JP2014100934A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンド当て時に駆動プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士の噛み合い位置がずれることを抑制できるステアリング装置を提供する。
【解決手段】駆動プーリ46は、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aと、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さい駆動歯部60Bとを有し、駆動歯部60Aは、ラック軸の軸線方向の端部にラック軸と転舵輪とを駆動連結するように装着されたラックエンドが、転舵軸の軸線方向への移動に伴いラックハウジングに対して当接する場合に、ベルト歯部62に対して噛み合い始める。
【選択図】図3
【解決手段】駆動プーリ46は、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aと、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さい駆動歯部60Bとを有し、駆動歯部60Aは、ラック軸の軸線方向の端部にラック軸と転舵輪とを駆動連結するように装着されたラックエンドが、転舵軸の軸線方向への移動に伴いラックハウジングに対して当接する場合に、ベルト歯部62に対して噛み合い始める。
【選択図】図3
Description
本発明は、駆動源の駆動力を駆動プーリと従動プーリの間に掛装されたベルトを通じて転舵軸に伝達するステアリング装置に関する。
従来から、電動モータの回転をラック軸(転舵軸)に当該ラック軸の軸線方向に沿う往復動に変換して伝達することにより、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するステアリング装置が知られている。また、こうしたステアリング装置の一種として、モータの軸線がラック軸と平行となるように配置された所謂ラックパラレル型のステアリング装置(以下、「RP型EPS装置」ともいう。)がある(例えば、特許文献1参照)。
このRP型EPS装置では、電動モータの駆動時に、電動モータの回転軸と一体回転する駆動プーリの回転力がベルトを通じて従動プーリに伝達されることにより、従動プーリが駆動プーリに連れ回るように回転する。また、従動プーリの回転力は、ボールねじ機構を通じてラック軸の往復動に変換されて伝達される。
また、このRP型EPS装置では、両プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士を互いに噛み合わせている。この場合、電動モータの駆動力はベルトを通じて確実に伝達されるものの、両プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士の噛み合い位置がずれると、ベルトが伸びて損傷してしまう虞があった。そのため、こうしたステアリング装置では、両プーリ間に掛装されるベルトの張力を調整することにより、両プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士の噛み合い位置がずれることを抑制している。
ところで、上記のRP型EPS装置では、ラック軸を収容するラックハウジングにラック軸の端部に設けられたラックエンドが当接してラック軸の移動が機械的に規制されることにより、ラック軸の往復動範囲、すなわち転舵輪の可動範囲が定められている。そのため、ステアリングホイールが許容される最大舵角近傍まで操作されている状態、すなわち転舵輪がその可動限界付近まで回転している状態において、速い操舵角速度で切り込み操作が行われると、ラック軸がラックハウジングに衝突する所謂エンド当てが生じる。
そして、エンド当てが生じた場合には、ラック軸の軸線方向の移動が停止されると共に、ラック軸に対してボールねじ機構を介して連結された従動プーリの回転も停止される。その一方、駆動モータの回転軸は駆動モータの駆動が停止された後も慣性に従って若干回転し続ける。すなわち、駆動プーリは、従動プーリの回転の停止に伴って両プーリ間におけるベルトの周回が停止された後も、ベルトに対して噛み合った状態で回転し続ける。その結果、両プーリ間に掛装されるベルトの張力を調整したとしても、駆動プーリからベルトに対してベルトの周回方向に力が作用することにより、駆動プーリ及びベルトに設けられた歯部同士の噛み合い位置がずれてしまう虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンド当て時に駆動プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士の噛み合い位置がずれることを抑制できるステアリング装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決するステアリング装置は、駆動源から伝達される駆動力に基づいて回動する駆動プーリと、前記駆動プーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動する従動プーリと、前記両プーリの間に周回可能に掛装されるベルトと、を備え、前記駆動源から前記駆動プーリ及び前記ベルトを通じて前記従動プーリに伝達される駆動力を、ハウジング内を軸線方向に往復動可能な転舵軸の往復動に変換して伝達するステアリング装置であって、前記駆動プーリは、前記駆動プーリの回動方向に間隔をおいて複数の駆動歯部を有し、前記ベルトは、前記駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を前記両プーリ間における前記ベルトの周回方向に間隔をおいて複数有し、前記駆動プーリ及び前記ベルトは、互いの歯部の歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい第1歯部領域と、互いの歯部の歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さい第2歯部領域とを有し、前記第1歯部領域は、前記転舵軸の軸線方向の端部に当該転舵軸と転舵輪とを駆動連結するように装着されたジョイントが、前記転舵軸の軸線方向への移動に伴い前記ハウジングに対して当接する場合に、前記駆動歯部及び前記ベルト歯部が互いに噛み合い始める歯部領域であることを要旨とする。
上記課題を解決するステアリング装置は、駆動源から伝達される駆動力に基づいて回動する駆動プーリと、前記駆動プーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動する従動プーリと、前記両プーリの間に周回可能に掛装されるベルトと、を備え、前記駆動源から前記駆動プーリ及び前記ベルトを通じて前記従動プーリに伝達される駆動力を、ハウジング内を軸線方向に往復動可能な転舵軸の往復動に変換して伝達するステアリング装置であって、前記駆動プーリは、前記駆動プーリの回動方向に間隔をおいて複数の駆動歯部を有し、前記ベルトは、前記駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を前記両プーリ間における前記ベルトの周回方向に間隔をおいて複数有し、前記駆動プーリ及び前記ベルトは、互いの歯部の歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい第1歯部領域と、互いの歯部の歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さい第2歯部領域とを有し、前記第1歯部領域は、前記転舵軸の軸線方向の端部に当該転舵軸と転舵輪とを駆動連結するように装着されたジョイントが、前記転舵軸の軸線方向への移動に伴い前記ハウジングに対して当接する場合に、前記駆動歯部及び前記ベルト歯部が互いに噛み合い始める歯部領域であることを要旨とする。
上記構成によれば、ジョイントが転舵軸の軸線方向への移動に伴いハウジングに対して当接する、所謂エンド当て時には、歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい第1歯部領域にて互いの歯部同士が噛み合うため、駆動歯部とベルト歯部との噛み合い位置がずれることを抑制できる。また、非エンド当て時には、歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さく、歯部同士の接触面が相対的に小さい第2歯部領域にて互いの歯部同士が噛み合うため、歯部同士が磨耗して駆動プーリ及びベルトの耐久性が低下することを抑制できる。
また、上記ステアリング装置において、前記第1歯部領域を構成する前記駆動歯部の歯丈は、前記第2歯部領域を構成する前記駆動歯部の歯丈よりも高いことが好ましい。
上記構成によれば、第1歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量を、第2歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量よりも大きくする構成を容易に実現できる。
上記構成によれば、第1歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量を、第2歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量よりも大きくする構成を容易に実現できる。
また、上記ステアリング装置において、前記転舵軸が軸線方向における往復動範囲の中央位置から前記ジョイントを前記転舵軸の軸線方向において前記ハウジングに対して当接させる当接位置まで移動する間の前記駆動プーリの回動数は、前記両プーリの回動軸線を結ぶ直線に対し、前記ベルトにおいて前記両プーリの間に掛装されている部分が交差する角度である接触角をAとした場合に、「整数+0.25+A/360」又は「整数+0.75+A/360」であることが好ましい。
上記構成によれば、転舵軸が中央位置から軸線方向の一方側に移動して当接位置に位置する場合、第1歯部領域は、駆動プーリに設けられた複数の駆動歯部のうち、ベルト歯部に対して噛み合い始める歯部領域とされている。そのため、転舵軸が中央位置に位置する場合、第1歯部領域は、駆動プーリの外周面のうち、ベルト歯部が噛み合い始める部分に対して駆動プーリの回動方向の一方側に約1/4周(又は約3/4周)ずれた位置となる、両プーリの回動軸線の間を結ぶ直線上に配置される。また、転舵軸が中央位置から軸線方向の他方側に移動して当接位置に位置する場合にも、第1歯部領域は、駆動プーリに設けられた複数の駆動歯部のうち、ベルト歯部に対して噛み合い始める歯部領域とされている。そのため、転舵軸が中央位置に位置する場合、第1歯部領域は、駆動プーリの外周面のうち、ベルト歯部が噛み合い始める部分に対して駆動プーリの回動方向の他方側に約1/4周(又は約3/4周)ずれた位置となる、両プーリの回動軸線の間を結ぶ直線上に配置される。したがって、駆動プーリの外周面のうち、転舵軸が中央位置に位置するときに、両プーリの回動軸線の間を結ぶ直線上に位置する一箇所が第1歯部領域とされている。そして、転舵軸が軸線方向の一方側又は他方側に移動してジョイントがハウジングに衝突する双方向のエンド当て時において、駆動歯部とベルト歯部との噛み合い位置がずれることを抑制できる。
また、上記ステアリング装置において、前記ベルト歯部の数は、前記駆動歯部の数の非整数倍であることが好ましい。
上記構成によれば、ベルトが両プーリの間を周回するごとに、駆動歯部は、ベルトに設けられた複数のベルト歯部のうち異なるベルト歯部に対して噛み合う。そのため、第1歯部領域を構成する駆動歯部が、ベルトに設けられた複数のベルト歯部のうち、特定のベルト歯部に対して繰り返し噛み合うことがない。したがって、特定のベルト歯部が集中的に磨耗してベルトの耐久性が低下することを抑制できる。
上記構成によれば、ベルトが両プーリの間を周回するごとに、駆動歯部は、ベルトに設けられた複数のベルト歯部のうち異なるベルト歯部に対して噛み合う。そのため、第1歯部領域を構成する駆動歯部が、ベルトに設けられた複数のベルト歯部のうち、特定のベルト歯部に対して繰り返し噛み合うことがない。したがって、特定のベルト歯部が集中的に磨耗してベルトの耐久性が低下することを抑制できる。
また、上記ステアリング装置において、前記第1歯部領域を構成する前記ベルト歯部の歯丈は、前記第2歯部領域を構成する前記ベルト歯部の歯丈よりも高いことが好ましい。
上記構成によれば、第1歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量を、第2歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量よりも大きくする構成を容易に実現できる。
上記構成によれば、第1歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量を、第2歯部領域における歯部同士の歯丈方向の噛み合い量よりも大きくする構成を容易に実現できる。
本発明によれば、エンド当て時に駆動プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士の噛み合い位置がずれることを抑制できる。
以下、ステアリング装置の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、ステアリング装置10は、ステアリングホイール11の回転を転舵輪12に伝達する操舵角伝達機構13と、ステアリングホイール11の操舵を補助するアシスト装置14とを備えている。また、ステアリング装置10は、車両の幅方向に延びるハウジングとしてのラックハウジング15と、該ラックハウジング15内で車両の幅方向に延びる転舵軸としてのラック軸16とを備えている。なお、以下では、車両の幅方向を軸線方向とするラック軸16に倣って、車両の幅方向を軸線方向Xともいう。
図1に示すように、ステアリング装置10は、ステアリングホイール11の回転を転舵輪12に伝達する操舵角伝達機構13と、ステアリングホイール11の操舵を補助するアシスト装置14とを備えている。また、ステアリング装置10は、車両の幅方向に延びるハウジングとしてのラックハウジング15と、該ラックハウジング15内で車両の幅方向に延びる転舵軸としてのラック軸16とを備えている。なお、以下では、車両の幅方向を軸線方向とするラック軸16に倣って、車両の幅方向を軸線方向Xともいう。
操舵角伝達機構13は、ステアリングホイール11とともに回転するステアリングシャフト17と、該ステアリングシャフト17の回転をラック軸16の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構18とを備えている。すなわち、運転者によってステアリングホイール11が操舵されると、ラック軸16を軸線方向Xに移動させる操舵入力が操舵角伝達機構13を介してラック軸16に入力される。
アシスト装置14は、ラックハウジング15の外側に配置された駆動源としてのモータ19と、該モータ19からベルト20を通じて駆動力が伝達されるボール螺子機構21とを備えている。アシスト装置14は、運転者によるステアリングホイール11の操舵に連動して、ラック軸16を軸線方向Xに移動させるアシスト力を出力することを可能としている。
また、ラック軸16の両端には、その軸端部に設けられたジョイントとしてのラックエンド22を介してタイロッド23が回動自在に連結されている。このタイロッド23の先端は、転舵輪12が組付けられた図示しないナックルに連結されている。すなわち、ラック軸16の両端部に装着されたラックエンド22は、ラック軸16と転舵輪12とを駆動連結している。
こうして、運転者がステアリングホイール11を操舵することでラック軸16に入力される操舵入力と、操舵に連動してアシスト装置14が出力するアシスト力によって、ラック軸16は軸線方向Xに直線移動する。そして、ラック軸16の直線移動が、ラック軸16の両端に連結されたタイロッド23を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
図2に示すように、ラックハウジング15は、車両の幅方向の一方側端部(図2では左端部)付近を除く幅方向のほぼ全体に亘るように配置され、ラック軸16のほぼ全体を収容する第1ラックハウジング30と、車両の幅方向の一方側端部に配置され、ラック軸16の一方側端部の一部を収容する第2ラックハウジング31とを備えている。
第1ラックハウジング30は、ラック軸16の外径よりも大きな内径のラック軸挿通孔32を有する円筒形状の第1本体部33を備え、その第1本体部33における第2ラックハウジング31側の端部には外向きのフランジ部34が形成されている。また、フランジ部34におけるラック軸挿通孔32の上側となる部分からはモータ19を取り付け可能な板状の膨出部35が上方へ膨出するように一体形成されている。そして、この膨出部35には、ラック軸挿通孔32よりも内径が小さな円形の貫通孔36がラック軸挿通孔32の上方となる位置で同軸方向に形成されている。
一方、第2ラックハウジング31は、第1ラックハウジング30の第1本体部33と同様の円筒形状をなす第2本体部38を備え、その第2本体部38における第1ラックハウジング30側の端部には、開口縁形状が第1ラックハウジング30における第2ラックハウジング31側の端部の輪郭形状と対応した形状をなす収容部39が形成されている。そして、両ラックハウジング30,31は、第1ラックハウジング30におけるフランジ部34及び膨出部35が形成された端部と第2ラックハウジング31における収容部39が形成された端部とを接合させた状態で図示しないボルトによって連結されている。
第1ラックハウジング30における膨出部35の貫通孔36には、モータ19の回転軸40及び図示しないロータ等からなるモータ本体を内側に収容するモータハウジング41の一部が挿入されている。具体的には、モータハウジング41の先端側(図2における左端側であって、モータ19の回転軸40のフロント側)には略円筒状の小径部42が形成されており、この小径部42が貫通孔36を通じて収容部39の内側に挿入されている。小径部42における先端側部位42a(図2では左端側の部位)及び基端側部位42b(図2では右端側の部位)は、小径部42における他の部分(すなわち、軸線方向の中間部位)よりも内径及び外径が大きい。
モータハウジング41における小径部42の先端側部位42a及び基端側部位42bの内側には、ボールベアリングからなる軸受43,44がそれぞれ収容されている。そして、これらの軸受43,44には、モータ19の回転軸40に対して一体回転可能に連結された略円柱状をなす駆動プーリ46が回転可能に支持されている。なお、小径部42の中心軸線は、駆動プーリ46の回動軸線S1と一致し、駆動プーリ46の回動軸線S1は、ラック軸16の中心軸線と平行に延びている。また、小径部42の先端側部位42aの先端面は収容部39の内底面39aに対して接触している。
モータハウジング41における小径部42の基端側部位42bの外径は、貫通孔36の内径と同程度となっている。そして、小径部42の基端側部位42bは、膨出部35の貫通孔36に対して内側から嵌め込まれた状態で、図示しないボルトによってラックハウジング15に対して固定されている。
ボール螺子機構21は、ラック軸16の外径よりも大きな内径を有する略円筒状のボール螺子ナット50と、ラック軸16を中心とする径方向においてボール螺子ナット50の内周面とラック軸16の外周面との間に配置される複数のボール51とを備えている。ボール螺子ナット50における軸線方向Xの一方側(図2では右側)の端部は、ボールベアリングからなる軸受52を介して第1ラックハウジング30の第1本体部33に対して回転可能に支持されている。なお、図2では図示を省略しているが、ラック軸16の軸線方向Xにおける一部には雌ねじ加工が施されており、この雌ねじ加工が施された部位に対してボール51を介してボール螺子ナット50が螺合している。
ボール螺子ナット50における軸受52が設けられた端部とは反対側の端部には、略円環状をなす従動プーリ53がボール螺子ナット50に対して一体回転可能に支持されている。従動プーリ53の外径は、駆動プーリ46の外径よりも大きい。また、従動プーリ53の回動軸線S2は、ラック軸16の中心軸線と一致している。そのため、従動プーリ53の回動軸線S2は、駆動プーリ46の回動軸線S1と平行に延びている。また、駆動プーリ46と従動プーリ53との間には、環状をなす無端状のベルト20が掛装されている。なお、ベルト20は、小径部42における先端側部位42aと基端側部位42bとの間の部分の下面に形成された挿通孔55を上下に挿通している。
そして、モータ19の駆動に伴って駆動プーリ46が回転すると、駆動プーリ46の回転力がベルト20を介して従動プーリ53に伝達される。すると、こうした従動プーリ53の回転がボール螺子ナット50に伝達され、ボール螺子ナット50を備えるボール螺子機構21により、従動プーリ53の回転力がラック軸16を軸線方向Xに移動させるアシスト力に変換される。その結果、運転手によるステアリング操作に基づいたラック軸16の軸線方向Xへの移動がアシスト装置14によって補助されることにより、転舵輪12の舵角が変更される。
次に、ベルト20、及びこのベルト20が掛装される両プーリ46,53の構成について説明する。
図3に示すように、駆動プーリ46は、複数の駆動歯部60を有する歯付きプーリである。これらの駆動歯部60は、駆動プーリ46の回動軸線S1を中心とした周方向に間隔をおいて駆動プーリ46の外周面の全域に亘って設けられている。また、これらの駆動歯部60のうち、駆動プーリ46の回動軸線S1を中心とした周方向において連続して隣り合う3個の駆動歯部60A(図3では、鉛直下方に向けて突出した歯部及びその両隣の歯部)の歯丈は、他の駆動歯部60Bの歯丈よりも高い。
図3に示すように、駆動プーリ46は、複数の駆動歯部60を有する歯付きプーリである。これらの駆動歯部60は、駆動プーリ46の回動軸線S1を中心とした周方向に間隔をおいて駆動プーリ46の外周面の全域に亘って設けられている。また、これらの駆動歯部60のうち、駆動プーリ46の回動軸線S1を中心とした周方向において連続して隣り合う3個の駆動歯部60A(図3では、鉛直下方に向けて突出した歯部及びその両隣の歯部)の歯丈は、他の駆動歯部60Bの歯丈よりも高い。
従動プーリ53も同様に、複数の従動歯部61を有する歯付きプーリである。これらの従動歯部61は、従動プーリ53の回動軸線S2を中心とした周方向に間隔をおいて従動プーリ53の外周面の全域に亘って設けられている。なお、全ての従動歯部61の歯丈は互いに等しい。
一方、ベルト20は、駆動プーリ46の駆動歯部60及び従動プーリ53の従動歯部61に噛み合うベルト歯部62を有する歯付きベルトである。これらのベルト歯部62は、ベルト20において両プーリ46,53の間に掛装される内周面20aに対してベルト20の長さ方向の全域に亘って設けられている。なお、全てのベルト歯部62の歯丈は互いに等しい。
ベルト20は、駆動プーリ46の駆動歯部60及び従動プーリ53の従動歯部61に対してベルト歯部62を噛み合わせた状態で両プーリ46,53の間に掛装されることにより、両プーリ46,53の間を動力伝達可能に連結している。この場合、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aは、相対的に歯丈の低い他の駆動歯部60Bと比較して、ベルト20のベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が大きい。この点で、本実施形態では、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aが第1歯部領域を構成していると共に、相対的に歯丈の低い他の駆動歯部60Bが第2歯部領域を構成している。
なお、本実施形態では、従動プーリ53の従動歯部61の数が48個であるのに対し、駆動プーリ46の駆動歯部60の数が12個となっており、その比率(駆動歯部60の数/従動歯部61の数)は0.25となっている。そのため、駆動プーリ46の回転力がベルト20を通じて従動プーリ53に伝達される場合には、駆動プーリ46が一回転する間に従動プーリ53が0.25回転している。したがって、駆動プーリ46からベルト20を通じて従動プーリ53に伝達される回転力は、従動プーリ53の従動歯部61の数に対する駆動プーリ46の駆動歯部60の数の比率である0.25倍に回転数が減速されている。
また、本実施形態では、駆動プーリ46の駆動歯部60の数が12個であるのに対し、ベルト20のベルト歯部62の数が71個となっており、ベルト20のベルト歯部62の数が駆動プーリ46の駆動歯部60の数の非整数倍となっている。そのため、駆動プーリ46の駆動歯部60は、ベルト20が両プーリ46,53の間を一回転周回するごとに、ベルト20に設けられた複数のベルト歯部62のうち、周回前とは互いに異なるベルト歯部62に対して噛み合っている。
また、本実施形態では、駆動プーリ46における回動軸線S1を中心とした回動径L1は、従動プーリ53における回動軸線S2を中心とした回動径L2よりも小さい。そして、ベルト20において両プーリ46,53の間に掛装されているベルト部分20Aは、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2の間を結ぶ直線Pに対し、駆動プーリ46側から従動プーリ53側に向けて直線Pからの距離が次第に大きくなるように交差している。そのため、ベルト20は、駆動プーリ46の外周面のうち、半円よりも小さい中心角A1を有する円弧面に設けられた駆動歯部60に対して巻き掛けられている。また、ベルト20は、従動プーリ53の外周面のうち、半円よりも大きい中心角A2を有する円弧面に設けられた従動歯部61に対して巻き掛けられている。
この場合、駆動プーリ46の駆動歯部60とベルト20のベルト歯部62とが互いに噛み合い始める噛合開始位置46Bは、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2間を結ぶ直線Pを挟んだ両側に位置している。また、駆動プーリ46において従動プーリ53と対峙する半円部分のうちで両プーリ46,53の回動軸線S1,S2間を結ぶ直線Pに沿う方向において従動プーリ53から最も離間した端部46Cと、直線Pを挟んだ両側の各噛合開始位置46Bとは、互いの間の中心角が中心角A3とされている。そして、この中心角A3は、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2を結ぶ直線Pに対し、ベルト20において両プーリ46,53の間に掛装されているベルト部分20Aが交差する角度である接触角Aと一致している。
次に、上記のように構成されたステアリング装置10の作用について説明する。
さて、本実施形態では、ラック軸16を収容するラックハウジング15にラック軸16の端部に設けられたラックエンド22が当接してラック軸16の移動が機械的に規制されることにより、ラック軸16の往復動範囲が規定されている。そして、ラック軸16が往復動範囲の中央位置に位置した状態で、両プーリ46,53の間にベルト20が掛装される。
さて、本実施形態では、ラック軸16を収容するラックハウジング15にラック軸16の端部に設けられたラックエンド22が当接してラック軸16の移動が機械的に規制されることにより、ラック軸16の往復動範囲が規定されている。そして、ラック軸16が往復動範囲の中央位置に位置した状態で、両プーリ46,53の間にベルト20が掛装される。
この場合、図3に示すように、駆動プーリ46は、1つの駆動歯部60Aが両プーリ46,53の回動軸線S1,S2の間を結ぶ直線P上に位置した状態で、従動プーリ53との間にベルト20が掛装される。そのため、駆動プーリ46は、この時点で直線P上に位置する1つの駆動歯部60Aと上述した噛合開始位置46Bとの間の中心角が「90°+接触角A」とされる。
続いて、運転者によるステアリングホイール11の一方側への操舵に伴って、モータ19の回転軸40が回転駆動されると、回転軸40に連結された駆動プーリ46が回動軸線S1を中心とした一方の周方向(図3では時計回り方向)に回動する。すると、駆動プーリ46の駆動歯部60に対してベルト歯部62が噛み合ったベルト20は、駆動プーリ46から伝達される駆動力に基づいて、両プーリ46,53の間を一方の周方向(図3では時計回り方向)に周回する。また、ベルト歯部62に対して従動歯部61が噛み合った従動プーリ53は、ベルト20から伝達される駆動力に基づいて、回動軸線S2を中心とした一方の周方向(図3では時計回り方向)に回動する。
そして、ラック軸16が軸線方向Xの一方側に移動し続けると、ラックエンド22がラックハウジング15に当接してエンド当てを生じる一方の当接位置にラック軸16が到達する。ここで、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から一方の当接位置に到達するまでの駆動プーリ46の回動数Rは、中央位置から一方の当接位置までのラック軸16の移動量をX1、ボール螺子機構21のリード量をY1、両プーリ46,53の間の減速比をZ(本実施形態では、Z=0.25)とした場合、式1にて表される。
[式1]
R=X1×Y1/Z
そして、本実施形態では、この駆動プーリ46の回動数Rが、「整数+0.25+接触角A/360」となるように、ラック軸16の移動量、ボール螺子機構21のリード量、及び両プーリ46,53の間の減速比が予め設定されている。そのため、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から一方の当接位置まで到達すると、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、図3に示す移動前の状態から「0.25+接触角A/360」の回動数分、即ち「90°+接触角A」の角度分だけ駆動プーリ46の回動方向にずれた位置に配置される。
[式1]
R=X1×Y1/Z
そして、本実施形態では、この駆動プーリ46の回動数Rが、「整数+0.25+接触角A/360」となるように、ラック軸16の移動量、ボール螺子機構21のリード量、及び両プーリ46,53の間の減速比が予め設定されている。そのため、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から一方の当接位置まで到達すると、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、図3に示す移動前の状態から「0.25+接触角A/360」の回動数分、即ち「90°+接触角A」の角度分だけ駆動プーリ46の回動方向にずれた位置に配置される。
その結果、図4に示すように、エンド当て時に駆動プーリ46の駆動歯部60Aは駆動プーリ46とベルト20との噛合開始位置46Bに配置される。すなわち、エンド当て時には、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aが、ベルト歯部62に対する噛み合い位置が特にずれ易い位置で噛合開始位置46Bに配置される。したがって、駆動プーリ46は、ベルト20との噛合開始位置46Bにおいて、歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aがベルト歯部62に対して噛み合うため、駆動歯部60Aとベルト歯部62との噛み合い位置がずれることが抑制される。
一方、運転者によるステアリングホイール11の他方側への操舵に伴って、モータ19の回転軸40が回転駆動されると、回転軸40に連結された駆動プーリ46が回動軸線S1を中心とした他方の周方向(図3では反時計回り方向)に回動する。すると、駆動プーリ46の駆動歯部60に対してベルト歯部62が噛み合ったベルト20は、駆動プーリ46から伝達される駆動力に基づいて、両プーリ46,53の間を他方の周方向(図3では反時計回り方向)に周回する。また、ベルト歯部62に対して従動歯部61が噛み合った従動プーリ53は、ベルト20から伝達される駆動力に基づいて、回動軸線S2を中心とした他方の周方向(図3では反時計回り方向)に回動する。
そして、ラック軸16が軸線方向Xの他方側に移動し続けると、ラックエンド22がラックハウジング15に当接してエンド当てを生じる他方の当接位置にラック軸16が到達する。この場合、本実施形態では、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から一方の当接位置に到達するまでのラック軸16の移動量と、ラック軸16が中央位置から他方の当接位置に当接するまでのラック軸16の移動量とは等しい。そのため、ラック軸16が中央位置から他方の当接位置まで到達すると、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、図3に示す移動前の状態から「0.25+接触角A/360」の回動数分、即ち「90°+接触角A」の角度分だけ駆動プーリ46の回動方向にずれた位置に配置される。
その結果、図5に示すように、エンド当て時に駆動プーリ46の駆動歯部60Aは駆動プーリ46とベルト20との噛合開始位置46Bに配置される。すなわち、エンド当て時には、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aが、ベルト歯部62に対する噛み合い位置が特にずれ易い位置である噛合開始位置46Bに配置される。したがって、駆動プーリ46は、ベルト20との噛合開始位置46Bにおいて、駆動歯部60Aとベルト歯部62との歯丈方向の噛み合い量が大きくなるため、駆動歯部60Aとベルト歯部62との噛み合い位置がずれることが抑制される。
ところで、駆動プーリ46の駆動歯部60Aの歯丈を高くした場合には、駆動歯部60Aとベルト歯部62との接触面の面積が大きくなる。その結果、駆動歯部60Aとベルト歯部62との磨耗が起こり易くなることにより、駆動プーリ46及びベルト20の耐久性が低下する虞があった。
この点、本実施形態では、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、エンド当て時に、ベルト20との噛合開始位置46Bに配置される駆動歯部60Aの歯丈を従来よりも高くする一方で、その他の駆動歯部60Bの歯丈を従来よりも高くしていない。そのため、駆動プーリ46及びベルト20は、非エンド当て時には、歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さく、歯部同士の接触面が相対的に小さい歯部同士が噛み合う。したがって、歯部同士が磨耗して駆動プーリ46及びベルト20の耐久性が低下することが抑制される。
特に、本実施形態では、ラック軸16が軸線方向Xの一方の当接位置に到達してエンド当てを生じる場合と、ラック軸16が軸線方向Xの他方の当接位置に到達してエンド当てを生じる場合とで、共通の駆動歯部60Aがベルト20との噛合開始位置46Bに配置される。そのため、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、一箇所の駆動歯部60Aの歯丈を高くするだけで、双方のエンド当て時において駆動歯部60Aとベルト歯部62との噛み合い位置がずれることが抑制される。したがって、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、相対的に歯丈を高くする駆動歯部60Aの数が低減されることにより、歯部同士が磨耗して駆動プーリ46及びベルト20の耐久性が低下することが更に抑制される。
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ラックエンド22がラック軸16の軸線方向Xへの移動に伴いラックハウジング15に対して当接する、所謂エンド当て時には、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aがベルト歯部62に対して噛み合う。そのため、エンド当て時において駆動歯部60A及びベルト歯部62の噛み合い位置がずれることを抑制できる。また、非エンド当て時には、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さく、ベルト歯部62との接触面が相対的に小さい駆動歯部60Bにて互いの歯部同士が噛み合う。そのため、歯部同士が磨耗して駆動プーリ46及びベルト20の耐久性が低下することを抑制できる。
(1)ラックエンド22がラック軸16の軸線方向Xへの移動に伴いラックハウジング15に対して当接する、所謂エンド当て時には、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aがベルト歯部62に対して噛み合う。そのため、エンド当て時において駆動歯部60A及びベルト歯部62の噛み合い位置がずれることを抑制できる。また、非エンド当て時には、ベルト歯部62に対する歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さく、ベルト歯部62との接触面が相対的に小さい駆動歯部60Bにて互いの歯部同士が噛み合う。そのため、歯部同士が磨耗して駆動プーリ46及びベルト20の耐久性が低下することを抑制できる。
(2)駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、駆動歯部60Aの歯丈は、他の駆動歯部60Bの歯丈よりも高い。そのため、エンド当て時にベルト歯部62に噛み合う駆動歯部60Aの歯丈方向の噛み合い量を相対的に大きくする一方で、非エンド当て時にベルト歯部62に噛み合う駆動歯部60Bの歯丈方向の噛み合い量を相対的に小さくする構成を容易に実現できる。
(3)ラック軸16が軸線方向Xにおける往復動範囲の中央位置から当接位置まで移動する間の駆動プーリ46の回動数Rは、「整数+0.25+接触角A/360」となっている。したがって、ラック軸16が中央位置から軸線方向Xの一方側に移動して一方の当接位置に位置する場合、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、ベルト歯部62に対して噛合開始位置に配置される。そのため、ラック軸16が中央位置に位置する場合、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、駆動プーリ46の外周面に沿う円弧線上の位置において、ベルト歯部62との噛合開始位置46Bに対して駆動プーリ46の回動方向の一方側に「90°+接触角A」の角度分ずれた位置に配置される。この場合、駆動プーリ46における1つの駆動歯部60Aは、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2間を結ぶ直線P上に配置される。また、ラック軸16が中央位置から軸線方向Xの他方側に移動して他方の当接位置に位置する場合にも、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、ベルト歯部62との噛合開始位置に配置される。そのため、ラック軸16が中央位置に位置する場合、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、駆動プーリ46の外周面に沿う円弧線上の位置において、ベルト歯部62との噛合開始位置46Bに対して駆動プーリ46の回動方向の他方側に「90°+接触角A」の角度分ずれた位置に配置される。この場合、駆動プーリ46における1つの駆動歯部60Aは、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2間を結ぶ直線P上に配置される。すなわち、駆動プーリ46の外周面のうち、ラック軸16が中央位置に位置するときに、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2間を結ぶ直線P上に位置する一箇所が相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aとされる。そして、ラック軸16が軸線方向Xの一方側又は他方側に移動してラックエンド22がラックハウジング15に衝突する双方向のエンド当て時において、駆動歯部60とベルト歯部62との噛み合い位置がずれることを抑制できる。
(4)ベルト歯部62の数は、駆動歯部60の数の非整数倍となっている。そのため、ベルト20が両プーリ46,53の間を周回するごとに、駆動歯部60は、ベルト20に設けられた複数のベルト歯部62のうち異なるベルト歯部62に対して噛み合う。そのため、相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aが、ベルト20に設けられた複数のベルト歯部62のうち、特定のベルト歯部62に対して繰り返し噛み合うことがない。したがって、特定のベルト歯部62が集中的に磨耗してベルト20の耐久性が低下することを抑制できる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、ベルト20及び駆動プーリ46は、ベルト歯部62の数が駆動歯部60の数の整数倍となるように構成されてもよい。
・上記実施形態において、ベルト20及び駆動プーリ46は、ベルト歯部62の数が駆動歯部60の数の整数倍となるように構成されてもよい。
・上記実施形態において、図6に示すように、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置に位置した状態での駆動プーリ46及びベルト20の噛合開始位置46Bと相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aとの間の中心角が「270°+接触角A」となるように、ベルト20を両プーリ46,53の間に掛装してもよい。この場合、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から当接位置に移動するまでの駆動プーリ46の回動数Rが「整数+0.75+接触角A/360」となるように、中央位置から当接位置までのラック軸16の移動量、ボール螺子機構21のリード量、及び両プーリ46,53の間の減速比が予め設定される。
そして、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から一方の当接位置まで到達すると、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、図6に示す移動前の状態から「0.75+接触角A/360」の回動数分、即ち「270+接触角A」の角度分だけ駆動プーリ46の回動方向にずれた位置に配置される。
その結果、図7に示すように、エンド当て時に駆動プーリ46の駆動歯部60Aは駆動プーリ46とベルト20との噛合開始位置46Bに配置される。すなわち、エンド当て時には、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aが、ベルト歯部62に対する噛み合い位置が特にずれ易い位置である噛合開始位置46Bに配置される。したがって、駆動プーリ46は、ベルト20との噛合開始位置46Bにおいて、歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aがベルト歯部62に対して噛み合うため、駆動歯部60Aとベルト歯部62との噛み合い位置がずれることが抑制される。
その一方、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から他方の当接位置まで到達すると、駆動プーリ46の駆動歯部60Aは、図6に示す移動前の状態から「0.75+接触角A/360」の回動数分、即ち「270°+接触角A」の角度分だけ駆動プーリ46の回動方向にずれた位置に配置される。
その結果、図8に示すように、エンド当て時に駆動プーリ46の駆動歯部60Aは駆動プーリ46とベルト20との噛合開始位置46Bに配置される。すなわち、エンド当て時には、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aが、ベルト歯部62に対する噛み合い位置が特にずれ易い位置である噛合開始位置46Bに配置される。したがって、駆動プーリ46は、ベルト20との噛合開始位置46Bにおいて、歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい駆動歯部60Aがベルト歯部62に対して噛み合うため、駆動歯部60Aとベルト歯部62との噛み合い位置がずれることが抑制される。
すなわち、この構成では、駆動プーリ46の外周面に沿う円弧線上の位置において、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置に位置するときに、両プーリ46,53の回動軸線S1,S2間を結ぶ直線Pの延長線上に位置する一箇所が相対的に歯丈の高い駆動歯部60Aとされている。そして、ラック軸16が軸線方向Xの一方側又は他方側に移動してラックエンド22がラックハウジング15に衝突する双方向のエンド当て時において、駆動歯部60とベルト歯部62との噛み合い位置がずれることを抑制できる。
・上記実施形態において、図9に示すように、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、一方のエンド当て時においてベルト歯部62に対して噛み合い始める駆動歯部60Aaと、他方のエンド当て時においてベルト歯部62に対して噛み合い始める駆動歯部60Abとが互いに異なってもよい。
この場合、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置から当接位置に移動するまでの駆動プーリ46の回動数Rが「整数+角度α/360+接触角A/360」とされている。そして、ラック軸16が軸線方向Xの中央位置に位置した状態での駆動プーリ46及びベルト20の噛合開始位置46Bと相対的に歯丈の高い双方の駆動歯部60Aa,60Abとの間の中心角が「角度α+接触角A」となるように、ベルト20が両プーリ46,53の間に掛装される。
・上記実施形態において、ベルト20のベルト歯部62のうち、エンド当て時に駆動プーリ46の駆動歯部60とベルト20のベルト歯部62との噛合開始位置に配置されるベルト歯部62の歯丈を、他のベルト歯部62の歯丈よりも高くしてもよい。この場合、駆動プーリ46の駆動歯部60のうち、エンド当て時に駆動プーリ46の駆動歯部60とベルト20のベルト歯部62との噛合開始位置に配置される駆動歯部60の歯丈を他の駆動歯部60の歯丈よりも高くしてもよいし、全ての駆動歯部60の歯丈を互いに等しくしてもよい。
この構成では、駆動プーリ46及びベルト20は、エンド当て時には、歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい歯部同士が噛み合うため、駆動歯部60及びベルト歯部62の噛み合い位置がずれることを抑制できる。
10…ステアリング装置、12…転舵輪、15…ハウジングとしてのラックハウジング、16…転舵軸としてのラック軸、19…駆動源としてのモータ、20…ベルト、22…ジョイントとしてのラックエンド、46…駆動プーリ、53…従動プーリ、60…駆動歯部、60A,60Aa,60Ab…第1歯部領域を構成する駆動歯部、60B…第2歯部領域を構成する駆動歯部、62…ベルト歯部、A…接触角、P…直線、S1,S2…回動軸線。
Claims (5)
- 駆動源から伝達される駆動力に基づいて回動する駆動プーリと、前記駆動プーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動する従動プーリと、前記両プーリの間に周回可能に掛装されるベルトと、を備え、前記駆動源から前記駆動プーリ及び前記ベルトを通じて前記従動プーリに伝達される駆動力を、ハウジング内を軸線方向に往復動可能な転舵軸の往復動に変換して伝達するステアリング装置であって、
前記駆動プーリは、前記駆動プーリの回動方向に間隔をおいて複数の駆動歯部を有し、
前記ベルトは、前記駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を前記両プーリ間における前記ベルトの周回方向に間隔をおいて複数有し、
前記駆動プーリ及び前記ベルトは、互いの歯部の歯丈方向の噛み合い量が相対的に大きい第1歯部領域と、互いの歯部の歯丈方向の噛み合い量が相対的に小さい第2歯部領域とを有し、
前記第1歯部領域は、前記転舵軸の軸線方向の端部に当該転舵軸と転舵輪とを駆動連結するように装着されたジョイントが、前記転舵軸の軸線方向への移動に伴い前記ハウジングに対して当接する場合に、前記駆動歯部及び前記ベルト歯部が互いに噛み合い始める歯部領域であることを特徴とするステアリング装置。 - 前記第1歯部領域を構成する前記駆動歯部の歯丈は、前記第2歯部領域を構成する前記駆動歯部の歯丈よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記転舵軸が軸線方向における往復動範囲の中央位置から前記ジョイントを前記転舵軸の軸線方向において前記ハウジングに対して当接させる当接位置まで移動する間の前記駆動プーリの回動数は、
前記両プーリの回動軸線を結ぶ直線に対し、前記ベルトにおいて前記両プーリの間に掛装されている部分が交差する角度である接触角をAとした場合に、
「整数+0.25+A/360」又は「整数+0.75+A/360」であることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。 - 前記ベルト歯部の数は、前記駆動歯部の数の非整数倍であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のステアリング装置。
- 前記第1歯部領域を構成する前記ベルト歯部の歯丈は、前記第2歯部領域を構成する前記ベルト歯部の歯丈よりも高いことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のステアリング装置。
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JP2012252331A JP2014100934A (ja) | 2012-11-16 | 2012-11-16 | ステアリング装置 |
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