JP2014086619A - 電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー変換効率を高めることが可能な電池装置を提供する。
【解決手段】電池装置100は、複数のPN接合部がバンドギャップの小さい順に積層された太陽電池1と、複数のバンドギャップのうち最小のバンドギャップの2倍以上で複数のバンドギャップのうち最大のバンドギャップ以上であるエネルギーを持つ光子を吸収すると、1つの光子につき、最小のバンドギャップ以上で光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2つ以上の光子を、最大のバンドギャップを有する特定PN接合部側から太陽電池に向けて出力する変換手段Fと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池装置に関し、特には、太陽電池を含む電池装置に関する。
太陽光発電は、風力発電と並んで自然エネルギーあるいは再生可能エネルギー分野の主要技術とみなされている。このため、世界各地で、太陽光発電設備の導入量が急増している。特に最近では、太陽光発電は、原子力発電の代替エネルギー源として期待され、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度や国および地方自治体の補助金といった法的支援策も相まって、益々注目度を高めている。
しかしながら、太陽光発電は、施設面積あたりの発電量が小さく土地利用効率が悪いという問題がある。また、太陽光発電での発電量は日射量に左右される。日本では、太陽光発電の設備稼働率を約12 %に想定している場合が多い。この場合、太陽光発電は、年間の7/8で稼動していないことになる。
ここで、太陽光発電を他の発電技術と比較する。
例えば、100万kW級の原子力発電所(稼働率60%)の年間発電電力量は、5.256×109 kWhである。
この年間発電電力量と同等の電力量を生成するのに必要な太陽光発電所の面積は、国内の代表的メガソーラーである浮島太陽光発電所の面積が0.11 km2でその推定年間発電電力量が7.4×106 kWhであることから換算すると、78.1 km2という大面積となる。この面積は、山手線内側の面積の約1.24倍という大きな値である。
従って、小さな施設面積でより大きな電力を生み出すことが求められる。
これに対して、規制緩和による発電設備の高密度化も進められているが、技術面では太陽電池のエネルギー変換効率を高める工夫が重要である。変換効率を高めることは、スペースの限られた一般家庭の屋根に太陽電池を設置する場合に有利であるだけでなく、メガソーラー等の大規模電力システムにおいても土地コストや設備の導入コストあるいは維持・管理コストの削減に寄与するので重要である。
ところで、太陽電池の動作原理上、太陽電池のバンドギャップ(Eg)以下のエネルギーを持つ入射光は、太陽電池に吸収されず透過損失となる。
また、入射光のエネルギーが太陽電池のバンドギャップよりも大きい場合、入射光のエネルギーのうち太陽電池のバンドギャップ分のエネルギーは、太陽電池に吸収され発電に使用されるが、入射光のエネルギーからバンドギャップのエネルギーを差し引いた残りのエネルギー(余剰エネルギー)は、発電には寄与せず熱損失となる。
太陽光スペクトルの分布ピークは、2.5 eV付近にある。一方、主な太陽電池材料である結晶シリコンのバンドギャップ(Eg)は、1.12eVである。このため、太陽光スペクトルの分布ピークと太陽電池のバンドギャップとの間には、大きなズレがある。
このように入射太陽光のスペクトル分布と太陽電池の光吸収スペクトル分布の不整合が、太陽電池におけるエネルギーの損失の主な原因となっている。
これを改善するために2つのアプローチが取られている。1つ目は、太陽電池のバンドギャップを太陽光スペクトルに適合させることである。2つ目は、太陽光スペクトルを太陽電池のバンドギャップに適合させることである。
まず、太陽電池のバンドギャップを太陽光スペクトルに適合させる技術について説明する。
例えば、通常の、1つのバンドギャップのみを持つ2準位系の単セル(太陽電池)では、太陽光スペクトルのピークが上述のように2.5 eV付近にあるので、Si(シリコン、Eg=1.12eV)よりもGaAs(ヒ化ガリウム、Eg = 1.4)の方が高いエネルギー変換効率を示す。
もちろん、太陽電池ではバンドギャップ以下の入射光は利用できないので、バンドギャップが1.12eVから太陽光スペクトルのピークに近づくことのトレードオフがあり、単セルでは約1.3 eVのバンドギャップが最適値である。
さらに、太陽電池のバンドギャップをエンジニアリングして太陽光スペクトルに適合させるより積極的な方法としては、PN接合を上下方向に積層した多接合(タンデム)型太陽電池、あるいは不純物や超格子構造の導入により1つの大きなバンドギャップ中に幾つかの電子準位を挿入した中間バンド型太陽電池が挙げられる。
なお、非特許文献1には、中間バンド型太陽電池は多接合型太陽電池よりも高い変換効率を持つことが示されている。
また、非特許文献2は、多接合型太陽電池の一例として、宇宙用太陽電池が記載されている。宇宙用太陽電池の例としては、In0.49Ga0.51P(1.88 eV)/In0.01Ga0.99(1.40 eV)/Ge(0.67 eV)のような3接合系が挙げられ、宇宙光(AM0)で29%の変換効率となっている
また、非特許文献1、3には、1つのPN接合部を有する太陽電池における動作電圧Vと単位面積あたりの電力P(V)との関係が示されている。
次に、太陽光スペクトルを太陽電池のバンドギャップに適合させる技術について説明する。
太陽光スペクトルを太陽電池のバンドギャップに適合させる技術としては、波長変換材料にて形成された波長変換フィルタを用いた技術がある。
波長変換材料には、高エネルギーの1つの光子を低エネルギーの2つの光子(2つ以上の光子)に変換する下方型(down conversion)と、複数の低エネルギーの光子を集め、集められた複数の低エネルギーの光子を高エネルギーの光子に変換する上方型(up conversion)の2種類が考えられる。
古くから検討されてきたのは、ガラス中にドープした希土類イオンの4f → 5d遷移を利用した前者(下方型)の形態である。
上述のように太陽電池は、バンドギャップEg以上のエネルギーを有する光子を吸収して電子を励起するが、このとき、光子のエネルギーからバンドギャップEgのエネルギーを差し引いた残りの余剰エネルギーは、通常、熱損失すると考えられている。
そこで、高エネルギー領域に属する1つの光子を、波長変換材料にて形成された波長変換フィルタにより、バンドギャップEg程度のエネルギーを有する2つの光子に分割し、その2つの光子を太陽電池に出力することで、太陽電池での励起電子数を増し、高エネルギー領域に属する光子を有効活用する。
このように、波長変換フィルタ付き太陽電池の動作は、多励起子生成(MEG)型として研究されている太陽電池に似たものとなる。
非特許文献4を参考にした下方型波長変換材料の動作機構の模式図を図10に示す。
下方型波長変換材料の動作機構の基本原理は、高エネルギーの光子を吸収して生成した励起状態が、中間状態の関与を受けて2段階の発光過程で緩和するものである。これは、実質的に、高エネルギーの1つの光子が入力されると低エネルギーの2つの光子が出力されることを意味する。このため、下方型波長変換材料の動作機構の基本原理は、この分野の技術開発では「量子切断(quantum cutting)」と呼ばれている。
図10(a)は、入力・出力ともに1つのイオンAで完結するもので、図10(b)、10(c)、10(d)は、それぞれ、光子の入力・出力にイオンAとイオンBとのイオンペアが関与するものである。
図10(b)では、入射光によりイオンAが基底状態LgAから励起状態LeAに遷移した後、イオンAの中間状態LmAへの脱励起に伴うエネルギー(1)Aが、イオンBを基底状態LgBから励起状態LeBへ遷移させるエネルギー(1)Bに移動し、励起状態LeBが基底状態LgBに緩和する際にイオンBから1つの光子が放出される。さらに(2)の矢印で示される、イオンAの中間状態LmAからイオンBの励起状態LeBへのエネルギー移動が起こり、イオンBの励起状態LeBからの緩和過程で、さらに1つの光子がイオンBから放出される。
このように図10(b)においては、イオンAが光を吸収する役割を担い、イオンBが光を放出する役割を担っている。
このタイプのイオンペアの実例としては、非特許文献5に記載されたPr3+/Yb3+系があげられる。なお、Pr3+(プラセオジムイオン)がイオンAに対応し、Yb3+(イッテルビウムイオン)がイオンBに対応する。
この系では、Pr3+(プラセオジムイオン)は、波長440nmの光を吸収して、Pr3+(プラセオジムイオン)の基底状態LgA3H4)から励起状態LeA3P0)に遷移する。
この励起状態LeA3P0)からPr3+(プラセオジムイオン)の中間状態LmA1G4)への遷移はスピン禁制であるから速やかには起こらず、Yb3+(イッテルビウムイオン)の励起状態LeB2F5/2)へのエネルギー移動が起こると考えられている(図10(b)の矢印(1)Aと(1)Bに対応)。
また、Pr3+(プラセオジムイオン)の中間状態LmA1G4)からその基底状態LgA3H4)への遷移もスピン禁制なので、これも速やかには起こらず、図中の矢印(2)で示されるYb3+ (イッテルビウムイオン)の励起状態LeB2F5/2)へのエネルギー移動が起きていると考えられる。
上記の説明では、Pr3+(プラセオジムイオン)の励起状態LeAとして3P0と表記したが、実際には全角運動量Jの違う状態(3PJ)への遷移も可能で励起状態がバンドを形成している。このため、波長420−490nmの入射光によって(Pr3+3H43PJ)の励起が可能であるとされている。
このような吸光−発光イオンペアとしては、Tb3+/Yb3+やTm3+/Yb3+系も研究されている。これらの系では、Tb3+(テルビウムイオン)とTm3+(ツリウムイオン)が、それぞれ、光を吸収するイオンとして機能し、Yb3+(イッテルビウムイオン)が、光を発するイオンとして機能する。
なお、Yb3+(イッテルビウムイオン)が、光を発するイオンとして機能する理由は、光を吸収するイオンにおける中間状態と基底状態との間のエネルギー範囲において、Yb3+(イッテルビウムイオン)は、基底状態(2F7/2)と励起状態(2F5/2)の2準位系であることが、出力光のエネルギー制御に役立つためと考えられる。
図10(c)と10(d)は、イオンAが1つの光子を吸収し、イオンAとイオンBが1つずつ光子を放出することに関与するものである。イオンAが1つの光子を吸収し、イオンAとイオンBがそれぞれ1つの光子を放出する場合、脱励起の仕方で2つの場合が生じている。
なお、非特許文献6には、波長変換フィルタを、希土類イオンを添加せずに作成する手法が記載されている。
R. T. Wegh et al., Science 283, 663 (1999). Y. Katayama and S. Tanabe, Materials, 3, 2405 (2010). A. Luque and A. Marti Phys. Rev. Lett. 78, 5014 (1997). 高本達也 シャープ技報 第100号,28頁,2010年. T. Nozawa and Y. Arakawa Appl. Phys. Lett. 98, 171108 (2011). [平成24年10月11日検索]、インターネット<URL:http://light.eecs.berkeley.edu/courses/ee235sp09/.../Yeh,%20Anthony%20M.pptx>
このように、太陽電池のエネルギー変換効率を高める幾つかの技術は存在するが、太陽電池のエネルギー変換効率をさらに高めることが望まれる。
太陽電池のエネルギー変換効率をより高めるには、例えば、波長変換材料と多接合型太陽電池の組み合わせが考えられるが、この組み合わせにおいて、波長変換材料がどのような波長を変換し、各PN接合部にどのようなバンドギャップを割り当てるのが好適なのか現状では分かっていない。また、太陽電池のエネルギー変換効率は、集光の有無により変動するが、その影響に関しても不明である。
本発明の目的は、上記課題のいずれかを解決可能な電池装置を提供することである。
本発明の電池装置は、
複数のPN接合部が当該バンドギャップの小さい順に積層された太陽電池と、
複数の前記バンドギャップのうち最小のバンドギャップの2倍以上で前記複数のバンドギャップのうち最大のバンドギャップ以上であるエネルギーを持つ光子を吸収すると、1つの当該光子につき、前記最小のバンドギャップ以上で当該光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2つ以上の光子を、前記最大のバンドギャップを有する特定PN接合部側から前記太陽電池に向けて出力する変換手段と、を含む。
本発明の電池装置は、
1つのPN接合部を有する太陽電池と、
前記PN接合部のバンドギャップの2倍以上のエネルギーを持つ光子を吸収すると、1つの前記光子につき、前記バンドギャップ以上で前記光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2以上の光子を、前記太陽電池に向けて出力する変換手段と、を含み、
前記PN接合部のバンドギャップは、前記変換手段に光子を集光する集光手段が設けられていない場合には1.1eVに設定され、前記集光手段が設けられている場合には0.78eVに設定される。
本発明によれば、太陽電池のエネルギー変換効率を高めることが可能となる。
本発明の第1実施形態の電池装置100を示した図である。 電池装置100Aを示した図である。 1PN接合1フィルタモデルでの波長変換しきい値Edと吸収可能光子数の関係を示した図である。 集光部2が設けられた電池装置100Aを示した図である。 2PN接合1フィルタモデルでの波長変換しきい値Edと吸収可能光子数の関係を示した図である。 集光部2が設けられた電池装置100を示した図である。 本発明の第2実施形態の電池装置100Bを示した図である。 2PN接合2フィルタモデルでの波長変換しきい値Edと吸収可能光子数の関係を示した図である。 集光部2が設けられた電池装置100Bを示した図である。 下方型波長変換材料の動作機構の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の電池装置100を示した図である。
図1において、電池装置100は、太陽電池1と、波長変換フィルタFと、を含む。
太陽電池1は、受光面電極11および12と、裏面電極13と、セルC(1)およびC(2)と、を有する。
受光面電極11および12は、太陽電池1の受光面側に設けられている。裏面電極13は、太陽電池1の裏面側に設けられている。
セルC(1)は、PN接合部の一例であり、P型半導体層C(1)PとN型半導体層C(1)Nとを含む。セルC(2)は、PN接合部の一例であり、P型半導体層C(2)PとN型半導体層C(2)Nとを含む。セルC(2)は、特定PN接合部の一例でもある。
セルC(1)とセルC(2)では、バンドギャップが互いに異なる。以下、セルC(1)のバンドギャップをEg(1)と称し、セルC(2)のバンドギャップをEg(2)と称する。バンドギャップEg(2)は、バンドギャップEg(1)よりも大きい。太陽電池1では、バンドギャップが小さい順でセルC(1)とセルC(2)が積層されている。
波長変換フィルタFは、変換手段の一例である。
波長変換フィルタFは、セルC(2)の面のうちセルC(1)と対向する面C(2)aの反対側の面(以下「裏面」と称する)C(2)b側に設けられている。
波長変換フィルタFには、波長変換しきい値(以下、単に「しきい値」と称する)Edが設定されている。
波長変換フィルタFは、しきい値Ed以上のエネルギーを有する1つの光子を吸収するごとに、しきい値Edの1/2のエネルギーを有する2つの光子を、セルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。
また、波長変換フィルタFは、しきい値Ed未満のエネルギーを有する光子を受け付けた場合には、その光子をセルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。
しきい値Edは、バンドギャップEg(1)の2倍以上でバンドギャップEg(2)以上の値に設定されている。
波長変換フィルタFは、波長変換材料にて形成される。波長変換フィルタFの材料となる波長変換材料として、希土類イオンを用いるものと、希土類イオンを用いないものがある。
前者の希土類イオンを用いることは、特に、太陽光スペクトルのピークをなす2.5 eV付近を波長変換のしきい値Edに設定したい場合に有効で、オキシフロライド結晶化ガラスをホスト材料として希土類イオンを添加した材料が好適である。
さらに、希土類イオンを用いる場合は、Pr3+(プラセオジムイオン)、Er3+(エルビウムイオン)、Gd3+(ガドリニウムイオン)、Eu3+(ユウロビウムイオン)など1種類の希土類イオンを用いる場合と、希土類イオンペアを用いる場合がある。
希土類イオンペアを用いる場合は、Yb3+(プラセオジムイオン)を発光用とし、Pr3+(イッテルビウムイオン)、Tb3+(テルビウムイオン)、Tm3+(ツリウムイオン)、Gd3+(ガドリニウムイオン)などのイオンを吸光用とすることがとりわけ好適である。
これは、光を吸収するイオンにおける中間状態と基底状態との間のエネルギー範囲において、Yb3+(プラセオジムイオン)が2F7/22F5/2の2準位系であり励起・脱励起には波長1020 nmの1つの光のみが関与するからである。この波長のエネルギーは1.22 eVとなり、バルクSi(バルクシリコン)のバンドギャップ1.12 eVと近接していることも有用性を高めている。
ところで、波長変換フィルタは、希土類イオンを添加せずに作成することも可能である。この場合は、SiO2基板に粒径3.1 nmのSiナノクラスタをスパッタリングにより導入する。このクラスタのバンドギャップは1.5 eVで、波長変換フィルタのしきい値Edは3eVとなり、この波長変換フィルタは、3eVに対応する波長よりも短波長の入射光に対して波長変換する。このEd値は、希土類イオン系のEd値よりも大きいので、特に多接合型太陽電池において大きなバンドギャップを持つセルに対して有効である。
現状では任意波長の光を変換できる材料はなく、変換可能な波長はかなり限定される。
このため、変換された光に適合するように、セルのバンドギャップをエンジニアリングすることが有効である。
3元素以上の混晶ではベガード則として知られるように、その組成比を変化させることによってバンドギャップエネルギーを連続的に変化させることができる。これにより実質的に任意のバンドギャップを形成することが可能である。また、このような化合物半導体の多元結晶系は多接合型太陽電池と親和性が高く、太陽電池における多接合化によりさらにエネルギー変換効率を高めることができる。この場合、多接合用に最適化されたセルのバンドギャップの値が、波長変換フィルタにて変換された光に、より適合する可能性もある。
次に、波長変換フィルタのしきい値Edとセルのバンドギャップとの関係について説明する。
まず、1つのバンドギャップのみを持つ1つのPN接合部(セル)を有する太陽電池の上に下方型波長変換フィルタを載せた場合において、PN接合部のバンドギャップと波長変換フィルタのしきい値Edとの組合せについて説明する。
図2は、1つのバンドギャップのみを持つ1つのセル(PN接合部)Cを有する太陽電池1Aの上に下方型波長変換フィルタ(変換手段)2Aが載せられた電池装置100Aを示した図である。
太陽電池のエネルギー変換効率を計算する代表的な手法としてShockley-Queisser理論がある。この理論では、バンドギャップ以上のエネルギーを有する光は全て太陽電池に吸収され、太陽電池はその吸収された光を用いて光電流を生成する。
一方、電流損失過程としては、詳細つりあいの原理から熱平衡における熱的に励起された電子の発光性再結合過程のみを考慮する。
通常、この類の理論計算では、太陽光スペクトルを温度6000 Kの黒体放射で近似するので、以下でもそれに倣う。
1PN接合(1つのPN接合部)の場合、動作電圧をVとして単位面積あたりの電力P(V)を次式で表すことができる。
ここで、eは電気素量、C0は集光率である。Hは地球から見た太陽の視野角に相当する量で、H = sin2θH = 2.18×10-5で与えられる。
全く集光しない場合はC0 = 1で、以下では1 SUNと表記する。
一方、C0H = 1となるC0(=45872)は、半球上全てに太陽が存在する状態に対応しており、以下では完全集光と表記する。Tsは太陽表面温度(6000 K)を表し、Tcはセルの温度(300 K)を表す。
また、黒体放射の流束は
で与えられる。
ここでhはプランク定数、cは光速度である。
(1)式において、右辺の角括弧[ ]の部分は電流密度に対応しており、第1項が太陽光による光電流生成を表し、第2項が詳細つりあいの原理に基づく発光性再結合による電流損失を表す。
波長変換フィルタを太陽電池の上に設置した場合にもShockley-Queisser理論を適用するために、波長変換フィルタの機能を以下のようにモデル化する。
波長変換フィルタのモデル:しきい値Ed以上のエネルギーを持つ光子を全て吸収して、しきい値Ed以上のエネルギーを持つ1個の光子を、エネルギー1/2Edを持つ2個の光子に分割し、また、しきい値Ed未満のエネルギーを持つ光子をそのまま透過する。
波長変換フィルタをこのようにモデル化すると、波長変換により生成した2光子を太陽電池が利用するためには、バンドギャップEgと波長変換フィルタのしきい値Edの間に次の大小関係が必要である。
「1/2Ed ≧ Eg」(以下「条件1」とも称する)
また、エネルギーがバンドギャップEgからしきい値Edの範囲にある入射光子は、波長変換を受けずに1光子のまま太陽電池にて使われることになる。このため、太陽電池のエネルギー変換効率を高めるには、以下の条件も必要となる。
「1光子吸収範囲の最小化」(以下「条件2」とも称する)
これら2つの条件(条件1、2)を念頭におきながら、図3で示されるしきい値EdとバンドギャップEgの大小関係について以下の3つの場合を考える。
(1)Ed < Egの場合
図3(a)は、「Ed<Eg」の場合での、波長変換フィルタFAと太陽電池1A(セルC)との動作を説明するための図である。
図3(a)に示すように、波長変換フィルタFAによる波長変換後はバンドギャップEg以上のエネルギーを持つ光子が存在しなくなるので、太陽電池1A(セルC)での光吸収はゼロとなって太陽電池1Aの発電量もゼロとなる。このため、値Ed<Egの場合は、波長変換フィルタFAを設ける意味がない。
(2)Eg ≦ Ed < 2Egの場合
図3(b)は、「Eg≦Ed<2Eg」の場合での、波長変換フィルタFAと太陽電池1Aとの動作を説明するための図である。
図3(b)に示すように、Eg≦hν<Ed の範囲のエネルギーを持つ1つの光子は、波長変換フィルタFAでの波長変換を受けずに、1つの光子のまま太陽電池1Aに吸収される。なお、νは光子の振動数である。
また、波長変換フィルタFAは、Ed以上のエネルギーを持つ1つの光子を1/2Edのエネルギーを持つ2つの光子に変換する。しかしながら、1/2EdはバンドギャップEgよりも小さいので、太陽電池1Aは、この変換光(1/2Edのエネルギーを持つ光子)を吸収できず、この変換光は透過損失となる。
従って、波長変換フィルタFAがある場合よりも波長変換フィルタFAがない場合の方が太陽電池1Aに吸収される光子数は多くなる。よって、Eg≦Ed<2Egの場合も、波長変換フィルタFAを設ける意味がない。
(3)Ed ≧ 2Egの場合(1/2Ed ≧Egの場合)
図3(c)は、「Ed≧2Eg」の場合での、波長変換フィルタFAと太陽電池1Aとの動作を説明するための図である。
図3(c)に示すように、Eg≦hν<Ed の範囲のエネルギーを持つ1つの光子は、波長変換フィルタFAでの波長変換を受けずに、1つの光子のまま太陽電池1Aに吸収される。
また、hν≧Edの範囲のエネルギーを持つ1つの光子は、波長変換フィルタFAによりエネルギーhν= 1/2Edを持つ2つの光子となって、太陽電池1Aに吸収される。
Ed≧2Egの場合のみ、波長変換フィルタFAが無い場合よりも太陽電池1Aが吸収可能な光子数が増える。
さらに、上記の条件2である「1光子吸収領域の最小化」を実現するには、しきい値Edを下限(2Eg)に設定すれば良い(以下、この場合を「case_0」と表記する)。
このように入射太陽光のエネルギーによって光子数が変動することを留意すればShockley-Queisser理論を用いて、最大エネルギー変換効率η*とそれを与えるバンドギャップの値Eg*を計算することは可能である。
例えば、「case_0」の場合では、入射太陽光の光子フラックスに対応する(1)式右辺の
において、積分の上限下限を元の(Eg, ∞)から(Eg, Ed)と(Ed, ∞)の2つの領域に分割する。
さらに後者の(Ed, ∞)は、1つの光子が波長変換フィルタによって2つの光子に変換される2光子領域(2 photons)なので、後者の(Ed, ∞)では因子2を乗じる。
前者の(Eg, Ed)は1光子領域(1 photon)なので、前者の(Eg, Ed)では新たに因子を考慮する必要はない。
最適動作点は、(1)式のP(V)を最大にするVである。これによって、あるバンドギャップEgでの最適変換効率が求まるので、バンドギャップEgの値を変化させて、この計算を繰り返すことで最適変換効率の最大値η*を決定することが可能である。「case_0」の場合に実際に計算を行うと、
「case_0」:η*= 0.395,Eg* = 1.1 eV (1 SUN)
η*= 0.568,Eg* = 0.78 eV(完全集光)
となった(波長変換フィルタのしきい値Edは、Ed=2Egの関係から計算できる)。
これらの変換効率は、1 SUNと完全集光のそれぞれで波長変換フィルタを設置しない場合の計算値、0.310(1 SUN)と0.408(完全集光)を大きく上回る。
このため、図2に示したように、波長変換フィルタFAに光子を集光する集光部(例えば、集光ミラーまたは集光レンズ)が、電池装置100Aに設けられていない場合、セルCのバンドギャップEgが1.1eVに設定されることが望ましい。
また、図4に示すように、波長変換フィルタFAに光子を集光する集光部2が、電池装置100Aに設けられている場合、セルCのバンドギャップEgが0.78eVに設定されることが望ましい。
なお、図4は、波長変換フィルタFAの前面に、波長変換フィルタFAに光子を集光する集光部2が設けられた電池装置100Aを示した図である。集光部2は、集光レンズでもよいし、集光ミラーでもよく、適宜変更可能である。
ここで、η*(フィルタ付き)/ η*(フィルタ無し)の比を考えると、1 SUNでは1.27であるが完全集光では1.39となるので、集光すると波長変換フィルタの効果が顕著に高まることが分かる。
また、波長変換フィルタFA付きの電池装置100Aの最大変換効率は、2つのPN接合部(セル)を有する太陽電池での計算値、0.421(1 SUN)と0.549(完全集光)に匹敵している。
このように、1つのセル単独よりも、1つのセルの前面に波長変換フィルタを置くことで、顕著なエネルギー変換効率の向上を図ることが可能となる。
また、ここまでの説明で波長変換フィルタのしきい値Edはセルのバンドギャップの2倍(2Eg)に設定すれば良いことがわかるので、以下では特に断りのない限り、Ed=2Egに設定する。
次に、図1に示した電池装置100(以下「2接合1フィルタモデル」とも称する)について、セルC(1)、C(2)のバンドギャップ(Eg(1)、Eg(2))と変換波長フィルタFのしきい値Edとの組合せについて説明する。
波長変換フィルタFのしきい値Edをバンドギャップの2倍に設定するとしても、Ed = 2Eg(1)と、Ed = 2Eg(2)と、の2つの場合がある。
Ed = 2Eg(1)のとき、さらに、しきい値EdとバンドギャップEg(2)の大小関係で2つの場合(以下、「case_1.1」、「case_1.2」と称する)に分かれる。
「case_1.1」:[Ed = 2Eg(1)] かつ [Ed < Eg(2)] の場合
図5(a)は、「Ed=2Eg(1)、かつ、Ed<Eg(2)」の場合での、波長変換フィルタFと太陽電池1(セルC(1)およびC(2))との動作を説明するための図である。
図5(a)に示すように、この場合はセルC(2)が吸収する光子が無くなり、実質的に1PN接合の太陽電池(PN接合部を1つ有する太陽電池)と同じとなってセルC(2)を置くのは無意味である。「case_1.1」は、結局「case_0」と同じになる。
「case_1.2」:[Ed = 2Eg(1)] かつ [Ed ≧ Eg(2)] の場合
図5(b)は、「Ed=2Eg(1)、かつ、Ed≧Eg(2)」の場合での、波長変換フィルタFと太陽電池1(セルC(1)およびC(2))との動作を説明するための図である。
図5(b)に示すように、Eg(1)≦hν<Eg(2) の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタFでの波長変換を受けずに、1つの光子のままセルC(1)に吸収される。
Eg(2)≦hν<Edの範囲のエネルギーを持つ光子も、波長変換フィルタFでの波長変換を受けずに、1つの光子のままセルC(2)に吸収される。
hν≧Edの範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタFでの波長変換を受けて、2つの光子としてセルC(1)に吸収される。
一方、Ed = 2Eg(2)の場合は、図5(c)で示されるようにバンドギャップEg(1)、バンドギャップEg(2)、しきい値Ed の3者の大小関係は一意に決まる。
「case_1.3」:Ed = 2Eg(2)の場合
図5(c)は、「Ed=2Eg(2)」の場合での、波長変換フィルタFと太陽電池1(セルC(1)およびC(2))との動作を説明するための図である。
図5(c)に示したように、Eg(1)≦hν<Eg(2) の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタFでの波長変換を受けずに1つの光子のままセルC(1)に吸収される。
Eg(2)≦hν<Edの範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタFでの波長変換を受けずに、1つの光子のままセルC(2)に吸収される。
hν≧Edの範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタFでの波長変換を受けて2つの光子としてセルC(2)に吸収される。
「case_1.2」と「case_1.3」について,Shockley-Queisser理論に基づいて最大変換効率η*とそれを与える2つのセルのエネルギーギャップの組合せ(Eg(1)*,Eg(2)*)を計算すると、
「case_1.2」:η* = 0.446 Eg(1)* = 1.08 eV,Eg(2)* = 1.58 eV (1 SUN)
η* = 0.609 Eg(1)* = 0.88 eV,Eg(2)* = 1.30 eV (完全集光)
「case_1.3」:η* = 0.464 Eg(1)* = 0.84 eV,Eg(2)* = 1.48 eV (1 SUN)
η* = 0.635 Eg(1)* = 0.56 eV,Eg(2)* = 1.10 eV (完全集光)
となって、「case_1.3」の方が高効率であることが分かる。
このため、図1に示した電池装置100では、「case_1.2」または「case_1.3」に示したように、セルC(1)のバンドギャップEg(1)と、セルC(2)のバンドギャップEg(2)と、波長変換フィルタFのしきい値Edが設定されることが望ましい。
例えば、図1に示したように、波長変換フィルタFに光子を集光する集光部(例えば、集光ミラーまたは集光レンズ)が、電池装置100に設けられていない場合、セルC(1)のバンドギャップEg(1)が0.84eVに設定され、セルC(2)のバンドギャップEg(2)が1.48eVに設定される。
また、図6に示すように、波長変換フィルタFに光子を集光する集光部2が、電池装置100に設けられている場合、セルC(1)のバンドギャップEg(1)が0.56eVに設定され、セルC(2)のバンドギャップEg(2)が1.10eVに設定される。なお、図6において、図1、4に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、太陽電池1は、バンドギャップが小さい順に積層された複数のセルC(1)およびC(2)を有する。波長変換フィルタFは、バンドギャップEg(1)の2倍以上でバンドギャップEg(2)以上であるエネルギーを持つ光子を吸収すると、吸収された1つの光子につき、バンドギャップEg(1)以上で、かつ吸収された光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2つ以上の光子を、セルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。
このため、波長変換フィルタFは、多接合型の太陽電池1が発電に使用する光子の量を増やし、太陽電池1は、波長変換フィルタFにて増やされた光子を用いて発電する。
よって、波長変換フィルタと多接合型の太陽電池とを備えた電池装置におけるエネルギー変換効率を高めることが可能になる。
なお、上記効果は、太陽電池1と波長変換フィルタFとからなる電池装置でも奏する。
また、本実施形態では、波長変換フィルタFは、セルC(2)の面C(2)b側に設けられている。
このため、波長変換フィルタFから出力された光子を、例えば導光部等を用いることなく、セルC(2)の面C(2)bに出力することが可能になる。よって、電池装置の構成の簡略化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、波長変換フィルタFは、セルC(2)が有するバンドギャップEg(2)の2倍以上のエネルギーを持つ光子(以下「特定光子」と称する)を吸収すると、1つの特定光子につき、セルC(2)のバンドギャップEg(2)以上でその特定光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2以上の光子を、セルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。
また、波長変換フィルタFは、セルC(2)のバンドギャップEg(2)の2倍未満のエネルギーを持つ光子(以下「所定光子」と称する)を受け付けた場合には、その所定光子をセルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。
このため、「case_1.3」のように電池装置100を設定でき、エネルギー変換効率を高くすることができる。
なお、本実施形態において、セルC(1)のバンドギャップEg(1)とセルC(2)のバンドギャップEg(2)は、集光部2が設けられていない場合には、0.84eVと1.48eVにそれぞれ設定され、集光部2が設けられている場合には、0.56eVと1.1eVにそれぞれ設定されることが望ましい。この場合、Shockley-Queisser理論に基づいた最大変換効率を高くすることが可能になる。
また、本実施形態において、電池装置100に集光部2が設けられている場合、セルC(1)とセルC(2)のうちの一方(例えば、セルC(2))が、結晶シリコンで形成され、波長変換フィルタFにはYb3+(イッテルビウムイオン)が添加されてもよい。
Yb3+(プラセオジムイオン)が2F7/22F5/2の2準位系であり励起・脱励起には波長1020 nmの1つの光のみが関与する。この波長のエネルギーは1.22 eVとなり、単結晶シリコンのバンドギャップ1.12 eVと近接している。よって、結晶シリコンで形成されたセルは、波長変換フィルタF内のYb3+(イッテルビウムイオン)が出力した光子を用いて発電することが可能になる。そして、集光部2が波長変換フィルタFに光を集光するので、結晶シリコンにて形成されたセルは、集光部2が設けられていない場合に比べて、発電に寄与するエネルギーを持った光子をより多く受光できる。よって、エネルギー変換効率を高くすることが可能になる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態の電池装置100Bを示した図である。図7において、図1に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
第1実施形態の電池装置100では、波長変換フィルタの数は1であったが、第2実施形態の電池装置100Bでは、波長変換フィルタの数が2となっている。
電池装置100Bは、太陽電池1と、波長変換フィルタF(1)およびF(2)と、を含む。
波長変換フィルタF(1)およびF(2)は、変換手段の一例である。
波長変換フィルタF(1)は、セルC(2)の面のうち面C(2)b側に設けられ、セルC(1)に対応する。波長変換フィルタF(1)には、セルC(1)のバンドギャップEg(1)に対応するしきい値Ed(1)が設定されている。本実施形態では、Ed(1)=2Eg(1)である。
波長変換フィルタF(2)は、波長変換フィルタF(1)の面のうちセルC(2)と対向する面の裏面側に設けられ、セルC(2)に対応する。波長変換フィルタF(2)には、セルC(2)のバンドギャップEg(2)に対応するしきい値Ed(2)が設定されている。本実施形態では、Ed(2)=2Eg(2)である。
バンドギャップEg(1)<バンドギャップEg(2)なので、波長変換フィルタF(2)のしきい値Ed(2)は、波長変換フィルタF(1)のしきい値Ed(1)よりも大きい。
ここで、2つの波長変換フィルタと太陽電池1(セルC(1)およびセルC(2))の位置関係について、図7に示した位置関係と他の位置関係とを説明する。なお、以下では、波長変換フィルタF(2)のしきい値Ed(2)が波長変換フィルタF(1)のしきい値Ed(1)以下である場合も説明する。
2つのセルと2つの波長変換フィルタの位置関係は、図7の上側(光源に近い側)から順に表記すると、
波長変換フィルタF(1)−波長変換フィルタF(2)−セルC(2)−セルC(1) (図7に示した位置関係と異なる位置関係)と、
波長変換フィルタF(2)−波長変換フィルタF(1)−セルC(2)−セルC(1)(図7に示した位置関係)と
の2つの場合がある。
まず、波長変換フィルタF(1)−波長変換フィルタF(2)−セルC(2)−セルC(1)の順で電池装置が形成される場合(以下「位置関係A」と称する)について説明する。
位置関係Aの場合、高エネルギーの光子(波長変換フィルタF(1)のしきい値Ed(1)以上のエネルギーを有する光子)は、すべて、波長変換フィルタF(1)で波長変換される。このため、波長変換フィルタF(2)は機能しない。したがって、位置関係Aの場合は、図1に示した電池装置100(1フィルタモデル)に包含されることになる。
なお、位置関係Aの場合には、バンドギャップEg(2)とバンドギャップEd(1)の大小関係に応じて、「case_2.1」と「case_2.2」という2つの場合分けが生じる。
「case_2.1」:[波長変換フィルタF(1) over 波長変換フィルタF(2)] かつ [Ed(1) = 2Eg(1)] かつ [Ed(2) = 2Eg(2)] かつ[Ed(1) < Eg(2)]
「case_2.1」の場合は、「case_1.1」と同様にセルC(2)が吸収する光子が無くなり、かつ波長変換フィルタF(2)が機能せず、「case_0」と同じ1セル1波長変換フィルタモデルに帰着することがわかる。
「case_2.2」:[波長変換フィルタF(1) over波長変換フィルタF(2)] かつ [Ed(1) = 2Eg(1)] かつ [Ed(2) = 2Eg(2)] かつ [Ed(1) ≧ Eg(2)]
「case_2.2」の場合は、波長変換フィルタF(2)が機能せず、「case_1.2」と同じ2セル1波長変換フィルタモデルに帰着する。
次に、図7に示すように、波長変換フィルタF(2)−波長変換フィルタF(1)−セルC(2)−セルC(1)の順で電池装置が形成される場合(以下「位置関係B」と称する)について説明する。
位置関係Bの場合、バンドギャップEg(2)とバンドギャップEd(1)の大小関係に応じて、「case_2.3」と「case_2.4」という2つの場合分けが生じる。
「case_2.3」:[波長変換フィルタF(2) over 波長変換フィルタF(1)] かつ [Ed(1) = 2Eg(1)] かつ [Ed(2) = 2Eg(2)] かつ [Ed(1) < Eg(2)]
「case_2.4」:[波長変換F(2) over 波長変換F(1)] かつ [Ed(1) = 2Eg(1)] かつ [Ed(2) = 2Eg(2)] かつ [Ed(1) ≧ Eg(2)]
なお、「case_2.3」では、波長変換フィルタF(2)で変換された光子が、さらに波長変換フィルタF(1)で変換される。
まず、「case_2.3」について説明する。
図8(a)は、「case_2.3」での、波長変換フィルタF(1)およびF(2)と太陽電池1(セルC(1)およびC(2))との動作を説明するための図である。
図8(a)に示すように、Eg(1)≦hν<Ed(1) の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタF(1)、F(2)での波長変換を受けずに、1つの光子のままセルC(1)に吸収される。
Ed(1)≦hν< Ed(2) の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタF(1)によって波長変換を受けて2つの光子になり、その2つの光子がセルC(1)に吸収される。
hν≧Ed(2)の範囲のエネルギーを持つ光子は、まず、波長変換フィルタF(2)によって波長変換を受けて2つの光子となる。さらに、その2つの光子が波長変換フィルタF(1)によって再度波長変換を受けて4つの光子となり、その4つの光子がセルC(1)に吸収される。
結局、「case_2.3」の場合、セルC(2)が吸収する光子は存在せず、1セル2フィルタモデルとなっている。
次に、「case_2.4」について説明する。
図8(b)は、「case_2.4」での、波長変換フィルタF(1)およびF(2)と太陽電池1(セルC(1)およびC(2))との動作を説明するための図である。
図8(b)に示すように、Eg(1)≦hν<Eg(2)の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタF(1)、F(2)での波長変換を受けずに、1つの光子のままセルC(1)に吸収される。
Eg(2)≦hν<Ed(1) の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタF(1)、F(2)での波長変換を受けずに、1つの光子のままセルC(2)に吸収される。
Ed(1)≦hν<Ed(2) の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタF(1)による波長変換を受けて2つの光子となり、その2つの光子がセルC(1)に吸収される。
hν≧Ed(2)の範囲のエネルギーを持つ光子は、波長変換フィルタF(2)による変換を受けて2つの光子となり、その2つの光子がセルC(2)に吸収される。
「case_2.1」と「case_2.2」はそれぞれ「case_0」と「case_1.2」と同じになるので、それらを参照する。
「case_2.3」と「case_2.4」について、Shockley-Queisser理論に基づいて最大変換効率η*とそれを与える2つのセルのエネルギーギャップの組合せ(Eg(1)*,Eg(2)*)を計算すると、
「case_2.3」:η*= 0.409 Eg(1)* = 0.94 eV,Eg(2)* = 1.90 eV (1 SUN)
η*= 0.647 Eg(1)* = 0.56 eV,Eg(2)* = 1.14 eV (完全集光)
「case_2.4」:η*= 0.482 Eg(1)* = 0.96 eV,Eg(2)* = 1.38 eV (1 SUN)
η*= 0.678 Eg(1)* = 0.68 eV,Eg(2)* = 1.06 eV (完全集光)
となって、「case_2.3」よりも「case_2.4」の効率が高い。
このため、図7に示した電池装置100Bでは、「case_2.3」または「case_2.4」に示したように、セルC(1)のバンドギャップEg(1)と、セルC(2)のバンドギャップEg(2)と、波長変換フィルタF(1)のしきい値Ed(1)と、波長変換フィルタF(2)のしきい値Ed(2)が設定されることが望ましい。
例えば、図7に示したように、波長変換フィルタF(2)に光子を集光する集光部(例えば、集光ミラーまたは集光レンズ)が、電池装置100Bに設けられていない場合、セルC(1)のバンドギャップEg(1)が0.96eVに設定され、セルC(2)のバンドギャップEg(2)が1.38eVに設定される。
また、図9に示すように、波長変換フィルタF(2)に光子を集光する集光部2が、電池装置100Bに設けられている場合、セルC(1)のバンドギャップEg(1)が0.68eVに設定され、セルC(2)のバンドギャップEg(2)が1.06eVに設定される。なお、図9において、図7、4に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
これまでの説明から、N個のPN接合部を積層した多接合型太陽電池の上に、それぞれのセルのバンドギャップの2倍の大きさを波長変換のしきい値とするN枚の波長変換フィルタを設置する場合に、全ての波長変換フィルタおよびセルを機能させる可能性のある配置の仕方は、
波長変換フィルタF(N)−波長変換フィルタF(N-1)−波長変換フィルタF(N-2)・・・波長変換フィルタF(2)−波長変換フィルタF(1)−セルC(N)−セルC(N-1)−セルC(N-2)・・・セルC(2)−セルC(1)の一意に決まることが分かる(ここで、Eg(1) < Eg(2) <・・・・・< Eg(N-1) < Eg(N)としてF(i) = 2Eg(i)である)。
なお、図7に示した電池装置100Bでは、全ての波長変換フィルタおよびセルを機能させる可能性のある配置の仕方が採用されている。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、波長変換フィルタの数が、セルの数と同一である。波長変換フィルタF(1)およびF(2)は、セルC(1)およびC(2)と1対1で対応している。波長変換フィルタF(1)およびF(2)は、対応するセルのバンドギャップが大きいほど太陽電池1からの距離が長くなるように積層されている。
そして、波長変換フィルタF(1)およびF(2)は、それぞれ、対応するセルのバンドギャップの2倍以上のエネルギーを持つ光子(以下「該当光子」と称する)を吸収すると、1つの該当光子につき、対応するセルのバンドギャップ以上でその該当光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2以上の光子を、セルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。また、波長変換フィルタF(1)およびF(2)は、それぞれ、対応するセルのバンドギャップの2倍未満のエネルギーを持つ光子(所定光子)を受け付けた場合には、その所定光子をセルC(2)側から太陽電池1に向けて出力する。
このため、全ての波長変換フィルタおよびセルを機能させることが可能になり、エネルギー変換効率の向上を図ることが可能になる。
なお、本実施形態において、セルC(1)のバンドギャップEg(1)とセルC(2)のバンドギャップEg(2)は、集光部2が設けられていない場合には、0.96eVと1.38eVにそれぞれ設定され、集光部2が設けられている場合には、0.68eVと1.06eVにそれぞれ設定されることが望ましい。この場合、Shockley-Queisser理論に基づいた最大変換効率を高くすることが可能になる。
また、本実施形態において、電池装置100Bに集光部2が設けられている場合、セルC(1)とセルC(2)のうちの一方(例えば、セルC(2))が、結晶シリコンで形成され、波長変換フィルタFにはYb3+(イッテルビウムイオン)が添加されてもよい。
Yb3+(プラセオジムイオン)の励起・脱励起には、上述したように波長1020 nmの1つの光のみが関与する。この波長のエネルギーは1.22 eVとなり、単結晶シリコンのバンドギャップ1.12 eVと近接している。よって、結晶シリコンで形成されたセルは、波長変換フィルタF内のYb3+(イッテルビウムイオン)が出力した光子を用いて発電することが可能になる。そして、集光部2が波長変換フィルタF(2)に光を集光するので、結晶シリコンにて形成されたセルは、集光部2が設けられていない場合に比べて、発電に寄与するエネルギーを持った光子をより多く受光できる。よって、エネルギー変換効率を高くすることが可能になる。
なお、波長変換フィルタ付き多接合型太陽電池の費用対効果を高めるためには、集光したほうがよい。これは単に現状では波長変換材料よりもミラー等の集光装置の方が安価であるというだけでなく、上述の説明のように下方型波長変換フィルタは非集光時よりも集光時の方が顕著にエネルギー変換効率を高める効果が期待できるからである。
上記実施形態では、セルの数を2としたが、セルの数は2に限らず2以上でもよい。なお、第2実施形態では、波長変換フィルタの数はセルの数と一致するので、セルの数が増えれば、波長変換フィルタの数も増える。
なお、上記各実施形態では、波長変換フィルタつき多接合型太陽電池において、Shockley-Queisser理論に基づいて積層セル数と波長変換フィルタ数がともに2までの場合について最大のエネルギー変換効率を与えるバンドギャップの組合せと波長変換のしきい値を提供した。
すなわち、波長変換フィルタの機能モデルを導入することで、最適な波長変換フィルタのしきい値とセルのバンドギャップの関係を明らかにし、さらに波長変換フィルタによる光子数の変化をShockley-Queisser理論の入射光子フラックスに考慮することで最適なバンドギャップの組合せを得た。
また、波長変換フィルタつき多接合型太陽電池は、特に集光装置と組み合わせることで、非集光時よりもフィルタによるエネルギー変換効率の顕著な上昇が認められた。
集光時には波長変換フィルタの設置はPN接合の積層数を1つ増やす以上の効果がある。
エネルギー変換効率を高めることによって太陽光パネルの設置面積を削減することを可能としたことは、導入コストや維持・管理コストの低減さらに省資源化に貢献するものと期待される。
また、上記各実施形態では、多接合型太陽電池の前に、波長変換材料にて形成された波長変換フィルタを置くことにより、PN接合数を削減しつつエネルギー変換効率を高めることが可能になる。また、波長変換フィルタでの希土類イオンの使用量を削減するために集光することが有効となる。
また、上記各実施形態は、多接合型太陽電池のような太陽電池のバンドギャップを太陽光スペクトルに適合する技術と、波長変換材料に代表される太陽光スペクトルを太陽電池のバンドギャップに適合する技術とを、有意に融合することで、それぞれの技術の長所を維持しながら、エネルギー変換効率の向上を図ることが可能になる。
また、上記各実施形態は、設置面積が限定された環境で高いエネルギー変換効率を必要とする太陽電池システムの構築や集光装置を利用した大規模太陽光発電でのエネルギー変換効率を向上させることに利用可能である。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
100、100A、100B 電池装置
1、1A 太陽電池
11、12 受光面電極
13 裏面電極
2 集光部
C(1)、C(2)、C セル
C(1)P、C(2)P、CP P型半導体層
C(1)N、C(2)N、CN N型半導体層
C(2)a、C(2)b 面
F、FA、F(1)、F(2) 波長変換フィルタ

Claims (8)

  1. 複数のPN接合部が当該バンドギャップの小さい順に積層された太陽電池と、
    複数の前記バンドギャップのうち最小のバンドギャップの2倍以上で前記複数のバンドギャップのうち最大のバンドギャップ以上であるエネルギーを持つ光子を吸収すると、1つの当該光子につき、前記最小のバンドギャップ以上で当該光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2つ以上の光子を、前記最大のバンドギャップを有する特定PN接合部側から前記太陽電池に向けて出力する変換手段と、を含む電池装置。
  2. 請求項1に記載の電池装置において、
    前記変換手段は、前記特定PN接合部の面のうち他のPN接合部と対向する面とは反対側の面側に設けられている、電池装置。
  3. 請求項2に記載の電池装置において、
    前記変換手段は、前記特定PN接合部が有するバンドギャップの2倍以上のエネルギーを持つ特定光子を吸収すると、1つの前記特定光子につき、前記特定PN接合部のバンドギャップ以上で前記特定光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2以上の光子を、前記特定PN接合部側から前記太陽電池に向けて出力し、前記特定PN接合部のバンドギャップの2倍未満のエネルギーを持つ所定光子を受け付けた場合には、当該所定光子を前記特定PN接合部側から前記太陽電池に向けて出力する、電池装置。
  4. 請求項2に記載の電池装置において、
    前記変換手段の数は、前記PN接合部の数と同一であり、
    複数の前記変換手段は、前記複数のPN接合部と1対1で対応し、
    前記複数の変換手段の各々は、対応するPN接合部のバンドギャップが大きいほど前記太陽電池からの距離が長くなるように積層され、
    前記複数の変換手段の各々は、前記対応するPN接合部のバンドギャップの2倍以上のエネルギーを持つ該当光子を吸収すると、1つの前記該当光子につき、前記対応するPN接合部のバンドギャップ以上で前記該当光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2以上の光子を、前記特定PN接合部側から前記太陽電池に向けて出力し、前記対応するPN接合部のバンドギャップの2倍未満のエネルギーを持つ所定光子を受け付けた場合には、当該所定光子を前記特定PN接合部側から前記太陽電池に向けて出力する、電池装置。
  5. 請求項3に記載の電池装置において、
    前記PN接合部の数は、2であり、
    前記2個のPN接合部のバンドギャップは、前記変換手段に光子を集光する集光手段が設けられていない場合には0.84eVと1.48eVにそれぞれ設定され、前記集光手段が設けられている場合には0.56eVと1.1eVにそれぞれ設定される、電池装置。
  6. 請求項4に記載の電池装置において、
    前記PN接合部の数は、2であり、
    前記2個のPN接合部のバンドギャップは、前記変換手段に光子を集光する集光手段が設けられていない場合には0.96eVと1.38eVにそれぞれ設定され、前記集光手段が設けられている場合には0.68eVと1.06eVにそれぞれ設定される、電池装置。
  7. 請求項1または2に記載の電池装置において、
    前記変換手段に光子を集光する集光手段を含み、
    前記PN接合部の数は、2であり、
    前記2個のPN接合部のうちの1個のPN接合部は、結晶シリコンで形成され、
    前記変換手段にはYb3+が添加されている、電池装置。
  8. 1つのPN接合部を有する太陽電池と、
    前記PN接合部のバンドギャップの2倍以上のエネルギーを持つ光子を吸収すると、1つの前記光子につき、前記バンドギャップ以上で前記光子のエネルギーよりも小さいエネルギーを持つ2以上の光子を、前記太陽電池に向けて出力する変換手段と、を含み、
    前記PN接合部のバンドギャップは、前記変換手段に光子を集光する集光手段が設けられていない場合には1.1eVに設定され、前記集光手段が設けられている場合には0.78eVに設定される、電池装置。
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JP2018019068A (ja) * 2016-07-15 2018-02-01 キヤノン株式会社 光電変換装置、および、撮像システム

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