JP2014077712A - 光共振器測定法及び測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅を正確に測定することを目的とし、光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅よりも小さいスペクトル線幅を有するレーザ光源を必要とせず、レーザ周波数の掃引と測定を必要とせず、光源の周波数や被測定光共振器の共振周波数が変動する場合においても、負帰還制御等の複雑な装置を使用することなく、安定に測定が可能な光共振器の特性測定法および測定装置を実現する。
【解決手段】光共振器の特性を測定する光共振器測定法において、インコヒーレント光を発生し、発生したインコヒーレント光を光共振器に入射し、光共振器に入力したインコヒーレント光のうち、該光共振器を透過した光または反射した光の強度を検出し、電気信号に変換して光の強度のビート信号のパワースペクトルを求め、パワースペクトルから光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、光共振器の自由スペクトル領域や帯域幅等を測定する測定法及び測定装置に関する。また、本発明は、光共振器の内部に配置される被測定試料の屈折率や波長分散、損失を測定する測定法及び測定装置に関する。
光導波路や光ファイバを光路として用いた光共振器は、光ファイバ通信や光センシングにおいて、様々な用途に用いられている。光導波路や光ファイバの低損失伝搬特性と光閉じ込め効果を利用して、光路長が1mm程度から10km以上に渡る広い範囲において、高いQ値の光共振器を作製することが可能である。このような光共振器は、通信や計測用の光源であるレーザの共振器として利用される他に、狭帯域光フィルタ、光周波数コム発生、光バッファメモリ、光ジャイロスコープなど様々な用途に用いられている。また、自由空間を光路とする光共振器は、光路内に被測定試料を配置して、屈折率や波長分散等の特性測定に利用されている。
光共振器の特性を表す重要な指標として、自由スペクトル領域(FSR:Free Spectral Range)とフィネス(Finesse)が用いられる。これらのパラメータについて、数式を用いて以下説明する。
光強度反射率がRである2枚の鏡を用いた損失の無い光共振器を考える。光共振器の透過率T(ν)は次式により表すことができる。数式1において、νは入射光の周波数、Lは2枚の鏡の間隔、nは2枚の鏡の間の媒質の屈折率、cは光速度である。
Figure 2014077712
自由スペクトル領域ΔνFSRは次式により定義される。
Figure 2014077712
自由スペクトル領域は隣り合う共振ピークの周波数間隔に対応し、共振器を透過するスペクトルが重ならない領域を表す。自由スペクトル領域は、光共振器の光路長、すなわち物理的な長さと、媒質の屈折率により決まる。数式2の関係を利用すれば、自由スペクトル領域を測定して、媒質の屈折率を求めることができる。
フィネスFは、反射率Rを用いて、次式により定義される。
Figure 2014077712
フィネスは光共振器の共振の鋭さを表す。鋭い共振特性を得るためには、高反射率の鏡が必要である。2枚の鏡が異なる反射率を有し、光共振器内の光路に伝搬損失がある場合、数式3の反射率Rを次式で置き換えて、フィネスを計算する。数式4において、R1とR2は2枚の鏡の反射率であり、αは単位長さ当たりの損失を表す。
Figure 2014077712
光共振器の透過または反射帯域の半値全幅(以下、帯域幅と呼ぶ。)Δν1/2は、自由スペクトル領域ΔνFSRとフィネスFを用いて、次式により表すことができる。
Figure 2014077712
光共振器の透過率T(ν)は、自由スペクトル領域ΔνFSRとフィネスFを用いて次式により表すことができる。
Figure 2014077712
数式6が示すように、光共振器の特性は、自由スペクトル領域とフィネスの2つのパラメータにより完全に記述できる。このため、上述した光共振器の応用分野においては、これら2つのパラメータの値を高精度に測定する技術が要求される。
上述したように、自由スペクトル領域は、隣り合う共振ピークの周波数間隔から知ることができる。一方、フィネスは、鏡の反射率と光路の損失を測定して、数式3と数式4を用いて計算することができる。しかしながら、光共振器に組み込んだ状態で、構成部品単体の特性を測定することは困難であり、光共振器を組み立てる際の誤差がフィネスの値に影響することも考えられる。このため、光共振器の状態で自由スペクトル領域と帯域幅を測定し、数式5を用いてフィネスを求めるのが一般的である。したがって、光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅を測定する技術が重要である。
光共振器の応用分野において、様々な寸法の光共振器が用いられ、自由スペクトル領域と帯域幅の値も広い範囲に渡っている。例えば、光共振器の光路長が1mmの場合、自由スペクトル領域は300GHzになり、白色光源と分光器、または周波数掃引レーザを用いた測定が一般的である。ところが、光ファイバを用いて光路長が1kmの光共振器を構成した場合、自由スペクトル領域は200kHzになり、光学的な測定は極めて困難である。また、高反射率の鏡を用いて、100以上のフィネスを実現することも可能であり、帯域幅の測定には自由スペクトル領域よりも格段に高い分解能と精度が要求される。
光共振器の特性を測定する最も一般的な方法は、周波数可変レーザ光源を用いる方式である。図9はこの方式に基づく測定装置を説明する図である。周波数可変レーザ18の出力光を被測定光共振器4に入射し、透過光強度を光検出器5により検出する。掃引信号発生装置19により周波数可変レーザ18の周波数を掃引して、掃引信号と光検出器5の出力信号を、オシロスコープなどの記録計20を用いて記録する。透過光強度のレーザ周波数依存性から、自由スペクトル域と帯域幅を求めることができる。自由スペクトル領域を求めるためには、周波数可変レーザ18の周波数掃引範囲を、自由スペクトル領域より大きくする必要がある。透過光強度の代わりに、反射光強度を用いることも可能である。
非特許文献1では、レーザ周波数を掃引する代わりに、光共振器の共振周波数を掃引して、透過光強度を記録する方法を報告している。この方法はレーザ光源の周波数が可変できない場合に有効である。
レーザ光源または光共振器の周波数掃引による測定法は比較的容易であるが、自由スペクトル領域や帯域幅の小さい光共振器に適用する場合に、以下の問題を生じる。
(1)測定分解能がレーザ光源のスペクトル線幅に依存するため、被測定光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅よりも、スペクトル線幅が十分に小さい周波数可変レーザを準備する必要がある。
(2)被測定光共振器の透過光または反射光の強度をレーザ周波数の関数として測定するため、掃引時のレーザ周波数の値を正確に知る必要がある。1MHz以下の高い分解能と精度が要求される場合には、光周波数カウンタなどの装置を別途用意して、周波数を測定する必要がある。
(3)振動や温度変化など測定環境変動の影響を受けて、レーザ周波数と被測定光共振器の共振周波数は容易に変動するため、測定誤差を生じる可能性がある。
非特許文献2では、2台のレーザのヘテロダイン検波を利用する方式を報告している。スペクトル線幅が比較的大きい周波数可変DFB半導体レーザと、被測定光共振器の帯域幅よりも十分に小さいスペクトル線幅を有する外部共振器半導体レーザを用意する。DFB半導体レーザの出力を被測定光共振器に入射し、透過光と外部共振器半導体レーザの出力を合波してヘテロダイン検波を行い、ビート信号を検出する。DFB半導体レーザの周波数を掃引し、ビート信号の周波数と強度を測定して、被測定光共振器の透過スペクトルを取得する。透過スペクトルの形状から、自由スペクトル領域と帯域幅を求めることができる。測定分解能は外部共振器半導体レーザのスペクトル線幅により決まり、ビート信号周波数からDFB半導体レーザの周波数値を知ることができる。この方法では、上述した(2)の問題を解決できる。
非特許文献3では、被測定光共振器の減衰特性から帯域幅を求める方法、ならびに周波数応答特性から帯域幅を求める方法を報告している。いずれの方法においても、被測定光共振器の帯域幅よりもスペクトル線幅が十分に小さいレーザ光源を使用するが、レーザ周波数を掃引する必要がない。また、負帰還制御を利用して、レーザ周波数を被測定光共振器の共振周波数に追従させることにより、環境変動に起因する不安定性の問題を解決できる。減衰特性を利用する方法では、被測定光共振器に入射する光の強度を矩形波で変調し、透過光強度の減衰時間を測定して帯域幅を計算する。周波数応答特性を利用する方法では、被測定光共振器に入射する光の強度を正弦波で変調し、ネットワークアナライザにより透過光強度の変調特性を測定して帯域幅を計算する。これら2つの方法は、周波数可変レーザを必要とせず、電気信号の減衰時間や周波数から帯域幅を測定するため、レーザ光の周波数を測定する必要がない。
特許文献1には、位相変調光を利用する測定法が示されている。図10は特許文献1の基づく測定装置を説明する図である。周波数固定のレーザ光源21の出力光を位相変調器22により変調し、被測定光共振器4に入射する。被測定光共振器4の透過光強度を光検出器5により検出し、ネットワークアナライザ23に入力する。ネットワークアナライザ23から出力される正弦波信号を用いて、位相変調器22を駆動し、位相変調周波数と変調振幅との関係を測定する。被測定光共振器4を透過する位相変調光は、中心周波数に応じた位相シフトを受ける。位相変調光に含まれるキャリアとサイドバンドでは、位相シフトの大きさが異なり、位相変調が強度変調に変換される。ところが、位相変調周波数が被測定光共振器4の自由スペクトル領域と一致する場合、キャリアとサイドバンドが受ける位相シフトの大きさは等しく、強度変調への変換は起こらない。したがって、変調振幅が極小となる位相変調周波数から、自由スペクトル領域を求めることができる。
特許文献1の測定装置では、測定の分解能と精度は、ネットワークアナライザ23から出力される正弦波信号の純度により決まるので、被測定光共振器4の帯域幅よりもスペクトル線幅の小さいレーザ光源は不要である。電気信号の周波数を基準とした測定であるため、周波数可変レーザが不要であり、レーザ光の周波数を測定する必要がない。また、レーザ周波数や被光共振器4の共振周波数が変動しても、変調周波数は不変であり、自由スペクトル領域の変化は小さく無視できる。したがって、環境変動などの影響を受けることなく、安定に測定を行うことができる。
特開2006−71431号公報
R.Adar 他、"Measurement of very low−loss silica on silicon waveguides with a ring resonator"、Appl.Phys.Lett.,vol.44、no.5、pp.444−445(1991) Y.Inoue 他、"Finesse evaluation of integrated−optic ring resonators with heterodyne detection technique"、Electron.Lett.,vol.28、no.7、pp.684−686(1992) N.Uehara 他、"Ultralow−loss mirror of the parts−in−106 level at 1064 nm"、Opt.Lett.,vol.20、no.6、pp.530−532(1995)
従来、非特許文献3の方法を用いることにより、上述した(2)と(3)の問題を解決できるが、帯域幅の測定に特化した方法であるため、自由スペクトル領域は測定できないという問題がある。また、負帰還制御の帯域よりも小さい帯域幅の測定は困難である。さらに、レーザ周波数を被測定光共振器の共振周波数に追従させるため、複雑な装置と煩雑な手続きが必要であるという問題がある。
特許文献1の測定装置によれば、上述した(1)と(2)と(3)の問題すべてを解決できるが、自由スペクトル領域の測定に特化した方法であるため、帯域幅の測定はできないという問題がある。
本発明は、光共振器の特性測定におけるこれらの問題を解決しようとするものであり、本発明は、前記(1)(2)(3)の問題をすべて解決し、かつ自由スペクトル領域及び帯域幅の測定を簡単な装置で行う方法及び装置を提供することを目的とする。本発明は、光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅の測定において、自由スペクトル領域と帯域幅よりも小さいスペクトル線幅を有するレーザ光源を必要とせず、レーザ周波数の掃引と測定を必要とせず、光源の周波数や被測定光共振器の共振周波数が変動する場合においても、負帰還制御等の複雑な装置を使用することなく、安定に測定が可能な光共振器の特性測定方法、および測定装置を提供することを目的とする。また、本発明は、光共振器の特性測定値を利用して、被測定試料の屈折率と波長分散と損失を測定する方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有するものである。
本発明は、光共振器の特性を測定する際に、被測定光共振器に入射する光としてインコヒーレント光を用いることを特徴とする。本発明の光共振器測定法は、光共振器の特性を測定する光共振器測定法であって、インコヒーレント光を光共振器に入射し、該光共振器を透過した光または該光共振器で反射された光の強度を検出し、前記光の強度のビート信号のパワースペクトルから前記光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅のいずれか1つ以上を求めることを特徴とする。
本発明の光共振器測定法は、光共振器の特性を測定する光共振器測定法であって、インコヒーレント光を発生し、該インコヒーレント光を前記光共振器に入射し、前記光共振器に入力したインコヒーレント光のうち、前記光共振器を透過した光または前記光共振器で反射された光の強度を検出し、電気信号に変換してビート信号のパワースペクトルを求め、前記パワースペクトルから前記光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅のいずれか1つ以上を求めることを特徴とする。
前記光共振器の前記自由スペクトル領域ΔνFSRは、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの中心周波数fkを用いて算出することができる。前記光共振器の前記自由スペクトル領域ΔνFSRは、次の数式7に基づいて演算により求められる。但し、数式7において、fkは前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの中心周波数である。
Figure 2014077712
前記光共振器の前記帯域幅Δν1/2は、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの半値全幅Δfkを用いて算出することができる。前記光共振器の前記帯域幅Δν1/2は、次の数式8に基づいて演算により求められる。但し、Δfkは前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの半値全幅である。
Figure 2014077712
本発明の測定法では、例えば、インコヒーレント光を、光増幅器と光バンドパスフィルタをこの順番で接続して発生することができる。
本発明の測定法は、光共振器として、内部に被測定試料を配置した空間光路型光共振器を使用する場合は、該空間光路型光共振器の前記自由スペクトル領域と前記帯域幅のいずれか1つ以上を用いて、前記被測定試料の屈折率と波長分散と損失のいずれか1つ以上を求めることができる。
本発明の光共振器測定装置は、光共振器の特性を測定する光共振器測定装置であって、インコヒーレント光を発生する光発生手段と、前記インコヒーレント光を前記光共振器に入射する光学手段と、前記光共振器に入射したインコヒーレント光のうち、前記光共振器を透過した光または前記光共振器で反射した光の強度を検出する光検出手段と、前記光検出手段により検出した光の強度を電気信号に変換してビート信号のパワースペクトルを求めるスペクトル解析手段と、前記パワースペクトルから、前記光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅のいずれか1つ以上を求める演算手段とを備えることを特徴とする。前記光発生手段は、例えば、インコヒーレント光を発生する光源である。前記光学手段は、例えば、前記インコヒーレント光を前記光共振器に入射するための光学系素子であり、光ファイバ、レンズ系、モード整合光学系等である。前記光検出手段は、例えば、光検出器であり、フォトダイオード等である。前記スペクトル解析手段は、RFスペクトル解析装置等のスペクトル解析装置である。前記演算手段は、例えば、コンピュータ等の演算処理部である。
前記演算手段は、前記光共振器の前記自由スペクトル領域ΔνFSRを、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの中心周波数fkを用いて演算により求めることができる。前記自由スペクトル領域ΔνFSRは数式7に基づいて演算により求められる。本発明の前記演算手段は、前記光共振器の前記帯域幅Δν1/2を、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの半値全幅Δfkを用いて演算により求めることができる。前記帯域幅Δν1/2は、数式8に基づいて演算により求められる。
前記光発生手段は、例えば、光増幅器と光バンドパスフィルタとを備える。光増幅器から出力される自然放出光を光バンドパスフィルタを用いて必要な周波数成分のみを取り出すことができる。
本発明の光共振器測定装置は、前記光共振器として、内部に被測定試料が配置された空間光路型光共振器を用い、演算手段は、該空間光路型光共振器の前記自由スペクトル領域と前記帯域幅のいずれか1つ以上を用いて、前記被測定試料の屈折率と波長分散と損失のいずれか1つ以上を演算により求めることができる。
本発明によれば、第1に、コヒーレントなレーザ光源ではなく、広帯域のスペクトルを有するインコヒーレント光源を使用するので、次のような効果がある。本発明でインコヒーレント光源に要求される性能は、被測定光共振器の自由スペクトル領域に比べて、十分に大きい帯域幅を有することと、十分な信号対雑音比のビート信号を生成できる程度の出力パワーを有することである。このような性能は、光ファイバ通信に用いられている光ファイバ増幅器と光バンドパスフィルタを用いて、簡単な構成で実現できる。また、被測定光共振器の帯域幅に応じたスペクトル線幅の光源を用いる必要がないので、従来の技術に比べて、装置を格段に簡素化できる。したがって、上述した(1)の問題を解決できる。
本発明によれば、第2に、光検出器により光の強度を検出してスペクトル解析装置等によりパワースペクトルを求めることにより、電気信号の周波数を基準として測定を行うので、次のような効果がある。被測定光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅は、電気信号の周波数値(fkやΔfk)から計算するため、分解能と精度はRFスペクトル解析装置の性能により決まる。このため、本質的に高分解能、高精度であり、光源の周波数掃引と光周波数の測定は不要である。したがって、上述した(1)と(2)の問題を解決できる。
本発明によれば、第3に、環境変動に起因する測定誤差が極めて小さいことである。被測定光共振器の共振周波数は、環境変動の影響を受けて変動するが、自由スペクトル領域と帯域幅の変動は極めて小さく無視できる。本発明では、被測定光共振器の自由スペクトル領域を直接測定するので、共振周波数の変動に影響されない。また、広帯域のスペクトルを有するインコヒーレント光源を使用するので、光源の周波数変動の影響も無視できる。したがって、上述した(3)の問題を解決できる。
本発明の光共振器測定装置の基本的構造を説明する第1の実施形態に係る図である。 第2の実施形態を説明する図である。 第3の実施形態における被測定光共振器を説明する図である。 第3の実施形態における透過光強度のパワースペクトルを表す図である。 第3の実施形態における中心周波数が5.0416GHzのパワースペクトルを表す図である。 第4の実施形態における被測定光共振器を説明する図である。 第4の実施形態における透過光強度のパワースペクトルを表す図である。 第4の実施形態における中心周波数が203.02kHzのパワースペクトルを表す図である。 レーザ周波数を掃引して光共振器の特性を測定する従来の装置を説明する図である。 特許文献1の光共振器測定装置を説明する図である。
本発明の実施形態について以下説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の光共振器の特性の測定法及び測定装置について、図1を参照して以下説明する。図1は、本実施形態の光共振器測定装置および光共振器測定法を説明する図であり、本発明の基本的構造を説明する図である。図1の光共振器測定装置は、インコヒーレント光源1と被測定光共振器4と光検出器5とスペクトル解析装置6とを少なくとも備える。図1に、インコヒーレント光源の出力光のスペクトル7と、被測定光共振器4を透過した光の櫛状のスペクトル8を示す。図1において、被測定光共振器4の自由スペクトル領域をΔνFSR、帯域幅をΔν1/2により表すものとする。
本実施形態の光共振器測定装置は、図1に示すように、インコヒーレント光源1の出力光を被測定光共振器4に入力し、被測定光共振器4を透過した光を光検出器5で受光する。光検出器5の出力信号をスペクトル解析装置6に入力して、被測定光共振器4を透過した光強度のビート信号のパワースペクトルを求める。
インコヒーレント光とは、コヒーレントではない光をいう。レーザ光がコヒーレント光であるのに対して、太陽光や電球・蛍光灯の光等の普通の光や発光ダイオードの光はインコヒーレント光である。本実施形態におけるインコヒーレント光は、例えば、光ファイバ増幅器や半導体光増幅器やスーパールミネッセントダイオードから発生される増幅自然放出光(Amplified Spontaneous Emission)のように、広帯域のスペクトルを有し、時間コヒーレンス(可干渉性)は低いが、高い空間コヒーレンス(指向性、集光性)を有する光をいう。
インコヒーレント光源1は、被測定光共振器4の想定される動作周波数帯に中心周波数を有し、被測定光共振器4の自由スペクトル領域に比べて、十分に大きい帯域幅を持つようにする。例えば、このような特性を有するインコヒーレント光源は、図1に示すように、光増幅器2から出力される自然放出光を、光バンドパスフィルタ3を用いて、必要な周波数成分のみを取り出すことにより実現できる。中心周波数を可変できる光バンドパスフィルタを用いれば、被測定光共振器4の特性に合わせて、入力光の中心周波数を調整することができる。
本発明に係る光共振器測定装置は、光増幅器と光バンドパスフィルタを組み合わせた形態のインコヒーレント光源に限定するものではなく、出力光の中心周波数と帯域幅と出力パワーが同等であれば、スーパールミネッセントダイオードなど他の形態のインコヒーレント光源も使用可能である。即ち、本実施形態におけるインコヒーレント光源は、被測定光共振器の想定される動作周波数帯に中心周波数を有し、被測定光共振器の自由スペクトル領域に比べて十分に大きい帯域幅を持ち、10dBm以上の出力パワーを有する光源が望ましい。
被測定光共振器4の光路が光導波路や光ファイバである場合には、光ファイバ入出力型の光増幅器2と光バンドパスフィルタ3を用いれば、光導波路と光ファイバ、または光ファイバ同士を光コネクタ等で直接接続して、被測定光共振器4にインコヒーレント光を入力することができる。被測定光共振器4が空間の光路と個別の鏡により構成される場合は、入力するインコヒーレント光と、被測定光共振器4の空間モードとの整合が必要であり、レンズにより構成されるモード整合用の光学系が必要である。
図1に示すように、インコヒーレント光源1の出力光は、広帯域のスペクトル7を有している。被測定光共振器4を透過した光は、インコヒーレント光源1の出力光のスペクトル7に、数式6により表される透過特性を乗じたスペクトルを有する。すなわち、等しい周波数間隔で配置された多数の縦モードから成る櫛状のスペクトル8を形成する。被測定光共振器4を透過した光のスペクトル8において、隣り合う縦モード間の周波数間隔は、自由スペクトル領域ΔνFSRに等しく、各縦モードの半値全幅は帯域幅Δν1/2に等しい。
櫛状のスペクトル8を有する光の強度を、光検出器5により電気信号に変換すると、光検出器5の出力には、各縦モードの強度に対応する直流成分と、周波数の異なる縦モード間のビート(差周波)信号が交流成分として現れる。ビート信号は周波数の異なる複数の光を同時に光検出器で受光して検出する際に、光検出器から出力される電気信号のうち、光の周波数差に相当する周波数を有する信号である。RFスペクトル解析装置等のスペクトル解析装置6を用いて観測されるビート信号のパワースペクトルは、等しい周波数間隔で配置された多数の線スペクトルから成る。線スペクトルの中心周波数はkΔνFSR(kは正の整数)であり、半値幅は2Δν1/2となる。したがって、線スペクトルの中心周波数と半値全幅から、被測定光共振器4の自由スペクトル領域ΔνFSRと帯域幅Δν1/2を求めることができる。低周波側からk番目の線スペクトルの中心周波数をfk、半値全幅をΔfkにより表すことにすれば、被測定光共振器4の自由スペクトル領域は数式7により、帯域幅は数式8により求めることができる。
次に、インコヒーレント光源1の出力光の帯域幅について説明する。
図1に示すように、インコヒーレント光源1から入力された光の一部が、被測定光共振器4を透過する。透過光の全パワーPoutは次式で表すことができる。
Figure 2014077712
ここで、Pincは光増幅器から出力される自然放出光の単位周波数当たりのパワーであり、W/Hzの単位で表すことができる。また、ΔνBPFは光バンドパスフィルタ3の透過帯域幅である。PincΔνBPFが被測定光共振器4に入力される光の全パワーを表す。数式9から明らかなように、透過光の全パワーPoutは被測定光共振器4のフィネスに反比例する。すなわち、フィネスが大きい光共振器ほど、透過光のパワーが小さくなる。
スペクトル解析装置6により観測したビート信号のパワースペクトルから、自由スペクトル領域と帯域幅を見積もる際には、縦モード間のビート信号の信号対雑音比が重要である。特に、被測定光共振器4の帯域幅の測定においては、ビート信号のパワースペクトルの半値全幅(中心周波数からパワーが3dB低下する周波数)を測定するため、信号対雑音比が小さい場合は、パワースペクトルの広がりを引き起こす。
信号対雑音比は光検出器5により受光する光パワーに依存するので、正確な測定のためには、十分な透過光パワーを得る必要がある。数式9が示すように、透過光パワーは自然放出光の単位周波数当たりのパワーと、光バンドパスフィルタ3の透過帯域幅の積に比例する。したがって、透過光パワーを大きくするためには、自然放出光パワーの大きい光増幅器を使用するか、または、光バンドパスフィルタ3の透過帯域幅を大きくする必要がある。ただし、被測定光共振器4の光路が波長分散を有する場合は、波長分散の影響を受けないように透過帯域幅を設定する必要がある。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の光共振器の特性測定法及び測定装置、並びに被測定光共振器内に配置された被測定試料の特性(屈折率、波長分散)の測定法及び測定装置について、図2を参照して以下説明する。本実施形態は、第1の実施形態の被測定光共振器として空間光路型光共振器を用いた場合である。図2は、第2の実施形態の光共振器測定装置及び光共振器測定法を説明する図である。図2の光共振器測定装置は、インコヒーレント光源1とモード整合光学系9と空間光路型光共振器10と被測定試料11と光検出器5とスペクトル解析装置6とを少なくとも備える。インコヒーレント光源は、第1の実施形態と同様であり、図2に示すように、光増幅器2と光バンドパスフィルタ3を用いることができる。
空間光路型光共振器10は、2枚の鏡の間の光路に、被測定試料11を配置できる構造とする。自由空間を光路とする場合は、入力光の空間モードを、光共振器の空間モードに一致させる必要があるので、レンズにより構成されるモード整合光学系9を介して、インコヒーレント光源1の出力光を、空間光路型光共振器10に入力する。空間光路型光共振器10を透過した光を光検出器5で受光し、出力信号をスペクトル解析装置6に入力して、空間光路型光共振器10を透過した光強度のビート信号のパワースペクトルを求める。自由スペクトル領域と半値幅の算出法は、第1の実施形態の場合と同じである。
被測定試料11の屈折率の測定について以下説明する。最初に、空間光路型光共振器10に被測定試料11を配置しない状態で自由スペクトル領域を求める。このときに測定される自由スペクトル領域の値は、数式2において、n=1の場合に対応する。次いで、空間光路型光共振器10に被測定試料11を配置した状態で自由スペクトル領域を求める。被測定試料11の有無による自由スペクトル領域の違いから、数式2を用いて屈折率nを算出する。
被測定試料11の波長分散特性の測定について以下説明する。波長分散を測定する場合は、インコヒーレント光源1に用いる光バンドパスフィルタ3の中心波長を可変できるものとし、中心波長を変えて自由スペクトル領域を測定するとよい。数式2からわかるように、自由スペクトル領域の逆数が、光が光共振器内を往復するのに要する時間に対応するので、往復時間の波長依存性から被測定試料11の波長分散特性を求めることができる。波長分散の測定では、空間光路型光共振器10に被測定試料11を配置しない状態での測定が不要であるため、光ファイバや光導波路を光路とする光共振器にも適用可能である。
被測定試料11の損失の測定について以下説明する。最初に、空間光路型光共振器10に被測定試料11を配置しない状態で自由スペクトル領域と帯域幅を求め、数式5を用いてフィネスを算出し、さらに数式3を用いて鏡の反射率を計算する。次いで、空間光路型光共振器10に被測定試料11を配置した状態で自由スペクトル領域と帯域幅を求め、数式5と数式3を用いて、鏡の等価的な反射率を計算する。被測定試料11に損失がある場合は、数式4にしたがって、鏡の等価的な反射率が低下するので、被測定試料11の有無による反射率の違いから、数式4を用いて損失exp(−αL)が求められる。
(第3の実施形態)
本実施の形態では、第1の実施形態の光共振器の特性測定法及び測定装置において、測定対象の光共振器として光ファイバファブリペロー共振器を用いた例を、図1と図3〜5を参照して説明する。
本実施形態の光共振器測定装置は、図1の構成を備え、具体的に次の構造を有する。光増幅器2にはエルビウム添加光ファイバ増幅器を使用した。光バンドパスフィルタ3は、中心波長が1530nm、透過帯域幅が3nmである。インコヒーレント光源1の出力光を被測定光共振器4に入力し、被測定光共振器4を透過した透過光を光検出器5により受光し、光検出器5から発生したビート信号をスペクトル解析装置6により解析した。スペクトル解析装置6としてスペクトラムアナライザを用いた。
図3は、本実施形態の測定装置の測定対象として使用する被測定光共振器を説明する図である。被測定光共振器は、光ファイバファブリペロー共振器であり、単一モード光ファイバ12と、誘電体多層膜13と、コア14とを備える。図3に示すように、単一モード光ファイバ12の両端面に、誘電体多層膜13を蒸着して鏡とした光ファイバファブリペロー共振器である。
本実施形態では、本測定装置及び測定法を検証するために、被測定光ファイバファブリペロー共振器として、自由スペクトル領域が5GHz、帯域幅が10MHzとなるように設計、製作されたものを使用した。
被測定光共振器4に入力した光パワーは13.2dBm、透過した光パワーは−14.1dBmである。被測定光共振器4はフリーランニング状態であり、共振周波数の制御は行っていない。
図4は、透過光強度のビート信号のパワースペクトルを表す図(図1のスペクトル解析装置6内に表記したパワースペクトルに相当する図)であり、横軸は周波数[GHz]、縦軸はRF信号のパワー[dBm]を表している。スペクトラムアナライザの分解能帯域幅(RBW)は1MHzであり、64回の平均化処理(AVG)を行った波形である。周波数5、10、15GHz付近に線スペクトルが現れており、光ファイバファブリペロー共振器の縦モード間のビート信号に対応する。スペクトラムアナライザの分解能を上げて測定した各線スペクトルの中心周波数は、それぞれ5.0416、10.0832、15.1248GHzである。数式7から予想されるように、線スペクトルの中心周波数は正確に整数倍の関係になっている。パワースペクトルに現れる低周波側からk番目(1≦k≦3)のピークの中心周波数fkは、k×5.0416GHzになっているので、数式7に基づき、自由スペクトル領域の値ΔνFSRとして、5.0416GHzが求まり、設計値と良く一致している。
図5は、中心周波数が5.0416GHzのパワースペクトルを表す図であり、中心からの周波数オフセットが±200MHzの範囲を表示したものである。縦軸は規格化した信号強度[dB]を表す。曲線Aは測定値(図4の5.0416GHz近傍)を表す。曲線Bは数式6を用いて曲線Aに対して計算した回帰曲線を表す。回帰曲線は、測定値である曲線Aと、数式6との差の2乗平均を最小にする(最小二乗法)ΔνFSRとΔν1/2の値を求めて、数式6を計算した曲線である。回帰曲線は、測定結果から帯域幅を算出するための手段である。光検出器5やスペクトル解析装置6から発生する背景雑音の影響を抑圧するため、回帰曲線の計算は曲線Aの周波数オフセットが±50MHzの範囲で行った。周波数オフセットが±50MHzの範囲では、測定値と回帰曲線が良く一致していることがわかる。パワースペクトルに現れる低周波側から1番目のピークの半値全幅Δfkは、19.05MHzであるので、数式8に基づき、光共振器の帯域幅Δν1/2として、9.53MHzが求まる。帯域幅の設計値10MHzとの差は、製作時の誤差によるものである。数式5を用いて計算したフィネスの値は529である。
本実施形態によれば、自由スペクトル領域及び帯域幅共に、高精度の値が得られる。
(第4の実施形態)
本実施の形態では、第1の実施形態の光共振器の特性測定法及び測定装置において、測定対象の光共振器としてリング共振器を用いた例を、図1と図6〜8を参照して説明する。本実施形態の光共振器測定装置は、第3の実施形態と同じ測定装置を用いた。
図6は、本実施形態の測定装置の測定対象として使用する被測定光共振器を説明する図である。被測定光共振器は、光ファイバを用いて構成したリング共振器である。図6のリング共振器は、分岐比98:2の第1の光カプラ15と、分岐比95:5の第2の光カプラ16と、長さ10kmの単一モード光ファイバ17とを備える。インコヒーレント光源1(図1)の出力光を、第1の光カプラ15に入力し、第2の光カプラ16から出力される透過光を光検出器5(図1)により受光した。
なお、本測定装置及び測定法を検証するために、本実施形態で使用するリング共振器について、リング共振器の光路長と、第1の光カプラ15と第2の光カプラ16の分岐比と挿入損失と、単一モード光ファイバ17の損失とから、自由スペクトル領域及び帯域幅を計算した。自由スペクトル領域はおよそ20kHzで、帯域幅は4.5kHzであった。
被測定光共振器4に入力した光パワーは13.2dBm、透過した光パワーは−9.49dBmである。第3の実施形態と同様に、リング共振器はフリーランニング状態であり、共振周波数の制御は行っていない。
図7は、透過光強度のビート信号のパワースペクトルを表す図(図1のスペクトル解析装置6内に表記したパワースペクトルに相当する図)であり、横軸は中心周波数からのオフセット[kHz]、縦軸は規格化した強度[5dB/division]を表す。スペクトラムアナライザの分解能帯域幅(RBW)は100Hzであり、256回の平均化処理(AVG)を行った波形である。曲線A、B、C、D、Eの中心周波数は、それぞれ100kHz、500kHz、1MHz、5MHz、10MHzである。広い周波数範囲に渡り、周波数間隔が20.3kHzの櫛状のパワースペクトルが現れている。曲線Aは周波数が0〜200kHzのパワースペクトルに対応するが、直流付近の種々の雑音に起因するスプリアスが現れている。スプリアスを含む周波数帯では正確な測定ができないので、より高周波域のパワースペクトルを利用する必要がある。また、低周波側からk番目の線スペクトルを利用すれば、自由スペクトル領域に対する測定の分解能と精度がk倍だけ向上するので、高周波域での測定が有効である。
図8は、中心周波数が203.02kHz(k=10)のパワースペクトルを表す図であり、中心周波数からのオフセットが±10kHzの範囲を表示したものである。縦軸は規格化した信号強度[2dB/division]を表す。スペクトラムアナライザの分解能帯域幅(RBW)は100kHzであり、64回の平均化処理(AVG)を行った波形である。曲線Aは測定値を表す。図中の曲線Bは数式6を用いて曲線Aに対して計算した回帰曲線を表す。光検出器5やスペクトル解析装置6から発生する背景雑音の影響を抑圧するため、回帰曲線の計算は曲線Aの周波数オフセットが±5kHzの範囲で行った。周波数オフセットが±5kHzの範囲では、測定値と回帰曲線が良く一致していることがわかる。パワースペクトルに現れる低周波側から10番目のピークの中心周波数fkは、203.021kHzであるので、数式7に基づき、自由スペクトル領域の値ΔνFSRとして、20.3kHzが求まる。パワースペクトルに現れる低周波側から10番目のピークの半値全幅Δfkは、8.198kHzであるので、数式8に基づき、光共振器の帯域幅Δν1/2として、4.09kHzが求まる。数式5を用いて計算したフィネスの値は4.96である。第3の実施形態で用いた光ファイバファブリペロー共振器に比べて、フィネスの値が小さい原因は、リング共振器の光路として用いた長さ10kmの光ファイバの伝送損失によるものである。
本実施形態によれば、光路長が長く自由スペクトル領域が20kHzのような、光学測定が困難な場合においても、自由スペクトル領域及び帯域幅の高精度の測定値が得られる。
第2乃至4の実施形態において、具体的に示した例は、光共振器を透過した光に関する場合であるが、被測定光共振器として、1個の光カプラと光ファイバを用いて構成したリング共振器を用いる場合は、光共振器により反射された光の強度を光検出器により検出してパワースペクトルを求め、光共振器の自由スペクトル領域や帯域幅を求めることができる。反射された光の場合においても、数式7と8により求めることができる。
なお、上記実施形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明の光共振器測定装置と光共振器測定法を用いることより、複雑な装置を用いることなく、光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅を、正確かつ安定に測定することが可能になる。これにより、光ファイバ通信や光センシングに用いられる光共振器の精密な特性評価と、試料の屈折率と波長分散の測定が可能になり、産業上有用である。
1 インコヒーレント光源
2 光増幅器
3 光バンドパスフィルタ
4 被測定光共振器
5 光検出器
6 スペクトル解析装置
7 インコヒーレント光源1から出力される光のスペクトル
8 被測定光共振器4から出力される光のスペクトル
9 モード整合光学系
10 空間光路型光共振器
11 被測定試料
12 単一モード光ファイバ
13 誘電体多層膜
14 コア
15 第1の光カプラ
16 第2の光カプラ
17 10km光ファイバ
18 周波数可変レーザ光源
19 掃引信号発生装置
20 記録計
21 レーザ光源
22 位相変調器
23 ネットワークアナライザ

Claims (10)

  1. 光共振器の特性を測定する光共振器測定法であって、
    インコヒーレント光を光共振器に入射し、該光共振器を透過した光または該光共振器で反射された光の強度を検出し、前記光の強度のビート信号のパワースペクトルから前記光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅のいずれか1つ以上を求めることを特徴とする光共振器測定法。
  2. 光共振器の特性を測定する光共振器測定法であって、
    インコヒーレント光を発生し、
    該インコヒーレント光を前記光共振器に入射し、
    前記光共振器に入力したインコヒーレント光のうち、前記光共振器を透過した光または前記光共振器で反射された光の強度を検出し、電気信号に変換してビート信号のパワースペクトルを求め、
    前記パワースペクトルから前記光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅のいずれか1つ以上を求めることを特徴とする光共振器測定法。
  3. 前記光共振器の前記自由スペクトル領域は、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの中心周波数fkを用いて算出することを特徴とする請求項2記載の光共振器測定法。
  4. 前記光共振器の前記帯域幅は、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの半値全幅Δfkを用いて算出することを特徴とする請求項2記載の光共振器測定法。
  5. 前記光共振器は、内部に被測定試料を配置した空間光路型光共振器であり、
    該空間光路型光共振器の前記自由スペクトル領域と前記帯域幅のいずれか1つ以上を用いて、前記被測定試料の屈折率と波長分散と損失のいずれか1つ以上を求めることを特徴とする請求項2記載の光共振器測定法。
  6. 光共振器の特性を測定する光共振器測定装置であって、
    インコヒーレント光を発生する光発生手段と、
    前記インコヒーレント光を前記光共振器に入射する光学手段と、
    前記光共振器に入射したインコヒーレント光のうち、前記光共振器を透過した光または前記光共振器で反射した光の強度を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出した光の強度を電気信号に変換してビート信号のパワースペクトルを求めるスペクトル解析手段と、
    前記パワースペクトルから、前記光共振器の自由スペクトル領域と帯域幅のいずれか1つ以上を求める演算手段と
    を備えることを特徴とする光共振器測定装置。
  7. 前記演算手段は、前記光共振器の前記自由スペクトル領域を、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの中心周波数fkを用いて演算により求めることを特徴とする請求項6記載の光共振器測定装置。
  8. 前記演算手段は、前記光共振器の前記帯域幅を、前記パワースペクトルに現れる低周波側からk番目のピークの半値全幅Δfkを用いて演算により求めることを特徴とする請求項6記載の光共振器測定装置。
  9. 前記光発生手段は、光増幅器と光バンドパスフィルタとを備えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の光共振器測定装置。
  10. 前記光共振器は、内部に被測定試料が配置された空間光路型光共振器であり、
    前記演算手段は、該空間光路型光共振器の前記自由スペクトル領域と前記帯域幅のいずれか1つ以上を用いて、前記被測定試料の屈折率と波長分散と損失のいずれか1つ以上を演算により求めることを特徴とする請求項6記載の光共振器測定装置。
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