JP2014098387A - 回転密閉構成および回転部材を筐体に密閉する方法 - Google Patents

Abstract

【課題】互いに対して移動する部品同士の密閉を改善させる新たなシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】密閉構成は、筐体と、筐体に対して回転式に設置された回転可能部材とを含む。回転可能部材は、少なくとも１つの部分を有し、この部分は、該少なくとも１つの部分の半径方向の寸法を増大させる作動条件において筐体に接触するように構成された外側の周辺面を画定する。少なくとも１つの部分は、対向する軸方向の面を有し、その各々が、外側の周辺面の最も離れた部分と比べて、外側の周辺面のすぐ半径方向内側で他方の対向する軸方向の面に対して寸法的に軸方向に近づいている。
【選択図】図１

Description

本明細書に開示される主題は、回転部材を筐体に密閉する構成に関し、より具体的には回転部材の最も外側の半径方向の部分の筐体への密閉作業に関する。

互いに対して移動する密閉構成要素は、難題を生み出す。このような難題は、例えばタービンエンジンの動翼のシュラウドとケーシングの間で起ったときなど、可動構成要素の隙間が機械の作動条件によって変化する場合に深刻になる。このような密閉に依拠する産業はしたがって、互いに対して移動する部品同士の密閉を改善させる新たなシステムおよび方法を許容する。

米国特許第６９１３４４５号公報

本発明の一態様によると、回転密閉構成は、筐体と、筐体に対して回転式に設置された回転可能部材とを含む。回転可能部材は少なくとも１つの部分を有し、この部分は、該少なくとも１つの部分の半径方向の寸法を増大させる作動条件において筐体に接触するように構成された外側の周辺面を画定する。少なくとも１つの部分は、対向する軸方向の面を有し、その各々が、外側の周辺面の最も離れた部分と比べて、外側の周辺面のすぐ半径方向内側で他方の対向する軸方向の面に対して寸法的に軸方向に近づいている。

本発明の別の態様によると、回転可能部材を筐体に密閉する方法は、回転可能部材を筐体に対して回転させるステップと、筐体を回転可能部材の一部と接触させるステップと、この部分によって筐体内に溝を切削し、この部分の対向する軸方向の面のいずれかと筐体とが接触するのを阻止するステップとを含む。

本発明の別の態様によると、ターボ機械構成要素は、筐体に対して回転式に設置された回転可能部材を含む。ターボ機械構成要素は、一部の作動条件において筐体に接触するように構成された外側の周辺面を画定する部分を有し、この部分は対向する軸方向の面を有し、該面は、それらが外側の周辺面にあるときと比べて、外側の周辺面の半径方向内側の位置において互いに対して軸方向により近づいている。

これらのおよび他の利点および特徴は、以下の記載を図面と併せることでより明らかになるであろう。

この主題は、本発明としてみなされ、明細書の終わりの請求項において特に指摘され明白に主張されている。本発明の上記のおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な記載を添付の図面と併せることで明らかである。

本明細書に開示される回転密閉構成の一実施形態の断面図である。 本明細書に開示される回転密閉構成の代替の一実施形態の断面図である。 図１または図２の複数の回転密閉構成を採用するタービンエンジンの部分断面図である。

詳細な記載は、一例として図面を参照して、本発明の実施形態を利点および特徴と併せて説明している。

図１を参照すると、本明細書に開示される回転密閉構成の一実施形態が１０で示されている。回転密閉構成１０は、実質的に静止している筐体１４と、この筐体１４に対して回転するように構成された回転可能部材１８とを含む。回転可能部材１８は、その最大の半径方向の寸法のところに位置する外側の周辺面２６を備えた部分２２を有する。外側の周辺面２６は、筐体１４と回転可能部材１８とを内蔵する機械の特定の作動条件において筐体１４に干渉式に接触するように構成される。部分２２は、対向する軸方向の面３０、３１を有し、これらは外側の周辺面２６のすぐ半径方向内側に位置決めされている。回転密閉構成１０は、対向する軸方向の面３０、３１の一方または両方が、外側の周辺面２６の最も離れた部分３２、３３と比べて、外側の周辺面２６のすぐ半径方向内側で他方の対向する軸方向の面３０、３１に対して軸方向により近づくように構成されている。

回転可能部材１８が回転する際に部分２２と筐体１４が接触することにより、部分２２が筐体１４の中に切り込み、これにより筐体１４の内側の半径方向の面３８に環状の溝３４を切削する。溝３４を切削することで、外側の周辺面２６と筐体１４の間の環状の隙間が縮小され、これによりそれらの間に動的な密閉を形成することが保証される。筐体１４と部分２２の材料は、切削中に、回転可能部材１８からより多くの材料が除去されることが保証されるように選択されてよい。タービンエンジン用途では、例えば筐体１４は、ハニカムセル形状の薄い金属シートで作製されることが多く、その一方で回転可能部材１８は、それよりずっと厚みのある金属で作製される。そういうものとしてハニカム筐体１４は犠牲的であり、部分２２がそれと接触するようになったとき、回転可能部材１８によって容易に切除される。タービンエンジンにおける部分２２は、動翼のシュラウドの一部またはロータのラビリンスシールにある２つ以上の歯のうちの１つであってよく、筐体は、タービンエンジンの静止した外側の組立体、または例えば部分２２のものと異なる速度で回転する別の回転可能な部品であってよい。

回転密閉構成１０の最も離れた部分３２、３３と比べて、対向する軸方向の面３０、３１を外側の周辺面２６のすぐ半径方向内側で互いにより近づけることにより、対向する軸方向の面３０、３１が確実に溝３４の側面４２と接触しないようにする。このような接触は、仮に生じる余地があるとすれば、摩擦係合、加熱、および例えば必要以上の筐体１４または回転可能部材１８のいずれかからの追加の材料の除去に関連する好ましくない作動上の影響を有する恐れがある。

部分２２と筐体１４との干渉性の接触が、回転可能部材１８の半径方向の成長のみによるものである場合、側面４２は、回転可能部材１８の回転軸にほぼ直交することになる。回転可能部材１８の半径方向の成長と併せて一部の長手方向の移動が生じた場合、側面４２は、半円錐形またはさらには湾曲した円錐形すら有する場合がある。長手方向の構成要素の移動が予測される場合、このとき対向する軸方向の面３０、３１を軸方向に十分な量だけ後退するように作成することにより、筐体１４の中に切り込む際、それと接触しないように保証することができる。部分２２と筐体１４の干渉性の接触はまた、筐体１４の半径方向の寸法の縮小に起因する場合もあることに留意されたい。

外側の周辺面２６と対向する軸方向の面３０、３１それぞれとの間に角度４６および４７が画定される。図示の実施形態において外側の周辺面２６は、回転可能部材１８の回転軸に平行である（しかしながら、回転可能部材１８の回転軸に平行ではない外側の周辺面も可能であることに留意されたい）。角度４６および４７は、９０度未満であり、よって鋭角である。図１の回転可能部材１８は傾斜しており、例えば回転可能部材１８の回転軸に垂直ではないため、その側面５０、５１もまた傾斜している。そういうものとして、対向する軸方向の面３０は単に側面５０の延長であり、これにより鋭角４６の一部を画定することができる。しかしながら対向する軸方向の面３１が単に側面５１の延長であったならば、このとき角度４７は鈍角であり、９０度より大きな角度を計測するであろう。よって対向する軸方向の面３１は、側面５１の延長ではなく、代わりに側面５１と外側の周辺面２６の間の部分２２にある凹部である。対向する軸方向の面３１は凹部であるため、それは、回転可能部材１８から材料を除去することにより回転可能部材１８の中に作成することができ、これは典型的に行なわれるように回転可能部材に材料を追加するよりも作製し易い。

図２を参照すると、本明細書に開示される回転密閉構成の代替の一実施形態が１１０で示されている。構成１１０は構成１０と同様であり、そういうものとして同様の特徴は、同じように番号が付けられており、違う点のみを以下で詳細に記載する。回転密閉構成１１０の回転可能部材１１８は、外側の周辺面２６に向かって共に先細になる側面１５０、１５１を有する。そういうものとして、対向する軸方向の面１３０、１３１は共に、外側の周辺面２６付近の回転可能部材１１８の一部１２２において側面１５０、１５１の中に形成された凹部によって画定され、これにより鋭角１４６、１４７をそれぞれ画定している。

図３を参照すると、本明細書に開示される回転密閉構成１０、１１０を採用するタービンエンジン２１６の部分２１２が示されている。部分２１２は、タービンエンジン２１６のいずれの回転部分２１２でもよく、これに限定するものではないが圧縮機部分またはタービン部分の回転部品が含まれる。部分２１２は、複数の回転密閉構成１０、１１０を含んでおり、１つの構成１０、１１０はそれぞれ、５つの歯２２４のうちの１つの端部２２０上に示されている。各々の歯２２４が筐体１４内の溝３４の１つを形成するため、複数の回転密閉構成１０、１１０が協働してラビリンスシール２２８を形成する。

本発明を、限られた数の実施形態のみに関連して詳細に記載してきたが、本発明はこのような開示される実施形態に限定されるものではないことを容易に理解すべきである。むしろ本発明は、これまで記載されていないが、本発明の精神および範囲に見合った任意の数の変形形態、代替形態、代用形態または等価な構成を組み込むように修正することができる。これに加えて、本発明の種々の実施形態を記載してきたが、本発明の態様は、記載される実施形態の一部のみを含むことができるものと理解すべきである。したがって本発明は、前述の記載によって制限されるものと理解すべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。

１０ 回転密閉構成
１４ 筐体
１８ 回転可能部材
２２ 一部分
２６ 外側の周辺面
３０、３１ 対向する軸方向の面
３２、３３ 最も離れた部分
３４ 溝
３８ 内側の半径方向の面
４２ 側面
４６、４７ 角度
５０、５１ 側面
１１０ 回転密閉構成
１１８ 回転可能部材
１２２ 一部分
１３０、１３１ 対向する軸方向の面
１４６、１４７ 角度
１５０、１５１ 側面
２１２ タービンエンジンの一部
２１６ タービンエンジン
２２０ 端部
２２４ 歯
２２８ ラビリンスシール

Claims (20)

1. 筐体と、
   前記筐体に対して回転式に設置された回転可能部材であって、一部の作動条件において前記筐体に接触するように構成された外側の周辺面を画定する少なくとも１つの部分を有し、前記少なくとも１つの部分が、対向する軸方向の面を有し、前記対向する軸方向の面の少なくとも一方が、前記外側の周辺面の最も離れた部分と比べて、前記外側の周辺面のすぐ半径方向内側で他方の前記対向する軸方向の面に対して寸法的に軸方向に近づいている回転可能部材とを備える回転密閉構成。
2. 前記外側の周辺面が、前記回転可能部材の回転軸にほぼ平行に配向される、請求項１記載の回転密閉構成。
3. 前記外側の周辺面と前記対向する軸方向の面の各々の間の角度が鋭角である、請求項１記載の回転密閉構成。
4. 前記外側の周辺面が、前記回転可能部材が回転する間、それとの接触に応じて前記筐体の中に切り込む、請求項１記載の回転密閉構成。
5. 前記回転密閉構成が、前記回転可能部材が前記筐体内に溝を切削した後、前記対向する軸方向の面のいずれも前記筐体と接触しないように構成される、請求項１記載の回転密閉構成。
6. 前記少なくとも１つの部分が、前記筐体の中に切削された溝と協働してラビリンスシールを形成する複数の前記少なくとも１つの部分である、請求項１記載の回転密閉構成。
7. 前記少なくとも１つの部分が、タービンエンジンのラビリンスシールである、請求項１記載の回転密閉構成。
8. 前記少なくとも１つの部分が、タービン動翼のシュラウドの一部である、請求項１記載の回転密閉構成。
9. 前記筐体がハニカム構造を有する、請求項１記載の回転密閉構成。
10. 前記少なくとも１つの部分の最大の半径方向の寸法が、前記外側の周辺面を画定する、請求項１記載の回転密閉構成。
11. 前記対向する軸方向の面の少なくとも一方が、前記回転可能部材の側面から材料を除去することによって形成可能である、請求項１記載の回転密閉構成。
12. 前記少なくとも１つの部分の半径方向の寸法が、一部の作動条件において増大する、請求項１記載の回転密閉構成。
13. 回転可能部材を筐体に密閉する方法であって、
    前記回転可能部材を前記筐体に対して回転させるステップと、
    前記筐体を前記回転可能部材の一部と接触させるステップと、
    前記部分によって前記筐体内に溝を切削し、前記部分の対向する軸方向の面のいずれかと前記筐体とが接触するのを阻止するステップとを含む方法。
14. 筐体に対して回転式に設置された回転可能部材を備えるターボ機械構成要素であって、一部の作動条件において前記筐体に接触するように構成された外側の周辺面を画定する少なくとも１つの部分を有し、前記少なくとも１つの部分が対向する軸方向の面を有し、前記面が、それらが前記外側の周辺面にあるときと比べて、前記外側の周辺面の半径方向内側の位置において互いに対して軸方向により近づくターボ機械構成要素。
15. 前記ターボ機械構成要素が、タービンエンジンで採用される、請求項１４記載のターボ機械構成要素。
16. 前記ターボ機械構成要素が、前記タービンエンジンの圧縮機部分の一部である、請求項１５記載のターボ機械構成要素。
17. 前記ターボ機械構成要素が、前記タービンエンジンのタービン部分の一部である、請求項１５記載のターボ機械構成要素。
18. 前記少なくとも１つの部分が複数の部分である、請求項１４記載のターボ機械構成要素。
19. 前記複数の部分の各々が前記筐体内に溝を形成する、請求項１８記載のターボ機械構成要素。
20. 前記複数の部分と前記複数の溝が協働して、ラビリンスシールを形成する、請求項１９記載のターボ機械構成要素。