部41の平面視において円形に限らず、例えば、矩形や楕円形などでもよい。また、便受部41は、排水口32の周囲に全周に形成されている必要はなく、排水口32の周囲において周方向の少なくとも一部に形成されていてもよい。図10は、便器本体12の変形例を示す図である。例えば、図10に示すように、排水口32の周方向の一部に便受部41と段差部42と傾斜面部43を形成してもよい。
また、図1に示すように、上述した実施形態では、排水口32に連通した排水管路13は、排水口32から下方(鉛直下向き)に延びた管路33が形成されている。かかる管路33が形成される方向はこれに限定されない。図11は、便器本体12の変形例を示す図である。例えば、図11に示すように、排水口32に連なる管路33は、斜め下方に傾斜していてもよい。
また、便器本体12やインナースリーブ30の材質は、上記実施形態の如き樹脂製に何ら限定されるものではなく適宜変更が可能であることは言う迄もない。 その他、排水管路13、負圧タンク14、開閉弁15などの具体的な構成も、全て本発明の意図する範囲内に於いて任意に変更されうる。
本発明は、排水口を狭くしても円滑な排水処理を実現可能な吸引式便器を提供するものであり、産業上利用可能である。
10 吸引式便器
11 外枠
12 便器本体
12a 便器本体12の上部
12b 便器本体12の底部
12c 便器本体12の凹部
13 排水管路
14 負圧タンク
15 開閉弁
21 土台
22 便座
23 背もたれ
24、25 肘掛
26〜29 脚部
30 インナースリーブ
31 上部開口
32 排水口
33 管路
36 上側軸部
36a 円筒部
36b 段差
36c 円筒部
37 下側軸部
37a 軸
41 便受部
42 段差部
43 傾斜面部
51 円筒部
52 窪み
52 段差
53 窪み
54 底
55 挿通孔
56 ビス孔
57 シール材
58 Oリング
59 ビス
60 カバー
61 上側軸部
62 貫通孔
65 配管スペース
70 排水面規定部
71 導入管
71a 受口
71b 受口
71c 屈曲部分
72 横引き管
73 立ち上がり管
74 横管
75 降下管
76 末管
76a 末管76の端部
77 接続管
81〜84 継手
91 タンク本体
92 真空ポンプ
92a 配管
92b エアフィルタ
92c 減圧弁
93 吸引口
94 排出口
95 排出弁
96 大気開放弁
97 気圧計
100 制御装置
110 操作スイッチ
200 汚水ます
300 便
L1 排水口32の鉛直軸(中心軸)
S1 隙間
θ1 便受部41の傾斜角度
θ2 傾斜面部43の傾斜角度

Claims (15)

  1. 底部に排水口が設けられた有底の容器である便器本体と、
    吸引口を備えた負圧タンクと、
    前記便器本体の前記排水口と前記負圧タンクの前記吸引口とを接続する排水管路と、
    前記排水管路または前記吸引口に設けられた開閉弁と
    を備え、
    前記便器本体の底部には、
    前記排水口から水平方向に広がった便受部と、
    前記便受部の周縁部から立ち上がった段差部と、
    前記段差部の上縁から連続し、前記便受部よりも急な傾斜を有する傾斜面部と
    が設けられており、
    前記排水管路は、
    少なくとも前記段差部の上縁よりも上まで排水が溜まるように、前記便器本体に溜まる排水の高さを規定する排水面規定部を有する、吸引式便器。
  2. 前記便受部は、前記排水口から水平方向に広がるにつれて上方に向かうように傾斜している、請求項1に記載された吸引式便器。
  3. 前記排水口の中心を通る鉛直軸に対する前記便受部の傾斜角度が、40度以上である、請求項2に記載された吸引式便器。
  4. 前記排水口の中心を通る鉛直軸に対する前記便受部の傾斜角度が、80度以下である、請求項2または3に記載された吸引式便器。
  5. 前記排水口の中心を通る鉛直軸に対する前記傾斜面部の傾斜角度が、20度以上である、請求項1から4までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  6. 前記排水口の中心を通る鉛直軸に対する前記傾斜面部の傾斜角度が、45度以下である、請求項1から5までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  7. 前記便受部の周縁部を基準としたときの前記段差部の高さが、5mm以上30mm以下である、請求項1から6までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  8. 前記傾斜面部の下縁で囲まれる周縁の最も広い間隔が75mm以下である、請求項1から7までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  9. 前記排水口の内径D1が15mm以上25mm以下である、請求項1から8までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  10. 前記便受部は、平面視において円形に形成されている、請求項1から9までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  11. 前記排水口の内径をD1とし、前記便受部の周縁部の内径をD2としたときに、1.5≦(D2/D1)≦4.0の関係が成立する、請求項10に記載された吸引式便器。
  12. 前記排水管路は、前記排水口から下方に延びた導入管を有する、請求項1から11までの何れか一項に記載された吸引式便器。
  13. 前記排水管路は、前記導入管の下端から水平方向に延びた横引き管を有する、請求項12に記載された吸引式便器。
  14. 前記導入管の管軸と、前記横引き管の管軸との交差角度が略90度である、請求項13に記載された吸引式便器。
  15. 底部に排水口が設けられた有底の容器を有し、
    前記底部に、
    前記排水口から水平方向に広がった便受部と、
    前記便受部の周縁部から立ち上がった段差部と、
    前記段差部の上縁から連続し、前記便受部よりも急な傾斜を有する傾斜面部と
    を有する、便器。
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