JP2014080999A - タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライナーに繊維が巻き付けられた構成を有するタンクの強度の低下を抑制する。
【解決手段】タンクの製造方法は、(a)タンク容器状のライナーであって、ライナーの長手方向端部の少なくとも一方に、溝部を有する口金部を備えるライナーを用意する工程と、(b)溝部に繊維の一端を固定する工程と、(c)一端が溝部に固定された繊維を、口金部を含むライナーの外周面に巻きつける工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンクの製造方法に関する。
燃料電池システムでは、燃料ガスを貯蔵した高圧ガスタンクが用いられる。高圧ガスタンクは、一般に、フィラメントワインディング法(以下、「FW法」と呼ぶ)により製造される。FW法では、タンク容器状のライナーの外周面に、熱硬化性樹脂を含む繊維を巻き付け、巻き付けられた繊維を加熱することによりFRP(繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)層を形成する。ライナー外周面への繊維の巻き付け工程では、まず、ライナーの端部に設けられた口金部に繊維を巻きつけて固定し、その後、ライナー全体に繊維を巻き付ける。引用文献1には、口金部への多量の繊維の巻き付けに起因して、ライナー全体への巻き付けが適正に行えないとの課題を解決するために、繊維の先端部にリング状の圧着端子を取り付け、かかる圧着端子を口金部にネジ止めすることにより、繊維を口金部に固定するタンクの製造方法が開示されている。
特開2009−174554号公報
しかしながら、特許文献1に記載のタンクの製造方法では、圧着端子及びネジが口金部の表面から突出するために口金部の表面に段差が生じる。このように口金部の表面に段差が生じると、段差の表面に沿って繊維が巻かれずに口金部の表面と繊維との間に空隙が生じ得る。この場合、空隙が生じた部分においてタンクの強度が低下する、或いは、空隙が生じた部分から繊維の緩みが生じるという課題があった。このような課題は、燃料電池システム用の高圧ガスタンクに限らず、任意の用途で用いられるタンク及び任意の流体を貯蔵するタンクにおいて共通していた。そのほか、従来のタンクの製造方法においては、タンクの製造効率の向上、低コスト化、省電力化、製造の容易化、操作性の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、タンクの製造方法が提供される。このタンクの製造方法は、(a)タンク容器状のライナーであって、前記ライナーの長手方向端部の少なくとも一方に、溝部を有する口金部を備えるライナーを用意する工程と、(b)前記溝部に前記繊維の一端を固定する工程と、(c)一端が前記溝部に固定された前記繊維を、前記口金部を含む前記ライナーの外周面に巻きつける工程と、を備える。この形態のタンクの製造方法によれば、繊維をライナーの外周面に巻き付ける際に、まず、溝に繊維を固定するので、固定された繊維が口金部の表面から突出することを抑制することができる。このため、口金部の表面に段差が生じることを抑制できるので、口金部を含むライナーの外周面に繊維を巻き付ける際に、口金部の表面に沿って繊維を巻き付けることができる。したがって、口金部の表面と巻き付けた繊維との間に空隙が生じることを抑制でき、かかる空隙に起因するタンクの強度の低下や、巻き付けた繊維の緩みの発生を抑制することができる。加えて、口金部の表面における段差を解消する作業(手作業)を行う必要がないので、タンクの製造効率を向上させることができる。
(2)上記形態のタンクの製造方法において、前記工程(b)は、(b1)前記溝部に前記繊維を巻き付ける工程、を含み、前記工程(c)は、前記溝部に続いて、前記口金部を含む前記ライナーの外周面に繊維を巻きつける工程であってもよい。この形態のタンクの製造方法によれば、まず、溝部に繊維を巻き付けて、続いて口金部を含むライナーの外周面に繊維を巻き付けるので、同様の処理を連続して行うことができる。したがって、タンクの製造効率を向上させることができる。
(3)上記形態のタンクの製造方法において、前記繊維には、熱硬化性樹脂が含浸されており、前記工程(b)は、(b2)前記溝部に巻き付けられた前記繊維を加熱する工程、を含んでもよい。この形態のタンクの製造方法によれば、溝部に巻き付けられた繊維に含浸されている熱硬化性樹脂を硬化させることができるので、繊維を確実に溝部に固定することができる。したがって、工程(c)において、口金部を含むライナーに繊維を巻き付ける際に、繊維の緩みの発生を抑制することができる。
(4)上記形態のタンクの製造方法において、前記繊維を巻き付ける方法は、多給糸フィラメントワインディング法であってもよい。多給糸フィラメントワインディング法によって繊維を巻き付ける場合、単給糸フィラメントワインディング法により繊維を巻き付ける構成に比べて、繊維の重なりが大きくなるため、口金部に段差が存在する場合に空隙が生じ易くなる。しかしながら、上記形態のタンクの製造方法によれば、口金部の表面における段差の発生を抑制できるので、多給糸フィラメントワインディング法によって繊維を巻き付ける場合であっても、口金部の表面と繊維との間の空隙の発生を抑制することができる。
(5)上記形態のタンクの製造方法において、前記溝部は、前記口金部の中心軸を中心とした回転方向に沿って前記口金部の全周に亘って形成された溝により構成されていてもよい。この形態のタンクの製造方法によれば、口金部の全周に亘って溝が形成されているので、口金部の全周のうちの一部に溝が形成されている構成に比べて、巻き始めにおいて固定された繊維が、口金部の表面から突出することをより抑制することができる。また、溝部は、口金部の中心軸を中心とした回転方向に沿って形成されているので、溝部を除く他の部分に繊維を巻き付けるために溝部を起点として繊維を繰り出す際に、溝部に固定された繊維を、溝部を構成する壁面にしっかりと押し当てることができる。したがって、溝部に固定された繊維の移動や緩みを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、タンクに繊維を巻き付ける方法や、タンク製造装置等の形態で実現することができる。
本実施形態における高圧ガスタンクの製造方法の手順を示すフローチャートである。 ステップS105で用意されるライナーの一例を示す断面図である。 図2に示す口金部20を拡大して示す説明図である。 ライナー10に炭素繊維を巻き付ける様子を模式的に示す説明図である。 ステップS110が実行された後の口金部20を拡大して示す説明図である。 ステップS120が開始されて暫くした後の口金部20を拡大して示す説明図である。 ステップS120完了後における口金部20を拡大して示す説明図である。 第1比較例における口金部を拡大して示す説明図である。 第2比較例における口金部を拡大して示す説明図である。
A.実施形態:
図1は、本実施形態における高圧ガスタンクの製造方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法により製造される高圧ガスタンクは、タンク容器状のライナーに炭素繊維が巻き付けられた構成を有し、例えば、燃料電池システムにおいて、燃料ガスとしての水素ガスを高圧で貯蔵するために用いられる。図1に示すように、本実施形態の高圧ガスタンクの製造手順では、先ず、タンク容器状のライナーを用意する(ステップS105)。
図2は、ステップS105で用意されるライナーの一例を示す断面図である。ライナー10は、ライナー本体30と、2つの口金部20とを備えている。ライナー本体30は、水素ガスに対するガスバリア性を有する樹脂製容器である。ライナー本体30は、例えば、ナイロン系樹脂など、水素ガスに対するガスバリア性を有する任意の樹脂により形成することができる。また、樹脂に限らず金属によりライナー本体30を形成することもできる。ライナー本体30は、半径が均一である略円筒形状のシリンダー部31と、シリンダー部31の両端に設けられた凸曲面形状の2つのドーム部32とを有する。
2つの口金部20は、それぞれドーム部32の頂点部分に装着されている。換言すると、口金部20は、ライナー10における長手方向(ライナー10の中心軸CXに沿った方向)の両端部に装着されている。口金部20の中心軸は、ライナー10の中心軸CXと一致している。口金部20は、例えば、金属により形成することができる。後述するように、高圧ガスタンクの製造過程において、口金部20にはタンク保持冶具が挿入される。また、完成した高圧ガスタンクが燃料電池システムに用いられる際には、口金部20には水素ガス供給用の配管が接続される。
図3は、図2に示す口金部20を拡大して示す説明図である。なお、図3では、図2における領域Arを拡大して示している。図3に示すように、口金部20は、接続部21と、ライナー接合部23と、挿入部24と、溝部22と、接続孔25とを備えている。接続部21には、高圧ガスタンク完成後において、配管が接続され得る。ライナー接合部23は、ドーム部32の外周面に沿って配置され、ライナー本体30に接合されている。挿入部24は、ライナー本体30の内部空間(中空部分)に挿入されている。
溝部22は、接続部21とライナー接合部23との間に形成された溝により構成されている。したがって、溝部22では、接続部21とライナー接合部23との間における他の部分に比べて薄肉となっている。溝部22は、口金部20の中心軸(すなわち、ライナー10の中心軸CX)を中心とした回転方向に沿って口金部20の外部表面の全周に亘って形成されている。
接続孔25は、接続部21から挿入部24に亘って形成された貫通孔である。接続孔25は、口金部20の中央に配置され、外部と、ライナー本体30の内部空間とを連通する。接続孔25の中心軸は、ライナー本体30の中心軸CXと一致している。
図1に示すように、ライナー本体30が用意された後、ライナー本体30をタンク保持冶具により保持し、ヘリカル巻きユニットを用いて溝部22に炭素繊維を巻き付ける(ステップS110)。本実施形態において用いられる炭素繊維は、予め熱硬化性樹脂が含浸された、いわゆるプリプレグである。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂や、ポリアミド樹脂等の熱硬化性を有する任意の樹脂を採用することができる。なお、炭素繊維と共に補強用の繊維を巻き付けることもできる。補強用の繊維としては、例えば、ガラス繊維やアラミド繊維などを用いることができる。
図4は、ライナー10に炭素繊維を巻き付ける様子を模式的に示す説明図である。図4(a)は、ステップS110においてライナー10に炭素繊維を巻き付ける様子を示す。図4(b),(c),(d)は、後述するステップS120においてライナー10に炭素繊維を巻き付ける様子を示す。なお、図4(b)〜(d)については、詳細を後述する。
図4(a)に示すように、図示しないタンク保持冶具のシャフト200が口金部20に挿入されることにより、ライナー10は、回転可能に軸支されている。また、図4(a)に示すように、ヘリカル巻きユニット100がライナー本体30を囲むように配置され、口金部20に炭素繊維が巻きつけられている。ヘリカル巻きユニット100としては、同時に複数の炭素繊維をヘリカル巻きにて巻き付けることができる任意の装置を採用することができる。換言すると、ヘリカル巻きユニット100は、多給糸FW(フィラメントワインディング)法による炭素繊維のヘリカル巻きを実現できる。
図5は、ステップS110が実行された後の口金部20を拡大して示す説明図である。なお、図5では、図3と同様に、図2における領域Arを拡大して示している。図5に示すように、溝部22には、巻き付けられた炭素繊維40が収容されている。溝部22に巻き付けられた炭素繊維40の径方向の長さは、溝部22の径方向の長さ(深さ)とほぼ同じである。したがって、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40は、口金部20において径方向に突出していない。換言すると、ステップS110が実行されることにより、溝部22は炭素繊維により埋められ、接続部21とライナー接合部23との間に段差が存在しない状態となる。
図1に示すように、ステップS110が実行された後、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40を加熱する(ステップS115)。かかる工程により、炭素繊維40に含まれる熱硬化性樹脂は硬化し、炭素繊維40は口金部20にしっかりと固定される。したがって、炭素繊維40の緩みは抑制されることとなる。このように、上述したステップS110及びステップS115により、溝部22に炭素繊維の一端が固定される。換言すると、ステップS110及びステップS115は、溝部22に炭素繊維の一端を固定する工程である。
ステップS115における加熱方法としては、例えば、炭素繊維40を囲むように誘電加熱コイルを配置し、かかるコイルに通電することで磁束を形成して、導体としての炭素繊維を誘電加熱する方法を採用できる。また、例えば、中心軸CXを中心としてライナー10を回転させながら、温風を炭素繊維40に吹き付けることにより、炭素繊維40を加熱する方法を採用できる。また、例えば、中心軸CXを中心としてライナー10を回転させながら、ヒーターによって炭素繊維40を加熱する方法を採用できる。なお、炭素繊維40を直接的に加熱することに代えて、口金部20又はシャフト200を介して間接的に炭素繊維40を加熱することもできる。口金部20又はシャフト200を加熱することにより、口金部20又はシャフト200を介して炭素繊維40に熱を伝えることができるからである。
溝部22に巻き付けられた炭素繊維40が加熱された後、ライナー10全体に炭素繊維を巻き付ける(ステップS120)。なお、炭素繊維40の加熱の後に冷却期間を設け、冷却期間が経過した後にステップS120を実行することもできる。
図6は、ステップS120が開始されて暫くした後の口金部20を拡大して示す説明図である。ステップS120が開始されると、まず、溝部22とライナー接合部23との間の傾斜部26に炭素繊維が巻き付けられる。上述したように、溝部22に炭素繊維が巻き付けられることにより、接続部21とライナー接合部23との間には段差が無い。したがって、炭素繊維は、傾斜部26の表面に沿って巻き付けられる。換言すると、傾斜部26に巻き付けられた炭素繊維41と、傾斜部26の表面との間には空隙が生じていない。
図4(b)に示すように、ステップS120では、まず、ヘリカル巻きユニット100を用いて炭素繊維をヘリカル巻きすることにより最内層を形成する。その後、ライナー10を回転させながら、ヘリカル巻きユニット100を中心軸CXに沿った方向に往復動させて、所定数の炭素繊維の層をライナー10に形成する。
ヘリカル巻きによる炭素繊維の層(以下、「ヘリカル層」と呼ぶ)を所定数だけ形成した後、図4(c)に示すように、ヘリカル巻きユニット100に代えて、フープ巻きユニット110を用いて、ヘリカル層上に炭素繊維をフープ巻きにて巻き付ける。フープ巻きユニット110は、ライナー10を取り囲むように配置され、中心軸CXに対してほぼ垂直となる方向から炭素繊維を繰り出して、ライナー10に炭素繊維を巻き付ける。フープ巻きの範囲は、図1に示すシリンダー部31に対応する範囲である。このようにしてヘリカル層上に炭素繊維をフープ巻きにて巻き付けることにより、ヘリカル層を固定して、炭素繊維の緩みを抑制することができる。なお、フープ巻きユニット110を往復動させることにより、フープ巻きによる炭素繊維の層を所定数だけ形成することができる。
以後、ヘリカル巻き及びフープ巻きを交互にそれぞれ所定回数だけ実行することにより、図4(d)に示すように、炭素繊維の巻き付け工程(ステップS120)は完了する。図7は、ステップS120完了後における口金部20を拡大して示す説明図である。図7に示すように、ステップS120が完了すると、接続部21の外側端部を除いて、口金部20の外周面は炭素繊維で覆われている。接続部21とライナー接合部23との間には段差が無いため、口金部20には炭素繊維が緻密に巻き付けられている。換言すると、口金部20に巻き付けられた炭素繊維(炭素繊維層)42と、口金部20の表面との間には、空隙が生じていない。
図1に示すように、炭素繊維の巻き付け工程が完了すると、ライナー10全体を加熱する(ステップS125)。この工程により、ライナー10全体に巻き付けられた炭素繊維に含まれる熱硬化性樹脂は硬化し、FRP(Fiber Reinforced Plastics)層が形成される。なお、ステップS125における加熱方法としては、上述したステップS115における過熱方法と同様な方法を採用することができる。このようにして、FRP層を表面に有する高圧ガスタンクが完成する。
以上説明したように、本実施形態の高圧ガスタンクの製造方法によれば、ライナー10への炭素繊維の巻き始めにおいて、溝部22に炭素繊維を巻き付けて固定する。このとき巻き付けられた炭素繊維40は溝部22内部に収容されるため、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40は、口金部20の表面から突出しない。したがって、口金部20において接続部21とライナー接合部23との間に段差が生じないので、口金部20の表面に沿って炭素繊維が巻き付けられる。換言すると、口金部20に巻き付けられた炭素繊維42と、口金部20の表面との間に空隙は生じない。このため、高圧ガスタンクの強度の低下を抑制することができる。加えて、本実施形態の高圧ガスタンクの製造方法によれば、炭素繊維の巻き始めにおいて、例えば、圧着端子やネジ等を除去する等の手作業の工程を省略することができるので、高圧ガスタンクの製造効率を向上させることができる。
また、溝部22に炭素繊維を固定するために、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40を加熱して硬化させるので、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40を確実に溝部22に固定することができる。したがって、その後にライナー10に炭素繊維を巻き付ける際に、炭素繊維の緩みの発生を抑制することができる。
また、溝部22を、口金部20の全周に亘って形成された溝により構成するので、炭素繊維の巻き始め部分をしっかりと口金部20に固定することができる。加えて、巻き始め部分が口金部20の表面から突出することを抑制することができる。
B.比較例:
図8は、第1比較例における口金部を拡大して示す説明図である。図8では、第1比較例の高圧ガスタンクの製造方法により、ライナー全体に炭素繊維が巻き付けられた後の口金部を示めしている。
第1比較例の口金部120は、ライナー本体300に装着されている。ライナー本体300は、上述した実施形態のライナー本体30と同様の形状を有している。また、ライナー本体300における口金部120の装着箇所は、上述した実施形態のライナー本体30における口金部20の装着箇所と同様である。第1比較例の口金部120は、溝部22を有していない点において、実施形態の口金部20と異なる。第1比較例の高圧ガスタンクの製造方法では、炭素繊維の巻き始めにおいて、口金部120の表面に炭素繊維を所定数だけ巻き付ける。その後、口金部120に巻きつけた炭素繊維を加熱することにより、口金部120に固定した上で、ライナー全体に炭素繊維を巻き付ける。なお、炭素繊維の巻き付け方法は、多給糸FW法である。
このような第1比較例の高圧ガスタンクの製造方法によれば、図8に示すように、巻き始めに形成された炭素繊維の層140が、口金部120の表面に形成される。炭素繊維の層140は、口金部120の表面から突出しているため、口金部120の表面に段差が生じる。特に、同時に複数の炭素繊維を巻き付ける多給糸FW法では、炭素繊維同士の重なりが多いため、段差が生じ易い。この口金部120の表面に生じた段差に起因して、図8に示すように、口金部120に巻き付けられた炭素繊維142と、口金部120の表面との間には、空隙500が生じている。したがって、第1比較例の高圧ガスタンクの製造方法によれば、この空隙500部分においてタンク強度は低下することとなる。加えて、空隙500の近傍において炭素繊維の緩みが発生するおそれがある。また、炭素繊維の巻き始め時に、比較的平滑な口金部120の表面に炭素繊維を巻き付けるため、巻き始め部分(炭素繊維の層140)が口金部120の表面を滑って移動するおそれがある。
図9は、第2比較例における口金部を拡大して示す説明図である。図9では、第2比較例の高圧ガスタンクの製造方法により、ライナー全体に炭素繊維が巻き付けられた後の口金部を示している。
第2比較例の口金部220は、ライナー本体310に装着されている。ライナー本体310は、上述した実施形態のライナー本体30と同様の形状を有している。また、ライナー本体310における口金部220の装着箇所は、上述した実施形態のライナー本体30における口金部20の装着箇所と同様である。第2比較例の口金部220は、溝部22を有していない点と、ネジ孔243とを備えている点とにおいて、上述した実施形態の口金部20と異なる。第2比較例の高圧ガスタンクの製造方法では、炭素繊維の巻き始めにおいて、炭素繊維の端部に圧着端子241を装着し、圧着端子241をネジ242により口金部220に固定する。その後、ライナー全体に炭素繊維を巻き付ける。
このような第2比較例の高圧ガスタンクの製造方法によれば、図9に示すように、圧着端子241及びネジ242が口金部220の表面から突出するため、口金部220の表面に段差が生じる。口金部220の表面の段差に起因して、図9に示すように、口金部220に巻き付けられた炭素繊維250と、口金部220の表面との間には、空隙550が生じている。したがって、第2比較例の高圧ガスタンクの製造方法によれば、第1比較例と同様に、空隙550に起因してタンクの強度は低下し、また、空隙550の近傍において、炭素繊維の緩みが発生するおそれがある。
なお、第2比較例において、空隙550を生じさせないように、炭素繊維がある程度巻き付けられた後に、ネジ242及び圧着端子241を取り外すことも想定される。この場合、ネジ242及び圧着端子241を取り外す工程が追加されるので、タンクの製造効率は、大きく低下することとなる。
第1,2比較例に対して、本実施形態の高圧ガスタンクの製造方法によれば、炭素繊維を口金部20に固定した状態において、口金部20の表面には段差が生じないようにすることができる。したがって、その後、ライナー10全体に炭素繊維を巻き付けた場合に、口金部20の表面に沿って炭素繊維を配置することができ、タンクの強度の低下を抑制することができる。加えて、段差を解消させるための手作業を省略することができるので、高圧ガスタンクの製造効率を向上させることができる。
C.変形例:
C1.変形例1:
上述した実施形態では、巻き始めの炭素繊維を固定するために、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40を加熱して炭素繊維40に含まれる熱硬化性樹脂を硬化させていたが、かかる加熱工程を省略することもできる。このような構成においても、溝部22に巻き付けられた炭素繊維40の中心軸CX軸方向への移動(緩み)は、溝部22の側壁によって規制される。加えて、溝部22に炭素繊維を多数巻き付けることにより、巻き付け自体の緩みは抑制され得る。また、巻き始めの炭素繊維を固定するために、炭素繊維を溝部22に巻き付けていたが、巻き付けに代えて、炭素繊維を溝部22(全周)のうちの一部にのみ載置し、溝部22に載置された炭素繊維を加熱して溝部22に固定(接着)させることもできる。すなわち、一般には、溝部22に炭素繊維の一端を固定する任意の工程を、本発明のタンクの製造方法において採用することができる。
C2.変形例2:
上述した実施形態では、溝部22は、口金部20の全周に亘って形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。口金部20の全周のうちの一部に形成された構成を採用することもできる。このような構成においても、少なくとも溝に巻き付けられた炭素繊維は、口金部20の表面に突出しないので、口金部20に巻き付けられた炭素繊維と、口金部20の表面との間に空隙が生じることを抑制することができる。また、溝部22は、口金部20の中心軸を中心とした回転方向に沿って形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、溝部22を、口金部20の中心軸を中心とした螺旋状に形成する構成を採用することもできる。
C3.変形例3:
上述した実施形態では、炭素繊維の巻き付け方法は、多給糸FW法であったが、単給糸FW法を採用することもできる。また、ライナー10において口金部20は、ライナー本体30の長手方向の両端部に装着されていたが、ライナー本体30の長手方向の両端部のうち、いずれか一方にのみ装着される構成を採用することもできる。
C4.変形例4:
上述した実施形態の製造方法によると、燃料電池システムで用いられる高圧ガスタンクが製造されたが、他の任意の用途で用いられる高圧ガスタンクを製造することもできる。また、高圧ガスタンクに限らず、液体等の他の任意の流体を貯蔵可能なタンクを製造することもできる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…ライナー
20…口金部
21…接続部
22…溝部
23…ライナー接合部
24…挿入部
25…接続孔
26…傾斜部
30…ライナー本体
31…シリンダー部
32…ドーム部
40,41,42,140,142,250…炭素繊維(炭素繊維の層)
100…ヘリカル巻きユニット
110…フープ巻きユニット
120…口金部
200…シャフト
220…口金部
241…圧着端子
242…ネジ
243…ネジ孔
300…ライナー本体
310…ライナー本体
500…空隙
550…空隙
CX…中心軸
Ar…領域

Claims (5)

  1. タンクの製造方法であって、
    (a)タンク容器状のライナーであって、前記ライナーの長手方向端部の少なくとも一方に、溝部を有する口金部を備えるライナーを用意する工程と、
    (b)前記溝部に前記繊維の一端を固定する工程と、
    (c)一端が前記溝部に固定された前記繊維を、前記口金部を含む前記ライナーの外周面に巻きつける工程と、
    を備える、タンクの製造方法。
  2. 請求項1に記載のタンクの製造方法において、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記溝部に前記繊維を巻き付ける工程、を含み、
    前記工程(c)は、前記溝部に続いて、前記口金部を含む前記ライナーの外周面に繊維を巻きつける工程である、タンクの製造方法。
  3. 請求項2に記載のタンクの製造方法において、
    前記繊維には、熱硬化性樹脂が含浸されており、
    前記工程(b)は、
    (b2)前記溝部に巻き付けられた前記繊維を加熱する工程、を含む、
    タンクの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のタンクの製造方法において、
    前記繊維を巻き付ける方法は、多給糸フィラメントワインディング法である、タンクの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のタンクの製造方法において、
    前記溝部は、前記口金部の中心軸を中心とした回転方向に沿って前記口金部の全周に亘って形成された溝により構成されている、タンクの製造方法。
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