JP2014104497A - 双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じて変化する物理量(サイド堰4,5の軸方向の変位など)を検出する物理量検出手段(サイド堰変位検出器15,15c,15d,15fなど)と、物理量検出手段による物理量の検出値(サイド堰変位検出値da,dc,dd,dfなど)に基づいて、一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量が同じになるように冷却水制御装置31,41から一対の冷却ドラム2,3の何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御する冷却水制御部23とを備えた構成とする。
【選択図】図4
Description
そして、この鋳造中には一対の冷却ドラムの軸方向両端面へ一対のサイド堰をそれぞれ押付けてサイド堰と冷却ドラムの間に隙間が発生するのを防止するための押付け制御(サイド堰押付け力一定制御又はサイド堰押付け位置制御)や、冷却ドラムへ冷却水を供給して冷却ドラムを冷却するための制御なども行われる。
湯溜まり部の溶鋼がサイド堰と冷却ドラムの間の隙間から漏れるのを防止するためには、前記隙間を0.1mmレベル以下にコントロールする必要がある。
このような非対称な双ドラム式連続鋳造機としては、例えば異径ドラム方式の双ドラム式連続鋳造機や、鋳片巻き付け方式の双ドラム式連続鋳造機や、袋とじ双ドラム式連続鋳造機などがある。
異径ドラム方式の双ドラム式連続鋳造機は、一方の冷却ドラムと他方の冷却ドラムの径が異なる構成のものである。
鋳片巻き付け方式の双ドラム式連続鋳造機は、一対の冷却ドラムの隙間から出た鋳片を、片方の冷却ドラムの外周面に巻き付けて引き出す構成のものである。
袋とじ双ドラム式連続鋳造機は、外周面がフラットな(段差のない)冷却ドラムと、外周面の端部に段差を有する冷却ドラムとを用いた構成のものであって、袋状にとじた凝固シェルの内部に未凝固の溶鋼を含んだ構造の鋳片(所謂袋とじ鋳片)を鋳造するものである。
前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量差に応じて変化する物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段による前記物理量の検出値に基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御する冷却水制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記冷却水制御手段では、前記湯溜まり部への鋳込み材の注湯開始後に生じる前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように設定された冷却水流量プリセットパターン及び冷却水温度プリセットパターンの何れか一方又は両方に基づき、前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
を特徴とする。
前記サイド堰押付け制御手段は、押付け力一定制御を行うものであり、
前記物理量検出手段は、前記軸方向の熱膨張量差に応じて変化する前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位と他方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位とを検出するサイド堰変位検出器であり、
冷却水制御手段では、前記サイド堰変位検出器による前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位の検出値と他方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位の検出値とに基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
を特徴とする。
前記サイド堰押付け制御手段は、前記サイド堰押付け手段による前記一対のサイド堰の押付け力を一定にする押付け力一定制御を行うものであり、
前記物理量検出手段は、前記軸方向の熱膨張量差によって応じて変化する前記サイド堰の傾斜角度を検出するサイド堰傾斜角度検出器であり、
冷却水制御手段では、前記サイド堰傾斜角度検出器による前記サイド堰の傾斜角度の検出値に基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
ること、
を特徴とする。
前記サイド堰押付け制御手段は、サイド堰押付け位置制御を行うものであり、
前記物理量検出手段は、前記軸方向の熱膨張量差に応じて変化する前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の押付け力と他方の冷却ドラム側部分の押付け力とを検出するサイド堰押付け力検出器であり、
冷却水制御手段では、前記サイド堰押付け力検出器による前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の押付け力の検出値と他方の冷却ドラム側部分の押付け力の検出値とに基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
を特徴とする。
従って、より確実に一方の冷却ドラムと他方の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量に差が生じるのを防止してサイド堰と冷却ドラムの間の隙間をコントロールする(シール性を良好に保つ)ことができる。
図1〜図10に基づき、本発明の実施の形態例1について説明する。
本実施の形態例1はサイド堰を冷却ドラムへ押付ける制御が、サイド堰押付け力一定制御である場合の実施形態である。
そして、詳細は後述するが、この鋳造中には冷却ドラム2,3の軸方向の両端面へサイド堰4,5をそれぞれ押付けてサイド堰4,5と冷却ドラム2,3の間に隙間が発生するのを防止するための押付け制御(ここではサイド堰押付け力一定制御)や、冷却ドラム2,3へ冷却水を供給して冷却ドラム2,3を冷却するための制御なども行われる。
サイド堰押付け力検出器14dはサイド堰5における一方の冷却ドラム2側部分の押付け力を検出してサイド堰押付け力検出値Pdの信号を出力し、サイド堰押付け力検出器14eはサイド堰5における冷却ドラム2,3の間の部分の押付け力を検出してサイド堰押付け力検出値Peの信号を出力し、サイド堰押付け力検出器14fはサイド堰5における他方の冷却ドラム3側部分の押付け力を検出してサイド堰押付け力検出値Pfの信号を出力する。
その結果、シリンダ駆動指令Da,Db,Dcに基づいて油圧シリンダ13a,13b,13cが、それぞれ駆動してサイド堰4を冷却ドラム2,3の軸方向端面に押付けることにより、サイド堰押付け力検出値Pa,Pb,Pcがそれぞれ所定の押付け力P0a,P0b,P0cとなる。
つまり、図2(b)において、一方の冷却ドラム2よりも他方の冷却ドラム3の方が軸方向の熱膨張量が大きくなると、サイド堰4は冷却ドラム3側部分が軸方向(図2(b)の紙面と直交する方向)の手前側に位置し、冷却ドラム2側部分が軸方向(図2(b)の紙面と直交する方向)の奥側に位置するように傾斜する。
このため、サイド堰4における冷却ドラム2側部分の軸方向の変位と冷却ドラム3側部分の軸方向の変位に差が生じる。即ち、一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じて、サイド堰4における冷却ドラム2側部分の軸方向の変位と冷却ドラム3側部分の軸方向の変位が変化する。
つまり、図3(b)において、一方の冷却ドラム2よりも他方の冷却ドラム3の方が軸方向の熱膨張量が大きくなると、サイド堰5は冷却ドラム3側部分が軸方向(図3(b)の紙面と直交する方向)の手前側に位置し、冷却ドラム2側部分が軸方向(図3(b)の紙面と直交する方向)の奥側に位置するように傾斜する。
このため、サイド堰5における冷却ドラム2側部分の軸方向の変位と冷却ドラム3側部分の軸方向の変位に差が生じる。即ち、一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じて、サイド堰5における冷却ドラム2側部分の軸方向の変位と冷却ドラム3側部分の軸方向の変位が変化する。
サイド堰変位検出器15dはサイド堰5における一方の冷却ドラム2側部分の軸方向の変位を検出してサイド堰変位検出値ddの信号を出力し、サイド堰変位検出器15eはサイド堰5における冷却ドラム2,3の間の部分の軸方向の変位を検出してサイド堰変位検出値deの信号を出力し、サイド堰変位検出器15fはサイド堰5における他方の冷却ドラム3側部分の軸方向の変位を検出してサイド堰変位検出値dfの信号を出力する。
冷却水流量指令Qref,1,Qref,2は冷却水供給装置31,32から冷却ドラム2,3へ供給する冷却水の流量の指令値であり、冷却水温度指令Tref,1,Tref,2は冷却水供給装置31,32から冷却ドラム2,3へ供給する冷却水の温度の指令値である。
また、冷却水制御部23では、サイド堰変位差Δdと制御ゲインKd,Tと冷却水温度プリセットパターンTref,1pの値とに基づき、冷却水温度指令Tref,1の値を算出式(Tref,1=Tref,1p+Kd,TΔd)によって算出し、サイド堰変位差Δdと制御ゲインKd,Tと冷却水温度プリセットパターンTref,2pの値とに基づき、冷却水温度指令Tref,2の値を算出式(Tref,2=Tref,2p−Kd,TΔd)によって算出する。
このため、一方の冷却ドラム2に関する冷却水流量指令Qref,1の値は小さくなり、他方の冷却ドラム3に関する冷却水流量指令Qref,2の値は大きくなる。また、一方の冷却ドラム2に関する冷却水温度指令Tref,1の値は大きくなり、他方の冷却ドラム3に関する冷却水温度指令Tref,2の値は小さくなる。
このような冷却水流量プリセットパターンQref,1p,Qref,2p及び冷却水温度プリセットパターンTref,1p,Tref,2pの値は、計算や試験を行うによって求めることができる。
その後、時刻t1で鋳造を開始(即ち冷却ドラム2,3の回転を開始)して鋳造速度(冷却ドラム2,3の回転速度)Nが上昇するのに伴って冷却水流量プリセットパターンQref,1p,Qref,2pの値は増加し、冷却水温度プリセットパターンTref,1p,Tref,2pの値は低下する。時刻t2以降は鋳造速度(冷却ドラム2,3の回転速度)Nが一定になるのに伴って冷却水流量プリセットパターンQref,1p,Qref,2p及び冷却水温度プリセットパターンTref,1p,Tref,2pの値も一定になる。
また、一方の冷却ドラム2に比べて他方の冷却ドラム3の方が軸方向の熱膨張量が大きいため、冷却水流量プリセットパターンQref,1pに比べて冷却水流量プリセットパターンQref,2pの方が大きな値に設定され、冷却水温度プリセットパターンTref,1pに比べて冷却水温度プリセットパターンTref,2pの方が小さな値に設定されている。
冷却水ポンプ33は、冷却水温度指令Tref,1の値に温度調整された冷却水を冷却水温度調節器32から冷却ドラム2へ送給する。
冷却水流量調整バルブ34は、冷却・押付け制御装置21の冷却水制御部23から出力される冷却水流量指令Qref,1を入力し、この冷却水流量指令Qref,1に基づいて開度を調整(即ち冷却水流量指令Qref,1の値に対応した開度となるように開度調整する)ことにより、冷却水温度調節器32から冷却水ポンプ33によって冷却ドラム2へ供給される冷却水の流量が、冷却水流量指令Qref,1の値となるように調整する。
その結果、冷却ドラム2は、冷却水流量指令Qref,1及び冷却水温度指令Tref,1に応じて調整された流量及び温度の冷却水によって冷却される。冷却ドラム2を冷却後の冷却水は、冷却水温度調節器32へ戻る。
冷却水ポンプ43は、冷却水温度指令Tref,2の値に温度調整された冷却水を冷却水温度調節器42から冷却ドラム3へ送給する。
冷却水流量調整バルブ44は、冷却・押付け制御装置21の冷却水制御部23から出力される冷却水流量指令Qref,2を入力し、この冷却水流量指令Qref,2に基づいて開度を調整(即ち冷却水流量指令Qref,2の値に対応した開度となるように開度調整する)ことにより、冷却水温度調節器42から冷却水ポンプ43によって冷却ドラム3へ供給される冷却水の流量が、冷却水流量指令Qref,2の値となるように調整する。
その結果、冷却ドラム3は、冷却水流量指令Qref,2及び冷却水温度指令Tref,2に応じて調整された流量及び温度の冷却水によって冷却される。冷却ドラム2を冷却後の冷却水は、冷却水温度調節器42へ戻る。
冷却水流量演算器35(45)は、冷却・押付け制御装置21の冷却水制御部23から出力される冷却水流量指令Qref,1(Qref,2)及び冷却水温度指令Tref,1(Tref,2)を入力し、これらの冷却水流量指令Qref,1(Qref,2)及び冷却水温度指令Tref,1(Tref,2)に基づいて高温度T1の冷却水の流量指令Qref,1a(Qref,2a)と低温度T2の冷却水の流量指令Qref,1b(Qref,2b)とを算出する。つまり、高温度T1の冷却水と低温度T2の冷却水をどのような流量配分で混合すれば、冷却ドラム2(3)へ供給する冷却水の流量及び温度が冷却水流量指令Qref,1(Qref,2)及び冷却水温度指令Tref,1(Tref,2)の値になるかを算出し、この算出結果を冷却水流量指令Qref,1a(Qref,2a)及びQref,1b(Qref,2b)として出力する。
第2の冷却水ポンプ33b(43b)は、高温度T2に調整されている冷却水を第2の冷却水温度調節器32b(42b)から冷却ドラム2(3)へ送給する。
第1の冷却水流量調整バルブ34a(44a)は、冷却水流量演算器35(45)から出力される冷却水流量指令Qref,1a(Qref,2a)を入力し、この冷却水流量指令Qref,1a(Qref,2a)に基づいて開度を調整する(即ち冷却水流量指令Qref,1a(Qref,2a)の値に対応した開度となるように開度調整する)ことにより、冷却水温度調節器32a(42a)から冷却水ポンプ33a(43a)によって冷却ドラム2(3)へ供給される冷却水の流量Q1が、冷却水流量指令Qref,1a(Qref,2a)の値となるように調整する。
第2の冷却水流量調整バルブ34b(44b)は、冷却水流量演算器35(45)から出力される冷却水流量指令Qref,1b(Qref,2b)を入力し、この冷却水流量指令Qref,1b(Qref,2b)に基づいて開度を調整する(即ち冷却水流量指令Qref,1b(Qref,2b)の値に対応した開度となるように開度調整する)ことにより、冷却水温度調節器32b(42b)から冷却水ポンプ33b(43b)によって冷却ドラム2(3)へ供給される冷却水の流量Q2が、冷却水流量指令Qref,1b(Qref,2b)の値となるように調整する。
図8では、冷却水2,3の回転軸2a,3b及び冷却ドラム本体部2b,3bに通水孔2c,3cが形成さており、冷却水供給装置31,42から供給される冷却水を、これらの通水孔2c,3cに流すことによって冷却ドラム2,3を冷却する構造となっている。
図9では、冷却ドラム2,3の外周面に沿って複数の冷却水ノズル51が配設されており、冷却水供給装置31,42から供給される冷却水を、これらの冷却水ノズル51から冷却ドラム2,3の外周面へ供給することによって冷却ドラム2,3を冷却する構造となっている。
なお、図10にはサイド堰4について図示している。サイド堰5についてはサイド堰4と同様であるため、図示及び説明を省略する。
そして、このサイド堰4(支持板52)には、サーボシリンダである1台の油圧シリンダ13(サイド堰押付け手段)が、ロードセルである1つのサイド堰押付け力検出器(荷重検出器)14と球面座53とを介して設けられている。サイド堰4は球面座53によって上下及び左右に傾斜可能である。サイド堰押付け力検出器14は、油圧シリンダ13がサイド堰4を冷却ドラム2,3の軸方向端面に押付けているときの押付け力(換言すれば、冷却ドラム2,3からサイド堰4を介してサイド堰押付け力検出器14へ作用する反力)を検出する。
従って、ここではサイド堰押付け力検出器14とサイド堰押付け制御部22が、サイド堰押付け制御手段を構成している。
これらのことはサイド堰5についても同様である。従って、前述と同様に一対の冷却ドラム2,3の熱膨張量差に応じて変化するサイド堰変位検出器15a,15c,15d,15fのサイド堰変位検出値da,dc,dd,dfに基づいて、一対の冷却ドラム2,3の熱膨張量が同じになるように冷却水の流量及び温度を制御することができる。
従って、より確実に一方の冷却ドラム2と他方の冷却ドラム3の軸方向の熱膨張量に差が生じるのを防止してサイド堰4,5と冷却ドラム2,3の間の隙間をコントロール(するシール性を良好に保つ)ことができる。
図11〜図13に基づき、本発明の実施の形態例2について説明する。これらの図において上記実施の形態例1(図1〜図10)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明を省略する。
本実施の形態例2も、上記実施の形態例1の場合と同様にサイド堰を冷却ドラムへ押付ける制御が、サイド堰押付け力一定制御である場合の実施形態である。
本実施の形態例2では、サイド堰変位検出器に代えてサイド堰傾斜角度検出器を、物理量検出手段として用いて冷却水制御を行う。以下、この点について詳述する。
つまり、図13(a)において、一方の冷却ドラム2よりも他方の冷却ドラム3の方が軸方向の熱膨張量が大きくなると、サイド堰4は冷却ドラム3側部分が軸方向(図13(a)の紙面と直交する方向)の手前側に位置し、冷却ドラム2側部分が軸方向(図13(a)の紙面と直交する方向)の奥側に位置するように傾斜する(即ち一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じてサイド堰4の傾斜角度が変化する)ため、このサイド堰4の傾斜角度をサイド堰傾斜角度検出器61aによって検出する。
つまり、図13(b)において、一方の冷却ドラム2よりも他方の冷却ドラム3の方が軸方向の熱膨張量が大きくなると、サイド堰5は冷却ドラム3側部分が軸方向(図13(b)の紙面と直交する方向)の手前側に位置し、冷却ドラム2側部分が軸方向(図13(b)の紙面と直交する方向)の奥側に位置するように傾斜する(即ち一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じてサイド堰5の傾斜角度が変化する)ため、このサイド堰4の傾斜角度をサイド堰傾斜角度検出器61bによって検出する。
冷却水制御部23は、サイド堰傾斜角度検出器61a,61bからサイド堰傾斜角度検出値θa,θbを入力する。これらのサイド堰傾斜角度検出値θa,θbは、湯溜まり部6への溶鋼9の注湯開始時点におけるサイド堰4,5の状態、即ちサイド堰4,5が傾斜していない状態を基準とし、この基準状態に対するサイド堰4,5の傾斜角度の検出値である。
また、冷却水制御部23では、サイド堰傾斜角度θと制御ゲインKθ,Tと冷却水温度プリセットパターンTref,1pの値とに基づき、冷却水温度指令Tref,1の値を算出式(Tref,1=Tref,1p+Kθ,Tθ)によって算出し、サイド堰傾斜角度θと制御ゲインKθ,Tと冷却水温度プリセットパターンTref,2pの値とに基づき、冷却水温度指令Tref,2の値を算出式(Tref,2=Tref,2p−Kθ,Tθ)によって算出する。
このため、一方の冷却ドラム2に関する冷却水流量指令Qref,1の値は小さくなり、他方の冷却ドラム3に関する冷却水流量指令Qref,2の値は大きくなる。また、一方の冷却ドラム2に関する冷却水温度指令Tref,1の値は大きくなり、他方の冷却ドラム3に関する冷却水温度指令Tref,2の値は小さくなる。
また、本実施の形態例2も、上記実施の形態例1と同様に油圧シリンダが1台の場合(図10)でも適用することができる。湯溜まり部6への溶鋼9の注湯を開始後、一対の冷却ドラム2,3の熱膨張量に差が生じてサイド堰4,5が球面座53を中心にして傾斜したとき、このサイド堰4,5の傾斜角度をサイド堰傾斜角度検出器61a,61bによって検出すればよい。
従って、より確実に一方の冷却ドラム2と他方の冷却ドラム3の軸方向の熱膨張量に差が生じるのを防止してサイド堰4,5と冷却ドラム2,3の間の隙間をコントロールする(シール性を良好に保つ)ことができる。
図14〜図16に基づき、本発明の実施の形態例3について説明する。これらの図において上記実施の形態例1(図1〜図10)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明を省略する。
本実施の形態例3はサイド堰を冷却ドラムへ押付ける制御が、サイド堰押付け位置制御である場合の実施形態である。
冷却・押付け制御装置21は、油圧シリンダ13a,13b,13c,13d,13e,13fによるサイド堰4,5の押付け制御を行うためのサイド堰押付け制御部22と、冷却ドラム2,3の冷却水の流量及び温度を制御するための冷却水制御部23とを有している。
その結果、シリンダ駆動指令Da,Db,Dcに基づいて油圧シリンダ13a,13b,13cが、それぞれ駆動してサイド堰4を冷却ドラム2,3の軸方向端面に押付けることにより、サイド堰変位検出値da,db,dcがそれぞれ所定の変位d0a,d0b,d0cとなる。即ち、このサイド4の堰押付け位置制御では、一対の冷却ドラム2,3に軸方向の熱膨張量差が生じても、サイド堰4を傾斜させず全体的に同じ変位量ずつ軸方向へ変位させていく。例えば、冷却ドラム2,3の軸方向端面に接するサイド堰4の接触面の摩耗が進行するのに応じて、サイド堰4全体を徐々に軸方向へ変位させていく。
その結果、シリンダ駆動指令Dd,De,Dfに基づいて油圧シリンダ13d,13e,13fが、それぞれ駆動してサイド堰5を冷却ドラム2,3の軸方向端面に押付けることにより、サイド堰変位検出値dd,de,dfがそれぞれ所定の変位d0a,d0b,d0cとなる。即ち、このサイド堰5の押付け位置制御では、一対の冷却ドラム2,3に軸方向の熱膨張量差が生じても、サイド堰5を傾斜させず全体的に同じ変位量ずづ軸方向へ変位させていく。例えば、冷却ドラム2,3の軸方向端面に接するサイド堰5の接触面の摩耗が進行するのに応じて、サイド堰5全体を徐々に軸方向へ変位させていく。
即ち、一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じて、サイド堰4の一方の冷却ドラム2側部分の押付け力と他方の冷却ドラム3側部分の押付け力が変化する。
即ち、一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じて、サイド堰5の一方の冷却ドラム2側部分の押付け力と他方の冷却ドラム3側部分の押付け力が変化する。
前述のとおり、冷却水流量指令Qref,1,Qref,2は冷却水供給装置31,32から冷却ドラム2,3へ供給する冷却水の流量の指令値であり、冷却水温度指令Tref,1,Tref,2は冷却水供給装置31,32から冷却ドラム2,3へ供給する冷却水の温度の指令値である。
また、冷却水制御部23では、サイド堰押付け力差ΔPと制御ゲインKP,Tと冷却水温度プリセットパターンTref,1pの値とに基づき、冷却水温度指令Tref,1の値を算出式(Tref,1=Tref,1p−KP,TΔP)によって算出し、サイド堰押付け力差ΔPと制御ゲインKP,Tと冷却水温度プリセットパターンTref,2pの値とに基づき、冷却水温度指令Tref,2の値を算出式(Tref,2=Tref,2p+KP,TΔP)によって算出する。
このため、一方の冷却ドラム2に関する冷却水流量指令Qref,1の値は小さくなり、他方の冷却ドラム3に関する冷却水流量指令Qref,2の値は大きくなる。また、一方の冷却ドラム2に関する冷却水温度指令Tref,1の値は大きくなり、他方の冷却ドラム3に関する冷却水温度指令Tref,2の値は小さくなる。
また、本実施の形態例3のその他の構成についても、上記実施の形態例1(図1〜図9)と同様である。
図16にはサイド堰4について図示している。サイド堰5についてはサイド堰4と同様であるため、図示及び説明を省略する。
そして、このサイド堰4(支持板52)には、サーボシリンダである1台の油圧シリンダ13(サイド堰押付け手段)が設けられている。
その結果、シリンダ駆動指令Dに基づいて油圧シリンダ13が駆動してサイド堰4を冷却ドラム2,3の軸方向端面に押付けることにより、サイド堰変位検出値da,db,dcが所定の変位d0となる。即ち、このサイド堰4の押付け位置制御では、一対の冷却ドラム2,3に熱膨張量差が生じても、サイド堰4を傾斜させず全体的に同じ変位量ずつ軸方向へ変位させていく。例えば、冷却ドラム2,3の軸方向端面に接するサイド堰4の接触面の摩耗が進行するのに応じて、サイド堰4全体を徐々に軸方向へ変位させていく。なお、ここでは油圧シリンダ13が1台だけであるため、サイド堰変位検出器は1つでもよい。
これらのことはサイド堰5についても同様である。従って、この場合においても、前述と同様に一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量差に応じて変化するサイド堰押付け力検出器14a,14c,15d,14fのサイド堰押付け力検出値Pa,Pc,Pd,Pfに基づいて、一対の冷却ドラム2,3の軸方向の熱膨張量が同じになるように冷却水の流量及び温度を制御することができる。
従って、より確実に一方の冷却ドラム2と他方の冷却ドラム3の軸方向の熱膨張量に差が生じるのを防止してサイド堰4,5と冷却ドラム2,3の間の隙間をコントロールする(シール性を良好に保つ)ことができる。
また、上記実施の形態例1〜3では冷却水流量プリセットパターンQref,1,Qref,2pと冷却水温度プリセットパターンTref,1,Tref,2の両方を用いているが、これに限定するものではなく、何れか一方だけを用いてもよい。即ち、冷却水流量プリセットパターンQref,1,Qref,2p及び冷却水温度プリセットパターンTref,1,Tref,2の何れか一方又は両方に基づき、冷却水制御装置31,41から一対の冷却ドラム2,3の何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御するよにすればよい。
2 冷却ドラム
2a 回転軸
2b 冷却ドラム本体部
2c 通水孔
3 冷却ドラム
3a 回転軸
3b 冷却ドラム本体部
3c 通水孔
4,5 サイド堰
6 湯溜まり部
7 隙間
8 鋳片
9 溶鋼
11 サイド堰耐火材ホルダ
12 サイド堰耐火材
13,13a,13b,13c,13d,13e,13f 油圧シリンダ
14,14a,14b,14c,14d,14e,14f サイド堰押付け力検出器
15a,15b,15c,15d,15e,15f サイド堰変位検出器
21 冷却・押付け制御装置
22 サイド堰押付け制御部
23 冷却水制御部
31 冷却水供給装置
32 冷却水温度調節器
32a 第1の冷却水温度調節器
32b 第2の冷却水温度調節器
33 冷却水ポンプ
33a 第1の冷却水ポンプ
33b 第2の冷却水ポンプ
34 冷却水流量調整バルブ
34a 第1の冷却水流量調整バルブ
34b 第2の冷却水流量調整バルブ
35 冷却水流量配分演算器
41 冷却水供給装置
42 冷却水温度調節器
42a 第1の冷却水温度調節器
42b 第2の冷却水温度調節器
43 冷却水ポンプ
43a 第1の冷却水ポンプ
43b 第2の冷却水ポンプ
44 冷却水流量調整バルブ
44a 第1の冷却水流量調整バルブ
44b 第2の冷却水流量調整バルブ
45 冷却水流量配分演算器
51 冷却水ノズル
52 支持板
52a 脚部
53 球面座
61a,61b サイド堰傾斜角度検出器
Claims (5)
- 一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラムの軸方向の両端面に押付けられる一対のサイド堰と、前記一対の冷却ドラムと前記一対のサイド堰とで囲まれた湯溜まり部と、前記一対のサイド堰を前記一対の冷却ドラムの軸方向の両端面に押付けるサイド堰押付け手段と、前記サイド堰押付け手段による前記一対のサイド堰の押付けを制御するためのサイド堰押付け制御手段と、前記一対の冷却ドラムに冷却水を供給する冷却水供給手段とを有する双ドラム式連続鋳造機に装備される冷却ドラム冷却制御装置であって、
前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量差に応じて変化する物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段による前記物理量の検出値に基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御する冷却水制御手段と、
を備えたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置。 - 請求項1に記載する双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置において、
前記冷却水制御手段では、前記湯溜まり部への鋳込み材の注湯開始後に生じる前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように設定された冷却水流量プリセットパターン及び冷却水温度プリセットパターンの何れか一方又は両方に基づき、前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
を特徴とする双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置。 - 請求項1又は2に記載する双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置において、
前記サイド堰押付け制御手段は、押付け力一定制御を行うものであり、
前記物理量検出手段は、前記軸方向の熱膨張量差に応じて変化する前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位と他方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位とを検出するサイド堰変位検出器であり、
冷却水制御手段では、前記サイド堰変位検出器による前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位の検出値と他方の冷却ドラム側部分の軸方向の変位の検出値とに基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
を特徴とする双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置。 - 請求項1又は2に記載する双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置において、
前記サイド堰押付け制御手段は、押付け力一定制御を行うものであり、
前記物理量検出手段は、前記軸方向の熱膨張量差によって応じて変化する前記サイド堰の傾斜角度を検出するサイド堰傾斜角度検出器であり、
冷却水制御手段では、前記サイド堰傾斜角度検出器による前記サイド堰の傾斜角度の検出値に基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
ること、
を特徴とする双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置。 - 請求項1又は2に記載する双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置において、
前記サイド堰押付け制御手段は、サイド堰押付け位置制御を行うものであり、
前記物理量検出手段は、前記軸方向の熱膨張量差に応じて変化する前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の押付け力と他方の冷却ドラム側部分の押付け力とを検出するサイド堰押付け力検出器であり、
冷却水制御手段では、前記サイド堰押付け力検出器による前記サイド堰の一方の冷却ドラム側部分の押付け力の検出値と他方の冷却ドラム側部分の押付け力の検出値とに基づいて、前記一対の冷却ドラムの軸方向の熱膨張量が同じになるように前記冷却水供給手段から前記一対の冷却ドラムの何れか一方又は両方に供給する冷却水の流量もしくは温度又は流量及び温度を制御すること、
を特徴とする双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2012260750A JP2014104497A (ja) | 2012-11-29 | 2012-11-29 | 双ドラム式連続鋳造機の冷却ドラム冷却制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110039017A (zh) * | 2019-05-21 | 2019-07-23 | 一重集团大连工程技术有限公司 | 一种铸轧侧封装置 |
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JPS63171251A (ja) * | 1987-01-10 | 1988-07-15 | Nippon Steel Corp | 金属薄帯の連続鋳造方法及び装置 |
JP2000190054A (ja) * | 1998-12-22 | 2000-07-11 | Nippon Steel Corp | 双ロール式連続鋳造設備における冷却ドラム予熱方法および装置 |
JP2000202588A (ja) * | 1999-01-12 | 2000-07-25 | Nippon Steel Corp | 双ドラム連続鋳造方法および装置 |
-
2012
- 2012-11-29 JP JP2012260750A patent/JP2014104497A/ja active Pending
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