JP2014074974A - ターゲットインピーダンスの決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計される半導体装置の正常動作を保証することができるターゲットインピーダンスの決定方法を提供すること。
【解決手段】PDNモデルにおける第1及び第2のパラメータの複数の組み合わせのそれぞれについて、動的IRドロップを算出し、半導体チップが正常に動作するか否かを判定し、正常に動作するパラメータの組み合わせのそれぞれについてインピーダンスの周波数プロファイルを求めることにより、半導体チップの正常動作領域と異常動作領域との境界線を決定し、境界線に基づいて、境界線を超えないようにターゲットインピーダンスを決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターゲットインピーダンスの決定方法に関する。
近年、半導体プロセス技術の発展に伴って、半導体集積回路の微細化及び高速化(動作周波数の上昇)が進展している。その一方で、低消費電力化のために電源電圧は低下している。そのため、半導体チップに形成されたトランジスタのスイッチングによる電源電圧の変動すなわち電源ノイズの影響が無視できなくなってきた。この電源ノイズの発生を抑制するため、半導体装置における半導体チップから電源に及ぶ半導体チップ、パッケージ、プリント配線基板(チップ・パッケージ・ボード)の電源供給網(PDN:Power Distribution Network)の設計が重要になってきた。
PDNの設計では、まずPDNに対してターゲットインピーダンスを設定する。そして、インピーダンス低減手法を用いて、PDNのインピーダンスがターゲットインピーダンスを超えないようにPDNを設計する。インピーダンス低減手法としては、電源・グランド間へのデカップリング容量の挿入、電源配線及びグランド配線の拡幅、電源配線層及びグランド配線層の多層化、電源ピン及びグランドピンの多ピン化、ボンディングワイヤの太径化や本数の増加などが知られている。従って、PDNの設計では、PDNのターゲットインピーダンスを適切に設定することが極めて重要となる。
非特許文献1〜4、特許文献1〜3には、ターゲットインピーダンスの決定方法が開示されている。なお、発明者らによる非特許文献5については、実施の形態において引用する。
国際公開第2012/014597号 特表2002−51876号公報 特開2011−22822号公報
L. D. Smith, et al, "Power Distribution System Design Methodology and Capacitor Selection for Modern CMOS Technology", IEEE trans. on Advanced Packaging, Vol. 22, NO. 3, Aug. 1999, pp. 284-291, 1999. R. Fizesan, et al., "Simulation for Power Integrity to Design a PCB for an Optimum Cost", in Proc. SIITEM, pp. 141-146, 2010. O. P. Mandhana, "Design Oriented Analysis of Package Power Distribution System Considering Target Impedance for High Performance Microprocessors", in Proc. EPEPS, pp. 273-276, 2001. J. Kim, et al, "Improved target impedance and IC transient current measurement for power distribution network design", in Proc. ISEMC, pp. 445-450, 2010. M. S. Tanaka, et al, "Early Stage Chip/Package/Board Co-designTechniques for System-on-Chip", in Proc. EPEPS, pp. 21-24, 2011.
発明者は以下の問題を見出した。
上記特許文献や非特許文献に開示された手法によって決定されたターゲットインピーダンスを用いた場合、半導体チップが正しく動作するか否かについては、保証できないという問題があった。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係るターゲットインピーダンスの決定方法は、PDNモデルにおける第1及び第2のパラメータの複数の組み合わせのそれぞれについて、動的IRドロップを算出し、半導体チップが正常に動作するか否かを判定し、正常に動作するパラメータの組み合わせのそれぞれについてインピーダンスの周波数プロファイルを求めることにより、半導体チップの正常動作領域と異常動作領域との境界線を決定し、境界線に基づいて、境界線を超えないようにターゲットインピーダンスを決定するものである。
設計される半導体装置の正常動作を保証することができるターゲットインピーダンスの決定方法を提供することができる。
実施の形態1に係るターゲットインピーダンスの決定方法のフローチャートである。 PDNモデルの一例を示す回路図である。 動的IRドロップの計算結果の一例を示すグラフである。 正常動作と判定されたPDNモデルのPDNインピーダンスZpdnの周波数プロファイルを重ね書きし、正常動作領域と異常動作領域との境界線を描いたグラフである。 図4において破線円で囲んだ部分の模式的拡大図である。 境界線に基づいて決定されたターゲットインピーダンスZtの一例を示す図である。 電流波形のフーリエ変換結果を示すグラフである。 実施例でのパラメータ(チップ容量Cchip、パッケージインダクタンスLpkg)の全組み合わせの一覧表である。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
図1を参照して第1の実施の形態に係るターゲットインピーダンスの決定方法について説明する。図1は、実施の形態1に係るターゲットインピーダンスの決定方法のフローチャートである。実施の形態1に係るターゲットインピーダンスの決定方法は、コンピュータ上において半導体装置の設計支援用のプログラムを実行することにより実施することができる。
ここで、ターゲットインピーダンスは、半導体装置における半導体チップから電源に及ぶ半導体チップ、パッケージ、プリント配線基板(チップ・パッケージ・ボード)の電源供給網(PDN:Power Distribution Network)を設計するためのものである。
図1に示すように、実施の形態1に係るターゲットインピーダンスの決定方法では、まず、半導体チップ上に形成された集積回路の機能ブロック毎に、動作周波数及び消費電力の組み合わせから、電流波形を計算する(ステップST1)。具体的には、設計電源電圧及び消費電力から電流値が求まり、この電流値及び動作周波数から電流波形を計算することができる。ここで、機能ブロック毎の動作周波数及び消費電力は、RTL(Register transfer level)ネットリストから取得することができる。
次に、レイアウト上の制約から実現可能なPDNのレイアウトパタンを列挙し、パラメータ(容量C、インダクタンスL)の全組み合わせを抽出する(ステップST2)。PDNの設計では、電源・グランド間へのデカップリング容量の挿入、電源配線及びグランド配線の拡幅、電源配線層及びグランド配線層の多層化、電源ピン及びグランドピンの多ピン化、ボンディングワイヤの太径化や本数の増加などによりインピーダンスを低減する。いずれの手法でも、レイアウト上の制約があるため、これを考慮してPDNのレイアウトパタンを列挙する。レイアウト上の制約から実現不可能なPDNのレイアウトパタンを除外することにより、ターゲットインピーダンスを求めるまでに要する時間を短縮することができる。
ここで、インピーダンス低減に寄与する2つのパラメータ(容量C、インダクタンスL)を変化させる。例えば、半導体チップ上のデカップリング容量の個数により容量Cを変化させるとともに、ボンディングワイヤの本数によりインダクタンスLを変化させる。
そして、列挙したPDNのレイアウトパタンの全てについて、例えば非特許文献5に開示された手法のように、コンピュータ上で特性評価プログラムを用いることにより、2つのパラメータ(容量C、インダクタンスL)の特性値を求める。求めた特性値から、次のステップST3において作成するPDNモデルにおけるパラメータ(容量C、インダクタンスL)の全組み合わせを抽出することができる。すなわち、パラメータ(容量C、インダクタンスL)の範囲が抽出される。
次に、PDNをモデル化し、ステップST2において抽出されたパラメータの全組み合わせについて、半導体チップでの動的IRドロップを計算する(ステップST3)。まず、計算に要する時間を短縮するため、PDNをモデル化し、PDNモデルを作成する。
ここで、図2を用いてPDNモデルについて説明する。図2は、PDNモデルの一例を示す回路図である。図2に示したPDNモデルは、チップ部(CHIP)、パッケージ部(PACKAGE)、ボード部(BOARD)を備えている。ここで、半導体装置のPDNは、半導体チップ、パッケージ基板、プリント配線基板、半導体チップとパッケージ基板とを接続するボンディングワイヤ(あるいはバンプ)、パッケージ基板とプリント配線基板とを接続するはんだボールを備えている。図2において、チップ部は半導体チップに相当し、パッケージ部はパッケージ基板とボンディングワイヤ(あるいはバンプ)とに相当し、ボード部はプリント配線基板とはんだボールとに相当する。
チップ部は、電流源I(t)、オンチップデカップリング容量によるチップ容量Cchip、及びチップ内電源配線によるチップ抵抗Rchipを備えている。電流源I(t)には、ステップST1で求めた電流波形が入力される。チップ容量Cchipの第1端子は電流源I(t)のグランド側端子に接続され、第2端子はチップ抵抗Rchipの第1端子に接続されている。チップ抵抗Rchipの第2端子は、電流源I(t)の電源側端子に接続されている。すなわち、互いに直列接続されたチップ容量Cchip及びチップ抵抗Rchipと電流源I(t)とが並列接続されている。
パッケージ部は、パッケージ基板に形成された電源配線及び電源配線用のボンディングワイヤ(あるいはバンプ)によるパッケージ抵抗Rpkg及びパッケージインダクタンスLpkgを備えている。パッケージインダクタンスLpkgの第1端子は、チップ抵抗Rchipの第2端子及び電流源I(t)の電源側端子に接続されている。パッケージインダクタンスLpkgの第2端子は、パッケージ抵抗Rpkgの第1端子に接続されている。パッケージ抵抗Rpkgの第2端子は、ボード部の第1ボードインダクタンスLpwb1の第1端子に接続されている。
ボード部は、パッケージに近い側のプリント配線基板に形成された電源配線及びはんだボールによる第1ボード抵抗Rpwb1、第1ボードインダクタンスLpwb1、パッケージから遠い側のプリント配線基板に形成された電源配線による第2ボード抵抗Rpwb2、第2ボードインダクタンスLpwb2、プリント配線基板上に設けられるデカップリング容量による容量Ccap、容量抵抗Rcap、容量インダクタンスLcap、直流電源Vdcを備えている。
第1ボードインダクタンスLpwb1の第2端子は、第1ボード抵抗Rpwb1の第1端子に接続されている。第1ボード抵抗Rpwb1の第2端子は、第2ボードインダクタンスLpwb2の第1端子に接続されている。第2ボードインダクタンスLpwb2の第2端子は、第2ボード抵抗Rpwb2の第1端子に接続されている。第2ボード抵抗Rpwb2の第2端子は、直流電源Vdcの正極に接続されている。また、容量Ccapの第1端子はグランドに接続されている。容量Ccapの第2端子は容量インダクタンスLcapの第1端子に接続されている。容量インダクタンスLcapの第2端子は、容量抵抗Rcapの第1端子に接続されている。容量抵抗Rcapの第2端子は、第1ボード抵抗Rpwb1の第2端子及び第2ボードインダクタンスLpwb2の第1端子に接続されている。
例えば図2に示したようなPDNモデルを用いて、コンピュータ上でのSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)によるシミュレーション(過渡解析)を行い、半導体チップでの動的IRドロップを求めることができる。例えば、動的IRドロップが最大になり易い半導体チップ中央部での動的IRドロップを計算する。また、ステップST1で求めた機能ブロック毎の電流波形の全てを足し合わせたものから、半導体チップでの動的IRドロップを計算する。ここで、ステップST1で求めた全ての機能ブロック毎の動作周波数について動的IRドロップ違反がなければ、正常動作と判定される。上述の通り、パラメータの全組み合わせについて、このような正常動作の判定を行う。
図3は、動的IRドロップの計算結果の一例を示すグラフである。図3の横軸は時間、縦軸は電源電圧VDDを示している。図3に示すように、電源電圧VDDは時間に対して設計電源電圧VDD0を中心にして変動している。ここで、動的IRドロップの計算結果から、機能ブロックの動作周波数に対応した動作クロックの各周期における平均電圧を求める。これを全ての機能ブロックの動作周波数について実施する。図3では、動作クロックがクロックCLK1の場合のクロック周期が垂直方向に延設された複数の一点鎖線により示されている。そして、各周期における平均電圧が、水平方向の実線で示されている。他方、動作クロックがクロックCLK2の場合のクロック周期が垂直方向に延設された複数の二点鎖線により示されている。そして、各周期における平均電圧が、水平方向の破線で示されている。
そして、上記の平均電圧の最小値である最小平均値(MINIMUM AVERAGE)を求める。この最小平均値が最小基準電圧以上であれば、セットアップ時間違反が生じず、半導体チップが正常に動作する。一方、この最小平均値が最小基準電圧を下回ると、セットアップ時間違反が生じ、半導体チップが正常に動作しない。図3には、クロックCLK1の場合の最小平均値(MINIMUM AVERAGE)とクロックCLK2の場合の最小平均値(MINIMUM AVERAGE)とがそれぞれ示されている。
また、上記の平均電圧の最大値である最大平均値(MAXIMUM AVERAGE)が最大基準電圧を上回ると、ホールド時間違反が生じ、半導体チップが正常に動作しない。ここで、最小平均値のみにより正常動作を判定してもよいし、最小平均値及び最大平均値の両方により正常動作を判定してもよい。ここで、最小基準電圧及び最大基準電圧は、タイミング検証方法の一手法である静的タイミング解析(STA:Static Timing Analysis)において、パラメータとして設定する遅延値の許容限界から計算することができる。この遅延値は、電圧変動(つまりIRドロップ)に応じて変化する成分であり、その許容限界はSTAによるセットアップ時間違反あるいはホールド時間違反の有無から定まる。具体的に、最小基準電圧は、セットアップ時間違反を生じない遅延値の許容限界から計算することができ、最大基準電圧は、ホールド時間違反を生じない遅延値の許容限界から計算することができる。
図1に戻り、次に、正常動作と判定された全PDNモデルについて、PDNインピーダンスZpdnを計算し、周波数プロファイルを重ね書きする(ステップST4)。インピーダンスの周波数プロファイルは、例えばコンピュータ上でのSPICEを用いたシミュレーション(AC解析)により、容易に求めることができる。
最後に、重ね書きされた全プロファイルから得られる境界線に基づいて、ターゲットインピーダンスを決定する(ステップST5)。ステップST4において重ね書きされたPDNインピーダンスZpdnの周波数プロファイルの各周波数における最大値を結ぶことにより、正常動作領域と異常動作領域との境界線が得られる。この境界線に基づいて、ターゲットインピーダンスを求めることができる。
図4は、正常動作と判定されたPDNモデルのPDNインピーダンスZpdnの周波数プロファイルを重ね書きし、正常動作領域と異常動作領域との境界線を描いたグラフである。図4の横軸は周波数、縦軸はPDNインピーダンスZpdnを示している。
図5は、図4において破線円で囲んだ部分の模式的拡大図である。従って、図5の横軸は周波数、縦軸はPDNインピーダンスZpdnを示している。図5における破線C1〜C6は、例えばチップ容量Cchipの値を示しており、破線L1〜L7は、例えばパッケージインダクタンスLpkgの値を示している。ここで、インダクタンスは大きいほどPDNインピーダンスZpdnも大きくなるため、パッケージインダクタンスLpkgの値は、L1が最も大きく、L7が最も小さい。一方、容量は大きいほどPDNインピーダンスZpdnが小さくなるため、チップ容量Cchipの値は、C1が最も小さく、C6が最も大きい。
破線C1〜C6と破線L1〜L7との交点は取り得るパラメータの組み合わせである。正常動作と判定された箇所は○印、異常動作と判定された箇所は×印が付されている。例えば、チップ容量Cchip=C2、パッケージインダクタンスLpkg=L4の場合、図5に実線で示したように、PDNインピーダンスZpdnのピークプロファイルは、破線L4に沿って座標(C2、L4)まで上がり、座標(C2、L4)をピークとして、座標(C2、L4)から破線C2に沿って下がったものとなる。その他の場合も同様である。
つまり、図5は、この周波数域でのPDNインピーダンスZpdnのピーク値が、この2つのパラメータ(チップ容量Cchip、パッケージインダクタンスLpkg)から決まることを視覚的に示している。図5から、ステップST4において重ね書きされたPDNインピーダンスZpdnの周波数プロファイルの各周波数における最大値を結ぶことにより、正常動作領域と異常動作領域との境界線が得られることが分かる。
図6は、境界線に基づいて決定されたターゲットインピーダンスZtの一例を示す図である。図6に示すように、境界線の変化に応じつつ、境界線を超えないようにターゲットインピーダンスZtを決定する。図6には、比較例によるターゲットインピーダンスZtも併せて示した。
これまでの手法によって決定されたターゲットインピーダンスを用いた場合、半導体チップが正しく動作するか否かについては、保証できないという問題があった。本実施の形態に係るターゲットインピーダンスの決定方法では、半導体チップの正常動作を条件としてターゲットインピーダンスを決定しているため、半導体チップの正常動作を保証することができる。
他方、これまでの手法では、半導体チップが正しく動作する条件がわからないため、正常動作を得るためにターゲットインピーダンスの制約を闇雲に厳しくしていた(すなわち、ターゲットインピーダンスの値を小さく設定していた)。その結果、上述のデカップリング容量の挿入などのインピーダンス低減手法により、設計される半導体装置が大型化してしまうという問題があった。本実施の形態に係るターゲットインピーダンスの決定方法によれば、図6に示すように、ターゲットインピーダンスの制約を緩和することができるため、例えばデカップリング容量を減らすことができ、設計される半導体装置の大型化を抑制することができる。
次に、具体的な実施例について説明する。
設計対象の半導体装置はTEG(Test Element Group)とした。45nmプロセスチップを使用し、設計電源電圧は1.0Vとした。TEGのパッケージは、4層構造のパッケージ基板を備えたFBGA(Fine pitch Ball Grid Array)とした。このTEGパッケージが実装されるマザーボードは、4層構造のプリント配線基板とした。
まず、各機能ブロック(マクロ)の動作周波数と消費電力とから電流波形を計算した。図7は、電流波形のフーリエ変換結果を示すグラフである。図7の横軸は周波数、縦軸は大きさを示している。図7に示すように、複数の周波数が含まれていることが確認された。
次に、実現可能なレイアウトパタンを列挙した。本実施例では、図2に示したPDNモデルにおけるチップ容量Cchipに寄与するオンチップデカップル容量の個数とパッケージインダクタンスLpkgに寄与するボンディングワイヤの本数とを変化させた。コンピュータ上で特性評価プログラムを用いることにより、列挙したレイアウトパタンからPDNモデルにおけるパラメータ(チップ容量Cchip、パッケージインダクタンスLpkg)の全組み合わせを抽出した。
図8は、実施例でのパラメータ(チップ容量Cchip、パッケージインダクタンスLpkg)の全組み合わせの一覧表である。チップ容量Cchipは、C11〜C17までの7通り、パッケージインダクタンスLpkgはL11〜L16の6通りとし、組み合わせは7×6=42通りとした。チップ容量Cchipは、20〜40nFの範囲で、パッケージインダクタンスLpkgは1〜5nHの範囲で変化させた。
次に、抽出したパラメータ(チップ容量Cchip、チップ容量Cchip)の全組み合わせについて、図2に示したPDNモデルを用いて、SPICEによるシミュレーションを行い、半導体チップでの動的IRドロップを求めた。そして、半導体チップが正常動作するか否かを判定した。図8の一覧表に、正常動作を○、異常動作を×として、その結果を示した。
次に、正常動作と判定された全PDNモデルについて、PDNインピーダンスZpdnを計算し、周波数プロファイルを重ね書きした。インピーダンスの周波数プロファイルは、SPICEのAC解析により求めた。そして、重ね書きされたPDNインピーダンスZpdnの周波数プロファイルの各周波数における最大値を結ぶことにより、正常動作領域と異常動作領域との境界線が得られた。
図4は、正常動作と判定されたPDNモデルのPDNインピーダンスZpdnの周波数プロファイルを重ね書きし、正常動作領域と異常動作領域との境界線を描いたグラフである。図4の横軸は周波数、縦軸はPDNインピーダンスZpdnを示している。
次に、境界線の変化に応じつつ、境界線を超えないようにターゲットインピーダンスZtを決定する。図6は、本実施例において、境界線に基づいて決定されたターゲットインピーダンスZtを示す図である。図6には、非特許文献1、2に開示された比較例に係るターゲットインピーダンスZt(=設計電源電圧×許容リップル率/電流)も併せて示した。ここで、許容リップル率は10%である。
これまでの手法によって決定されたターゲットインピーダンスを用いた場合、半導体チップが正しく動作するか否かについては、保証できないという問題があった。本実施例に係るターゲットインピーダンスの決定方法では、半導体チップの正常動作を条件としてターゲットインピーダンスを決定したため、半導体チップの正常動作を保証することができた。
さらに、これまでの手法では、半導体チップが正しく動作する条件がわからないため、正常動作を得るためにターゲットインピーダンスの制約を闇雲に厳しくしていた(すなわち、ターゲットインピーダンスの値を小さく設定していた)。その結果、上述のデカップリング容量の挿入などのインピーダンス低減手法により、設計される半導体装置が大型化してしまうという問題があった。
本実施例に係るターゲットインピーダンスの決定方法によれば、図6に示すように、ターゲットインピーダンスの制約を緩和することができるため、例えばオンチップデカップリング容量の個数やボンディングワイヤの本数を減らすことができ、設計される半導体装置の大型化を抑制することができる。具体的には、本実施例では、ターゲットインピーダンスを用いない場合に比べ、パッケージサイズを21.5%、チップサイズを16.4%削減することができた。なお、比較例に係るターゲットインピーダンスZtは制約が厳しすぎるため、これを満足するレイアウトパタンを作成することはできなかった。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
また、パラメータとして、容量、インダクタンンスを用いた例を説明したが、容量、抵抗もしくは、インダクタンス、抵抗を用いてもターゲットインピーダンスを同様の方法で作成することは可能である。
なお、上記のように、ボードについてのパラメータは固定しておき、チップ・パッケージの設計を最適化するためのターゲットインピーダンスを決定する。その後、上記の実施の形態と同様に、図2に示したボードについての2つのパラメータ(容量Ccap及び第1ボードインダクタンスLpwb1又は第2ボードインダクタンスLpwb2)を変化させることにより、ボードの設計を最適化するためのターゲットインピーダンスを別途決定するのが好ましい。
Ccap 容量
Cchip チップ容量
I(t) 電流源
Lcap 容量インダクタンス
Lpkg パッケージインダクタンス
Lpwb1 ボードインダクタンス
Lpwb2 ボードインダクタンス
Rcap 容量抵抗
Rchip チップ抵抗
Rpkg パッケージ抵抗
Rpwb1 第1ボード抵抗
Rpwb2 第2ボード抵抗
Vdc 直流電源
VDD 電源電圧
VDD0 設計電源電圧
Zpdn PDNインピーダンス
Zt ターゲットインピーダンス

Claims (10)

  1. 半導体チップとパッケージと実装基板とを含む半導体装置のPDNを設計するためのターゲットインピーダンスを、コンピュータを用いて決定する、ターゲットインピーダンスの決定方法であって、
    前記PDNをモデル化したPDNモデルにおける第1及び第2のパラメータの複数の組み合わせのそれぞれについて、動的IRドロップを算出し、前記半導体チップが正常に動作するか否かを判定し、
    正常に動作する前記複数の組み合わせのそれぞれについてインピーダンスの周波数プロファイルを求めることにより、前記半導体チップの正常動作領域と異常動作領域との境界線を決定し、
    前記境界線に基づいて、前記境界線を超えないようにターゲットインピーダンスを決定する、
    ターゲットインピーダンスの決定方法。
  2. 前記第1のパラメータは、前記PDNに設けられるデカップリング容量に起因する容量であり、
    前記第2のパラメータは、前記PDNにおける電源配線に起因するインダクタンスである、
    請求項1に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  3. 前記半導体チップが正常に動作するか否かを判定する際、
    実現可能な前記PDNのレイアウトパタンを列挙し、前記第1及び第2のパラメータの前記複数の組み合わせを抽出する、
    請求項1に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  4. 前記境界線を決定する際、
    前記複数の組み合わせのそれぞれについて前記インピーダンスの周波数プロファイルを重ね書きし、各周波数における最大値を結ぶ、
    請求項1に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  5. 前記境界線を決定する際、
    SPICEを用いたシミュレーションにより、前記インピーダンスの周波数プロファイルを求める、
    請求項1に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  6. 前記半導体チップが正常に動作するか否かを判定する際、
    SPICEを用いたシミュレーションにより、前記動的IRドロップを算出する、
    請求項1に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  7. 前記半導体チップが正常に動作するか否かを判定する際、
    算出された前記動的IRドロップから、動作クロックの各周期における平均電圧値を求め、
    前記平均電圧値の最小値が、最小基準電圧値を下回った場合、セットアップ時間違反により正常に動作しないと判断する、
    請求項1に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  8. 電圧変動に応じて変化する遅延値をパラメータとして静的タイミング解析を行い、
    前記静的タイミング解析においてセットアップ時間違反を生じない前記遅延値の許容限界から前記最小基準電圧値を算出する、
    請求項7に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  9. 前記平均電圧値の最大値が、最大基準電圧値を上回った場合、ホールド時間違反により正常に動作しないと判断する、
    請求項7に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
  10. 電圧変動に応じて変化する遅延値をパラメータとして静的タイミング解析を行い、
    前記静的タイミング解析においてホールド時間違反を生じない前記遅延値の許容限界から前記最大基準電圧値を算出する、
    請求項9に記載のターゲットインピーダンスの決定方法。
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