JP2014097131A - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】障害物との衝突をより確実に防ぐことができるX線診断装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係るX線診断装置は、アームと、アーム回転機構と、センサー部と、距離計算部とを有する。アームは、X線源及びX線検出器を対向させて保持する。アーム回転機構は、前記X線源と前記X線検出器との間を通る回転軸を中心に前記アームを回転させる。センサー部は、前記回転軸上又は該回転軸の近傍に設けられ、周辺に存在する物体を検出する。距離計算部は、前記センサー部によって検出された前記物体の位置に基づいて、少なくとも前記X線源及び前記X線検出器の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定し、該障害物が存在すると判定した場合に、前記アームの回転を停止させる。
【選択図】図5B

Description

本発明の実施形態は、X線診断装置に関する。
従来、X線診断装置には、被検体を挟むようにX線源及びX線検出器を対向させて保持するアームを有するものがある。このようなX線診断装置を用いて、例えば、循環器系の診断などが行われる場合には、アームを回転させながら被検体を多方向から撮影することが行われる。このことから、X線診断装置に関する技術として、アームを回転させた際にX線診断装置の周辺に在る障害物を検出して、X線源及びX線検出器を含む撮影ユニットが物品や人などの障害物に衝突するのを防ぐ衝突防止技術が知られている。
特開2010−253108号公報
本発明が解決しようとする課題は、障害物との衝突をより確実に防ぐことができるX線診断装置を提供することである。
実施形態に係るX線診断装置は、アームと、アーム回転機構と、センサー部と、距離計算部とを有する。アームは、X線源及びX線検出器を対向させて保持する。アーム回転機構は、前記X線源と前記X線検出器との間を通る回転軸を中心に前記アームを回転させる。センサー部は、前記回転軸上又は該回転軸の近傍に設けられ、周辺に存在する物体を検出する。距離計算部は、前記センサー部によって検出された前記物体の位置に基づいて、少なくとも前記X線源及び前記X線検出器の移動範囲内に障害物となる物体が存在するか否かを判定し、該障害物が存在すると判定した場合に、前記アームの回転を停止させる。
図1は、公知のX線診断装置の例を示す図である。 図2は、従来の接触安全スイッチを用いた衝突防止方法を示す図である。 図3は、従来の静電容量センサーを用いた非接触安全スイッチを示す図である。 図4は、従来の近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチの構成案を示す図である。 図5Aは、本実施形態に係るX線診断装置の構成例を示す図である。 図5Bは、本実施形態に係るセンサー部のブロック図である。 図6Aは、本実施形態に係るセンサー部の配置を示す図(1)である。 図6Bは、本実施形態に係るセンサー部の配置を示す図(2)である。 図7は、本実施形態に係るセンサー部の構成例を示す図である。 図8は、本実施形態に係る赤外線投光器の構成例を示す図である。 図9は、本実施形態に係るカメラの構成例を示す図である。 図10は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(1)である。 図11は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(2)である。 図12は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(3)である。 図13は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(4)である。 図14は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(5)である。 図15は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(6)である。 図16は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(7)である。 図17は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(8)である。 図18は、本実施形態に係る距離計算部による距離rの測定処理を説明するための図(9)である。 図19は、本実施形態に係る距離計算部による障害物の判定処理を説明するための図(1)である。 図20は、本実施形態に係る距離計算部による障害物の判定処理を説明するための図(2)である。 図21は、本実施形態に係る距離計算部による障害物の判定処理を説明するための図(3)である。 図22は、本実施形態に係る距離計算部による障害物の判定処理を説明するための図(4)である。 図23は、本実施形態に係る距離計算部による障害物の判定処理を説明するための図(5)である。 図24は、第3の変形例に係る障害物の表示を説明するための図である。 図25は、第4の変形例に係る表示部を示すブロック図である。 図26は、第4の変形例に係る表示部の一例を示す図である。 図27は、第5の変形例に係る赤外光の投射方向の調節機構を説明するための図(1)である。 図28は、第5の変形例に係る赤外光の投射方向の調節機構を説明するための図(2)である。 図29は、第6の変形例に係る赤外線投光器の一例を示す図(1)である。 図30は、第6の変形例に係る赤外線投光器の一例を示す図(2)である。 図31は、第6の変形例に係る赤外線投光器の一例を示す図(3)である。 図32は、第6の変形例に係る赤外線投光器の構成例を示す図(1)である。 図33は、第6の変形例に係る赤外線投光器の構成例を示す図(2)である。 図34は、第6の変形例に係る赤外線投光器の構成例を示す図(3)である。 図35は、第6の変形例に係る赤外線投光器の構成例を示す図(4)である。 図36は、第7の変形例に係るセンサー部を示す図(1)である。 図37は、第7の変形例に係るセンサー部を示す図(2)である。
以下、図面を参照して、実施形態に係るX線診断装置について説明する。
(公知のX線診断装置に関する説明)
図1は、公知のX線診断装置の例を示す図である。図1に示すように、本実施例に係るX線診断装置100は、高電圧発生器11、X線管12、X線絞り装置13、天板14、X線検出器15、Cアーム16、Cアーム回転・移動機構17、天板移動機構18、Cアーム・天板機構制御部19、絞り制御部20、画像データ生成部21、画像データ記憶部22、及び画像処理部23、入力部24、表示部25、システム制御部26を有する。
高電圧発生器11は、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する装置である。また、X線管12は、高電圧発生器11から供給される高電圧を用いてX線を発生するX線源である。ここで、高電圧発生器11は、X線管12に供給する電圧を調整することで、被検体Eに対して照射されるX線量の調整や、被検体EへのX線照射のON/OFFの制御を行なう。
X線絞り装置13は、X線管12が発生したX線を被検体Eの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む装置である。例えば、X線絞り装置13は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有し、これら絞り羽根をスライドさせることで、X線管12が発生したX線を絞り込んで被検体Eに照射させる。
天板14は、被検体Eが載置されるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。
X線検出器15は、被検体Eを透過したX線を検出するための複数のX線検出素子がマトリックス状に配列された装置である。このX線検出器15が有する各X線検出素子は、被検体Eを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を後述する画像データ生成部21に送信する。
Cアーム16は、X線管12、X線絞り装置13およびX線検出器15を保持するC字状のアームである。このCアーム16は、被検体Eを挟むように、X線管12およびX線絞り装置13とX線検出器15とを対向させて保持する。なお、Cアーム16と、X線管12と、X線絞り装置13と、X線検出器15とからなる機構を撮影ユニットと呼ぶ。
Cアーム回転・移動機構17は、Cアーム16を回転及び移動させる装置である。このCアーム回転・移動機構17は、X線管12とX線検出器15との間を通る回転軸を中心に、Cアーム16を回転させる。
天板移動機構18は、天板14を移動させる装置である。Cアーム・天板機構制御部19は、Cアーム回転・移動機構17および天板移動機構18を制御することで、Cアーム16の回転調整および移動調整と、天板14の移動調整とを行なう処理部である。
絞り制御部20は、X線絞り装置13が有する絞り羽根の開度を調整することで、X線の照射範囲を制御する処理部である。
画像データ生成部21は、X線検出器15によって被検体Eを透過したX線から変換された電気信号を用いてX線画像を生成し、生成したX線画像を画像データ記憶部22に格納する処理部である。具体的には、画像データ生成部21は、X線検出器15から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換、A/D変換およびパラレル・シリアル変換を行なってX線画像を生成する。
画像データ記憶部22は、画像データ生成部21によって生成されたX線画像を記憶する記憶装置である。例えば、画像データ記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスクなどである。
画像処理部23は、画像データ記憶部22が記憶するX線画像に対して各種画像処理を実行する処理部である。例えば、画像処理部23は、X線画像に対してノイズ低減のための平滑化フィルタ処理を実行する。例えば、画像処理部23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、又は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
入力部24は、X線診断装置100を操作する医師や技師などの操作者から各種コマンドを受け付け、受け付けたコマンドをシステム制御部26に転送する入力装置である。例えば、入力部24は、操作者から各種コマンドを受け付けるためのマウス、キーボード、ボタン、トラックボール、ジョイスティックなどを有する。
表示部25は、入力部24を介して操作者からコマンドを受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像データ記憶部22に記憶されたX線画像、画像処理部23によって画像処理されたX線画像などを表示する表示装置である。例えば、表示部25は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイなどである。
システム制御部26は、X線診断装置100全体の動作を制御する処理部である。例えば、システム制御部26は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。そして、このシステム制御部26は、例えば、入力部24から転送された操作者からのコマンドに基づいて、高電圧発生器11、Cアーム・天板機構制御部19、絞り制御部20を制御することで、X線量の調整およびX線照射のON/OFF制御や、Cアーム16の回転・移動の調整、天板14の移動調整などを行なう。
また、システム制御部26は、操作者からのコマンドに基づいて、画像データ生成部21における画像生成処理や後述する画像処理部23における画像処理の制御を行なう。また、システム制御部26は、操作者からコマンドを受け付けるためのGUIや、画像データ記憶部22が記憶するX線画像および画像処理部23によって画像処理されたX線画像などを表示部25のモニタに表示するように制御する。
(公知のX線診断装置における問題点の説明)
以上、公知のX線診断装置の例を説明した。このようなX線診断装置を用いて、例えば、循環器系の診断などが行われる場合には、Cアームを回転させながら被検体を多方向から撮影することが行われる。このような撮影が行われる場合には、Cアームが運動(典型的には回転)する範囲内に、治療器具を置くためのワゴンなどの物品や、診断を行っている医師や看護師などの人が存在すると、それらの物品や人が、Cアームが衝突してしまう恐れのある障害物となる。また、可動部が物品や人に衝突した際に、衝突で飛ばされた物品による二次的人身事故が生じる恐れもある。そこで、従来、Cアームのような運動するアームを有するX線診断装置では、衝突安全のための施策を行うことが求められている。
例えば、産業機械の場合であれば、衝突安全のための施策として、衝突が起こりうる空間を柵やカバーで覆って、その中に人や物が入り込まないようにし、柵やカバーを越えて人や物が入り込んでいる時には動作を行わない機構(インターロック)を設けることが行われる。
しかし、臨床の現場では、医師が患者を常時よく観察することや、随時患者に接近して処置を行うことなどが要求されるため、産業機械に準じた施策を設けることはできない。このため、従来、衝突を予防するためには、専ら操作者による安全確認に頼る方法がとられている。また、撮影時の回転を遅くすることで、衝突による損傷をあまり大きくしないように配慮することも行われている。
しかし、操作者による安全確認では、操作者のミスによって衝突が生じうる。また、撮影時のアームの回転を遅くすると撮影時間が長くなるため、撮影中に患者が動くことによる検査失敗の確率も高くなってしまう。特に、回転アンギオ撮影やLCI(Low Contrast Imaging)撮影では、アームを180度程度回転させるため、衝突の恐れがあるかどうかを目視で判断しにくく、しかも、アームを比較的高速で回転させるため、衝突した場合の被害が大きい。そこで、従来、これらの撮影の際には、撮影に先立って、「撮影においてアームが動くことを予定している経路」に沿ってアームをゆっくりと運動させながら、衝突の恐れがないかどうかを人が確認する作業を行うのが通例である。しかし、たとえ衝突が生じないように確認してあっても、確認作業後に人や物品が移動すると衝突が生じる危険性がある。
(公知のX線診断装置における問題点に対する従来技術の説明)
これに対し、X線診断装置においては、アームが回転する運動中に周辺に置かれた障害物を自動的に検出する機構を設けることで、アームが物品や人に衝突するのを防ぐ衝突防止技術が知られている。
以下では、図2〜4を参照して、従来の衝突防止技術について説明する。
(接触安全スイッチの従来技術に関する説明)
例えば、アームが物体に接触したことを検知する接触安全スイッチを装置のX線管12のカバーやX線検出器15のカバー部分に設け、接触安全スイッチが接触を検知した際にアームを停止させる方法がある。しかし、一般的にアームは慣性が大きいので、運動中に急停止することは困難である。したがって、接触安全スイッチを備える構成にしたとしても、スイッチが衝突を検知してから停止までにアームが動く空走距離が長く、実質的に効果がない場合が多い。
図2は、従来の接触安全スイッチを用いた衝突防止方法を示す図である。図2の(a)〜(j)は、Cアームの回転が開始されてから、接触安全スイッチによってCアームが停止されるまでの様子を連続的に示している。例えば、図2の(a)に示すようにCアームの回転が開始され、図2の(b)〜(e)に示すように、Cアームの回転動作が続けられる。そして、図2の(e)に示すように、例えば、被検体が載せられた天板の横に置かれていたワゴンにCアームの一端が接触すると、この接触を接触安全スイッチが検知する。この時点で、Cアームを緊急停止させる制御が開始されて、回転しているCアームが減速する。しかし、Cアームは慣性のためにすぐには回転動作を停止することができず、図2の(f)〜(g)に示すように回転動作を続け、この結果、図2(g)〜(j)に示すように、Cアームがワゴンに完全に衝突してしまう。
(非接触安全スイッチの従来技術に関する説明)
さらに、非接触で物体を検知することが可能な各種の非接触安全スイッチも存在する。例えば、静電容量センサーを用いた非接触安全スイッチや、遠赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチ、近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチ、超音波センサーを用いた非接触安全スイッチなどが実用化されている。
(静電容量センサーを用いた非接触安全スイッチの従来技術に関する説明)
図3は、従来の静電容量センサーを用いた非接触安全スイッチを示す図である。例えば、図3に示すように、静電容量センサーは、典型的には、高周波発振回路において、キャパシタ1aにアンテナ1bを接続することで構成される。図3は、このような静電容量センサーを簡略に示している。このアンテナ1bに人体など静電容量の大きい物体が近づくと、高周波発振回路の発振周波数が変化する。
この静電容量センサーを用いた非接触安全スイッチは、典型的には、衝突の恐れが大きいX線管12のカバーやX線検出器15のカバーの表面に上記アンテナを設置することで構成できる。このような静電容量センサーを用いた非接触安全スイッチの方式として、例えば、図示していない周波数比較手段を用いて高周波発振回路の発振周波数の変化を常時監視し、一定量以上の発振周波数の変化を検出した際に、物体が近くにあるものとみなしてアームの動作を緊急停止させる方式がある。この方式は比較的安価であり、近づいたのが人体である場合には比較的安定した検出性能が得られる。
しかし、この方式では、例えば、静電容量がさほど大きくない、処置器具を載せたワゴンや椅子、あるいはドレープ用の布、点滴用チューブなどの物体が近接しても正しく検知できない場合がある。
また、衝突の恐れがない位置に人が近づいた際に、人とアンテナとの距離が近い場合には、センサーが人の接近を検知してしまうことがある。その結果、X線診断装置の動作を誤って緊急停止させ、撮影を中断してしまうことになる。このような中断によって、患者は無駄なX線被曝と、無駄な造影剤投与を受けることになる。特に、造影剤は腎機能保護のため一時に一定量以上投与できないので、造影剤が排泄されるまでの数時間、検査を延期しなくてはならない場合もある。
このような誤動作を避けるために、センサーの感度を低く設定することもできるが、そのように設定すると、衝突の危険が検知できた時点で、既に緊急停止が間に合わない距離にまで近づいてしまっている可能性がある。
(遠赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチの従来技術に関する説明)
遠赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチによる方式として、例えば、自動ドアや自動点灯装置等に用いられる、人の接近を遠赤外線で検知するセンサーを利用して、X線診断装置の近くに人が居ないかどうかを確認する方式がある。
しかし、この方式では、例えば、温度が低い、処置器具を載せたワゴンや椅子、あるいはドレープ用の布、点滴用チューブなどの物体が近接しても正しく検知できない恐れがある。また、衝突の恐れがない位置に人や物が近づいた際に、センサーが人の存在や接近を検知する恐れがあり、その結果、X線診断装置の動作を誤って緊急停止させ、撮影を中断してしまうことになる。なお、撮影の中断による影響は、前述したとおりである。
(近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチの従来技術に関する説明)
近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチによる方式として、例えば、踏切や自動ドアで用いられるセンサーを利用して、近赤外線ビームを投射し、投射した近赤外線ビームが遮られたことを検出して、障害物の存在を検知する方式がある。
しかし、この方式では、例えば、赤外線の遮断を検出するように構成するために、投光器か検出器、あるいは反射器を、検知したい空間を囲むように配置する必要があるので、非常に大がかりな装置になる。図4は、従来の近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチの構成案を示す図であり、4個の鏡2aと、赤外線ビーム発生器2bと、赤外線検出器2cとを用いている。これらの構成により、赤外線ビーム2dが被検体Eの周囲に配置される。しかし、これらの装置を臨床作業の邪魔にならないように配置・保持することは非常に難しい。なお、図4において、4個の鏡2aを保持するための手段は示されていない。
(近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチの他の従来技術に関する説明)
同じく近赤外線センサーを用いた非接触安全スイッチによる方式として、例えば、自動ドア等で用いられるセンサーを利用して近赤外線を照射し、その散乱を検出して、障害物の存在を検知する方式もある。
しかし、この方式をX線診断装置に用いると、散乱された赤外線の強度によって、散乱物までの距離を推定することになるが、散乱物の表面性状、表面の向きによって、散乱される赤外線の強度は著しく変化するので、散乱物までの距離の推定精度は大変に悪い。このため、衝突の恐れがない位置に人や物が近づいた際に、センサーが人の存在や接近を検知してしまう恐れがある。その結果、X線診断装置の動作を誤って緊急停止させ、撮影を中断してしまうことになる。なお、撮影の中断による影響は、前述したとおりである。
(超音波センサーを用いた非接触安全スイッチの従来技術に関する説明)
超音波センサーを用いた非接触安全スイッチによる方式として、例えば、自動焦点カメラ等に用いられるセンサーで、パルス状超音波を発し、その反射を検出して、パルスの発射から検出までの遅延時間から距離を測定する方式がある。
しかし、この方式では、超音波を、障害物を排除したい空間に分布するように放射することが難しい。超音波は回折等によって広がってしまうからである。このため、衝突の恐れがない位置に人や物が近づいた際に、センサーが人の存在や接近を検知してしまう恐れがある。その結果、X線診断装置の動作を誤って緊急停止させ、撮影を中断してしまうことになる。なお、撮影の中断による影響は、前述したとおりである。また、この方式では、どの方向に障害物があるかを知る必要がある。そうしないと、床面等を障害物として認識するなどの不具合が生じるからである。このために、例えば、医用超音波断層装置や魚群探知機のような、ビーム状超音波を様々な方向に向けて放射するスキャン動作が必要である。また、空気は超音波を通しにくいので、超音波の発生に大きなエネルギーが必要である。これらの性質のため、この方式では、センサーが高価かつ大型になりやすい。
(従来技術の問題点の説明)
以上のように、従来の衝突防止技術では各種の課題があり、いずれの方式でも、X線診断装置において障害物との衝突を防ぐための適切な構成ができない。
(本発明の実施形態に係るX線診断装置の説明)
従来技術の課題に鑑みて、本実施形態に係るX線診断装置は、周辺に存在する物体を検出するセンサー部を有する。図5Aは、本実施形態に係るX線診断装置200の構成例を示す図である。図5Aに示すように、X線診断装置200は、図1に示したX線診断装置100の各部に加えて、Cアーム16の回転軸上又は回転軸の近傍に設けられたセンサー部30を有する。このセンサー部30は、システム制御部26に接続されている。
図5Bは、本実施形態に係るセンサー部のブロック図である。図5Bに示すように、センサー部30は、投光部31と、赤外撮影部32と、距離計算部33とを有する。投光部31は、周辺に光を投射し、赤外撮影部32は、投光部31によって投射された光が周辺の物体によって散乱された散乱光を撮影する。また、距離計算部33は、赤外撮影部32によって撮影された散乱光の像を用いて物体までの距離を算出し、算出した距離に基づいて、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定する。そして、距離計算部33は、障害物が存在すると判定した場合には、システム制御部26へ信号を送り、Cアーム16の回転を停止させる。この構成によれば、センサー部がCアーム16の回転軸又は回転軸の近傍に設けられるので、障害物へ投射する光の光路が確保され、センサー部を常時確実に動作させることができる。これにより、従来技術と比べて、障害物との衝突をより確実に防ぐごとができる。
なお、「投光器とカメラを使って、物の位置や形状を測定する」という技術自体は、ロボット工学や、立体物形状計測(三次元デジタイザ)、モーションキャプチャー技術、ゲーム機用ジェスチャー入力装置などで公知である。しかし、本実施形態では、物体の位置や形状の精密な測定を行う訳ではないので、これらの公知技術に比べて、より簡便な構成でセンサー部を実現することができる。
以下、本実施形態に係るX線診断装置200について詳細に説明する。図6A及び6Bは、本実施形態に係るセンサー部30の配置を示す図である。図6Aに示すように、本実施形態では、センサー部30は、Cアーム16の回転軸(以下、z軸と呼ぶ)上に設けられる。なお、図6Aでは、センサー部30が投射した赤外光Iが床やX線診断装置200のアームによって散乱された光を示したが、実際には、肉眼では赤外光Iは見えない。
図6Bでは、被検体Eである患者の左手側に、患者に処置を加えるための道具を載せたワゴン40を置き忘れたという状況を示している。ワゴン40は、衝突の恐れがある物体(干渉物、障害物)であり、赤外光を散乱している(図6Bに示すI)。
図7は、本実施形態に係るセンサー部30の構成例を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係るセンサー部30は、赤外線投光器31と、カメラ32と、センサー保持部36とを有する。ここで、赤外線投光器31は、図5Bに示した投光部31に対応し、カメラ32は、図5Bに示した赤外撮影部32に対応する。そして、本実施形態では、赤外線投光器31及びカメラ32は、Cアーム16が回転動作を行う回転軸z上に設けられる。また、赤外線投光器31及びカメラ32は、それぞれの光軸が一致するように設けられる。なお、距離計算部33は図示していない。
図8は、本実施形態に係る赤外線投光器31の構成例を示す図である。図8に示すように、本実施形態に係る赤外線投光器31は、X線診断装置200の周辺に円錐面状の赤外光を投射する。赤外線投光器31から投射された赤外線は、衝突の恐れがある物体や、衝突の恐れがない(遠方にある)物体(壁など)で散乱される。
カメラ32は、赤外線投光器31によって投射された赤外光がX線診断装置200の周辺に存在する物体によって散乱された散乱光を撮影する。本実施形態では、カメラ32は、散乱光をカメラ32に導くための円錐状のリフレクタ34と、リフレクタ34をカメラ32に保持するための赤外線に対して透明なケース35とを有する。物体で散乱された散乱光は、リフレクタ34で反射され、カメラ32によって捉えられる。
図9は、本実施形態に係るカメラ32の構成例を示す図である。例えば、図9に示すように、カメラ32は、撮像素子32aと、光学系32bと、可視光遮断フィルタ32cとを有する。
本実施形態の構成例では、図9に示すような円錐形のリフレクタ34を用いることで、小型で安価なカメラを使って効率よく撮影することができる。また、本実施形態では、可視光遮断フィルタ32cを赤外線は透過して可視光は遮断されることによって、後の画像処理が簡単になる。
以上、本実施形態に係るセンサー部30について説明した。
本実施形態では、距離計算部33が、センサー部30によって検出された物体の位置に基づいて、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定し、障害物が存在すると判定した場合に、Cアーム16の回転を停止させる。
具体的には、距離計算部33は、カメラ32によって撮影された散乱光の像を用いて、散乱を起こした物体(以下、散乱物と呼ぶ)までの距離を算出し、算出した距離に基づいて、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定する。すなわち、距離計算部33は、散乱物が、衝突の恐れがある空間内にあるかどうかを判定する。
以下、図10〜23を参照して、本実施形態に係る距離計算部33について詳細に説明する。図10〜18は、本実施形態に係る距離計算部33による距離rの測定処理を説明するための図である。また、図19〜23は、本実施形態に係る距離計算部33による障害物の判定処理を説明するための図である。
まず、距離計算部33による距離rの測定処理について説明する。図10は、遠方に光が投射された場合の理論上の像を示す図である。ここでは、赤外線投光器31(図7)が発した光が、X線診断装置200を中心とする半径無限大の球殻の内壁によって散乱される場合を(仮想的に)考える。この場合、図10に示すように、無限遠にある球殻内壁による散乱光の像51や、X線診断装置200自身による散乱光の像52、リフレクタ34の欠落部53が、カメラ32によって撮影される。
ここで、欠落部53については、カメラ32自身の像が写るだけであるので、後述する障害物の検出処理には不要である。そこで、距離計算部33は、図10に示すように、カメラ32の撮像面上で、X線診断装置200自身による散乱光の像52が撮影される範囲54(破線で囲まれた範囲)と、リフレクタ34の欠落部53を包含する範囲55(破線で囲まれた範囲)とを無視して処理を行う。なお、図10において、一点鎖線で示す円56は、(理論上の)無限遠からの散乱光の像51の位置を示している。
図11及び12は、室内に投射された光の像を例示する図である。図11及び12は、X線診断装置200が検査室に設置されているときに、カメラ32が捉える像の例である。なお、図11及び12では、理解を容易にするために、カメラ32から可視光遮断フィルタ32cを外して撮影した場合の像を示しているため、投射した赤外線の散乱光以外に、可視光による室内の情景が見えている。
図11に示すように、カメラ32によって、検査室の壁62や天井63、床64による散乱光の像61が撮影される。ここで、散乱光の像61は、壁62や天井63、床64の各平面で散乱されるため、図10に示した像51のように正円形ではなく、少しひずんだ形になる。このため、図12に示すように、散乱光61の位置を示す円66(一点鎖線で示す円)は、(理論上の)無限遠からの散乱光の位置を示す円56とはズレている。このズレから、散乱が生じた場所からカメラ32までの距離を測定することができる。
図13は、障害物がある場合の像の解釈を説明するための図である。図13は、検査室内に、新たに2つのワゴン41及び42が持ち込まれた場合の例を示している。ワゴン41及び42の像が著しく歪んでいるのは、リフレクタ34による反射像であるためである。図13に示すように、例えば、カメラ32によって撮影された像において、右側のワゴン42は撮影装置から遠い場所に置かれているため、衝突の恐れはない。しかし、左側のワゴン41は衝突の恐れがある場所に置かれている。図13における実線の円71、72、73内に示すように、投射された赤外線の散乱光の位置が、ワゴン41及び42がある場所で乱れているのが観察できる。なお、図13では、理解を容易にするために、カメラ32から可視光遮断フィルタ32cを外して撮影した場合の像を示しているため、投射した赤外線の散乱光以外に、可視光による室内の情景が見えている。
図14は、障害物がある場合の像を示す図である。図14は、図13に示した例と同じ状態で、カメラ32に可視光遮断フィルタ32cを取り付けた場合に、カメラ32によって撮影される赤外像を示している。図14に示す像では、可視光遮断フィルタ32cによって、投射した赤外線の散乱光のみが描出され、可視光による室内の情景は消えている。
図15は、極座標の導入を説明するための図である。図15に示すように、カメラ32によって撮影された散乱光の像は、極座標(r,θ)で表現することができる。ここで、前述したように、rは、カメラ32によって撮影される像の中心(光軸)からの距離であり、θは、任意の半直線からの角度である。
図16及び17は、カメラ32によって撮影された像を極座標で表現した場合の解釈を説明するための図である。図16に示すように、縦軸をr、横軸をθとすると、カメラ32によって撮影された像において、図10のように、無限遠へ投射した場合の(理論上の)の散乱光の像は、図16に一点鎖線で示すように直線56で表される。また、図13において、測定された散乱光の像は、図16に示すように、rがθに応じて変化する曲線66で表される。
また、カメラ32によって撮影された像の中で無視すべき範囲54及び55(図10を参照)は、それぞれ図16に斜線で示す領域に該当する。なお、本実施形態では、センサー部30は、Cアーム16の回転軸上に設けられているため、Cアーム16が回転している間はCアームと一緒に回転する。したがって、カメラ32の撮像面上で、無視すべき部分は常に一定になる。
本実施形態に係る距離計算部33は、このようなデータから、各θについて、カメラ32の撮像面上での散乱光Aの像と光軸との距離rを測定する。なお、図16において矢印で示す部分は、θに対してrが急激に変化している(すなわち、|dr/dθ|が大きい)部分である。この部分は、室内に置かれた物品や室内にいる人からの散乱光である可能性が高いと推定できる。そこで、例えば、距離計算部33は、このようなrが急激に変化している角度θだけに限定して検出処理を行うように構成することで、処理の処理速度を向上させ、障害物の検出までの応答時間を短縮することができる。
また、例えば、あらかじめ検査室内に障害物が何もない状態で測定された散乱物の像を基準にして、処理の対象とする部分を限定してもよい。例えば、図17において、細い実線で示す曲線81は、あらかじめ検査室内に障害物が何もない状態で測定された散乱物の像を示している。この像を基準として、これと検査時に測定された像(斜線模様の太い実線で示す曲線66)とを比較すると、差が大きい部分(矢印で示す部分)を容易に検出することができ、そして、これらの部分は、あらかじめ測定したときには存在しなかった、新たに室内に置かれた物品や室内にいる人からの散乱で生じたものであると推定できる。
そこで、例えば、距離計算部33は、あらかじめ検査室内に障害物が何もない状態で測定された散乱物の像との差が大きい部分のθだけに限定して処理を行うようにしてもよい。これにより、物体の検出速度を向上させることができる。なお、あらかじめ検査室内に障害物が何もない状態で測定された散乱物の像は、Cアーム16を停止した状態で測定されたものであってもよく、その場合、Cアーム16が回転している間は、その回転に応じて、あらかじめ測定された基準となる曲線もθの方向に移動させるようにする。
次に、距離計算部33による障害物の判定処理について説明する。
歪みの少ないカメラは、ピンホールカメラによって近似でき、そのピンホールの位置は「瞳点」と呼ばれる。そこで、以下、本実施形態に係るカメラ32の光学系をピンホールカメラで近似して扱う。図18は、ピンホールカメラで近似したカメラ32の光軸を含む平面における断面を示している。例えば、図18に示すように、本実施形態では、カメラ32の光軸及びリフレクタ34の光軸は、どちらも、Cアーム16の回転軸であるz軸と一致している。そして、カメラ32における撮像素子32aと瞳点Cとの間の距離をh、散乱光Aのカメラ32への入射角度をμ、カメラ32の撮像面上での散乱光Aの像と光軸との距離をrとすると、rは以下に示す式(1)を満たす。
ここで、距離hはカメラ32の構成によって決まる定数である。式(1)の関係から、カメラ32の撮像面上での散乱光Aの像と光軸との距離rを測定すれば、散乱光Aのカメラ32への入射角度μを算出できる。
なお、リフレクタ34は必ずしも円錐面で構成されるものでなくてもよく、例えば回転楕円体面等で構成されてもよい。円錐面で構成されたリフレクタに比べて、回転楕円体面で構成されたリフレクタを用いた場合、角度μを算出する上記の式(1)は、より複雑な式で置き換えなければならないが、小型のリフレクタでより広い範囲を撮影できるという利点がある。
図19及び20は、散乱物Pまでの距離Lの算出方法を説明するための図である。図19は、図17に示した断面図に赤外線投光器31を加え、さらに簡略化して記号を付したものである。なお、図19では、赤外線投光器31に記号Sを付し、リフレクタ34には記号Mを付している。ここでは、これらの記号を用いて説明する。図19に示すように、赤外線投光器Sが投射した赤外光Iが散乱物Pによって散乱され、その散乱光AがリフレクタMで反射して、カメラ32の瞳点Cに入射する。また、仮想的に無限遠からの散乱光Fを考えると、これもリフレクタMで反射して、カメラ32の瞳点Cに入射することになる。
また、瞳点CのリフレクタMによる像をC’とすると、散乱物Pによって散乱された散乱光Aは、散乱物PからC’への線分で表される。そして、赤外線投光器Sと像C’との間の距離をbとすると、散乱物Pまでの距離Lは、以下に示す式(2)で計算できる。
なお、一般的に、基線となるbが長いほど距離Lの測定精度は高くなる。ここで説明した本実施形態の構成では、赤外線投光器Sと瞳点Cとが近いにもかかわらず、bを比較的長くできることが利点である。
さらに、散乱物Pまでの距離Lの算出方法についてより詳細に説明する。図20は、図19に示した赤外線投光器S及び瞳点Cの近辺の拡大図である。例えば、図20に示すように、無限遠からの仮想的な散乱光Fとz軸との間の角度をα、リフレクタMとz軸との間の角度をβとすると、散乱光Aのカメラ32への入射角度μ、及び、散乱光Fのカメラ32への入射角度νは、それぞれ以下に示す式(3)及び(4)で算出できる。
そして、無限遠からの仮想的な散乱光Fと散乱物Pからの散乱光Aとの間の角度γは、以下に示す式(5)で算出できる。
また、リフレクタMの円錐面の頂点Oと赤外線投光器Sとの間の距離をs、頂点Oと瞳点Cとの間の距離をcとすると、赤外線投光器Sから像C’までの線分とz軸との間の角度δ、及び、赤外線投光器SとC’との間の距離bは、以下に示す式(6)及び(7)で算出できる。
そして、赤外線投光器Sから散乱物Pまでの距離Lは、以下に示す式(8)によって算出できる。
ここで、角度α、β、ν及びδ、距離s、c及びbは、いずれも定数である。したがって、カメラ32によって撮影された像から散乱光Aの入射角度μを測定すれば、距離Lが計算できることになる。なお、式(8)の代わりに近似式(2)を用いても、実用上充分な精度が得られる。このように、距離Lが簡単に算出できるのは、本実施形態において、赤外線投光器Sによって投射される赤外光が円錐面をなし、その円錐の軸(すなわち、赤外線投光器31の光軸)と、カメラ32及びリフレクタ34の光軸が全て一致しているためである。なお、これらが一致していない構成でも距離Lの算出は可能であるが、計算式は、より複雑になる。
図21は、散乱物が障害物となるか否かの判定を説明するための図である。上述した「散乱物Pまでの距離Lの算出方法」を用いれば、「物体からの散乱光の像の位置がカメラ32の撮像面上でどの半径R以下になったら衝突の危険があるか」を判定するための閾値Rを予め計算しておくことができる(図21に破線で示す直線R)。したがって、像の位置が閾値を越えたかどうかを判定するだけで、衝突の危険があるかどうかを判定することができる。なお、図21に示す矢印は、衝突の危険がある箇所を示している。
図22及び23は、衝突の危険があると判定する距離Lの範囲の設定を説明するための図である。例えば、図22に示すように、衝突の危険があると判定する距離Lの範囲(黒い太線の範囲)は、距離Lの上限値L1と下限値L2とで定義される。すなわち、散乱物Pまでの距離Lの値がL2≦L≦L1であった場合に、衝突の危険があると判定される。
例えば、図22に示すように、赤外線投光器31から投射される円錐面状の赤外光Iに対して、衝突の危険があると判定する距離Lの範囲は、「撮影ユニットが通過することが予定されているドーナツ状の空間Vを、Cアーム16の回転軸を含む平面で切った断面(網点を付した範囲)」を概ね近似するように設定するのが適切である。このとき、空間Vの最前面(二点鎖線で示す面)と床面Wとの交点付近と、赤外線投光器31とを結ぶ直線が投射面に含まれるようにし、その直線上で赤外線投光器31から空間Vの最外側(破線で示す位置)に至る程度の距離を上限値Lに設定するのが適切である。
ここで、上述した「散乱物Pまでの距離Lの算出方法」を用いれば、カメラ32の撮像面上で、図22に示す上限値L1に対応する閾値R1と、下限値L2に対応する閾値R2とをそれぞれ求めることができる。そして、距離計算部33は、これらの2つの閾値を用いて、カメラ32の撮像面上で散乱光Aの像と光軸との距離rが閾値R1と閾値R2との間になった場合に、衝突の危険があると判定する。なお、距離Lの範囲の設定は、これら閾値R1と閾値R2とを適宜に変更することで、どのようにも設定できる。
また、例えば、図23に示すように、上限値L1(外側の黒い太線で示す)をθごとに異なるように設定してもよい。なお、図23に示す例では、下限値L2(内側の黒い太線で示す)はθごとに一定としているが、この下限値L2についても、θごとに異なるように設定してもよい。これにより、衝突の危険があると判定する距離Lの範囲をθごとに変えることができる。
距離計算部33は、Cアーム16の回転が開始される前に、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定する。例えば、距離計算部33は、Cアーム16の回転が開始される前に障害物を検知した場合には、Cアーム16の回転を行わないように制御する。
また、距離計算部33は、Cアーム16が回転している間も、同様に障害物が存在するか否かを判定する。そして、距離計算部33は、障害物が存在すると判定した場合には、Cアーム16を直ちに停止するように制御する。これにより、Cアーム16が回転している間に、検査室内に置かれた物品が移動されたり、医師や看護師などの人が移動したりした場合でも、それらの物品及び人が衝突する恐れがあれば、ただちにCアーム16を停止させることが可能になる。
(本発明の実施形態の効果)
上述したように、本実施形態に係るセンサー部30は、Cアーム16が回転動作する回転軸上又は回転軸の近傍に設けられ、周辺に存在する物体を検出する。そして、距離計算部33は、検出した物体の位置に基づいて、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定し、障害物が存在すると判定した場合に、Cアーム16の回転を停止させる信号をシステム制御部26へ送る。本実施形態によれば、センサー部30がCアーム16の回転軸又は回転軸の近傍に設けられることで、障害物へ投射する光の光路が確保されるので、センサー部30を常時確実に動作させることができる。これにより、障害物との衝突をより確実に防ぐごとができる。
さらに、本実施形態では、センサー部30は、Cアーム16の回転軸上に設けられるので、Cアーム16の回転動作中でも、センサー部30の視野の必要な部分がX線診断装置200自身によって妨げられることがない。しかも、センサー部30がCアーム16と一緒に回転するので、カメラ32の撮像面上で、無視すべき部分(図12の範囲54及び55)が常に一定になる。これにより、距離計算部33による画像処理が容易になるので、センサー部30の応答を高速にできる。
また、本実施形態では、赤外線投光器31とカメラ32とを用いて、散乱物までの距離を測定するので、障害物の検出感度が良く、しかも誤報を少なくすることができる。
また、本実施形態では、赤外線投光器31及びカメラ32は、それぞれの光軸が一致するように設けられるので、センサー部30が小型化でき、かつ距離計算が簡単になる。
また、本実施形態では、赤外線投光器31は、X線診断装置200の周辺に円錐面状の赤外光を投射するので、回転動作前の静止状態においても障害物の見落としが少ない。さらに、カメラの捉える映像の画像処理が簡単なので、センサー部30の応答が高速にできる。
また、本実施形態では、カメラ32は、散乱光をカメラに導くためのリフレクタを有するので、センサー部30に必要な円環状の広い視野を有するカメラを安価に構成できるうえ、距離を測定するための基線(図19の線分SC’)を長くすることができる。
また、本実施形態では、距離計算部33は、Cアーム16の回転が開始される前に、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定するので、衝突の直前になって障害物を検知するのではなく、運動に先立って、予定される運動の軌道上にある障害物を予め検知できるので、検査の中断を発生させることが少なく、無駄な被曝や造影剤投与を予防することができる。
以上、X線診断装置の実施形態について説明した。以下では、上記実施形態で説明したX線診断装置200に関する各種の変形例について説明する。
(本発明の実施形態に関する変形例の説明)
(第1の変形例)
上記実施形態では、リフレクタ34を有するカメラ32を用いた場合について説明したが、例えば、広角レンズ(魚眼レンズ)を有するカメラを用いてもよい。広角カメラを用いることで、センサー部30を小型化しやすくなる。
(第2の変形例)
上記実施形態では、センサー部30が距離計算部33を備える場合について説明したが、例えば、距離計算部33が行うこととして説明した処理をシステム制御部26が行うようにしてもよい。この場合には、システム制御部26は、カメラ32によって撮影された画像を入力し、入力した画像に映し出された散乱光の像を用いて物体までの距離を算出する。そして、システム制御部26は、算出した距離に基づいて、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定し、障害物が存在すると判定した場合には、Cアーム16の回転を停止させる。
(第3の変形例)
例えば、システム制御部26が、少なくともX線管12及びX線検出器15の移動範囲内に存在すると判定された障害物の方向を示す情報を表示部(図5の表示部25)に表示させてもよい。この場合には、距離計算部33が、障害物が存在すると判定した場合に、信号だけでなく、カメラ32によって撮影された画像もシステム制御部26へ送る。そして、システム制御部26は、障害物の方向を示す情報を表示部(図5の表示部25)に表示させる。
図24は、第3の変形例に係る障害物の表示を説明するための図である。例えば、図24に示すように、システム制御部26は、カメラ32によって撮影された映像に、障害物が存在する方向を表す線状の標示91をCG(Computer Graphics)で追加して、表示部25に表示させる。このとき、システム制御部26は、線の色や太さによって衝突の危険性の確からしさを表現するようにしてもよい。
例えば、システム制御部26は、図21に示した閾値Rに加えて、閾値Rより大きい閾値RAと、閾値RAより大きい閾値RBとを用いる。そして、システム制御部26は、検出した散乱光の像の位置が閾値RB以下であった場合には、色C1(例えば、黄色)で標示91を表示させ、散乱光の像の位置が閾値RA以下であった場合には、色C2(例えば、オレンジ色)で標示91を表示させる。さらに、システム制御部26は、検出した散乱光の像の位置が閾値R以下であった場合には、色C3(例えば、赤色)で標示91を表示させるように表示部25を制御する。
つまり、この例では、標示91の色は、C1、C2、C3の順で、障害物が衝突する危険が高いことを示す。図24に示す例は、「確実に衝突するとまでは言えないが、衝突の危険は否定できない」という程度を表すために標示91を色C1で表示した状態を示している。操作者がこの表示を見れば、「撮影ユニットから患者を眺める方向で見たときに左側に障害物がある」ということを直感的に理解できる。
X線診断装置200の操作者は、衝突の危険性がある障害物が検出された場合には、その障害物を排除しなくてはならない。ここで説明したように、カメラが捉えた映像、あるいはそれを加工した映像を提示して障害物がある方向を操作者に知らせることで、操作者が、容易に障害物を発見して処置できるようになる。
(第4の変形例)
なお、障害物の方向を示す情報を表示する表示部は、必ずしも、システム制御部26によって制御される必要はない。図25は、第4の変形例に係る表示部を示すブロック図である。図25に示すように、障害物表示部37は、距離計測部33に接続される。そして、障害物表示部37は、検出された障害物の方向を示す情報を距離計測部33から取得し、取得した情報に基づいて、障害物の方向を示す方向を表示する。
例えば、障害物表示部37は、X線診断装置200において、X線管12、X線検出器15及びCアーム16を含む撮影ユニットに設けられる。図26は、第4の変形例に係る表示部の一例を示す図である。例えば、図26に示すように、障害物表示部37は、円形の簡易なディスプレイであり、Cアーム16に取り付けられたセンサー部30のセンサー保持部36に設けられる。そして、障害物表示部37は、距離計測部33から取得した情報に基づいて、障害物として判定された物体が検出された方向に点状の標示92を表示させる。もちろん、第3の変形例と同様に、障害物が衝突する危険の高さに応じて表示の色などを変えるように構成してもよい。
このような障害物表示部37を撮影ユニットに適切な向きで取り付けることによって、操作者が障害物の位置を直感的に認識できるようになる。そして、操作者が、障害物表示部37によって示された方向を目視で確認して障害物を発見し、その障害物を取り除くと、センサー部30は障害物を検知しなくなるので、障害物表示部37には何も表示されなくなる。これにより、操作者は、障害物を適切に取り除けたことを確認できる。
(第5の変形例)
一般的に、X線診断装置の撮影ユニットは、X線管12とX線検出器15との間の距離を調整するために、X線管12及びX線検出器15の一方又は両方を移動させる機構を有する。この機構によってX線管12やX線検出器15が移動されると、撮影ユニット全体の形が変わるため、撮影ユニットが通過することが予定されている空間Vの形状も変化することになる。そこで、赤外線投光器31が、撮影ユニットの姿勢の変化に合わせて、赤外光の投射方向を調節する機構を備えてもよい。
図27及び28は、第5の変形例に係る赤外光の投射方向の調節機構の一例を説明するための図である。例えば、図27の(a)に示すように、X線管12に近付くようにX線検出器15が移動された場合には、X線検出器15の移動にともなって、図27の(b)に示すように、ドーナツ状の空間Vも内側に向かって移動する。この場合には、赤外線投光器31は、空間Vの移動に合わせて、Cアーム16の内側に向かって投射方向を移動させる(図27の(b)に示す矢印を参照)。
図28は、このような赤外光の投射方向の調節機構を有する場合の赤外線投光器31の構成例を示す断面図である。例えば、図28に示すように、赤外線投光器31は、光源31a及びスリット31bを有し、光源31aとスリット31bとの相対位置を動かすことで、赤外光の投射方向の調節を行う構造を有する。なお、図28では、光源31aを動かすようにした例を示しているが、スリット31bを動かすようにしてもよいし、両方を動かすようにしてもよい。
このように、赤外光の投射方向を調整可能とすることで、撮影ユニットが姿勢を変えた際に、衝突が起こりうる場所が変化した場合でも、それに伴って赤外光の投射角度を変えることができる。なお、投射方向の調節機能としては、スリットに限らず、例えば、リング状のレンズを用いることもできる。
さらに、距離計算部33が、撮影ユニットの姿勢の変化に合わせて、衝突の危険があると判定する距離Lの範囲を変えるようにしてもよい。具体的には、距離計算部33は、X線管12やX線検出器15の移動量から空間Vの大きさを計算し、空間Vの大きさに応じて、距離Lの上限値L1及び下限値L2を決定する。そして、距離計算部33は、決定した上限値L1及び下限値L2から、衝突の判定に用いられる閾値R1及び閾値R2を算出し、衝突の判定に用いられる閾値として設定する。これにより、撮影ユニットの姿勢の変化に応じて、衝突の判定が適切に行われるようになる。
(第6の変形例)
例えば、赤外線投光器として、複数の円錐面状の赤外光を投射するものを用いてもよい。図29〜31は、第6の変形例に係る赤外線投光器の一例を示す図である。例えば、図29に示すように、複数の円錐面状の赤外光Iを投射することが可能な赤外線投光器131が用いられてもよい。この赤外線投光器131が用いられた場合には、図30に示すように、複数の散乱光151の像がカメラ32によって撮影される。なお、赤外光の形状は必ずしも円錐面状に限られず、例えば多数の細いビームなど、他の形状であってもよい。
このように、赤外光を投射することによって、衝突が起こりうる空間Vの中で、障害物を検出できる範囲を拡げることができるので、障害物の検出性能を向上させることができる。すなわち、衝突の恐れがある障害物を検出する能力を高め、かつ、誤報(衝突の危険がないのに危険であると判定してしまうこと)を減らすことができる。
そして、複数の円錐面状の赤外光を投射する赤外線投光器131を用いた場合には、図31に示すように、各赤外光Iについて、衝突の危険があると判定する距離Lのレンジ(黒い太線の範囲)は、撮影ユニットが通過することが予定されているドーナツ状の空間V(網点を付した範囲)を概ね近似するように設定するのが望ましい。なお、図31では、4本の赤外光Iのみを示している。各赤外光Iについて、距離Lのレンジの設定は、前述した閾値R1及び閾値R2を赤外光Iごとに設定することで設定可能である。また、円錐面状の赤外光の投射方向は、前述したように、投光器の内部機構によって調節可能であるように構成してもよい。
ここで、複数の赤外光を投射する赤外線投光器としては、各種の構成のものを用いることができる。図32〜33は、第6の変形例に係る赤外線投光器の構成例を示す図である。例えば、図32に示すように、3本の円錐面状の赤外光を投射する赤外線投光器231が用いられる。この場合、例えば、図33に示すように、赤外線投光器231は、内部に複数の光源231a、231b及び231cと、円錐面状の集光レンズ231dとを有する。そして、例えば、赤外線投光器231は、3つの光源から放射される赤外光をそれぞれ同時に、又は、交互に、集光レンズ231dを介して放射する。
このように、複数の光源を用いる構成にすると、仮にひとつの光源が故障しても、センサー部の機能が完全に失われてしまうということがないという利点がある。また、複数の光源がそれぞれ時間的に交互に円錐面状の赤外光を投射するように構成すると、カメラの撮像面上で、常に1本だけの円錐面状の散乱光の像が写るので、散乱光の像に基づいて散乱物までの距離を測定する処理が簡単(従って、安価で高速)になるという利点がある。
また、例えば、図34に示すように、プロジェクタと円錐鏡を使った赤外線投光器331を用いることもできる。この赤外線投光器331は、プロジェクタ331aと、円錐鏡331bと、光源331cと、集光レンズ331dと、映写レンズ331eと、パターン331fとを有する。光源331cによって発生した赤外光は、集光レンズ331d、パターン331f及び映写レンズ331eを介してプロジェクタ331aから放射され、その後、円錐鏡331bで反射されることで、所定の投射方向に投光される。
ここで、パターン331fは、投射したい赤外光の形状を決める「スライド」であり、図35に示すように、例えばリング状のスリット331gを有する。つまり、パターン331fを異なる形状のスリットを有するものに差し替えることによって、投射される赤外光を任意の形状に形成することができる。また、パターン331fは、一般的なプロジェクタに用いられるような動的な光モジュレータデバイス、すなわち液晶スクリーンやDMD(Dynamic Mirror Device)であってもよい。動的な光モジュレータを使えば、投射される光の形状(リングの本数や投射する角度、あるいはリング以外のパターン)を随時電気的に形成できるという利点がある。
(第7の変形例)
上記実施形態では、赤外線投光器31及びカメラ32が、それぞれの光軸が一致するように設けられる場合の例を示したが、赤外線投光器及びカメラの配置例はこれに限られない。図36及び37は、第7の変形例に係るセンサー部430を示す図である。例えば、図36に示すように、X線診断装置200は、Cアーム16の回転軸であるz軸上に設けられたセンサー部430を有する。
そして、この例では、図37に示すように、センサー部430において、赤外線投光器431及びカメラ432は、X線管12とX線検出器15とを結ぶ直線の方向にずらして配置される。このように、赤外線投光器431及びカメラ432を配置することで、前述した基線となる距離bの長さを大きくすることができる。これにより、特にX線管12やX線検出器15の近辺にある散乱物までの距離の測定精度を高めることが可能になる。さらに、X線診断装置200の回転軸z近辺に生じる突出物について、突出する寸法を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、赤外線投光器を用いた場合の例を示したが、物体を検出するための光は赤外線に限られない。例えば、赤外線投光器の代わりに、可視光を投射する投光器が用いられてもよい。可視光を用いると、衝突の危険がある物体がX線診断装置200の近くにある場合に、操作者が投射した光の散乱を目視で見つけられるので、その物体を識別して撤去する作業をすばやく行うことができるという利点がある。
なお、可視光を用いる場合には、カメラが捉える像のうち、散乱された光の像と、室内照明による光の像(これはノイズ成分となる)とを区別する必要があるので、カメラが捉えた像の画像処理(ノイズ除去処理)が煩雑になりやすい。そのため、障害物の検出処理をできるだけ単純にするためには、通常は検査室には見られない色(例えば赤色・緑色などの彩度の高い色)の明るい光を投射するか、あるいは可視光と赤外光を混合した光を投射するように構成し、カメラにはその光を通す狭帯域のカラーフィルタを取り付けるのが望ましい。
また、例えば、投光器から非可視光を投射して障害物を検出し、障害物が検出された場合に、投光器から可視光を投射するようにしてもよい。障害物が検出された際に可視光を投射することで、投射が行われたということ自体によって、操作者が「衝突の危険がある障害物が検知された」ということを瞬時に直感的に認識することができる。そして、操作者は、その障害物による光の散乱を目視で見つけられるので、その障害物を識別して撤去する作業をすばやく行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
200 X線診断装置
16 Cアーム
17 Cアーム回転・移動機構
26 システム制御部
30 センサー部

Claims (12)

  1. X線源及びX線検出器を対向させて保持するアームと、
    前記X線源と前記X線検出器との間を通る回転軸を中心に前記アームを回転させるアーム回転機構と、
    前記回転軸上又は該回転軸の近傍に設けられ、周辺に存在する物体を検出するセンサー部と、
    前記センサー部によって検出された前記物体の位置に基づいて、少なくとも前記X線源及び前記X線検出器の移動範囲内に障害物が存在するか否かを判定し、該障害物が存在すると判定した場合に、前記アームの回転を停止させる距離計算部と、
    を備えたことを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記センサー部は、前記アームの前記回転軸上に設けられることを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記センサー部は、周辺に光を投射する投光器と、前記投光器によって投射された光が前記物体によって散乱された散乱光を撮影するカメラとを有し、
    前記距離計算部は、前記カメラの撮像面上での前記散乱光の像と光軸との距離を測定し、測定した距離に基づいて、前記移動範囲内に前記障害物が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線診断装置。
  4. 前記投光器と前記カメラとは、それぞれの光軸が一致するように設けられることを特徴とする請求項3に記載のX線診断装置。
  5. 前記投光器は、円錐面状の光を投射することを特徴とする請求項3又は4に記載のX線診断装置。
  6. 前記投光器は、複数の円錐面状の光を投射することを特徴とする請求項3又は4に記載のX線診断装置。
  7. 前記投光器は、多数の細いビームを投射することを特徴とする請求項3又は4に記載のX線診断装置。
  8. 前記カメラは、前記散乱光を撮影するためのリフレクタを有することを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つに記載のX線診断装置。
  9. 前記投光器は、可視光を投射することを特徴とする請求項3〜8のいずれか一つに記載のX線診断装置。
  10. 前記距離計算部は、前記アームの回転が開始される前に、前記移動範囲内に前記障害物が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のX線診断装置。
  11. 前記距離計算部によって前記移動範囲内に存在すると判定された障害物の方向を示す情報を表示する表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のX線診断装置。
  12. 前記表示部は、前記X線源、前記X線検出器及び前記アームを含む撮影ユニットに設けられることを特徴とする請求項11に記載のX線診断装置。
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