JP2014092974A - 線状体の配策形状設計方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際に線状体を配策した際の配策形状を精度よく再現することが可能な線状体の配策形状設計方法および装置を提供する。
【解決手段】線状体を固定する位置であるクリップ位置を設定し、パラメトリック曲線を用いて各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計方法であって、パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、歪エネルギーが最小となるコントロールポイントを決定し、各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する。
【選択図】図1
【解決手段】線状体を固定する位置であるクリップ位置を設定し、パラメトリック曲線を用いて各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計方法であって、パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、歪エネルギーが最小となるコントロールポイントを決定し、各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、大型トラックのエアブレーキ配管用のナイロンチューブなどの線状体の配策形状を設計する線状体の配策形状設計方法および装置に関するものである。
従来より、大型トラックのエアブレーキ配管用のナイロンチューブ等の線状体の配策形状を設計する際には、CAD(Computer Aided Design、コンピュータ支援設計)システムを用い、CADシステムに搭載されたスプライン曲線により配策形状設計を行うことが一般的である。なお、スプライン曲線とは、設定した複数の制御点を通る滑らかな曲線をいう。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1,2がある。
しかしながら、上述のスプライン曲線を用いた設計では、線状体を固定する位置であるクリップ位置間の線状体の配策形状を設計する際に、線状体の空間の経由点を設計者が感覚で設定するしかなく、設計者により異なる配策形状となってしまい、実際に線状体を配策した際の配策形状とも大きく異なってしまっていた。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、実際に線状体を配策した際の配策形状を精度よく再現することが可能な線状体の配策形状設計方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、線状体を固定する位置であるクリップ位置を設定し、パラメトリック曲線を用いて前記各クリップ位置間の前記線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計方法であって、前記パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、前記線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となる前記コントロールポイントを決定し、前記各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計方法である。
前記線状体の主要な形状決定要因が弾性的性質からなってもよい。
前記パラメトリック曲線が、隣接する前記クリップ位置の一方を時間t=0の始点、他方を時間t=1の終点とした時間tを媒介変数とした関数であり、[数1]に示す式(1)で表されてもよい。
また、本発明は、線状体を固定する位置であるクリップ位置を設定し、パラメトリック曲線を用いて前記各クリップ位置間の前記線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計装置であって、前記パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、前記線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となる前記コントロールポイントを決定する最適コントロールポイント演算部と、前記最適コントロールポイント演算部が決定した前記歪エネルギーが最小となるコントロールポイントに基づき、各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成し出力する出力部と、を備えた線状体の配策形状設計装置である。
本発明によれば、実際に線状体を配策した際の配策形状を精度よく再現することが可能な線状体の配策形状設計方法および装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る線状体の配策形状設計方法のフロー図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る線状体の配策形状設計方法では、まず、ステップS1にて、線状体を固定する位置であるクリップ位置の設定を行う。具体的には、クリップ位置のXYZ座標と線状体の向きを示す4座標を入力する。以下のステップでは、ここで設定した各クリップ位置間の線状体の配策形状をパラメトリック曲線を用いて作成することになる。
ステップS2では、線状体の全長、外径、内径(線状体が中空構造である場合)、ヤング率を入力する。詳細は後述するが、本実施の形態では、線状体が完全弾性体であると仮定して演算を行うため、線状体はその形状の決定の主要因が弾性的性質によるものを用いることが望ましい。本実施の形態では、線状体として、大型トラックのエアブレーキ配管用のナイロンチューブを用いた。なお、線状体が弾性体でない場合にも本発明は適用可能であるが、線状体が塑性変形の顕著な材料や粘性による形状変化の顕著な材料からなる場合には、実際の配策形状とは無視できない差異が発生するおそれがある。
その後、ステップS3にて、パラメトリック曲線を用いて各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する。ステップS3で用いるパラメトリック曲線の詳細については、後述する。
ステップS4では、ステップS3で作成した線状体の配策形状における線状体全体(クリップ位置間の線状体全体)の歪エネルギーを演算し、歪エネルギーを、各コントロールポイントのXYZ座標についてそれぞれ微分する。なお、コントロールポイントとは、つまり、パラメトリック曲線の形状を決定づけるパラメータである。ステップS4での歪エネルギーの演算の詳細については、後述する。
ステップS5では、最急降下法により、パラメトリック曲線の各コントロールポイントを全体の歪エネルギーが減少する方向へ移動する。また、最急下降法は、関数の最小値を探索する勾配法のアルゴリズムであり公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
その後、ステップS6にて、全方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の歪エネルギーの微分値が0になったかを判定する。ステップS6でNOと判定された場合ステップS4に戻る。ステップS6でYESと判定された場合、その時点でのコントロールポイントが歪エネルギーが最小となるコントロールポイントとなり、このコントロールポイントで作成される線状体の配線形状が、完全弾性体の取り得る自然な配線形状であることになる。
よって、ステップS6でYESと判定された場合、ステップS7にて、当該コントロールポイントでの線状体の配策形状を作成し、モニタ等の表示器に表示し、処理を終了する。
次に、図1のステップS3で用いるパラメトリック曲線について説明する。
本実施の形態では、パラメトリック曲線には、線状体の自然な配策形状をよく表現できること、コントロールポイント数ができるだけ少なく、計算負荷が低いこと、が要求される。
公知のパラメトリック曲線として、Ferguson/Coons曲線、ベジェ曲線、Bスプライン曲線、NURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)曲線などが知られている。このうち、Ferguson/Coons曲線は、ベジェ曲線やその発展であるBスプライン曲線、NURBS曲線とは異なり、物体の運動の軌跡から着想を得たものである。自然界の運動の軌跡は最小作用の原理に従っていることから、本発明者らは線状体の自然な配策形状をよく表現できると考え、このFerguson/Coons曲線をパラメトリック曲線として用いることを検討した。
Ferguson/Coons曲線は、時間tを媒介変数とした関数であり、時間t=0の始点での位置s(0)と速度v(0)、および時間t=1の終点での位置s(1)と速度v(1)を境界条件として微分形との連立方程式を解いて得られる式であり、[数2]に示す式(2)で表される。これら位置s(0),s(1)および速度v(0),v(1)の4点が、Ferguson/Coons曲線のコントロールポイントとなる。
しかしながら、Ferguson/Coons曲線では、コントロールポイントが4点と少なく、図2に示すように、始点と終点との間で速度v(t)がv(0)からv(1)に徐々に近づくように補完されてしまうため、2点以上の曲げが発生するような境界条件では実際の配策形状を再現することができない。具体的には、例えば、電球型(略Ω字状)となるような配策形状は、Ferguson/Coons曲線で表現することはできない。
本発明者らは、ベジェ曲線におけるBスプライン曲線と同様に、Ferguson/Coons曲線を複数本接続してコントロールポイントを増やす試みを行ったが、コントロールポイントの操作対象が局所的になってしまい、数値計算の振動や発散の要因となってしまった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、図3に示すように、始点と終点の加速度a(0),a(1)を定義して新たなコントロールポイントとし、Ferguson/Coons曲線における定義式を時間t=0〜1を媒介変数とする5次関数に拡張することで、2点以上の曲げが発生するような境界条件においても実際の配策形状を精度よく再現することが可能となり、かつ、数値計算の安定性を確保できることを見出した。
すなわち、本実施の形態では、隣接するクリップ位置の一方を時間t=0の始点、他方を時間t=1の終点とした時間tを媒介変数とした関数であり、[数3]に示す式(1)で表されるものをパラメトリック曲線として用いた。このパラメトリック曲線では、始点の位置s(0)、終点の位置s(1)、始点の速度v(0)、終点の速度v(1)、始点の加速度a(0)、および終点の加速度a(1)の6点がコントロールポイントとなる。
ここで、式(1)の導出方法を説明しておく。
時間tでの位置s(t)は、係数a〜fを用いて下式(3)
s(t)=at5+bt4+ct3+dt2+et+f ・・・(3)
で表される。式(3)より、時間tでの速度v(t)は、下式(4)
v(t)=ds(t)/dt
=5at4+4bt3+3ct2+2dt+e ・・・(4)
となり、時間tでの加速度a(t)は、下式(5)
a(t)=dv(t)/dt
=20at3+12bt2+6ct+2d ・・・(5)
となる。
s(t)=at5+bt4+ct3+dt2+et+f ・・・(3)
で表される。式(3)より、時間tでの速度v(t)は、下式(4)
v(t)=ds(t)/dt
=5at4+4bt3+3ct2+2dt+e ・・・(4)
となり、時間tでの加速度a(t)は、下式(5)
a(t)=dv(t)/dt
=20at3+12bt2+6ct+2d ・・・(5)
となる。
式(3)〜(5)にt=0をそれぞれ代入すると、下式(6)〜(8)
f=s(0) ・・・(6)
e=v(0) ・・・(7)
d=1/2・a(0) ・・・(8)
となり、係数d〜fが求まる。
f=s(0) ・・・(6)
e=v(0) ・・・(7)
d=1/2・a(0) ・・・(8)
となり、係数d〜fが求まる。
式(3)〜(5)にt=1、係数d〜fを代入すると、下式(9)〜(11)
s(1)=a+b+c+1/2・a(0)+v(0)+s(0)
・・・(9)
v(1)=5a+4b+3c+a(0)+v(0) ・・・(10)
a(1)=20a+12b+6c+a(0) ・・・(11)
となる。
s(1)=a+b+c+1/2・a(0)+v(0)+s(0)
・・・(9)
v(1)=5a+4b+3c+a(0)+v(0) ・・・(10)
a(1)=20a+12b+6c+a(0) ・・・(11)
となる。
式(9),(10),(11)の連立方程式を解くと、係数a〜cは、下式(12)〜(14)
a=−6s(0)+6s(1)−3v(0)−3v(1)
−1/2・a(0)+1/2a(1) ・・・(12)
b=15s(0)−15s(1)+8v(0)+7v(1)
+3/2・a(0)−a(1) ・・・(13)
c=−10s(0)+10s(1)−6v(0)−4v(1)
−3/2・a(0)+1/2a(1) ・・・(14)
となる。
a=−6s(0)+6s(1)−3v(0)−3v(1)
−1/2・a(0)+1/2a(1) ・・・(12)
b=15s(0)−15s(1)+8v(0)+7v(1)
+3/2・a(0)−a(1) ・・・(13)
c=−10s(0)+10s(1)−6v(0)−4v(1)
−3/2・a(0)+1/2a(1) ・・・(14)
となる。
求めた係数a〜fを式(3)に代入し、行列式で表現すると、上述の式(1)が得られる。
次に、図1のステップS4における歪エネルギーの演算について説明する。
ステップS3でパラメトリック曲線を用いて作成した線状体の配策形状において、図4に示すように、t=0からt=1までの間を任意の区間(区間番号をiとする)に区切って得られる座標群を(xi,yi、zi)とすると、引張圧縮歪εsは[数4]に示す式(15)、曲歪εbは[数5]に示す式(16)で表される。なお、ここでは線状体が完全弾性体であると仮定している。
式(15)の引張圧縮歪εsと、線状体のヤング率E、断面積A,無負荷区間長さLnliより、下式(17)
Ps=(EAεs)/Lnli ・・・(17)
により負荷力Psが求まる。蓄えられる歪エネルギーは、負荷力Psがなした仕事Wsに等しいので、引張圧縮歪(垂直歪)による歪エネルギーΔUsは、[数6]に示す式(18)で得られる。なお、式(18)にて負荷力Psに1/2を乗じているのは、負荷力Psが引張圧縮歪εsに対して定数でなく一次比例で増加するためである。
Ps=(EAεs)/Lnli ・・・(17)
により負荷力Psが求まる。蓄えられる歪エネルギーは、負荷力Psがなした仕事Wsに等しいので、引張圧縮歪(垂直歪)による歪エネルギーΔUsは、[数6]に示す式(18)で得られる。なお、式(18)にて負荷力Psに1/2を乗じているのは、負荷力Psが引張圧縮歪εsに対して定数でなく一次比例で増加するためである。
他方、式(16)の曲歪εbと、線状体のヤング率E、断面二次モーメントI、無負荷区間長さLnliより、負荷トルクMを求める。ミオソテスの式より、下式(19),(20)
εb=(MLnli 2)/(2EI) ・・・(19)
θ=(MLnli)/(EI) ・・・(20)
が成り立つ。式(19)を変形すると、下式(21)
M=(2EIεb)/(Lnli 2) ・・・(21)
が得られ、式(19),(20)より、下式(22)
θ=(2εb)/Lnli ・・・(22)
が得られる。
εb=(MLnli 2)/(2EI) ・・・(19)
θ=(MLnli)/(EI) ・・・(20)
が成り立つ。式(19)を変形すると、下式(21)
M=(2EIεb)/(Lnli 2) ・・・(21)
が得られ、式(19),(20)より、下式(22)
θ=(2εb)/Lnli ・・・(22)
が得られる。
蓄えられる歪みエネルギーは負荷トルクMがなした仕事Wbに等しいので、曲歪による歪エネルギーΔUbは、[数7]に示す式(23)となる。
全体の歪エネルギーUは、引張圧縮歪による歪エネルギーΔUsと曲歪による歪エネルギーΔUbを全区間で足し合わせたものであるから、[数8]に示す式(24)により、全体の歪エネルギーUを求めることができる。
線状体を配策する際には、この全体の歪エネルギーUが最小となるような形状に自然に移行する。よって、パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となるコントロールポイントを決定することで、最も自然な線状体の配策形状を作成することが可能になる。
各クリップ位置間で線状体の配策形状を作成し、全体を繋ぎ合わせれば、線状体の全体の配策形状が完成する。
次に、本実施の形態に係る線状体の配策形状設計方法を実施する線状体の配策形状設計装置について説明する。
図5に示すように、線状体の配策形状設計装置51は、クリップ位置の情報(座標、線状体の向き)や、線状体の全長、外径、内径(線状体が中空構造である場合)、ヤング率等の情報を入力する入力部52と、入力部52で入力された情報を基に、パラメトリック曲線を用いて各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する配策形状作成部53と、配策形状作成部53で作成した配策形状における歪エネルギーを演算する歪エネルギー演算部54と、配策形状作成部53および歪エネルギー演算部54を制御し、パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となるコントロールポイントを決定する最適コントロールポイント演算部55と、最適コントロールポイント演算部が決定した歪エネルギーが最小となるコントロールポイントに基づき、各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成し出力する出力部56と、モニタ等の表示器57と、を備えている。
入力部52、配策形状作成部53、歪エネルギー演算部54、最適コントロールポイント演算部55、出力部56は、パーソナルコンピュータ等の演算装置に搭載され、CPU、ソフトウェア、インターフェイス、メモリ等を適宜組み合わせて実現される。
線状体の配策形状設計装置51は、CADシステムに組み込まれてもよい。この場合、線状体の配策形状設計装置51は、CADシステムとハードウェアを共通としつつその機能がプログラム化されCADシステムに組み込まれることとなる。線状体の配策形状設計装置51をCADシステムに組み込む場合、線状体の配策形状設計装置51は、線状体の配策形状設計時にCADシステムを自動的に操作して演算結果として線状体の配策形状を表示するよう構成されることになる。
以上説明したように、本実施の形態に係る線状体の配策形状設計方法では、パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となるコントロールポイントを決定し、各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成している。
すなわち、本実施の形態では、線状体が取りうる形状を歪エネルギー最小化問題として数値計算により解いているため、従来のように設計者により異なる配策形状となることがなく、実際に線状体を配策した際の配策形状を精度よく再現することが可能になり、実際に線状体を配策する際の不具合の発生を抑制できる。
また、本実施の形態では、従来のように線状体の空間の経由点を手作業で設定する必要がなく、自動的に線状体の配策形状を作成可能となるため、線状体の配策形状の設計時間を大幅に短縮することが可能になる。
さらに、本実施の形態では、上述の式(1)で表される新規なパラメトリック曲線を用いているため、始点と終点の加速度a(0),a(1)を新たなコントロールポイントとして使用することが可能となり、2点以上の曲げ点が発生するような境界条件であっても、実際の線状体の配策形状を精度よく再現することが可能になる。また、新たに定義した始点と終点の加速度a(0),a(1)は、線状体の配策形状全体に影響するため、Ferguson/Coons曲線を直列接続した計算モデルにおいて現れた数値計算の不安定性も解消することができた。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では言及しなかったが、クリップ位置間に線状体が通過する中間点を設定可能とし、当該中間点を通る線状体の配策形状を作成するように構成してもよい。具体的には当該中間点を接続点とする二本のパラメトリック曲線となる。この場合、例えば、タイバンド(結束バンド)を用いて線状体を固定する場合など線状体の向きが可変となる中間点を設定する場合、その中間点での速度(速度のベクトルは線状体の向きを表す)の向きも変数となり、数値計算による歪エネルギー最小化問題探索計算での微分対象となる。このように適宜コントロールポイントを定数あるいは変数として条件設定することで実際の線状体拘束条件を計算モデルに再現し、パラメトリック曲線のコントロールポイントとして用いることで、中間点での線状体通過向きを非拘束とした配策条件での最適な配策形状を作成するよう構成することも可能である。
また、上記実施の形態では、歪エネルギーを最小とするコントロールポイントを探索するアルゴリズムとして最急降下法を用いたが、これに限定されるものではない。
51 線状体の配策形状設計装置
52 入力部
53 配策形状作成部
54 歪エネルギー演算部
55 最適コントロールポイント演算部
56 出力部
57 表示器
52 入力部
53 配策形状作成部
54 歪エネルギー演算部
55 最適コントロールポイント演算部
56 出力部
57 表示器
Claims (4)
- 線状体を固定する位置であるクリップ位置を設定し、パラメトリック曲線を用いて前記各クリップ位置間の前記線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計方法であって、
前記パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、前記線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となる前記コントロールポイントを決定し、前記各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成する
ことを特徴とする線状体の配策形状設計方法。 - 前記線状体の主要な形状決定要因が弾性的性質からなる
請求項1記載の線状体の配策形状設計方法。 - 前記パラメトリック曲線が、隣接する前記クリップ位置の一方を時間t=0の始点、他方を時間t=1の終点とした時間tを媒介変数とした関数であり、[数1]に示す式(1)
請求項1または2記載の線状体の配策形状設計方法。 - 線状体を固定する位置であるクリップ位置を設定し、パラメトリック曲線を用いて前記各クリップ位置間の前記線状体の配策形状を作成する線状体の配策形状設計装置であって、
前記パラメトリック曲線のコントロールポイントを変更しつつ、前記線状体の全体の歪エネルギーを演算することを繰り返し、当該歪エネルギーが最小となる前記コントロールポイントを決定する最適コントロールポイント演算部と、
前記最適コントロールポイント演算部が決定した前記歪エネルギーが最小となるコントロールポイントに基づき、各クリップ位置間の線状体の配策形状を作成し出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする線状体の配策形状設計装置。
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2012
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