JP2014069141A - バブル発生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体を一端側から他端側へ流す液体通路3、液体通路3の途中で合流し液体通路内に気体を導入する気体通路4、液体通路3の他端側と連通する空洞2、空洞2と連通し液体と気体を外部に放出する主吐出通路5及び副吐出通路6を備えた一体成型構造体1によりバブル発生装置を構成する。
一体成型構造体1の製造は射出成型法によって行うことができる。
【選択図】 図1
Description
そして、特許文献1には、気液混相流が供給される流通路101と、この流通路の一端側で気液混相流を受ける受圧部12と、この受圧部12近傍の流通路101の側面から気液混相流を導入してマイクロバブルを生成する吐出路13を有し、その吐出路13は流通路101の側面に複数接続されると共に出口側の径が大径となるようなテーパー状に形成されているマイクロバブル発生装置1が開示されている(図1及び段落0030〜0034を参照)。
そのため、例えば流通路101、受圧部12及び吐出路13を切削加工する場合には、その製造に手間と時間がかかりコストがかさむという問題がある。
また、同マイクロバブル発生装置1の流通路101は配管部11の流通路111と連通しており、この配管部11から気液混相流が供給されているが、この気液混相流は配管部11の上流側において、別の機構(吸気装置34や吸気管35)により形成されている。
そのため、マイクロバブルを発生させるためには、マイクロバブル発生装置1の配管部11とポンプ33とを配管32でつなぐだけでなく、気液混相流を形成する別の機構を設置する必要があり、施工が面倒という問題がある。
さらに、段落0032に記載されているとおり、受圧部12はその最大内径が流通路111と同径に形成されており、図1から見て流通路111の中心軸線は受圧部12の中心に向かうものとなっている。
そのため、受圧部12における水流は、その周囲に向かってほぼ均一な流れとなり、比較的均一な径のバブルが形成される。
また、均一な径のバブルだけではなく、様々な径のバブルを形成できるようにすること、さらにはそれらのバブルの径を制御できるようにすることが、本発明の解決しようとする他の課題である。
また、液体通路の一端側とポンプ又は水道の蛇口をホース等の配管により接続し、水等の液体を供給するだけで、気体通路から空気等の気体が吸入され、吐出通路から外部へ多数のバブルが混ざった液体が排出されるので、誰でも簡単に施工することができるという効果がある。
さらに、その他の効果として、砂混じりの水や海水を流す劣悪な使用状況の下でも、構造が単純で砂等の詰まりやすい部分がほとんどないので、故障しにくい点、液体は供給されているのに正常に動作しないといった問題が発生した場合でも、バブルの発生は一体成型構造体のみでなされているため、その一体成型構造体のみを点検するか交換するだけで対処できる点が挙げられる。
そして、これらの効果に付随して、このバブル発生装置を養殖用の生け簀に利用することで魚の生育スピードを向上させたり、水耕栽培に利用することで植物の生育スピードを向上させたりすることができるという効果が得られる。
すなわち、請求項2に係る発明のバブル発生装置は、液体通路の中心軸線が空洞の中心より下方側又は上方側の領域のみを通過するようになっているため、液体通路から空洞の内部に流入した液体及び気体は、空洞の背面側の中心からはずれた下部壁面又は上部壁面にぶつかって、空洞の偏った位置で渦流を形成する。
そうすると、空洞内の液体及び気体の流れは不均一となり、排出路から出て行く液体及び気体の流れも不均一となるため、形成されるバブルの径は不均一なものになる。
そして、不均一な径のバブルが混ざった液体を部品等の洗浄に用いると、様々な径のバブルが部品等にぶつかり、大きな径のバブルにより荒い洗浄がされるとともに、小さな径のバブルにより細かい仕上げ洗浄がされることとなるため、均一な径のバブルが混ざった液体を部品等の洗浄に用いた場合よりも、洗浄力が向上するという効果がある。
また、不均一な径のバブルが混ざった液体を水耕栽培に用いると、様々な径のバブルが植物の根にぶつかり、液体が根の様々な部位に浸透し易くなるため、均一な径のバブルが混ざった液体を水耕栽培に用いた場合よりも、植物の生育が良くなるという効果がある。
また、副吐出通路を塞ぐことにより、主吐出通路から排出されるバブルの量や径、出方を変化させることができるという効果もある。
一体成型構造体1のほぼ中央部には、図1の斜視図(点線部)や図5及び図6の断面図に示すように、直径約10mm長さ約4.5mmの短い円柱状の空洞2があり、その円柱の上面及び底面にあたる平面は一体成型構造体1の側壁面と平行に配置され、周面にあたる曲面は一体成型構造体1の前後及び上下の壁面に対向している。
また、一体成型構造体1には、図1〜4(点線部)及び図5、図6の断面図に示すように、その前方の壁面から空洞2の前方壁面下部に達し空洞2に連通する直径約6mmの液体通路3と、直方体のひとつの隅部を切り取った面から液体通路の途中に達し液体通路3に連通する直径約2.5mmの気体通路4、空洞2から左右方向にラッパ状に延びる小径約10mm、大径約14mmの主吐出通路5、空洞2から下方に直線状に延びる直径約4.5mmの副吐出通路6、及び空洞2から上方に直線状に延びる直径約4mmのボルト挿入孔7が形成されている。
以下、各通路とボルト挿入孔7について詳しく説明する。
液体通路3の中心軸線は一体成型構造体1の底面及び上面に平行で空洞2の中心より下方側の領域のみを通過するようになっている。そのため、液体通路3から空洞2の内部に流入した液体及び気体は、空洞2の背面側の中心からはずれた下部壁面にぶつかって、空洞2の偏った位置で渦流を形成することとなり、空洞2内の液体及び気体の流れが不均一になる。そうすると、主吐出通路5及び副吐出通路6へ出て行く液体及び気体の流れも不均一となるため、形成されるバブルの径が不均一なものになるのである。
そのため、副吐出通路6からは、主吐出通路5とは異なる量や径のバブルが混ざった液体が排出される。また、この通路を塞ぐことにより、主吐出通路5から排出されるバブルの量や径を変化させることができるだけでなく、バブルが混ざった液体の出方を変化させることができる。
バブルが混ざった液体の出方が変化する態様としては、液体中に実施例のバブル発生装置1を配置した場合において、一方の主吐出通路5のみからバブルが混ざった液体が排出されるようになり、他方の主吐出通路5においては液体が吸い込まれるといった現象がある。
そして、このボルトをスパナやドライバー等で回転させることにより、ボルトを空洞2に出没させることができ、空洞2の内部に突出するボルトの長さを調節することで、発生するバブルの径を調整することができる。
なお、実施例の場合、発生するバブルの径は、ボルトの突出量を大きくすると大きくなることが、実験的に分かっている。
そのため、同じ構造のバブル発生装置を、大量に安く製造することができる。
(1)本実施例においては、樹脂製の一体成型構造体1は5角柱状をなしているが、内部に空洞と各種通路を形成できる形状であれば、5角柱状に限らず、どのような形状でも良い。
また、一体成型構造体1の材質としては、樹脂製に限らず、金属、セラミック等の型を用いて所定の形に加工できる材料であれば何でも良い。
(2)本実施例の空洞2は、短い円柱状で一体成型構造体1のほぼ中央部に形成してあるが、形状は短い円柱状に限らず、球状、楕円球状、楕円柱状及び角柱状のいずれであっても良く、形成位置も中央部に限らず、一体成型構造体1のいずれかの面に偏っていても良い。
(3)実施例においては、液体通路3の一端側が開口している前方の壁面側に、液体配管用凹部8を形成してあるが、この凹部8に代えて配管やホースを差し込むための円筒状の液体配管用凸部を形成しても良く、液体配管用凹部8や液体配管用凸部に配管の接続を容易にするための溝やテーパー部を設けても良い。
また、液体通路3の直径や断面形状に配管先端の直径や断面形状を合わせれば、特に液体配管用凹部8や液体配管用凸部を形成する必要はない。(4)実施例においては、液体通路3の中心軸線は一体成型構造体1の底面及び上面に平行で空洞2の中心より下方側の領域のみを通過するようになっているが、中心軸線が一体成型構造体1の底面及び上面に平行でなくても空洞2の中心より下方側又は上方側の領域のみを通過するようになっていれば、その効果はほとんど変わらない。
さらに、空洞2の偏った位置で渦流を形成することにこだわらなければ、空洞2の液体通路3の中心軸線が空洞2の中心より下方側又は上方側の領域のみを通過する必要もなく、単に空洞2内の領域を通過していれば良い。要するに、外部から液体と気体を一体成型構造体1の内部で合流させて空洞2の内部に送り込めるようになっていれば、通路の形状及び配置はどのようなものであっても良いのである。
(5)実施例においては、気体通路4が開口している直方体のひとつの隅部を切り取った面側に、気体配管用凹部9を形成してあるが、この凹部9に代えて配管やホースを差し込むための円筒状の気体配管用凸部を形成しても良い。
また、液体通路3の直径や断面形状に配管先端の直径や断面形状を合わせれば、特に気体配管用凹部9や気体配管用凸部を形成する必要はない。
さらに、通常は気体の供給量を制御できるようにボンベ等からバルブを介して空気や酸素等の気体を積極的に供給しているが、液体通路3に液体を流せば、ベルヌーイの法則により負圧が生じ空気が引き込まれるので、必ずしも配管やホースを固定する必要はない。そして、そのような使い方しかしない場合、当然のことながら気体配管用凹部9や気体配管用凸部を形成する必要はない。
(6)実施例において、主吐出通路5は空洞2の円柱の上面及び底面にあたる平面から左右の側面に向かってラッパ状に延びているが、直線状に延びていても良いし、逆に先がすぼまるように延びていても良い。さらに、左右のどちらか一方のみに延びていても良く、途中で曲折させて一体成型構造体1の側面、後面又は底面からバブルが混ざった液体を排出できるようにしても良い。
(7)実施例において、副吐出通路6は、空洞2の周面から下方に直線状に延びているが、延びる方向は上方又は後方であっても良く、途中で曲がっていても良い。また、通路の形態はラッパ状でも良いし、逆にすぼまっていても良い。
さらに、副吐出通路6を塞ぐことにより、主吐出通路5から排出されるバブルの量や径が変化するので、副吐出通路6を塞ぐための栓を用意しても良い。その場合、副吐出通路6出口に近い一体成型構造体1のいずれかの面に、その栓を保持しておくための凹部又は凸部を設けておくとより良い。
なお、副吐出通路6は無くても、主吐出通路5からバブルが混ざった液体を排出するのに支障を生じるわけではないので、必ずしも設ける必要はない。また、逆に副吐出通路6を複数設けて、バブルが混ざった液体のバブル量や径を、さらに多様にしたり、複数の副吐出通路9を選択的に塞ぐことにより、主吐出通路から排出されるバブルの量や径、出方を多様に変化させたりすることができるようにしても良い。
(8)実施例において、ボルト挿入孔7は、空洞2から上方に直線状に延びるように形成され、一体成型構造体1を貫通するとともに、1本のボルトが一体成型構造体1の上面側からねじ込まれるようになっているが、ボルト挿入孔7の延びる方向は上方でなくても良い。
また、ボルト挿入孔7を貫通孔とせず、ボルトを空洞2側からねじ込むようにしても良い。その場合、ボルト挿入孔7は、ボルトを空洞2に出没させることができる程度の深さがあれば良いこととなる。そして、ボルトの突出量調整は、副吐出通路6からドライバー等を挿入したり、主吐出通路5からスパナ等の工具を挿入したりして行うことができる。
なお、ボルト挿入孔7は無くても、主吐出通路5や副吐出通路6からバブルが混ざった液体を排出するのに支障を生じるわけではないので、必ずしも設ける必要はない。
(9)実施例で示した一体成型構造体1、各通路及びボルト挿入孔7の寸法は一例であり、用途や施設の規模等に適した大きさに変更しなければならないことはいうまでもない。
また、インジェクション成型トレイ(タイプ2)の洗浄を行ったところ、洗浄前において112個存在していた直径0.3μmの粉塵が洗浄後においては9個に、同じく洗浄前において18個存在していた直径1μmの粉塵が洗浄後においては1個に、同じく洗浄前において5個存在していた直径5μmの粉塵が洗浄後においては1個に低減した。
洗浄に際しては、タイプ1及びタイプ2いずれの場合においても、水等の液体を満たした水槽の中央部にトレイを配置し、トレイの下方に本実施例のバブル発生装置を配置して、トレイの下から上に向かってバブルが通過するようにした。そうすると、水槽には外部から液体が注入され溢れ出ていくので、同時に粉塵も水槽外に流され、トレイに粉塵が再付着するのを防止できる。
この結果を従来の洗浄装置による洗浄結果と比較すると、バブル発生装置だけでなく超音波洗浄装置を併用した場合の洗浄結果と同レベルであることが分かった。この同レベルの洗浄を従来の洗浄装置で行った場合、2つの洗浄装置を併用することから工程数が5、洗浄時間が約20分であったのに対し、本実施例のバブル発生装置のみで行った場合には、工程数が2、洗浄時間が約6分となり、作業性が向上するとともに、作業時間を3分の1以下に短縮することができた。
特に、各種部品の洗浄の際には、多数の被洗浄部品を取り付けることができる治具を用意することで、多数の部品を一度に洗浄することができる。その場合、バブル発生装置による洗浄中に治具を揺動させたり、治具に衝撃を与えたりすると洗浄効果を上げることができる。
また、本実施例のバブル発生装置による洗浄を行った後、治具に衝撃を与え、その後純水で洗い流して乾燥させることにより、粉塵の量をさらに低減できることも確認できている。
なお、バブル発生装置を用いた洗浄においては、排出されるバブルが混ざった液体の流速も大事なファクターであるが、本実施例のバブル発生装置においては、毎分2リットル以上、好ましくは4リットル以上の液体を供給すれば十分な効果を発揮できる。
その原因としては、養殖用の生け簀内にある海水の溶存酸素量が上がる(一例として、9mg/リットルから12mg/リットルに上昇する)ことで、微生物の増殖が促進され、海水が活性化することが考えられる。
なお、実験は行っていないが、淡水魚の養殖においても同様の効果が上がるものと予想できる。
その原因としては、様々な径のバブルが植物の根にぶつかり、培養液が根の様々な部位に浸透し易くなって、根からの吸水力が上がることが考えられる。
2 空洞
3 液体通路
4 気体通路
5 主吐出通路
6 副吐出通路
7 ボルト挿入孔
8 液体配管用凹部
9 気体配管用凹部
Claims (5)
- ポンプ又は水道から供給された液体を一端側から他端側へ流す液体通路、
該液体通路の途中で合流し、前記液体通路内に気体を導入する気体通路、
前記液体通路の他端側と連通する球状、楕円球状、円柱状、楕円柱状又は角柱状の空洞、
及び該空洞と連通し前記液体と前記気体を外部に放出する吐出通路
を備えた一体成型構造体よりなるバブル発生装置。 - 前記液体通路の中心軸線は、前記空洞の中心より下方側の領域のみ、又は前記空洞の中心より上方側の領域のみを通過することを特徴とする請求項1に記載のバブル発生装置。
- 前記空洞に出没可能なボルトを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバブル発生装置。
- 前記吐出通路は、前記空洞から左右方向に延びる主吐出通路と、前記空洞から下方、上方又は後方に延びる副吐出通路からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバブル発生装置。
- 前記一体成型構造体は樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバブル発生装置。
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