JP2014096665A - 自立構成型アレーアンテナシステム及びアレーアンテナ構成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の移動通信端末を用いて、アレーアンテナを構築することができるようにする。
【解決手段】自己及び他の移動通信端末2をアレーアンテナとして使用する場合、アンテナ調整部16が、測位処理部13により測位された自己の位置及び測位時刻と、測位情報送受信部15により受信された測位情報が示す他の移動通信端末2の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナ11の位相及び信号強度を調整するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】自己及び他の移動通信端末2をアレーアンテナとして使用する場合、アンテナ調整部16が、測位処理部13により測位された自己の位置及び測位時刻と、測位情報送受信部15により受信された測位情報が示す他の移動通信端末2の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナ11の位相及び信号強度を調整するように構成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、複数の移動通信端末をアレーアンテナとして構成する自立構成型アレーアンテナシステム及びアレーアンテナ構成方法に関するものである。
自律的に確立され、かつ、送信元と送信先の間で無線通信が行なわれる無線ネットワークを構成する無線装置が、以下の特許文献1に開示されている。
各々の無線装置は、無線ネットワークを構成している他の無線装置の絶対位置を示す絶対位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、その位置情報記憶手段に記憶された絶対位置情報を参照して、無線通信の遮断に繋がる特定の通信距離以上離れている他の無線装置を除外して、無線通信を行う通信手段とを備えている。
ただし、複数の無線装置が構成している無線ネットワークは、アレーアンテナとして動作するものではなく、あくまでも、各々の無線装置が無線通信を行うネットワークである。
各々の無線装置は、無線ネットワークを構成している他の無線装置の絶対位置を示す絶対位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、その位置情報記憶手段に記憶された絶対位置情報を参照して、無線通信の遮断に繋がる特定の通信距離以上離れている他の無線装置を除外して、無線通信を行う通信手段とを備えている。
ただし、複数の無線装置が構成している無線ネットワークは、アレーアンテナとして動作するものではなく、あくまでも、各々の無線装置が無線通信を行うネットワークである。
従来の無線装置は以上のように構成されているので、互いに無線通信が可能な無線装置の集まりである無線ネットワークを自動的に構築することができるが、複数の無線装置が自立的にアレーアンテナを構成するものではない。このため、例えば、災害時などのように、既設の通信インフラ経由で無線通信を行えない状況になっても、複数の無線装置をアレーアンテナとして使用して、通常通信が不可能な相手(例えば、通信衛星、飛行機など)と無線通信を行えるようにすることができない課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の移動通信端末を用いて、アレーアンテナを構築することができる自立構成型アレーアンテナシステム及びアレーアンテナ構成方法を得ることを目的とする。
この発明に係る自立構成型アレーアンテナシステムは、各々の移動通信端末が、複数の測位用衛星から発信される電波を受信し、その電波から自己の位置を測位するとともに、自己の位置の測位時刻を特定する測位手段と、自己と通信可能な他の移動通信端末を探索し、測位手段により測位された自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を自己と通信可能な他の移動通信端末に送信する一方、自己と通信可能な他の移動通信端末から測位情報を受信する測位情報送受信手段と、自己及び他の移動通信端末をアレーアンテナとして使用する場合、測位手段により測位された自己の位置及び測位時刻と、情報送受信手段により受信された測位情報が示す他の移動通信端末の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナの位相及び信号強度を調整するアンテナ調整手段とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、自己及び他の移動通信端末をアレーアンテナとして使用する場合、アンテナ調整手段が、測位手段により測位された自己の位置及び測位時刻と、情報送受信手段により受信された測位情報が示す他の移動通信端末の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナの位相及び信号強度を調整するように構成したので、複数の移動通信端末を用いて、アレーアンテナを構築することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による自立構成型アレーアンテナシステムを示す構成図である。
図1において、測位用衛星1a,1bは地球の上空の軌道上を巡回し、衛星位置(緯度、経度、高度、傾き)や時刻などの情報を重畳している電波を発信するGPS(Global positioning system)衛星である。
図1では、測位用衛星1の数が2個である例を示しているが、3個以上の測位用衛星1が電波を発信するようにしてもよい。
図1はこの発明の実施の形態1による自立構成型アレーアンテナシステムを示す構成図である。
図1において、測位用衛星1a,1bは地球の上空の軌道上を巡回し、衛星位置(緯度、経度、高度、傾き)や時刻などの情報を重畳している電波を発信するGPS(Global positioning system)衛星である。
図1では、測位用衛星1の数が2個である例を示しているが、3個以上の測位用衛星1が電波を発信するようにしてもよい。
移動通信端末2a〜2jは例えばスマートホン等の携帯電話、PHS、タブレット型PCなどの持ち運び可能な通信端末が該当し、災害等が発生していない通常時は、無線基地局3などの既設の通信インフラを通じて、他の移動通信端末や固定端末などと無線通信を実施するが、相互に通信可能な移動通信端末2a〜2jの間で、自律的にアレーアンテナを構築する機能を有しており、災害等が発生して、無線基地局3と無線通信を実施することができない場合には、アレーアンテナとして動作することで、通常時は直接的に通信を行うことが不可能な通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)との通信が行えるようにするものである。
図2はこの発明の実施の形態1による自立構成型アレーアンテナシステムの移動通信端末2a〜2jを示す構成図である。
この実施の形態1では、移動通信端末2a〜2jが携帯電話であるものとして説明するが、図2では、携帯電話の一般的な構成部分については省略している。
図2において、GPS受信機12はアンテナ11が測位用衛星1a,1bから発信された電波を受信すると、その電波を復調する処理を実施する。
この実施の形態1では、移動通信端末2a〜2jが携帯電話であるものとして説明するが、図2では、携帯電話の一般的な構成部分については省略している。
図2において、GPS受信機12はアンテナ11が測位用衛星1a,1bから発信された電波を受信すると、その電波を復調する処理を実施する。
測位処理部13は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、GPS受信機12により復調された電波に重畳されている測位用衛星1a,1bの位置や時刻から、自己の位置(緯度、経度、高度、傾き)(移動通信端末が移動通信端末2aであれば、移動通信端末2aの位置)を測位するとともに、自己の位置の測位時刻を特定する処理を実施する。
なお、アンテナ11、GPS受信機12及び測位処理部13から測位手段が構成されている。
なお、アンテナ11、GPS受信機12及び測位処理部13から測位手段が構成されている。
メモリ14は例えばRAMやハードディスクなどから構成されており、測位処理部13により測位された自己の位置及び測位時刻を示す測位情報のほか、他の移動通信端末2から送信された測位情報を記憶する記憶媒体である。
測位情報送受信部15は例えば送受信機から構成されており、自己と通信可能な他の移動通信端末2を探索し、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を自己と通信可能な他の移動通信端末2に送信する一方、自己と通信可能な他の移動通信端末2から送信された測位情報を受信して、その測位情報をメモリ14に格納する処理を実施する。なお、測位情報送受信部15は測位情報送受信手段を構成している。
測位情報送受信部15は例えば送受信機から構成されており、自己と通信可能な他の移動通信端末2を探索し、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を自己と通信可能な他の移動通信端末2に送信する一方、自己と通信可能な他の移動通信端末2から送信された測位情報を受信して、その測位情報をメモリ14に格納する処理を実施する。なお、測位情報送受信部15は測位情報送受信手段を構成している。
アンテナ調整部16は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、移動通信端末2a〜2jの全部又は一部をアレーアンテナとして使用する場合、通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)と無線通信を実施するためのアンテナパターンを形成するために、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報と、他の移動通信端末2から送信された測位情報とにしたがって、自己のアンテナ11の位相及び信号強度を調整する制御回路である。なお、アンテナ調整部16はアンテナ調整手段を構成している。
情報送信部17は例えば送信機などから構成されており、任意の情報を自己と通信可能な他の移動通信端末2に送信したのち、他の移動通信端末2と一緒にアレーアンテナとして動作して、通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)に対する上記情報の送信処理を行う。なお、情報送信部17は情報送信手段を構成している。
図3はこの発明の実施の形態1による自立構成型アレーアンテナシステムの移動通信端末2a〜2jの処理内容(アレーアンテナ構成方法)を示すフローチャートである。
図3はこの発明の実施の形態1による自立構成型アレーアンテナシステムの移動通信端末2a〜2jの処理内容(アレーアンテナ構成方法)を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
測位用衛星1a,1bは、地球の上空の軌道上を巡回しており、衛星位置(緯度、経度、高度、傾き)や正確な時刻などを示す情報を重畳している電波(GPS信号)を発信する。
移動通信端末2a〜2jのGPS受信機12は、アンテナ11が測位用衛星1a,1bから送信された電波を受信すると、その電波を復調する(図3のステップST1)。
測位用衛星1a,1bは、地球の上空の軌道上を巡回しており、衛星位置(緯度、経度、高度、傾き)や正確な時刻などを示す情報を重畳している電波(GPS信号)を発信する。
移動通信端末2a〜2jのGPS受信機12は、アンテナ11が測位用衛星1a,1bから送信された電波を受信すると、その電波を復調する(図3のステップST1)。
移動通信端末2a〜2jの測位処理部13は、GPS受信機12が測位用衛星1a,1bから発信された電波を復調すると、その電波に重畳されている測位用衛星1a,1bの位置(緯度、経度、高度、傾き)や時刻から、自己の位置(緯度、経度、高度、傾き)を測位するとともに、自己の位置の測位時刻を特定し、自己の位置及び測位時刻を示す測位情報をメモリ14に格納する(ステップST2)。
測位用衛星1a,1bから発信された電波から、移動通信端末2a〜2jの位置を測位する方法は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
なお、移動通信端末2a〜2jの高度や傾きについては、測位用衛星1a,1bの位置(緯度、経度、高度、傾き)や時刻から求めるようにしてもよいが、高度センサーや傾きセンサーを別に備えて、高度センサーや傾きセンサーの測定結果から求めるようにしてもよい。
測位用衛星1a,1bから発信された電波から、移動通信端末2a〜2jの位置を測位する方法は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
なお、移動通信端末2a〜2jの高度や傾きについては、測位用衛星1a,1bの位置(緯度、経度、高度、傾き)や時刻から求めるようにしてもよいが、高度センサーや傾きセンサーを別に備えて、高度センサーや傾きセンサーの測定結果から求めるようにしてもよい。
移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、測位処理部13が自己の位置及び測位時刻を示す測位情報をメモリ14に格納すると、自己と通信可能な他の移動通信端末2を探索する(ステップST3)。
具体的には、以下に示すような処理を実施することで、自己と通信可能な他の移動通信端末2を探索することができる。ただし、この探索処理は一例に過ぎず、これに限るものではない。
具体的には、以下に示すような処理を実施することで、自己と通信可能な他の移動通信端末2を探索することができる。ただし、この探索処理は一例に過ぎず、これに限るものではない。
移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、事前に決められている端末探索用のコール信号を発信する。コール信号は、発信元の移動通信端末2のIDを含んでいるものとする。
移動通信端末2a〜2jから発信されたコール信号を受信することができた他の移動通信端末2の測位情報送受信部15は、そのコール信号に対する応答信号(他の移動通信端末2のIDを含んでいる応答信号)を返信する。
移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、他の移動通信端末2からコール信号に対する応答信号を受信すると、その応答信号に含まれている他の移動通信端末2のIDを認識することで、その移動通信端末2は自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識する。
移動通信端末2a〜2jから発信されたコール信号を受信することができた他の移動通信端末2の測位情報送受信部15は、そのコール信号に対する応答信号(他の移動通信端末2のIDを含んでいる応答信号)を返信する。
移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、他の移動通信端末2からコール信号に対する応答信号を受信すると、その応答信号に含まれている他の移動通信端末2のIDを認識することで、その移動通信端末2は自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識する。
移動通信端末2a〜2jの位置関係が図1の場合、例えば、移動通信端末2aは、周辺に位置している移動通信端末2b,2c,2dからは、コール信号に対する応答信号を受信することができるため、移動通信端末2b,2c,2dは自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識することができる。
しかし、移動通信端末2e〜2jは、移動通信端末2aの位置から遠いため、移動通信端末2a〜2jから発信されたコール信号を受信することができず、そのコール信号に対する応答信号を返信することができない。
このため、移動通信端末2aは、移動通信端末2e〜2jは自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識することができない。
しかし、移動通信端末2e〜2jは、移動通信端末2aの位置から遠いため、移動通信端末2a〜2jから発信されたコール信号を受信することができず、そのコール信号に対する応答信号を返信することができない。
このため、移動通信端末2aは、移動通信端末2e〜2jは自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識することができない。
したがって、移動通信端末2aは、移動通信端末2b〜2jの中で、自己と通信可能な他の移動通信端末2は移動通信端末2b,2c,2dであると認識することになるが、以下に示すように、自己と通信可能な他の移動通信端末2を拡張するようにしてもよい。
[拡張方法1]
移動通信端末2aの測位情報送受信部15は、事前に決められている端末探索用のコール信号を発信する。
移動通信端末2aから発信されたコール信号を受信することができた他の移動通信端末2b,2c,2dの測位情報送受信部15は、自己のIDの他に、自己と通信可能な他の移動通信端末2のIDを含んでいる応答信号を移動通信端末2aに返信する。
例えば、移動通信端末2aから発信されたコール信号を受信することができた他の移動通信端末2が移動通信端末2bである場合、周辺に位置している移動通信端末2d,2fと通信が可能であるため、自己のIDの他に、移動通信端末2d,2fのIDを含んでいる応答信号を移動通信端末2aに返信する。
移動通信端末2aの測位情報送受信部15は、事前に決められている端末探索用のコール信号を発信する。
移動通信端末2aから発信されたコール信号を受信することができた他の移動通信端末2b,2c,2dの測位情報送受信部15は、自己のIDの他に、自己と通信可能な他の移動通信端末2のIDを含んでいる応答信号を移動通信端末2aに返信する。
例えば、移動通信端末2aから発信されたコール信号を受信することができた他の移動通信端末2が移動通信端末2bである場合、周辺に位置している移動通信端末2d,2fと通信が可能であるため、自己のIDの他に、移動通信端末2d,2fのIDを含んでいる応答信号を移動通信端末2aに返信する。
移動通信端末2aの測位情報送受信部15は、移動通信端末2bからコール信号に対する応答信号を受信すると、その応答信号に含まれている移動通信端末2b,2d,2fのIDを認識することで、その移動通信端末2b,2d,2fは自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識する。
移動通信端末2fは移動通信端末2aの周辺に位置していないため、移動通信端末2aは、直接的に移動通信端末2fと測位情報を送受信することができないが、移動通信端末2bを経由すれば、間接的に移動通信端末2fと測位情報を送受信することができるため、移動通信端末2fを自己と通信可能な他の移動通信端末2として取り扱うようにする。
移動通信端末2fは移動通信端末2aの周辺に位置していないため、移動通信端末2aは、直接的に移動通信端末2fと測位情報を送受信することができないが、移動通信端末2bを経由すれば、間接的に移動通信端末2fと測位情報を送受信することができるため、移動通信端末2fを自己と通信可能な他の移動通信端末2として取り扱うようにする。
この実施の形態1では、説明の便宜上、移動通信端末2a〜2fが、相互に通信可能な1つの端末グループであって、移動通信端末2g〜2jが、相互に通信可能な1つの端末グループであるものとして、以下の説明を行う。
移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、上記のようにして、自己と通信可能な他の移動通信端末2を探索すると、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を自己と通信可能な他の移動通信端末2に送信する(ステップST4)。
また、移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、自己と通信可能な他の移動通信端末2から送信された測位情報を受信して、その測位情報をメモリ14に格納する(ステップST5)。
また、移動通信端末2a〜2jの測位情報送受信部15は、自己と通信可能な他の移動通信端末2から送信された測位情報を受信して、その測位情報をメモリ14に格納する(ステップST5)。
例えば、移動通信端末2aの場合、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を移動通信端末2b〜2fに送信し、移動通信端末2b〜2fから送信された測位情報を受信する。ただし、移動通信端末2e,2fとの測位情報の送受信は、移動通信端末2d又は移動通信端末2bを介して行う。
また、移動通信端末2jの場合、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を移動通信端末2g〜2iに送信し、移動通信端末2g〜2iから送信された測位情報を受信する。ただし、移動通信端末2hとの測位情報の送受信は、移動通信端末2g又は移動通信端末2iを介して行う。
また、移動通信端末2jの場合、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を移動通信端末2g〜2iに送信し、移動通信端末2g〜2iから送信された測位情報を受信する。ただし、移動通信端末2hとの測位情報の送受信は、移動通信端末2g又は移動通信端末2iを介して行う。
移動通信端末2a〜2fのアンテナ調整部16は、例えば、災害時など、既設の通信インフラである無線基地局3経由での通信が不可能な状態になると、通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)との無線通信を可能にするアンテナパターンを形成するために、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報と、他の移動通信端末2から送信された測位情報とにしたがって、自己のアンテナ11の位相及び信号強度を調整して、移動通信端末2a〜2fをアレーアンテナとして動作できるようにする(ステップST6)。
また、移動通信端末2g〜2jのアンテナ調整部16は、例えば、災害時など、既設の通信インフラである無線基地局3経由での通信が不可能な状態になると、通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)との無線通信を可能にするアンテナパターンを形成するために、メモリ14により記憶されている自己の位置及び測位時刻を示す測位情報と、他の移動通信端末2から送信された測位情報とにしたがって、自己のアンテナ11の位相及び信号強度を調整して、移動通信端末2g〜2jをアレーアンテナとして動作できるようにする(ステップST6)。
以下、移動通信端末2a〜2fをアレーアンテナとして動作できるようにする場合の処理内容を具体的に説明する。
移動通信端末2a〜2fのアンテナ調整部16は、例えば、無線基地局3との情報交換が正常に行えているか否かを監視し、無線基地局3との情報交換が、所定時間以上途絶えると、無線基地局3経由での通信が不可能な状態になったことを検知する。
移動通信端末2a〜2fのアンテナ調整部16は、例えば、無線基地局3との情報交換が正常に行えているか否かを監視し、無線基地局3との情報交換が、所定時間以上途絶えると、無線基地局3経由での通信が不可能な状態になったことを検知する。
移動通信端末2a〜2fのアンテナ調整部16は、無線基地局3経由での通信が不可能な状態になったことを検知すると、移動通信端末2a〜2fのアンテナ11をアレーアンテナの素子アンテナとみなし、メモリ14により記憶されている自己の位置(緯度、経度、高度、傾き)及び測位時刻を示す測位情報と、他の移動通信端末2から送信された測位情報とを参照して、通信対象物の方向にアンテナパターンを形成するために必要なアンテナ11の位相及び信号強度を算出する。
通信対象物の方向にアンテナパターンを形成するために必要なアンテナ11の位相及び信号強度を算出する処理自体は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
通信対象物の方向にアンテナパターンを形成するために必要なアンテナ11の位相及び信号強度を算出する処理自体は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
移動通信端末2a〜2fのアンテナ調整部16は、通信対象物の方向にアンテナパターンを形成するために必要なアンテナ11の位相及び信号強度を算出すると、その算出結果にしたがって、アンテナ11に接続されている図示せぬ移相器と、アンテナ11に接続されている図示せぬアンプとを制御することで、アンテナ11の位相及び信号強度を調整する。
これにより、移動通信端末2a〜2fのアンテナ11からアレーアンテナが構築される。
これにより、移動通信端末2a〜2fのアンテナ11からアレーアンテナが構築される。
移動通信端末2a〜2jの情報送信部17は、アレーアンテナが構築されたのち、所定の情報を通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)に送信する必要が生じると、アレーアンテナとして動作して、任意の送信情報を通信対象物に送信する(ステップST7)。
例えば、移動通信端末2aが所定の情報を通信対象物に送信する必要がある場合、移動通信端末2aの情報送信部17が、自己と通信可能な他の移動通信端末2である移動通信端末2b〜2fに対して、所定の情報を送信するとともに、アレーアンテナとして動作する指令を送信する。ただし、移動通信端末2e,2fには、移動通信端末2d又は移動通信端末2bを介して、所定の情報と動作指令を送信する
これにより、移動通信端末2a〜2fがアレーアンテナとして動作して、所定の情報が通信対象物に送信される。
例えば、移動通信端末2aが所定の情報を通信対象物に送信する必要がある場合、移動通信端末2aの情報送信部17が、自己と通信可能な他の移動通信端末2である移動通信端末2b〜2fに対して、所定の情報を送信するとともに、アレーアンテナとして動作する指令を送信する。ただし、移動通信端末2e,2fには、移動通信端末2d又は移動通信端末2bを介して、所定の情報と動作指令を送信する
これにより、移動通信端末2a〜2fがアレーアンテナとして動作して、所定の情報が通信対象物に送信される。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、自己及び他の移動通信端末2をアレーアンテナとして使用する場合、アンテナ調整部16が、測位処理部13により測位された自己の位置及び測位時刻と、測位情報送受信部15により受信された測位情報が示す他の移動通信端末2の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナ11の位相及び信号強度を調整するように構成したので、複数の移動通信端末2を用いて、アレーアンテナを構築することができる効果を奏する。
この実施の形態1では、アレーアンテナを構成する素子アンテナがアンテナ11であって、測位情報送受信部15が測位情報を送受信する際に使用するアンテナ11と同一であるものを示したが、アレーアンテナを構成する素子アンテナと、測位情報送受信部15が測位情報を送受信する際に使用するアンテナとが別個のものであってもよい。
この実施の形態1では、例えば、災害時など、既設の通信インフラである無線基地局3経由での通信が不可能な状態になると、複数の移動通信端末2からアレーアンテナを構築し、複数の移動通信端末2をアレーアンテナとして動作して、所定の情報を送信するものを示したが、災害時等が発生していない平常時に、複数の移動通信端末2からアレーアンテナを構築し、複数の移動通信端末2をアレーアンテナとして動作して、所定の情報を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態1では、通信対象物が通信衛星や航空機である例を示したが、通信対象物が天頂方向に存在している場合、アレーアンテナによる指向性合成で、水平方向の指向性を抑圧するようにすれば、干渉を低減することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、自己が通信可能な移動通信端末2を拡張する拡張方法として、直接的に通信を行うことが不可能な移動通信端末2であっても、他の移動通信端末2を経由すれば、間接的に通信可能な移動通信端末2を、自己が通信可能な移動通信端末2に含める拡張方法1を示したが、下記に示す拡張方法2によって、自己が通信可能な移動通信端末2を拡張するようにしてもよい。
上記実施の形態1では、自己が通信可能な移動通信端末2を拡張する拡張方法として、直接的に通信を行うことが不可能な移動通信端末2であっても、他の移動通信端末2を経由すれば、間接的に通信可能な移動通信端末2を、自己が通信可能な移動通信端末2に含める拡張方法1を示したが、下記に示す拡張方法2によって、自己が通信可能な移動通信端末2を拡張するようにしてもよい。
[拡張方法2]
例えば、移動通信端末2aの場合、測位情報送受信部15は、既設の通信インフラである無線基地局3と通信が可能である場合、無線基地局3を通じて、端末探索用のコール信号を無線基地局3と通信が可能な移動通信端末2g〜2jに送信する。
移動通信端末2g〜2jの測位情報送受信部15は、移動通信端末2aから送信されたコール信号を受信すると、無線基地局3を通じて、そのコール信号に対する応答信号(自己のIDを含んでいる応答信号)を返信する。例えば、移動通信端末2gの場合、移動通信端末2gのIDを含んでいる応答信号を返信する。
例えば、移動通信端末2aの場合、測位情報送受信部15は、既設の通信インフラである無線基地局3と通信が可能である場合、無線基地局3を通じて、端末探索用のコール信号を無線基地局3と通信が可能な移動通信端末2g〜2jに送信する。
移動通信端末2g〜2jの測位情報送受信部15は、移動通信端末2aから送信されたコール信号を受信すると、無線基地局3を通じて、そのコール信号に対する応答信号(自己のIDを含んでいる応答信号)を返信する。例えば、移動通信端末2gの場合、移動通信端末2gのIDを含んでいる応答信号を返信する。
移動通信端末2aの測位情報送受信部15は、移動通信端末2g〜2jからコール信号に対する応答信号を受信すると、各々の応答信号に含まれている移動通信端末2g〜2jのIDを認識することで、その移動通信端末2g〜2jは自己と通信可能な他の移動通信端末2であると認識する。
移動通信端末2g〜2jは移動通信端末2aの周辺に位置していないため(移動通信端末2a〜2fと比べて遠い位置に存在している)、移動通信端末2aは、直接的に移動通信端末2g〜2jと測位情報を送受信することができないが、無線基地局3を経由すれば、間接的に移動通信端末2g〜2jと測位情報を送受信することができるため、移動通信端末2g〜2jを自己と通信可能な他の移動通信端末2として取り扱うようにする。
移動通信端末2g〜2jは移動通信端末2aの周辺に位置していないため(移動通信端末2a〜2fと比べて遠い位置に存在している)、移動通信端末2aは、直接的に移動通信端末2g〜2jと測位情報を送受信することができないが、無線基地局3を経由すれば、間接的に移動通信端末2g〜2jと測位情報を送受信することができるため、移動通信端末2g〜2jを自己と通信可能な他の移動通信端末2として取り扱うようにする。
なお、移動通信端末2g〜2jは、移動通信端末2aの周辺には位置していないが、移動通信端末2aと一緒にアレーアンテナを構築する上では、距離が離れ過ぎていないものである。
ただし、例えば、移動通信端末2aのアンテナ調整部16がアンテナ11の位相及び信号強度を調整するときに、移動通信端末2aと移動通信端末2g〜2jの位置を比較して距離を求め、その距離が所定の上限距離を超えていれば、移動通信端末2g〜2jをアレーアンテナの要素から除外して、適正な位相及び信号強度を算出するようにする。
ただし、例えば、移動通信端末2aのアンテナ調整部16がアンテナ11の位相及び信号強度を調整するときに、移動通信端末2aと移動通信端末2g〜2jの位置を比較して距離を求め、その距離が所定の上限距離を超えていれば、移動通信端末2g〜2jをアレーアンテナの要素から除外して、適正な位相及び信号強度を算出するようにする。
拡張方法2では、移動通信端末2a〜2fのアンテナ11だけでなく、移動通信端末2g〜2jのアンテナ11もアレーアンテナの要素に含まれるため(上限距離を超えていない場合)、アレーアンテナの性能が向上する。
しかし、災害時など、既設の通信インフラである無線基地局3経由での通信が不可能な状態になると、例えば、移動通信端末2aの情報送信部17が、任意の情報を通信対象物に送信する際、その情報を無線基地局3経由で移動通信端末2g〜2jに送信することができないので、移動通信端末2g〜2jをアレーアンテナとして動作させることができない。
このため、移動通信端末2a〜2jをアレーアンテナとして動作させて、所定の情報を通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)に送信する処理は、無線基地局3との通信が可能な平常に限られる。
以上の実施の形態では、測位用衛星としてGPS衛星を用い、測位手段としてGPS受信機を用いる場合を示したが、本発明はこれに限らず、測位用衛星として例えば準天頂衛星など、GPS衛星以外の衛星を用い、測位手段としてGPS信号以外の測位用信号を受信する受信機を用いることもできる。
しかし、災害時など、既設の通信インフラである無線基地局3経由での通信が不可能な状態になると、例えば、移動通信端末2aの情報送信部17が、任意の情報を通信対象物に送信する際、その情報を無線基地局3経由で移動通信端末2g〜2jに送信することができないので、移動通信端末2g〜2jをアレーアンテナとして動作させることができない。
このため、移動通信端末2a〜2jをアレーアンテナとして動作させて、所定の情報を通信対象物(例えば、通信衛星、航空機)に送信する処理は、無線基地局3との通信が可能な平常に限られる。
以上の実施の形態では、測位用衛星としてGPS衛星を用い、測位手段としてGPS受信機を用いる場合を示したが、本発明はこれに限らず、測位用衛星として例えば準天頂衛星など、GPS衛星以外の衛星を用い、測位手段としてGPS信号以外の測位用信号を受信する受信機を用いることもできる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1a,1b 測位用衛星、2a〜2j 移動通信端末、3 無線基地局(既設の通信インフラ)、11 アンテナ(測位手段)、12 GPS受信機(測位手段)、13 測位処理部(測位手段)、14 メモリ、15 測位情報送受信部(測位情報送受信手段)、16 アンテナ調整部(アンテナ調整手段)、17 情報送信部(情報送信手段)。
Claims (6)
- 複数の移動通信端末から構成される自立構成型アレーアンテナシステムにおいて、
各々の移動通信端末は、
複数の測位用衛星から発信される電波を受信し、上記電波から自己の位置を測位するとともに、自己の位置の測位時刻を特定する測位手段と、
自己と通信可能な他の移動通信端末を探索し、上記測位手段により測位された自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を上記他の移動通信端末に送信する一方、上記他の移動通信端末から測位情報を受信する測位情報送受信手段と、
自己及び他の移動通信端末をアレーアンテナとして使用する場合、上記測位手段により測位された自己の位置及び測位時刻と、上記情報送受信手段により受信された測位情報が示す他の移動通信端末の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナの位相及び信号強度を調整するアンテナ調整手段と
を備えていることを特徴とする自立構成型アレーアンテナシステム。 - 各々の移動通信端末は、
他の移動通信端末と一緒にアレーアンテナとして動作して、情報の送信処理を行う情報送信手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の自立構成型アレーアンテナシステム。 - 情報送信手段は、既設の通信インフラ経由での無線通信が不可能な状況に至ると、他の移動通信端末と一緒にアレーアンテナとして動作して、情報の送信処理を行うことを特徴とする請求項2記載の自立構成型アレーアンテナシステム。
- 測位情報送受信手段は、自己と通信不可能な他の移動通信端末であっても、自己と通信可能な他の移動通信端末と通信可能な移動通信端末である場合、自己と通信可能な他の移動通信端末を介して、自己と通信不可能な他の移動通信端末と測位情報を送受信することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の自立構成型アレーアンテナシステム。
- 測位情報送受信手段は、自己と通信不可能な他の移動通信端末であっても、自己と通信可能な既設の通信インフラと通信可能な移動通信端末である場合、上記通信インフラを介して、自己と通信不可能な他の移動通信端末と測位情報を送受信することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の自立構成型アレーアンテナシステム。
- 測位手段が、複数の測位用衛星から発信される電波を受信し、上記電波から自己の位置を測位するとともに、自己の位置の測位時刻を特定する測位処理ステップと、
測位情報送受信手段が、自己と通信可能な他の移動通信端末を探索し、上記測位処理ステップで測位された自己の位置及び測位時刻を示す測位情報を上記他の移動通信端末に送信する一方、上記他の移動通信端末から測位情報を受信する測位情報送受信処理ステップと、
アンテナ調整手段が、自己及び他の移動通信端末をアレーアンテナとして使用する場合、上記測位処理ステップで測位された自己の位置及び測位時刻と、上記情報送受信処理ステップで受信された測位情報が示す他の移動通信端末の位置及び測位時刻とにしたがって、自己のアンテナの位相及び信号強度を調整するアンテナ調整処理ステップと
を備えたアレーアンテナ構成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012246323A JP2014096665A (ja) | 2012-11-08 | 2012-11-08 | 自立構成型アレーアンテナシステム及びアレーアンテナ構成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012246323A JP2014096665A (ja) | 2012-11-08 | 2012-11-08 | 自立構成型アレーアンテナシステム及びアレーアンテナ構成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014096665A true JP2014096665A (ja) | 2014-05-22 |
Family
ID=50939431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012246323A Pending JP2014096665A (ja) | 2012-11-08 | 2012-11-08 | 自立構成型アレーアンテナシステム及びアレーアンテナ構成方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014096665A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018166318A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-10-25 | 本田技研工業株式会社 | 海上における通信ネットワーク構築方法および通信端末 |
-
2012
- 2012-11-08 JP JP2012246323A patent/JP2014096665A/ja active Pending
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