JP2014070395A - 洗浄水供給装置及びそれを備えた洗浄水タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】 万が一、何らかの原因により蓋体の少なくとも一部が変位して開口部を塞げなくなっても、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防ぐことが可能な洗浄水供給装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 洗浄水タンク内に設けられ、洗浄水タンクの貯水部に洗浄水を供給する洗浄水供給装置であって、洗浄水流路と、洗浄水流路の中途に設けられた開閉弁と、開閉弁の上流側に位置する洗浄水流路の一部を洗浄水流路外部に連通させる開口部と、開口部を塞ぐ蓋体と、蓋体の少なくとも開口部に対面する天井部を覆うカバー部材と、を備え、カバー部材は、洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により蓋体が変位していないときは、天井部との間に所定の間隙を保持し、洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により蓋体の少なくとも一部がカバー部材に向けて変位したときは、蓋体の変位量を所定の間隙の範囲内に規制する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、洗浄水を供給する洗浄水供給装置及びそれを備えた洗浄水タンクに関する。
従来、便器を洗浄する洗浄水を貯留する貯水部を有する洗浄水タンク内に設けられ、貯水部に洗浄水を供給する洗浄水供給装置として、洗浄水供給装置内部の流路を開閉する開閉弁の上流側に、ストレーナを挿着したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種の洗浄水供給装置においては、ストレーナが挿着される開口部は、洗浄水供給装置内部の流路と連通しているために、通常、蓋体により塞がれる。
特開平10−245879号公報
上述したような開閉弁の上流側に開口部を有する洗浄水供給装置においては、例えば、酸性洗剤、アルカリ性洗剤や芳香洗浄剤の付着による劣化を原因として蓋体が破損し、蓋体にて開口部を塞げなくなった場合、開口部から漏水が発生する可能性がある。ただし、洗浄水供給装置を内部に有する洗浄水タンクは一般的にオーバーフロー管を備えているため、開口部からの漏水は洗浄水タンクからオーバーフロー管を介して便器へと流される。しかしながら、万が一、開口部から短時間で多量の漏水が発生し、その漏水をオーバーフロー管で流し切れなかった場合、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出て、便器の設置されたトイレ空間の床面や壁面を濡らしてしまうという懸念があった。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、万が一、何らかの原因により蓋体の少なくとも一部が変位して開口部から漏水が発生した場合であっても、その漏水の水量を適切な量に制限することができ、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防ぐことが可能な洗浄水供給装置を提供することを目的とする。
本発明は、便器を洗浄する洗浄水を貯留する貯水部を有する洗浄水タンク内に設けられ、前記貯水部に洗浄水を供給する洗浄水供給装置であって、洗浄水が入水する入水口と洗浄水を前記貯水部内に吐水する吐水口とを連通する洗浄水流路と、この洗浄水流路の中途に設けられた開閉弁と、この開閉弁の上流側に位置する前記洗浄水流路の一部を、前記洗浄水流路の外部に連通させる開口部と、この開口部を塞ぐ蓋体と、この蓋体の少なくとも前記開口部に対面する天井部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により前記蓋体が変位していないときは、前記天井部との間に所定の間隙を保持し、前記洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により前記蓋体の少なくとも一部が前記カバー部材に向けて変位したときは、前記蓋体の変位量を前記所定の間隙の範囲内に規制することを特徴とする洗浄水供給装置である。
このように構成された本発明においては、カバー部材は、洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により蓋体の少なくとも一部がカバー部材に向けて変位したときは、蓋体の変位量を所定の間隙の範囲内に規制する。そのため、蓋体の変位量が所定の間隙の大きさにより決定されるとともに、その蓋体の変位量に応じて変化する開口部から流れ出る洗浄水の量も決定される。従って、万が一、蓋体の破損等により蓋体の少なくとも一部が変位して開口部から洗浄水が流れ出た場合には、その流れ出る洗浄水の量を、所定の間隙の大きさにより適切な量に制御することができるため、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
本発明においては、さらに、前記カバー部材は、前記蓋体の少なくとも一部の変位の方向をガイドするガイド部を有する構成としてもよい。
このように構成された本発明においては、蓋体の少なくとも一部が洗浄水の水圧により変位するときに、蓋体の変位方向をカバー部材が有するガイド部によりガイドする。そのため、ガイド部により、蓋体の少なくとも一部がより確実にカバー部材に向けて変位するようガイドすることができる。従って、万が一、蓋体の破損等により蓋体の少なくとも一部が変位して開口部から洗浄水が流れ出た場合には、その流れ出る洗浄水の量を、所定の間隙の大きさにより適切な量に制御することができるため、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
本発明においては、さらに、前記洗浄水流路内に設けられ、前記蓋体の少なくとも一部の変位の方向をガイドするガイド手段を備える構成としてもよい。
このように構成された本発明においては、蓋体の少なくとも一部が洗浄水の水圧により変位するときに、蓋体の変位方向を洗浄水流路内に設けられるガイド手段によりガイドする。そのため、ガイド手段により、蓋体の少なくとも一部がより確実にカバー部材に向けて変位するようガイドすることができる。従って、万が一、蓋体の破損等により蓋体の少なくとも一部が変位して開口部から洗浄水が流れ出た場合には、その流れ出る洗浄水の量を、所定の間隙の大きさにより適切な量に制御することができるため、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
本発明においては、さらに、前記カバー部材は、下端が開口した逆有底筒状であり、その内底部が前記天井部に対面した状態で前記蓋体と係合し、前記蓋体の少なくとも一部が変位することにより、前記カバー部材の内部には、前記開口部から前記カバー部材の下端開口を介して、洗浄水を前記洗浄水流路外へと案内する案内流路が形成される構成としてもよい。
このように構成された本発明においては、蓋体の少なくとも一部が洗浄水の水圧により変位するときに、洗浄水を洗浄水流路外へ案内する案内流路がカバー部材の内部に形成される。案内流路にて洗浄水が案内されるため、洗浄水が開口部から飛散することがなく、洗浄水タンク外部への洗浄水の飛散が防止される。また、カバー部材が蓋体に係合するため、蓋体を取り外す場合は、カバー部材と同時に取り外すことができ、手間がかからない。
本発明においては、さらに、前記洗浄水流路内の前記開口部よりも上流側に設けられ、洗浄水の流量を一定に制限する定流量手段をさらに備える構成としてもよい。
このように構成された本発明においては、定流量手段が、蓋体の少なくとも一部が洗浄水の水圧により変位するときに、案内流路に至る洗浄水の流量を一定に制限する。そのため、より確実に、開口部から洗浄水流路外へと流れ出る洗浄水の流量を適切な量に制御することができ、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
本発明は、また、便器を洗浄する洗浄水を貯留する洗浄水タンクであって、前記洗浄水供給装置を備えることを特徴とする洗浄水タンクである。
このように構成された本発明においては、洗浄水供給装置の開口部から洗浄水流路外へと流れ出る洗浄水の流量を適切な量に制御することができ、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
本発明の洗浄水供給装置によれば、万が一、蓋体の破損等により蓋体の少なくとも一部が移動して開口部から洗浄水が流れ出た場合に、その流れ出る洗浄水の量を、所定の間隙の大きさ及びガイド手段により適切な量に制御することができる。そのため、洗浄水タンクから洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
本発明の一実施形態における洗浄水供給装置が設けられる洗浄水タンク内部を示す断面図。 本発明の一実施形態における洗浄水供給装置を示す上面図。 図2のA−A断面図。 図3のB−B断面図。 本発明の一実施形態における蓋体の一部が変位した状態での洗浄水供給装置を示す断面図。 本発明において、洗浄水供給装置のカバー部材と蓋体とを、それぞれに設けた孔部と凸部とを係合させることで連結させる実施例を示す断面図。 本発明において、洗浄水供給装置のカバー部材と洗浄水流路外壁とを連結する実施例を示す断面図。 (a)本発明において、洗浄水供給装置の蓋体に洗浄水の流量を制限する小孔を設けた実施例を示す断面図。(b)(a)の蓋体の一部が変位した状態での洗浄水供給装置を示す断面図。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における洗浄水供給装置について説明する。図1は本発明の一実施形態における洗浄水タンクの内部を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による洗浄水タンク1は、陶器製の陶器タンク2と、この陶器タンク2の内側に配置され洗浄水を貯留する貯水部である樹脂タンク4と、樹脂タンク4の上部側方に取り付けられ、樹脂タンク4内に洗浄水を供給する洗浄水供給装置6とを有する。
陶器タンク2は、上側に陶器製の手洗蓋8が載せられている。この手洗蓋8の後部中央には手洗い金具10が立設されている。使用者はこの手洗い金具10から吐水される洗浄水により手洗いを行うことが可能である。陶器タンク2の側壁には、洗浄レバー12が取り付けられている。陶器タンク2の底部には、図示しない便器に向けて洗浄水を排出するための流路である排水筒14が配設されている。また、陶器タンク2の底部側方には、屈曲可能なフレキ管15が挿通している。このフレキ管15の一端が、図示しないトイレ室壁面に設けられた図示しない給水源に接続され、フレキ管15の他端が、洗浄水供給装置6に接続される。つまり、給水源(図示せず)からの水が、フレキ管15によって陶器タンク2内の洗浄水供給装置6に供給される。
樹脂タンク4は、その側面や底面が発泡スチロールからなる防露層16にて覆われている。樹脂タンク4の上側には、樹脂板からなる内蓋18が被せられている。樹脂タンク4の内部には、洗浄レバー12に繋がれた洗浄アーム20と、この洗浄アーム20に玉鎖22a、22bを介してそれぞれ接続された排水弁体24a、24bと、排水筒14に連通するオーバーフロー管28とが設けられている。
洗浄アーム20は、洗浄レバー12を手前側あるいは奥側へ回動操作することにより手前側あるいは奥側へ回動されるよう構成されている。この手前側あるいは奥側への回動により洗浄アーム20は玉鎖22a、22bを介して小洗浄用弁体24aあるいは大洗浄用弁体24bをそれぞれ上昇させることができる。両弁体24a、24bは上昇することで、樹脂タンク4と排水筒14を連通させ、排水筒14を介して洗浄水を便器(図示せず)へと排出させる。なお、玉鎖22a、22bには、それぞれ排水フロート26a、26bが設けられており、この排水フロート26a、26bにより、樹脂タンク4内の洗浄水の水位が所定の高さに低下するまで両弁体24a、24bの上昇がそれぞれ維持される。
樹脂タンク4内における側方には、上端が開口され下端が排水筒14に連通するオーバーフロー管28が設けられている。このオーバーフロー管28により、万が一、樹脂タンク4内において洗浄水の水位が通常の貯水水位である満水水位WLより上昇し、オーバーフロー管28上端に到達する水位OLを越えても、オーバーフロー管28の上端開口部から排水筒14を経由して便器(図示せず)へと洗浄水が排出される。
次に、図2〜図4を参照して、本発明の一実施形態における洗浄水供給装置の詳細について説明する。図2は本発明の一実施形態における洗浄水供給装置を示す上面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図3のB−B断面図である。
図2及び図3に示すように、洗浄水供給装置6は、フレキ管15の他端が接続され洗浄水が入水する入水口600と、洗浄水を樹脂タンク4内に吐水する吐水口602と、入水口600と吐水口602とを連通する洗浄水流路604とを備える。さらに、洗浄水供給装置6は、洗浄水流路604の中途に設けられた開閉弁606と、この開閉弁606を開閉するための給水フロート607とを備える。また、洗浄水供給装置6は、開閉弁606の上流側に位置する洗浄水流路604の一部を、洗浄水流路604の外部に連通させる開口部608と、この開口部608を塞ぐ蓋体610と、この蓋体610を覆うカバー部材612とを備える。
洗浄水流路604は、上流側から下流側にかけて、上下方向に延びる第一流路604aと、この第一流路604aと連通し、水平方向に延びる第二流路604bと、この第二流路604bと開閉弁606を介して連通し、第二流路604bと平面視で直交して水平方向に延びる第三流路604cとを有する。
第一流路604aにおいては、その下側にフレキ管15の下流側の端部が接続される開口である入水口600を設けてあり、上側には、上記のとおり蓋体610により塞がれる開口部608を設けている。第一流路604a内は、図3には明確にあらわれていないが、下方から上方、即ち、入水口600側から開口部608側に向けてわずかに拡開するテーパ形状となっている。また、第一流路604aには、フィルタ614と、定流量手段である定流量ユニット616とが上流側から順に同軸状に内装されている。なお、本実施形態においては、フィルタ614と定流量ユニット616とは別部材であるが、これらは1つの部材として形成してもよい。
フィルタ614は、全体として略円筒状の部材であり、外周壁には所定の間隔で長孔状の開口が複数開設され、この長孔状の開口にはメッシュが一体的に取り付けられる。この長孔状の開口に取り付けられたメッシュにより、入水口600から第一流路604aに入水した洗浄水に含まれる異物を取り除くことができる。また、この長孔状の開口の上方には環状の溝部が設けられ、この環状の溝部は第一流路604a内壁に設けられた環状の凸部に係合される。このような構成により、洗浄水にメッシュを通過させ、フィルタ614内部へと流入させる。
定流量ユニット616は、定流量弁616aと、この定流量弁616aを上流側へ付勢するコイルバネであるバネ616bと、このバネ616bが取り付けられるバネ取り付け部616cとを有する。
定流量弁616aは、フィルタ614の下流側(図3及び図5における上側)に設けられる。また、定流量弁616aは、各種水栓装置等に使用される周知の構成の定流量弁であり、全体として略円筒状に構成され、内部に給水圧により径方向に変形可能Oリングを有する。
バネ616bは上流側(図3及び図4における下側)に向けて定流量弁616aを付勢する。バネ616bは、洗浄水の給水圧が無い状態で、フィルタ614の上部に定流量弁616aを当接させる。
バネ取り付け部616cは、両端が開口した略円筒状の部材で、内部に段差を有しており、この段差にバネ616bが取り付けられる。また、バネ取り付け部616cの上端は、後述する蓋体610の内周円筒部610bに嵌合される。バネ616bを覆う下方の外周壁の外周側には環状の溝部が設けられ、この環状の溝部にOリング616dが嵌合される。このOリング616dが嵌合される溝部の位置は、定流量ユニット616が内装された状態で、上方に向けわずかに拡開している第一流路604a内壁により、Oリング616dの径を、定流量ユニット616が内装される前の状態よりも小さく変形させる位置である。また、Oリング616d上方の外周壁には所定の間隔で長孔状の開口が複数開設される。この長孔状の開口は、定流量ユニット616を第一流路604aに内装した状態で、第一流路604aと第二流路604bとの連絡部と重畳する位置に配設されている。このような構成により、Oリング616dは、バネ取り付け部616cの外周側と第一流路604aとの間の水密性を確保し、定流量弁616aを通過した洗浄水を長孔状の開口を介して第二流路604bへと流入させる。
このような構成により、定流量ユニット616は、フィルタ614内部から流入して定流量ユニット616から下流側へ流出する洗浄水の流量を、給水圧が変動しても、一定に保持することができる。具体的には、洗浄水の給水圧が小さいときは、定流量弁616aは、バネ616bの付勢力に抗してバネ取り付け部616c側へと変位するものの、バネ取り付け部616cに当接しない。この状態では、洗浄水は、定流量弁616a内部(流路面積最大)及び定流量弁616aとフィルタ614との間を通過する。洗浄水の給水圧が上昇して通常程度の大きさとなると、定流量弁616aは、バネ616bの付勢力に抗する変位によってバネ取り付け部616cに当接する。この状態では、定流量弁616aとフィルタ614との間を通過した洗浄水の流路が、バネ取り付け部616cに当接した定流量弁616aにより塞がれるため、洗浄水は、定流量弁616a内部(流路面積最大)のみを通過する。さらに洗浄水の給水圧が上昇して通常よりも大きくなると、定流量弁616aがバネ取り付け部616cに当接した状態のまま、定流量弁616aの内部のOリングが径方向に変形して定流量弁616a内部における流路面積が狭くなる。この状態では、洗浄水は、流路面積の狭くなった定流量弁616a内部のみを通過する。
開閉弁606は、バルブハウジング606aと、このバルブハウジング606a内に上下方向に移動可能に設けられてシート面606bを開閉するダイヤフラム606cと、このダイヤフラム606cに取り付けられバルブハウジング606a内をダイヤフラム606cとともに一体的に上下方向に移動可能な弁体606dとを有している。また、ダイヤフラム606cには、図示しないパイロット穴が形成され、このパイロット穴により、洗浄水流路604の第二流路604bとダイヤフラム606cの上側の空間である背圧室606eとが連通されている。この背圧室606eの上部には、背圧抜き穴606fが形成されている。
さらに、バルブハウジング606aの上面には、レバーアーム30が取り付けられている。このレバーアーム30は、一端から他端にかけてクランク状に延びており、一端がバルブハウジング606aの上面に回動可能に取り付けられ、他端が給水フロート607の中心部から突出した主軸部607aに固定されている。また、レバーアーム30の一端には、背圧抜き穴606fを開閉するトップシール30aが取り付けられている。
このような構成により、レバーアーム30は、その他端が給水フロート607と共に上下動することにより、レバーアーム30の一端が揺動運動できるようになっており、背圧抜き穴606fを開閉することで、開閉弁606の開閉が切り替えられるようになっている。具体的には、トップシール30aが背圧抜き穴606fを閉じると、ダイヤフラム606cのパイロット穴(図示せず)により、背圧室606eと洗浄水流路604の第二流路604b(上流側)とが連通されているので、背圧室606eと第二流路604b内の圧力が等しくなる。この状態では、ダイヤフラム606cにおける面積の大小関係(背圧室側面積>上流側面積)により、ダイヤフラム606c及び弁体604dは閉弁する。トップシール30aが開閉弁606の背圧抜き穴606fを開放すると、背圧室606eは大気開放となる。この状態では、ダイヤフラム606c及び弁体606dは、第二流路604b側(上流側)の給水圧により押されて上方に移動し、開弁する。
第二流路604bと開閉弁606を介して連通する第三流路604cは、吐水口602及び手洗い給水管33に連通している。開閉弁606が開放されることで、吐水口602から洗浄水を樹脂タンク4内へと吐水するとともに、手洗い給水管33により手洗い金具10へと洗浄水を供給する。
上述したように、洗浄水流路604の第一流路604aの上方側には、洗浄水流路604の一部を洗浄水流路604外部へと連通する開口部608を設けている。開口部608は、着脱可能な蓋体610により塞がれる。このため、蓋体610を開口部608から取り外すことで、開口部608からは、第一流路604aに内装されたフィルタ614及び定流量ユニット616を取り出し可能で、フィルタ614及び定流量ユニット616の取り替えやメンテナンス等を行うことができる。なお、本実施形態においては、蓋体610は開口部608から取り外し可能となっているが、フィルタ614及び定流量ユニット616等のメンテナンスが必要な部材を洗浄水流路604内に設けない場合には、取り外し可能としなくともよい。
蓋体610は、ポリアセタール製で、開口部608と対面した略円板状の天井部610aと、この天井部610aの下面側から延出し天井部610aと同心円状に形成された内周円筒部610b及び外周円筒部610cとを備え、全体として略円筒状に構成される。内周円筒部610bの外周面と外周円筒部610cの内周面との間には、下側に開口する円筒状の空間が形成される。外周円筒部610cの内壁には雌ネジが形成されており、開口部608周縁の第一流路604a外壁に形成された雄ネジと螺合する。この螺合により、内周円筒部610bが開口部608から第一流路604a内へと受け入れられるとともに、開口部608が天井部610aにより塞がれる。つまり、蓋体610は、内周円筒部610bを開口部608の開口内部に挿入させるとともに、内周円筒部610bと外周円筒部610cとの間の円筒状の空間に開口部608の開口端部を嵌合させた態様で、外周円筒部610cの内周ネジ部を開口端部の外周ネジ部にネジ係合させ、開口部608に取り付けられる。
また、蓋体610は、内周円筒部610bの外周面に形成された環状の溝部に、Oリング610dを嵌合している。このOリング610dが嵌合される溝部の位置は、内周円筒部610bが第一流路604aに受け入れられた状態で、上方に向けわずかに拡開している第一流路604a内壁により、Oリング610dの径を受け入れられる前よりも小さく変形させる位置である。このような構成により、内周円筒部610bの外周側と第一流路604a内壁との間の水密性を確保している。さらに、蓋体610は、カバー部材612に覆われる。本実施形態では、カバー部材612は、蓋体610を全体的に覆う態様で構成されているが、カバー部材612としては、蓋体610の少なくとも天井部610aを覆うように設けられる構成であればよい。
カバー部材612は、ポリプロピレン製で、下端が開口した逆有底筒状である。カバー部材612の周壁の下端には、内周側へ突出した複数のフック部612aが形成されている。また、カバー部材612の上端部には縮径部が設けられており、この縮径部によって、カバー部材612の内側及び外側に段差が形成されている。フック部612aが蓋体610の外周円筒部610c下端と係合することにより、カバー部材612の内底部が蓋体610の天井部610aに対面した状態で、カバー部材612と蓋体610とが連結される。また、カバー部材612は、蓋体610と連結された状態で、蓋体610の天井部610aとカバー部材612の内底部との間に、所定の間隙である上部間隙34が生じるように形成されている。詳細には、上部間隙34は、蓋体610の上端面と、カバー部材612の上端部の縮径部によって内側に形成された段差における下側の面との間の寸法を隙間寸法として規定される空間である。さらに、図4に示すように、外周円筒部610cとカバー部材612の内周面との間に、カバー部材612の上下方向に沿う側部間隙36が複数生じるよう、カバー部材612の周面には複数の凸部36aが形成されている。本実施形態では、凸部36aは、カバー部材612の周方向に沿って所定の間隔を隔てて4箇所に設けられている。凸部36aは、カバー部材612の内部空間を部分的に径方向外側に拡大させ、蓋体610の外周円筒部610cの外周面とカバー部材612の内周面との間に側部間隙36を形成する。
本実施形態では、カバー部材612は、ポリプロピレン製であるが、カバー部材612を形成する材料はポリプロピレンに限定されるものではなく、例えば、ポリフェニレンサルファイド等であってもよい。ただし、カバー部材612を構成する材料は、耐薬品性に優れた材料であることが好ましい。このように、耐薬品性に優れたカバー部材612で蓋体610を覆うことにより、ポリプロピレン等に対して耐薬品性に劣るポリアセタールで形成された蓋体610にポリアセタールを劣化させる酸性洗剤等が付着することを抑制することができる。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態における洗浄水供給装置のカバー部材の詳細について説明する。図5は本発明の一実施形態における蓋体の一部が変位した状態での洗浄水供給装置を示す断面図である。
図5に示すように、蓋体610は、洗浄水流路604に入水した洗浄水の水圧の作用により、開口部608に固定された部分に対して一部を分離させた態様となる。開口部608に固定された部分から分離した蓋体610の一部は、洗浄水の水圧によって上方に向けて変位する。このように洗浄水流路604に入水した洗浄水の水圧により蓋体610の一部が分離して上方に向けて変位するとき、カバー部材612は、その内底部により、蓋体610の分離部分の変位量を上部間隙34の範囲内に規制する。詳細には、カバー部材612は、上記のとおり上端部の縮径部によって内側に形成された段差における下側の面に、蓋体610の分離部分を当接させることで、蓋体610の分離部分の変位量を規制する。
このように、本実施形態の洗浄水供給装置6において、カバー部材612は、洗浄水流路604に入水した洗浄水の水圧により蓋体610の分離部分が変位する前は、天井部610aとの間に所定の間隙を保持する。また、カバー部材612は、洗浄水流路604に入水した洗浄水の水圧により蓋体610の少なくとも分離部分がカバー部材612に向けて変位したときは、蓋体610の分離部分の変位量を所定の間隙の範囲内に規制する。
図5に示す例では、蓋体610のうち天井部610aと外周円筒部610cの上端部分と内周円筒部610bとが、開口部608の上端に螺合した状態の外周円筒部610cから分離して上方に向けて変位した状態を示している。このような蓋体610の分離態様は、蓋体610においては、開口部608に螺合した外周円筒部610cの部分とそれ以外の部分との境界部分が、給水圧によって比較的高い応力を受けることに起因する。また、こうした蓋体610の分離は、例えば、酸性洗剤、アルカリ性洗剤や芳香洗浄剤の付着による劣化を原因として生じる。
また、カバー部材612の内周面612bは、この蓋体610の分離部分の変位の方向を上方、即ち、カバー部材612の内底部に向けてガイドするガイド部として機能する。さらに、洗浄水流路604の第一流路604aに内装されるフィルタ614及び定流量ユニット616は、洗浄水の水圧により上方に向けて第一流路604a内壁に沿って、上述した蓋体610の分離部分とともに一体的に上方に向けて変位する。このとき、定流量ユニット616は、洗浄水流路604内に設けられ、内周円筒部610bの下端を介して蓋体610の変位の方向をガイドするガイド手段として機能する。
カバー部材612は、蓋体610の内周円筒部610bに嵌合されたOリング610dが上方に向けて変位するとき、上部間隙34の大きさが、開口部608よりも上方にOリング610dを位置させる大きさになるように形成されている。さらに、この上部間隙34の大きさは、バネ取り付け部616cに嵌合されたOリング616dが上方に向けて変位するとき、上方に向けてわずかに拡開する第一流路604a内壁により、Oリング616dの径が小さく変形された状態が維持される範囲内へと、Oリング616dを位置させる大きさである。
このような構成により、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位したとき、フィルタ614の外周側と第一流路604a内壁及びバネ取り付け部616cの外周側と第一流路604a内壁との水密性が確保される。そのため、入水口600から入水してフィルタ614を通過した洗浄水は、定流量ユニット616を通過して、流量を一定に制限されて、第二流路604b及び第一流路604aと第二流路604bとの連絡部よりも上方の開口部608側へと流れる。このとき、蓋体610の内周円筒部610bと第一流路604a内壁との間の水密性は確保されないため、内周円筒部610bと第一流路604aとの間から、開口部608へ向けて洗浄水が流れる。開口部608に至った洗浄水は、蓋体610の分離面間を通って、案内流路38を介して第一流路604a外へと流れ出る。案内流路38は、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位したときにカバー部材612内部に形成される流路である。具体的には、案内流路38は、開口部608から流れ出た洗浄水が、変位した蓋体610の一部(分離部分)と変位しない蓋体610の一部との間(分離面間)、及び、側部間隙36を通過し、カバー部材612の下端開口612cに至る流路である。
以下、本実施形態における洗浄水供給装置6の動作について説明する。
まず、給水源(図示せず)から供給される洗浄水がフレキ管15を介して、入水口600から洗浄水流路604の第一流路604aへ入水する。第一流路604aへ入水した洗浄水は、フィルタ614によりこの洗浄水に含まれる異物を取り除かれ、定流量ユニット616へ流入する。定流量ユニット616に流入した洗浄水はその給水圧に関わらず一定の流量に制限され、第二流路604bへと流入する。ただし、この際、蓋体610は洗浄水の水圧により変位していない状態であるとする。
ここで、樹脂タンク4内に洗浄水が十分に貯水されている場合には、洗浄水の水位は満水水位WL(図1参照)となっている。このとき、給水フロート607は、洗浄水の水位に応じて上方位置まで上昇しており、その浮力により、レバーアーム30の給水フロート607側端部は、上方向に付勢され、レバーアーム30のバルブハウジング606a側端部が下方に押し下げられた状態となる。
この結果、レバーアーム30のバルブハウジング606a側端部のトップシール30aが開閉弁606の背圧抜き穴606fを閉じる。このとき、ダイヤフラム606cのパイロット穴(図示せず)により、背圧室606eと洗浄水流路604の第二流路604b(上流側)とが連通されているので、背圧室606eと第二流路604b内の圧力が等しくなる。その結果、ダイヤフラム606cの面積の大小関係(背圧室側面積>上流側面積)により、ダイヤフラム606c及び弁体604dは下方に移動し、閉弁した状態となっているため、洗浄水は開閉弁606より下流には流れない。
次に、便器(図示せず)の使用後には、便器使用者が洗浄レバー12を回動操作した場合、例えば、大洗浄の場合には、レバーアーム30が回動し、玉鎖22a、22bを介して小洗浄用弁体24a及び大洗浄用弁体24bの双方が上昇する。この上昇は、排水フロート26a、26bの浮力により保たれる。排水弁体24a、24bの上昇により、樹脂タンク4内と排水筒14とが連通し、排水筒14を介して樹脂タンク4内に貯水された洗浄水を便器(図示せず)へ流して洗浄を行なう。樹脂タンク4内の洗浄水の水位は低下して行き、最後には、樹脂タンク4は空状態となる。
その後、洗浄水の水位の低下に応じて排水フロート26a、26bの位置が下降し、両弁体24a、24bも下降する。このとき、給水フロート607は下方位置まで下降し、洗浄水から露出し、空中でレバーアーム30にぶら下がった状態となっている。レバーアーム30のバルブハウジング606a側端部は、給水フロート607の重量により、上方に押し上げられる。このとき、レバーアーム30のバルブハウジング606a側端部のトップシール30aが開閉弁606の背圧抜き穴606fを開放し、背圧室606eは大気開放となる。その結果、ダイヤフラム606c及び弁体606dは、第二流路604b側(上流側)の給水圧により押されて上方に移動し、開弁状態となる。
開閉弁606が開弁状態となれば、洗浄水が第二流路604bから第三流路604cへと流入する。第三流路604cへ流入した洗浄水は吐水口602から樹脂タンク4内へと吐水される。また、第三流路604cへ流れ込んだ洗浄水の一部は手洗い給水管33を通過して手洗い金具10から手洗蓋8上面に吐水される。手洗蓋8上面に吐水された洗浄水は、手洗蓋8上面の中央部の開口から樹脂タンク4内へと流れ落ちる。
この後、樹脂タンク4内の水位が満水水位WLまで上昇すると、上述したように、開閉弁606は閉じられ、樹脂タンク4内への洗浄水の供給は停止される。
次に、上述した洗浄水供給装置6の動作において、蓋体610の一部が洗浄水により変位した場合について説明する。例えば、フィルタ614のメンテナンスのため、カバー部材612とともに蓋体610を取り外した際に、芳香洗浄剤が蓋体610に付着し、再び蓋体610で開口部608を塞いだ後に芳香洗浄剤による劣化がすすみ、蓋体610の外周円筒部610cの一部が天井部610aから破断した場合を考える(図5参照)。
この場合、蓋体610の内周円筒部610bが、第一流路604a内に入水した洗浄水の下方からの水圧を受け、天井部610aとともに、開口部608に固定された外周円筒部610cに対して分離し、一体的に変位する。この蓋体610の分離部分の変位の方向はカバー部材612の内周面612bによりガイドされる。即ち、蓋体610の分離部分である天井部610a及び内周円筒部610bは、天井部610aの外周面をカバー部材612の内周面612bに対する摺動面として、内周面612bに沿って、カバー部材612内部をカバー部材612の内底部に向けて、上方へと変位する。このときの蓋体610の分離部分の上方への変位量は上部間隙34の範囲内に制限される。
また、第一流路604aに内装されたフィルタ614及び定流量ユニット616は、洗浄水流路604の第一流路604aに入水した洗浄水の下方からの水圧を受ける。そのため、蓋体610の天井部610a及び内周円筒部610bが上方へと変位するのに伴い、これら第一流路604aに内装された部材も上方へと一体的に変位する。このときの変位量は上部間隙34の大きさと同じ大きさの範囲内に制限される。また、この第一流路604aに内装された部材の上方への変位は、第一流路604a内壁に沿ってなされるため、定流量ユニット616の上端が嵌合する内周円筒部610b下端を介して、天井部610a及び内周円筒部610bは上方に向けてさらに変位方向をガイドされる。
蓋体610の分離部分が、カバー部材612の内底部に向けて変位し、その変位量は、天井部610aとカバー部材612の内底部との間の上部間隙34の範囲内に規制される。蓋体610の分離部分の変位に伴い、その蓋体610の分離部分と外周円筒部610cとの間、及び、カバー部材612の側部間隙36を経て、カバー部材612の下端開口612cに至る流路である案内流路38が形成される。また、内周円筒部610bに嵌合されたOリング610dが開口部608よりも上方へと変位するとともに、バネ取り付け部616cに嵌合されたOリング616dが、第二流路604bの上流端よりも下方の、第一流路604a内壁との水密性が維持される位置へと変位する。
入水口600から入水してフィルタ614を通過した洗浄水は、定流量ユニット616へ流入して一定の流量に制限された後、第二流路604b及び開口部608へ向けて流れる。蓋体610の分離部分の変位に伴い、開口部608に向けて流れてきた洗浄水は、内周円筒部610bと第一流路604aとの間から、開口部608へと至る。開口部608へ至った洗浄水は、開口部608から案内流路38を経て洗浄水供給装置6外、即ち、洗浄水タンク1内へと流出する。洗浄水タンク1内へと流出した洗浄水は、オーバーフロー管28及び排水筒14を介して、便器(図示せず)へと流れ出る。
上述した本発明の一実施形態における洗浄水供給装置6においては、カバー部材612は、洗浄水流路604に入水した洗浄水の水圧により蓋体610の一部(分離部分)がカバー部材612に向けて変位したときは、蓋体610の変位量を上部間隙34の範囲内に規制する。そのため、蓋体610の変位量が上部間隙34の大きさにより決定されるとともに、その蓋体610の変位量に応じて変化する開口部608から流れ出る洗浄水の量も決定される。従って、万が一、蓋体610の破損等により蓋体610の一部が変位して開口部608から洗浄水が流れ出た場合には、その流れ出る洗浄水の量を、上部間隙34の大きさにより適切な量、即ちオーバーフロー管28により便器(図示せず)へと流すことのできる量へと制御することができる。開口部608から流出する洗浄水の量が、オーバーフロー管28により便器(図示せず)へと流すことのできる量になるため、万が一、高い給水圧が作用して開口部608へ至る洗浄水量が上昇しても、洗浄水タンク1から洗浄水が溢れ出ることが防止される。また、このとき、洗浄レバー12を操作せずとも、便器(図示せず)へと洗浄水が流れ出る状態が続くため、この状態を使用者が視認することで、開口部608から洗浄水が流出していることを、使用者が認識することが可能となる。つまり、洗浄レバー12の操作によらない便器への洗浄水の流出状態により、蓋体610が分離して開口部608から洗浄水が流出している状態を、使用者に報知することができる。
また、上述した本発明の一実施形態における洗浄水供給装置6においては、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位するときに、カバー部材612の内周面612bが、蓋体610の変位方向をガイドするガイド部として機能する。そのため、内周面612bにより、蓋体610の一部がカバー部材612の内底部に向けて変位するようガイドすることができる。従って、万が一、蓋体610の破損等により蓋体610の少なくとも一部が変位して開口部608から洗浄水が流れ出た場合には、その流れ出る洗浄水の量を、上部間隙34の大きさにより適切な量、即ちオーバーフロー管28により便器(図示せず)へと流すことのできる量へと制御することができる。
さらに、第一流路604aに内装される定流量ユニット616が、蓋体610の変位方向をガイドするガイド手段として機能する。そのため、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位するときに、蓋体610をカバー部材612の内底部に向けて変位するように、より確実にガイドすることができる。
上述した本発明の一実施形態においては、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位するときに、この変位の方向をカバー部材612の内周面612bがガイドするとともに、さらに、定流量ユニット616も蓋体610の変位方向をガイドする。本発明は、このような形態に限定されるものではなく、例えば、内周面612bのみで蓋体610の変位方向をガイドしてもよい。また、定流量ユニット616により蓋体610の変位方向をガイドして、内周面612bでのガイドを行わずともよい。
上述した本発明の一実施形態における洗浄水供給装置6においては、カバー部材612は、下端が開口した逆有底筒状であり、その内底部が天井部610aに対面した状態で蓋体610と係合する。さらに、蓋体610の一部(分離部分)が洗浄水の水圧により変位することにより、カバー部材612の内部には、開口部608からカバー部材612の下端開口612cを介して、洗浄水を洗浄水流路604外へと案内する案内流路38が形成される。そのため、案内流路38にて洗浄水が案内され、カバー部材612の下端開口612cから下方へ向けて洗浄水が流れ出て、洗浄水が開口部608から上方や側方へと飛散することがない。従って、陶器タンク2と手洗蓋8との隙間等から、洗浄水タンク1外部へ洗浄水が飛散することが防止される。
また、上述した本発明の一実施形態における洗浄水供給装置6においては、カバー部材612の周壁下端に設けられた複数のフック部612aにより、カバー部材612は蓋体610に係合する。そのため、第一流路604a内の部材のメンテナンスや取り替えを行うために、蓋体610を取り外す場合は、カバー部材612と同時に取り外すことができ、手間がかからない。この際、カバー部材612の外周面に設けられた複数の凸部36aが、カバー部材612を蓋体610とともに回転させるための把持面の凹凸を形成する。なお、本発明において、カバー部材612と蓋体610との連結は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、蓋体610の外周円筒部610cの外壁下部に複数の凸部40を設けるとともに、カバー部材612の周壁に孔部42を設け、この孔部42と凸部40とを係合させることで、カバー部材612と蓋体610とを連結させてもよい。また、本発明において、カバー部材612は、蓋体610ではなく、洗浄水タンク1内の他の部材、例えば、図7に示すように、フック部612aにより洗浄水流路604外壁に連結されてもよい。
上述した本発明の一実施形態における洗浄水供給装置6においては、洗浄水流路604内の開口部608よりも上流側に設けられ、洗浄水の流量を一定に制限可能とした定流量ユニット616を備える。蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位するとき、この変位に伴って定流量ユニット616も上方へと変位するが、この定流量ユニット616は変位の有無に係わらず、第一流路604aから第二流路604b及び開口部608へと向う洗浄水の流量を一定に制限する。そのため、より確実に、開口部608から案内流路38を介して洗浄水流路604外へと流れ出る洗浄水の流量を適切な量に制御することができ、洗浄水タンク1から洗浄水が溢れ出ることを防止することが可能となる。
なお、本発明において、案内流路38に至る洗浄水の流量を制限する方法は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図8(a)及び(b)に示すように、蓋体610が、案内流路38に至る洗浄水の流量を制限する手段を備えてもよい。図8(a)は本発明において、洗浄水供給装置の蓋体に洗浄水の流量を制限する小孔を設けた実施例を示す断面図、(b)は(a)の蓋体の一部が変位した状態での洗浄水供給装置を示す断面図である。
具体的には、蓋体610は、蓋体610の内周円筒部610bの内壁から外壁へ向けて開設される小孔44を備え、この小孔44の大きさ及び形状により案内流路38に至る洗浄水の流量を制限する。この場合、内周円筒部610bには、小孔44の上方及び下方に環状溝が設けられ、この環状溝にそれぞれOリング44a、44bを嵌合する。小孔44の上方に設けられるOリング44aは、内周円筒部610bの外周側と第一流路604a内壁との間の水密性を確保し、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位するときには、開口部608よりも上方へと変位する。また、小孔44の下方に設けられるOリング44bは、蓋体610の一部が洗浄水の水圧により変位するときに、開口部608の内部に留まり、内周円筒部610bの外周側と第一流路604a内壁との間の水密性を確保する。このような構成とすることで、蓋体610の少なくとも一部が洗浄水の水圧により変位するとき、洗浄水は小孔44を通過して、その際に流量を制限され、案内流路38へと至る。
1…洗浄水タンク
2…陶器タンク
4…樹脂タンク
6…洗浄水供給装置
8…手洗蓋
10…手洗い金具
12…洗浄レバー
14…排水筒
15…フレキ管
16…防露層
18…内蓋
20…洗浄アーム
22a、22b…玉鎖
24a…小洗浄用弁体
24b…大洗浄用弁体
26a、26b…排水フロート
28…オーバーフロー管
30…レバーアーム
30a…トップシール
33…手洗い給水管
34…上部間隙
36…側部間隙
36a…凸部
38…案内流路
40…凸部
42…孔部
44…小孔
44a、44b…Oリング
600…入水口
602…吐水口
604…洗浄水流路
604a…第一流路
604b…第二流路
604c…第三流路
606…開閉弁
606a…バルブハウジング
606b…シート面
606c…ダイヤフラム
606d…弁体
606e…背圧室
606f…背圧抜き穴
607…給水フロート
607a…主軸部
608…開口
610…蓋体
610a…天井部
610b…内周円筒部
610c…外周円筒部
610d…Oリング
612…カバー部材
612a…フック部
612b…内周面
612c…下端開口
614…フィルタ
616…定流量ユニット
616a…定流量弁
616b…バネ
616c…バネ取り付け部
616d…Oリング

Claims (6)

  1. 便器を洗浄する洗浄水を貯留する貯水部を有する洗浄水タンク内に設けられ、前記貯水部に洗浄水を供給する洗浄水供給装置であって、
    洗浄水が入水する入水口と洗浄水を前記貯水部内に吐水する吐水口とを連通する洗浄水流路と、
    この洗浄水流路の中途に設けられた開閉弁と、
    この開閉弁の上流側に位置する前記洗浄水流路の一部を、前記洗浄水流路の外部に連通させる開口部と、
    この開口部を塞ぐ蓋体と、
    この蓋体の少なくとも前記開口部に対面する天井部を覆うカバー部材と、を備え、
    前記カバー部材は、
    前記洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により前記蓋体が変位していないときは、前記天井部との間に所定の間隙を保持し、
    前記洗浄水流路に入水した洗浄水の水圧により前記蓋体の少なくとも一部が前記カバー部材に向けて変位したときは、前記蓋体の変位量を前記所定の間隙の範囲内に規制することを特徴とする洗浄水供給装置。
  2. 前記カバー部材は、前記蓋体の少なくとも一部の変位の方向をガイドするガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄水供給装置。
  3. 前記洗浄水流路内に設けられ、前記蓋体の少なくとも一部の変位の方向をガイドするガイド手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄水供給装置。
  4. 前記カバー部材は、下端が開口した逆有底筒状であり、その内底部が前記天井部に対面した状態で前記蓋体と係合し、
    前記蓋体の少なくとも一部が変位することにより、前記カバー部材の内部には、前記開口部から前記カバー部材の下端開口を介して、洗浄水を前記洗浄水流路外へと案内する案内流路が形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の洗浄水供給装置。
  5. 前記洗浄水流路内の前記開口部よりも上流側に設けられ、洗浄水の流量を一定に制限する定流量手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の洗浄水供給装置。
  6. 便器を洗浄する洗浄水を貯留する洗浄水タンクであって、前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄水供給装置を備えることを特徴とする洗浄水タンク。
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