JP2014103571A - 送信システム - Google Patents

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純哉 大河原
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Abstract

【課題】プリディストータを用いた送信システムにおいて、プリディストータと電力増幅器とを離れた位置に配置できる送信システムを提供する。
【解決手段】本発明の送信システムは、電力増幅器、プリディストータ、変換器、送信用光RF回路、方向性結合器、レベル調整器、逆変換器、観測用光RF回路を備える。レベル調整器は、観測用光RF回路で生じる歪が所定の範囲以内となるようにRF観測信号の大きさを調整する。第1の発明では、プリディストータは、遅延時間の予測値を用いて電力増幅器の出力に含まれる歪成分を観測する歪観測部を有している。第2の発明では、プリディストータは、パイロット信号発生部、遅延観測部、歪観測部を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力増幅器とプリディストータとを離して配置する場合の送信システムに関する。
本願明細書で説明する送信システムとは、アンテナにRF(Radio Frequency)信号を供給するためのシステムであって、プリディストータ、電力増幅器、方向性結合器などで構成される。プリディストータの従来技術としては、例えば、非特許文献1〜3、特許文献1などが知られている。プリディストータは、信号に遅延を与える遅延経路と、N(Nは3以上の奇数)次歪発生器とベクトル調整器とを有する歪発生経路と、入力信号を遅延経路と歪発生経路に分配する分配器と、遅延経路の出力と歪発生経路の出力とを合成する合成器と、ベクトル調整器を制御する制御器とで構成され、電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消すための歪補償成分を入力信号に付加し、出力信号とする。そして、効率的に電力増幅器の歪成分を打ち消すため、プリディストータ、電力増幅器、方向性結合器は近傍に配置される。
無線基幹基地局と光前進基地局との間を光伝送路でつないだシステムとしては、特許文献2が公開されている。なお、特許文献2の要約には、「この無線通信基地局システムでは、光前進基地局内の電力増幅器による増幅によって発生する歪み信号成分をあらかじめ無線基幹基地局において生成し、信号成分で変調された波長λt1の光信号と、その歪み成分で変調された波長λt2の光信号とを無線基幹基地局から光前進基地局へ伝送する。そして、光前進基地局内でそれらの光信号を高周波信号に変換し、信号成分を電力増幅器によって増幅する。その後、その増幅信号と、高周波に変換された歪み成分の信号とを逆位相で合成し、信号成分を増幅することによって生じる歪み成分を除去する。」と記載されている。
特開2010−93785号公報 特開2002−238071号公報
S. Mizuta, Y. Suzuki, T. Hirota, and Y. Yamao, "Digital predistortion linearizer for compensating frequency-dependent IM distortion," in Proc. 34th European Microwave Conference, pp. 1053 - 1056, Oct. 2004. S. Mizuta, Y. Suzuki, S. Narahashi, and Y. Yamao, "A New Adjustment Method for the Frequency-Dependent IMD Compensator of the Digital Predistortion Linearizer," IEEE Radio and Wireless Symposium 2006, pp. 255 - 258, Jan. 2006. J. Ohkawara, Y. Suzuki, and S. Narahashi, "Fast Calculation Scheme for Frequency Characteristic Compensator of Digital Predistortion Linearizer," IEEE Vehicular Technology Conference Spring 2009, proceedings, Apr. 2009.
特許文献2のように親局(無線基幹基地局など)と子局(光前進基地局など)のように離れた設備に分散して送信システムを配置すれば、子局の設備を小型にできる。しかしながら、特許文献2の技術は、歪補償成分を加えてから電力増幅するのではなく、電力増幅した後で歪成分を除去する。したがって、歪を除去するための信号も別に増幅しなければならないので、消費電力が大きくなるという課題がある。
プリディストータを用いた送信システムの場合、子局にプリディストータのような信号処理を行う複雑な装置を置く必要があるので、子局の設備を小さくできない。仮に、親局と子局に分散して配置すると遅延を考慮して歪補償をしなければならなくなり、遅延の観測や調整のための信号処理が多くなってしまう。
本発明は、プリディストータを用いた送信システムにおいて、プリディストータと電力増幅器とを離れた位置に配置できる送信システムを提供することを目的とする。
本発明の送信システムは、電力増幅器、プリディストータ、変換器、送信用光RF回路、方向性結合器、レベル調整器、逆変換器、観測用光RF回路を備える。電力増幅器は、RF信号を増幅する。プリディストータは、電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消すための歪補償成分を入力信号に付加し、出力信号とする。変換器は、出力信号をRF信号に変換する。送信用光RF回路は、変換器によって変換されたRF信号を、電力増幅器まで光ファイバを用いて伝送する。方向性結合器は、電力増幅器の出力の一部を抽出し、RF観測信号とする。レベル調整器は、観測用光RF回路で生じる歪が所定の範囲以内となるようにRF観測信号の大きさを調整する。逆変換器は、RF観測信号を出力信号と同じ周波数帯の観測信号に変換する。観測用光RF回路は、レベル調整器の出力を、逆変換器まで光ファイバを用いて伝送する。そして、第1の発明では、プリディストータは、送信用光RF回路と観測用光RF回路によって生じる遅延時間の予測値を用いて電力増幅器の出力に含まれる歪成分を観測する歪観測部を有していることを特徴としている。また、第2の発明では、プリディストータは、出力信号中にパイロット信号を加えるパイロット信号発生部と、パイロット信号を送信してから観測信号に含まれるパイロット信号を受信するまでの時間を遅延時間として測定する遅延観測部と、遅延時間を用いて電力増幅器の出力に含まれる歪成分を観測する歪観測部を有していることを特徴としている。
本発明の送信システムによれば、観測用光RF回路の線形性を維持しながら、光ファイバで生じる遅延を考慮して歪補償を実行できるので、プリディストータと電力増幅器とを離れた位置に配置できる。
実施例1と実施例2の送信システムの機能構成例を示す図。 実施例1のプリディストータの機能構成例を示す図。 実施例1と実施例2と実施例5の歪補償信号発生経路の構成例を示す図。 係数計算部の制御フローを示す図。 実験により求めた光RF回路の遅延時間と計算により求めた遅延時間を比較した結果を示す図。 実施例2のプリディストータの機能構成例を示す図。 遅延測定部の制御フローの例を示す図。 実施例3の送信システムの機能構成例を示す図。 実施例3のプリディストータの機能構成例を示す図。 実施例3と実施例4の歪補償信号発生経路の機能構成例を示す図。 実施例3変形例1のプリディストータの機能構成例を示す図。 実施例3変形例2の送信システムの機能構成例を示す図。 実施例3変形例2のプリディストータの機能構成例を示す図。 実施例3変形例2の歪補償信号発生経路の構成例を示す図。 実施例3変形例3の送信システムの機能構成例を示す図。 実施例3変形例4の送信システムの機能構成例を示す図。 実施例4の送信システムの機能構成例を示す図。 実施例4のプリディストータの機能構成例を示す図。 実施例5の送信システムの機能構成例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
図1に実施例1の送信システムの機能構成例を示す。送信システム10は、電力増幅器500、プリディストータ2200、変換器350、送信用光RF回路1110、方向性結合器700、レベル調整器790、逆変換器850、観測用光RF回路1120を備える。図1の例では、プリディストータ2200は親局1000に配置され、電力増幅器500は子局1200に配置され、その間に送信用光RF回路1110と観測用光RF回路1120を有する光伝送部1100が配置されている。なお、プリディストータ2200と電力増幅器500の配置は、親局と子局に限る必要はない。例えばマンションの屋上に基地局(アンテナ)を置く場合に電力増幅器500は屋上に配置し、プリディストータ2200は1階や地下に配置し、その間に光伝送部1100を配置してもよい。
電力増幅器500は、RF(Radio Frequency)信号を増幅する。増幅されたRF信号は出力端子600から出力され、アンテナ(図示していない)に供給される。信号発生装置100は、プリディストータ2200に入力信号を供給する。プリディストータ2200は、電力増幅器500の出力に含まれる歪成分を打ち消すための歪補償成分を入力信号に付加し、出力信号とする。変換器350は、プリディストータ2200の出力信号をRF信号に変換する。例えば、プリディストータ2200の入力信号がI相とQ相のデジタル信号であり、プリディストータ2200の出力信号がI相とQ相のアナログ信号である。この場合、変換器350は、直交変調器300とアップコンバータ400で構成すればよい。そして、送信用光RF回路1110は、変換器350によって変換されたRF信号を、電力増幅器500まで光ファイバ1112を用いて伝送する。例えば、送信用光RF回路1110は、電気/光変換器1111、光ファイバ1112、光/電気変換器1113で構成すればよい。なお、電力増幅器500の出力に含まれる歪成分には、電力増幅器500で生じた歪だけでなく送信用光RF回路1110で生じた歪成分なども含まれている。
方向性結合器700は、電力増幅器500の出力の一部を抽出し、RF観測信号とする。レベル調整器790は、観測用光RF回路1120で生じる歪が所定の範囲以内となるようにRF観測信号の大きさを調整する。逆変換器850は、RF観測信号をプリディストータ2200の出力信号と同じ周波数帯の観測信号に変換する。例えば、RF観測信号をI相とQ相のアナログ信号に変換するのであれば、ダウンコンバータ800と直交復調器900で構成すればよい。観測用光RF回路1120は、レベル調整器790の出力を、逆変換器850まで光ファイバ1122を用いて伝送する。例えば、観測用光RF回路1120は、電気/光変換器1121、光ファイバ1122、光/電気変換器1123で構成すればよい。なお、観測用光RF回路1120で生じる歪は、観測信号には含まれるが電力増幅器500の出力には含まれていない歪である。したがって、観測用光RF回路1120で生じる歪を、送信システムに要求される精度を満足する所定の範囲以内にしなければならない。ところが、一般的に電気/光変換器1121は、入力された信号の線形性を維持できる範囲が狭い。そこで前述のようにレベル調整器790は、電気/光変換器1121を所望の線形性が維持できるように動作させるためにRF観測信号の大きさを調整する。なお、レベル調整器790に入力されるRF観測信号の大きさは、温度や経年変化によって緩やかに変わると考えられるため、レベル調整器790によるRF観測信号の大きさの調整は、後述の歪観測部2270が測定する歪成分の観測には影響を与えない程度とすればよい。もしくは、通信用の信号が伝送されていないタイミングでのみでレベル調整器790の調整を行い、通信用の信号が伝送されているタイミングでは調整量を一定にすればよい。
図2は、実施例1のプリディストータの機能構成例を示している。プリディストータ2200は、信号分配器210、線形伝達経路220、歪補償信号発生経路230、信号加算器240、DAC250、ADC260、歪観測部2270、制御部2280を有する。信号分配器210は、プリディストータ2200の入力信号を線形伝達経路220と歪補償信号発生経路230に分配する。線形伝達経路220は、歪補償信号発生経路と同じだけ信号を遅延させる遅延器221を有する。歪補償信号発生経路230は、制御部2280からの制御信号に基づき電力増幅器500の出力に含まれる歪成分を補償する歪補償信号を生成する。信号加算器240は、線形伝達経路220の出力と歪補償信号発生経路230の出力を合成する。DAC250は、信号加算器出力信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換する。ADC260は、アナログ信号である観測信号をデジタル信号に変換する。歪観測部2270は、送信用光RF回路1110と観測用光RF回路1120によって生じる遅延時間の予測値を用いて、ADC260の出力から電力増幅器500の出力に含まれる歪成分の電力を任意の帯域ごとに測定する。制御部2280は、歪観測部2270の測定結果に基づいて電力増幅器500の出力に含まれる歪成分を補償するように歪補償信号発生経路230に制御情報を伝達する。
図3に歪補償信号発生経路230の構成例を示す。歪補償信号発生経路230は、3次歪発生器231、3次ベクトル調整器232、3次周波数特性補償器233を有する。3次歪発生器231は、信号分配器210で分配された信号を3乗し、3次歪成分を生成する。3次ベクトル調整器232は制御部2280からの制御情報に含まれる振幅と位相の情報を用いて3次歪発生器231の出力の位相と振幅をそれぞれ調整する。3次周波数特性補償器233は、制御部2280からの制御情報に含まれるあらかじめ定めた帯域幅ごとの振幅と位相の情報を用いて、あらかじめ定めた帯域幅ごとに3次ベクトル調整器232の出力の振幅と位相をそれぞれ調整する。なお、3次歪成分を補償する信号を発生させる経路に対し高次の歪成分を補償する信号を発生させる経路を並列に設置することで、高次の歪成分を補償してもよい。
制御部2280は、遅延計算部2281と係数計算部2282を有する。遅延計算部2281では、予め与えられた光ファイバの屈折率nと光ファイバ長Lから光伝送部1100の遅延時間tcalを計算する。真空中の光速度をcとすると、tcalはnL/cで求められる。送信用光RF回路1110の遅延時間tcal1は、送信用光RF回路1110の光ファイバ1112の長さL1と屈折率n1からtcal1(=n1L1/c)と求められる。観測用光RF回路1120の遅延時間tcal2は、観測用光RF回路1120の光ファイバ1122の長さL2と屈折率n2からtcal2(=n2L2/c)と求められる。遅延計算部2281は、係数計算部2282に遅延時間tcal=tcal1+ tcal2を伝達するとともに、係数計算部2282が歪観測部2270に指示する時刻をtcalだけ遅延させるよう指示する。tcal=tcal1+ tcal2とすれば、親局1000から子局1200へ信号を伝送する送信用光RF回路1110と子局1200から親局1000へ信号を伝送する観測用光RF回路1120の光ファイバ長、屈折率が異なる場合であっても遅延時間を調整することができる。また、光ファイバ長、屈折率が同じ場合には、遅延時間はtcal=2tcal1としてもよい。このように計算することで、処理の簡易化を図れる。あるいは、線形中継装置や再生中継装置などの中継装置を用いて光ファイバの伝送距離を延長させる場合には、例えば、中継器を1つとした場合、電気/光変換器から中継装置までの光ファイバ長と屈折率、中継装置から光/電気変換器までの光ファイバ長と屈折率を用いてそれぞれの区間で遅延時間を計算してもよい。
係数計算部2282は、歪補償信号発生経路230へ制御情報を伝送する。係数計算部2282が歪補償信号発生経路230に制御情報を伝送したときに、歪成分の電力を歪観測部2270で観測する場合、歪補償信号発生経路230で生成した歪補償信号がDAC250から出力されてからtcalだけ遅れて歪成分の電力を観測するよう係数計算部2282は、歪観測部2270に指示する。係数計算部2282は、制御情報と得られた歪成分の電力から従来手法を用いて電力増幅器500の歪成分を低減するように歪補償信号発生経路230へ制御情報を伝送する。
なお、光伝送部1100以外の部分で生じる遅延を含めるため、マージンtmだけ時間を長くしてもよい。すなわち、tcal+tmとしてもよい。マージンtmは光伝送部1100以外の線路長や線路に使用した材質の特性値から計算により求めてもよく任意に設定してもよい。これにより光伝送部1100以外の遅延を考慮することができ、より正確なタイミングで歪成分の電力を歪観測部にて観測できる。
次に、非特許文献3を参照し、3次ベクトル調整器232に関して、位相の調整を例に係数計算部2282の動作を説明する。非特許文献3では周波数特性補償器に与える位相と振幅に関する調整法の記載があるが、この方法はベクトル調整器にも適用できる。図4に係数計算部2282の制御フローを示す。異なる3点の位相(p0、p1、p2)でそれぞれ位相を調整する帯域に対応する歪成分の電力(D0、D1、D2)を測定する(S1〜S5)。歪成分の電力を測定する場合、係数計算部2282は、位相を調整した信号がDAC250から出力されてからtcalだけ遅れて歪成分の電力を観測するように歪観測部2270に指示する。次いで、係数計算部2282は、測定した3点の歪成分の電力を用いて最小2乗法により歪成分と位相の関係を示す2次関数D=a2p2+a1p+a0の係数(a2,a1,a0)を計算し(S6)、計算した2次関数の係数を用いて2次関数を最小とする位相(pmin=-a1/2a2)を算出する(S7)。そして、係数計算部2282は、その帯域の位相としてpminを設定するように3次ベクトル調整器232に制御情報を伝送する(S8)。振幅についても同様の動作を行う。ある1つの帯域における位相と振幅を設定した場合、係数計算部2282は、あらかじめ設定した順番に従って各帯域の位相と振幅の調整を行う。係数計算部2282による3次周波数特性補償器233における振幅と位相の調整も同様の動作である。
図5に実験により求めた光RF回路の遅延時間と計算により求めた遅延時間を比較した結果を示す。縦軸は遅延時間、横軸は光ファイバ長である。光ファイバ長は、10m、100m、1000mとし、中心周波数を1.5GHzとして、2種類の光RF回路の遅延時間を測定した。計算では屈折率n=1.5とし、遅延時間を計算した。結果より、計算結果と測定結果がほぼ一致していることがわかる。
実施例1の送信システムによれば、観測用光RF回路の線形性を維持しながら、光ファイバで生じる遅延を考慮して歪補償を実行できるので、プリディストータと電力増幅器とを離れた位置に配置できる。また、特許文献2のように歪補償用の信号を別に増幅する必要はないので消費電力を抑えることができる。さらに、光ファイバを用いるので、プリディストータと電力増幅器の間の配線を細くでき、遅延時間を屈折率と長さだけで計算できるので容易かつ正確に計算しやすい。
実施例2の送信システムの機能構成例も図1に示す。実施例2の送信システム20は、プリディストータ2300のみが実施例1の送信システム10と異なる。図6に、実施例2のプリディストータの機能構成例を示す。実施例2では、プリディストータ2300から出力した信号が電力増幅器500を経てプリディストータ2300に帰還するまでの遅延時間をパイロット信号により測定する。
図6のプリディストータ2300は、信号分配器210、線形伝達経路220、歪補償信号発生経路230、信号加算器240、DAC250、ADC260、歪観測部2270、制御部2380、パイロット信号発生部2391、遅延観測部2390を有する。制御部2380と制御部2280の違いは、遅延計算部2281の代わりに遅延測定部2381を有していることである。また、プリディストータ2300は、パイロット信号発生部2391と遅延観測部2390を有する点もプリディストータ2200と異なる。遅延測定部2381は、パイロット信号発生部2391と遅延観測部2390を制御し、遅延時間を測定する。なお、具体的な制御方法については後述する。パイロット信号発生部2391は、信号加算器240とDAC250との間にパイロット信号を付加する。遅延観測部2390は、ADC260の出力から遅延時間を観測し遅延測定部2381に遅延時間を伝達する。
パイロット信号発生部2391は、線形伝達経路220と信号加算器240の間に設置してもよい。なお、線形伝達経路220の前段にパイロット信号発生部2391を設置する場合は、パイロット信号発生器出力が歪補償信号発生経路230にも入力され、歪補償信号発生経路230を経たパイロット信号発生部2391の出力がパイロット信号発生部2391の出力に付加され遅延時間の測定精度が劣化する懸念とプリディストータ2300の歪補償特性が劣化する懸念がある。
図7に遅延測定部2381の制御フローの例を示す。遅延測定部2381は、パイロット信号発生部2391にパイロット信号を出力することを指示するとともに遅延観測部2390に遅延時間の観測開始を指示する(S11)。遅延測定部2381から観測開始の指示を受けた遅延観測部2390は、指示を受けてから遅延観測部2390にパイロット信号が到達するまでの遅延時間を計測する(S12)。遅延測定部2381が遅延時間tmeasを係数計算部2282に伝達し、係数計算部2282が歪観測部2270に指示する時刻をtmeasだけ遅延させるように指示し、設定する(S13)。
<パイロット信号>
パイロット信号は、電力増幅器500で増幅する信号と同じ周波数帯としたパルス信号を1周期だけ出力させればよい。これにより遅延観測部2390でパルス信号の補足が容易になる場合がある。パルス信号を連続して出力する場合、DAC250を経てADC260に帰還するまでの遅延時間よりも長い間隔で出力してもよい。これにより、遅延時間の誤測定を回避できる。間隔は上述のtcalに予め定めたマージンを加えた値でもよい。
プリディストータ2300への入力信号とパイロット信号を同時に電力増幅器500に入力する場合は、パイロット信号の電力を、プリディストータ2300への入力信号とパイロット信号の相互変調歪成分が出ないようにあらかじめ設定する。あらかじめ設定しない場合は、歪観測部2270において電力増幅器500の出力スペクトルを観測し、その結果を遅延測定部2381に伝達する。そして、遅延測定部2381では、歪観測部2270からの情報に基づいて相互変調歪が発生しないようにパイロット信号発生部2391の電力を制御する。
送信アンテナから出力する送信信号の中心周波数を同じとした場合、信号同士の干渉により送信信号の伝送品質が劣化する可能性がある。よって、パイロット信号の中心周波数は、送信信号の中心周波数からあらかじめ定めたオフセット周波数だけ離してもよい。オフセットはプリディストータ2300の入力信号に対して高い周波数になるように設定してもよく、低い周波数となるようにしてもよい。加えて、光伝送部1100の周波数特性の変動が大きい場合、プリディストータ2300の入力信号の両側にパルス信号を入力してもよい。これにより、遅延時間の測定精度を高めることができる。オフセット周波数は、電力増幅器500で発生する歪成分の帯域よりも低いまたは高いことが好ましい。これにより、パイロット信号のレベルが電力増幅器500で発生する歪成分のレベル以下であってもパイロット信号を観測できる。例えば、プリディストータ2300の入力信号の帯域幅が20MHzでありプリディストータで5次歪成分まで補償する場合、歪成分の帯域幅は100MHzとなる。そのため、パイロット信号のオフセット周波数は中心周波数から50MHzよりも低いまたは高いことが好ましい。
パイロット信号としてパルス信号を用いた場合、子局側の出力端子にパイロット信号を抑圧するようなノッチフィルタ、バンドパスフィルタ、スイッチのいずれかもしくは組合せて設置する。これにより、パイロット信号が送信アンテナから出力させないようにする。スイッチを用いない場合、アンテナから信号を出力しつつ光伝送部1100の遅延時間を調整することができる。これにより光伝送部の温度変化などにより遅延時間が変動する場合であっても常に遅延時間を観測できる。スイッチを用いる場合、親局2000の遅延測定部2381は、パイロット信号を送信する際にパイロット信号がアンテナへ入力されないように、スイッチをオフとする指示を行う。プリディストータ2300の歪補償信号発生経路230の調整において、信号をアンテナへ入力しない場合も同様にオフとする。歪補償信号発生経路230の調整において歪成分の電力があらかじめ定めた閾値よりも常に小さくなる場合、歪成分が隣接する周波数を使うシステムへ与える干渉量が低いためスイッチはオンとしてもよい。
また、プリディストータ2300に信号が入力していないタイミングでパイロット信号を送信するように遅延測定部2381はパイロット信号発生部2391に指示してもよい。この場合、信号分配器210と遅延測定部2381を接続し、プリディストータ2300の入力信号を遅延測定部2381が監視する。このような構成にすれば、パイロット信号のみを電力増幅器500に入力するためパイロット信号とプリディストータ2300の入力信号との相互変調歪が電力増幅器500で発生することを回避できる。
<遅延時間の測定>
遅延時間の観測方法を以下に示す。プリディストータ入力信号がない場合、すなわちDAC250からパイロット信号のみ出力している場合、ADC260の出力の振幅値電力を観測し、パイロット信号発生部2391がパイロット信号を出力してから振幅値があらかじめ定めた閾値を超えるまでの時間を、遅延時間とする。プリディストータ2300に入力信号がある場合、すなわちDAC250からパイロット信号とプリディストータ2300の出力信号が同時に出力されている場合、遅延観測部2390は、入力する信号に対しパイロット信号のみを通過させるデジタルバンドパスフィルタを有すればよい。デジタルバンドパスフィルタはFIRフィルタといった従来技術で構成すればよい。そして、デジタルバンドバスフィルタを通過した信号の振幅値を観測し、パイロット信号発生部2391がパイロット信号を出力してから振幅値があらかじめ定めた閾値を超えるまでの時間を、遅延時間とする。デジタルバンドパスフィルタの信号処理時間が遅延時間に対して無視できない場合、観測した時刻からデジタルバンドパスフィルタの信号処理時間を除く処理を行う。この信号処理時間は予め測定し設定しておく。遅延観測部2390は、観測開始の指示を受けた時間とパイロット信号が到達するまでの時間から遅延時間tmeasを求め、遅延測定部2381に伝達する。なお、遅延時間の測定において、振幅値ではなく瞬時電力を観測し、瞬時電力が事前に定めた閾値を超えるまでの時間としてもよい。
また、遅延時間の測定として、従来手法である相関法を使ってもよい。相関法を使う場合、パイロット信号発生部2391の出力を遅延観測部2390にも入力する。遅延観測部2390では、パイロット信号発生部2391の出力を用いてADC260の出力との相関をとる。相関をとる周期TCを短くするため、実施例1で示した方法を用いて遅延時間tcalを求め、tcalを遅延観測部2390が設定しておく。遅延観測部2390では、tcal±TC/2の区間で相関をとることとしてもよい。これにより、相関をとる周期を短くでき、信号処理量を減らすことができる。なお、振幅値を観測する場合においても遅延時間tcalを遅延測定部2381で求め、tcal±Tm1の前後だけ振幅値を観測するようにしてもよい。これにより、振幅値を観測する時間を短くでき、信号処理量を減らすことができる場合がある。Tm1はあらかじめオフセット値として定めておけばよい。
上記の処理において、パイロット信号発生部2391と遅延観測部2390と遅延測定部2381は同期がとれているものとする。すなわち、パイロット信号を発生する時刻と観測開始の指示を受ける時刻は一致している。より正確な遅延時間を求める必要がある場合、パイロット信号を出力する時刻として指示する時刻ではなくパイロット信号がDAC250から出力される時刻としてもよい。
上記ではデジタルバンドパスフィルタを用いた場合について説明したが、デジタルノッチフィルタ、デジタルローパスフィルタ、デジタルハイパスフィルタを用いてプリディストータ2300からの出力信号を抑圧してもよい。これらのデジタルフィルタは例えばFIRフィルタにより具現化できる。
また、以下に示すようなアナログ回路を用いてもよい。アナログ回路を用いることでデジタル信号処理に関わる演算量を減らすことができる。アナログ回路を用いる場合、直交復調器900の出力をADC260と図示していないアナログバンドパスフィルタ261に入力するように分配し、アナログバンドパスフィルタ261の出力を図示していないADC262に入力する。この構成の場合、遅延観測部2390はADC260と接続されるのではなく、ADC262と接続される。アナログバンドパスフィルタ261には、パイロット信号のみ通過させるような通過特性を持たせればよい。アナログバンドパスフィルタを用いない場合、プリディストータ2300の出力信号の成分の電力がパイロット信号の電力よりも小さくなるように減衰させる特性を持ったアナログノッチフィルタ、アナログローパスフィルタ、アナログハイパスフィルタを用いる。これによりプリディストータ2300の出力信号の成分が遅延観測部2390で検出されることを回避でき、遅延時間の誤観測を回避できる。アナログフィルタの減衰量もしくは通過特性が不足する場合、デジタルバンドパスフィルタ、デジタルノッチフィルタ等を組合せてもよい。組合せることで誤観測を回避できる可能性を高められる場合がある。
光伝送部1100の遅延時間が経時変化、温度変化など何らかの要因によって変化する場合、遅延時間の測定を周期的に行ってもよい。この周期を、プリディストータ2300の制御を行う前に行うようにすることで、光伝送部1100による遅延時間の変化がプリディストータ2300の歪補償量に与える影響を低減できる。
実施例2の送信システムによれば、観測用光RF回路の線形性を維持しながら、光ファイバで生じる遅延を考慮して歪補償を実行できるので、プリディストータと電力増幅器とを離れた位置に配置できる。また、特許文献2のように歪補償用の信号を別に増幅する必要はないので消費電力を抑えることができる。さらに、光ファイバを用いるので、プリディストータと電力増幅器の間の配線を細くでき、遅延時間を屈折率と長さだけで計算できるので容易かつ正確に計算しやすい。
[変形例1]
プリディストータ2300の入力信号に端末と同期をとるためのパイロット信号が含まれる場合、パイロット信号発生部2391を用いない構成としてもよい。パイロット信号発生部2391を用いないため、構成を簡易にできる場合がある。この構成とした場合、信号加算器240をDAC250だけでなく図示していないスイッチ2341にも接続する。また、ADC260と遅延観測部2390はスイッチ2341を介して接続する。信号分配器210は遅延観測部2390にも接続する。
遅延測定部2381は、スイッチ2341と遅延観測部2390を制御する。スイッチ2341は、信号加算器240からの信号とADC260からの信号のうちどちらか1つを遅延測定部2381の指示に従って遅延観測部2390に出力する。遅延測定部2381は、信号加算器240からの信号を出力するようにスイッチ2341に指示する。次いで、遅延測定部2381は、遅延観測部2390に対して同期をとるためのパイロット信号が信号加算器240から出力される時刻taddと同期をとるためのパイロット信号の周期tpsを求めるように遅延観測部2390に指示する。周期tpsが予めわかっている場合、周期を測定する指示はせず、周期tpsを遅延測定部2381に事前に与える。
遅延観測部2390は、信号加算器240からの信号と信号分配器210からの信号を用いて相関法により時刻taddと周期tpsを求め、その結果を遅延測定部2381に伝達する。遅延測定部2381は、ADC260からの信号を出力するようにスイッチ2341に指示する。次いで、遅延測定部2381は、実施例1で示した方法を用いて遅延時間tcalを求め、tcalを遅延観測部2390に伝達する。また、遅延測定部2381は、taddとtpsに基づいて、信号加算器240から同期用のパイロット信号が出力された同時刻に遅延観測部2390に対して同期をとるためのパイロット信号がADC260から出力される時刻tadcを求めるように遅延観測部2390に指示する。
相関をとる周期をTcとした場合、遅延観測部2390は、tcal±TC/2の区間で、ADC2260からの信号と信号分配器210からの信号を用いて相関法によって遅延時間tmeasを求める。そして、遅延観測部2390は、測定したtmeasを遅延測定部2381に伝達する。
[変形例2]
光伝送部1100において送信用光RF回路1110と観測用光RF回路1120を複数用意し、送信用光RF回路1110と観測用光RF回路1120への入力を切替器で切りかえることで冗長性を持たせる構成としてもよい。遅延観測部2390で計測する遅延時間について過去に測定した遅延時間と比較し、その差があらかじめ定めたオフセット値よりも大きくなった場合や遅延時間を観測できない場合などのあらかじめ定めた条件を満たすときに、切替器により送信用光RF回路1110と観測用光RF回路1120を切替えればよい。また、歪観測部2270にて電力増幅器出力500の電力を観測し、その電力があらかじめ定めた値以下となった場合を切替え条件としてもよい。これにより送信用光RF回路1110または観測用光RF回路1120が故障した場合であっても通信を行うことができる。このとき、送信用光RF回路1110または観測用光RF回路1120の切替えはプリディストータ2300の制御部2280で行えばよい。または、親局2000に送信用光RF回路1110と観測用光RF回路1120の切替えを指示する切替え制御器を用意してもよい。切替え制御器を用意する場合、プリディストータ2300の制御部から遅延時間の観測結果を切替え制御器に伝送する。切替え制御器では上述の通り、あらかじめ定められた基準に従って切替器により送信用光RF回路1110または観測用光RF回路1120を切り替える。送信用光RF回路1110または観測用光RF回路1120を切替えた場合、遅延時間も変わる可能性があるため、プリディストータ2300の制御部2380に送信用光RF回路1110または観測用光RF回路1120が切り替わったことを通知する。その上で、プリディストータ2300の制御部2380は、遅延時間を測定する。
異なるNB個の周波数帯を用いるキャリアアグリゲーション(以下、CAという)と呼ばれる技術がある。CAでは、Component carrier(以下、CCという)という基本周波数ブロックを周波数軸上に配置する。CAには大別して、CCを連続して配置する場合と、不連続に配置する場合がある。不連続に配置する場合は、異なる周波数帯(例えば、2GHz帯と800MHz帯の2周波数帯)にCCを配置するときと、同じ周波数帯に不連続にCCを割り当てるときがある。
CAを用いる場合、電力増幅器の非線形特性や使用する周波数帯などによっては、上述したプリディストータではCC間の相互変調歪成分が十分に低減できない場合がある。この課題に対応するためのCA用のプリディストータが、本願出願人が出願した未公開の特許文献(特願2011−269882)に示されている。NB=2の場合を例として、この特許文献に示されている3次歪成分を補償するプリディストータの原理を簡単に説明する。以下では、特に指定がない限りNB=2とするが、3以上の整数をとることも可能である。5次歪成分といった高次歪成分の補償も3次歪成分の補償と同様である。
プリディストータへの入力信号x(t)のうち、1つ目の周波数帯に配置するCCに対応するものをs1(t)、2つ目の周波数帯に配置するCCに対応するものをs2(t)とすると、x(t)はx(t)=s1(t)+ s2(t)となる。ここで、x(t)からs1(t)の3次歪成分dA(t)=|s1(t)|2s1(t)、s2(t)の3次歪成分dB(t)=|s2(t)|2s2(t)を発生させる。また、s1(t)とs2(t)からCC間の相互変調歪成分dCA(t)=|s2(t)|2s1(t)とdCB(t)=|s1(t)|2s2(t)をそれぞれ発生させる。抽出した相互変調歪成分dA(t)とdB(t)とdCA(t)とdCB(t)の位相と振幅を、それぞれ個別に調整し歪補償信号とする。これにより、CC間の相互変調歪成分を低減できる。
図8に実施例3の送信システムの機能構成例を示す。送信システム25は、電力増幅器500、プリディストータ2400、変換器350、送信用光RF回路1110、方向性結合器700、レベル調整器790、逆変換器850、観測用光RF回路1120を備える。実施例1と異なるのは、信号発生装置130からプリディストータ2400への入力信号x(t)には、2つの周波数帯に配置されたCCに対応する信号s1(t)、s2(t)が入力されることである。
図9に実施例3のプリディストータの機能構成例を示す。プリディストータ2400は、信号分配器210、線形伝達経路220、歪補償信号発生経路2430、信号加算器240、DAC250、ADC260、歪観測部2470、制御部2480を含む。この例において、歪観測部2470は各周波数帯で発生する歪成分の電力を任意の帯域ごとに観測する。
制御部2480は、遅延計算部2481と係数計算部2482を含む。遅延計算部2481は、光ファイバ長と屈折率と周波数による遅延時間の変化量を用いて周波数帯毎に遅延時間を計算し、係数計算部2482へ伝送する。係数計算部2482は、歪観測部2470に遅延時間だけ遅らせるように指示する。光ファイバに周波数による遅延時間の変化がない場合は、すべての周波数帯で遅延時間を同じ値とする。
係数計算部2482は、歪観測部2470の測定結果に基づいて各周波数帯の歪成分を低減するように歪補償信号発生経路2430に制御情報を伝達する。係数計算部2482が歪補償信号発生経路2430に制御情報を伝送したときに歪成分の電力を観測する場合、係数計算部2482は歪補償信号発生経路2430で調整した歪補償信号に対応する歪成分の電力を観測するよう歪観測部2470に指示する。係数計算部2482は、制御情報と得られた歪成分の電力から従来手法を用いて電力増幅器500の出力に含まれる歪成分を低減するように歪補償信号発生経路2430へ制御情報を伝送する。
図10に実施例3の歪補償信号発生経路の機能構成例を示す。ここでは、ベクトル調整器のみ用いた構成を示している。歪成分の周波数依存性を補償する必要がある場合、各ベクトル調整器の後段もしくは前段に上述の周波数特性補償器をそれぞれ設置してもよい。歪補償信号発生経路2430は、分配部2431、信号生成手段2432A、信号生成手段2432B、副信号生成手段2433、合成部2434を備える。分配部2431は、歪補償信号発生経路2430への入力を信号生成手段2432Aと信号生成手段2432Bに分配する。合成部2434は、信号生成手段2432Aから出力する信号と信号生成手段2432Bから出力する信号と副信号生成手段2433から出力する複数の信号を合成し、信号加算器240に出力する。信号生成手段2432Aは、デジタルフィルタ2432A1、分配器2432A2、3次歪発生器2432A3、3次ベクトル調整器2432A4を有する。デジタルフィルタ2432A1は、分配部2431から入力されたプリディストータ2400への入力信号x(t)からs1(t)を抽出する。分配器2432A2は、デジタルフィルタ2432A1の出力を3次歪発生器2432A3と副信号生成手段2433に分配する。3次歪発生器2432A3では、s1(t)から3次歪成分dA(t)を生成する。3次ベクトル調整器2432A4は、制御部2480からの制御情報に含まれる振幅と位相の情報を用いて3歪発生器出力信号の位相と振幅をそれぞれ調整する。信号生成手段2432Bの構成は信号生成手段2432Aと同じであり、デジタルフィルタ2432B1にてs2(t)を抽出する。
副信号生成手段2433は、3次歪算出器2433A1と副3次ベクトル調整器2433A2と副3次ベクトル調整器2433A3を有する。3次歪算出器2433A1は、s1(t)とs2(t)からdCA(t)とdCB(t)を生成する。副3次ベクトル調整器2433A2は、制御部2480からの制御情報に含まれる振幅と位相の情報を用いてdCA(t)の振幅と位相を調整する。同様に副3次ベクトル調整器2433A3は、dCB(t)の振幅と位相を調整する。
このような構成であれば、CAの場合でも実施例1と同様の効果が得られる。
[変形例1]
実施例3では遅延時間を計算で求めていたが、実施例2で示したようにパイロット信号を用いて遅延時間を測定によって求めてもよい。実施例3変形例1の送信システムの機能構成例も図8に示す。実施例3変形例1の送信システム26は、プリディストータ2401のみが実施例3の送信システム25と異なる。図11に実施例3変形例1のプリディストータの機能構成例を示す。プリディストータ2401は、信号分配器210、線形伝達経路220、歪補償信号発生経路230、信号加算器240、DAC250、ADC260、歪観測部2470、制御部2485、パイロット信号発生部2491、遅延観測部2490を有する。制御部2485と制御部2480の違いは、遅延計算部2481の代わりに遅延測定部2486を有していることである。また、プリディストータ2401は、パイロット信号発生部2491と遅延観測部2490を有する点もプリディストータ2400と異なる。遅延測定部2486は、パイロット信号発生部2491と遅延観測部2490を制御し、遅延時間を測定する。
また、実施例2との違いとしては、パイロット信号発生部2491は周波数帯毎にパイロット信号を出力する機能、遅延観測部2490は周波数帯毎に遅延時間を求める機能をそれぞれ有する。遅延測定部2483は周波数帯毎に歪観測部2470に指示する時刻を遅延時間だけ遅らせるよう係数計算部2482に指示する。このとき、パイロット信号は全周波数帯一斉に出力してもよい。一斉にパイロット信号を送信できる場合、遅延時間の測定時間を短縮できる。パイロット信号とプリディストータ入力信号を同時にプリディストータから出力する場合、遅延観測部2490でパイロット信号を観測するため、遅延観測部2490の前段にパイロット信号のみを通過させるバンドパスフィルタを設置すればよい。パイロット信号を同時に通過させる観点から、このバンドパスフィルタには複数の周波数帯の信号を同時に通過させる通過特性を持たせればよい。なお、各CCだけを減衰させるマルチバンドのノッチフィルタでもよい。
周波数帯毎にあらかじめ定めた順番に従って1つずつパイロット信号を出力してもよい。1つずつ順番に行うことでプリディストータ入力信号とパイロット信号による相互変調歪が発生を回避できる場合がある。相互変調歪が発生する観点から、パイロット信号の電力が一定値以下にしなければならない場合、全周波数帯一斉に送信する場合は電力を各周波数帯に分配する必要がある。しかし、1つずつ順番とする場合、分配の必要がないため電力を大きくでき、誤検出や検出漏れを回避できる場合がある。遅延観測部2490でパイロット信号を観測するため、遅延観測部2490の前段にパイロット信号のみを通過させるバンドパスフィルタを設置する。パイロット信号を同時に通過させる観点から、このバンドパスフィルタは上述の同時に通過させる特性もしくは、通過帯域を切替えられる特性を持つ。切替型のバンドパスフィルタとした場合、制御部2485によりバンドパスフィルタの通過帯域をパイロット信号の周波数帯域に合わせて切替える。
光ファイバの遅延時間が周波数依存性を持たない場合、パイロット信号の出力は1つの周波数帯とし、遅延時間を求めればよい。周波数帯を1つとすることで、パイロット信号発生部2491と遅延観測部2490の簡易化が期待できる。
DAC250のサンプリングレートが例えば1GSPS以上のような高速であり、RF信号を直接DAC250から出力できる場合、デジタル信号処理で直交変調とアップコンバータを構成してもよい。これにより、アナログ回路の部品点数を減らすことができる。
このような構成であれば、CAの場合でも実施例2と同様の効果が得られる。
[変形例2]
DAC250のサンプリングレートが高速でなければ、サンプリング定理を満たすことができずCAされた信号を1つのDACから出力できない。また、一般にDACのサンプリングレートが高速である場合、DACの消費電力が大きくなる。サンプリング定理を満たすため、もしくはDACの消費電力を下げるため、CC毎にDACを用意する構成もある。以下では、NBを2の場合を例として、遅延を測定するときの送信システムを説明する。図12は実施例3変形例2の送信システムの機能構成例、図13は実施例3変形例2のプリディストータの機能構成例、図14は実施例3変形例2の歪補償信号発生経路の構成例である。実施例3、実施例3変形例1では、各構成要素は複数のCCに対応していたが、実施例3変形例2では、各構成要素は1つのCCのみ対応する。そのため、基本的には、各構成要素がCCの数だけ存在する。上述の例と異なる点について主に説明する。
親局3000には、s1(t)を出力する信号発生装置110、s2(t)を出力する信号発生装置120、プリディストータ2500、直交変調器310とアップコンバータ410からなる変換器351、直交変調器320とアップコンバータ420からなる変換器352、ダウンコンバータ810と直交復調器910からなる逆変換器851、ダウンコンバータ820と直交復調器920からなる逆変換器852が配置される。変換器351は、プリディストータ2500を経たs1(t)とその歪補償信号をRF信号に変換する。変換器352は、プリディストータ2500を経たs2(t)とその歪補償信号をRF信号に変換する。逆変換器851と逆変換器852は、RF観測信号をそれぞれの対応するプリディストータ2500の出力信号と同じ周波数帯の観測信号に変換する。光伝送部3100は、変換器351の出力を伝送する送信用光RF回路1110、変換器352の出力を伝送する送信用光RF回路1130、逆変換器851へ入力する信号を伝送する観測用光RF回路1120、逆変換器852へ入力する信号を伝送する観測用光RF回路1140を有する。子局3200には、送信用光RF回路1110の出力と送信用光RF回路1130の出力を合成する合成器3210、電力増幅器500、電力増幅器500の出力のうちs1(t)に対応する周波数帯の出力の一部を取り出す方向性結合器710、電力増幅器500の出力のうちs2(t)に対応する周波数帯の出力の一部を取り出す方向性結合器720、出力端子600が配置される。
プリディストータ2500は、信号分配器210、信号分配器211、線形伝達経路220、線形伝達経路222、歪補償信号発生経路2530、信号加算器240、信号加算器241、DAC251、DAC252、ADC261、ADC262、歪観測部2570、歪観測部2571、制御部2580、遅延観測部2590、遅延観測部2592、パイロット信号発生部2591、パイロット信号発生部2593を備える。
制御部2580は、遅延測定部2581と係数計算部2582を有する。各CCのパイロット信号は同時に出力してもよく順番に出力してもよい。パイロット信号を同時に出力することで遅延時間の測定時間を短縮できる反面、電力増幅器500に複数のCCと複数のパイロット信号が入力されるため電力増幅器500で相互変調歪が出やすくなる可能性がある。パイロット信号を順番に出力した場合、パイロット信号発生部2591,2593と遅延観測部2590,2592をそれぞれ1つとしてスイッチで入力を切り替えるようにしてもよい。これにより装置の簡易化が図れる。パイロット信号を順番に出力した場合、遅延時間の測定に時間がかかるが、電力増幅器500で相互変調歪が出にくいという利点がある。パイロット信号を同時に出力するか、順番に出力するかは電力増幅器500の特性に応じて決定すればよい。
歪補償信号発生経路2530と歪補償信号発生経路2430との違いは、以下のとおりである。歪補償信号発生経路2530は、分配部2531がCCの数だけ分配器2531A,2531Bを備える。そして、各分配器2531A,2531Bは3次歪発生器2432A3,2432B3と3次歪算出器2433A1に信号を分配する。また、歪補償信号発生経路2530は、3次ベクトル調整器2432A4,2432B4の出力と副3次ベクトル調整器2433A2,2433A3の出力をCC毎に合成部2534Aもしくは2534Bで合成し、各信号加算器240,241に出力する。
送信用光RF回路1110,1130と観測用光RF回路1120,1140の違いによる遅延時間の差が無視できる場合、装置を簡易化するためパイロット信号発生部2591,2593と遅延観測部2590,2592をいずれか1つとしてもよい。このとき、遅延時間はすべてのCCで同一となる。
このような構成なので、CA場合でも実施例2と同等の効果が得られる。
[変形例3]
複数の周波数帯のRF信号を1つの送信用光RF回路または観測用光RF回路で伝送できる場合の変形例を示す。図15に、実施例3変形例3の送信システムの機能構成例を示す。送信システム40では、変換器351,352の出力を合成する合成器4120を光伝送部4100に設け、合成した信号を送信用光RF回路4110に入力している。また、逆変換器851,852と観測用光RF回路4120の間に周波数帯毎にRF観測信号を出力する分波器4130を設置している。このように送信用光RF回路または観測用光RF回路を減らすことで装置の簡易化や低コスト化が期待できる。
[変形例4]
図16に実施例3変形例4の送信システムの機能構成例を示す。送信システム50の光伝送部5100では、さらに、光ファイバを共用化している。この構成では、光合分波器5116、5117を用いて送信用光RF回路5110と観測用光RF回路5120で同じ光ファイバ5112を用いている。これにより光ファイバを1本とすることができ、光伝送部5100をさらに簡易化できる。
図12に示した送信システムの場合、CCごとに異なる光ファイバを使っている。したがって、CCごとに遅延時間が異なる可能性があるが、プリディストータは同時に発生されたCCごとの歪補償信号は同時に電力増幅器に入力されることを前提としている。本実施例では、CCごとに遅延時間が異なるかもしれない送信システムへの対応について説明する。
図17に実施例4の送信システムの機能構成例、図18に実施例4のプリディストータの機能構成例を示す。図17の送信システム60は、プリディストータ2600の機能構成と、子局6200に子局遅延観測器6210,6220を備えている点が、図12の送信システム30と異なる。図18のプリディストータ2600は、キャリア遅延調整部6010、キャリア遅延部6011,6012を備える点と、制御部2680の遅延測定部2681が、図13のプリディストータ2500と異なる。子局遅延観測器6210,6220は、方向性結合器710,720で抽出されたRF観測信号をモニタリングでき、プリディストータ2600のキャリア遅延調整部6010とイーサネット(登録商標)などで通信できるように設定されている。また、キャリア遅延部6011,6012はDAC251,252の前段に配置されている。
キャリア遅延部6011,6012の遅延時間調整方法を以下に示す。まず、遅延測定部2681は、パイロット信号発生部2591,2593にパイロット信号を出力することを指示するとともに、キャリア遅延調整部6010に対し子局遅延観測器6210,6220で遅延時間の観測を開始するよう指示する。パイロット信号は各CC同時に出力してもよく、時間差をつけて出力してもよい。
キャリア遅延調整部6010から観測開始の指示を受けた子局遅延観測器6210,6220は、子局遅延観測器6210,6220にパイロット信号が到達するまでの時間を計測する。パイロット信号の到達時間の測定は上述と同じとしてもよい。子局遅延観測器6210,6220にて相関をとる場合、パイロット信号発生部2591,2593はパイロット信号の情報をキャリア遅延調整部6010に伝送する。キャリア遅延調整部6010は、子局遅延観測器6210,6220にパイロット信号の情報を伝送する。
子局遅延観測器6210,6220は、観測開始の指示を受けた時間とパイロット信号が到達するまでの時間から遅延時間を求め、遅延測定部2581に伝達する。このとき、観測した時間をキャリア遅延調整部6010に伝達してもよい。この場合、キャリア遅延調整部6010が遅延時間を計算する。遅延時間に測定誤差が含まれないようにキャリア遅延調整部6010と子局遅延観測器6210,6220は同期がとれているものとする。そのため、キャリア遅延調整部6010は子局遅延観測器6210,6220との同期を監視し、同期がずれていた場合、再度同期をとるように子局遅延観測器6210,6220を制御する。同期は、例えばキャリア遅延調整部6010の時刻と子局遅延観測器6210,6220の時刻の差を監視することで達成してもよい。このときは、時刻の差が予め定めた範囲を超えた場合、キャリア遅延調整部6010は子局遅延観測器6210,6220の時刻をキャリア遅延調整部6010の時刻とするように指示する。
キャリア遅延調整部6010は、各子局遅延観測器6210,6220の結果を比較し、CC間の時間差があらかじめ定めたしきい値を超える場合、時間差をなくすよう遅延時間の短いCCが出力される経路のキャリア遅延部6011,6012に対し時間差分だけ遅延させるように指示する。上記の処理を1回行って遅延時間差をしきい値以下にできない場合、パイロット信号の出力から遅延時間の調整を繰り返し行ってもよい。
上記の例では時間差だけ遅延させるようキャリア遅延部6011,6012を調整している。しかし、遅延時間の短いCCが出力される経路のキャリア遅延部6011,6012に対しあらかじめ定めた遅延時間だけ遅延時間を遅らせ、パイロット信号の出力から遅延時間の測定を遅延時間差がしきい値以下になるまで繰り返すこととしてもよい。
なお、親局6000の遅延観測部2590,2592を用いた遅延時間の測定は、CC間の遅延時間差の調整前に行ってもよく、調整後に行ってもよい。ただし、調整前に行う場合、CC間の遅延時間差の調整が終わった後、キャリア遅延部6011,6012を調整したCCの歪成分を観測するときに係数計算部2682が歪観測器に指示する時刻を調整した時間だけさらに遅延させるように指示する。これらの調整が終わった後、電力増幅器で発生する歪成分を低減するように歪補償信号発生経路を制御する。
子局遅延観測器6210,6220を電力増幅器500の後段に設置する場合、あらかじめ電力増幅器500から子局遅延観測器6210,6220までの遅延時間をCC毎に測定または計算して子局内遅延時間とし、その結果を子局遅延観測器6210,6220もしくはキャリア遅延調整部6010に記録しておく。これにより、電力増幅器500内部もしくは電力増幅器500から子局遅延観測器6210,6220間の遅延時間がCC毎に異なる場合でも、あらかじめ求めた子局内遅延時間を計測した時間から減算することで電力増幅器500に入力するまでの遅延時間を精度よく計測できる。
子局遅延観測器6210,6220にダウンコンバータ、直交復調器を設置し、子局遅延観測器6210,6220にて電力増幅器500で発生する歪成分の電力を観測してもよい。この場合、子局遅延観測器6210,6220で観測した結果を例えばイーサネットなどを介してプリディストータ2600の制御部2680に伝達する。このような構成にすると、光伝送部6100にプリディストータ2600へ帰還させるRF観測信号を入力しないため光伝送部6100の構成を簡易化できる。
図17では、子局遅延観測器6210,6220を電力増幅器500よりも後段に設置しているが、合成器3210の入力側に設置してもよい。光伝送部6100での時間差が大きい場合や電力増幅器500から方向性結合器710,720までの間の時間差が大きい場合にこの構成は有効である。また、子局遅延観測器6210,6220から電力増幅器500までの遅延時間を、子局内遅延時間としてあらかじめ測定、もしくは計算してもよい。これにより子局遅延観測器6210,6220から電力増幅器間500の遅延時間がCC毎に異なる場合でも、あらかじめ求めた遅延時間を計測した時間に加算することで電力増幅器500に入力するまでの遅延時間をより簡易に計測できる。
電力増幅器500に入力するまでの回路において歪成分が発生し、電力増幅器500に入力する信号に歪成分が含まれる場合、電力増幅器500で歪成分が増幅される懸念がある。そのため、子局遅延観測器6210,6220を電力増幅器500の前段に設置し、電力増幅器500に入力する信号における歪成分の電力を観測してもよい。このとき、歪成分の電力を測定する帯域は歪観測部2570,2571と同じである。その観測結果を係数計算部2582に伝達し、係数計算部2582は子局遅延観測器6210,6220で観測した結果に基づいて歪成分を低減するように歪補償信号発生経路2530を調整してもよい。これにより、電力増幅器500に入力する信号の歪成分を低減することができる。電力増幅器500に入力する信号の歪成分を低減した後、係数計算部2582は電力増幅器500で発生する歪成分を低減するように歪補償信号発生経路2530を調整する。
光ファイバ長と屈折率から遅延時間を計算する方法を本実施例に適用した場合、CC毎に光ファイバ長と屈折率から遅延時間をあらかじめ計算し、時間差がある場合、遅延時間の短いCCが出力される経路のキャリア遅延部6011,6012をその時間差だけ遅らせればよい。
実施例4の送信システムはこのような構成なので、CCごとに遅延時間が異なっても実施例1,2と同様の効果が得られる。
異なるNB個の周波数バンドを用いるCAを適用する場合、1つの電力増幅器で複数のCCを同時に増幅するために、電力増幅器500の広帯域化もしくはマルチバンド対応が必要となる。一方、CC毎に電力増幅器500を用意した場合、電力増幅器500の広帯域化やマルチバンド化が不要となり簡易に電力増幅器500を設計できる。以下では、NBが2の場合を例として、電力増幅器を2つ用いた例を示す。図19に実施例5の送信システムの機能構成例を示す。図19の送信システムは、CCごとに設計した送信システム10または送信システム20を2つ組合せ、合成器7010で2つの電力増幅器500からの出力を合成する構成である。プリディストータ2200(2300)は、CA対応ではないが、このような構成でも、CAに対応し、実施例1,2と同等の効果を得ることができる。
10,20,25,26,30、40,50,60,70 送信システム
100,110,120,130 信号発生装置
210,211 信号分配器
220,222 線形伝達経路
221,223 遅延器
230,2430,2530 歪補償信号発生経路
231 3次歪発生器
232 3次ベクトル調整器
233 3次周波数特性補償器
240,241 信号加算器
261 アナログバンドパスフィルタ
300,310,320 直交変調器
350,351,352 変換器
400、410,420 アップコンバータ
500 電力増幅器
600 出力端子
700,710,720,730 方向性結合器
790,791,792 レベル調整器
800,810,820 ダウンコンバータ
850,851,852 逆変換器
900,910,920 直交復調器
1000,2000,2500,2501,3000,6000 親局
1100,2600,3100,4100,5100,6100 光伝送部
1110,1130,4110,5110 送信用光RF回路
1111,1121,1131,4111,4121,5111,5114 電気/光変換器
1112,1122,1132,1142,4112,4122,5112 光ファイバ
1113,1123,1133,1143,4113,4123,5113,5115 光/電気変換器
1120,1140,4120,5120 観測用光RF回路
1200,2700,3200,4200,6200 子局
2200,2300,2400,2401,2500,2600 プリディストータ
2270,2470,2570,2571 歪観測部
2280,2380,2480,2485,2580,2680 制御部
2281,2481 遅延計算部
2282,2482,2582,2682 係数計算部
2341 スイッチ
2381,2486,2581,2681 遅延測定部
2390,2490,2590,2592 遅延観測部
2391,2491,2591,2593 パイロット信号発生部
2431,2531 分配部
2432A,2432B 信号生成手段
2432A1,2432B1 デジタルフィルタ
2432A2,2432B2 分配器
2432A3,2432B3 3次歪発生器
2432A4,2432B4 3次ベクトル調整器
2433 副信号生成手段
2433A1 3次歪算出器
2433A2,2433A3 副3次ベクトル調整器
2434 合成部
2531A,2531B 分配器
2534A、2534B 合成部
3210,4120,7010 合成器
4130 分波器
5116,5117 光合分波器
6010 キャリア遅延調整部
6011,6012 キャリア遅延部
6210,6220 子局遅延観測器

Claims (7)

  1. RF信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消すための歪補償成分を入力信号に付加し、出力信号とするプリディストータと、
    前記出力信号をRF信号に変換する変換器と、
    前記変換器によって変換されたRF信号を、前記電力増幅器まで光ファイバを用いて伝送する送信用光RF回路と、
    前記電力増幅器の出力の一部を抽出し、RF観測信号とする方向性結合器と、
    前記RF観測信号の大きさを調整するレベル調整器と、
    前記RF観測信号を前記出力信号と同じ周波数帯の観測信号に変換する逆変換器と、
    前記レベル調整器の出力を、前記逆変換器まで光ファイバを用いて伝送する観測用光RF回路と、
    を備える送信システムであって、
    前記プリディストータは、前記送信用光RF回路と前記観測用光RF回路によって生じる遅延時間の予測値を用いて前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を観測する歪観測部を有しており、
    前記レベル調整器は、前記観測用光RF回路で生じる歪が所定の範囲以内となるように前記RF観測信号の大きさを調整する
    ことを特徴とする送信システム。
  2. RF信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消すための歪補償成分を入力信号に付加し、出力信号とするプリディストータと、
    前記出力信号をRF信号に変換する変換器と、
    前記変換器によって変換されたRF信号を、前記電力増幅器まで光ファイバを用いて伝送する送信用光RF回路と、
    前記電力増幅器の出力の一部を抽出し、RF観測信号とする方向性結合器と、
    前記RF観測信号の大きさを調整するレベル調整器と、
    前記RF観測信号を前記出力信号と同じ周波数帯の観測信号に変換する逆変換器と、
    前記レベル調整器の出力を、前記逆変換器まで光ファイバを用いて伝送する観測用光RF回路と、
    を備える送信システムであって、
    前記プリディストータは、
    前記出力信号中にパイロット信号を加えるパイロット信号発生部と、
    前記パイロット信号を送信してから観測信号に含まれる前記パイロット信号を受信するまでの時間を遅延時間として測定する遅延観測部と、
    前記遅延時間を用いて前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を観測する歪観測部を有しており、
    前記レベル調整器は、前記観測用光RF回路で生じる歪が所定の範囲以内となるように前記RF観測信号の大きさを調整する
    ことを特徴とする送信システム。
  3. 請求項1または2記載の送信システムであって、
    前記レベル調整器による前記RF観測信号の大きさの変化は、前記歪観測部が歪と観測できない範囲の変化である
    ことを特徴とする送信システム。
  4. 請求項1または2記載の送信システムであって、
    前記レベル調整器による前記RF観測信号の大きさの調整は、通信信号が伝送されていないときに行われる
    ことを特徴とする送信システム。
  5. 請求項1記載の送信システムであって、
    前記プリディストータへの入力信号には、複数の周波数帯の信号が含まれており、
    前記歪観測部は、周波数帯ごとにそれぞれの遅延時間の予測値を用いて歪成分を観測する
    ことを特徴とする送信システム。
  6. 請求項2記載の送信システムであって、
    前記プリディストータへの入力信号には、複数の周波数帯の信号が含まれており、
    前記遅延観測部は、周波数帯ごとに遅延時間を測定し、
    前記歪観測部は、周波数帯ごとにそれぞれの測定した遅延時間を用いて歪成分を観測する
    ことを特徴とする送信システム。
  7. 請求項6記載の送信システムであって、
    前記方向性結合器は複数の方向性結合部を有し、各方向性結合部は、前記電力増幅器の出力から、前記複数の周波数帯の中の互いに異なるいずれか1つを抽出して、周波数帯ごとのRF観測信号とし、
    前記周波数帯ごとに、前記パイロット信号を送信してから前記周波数帯ごとのRF観測信号に含まれる前記パイロット信号を受信するまでの時間を、キャリア遅延時間として観測する子局遅延観測器も備え、
    前記プリディストータは、周波数帯ごとに出力信号に遅延を与えるキャリア遅延部と、前記子局遅延観測器で観測した周波数帯ごとのキャリア遅延時間があらかじめ定めた範囲内になるように、前記キャリア遅延部を調整するキャリア遅延調整部も備える
    ことを特徴とする送信システム。
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