JP2014075891A - 高圧開閉器 - Google Patents
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Abstract
【課題】柱上の高圧開閉器上部の劣化状況を地上から目視確認することを可能にし、故障の可能性がある開閉器の早期発見を実現した高圧開閉器を提供する。
【解決手段】内部に各種の部品を収納する筐体10を備え、電柱に設置される高圧開閉器1であって、筐体10は、上面が側面に向かって下り傾斜しかつ内部に中空部が形成されている2層構造の屋根部10aを有し、中空部に封入される有色の塗料20を更に備える。そして、高圧開閉器1の上部が劣化して孔50が形成された場合に、この孔50から塗料20が流れ出し、屋根部10aの上面から側面に流下することにより、高圧開閉器1の側面が着色される。この着色によって、高圧開閉器1に故障の可能性があることを報知することができる。
【選択図】図4
【解決手段】内部に各種の部品を収納する筐体10を備え、電柱に設置される高圧開閉器1であって、筐体10は、上面が側面に向かって下り傾斜しかつ内部に中空部が形成されている2層構造の屋根部10aを有し、中空部に封入される有色の塗料20を更に備える。そして、高圧開閉器1の上部が劣化して孔50が形成された場合に、この孔50から塗料20が流れ出し、屋根部10aの上面から側面に流下することにより、高圧開閉器1の側面が着色される。この着色によって、高圧開閉器1に故障の可能性があることを報知することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、柱上に設置される高圧開閉器に関する。
柱上に設置される高圧開閉器に事故が発生した場合には、配電線事故に進展して近隣の需要家に送電できなくなるおそれがある。このため、事故が発生した高圧開閉器、あるいは故障する可能性が高い高圧開閉器を早期に発見する必要がある。
そこで、従来、特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1には、開閉器の内部の数カ所において、本体と上蓋との間に色彩塗料を収容した収容袋を取り付ける。そして、開閉器内に短絡事故が発生した場合に、アーク熱で内部圧力が急上昇することにより、上蓋が変形するとともに収容袋が破れることによって、色彩塗料が外部に噴出して本体表面を着色する。この着色によって、開閉器の内部事故を表示する、といった技術について記載されている。
ところで、高圧開閉器における事故の原因の一つとして、外装にひびが入ったり、孔が形成されたりした場合に、そのひびや孔から高圧開閉器内に雨水が進入することあげられる。通常、高圧開閉器は、電柱等の高所に設けられており、高圧開閉器の側部及び下部の状態については、作業員が地上から確認することができる。しかしながら、高圧開閉器の上部については作業員が地上から確認することが極めて困難である。
ここで、高圧開閉器の上部においては、雨水がケーブルあるいは装柱部材等を伝って、高圧開閉器の上部の定点に雨水が当たる、という現象が起き易い。その現象が長期間にわたって雨天の度に繰り返されると、高圧開閉器の上部に孔が形成されるおそれがある。孔が形成されると、その孔から更に雨水が浸入して、高圧開閉器の内部が浸水するようになり、その結果、開閉器不良となって配電線事故に進展してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題を解決し、柱上の高圧開閉器上部の劣化状況を地上から目視確認することを可能にし、故障の可能性がある開閉器の早期発見を実現した高圧開閉器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
(1) 電柱に設置される高圧開閉器であって、内部に各種の部品を収納する筐体を備え、当該筐体は、上面が傾斜しかつ内部に中空部が形成されている2層構造の屋根部と、当該屋根部における前記上面の下り傾斜側の端部に接続されている側面部とを有し、前記中空部に封入される有色の液体を更に備えることを特徴とする高圧開閉器。
(1)によれば、高圧開閉器の上部が劣化して孔が形成された場合に、この孔から有色の液体が流れ出し、高圧開閉器の上面から側面に流下することにより、高圧開閉器の側面が有色の液体によって着色される。この着色によって、高圧開閉器に故障の可能性があることを報知することができる。
(2) (1)において、前記有色の液体は、蛍光塗料であることを特徴とする高圧開閉器。
(2)によれば、夜間においても高圧開閉器に故障の可能性があることを報知することができる。
(3) 電柱に設置される高圧開閉器であって、内部に各種の部品を収納する筐体を備え、当該筐体は、上面が傾斜しかつ内部に中空部が形成されている2層構造の屋根部と、当該屋根部における前記上面の下り傾斜側の端部に接続されている側面部とを有し、前記中空部に封入される水溶性の着色部材を更に備えることを特徴とする高圧開閉器。
(3)によれば、高圧開閉器の上部が劣化して孔が形成された場合に、この孔から雨水が浸入するが、浸入した雨水は、水溶性の着色部材を溶かすことによって着色される。そして、着色された雨水が、孔から高圧開閉器の屋根部の上面を通って側面に流下することにより、高圧開閉器の側面が着色される。この着色によって、高圧開閉器に故障の可能性があることを報知することができる。
(4) (3)において、前記水溶性の着色部材は、水溶性ゲル状素材からなることを特徴とする高圧開閉器。
(4)によれば、水溶性の着色部材が水分を含んでいるため、浸入した雨水によって溶け易くなる。
本発明によれば、柱上の高圧開閉器における上部の劣化状況を地上から目視確認することが可能になり、故障の可能性がある開閉器の早期発見が可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態における高圧開閉器1の外観を示す斜視図、図2は高圧開閉器1の側面図である。
高圧開閉器1は、柱上に設置され、筐体10と、接続端子12と、指針14とを備えている。
筐体10は、高圧開閉器1を構成する各種の部材を収納するものであり、上面が傾斜している略直方体の部材である。なお、上面に連結している4つの側面において、特に、上面における下り傾斜側の端辺に接続している側面を正面、上面における傾斜方向の上り傾斜側の端辺に接続している側面を背面と称することにする。このように、筐体10の正面を形成する板材が、側面部に相当する。
接続端子12は、筐体10における台形の両側面にそれぞれ3つずつ設けられている。一方の側面の接続端子には電源側の線路が接続され、他方の側面の接続端子には負荷側の線路が接続される。
また、筐体10の内部には、図示しない開閉機構が設けられている。この開閉機構は、筐体10の一方の側面に設けた接続端子12と筐体10の他方の側面に設けた接続端子12との間を電気的に接続する閉状態及び電気的接続を切断する開状態に切り替えるものである。
指針14は、筐体10の正面に設けられ、開閉機構に連動して、開閉機構が開状態であるか閉状態であるかを指し示すものである。図1においては、指針14が「入」を指し示しているため、開閉機構は閉状態である。
また、図2に示すように、筐体10は、上部に屋根部10aを備えており、屋根部10aの外面、言い換えれば筐体10の上面は、背面側から正面側に向かって下り傾斜している。また、屋根部10aの正面側の端部は、筐体10の正面から突出していない。このため、雨天の場合に、筐体10の上面の雨水は、上面の傾斜に沿って流下し、更に、筐体10の正面に沿って流下する。
図3は、屋根部10aの側面側の内部構造を示す断面図である。屋根部10aは、互いに対向する上層10bと下層10cとを有する2層構造であり、この上層10bと下層10cとの間に中空部10dが形成されている。この中空部10dは密閉空間である。なお、以下の説明において、筐体10の上面を高圧開閉器1の上面と称する場合もある。
中空部10dには、有色の液体に相当する塗料20が封入されている。塗料20としては、中空部10d内で固まりにくい性質を有するもの、例えば、油性塗料が望ましく、特に、蛍光塗料であることが望ましい。また、塗料20の色としては、視認し易い色であることが望ましく、筐体10の色に応じて適宜設定可能である。
図4は、高圧開閉器1の上面に孔50が形成された場合の高圧開閉器1の外観を示す斜視図である。雨天において筐体10の上面の定点に雨水が当たることが、長期間にわたって雨天の度に繰り返されると、筐体10の上面に孔50が形成されるおそれがある。図4に示すように、筐体10の上面に孔50が形成されると、中空部10dに封入されている塗料20が孔50から外部に流れ出す。そして、塗料20は、筐体10の上面の傾斜に沿って正面側に流下し、更に筐体10の正面を流下する。これにより、筐体10の上面及び正面の一部が塗料20によって着色される。
図5は、電柱100に設置した高圧開閉器1から塗料が流出した状態を示す斜視図である。高圧開閉器1は、図1に示すように、電柱100の最上部に配置されかつ電線を支持する高圧腕金110に設置されている。ここで、高圧開閉器1は、電柱100に対して高圧開閉器1の正面が道路側を向くように設置されている。これにより、高圧開閉器1の上面は、道路側を向かって下り傾斜する。
そして、高圧開閉器1の上面に孔50(図4参照)が形成されると、その孔50(図4参照)から塗料20が流れ出し、図5に示すように、高圧開閉器1の正面の一部をライン状に着色する。作業員は、高圧開閉器1の正面の一部がライン状に着色されていることを地上から視認することにより、高圧開閉器1の上面に孔50(図4参照)が形成されたことを早期に把握することができる。
このように、本技術の高圧開閉器1は、塗料20の流出による筐体10の着色によって、高圧開閉器1に故障の可能性があることを報知することが可能になり、電柱上の高圧開閉器上部の劣化状況を地上から目視確認することが可能になる。特に、塗料20が蛍光塗料の場合には、夜間でも高圧開閉器上部の劣化状況を地上から目視確認することが可能になる。
なお、図3に示す屋根部10aの構成によれば、屋根部10aの上層10bと下層10cとが平行であり、ともに傾斜しているが、例えば、図6に示すように、下層10cは傾斜させずに水平にしてもよい。これにより、中空部10dの容積を大きくすることが可能になり、中空部10dに封入する塗料20の量を確保することが可能になる。
また、図1に示す高圧開閉器1の上面は一つの傾斜面からなるが、それに限らず、例えば、図7に示すように、屋根部10aを四角錐状に構成し、高圧開閉器1の上面が四つの傾斜面からなるようにしてもよい。これにより、高圧開閉器1の上面に形成される孔の位置に応じて塗料20の流下方向及び高圧開閉器1の正面の着色位置が変わってくるため、高圧開閉器1の4つの側面の着色位置から高圧開閉器1の上面に形成された孔の位置を容易に推測することが可能になる。また、筐体10における正面と背面の矩形形状を同一にすることが可能になるため、筐体10の作成を容易にすることが可能になる。
また、図3に示す屋根部10aによれば、内部に着色された液体の塗料20を封入しているが、それに限らず、着色された水溶性の着色部材を封入してもよい。これにより、高圧開閉器1の上面に孔が空いた場合に、その孔から雨水が浸入するが、浸入した雨水は、ゲル状素材を溶かすことによって着色された後、一部が孔から流出して高圧開閉器1の上面及び正面を流下する。これにより、高圧開閉器1の正面の一部がライン状に着色される。そして、作業員は、高圧開閉器1の着色を視認することにより、高圧開閉器1の上面に孔が形成されたことを把握することができる。なお、水溶性の着色部材はゲル状素材であることが望ましい。ゲル状素材は水分を多く含んでいるため、浸入した雨水によって溶け易くなる。
以上、説明したように構成された本実施形態によれば、高圧開閉器1の上部が劣化して孔50が形成された場合に、この孔50から塗料20、あるいは水溶性のゲル状素材によって着色された雨水が流れ出し、高圧開閉器の屋根の上面から高圧開閉器の正面に流下することにより、高圧開閉器の正面が着色される。この着色によって、高圧開閉器に故障の可能性があることを報知することができる。
また、塗料20は、蛍光塗料であることにより、夜間においても高圧開閉器に故障の可能性があることを報知することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、屋根部10aの内部に着色された水溶性のゲル状素材を封入する際に、若干のエアを充填することにより、中空部10dの内圧を若干高めておいてもよい。これにより、高圧開閉器の上部が劣化して孔50が形成された場合に、少量のゲル状素材が噴出して屋根部10aの上面に付着することによって、孔の周囲を流れる雨水を着色することが可能なる。また、高圧開閉器に形成された孔50から水溶性のゲル状素材が、孔50より上方のゲル状素材から受ける圧力によって徐々に孔50から流下するように、水溶性のゲル状素材の粘度を設定してもよい。これにより、孔50から流下したゲル状素材によって孔の周囲を流れる雨水を着色することが可能になる。
1 高圧開閉器
10 筐体
10a 屋根部
10b 上層
10c 下層
10d 中空部
12 接続端子
14 指針
20 塗料
50 孔
100 電柱
110 高圧腕金
10 筐体
10a 屋根部
10b 上層
10c 下層
10d 中空部
12 接続端子
14 指針
20 塗料
50 孔
100 電柱
110 高圧腕金
Claims (4)
- 電柱に設置される高圧開閉器であって、
内部に各種の部品を収納する筐体を備え、
当該筐体は、上面が傾斜しかつ内部に中空部が形成されている2層構造の屋根部と、当該屋根部における前記上面の下り傾斜側の端部に接続されている側面部とを有し、
前記中空部に封入される有色の液体を更に備えることを特徴とする高圧開閉器。 - 前記有色の液体は、蛍光塗料であることを特徴とする請求項1記載の高圧開閉器。
- 電柱に設置される高圧開閉器であって、
内部に各種の部品を収納する筐体を備え、
当該筐体は、上面が傾斜しかつ内部に中空部が形成されている2層構造の屋根部と、当該屋根部における前記上面の下り傾斜側の端部に接続されている側面部とを有し、
前記中空部に封入される水溶性の着色部材を更に備えることを特徴とする高圧開閉器。 - 前記水溶性の着色部材は、水溶性ゲル状素材からなることを特徴とする請求項3記載の高圧開閉器。
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JP2012221367A JP5497128B2 (ja) | 2012-10-03 | 2012-10-03 | 高圧開閉器 |
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---|---|---|---|---|
JP2016189658A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | 株式会社ダイヘン | 柱上設置型電気機器 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53121458U (ja) * | 1977-03-04 | 1978-09-27 | ||
JPS61149246U (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-13 |
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- 2012-10-03 JP JP2012221367A patent/JP5497128B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPS61149246U (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-13 |
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