JP2014097260A - パチンコ機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカの再生する音楽が周囲の騒音レベルにより、喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現する。
【解決手段】画像音声制御用MPUは、通信回線を介して他のパチンコ機から送信された遊技中情報を入力し(S1001)、その入力した遊技中情報に基づいて騒音レベルVaを演算する(S1002)。続いて、その演算した騒音レベルVa=−2であるか否かを判定し(S1003)、Va=−2であると判定した場合は(S1003:Yes)、騒音レベルVa=−2に対応する低音音量Vbの調整値(Vs−2)を音響効果調節テーブルから選択し、低音用の下スピーカの音量Vbを(Vs−2)に調整する(S1004)。
【選択図】図35

Description

この発明は、パチンコ機に関する。
図42は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機700は、遊技球の流下領域が形成された遊技盤702と、遊技球を流下領域へ発射する発射装置の発射強度を調節する発射ハンドル701と、遊技盤702に配置された始動口703、画像表示装置704および特別電動役物706と、賞球および貸球を貯留する上受け皿705と、スピーカ709とを備える。
遊技者が発射ハンドル701を回動して発射した遊技球が始動口703に入賞すると、パチンコ機700に内蔵されたMPUが乱数発生手段から乱数を取得し、その取得した乱数を所定のメモリに格納する。また、遊技球が始動口703に入賞したときに画像表示装置704が動画像の表示を開始し、上記MPUは、メモリに格納した乱数が予め定められた大当り値と一致する場合は大当りと判定し、一致しない場合はハズレと判定する。以下、その大当りかハズレかの判定を大当り判定という。
画像表示装置704が表示する動画像は、図柄を変動表示する図柄動画像と、その背景に表示される背景動画像とを有する。背景動画像には、パチンコ機メーカーオリジナルの動画像の他、公知のアニメーション、テレビドラマおよび映画などを題材にした動画像が使用される。図柄動画像は、複数種類の識別情報(たとえば、0〜9の数字)を表現した図柄の配列(以下、図柄列という)を画面上の横方向3箇所の表示領域において、画面の上から下へ移動させる表示態様である。また、機種によっては、図柄動画像は、図柄列を画面上の縦方向3箇所において、画面の右から左へ移動するように表示したり、図柄列を構成する各図柄を同じ表示領域に繰り出すように表示したりする表示態様である。これらのように、図柄列を構成する各図柄が表示領域において変化する表示態様を図柄の変動という。また、スピーカ709は、画像表示装置704が動画像を表示している間、その動画像に対応する音楽を再生する。
画像表示装置704が動画像の表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄の変動が停止し、前述したMPUによる大当り判定の結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。ここで、確定表示とは、図柄が変動を停止した後に再変動することがない表示状態を意味する。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、「777」など、同一の数字が揃った図柄が確定表示され、大当り判定の結果がハズレであった場合は、「767」など、同一の数字が揃っていない図柄が確定表示される。
以下、大当り判定の結果が大当りであったことを表す図柄の組み合わせを大当り図柄といい、大当り判定の結果がハズレであったことを表す図柄の組み合わせをハズレ図柄という。また、画像表示装置704が動画像の表示を開始してから、大当り図柄またはハズレ図柄を確定表示するまでを図柄の1回の変動と数える。
画像表示装置704が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置706が開閉部材707を開作動させ、大入賞口708を開口させる。大入賞口708は、普通の入賞口よりも入賞領域が大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口708に規定数(たとえば、約9個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口708の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材707が閉成し、大入賞口708が閉口する。
そして、大入賞口708が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。この大当り遊技の間は、画像表示装置704が大当り遊技特有の動画像を表示し、その動画像に対応する音楽をスピーカ709が再生する。
特開2001−224755号公報(第47〜48段落、図13)
しかし、前述した従来のパチンコ機700は、周囲で稼働しているパチンコ機が少なく、騒音レベルが低い場合には、スピーカ709の再生する音楽が大きく聞こえるため、喧しく感じるという問題がある。また、逆に、周囲で稼働しているパチンコ機が多く、騒音レベルが高い場合には、スピーカ709の音量が小さく聞こえるため、音を聞き取り難いという問題がある。
つまり、前述した従来のパチンコ機700は、スピーカ709の再生する音が周囲の騒音レベルにより、喧しく感じたり、聞こえ難くなったりするという問題がある。
そこでこの発明は、上述の問題を解決するために成されたものであり、スピーカの再生する音が周囲の騒音レベルにより、喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することを目的とする。
(請求項1)
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技中に音を再生する音再生手段(10〜12)と、前記音再生手段が再生する音に音響効果を付与する音響効果付与手段(82,85)と、周囲のパチンコ機(1)と通信するための通信手段(L2)と、遊技中か否かを示す遊技中情報を前記通信手段を介して他のパチンコ機へ送信する送信手段(S708)と、前記周囲のパチンコ機から前記通信手段を介して前記遊技中情報を受信する受信手段(S601)と、前記受信手段が受信した遊技中情報に基づいて、当該パチンコ機の周囲の騒音レベル(Va)を演算する騒音レベル演算手段(S1002)と、前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に大きい音響効果に調節し、かつ、前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが前記閾値よりも小さくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に小さい音響効果に調節する音響効果調節手段(S1003〜S1012)と、を備えたという技術的手段を用いる。
(請求項2)
請求項2に係る発明では、遊技中に音を再生する音再生手段(10〜12)と、前記音再生手段が再生する音に音響効果を付与する音響効果付与手段(82,85)と、周囲のパチンコ機(1)と通信するための通信手段(L2)と、前記音再生手段の音量を示す音量情報を前記通信手段を介して他のパチンコ機へ送信する送信手段(S708)と、前記周囲のパチンコ機から前記通信手段を介して前記音量情報を受信する受信手段(S601)と、前記受信手段が受信した音量情報に基づいて、当該パチンコ機の周囲の騒音レベル(Va)を演算する騒音レベル演算手段(S1002)と、前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に大きい音響効果に調節し、かつ、前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが前記閾値よりも小さくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に小さい音響効果に調節する音響効果調節手段(S1003〜S1012)と、を備えたという技術的手段を用いる。
(請求項3)
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記音響効果付与手段(85)は、前記音響効果として低音を強調する効果を前記音に付与する機能を有するという技術的手段を用いる。
(請求項4)
請求項4に係る発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記音響効果付与手段(82)は、前記音響効果としてサラウンド効果を前記音に付与する機能を有するという技術的手段を用いる。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(請求項1、請求項2)
請求項1または請求項2に係る発明を実施すれば、周囲の騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど音響効果付与手段が音に付与する音響効果を自動的に大きい音響効果に調節することができるため、音楽再生手段の再生する音を聞き取り易くなる。しかも、周囲の騒音レベルが閾値よりも小さくなるほど音響効果付与手段が音に付与する音響効果を自動的に小さい音響効果に調節することができるため、音楽再生手段の再生する音が喧しく感じることがない。
つまり、音楽再生手段の再生する音が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することができる。
(請求項3)
請求項3に係る発明を実施すれば、周囲の騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど音響効果付与手段が低音を強調する効果を自動的に大きくすることができるため、音楽再生手段の再生する音を聞き取り易くなる。しかも、周囲の騒音レベルが閾値よりも小さくなるほど音響効果付与手段が低音を強調する効果を自動的に小さくすることができるため、音楽再生手段の再生する音が喧しく感じることがない。
つまり、音楽再生手段の再生する音が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することができる。
(請求項4)
請求項4に係る発明を実施すれば、周囲の騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど音響効果付与手段が音に付与するサラウンド効果を自動的に大きくすることができるため、音楽再生手段の再生する音を聞き取り易くなる。しかも、周囲の騒音レベルが閾値よりも小さくなるほど音響効果付与手段が音に付与するサラウンド効果を自動的に小さくすることができるため、音楽再生手段の再生する音が喧しく感じることがない。
つまり、音楽再生手段の再生する音が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することができる。
この発明の実施形態に係るパチンコ機1の複数が通信回線によって接続された状態を示す説明図である。 この発明の実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。 図2に示すパチンコ機1の正面図である。 図2に示すパチンコ機1の平面図である。 図2に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。 図2に示すパチンコ機の背面における内部構造の一部を示す部分背面図である。 図2に示すパチンコ機に備えられた音量調節つまみ70vの説明図である。 図2に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。 図8に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。 図8に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。 (a)は図8に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図8に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。 (a)は図8に示す遊技盤5に設けられた演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。 パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。 パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。 図14に示す画像音声制御基板70および演出制御基板400の構成をブロックで示す説明図である。 遊技で用いる乱数の説明図である。 大当り値テーブル52aの説明図である。 (a)は変動・演出パターンテーブル72aの説明図であり、(b)は変動・演出パターンの種類を示す説明図である。 変動・演出パターンの抽選方法を示す説明図である。 (a)は保留テーブル73aの格納内容を示す説明図であり、(b)は保留テーブル73aに格納されているデータの格納順位が繰り上がった状態を示す説明図である。 (a)は図15に示す画像データROM74の主な格納内容を示す説明図であり、(b)は画像データROM75の主な格納内容を示す説明図である。 パチンコ機1の電源が投入されたときに主制御用MPU51が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。 主制御用MPU51が遊技中に実行する主な処理を示すフローチャートである。 主制御用MPU51が実行する遊技開始処理の流れを示すフローチャートである。 図24に示す遊技開始処理の続きを示すフローチャートである。 主制御用MPU51が実行する特別図柄遊技処理の流れを示すフローチャートである。 図26に示す特別図柄遊技処理の続きを示すフローチャートである。 主制御用MPU51が実行する特別電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。 主制御用MPU51が実行する普通図柄遊技処理の流れを示すフローチャートである。 図29に示す普通図柄遊技処理の続きを示すフローチャートである。 主制御用MPU51が実行する普通電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。 画像音声制御用MPU71が遊技中に実行する主な処理を示すフローチャートである。 画像音声制御用MPU71が実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。 画像音声制御用MPU71が実行する画像処理の流れを示すフローチャートである。 画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理の流れを示すフローチャートである。 パチンコ機Cで遊技をしている遊技者Yが置かれている周囲の環境を示す説明図である。 騒音演算テーブル72bの説明図である。 音響効果調節テーブル72cの説明図である。 第2実施形態において画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理2の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態における音響効果調節テーブル72dの説明図である。 第3実施形態において画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理3の流れを示すフローチャートである。 従来のパチンコ機700の正面図である。
〈第1実施形態〉
[主要構成]
最初に、この発明の実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機1の複数が通信回線によって接続された状態を示す説明図である。図2は、この実施形態に係るパチンコ機を斜め前方から見た斜視図であり、図3は、図2に示すパチンコ機1の正面図である。図4は、図2に示すパチンコ機1の平面図である。図5は、図2に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図であり、図6は、図2に示すパチンコ機の背面における内部構造の一部を示す部分背面図である。図7は、図2に示すパチンコ機に備えられた音量調節つまみ70vの説明図である。
図1に示すように、複数のパチンコ機1は、通信回線L2によって相互に通信可能に接続されている。また、各パチンコ機1は、通信回線L1によってホールコンピュータ69と通信可能に接続されている。ホールコンピュータ69は、パチンコホールの管理室などに配置されている。この実施形態では、通信回線L2はLAN回線である。
パチンコホールでは、複数のパチンコ機1が側面同士を隣接させて配列されており、その配列されたグループが背面同士を対向させた形で1つの島を形成している。また、通路を挾んで島同士が対向する形で配列されている。つまり、1台のパチンコ機1の周囲には、両隣のパチンコ機1の他、通路を挾んで複数のパチンコ機1が存在する。
パチンコ機1は、遊技中であるか否か、つまり、スピーカ10〜12が音楽を再生しているか否かを示す遊技中情報を通信回線L2を介して他のパチンコ機1へ送信する機能を備えている。また、パチンコ機1は、他のパチンコ機1から通信回線L2を介して受信した遊技中情報に基づいて周囲の騒音レベルを演算し、その演算した騒音レベルに基づいて低音の音量などの音響効果のレベルを調節することにより、遊技中に再生する音楽が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないようにする機能を備えている。この機能を実現するための構成については後述する。
図2に示すように、パチンコ機1の左側には、ICカードに記録されている残高の読取り、残高の書込み、現金の読取りなどを行うプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口101と、ICカードを挿入するためのICカード挿入口102とが設けられている。紙幣挿入口101に紙幣を挿入すると、その挿入された紙幣の金額は、プリペイド記録媒体読取装置100の内部に設けられた紙幣読取り装置によって読取られる。
また、ICカード挿入口102に挿入されているICカードに記録されている残高は、プリペイド記録媒体読取装置100の内部に設けられたリーダライタによって読取られ、残高表示部6eに表示される。また、紙幣読取り装置によって読取られた金額は、リーダライタにより、ICカードに書込まれる。また、貸出ボタン6cを操作すると、払出された貸球数に対応する金額が残高から減算され、その減算された残高は、リーダライタによってICカードに書込まれる。
パチンコ機1は、パチンコ機1をパチンコホールの島設備に取付けるための枠状の外枠セット8を備える。外枠セット8を構成する天板8aの左端には、金属製の蝶番8bが取付けられている。蝶番8bの前端寄りの部分には、前枠セット2がヒンジ軸8cを介して回動可能に軸支されている。前枠セット2には、遊技球の流下領域が形成された遊技盤5(図8)が設けられている。前枠セット2には、円形の開口部2aが形成されており、その開口部2aは、窓を構成するガラス枠セット3によって覆われている。遊技盤5は、ガラス枠セット3を通して見るように構成されている。
前枠セット2の右下には、遊技球を遊技盤5の流下領域へ発射する発射装置を操作するための発射ハンドル4aが設けられており、発射ハンドル4aには、発射装置の発射強度を調節するための発射レバー4bが回動可能に設けられている。ガラス枠セット3の下方の前枠セット2には、排出口6bから排出される賞球および貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。
上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aと、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100のICカード挿入口102に挿入されているICカードを返却させるために操作する返却ボタン6dと、ICカードに記録されている残高を表示する残高表示部6eとが設けられている。貸出ボタン6cを1回押圧操作すると、最小単位の貸球が上受け皿6に払出される。たとえば、1個の貸球が4円であり、貸球の最小単位が500円に設定されているとすると、125(=500円/4円)個の貸球が払出される。
残高表示部6eは、残高を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択するために操作する演出ボタン9が設けられている。この実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。
上受け皿6の下方には、上受け皿6から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7は、上面が開口で有底の凹形状に形成されている。図5に示すように、下受け皿7の後方には排出口7eが開口形成されている。上受け皿6の貯留限界を超えて流下した遊技球、あるいは、上受け皿6に設けられた球抜きレバー6aを操作することにより流下した遊技球は、排出口7eから下受け皿7に排出され、貯留される。
また、前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14と、遊技中に効果音や音楽を再生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。右スピーカ10および左スピーカ11は中高音用のスピーカであり、下スピーカ12は低音用のスピーカである。以下、右スピーカ10、左スピーカ11および下スピーカ12を総称するときは、スピーカ10〜12という。
図4および図5に示すように、パチンコ機1の背面上方には、遊技球を貯留するための球タンク95が設けられている。パチンコ機1が設置されている島の上方には各パチンコ機に遊技球を供給する遊技球供給流路が配置されており、その遊技球供給流路から遊技球が球タンク95に供給される。また、パチンコ機1の背面は、カバー99によって覆われている。
図6に示すように、カバー99の内部には、主制御基板(図13において符号50で示す)が収容された主制御基板ケース57、画像音声制御基板(図14において符号70で示す)および演出制御基板(図14において符号400で示す)などが収容された演出制御基板ケース(図7において符号70aで示す)などが設けられている。主制御基板ケース57を構成するケース本体およびカバーの境界には、その境界を跨いで帯状のRFタグ200が配置されており、そのRFタグ200の上には封印シール201が貼付されている。
RFタグ200は、RFタグリーダと通信を行うためのアンテナと、パチンコ機1を他のパチンコ機と識別するための固有の識別情報が記憶されたICチップとを備える。アンテナは、導電性の金属により膜状に形成されており、封印シール201を剥がすと容易に破断するように構成されている。このように、封印シール201を剥がすとアンテナが破断してRFタグ200が機能しなくなり、RFタグリーダを用いてRFタグ200を読取る際に読取りエラーとなる。これにより、RFタグ200のアンテナが破断している、つまり、封印シール201が剥がされ、主制御基板50に不正行為が行われていると推定することができる。
図7に示すように、演出制御基板ケース70aには、スピーカ10〜12の音量を調節するための音量調節つまみ70vが設けられている。音量調節つまみ70vを回動して音量を調節する構造になっているが、調節された音量は、演算された周囲の騒音レベルに応じて自動的に再調節される。つまり、音量は、音量調節つまみ70vを回動して手動で調節することができる一方、低音用の下スピーカ12の音量は周囲の騒音レベルに応じて自動的に調節される。
図5に示すように、カバー99の下方には、発射制御基板4(図6,図13)が収容された発射制御基板ケース4hと、払出制御基板(図13において符号60で示す)が収容された払出制御基板ケース64とが設けられている。主制御基板ケース57の右方には、貸球および賞球を払出す賞球払出装置38が設けられている。また、パチンコ機1の背面には、パチンコ機1にAC24Vの電力を供給するための電源プラグ65が接続されている。
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成について図を参照して説明する。
図8は図2に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の正面図である。図9は図8に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図10は図8に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図11(a)は図8に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図8に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
この実施形態のパチンコ機1は、特定の大当り図柄にて大当りが発生した場合は、当該大当りに基づく大当り遊技が終了した以降の遊技状態が、大当り判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態に変化する。このように大当り判定において大当りと判定する確率が低確率から高確率に変化することを確変と呼ぶ。将来、確変が発生することになる大当りのことを確変大当りといい、確変大当り以外の大当りのことを通常大当りという。以下、確変大当りか否かの判定を確変大当り判定という。また、確変に変化した遊技状態を確変遊技状態といい、確変遊技状態以外の遊技状態を通常遊技状態という。
また、大当り遊技が終了してから、図柄の回転数が規定回数に達するまで確変遊技状態が継続する。このような機種は、ST機とか回数切り確変機とか呼ばれる。
遊技盤5の盤面には、多数の遊技釘28が打ち込まれており、それらの遊技釘28が遊技球の遊技領域を規制している。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図13において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図9に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、静止画像および動画像を表示する画像表示装置としての演出表示器30が設けられている。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機ELディスプレイなどを演出表示器30として用いることもできる。
盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。また、左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。また、左サイド飾り36には、遊技の進行に応じて発光する複数のLEDが設けられている。
図10に示すように、センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。図9に示すように、流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、続いて、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、第1始動口21が設けられている(図8)。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域へ案内される。
センター飾り16の右側には、右寄り遊技領域が形成されており、その右寄り遊技領域には、ゲート23と、普通電動役物27(図9)と、右肩入賞口20とが設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に第2始動口22が形成される。図8および図10は、開閉翼片27cが外方へ開き、第2始動口22が開口した状態を示し、図9は、開閉翼片27cが閉じ、第2始動口22が閉口した状態を示す。遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、複数のLEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図10に示すように、可動役物40は、支持部材40eによって支持されている。同図に示すように、可動役物40は、所定の演出タイミングになると演出表示器30の前面に自然落下し、図8に示すように、モータ(図14において右リフトモータ41fおよび左リフトモータ42fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する。
また、可動役物40は、モータ(図14において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図10に示すように、可動役物40の背面には、複数のLEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図14において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物47,48が設けられている。可動役物47,48は、それぞれモータ(図14において左竜モータ47aおよび右竜モータ48aで示す)などの駆動装置によって作動する。
また、図9に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図10に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図14において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、複数のLEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
また、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物47,48は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
図10は、可動役物47,48が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物47,48の内部には、それぞれLED47c,48cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
図8に示すように、遊技盤5の右側には、複数のLEDが設けられた右サイド飾り37が設けられている。その右サイド飾り37において、第1始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている(図11(a))。図11(a)に示すように、第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図13において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放されると、第1大入賞口24aが開口され、第1開閉部材24dが閉鎖されると、第1大入賞口24aが閉口される。
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図13において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放されると、第2大入賞口25aが開口され、第2開閉部材25dが閉鎖されると、第2大入賞口25aが閉口される。図11(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
図8において左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図11(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33、特別図柄保留数表示装置32および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図11(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび出玉数のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その特別図柄保留数は、特別図柄保留数表示装置32によって表示される。この実施形態では、特別図柄保留数表示装置32は4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって特別図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、特別図柄保留数は最大4個である。
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、図11(b)に示すように2個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物27の開閉翼片27cが開放され、第2大入賞口22への入賞が容易になる。
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その普通図柄保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって普通図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、普通図柄保留数は最大4個である。
(潜伏確変)
また、パチンコ機1は、遊技状態が確変遊技状態に変化したときに、遊技状態が確変遊技状態に変化していることを遊技者に示唆しない確変、いわゆる潜伏確変を行うように構成されている。
したがって、演出表示器30は、遊技状態が確変遊技状態に変化したときでも、確変特有の画像を表示しないし、時短にも変化しない。ここで、時短とは、特別図柄および演出図柄が変動表示を開始したタイミングから変動表示を終了したタイミングまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮され、さらに、普通電動役物27の開閉翼片27cの開口時間が延長される遊技状態をいう。
さらに、パチンコ機1は、潜伏確変を行うために、普通図柄の当り判定において当りと判定する確率が高くなる機能を備えていないので、遊技状態が確変遊技状態に変化した場合であっても、普通電動役物27が開閉翼片27cを開放している時間が延長されることはない。つまり、普通電動役物を使ったサポート、いわゆる電サポを行わない。
(演出表示器30)
ここで、演出表示器30について図を参照して説明する。
図12(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
演出表示器30は、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、前述したように特別図柄表示装置31は、複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示器30が画像により演出図柄を変動表示することによって演出効果を高めている。
演出図柄は、複数の識別情報を表現した図柄であり、たとえば、0〜9などの数字(算用数字または漢数字など)を表現した図柄である。演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出図柄の変動表示を開始し、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出図柄の変動表示を終了する。また、演出表示器30は、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
また、演出表示器30は、演出図柄が変動表示している様子を表す演出図柄動画像、演出図柄動画像の背景に表示する背景動画像、演出図柄動画像が表示されていないときに表示する動画像、大当りが発生したときに表示する動画像、大当り遊技中に表示する動画像、遊技者が付いていないときに表示する客待ち用の画像などを表示する。
この実施形態では、演出表示器30が表示する演出図柄動画像の変動パターンと、演出表示器30が演出図柄動画像の背景に表示する背景動画像とは、それぞれ乱数を用いた抽選により決定する。以下、演出表示器30が表示する演出図柄動画像の変動パターンおよび背景動画像を合わせて変動・演出パターンという。また、演出表示器30が演出図柄の変動表示を停止したときに大当りが発生することになる演出図柄の組み合わせを大当り図柄といい、大当り図柄以外の演出図柄の組み合わせをハズレ図柄という。
図12に示すように、演出表示器30は、横方向に配列された3つの表示領域D1,D2,D3を有する。各表示領域D1〜D3は、それぞれ演出図柄を変動表示する。この実施形態では、演出表示器30は、0〜9の数字を表した複数の演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へ移動するように変動表示する。換言すると、演出表示器30は、0〜9の数字を表した複数の演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へスクロール表示する。
図12(a)に示す例は、各表示領域D1〜D3においてそれぞれ変動表示している演出図柄のある瞬間を表現したものであり、左の表示領域D1では演出図柄「7」を確定表示し、中央および右の表示領域D2,D3では演出図柄を変動表示している。
演出表示器30が演出図柄の変動表示を開始してから変動表示を停止し、各表示領域に大当り図柄またはハズレ図柄を確定表示するまでの期間における演出図柄の変動パターンには、大別して通常変動およびリーチ変動と呼ばれる変動パターンが存在する。リーチとは、演出図柄が変動表示している1つの表示領域以外の各表示領域において大当り図柄を構成する図柄がそれぞれ確定表示されている表示状態のことである。換言すると、大当り図柄が揃うまでに演出図柄が1つ未確定になっている表示状態のことである。リーチ変動パターンとはリーチを伴う変動パターンのことであり、通常変動パターンとは、リーチを伴わない変動パターンのことである。
図12(b)に示す例は、左右の表示領域D1,D3では演出図柄「7」を確定表示し、中央の表示領域D2のみにおいて演出図柄を変動表示している状態、いわゆるリーチの状態を示している。
リーチになると、演出表示器30は、大当り図柄が揃うか否か、遊技者をハラハラドキドキさせる演出を行う。たとえば、図12(b)に示す例において、中央の表示領域D2における変動速度を遅くし、演出図柄7が画面の上端から出現したときに変動速度をより一段と遅くする。また、一旦、演出図柄7で停止するように見せかけて、演出図柄7が通り過ぎて演出図柄8が停止しようとしたときに、変動方向を逆転させ、再度、演出図柄7が停止するように見せかける。あるいは、演出図柄7で停止するように見せかけて、再度、表示領域D2のみ、あるいは、表示領域D1〜D3が変動表示を開始したりする。
また、変動・演出パターンの種類により、変動・演出パターンの表示が開始されてから大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでに要する時間(以下、変動時間という)が異なる。特に、リーチ変動パターンを含む変動・演出パターンは、リーチの部分で費やす時間が長いため、通常変動パターンを含む変動・演出パターンよりも変動時間が長く設定されている。
また、リーチ変動パターンの中には、大当り図柄を確定表示する確率の高いスーパーリーチとかスペシャルリーチとか呼ばれるリーチ変動パターン(以下、特定リーチ変動パターンという)が存在する。この特定リーチ変動パターンは、リーチ変動パターンの中でも特に演出を凝らした構成となっており、出現する頻度が低い。また、特定リーチ変動パターンが出現した場合は、大当り図柄が確定表示される確率が高いため、特定リーチ変動パターンが出現したときの遊技者の大当り発生に対する期待が高まる。
この実施形態では、通常変動パターンとして、通常変動A,通常変動B・・の複数種類の通常変動パターンと、リーチ変動パターンとしてノーマルリーチA,ノーマルリーチB・・・の複数種類の通常リーチ変動パターンと、スーパーリーチA,スーパーリーチB・・の複数種類のスーパーリーチ変動パターンとが選択可能に設定されている。スーパーリーチは、リーチ変動パターンの中で最も出現率が低いが、大当り発生に対する期待度が最も高いリーチ変動パターンであり、リーチの状態における演出が凝っているため、特に変動時間が長く設定されている。
なお、ここでいう大当り発生に対する期待度とは、大当りに繋がるリーチ変動パターンの出現率と、ハズレに繋がるリーチ変動パターンの出現率とを合算した全体出現率に対し、大当りに繋がるリーチ変動パターンの出現率の割合を示すものである。
図12(c)に示す例では、表示領域D1〜D3にそれぞれ演出図柄7が確定表示されており、大当り図柄の一例である「777」が揃っている。
また、演出表示器30が表示する背景動画像は、演出図柄動画像の変動パターンおよび変動時間に応じて異なる背景動画像が設定されている。通常変動パターンには、通常変動パターンの変動時間に応じた背景動画像が対応付けられており、リーチ変動パターンには、リーチ変動パターンの変動時間に応じた背景動画像が対応付けられている。特に、スーパーリーチ変動パターンには、リーチ特有の演出を盛り上げるための凝った演出の背景動画像が対応付けられている。
また、背景動画像は、その種類により、演出図柄動画像の背景に表示されたり、演出図柄動画像が表示されていないときに表示されたりする。また、演出図柄動画像の背景に背景動画像が表示される場合は、演出図柄動画像と重なる領域の背景動画像は、透けて見えるように表示される場合がある。また、変動・演出パターンを構成する変動パターンの中には、背景動画像の邪魔にならないように、画面の片隅で演出図柄を変動表示し、リーチになったときに画面の中央に演出図柄を拡大して変動表示するものもある。また、背景動画像の表示タイミングは、抽選により決定された変動・演出パターンに応じて異なり、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに表示するタイミング、リーチになったときに表示するタイミングなどが存在する。
また、背景動画像には、パチンコ機メーカーオリジナルの動画像の他、公知のアニメーション、テレビドラマおよび映画などを題材にした動画像が使用される。また、背景動画像の内容に応じた音楽または効果音などの音がスピーカ10〜12により再生される。
また、スーパーリーチが表示されるときの音楽は、通常変動およびノーマルリーチが表示されるときよりも音楽の音響効果が大きくなるように設定されている。たとえば、スーパーリーチのときは、サラウンド効果が大きくなり、かつ、低音域レベルが大きくなる。
つまり、大当りの発生に対する期待度が大きいときは、音響効果を大きくし、演出を盛り上げるように設定されている。
また、演出表示器30は、特定の背景動画像を表示したり、背景動画像の中に特定のキャラクタ画像を登場させたり、あるいは、背景動画像のストーリーを特定のストーリーに展開させたりすることにより、近い将来、リーチが出現する可能性があることを予告することがある。以下、リーチが出現する可能性を示唆することをリーチ予告という。このリーチ予告には、リーチの後で大当り図柄が確定表示されることに対する期待度の低いリーチ予告と、期待度の高いリーチ予告とが存在する。
なお、ここでいう期待度とは、大当りに繋がるリーチ予告の出現率と、ハズレに繋がるリーチ予告の出現率とを合算した全体出現率に対し、大当りに繋がるリーチ予告の出現率の割合を示すものである。
また、演出表示器30は、特定の背景動画像を表示したり、背景動画像の中に特定のキャラクタ画像を登場させたり、あるいは、背景動画像のストーリーを特定のストーリーに展開させたりすることにより、近い将来、大当りが発生する可能性があることを予告することがある。以下、大当り発生の可能性を示唆することを大当り予告という。この大当り予告には、演出図柄の1回の変動において1回行う単独予告の他、演出図柄の複数回の変動に亘って連続して行う連続予告が存在する。
連続予告の種類としては、大当り予告が連続する度に、大当り発生に対する期待度が段々と高くなる、ステップアップ予告などと呼ばれるものが存在する。たとえば、特別図柄保留数の上限が4個である場合において、特別図柄保留数が4個に達しているときに、4回連続して大当り予告を行うと決定すると、背景動画像を4回に亘って段階的に変化させ、最後の4回目には、期待度の最も高い背景動画像を表示する。
なお、ここでいう大当り発生に対する期待度とは、大当りに繋がる大当り予告の出現率と、ハズレに繋がる大当り予告の出現率とを合算した全体出現率に対し、大当りに繋がる大当り予告の出現率の割合を示すものである。
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図13ないし図15を参照して説明する。
図13に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU(Micro Processing Unit)51が搭載されている。主制御用MPU51には、主制御用ROM52および主制御用ワークRAM53が内蔵されている。主制御用MPU51は、大当り判定、大当り回数の計数、大当りの種類の決定、大当り確率の変更、変動開始の命令、変動・演出パターンの選択命令、特別図柄の回転数(変動回数)の計数、変動時間の計測、変動停止の命令、入賞の検出、賞球数の設定、賞球の払出命令、出玉数の計数、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定など、遊技の進行に必要な処理を実行する。また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子(図示省略)とを備えている。
主制御用ROM52には、主制御用MPU51が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、大当り判定を行うときに参照する大当り値が設定された大当り値テーブル52a(図17)、主制御基板50と電気的に接続された各制御基板へ送信する制御コマンドが設定された制御コマンドテーブルなどが読出し可能に格納されている。
主制御用ワークRAM53は、主制御用ROM52から読出した上記のコンピュータプログラムを格納し、主制御用MPU51が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。また、主制御用RAM53は、各入賞口スイッチおよび始動口スイッチがオンしたことを検出し、各スイッチに対応する入賞数を格納し、それを払出制御基板60の払出制御用MPU61へ送信する。さらに、主制御用ワークRAM53は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果などの格納しているデータを保持する。
また、主制御基板50には、第1始動口21に入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ21aと、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用MPU51は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の回転数(変動回数)などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータ69(図1)へ送信する。
また、主制御基板50には、図柄表示基板96が電気的に接続されている。図柄表示基板96には、特別図柄表示装置31と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板94とが電気的に接続されている。
セキュリティ中継端子板89には、不正行為によって発生する誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為によって発生する磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下受け皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
また、払出制御基板60には、払出中継端子板97が電気的に接続されており、払出中継端子板97には、貸球および賞球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が存在しないことを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。また、払出制御基板60には、払出モータ38cを駆動するための駆動回路97aが搭載されている。駆動回路97aおよび払出モータ38cなどが賞球払出装置38を構成している。賞球払出装置38には、遊技球を払出す出口が2箇所あり、一方の出口に前部払出センサ38aが設けられており、他方の出口に後部払出センサ38bが設けられている。
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されている。払出制御用MPU61には、払出制御用ROM62および払出制御用ワークRAM63が内蔵されている。払出制御用MPU61は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って駆動回路97aを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用MPU61は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。
さらに、払出制御用MPU61は、下受け皿満杯スイッチ7bがオンしたことに基づき、下受け皿7が賞球で満杯になったことを検出し、払出モータ38cを停止させる。下受け皿満杯スイッチ7bがスイッチング動作した以降に主制御用MPU51から送信される入賞数は、払出制御用RAM63に蓄積され、下受け皿7の満杯状態が解消され、下受け皿満杯スイッチ7bがオフになると、払出モータ38cの動作が再開され、払出制御用RAM63に蓄積されている入賞数に対応する賞球が払出される。
また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子(図示省略)とを備える。払出制御用ROM62には、払出制御用MPU61が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用ワークRAM63は、払出制御用ROM62から読出された上記のコンピュータプログラムを格納し、払出制御用MPU61が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
さらに、払出制御用ワークRAM63は、未払いの賞球数および貸球数を格納し、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、未払いの賞球数および貸球数を保持する。また、払出制御基板60には、残高表示部6e(図2)が搭載された残高表示基板504がプリペイド記録媒体読取装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。プリペイド記録媒体読取装置接続端子板78には、プリペイド記録媒体読取装置100(図2)が電気的に接続されている。
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出するためのタッチセンサ4jと、タッチセンサ4jがオンしているときに発射レバー4bの回動によってオンし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。また、発射制御基板4には、発射ソレノイド4fを駆動するための駆動回路4mと、球送りソレノイド4gを駆動するための駆動回路4nとが搭載されている。
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
また、盤面中継端子板37には、普通電動役物ソレノイド27bを駆動するための駆動回路37aと、第1大入賞口ソレノイド24bを駆動するための駆動回路37bと、第2大入賞口ソレノイド25bを駆動するための駆動回路37cとが搭載されている。
図14に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面LED中継端子板91と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板90とが電気的に接続されている。盤面LED中継端子板91には、遊技盤5に設けられた左サイド飾り36および右サイド飾り37などの各LEDが電気的に接続されている。
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、盤面演出中継端子板92が電気的に接続されており、その盤面演出中継端子板92には、枠部演出中継端子板93を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。
さらに、画像音声制御基板70には、枠部LED駆動基板66が電気的に接続されており、その枠部LED駆動基板66には、照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。
さらに、画像音声制御基板70には、外部端子板505が電気的に接続されており、この外部端子505には、通信回線L2(図1)が電気的に接続されている。パチンコ機1が遊技中であるか否かを示す遊技中情報は、外部端子板505から通信回線L2を介して他のパチンコ機1へ送信され、他のパチンコ機1から送信された遊技中情報は、通信回線L2から外部端子板505を介して受信される。
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物48を駆動する右竜モータ48aと、可動役物48が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ48bと、可動役物47を駆動する左竜モータ47aと、可動役物47が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ47bとが電気的に接続されている。
補助演出右中継端子板68には、家紋モータ40bと、家紋位置確認センサ41dと、右リフトモータ41fと、右リフト原点センサ41nとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、左リフトモータ42fと、左リフト原点センサ42nと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、可動役物45が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、収納部材46に収納された左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
補助演出駆動基板410には、右リフトモータ41fおよび左リフトモータ42fを駆動するための駆動回路411と、万華鏡モータ43aを駆動するための駆動回路412と、右竜モータ48aおよび左竜モータ47aを駆動するための駆動回路413と、家紋モータ40bを駆動するための駆動回路414と、扉右モータ45aおよび扉左モータ44aを駆動するための駆動回路415とが搭載されている。
また、図13に示す電源基板94は、主電源98(AC/24V)から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、貸出装置接続端子板78と、演出電源基板90(図14)とに供給する。演出電源基板90は、電源基板94から供給される電源を演出電源基板90と電気的に接続された各基板へ分配する。
また、電源基板94には、電力供給モードを通常電力モードおよび省電力モード間で切替える電源制御用MPU94bが搭載されている。電源制御用MPU94bは、一定時間以上遊技が行われていないときに通常電力モードから省電力モードに切替える制御を行う。
図15に示すように、画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71と、画像処理LSI76と、画像音声制御用ROM72と、画像データROM74と、画像データROM75と、駆動回路78と、音源IC80と、音源データROM81と、サラウンドIC82と、音量設定回路83と、デジタルアンプ84と、デジタルアンプ85とが搭載されている。
画像音声制御用MPU71は、音源IC80および音量設定回路83と電気的に接続されている。音源ROM81は音源IC80と電気的に接続されており、音源IC80はサラウンドIC82と電気的に接続されている。音源IC80およびサラウンドIC82は音量設定回路83と電気的に接続されており、音量設定回路83はデジタルアンプ84,85と電気的に接続されている。デジタルアンプ84は盤面演出中継端子板92および枠部演出中継端子板93(図14)を介して右スピーカ10および左スピーカ11と電気的に接続されている。
デジタルアンプ85は盤面演出中継端子板92および枠部演出中継端子板93を介して下スピーカ12と電気的に接続されている。また、音量設定回路83には、音量調節つまみ70v(図7)が電気的に接続されており、その音量調節つまみ70Vを回動すると、デジタルアンプ84,85の入力レベルが調節され、スピーカ10〜12の音量が調節される。また、音量設定回路83は、画像音声制御用MPU71の制御により、デジタルアンプ84,85の入力レベルを個別に調整する。
画像音声制御用MPU71には画像音声制御用ワークRAM73が内蔵されており、画像処理LSI76にはVRAM77が内蔵されている。画像音声制御用ROM72には、画像音声制御用MPU71が実行するコンピュータプログラムなどが格納されている。画像音声制御用ワークRAM73は、画像音声制御用ROM72から読出した上記のコンピュータプログラムを格納し、画像音声制御用MPU71が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
画像処理LSI76は、画像データの圧縮/伸長を行うデコーダと、このデコーダにより作成された動画像データに基いて3Dポリゴン描画、拡大縮小およびテクスチャマッピングなどの加工を行う描画エンジンと、この描画エンジンにより作成された画像データに対応するデジタルRGB信号を駆動回路78へ出力する表示エンジンとを備える。
画像データROM74,75には、演出表示器30に変動・演出パターンなどを表示するための画像データが格納されている。画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51から送信される演出制御信号に基いて演出表示器30に変動・演出パターンを表示するために画像処理LSI76を制御し、スピーカ10〜12から音楽や効果音などを出力するために音源IC80を制御する。
画像音声制御用MPU71は、他のパチンコ機1から送信された遊技中情報を受信し、その受信した遊技中情報に基づいて周囲の騒音レベルを演算し、その演算した騒音レベルに基づいて音量設定回路83を制御し、デジタルアンプ85の入力レベルを調節する。つまり、画像音声制御用MPU71は、周囲の騒音レベルに基づき、下スピーカ12が再生する低音の音量を調節する。画像音声制御用MPU71が調節した音量は、音量調節つまみ70vによって調節された音量に優先して設定される。
また、画像音声制御用MPU71は照光付演出スイッチ9aから出力される信号に基づいて、有効時間内に演出ボタン9が押圧操作されたか否かを判定する。さらに、画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51から演出制御基板400を介して送信された演出指示コマンド(演出制御信号)を受信したときに、抽選により変動・演出パターンを決定する。画像音声制御用MPU71は、上記の決定した変動・演出パターンに対応する画像データを画像データROM74,75から読出すように画像処理LSI76に指示する。
そして、画像処理LSI76は、画像音声制御用MPU71からの指示に従い、変動・演出パターン指定コマンドに対応する画像データを画像データROM74,75から読出す。そして、画像処理LSI76は、画像データROM74,75から読出した画像データをデコーダによって圧縮/伸長し、その圧縮/伸長した画像データを描画エンジンによって加工し、その加工した画像データに対応するRGB信号を駆動回路78へ出力する。そして、駆動回路78は、画像処理LSI76から出力されるデジタルRGB信号に基いて演出表示器30を駆動する。これにより、演出表示器30は、主制御用MPU51から送信された変動・演出パターン指定コマンドに対応する変動・演出パターンを表示する。
音声データROM81には、複数、たとえば64のADPCM(Aduptive Differential Pulse Code Modulation)音源データと、演出表示器30が表示する変動・演出パターンと対応付けられた複数の曲データおよび効果音データが格納されている。ここで、ADPCM音源データとは、ドラムやキーボードなどの楽器の音、人間の声や擬音などからなる単発音をサンプリングしてデジタル化した音声データである。音源IC80はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、画像音声制御用MPU71から出力される変動・演出パターン指定コマンドを入力すると、内部ROMに記憶された制御プログラムに基づいて音声データROM81から音声データを1つずつ読出し、その読出した音声データを所定の周波数、音量およびパンポット(音像定位)に従ってADPCM方式で再生し、再生したデジタル信号をサラウンドIC82へ出力する。
サラウンドIC82は、入力したデジタル信号をサラウンド効果を出すためのデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号をアナログ信号に変換して音量設定回路83へ出力する。音量設定回路83は、サラウンドIC82から入力したデジタル信号を、音量調節つまみ70vにより調節された入力レベルに設定し、それをデジタルアンプ84へ出力する。そして、デジタルアンプ84がスピーカ10,11を駆動し、スピーカ10,11は、画像音声制御用MPU71から出力された変動・演出パターン指定コマンドに対応した音声のうち、中高音域の音声を出力する。
また、音源IC80は、中低音域用のデジタル信号を音量設定回路83へ出力する。音量設定回路83は、音源IC80から入力したデジタル信号を、画像音声制御用MPU71の制御により設定された入力レベルに設定し、それをデジタルアンプ85へ出力する。そして、デジタルアンプ85がスピーカ12を駆動し、画像音声制御用MPU71から出力された変動・演出パターン指定コマンドに対応した音声のうち、低音域の音声を出力する。
上述したように、スピーカ10〜12は、2つのデジタルアンプ84,85によってマルチアンプ駆動され、右スピーカ10および左スピーカ11は中高音を再生し、下スピーカ12は、低音を再生する。この実施形態では、右スピーカ10、左スピーカ11および下スピーカ12により再生可能な周波数帯域は、20〜24kHzであり、右スピーカ10および左スピーカ11と下スピーカ12との間のカットオフ周波数は100Hzである。
上述したように、画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51から送信される変動・演出パターン指定コマンドに従って演出表示器30に変動・演出パターンを表示させるとともに、その変動・演出パターンに対応する音楽または効果音をスピーカ10〜12から出力させる。つまり、画像音声制御用MPU71は、画像および音声の制御を統括する。
演出制御基板400には、演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用MPU401には演出制御用ROM402および演出制御用ワークRAM403が内蔵されている。演出制御用ROM402には、可動役物40などの各可動役物を所定の動作パターンで動作させるためのコンピュータプログラム、盤面LED中継端子板91に接続された各LEDを所定の点滅パターンで点灯させるためのコンピュータプログラムなどが格納されている。演出制御用ワークRAM403は、演出制御用ROM402から読出した上記のコンピュータプログラムを格納し、演出制御用MPU401が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
演出制御用MPU401は、画像音声制御用MPU71から送信される変動・演出パターン指定コマンドに従い、駆動回路411〜415へ駆動命令を出力して各モータを駆動し、可動役物40などの各可動役物を所定の動作パターンで動作させる。さらに、演出制御用MPU401は、画像音声制御用MPU71から送信される変動・演出パターン指定コマンドに従い、盤面LED中継端子板91に接続された各LEDを所定の点滅パターンで点灯させる。
[遊技で用いる主な乱数]
次に、遊技で用いる主な乱数について図を参照して説明する。図16は、遊技で用いる乱数の説明図である。
当り判定用乱数R1は、主制御用MPU51が普通図柄の当り判定を行うときに用いる乱数であり、この実施形態では、0〜196の197通りである。当り判定用初期値用乱数R2は、当り判定用乱数R1の初期値をランダムに決定するための乱数であり、この実施形態では、当り判定用乱数R1と同じ0〜196の197通りである。当り判定用乱数R1が1周した場合、その時点でカウントされた当り判定用初期値用乱数R2の値が当り判定用乱数R1の初期値に決定される。つまり、当り判定用乱数R1の初期値をランダムに決定して当り判定用乱数R1の初期値の周期性を無くすことにより、当り判定用乱数R1の初期値の周期性を利用した不正行為によって普通図柄の当りが発生しないように構成されている。
大当り判定用乱数R3は、主制御用MPU51が特別図柄の大当り判定を行うときに用いる乱数であり、この実施形態では、0〜1596の1597通りである。大当り判定用初期値用乱数R4は、大当り判定用乱数R3の初期値をランダムに決定するための乱数であり、この実施形態では、大当り判定用乱数R3と同じ0〜1596の1597通りである。大当り判定用乱数R3が1周した場合、その時点でカウントされた大当り判定用初期値用乱数R4の値が大当り判定用乱数R3の初期値に決定される。つまり、大当り判定用乱数R3の初期値をランダムに決定して大当り判定用乱数R3の初期値の周期性を無くすことにより、大当り判定用乱数R3の初期値の周期性を利用した不正行為によって特別図柄の大当りが発生しないように構成されている。
大当り図柄用乱数R5は、画像音声制御用MPU71が大当り図柄を決定するときに用いる乱数であり、この実施形態では、0〜99の100通りである。大当り図柄用初期値用乱数R6は、大当り図柄用乱数R5の初期値をランダムに決定するための乱数であり、この実施形態では、大当り図柄用乱数R5と同じ0〜99の100通りである。大当り図柄用乱数R5が1周した場合、その時点でカウントされた大当り図柄用初期値用乱数R6の値が大当り図柄用乱数R5の初期値に決定される。つまり、大当り図柄用乱数R5の初期値をランダムに決定して大当り図柄用乱数R5の初期値の周期性を無くすことにより、大当り図柄用乱数R5の初期値の周期性を利用した不正行為によって特定の大当り図柄が選択されないように構成されている。
リーチ選択乱数R7は、画像音声制御用MPU71が、大当り判定の結果がハズレであった場合にリーチ変動を含む変動・演出パターンを選択するか否かを判定するために用いる乱数である。この実施形態では、リーチ選択乱数R7は、0〜238の239通りである。
第1変動グループ選択乱数R8および第2変動グループ選択乱数R9は、それぞれ画像音声制御用MPU71が、変動・演出パターンを絞り込むために用いる乱数である。この実施形態では、第1変動グループ選択乱数R8は、0〜240の241通りであり、第2変動グループ選択乱数R9は、0〜198の199通りである。変動・演出パターン選択乱数R10は、第2変動グループ選択乱数R9によって絞り込まれた変動・演出パターンの中から最終的な変動・演出パターンを決定するために用いる乱数である。この実施形態では、変動・演出パターン選択乱数R10は、0〜250の251通りである。
上述した各乱数は、最小値の0から所定の最大値までを1ずつカウントする乱数カウンタによって実現されており、その乱数カウンタのカウント値が乱数として扱われる。乱数カウンタは、主制御用MPU51がメインプログラムを実行する1サイクル(たとえば、2ms)毎に1ずつカウントアップし、最大値を超えた場合は0に戻る。遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに大当り判定用乱数カウンタから生成された乱数は主制御用ワークRAM53に格納される。
なお、上記の乱数カウンタを用いたソフト乱数方式以外にも、乱数生成用ICなどの乱数生成用回路を使ったハード乱数方式を用いて各乱数を発生させることもできる。
[大当り値テーブル]
次に、主制御用ROM52に格納されている大当り値テーブルの構成について、それを示す図17を参照して説明する。
大当り値テーブル52aは、主制御用MPU51が大当り判定を行う際に参照する大当り値が格納されたテーブルである。大当り値テーブル52aは、遊技状態が通常遊技状態の場合と確変遊技状態の場合とに分けて設定されており、確変遊技状態には、通常遊技状態よりも多くの大当り値が設定されている。大当り値は、大当り判定用乱数R1の0〜1596の乱数から選択されている。
主制御用MPU51は、特別図柄の変動表示を行うタイミングになったときに、主制御用ワークRAM53に格納されている大当り判定用乱数R1と、大当り値テーブル52aに設定されている大当り値とを比較し、一致する大当り値が存在する場合は大当りと判定し、存在しない場合はハズレと判定する。
この実施形態では、通常遊技状態には計4個の大当り値が設定されており、確変遊技状態には計35個の大当り値が設定されている。つまり、大当り判定において大当りと判定される確率が、通常遊技状態のときよりも確変遊技状態のときの方が、8.75倍高くなるように設定されている。
[変動・演出パターンテーブル]
次に、画像音声制御用ROM72に格納されている変動・演出パターンテーブルの構成について、それを示す図18(a)を参照して説明する。図18(b)は変動・演出パターンの種類を示す説明図である。
変動・演出パターンテーブル72aには、画像音声制御用MPU71が選択する変動・演出パターンが読出し可能に複数格納されている。また、変動・演出パターンテーブル72aには、主制御用MPU51による大当り判定の結果が大当りであった場合に選択可能な大当り変動・演出パターン1〜311と、主制御用MPU51による大当り判定の結果がハズレであった場合に選択可能なハズレ変動・演出パターン1〜109とが格納されている。
画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51から演出指示コマンドを受信すると、主制御用MPU51から送信された大当り判定結果、特別図柄保留数および各乱数と、自身が選択した各乱数とに基づいて変動・演出パターンを決定し、その決定した変動・演出パターンを変動・演出パターンテーブル72aから読出す。
図18(b)に示すように、大当り変動・演出パターンおよびハズレ変動・演出パターンには、それぞれ通常変動A、通常変動B、・・・、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、・・・、スーパーリーチA、スーパーリーチB、・・・の各変動・演出パターンと、ボタン演出A、ボタン演出B、・・・、リーチ予告A、リーチ予告B、・・・、大当り予告A、大当り予告B、・・・が含まれている。
[変動・演出パターンの抽選方法]
次に、変動・演出パターンの抽選方法について図を参照して説明する。
図19は変動・演出パターンの抽選方法を示す説明図である。
大当り判定用乱数R3および大当り図柄用乱数R5は、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに、主制御用MPU51が各乱数カウンタから取得する。また、リーチ選択乱数R7、第1変動グループ選択乱数R8、第2変動グループ選択乱数R9および変動・演出パターン選択乱数R10は、特別図柄の変動表示が開始されるときに、画像音声制御用MPU71が各乱数カウンタから取得する。大当り図柄用乱数R5は、大当り判定の結果が大当りであった場合に用いる。
大当り図柄用乱数R5の0〜99、リーチ選択乱数R7の0〜238、第1変動グループ選択乱数R8の0〜240、第2変動グループ選択乱数R9の0〜198および変動・演出パターン選択乱数R10の0〜250は、それぞれ所定個数の乱数をグループとする複数のグループに分かれている。また、変動・演出パターン選択乱数R10の各グループには、1つの変動・演出パターンが対応付けられている。
大当り図柄用乱数R5の各グループを最上位のグループとし、変動・演出パターン選択乱数R10の各グループを最下位のグループとすると、上位のグループにおいて取得した乱数がどのグループに属するかによって、次の下位において選択可能なグループの範囲が絞り込まれるように構成されている。また、下位のグループになるほど、グループが細分化されている。つまり、遊技状態の細かな違いによって、可能な限り異なる変動・演出パターンが選択されるようにすることにより、遊技者が飽きないように工夫されている。この実施形態では、420種類の変動・演出パターンが選択可能に用意されている。
主制御用MPU51は、特別図柄の変動表示を開始するときに大当り判定を行う(ア)。ここで、大当りと判定した場合は、大当り図柄用乱数R5を取得する(イ)。ここでは、取得した大当り図柄用乱数によって大当り図柄を決定するとともに、取得した大当り図柄用乱数が属するグループを決定する(イ)。続いて、遊技状態が時短に変化しているか否かの時短判定を行う(ウ)。また、先の大当り判定においてハズレと判定した場合は、スキップして時短判定を行う。
続いて、遊技状態が確変遊技状態に変化しているか否かの確率状態判定を行う(エ)。続いて、特別図柄の保留数が0〜4のうち、いくつであるかの保留数判定を行う(オ)。主制御用MPU51は、上記の大当り判定の結果、大当り図柄用乱数、時短判定の結果、確率状態判定の結果および保留数判定の結果を画像音声制御用MPU71へ送信する。
画像音声制御用MPU71は、特別図柄の変動表示を開始するときに、リーチ選択乱数R7を取得する(カ)。リーチ選択乱数R7のグループの数および各グループを構成する乱数値の数は、大当り判定(ア)の結果、大当り図柄用乱数(イ)が属するグループ、時短判定(ウ)の結果、確率状態判定の結果(エ)および保留数判定の結果(オ)の組み合わせによって異なる。
このため、画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51から送信された大当り判定(ア)の結果、大当り図柄用乱数(イ)が属するグループ、時短判定(ウ)の結果、確率状態判定の結果(エ)および保留数判定の結果(オ)に基いて、取得したリーチ選択乱数R7の属するグループを決定する。続いて、第1変動グループ選択乱数R8を取得し(キ)、その取得した第1変動グループ選択乱数R8が属するグループを決定する。続いて、第2変動グループ選択乱数R9を取得し(ク)、その取得した第2変動グループ選択乱数R9が属するグループを決定する。続いて、変動・演出パターン選択乱数R10を取得し(ケ)、その取得した変動・演出パターン選択乱数が属するグループを決定する。そして、その決定したグループに対応付けられている変動・演出パターンに決定する(コ)。
[特別図柄保留発生時の格納内容]
次に、特別図柄保留が発生したときに画像音声制御用ワークRAM73の保留テーブルに格納される内容について図を参照して説明する。
図20(a)は保留テーブル73aの格納内容を示す説明図であり、(b)は保留テーブル73aに格納されているデータの格納順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
なお、保留テーブルは、第1始動口21および第2始動口22に対してそれぞれ設けられているが、ここでは、第1始動口21に対する保留テーブルを代表にして説明する。また、この実施形態では、第1始動口21および第2始動口22に対する特別図柄保留数の上限はそれぞれ4個であるとする。
特別図柄が変動表示しているときに遊技球が第1始動口21に入賞すると、各乱数カウンタから取得した大当り判定用乱数R3、大当り図柄用乱数R5、時短判定結果、確率状態判定結果、保留数判定結果、リーチ選択乱数R7および第1変動グループ選択乱数R8が保留テーブル73aの対応する保留順位に格納される。たとえば、特別図柄が変動表示しており、特別図柄保留数Uが1のときに遊技球が第1始動口21に入賞したときは、保留テーブル73aの保留順位2位の格納領域に各乱数および判定結果が格納される。つまり、各乱数は、第1始動口21の入賞順に保留順位1〜4に格納される。図示の例では、保留順位1番に格納されている各乱数が時間的に最も古いものであり、保留順位4番に格納されている各乱数が最新のものである。
そして、特別図柄が変動表示を開始するタイミングになると、各乱数カウンタから取得した第2変動グループ選択乱数R9および変動・演出パターン選択乱数R10が保留テーブル73aの保留順位1位の格納領域に格納される。
なお、大当り判定は、特別図柄の変動表示開始時に保留順位の1番に格納されている大当り判定用乱数R5に基づいて行われるため、遊技球が第1始動口21に入賞したときに取得される大当り図柄用乱数R5およびリーチ選択乱数R7は、保留テーブル73aに格納されるが、後に行われる大当り判定の結果がハズレであった場合は、それらの乱数は変動・演出パターンの決定には用いられない。
図20(a)に示す例では、保留テーブル73aの保留順位2位には、大当り判定用乱数7、大当り図柄乱数23、リーチ選択乱数109および第1変動グループ選択乱数201が格納されている。この段階では、保留順位1位に対応する特別図柄の変動表示が終了していないため、保留順位2位には、第2変動グループ選択乱数および変動・演出パターン選択乱数が格納されていない。そして、保留順位1位に対応する特別図柄の変動表示が終了すると、図20(b)に示すように、格納されている各データの保留順位が1ずつ繰り上がる。そして、保留順位1位には、第2変動グループ選択乱数65および変動・演出パターン選択乱数103がそれぞれ格納されている。変動・演出パターン選択乱数103に対応する変動・演出パターンは、大当り変動・演出パターン244である。
[画像データROMの内容]
次に、画像音声制御基板70に搭載された画像データROM74,75(図15)の主な格納内容について図を参照して説明する。
図21(a)は図15に示す画像データROM74の主な格納内容を示す説明図であり、(b)は画像データROM75の主な格納内容を示す説明図である。
図21(a)に示すように、画像データROM74には、大当り変動・演出パターンデータ74a、ハズレ変動・演出パターンデータ74b、大当り図柄データ74c、ハズレ図柄データ74d、ボタン演出データ74e、リーチ予告データ74fおよび大当り予告データ74gなどが格納されている。
大当り変動・演出パターンデータ74aは、変動・演出パターンテーブル72a(図18(a))に格納されている大当り変動・演出パターン1〜311を演出表示器30に表示するための画像データである。ハズレ変動・演出パターンデータ74bは、変動・演出パターンテーブル72aに格納されているハズレ変動・演出パターン1〜109を演出表示器30に表示するための画像データである。大当り図柄データ74cは、大当り図柄を演出表示器30に確定表示するための画像データである。ハズレ図柄データ74dは、ハズレ図柄を演出表示器30に確定表示するための画像データである。
ボタン演出データ74eは、ボタン演出画像を演出表示器30に表示するための画像データである。リーチ予告データ74fは、リーチ予告画像を演出表示器30に表示するための画像データであり、大当り予告データ74gは、大当り予告画像を演出表示器30に表示するための画像データである。
図21(b)に示すように、画像データROM75には、大当り演出データ75a、大当り遊技中演出データ75b、客待ち画像データ75cおよびエラー報知用データ75dなどが格納されている。大当り演出データ75aは、特別図柄の変動表示が停止し、大当り図柄が確定表示されたときに、大当りが発生したことを示す画像を演出表示器30に表示するための画像データである。大当り遊技中データ75bは、大当り遊技中の演出画像を演出表示器30に表示するための画像データである。客待ち画像データ75cは、特別図柄が変動表示しておらず、遊技球が発射されていない、いわゆる客待ち状態のときに所定の演出画像を演出表示器30に表示するための画像データである。エラー報知用データ75dは、球切れ、球詰まり、賞球払出し異常などの発生、さらには、磁気を使った不正行為の発生などを示す画像を演出表示器30に表示するための画像データである。
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用MPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用MPU51が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図22はパチンコ機1の電源が投入されたときに主制御用MPU51が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。図23は主制御用MPU51が遊技中に実行する主な処理を示すフローチャートである。以下の説明では、各MPUが実行する処理のステップをSと略す。
主制御用MPU51は、パチンコ機1の電源が投入されたか否かを判定し(図22のS1)、電源が投入されたと判定すると(S1:Yes)、セキュリティチェックを実行し(S2)、スタックポインタを初期設定する(S3)。続いて、割込みモードを設定し(S4)、主制御用ワークRAM53へのアクセスを許可する(S5)。続いて、主制御用MPU51の周辺デバイスを初期設定し(S6)、主制御用ワークRAM53のバックアップデータを消去するRAM消去スイッチ94a(図13)がオンしているか否かを判定する(S7)。
ここで、オンしていると判定した場合は(S7:Yes)、主制御用ワークRAM53の総ての格納領域に格納されているデータを消去する(S8)。なお、RAM消去スイッチ94aがオンしているか否かの判定は、電源投入後の1回のみ実行し、それ以降は実行しない。続いて、主制御用ワークRAM53を初期設定し(S9)、演出制御基板400を電源投入時の状態にするためのコマンドを演出制御基板400へ送信する(S10)。
また、S7においてRAM消去スイッチ94aがオンしていないと判定した場合は(S7:No)、停電により電源が遮断されたことを示す電源断発生情報が格納されているか否かを判定し(S11)、格納されていると判定した場合は(S11:Yes)、チェックサムを算出する(S12)。続いて、電源が遮断されたときに保存したチェックサムと、S7において算出したチェックサムとが一致するか否か、つまりチェックサムは正常か否かを判定し(S13)、正常であると判定した場合は(S13:Yes)、電源復旧時の初期値を主制御用ワークRAM53に設定する(S14)。
続いて、演出制御基板400を電源復旧時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを演出制御基板400へ送信し(S15)、払出制御開始コマンドを払出制御基板60へ送信する(S16)。これにより、電源遮断時の遊技が再開され、未払いの賞球が残っている場合は、その未払いの賞球が払出される。続いて、割込みを設定するとともに割込みを許可し(S17)、遊技制御へ移行する。
主制御用MPU51は、遊技制御へ移行すると、遊技開始処理(図23のS100)、特別図柄遊技処理(S200)、特別電動役物遊技処理(S300)、普通図柄遊技処理(S400)および普通電動役物遊技処理(S500)を実行する。
[遊技開始処理]
次に、主制御用MPU51が図23のS100において実行する遊技開始処理の流れについて図を参照して説明する。
図24は、主制御用MPU51が実行する遊技開始処理の流れを示すフローチャートであり、図25は図24に示す遊技開始処理の続きを示すフローチャートである。
主制御用MPU51は、コマンド送信バッファに格納されているコマンドを画像音声制御基板70、演出制御基板400および払出制御基板60へ送信する(図24のS101)。続いて、RAM消去スイッチ94a以外の主制御基板50に電気的に接続されている第1始動口スイッチ21aおよび第2始動口スイッチ27aなどの各スイッチの情報を読込む(S102)。
続いて、その読込んだ各スイッチの状態を判定し、その判定結果をスイッチ検出情報として主制御用ワークRAM53に格納する(S103)。たとえば、遊技球を検出したときに出力電圧がハイレベルからローレベルに変化するスイッチ(たとえば、貫通型近接スイッチなど)を用いる場合は、出力電圧がハイレベルからローレベルに変化したことを判定し、その判定結果をスイッチ検出情報(たとえば、2値データの1)として主制御用ワークRAM53に格納する。
続いて、図16に示した各乱数のうち、主制御用MPU51が用いる乱数にそれぞれ1を加算して更新する(S104)。続いて、先のS103において主制御用ワークRAM53に格納したスイッチ検出情報を参照し、入賞を検知したか否かを判定する(S105)。ここで、入賞を検知したと判定した場合は(S105:Yes)、そのスイッチ検出情報を入賞検知情報として主制御用ワークRAM53に格納する(S106)。続いて、S106において格納した入賞検知情報が0か否かを判定し(S107)、0ではないと判定した場合は(S107:No)、払出制御基板60へ送信するコマンドを格納するためのコマンド送信バッファに、入賞検知情報に対応した賞球数を払出させるための賞球数コマンドを格納する(S108)。たとえば、賞球を5個払出すことになる入賞検知情報が1個保存されていると判定した場合は(S107:No)、5個の賞球払出しを指示する賞球数コマンドをコマンド送信バッファに格納する(S108)。
続いて、払出すべき遊技球が存在しない状態か否か、つまり、球切れ状態か否かを判定する(S109)。この判定は、払出制御基板60から球切れ状態コマンドを受信しているか否かに基づいて行う。ここで、球切れ状態であると判定した場合は(S109:Yes、)、演出制御基板400へ送信するコマンドを格納するためのコマンド送信バッファに、球切れ異常コマンドを格納し(S110)、球切れ状態ではないと判定した場合は(S109:No)、球切れ正常コマンドをコマンド送信バッファに格納する(S111)。
続いて、下受け皿7が賞球で満杯か否かを判定する(S112)。この判定は、下受け皿満杯スイッチ7b(図13)から払出制御基板60を介して下受け皿満杯信号を受信しているか否かに基づいて行う。ここで、下受け皿7が満杯であると判定した場合は(S112:Yes)、画像音声制御用MPU71へ送信するコマンドを格納するためのコマンド送信バッファに下受け皿満杯異常コマンドを格納する(S113)。また、S112において下受け皿7が満杯ではないと判定した場合は(S112:No)、下受け皿満杯正常コマンドをコマンド送信バッファに格納する(S114)。
下受け皿満杯異常コマンド、下受け皿満杯正常コマンドおよび満杯後入賞数コマンドは、先のS101において演出制御基板400を介して画像音声制御用MPU71へ送信し、さらに、払出制御用MPU61へ送信する。続いて、扉(ガラス枠セット3)または枠(前枠セット2)が開放状態か否かを判定する(図25のS117)。この判定は、払出制御基板60から扉・枠開放コマンドを受信しているか否かに基づいて行う。ここで、扉または枠が開放状態であると判定した場合は(S117:Yes)、コマンド送信バッファに扉・枠開放状態コマンドを格納し(S118)、枠または扉が開放状態ではないと判定した場合は(S117:No)、扉・枠閉鎖状態コマンドをコマンド送信バッファに格納する(S119)。
続いて、払出すべき賞球が存在しない状態、あるいは、球詰まりによって賞球を払出すことができない状態など、賞球異常状態であるか否かを判定する(S120)。この判定は、払出制御基板60から球切れコマンドを受信しているか否かに基づいて行う。ここで、賞球異常状態であると判定した場合は(S120:Yes)、賞球異常コマンドをコマンド送信バッファに格納し(S121)、賞球異常状態ではないと判定した場合は(S120:No)、賞球正常コマンドを格納する(S122)。続いて、特別図柄遊技処理へ移行する。
[特別図柄遊技処理]
次に、主制御用MPU51が図23のS200において実行する特別図柄遊技処理の流れについて図を参照して説明する。
図26は、主制御用MPU51が実行する特別図柄遊技処理の流れを示すフローチャートであり、図27は図26に示す特別図柄遊技処理の続きを示すフローチャートである。なお、ここでは、遊技球が第1始動口21に入賞した場合の特別図柄遊技処理について説明する。
主制御用MPU51は、遊技球が第1始動口21に入賞したか否かを判定し(図26のS201)、入賞したと判定した場合は(S201:Yes)、特別図柄保留数U1が4個未満であるか否かを判定する(S202)。ここで、4個未満であると判定した場合は(S202:Yes)、大当り判定用乱数R3および大当り図柄用乱数R5を各乱数カウンタから取得し、それらを主制御用ワークRAM53に格納する(S203)。続いて、特別図柄保留数Uに1を加算する(S204)。
続いて、第1変動入賞装置24または第2変動入賞装置25(図11(a))が作動中であるか否か、つまり大当り遊技中であるか否かを判定し(S205)、作動中ではないと判定した場合は(S205:No)、特別図柄表示装置31(図11(b))が特別図柄を変動中であるか否かを判定する(S206)。ここで、特別図柄を変動中ではないと判定した場合は(S206:No)、特別図柄保留数U1が0であるか否かを判定する(S207)。
ここで、特別図柄保留数U1が0ではないと判定した場合は(S207:No)、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定し(S208)、確変遊技状態であると判定した場合は(S208:Yes)、確変遊技状態の大当り判定を行う(S209)。つまり、先のS203において取得した大当り判定用乱数と、大当り値テーブル52a(図17)の確変遊技状態に設定されている大当り値とを比較し、大当り判定用乱数と一致する大当り値が存在する場合は大当りと判定し、存在しない場合はハズレと判定する。たとえば、大当り判定用乱数が7であった場合は、それと一致する大当り値7が存在するため大当りと判定し、大当り判定用乱数が8であった場合は、それと一致する大当り値が存在しないためハズレと判定する。
また、S208において確変遊技状態ではないと判定した場合は(S208:No)、通常遊技状態の大当り判定を行う(S210)。つまり、先のS203において取得した大当り判定用乱数と、大当り値テーブル52a(図17)の通常遊技状態に設定されている大当り値とを比較し、大当り判定用乱数と一致する大当り値が存在する場合は大当りと判定し、存在しない場合はハズレと判定する。たとえば、大当り判定用乱数が71であった場合は、それと一致する大当り値71が存在するため大当りと判定し、大当り判定用乱数が72であった場合は、それと一致する大当り値が存在しないためハズレと判定する。
続いて、S209またはS210における大当り判定の結果が大当りであったか否かを判定し(S211)、大当りであったと判定した場合は(S211:Yes)、確変大当りか否かを判定する(S212)。たとえば、S211において大当りと判定した元になった大当り乱数が特定の大当り乱数であった場合は、確変大当りと判定する(S212:Yes)。この確変大当りと判定する確率は、80%、100%など、任意に設定することができる。
ここで、確変大当りと判定した場合は(S212:Yes)、確変大当りを判定したことを示す確変大当りフラグをオンし(S213)、確変大当りではないと判定した場合は(S212:No)、確変大当りではない、つまり通常大当りと判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S214)。続いて、確変遊技状態を終了し、通常遊技状態に戻す(S215)。続いて、特別図柄の変動パターンを抽選により決定し(図27のS216)、その決定した特別図柄の変動パターンに設定されている変動時間を設定する(S217)。
続いて、先のS203において取得した各乱数と、大当り判定および確変大当り判定などの各判定結果と、演出指示コマンドとを画像音声制御用MPU71へ送信する(S218)。演出指示コマンドは、演出表示器30、遊技盤5などに配置されたLEDおよびスピーカ10〜12により演出を行わせるためのコマンドである。続いて、特別図柄の変動を開始する(S219)。
続いて、S217において設定した変動時間の計測を開始する(S220)。この変動時間は、特別図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間であると同時に、演出表示器30が変動・演出パターンの表示を開始してから終了するまでに要する時間でもある。続いて、特別図柄保留数U1から1を減算する(S221)。
続いて、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定し(S222)、確変遊技状態であると判定した場合は(S222:Yes)、特別図柄の回転数(変動回数)Cに1を加算する(S223)。この回転数Cは、演出図柄の回転数(変動回数)に等しい。続いて、回転数Cが、確変遊技状態が継続する期間の終期である70回に達したか否かを判定し(S224)、70回に達したと判定した場合は(S224:Yes)、確変遊技状態を終了し、通常遊技状態に戻す(S225)。
そして、次のサイクルで特別図柄遊技処理を実行するときに、図26のS206において特別図柄が変動中であると判定すると(S206:Yes)、変動時間が経過したか否かを判定し(図27のS226)、経過したと判定した場合は(S226:Yes)、特別図柄および演出図柄の変動を停止する(S227)。続いて、大当り図柄が確定表示されたか否かを判定し(S228)、確定表示されたと判定した場合は(S228:Yes)、大当り遊技、つまり、特別電動役物遊技処理を開始する(S229)。
[特別電動役物遊技処理]
次に、主制御用MPU51が図23のS300において実行する特別電動役物遊技処理の流れについて図を参照して説明する。
図28は、主制御用MPU51が実行する特別電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。
なお、ここでは、第1大入賞口24aが開閉する場合を説明する。また、第1大入賞口24aが開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。また、1ラウンド当りの第1大入賞口24aへの入賞可能な最大入賞数は9個であり、1ラウンド当りの第1大入賞口24aの開口可能な最大開口時間は30秒である。さらに、実行可能な最大ラウンド数は16ラウンドである。
主制御用MPU51は、確変大当り判定の結果を示す確変大当りフラグまたは通常大当りフラグがオンしているか否かを判定し(S301)、オンしていると判定した場合は(S301:Yes)、確変大当りフラグまたは通常大当りフラグをオフする(S302)。続いて、実行可能なラウンド数Rを16にセットし(S303)、ラウンド数Rから1を減算する(S304)。このラウンド数Rは、画像音声制御用MPU71へ送信される。
続いて、1ラウンド当りの第1大入賞口24aへの入賞数nを0リセットし、1ラウンド当りの第1大入賞口24aの開口時間tをセットする(S305)。続いて、第1大入賞口ソレノイド24b(図13)を駆動して第1大入賞口24aを開口させ(S306)、開口時間tの計測を開始する(S307)。続いて、第1大入賞口スイッチ24c(図13)から出力される信号の変化に基づいて、遊技球が第1大入賞口24aに入賞したか否かを判定する(S308)。
ここで、遊技球が第1大入賞口24aに入賞したと判定すると(S308:Yes)、入賞数nに1を加算する(S309)。続いて、入賞数nが9個以上になったか否かを判定し(S310)、入賞数nが9個以上になっていないと判定した場合は(S310:No)、開口時間tが30秒に達したか否かを判定する(S311)。ここで、開口時間tが30秒に達していないと判定した場合は(S311:No)、次の処理へ移行する。
そして、次のサイクルで特別電動役物処理を実行すると、先のS302において確変大当りフラグまたは通常大当りフラグがオフにされているため、S301では、確変大当りフラグまたは通常大当りフラグがオンしていないと判定する(S301:No)。続いて、ラウンドが終了したことを示すラウンド終了フラグがオンしているか否かを判定するが(S312)、この段階では、まだラウンドを終了していないため、ラウンド終了フラグがオンしていないと判定する(S312:No)。
続いて、S308〜S311、S301、S312を繰返し実行し、S310において入賞数nが9個以上になったと判定すると(S310:Yes)、ラウンド終了フラグをオンする(S314)。また、S311において開口時間tが30秒に達したと判定すると(S311:Yes)、ラウンド終了フラグをオンする(S314)。つまり、入賞数nが9個以上になったという条件、あるいは、開口時間tが30秒に達したという条件のいずれかが満足されるとラウンドが終了する。
続いて、ラウンド数Rが0になったか否かを判定し(S315)、ラウンド数Rが0になっていないと判定した場合は(S315:No)、次のサイクルでS312においてラウンド終了フラグがオンになっていると判定し(S312:Yes)、大当り遊技が終了したことを示す大当り遊技終了フラグがオンしているか否かを判定する(S313)。そして、S315においてラウンド数Rが0になったと判定した場合は(S315:Yes)、大当り遊技終了フラグをオンし(S316)、確変大当りフラグがオンしているか否かを判定する(S317)。ここで、確変大当りフラグがオンしていると判定した場合は(S317:Yes)、遊技状態を確変遊技状態に変化させ(S318)、確変大当りフラグをオフする(S319)。また、S317において、確変大当りフラグがオンしていないと判定した場合は(S317:No)、通常大当りフラグをオフする(S319)。
[普通図柄遊技処理]
次に、主制御用MPU51が図23のS400において実行する普通図柄遊技処理の流れについて図を参照して説明する。
図29は、主制御用MPU51が実行する普通図柄遊技処理の流れを示すフローチャートであり、図30は図29に示す普通図柄遊技処理の続きを示すフローチャートである。
主制御用MPU51は、遊技球がゲート23を通過したか否かを判定し(図29のS401)、通過したと判定した場合は(S401:Yes)、普通図柄保留数Q1が4個未満であるか否かを判定する(S402)。ここで、4個未満であると判定した場合は(S402:Yes)、当り判定用乱数を当り判定用乱数カウンタから取得し、それらを主制御用ワークRAM53に格納する(S403)。続いて、普通図柄保留数Q1に1を加算する(S404)。
続いて、普通電動役物27(図9)が作動中であるか否かを判定し(S405)、作動中ではないと判定した場合は(S405:No)、普通図柄表示装置33(図11(b))が普通図柄を変動中であるか否かを判定する(S406)。ここで、普通図柄を変動中ではないと判定した場合は(S406:No)、普通図柄保留数Q1が0であるか否かを判定する(S407)。
ここで、普通図柄保留数Q1が0ではないと判定した場合は(S407:No)、当り判定を行う(S408)。つまり、先のS403において取得した当り判定用乱数と、当り値テーブル(図示せず)に設定されている当り値とを比較し、当り判定用乱数と一致する当り値が存在する場合は当りと判定し、存在しない場合はハズレと判定する。続いて、当り判定の結果が当りであったか否かを判定し(S409)、当りであったと判定した場合は(S409:Yes)、当りと判定したことを示す当りフラグをオンする(S410)。続いて、普通図柄の変動パターンを抽選により決定する(S411)。
続いて、S411において決定した普通図柄の変動パターンに設定されている変動時間を設定する(S412)。続いて、先のS403において取得した各乱数と、当り判定の結果と、演出指示コマンドとを画像音声制御用MPU71へ送信する(図30のS413)。演出指示コマンドは、普通図柄表示装置33に普通図柄を変動させるためのコマンドである。続いて、普通図柄の変動を開始し(S414)、S412において設定した変動時間の計測を開始する(S415)。続いて、普通図柄保留数Q1から1を減算する(S416)。
そして、次のサイクルで普通図柄遊技処理を実行するときに、図29のS406において普通図柄が変動中であると判定すると(S406:Yes)、変動時間が経過したか否かを判定し(図30のS417)、経過したと判定した場合は(S417:Yes)、普通図柄の変動を停止する(S418)。
[普通電動役物遊技処理]
次に、主制御用MPU51が図23のS500において実行する普通電動役物遊技処理の流れについて、それを示す図31のフローチャートを参照して説明する。
主制御用MPU51は、普通電動役物27が開閉翼片27c(図9)を開放している時間t2を計測中であるか否かを判定し(S501)、計測中ではないと判定した場合は(S501:No)、普通図柄遊技処理のS410(図29)を実行することにより、当りフラグがオンしているか否かを判定する(S502)。ここで、当りフラグがオンしていると判定した場合は(S502:Yes)、普通電動役物ソレノイド27b(図13)を作動させて開閉翼片27cを開放させる(S503)。続いて、開閉翼片27cを開放している時間t2の計測を開始する(S504)。
そして、次のサイクルで普通電動役物遊技処理を実行するときに、時間t2を計測中であると判定すると(S501:Yes)、時間t2が1秒に達したか否かを判定する(S505)。ここで、時間t2が1秒に達したと判定した場合は(S505:Yes)、普通電動役物ソレノイド27bの作動を停止させて開閉翼片27cを閉成させる(S506)。続いて、当りフラグをオフする(S507)。
[演出制御]
次に、画像音声制御用MPU71が遊技中に実行する主な処理(演出制御)について、それを示す図32のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51が送信したコマンドおよび他のパチンコ機1から送信された遊技中情報を受信するデータ受信処理(S600)、演出表示器30に各種の画像を表示させる画像処理(S700)、スピーカ10〜12から各種の音声を出力させる音声処理(S800)、前枠セット2や遊技盤5などに配置された各種のLEDの点灯および消灯を制御するLED処理(S900)、周囲の騒音レベルに基づいて音量を自動的に調節する音量自動調節処理(S1000)などを実行する。
[データ受信処理]
次に、画像音声制御用MPU71が実行するデータ受信処理の流れについて、それを示す図33のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用MPU71は、主制御用MPU51が送信したコマンド、または、他のパチンコ機1から送信された遊技中情報などのデータを受信したか否かを判定し(S601)、受信したと判定した場合は(S601:Yes)、その受信したデータを画像音声制御用ワークRAM73に格納する(S602)。続いて、その画像音声制御用ワークRAM73に格納されているデータの種類および内容について解析し(S603)、その解析結果を画像音声制御用ワークRAM73に格納する(S604)。
[画像処理]
次に、画像音声制御用MPU71が実行する画像処理の流れについて、それを示す図34のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用MPU71は、演出表示器30が演出図柄を変動表示中か否かを判定し(S701)、演出表示器30が演出図柄を変動表示中ではないと判定した場合は(S701:No)、先のコマンド処理のS604において画像音声制御用ワークRAM73に格納された解析結果に基づき、主制御用MPU51が送信してきたコマンドは演出指示コマンドであるか否かを判定する(S702)。ここで、主制御用MPU51が送信してきたコマンドは演出指示コマンドであると判定した場合は(S702:Yes)、リーチ選択乱数R7および第1変動グループ選択乱数R8をそれぞれ乱数カウンタから取得し、それらを画像音声制御用ワークRAM73に格納する(S703)。
続いて、主制御用MPU51から送信された大当り判定などの各判定の結果、変動時間および各乱数と、S703において画像音声制御用ワークRAM73に格納したリーチ選択乱数R7および第1変動グループ選択乱数R8とに基づいて変動・演出パターンを決定する(S704)。続いて、その決定した変動・演出パターンにおける演出図柄の変動時間を設定し(S705)、画像処理LSI76を制御し、S704において決定した変動・演出パターンを演出表示器30に表示させる(S706)。続いて、S705にて設定した変動時間の計測を開始し(S707)、遊技中であることを示す遊技中情報を他のパチンコ機1へ送信する(S708)。
そして、次のサイクルで画像処理を実行するときに演出図柄が変動表示中か否かを判定し(S701)、変動表示中であると判定すると(S701:Yes)、先のS707において計測を開始した変動時間が経過したか否かを判定する(S709)。ここで、変動時間が経過していないと判定した場合は(S709:No)、ボタン演出を行うタイミングであるか否かを判定する(S710)。ここで、ボタン演出を行うタイミングであると判定した場合は(S710:Yes)、ボタン演出処理を実行する(S711)。
また、S710においてボタン演出を行うタイミングではないと判定した場合は(S710:No)、リーチを行うタイミングであるか否かを判定し(S712)、リーチを行うタイミングであると判定した場合は(S712:Yes)、リーチ演出を行う(S713)。また、S709において、変動時間が経過したと判定した場合は(S709:Yes)、停止演出図柄として大当り図柄またはハズレ図柄を確定表示する(S714)。なお、S704において決定した変動・演出パターンがボタン演出を含まないものである場合は、S710では否定判定し、S704において決定した変動・演出パターンがリーチを含まないものである場合は、S712では否定判定し、次の処理へ移行する。
[音響効果自動調節処理]
次に、画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理について図35ないし図38を参照して説明する。
図35は、画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理の流れを示すフローチャートである。図36は、パチンコ機Cで遊技をしている遊技者Yが置かれている周囲の環境を示す説明図である。図37は、騒音演算テーブル72bの説明図であり、図38は、音響効果調節テーブル72cの説明図である。
ここでは、図36に示すように、横方向に配列されたパチンコ機A〜Eと、パチンコ機A〜Eと通路を挾んで配列されたパチンコ機F〜Jとがパチンコホールに配置されており、遊技者Yがパチンコ機Cにて遊技を行うものとする。パチンコ機A〜Jはパチンコ機1と同一の構成および機能である。また、各パチンコ機はそれぞれ遊技盤およびスピーカを対向させて配置されている。図中の各矢印は、各パチンコ機のスピーカから出た音の一部が遊技者Yに伝播する方向を示す。
また、図中の数字は、パチンコ機Cから見たときの各パチンコ機から出る音の音量を示す。パチンコ機Cの両隣に位置するパチンコ機B,Dから出る音の音量は、それぞれ最大の音量5に設定されている。また、パチンコ機Cと対向する位置に配置されたパチンコ機G,H,Iから出る音の音量もそれぞれ最大の音量5に設定されている。また、パチンコ機Cから少し離れたパチンコ機A,E,F,Jから出る音の音量は、それぞれ音量3に設定されている。
たとえば、パチンコ機A,B,D〜Jが総て遊技中であるとすると、パチンコ機Cにて遊技をしている遊技者Yに対する音量Vrは、パチンコ機A,B,D〜Jの各音量音を合計した37であり、最大の音量になる。また、パチンコ機Aのみが遊技中である場合は、音量は、3である。
パチンコ機Cに対する各パチンコ機の位置関係は、各パチンコ機から遊技中情報と共に送信される台番号に基づいて求める。パチンコ機Cに備えられた画像音声制御用MPU71は、通信回線L2を流れる遊技中情報のうち、パチンコ機A,B,D〜Jに対応する台番号の遊技中情報のみを入力する。また、遊技中情報は、遊技中の場合は「1」であり、遊技中でない場合は、「0」である。つまり、入力した遊技中情報が「1」を示す遊技中情報と共に入力した台番号に設定されている音量を合計して周囲の音量Vrを算出する。
画像音声制御用MPU71は、図37に示す騒音演算テーブル72bを用いて騒音レベルVaを演算する。騒音演算テーブル72bは、周囲の音量Vrの範囲と、騒音レベルVaとを対応付けて構成されている。たとえば、画像音声制御用MPU71は、演算した周囲の音量Vrが10以下の場合は、騒音演算テーブル72bから騒音レベルの(−2)を選択する。また、演算した周囲の音量Vrが15<Vr≦25の場合は、騒音演算テーブル72bから騒音レベルの0を選択する。さらに、演算した周囲の音量vrが31<Vrの場合は、騒音演算テーブル72bから騒音レベルの(+2)を選択する。
また、画像音声制御用MPU71は、図38に示す音響効果調節テーブル72cを用いて下スピーカ12が再生する低音の音量Vbを調節する。音響効果調節テーブル72cは、騒音レベルVaと、低音音量Vbの調整値とを対応付けて構成されている。低音音量Vbの調整値に示すVsは、標準の低音音量を示す。たとえば、画像音声制御用MPU71は、騒音演算テーブル72bから選択した騒音レベルVaが(−2)であった場合は、音量調節テーブル72cから低音音量Vbの調整値(Vs−2)を選択する。また、騒音レベルVaが0であった場合は、音量調節テーブル72cから低音音量Vbの調整値Vsを選択する。さらに、騒音レベルVaが(+2)であった場合は、音量調節テーブル72cから低音音量Vbの調整値(Vs+2)を選択する。騒音レベルVa=0が閾値であり、周囲の騒音レベルVaが閾値よりも小さくなるほど低音音量Vbを小さくなるように調節し、かつ、周囲の騒音レベルVaが閾値よりも大きくなるほど低音音量Vbを大きくなるように調節する。
画像音声制御用MPU71は、通信回線L2を介して他のパチンコ機1から送信された遊技中情報を入力し(図35のS1001)、その入力した遊技中情報に基づいて騒音レベルVaを演算する(S1002)。つまり、前述したように、入力した遊技中情報に基づいて周囲の音量Vrを演算し、その演算した音量Vrに対応する騒音レベルVaを騒音演算テーブル72bから選択する。続いて、S1002において演算した騒音レベルVa=−2であるか否かを判定し(S1003)、Va=−2であると判定した場合は(S1003:Yes)、騒音レベルVa=−2に対応する低音音量Vbの調整値(Vs−2)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs−2)に調整する(S1004)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(−2)であり、最も低いレベルであるため、低音音量Vbを最も小さい音量(Vs−2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が喧しく聞こえるおそれがない。
また、S1003において、騒音レベルVa=−2ではないと判定した場合は(S1003:No)、騒音レベルVa=−1であるか否かを判定する(S1005)。ここで、Va=−1であると判定した場合は(S1005:Yes)、騒音レベルVa=−1に対応する低音音量Vbの調整値(Vs−1)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs−1)に調整する(S1006)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(−2)であり、最低から2番目に低いレベルであるため、低音音量Vbを最小から2番目に小さい低音音量(Vs−2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が喧しく感じないようにすることができる。
また、S1005において、騒音レベルVa=−1ではないと判定した場合は(S1005:No)、騒音レベルVa=0であるか否かを判定する(S1007)。ここで、Va=0であると判定した場合は(S1007:Yes)、騒音レベルVa=0に対応する低音音量Vbの調整値Vsを音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量VbをVsに調整する(S1008)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが0であり、標準レベルであるため、低音音量Vbを標準音量Vsに調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が、周囲のパチンコ機から出る音楽によって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
また、S1007において、騒音レベルVa=0ではないと判定した場合は(S1007:No)、騒音レベルVa=+1であるか否かを判定する(S1009)。ここで、Va=+1であると判定した場合は(S1009:Yes)、騒音レベルVa=+1に対応する低音音量Vbの調整値(Vs+1)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs+1)に調整する(S1010)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(+1)であり、標準よりも一段高いレベルであるため、低音音量Vbを標準音量Vsよりも一段大きい音量(Vs+1)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が、周囲のパチンコ機から出る音楽によって聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
また、S1009において、騒音レベルVa=+1ではないと判定した場合は(S1009:No)、騒音レベルVa=+2であるか否かを判定する(S1011)。ここで、Va=+2であると判定した場合は(S1011:Yes)、騒音レベルVa=+2に対応する低音音量Vbの調整値(Vs+2)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs+2)に調整する(S1012)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(+2)であり、最も高いレベルであるため、低音音量Vbを最も大きい音量(Vs+2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が、周囲のパチンコ機から出る音楽によって聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
[第1実施形態の効果]
上述した第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、周囲の騒音レベルVaが閾値0よりも大きくなるほど、低音を再生するスピーカ12の低音音量Vbを大きい音量に調節することができるため、スピーカ10〜12の再生する音楽を聞き取り易くなる。しかも、周囲の騒音レベルVaが閾値0よりも小さくなるほど、低音を再生するスピーカ12の低音音量Vbを小さい音量に調節することができるため、スピーカ10〜12の再生する音楽が喧しく感じることがない。
つまり、スピーカ10〜12の再生する音楽が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することができる。
〈第2実施形態〉
次に、この発明の第2実施形態について説明する。
この実施形態のパチンコ機は、周囲のパチンコ機に設定されている音量が異なる場合を加味して正確な騒音レベルを演算し、その騒音レベルに対応した音響効果に調節できることを特徴とする。
図39は、この実施形態のパチンコ機に備えられた画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理2の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理2の流れを除いて第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
各パチンコ機は、自身に設定されている音量を示す音量情報を通信回線L2を介して他のパチンコ機へ送信する。音量情報は、遊技中に送信し、非遊技中には送信しない。音量情報を受信したパチンコ機は、受信した音量情報に基づいて周囲の騒音レベルVaを演算する。
たとえば、図36に示す例において、パチンコ機Bに設定されたいる音量が標準よりも一段低いレベルである場合は、パチンコ機Bから出る音の音量を4として演算する。また、パチンコ機Dに設定されている音量が標準よりも一段高いレベルである場合は、パチンコ機Dから出る音の音量を6として演算する。周囲の音量Vrの演算方法、周囲の音量Vrから騒音レベルVaを求める方法、騒音レベルVaから低音音量Vbの調整値を求める方法は、第1実施形態と同じである。
画像音声制御用MPU71は、通信回線L2を介して他のパチンコ機1から送信された音量情報を入力し(図39のS1001)、その入力した音量情報に基づいて騒音レベルVaを演算する(S1002)。つまり、入力した音量情報に基づいて周囲の音量Vrを演算し、その演算した音量Vrに対応する騒音レベルVaを騒音演算テーブル72bから選択する。続いて、S1002において演算した騒音レベルVa=−2であるか否かを判定し(S1003)、Va=−2であると判定した場合は(S1003:Yes)、騒音レベルVa=−2に対応する低音音量Vbの調整値(Vs−2)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs−2)に調整する(S1004)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(−2)であり、最も低いレベルであるため、低音音量Vbを最も小さい音量(Vs−2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が喧しく聞こえるおそれがない。
また、S1003において、騒音レベルVa=−2ではないと判定した場合は(S1003:No)、騒音レベルVa=−1であるか否かを判定する(S1005)。ここで、Va=−1であると判定した場合は(S1005:Yes)、騒音レベルVa=−1に対応する低音音量Vbの調整値(Vs−1)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs−1)に調整する(S1006)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(−2)であり、最低から2番目に低いレベルであるため、低音音量Vbを最小から2番目に小さい音量(Vs−2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が喧しく感じないようにすることができる。
また、S1005において、騒音レベルVa=−1ではないと判定した場合は(S1005:No)、騒音レベルVa=0であるか否かを判定する(S1007)。ここで、Va=0であると判定した場合は(S1007:Yes)、騒音レベルVa=0に対応する低音音量Vbの調整値Vsを音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量VbをVsに調整する(S1008)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが0であり、標準レベルであるため、低音音量Vbを標準音量Vsに調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が、周囲のパチンコ機から出る音楽によって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
また、S1007において、騒音レベルVa=0ではないと判定した場合は(S1007:No)、騒音レベルVa=+1であるか否かを判定する(S1009)。ここで、Va=+1であると判定した場合は(S1009:Yes)、騒音レベルVa=+1に対応する低音音量Vbの調整値(Vs+1)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs+1)に調整する(S1010)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(+1)であり、標準よりも一段高いレベルであるため、低音音量Vbを標準音量Vsよりも一段大きい音量(Vs+1)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が、周囲のパチンコ機から出る音楽によって聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
また、S1009において、騒音レベルVa=+1ではないと判定した場合は(S1009:No)、騒音レベルVa=+2であるか否かを判定する(S1011)。ここで、Va=+2であると判定した場合は(S1011:Yes)、騒音レベルVa=+2に対応する低音音量Vbの調整値(Vs+2)を音響効果調節テーブル72cから選択し、パチンコ機1のスピーカ12の低音音量Vbを(Vs+2)に調整する(S1012)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(+2)であり、最も高いレベルであるため、低音音量Vbを最も大きい音量(Vs+2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音楽が、周囲のパチンコ機から出る音楽によって聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
[第2実施形態の効果]
上述した第2実施形態のパチンコ機1を実施すれば、周囲の騒音レベルVaが閾値0よりも大きくなるほど、低音を再生するスピーカ12の低音音量Vbを大きい音量に調節することができるため、スピーカ10〜12の再生する音楽を聞き取り易くなる。しかも、周囲の騒音レベルVaが閾値0よりも小さくなるほど、低音を再生するスピーカ12の低音音量Vbを小さい音量に調節することができるため、スピーカ10〜12の再生する音楽が喧しく感じることがない。
つまり、スピーカ10〜12の再生する音楽が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することができる。
〈第3実施形態〉
次に、この発明の第3実施形態について説明する。
この実施形態のパチンコ機は、周囲の騒音レベルに対応してサラウンド効果の内容を変化させることにより、スピーカ10〜12の再生する音楽が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりすることがないことを特徴とする。
図40は、この実施形態のパチンコ機に備えられた音響効果調節テーブル72dの説明図であり、図41は、この実施形態のパチンコ機に備えられた画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理3の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、音響効果調節テーブル72dの構成および画像音声制御用MPU71が実行する音響効果自動調節処理3の流れを除いて第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
この実施形態のパチンコ機1に備えられた右スピーカ10および左スピーカ11は、2ch(チャンネル)スピーカとして機能し、下スピーカ12は、ウーファーとして機能する。つまり、スピーカ10〜12は、2.1ch(チャンネル)のバーチャル(疑似)サラウンドスピーカを構成する。
図40に示すように、音響効果調節テーブル72dは、周囲の騒音レベルVaと、サラウンドの位相差Phの調整値とを対応付けて構成されている。画像音声制御用MPU71は、演算した周囲の騒音レベルVaに対応する位相差Phを音響効果調節テーブル72dから選択し、その選択した位相差PhをサラウンドIC82(図15)へ出力すると、サラウンドIC82は、音量設定回路83へ出力するデジタル信号の位相差を、画像音声制御用MPU71から指示された位相差Phに調整する。これにより、音量設定回路83がデジタルアンプ84へ出力する信号の位相差がPhに調整され、右スピーカ10および左スピーカ11が再生する音の位相差がPhに調整される。換言すると、周囲の騒音レベルVaに応じて、右スピーカ10および左スピーカ11が再生する音の拡がりが変化する。
画像音声制御用MPU71は、通信回線L2を介して他のパチンコ機1から送信された遊技中情報を入力し(図41のS1001)、その入力した遊技中情報に基づいて騒音レベルVaを演算する(S1002)。つまり、入力した遊技中情報に基づいて周囲の音量Vrを演算し、その演算した音量Vrに対応する騒音レベルVaを騒音演算テーブル72bから選択する。続いて、S1002において演算した騒音レベルVa=−2であるか否かを判定し(S1003)、Va=−2であると判定した場合は(S1003:Yes)、騒音レベルVa=−2に対応するサラウンドの位相差Phの調整値Psを音響効果調節テーブル72dから選択し、サラウンドIC82が設定する位相差PhをPsに調整する(S1004)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(−2)であり、最も低いレベルであるため、位相差Phを最小の位相差Psに調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音が喧しく聞こえるおそれがない。
また、S1003において、騒音レベルVa=−2ではないと判定した場合は(S1003:No)、騒音レベルVa=−1であるか否かを判定する(S1005)。ここで、Va=−1であると判定した場合は(S1005:Yes)、騒音レベルVa=−1に対応する調整値(Ps+1)を音響効果調節テーブル72dから選択し、サラウンドIC82が設定する位相差Phを(Ps+1)に調整する(S1006)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(−2)であり、最低から2番目に低いレベルであるため、位相差Phを最小の位相差Psよりも1段階大きい位相差(Ps+1))に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音が喧しく感じないようにすることができる。
また、S1005において、騒音レベルVa=−1ではないと判定した場合は(S1005:No)、騒音レベルVa=0であるか否かを判定する(S1007)。ここで、Va=0であると判定した場合は(S1007:Yes)、騒音レベルVa=0に対応する調整値(Ps+2)を音響効果調節テーブル72dから選択し、サラウンドIC82が設定する位相差Phを(Ps+2)に調整する(S1008)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが0であり、標準レベルであるため、位相差Phを最小の位相差Psよりも2段階大きい位相差(Ps+2)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音が、周囲のパチンコ機から出る音によって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
また、S1007において、騒音レベルVa=0ではないと判定した場合は(S1007:No)、騒音レベルVa=+1であるか否かを判定する(S1009)。ここで、Va=+1であると判定した場合は(S1009:Yes)、騒音レベルVa=+1に対応する調整値(Ps+3)を音響効果調節テーブル72dから選択し、サラウンドIC82が設定する位相差Phを(Ps+3)に調整する(S1010)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(+1)であり、標準よりも一段高いレベルであるため、位相差Phを最小の位相差Psよりも3段階大きい音量(Ps+3)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音が、周囲のパチンコ機から出る音によって聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
また、S1009において、騒音レベルVa=+1ではないと判定した場合は(S1009:No)、騒音レベルVa=+2であるか否かを判定する(S1011)。ここで、Va=+2であると判定した場合は(S1011:Yes)、騒音レベルVa=+2に対応する調整値(Ps+4)を音響効果調節テーブル72dから選択し、サラウンドIC82が設定する位相差Phを(Ps+4)に調整する(S1012)。つまり、パチンコ機Cの周囲の騒音レベルVaが(+2)であり、最も高いレベルであるため、位相差Phを最も大きい位相差(Ps+4)に調節する。これにより、スピーカ10〜12が再生する音が、周囲のパチンコ機から出る音によって聞こえ難くなったりしないようにすることができる。
[第3実施形態の効果]
上述した第3実施形態のパチンコ機1を実施すれば、周囲の騒音レベルVaが閾値0よりも大きくなるほど、スピーカ10,11の位相差Phを大きい位相差に調節してスピーカ10,11が作り出すサラウンド効果を大きくすることができるため、スピーカ10〜12の再生する音を聞き取り易くなる。しかも、周囲の騒音レベルVaが閾値0よりも小さくなるほど、スピーカ10,11の位相差Phを小さい位相差に調節してスピーカ10,11が作り出すサラウンド効果を小さくすることができるため、スピーカ10〜12の再生する音楽が喧しく感じることがない。
つまり、スピーカ10〜12の再生する音楽が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりしないパチンコ機を実現することができる。
〈他の実施形態〉
図36に示した例では、音量を調節する対象のパチンコ機Cにおける騒音レベルVaを演算する対象となるパチンコ機として、パチンコ機Cの横方向に隣接するパチンコ機と、パチンコ機Cと通路を挾んで対向するパチンコ機とを対象としたが、パチンコ機Cの背面側に配列されているパチンコ機、パチンコ機Cと通路を挾んで対向するパチンコ機の背面側に配列されているパチンコ機など、さらに多くのパチンコ機を対象とすることもできる。この構成を実施すれば、パチンコ機1の周囲の騒音レベルVaをより一層正確に演算することができるため、パチンコ機1の音量Vbをより一層適正な音量に調節することができるので、スピーカ10〜12の再生する音楽が周囲の騒音レベルによって喧しく感じたり、聞こえ難くなったりする事態をより一層少なくすることができる。
1・・パチンコ機、4a・・発射ハンドル、5・・遊技盤、10〜12・・スピーカ、
21・・第1始動口、24・・第1変動入賞装置、30・・演出表示器、
L1,L2・・通信回線、Ps・・サラウンドの位相差Phの調整値、
Va・・騒音レベル、Vb・・音量、Vr・・周囲の音量、Vs・・標準の低音音量。

Claims (4)

  1. 遊技中に音を再生する音再生手段と、
    前記音再生手段が再生する音に音響効果を付与する音響効果付与手段と、
    周囲のパチンコ機と通信するための通信手段と、
    遊技中か否かを示す遊技中情報を前記通信手段を介して他のパチンコ機へ送信する送信手段と、
    前記周囲のパチンコ機から前記通信手段を介して前記遊技中情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信した遊技中情報に基づいて、当該パチンコ機の周囲の騒音レベルを演算する騒音レベル演算手段と、
    前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に大きい音響効果に調節し、かつ、前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが前記閾値よりも小さくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に小さい音響効果に調節する音響効果調節手段と、
    を備えたことを特徴とするパチンコ機。
  2. 遊技中に音を再生する音再生手段と、
    前記音再生手段が再生する音に音響効果を付与する音響効果付与手段と、
    周囲のパチンコ機と通信するための通信手段と、
    前記音再生手段の音量を示す音量情報を前記通信手段を介して他のパチンコ機へ送信する送信手段と、
    前記周囲のパチンコ機から前記通信手段を介して前記音量情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信した音量情報に基づいて、当該パチンコ機の周囲の騒音レベルを演算する騒音レベル演算手段と、
    前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが閾値よりも大きくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に大きい音響効果に調節し、かつ、前記騒音レベル演算手段が演算した騒音レベルが前記閾値よりも小さくなるほど前記音響効果付与手段が前記音に付与する音響効果を自動的に小さい音響効果に調節する音響効果調節手段と、
    を備えたことを特徴とするパチンコ機。
  3. 前記音響効果付与手段は、
    前記音響効果として低音を強調する効果を前記音に付与する機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
  4. 前記音響効果付与手段は、
    前記音響効果としてサラウンド効果を前記音に付与する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機。
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