JP2014069010A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】好適なミッション遊技とすることで遊技者の不満足感を抑制する遊技機を提供する。
【解決手段】筐体の前面遊技部の略上半部に有する情報表示領域の上端領域に設けられた窓部401には図柄の組み合わせが導出され、情報表示領域の上端領域を除く略全域に設けられた演出表示領域500には、内部抽選の結果に対応する演出役画像が表示される。演出表示領域500にはミッション演出が表示され、遊技機がミッション演出を処理する際、当初ミッションに続いて付加ミッションが実行される。
【選択図】図2

Description

本発明は、パチンコ機、パチスロ機等の遊技機に関するものである。
従来から、遊技媒体を利用した遊技に基づいて複数図柄の変動を開始させ、次いで、当該複数図柄の変動を停止させる際の前記複数図柄の配列状態に対応して、遊技者に所定の有利遊技を提供し得る遊技機が存在する。
この種の遊技機の一つとしてのパチスロ機は、遊技結果が特定条件をクリアすると、ボーナスゲームやART(エーアールーティ:ATとRTとを混合したもの。)等の有利遊技を発動させる。遊技者は有利遊技によって、より多くの遊技媒体を獲得することができることになる。
この種の有利遊技を遊技者が獲得するための遊技態様の一つとして、ミッション遊技として知られるものがある(例えば、特開2008−36084号公報)。遊技機は、特定条件をゲーム数やゲーム時間等の許容範囲とともにミッションとして遊技者に提示し、遊技者が許容範囲内で特定条件を達成、即ち、ミッションをクリアできると、遊技者に有利遊技を提供するように構成されている。
特開2008−36084号公報
従来のミッション遊技は、有利遊技のきっかけになることから、その出現確率は制限されたものとなっていた。しがって、ミッション遊技の開始後ミッションが早い段階で達成された場合、遊技者は、有利遊技を速く獲得できて安堵したという気持ちを持つ一方で、苦労して獲得できたミッション遊技の演出を十分楽しむ暇が無かったという、不満足感を抱くことになる。
そこで、本発明は、好適なミッション遊技とすることで遊技者の不満足感を抑制する遊技機を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明は、遊技媒体を利用した遊技に基づいて複数図柄の変動を開始させ、次いで、当該複数図柄の変動を停止させる際の前記複数図柄の配列状態に対応して、遊技者に所定の有利遊技を提供し得る遊技機であって、ゲーム毎の始動条件の成立を契機として前記複数の図柄の変動を始動させる図柄変動始動手段と、内部抽選を実行する抽選手段と、前記複数図柄の変動を停止する図柄停止手段と、前記内部抽選の結果に応じて、前記複数図柄の変動を停止する際での当該複数図柄の配列状態を設定する、複数図柄配列状態設定手段と、前記遊技媒体の消費が比較的大きい通常遊技状態を設定する通常遊技状態設定手段と、前記遊技媒体が付与される機会を前記通常遊技状態より増加させる有利遊技状態を設定する有利遊技状態設定手段と、特定の条件を満たした場合に、特殊な遊技形態で遊技が進行する特殊遊技形態を開始する特殊遊技形態開始手段と、前記特殊遊技形態を開始する際、前記有利遊技状態に移行させるための条件を設定する条件設定手段と、前記特殊遊技形態の間、前記条件設定手段の前記条件が満たされたか否かを判定する条件判定手段と、前記条件が満たされたことに基づいて、特典を付与する特典設定手段と、前記特典を設定して前記有利遊技状態を開始する有利遊技状態開始手段と、前記特殊遊技形態を前記有利遊技状態の前に、特別な遊技形態で遊技が進行する特別遊技形態に移行させるための特別遊技形態移行手段と、前記特別遊技形態を、前記遊技媒体と引き換えに前記特典とは異なる特典が得られるように構成する価値変換手段と、前記条件判定手段が、前記条件が満たされたことを判定した際、前記特別遊技形態移行手段の実行の要否を選定する選定手段と、前記選定手段が、前記特別遊技形態移行手段の非実行を選定すると、前記有利遊技状態開始手段によって前記有利遊技状態を開始させ、前記特別遊技形態移行手段の実行を選定すると、前記特殊遊技形態を前記特別遊技形態に移行させ、当該特別遊技形態の終了後に前記有利遊技状態を開始させる特別遊技形態移行実行手段と、前記特別遊技形態移行手段の実行の要否の選定基準を設定する選定基準設定手段と、を備える、ことを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、遊技機は、特殊遊技形態を開始する際、有利遊技状態に移行させるための条件を設定し、前記特殊遊技形態の間、前記条件条件が満たされたかことを判定すると、有利遊技状態を確定するが、選定手段によって、前記有利遊技の開始の前に、特別遊技形態移行手段の実行の要否を選定されるために、遊技者がミッション遊技を継続したい遊技状態ではミッションが達成されてもミッション遊技を継続するようにし、有利遊技を早く展開したい遊技状態ではミッション達成後有利遊技を直ちに開始するように構成したために、遊技者のミッション遊技を獲得できたことに対する既得意識とミッション遊技における有利遊技の早期の展開に対する期待感のバランスを図ることができる等好適なミッション遊技とすることで不満足感を抑制する遊技機を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記特別遊技形態の際、投入された前記遊技媒体に基づく遊技結果に応じて、前記有利遊技状態が開始されると当該有利遊技状態に与えられる、前記特典とは異なる別特典を設定する別特典設定手段を備え、さらに、前記特別遊技形態移行手段が前記特殊遊技形態を前記特別遊技形態に移行させる際、前記条件設定手段の前記条件よりも容易な条件を、別条件として設定する別条件設定手段と、前記別条件が満たされたか否かを判定しながら、前記特別遊技形態を実行する特別遊技形態実行手段と、を備え、前記別特典設定手段は、前記別条件が満たされたことによる判定に基づいて、前記別特典を設定し、さらに、前記特典と前記別特典とに基づいて前記有利遊技形態の総合特典を設定する有利遊技総合特典設定手段を備え、前記有利遊技開始手段は、前記総合特典に基づいて前記確定した有利遊技状態を開始させるようにしたことを特徴とする。
第2の発明によれば、例えば、遊技者に対してミッションを提示し、ミッションの達成の如何によって、遊技者に有利遊技状態を設定する遊技機において、ミッション達成後では、さらに、付加ミッションが追加され、付加ミッションの特典も有利遊技に付加されるために、有利遊技の早い開始を求めるという遊技者の意識と、有利なミッションを獲得できたという既得感が損なわれたくないと云う意識とを調和させながら、ミッション遊技を、遊技者にとって興趣感豊かなものにするための新規な遊技処理システムを備えた遊技機を提供することができる。また、別条件が前記条件設定手段の前記条件より容易な内容になるために遊技者によって達成され易くなり、その結果、別特典が遊技者に対して付与される機会が増加される。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記特別遊技形態移行手段の実行の要否の選定基準を設定する選定基準設定手段は、前記条件判定手段における前記条件の判定状態に応じて、前記選定基準を設定することを特徴とする。
さらに、第4の発明は、第3の発明において、前記選定基準設定手段は、前記条件の判定状態が、前記条件が達成されるべき境界以前の十分前に条件の達成が判定されたというものであれば、前記選定基準は、前記特別遊技形態移行手段の実行が選択され易いものとすることを特徴とする。
また、さらに、第5の発明は、第4の発明において、前記条件が規定ゲーム数以内に特定の図柄配列を要求回数揃えよ、というものであり、条件判定手段が、前記条件が前記規定ゲーム数の十分手前でその成立が判定された際、前記選定基準設定手段は、前記選定基準を、前記選定手段が前記特別遊技形態移行手段の実行を選択するように設定することを特徴とする。
第5の発明によれば、前記条件判定手段における前記条件の判定状態に応じて、特別遊技形態に移行するか否かの選定基準が変化するために、特殊遊技形態における遊技状態や遊技結果に応じて、特別遊技形態に移行するか否かの多様性が発揮されるようになるため、遊技者には、ミッション遊技等の特殊・特別な遊技形態を更に好適にすることができる。
さらに第6の発明によれば、前記条件の達成が前記境界に対して余裕を持って判定された場合には、余裕がある分、遊技者に特別遊技形態を提供することが出来るようになって、遊技の多様性がさらに増すと云う効果が達成される。
そして、第6の発明のようにすることによって、ミッションが規定ゲーム数の十分前で達成された場合には、特別遊技形態として、追加のミッション遊技が提供されるために、折角獲得できたミッション遊技を継続したいという遊技者の要望を満足させることができる。
第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、前記選定手段が前記特別遊技形態移行手段の実行を選定した場合、前記有利遊技開始手段は、前記特別遊技形態の終了の際に前記有利遊技を開始させることを特徴する。第7の発明によれば、遊技機は、前記特別遊技形態での遊技結果を加えた有利遊技を実現することができるために、有利遊技の形態や特典を遊技者にとって変化に富んだものにすることができる。
第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、前記有利遊技状態移行手段は、前記通常遊技状態を前記有利遊技状態に移行させる、ことを特徴とする。第8の発明によれば、遊技者は前記有利遊技状態に移行すると通常遊技状態よりも多くの遊技媒体を獲得することができるようになる。
第9の発明は、第1発明において、前記条件設定手段は、前記条件として、前記複数図柄の特定の配列を求めるという条件を設定する、ことを特徴とする。さらに、第10の発明は、第9の発明において、前記条件設定手段は、前記条件を、前記特定の配列を規定ゲーム数以内で規定する回数分達成するものとして設定する、ことを特徴とする。これらの発明によれば、本発明に係る遊技機は、複数図柄配列の設定を利用することによって、前記条件を容易に設定することができる。
第11の発明は、第2以降の発明の何れかにおいて、前記別特典発生のための別条件設定手段は、前記別条件として、前記複数図柄の揃いやすい配列の成立という条件を決定することを特徴とする。第11の発明によれば、前記別特典設定手段が前記別特典を発生し易くなる。
第12の発明は、第1乃至第11の発明の何れかにおいて、前記特典設定手段は、前記特典として、ART及び/又はボーナスを設定することを特徴とする。さらに、第13の発明は、第1乃至第12の発明の何れかにおいて、前記特殊遊技形態は前記複数図柄の特定の配列を求めるミッション遊技からなる遊技形態であり、前記条件設定手段は前記ミッションの達成を当該条件とすることを特徴とする。
そして、第14の発明は、第1乃至第13の発明の何れかにおいて、前記特殊遊技形態は、主ミッションの達成を遊技者に求める遊技であり、前記特別遊技形態は、前記主ミッションの達成後に遊技者に付加ミッションの達成を求める遊技形態であることを特徴とする。第14発明によれば、主ミッションの遊技に続けて付加ミッションの遊技が展開されるので、ミッション達成のための遊技上の緊張感と期待感を遊技者が長い時間維持できるようにして、遊技者の興趣感を満足させることができる。
第15の発明は、第2の発明において、前記特別遊技形態は、夫々、前記別条件の達成を前記遊技者に要求する複数の要求手段を順番に提示するように構成され、前記特別遊技形態移行手段は、前記複数の要求手段の夫々の前記別条件に対する前記遊技者に応答に基づいて、前記複数の要求手段の各別条件が達成されたか否かを判定し、前記別特典設定手段は、前記複数の要求手段の夫々の前記別条件の達成状況に応じて前記別特典を設定し、さらに、前記特別遊技形態移行手段は、前記複数の要求手段夫々の前記別条件の達成状況に応じた前記別特典が前記特典設定手段の特典に対して所定の範囲になるように前記特別遊技状態を継続可能である、ことを特徴とするものである。
第15の発明によれば、別特典の有利度を特殊遊技形態の条件を満たしたことによる特典の有利度に対して所定の値になるように設定するようにしたので、当初のミッションの内容の如何に拘わらずに遊技者が有利遊技の特典の変化が期待できる遊技機を提供することができる。
第16の発明は前記第11の発明において、前記別条件設定手段は、前記特別遊技形態での複数のゲームの各ゲームで、前記別条件としての前記複数図柄の揃いやすい配列の成立という条件の設定の要否を判定し、前記別特典設定手段は、前記特別遊技形態が終わった後、前記別条件の成立状態を勘案して、前記別特典を設定することを特徴とする。
第16の発明によれば、遊技機は、別条件を特別遊技形態での複数のゲーム毎に決定して遊技者に提示することができるために、遊技者は前記特別遊技形態のゲーム毎に緊張感と期待感を持てる遊技を享受することができる。
第17の発明は、第2発明において、前記遊技機は、前記条件設定手段の条件及び前記別条件設定手段の別条件を遊技者に報知する手段を備える、ことを特徴とする。第17の発明によれば、遊技者は前記条件設定手段の条件及び前記別条件設定手段の別条件をクリアするような遊技を心がけることができるために、遊技のための緊張感とこれら条件及び別条件をクリアするための期待感を抱きながら遊技を行うことができる。
第18の発明は、前記別条件設定手段は、前記別条件を前記条件設定手段の主条件と関連付けて設定することを特徴とする。
第18の発明によれば、別条件を主条件と関連させることによって、特別遊技形態を特殊遊技形態に関連させた遊技性、例えば、特別遊技形態を特殊遊技形態に連続する遊技、特別遊技形態を特殊遊技形態を、追加・補完するものにした遊技性、特別遊技形態を特殊遊技形態を延長するものにする遊技性等を新たに設定できる。
第19の発明では、既述の発明の何れかにおいて、前記特別遊技形態移行手段は、前記特別遊技形態を、前記有利遊技が開始される以前の通常遊技状態で移行することを特徴とするものである。このように構成することにより、前記有利遊技状態が開始される前の前記通常遊技状態で、前記特別遊技形態に移行させ、特別遊技形態の際、投入された前記遊技媒体に基づく遊技結果に応じて、前記有利遊技状態が開始される際当該有利遊技状態に与えられる、前記特典とは異なる別特典を設定することによって、ミッションが達成されると有利遊技が与えられ、ミッションが達成されないと有利遊技が与えられないという単純なものではない、新たなミッション遊技を実現することができる。
本発明によれば、好適なミッション遊技とすることで遊技者の不満足感を抑制する遊技機を得ることができる。
スロットマシンの分解斜視図である。 スロットマシンを前方右上から見た斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図である。 (a)はコネクタ部分の横断面拡大図を示す図であり、(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す横断面拡大図である。 前面開閉部材を開放した状態の遊技ユニットを前方右上から見た斜視図である。 遊技ユニットの分解斜視図である。 遊技ユニットを後方右上から見た斜視図である。 (a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図である。 配線中継部材の分解斜視図である。 配線中継部材のカバー体を省略した正面図である。 コネクタホルダーからコネクタを分解した状態を示す分解斜視図である。 コネクタホルダーからコネクタを分解した状態を示す分解斜視図である。 コネクタホルダーを後方左下から見た斜視図である。 コネクタ部分の縦断面拡大図である。 コネクタ部分を移動させた状態を示す縦断面拡大図である。 (a)はコネクタの連結保持状態を示す斜視図、(b)はその際用いられる結束バンドの斜視図である。 コネクタの連結保持状態を示す縦断面拡大図である。 前面開閉部材及び演出表示装置を分解した状態を前方右上から見た斜視図ある。 前面開閉部材を前方右上から見た拡大斜視図である。 前面開閉部材及び演出表示装置を組合せた状態の縦断面図及び金具の斜視図である。 図柄変動表示装置を前方右上から見た斜視図である。 図柄変動表示装置を後方右上から見た斜視図である。 図柄変動表示装置の分解斜視図である。 リールを分解した状態を前方右上から見た分解斜視図である。 リールを分解した状態を前方左上から見た分解斜視図である。 ケース部材を止めるストッパーの斜視図である。 他の形態を示すストッパーの斜視図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 メダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図である。 図30の分解斜視図である。 スロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図である。 電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図である。 電源装置を前方左下から見た斜視図である。 他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図である。 透明板を装着した扉形前面部材の要部断面図である。 ヒンジ金具の分解・組み立て斜視図である。 ヒンジ金具の連鎖を示す線図である。 扉形前面部材を示す要部の横断平面図である。 開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図である。 扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図である。 (a)は連結具を縦方向に切断した断面斜視図であり、(b)は連結具の突出状態を示す断面斜視図である。 他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図である。 図43の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。 (a),(b)は連結具の作動状態を示す斜視図である。 連結具における要部の構成を示す斜視図である。 連結具の分解斜視図である。 連結具を裏側から見た背面図である。 (a),(b)は連結具の作動状態を示す図48のA−A線相当断面図である。 遊技ユニット側に配備された主制御基板及び本体側に配備された主中継基のブロック図である。 遊技ユニットに配備された主制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。 遊技ユニット側に配備された周辺制御基板及び本体側に配備された周辺中継基板のブロック図である。 配線中継部材に収納される主中継基板及び周辺中継基板の正面図である。 主中継基板のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6及びCN7のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である 主中継基板のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。 主中継基板のコネクタCN2のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。 主制御基板のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。 周辺制御基板のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と周辺中継基板のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図である。 スロットマシンの扉形前面部材の裏面図である。 扉基板収納ケースの斜視図である。 扉装飾駆動基板の簡易的な回路図である。 シリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。 各リールに付されたそれぞれのリール帯に表記された図柄列を平面的に展開した状態を示すである。 図柄表示窓を中心として、装飾部材を部分的に拡大したところを示している図である。 スロットマシンの各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典を示したものである。 スロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している図である。 始動処理で行われる各処理を具体的に示した図である。 「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示す図である。 判定処理の内容を示すフローチャートである。 BBゲーム開始処理の内容を示すフローチャートである。 BBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャートである。 RBゲーム開始処理の内容を示すフローチャートである。 RBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャートである。 通常遊技状態中における可動簾役物5903を用いた演出を示す図である。 ボーナス遊技中における可動簾役物5903を用いた演出を示す図である。 超チャンス状態に移行するまでの演出等を示す図である。 特典演出の遊技態様を示す図である。 図77に続き特典演出の遊技態様を示す図である。 図78に続き特典演出の遊技態様を示す図である。 ミッション演出処理の第1の例を説明するフローチャートである。 ミッション処理演出の第2の例を説明するフローチャートである。 図80に続くミッション継続処理を説明するフローチャートである。 図82に続くミッション継続処理を説明するフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を回胴式遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2はスロットマシンを前方右上から見た斜視図、図3は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図4(a)はコネクタ部分の横断面拡大図、図4(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す横断面拡大図、図5は前面開閉部材を開放した状態の遊技ユニットを前方右上から見た斜視図、図6は遊技ユニットの分解斜視図、図7は遊技ユニットを後方右上から見た斜視図、図8(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図9は配線中継部材の分解斜視図、図10は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図11,図12はコネクタホルダーからコネクタを分解した状態を示す分解斜視図、図13はコネクタホルダーを後方左下から見た斜視図、図14はコネクタ部分の縦断面拡大図、図15はコネクタ部分を移動させた状態を示す縦断面拡大図、図16(a)はコネクタの連結保持状態を示す斜視図、図16(b)はその際用いられる結束バンドの斜視図、図17はコネクタの連結保持状態を示す縦断面拡大図、図18は前面開閉部材及び演出表示装置を分解した状態を前方右上から見た斜視図、図19は前面開閉部材を前方右上から見た拡大斜視図、図20は前面開閉部材及び演出表示装置を組合せた状態の縦断面図及び金具の斜視図、図21は図柄変動表示装置を前方右上から見た斜視図、図22は図柄変動表示装置を後方右上から見た斜視図、図23は図柄変動表示装置の分解斜視図、図24はリールを分解した状態を前方右上から見た分解斜視図、図25はリールを分解した状態を前方左上から見た分解斜視図、図26はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図27は他の形態を示すストッパーの斜視図、図28はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図29はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図30はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図31は図30の分解斜視図、図32はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図33は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図34は電源装置を前方左下から見た斜視図、図35は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図36は透明板を装着した扉形前面部材の要部断面図、図37はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図38はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図39は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図41は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図42(a)は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42(b)は連結具の突出状態を示す断面斜視図、図43は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図44は図43の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取付けた縦長矩形状の扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。また、図18に示すように、画像表示体500は、樹脂製の前面開閉部材501と、その前面側に取付けられた演出表示装置590とを具備して構成されている。
[遊技ユニット]
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、外本体100内に着脱交換可能な状態で収容される遊技ユニット50を含んで構成される。また、図5に示すように、遊技ユニット50は、外本体100の内部に対して着脱自在であって、前面の少なくとも一部が開口されたケース部材400と、ケース部材400の前面に設けられ、扉形前面部材200の回動方向と同方向に回動可能で、閉位置と開位置との間で遊動可能に支持された前面開閉部材501とを有する。そして、図柄変動表示装置300がケース部材400の内部上部に組付けられると共に、主制御基板409が内部に装着され(図3及び図6参照)、前面開閉部材501の上部に、閉位置において図柄変動表示装置300を視認可能とする開口部516が設けられ、前面開閉部材501の前面の開口部516(図6では装飾部材591の開口部591a)の下方に演出表示装置590が装着され(図6参照)、前記前面開閉部材501の裏面に周辺制御基板510が装着されている。
さらに、遊技ユニット50は、図5に示すように、図柄変動表示装置300や演出表示装置590と、を含むケース側電気部品につながった遊技ユニット側配線類が主制御基板409につながった主制御系配線類424と周辺制御基板510につながった周辺制御系配線類426とに分割されると共に、図8に示すように、主制御系配線類424に取り付けられた主制御系配線類接続用コネクタ425と、周辺制御系配線類426に取り付けられた周辺制御系配線類接続用コネクタ427とを一括支持するコネクタホルダー428を備えている。
[外本体]
外本体100は、図1〜図3に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟(図示しない)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口(図示しない)が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201(図2参照)に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨んでいる。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
電源装置112は、図30〜図34に示すように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の電源基板112s(図34参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図34参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には、図31に示すように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図35は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先を溝102cに嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への電源基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに電源基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図34参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図30において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図30において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し本例の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本例のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを本例のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらに、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースにはケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図2に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述する主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1ベットボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAXベットボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留メダル解除ボタン209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、図柄変動表示装置300と画像表示体500における演出表示装置590とが上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって図柄変動表示装置300と演出表示装置590との領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする大きさに設定しておけば、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IRD30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。なお、縁部材214bは、扉形前面部材200の上端にて左右方向を長手方向として配置される部材と、この左右方向に配置される部材(縁部材214b)の両端部から下方に向かう一対の部材(縁部材214b)と、で構成される。つまり、左右方向に伸びる縁部材214bは、一対の縁部材214bを跨っている。なお、左右方向に伸びる縁部材214bおよび一対の縁部材214bは一体成型されているが、これは別部材で構成されていても良い。
縁部材214bは、図36に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
また、図36において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217aの光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図1参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図36は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図36から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300について、図21〜図25を基に説明する。図21に示すように、図柄変動表示装置300は、リール回転式表示装置であって、個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301c(以下各リール301とする)と、該各リール301を組込み・収容する装置ケース302とを有し、各リール301の周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行うものである。
装置ケース302は、図23に示すように、底部板304と、天部板305と、右側の右側板306と、左側の左側板307と、後面を覆う一部円弧形状の後部板308とで囲った箱形であり、各リール301の円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。なお、装置ケース302は、底部板304のみが金属板で形成され、他の部分は樹脂で形成されている。
右側板306及び左側板307の前側上端部分には、左右外側に向って突出する取付耳部306a,307aが夫々形成され、取付耳部306a,307aの略中央にはネジ(図示しない)を挿通可能とする透孔306b,307b(図21参照)が前後方向に貫通して穿設されている。また、図示していないが、底部板304には、垂直下方に折り曲げられた垂下片が左右方向に複数(例えば3つ)並設されており、それらの垂下片にも、前後方向に貫通する透孔が穿設されている。そして、取付耳部306a,307aを、ケース部材400の前面上端に設けられた補強部材407(図6参照)にネジで固定し、さらに、垂下片を、ケース部材400の中央よりも上側に横設された補強桟402にネジで固定することにより、図柄変動表示装置300がケース部材400に取付けられる。また、図23に示すように、装置ケース302の前縁には、各リール301を固定するためのネジ313a,313bが螺合される複数のネジ孔302aが所定の間隔で形成されている。なお、下側のネジ313bは通常の雄ネジであるが、上側のネジ313aは螺合対象物が樹脂成形物であることからタッピングビスが用いられる。
また、装置ケース302の前面側には、カバー体309が組みつけられている。カバー体309は、装置ケース302の前面縁部に沿って形成された額縁状の枠部310と、枠部310の上端及び下端の間に架設され、装置ケース302に組み込まれた各リール301を仕切るように左右方向に所定の間隔で配置された区画部311とから構成されている。なお、区画部311の前面は、上下方向の中央部分が遊技者側に向って最も突出するように略円弧状に形成されている。つまり、各リール301間の隙間を前方から塞ぐとともに、各リール301の円周面に対し連続した面となるように円弧状に形成されている。なお、左右両側に配置された区画部311には、左右外側から両側リール301a,301c内の機構を遮蔽する遮蔽部311aが一体的に形成されている。また、枠部310における区画部311の上側及び下側には、ネジ313a,313bを挿通させることが可能な取付孔312が穿設されている。
また、図22乃至図23に示すように、装置ケース302の左側板307には、基板ケース314によって覆われたリール主中継基板315並びにバックライト中継基板318が配置されており、リール主中継基板315によって中継された駆動信号により各リール301が個別に駆動制御されるようになっている。なお、リール主中継基板315には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316a,316cが設けられ、バックライト中継基板318には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316b,316dが設けられている。
リール主中継基板315にあっては、基板ケース314の左側面下側から突出するコネクタ316aを介して、各リール301を駆動制御するための信号やモータ用電源が中継入力されるとともに、各リール301に収容されたフォトセンサ325から送られる検出信号を主制御基板409に中継出力するようになっている。また、基板ケース314の底面から突出するコネクタ316cには、後述するリールモータ中継基板326に設けられたコネクタ317(装置ケース302の後部板308から突出するコネクタ317)に接続されたコネクタ付きハーネス(図示しない)が連結されており、各リール301内に収容されたリールモータ321に対して駆動信号及びモータ用電源を供給するとともに、フォトセンサ325から検出信号を受け取ることが可能になっている。
また、バックライト中継基板318にあっては、基板ケース314の上面から突出するコネクタ316bに、後述するバックライト322に接続され且つ後部板308に形成された透孔308aを通して配線されたコネクタ(図示しない)が連結されるようになっている。つまり、このコネクタ316bを介して、バックライト322に作動用電源を付与するように構成されている。なお、この作動用電源は、基板ケース314の左側面中央に設けられたコネクタ316dを介してバックライト中継基板318に供給される。
なお、前記のコネクタ付きハーネスには、各リール301ごとに、被覆材の色が互いに異なる一本または複数本の電線が含まれており、また、各リール301内に収容された夫々のバックライト322には、コネクタ付きハーネスに含まれる電線の色と同系色の電線が接続されている。つまり、各リール301ごとにハーネス及び電線の色が異なるように設定されている。これによれば、リールモータ321に電力を供給する電線及びフォトセンサ325から検出信号を受け取る電線を含むハーネスと、バックライト322に電力を供給する電線との色合わせが可能になり、ひいては、ハーネス及び電線と、各リール301との照合(すなわち誤配線の有無の確認)が容易になるとともに、各リール301の配置位置を電線の色に基づいて確認させることが可能になる。すなわち、スロットマシン1の組付工程において、左中右の各リール301の配置順は、間違ってはいけない極めて重要な項目であるが、このように電線の色を異ならせることにより、上記の配置が正しく行われたか否かを容易に視認することが可能となり、スロットマシン1の品質を確保することができる。
また、左側板307における基板ケース314の上方には、左側板307を貫通するコ字形のスリット333が形成されており、コネクタ316bに連結される電線を、結束バンド(図示しない)を用いて左側板307とともに結束させることを可能にしている。特に、下側が開いた横転コ字形のスリット333によって下端のみが連結された掛止部333aが左側板307と一体に形成されるため、結束バンドの一部を撓ませた状態で掛止部333aの上方に挿入すれば、極めて容易に結束バンドを掛止部333aに引掛けることが可能になる。つまり、左側板307に対して結束バンドを掛止させるために、左側板307に二つの孔を穿設したものでは、結束バンドの先端を二つの孔に対して順に挿通させなければならないため、結束作業が困難になる虞があるが、コ字形のスリット333を設けるようにすれば、掛止部333aの上部側から電線を引掛けることが可能になり、作業性が向上する。また、左側板307から外方に突出するようにフックを形成することも考えられるが、これによれば、構成が複雑になり、金型費等の製造費が高くなるため好ましくない。
図23乃至図25に示すように、装置ケース302内には、各リール301と、夫々のリール301を回転可能に支持するとともに回転力を付与するリールモータ321と、各リール301の右側に配置されリールモータ321を固定するモータ取付板320と、モータ取付板320に固定状態で取付けられるとともに、各リール301の周面内側、特に遊技者側の面に沿って配置され各リール301を通して遊技者側に光を放射する略円弧状のバックライト322とが設けられている。
さらに詳しく説明すると、リールモータ321は、正転及び逆転可能な直流ステップモータであり、回転軸321aの先端にフランジ323が固着されている。フランジ323は、略円板状の部材であって、周面の一部には径方向に切欠かれた嵌合部323aが形成されるとともに、周面に雄ネジ部が設けられた突起323bが形成されている。これに対応し、リール301aは、右側の側面(図25では奥側の面)が全体的に開放されているが、左側の面(図25では前側の面)には、略十字形の側面部材330が設けられ、リールモータ321のフランジ323を取付けることが可能になっている。具体的には、図25に示すように、側面部材330の中心部分には、フランジ323の突起323bが挿通する貫通孔330aを有するとともに、フランジ323を内側に収容可能とする円形収容部330bが形成されており、特に、図24に示すように、円形収容部330bには、リール301の内側に向って突出するとともに、フランジ323の嵌合部323aに嵌め合わせ可能な回転防止突部330cが形成されている。そして、貫通孔330aを挿通し円形収容部330bから外部へ突出する突起323bに対して、ロックネジ324が螺合されており、これにより、リールモータ321のフランジ323がリール301aの側面部材330に固定状態で取付けられる。つまり、リールモータ321の回転軸321aがリール301の側面部材330に直結されている。なお、各リール301は、ロックネジ324によって軸心上で固定されるため、直径方向の力が作用せず、ひいては回転軸321aのブレを防止することが可能になる。
図25に示すように、モータ取付板320は金属板から形成され、リールモータ321を取付けるためのモータ取付部位320aと、バックライト322を取付けるためのライト取付部位320bとを有して構成されている。また、モータ取付板320の上端及び下端における正面側(遊技者側)の部分には、垂直方向に折り曲げられた取付片320cが形成され、取付片320cの略中央には、前後方向に貫通する透孔320dが穿設されている。特に、これらの透孔320dは、図23に示すように、カバー体309に形成された取付孔312、及び装置ケース302に形成されたネジ孔302aと前後方向で合致する位置に設けられている。つまり、カバー体309の前方から、カバー体309の取付孔312及びモータ取付板320の透孔320dを通して、ネジ313a,313bを装置ケース302のネジ孔302aに螺合させることにより、装置ケース302に対してモータ取付板320及びカバー体309が固定状態で組付けられている。すなわち、カバー体309とモータ取付板320とが装置ケース302に対して共締めされる。このため、装置ケース302に対してカバー体309とモータ取付板320とを別々に固定するものに比べ、作業工程を低減させるとともに、三つの部材、すなわちカバー体309、モータ取付板320、及び装置ケース302における相互の位置決めを正確にしかも簡単に行うことができ、ひいては各リール301に対するカバー体309のクリアランスを少なくすることができ、各リール301間の隙間を精度よく塞ぐことができる。すなわち、装置ケース302の内部構造を一層見え難くし、見栄えの低下を抑制することができる。
また、モータ取付板320における下部後端側には、後方に向って延出された延設下部320eが形成されており、延設下部320eとモータ取付部位320aとからなるコーナー部分にリールモータ中継基板326が取付けられている。このリールモータ中継基板326は、リールモータ321に接続された電線(図示しない)及びフォトセンサ325に接続された電線(図示しない)と、リール主中継基板315に接続されるコネクタ付きハーネス(図示しない)とを中継するためのものであり、コネクタ317(図22参照)等を搭載している。また、モータ取付板320の上部後端側には、延設下部320eと同方向に延出された延設上部320gが形成されており、延設上部320gには、バックライト322に接続された電線(図示しない)を案内するための溝部(図示しない)と、溝部に配線された電線が溝部から逸脱することを防止する電線押え327とが取付けられている。電線押え327は、透明で弾性変形可能な薄板状の樹脂部材からなり、一端側がネジ327aによって固定されている。
このように溝部と電線押え327との協働によって電線を適宜の位置に保持することにより、リールモータ中継基板326のような基板を設けることなく、電線の遊動状態を防止することができ、ひいては電線が障害となって各リール301の回転が制動されたり、回転の際に電線を巻き込んだりすることを回避できる。なお、電線押え327の前方には、リールモータ321に接続された電線、及びバックライト322に接続された電線を纏めた状態で保持する結束部材328がモータ取付板320に取付けられている。
また、モータ取付板320の中央後端側には、断面L字形の取付片320fが、各リール301内に向って立設されており、フォトセンサ325を支持している。フォトセンサ325は、互いに対峙する発光部と受光部とを有し、発光部から発光される光が受光部に到達するか否かに応じた信号を出力するものである。そして、図24に示すように、各リール301における側面部材330の内面側には、リール301が一回転するごとに、フォトセンサ325における発光部と受光部との間を通過する遮光片331が内方に向って突出している。つまり、リール301を一回転させるごとに、発光部から放射された光が遮光され、それに応じた信号が出力するようになっている。
ところで、遮光片331は発光部から放射された光を遮るものであるため、不透明な部材、例えば黒色の部材から形成されることが好ましく、一方、リール301aの側面部材330は、リール301aと一体に成形されることから光透過性の部材、例えば透明部材から形成されることが好ましい。このため、遮光片331と側面部材330とは一体成形することはできず、側面部材330に対して遮光片331を取付けるための手段が必要となる。しかし、ネジ等の締結部材を介して取付けるものでは、遮光片331を含むリール301全体の重心が回転軸から偏心する程度が高くなり、リール301aの回転速度にムラが発生するおそれがある。また、接着剤によって遮光片331を接着するものでは、側面部材330に対する遮光片331の位置決めが困難となり、ひいては各リール301の回転位置を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本例では、遮光片331をインサート成形によって成形している。つまり、予め形成された遮光片331を金型に入れ、リール301a及び側面部材330を射出成形することにより、遮光片331と側面部材330とを一体的に形成している。これによれば、比較的簡単に形成することができるとともに、側面部材330に対する遮光片331の位置決め精度を高めることが可能になる。
バックライト322は、略円弧状の外観を呈しており、モータ取付板320のライト取付部位320bに当接する側には、所定の間隔で配置された三つのLED322aが、側面部材330側に向って光を放射するように配置されている。また、各リール301の内面側には、夫々のLED322aから放射された光をリール301の図柄列(図示しない)側に向って反射させる白色の反射部322bが形成されている。このため、リール301aの内側において面発光させることが可能になり、略均一な光によって、遊技者側に位置する図柄、特に三つの図柄を、略均一な光によって光らせることが可能になる。
[ケース部材]
ケース部材400は、外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、図5及び図6に示すように、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が演出表示装置590の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が図柄変動表示装置300の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板である主制御基板409が装着され、さらに主制御基板409以外の制御基板等(例えば後述する周辺制御基板510)も配線作業空間408内に配置されている。ここで、主制御基板409は、操作部202の操作等に基づいて遊技の進行を制御するものである。また、周辺制御基板510は、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行するものである。
ケース部材400の天板406には、図7に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が外本体100の貫通孔132,132…(図1参照)を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。なお、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には、図7に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114(図1参照)に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図7に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が仕切板105の突段部106(図1参照)に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106との嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図28に示すように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図29に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図26に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1に示すように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図26実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図26想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図27に示すように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、ケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
[画像表示体]
画像表示体500における演出表示装置590は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材501(図18参照)の前面側に取付けられている。図18に示すように、前面開閉部材501は、下側から2/3の領域が演出表示装置590を収容する部分で、上側から1/3の領域が図柄変動表示装置300の前方に配置される部分となっている。つまり、前面開閉部材501の前面側には、周囲に周壁515aが形成された収容部515が設けられており、下側から2/3の領域に演出表示装置590が収容され、上側から1/3の領域に装飾部材591が収容される。なお、前面開閉部材501及び装飾部材591には、遊技ユニット50の前方から、ケース部材400内に配置された図柄変動表示装置300を視認させるための開口部516,591aが夫々形成されている。なお、前面開閉部材501の正面側における開口部516の右側方には、スロットマシン1に関する遊技状態(ベット数やクレジット数、エラー等)を表示するための各種LEDを備えた遊技状態表示基板450が設けられている。
また、図18に示すように、前面開閉部材501の裏面側には、周辺制御基板510を収容する基板ケースユニット551、及び小基板ケース554等が組付けられている。基板ケースユニット551は、透明な樹脂部材からなり、周辺制御基板510の底面側(すなわち前面開閉部材501側の面)を覆う基板ケース下部552と、周辺制御基板510の上面側を覆うとともに基板ケース下部552に対して着脱可能な基板ケース上部553とから構成されている。このため、前面開閉部材501が開かれると、周辺制御基板510を収容する基板ケースユニット551がケース部材400内から飛び出すように出現するため、周辺制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。また、演出表示装置590と周辺制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。
ところが、上記のように、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を配置し、前面開閉部材501の背面側に基板ケースユニット551を配置する構成を採用すると、演出表示装置590の背面側が前面開閉部材501によって覆われるため、演出表示装置590に対するノイズ対策として、アースを取ることが困難となったり、アース線等によって見栄えを低下させたりする虞がある。
そこで、本例では、図19及び図20に示すように、演出表示装置590が収容される前面開閉部材501の収容部515に対し、前後方向に貫通する横長四角形状の開口部520を形成するとともに、その開口部520を通して前面開閉部材501の表裏に跨るように、断面が略コ字形である電導性の金具522が設けられている。この金具522は弾性の金属片からなり、前面開閉部材501の表側に位置する前側部分523が演出表示装置590の裏面の金属板521(シールド板)に当接するようになっており、前面開閉部材501の裏側に位置する後側部分525がアース線527に接続されている。つまり、アース線527及び金具522を介して、演出表示装置590の裏面の金属板521が電気的に接地された状態となっており、演出表示装置590に対してのノイズの侵入を抑制している。このように、前面開閉部材501の前面側に取付けた演出表示装置590に対し、前面開閉部材501の背面側でアース線527に接続することから、演出表示装置590を前面開閉部材501に取付けた後にアース線527を接続することが可能になるとともに、アース線527が前面開閉部材501と周辺制御基板510(基板ケースユニット551)との間に配線されることから、アース線527の露出による見栄えの低下を抑制することが可能になる。
また、前面開閉部材501には雄ネジ530を螺合可能とするネジ孔529が設けられており、前面開閉部材501の後方から雄ネジ530がねじ込まれると、前面開閉部材501の前面から突出し、さらに雄ネジ530の先端部分によって、金具522の前側部分523を背面側から押圧する。すなわち、雄ネジ530の推進力によって金具522の前側部分523を弾性変形させ、演出表示装置590の裏面の金属板521に向って付勢する。このため、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を取付けた後、雄ネジ530を螺合させるだけで、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に圧接させることができ、ひいては金具522と金属板521とを確実に接触させることが可能になる。
また、金具522の後側部分525には、雄ネジ530が挿通可能な透孔526が設けられており、この透孔526を通して、雄ネジ530が前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれると、金具522が前面開閉部材501に固定された状態となる。換言すれば、金具522を前面開閉部材501に固定させるための雄ネジ530を用いて、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に向って弾性変形させることが可能になる。このように雄ネジ530を兼用することにより、構成が簡単になるとともに、作業工程が少なくなるため、低廉化を図ることが可能になる。
また、アース線527の先端にはY形端子528が圧着されており、Y形端子528を金具522に取付けることにより金具522の後側部分525に対してアース線527が接続される。特に、本例では、雄ネジ530が後側部分525の透孔526を通して前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれる際、後側部分525との間でY形端子528を挟持した状態でねじ込まれる。すなわち、一つの雄ネジ530をねじ込むことにより、金具522の取付け及び前側部分523の弾性変形に加え、Y形端子528を固定させることも可能にしている。このため、全体の構成が一層簡単になるとともに、作業工程をさらに少なくすることができる。
また、金具522には、前側部分523の裏面に凹状の受止部524が形成されており、雄ネジ530が前面開閉部材501にねじ込まれると、雄ネジ530の先端が受止部524に当接するようになっている。このため、雄ネジ530をねじ込む際に金具522の前側部分523が雄ネジ530の推進方向(軸方向)から逃げることを防止でき、前側部分523を演出表示装置590に向って確実に押圧することが可能になる。なお、前側部分523の受止部524を凸状に形成し、雄ネジ530の先端に凹状の窪みを設けるようにしてもよく、このように構成しても、前側部分523の逃げを効果的に防止することができる。
また、断面コ字形の金具522は、開放部分を下方に向け、開口部520の下縁に掛止された状態で固定される。このため、金具522を前面開閉部材501に取付ける際に、金具522を手で支えなくても、掛止された状態で保持することが可能になる。したがって、例えば片手で作業を行うことが可能となる。特に、金具522を開口部520の下縁に掛止した際に、金具522に穿設された取付用の透孔526と前面開閉部材501に形成されたネジ孔529とが重なるように位置が設定されているため、透孔526とネジ孔529との位置合せを極めて容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。
さらに、前面開閉部材501の裏面側に凹凸面550が形成されており、金具522は凹凸面550の中の低くなっている部分、すなわち後方に向って突出していない部分に配置されている。このため、金具522や雄ネジ530の頭部によって基板ケースユニット551の組付けが困難となることを防止できる。なお、図18に示すように、周辺制御基板510は、合成樹脂等で形成された非導電性の基板ケースユニット551に収容されているため、たとえ金具522が前面開閉部材501の裏面側に突出した状態で配置されても、金具522と周辺制御基板510との接触を防止でき、電気的な故障を抑制することが可能となる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図37は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図37の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図38の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図38(a)〜(c)に示すように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構に相当しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図5〜図7に示すように、ケース部材400の縦の補強部材407のうちヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図6において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図6の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と前面開閉部材501を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。つまり、本例のスロットマシン1では、各リール301a〜301cに付された図柄が臨む前面の開口部516(図6では装飾部材591の開口部591a)の下方に演出表示装置590が装着されており(図6参照)、このような構成のスロットマシンにおいて、遊技ユニット50を扉形前面部材200側に取り付けると、扉形前面部材200側の重量が大きくなってしまい、外本体100に対して扉形前面部材200を軸支するヒンジを強固なものにしたりする必要があり、設計負荷が増大する。そこで、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにすることで、設計負荷の軽減を図りつつ、遊技ユニット50の内部(例えば例えば主制御基板409の配線等)を視認できるようにしてメンテナンスの容易化や不正の防止を図っている。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図41及び図42に示すように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図40のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図41において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパーであって、止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることによりストッパー704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図41において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図6に示したように、補強桟402には、係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部(図示していない)が設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図43,図44に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えば主制御基板409や周辺制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
[前面開閉部材−照明装置]
図3に示すように、前面開閉部材501の前側に収容された装飾部材591の背面側には、下方に向って光を放射する複数の照明装置502aと、該照明装置502aの下方に配置され照明装置502aから放射された光を遊技者側に向って反射させる反射部材502bとが配設されている。特に反射部材502bは、下側ほど装飾部材591に近づくように湾曲した白色の反射面を前面に有しており、装飾部材591の略全域に対して光を略均等に照射している。なお、装飾部材591は光透過性の部材からなり、反射部材502bによって反射された光は、装飾部材591を通して外部(遊技者側)に放射される。つまり、照明装置502a及び反射部材502bによって装飾部材591を面発光させることが可能となっている。
[配線手段]
外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各ベットボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えば主制御基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット50(外本体100の内部に対して着脱自在に設けられたケース部材400及び前面開閉部材501に、図柄変動表示装置300や任意の画像を表示する画像表示体500と含むケース側電気部品を組み付けてなる。この実施形態では図5及び図6に示されている)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット50の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図9に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図3に示したように、ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、図9に示すように、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながる遊技ユニット側配線類423(図11参照)とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)即ち、主中継基板122,周辺中継基板123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図9,図10において左側に位置する大きい方のコネクタ基板である主中継基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記主制御基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。つまり、コネクタ425をコネクタ124に連結することにより、主制御基板409に作動用電力を供給するとともに、ケース部材400の外部に配置された本体側電気部品に対し、主制御基板409から制御用の信号を送信することが可能になる。
一方、図9,図10において右側に位置する小さい方のコネクタ基板(周辺中継基板)123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、後述の周辺制御基板510につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。さらに、本発明では、遊技ユニット側配線類が遊技制御基板につながった主制御系配線類424と周辺制御基板につながった周辺制御系配線類426とに分割される(図11参照)。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示すように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、主制御基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427(図11参照)と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125とコネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。つまり、コネクタ427をコネクタ125に連結することにより、周辺制御基板510から、扉形前面部材200の裏側に設けられた扉装飾駆動基板860(後述)やLスピーカ201a,Rスピーカ201b(後述)に駆動信号が送られ、これらを動作させることが可能となる。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、後述する本体側ガイド部453とを有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、配線ダクト129の内部を通り、外本体100(図1参照)の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口(図示しない)を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口とは無関係にそのまま接続される。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400の主制御基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、周辺制御基板510につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図11に示すように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有しホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、後述するユニット側ガイド部452とからなり、図4に示すように配線中継部材113の支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり遊技ユニット50単体で工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
仮止め棚418は、図4及び図8に示したようにケース部材400の内側から配線窓411(図7参照)に向かわせた棚板状の部材であり、コネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図4(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。
しかして、仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図4(b)→図4(a)に示すように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材400から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と遊技ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。すなわち、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有する。そして、遊技ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、遊技ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする。
上記のスロットマシン1は、遊技ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば遊技ユニット50に直接コネクタを取り付け、遊技ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな遊技ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、上記のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を遊技ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し上記のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し遊技ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、遊技ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425及びコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し本例の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。すなわち、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを、コネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
以上の遊技機(スロットマシン1)は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと遊技ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、遊技ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と遊技ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、遊技ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、本例では、コネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部のテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図12に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔469aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔469aを遊嵌させ、座金付きのネジ469をもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔469aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2つ以上でもよい。
また、本例では、コネクタ124とコネクタ425、及びコネクタ125とコネクタ427との連結作業をさらに容易にするために、コネクタホルダー428の挿入方向を案内する機構を備えている。具体的に説明すると、図4(b)及び図9に示すように、外本体100の背板104において、コネクタ基板122及びコネクタ基板123を覆うように樹脂製のカバー体121が設けられていることは、前述した通りであるが、このカバー体121には、コネクタホルダー428側に向って突出する本体側ガイド部453が形成されている。本体側ガイド部453は、開口126の下側に配置されており、横倒した四角柱状の外観を呈する突出部462と、左右方向の中央部分において上下方向に貫通するスリット状の本体側透孔461とから構成されている。なお、この本体側ガイド部453は、カバー体121と別々に形成し接着するようにしてもよいが、本例では、カバー体121と一体に成形されている。
一方、図4(b)及び図13に示すように、コネクタホルダー428の底面には、本体側ガイド部453と対向するようにユニット側ガイド部452が形成されている。ユニット側ガイド部452は、本体側ガイド部453の突出部462が挿入可能な穴部463を有する穴部形成部材464を備えている。つまり、カバー体121に形成された本体側ガイド部453と、コネクタホルダー428に設けられたユニット側ガイド部452との協働によって、外本体100側(配線中継部材113側)のコネクタ124,125(以下、「本体側コネクタ124等」という)と、コネクタホルダー428に組み付けられたコネクタ425,427(以下、ユニット側コネクタ425等)という)との連結作業を一層容易なものとしている。すなわち、配線中継部材113に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されている。具体的には、図15に示すように、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを対向させた場合、穴部形成部材464における穴部463の開口部分と突出部462との距離mは、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との距離nよりも短くなっており、突出部462の先端が穴部463に挿入され穴部463の周面に沿って相対的に摺動する途中で、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが当接し、さらに、図14に示すように突出部462の先端が穴部463の奥側まで挿入されると、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが連結されるようになっている。したがって、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが完全に連結された状態でも、突出部462は穴部463の最も奥の壁には達しないようになっている。このため、突出部462の長さまたは穴部463の深さに製造上の誤差が生じても、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結を確実に行うことが可能となる。また、コネクタホルダー428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、複数のユニット側コネクタ425等の嵌合をまとめて案内することができる。
ところで、カバー体121に形成された突出部462とコネクタホルダー428に形成された穴部463とによって、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内するものでは、少なくとも突出部462の先端が本体側コネクタ124とユニット側コネクタ425との連結部分よりも前方に突出することになる。このため、突出部462がコネクタ124よりも上方に配置されたものでは、コネクタ124とコネクタ425との連結部分が突出部462によって部分的に遮られることになり、例えばコネクタ124とコネクタ425との間に異物が挟まっていても気づかない虞がある。また、コネクタ同士の連結状態を視認させることが困難となる場合もある。これに対し、本例では、穴部463を形成するブロック状の穴部形成部材464をコネクタホルダー428の底面に配置しているため、突出部462または穴部形成部材464によってコネクタ124とコネクタ425との連結部分が遮蔽されてしまうことを防止でき、連結状態の目視確認を容易に行わせることが可能となる。
ところで、本体側コネクタ124等と、ユニット側コネクタ425等とを互いに分離可能な状態で連結するものにおいては、コネクタ124とコネクタ425、またはコネクタ125とコネクタ427とが互いに分離され、いずれかのコネクタに不正な制御手段や不正な部品が取り付けられるおそれ、すなわち不正な信号に基づいた遊技が行われるおそれがある。なお、この問題を解決するため、ユニット側コネクタ425等を、本体側コネクタ124等に連結した後、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを分離不能な状態で固着させることも考えられるが、これによれば、遊技ユニット50の取外しが極めて困難になり、遊技ユニット50を交換可能とした利点がなくなる。
そこで、本例では、遊技ユニット50が外本体100内に収容され、且つユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された後、図16(a)に示すように、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とを結束し、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を保持するようにしている。特に、この結束バンド454は、痕跡生成部材からなり、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されると(すなわちユニット側コネクタ425等に対して別の不正部材を連結させることが可能な状態になると)、痕跡が残されるようになっている。
さらに詳しく説明すると、図15に示すように、ユニット側ガイド部452またはコネクタホルダー428の少なくともいずれか一方にはユニット側透孔460が設けられ、本体側ガイド部453には、連結した際にユニット側透孔460に重ね合わすことが可能な本体側透孔461が設けられているため、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることができ、ひいてはユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持される。結束バンド454は、図16(b)に示すように、鋸歯状列歯を片面側に設けたバンド部455と、バンド部455の一端側に設けられバンド部455を挿入させることが可能な挿通孔を有する頭部456と、その頭部456における挿通孔の内部に形成され、バンド部455の鋸歯状列歯を係止可能で且つ係止後の解除操作が不能な係止爪457と、バンド部455の延長上に形成されロゴが刻印されたロゴ表示部458とを具備して構成されている。このため、図16(a)及び図17に示すように、ユニット側透孔460及び本体側透孔461に結束バンド454のバンド部455を通し、その後、そのバンド部455を頭部456の挿通孔に挿入させると、バンド部455の片面側に形成された鋸歯状列歯が、挿通孔の内部に形成された係止爪457に係止され、本体側ガイド部453とユニット側ガイド部452とが結束される。
そして、挿通孔に対しバンド部455を深く挿入するほど環状の部分(結束部分)が収縮され、締付力が強くなる。特に、係止爪457は、鋸歯状列歯を一旦係止させると、その後の解除操作ができないように構成されているため、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持され、不正行為を防止することが可能になる。また、結束バンド454が切断された場合には、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等を外すことが可能になるが、この場合には、結束バンド454が切断されたという痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを把握することが可能になる。なお、遊技店舗において旧機種の遊技ユニットを取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
なお、本例の結束バンド454は、ロゴ表示部458に特定のロゴが刻印されているため、譬え、不正行為が行われた後に別の結束バンドを用いて元の状態に戻したとしても、結束バンドの種類が異なることから、不正行為が行われたことを把握させることができる。また、この結束バンド454は、蛍光色の部材からなるため、ケース部材400の中に配置された他の部材よりも目立たせることができ、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されたか否かを明瞭に認識させることが可能になる。また、ケース部材400は透明部材から形成されているため、画像表示体500によってケース部材400の前面が閉鎖された状態でも、結束バンド454の状態を、ケース部材400の外部から視認することができる。
また、図13に示すように、ユニット側透孔460は、穴部形成部材464の後端側に形成された切欠状の溝部460aと、その溝部460aに連通するとともにコネクタホルダー428に穿設された貫通孔460bとからなる。このため、図14に示すように、穴部形成部材464の中に、本体側透孔461を有する本体側ガイド部453を挿入させると、これらの貫通孔460b及び溝部460aと本体側透孔461とを通して結束バンド454を上下方向に挿通させるとともに、穴部形成部材464の外周面に沿って結束バンド454を締め付けることが可能になる。特に、コネクタホルダー428だけではなく穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタ425の奥側(連結部分側)に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を前方側(作業者側)に近づけることができ、作業性を向上することが可能になる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に形成された溝部460aは後端が開放された形状であることから、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、穴部形成部材464に形成された溝部460aの横幅寸法が、結束バンド454の横幅に略一致しているため、溝部460aに挿入された結束バンド454の動き、特に左右方向の遊動を防止することができる。つまり、穴部形成部材464によって結束バンド454の位置決めが行われるため、適切な位置に安定した状態で結束させることが可能になる。
また、図14に示すようにコネクタホルダー428の上面側には、ユニット側透孔460(特に貫通孔460b)に向って下り傾斜した進入ガイド部465が形成されており、結束バンド454を取着させる際、コネクタホルダー428の前側から貫通孔460bに向って結束バンド454の進入方向が案内される。このため、貫通孔460bがコネクタホルダー428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易に貫通孔460bに到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。
また、図13に示すように、穴部形成部材464の底面及び前面には送出ガイド部466が形成されており、ユニット側透孔460を挿通した後の結束バンド454の先端が、穴部形成部材464の前方に向って案内される。このため、貫通孔460bに挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。なお、送出ガイド部466は、略円弧状の誘導面467と、その誘導面467に沿って形成された堤部468とを具備して構成されている。このため、略円弧状の誘導面467に沿って結束バンド454を滑らかに送り出すことが可能になる。
なお、ユニット側コネクタ425等に接続されたハーネス424(図11参照)は、ユニット側透孔460の穿設方向と略平行に配線されている。具体的には、ハーネス424が、ユニット側コネクタ425等の取付方向に対して垂直である上方に向って繰出されている。このため、ユニット側透孔460に挿入される結束バンド454とハーネス424とが交差することを回避でき、ひいては結束バンド454による結束作業がハーネス424の存在によって困難となることを防止できる。
ところで、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とが合致された状態に保持されていても、ユニット側ガイド部452が形成されたコネクタホルダー428に対してユニット側コネクタ425等が着脱可能に取り付けられている場合には、結束バンド454を切断することなく、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から外すことが可能になる。
これに対し、本例によれば、図11に示すように、複数のユニット側コネクタ425等が、ネジ469によってコネクタホルダー428に取付けられているが、このネジ469は、図4に示すように、コネクタホルダー428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジ469を緩めることができなくなる。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取ること」が防止される。
一方、図9に示すように、外本体100では、本体側ガイド部453を形成したカバー体121が、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122等を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。特に、カバー体121は、コネクタ基板122等に対しネジ(図示しない)を用いて取付けられているが、そのネジは、コネクタホルダー428と対向する位置に穿設された透孔134aを通してねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジを緩めることができなくなる。つまり、ユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された状態では、ネジがねじ込まれた部分に対してドライバー等の工具を挿入させることができないようになっている。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ基板122等から外すこと」が防止される。
また、図4に示すように、遊技ユニット50におけるケース部材400内に棚状の仮止め棚418が形成されていることは前述した通りであるが、仮止め棚418におけるベンチ部433とベンチ側板434とによってコネクタホルダー428の可動範囲が制限されるようになっている。このため、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等に連結させる際に、まず、ベンチ部433及びベンチ側板434によってコネクタホルダー428の大まかな位置決めがなされ、その後、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452によって精度の高い位置決めがなされる。したがって、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452が視認し難い位置に配置されていても、これらを容易に合致させることが可能となり、ひいてはユニット側コネクタ425等の嵌合方向を円滑に案内することが可能となる。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟(図示しない)とを木ねじ等の固定部材で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに木ネジ(図示しない)を挿通させ、さらにドライバー等の工具で天窓部443越しに固定部材を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟(図示せず)の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟の同じ位置に固定部材の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図3に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133(図1参照)に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
続いて、連結具の他の例について、図45乃至図49に基づき説明する。ここで、図45は連結具80の作動状態を示す斜視図、図46は連結具80における要部の構成を示す斜視図、図47は連結具80の分解斜視図、図48は連結具80を裏側から見た背面図、図49は連結具80の作動状態を示す図48のA−A線相当断面図である。
図45乃至図47に示すように、連結具80は、画像表示体500の裏面に形成された溝状の収容部500b内に、大部分が埋込まれた状態で配置されている。つまり、画像表示体500の背面からあまり突出することない状態で設けられている。また、この連結具80は、ケース部材400が外本体100内に装着され、しかもケース部材400の開口が画像表示体500によって閉じられた状態では操作できないように、画像表示体500の回動外縁部分に設けられている。このため、画像表示体500を開いた状態で連結具80を止め軸703に連結することが必要となり、ひいてはロック片421の解除を忘れたまま連結具80を連結すること、すなわち扉形前面部材200及び画像表示体500が開けられなくなる事態が発生すること、を未然に防ぐことができる。
連結具80は、連結具700と同様、画像表示体500の回動外縁から突出し、先端側が止め軸703に対して回転自在に連結される樹脂製の連結杆800と、その連結杆800を、画像表示体500における回転軌跡の径方向に沿って摺動可能に支持する摺動案内部材801とを具備して構成されている。つまり、連結杆800を突出方向に対して出没可能に支持することにより、扉形前面部材200の回動に伴って扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が変化しても、連結杆800の摺動によって連結状態を保持することを可能にしている。
また、本例の連結具80には、画像表示体500と連結杆800との間に伸縮アーム820が介在されている。伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されており、伸縮アーム820が伸びると、図45(b)及び図49(b)に示すように、連結杆800が突出方向に飛び出した状態となり、一方、伸縮アーム820が縮むと、図45(a)または図49(a)に示すように、連結杆800が没入した状態となる。
次に、連結杆800、摺動案内部材801、及び伸縮アーム820の構成について詳細に説明する。連結杆800は、図47に示すように、全体的に略棒状の形状を呈し、基部800a側には円形の軸孔部800dが穿設され、先端側には長手方向が長径となる長孔形状の軸孔部800cが穿設されている。なお、基部800a側と先端側では上面の高さが等しいが、基部800a側から長手方向の略中央部分にわたって、高さ方向の厚みが約1/2となっており、底上げした形態となっている。つまり、基部800aの下部に空間を形成することにより、伸縮アーム820の一部をもぐり込ませることを可能にし、ひいては伸縮アーム820が折れ曲がった際に伸縮アーム820と基部800aとが部分的に重なりあっても、高さ方向の厚みが大きくなり過ぎないようになっている。特に、基部800aの側面(図49(b)では下側の面)には、半円状の切欠部800eが形成されており、後述する第二腕部820bの先端側に形成された連結部分の一部を収容可能としている。
また、連結杆800の先端側には、連結杆800の側面から回転軌跡の周方向に向って突出した突出補強部材800bが形成されている。この突出補強部材800bは、扉形前面部材200が開放位置から閉鎖位置に回動する際、すなわち扉形前面部材200を閉じる際、止め軸703(図41参照)が支持されたベース部材215aに当接し回転中心方向に押圧される位置に形成されている。このため、扉形前面部材200を閉じる際に、止め軸703のみによって連結杆800を押圧するものに比べ、止め軸703及び連結杆800に加わる荷重を分散することができ、荷重の集中による止め軸703または連結杆800の破損を抑制することができる。
一方、摺動案内部材801は、連結杆800を回転軌跡の径方向に案内するための部材であり、樹脂で形成され、画像表示体500に対向する面が開放された断面略コ字形の形状を呈するガイド部分801aと、その先端側の裏面縁部から上下方向に延出された一対のフランジ部801bとを具備して構成されている。なお、フランジ部801bは、図45に示すように、溝状の収容部500bからはみ出した状態で画像表示体500の裏面に取付けられており、夫々の中央部分には、取付けネジを挿通させるための貫通孔が穿設されている。
また、図47及び図49に示すように、摺動案内部材801の側面には、伸縮アーム820が貫通する長方形状の開口部801cが長手方向に沿って形成されており、特に、その中央部分には、伸縮アーム820の連結部分を収容可能とする半円形の切欠801dが底面にまで及んで形成されている。なお、この切欠801dは、連結杆800が没入状態となった場合に、連結杆800に形成された切欠800eと上下方向において合致する位置に形成されており、その重なった状態において連結部分が挿入されるようになっている。
伸縮アーム820は、画像表示体500の裏面に固定された支持軸830(図45参照)に対し一端側が軸支された第一腕部820aと、両端側が第一腕部820aの先端側及び連結杆800の基部800aに夫々軸支された第二腕部820bとからなり、「く」の字形に折れ曲がるように構成されている。さらに詳しく説明すると、第一腕部820aは、基端側に平面視C字形の支持環820cを備えており、支持軸830に対し回動可能に外嵌されている。なお、支持軸830の位置は、連結杆800の摺動直線上(すなわち摺動案内部材801の内部)から後側に逸脱した位置に設定されており、連結杆800が最も突出した状態(図49(b)参照)では連結杆800の長手方向と第一腕部820aの長手方向とが略平行となり、一方、連結杆800が没入した状態(図49(a)参照)では、第一腕部820aの先端側が連結杆800に食い込んだ状態となる。なお、第一腕部820aの先端側には、支持環820cと略同径の連結部分が形成され、その内部に軸孔部820dが形成されている。
第二腕部820bは、平面視が眼鏡形の形状を呈しており、その両端側には、軸孔部820dと同径の軸孔部820e,820fを有する連結部分が形成されている。そして、第一腕部820aの軸孔部820dと第二腕部820bの軸孔部820eとが回転軸821aを介して互いに回転可能に連結され、第二腕部820bの軸孔部820fと連結杆800の軸孔部800dとが回転軸821bを介して互いに回転可能に連結されている。なお、第二腕部820bの高さ方向の厚みは第一腕部820aよりも薄くなっており、連結杆800の下部に形成された空間に潜り込むことが可能になっている。
このように、伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されているため、折り畳まれると連結杆800の長手方向における寸法を短くすることが可能になる。特に、支持軸830が連結杆800の摺動直線上から外れた位置に配置されているため、伸縮アーム820を没入させる際、すなわち伸縮アーム820が折り畳まれる際、連結杆800を摺動案内部材801の一番奥まで挿入させることが可能となる。
ところで、連結杆800は、回転軸821bを中心として、画像表示体500の回転軌跡と同方向に所定範囲内で揺動可能に支持されている。また、図49に示すように、摺動案内部材801における内幅Mは、連結杆800の横幅Wよりも幾分大きくなるように設定されている。このため、揺動規制部805によって制限された回動範囲内で連結杆800を揺動させることができ、連結杆800の突出方向を変化させることが可能となる。したがって、扉形前面部材200の回動中に、画像表示体500の回動外縁に対する扉形前面部材200の相対位置が変化しても、連結杆800に無理な力が加わることを抑制でき、回動中における連結杆800の反りや破損を防止することができる。
なお、揺動規制部805は、摺動案内部材801の先端側に設けられており、連結杆800の突出長さが短くなるほど、揺動可能範囲が狭くなるように構成されている。つまり、画像表示体500の回動外縁側と扉形前面部材200の回動外縁側との距離は、扉形前面部材200の開放角度が大きくなるほど長くなる傾向にある(換言すれば、扉形前面部材200の開放角度が小さくなるほど短くなる傾向にある)が、これに対し本例では、扉形前面部材200が閉鎖位置に近づくほど揺動可能範囲が狭くなるため、夫々の開度状態に応じた適切な範囲内の揺動のみを許容することとなる。このため、扉形前面部材200の回動中における画像表示体500のガタツキを極力抑え、安定した状態で回動させることができる。
また、図45に示すように画像表示体500の回動外縁には、外方向に突出した制動部材500cが形成されている。また、連結杆800の側面には、突出補強部材800bとは反対側に突出した突出部800fが形成されており、図49(a)に示すように、画像表示体500が閉鎖位置になると(すなわち連結杆800が没入位置になると)、制動部材500cと突出部800fとが互いに当接するように位置が設定されている。これにより、画像表示体500が閉じられた際に連結杆800の揺動を阻止することが可能になり、ひいては画像表示体500が閉じられた使用可能状態では、画像表示体500を定位置に保持することができ、遊技中の振動による異音の発生を防止することができる。
また、図46に示すように、摺動案内部材801の基部側面には、弾性的な片持ち梁式のストッパ801sが形成されている。ストッパ801sは止め軸703から外した連結杆800を摺動案内部材801の内部に納めて保持するためのものであり、連結杆800の基部800a側の円形部分に係合して連結杆800の盲動を防止する。
このように、本例のスロットマシン1によれば、機種を変更する場合、外本体100及び扉形前面部材200をそのまま利用し、主制御基板409と周辺制御基板510とを含む、必要最小限の構成のみを交換することが可能になる。したがって、機種変更にかかる費用の負担を軽減するとともに、交換部分の小型化及び軽量化が図れることから運搬や設置における作業性が向上する。特に、ユニットごと交換することから、取扱いが容易となり、遊技店舗においても速やかに交換することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、主制御基板409及び周辺制御基板510に接続された複数のユニット側コネクタ425等が配置されており、本体側コネクタ124等に着脱可能に連結させることが可能になっている。特に複数の本体側コネクタ124等は、外本体100内で1箇所に集められて配置されており、一方、複数のユニット側コネクタ425等は、一つのコネクタホルダー428によって纏めて支持されているため、一回の操作によって、複数組のコネクタを同時に連結させることが可能となり、連結に関する作業性を高めることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、外本体100に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されているため、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、コネクタホルダー428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、二つのユニット側コネクタ425,427の嵌合を案内することができ、夫々のユニット側コネクタ及び本体側コネクタにガイド部を形成するものに比べ、比較的簡単な構成で実現することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を結束バンド454によって保持することから、結束バンド454の状態を視認させることにより、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等が外されたことを遊技店舗等において把握させることが可能になる。したがって、不正な行為によって制御の内容が変更されることを抑制でき、主制御基板409等における信頼性を確保することができる。特に、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることから、極めて簡単な構成で連結状態を保持することができるとともに、結束バンド454の状態によって不正な行為を容易に把握させることができる。なお、遊技店舗において旧機種の遊技ユニット50を取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428だけではなくユニット側ガイド部452となる穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタホルダー428の奥側に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を作業者側に近づけることができ、作業性を向上することができる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428の上面に進入ガイド部465が形成されているため、ユニット側透孔460がコネクタホルダー428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易にユニット側透孔460に到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。また、穴部形成部材464に送出ガイド部466が形成されているため、ユニット側透孔460に挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428に対してユニット側コネクタ425等を固定するネジ469が、コネクタホルダー428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したままユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取る、という不正操作が防止される。
また、本例のスロットマシン1によれば、カバー体121に本体側ガイド部453を形成することから、専用の本体側固定部材を別途設けなくても、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内することができ、全体の構成を一層簡単にすることができる。また、カバー体121は、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。また、カバー体121を固定するネジは、コネクタホルダー428と対向する位置にねじ込まれているため、本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ124から外すことが防止される。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にし、扉形前面部材200の横開き動作を前面開閉部材501に伝達する連結具80を備えているため、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部、特に結束バンド454の状態までも視認させることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ケース部材400の後面板内面に主制御基板409が組付けられ、その前方に配線作業空間408が形成されているため、ケース部材400の内部に組付けられた主制御基板409に対しての配線作業が容易となる。特に、配線作業空間408とユニット側コネクタ425等とを隣接させた状態で配置することが可能となるため、これらを繋ぐハーネスの長さが短くなるとともに、配線作業空間408内で容易に連結作業を行うことが可能になる。
さらに、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590が設けられているため、表示画面を比較的大きく形成し、迫力のある画像を明瞭に視認させることが可能になる。また、演出表示装置590に所定の演出を導出する周辺制御基板510が、前面開閉部材501の背面側に組付けられているため、演出表示装置590と周辺制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、ひいては取扱いが容易になるとともに、ケース部材400内での煩雑さを抑制できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、本体側コネクタ及びユニット側コネクタとして、二組のコネクタを連結させるものを示したが、三組以上のコネクタを連結させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本体側ガイド部453に突出部462を形成し、ユニット側ガイド部452に穴部463を形成するものを示したが、突出部と孔部との関係が逆になってもよい。つまり、本体側ガイド部に孔部を形成し、その孔部に挿入される突出部をユニット側ガイド部に形成するようにしてもよい。また、上記実施形態では、ユニット側ガイド部452及び本体側ガイド部453を一組のみ形成するものを示したが、二組形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、連結状態保持手段として結束バンド454を用いるものを示したが、コネクタ同士の連結状態が解除された際に痕跡の残るもの、すなわち、破壊や切断しなければ連結状態を解除できない部材であれば、採用することができる。例えば、封印シールを用いることも可能であり、これによれば、極めて簡単な構成で連結状態を保持することが可能になる。ただし、封印シールを用いると、遊技ユニット50を交換する場合に、コネクタに封印シールの痕跡が残ることから再利用が困難となる。
また、上記実施形態では、前面開閉部材501に演出表示装置590を組付けるもの、すなわち演出表示装置590を遊技ユニット50の一部として、交換可能に組込むものを示したが、演出表示装置590を扉形前面部材200に組付けるようにしてもよい。これによれば、演出表示装置590を共通部品として扱うことが可能になる。なお、同じ演出表示装置590を採用しても、演出表示装置590に表示される演出(より詳しくは演出表示装置590の表示領域に表示される演出のことであり、以下、演出表示装置590に表示されるという)を変化させることにより、コンセプトの異なった遊技機を提供することが可能になる。
また、上記実施形態の連結具700,80では、ロッド702及び連結杆800を、回転軌跡の径方向に摺動可能に支持し、扉形前面部材200の回動外縁と前面開閉部材501の回動外縁との距離の変化に応じて出没させるものを示したが、前面開閉部材501の回動軌跡を扉形前面部材200の回転軸を回転中心とする回転軌跡に確実に一致させるように構成した場合には、扉形前面部材200及び前面開閉部材501の回動外縁同士を、摺動することのない連結杆によって連結するようにしてもよい。
[遊技ユニットの交換]
遊技内容を変更する場合や、遊技機種を変更する場合には、外本体100及び扉形前面部材200に配設されている部材や電気部品を残してそのまま継続使用すると共に、遊技ユニット50のみを本体側(外本体100及び扉形前面部材200)に対して取り外し、新たな遊技ユニット50を外本体100の内部に収納固定することになる。以下、遊技ユニット50を交換する場合の具体的な作業手順を説明する。
[遊技ユニットの外本体100からの取り外し]
図2に示す扉形前面部材200の自由端側の一側の錠装置215にキー(鍵)を挿入して右回りに回すと錠が外れ、扉形前面部材200を外本体100から開放させることができる。扉形前面部材200を外本体100に対して手前に引くと、扉形前面部材200が回転軸100a(図1,図40参照)を中心として外本体100に対して内部を開放する方向に回動する。このとき、画像表示体500は、連結具700(図40及び図41参照)により、扉形前面部材200の支持片215bに支持された止め軸703の下端部分が、画像表示体500の固定鞘部材701内を摺動するロッド702に連結されていることにより、画像表示体500がヒンジ金具420(図39及び図40参照)を中心に扉形前面部材200と一体となって回動する。これにより、ケース部材400の開口部401が露出した状態となる。
次に、ケース部材400の開口部401に手を入れ、その奥の配線作業空間408内のコネクタホルダー428(図4参照)を配線中継部材113から外す。図4に示すように、コネクタホルダー428は左右のボタン形パネルファスナー432,432により配線中継部材113の支持筒128,128に固定されている。左右のボタン形パネルファスナー432,432を摘み、手前方向に5mmほど引くと、左右のボタン形パネルファスナー432,432と支持筒128,128との結合が外れる。そして、コネクタホルダー428の左右の取着片431,431を手で支持して手前方向に引くことにより、配線中継部材113のコネクタ124とコネクタホルダー428のコネクタ425とのコネクタ結合が外れると共に、配線中継部材113のコネクタ125とコネクタホルダー428のコネクタ427とのコネクタ結合が外れることにより、両コネクタ425,427を抜くことができる。配線中継部材113から取り外したコネクタホルダー428は、仮止め棚418のベンチ部433に配置するようにする(図8参照)。これにより、遊技ユニットを輸送中にコネクタホルダー428が移動したりすることがない。
次に、図1及び図26に示されている上部左右のストッパー117を遊技ユニットの内部から手で回してケース部材400の係止孔442(図7参照)に係合しない位置に回動させる(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。また、下部のストッパー117を図26において2点鎖線で示される位置に回動させて倒す(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。
次に、図41における拡大図に示す連結具700の止め軸703をスプリング703aの付勢に抗して上方に持ち上げることにより、止め軸703とロッドとの係合を解除した状態としまま、画像表示体500を、ヒンジ金具420を中心にケース部材400の開口部401を閉鎖する方向に回動させる。そして、画像表示体500でケース部材400の開口部401を閉鎖した状態とし、図6に示すロック片421を時計回りに回動させて、その先端を画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500をケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックする。これにより、遊技ユニット50が外本体100の仕切板105(図1参照)に載っただけの状態となる。
次いで、前述のように、ケース部材400の開口部401上縁と、閉じた状態の画像表示体500の上縁との間の隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出すことにより、遊技ユニット50をケース部材400と共に外本体100に対して手前方向に引き出す。以上のようにして、遊技ユニット50を外本体100から取り外す。なお、新たな遊技ユニット50を外本体100の開口の内部に収納固定する手順は逆となる。
[スロットマシンに配備される電気系統]
次に、スロットマシン1に配備される電気系統について説明する。スロットマシン1の制御構成は、図50乃至図52に示すように、遊技ユニット50側に配備された主制御基板409及び周辺制御基板510から構成されており、各種制御が分担されている。図50は遊技ユニット50(図5に示されているように図柄変動表示装置300+ケース部材400+画像表示体500よりなる)側に配備された主制御基板409(図3及び図6参照)及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された主中継基板122のブロック図である。また、図53は、配線中継部材113に収納される主中継基板122及び周辺中継基板123の正面図である。
[主中継基板122]
主中継基板122は、図53に示すように、電源基板112sとの接続用のコネクタCN1(以下、主中継基板122のコネクタCN1という)と、主制御基板409に繋がっているハーネス付きコネクタ425(図11参照)と接続されるコネクタ124(図9参照、以下、主中継基板122のコネクタCN2という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される主扉中継基板850と接続されるコネクタCN3(以下、主中継基板122のコネクタCN3という)と、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(図示せず)に対してスロットマシン1の遊技情報を出力するために中継する外部中継端子板131(図1参照)と接続されるコネクタCN4(以下、主中継基板122のコネクタCN4という)と、メダル放出装置110と接続されるコネクタCN5(以下、主中継基板122のコネクタCN5という)と、メダル用補助収納箱111の内部に配設されたメダル補助収納庫スイッチ111aと接続されるコネクタCN6(以下、主中継基板122のコネクタCN6という)と、扉開放検知スイッチ220と接続されるコネクタCN7(以下、主中継基板122のコネクタCN7という)とを備えている。主中継基板122は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。なお、以下の説明では、基板毎にコネクタがあるので、符号「CN」は異なる基板で重複することがある。
図50の電源基板112sは、AC24V(2つの端子)を入力として、主制御基板409のメモリのバックアップ電源や各種の直流作動電源(+30V電源、+12V電源、+24V電源)を生成し、主中継基板122のコネクタCN1に供給する。なお、符号FG(1つの端子)は、図示しない電源ハーネスを介して遊技島設備のアースに接続される。また、筐体FG端子(1つの端子)は、遊技機本体の金属部分にアースとして接続される。
図54は、主中継基板122のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6及びCN7のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図50及び図54に示すように、主中継基板122のコネクタCN1(対電源基板112s)は12ピンで構成されている。コネクタCN1の1番ピン〜5番ピンは何れもグランドGNDの中継入力である。6番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継入力であり、7番ピン及び8番ピンはいずれも+30V電源の中継入力であり、9番ピン及び10番ピンはいずれも+12V電源の中継入力であり、11番ピンは+24V電源の中継入力であり、12番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継入力である。
主中継基板122のコネクタCN4(対外部中継端子板131)は10ピンで構成されている。コネクタCN4の1番ピンは外部信号5の中継出力、2番ピンは外部信号4の中継出力、3番ピンは外部信号3の中継出力、4番ピンは外部信号2の中継出力、5番ピンは外部信号1の中継出力である。また、コネクタCN4の6番ピンはメダル払出信号の中継出力であり、7番ピンはメダル投入信号の中継出力である。さらに、コネクタCN4の8番ピン〜10番ピンは何れも+24V電源の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN5(対メダル放出装置110)は5ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはS+5V(センサ用+5V電源を意味する、以下、センサ用+5V電源という)の中継出力であり、2番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の中継入力であり、3番ピンはグランドGNDであり、4番ピンは遊技メダル払出ドライブ1の中継出力であり、5番ピンは遊技メダル払出ドライブ2の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN6(対メダル補助収納庫スイッチ111a)は2ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはオーバーフロースイッチ(メダル補助収納庫スイッチ111a)の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。また、主中継基板122のコネクタCN7(対扉開放検知スイッチ220)は2ピンで構成されている。コネクタCN7の1番ピンは扉開放検知スイッチ220の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。
図55は、主中継基板122のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図50及び図55に示すように、主中継基板122のコネクタCN3は30ピンで構成され、主扉中継基板850に接続されている。図50において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、主扉中継基板850及び主扉中継基板850にコネクタ接続されているメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(211a〜211c)及び打止め解除/エラー解除スイッチ215cは扉形前面部材200に配設されている(図59参照)。
図59は、スロットマシン1の扉形前面部材200の裏面図である。扉形前面部材200は、スロットマシンの外本体100(図1参照)の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けられている。つまり、扉形前面部材200は外本体100の前面一側の軸を回動軸として、回動可能となっている。図59に示すように、扉形前面部材200の裏面の略中央には、内部に主扉中継基板(図示せず)と扉装飾駆動基板(図示せず)を収納した扉基板収納ケース900が配設されている。また、扉形前面部材200の裏面下部の左右にはLスピーカ(左スピーカ)201aとRスピーカ(右スピーカ)201bとが配設されている。
また、図60は扉基板収納ケース900の斜視図である。図60に示すように、扉基板収納ケース900は、内部に扉装飾駆動基板860(符号のみ図示)を収納した四角形状をなした扉装飾駆動基板収納部分901の側部に、扉装飾駆動基板よりも小型の四角形状で、内部に主扉中継基板850(符号のみ図示)を収納した主扉中継基板収納部分902が一体に形成されている。
図50に示すように、主扉中継基板850にはメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、打止め解除/エラー解除スイッチ215cが接続されている。
図60において、符号903は扉基板収納ケース900の上面全体を覆う収納ケースカバーであり、主扉中継基板収納部分902の収納ケースカバー903の外面に、メダルセレクタ207に接続されたハーネス付きコネクタを接続するメダルセレクタ用接続コネクタ851(図50に示すように10ピンで構成)と、貯留メダル精算ボタン209に接続されたハーネス付きコネクタを接続する貯留メダル精算ボタン用接続コネクタ852(図50に示すように2ピンで構成)と、MAXベットボタン206に接続されたハーネス付きコネクタを接続するMAXベットボタン用接続コネクタ853(図50に示すように4ピンで構成)と、1ベットボタン205に接続されたハーネス付きコネクタを接続する1ベットボタン用接続コネクタ854(図50に示すように2ピンで構成)と、始動レバー210に接続されたハーネス付きコネクタを接続する始動レバー用接続コネクタ855(図50に示すように3ピンで構成)と、リール停止ボタン211に接続されたハーネス付きコネクタを接続するリール停止ボタン用接続コネクタ856(図50に示すように8ピンで構成)と、打止め解除/エラー解除スイッチ215cに接続されたハーネス付きコネクタを接続する打止め解除/エラー解除スイッチ用接続コネクタ857(図50に示すように2ピンで構成)と、主として主扉中継基板850から本体側の主中継基板122へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材858(30ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
主扉中継基板850と主中継基板122との接続は、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、主中継基板122のコネクタCN3(図50及び図53参照)にハーネス付きコネクタ910(図9参照)の他端を接続する。
図55に示すように、主中継基板122のコネクタCN3の1番ピンは+24V電源の中継出力であり、2番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継出力であり、3番ピンはグランドGNDである。4番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ用+5V電源の中継出力であり、5番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ1)信号の中継入力であり、6番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ2)信号の中継入力であり、7番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチの信号の中継入力であり、8番ピンはグランドGNDである。
9番ピンは貯留メダル精算ボタン209(貯留メダル精算スイッチ)のスイッチ信号の中継入力であり、10番ピンはグランドGNDである。11番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、12番ピンはMAXベットボタン206(貯留メダル投入スイッチ2)のスイッチ信号の中継入力であり、13番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継出力であり、14番ピンはグランドGNDである。15番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、16番ピンは1ベットボタン205(貯留メダル投入スイッチ1)のスイッチ信号の中継入力であり、17番ピンはグランドGNDである。18番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサのセンサ用+5V電源の中継出力であり、19番ピンはグランドGNDであり、20番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の中継入力である。
21番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継入力であり、22番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継入力であり、23番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継入力であり、24番ピンはグランドGNDである。25番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、26番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継出力であり、27番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継出力であり、28番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継出力である。29番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、30番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継入力である。
[主中継基板122と主制御基板409とのコネクタ接続]
図50に示すように、主中継基板122のコネクタCN2は主制御基板409のコネクタCN1と接続される(図53のコネクタ124と図11のハーネス424付きのコネクタ425との接続を介して接続される)。主中継基板122のコネクタCN2及び主制御基板409のコネクタCN1は、64ピンで構成されている。
図56は、主中継基板122のコネクタCN2のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図であり、図57は、主制御基板409のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。なお、図56の主中継基板122のコネクタCN2のピン番号と図57の主制御基板409のコネクタCN1のピン番号とは同一の番号同士が対応している。
主制御基板409のコネクタCN1の1番ピンは外部信号5の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の1番ピンは外部信号5の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の2番ピンは外部信号4の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の2番ピンは外部信号4の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の3番ピンは外部信号3の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の3番ピンは外部信号3の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の4番ピンは外部信号2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の4番ピンは外部信号2の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の5番ピンは外部信号1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の5番ピンは外部信号1の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の6番ピンはメダル払出信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の6番ピンはメダル払出信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の7番ピンはメダル投入信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の7番ピンはメダル投入信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の8番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の8番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の9番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の9番ピンは遊技メダル投払出カウントスイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の10番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の10番ピンもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の15番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の15番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号(メダル補助収納庫スイッチ111aのスイッチ信号)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の18番ピン〜23番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の18番ピン〜23番ピンも何れもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号(貯留メダル精算ボタン209)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号(1ベットボタン205)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号(MAXベットボタン206)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の31番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の31番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の33番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の33番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の34番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の34番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の35番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の35番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の43番ピン〜49番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の43番ピン〜49番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の57番ピン〜60番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の57番ピン〜60番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の中継出力である。
[主制御基板]
図51は遊技ユニット50に配備された主制御基板409及び周辺制御基板510のブロック図である。図50に示すように、主制御基板409には、前述の主中継基板122が接続される他、12ピンで構成されるコネクタにより遊技状態表示基板450が接続され、24ピンで構成されるコネクタを介してリール主中継基板315(図23参照)が接続され、1個が8ピンで構成されるコネクタ2個により機能分離中継端子板441が接続されている。なお、図示されていないが、遊技状態表示基板450にはクレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ等が設けられている。リール主中継基板315には、左リールモータ321aに対応したリールモータ中継基板(図25の符号326)が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、中リールモータ321bに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、右リールモータ321cに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続されている。
主制御基板409は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての主制御MPU、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート、上述した、左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cに駆動信号を出力するドライブ回路、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定キー(鍵穴)、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ等を備えて構成されている。主制御MPUには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUは、上述した、1ベットボタン205、MAXベットボタン206、貯留メダル精算ボタン209、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、メダルセレクタ207(ロックアウトソレノイド、通過センサ、レバーセンサ)、扉開放検出スイッチ220、メダル放出装置110の遊技メダル払出カウントスイッチ及びメダル用補助収納箱111のメダル補助収納庫スイッチ111aからの検出信号が主制御I/Oポートを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、ロックアウトソレノイド、クレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ及びメダル放出装置110の駆動手段への駆動信号を、主制御I/Oポートを介して、出力する。
また、主制御MPUは、主制御I/Oポート及びリール主中継基板315、各リールモータ中継基板を介して左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ回転させる左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cへの駆動信号を出力したり、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの原位置をそれぞれ検出する左リール位置センサ(図25の符号325)、中リール位置センサ及び右リール位置センサからの検出信号が入力されたりする。
主制御MPUは、主制御I/Oポートを介して、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ、打止め解除/エラー解除スイッチ215cからの信号が入力されたり、メダル払出信号、メダル投入信号や遊技ステータス等を外部中継端子板131に出力したりする。
「設定スイッチ/エラー解除」
設定スイッチ/エラー解除は設定キーの状況によって役割が変わる。設定キーがOFFのときは(遊技可能状態)、エラー解除スイッチとして機能する。一方、設定キーがONのときは(設定変更状態)、設定スイッチとして機能する。
[設定キーと設定スイッチ/エラー解除]
次に、スロットマシン1の設定の変更手順について説明する。まず、スロットマシン1を電源OFFの状態とし、その状態で設定キースイッチを操作する。詳しくは、設定キースイッチに所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチにキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源ユニットの電源スイッチを操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定がクレジット表示部に表示される(例えば、設定1の場合にはクレジット表示部に「1」が表示される)。次に、設定スイッチを操作する。設定スイッチを操作すると、クレジット表示部に表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が6の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このように設定スイッチを操作して、クレジット表示部に所望の設定の値が表示されると、始動レバー210を操作する。始動レバー210を操作することによって、設定が確定する。キーを左へ90度回転させ、設定キースイッチに差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値で遊技機が動作する。
[打止め有無スイッチ]
まず、「打止め」とはボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない状態にすることである。打止め有無スイッチはボーナスゲームが終了した後に「打止め」にするか、それとも継続してゲームを行うことを許容するかを決定するスイッチである。
[精算有無スイッチ]
「精算」とはボーナスゲームが終了した後にクレジットを精算、つまりクレジット分のメダルを払い出すことを意味する。精算有無スイッチは、ボーナスゲームが終了した後に「精算」にするか、それとも「精算」しないかを決定するスイッチである。
外部中継端子板131(図50参照)は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、メダル投入信号によりスロットマシン1に投入されたメダルの枚数を把握し、メダル払出信号によりスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を把握し、遊技ステータスによりスロットマシン1の遊技状態等を把握することによって、計数管理を行っている。
図51において、主制御基板409には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより機能分離中継端子板441が接続されている。また、機能分離中継端子板441には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより後述する周辺制御基板510が接続されている。なお、矢印のついていない8ピンで構成されるコネクタは電源中継用であり、グランドGNDが4ピン、+12V電源が2ピン、+30V電源が2ピンで構成されている。また、主制御基板409→機能分離中継端子板441→周辺制御基板510というように、矢印付きで示される8ピンで構成されるコネクタは遊技に関する各種コマンド送信用であり、パラレルデータ(コマンド)D0〜D3の4ピン、SEL(セレクト信号)が1ピン、WR(ライト信号)が1ピン、停電予告信号が1ピン、グランドGNDが1ピンで構成されている。主制御MPUは、遊技に関する各種コマンドを、主制御I/O及び機能分離中継端子板441を介して、後述する周辺制御基板510に送信するようになっている。
[周辺制御基板510]
周辺制御基板510は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM、一時的にデータを記憶する周辺制御RAM、高音質の演奏を行う音源IC、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMを備えて構成されている。前記周辺制御MPUは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵している。本実施形態では、周辺制御基板510に画像表示体500を表示制御するVDP等を備えた液晶制御基板がコネクタ同士で直接接続(基板対基板コネクタで接続)され、さらに図示していないが、液晶制御基板に、液晶モジュール(演出表示装置)590に表示する各種画像を記憶する画像ROMを備えた液晶データROM基板と液晶モジュール(演出表示装置)590に対するドライバを備えた液晶出力基板とがコネクタ同士でそれぞれ直接接続(各々が基板対基板コネクタで接続)されている。
周辺制御基板510には、前述の機能分離中継端子板441が2個の8ピンで構成されたコネクタで接続される他、24ピンで構成されるコネクタによりパネル装飾中継基板594が接続され、さらに本体側に配設されている後述の周辺中継基板123と、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。
周辺制御基板510と基板対基板コネクタで接続された上述の液晶制御基板には、30ピンで構成されるコネクタにより液晶モジュール590(実施形態における演出表示装置を構成)が接続され、3ピンで構成されるコネクタにより液晶インバータ基板592が接続され、2ピンで構成されるコネクタにより画像表示体500のファンモータ593が接続されている。また、液晶制御基板には、1ピンで構成されるコネクタにより、液晶モジュール590の裏面の金属板521に接触する金具522に接続されたアース線527(図20参照)の他端が接続され、電気的に接地された状態となっている(グランドGNDに接続されている)。さらに、液晶インバータ基板592は、液晶モジュール590に対して1つが2ピンで構成されるコネクタ4個によって接続され、液晶インバータ基板592は+30V電源を入力として+200V程度のバックライト用作動電圧を昇圧生成し、液晶モジュール590に与える。
パネル装飾中継基板594には、2ピンで構成されるコネクタにより上パネル照明LED基板595が接続され、5ピンで構成されるコネクタによりバックライト中継基板318(図23参照)が接続されている。そして、バックライト中継基板318には、1つが2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して、左リール301a(第1回胴)に対応したバックライト基板(図25のバックライト322aが配置された円弧状の基板)が接続されている。同様に、バックライト中継基板318には、中リール301b(第2回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続され、右リール301c(第3回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続されている。
[周辺制御基板510と周辺中継基板123とのコネクタ接続]
図52は遊技ユニット50側に配備された周辺制御基板510及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された周辺中継基板123のブロック図である。周辺制御基板510と周辺中継基板123とは、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。また、周辺中継基板123は、先に示した図53に示されている。
[周辺中継基板123]
周辺中継基板123は、図53に示すように、周辺制御基板510に繋がっているハーネス付きコネクタ427(図11参照)と接続されるコネクタ125(図9及び図53参照、以下、周辺中継基板123のコネクタCN1という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される扉装飾駆動基板860と接続されるコネクタCN2(以下、周辺中継基板123のコネクタCN2という)と、低音スピーカ(図1の外本体100内部の下部に配置されているメダル放出装置110の後方位置において背板104に配設されているスピーカ、図30参照)と接続されるコネクタCN3(以下、周辺中継基板123のコネクタCN3という)とを備えている。周辺中継基板123は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN1は周辺制御基板510のコネクタCN3と接続される(図53のコネクタ125と図11のハーネス426付きのコネクタ427との接続を介して接続される)。周辺中継基板123のコネクタCN1及び周辺制御基板510のコネクタCN3は、20ピンで構成されている。
図58は、周辺制御基板510のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の1番ピンは−SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の1番ピンは−SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の2番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の2番ピンは+SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の3番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の3番ピンは−SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の4番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の4番ピンは+SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の5番ピンは−SPK−Lであり(Lスピーカ201aのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の5番ピンは−SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ201aのマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の6番ピンは+SPK−Lであり(Lスピーカ201aのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の6番ピンは+SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ201aのプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の7番ピンは−SPK−Rであり(Rスピーカ201bのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の7番ピンは−SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ201bのマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の8番ピンは+SPK−Rであり(Rスピーカ201bのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の8番ピンは+SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ201bのプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の9番ピン及び10番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンもグランドGNDである。周辺制御基板510のコネクタCN3の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の出力であり、周辺中継基板123のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の中継入力である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の13番ピン及び14番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンもグランドGNDである。
周辺制御基板510のコネクタCN3の15番ピンはS−LATCHの出力であり(ラッチ信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の15番ピンはS−LATCHの中継入力である(ラッチ信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の16番ピンはS−MODEの出力であり(モード信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の16番ピンはS−MODEの中継入力である(モード信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の17番ピンはS−CLKの出力であり(クロック信号の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の17番ピンはS−CLKの中継入力である(クロック信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の18番ピンはS−DATAであり(シリアルの点灯データの出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはS−DATAの中継入力である(シリアルの点灯データの中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の19番ピンはSEL1であり(セレクト信号1の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはSEL1の中継入力である(セレクト信号1の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の20番ピンはSEL0であり(セレクト信号0の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の20番ピンはSEL0の中継入力である(セレクト信号0の中継入力である)。
また、図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は20ピンで構成され、扉装飾駆動基板860に接続されている。図52において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、扉装飾駆動基板860、トップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ(左スピーカ)201a、Rスピーカ(右スピーカ)201b及び下パネル照明点灯基板876に接続されている下パネル照明877は、扉形前面部材200に配設されている。
図52に示すように、扉装飾駆動基板860にはトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ201a、Rスピーカ201bが接続されている。このように、扉形前面部材200に配設された扉側装飾発光体(後述)の点灯駆動を行う扉装飾駆動基板860が周辺制御基板510とは別体とされて扉形前面部材200に配設されている。
図60に示すように、扉基板収納ケース900の扉装飾駆動基板収納部分901の収納ケースカバー903の外面に、トップ装飾基板871に接続されたハーネス付きコネクタを接続するトップ装飾基板用接続コネクタ861(図52に示すように12ピンで構成)と、左上装飾基板872に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左上装飾基板用接続コネクタ862(図52に示すように13ピンで構成)と、左下装飾基板873に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左下装飾基板用接続コネクタ863(図52に示すように6ピンで構成)と、右上装飾基板874に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右上装飾基板用接続コネクタ864(図52に示すように13ピンで構成)と、右下装飾基板875に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右下装飾基板用接続コネクタ865(図52に示すように6ピンで構成)と、下パネル照明点灯基板876に接続されたハーネス付きコネクタを接続する下パネル照明点灯基板用接続コネクタ866(図52に示すように2ピンで構成)と、Lスピーカ201aに接続されたハーネス付きコネクタを接続するLスピーカ用接続コネクタ867(図52に示すように2ピンで構成)と、Rスピーカ201bに接続されたハーネス付きコネクタを接続するRスピーカ用接続コネクタ868(図52に示すように2ピンで構成)と、扉装飾駆動基板860から本体側の周辺中継基板123へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材859(20ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
[周辺中継基板123と扉装飾駆動基板860とのコネクタ接続]
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は周辺制御基板510のコネクタCN1と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN2及び周辺制御基板510のコネクタCN2は、20ピンで構成されている。
扉装飾駆動基板860と周辺中継基板123との接続は、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、周辺中継基板123のコネクタCN2(図53参照)にハーネス付きコネクタ920(図9参照)の他端を接続する。
図58においては周辺中継基板123のコネクタCN2のみを示し、扉装飾駆動基板860のCN1は図示を省略している。周辺中継基板123のコネクタCN2の1番ピンはSEL0の中継出力であり(セレクト信号0の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の1番ピンはSEL0の入力である(セレクト信号0の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の2番ピンはSEL1の中継出力であり(セレクト信号1の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の2番ピンはSEL1の入力である(セレクト信号1の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の3番ピンはS−DATAの中継出力であり(シリアルの点灯データの中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の3番ピンはS−DATAの入力である(シリアルの点灯データの入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の4番ピンはS−CLKの中継出力であり(クロック信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の4番ピンはS−CLKの入力である(クロック信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の5番ピンはS−MODEの中継出力であり(モード信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の5番ピンはS−MODEの入力である(モード信号の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の6番ピンはS−LATCHの中継出力であり(ラッチ信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の6番ピンはS−LATCHの入力である(ラッチ信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の7番ピン及び8番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の7番ピン及び8番ピンもグランドGNDである。周辺中継基板123のコネクタCN2の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の中継出力であり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の入力である。周辺中継基板123のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンもグランドGNDである。
周辺中継基板123のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ201bのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの入力である(Rスピーカ201bのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ201bのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの入力である(Rスピーカ201bのマイナス入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ201aのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの入力である(Lスピーカ201aのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ201aのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの入力である(Lスピーカ201aのマイナス入力である)。
[周辺中継基板123と低音スピーカ221とのコネクタ接続]
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3は低音スピーカ221と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN3は4ピンで構成されている。図58に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3の1番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の2番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、同コネクタCN3の3番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の4番ピンは−SPK−W2である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力である)。
[扉形前面部材200の各装飾基板の配置]
上述のトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876の各配設位置を図2において示す。トップ装飾基板871は、扉形前面部材200の前面上半部に配されている透明板214aの左右方向に向いた上辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左上装飾基板872は、透明板214aの上下方向に向いた左辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左下装飾基板873は、各リール停止ボタン211a〜211cの下方に配置された意匠板230(透明な樹脂製の板に遊技機種を象徴させるキャラクタ等が印刷されている部材)の左側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。右上装飾基板874は、透明板214aの上下方向に向いた右辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。右下装飾基板875は、意匠板230の右側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。下パネル照明点灯基板876及び下パネル照明877は、意匠板230の背後に配置されている。なお、下パネル照明点灯基板876はインバータで構成され、下パネル照明877は冷陰極管で構成され、意匠板230を背後から照明する。
[周辺制御基板510による制御]
図51に示されているサブ制御ブロックは、図51において点線で区切られている部分及び図52に記載されている周辺中継基板123に接続されているドアブロック部分と低音スピーカ221で構成されている。図52の周辺制御基板510の周辺制御MPUは、主制御基板409から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、前述の上パネル照明LED基板595やバックライト基板(第1回胴〜第3回胴)の発光ダイオードを点灯する点灯信号を出力したり、前述の左上装飾基板872に配設された発光体及び左下装飾基板873に配設された発光体で構成された左発光体217A(後述)、右上装飾基板874に配設された発光体及び右下装飾基板875に配設された発光体により構成された右発光体217B(後述)を階調点灯する階調点灯信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉形前面部材200の裏面に配置した、周辺制御基板510と別体に設けた扉装飾駆動基板860を介して出力したり、上述したトップ装飾基板871に配設された上発光体217C(後述)を点滅する点滅信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉装飾駆動基板860を介して出力したりする。
なお、左発光体217A及び右発光体217Bへの点滅信号や上発光体217Cへの階調点灯信号は、前述の周辺制御MPUのシリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期して出力されたシリアルデータS−DATA(点灯制御用データに相当する)と、パラレル入出力ポートから出力されたモード信号S−MODE、ラッチ信号S−LATCH及びセレクト信号SEL0,SEL1と、に基づいて、扉装飾駆動基板860が左発光体217A、右発光体217B及び上発光体217Cに出力するようになっている。
周辺制御基板510と基板対基板コネクタで接続された液晶制御基板のVDPは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて画像ROMから画像を読み出して液晶モジュール590の表示制御を行う。液晶モジュール590にはバックライト(冷陰極管)が内蔵されており、液晶インバータ基板592によって点灯されている。
周辺制御基板510の音源ICは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて音ROMから音情報を読み込み、周辺中継基板123を中継して接続された低音スピーカ221と、扉装飾駆動基板860を介して扉型前面部材200のLスピーカ201a,Rスピーカ201bとから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[扉装飾駆動基板860]
次に、扉装飾駆動基板860について説明する。図61は扉装飾駆動基板の簡易的な回路図である。扉装飾駆動基板860は、図61に示すように、セレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cを備えて構成されており、ここでは、まず扉装飾駆動基板860に入力される各種信号について説明し、続けてセレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cについて説明する。なお、図61では、セレクト回路860a等に供給される制御電圧である直流+5ボルト(V)や左発光体217A等に供給される駆動電圧である直流+12Vの図示を省略した。
[扉装飾駆動基板860に入力される各種信号]
扉装飾駆動基板860は、図61に示すように、周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)からクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAが入力されている。クロック信号S−CLKは、本実施形態では1秒(s)あたり250kb(キロビット)の情報が出力できるように設定されている。
シリアルデータS−DATAは、データの形式の異なる、左発光体217A及び右発光体217Bを階調点灯する階調点灯データと、上発光体217Cを点滅する点滅データとが含まれている。ここで階調点灯データは、階調データ及び点灯データから構成されている。なお、これらの点滅データ及び階調点灯データは、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶されており、周辺制御MPUが必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力するようになっている。
扉装飾駆動基板860には、クロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATAのほかに、周辺制御MPU(パラレル入出力ポート)からセレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが入力されている。セレクト信号SEL0,SEL1は、周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力されているシリアルデータS−DATAが点滅データであるか階調点灯データであるかをスイッチ回路860bに伝える信号であり、モード信号S−MODEは、階調点灯データが階調データであるか点灯データであるかを駆動回路860cに伝える信号であり、ラッチ信号S−LATCHは、駆動回路860cが取り込んだシリアルデータS−DATAに基づいて、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたり、上発光体217Cに点滅信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたりする信号である。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間の配線は、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタの一端が周辺制御基板510のコネクタCN3(20ピン)に接続され、図11に示すように前記ハーネス(426)付きコネクタの他端427がコネクタホルダー428に取り付けられると共に(以上の構成が遊技ユニット側)、配線中継部材113に収められた周辺中継基板123のコネクタ125(図52及び図53ではCN1、20ピン)(外本体100側)と接続されている。そして、図9に示すように、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタ920の一端が、周辺中継基板123のコネクタCN2(20ピン)に接続され、ハーネス付きコネクタ920の他端が、扉形前面部材200に引き伸ばされて扉装飾駆動基板860のコネクタCN1(20ピン)と接続されている(図60では符号859、図52参照)。これらのハーネスを介して、周辺制御MPUからのクロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATA、セレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが扉装飾駆動基板860に伝わるようになっている。
[セレクト回路860a]
セレクト回路860aは、図61に示すように、インバータIC1A,IC1B(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC14)、論理積IC2A,IC3A(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC08)を備えて構成されている。
インバータIC1A,IC1Bの各々は、8つの反転回路を備えており、その2つ(IC1A,IC1B)にセレクト信号SEL0,SEL1がそれぞれ入力されている。論理積IC2A,IC3Aは、4つの論理積回路を備えている(なお、後述のIC2B〜IC2D、IC3B〜IC3Dも同様)。インバータIC1Aの入力端子1に入力されたセレクト信号SEL0は、入力された論理を反転して出力端子2から反転セレクト信号SEL0′として出力され、論理積IC2Aの入力端子2に入力されている。論理積IC2Aの入力端子1にはセレクト信号SEL1が入力されており、論理積IC2Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
インバータIC1Bの入力端子3に入力されたセレクト信号SEL1は、入力された論理を反転して出力端子4から反転セレクト信号SEL1′として出力され、論理積IC3Aの入力端子2に入力されている。論理積IC3Aの入力端子1にはセレクト信号SEL0が入力されており、論理積IC3Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
[スイッチ回路860b]
セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されるスイッチ回路860bは、図61に示すように、論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dを備えて構成されている。論理積IC2B,IC3Bの入力端子4にはシリアルデータS−DATAが入力され、論理積IC2B,IC3Bの入力端子5にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2B,IC3Bは論理積回路であるため、入力端子4,5の論理積をとってその演算結果が出力端子6から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを駆動回路860cに出力することがなくなる(意図しないシリアルデータS−DATAが駆動回路860cに出力されることを防止する)。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2C,IC3Cの入力端子9にはクロック信号S−CLKが入力され、論理積IC2C,IC3Cの入力端子10にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2C,IC3Cは論理積回路であるため、入力端子9,10の論理積をとってその演算結果が出力端子8から駆動回路800cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せず、かつ論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたクロック信号S−CLKを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はクロック信号S−CLKのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2D,IC3Dの入力端子12にはラッチ信号S−LATCHが入力され、論理積IC2D,IC3Dの入力端子13にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2D,IC3Dは論理積回路であるため、入力端子12,13の論理積をとってその演算結果が出力端子11から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたラッチ信号S−LATCHを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はラッチ信号S−LATCHのノイズ対策としての役割も担っている。
[駆動回路860c]
スイッチ回路860bの論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dによる演算結果が入力される駆動回路860cは、図61に示すように、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6を備えて構成されている。
[点滅制御IC4]
点滅制御IC4は、本実施形態では、東京芝浦電気製のTB62709を用いている。このTB62709は、定電流ドライバであり、発光ダイオード等を直接駆動することができる。点滅制御IC4のDATA−IN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、点滅制御IC4のCLOCK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、点滅制御IC4のLOAD端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。なお、点滅制御IC4で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、点滅データとなるようになっている。
このように、点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATA(点滅データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(点滅データ)に基づいて、OUT−a端子〜OUT−g端子から上発光体217Cに点滅信号を出力する。この点滅信号は定電流であり、この定電流が上発光体217Cに流れて上発光体217Cが点灯又は点滅する。
[左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6]
左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、本実施形態では、テキサス・インスツルメント(TI)製のTLC5922を用いている。このTLC5922には16チャンネルの出力があり、各出力チャンネルは個別のON/OFF制御に加え、チャンネルごとに、0〜80ミリアンペア(mA)の範囲でプログラム可能な定電流を流すことができる(これらの設定はMODE信号に基づいて行われる)。また、1個の外付け抵抗(図示しない)により最大出力電流を設定し、この最大出力電流に対して、0〜127の128段階で出力電流を、チャンネルごとに出力することができる。
左側用階調制御IC5のSIN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のSCLK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のXLAT端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。また、左側用階調制御IC5のSOUT端子と右側用階調制御IC6のSIN端子とが電気的に接続されており、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6がデイジーチェーン接続されている。これにより、左側用階調制御IC5のSIN端子に入力されたシリアルデータS−DATAはSOUT端子から右側用階調制御IC6のSIN端子に入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6はシリアルデータS−DATAを取り込むことができる。左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のMODE端子には、モード信号S−MODEが入力されている。なお、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、階調データ及び点灯データから構成された階調点灯データとなるようになっている。
このように、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATA(階調点灯データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(階調点灯データ)に基づいて、左側用階調制御IC5はそのOUT0端子〜OUT15端子から左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6はそのOUT0端子〜OUT15端子から右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。この階調点灯信号は、設定された階調データに基づいて最大出力電流に対して0〜127段階の電流が左発光体217A及び右発光体217Bに流れて左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
[点滅データ及び階調点灯データの出力シーケンス]
次に、上述した周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力するシリアルデータS−DATAの出力シーケンスについて説明する。このシリアルデータS−DATAは、上述したように、点滅データ及び階調データにより構成されており、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして複数記憶されている。周辺制御MPUは、必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力する。
図62はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。周辺制御基板510の周辺制御MPUは、図62に示すように、パラレル入出ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIにして出力するとともに、セレクト信号SEL1の論理をLOWにして出力する(タイミングT0)。セレクト信号SEL0の論理をHI、セレクト信号SEL1の論理をLOWにすることでシリアルデータS−DATAが点滅データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT0の後、点滅データの出力シーケンスを開始し(タイミングT1)、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである点滅データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図61に示した、扉装飾駆動基板860の点滅制御IC4が点滅データを取り込む。その後、シリアル入出力ポートから点滅データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力することによって、点滅制御IC4は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力し、上発光体217Cが点灯又は点滅する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をLOWからHIにして出力する(タイミングT2)。これにより、点滅データの出力シーケンスが完了する。
タイミングT2の後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIからLOWにして出力し、階調点灯データの出力シーケンスを開始する(タイミングT3)。セレクト信号SEL0の論理をLOW、セレクト信号SEL1の論理をHIにすることでシリアルデータS−DATが階調データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT3の後、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである階調データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図61に示した扉装飾駆動基板860の左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6が階調点灯データを取り込む。このとき、モード信号S−MODEの論理がHIとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち階調データを取り込む。
シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち階調データをすべて出力すると、図示しないが、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWからHIにして出力し、その後、ラッチ信号S−LATCHの論理をHIからLOWにして出力する。そしてパラレル入出力ポートからモード信号S−MODEの論理をHIからLOWにする。このとき、モード信号S−MODEの論理がLOWとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち点灯データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち点灯データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をLOWからHIにすることによって、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ階調データに基づいて、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をHIからLOWにして出力する(タイミングT4)。これにより、階調点灯データの出力シーケンスが完了する。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1は、周辺制御基板510、扉装飾駆動基板860を備えている。周辺制御基板510は、シリアル入出力ポート及びパラレル入出力ポートが内蔵されたマイクロプロセッサである周辺制御MPUを実装する。扉装飾駆動基板860は、周辺制御基板510と別体に設けられており、周辺制御MPUのシリアル入出力ポートから出力されたシリアルデータS−DATAに基づいて、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
扉装飾駆動基板860は、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6、セレクト回路860aを備えている。点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATAの点滅データを取り込み、かつ、上発光体217Cに点滅信号を出力する。左側用階調制御IC5は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、左発光体217Aに階調点灯信号を出力する。右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから出力されたセレクト信号SEL0,SEL1に基づいて、シリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替える。
シリアルデータS−DATAは、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データとから構成されており、点滅データと階調点灯データとの形式が異なっている。
このように、シリアルデータS−DATAは、データの形式が異なる、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データと、から構成されており、セレクト回路860aが、そのシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替えている。したがって、取り込むシリアルデータS−DATAの形式が異なる、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6を備えても、1つのシリアルデータS−DATAとして取り扱うことができる。
点滅制御IC4は、点滅データを取り込み、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調データ及び点灯データから構成された階調データを取り込み、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
シリアルデータS−DATAは、形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データから構成されており、セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから2本のセレクト信号SEL0,SEL1が入力されており、セレクト信号SEL0の論理がHIであり、かつ、セレクト信号SEL1の論理がLOWであるときには点滅データを点滅制御IC4に出力する一方、セレクト信号SEL0の論理がLOWであり、かつ、セレクト信号SEL1がHIであるときには階調点灯データを、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力する。
こうすれば、1つのシリアルデータS−DATAで、点滅制御IC4に点滅データ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に階調点灯データを、セレクト回路860aに入力された、セレクト信号SEL0,SEL1によって出力することができる。これにより、点滅制御IC4は取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力することができ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は取り込んだ階調点灯データに基づいて、左側用階調制御IC5が左発光体217Aに階調点灯信号を出力することができ、右側用階調制御IC6が右発光体217Bに階調点灯信号を出力することができる。
更に、セレクト回路860aに入力されるセレクト信号SEL0,SEL1の論理が共にHI又はLOWであるとき、つまり同論理であるときには、スイッチ回路860bによる点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6へのシリアルデータS−DATA、クロック信号S−CLK及びラッチ信号S−LATCHの出力は行われない。セレクト信号SEL0,SEL1にノイズが侵入すると、その論理が同一(同論理)になる性質がある。この性質を利用して、セレクト回路860aに入力されたセレクト信号SEL0,SEL1の論理が同論理になると、スイッチ回路860bが、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力しなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
以上に説明したように、遊技ユニットを外本体100の開口109の内部に着脱交換するに際し、コネクタホルダー428を配線中継部材113に着脱可能に結合することにより、コネクタホルダー428のコネクタ425(主制御系配線類接続用コネクタ)と主中継基板122のコネクタ124(主中継用コネクタ)とが接離可能に接続され、かつコネクタホルダー428のコネクタ427(周辺制御系配線類接続用コネクタ)と周辺中継基板123のコネクタ125(周辺中継用コネクタ)とが接離可能に接続されるので、接続に供するコネクタの数が2つで済むから、接続に供するコネクタの数を減らすことができ、機種交換に際して、機種に依存しない本体部分に対して機種に依存する部分としての遊技ユニットの分離/結合の作業を容易に行うことができる。
周辺制御基板510のマイクロプロセッサ(周辺制御MPU)のシリアル出力ポートから点灯制御用データをシリアルデータで出力し、扉装飾駆動基板860の駆動回路860cへシリアル通信により送信する構成としたので、周辺中継基板123から扉装飾駆動基板860に至るまでのハーネスの本数を減らすことができ(点灯制御用データを伝達するに要する信号線をS−DATAの1つとすることができる結果)、扉形前面部材200が回動可能に外本体100の前面一側に取り付けているヒンジ近くの屈曲する部分のハーネスの本数を減らすことになり、扉形前面部材200と外本体100との間にハーネスが挟み込まれる虞を低く抑えることができ(ハーネスを傷めてしまうというトラブルを激減でき)、信頼性が向上する。
以上、スロットマシン1の内部構成例を説明した。かかる構成を有するスロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、後述する有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
以下では、上記のスロットマシン1によって行なわれるゲームの遊技性を、より特徴的に具現化するための構造および制御について、より詳細に説明する。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から14番までで示した合計14個の図柄)が表記された各リール帯(図柄帯)351a,351b,351cが付されている。図63では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯351a,351b,351cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部591a(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓591aとして統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図64参照)。
また、図柄の種類には、図63に示すように、「赤7」図柄(以下では赤7図柄といい、リール帯351a,351b,351cそれぞれの配列番号3番の3つが該当する)、「青7」図柄(以下では青7図柄といい、リール帯351c配列番号6番が該当する)および「白7」図柄(以下では白7図柄といい、リール帯351cの配列番号9番が該当する)があり、これらは他の図柄に比べて大きい。また、「赤7」図柄は内側が赤で塗りつぶされており、「青7」図柄は内側が青で塗りつぶされており、「白7」は内側が白で塗りつぶされている。このように、赤7図柄、青7図柄および白7図柄を他の図柄に比べて大きく且つ比較的目立ちやすい色が施されていることから、他の図柄に比べて視認しやすくなっている。
また、「アヤメ」を形どった図柄(以下ではアヤメ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号1番等)、「キリ」を形どった図柄(以下ではキリ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号2番等)、「ヤナギ」を形どった図柄(以下ではヤナギ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号5番等)、「ウメ」を形どった図柄(以下ではウメ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号6番等)、「モミジ」を形どった図柄(以下ではモミジ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号11番等)、「マツ」を形どった図柄(以下ではマツ図柄といい、例えば、リール帯351bの配列番号2番等)、「キク」を形どった図柄(以下ではキク図柄といい、例えば、リール帯351cの配列番号2番等)。
以上のように各リール帯351a,351b,351cに表記される図柄の種類は合計10種類となっている。そして、リール帯351aには6種類(アヤメ、キリ、赤7、ヤナギ、ウメ、モミジ)、リール帯351bには4種類(キリ、マツ、赤7、ウメ)、リール帯351cには8種類(キリ、キク、赤7、ヤナギ、青7、白7、モミジ、ウメ)の図柄が表記されている。
[有効ライン]
図64は、図柄表示窓591aを中心として、装飾部材591を部分的に拡大したところを示している。図柄表示窓591aからは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」、「中段(または中段位置)」、「下段(または下段位置)」という。
上記のことから、図柄表示窓591a内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。本実施形態のスロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より、図柄表示窓591a内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
装飾部材591(表示パネルともいう、以下では表示パネル591として統一する)における右側部分(図柄表示窓591aから見て右側)には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応している。
そして、ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が、予め決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓591a内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、ベット数に対応する有効ライン、および、有効ラインの数についての一般的事項を説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットでは、前述の1BETラインのほかに、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)、および、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットでは、前述の1BETライン、2BETラインのほかに、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623b(右下がりライン623b)、および、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623a(右上がりライン623a)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。なお、本実施形態のスロットマシン1では3枚を投入することによって初めて遊技を実行することが可能であり、その場合の有効ラインは、「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)である。なお、有効ラインに並んだ図柄は、内部抽選により何に当選したのか一見しただけでは遊技者には把握し難くなっている。
[遊技状態表示部]
その他、表示パネル591には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類などの表示器が設けられている。そして、これらの表示器が配置された領域が、遊技者がスロットマシン1に関する各種状態を把握するための遊技状態表示部を構成する。なお、遊技状態表示部における各種表示器の点灯(あるいは点滅)制御は、先述の遊技状態表示基板450によって実行される。
遊技状態表示部には、図64における上側から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604および「OFF」という文字の描かれた打止めランプ605、上記BETランプ614のすぐ下に位置して「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
打止めランプ605は、先述の打止めスイッチがONにセットされており、ボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない打止め状態となったときに、その打止め状態の発生を遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図65を用いて具体的に説明をする。図65は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(払い出し枚数等、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図65の図柄組み合わせと払出枚数は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル591等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯351a,351b,351cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓591a内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓591a内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓591a内で前述の有効ラインのいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。本実施形態のスロットマシン1では有効ラインは1つ(1のライン)である(複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されない)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン上に表示されることを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは、当選役図柄が揃うと称する。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「アヤメ図柄」、「キリ図柄」、「ヤナギ図柄」、「モミジ図柄」、「ウメ図柄」、「マツ図柄」、「キク図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」および「白7図柄」は、他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール301a,301b,301cに1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「青7図柄」および「白7図柄」は右リール301cのみにしかなく、しかもその数は各1つである。また、加えて色彩も青または白であることから、他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
また、「アヤメ図柄」、「キリ図柄」、「ヤナギ図柄」、「モミジ図柄」、「ウメ図柄」、「マツ図柄」、「キク図柄」(つまり、ボーナス図柄の一部となっていない図柄)は、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」と比べると、図柄は目立たない色合いで構成されている。これは「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」をこれらの図柄よりも目立たせることにより、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」を目押ししやすくしている。
ボーナス図柄を揃えるためには、必ず目押しを必要とするが、ボーナス図柄を上記のようにすることにより、遊技の技量の低い遊技者(初心者)であっても極力目押しのしやすい仕様となっている。
また、これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。以下、図65に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス(BB)]
図65に示すように、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには、対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、BBに当選し、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。なお、BBに当選するとは、内部的にBBのフラグが成立し、有効ライン上にBB図柄が揃ったことを意味し、このことを「BBの条件装置が作動した」と称する場合もある。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定枚数のメダル(例えば、400枚)を賞として払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、このスロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を果たすことになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、BB図柄を図柄表示窓591a内に正確に狙って(後述する引き込む制御可能な範囲で)停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
さらに、BBゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。特殊状態とは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されているアールテイ状態(リプレイタイム)を意味する。RTゲームについての詳細は後述する。
〔レギュラーボーナス(RB)〕
次に、RBと示されている当選役には、RB1、RB2があり、これらはレギュラーボーナス(以下ではRB)と称される。RB1またはRB2に当選すると、「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」(後述するRB1)または「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」(後述するRB2)の図柄の組合せ態様が有効ライン上に揃う。RB1に当選するとは、内部的にRB1のフラグが成立し、たことを意味し、有効ライン上にRB1の図柄が揃ったことを意味し、このことを「RB1の条件装置が作動した」と称する場合もある(RB2についても同様)。
なお、RBゲームは、「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」に入賞した場合にはRB1とし、「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」に入賞した場合にはRB2というように記載を異ならせているが、以下では、単に「RB」と称するときは、RB1およびRB2の両方を指すものとする。
RB1図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB1ゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RB1ゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RB1ゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRB1ゲームを終了させるものであってもよい。また、RB1ゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RB1ゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRB1ゲームを終了させるものであってもよい。
RB1図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RB1ゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB1図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄、青7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RB1ゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。特殊状態とは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されているリプレイタイム(RT)を意味する。RTゲームについての詳細は後述する。
RB2図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB2ゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RB2ゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RB2ゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRB2ゲームを終了させるものであってもよい。また、RB2ゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RB2ゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRB2ゲームを終了させるものであってもよい。
RB2図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RB2ゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB2図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄、青7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RB2ゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。特殊状態とは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されているリプレイタイム(RT)を意味する。RTゲームについての詳細は後述する。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲームという3つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものはBBゲームだけである。また、スロットマシン1では、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。このことから、RBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数は、1回のゲームで獲得可能な最大枚数(15枚)に比べれば多いものの、BBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数に比べると相当に少なくなっている(約1/4程度)。
〔リプレイタイム(RT)〕
スロットマシン1では、所定条件が成立したことに応じてRT(リプレイタイム)ゲームが開始される。ここで、RTゲームとは、リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を、所定のゲーム回数(ゲーム期間)にわたって継続させるものである。言い換えると、リプレイタイムは、内部抽選において主としてリプレイ(再遊技役)に当選する状態のことをいい、通常遊技状態における内部抽選においては、主としてハズレ(60%以上はハズレ)に当選する確率が高いのに対し、リプレイタイムにおける内部抽選では、リプレイに当選する確率が50パーセント以上であることが好ましい(ハズレは10%以下であることが好ましい)。本実施形態のスロットマシン1には、RTゲームとしてリプレイ等の当選確率がそれぞれ異なる第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲーム、第5RTゲームおよび第6RTゲームの計6つのRTゲームを有している。これら6種のRTゲームの開始条件および終了条件はそれぞれ異なっている(図示しない)。なお、第5RTゲームおよび第6RTゲームについては、内部抽選により再遊技役に当選する確率が25〜30%に抑えられるとともにハズレが選び出される確率が概ね50%と高く設定されている。これは、内部抽選によりボーナス役が選び出された際に、ボーナス入賞しうる機会を遊技者に与えるためである。すなわち、第5RTゲームおよび第6RTゲームは、内部抽選によりボーナス役が選び出されてからボーナス入賞するまでの遊技状態であり、再遊技役とボーナス役とでは再遊技役がボーナス役よりも優先して入賞するので、再遊技役の当選確率を抑制しつつハズレが選び出されうるようにすることで、ボーナス入賞しうるようにしたものである。
また、本実施形態におけるRTゲームは、第1RTゲーム〜第6RTゲームのうちいずれかのRTゲームのことである。
〔第1RTゲーム〕
第1RTゲームの開始条件は、第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲームの作動中に、第1RTゲームの開始条件である再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」リプレイ図柄については後述する)に当選したとき、または通常遊技状態中のRTゲーム未作動時である。また、第1RTゲームの終了条件は、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBのフラグが成立したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBのフラグが成立したとき)、または3Gを消化したときである。
〔第2RTゲーム〕
第2RTゲームは、BBボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えれば、BBゲームの終了が第2RTゲームの開始条件となっている。それに対して第2RTゲームの終了条件は、上記第1RTゲームの開始条件が成立したとき(再遊技0に入賞したとき)、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または5000Gを消化したときである。5000Gに到達するまでに特定のリプレイ(再遊技0)に入賞した場合にも第2RTゲームは終了する。
上記第2RTゲームの終了条件である5000G消化とは、5000Gを消化するまで第2RTゲームが終了しないということを意味するものではない。詳細は後述するが、5000Gを消化するまでに、遊技者によるリール停止ボタンの停止態様によっては再遊技0に入賞する場合がある。再遊技0に入賞するということは、前述したように第1RTゲームの開始条件を満たすと同時に、第2RTゲームの終了条件を満たすことを意味する。言い換えると、5000Gを消化する前に、第1RTゲームに突入することによって第2RTゲームが終了することがあり得るということである。
言い換えると、5000Gを消化するまでは、再遊技0を入賞させない限り、第2RTゲームは継続することとなる。再遊技0に入賞するか否かは、少なくとも最初に停止するリール停止ボタンの停止操作によって決まる(詳細は後述する)ので、遊技者にとっては、再遊技0に入賞するまで、どのリール停止ボタンから停止するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。
また、第2RTゲーム中の演出態様は、通常ゲーム中の演出態様(通常態様)であっても、通常態様とは異なる特別な演出態様であってもよい。例えば、BBゲーム終了後の態様が通常状態と同じ演出態様であった場合などが挙げられるが、この場合遊技者にとっては、演出態様が通常状態と同じであるにも拘らず、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するので、BBゲーム終了後に即、遊技を終了しにくく、稼働率が向上する。
第2RTゲームは、通常態様よりも有利な遊技態様であるものの、後述する特典演出(一般的にARTと称されるゲーム)が行われている状態とは異なる遊技態様である場合には、いつ、再遊技0を入賞させてしまうか遊技者が予測することは困難である。したがって、遊技者にとって有利な状態が数ゲームの間継続したとしても、ボーナスゲームのように一定量のメダルを一時に獲得するわけではないため、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
〔第3RTゲーム〕
第3RTゲームは、RB1ボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えると、RB1ゲームの終了が第3RTゲームの開始条件となっている。また、第3RTゲームの終了条件は、上記第1RTゲームの開始条件が成立したとき(再遊技0に入賞したとき)、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または5000Gを消化したときである。5000Gに到達するまでに特定のリプレイ(再遊技0)に当選した場合にも第3RTゲームは終了する。
なお、上記の第3RTゲームの終了条件である5000G消化とは、5000Gを消化するまで第3RTゲームが終了しないということを意味するものではない。詳細は後述するが、5000Gを消化するまでに、遊技者によるリール停止ボタンの停止態様によっては再遊技0に入賞する場合がある。再遊技0に入賞するということは、前述したように第1RTゲームの開始条件を満たすすと同時に、第3RTゲームの終了条件を満たすことを意味する。言い換えると、5000Gを消化する前に、第1RTゲームに突入することによって第3RTゲームが終了することがあり得るということである。
言い換えると、5000Gを消化するまでは、再遊技0を入賞させない限り、第3RTゲームは継続することとなる。再遊技0に入賞するか否かは、少なくとも最初に停止するリール停止ボタンの停止操作によって決まる(詳細は後述する)ので、遊技者にとっては、再遊技0に入賞するまで、どのリール停止ボタンから停止するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。
また、第3RTゲーム中の演出態様は、通常ゲーム中の演出態様(通常態様)であっても、通常態様とは異なる特別な演出態様であってもよい。例えば、RB1ゲーム終了後の態様が通常状態と同じ演出態様であった場合などが挙げられるが、この場合遊技者にとっては、演出態様が通常状態と同じであるにも拘らず、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するので、RB1ゲーム終了後に即、遊技を終了しにくく、稼働率が向上する。
第3RTゲームは通常態様よりも有利な遊技態様であるものの、後述する特典演出が行われている状態とは異なる遊技態様である場合には、いつ、再遊技0を入賞させてしまうか遊技者が予測することは困難である。したがって、遊技者にとって有利な状態が数ゲームの間継続したとしても、ボーナスゲームのように一定量のメダルを一時に獲得するわけではないため、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
〔第4RTゲーム〕
上記第4RTゲームは、RB2ボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えれば、RB1ゲームの終了が第4RTゲームの開始条件となっている。また、第4RTゲームの終了条件は、上記第1RTゲームの開始条件が成立したとき(再遊技0に入賞したとき)、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または5000Gを消化したときである。5000Gに到達するまでに特定のリプレイに当選した場合にも第4RTゲームは終了する。
なお、上記の第4RTゲームの終了条件である5000G消化とは、5000Gを消化するまで第4RTゲームが終了しないということを意味するものではない。詳細は後述するが、5000Gを消化するまでに、遊技者によるリール停止ボタンの停止態様によっては再遊技0に入賞する場合がある。再遊技0に入賞するということは、前述したように第1RTゲームの開始条件を満たすことを意味し、同時に第4RTゲームの終了条件を満たすことを意味する。言い換えると、5000Gを消化する前に、第1RTゲームに突入することによって第4RTゲームが終了することがあり得るということである。
言い換えれば、5000Gを消化するまでは、再遊技0を入賞させない限り、第4RTゲームは継続することとなる。再遊技0に入賞するか否かは、少なくとも最初に停止するリール停止ボタンの停止操作によって決まる(詳細は後述する)ので、遊技者にとっては、再遊技0に入賞するまで、どのリール停止ボタンから停止するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。
また、第4RTゲーム中の演出態様は、通常ゲーム中の演出態様(通常態様)であっても、通常態様とは異なる特別な演出態様であってもよい。例えば、RB2ゲーム終了後の態様が通常状態と同じ演出態様であった場合などが挙げられるが、この場合遊技者にとっては、演出態様が通常状態と同じであるにも拘らず、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するので、RB2ゲーム終了後に即、遊技を終了しにくく、稼働率が向上する。
第4RTゲームは通常態様よりも有利な遊技態様であるものの、後述する特典演出が行われている状態とは異なる遊技態様である場合には、いつ、再遊技0を入賞させてしまうか遊技者が予測することは困難である。したがって、遊技者にとって有利な状態が数ゲームの間継続したとしても、ボーナスゲームのように一定量のメダルを一時に獲得するわけではないため、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
〔第5RTゲーム〕
第5RTゲームの開始条件は、BBゲームの条件装置が作動(BBのフラグが成立)したときである。言い換えると、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、内部的にBBに当選した場合に第5RTゲームに突入する。これに対して第5RTゲームの終了条件は、BBが作動したときである。言い換えると、遊技者の目押し操作によって、BBに対応する図柄(BB図柄)である「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が、有効ラインである「中段−中段−中段」に揃えられたときに、第5RTゲームは終了する。
〔第6RTゲーム〕
第6RTゲームの開始条件は、RBゲームの条件装置が作動(RBのフラグが成立)したときである。言い換えると、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、内部的にRBに当選した場合に第6RTゲームに突入する。これに対して第6RTゲームの終了条件は、RBが作動したときである。言い換えると、遊技者の目押し操作によって、RBに対応する図柄(RB図柄)である「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」が、有効ラインである「中段−中段−中段」に揃えられたときに、第6RTゲームは終了する。
ここで、上記各種RTゲームのうち、第2RTゲーム、第3RTゲームもしくは第4RTゲームの状態において、第1RTゲームの開始条件である再遊技0が「単独で当選する」確率は0である。言い換えれば、第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム中は、常に再遊技0は再遊技1〜6と重複して当選する。なぜならば、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、第5RTゲームもしくは第6RTゲームの開始条件が成立(つまり、BBかRBのフラグが成立)したとき、または第1RTゲームの開始条件が成立した場合に終了するが、第1RTゲームは、遊技者が、後述するリール停止操作をして再遊技0を入賞させた場合でない限り突入しないので、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、上記第1RTゲームの開始条件が成立しない限り5000Gを消化するまで継続するからである。
なお、上記RTゲームのうち、BB終了後の第2RTゲーム、RB1終了後の第3RTゲーム若しくはRB2終了後の第4RTゲームにおいては、後述する特殊制御により、RTゲーム中に特典演出が行われる場合がある。これは、それぞれのRTゲーム(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)が開始してから5000G消化するまでの間に行わせることができる。そして特典演出中に、遊技者が第1RTゲームの開始条件である再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)を入賞させた場合には、5000Gを消化するまでもなく、第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲームを終了させ、第1RTゲームが開始させることにより、RTゲームが終了すると同時に特典演出も終了する。
なお、主制御基板409により制御される遊技状態としては、通常遊技状態、リプレイタイム(第1RTゲーム〜第6RTゲーム)およびボーナスゲーム(BB、RB)があり、これらのうちいずれかの遊技状態に制御される。これらの遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御されるかについては、主制御基板409により実行される制御プログラム上の処理により決定される(例えば、ステップS376、ステップS386等の処理により遊技状態が移行制御される)。ここで、通常遊技状態は、リプレイタイムおよびボーナスゲームのいずれでもない遊技状態であり、通常遊技状態、リプレイタイムおよびボーナスゲームのうち最も滞在期間が長くなりうる。本発明の遊技状態制御手段は、本実施形態の主制御基板409により制御されるプログラム上の処理(例えばステップS376等)が相当する。
〔リプレイ(再遊技役)〕
図65に示すように、本実施形態には、7種類のリプレイ(再遊技0、再遊技2、再遊技3、再遊技4、再遊技5、再遊技6)を設けており、対応する図柄の組み合わせ態様として再遊技0は「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」、再遊技1は「アヤメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」、再遊技2は「アヤメ図柄−マツ図柄−ヤナギ図柄」、再遊技3は「アヤメ図柄−マツ図柄−モミジ図柄」、再遊技4は「ウメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」、再遊技5は「アヤメ図柄−ウメ図柄−キリ図柄」、再遊技6は「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」が予め決められている。
各種リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく(自動的にベットされる)、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。
ここで、再遊技1〜再遊技6の図柄が揃った場合には、リプレイゲームが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、再遊技0の図柄が揃ってリプレイゲームが行なわれたのちは、第1RTゲームに移行する(詳細は後述する)。このように、7種類のリプレイ(再遊技0〜再遊技6)は、次回のゲームを再遊技として実行できる点において同様であるものの、その後に第1RTゲームに移行するか否かといった点で存在意義が異なっている。
なお、本明細書において、「当選」は抽選に当選したことを意味し、当該抽選に当選したことを条件に、当該当選役図柄が有効ライン上に揃うこととなる。ただし、上述の「目押し」に失敗すると、たとえ抽選に当選したとしても当該当選役図柄が有効ライン上に揃わない場合がある。
なお、本実施形態では、上記のように当選種別としての「リプレイ」に7種類(再遊技0〜再遊技6)を設けているため、以下では、単に「リプレイ」と称するときは、再遊技0〜再遊技6のすべてを指すものとする。
このように、リプレイ図柄が揃った際にはメダルは付与されず、リプレイゲームといった特典を付与する役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(ベット操作する)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役を設けることで、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができる。
ここで、再遊技0図柄が揃った場合には、リプレイゲームを付与するだけでなく、当選役としての再遊技0図柄が揃ったとき(再遊技0に入賞したとき)に、遊技状態が第2RTゲーム〜第4RTゲームであれば、第2RTゲーム〜第4RTゲームを終了させた上で、第1RTゲームに移行する。
なお、第2RTゲーム中、第3RTゲーム中または第4RTゲーム中では、再遊技0は常に遊技1〜6と重複して当選する。また、再遊技0がが単独で当選する可能性があるのは、RTが作動していないとき、第1RTゲーム中、第5RTゲーム中または第6RTゲーム中である。なぜならば、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、第5RTゲームもしくは第6RTゲームの開始条件が成立(つまり、BBかRBのフラグが成立)したとき、または第1RTゲームの開始条件が成立した場合に終了するが、第1RTゲームは、遊技者が、後述するリール停止操作をして再遊技0を入賞させた場合でない限り突入しないので、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、上記第1RTゲームの開始条件が成立しない限り5000Gを消化するまで継続するからである。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。
[小役]
図65に示すように、小物1と示されている当選役には、対応する図柄(小物1図柄)の組み合わせ態様として「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」が予め決められている。
小物1図柄が揃うと、規定枚数(例えば、8枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームが終了したときに行われる。つまり、小物1図柄が揃うと8枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。小物2〜小物10についても、小物1と同様、8枚のメダルが払い出される当選役となっている。
また、小物11と示されている当選役には、対応する図柄(小物11図柄)の組み合わせ態様として「キリ図柄−マツ図柄−キリ図柄」が予め決められている。
小物11図柄が揃ったときは、規定枚数(例えば、10枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しも当該ゲームにて行われる。つまり、小物11図柄が揃うと10のメダルの払出しという遊技特典が付与される。小物11〜小物19についても、小物11と同様、10枚のメダルが払い出される当選役となっている。
このように、小物(小役)はゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、小物に当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまう虞がある)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、小物という当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、小物図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。
[ハズレ]
図65に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[毎ゲーム演出]
本実施形態のスロットマシンでは、周辺制御基板510により1回のゲーム毎に行われる内部抽選により選び出された役に応じて、1回のゲーム毎に所定の演出態様が演出表示
装置590に表示される。つまり、内部抽選により選び出された役に応じて演出態様が異なるので、演出表示装置590に表示された演出態様を視認することで、遊技者は、内部抽選にて何れの役に当選したかを把握しうる。例えば、内部抽選により小物1が選び出された場合には、図柄表示窓591aを介して視認しうる有効ライン上には「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」の図柄組み合わせが表示されるが、演出表示装置590の図柄表示領域5901bには「手形―手形―手形」の演出態様が表示される。本発明の毎ゲーム演出制御手段は、本実施形態の周辺制御基板510により行われる1回のゲーム毎に所定の
演出態様を演出表示装置590に表示する処理が相当する。
〔特典演出〕
本実施形態では、RTゲーム中に、内部成立したフラグ(主に小役)に対する図柄等を報知(ナビゲート)する、いわゆる特典演出を実施する特典演出実施手段(特典演出を実施する周辺制御基板510)を搭載している。以下に、本実施形態の特典演出実施手段について説明する。なお、本発明の極上演出実行手段は、後述するスーパー金さんTIMEを実行する周辺制御基板510によるプログラム上の処理が相当し、本発明の至福演出実行手段は、後述する金さんTIMEを実行する周辺制御基板510によるプログラム上の処理が相当する。
本実施形態における特典演出実施手段は、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲームが行われているときにこれらRTゲームの終了(第1RTゲームの開始)となる、いわゆるパンク役を成立させない方法を、後述する方法で遊技者にナビゲートするアールテイ終了抑制演出と、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、内部抽選にて当選した小役を取りこぼさないようにナビゲートするエーテイ演出と、を特典演出として実施する。なお、本発明の警告ゲームは、本実施形態のアールテイ終了抑制演出が相当し、本発明の補助ゲームは、本実施形態のエーテイ演出が相当する。
アールテイ終了抑制演出は、演出表示装置590に表示される演出画像およびスピーカ(Lスピーカ201a,Rスピーカ201b)から発生される音声によって、内部抽選にて当選したパンク役(第2RTゲーム〜第4RTゲームを終了させて第1RTゲームに移行させる役)の入賞を回避すべく、リール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作手順をナビゲートする演出である。遊技者がナビゲートされる内容に従ってリール停止操作を行うことにより、パンク役の成立を回避し、第2〜第4RTゲームを継続させることができる。本実施形態では、第1RTゲームの開始条件である「再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)」がパンク役である。
また、エーテイ演出は、演出表示装置590に表示される演出画像およびスピーカ(Lスピーカ201a,Rスピーカ201b)から発生される音声によって、内部抽選にて当選した小役を取りこぼさないようにナビゲートする演出である。
本実施形態における特典演出は、主制御基板409で行われた内部抽選の結果が「再遊技0」(つまり、第1RTゲームの開始条件となるリプレイ)であったときに、その内部抽選の結果を受けた周辺制御基板510が、当該ゲームで遊技者が再遊技0の図柄(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)を入賞させないように、リール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作手順をナビゲートするものである。ナビゲートするか否かについては、周辺制御基板510における抽選によって決定される。
再遊技0の図柄を入賞させないようにするための、上述したリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作手順とは、例えば、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきリール停止ボタンが、リール停止ボタン211(211a〜211c)のうちのいずれであるかをナビゲートするもの、スロットマシンに備え付けられたリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止順をナビゲートするもの、ある特定の図柄を「目押し」することによって再遊技0の入賞を回避することができる旨を遊技者にナビゲートするもの等が考えられる。本実施形態の特典演出は、少なくとも最初に遊技者が停止操作すべきボタンを遊技者にナビゲートし、パンク役の入賞を回避させることで特典演出を継続させるものである。以下、本実施形態における特典演出の開始と終了について説明する。
特典演出は、BB終了後またはRB終了後のRTゲーム中に主に行われる。特典演出を行うか否かについての抽選(以下、特典演出抽選と記載する)は、周辺制御基板510で行われる。特典演出抽選では、ボーナス終了後のRTゲーム中に小役などをナビゲートするか否かの抽選を行うほか、何ゲームの間特典演出を継続させるか、いくつの小役ナビゲートを行うか、その抽選結果を遊技者にどのように表示するかについての抽選を行う。
特典演出抽選は、遊技状態が通常ゲーム中またはボーナスゲーム中のいずれにおいても行ってよい。特典演出抽選に当選し、どのボーナス終了後に特典演出を行うか否かについても、周辺制御基板510による抽選で決定してもよい。そうすると、主制御基板409で行われた抽選結果が当たりであっても、ボーナス終了後に必ず特典演出が行われるとは限られず、第2〜第4RTゲームのみが開始するという遊技状態もあり得るということになる。
本実施形態における特典演出は、RTゲーム中、主制御基板409で行われた内部抽選の結果が「再遊技0」(つまり、第1RTゲームの開始条件となるリプレイ)であったとき、その内部抽選の結果を受けた周辺制御基板510が、当該ゲームで遊技者が再遊技0の図柄(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)を入賞させないように、少なくとも最初に遊技者が停止操作すべきボタンを遊技者にナビゲートするものである。ナビゲートされた情報に従って遊技者がリール停止ボタンを押すと、再遊技0の入賞を回避することができ、特典演出を継続させることができる。
換言すれば、遊技者は、ナビゲートされた少なくとも1つのリール停止ボタンについての情報に従うだけで、簡単に第2〜第4RTゲームのパンク(第1RTゲームの開始)を回避することができるのである。
ところで、再遊技0を入賞させない方法の一つとして、ある特定の図柄を「目押し」することによって再遊技0の入賞を回避することができるスロットマシンが挙げられる。このようなスロットマシン場合、特定の図柄を目押しすることができないと、再遊技0が入賞し、第2〜第4RTゲームひいては特典演出は終了(第1RTゲームが開始)することになる。言い換えると、遊技者の目押しの技量いかんによって、遊技者にとって有利な遊技状態(特典演出)を最大G数継続させることができる反面、最小G数で終了させてしまうことがありうる。そのような技術介入性の高いスロットマシンは、「目押し」の技量の低い遊技者や遊技に未熟な遊技(初心者)等には、敬遠される傾向にあるのが一般的である。
また、目押しの技量の高い遊技者(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)であっても、長時間遊技を行っていると、集中力が低下してくることがあるので、目押しを毎回成功させることができるとは限らない。目押しに失敗すると、途端に遊技者にとって有利な遊技状態が終了するため、興趣が低下するおそれがある。何より、目押しに失敗しなければ、特典演出を継続させることができたのにという悔しさを拭い去るのは容易なことではない。
また、目押しを必要としないスロットマシンとしては、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止順をナビゲートし、特定のパンク役への入賞を回避することができる特典演出機能を搭載したスロットマシンが挙げられる。このようなスロットマシンにおいては、遊技者はナビゲートされる停止順に従ってリール停止ボタンを押すことで、遊技者にとって有利な状態(特典演出)を継続させることができる。
しかしながら、上記のような特典演出が行われるスロットマシンでは、ナビゲートされたリール停止ボタン211の停止順を一つでも間違えると、パンク役が入賞し、第2〜第4RTゲームおよび特典演出のいずれもが終了してしまう。このようなスロットマシンは、目押しが必要でない分、「目押し」の技量の低い遊技者や遊技に未熟な遊技(初心者)等にとっても遊技しやすいものの、ナビゲートされる毎にリール停止ボタン211の停止順を間違えないように押さなければならない緊張感が特典演出中は消えることがない。そうすると、遊技者は特典演出中の遊技を気軽に楽しむことができない。したがって、遊技者が気軽に特典演出中の遊技を楽しむには、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンよりも、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシンのがより好ましい。
スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンにおいて、特典演出が生起しない遊技態様中では、遊技者は、全てのリール停止ボタンの停止順を、己の勘だけを頼りにしてリール停止ボタンを操作しなければならない。スロットマシンに備え付けられたリール停止ボタンが3つであった場合、遊技者の勘が当たって正しい停止順で停止操作できる確率は6分の1である。そのような状況が長時間続くと、遊技者は特典演出が生起しない遊技態様中を苦痛に感じてきてしまう。
これに対して本実施形態のように、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシン(リール停止ボタンは3つとする)においては、特典演出が生起しない遊技態様中においても、少なくとも最初に停止操作すべきボタンが正解であればいいので、遊技者にとって気軽に遊技することができる。このようなスロットマシンにおいても、やはり遊技者の勘が頼りになるが、遊技者の勘が当たって正しく停止操作できる確率は3分の1であり、前述の6分の1よりは負担が軽いものとなっている。
したがって、遊技者が気軽に特典演出中の遊技を楽しむには、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンよりも、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシンのがより好ましいといえる。
本実施形態における特典演出は、小役の成立を遊技者にナビゲートし、遊技者がそのナビゲートに従って停止ボタンを操作し、所定個数の小役を消化たとき、内部的にボーナスに当選したときに、第2〜第4RTゲームひいては特典演出を終了させるパンク役(再遊技0)を入賞させないようにナビゲートされているにもかかわらず、ナビゲートに従わない形でリール停止ボタン211を停止操作したとき(第1RTゲームの開始条件である再遊技0の入賞)に、第2〜第4RTゲームひいては特典演出が終了する。
上記のうち、所定個数の小役を消化する前に、遊技者がナビゲートに従わずにリール停止ボタンを停止操作した場合、小役のナビゲートは終了し、所定個数の小役を消化することはできないが、リプレイゲーム(RT)は継続した状態となる。つまり、RTゲーム中に再遊技0に入賞しない限り、5000Gまで継続することができるからである。
なお、スロットマシンは、1ゲームを消化するためには少なくとも4.1秒要するので、仮に5000Gまで継続すると、最短でも5時間40分以上はナビゲートされることになる。ただし、これだけ長時間にわたって遊技を行った場合、毎ゲーム最短時間(4.1秒)で遊技を実行することは困難であり、平均で1ゲームあたり5秒以上要すると考えられる。このように考えると、リプレイゲームが仮に5000Gまで継続すると、7時間程度はナビゲートされることになる。
このように、本実施形態における特典演出の基本的事項については説明したが、特典演出中の具体的な演出態様については後述する。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板409(主に、主制御MPU)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図65は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン206(あるいは1ベットボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図67は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドが主制御基板409(主制御MPU)に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RB1ゲーム中フラグ、RB2ゲーム中フラグ、第1RTゲーム中フラグ、第2RTゲーム中フラグ、第3RTゲーム中フラグ、第4RTゲーム中フラグ、第5RTゲーム中フラグ、第6RTゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図66のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており(設定されており)、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図68では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板409(主に、主制御MPU)に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOF
F(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができる。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「逆押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下されたとすると、ステップS202、S210の判定が満たされず、ステップS217に移る。そして、ステップS217以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下されているので、ステップS217,S218の判定は満たされ、右リール301cについて第1リール停止処理が行われる(ステップS219)。そして、残りの左リール301a、中リール301bのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS221)、第1リール停止フラグおよび右リール停止フラグRFがONにセットされる(ステップS222,S223)。
その後は、ステップS221で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および中リール停止処理(ステップS213)が、左リール停止ボタン211aおよび中リール停止ボタン211bの押下操作順に従って実行される。なお、「逆押し」の停止操作手順では、「順押し」の停止操作手順のときと同様に、右リール301cのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ところで、「中押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「中押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされず、ステップS210に移る。そして、ステップS210以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下されているので、ステップS210,S211の判定は満たされ、中リール301bについて第1リール停止処理が行われる(ステップS212)。そして、残りの左リール301a、右リール301cのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS214)、第1リール停止フラグおよび中リール停止フラグMFがONにセットされる(ステップS215,S216)。
その後は、ステップS216で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および右リール停止処理(ステップS220)が、左リール停止ボタン211aおよび右リール停止ボタン211cの押下操作順に従って実行される。ここで、「中押し」の場合は、「順押し」におけるステップS206(あるいは、「逆押し」におけるステップS221)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール301b)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール301a、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓591a内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれ、所定のコマ数を上限として図柄の引き込みを行う)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に停止させることが可能な範囲(以下、引き込み制御可能範囲と称する)として例えば3コマを予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓591a内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込み制御可能範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で3コマとすれば、所定の位置(例えば中段)には、当該リールの停止操作が受け付けられたときの位置からリール回転方向に3個目の図柄まで表示可能となる。つまり、最大で3コマ未満の範囲(より詳しくは、3コマから1ステップ差し引いた範囲)で図柄の引き込みが可能となる。なお、一の図柄からリールの回転方向に隣接する他の図柄までが1コマである。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓591a内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓591a内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
ここで、各リール停止ボタン211a〜211cを操作したときの各リール301a,301b,301cのリール停止制御について説明する。なお、本実施形態のスロットマシン1では、各リール帯351a,351b,351cに14個の図柄が表記されており、3図柄を上限として図柄の引き込み制御が行われる。
ここで、各リール帯351a,351b,351cに表記されている図柄のうち引き込み可能となる図柄は、以下のとおりである。
図柄表示窓591aに表示される有効ライン上の位置が複数あるとき、当該有効ライン上の一の位置と他の位置との間の最大コマ数をMとし(有効ライン上の位置が一つのときはM=0)、引き込み制御可能なコマ数をNとすると、停止操作したときのリール帯351a,351b,351cの位置から(N+M)コマを上限として図柄の引き込みが可能となる。ここで、「最大コマ数」とは、上段および下段の両方が有効ライン上に位置する場合には2コマ(中段が有効ライン上に位置したとしても2コマ)であり、上段および中段が有効ライン上に位置する場合には1コマとなる。同様に、中段および下段が有効ライン上に位置する場合にも1コマとなる。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓591a内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図72では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓591a内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S303では、それぞれ、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS310に移る。
ステップS310で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS320,S330,S340,S350,S360のいずれかに移る。
ステップS320では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、RB図柄が揃っているかを判定する。有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
次のステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。本実施形態では、ステップS340において、再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)、再遊技1(「アヤメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)、再遊技3(「アヤメ図柄−マツ図柄−ヤナギ図柄」)、再遊技4(「ウメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)、再遊技5(「アヤメ図柄−ウメ図柄−キリ図柄」)、再遊技6(「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」)のいずれかが揃った場合に、リプレイ図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドを主制御基板409(主制御MPU)に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344で、RTゲーム降格判定処理を実行した後、ステップS346では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。RTゲーム降格判定処理とは、遊技状態が第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)に入賞したか否かを判定し、入賞した場合には現在のRT状態(第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム)を終了し、第1RTゲームを開始させる処理のことをいう。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。本実施形態では、ステップS350において、例えば小物1(「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」)、例えば小物11(「キリ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)等(詳細は図65を参照)が揃った場合に、小役図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
次に、有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
また、当該当選フラグがBBフラグ及びRBフラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS310からステップS360までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、小物(小役)に加えて、ボーナスゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、RTゲーム開始処理(詳しくは、第2〜第4RTゲームのうちいずれかのRTゲームを開始する処理)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。本実施形態では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である。そして、有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳しくは、第2〜第4RTゲームのうちいずれかのRTゲームを開始する処理)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図69のステップS320の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図73を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図69のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図71を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図69のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が400枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にて第2RTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図69のステップS330の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図72を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図69のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図73を用いて説明する。本実施例においてはRB1の場合を例に挙げて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図69のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RB1ゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にて第3RTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
なお、本実施形態におけるRBゲームについては、例としてRB1について説明をしたが、RB2ゲームの場合もRBゲーム開始処理およびRB終了処理は同様のステップを経るものである。ただし、ステップ462の「第3RTゲーム」を「第4RTゲーム」と読み替えることとする。
[通常ゲーム]
通常ゲームは、BBゲームおよびRBゲームが行われていない状態であって、かつ第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTも行われていない状態を示す。場合によってはこの状態を第1RTゲームともいう。
本実施形態のスロットマシン1は、扉形前面部材200の略上半部に形成される透視窓
214の上端部の上端領域に変動表示装置300(ミニリール)が配置されており、さらに、透視窓214のうち上端領域を除く略全域に画像表示体500(液晶)配置されている。また、本実施形態おける当選役に対応する図柄の組合せは、ミニリール上で、バラケ目で停止表示されるため、この停止表示された図柄の組合せを遊技者が見ても、一見何の役が当選しているかが分かりにくくなっている。これに対して、液晶上では、何の役が揃ったかが表示される。また、成立したフラグに対応する役図柄の組合せは、最初にどのリール停止ボタンを押すかだけに注意すれば、リール停止ボタンを押すタイミングに拘らず、ミニリール上に表示される。ここで、変動表示装置300(ミニリール)に停止表示された内部抽選の結果と、液晶上に表示される演出画像(演出役画像の組み合わせ)とは、基本的には1対1で対応しているため、遊技者は、ミニリールを見ることなく、液晶上の演出に集中して遊技を行うことができる。また、ミニリール上に停止表示される図柄の組合せについても、ゲームを繰り返すうちに経験的に判別することが可能である。
なお、本実施例におけるスロットマシン1は、ボーナスを除く入賞役については、正しい停止操作手順でリール停止ボタン211a〜211cの停止操作を行なう限り、小役等が取りこぼされない。ただし、例えば誤った停止操作手順でリール停止ボタン211a〜211cの停止操作を行なった場合には、変動表示装置300(ミニリール)が停止した際に、ハズレに対応する図柄の組み合わせが小窓部としての開口部591aに表示されるとともに、液晶上に表示される演出役画像の組み合わせも、ハズレに対応する図柄の組み合わせが表示される。
このように、本実施形態の蹴る遊技ににおける回動表示体の良さ(ミニリールに表出された図柄の組み合わせから内部抽選の結果を把握しうる面白み)と演出上(演出画像表示装置)の良さ(演出画像表示領域に表示される演出役画像から内部抽選の結果を把握しうる面白み)との双方を最適に保ちうることで、これら双方を設けた意義を保つことができる。すなわち、本遊技機は、ミニリールに表出された図柄の組み合わせからは内部抽選の結果を外観上把握し難いものの、当該小窓部に表出された図柄の組み合わせ(内部抽選の結果)は、演出画像表示領域に表示される演出画像により遊技者に示唆される。これにより、回動表示体が停止した際の図柄の組み合わせから抽選結果を把握したい遊技者、および、演出画像表示領域に表示された演出画像から内部抽選結果を把握したい遊技者の双方の要望に応えることが可能となる。
このように、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役や小役を揃えるための停止操作のナビゲートを大きな液晶に表示されるようにすると、液晶内で指示された内容を遊技者が視認しやすいため、指示されたリール停止ボタン211の停止順のミスなどを極力抑えることができる。
なお、特典演出中は、上記のように第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役を入賞させないようにナビゲートするほか、小役図柄の入賞もナビゲートする。遊技者は、ナビゲートされたとおりにリール停止ボタンを停止操作すればよく、上記のように目押しを必要としない。換言すると、ナビゲートされた通りにリール停止ボタンを停止操作することにより、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役としての再遊技役0については、当該パンク役と重複当選していた他のパンクしない役としての再遊技役1〜6のいずれかを入賞させることができる。また、小役については、本来の停止操作では入賞させることができなかった小役を入賞させることができる。このように、リプレイタイム中は一切目押しをすることなく、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役としての再遊技役0に当選した場合には、当該再遊技役0の入賞を回避できるとともに、小役に当選した場合には、当該小役を入賞させることができるので、遊技者に与えうる疲労感を軽減することができる。
上記のように、本実施形態では、特典演出中にリール停止ボタン211の停止操作をナビゲートすることにより、本来の停止操作では、第2〜第4RTが終了してしまうといった遊技者にとって不利な役(再遊技0)が入賞するものであったものを、第2〜第4RTの終了契機とならない役(再遊技1〜6のいずれか)に入賞させることができる。このように、入賞役に応じて第2〜第4RTを終了させるか否かといった制御が行われながらも、再遊技0〜6のいずれかに入賞したとしても遊技者からみた見かけ上は再遊技といった賞としての利益度合いが同じ役に入賞するので、ナビゲートにしたがって遊技が行われるだけで、遊技をスムーズに進行させることができる。
また、本実施形態では目押しをする必要がないことから、長時間の遊技で疲れてしまい、目押しに失敗して第2〜第4RTゲームひいては特典演出を不本意に終了させてしまったり、小役を取りこぼしたりといった目押しを必要とする場合に発生する弊害がない。また、目押しの際に酷使される目力もほとんど使用しなくてもよい。これにより、遊技者は気軽に遊技することができるとともに、長時間の遊技となっても疲れにくい。
〔簾(すだれ)役物を使用した演出〕
本実施形態のスロットマシン1の演出表示装置590と可動簾役物5903との関係について説明する。演出表示装置590である液晶画面上には、演出画像を表示する演出表示領域5901aと、内部抽選の抽選結果およびリール停止操作に基づいて表示される図柄を表示する図柄表示領域5901bとが区画されている(例えば、図74の(a)参照)。区画の内訳は、演出表示領域5901aが液晶画面(演出表示装置590)の上部から約3分の2を占めており、図柄表示領域5901bが残りの約3分の1を占めている。
この割合は上記に限定されるものではなく、表示される位置についても、上記に限定されるものではない。したがって、演出表示領域5901aが液晶画面(演出表示装置590)の左側の約9割を占め、図柄表示領域5901bが残りの約1割を占めるといった区画形成も考えられ得る。
一方、可動簾役物5903は、画像表示体500の後面側であって、演出表示装置590の前面側に設けられている(図示せず)。可動簾役物5903を可動させると、簾をかけるようなかたちで、演出表示装置590における演出表示領域5901aを全体的に覆うことができる(例えば、図75の(b)参照)。また、図柄表示領域5901bまで覆う場合、つまり演出表示装置590における液晶画面全体を覆う場合があってもよい。この可動簾役物5903が演出表示装置590における演出表示領域5901aを覆うことにより、演出表示領域5901aで表示されている演出表示を、遊技者から視認できないようにすることができる。
もっとも、可動簾役物5903は半透明の材料等から形成されていることから、演出表示領域5901aを可動簾役物5903で覆いつつ演出表示装置590に演出画像を表示することで、可動簾役物5903の向こう側(つまり演出表示装置590で表示される演出画像)を遊技者に視認させるような演出を行うことも可能である。なお、可動簾役物5903を可動させない場合には演出表示装置590で表示される演出画像などの邪魔にならないように、可動簾役物5903が収納されている。
ところで、本実施形態におけるスロットマシン1にはミニリールを搭載し液晶上の演出(演出表示装置590内における演出表示領域5901aの演出)を邪魔しないようにしていることにより、遊技者は、ミニリールの停止表示を気にすることなく、液晶上の演出(演出表示装置590内における演出表示領域5901aの演出)に集中することができる。また、演出表示装置590内に設けた図柄表示領域5901bでは、内部抽選の抽選結果およびリール停止操作に基づいて表示される図柄などを確認することができるため、これによっても遊技者はミニリールの停止表示を気にする必要がなく、液晶上の演出(演出表示装置590内における演出表示領域5901aの演出)と内部抽選の抽選結果(演出表示装置590内における図柄表示領域5901bに表示される図柄)とを、一の液晶上(演出表示装置590)で確認することができる。これにより遊技者は、通常遊技状態中は目線を演出表示装置590以外に移動させる必要がないため、長時間の遊技であっても、疲労感を感じにくい。
次に、可動簾役物5903の可動態様と演出表示装置590との演出態様について説明する。上述のように、可動簾役物5903は常には演出表示装置590で表示される演出画像などの邪魔にならないよう収納されているが、演出表示領域5901aでの演出を効果的に遊技者に見せるために、演出表示領域5901aの一領域だけを可動簾役物5903で覆ったり、覆った部分の向こう側で何かが行われているような演出(詳細は後述する)を行ったりすることができる。
このように可動簾役物5903の上げ下げを液晶上の演出と絡めることにより、演出表示領域5901aでの演出をより一層面白いものとすることができる。また、可動簾役物5903の可動が頻繁に行われると、遊技者に「超チャンスモード」(詳細は後述する)の演出が開始されるのではないかと思わせることができる。これにより遊技者は探究心をかきたてられ、遊技を簡単にやめることができないため、ホールにとっては稼働率アップにつながる可能性がある。
ここで、図74を参照して、的あて演出を例に挙げて、可動簾役物5903を用いた演出について説明する。的あて演出は、複数のゲームにまたがって関連性のある一連の演出が表示される連続演出であって、リール停止ボタン211の停止操作を遊技者が選択したことに関連して表示される遊技者参加型の演出となっている。図74に示すように、演出表示領域5901aには、3つの的が並んでいる。左側に位置する的(左画像表示位置)を5902a、真ん中に位置する的(中画像表示位置)を5902b、右側に位置する的(右画像表示位置)を5902cとする。内部抽選にてボーナス役が選び出されると、第5RTゲームが行われ、リプレイ役の当選確率が高められる。ここで、ボーナス図柄よりもリプレイ図柄が優先して停止制御されるので、ボーナス役とリプレイ役とが重複して同時に成立していると、ボーナス入賞が困難となる。すなわち、内部抽選にてボーナス役が選び出されたとしても、ボーナス入賞が困難となる第5RTゲームまたは第6RTゲームが行われると、所定ゲーム数にまたがってボーナス入賞できないことがある。連続演出は、このボーナス入賞が困難なゲーム期間を利用して行われる。
的あて演出を行うと決定されると、決定された1ゲーム目に、3つの的のうち少なくとも1つの的に、当たりを示す文字「当」が表示される(図74(a)参照)。この「当」の文字は、例えば大当たり確定表示として、全ての的に表示されていてもよい。また、この「当」の文字が表示された的の数に応じて、内部抽選にてボーナス役が選び出された期待感を表すようにしてもよい。
そして、上記の1ゲーム目が終了すると、2ゲーム目には可動簾役物5903が演出表示領域5901aの的を覆い隠すように下りてくる(図74の(b)参照)。そうすると遊技者には、可動簾役物5903の存在によって的のシルエットしか見えない状態となる。そして3ゲーム目には、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)で的の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われ、「当」の文字が表示された的の位置が、簾が下りてくるまえの位置から変更したように見える。
なお、この的あて演出では、図74の(c)に示すように、3つの的のうち、当たり(ガセを示してもよい)を示す一つに「?」が表示される(全ての的に表示してもよい)。遊技者はこの「?」が表示された次のゲームにおけるリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作で、一の的を選択(いずれのリール停止ボタンから停止操作するかを選択)することにより、「当」と記載されている的はどれかを選択することになる。遊技者は「?」と示された的(図74においては左画像表示位置5902a)に該当するリール選択ボタン211を選択してもよいし、己の勘を信じて、左画像表示位置5902a以外のリールを選択してもよい。
遊技者がリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作をすると、最初に停止したリール停止ボタン211の延長線上に存する的に向かって、演出表示領域5901a内に表示されたキャラクタが花札を投げる演出が行われる(キャラクタが投げるものは花札に限らず、ダーツやトランプ、バラの花等であってもよい)。投げられた花札は、遊技者がリール停止ボタン211の停止操作によって最初に停止操作した的に刺さるようになっているため、この演出により、遊技者は、どの的を選択したのかを、演出表示領域5901aを介して表示上でも確認することができる。
本実施形態においては、遊技者によるリール停止ボタン211の停止操作に連動させてキャラクタが花札を投げる動作をさせる例を示しているが、この態様には限られない。他に、リール停止ボタン211を停止操作すると同時にキャラクタがしゃべったかのように何らかのセリフをスピーカーから出力させたり、遊技者が一の的を選択したとしても、「当」と記載された的がどこにあるのか「さっぱり分からない」といった態度をキャラクタが示したり、選択した的がはずれであった場合には「はずれやないかーい」というセリフとともに、遊技者につっこみを入れるかのような自由な動作をキャラクタに行わせてもよい。当該演出の都度キャラクタの動作が異なることにより、遊技者は毎回キャラクタの反応を楽しみながら遊技することができる。
その後、可動簾役物5903が上げられる(もとの位置に収納される)ことにより、遊技者が選択した的が「当」と記載された的と一致するか否かを、遊技者に確認させる(図74の(d)参照)。この例では、はじめは中画像表示位置5902bにあった「当」の的が、簾(可動簾役物5903)の奥でランダムに入れ替えられたことにより、最終的に左画像表示位置5902aの位置に移動したことを示すと同時に、左画像表示位置5902aの的には演出表示領域5901a内に表示されたキャラクタが投げた花札が刺さっていることにより、遊技者が左画像表示位置5902aに該当するリール停止ボタン211aから停止操作をしたことを示している。
なお、上記の演出は、主制御基板409の内部抽選における抽選の結果を受けて周辺制御基板510において行う演出であるので、実際は、遊技者による停止操作によって当たり外れが決定されるわけではない。従って、本実施形態におけるスロットマシン1の内部抽選における抽選結果が当たりである場合には、上記の演出で遊技者がいずれの的を選んでも(いずれのリール停止ボタンから停止操作をしても)「当」と記載された的を選択するように制御したり、内部抽選の結果がハズレである場合には、いずれの的を選んでも「当」の的を選択することができないように制御したりすることも可能である。このように制御した場合に、遊技者は可動簾役物5903の存在によって、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)を覗き見ることができないため、自己のリール停止操作によってハズレを引いてしまったのか、そもそも内部抽選がハズレだから当たりを引くことができなかったのかについて知る術がない。
上記的あて演出等の連続演出は、以下のような場合に演出のヴァリエーションとして用いることができるので有用である。例えば、内部抽選の結果が当たり(ボーナス役に当選)であったとしても、内部抽選により当該ボーナス役とは異なる他の役が選び出されている場合には、当該他の役の入賞を終えてからでなければボーナス役を入賞させることができない。このような場合に、単に複数ゲームにわたってボーナス役とは異なる他の役が選び出される状態が続くと、遊技者は内部的にボーナス役に当選していることを予測してしまい、ボーナス入賞に対する喜びが半減しかねない。
そこで、内部的にボーナス役に当選しているが、ボーナス役とは異なる他の役が選び出されていることを外観上把握困難となるように、ボーナス役に対応するボーナス演出役画像に代えて他の役(リプレイゲームの役)に対応する演出役画像に決定し、内部抽選によりボーナス役が選び出された場合には、上記的あて演出などの複数のゲームにわたる一連の連続演出画像を、演出画像表示領域に表示することにより、ボーナス役当選に対する期待感を高めるとともに、例え内部抽選によりボーナス役が選び出されなかったとしても、いかにもボーナス役が選び出されたかのように、複数のゲームにわたる一連の連続演出画像を、演出表示装置590に表示しうる連続演出として行うことができる。
なお、ボーナス役とリプレイゲームの役とが同時に重複して成立しているときには、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせよりも、リプレイゲームの役に対応する図柄の組み合わせが優先して入賞するように回動表示体が停止制御される。リプレイゲームの役が成立しているときは、リプレイゲームの役に対応する図柄組み合わせを取りこぼすことがないので、ボーナス役とリプレイゲームの役とが同時に重複して成立しているときは、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせが入賞することはない。
内部的にボーナス役に当選しているが、ボーナス役とは異なる他の役が選び出されている状態では、内部抽選によりリプレイゲームの役が選び出される確率が通常遊技状態よりも高められる。つまり、内部抽選によりボーナス役が選び出されたときには、内部抽選によりリプレイゲームの役が選び出される確率が通常遊技状態よりも高められることによって、ボーナス役とリプレイゲームの役とが同時に重複して成立しうる状態となり、内部抽選によりリプレイゲームの役が選び出されなかったゲームに限りボーナス役に対応する図柄の組み合わせの入賞が可能となり、その結果、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせの入賞が遅延される。
なお、的あて演出は、内部抽選にてボーナス役が選び出された場合に限られず、内部抽選にてボーナス役が選び出されなかった場合(例えばハズレの場合)にも行われうることは言うまでもないない。これにより、的あて演出が行われると、遊技者にボーナス入賞の期待感を与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
(花札演出)
本実施形態におけるスロットマシン1には特典演出機能を搭載しており、ボーナス終了後に開始される特典演出を特に「金さんTIME」と呼ぶ(詳細は後述する)。ボーナス終了後に金さんTIMEに入るか否かをボーナス中に遊技者に知らせる役目をしている演出が、「花札演出」である。
花札演出について図75を用いて説明する。「花札演出」は、ボーナスゲームの後半に係る数ゲームを用いて行われる演出である(ボーナスゲームの前半に行われても差し支えはない)。「花札演出」は、上述の的あて演出の「的」に該当する図柄が「花札」に変わったものであるので、演出態様は「的当て」演出と同様である。遊技者はこの演出の結末を自ら参加しながら見届けることにより、ボーナスゲーム終了後の第2〜第4RTゲームにおいて特典演出が開始されるか否かを、ボーナスゲームの消化と並行して知ることができる。
花札演出の詳細について説明する。最初に演出表示装置590における演出表示領域5901aに、花札が3枚並んでいる。花札の図柄は、左側に位置している花札(左画像表示位置)5902a、真ん中に位置している花札(中画像表示位置)5902b、右側に位置している花札(右画像表示位置)5902cとする。本実施形態において、左画像表示位置5902aには「銭屋図柄」、中画像表示位置5902bには「町娘図柄」、右画像表示位置5902cには「金さん図柄」が表示されている(図75参照)。花札演出においては、最終的に「金さん図柄」を選択することができた場合には次回ボーナスまで特典演出が継続する「スーパー金さんTIME」(後述する)、「町娘図柄」を当てた場合には回数に上限のある特典演出である「金さんTIME」(後述する)、「銭屋図柄」を当てた場合にはハズレ(金さんTIMEには入らない)となる。
次に可動簾役物5903が演出表示領域5901aの的を覆い隠すように下りてくる(図75の(b)参照)。そうすると遊技者には、可動簾役物5903の存在によって花札のシルエットしか見えない状態となる。そして可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)で花札の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われた後に、いずれの花札が当たりであるか(つまり、「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札はどれか)を遊技者に選択させるために、可動簾役物5903に写る各的のシルエット上に「?」を表示する(図75の(c)参照)。
そして遊技者がいずれかの花札を選択するようにリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作を行った後、可動簾役物5903が上げられる(もとの位置に収納される)。これにより、リール停止ボタン211の停止操作によって選択された結果が正しいか否か(一番最初に停止操作したリール停止ボタン211に対応する位置に「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札があるか否か)を遊技者に確認させる(図75の(d)。
図75の(d)に示すように、遊技者によって一の花札が選択された後は、選択された花札のみを表示させる(中画像表示位置5902b)。選択されなかった花札が位置していた左画像表示位置5902aおよび右画像表示位置5902cは、表示されないため白色二点鎖線で示している(図75の(d)。中画像表示位置5902bには「金さん図柄」が表示されていることから、遊技者がリール停止ボタン211bから停止操作したことにより中画像表示位置5902bを選択した結果、「金さん図柄」を選択することができたことが示されるとともに、当該ボーナスゲームの終了後に、次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)に移行することが示される。この結果を見ることにより遊技者は、「このボーナスゲーム終了後に、次回ボーナスまで継続する特典演出に移行する」ということを予め認識することができる。
前述のように、花札演出で見事「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札を選択することができれば、ボーナス終了後に特典演出が開始されることになるが、花札演出で「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札を選択することができなかった(つまり、選択した図柄が「銭屋図柄」であった)としても、ボーナス終了後に特典演出が一切開始されないというわけではない。なぜなら、ボーナスゲーム中にも特典演出抽選を行っており、花札演出中であっても特典演出抽選に当選する可能性があるからである。
特典演出抽選の抽選結果が当たりである場合には、花札演出で遊技者がいずれの花札を選んでも(いずれのリール停止ボタンから停止操作をしても)「町娘図柄」又は「金さん図柄」と記載された花札を選択するように制御し、遊技者に特典演出抽選の結果が当たりであることを知らせる。言い換えると、特典演出を開始させるか否かの抽選結果がハズレである場合には、いずれの花札を選択したとしても、ハズレ図柄の「銭屋図柄」を選択するように制御する。このように制御したとしても、遊技者は可動簾役物5903の存在によって、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)を覗くことができないため、自己のリール停止操作によって「銭屋図柄」を引いてしまったのか、そもそも特典演出を開始させるか否かの抽選結果がハズレであったがために「町娘図柄」又は「金さん図柄」を引くことができなかったのか、については知る術がない。
(超チャンス状態)
可動簾役物5903を用いた演出として、上記の的あて演出や花札演出の他に、「超チャンス状態」がある。超チャンス状態とは、ボーナスゲーム中や特典演出中ではない非演出状態時に、主制御基板409における内部抽選にて小物(小役)11〜19(図65を参照)に当選したとき、または小物(小役)1〜10(図65を参照)に当選した場合(これらの小役をチャンス小役と称するが、詳細は後述する)に、当該当選の情報を受けて周辺制御基板510によって行なわれる演出である。なお、小物(小役)11〜19(図65を参照)に当選した場合の方が、小物(小役)1〜10(図65を参照)に同時当選した場合よりも超チャンス状態に移行しやすい設定としている。
周辺制御基板510は、主制御基板409から受けたチャンス小役当選の情報を受けて、超チャンス状態に移行するか否かの抽選を行うほか、ゲーム数の抽選、すなわち当該超チャンス状態中のゲームを何ゲーム行うかについての抽選を行う。これらの抽選結果は、得られたチャンス小役の種類によって異なるが、詳細は後述する。なお、当該抽選および超チャンス状態のゲーム中に、超チャンス状態を何ゲーム継続させるか(超チャンス状態中の加算ゲーム回数)を抽選し、当該抽選によって得られた回数を当該超チャンス状態中のゲームに加算し、当該超チャンス状態を継続させてもよい。
超チャンス状態への移行について、具体的に図76を用いて説明する。図76の(a)は、通常遊技状態中に可動簾役物5903が演出表示領域5901aの上部から約5分の1下りてきたことを示す図である。このとき、ガタガタという音をスピーカーより発生させると共に可動簾役物5903が見え隠れする。可動簾役物5903が演出表示領域5901aの全てを覆うと、超チャンスに移行する期待を持つことができるようになっている。したがって、このとき遊技者は、「もしかしたら超チャンス状態に移行するかもしれない」という期待を抱きながら遊技を行うことができる。超チャンス状態に移行しない場合(つまり可動簾役物5903の動作がガセ演出であった場合)は、図76の(a’)のように、可動簾役物5903は元の位置に収納される。
また、図76の(b)は、可動簾役物5903が演出表示領域5901aの上部から約3分の1下りてきたことを示す図であり、図76の(c)では、可動簾役物5903が演出表示領域5901aの下部5分の1を残す程度まで下りてきたことを示す図であるが、これらの演出も超チャンス状態に移行しない場合(可動簾役物5903の動作がガセ演出であった場合)には、図76の(a’)のように、可動簾役物5903は元の位置に収納される。可動簾役物5903が図76の(d)に示すように、演出表示領域5901a全部を覆う場合であっても同様である。超チャンス状態に移行するか否かは、当該遊技における全てのリール停止ボタン211(211a〜211c)を停止操作したのちであって、次ゲームに係るMAXベットボタンを操作したとき、またはMAXベットボタンの操作後、始動レバー210を操作したとき等に判明する。具体的には、超チャンス状態に移行しない場合には、上記操作の際に、演出表示領域5901aを覆っていた可動簾役物5903が、図76の(a’)に示すように元の位置に収納されてしまうことによって、遊技者は認識することができる。
上記とは反対に、超チャンス状態に移行する場合には、図76の(e)に示すように、遊技中に可動簾役物5903が演出表示領域5901a全体を覆った後、当該遊技におけるリール停止ボタン211(211a、211b、211c)の停止操作を行ったのちも可動簾役物5903が演出表示領域5901a全体を覆ったままの状態となり、次のゲームを開始したとき(MAXベットボタンを操作したとき、またはMAXベットボタンの操作後、始動レバー210を操作したとき)に、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a)に超チャンス状態に突入したことを示す背景が表示される。
「超チャンス状態に突入したことを示す背景」とは具体的には、可動簾役物5903の簾部分の向こう側(演出表示領域5901a)が透けて見える状態で表示される。例えば、図76(a)〜(c)で表示されていた長屋背景が夕焼けの背景に変化したものなどが挙げられる。なお、超チャンス状態に移行に伴う背景画像は、上記の夕焼けの背景に限られず、雪国、砂漠、宇宙空間などであってもよい。
超チャンス状態に移行する確率は非常に低く設定されている(詳細は後述する)。また、超チャンス状態に移行する契機は上述の通りチャンス小役(詳細は後述する)となっており、このチャンス小役にはボーナスが重複当選している可能性がある。したがって遊技者には超チャンス状態に移行しただけで、もしかしたらボーナスに重複当選しているかもしれないという期待を強く抱かせることができる。特に、本実施形態においては、超チャンス状態中にボーナスに当選するとボーナス終了後に必ず次回ボーナスまで継続するスーパー金さんTIMEに移行するため、遊技者にはこの超チャンス状態中にボーナスに当選してほしいと願いながら遊技を行わせることができる。
超チャンス状態中は上述のとおり、可動簾役物5903が演出表示装置590における演出表示領域5901aを覆った状態であるものの、演出表示装置590における図柄表示領域5901bまでは覆っていない。これにより演出表示装置590における演出表示領域5901aと可動簾役物5903とがモード演出(超チャンス状態中)を行っている場合であっても、遊技者は当該演出を楽しみつつ、かつ内部抽選の抽選結果などを演出表示装置590における図柄表示領域5901bで容易に確認することができる。
(特典演出の態様)
本実施形態におけるスロットマシン1には、上述の通り特典演出機能を搭載している。特典演出としては、アールテイ終了抑制演出とエーテイ演出とが行われる。
アールテイ終了抑制演出は、ボーナス(BB、RB)終了後のRTゲーム(第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲーム)において、該RTゲームが終了(第1RTゲームが開始)しないように、リール停止ボタン211の停止操作手順(すなわちリプパン役が成立する停止操作手順)をナビゲートするというものである。
エーテイ演出は、主制御基板409における内部抽選にて再遊技役が選択される確率が通常の遊技状態と比較して高い第2〜第4RTゲーム中に、内部抽選にて成立した小役について、周辺制御基盤510により当該小役の入賞が容易化されるようにナビゲートされるものである。
本実施形態においては、このような特典演出として2種類の演出が行われ、1つは、抽選により決定された小役の入賞を容易化させるナビゲート回数の上限が設けられているエーテイ演出(「金さんTIME」と称する)であり、もう1つは、抽選により決定された小役の入賞を容易化させるナビゲートを次回ボーナスまで継続するART(「スーパー金さんTIME」と称する)である。
なお、エーテイ演出は、1セットの特典演出において所定の数の小役の成立をナビゲートすると終了する。小役の成立がナビゲートされる所定の数は周辺制御基板510における抽選によって決定され、当該抽選を「ナビ小役数抽選」と称する。ナビ小役数抽選により決定される小役の数は3個、5個または7個であり(これらの数には限定されない)、これらから一の小役の数が決定される。例えば、ナビ小役数抽選により決定された小役の数が7個であった場合には、1セットの特典演出では当該7個分の小役が成立するまでリプレイが継続し、7個目の小役が成立することにより特典演出が終了する。
上記1セットの特典演出にてナビゲートされる小役の数(3個、5個または7個)のうちいずれに決定されるかについては、スロットマシンの設定によって抽選確率が段階的に異なっている。例えば、1セットの小役の数が7個となる確率(抽選により「7個」が選択される確率)は、最低設定(例えば1)の場合よりも、最高設定(例えば6)の場合の方が高い。
ところでボーナス終了後に特典演出が開始されるか否かは、主制御基板409における内部抽選においてボーナスに当選した旨の情報を受けた周辺制御基板510が、特典演出抽選を行うことにより決定される。そして、当該特典演出抽選に当選したか否かについては、上述の花札演出(ボーナスゲーム中の演出)のほか、ボーナスゲーム中に遊技機に設けられたスピーカーから予告音を発生させ、その直後のリール停止操作において図柄表示領域5901bに「七−七−七」図柄または「金−金−金」図柄等が揃う等の演出により遊技者は確認することができる。なお、上記の図柄を遊技者の技量によって揃えさせるようにしてもよいし、フリー打ちで消化して当該図柄が揃うように制御してもよく、揃えられなかった(揃わなかった)からといって特典演出抽選に当選しなかったということを明示するものではない。
特典演出抽選では、ボーナス終了後に特典演出を開始させるか否かを決定する抽選を行う他、特典演出を何セット継続させるかの抽選(特典演出セット回数抽選)および特典演出をストックさせるか否かを決定する抽選(特典演出ストック加算抽選)を行う。特典演出セット回数を「P」で表示する。ストックされる特典演出として、小役の数に応じたナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)または次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)がある。特典演出ストック加算抽選についての詳細は後述する。
ここで本実施形態における特典演出(小役の数に応じたナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)の演出態様について、具体的に図77〜図79を用いて説明する。図77の(a)は、ボーナスゲームの終了を示す図である。ボーナスゲームの終了が表示された当該遊技の後、始動レバー210を操作すると、演出表示領域5901aは図77の(b)に示す画像に切り替わる。また、当該始動レバー210を操作した際に、上述の1セットの特典演出における小役の数(ナビ小役数)の抽選を行う(ナビ小役数抽選)。ナビ小役数は3個、5個、7個があり、これらのうち一のナビ小役数が抽選により決定される。なお、特典演出のセット数およびナビ小役数は上記の数に限定されない。
ナビ小役数抽選により決定されたナビ小役数は、図77の(b)演出表示領域5901aの上部(ナビ小役数表示領域5904)に、手形(小役)図柄として表示される。本実施形態においては、演出表示領域5901aに手形図柄が3つ表示されていることから、ナビ小役数抽選により決定されたナビ小役数が3個であったことを示す。ナビ小役数が3個である場合、当該特典演出では、小役が3回成立するまでリプレイを継続させつつ、リプレイタイムのパンク役(再遊技0)の成立について遊技者にナビゲートする。
小役の成立およびリプレイタイムのパンク役の成立についてのナビゲートは、リール停止ボタン211における複数のリール停止ボタンのうち最初に停止操作すべきリール停止ボタンを、遊技機に設けられたスピーカーから「左」、「中」、「右」と音声で知らせたり、停止操作すべきリール停止ボタンの位置を演出表示領域5901aに表示させたりすることにより行われる。遊技者はナビゲートに従ってリール停止ボタン211の停止操作をすることにより、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役(再遊技0)を成立させずに特典演出ゲームを継続させることができ、また成立した小役を取りこぼすことなく入賞させることができる。
図77の(c)は、小役の成立に基づき、当該小役を入賞させるために、左側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211a)を最初に停止操作すべきことをナビゲートしていることを示す。小役がナビゲートされる場合、ナビ小役数表示領域5904に表示されていた小物図柄が「1」減算されて表示されるとともに、演出表示領域5901aに大きく表示される。このとき、例えば左側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211a)から停止操作させる場合には演出表示領域5901aの左側に、右側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211c)から停止操作させる場合には演出表示領域5901aの右側に大きく表示することにより、遊技者に右側に位置するリール停止ボタン211aを停止操作すべきなのか、左側に位置するリール停止ボタン211cの停止操作をすべきなのかを視認しやすくしている。
リプレイタイムのパンク役についても基本的なナビゲート態様は同様である。しかし、リプレイタイムのパンク役のナビゲートに際しては、図77の(e)に示すように、小役のナビゲートの場合よりも深刻な警告音とともに、停止操作すべきリール停止ボタンを遊技者に知らせる。なぜなら、上述の小役成立のナビゲートに従わなくとも小役を取りこぼす程度に留まるが、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役(再遊技0)のナビゲートに従わずにリール停止操作を行った場合には、該パンク役(再遊技0)が成立してしまい、特典演出が終了するからである(図77の(f)参照)。
上記深刻な警告音とは、例えばサイレンやヒトの叫び声などが突如聞こえてくるような、思わず遊技を中断または躊躇してしまう程のインパクトのある音等が挙げられ、始動レバー210を操作した際に突如発せられることが好ましい。また、警告音の他に、演出表示領域5901aには、正しい停止操作を行わなければリプレイタイムのパンク役が成立する旨を示す画像を表示させることができる(図77の(e)。このような態様にすることにより、遊技者には当該ゲームはリール停止ボタンの停止操作いかんによってリプレイタイムのパンク役に入賞しうることを的確に知らせることができ、遊技者がうっかりパンク役を入賞させてしまうのを抑制することができる。
既に記載したように、本実施例におけるスロットマシン1は、ボーナスを除く入賞役については取りこぼされることがないように図柄が配列されていることから、当該ボーナス役を除く入賞役については、正しい停止操作手順でリール停止ボタン211a〜211cの停止操作を行なう限り、目押しを行なうことなく、小役等の取りこぼしを防ぐことができる。それによりスロットマシンを初めて遊技する人やお年寄りにも遊技しやすい仕様となっている。しかし、スロットマシンにおける遊技が全てフリー打ちでよいとすると、遊技者の停止操作いかんによって得られる入賞結果が異なることに味わいや面白さがあるスロットマシンの本来の良さを没却することになりかねない。したがって本実施形態によるスロットマシン1は、第2〜第4RTゲームひいては特典演出中の小役の成立やパンク役(再遊技0)の成立については、遊技者の停止操作に起因するものの、当該停止操作に関し、各ナビゲートに従うことにより確実に小役を入賞させることができる上、不本意なかたちでパンク役を成立させないようにすることが可能である。
上記のように、特典演出において、小役の成立に際し、容易に小役に入賞させることができるように正しい停止操作手順がナビゲートされることにより、ナビゲートに従ってさえいれば確実に当該小役を獲得することができ、また、第2〜第4RTゲームひいては特典演出の終了契機であるリプレイタイムのパンク役(再遊技0)の成立に際し、小役の成立とは異なる、思わず遊技するのをためらうほどの警告音等でナビゲートされることにより、遊技者には小役の成立の際とは異なる適度な緊張感を与えられるとともに、当該ナビゲートに従いさえいれば、第2〜第4RTゲームひいては特典演出を不本意に終了させることなく遊技を続けることができるという安心感をもって遊技者は遊技を続けることができる。
図77の(d)は、小役が1つナビゲートされたのち、ナビ小役数表示領域5904における手形の数が3から2に減算されて表示されていることを示す図である。その後、図78の(a)から(d)まで、上記(図77の(b)〜(d)と同様のゲームが繰り返される。手形図柄全ての手形がナビゲートされる(つまり、ナビ小役数表示領域5904における手形の数が「0」になる)と、演出表示領域5901aに可動簾役物5903が下りてくる(演出表示領域5901aには浅黄幕が閉められたような表示を行う)ことにより、特典演出は一旦終了する(図79の(a)。これが特典演出の1セットの一連の流れとなる。
図79の(a)のように、特典演出が一旦終了したかのように見えても、上記に示したように、ボーナス終了後における始動レバー210の操作により行われた特典演出のセット回数の抽選(特典演出セット回数抽選)により決定された特典演出のセット回数(P)が「0」より大きければ(P>0)、MAXベットボタンの操作をした際、もしくは始動レバー210を操作した際に「まだまだぁ」という掛け声とともに、特典演出がまだ継続することを示す演出が表示される(図79の(b)。しかし、特典演出のセット回数(P)が「0」であれば(P=0)、特典演出は終了し、通常の演出状態に戻ることになる(図79の(b’)。
図79の(b)のように、特典演出が継続される場合、次の特典演出の1セットにおいて、ナビ小役数をいくつにするかについての抽選(ナビ小役数抽選)は、上記特典演出終了後の始動レバー210の操作の際に行われる。図79の(c)には、当該抽選によりナビ小役数「5」が決定されたことを示す。
本実施形態の遊技機は、特典演出実施中のリプレイタイム(第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲーム)のパンク役(再遊技0)についてのナビゲートに従わずにリール停止ボタンの停止操作を行った場合を除いては、所定個数の小役に入賞しない限り(上記ナビ小役数が5から減算されて0になるまで)、リプレイゲームが継続する。つまり、所定個数の小役に入賞せずにリプレイゲームが継続し、そのまま当該特典演出内においてボーナスに当選する場合がありうる。そうすると、当該特典演出がスーパー金さんTIME(次回ボーナス当選まで継続する特典演出)でないにもかかわらず、結果的にスーパー金さんTIMEの場合と同様の効果、つまり、次回ボーナスまで特典演出が継続する場合があり得る。
ここで、一般的な遊技機における特典演出の実行中において、通常、小役が入賞することは、獲得できる遊技媒体の純増が期待できるため、遊技者はできるだけ多くの小役に入賞してほしいと願いながら遊技を続けるものである。これに対して、本実施形態の遊技機における特典演出の実施中には、当該特典演出がスーパー金さんTIMEでない場合には、次のボーナス当選まではできるだけ所定数の小役には当選してほしくないと願いながら遊技が行われうる点において一般的な遊技機とは機能が異なる。言い換えると、ボーナスゲームにおいては遊技媒体の増加に期待できるのに対し、特典演出においては、いかに次回ボーナスまで遊技媒体を減らさずに継続できるかという点に期待しながら遊技が行われうる。これにより、ボーナスゲームと特典演出とにおける遊技者の心情にメリハリをつけることができる。
本実施形態の遊技機における特典演出において、遊技者は、エーテイ演出により所定の数の小役(例えばナビ小役数「5」と決定された場合には5回小役に当選するまで)停止操作手順のナビゲートされることにより、正しい停止操作手順にて小役を入賞させた場合には必ず賞としての小役を獲得することができるため、ある種の満足感は得られる。しかし、エーテイ演出が行われることはつまり特典演出の終了が次第に近づいていることを意味しており、例えば、リプレイタイムが開始された直後に連続的に所定回数分のエーテイ演出が行われた場合には、小役を獲得できた満足感よりも、あっという間にリプレイタイムが終了してしまったことへの不満足感を得ることになる。
ここで一般的な回胴式遊技機における、完走型のリプレイタイム(リプレイゲームの限度数が予め決定されているリプレイタイム)と比較すると、本実施形態における特典演出の終了は、アールテイによる停止操作手順に背いた場合等を除き、遊技者が特典演出の終了を容易に予測できるものではない。換言すると、本実施形態における特典演出の終了は、リプレイゲーム中に、内部抽選における小役に当選したタイミングに依存するため、完走型のリプレイタイムのように、あと何ゲームでリプレイタイムは終了すると遊技者が予測しながら遊技を続けることは困難である。
したがって、所定の回数の一般役に当選することによって特典演出が終了してしまう本実施形態の遊技機においては、一般役に当選し、エーテイ演出により容易に遊技媒体を獲得することができることにより満足感を得ながらも、エーテイ演出が行われる毎に、遊技媒体を得るだけではあきたらない慊焉感を抱きうる。
ここで、既に記載したように、遊技者が不本意に特典演出を終了させてしまった場合であっても、上記特典演出実施手段は、上記特定役へ入賞させた時点において、予め定められたエーテイ演出の回数のうち、エーテイ演出が行われなかった回数分(不足分)のエーテイ演出を周辺制御RAMに記憶し、次の特典演出まで持ち越して実施することができる。そしてさらに次回の特典演出が開始された際には、今回の特典演出に際して決定された所定の回数のエーテイ演出に加えて、上記持ち越された不足分のエーテイ演出に係る特典演出を行うことができる。
具体的には、ボーナス終了後の第2RT〜第4RT中に特典演出が行われている場合に、アールテイ終了抑制演出により適正な停止操作手順が教唆されているにも関わらず、遊技者が誤ってまたは故意に、教唆された停止操作手順とは異なる停止操作を行ってしまったがために、特定役としてのパンク役(再遊技0)を入賞させてしまうと、エーテイ演出にかかる小役(例えば、3回分だった場合を挙げる)のうち例えば1回分しか獲得できずに、第2〜第4RTが終了してしまう。この場合、特典演出も直ちに終了する(中途終了手段)とともに、第1RTが開始されてしまう。そうすると、当該特典演出において2回分のエーテイ演出が行われなかったことになる。
その後、遊技者が遊技を継続することにより再びボーナスに当選し、再度、特定条件としての特典演出抽選に当選したことに基づいて特典演出が行われる場合には、先(前回)の特典演出において行われなかった2回分(不足分)のエーテイ演出は、当該特典演出において行われる。もちろん、特典演出抽選に当選したことにより、当該特典演出においても所定の回数のエーテイ演出が行われることが決定されていることから、遊技者は、当該エーテイ演出において教唆された適正な停止操作手順に従うだけで、不足分の2回分と、当該特典演出により行われる回数分のエーテイ演出とを享受することができる。つまり、当該特典演出が開始されるに際し決定された所定の一般役の回数が3回分であった場合には、上記不足分と合わせて5回分のエーテイ演出が行われる。
5回分のエーテイ演出は、例えば図77の(b)中のナビ小役数表示領域(5904)に小役が5つ表示されることにより遊技者に視認させることができる。
なお、前回の特典演出においてエーテイ演出の不足分が生じた場合には、特典演出抽選にて落選した場合であっても、ボーナス終了後の第2〜第4RT中に、特典演出が行われる。
さらに上記持ち越された回数分のエーテイ演出は、当該特典演出に際して決定された回数分のエーテイ演出に先駆けて(すなわち先立って)行われることができる。当該特典演出においては、上記持ち越された上記不足分の回数にいたるまで、アールテイ終了抑制演出により教唆された停止操作手順に反してリール停止ボタン211の停止操作を行わない限り、遊技者の停止操作手順に起因して小役への入賞を容易化しうるように停止操作手順が教唆される。そして、不足分全てのエーテイ演出が行われた後、特典演出が一旦終了するかのような演出画像が表示されたのちに、当該特典演出に際して決定された所定の回数分のエーテイ演出が行われる。
上述したとおり、ボーナス終了後の第2〜第4RT中に特典演出が行われている場合に、アールテイ終了抑制演出による教唆に反してリール停止ボタン211の停止操作を行うと、特定役としてのパンク役(再遊技0)が入賞してしまい、エーテイ演出が中途で終了してしまう(中途終了手段)。
この場合、例えば図77の(b)中のナビ小役数表示領域(5904)には、先ずは不足分である2回に相当する数(2つ)の手形を表示する。このように中途半端な数の手形が表示された場合には、前回特典演出にてエーテイ演出が中途で終了してしまったことを遊技者に認識させることができる。そしてこれらの数に基づいて当該エーテイ演出において小役の成立が教唆された後、図79の(a)に示すように一旦特典演出が終わったかのように演出表示領域5901aに表示され、さらに図79の(b)に示すように特典演出が継続される(正確にはここから当該特典演出が開始される)旨が表示される。その後、図79の(c)中のナビ小役数表示領域(5904)に、当該特典演出に際して決定されたエーテイ演出の回数(3回分)として手形が3つ表示される。
このように、先駆演出実施手段により不足分の2回のエーテイ演出については、当該特典演出により行われる回数分のエーテイ演出に先立って行うことができる。これにより、先の特典演出において不本意にもリプレイタイムを終了させてしまった遊技者にとっては、不足分の2回について、後の特典演出において獲得できることを確認しつつ遊技を続けることができる。
また、先の特典演出において不本意なかたちでリプレイタイムが終了されたことを知らずに遊技をしていた遊技者が遊技を終了したのちに、他の遊技者が遊技を行うことによって、当該他の遊技者が当該特典演出に先立って不足分の2回分のエーテイ演出を享受した場合には、通常は得られなかった特典演出を得られたことによりお得感を感じて遊技を行うこととなる。これにより、遊技者が意図しなかった特典演出が行われうることとなり、遊技者を高揚させることが可能となる。
(次回ボーナスまで継続する特典演出)
本実施形態においては図示しないが、次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)の進行は、基本的には上述のナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)と同様であるが、ナビ小役数表示領域5904の表示態様が異なっている。スーパー金さんTIMEは、次回ボーナスまで特典演出が継続する(いわゆる無限特典演出である)ため、ナビ小役数の上限についての概念がない。したがってスーパー金さんTIME中のナビ小役数表示領域5904には、小役(小物)(ナビゲートの限度数)を表示することなく小役の成立をナビゲートし、次回ボーナスに当選するまで特典演出ゲームが進行する。
(特典演出の終了)
金さんTIME(スーパー金さんTIMEを含む)は、特典演出のパンク役(再遊技0)を入賞させた場合に終了する。特典演出のパンク役を入賞させるとは、ナビゲートされたとおりにリール停止ボタンの停止操作を行わなかった場合を意味する。金さんTIME(スーパー金さんTIMEを含む)は、ボーナス終了後の第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲームのいずれかのRTゲームに移行しているが、上記のように特典演出のパンク役をナビゲートされた通りにリール停止ボタンの停止操作を行わなかった場合には、「再遊技0」(図65参照)に当選する。換言するとそれまで継続していたRTゲーム(第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲームのいずれか)を終了させ、新たに第1RTゲームを開始させる
(特典演出ストック)
本実施形態において特典演出ストック加算抽選は、次の(1)〜(4)のうちいずれかの条件を満たしたときに行われる。(1)通常遊技状態またはリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出されたこと、(2)ボーナスゲーム中において主制御基板409による内部抽選によりハズレが選び出されたこと、(3)特典演出実行中のリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりハズレが選び出されたこと、(4)その他所定の条件を満たすこと。なお、上記抽選は、主制御基板409における内部抽選の結果を受けて周辺制御基板510が行う抽選であり、上記の条件以外で特典演出ストック加算抽選が行われても差し支えない。ストックされる特典演出は、次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)のストック(ストックY1)および小役の数に応じたナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)のストック(ストックY2)である。
また、ボーナスゲーム中に行われる特典演出ストック加算抽選は、内部抽選によりハズレが選び出された場合に限って行われる。ボーナスゲームは、賞としての遊技媒体が付与される役が複数のゲームにわたって連続的に入賞するゲームであるが、本実施形態では、ボーナスゲーム中であったとしても10〜20ゲームに1回程度は内部抽選によりハズレが選び出されるようになっている。ビッグボーナスゲームは概ね40ゲーム行われるので、ビッグボーナスゲーム中の内部抽選によりハズレが数回選び出される可能性がある。これにより、短時間当たりの出玉速度を抑制できるので、徒に遊技者の射幸心を煽ることが抑制できる。ただし、ビッグボーナスゲーム中であるにもかかわらず内部抽選によりハズレが選び出されると、遊技者に落胆を与えかねない。そこで本実施形態のスロットマシンでは、ボーナスゲーム中は、内部抽選によりハズレが選び出された場合に限り、特典演出ストック加算抽選を行うようにしている。これにより、ボーナスゲーム中に、短時間当たりの出玉速度の抑制と内部抽選によりハズレたことに起因する遊技者の落胆の緩和(むしろ内部抽選によりハズレを望むこともありえる)とを図っている。
ところで、主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出されると、第5RTゲームまたは第6RTゲームに制御される。したがって、遊技者に有利度合いが高い第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームに制御されている場合であっても、内部抽選によりボーナス役が選び出されると、より有利度合いが低い第5RTゲームまたは第6RTゲームに移行する。これは、再遊技役とボーナス役とが重複して成立していると、ボーナス役よりも再遊技役が優先してリールの停止制御が行われ、ボーナス役がなかなか入賞しなくなるからである。そこで、これを回避すべく、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームよりも、内部抽選により再遊技役が選び出される確率が低く設定され且つ内部抽選によりハズレが選び出される確率が高く設定されている第5RTゲームまたは第6RTゲームに移行するようにしたのである。
すなわち、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれに制御されている場合に、たとえスーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが行われていたとしても、内部抽選によりボーナス役が選び出されると、これらRTゲームとともにスーパー金さんTIMEや金さんTIMEも終了してしまう。このように、内部抽選によりたとえボーナス役が選び出されたとしても、遊技者にとって有利なRTゲームが強制的に終了してしまうと、遊技者に落胆を与えかねない。
そこで、本実施形態では、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されている場合に、スーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが行われている場合には、内部抽選によりボーナス役が選び出されたときは必ず、スーパー金さんTIMEおよび金さんTIMEのいずれかに100%の確率で当選するように、特典演出ストック加算抽選が行われるようにした。詳しくは、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されている場合に、スーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが行われている場合には、内部抽選によりボーナス役が選び出されたときは、8/1000の確率でスーパー金さんTIMEに当選し、992/1000の確率で金さんTIMEに当選する。これにより、内部抽選によりボーナス役が選び出されたことを起因としてスーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEを伴ったRTゲームが終了したとしても、ボーナスゲームが終了したのちのRTゲームにおいて、常にスーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが行われるので、遊技者に与える落胆を軽減できる。さらには、スーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEがループしうることとなり、興趣の低下を抑制できる。
また、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されている場合に、スーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが行われているときは、内部抽選によりハズレが選び出された場合にも、特典演出ストック加算抽選が行われる(スーパー金さんTIMEの抽選および金さんTIMEの抽選のいずれも行われる)。第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームは、上述したとおり、内部抽選により再遊技役が主として選び出され、スーパー金さんTIEMまたは金さんTIMEが実行中であれば、内部抽選により小物1が選び出されると当該小物1が入賞するようにナビされるので、遊技媒体としてのメダルが漸増することとなる。ただし、本実施形態のスロットマシンでは、大量の遊技媒体が付与されるビッグボーナスゲームの他に、メダルが漸増する第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームが行われることによる遊技者の射幸心を徒に煽ることを抑制すべく、例えば10〜25ゲームに1回程度はハズレが選び出されるようになっている。
ところが、第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されていながらも内部抽選によりハズレが選び出されると、メダルを投入することなくゲームを実行できる再遊技役が選び出されることを期待している遊技者に落胆を与えかねない。しかも、スーパー金さんTIMEや金さんTIMEの実行中であれば、本来、メダルが漸増しうるにもかかわらず、内部抽選によりハズレが選び出されるとそのショックは大きいものである。そこで、スーパー金さんTIMEや金さんTIMEが行われている第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームでは、内部抽選によりハズレが選び出された場合にも、特典演出ストック加算抽選(金さんTIMEの実行にかかる抽選)を行うことにより、遊技者の射幸心を抑えつつも遊技者に与えかねない落胆を軽減し、興趣の低下を抑制している。
ただし、第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれかに制御されており、さらに特典演出(スーパー金さんTIMEまたは金さんTIME)が実行されているとき、内部抽選によりハズレが選び出されたことによって特典演出ストック加算抽選に当選したとしても、アールテイ終了抑制演出により教唆されたリール停止ボタン211の停止操作順に反した順序でリール停止ボタン211の停止操作を行うことによってパンク役(特定の条件)を成立させてしまった場合には、制御されているRTゲーム(第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれか)を終了し、第1RTゲームに移行する。このとき、特典演出も併せて終了する。ここで、第1RTゲームは3ゲーム行うと終了し、その後、内部抽選によりボーナス役が選ばれる等しない限り通常遊技状態に移行する。これにより、上記特典演出ストック加算抽選に当選したとしても、アールテイ終了抑制演出により教唆されたリール停止ボタン211の停止操作順に反した順序でリール停止ボタン211の停止操作を行うことで通常遊技状態に移行した場合には、当該通常遊技状態における内部抽選によりボーナス役が選び出されない限り、ストックされたスーパー金さんTIMEが実行されないことになる。これには、アールテイ終了抑制演出により、制御されているRTゲーム(第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれか)がパンクしない手順をせっかく教唆したにもかかわらず、遊技者がこれに反する手順でリール停止ボタン211の停止操作順で停止操作したことに対するペナルティ的な意味合いが含まれる。これにより、スーパー金さんTIMEまたは金さんTIME実行中の第2RTゲーム〜第4RTゲームでは、当該第2RTゲーム〜第4RTゲームの終了条件である特定条件としてのパンク役(再遊技0)が成立(入賞)しないようにリール停止ボタン211の停止操作を行わなければならないといった緊張感を遊技者に与え、スーパー金さんTIMEや金さんTIMEにおけるゲームが単調となることを軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態のスロットマシンでは、スーパー金さんTIMEや金さんTIMEが行われている第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームにおいては、内部抽選によりハズレが選び出された場合にも特典演出ストック加算抽選を行うようにしているが、「ハズレが選び出された場合」に代えて、「1ゲームの実行に供するメダルの量に相当する価値の役が選び出された場合」に、特典演出ストック加算抽選を行うようにしてもよい。ここで、1ゲームを実行するために必要なメダルが3枚であるから、2枚以下のメダルしか付与されないような入賞役に入賞した場合に、特典演出ストック加算抽選を行うようにしてもよい。このような場合であっても、遊技者の射幸心を抑えつつ遊技者に与えかねない落胆を軽減できるからである。
また、スーパー金さんTIME中または金さんTIME中の第2RTゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかのゲームにおける内部抽選によりハズレが選び出された場合に行われた特典演出ストック加算抽選のうち、金さんTIMEの抽選に当選して金さんTIMEの実行にかかる権利がストックされた場合には、リール停止ボタン211の停止操作順を誤って金さんTIMEを途中で終了させてしまったとしても、ストックされていた金さんTIMEが開始されるようにした。ただし、この場合にも、制御されているRTゲーム(第2RTゲーム〜第4RTゲームのいずれか)を終了し、第1RTゲームに移行するとともに、併せて特典演出を終了するようにしてもよい。
特典演出ストック加算抽選は、上記(1)〜(4)の条件を満たしたのちに始動レバー210を操作したタイミングによって行われる。通常は特典演出ストック加算抽選が行われているか否かを遊技者に視認させないが、視認させる場合があってもよい。本実施形態においては、ボーナスゲーム中に特典演出ストック加算抽選が行われた場合には、ボーナスゲーム中であるにもかかわらず、図柄表示領域5901bには所定の入賞役は表示されず(メダルも払い出されない)に所定のハズレ目が表示される。したがって、遊技者は当該ハズレ目を視認することにより、今ゲームで特典演出抽選が行われたということを認識することができる。特典演出ストック加算抽選の当選確率は、スロットマシン1の設定によって段階的に異ならせているほか、特典演出ストック加算抽選を行う際の当該ゲームの抽選状態によっても異ならせている。抽選状態については後述する。なお、通常遊技状態またはリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出されたこと(上記(1)の条件)によって行われる特典演出ストック加算抽選は、ボーナス役が選び出された当該ゲーム、ボーナス役が選び出されたゲームの次ゲーム、ボーナス役が入賞したゲームおよびボーナスゲーム中のいずれで行うようにしてもよい。ボーナスゲーム中に行う場合には、ボーナスゲームの最終ゲームにおいて最後のリールを停止させるべくリール停止ボタンを操作したとき(停止ボタンから指を離したとき)であってもよい。
(チャンス小役)
ここで、チャンス小役について説明する。上述したとおり、変動表示装置300(ミニリール)に停止した際に、小窓部としての開口部591aに表出される内部抽選の結果と、液晶上に表示される演出画像(演出役画像の組み合わせ)とは、基本的には1対1で対応しているものの、小役(小物)11〜19、および小役(小物)1〜10(図65参照)については、変動表示装置300(ミニリール)に停止表示された内部抽選の結果と、液晶上に表示される演出画像(演出役画像の組み合わせ)とが、1対2で対応している。言い換えると、内部抽選の結果が小役(小物)11〜19または小役(小物)1〜10である場合には、2種類の演出役画像としてのチャンス小役に振り分けられることとなる。これにより、バリエーションに富んだ制御、演出等が可能となる。2種類の小役を本実施形態において「チャンス小役1」および「チャンス小役2」と称する。チャンス小役1に当選すると、図柄表示領域5901bには「徳利−徳利−徳利」図柄が表示され、チャンス小役2に当選すると図柄表示領域5901bには「巾着−巾着−巾着」図柄が表示されることにより、遊技者はいずれのチャンス小役に当選したかを図柄表示領域5901b上で確認することができる。
2種類のチャンス小役の振り分けについては、小物11〜19にボーナスと重複して成立する場合と小物単独で成立する場合とが含まれている。そして、超チャンス状態、スーパー金さんTIME、および金さんTIMEのいずれでもない場合(すなわち、高確抽選状態または低確抽選状態)において、ボーナスと重複して小物が成立した場合には、チャンス小役1(徳利図柄)が選択されやすく、小物単独で成立する場合にはチャンス小役2(巾着図柄)が選択されやすく設定されている。例えば、演出表示装置590における図柄表示領域5901bに「徳利図柄」が表示(徳利−徳利−徳利)された場合には、ボーナスと重複している期待度が高くなるのに対し、高確抽選状態へ移行する期待度は低くなる。一方、演出表示装置590における図柄表示領域5901bに「巾着図柄」が表示(巾着−巾着−巾着)された場合にはボーナスと重複している期待度は低くなるに対し、高確抽選状態へ移行する期待度が高くなる。
本遊技機において、主制御基板409における内部抽選において小役(小物)11〜19、または小役(小物)1〜10(図65参照)の当選の情報を受けた周辺制御基板510によってチャンス小役1(徳利)に振り分けられる確率(選択確率)が約75%であるのに対し、チャンス小役2(巾着)に振り分けられる確率(選択確率)は25%である。つまり、内部抽選において小物1〜19に当選した場合に、徳利は巾着の約3倍選択されやすい。言い換えると、遊技者にとっては徳利が巾着の約3倍出現しやすい小役として確認することができる。
なお、超チャンス状態、スーパー金さんTIME、および金さんTIMEのいずれかである場合には、ボーナスと小物とが重複して成立した場合に限りチャンス小役2(巾着図柄)が選択される。これに対して、チャンス小役1(徳利図柄)は、ボーナスと小物とが重複して成立していない場合にも選択される。すなわち、チャンス小役2が表示された場合にはボーナス確定状態となり、チャンス小役1が表示された場合にはボーナスが確定しているか否かが不明な状態となる。
本遊技機において、主制御基板409における内部抽選において小役(小物)11〜19、または小役(小物)1〜10(図65参照)の当選の情報を受けた周辺制御基板510によってチャンス小役1(徳利)に振り分けられる確率(選択確率)が約75%であるのに対し、チャンス小役2(巾着)に振り分けられる確率(選択確率)は25%である。つまり、内部抽選において小物1〜19に当選した場合に、徳利は巾着の約3倍選択されやすい。言い換えると、遊技者にとっては徳利が巾着の約3倍出現しやすい小役として確認することができる。
上記のように2種類のチャンス小役によって遊技者が抱くボーナスへの期待度を異ならせることにより、遊技者にはチャンス小役に当選したことを視認させつつも、ボーナスに重複当選している可能性があるのか、高確抽選状態に移行した可能性があるのかを一見しただけでは判別しにくくしている。これにより、遊技者はチャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合には、ボーナスが重複して当選していることに期待感を抱きつつ遊技をすることができ、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合にはボーナスの重複当選はそれほど期待できなくとも、高確抽選状態へ移行することへの期待感を抱きながら遊技をすることができる。
また、上記のように主制御基板409における内部抽選において当選した小役(小役11〜19、または小役1〜10)に応じて2種類のチャンス小役に振り分けられた後は、周辺制御基板510はさらに(1)抽選状態(高確または低確)の移行抽選、(2)高確抽選状態における高確遊技回数加算抽選、(3)超チャンス状態移行抽選、(4)特典演出ストックの加算抽選を行う。上記抽選状態の移行抽選により(上記(1)周辺制御基板510の抽選状態が高確状態へ移行した場合と、高確状態へしなかった場合(低確状態)とでは、超チャンス状態への移行(上記(3)、特典演出ストックの加算(上記(4)についての抽選で差があるため、以下高確抽選状態と低確抽選状態について具体的に説明する。なお、本発明の演出抽選状態制御手段は、超チャンス状態、高確抽選状態および低確抽選状態のうちいずれかに制御する本実施形態の周辺制御基板510が相当する。また、本発明の至極上抽選状態は、本実施形態の超チャンス状態に相当し、本発明の通常抽選状態は、本実施形態の高確抽選状態および/または低確抽選状態が相当する。
〔超チャンス状態、高確抽選状態および低確抽選状態〕
超チャンス状態は、特典演出ストック加算抽選のうちスーパー金さんTIME(ストックY1)にかかる抽選が行われると、常に100%の確率でスーパー金さんTIMEに当選してストックY1がストックされる抽選状態であり、超チャンス状態、高確抽選状態および低確抽選状態のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い抽選状態である。
高確抽選状態は、特典演出ストック加算抽選(スーパー金さんTIME(ストックY1)にかかる抽選、金さんTIME(ストックY2)にかかる抽選)が行われると、低確抽選状態よりも特典演出に当選しやすい(つまり、スーパー金さんTIMEおよび金さんTIMEのいずれも低確抽選状態より当選しやすい(ストックY1およびストックY2のいずれも低確抽選状態よりがストックされやすい)抽選状態である。すなわち、超チャンス状態、高確抽選状態および低確抽選状態のうち遊技者にとって最も有利度合いが低い抽選状態である。
高確抽選状態とは、低確遊技状態と比較して上述の超チャンス状態に移行しやすく、ボーナス終了後に移行しうる特典演出のストック(ストックY)を加算し易い抽選状態(周辺制御基板510における抽選状態)をいう。高確抽選状態は、ボーナス未作動時の遊技中に上述のチャンス小役に当選した際、ボーナスゲーム終了後、および設定変更時に抽選状態移行抽選が行われた結果に基づいて移行する。高確抽選状態に移行するとは、所定のゲーム数(例えば10ゲーム)にわたり、低確遊技状態における周辺制御基板510の抽選状態と比較して、ボーナス終了後に移行しうる特典演出のストック(ストックY)等を加算し易い状態にすることをいう。
ボーナス未作動時においては、具体的には上記チャンス小役のうち、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合には、23/1000で高確抽選状態に移行するのに対し、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合には975/1000で高確抽選状態に移行する。言い換えると、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合の方が、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合よりも、高確抽選状態に移行しやすい。
本実施形態においては、周辺制御基板510における抽選状態が高確抽選状態であるか否かに関わらず、ボーナスゲーム終了後1ゲーム目から数ゲーム間(例えば10ゲーム)、必ず高確抽選状態移行する(1000/1000)。また、設定変更後(初期状態ともいう)には、抽選状態が高確抽選状態であるか否かに関わらず、抽選状態移行抽選を行い、750/1000で高確抽選状態に移行する。何ゲームにわたって高確抽選状態にするかについては、ボーナス当選時における周辺制御基板510の抽選状態が低確抽選状態であったか、または高確抽選状態であったかによって異なる。具体的には図示しないが、ボーナス当選時の周辺制御基板510の抽選状態が低確抽選状態であった場合には、当該ボーナス終了後に移行する高確抽選状態のゲーム数が10ゲーム以上となる確率は、30ゲーム以上となる確率よりも高い。対してボーナス当選時の周辺制御基板510の遊技状態が高確抽選状態であった場合には、当該ボーナス終了後に移行する高確抽選状態のゲーム数が30ゲーム以上となる確率の方が、10ゲーム以上となる確率よりも高い。
超チャンス状態への移行についても、高確移行抽選の場合と同様、当選したチャンス小役(チャンス小役1(徳利図柄)またはチャンス小役2(巾着図柄)によって異なるとともに、抽選状態(高確または低確)によっても異なっている。超チャンス状態について既に記載した通り、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合よりも、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合の方が、超チャンス状態に移行しやすく、その理由は以下に示す抽選確率の違いによる。チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合には、遊技状態が高確抽選状態か低確抽選状態であるかに関わらず、10/1000で超チャンス状態に移行する。それに対して、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合には、抽選状態が低確抽選状態であったときには188/1000で、高確抽選状態であったときは562/1000で超チャンス状態へ移行する。上記の通り、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合と比較して、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合の方が周辺制御基板510の抽選状態にかかわらず、超チャンス状態に移行しやすい。
言い換えると、チャンス小役1(徳利)に当選した場合において、高確抽選状態に移行する確率は約3%、超チャンス状態に移行する確率が約10%、ボーナスに当選している確率が10%〜15%であるのに対し、チャンス小役2(巾着)に当選した場合において、高確抽選状態に移行する確率は97%、超チャンス状態に移行する確率が20%〜60%(低確抽選状態での確率〜高確抽選状態での確率)、ボーナスに当選している確率が5%〜7%である。これらの確率と、チャンス小役1(徳利)およびチャンス小役2(巾着)の出現確率との関係は以下の通りである。
つまり、出現確率(選択確率)が高いチャンス小役1(徳利)は、高確抽選状態や超チャンス状態に移行する確率がチャンス小役2(巾着)よりも低いが、ボーナスに当選している確率がチャンス小役2(巾着)の2倍以上である。それとは対蹠的に、出現確率(選択確率)が低いチャンス小役2(徳利)は高確抽選状態や超チャンス状態に移行する確率がチャンス小役1(徳利)よりも高いが、ボーナスに当選している確率がチャンス小役1(徳利)よりも低い。
具体的には、内部抽選により小役(小物)11〜19が選び出されると、先ずは超チャンス状態(本発明の至極上抽選状態)に制御するか否かが決定され、超チャンス状態に制御する旨が決定されると至極上抽選状態に制御される。ここで、内部抽選により小役(小物)11〜19が選び出されると、チャンス役1(徳利)とチャンス役2(巾着)とのうちいずれの演出態様にするかを互いに異なった選択確率で決定されるが、この選択確率と、超チャンス状態に決定される確率とが対蹠的となるように、超チャンス状態に制御するか否かを決定する。すなわち、本実施形態では、上述したとおり、チャンス役2(巾着)よりもチャンス役1(徳利)の方が選択される確率が高いので、内部抽選により小役(小物)11〜19に当選したときに、チャンス役1(徳利)が選択された場合には、チャンス役2(巾着)が選択された場合と比べて超チャンス状態に制御されやすい。
また、上記の超チャンス状態に制御するか否かの決定において超チャンス状態に制御しないと決定された場合には、次いで、高確抽選状態に制御するか否かを決定し、高確抽選状態に制御する旨が決定されると高確抽選状態に制御される。このとき、超チャンス状態に制御するか否かを決定する際と同様に、チャンス役1(徳利)とチャンス役2(巾着)とのうちいずれの演出態様にするかを決定する選択確率と、高確抽選状態に決定される確率とが対蹠的となるように、高確抽選状態にするか否かが決定される。すなわち、本実施形態では、上述したとおり、チャンス役2(巾着)よりもチャンス役1(徳利)の方が選択される確率が高いので、内部抽選により小役(小物)11〜19に当選したときに、チャンス役1(徳利)が選択された場合には、チャンス役2(巾着)が選択された場合と比べて高確抽選状態に制御されやすい。
そして、超チャンス状態および高確抽選状態のいずれにも制御しないと決定された場合には、低確抽選状態に制御すると決定される。このように、チャンス役1(徳利)とチャンス役2(巾着)とのうち選択確率が低いチャンス役2(巾着)が選択された場合には、チャンス役1(徳利)が選択された場合と比べて、超チャンス状態に決定されやすく、また超チャンス状態に決定されなかったとしても高確抽選状態に決定されやすい。
また、特典演出のストック(ストックY)の加算抽選の抽選確率についても、抽選状態が高確抽選状態であるか低確抽選状態であるかによって異なっている。当該加算抽選は主にボーナス当選時に行われている。具体的には、抽選状態が低確抽選状態であるときに主制御基板409における内部抽選でボーナスに当選すると、4/1000でスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックを加算、40/1000で金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストックを加算するのに対し、抽選状態が高確抽選状態であるときに主制御基板409における内部抽選によってボーナスに当選した場合には、8/1000でスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックを、992/1000で小役の成立回数を限度として継続する特典演出(金さんTIME)のストックを加算する。言い換えると、抽選状態が高確抽選状態である場合にボーナスに当選すると、当該ボーナス終了後にはほとんど金さんTIMEに移行するのである。
さらに抽選状態が高確抽選状態の場合は、低確抽選状態の場合と比較してスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックおよび金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストックともにストックされやすい(特典演出ストック加算抽選に当選しやすいともいう)。以下、スーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックについて「ストックY1」、金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストックについて「ストックY2」と記載でき、2つのストックを含めて記載する場合には「ストックY」と記載する。
このように、内部抽選により選び出された役が小役(小物)11〜19である場合には、当該選び出された役が小役(小物)11〜19として同じ役であるにもかかわらず、徳利または巾着といった具合に異なる演出態様での演出が行われうるようにすることで、演出のバリエーションを増やすことができ、その結果として、特典演出ストック加算抽選における優位度を遊技者に詮索させるといった面白みを提供することが可能となる。つまり、内部抽選により小役(小物)11〜19が選び出された場合に、徳利と巾着とのうち、演出態様として選択確率が高い徳利が選択された場合には超チャンス状態や高確抽選状態に制御されにくいため、遊技者はスーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが実行される期待度合いが低くなり、演出態様として選択確率が低い巾着が選択された場合にはスーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEが実行される期待度合いが高くなる。
とくに、従来のように、ARTにかかる抽選が内部抽選のみに依存するのではなく、内部抽選の結果が小役(小物)11〜19と同じ役であるにもかかわらず、表示される演出態様が徳利であるか巾着であるかによってスーパー金さんTIMEまたは金さんTIMEの実行にかかる抽選の優位度合いが異なるようにしたので、主制御基板409により通常遊技状態に制御されている場合であっても、遊技が単調となることを軽減できる。しかも、上述したとおり、小役(小物)11〜19が内部抽選により選び出される確率は、ボーナス役が内部抽選により選び出される確率に比べると極めて高い(小役(小物)11〜19とボーナス役との重複役を考慮しても、小役(小物)11〜19が選び出される確率は、ボーナス役が選び出される確率よりも概ね5倍高い)ので、通常遊技状態における遊技の単調さを軽減できる。
また、本実施形態における特典演出のストック加算抽選は、上記(1)〜(4)の条件のうち(1)および(2)の場合(つまり、通常遊技状態またはリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりボーナス役が選び出された場合、およびボーナスゲーム中において主制御基板409による内部抽選によりハズレが選び出された場合)には、先ずはスーパー金さんTIME(ストックY1)にかかる抽選を行い、ストックY1がストックされなかった(ストックY1にかかる抽選にハズレた)場合に限り、金さんTIME(ストックY2)にかかる抽選を行う。より詳しくは、特典演出のストック加算抽選を行うに際して乱数を取得するが、当該取得した乱数を用いて、先ずはつまり、特典演出のストック加算抽選により得られた1の乱数を、まずストックY1についての抽選を行い(金さんTIME(至福演出)の抽選)に用い、ストックY1についての抽選にハズレた場合にのみ、新たに乱数を取得することなくストックY1についての抽選に用いられた同一の乱数を用いてストックY2についての抽選を行う(スーパー金さんTIME(極上演出)の抽選)に用いられる。言い換えると、ストックY1にかかる抽選に当選した(スーパー金さんTIMEに移行することが決定した)場合には、ストックY2についての抽選は行わない。
このようにすることで、ストック加算抽選が行われたときは、遊技者にとって金さんTIME(至福演出)よりも有利度合いが高いスーパー金さんTIME(極上演出)に当選しうる機会が常に与えられることとなる。すなわち、金さんTIMEに当選したときは常にスーパー金さんTIMEにハズレたことになるので、金さんTIMEに当選したがために遊技者にとってより有利度合いが高いスーパー金さんTIMEが行われないといった事態を回避できる。言い換えると、金さんTIMEよりもスーパー金さんTIMEが優先的に行われるように抽選される。また、スーパー金さんTIMEの抽選に当選した場合には、ボーナスゲーム終了後のリプレイタイム中にスーパー金さんTIMEが行われ、たとえスーパー金さんTIMEの抽選に落選したとしても金さんTIMEが行われるので、一度にスーパー金さんTIMEの抽選と金さんTIMEの抽選とが行われる場合よりも、ボーナス終了後のリプレイタイムにおいてスーパー金さんTIMEと金さんTIMEとのうちいずれかの演出が行われるチャンスをより多く与えることが可能となる。
なお、上記(1)〜(4)の条件のうち(3)の場合(つまり、特典演出実行中のリプレイタイムにおいて主制御基板409による内部抽選によりハズレが選び出された場合)には、スーパー金さんTIMEの抽選が行われず、金さんTIMEの抽選のみが行われる。
また、特典演出ストック加算抽選は、ボーナス成立時のほか、ボーナスゲーム中(ボーナス作動中ともいう)にも行われている。当該抽選が行われたか否かについては、ボーナスゲーム中に演出表示装置590における図柄表示領域5901bにハズレ目が表示される(内部抽選に不当選)ことにより遊技者に確認させることができる。言い換えると、ボーナスゲーム中に主制御基板409における内部抽選にハズレだった場合にのみ、特典演出ストック加算抽選を行っている。ここで、当該特典演出ストック加算抽選におけるスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストック加算抽選は4/1000、金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック加算抽選は132/1000で行われる。
また、特典演出ストック加算抽選は、スーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)中、または金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)中に行われてもよい。本実施形態においては、上記特典演出の継続中に、主制御基板409における内部抽選にハズレだった場合に、特典演出ストック加算抽選が行われ、4/1000で金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック加算抽選に当選する。ここで、スーパー金さんTIME中にボーナスに当選した場合には、通常遊技状態中にボーナスに当選するよりも、特典演出ストック加算抽選に当選する確率が高い。このように、特典演出中にボーナスに当選した場合には、また、特典演出が行われやすい遊技機とすることにより、ボーナスと特典演出のループが期待できる。
従来の遊技機においてボーナスゲームは、ボーナスに入賞後、内部抽選における所定の入賞役に入賞し、賞としての遊技媒体が払い出されることにより実行される。そしてボーナスゲームは、当該遊技媒体が所定枚数に至ることにより終了する。ここで、ボーナスゲームにおける単位時間当たりに払い出される遊技媒体があまりに多くなると、遊技者の射幸心を煽るどころか、ホールにとっては一方的に不利益を被る。そこで、単位時間当たりの払い出し枚数を抑制するために、ボーナスゲーム実行中に行われる内部抽選における役に敢えてハズレを設けることが挙げられる。この場合における図柄表示領域5901bの表示態様についての詳細は既に記載したが、ハズレ図柄を表示させることにより、遊技者にも、当該内部抽選の結果がハズレだったことを認識させることができる。
ここで問題となってくるのが、ボーナスゲーム中にあえてハズレを設けることが、ホールにとっての不利益を抑制することにつながったとしても、遊技者にとっては、結果的にボーナスゲームで得られる遊技媒体の純増枚数が少なくなるという点である。単純に、内部抽選による結果がハズレであることは、遊技者に対して落胆の感情を抱かせるものであるが、上記のような状況下において、ボーナスゲーム中にハズレが頻発すると、遊技者は落胆どころか、しだいに怒りを感じずにはいられなくなってくる場合があり、ひいては興趣の低下を招く虞がある。
そこで、本実施形態における遊技機においては、ボーナスゲーム実行中における内部抽選の結果がハズレである場合に限り、特典演出抽選が行われる。この特典演出抽選は、ボーナスゲーム終了後に特典演出を行うか否かの抽選を行うほか、既に当該特典演出についての抽選に当選していた場合(言い換えれば、ストックY1またはストックY2の値が0でない場合)であって、さらに当該ボーナスゲーム実行中の内部抽選にハズレとなった場合には、特典演出のストック加算抽選が行われる。このように、ボーナスゲーム実行中における内部抽選でハズレが頻発すればするほど、特典演出にかかる抽選が行われる機会が多くなるだけでなく、特典演出にすでに当選した場合であって、その後さらに内部抽選におけるハズレが頻発すればするほど、特典演出ストック加算抽選により特典演出のストックが加算されている可能性があると期待を持たせることができる。
ところで、本実施形態における遊技機においては、ボーナスゲーム実行中における内部抽選においては、入賞役(小物等)が主として選び出されるが、ハズレは例えば10〜20ゲームに1回程度選択されうる。このように、ボーナスゲーム中に行われる内部抽選に敢えてハズレを設けることにより、単位時間当たりに払い出される遊技媒体を抑制することができ、ホールの不利益を抑制することができるだけでなく、遊技者の射幸心をも抑制することが可能となる。
(特典演出ストックの持ち越しと放出)
本実施形態における特典演出ストック加算抽選で加算されたストック(スーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストック(ストックY1)および金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック(ストックY2)は、直近のボーナス終了後に開始される特典演出ゲームにおいてすべてのストック分が消化されなかった場合、次回特典演出ゲームまで持ち越される。特典演出ストックが持ち越される具体例について、ボーナスに当選した場合であって、さらに特典演出抽選に当選(例えば、金さんTIMEに継続することが決定)し、かつ特典演出ストック加算抽選に当選(例えば、ストックY2に1加算)した場合を挙げて説明する。
上記の通り、特典演出抽選により金さんTIMEに移行することが決定し、特典演出ストック加算抽選を行い、当該特典演出ストック(金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック(ストックY2)に当選した場合には、特典演出ストック(ストックY2)を1つ有した状態である。なお、当該特典演出ストック加算抽選にて決定したストックがストックY2であることから、ボーナスゲーム終了後には小役の成立回数を限度として継続する特典演出(金さんTIME)が開始される。次に、ナビ小役数抽選により所定の数の小役が決定され、当該所定数の小役を限度に、小役の入賞についてのナビゲートが行われる。例えば、ナビ小役数抽選により小役の数が5個と選択された場合には、リプレイタイム中に小役が5個当選するまで当該小役への入賞についてのナビゲートが行われる。また、当該小役への入賞についてのナビゲートが終了するまで、特典演出ゲームの終了契機であるリプレイタイムのパンク役(再遊技0)への入賞を回避するようにナビゲートが行われる。
本実施形態における特典演出のパンクについては既に述べたが、例えば本例においても、リプレイタイムのパンク役についてのナビゲートに従わずにリール停止操作をした場合には、たとえ当該特典演出ゲームにおいて、5個の小役のうち1個分しか消化されていない状態であっても、リプレイタイムのパンク役(再遊技0)の入賞により特典演出は終了する。言い換えると、残りの4回分の小役を獲得しないまま、特典演出は終了する。
しかしながら、このような場合であっても、当該特典演出ゲームが終了した後、再度特典演出ゲームが開始すると(つまり、リプレイパンク後の通常ゲーム等においてボーナスに当選し、さらに特典演出抽選にも当選した場合をいう)、当該特典演出ゲームにおけるナビ小役数抽選により決定された小役の数を消化するに先駆けて(後であってもよい)、先の特典演出ゲームで消化することができなかった小役(上記の例では4個)から特典演出ゲームを開始することができる。つまり、特典演出ゲーム中にリプレイタイムのパンク役に入賞させたことによりナビされる予定だった小役をとり損ねても、当該小役ナビを次の特典演出まで持ち越すことができるのである。
また、リプレイパンク後の通常ゲーム等においてボーナスに当選した場合に、たとえ当該ボーナス時等における特典演出抽選に当選しなかった場合であっても、前回の特典演出において獲得することができなかった残り4回分の小役を獲得する権利を既に有している(ストックY2の値が0ではない)ことから、ボーナス終了後は無条件に特典演出を開始するとすることもできる。こうすることにより、ボーナス終了後の特典演出は、本来のナビ小役数抽選により選択された回数とは異なる半端な小役数(つまり、前回の特典演出において獲得することができなかった残り4回分の小役)から開始されることとなる。
そうすると遊技者にとっては、前回の特典演出において誤ってリプレイタイムのパンク役に入賞させてしまったことにより、本来ならば獲得することができたはずの小役を獲得し損なった場合であっても、次回ボーナス終了後に必ず獲得することができるというメリットがあるため、遊技者には次回ボーナスまで遊技を続けようとする気持ちが芽生える。これにより稼働率の上昇が見込まれることから、ホールにとってもメリットがあるといえる。
上記は上記遊技者の救済的な効果について記載しているが、例えば、上記遊技者が、特典演出において誤ってリプレイタイムのパンク役に入賞させてしまった場合であって、次回ボーナスまで遊技を続けなかった場合について記載する。上記遊技者の次に座った遊技者が遊技を行ったことによりボーナスに当選した場合には、たとえ特典演出抽選に当選しなかった場合であっても、前回座っていた遊技者が獲得できなかった残り4回分の小役を無条件に獲得できるといった、いわば棚から牡丹餅的なシチュエーションが考えられる。
また、上記は特典演出における所定の小役を獲得できずに特典演出を終了させてしまった場合について具体的に述べたが、特典演出のストック(例えばストックY2)の値が、例えば6である場合(特典演出ストック加算抽選に当選することにより得点演出ストックが上乗せされていた場合)においても、ストックの持ち越しの概念は同様である。例えば、ボーナスに当選した際等に行われる特典演出抽選に当選することより、ボーナス終了後に特典演出が行われることが決定され(少なくとも、ストックY2に1が加算される)、さらに特典演出ストック加算抽選に当選することによりストックY2の値が最終的に6となった場合(この時点でボーナス後には6セットの特典演出が行われることが決定したことになる)、特典演出が開始されることによりストックY2の値が1減算され5となる。
そして当該特典演出において、ナビ小役数抽選により小役の数が5個と選択された場合であって、かつ、1個分の小役を獲得した後にリプレイタイムのパンク役に入賞させてしまい、本来ならば獲得できるはずだった小役を4個分残したまま特典遊技を終了させてしまった場合には、半端な数の小役4個分に加えて、特典演出のセットの5回分をも獲得できなかったことになるのである。このような場合に、次回ボーナスへの当選においてこれらを獲得できるとすると、当該遊技者を救済する価値が大幅に上昇することはもちろんのこと、このような遊技特典が残されているとは知らずにこれらの特典演出を獲得できた遊技者にとってはこの上ないオトク感を与えることができる。
ここで、これらの特典演出を放出するタイミングや態様によっても、遊技者が受ける印象は異なる。例えば、ボーナス当選時等に行われた特典演出抽選または特典演出ストック加算抽選により既にストックY2が1以上であって、当該特典演出に先駆けて、棚から牡丹餅的に得た特典演出が開始された場合には、半端な小役の数がナビ小役数表示領域5904に表示されることから、遊技者は自分が棚から牡丹餅的に特典演出を獲得できたことを一目瞭然に認識することができる。
一方、当該特典演出においてストック加算抽選等により得たストックを先に放出した後に、棚から牡丹餅的に獲得した特典演出が開始された場合には、自分が棚から牡丹餅的に特典演出を獲得できたことを一目瞭然に認識することができることは先駆けて行った場合と同様であるが、さらに、半端な小役の数がナビ小役数表示領域5904に表示されることにより、特典演出の継続が終盤に向っていることが分かることから、できれば当該特典演出の実行中に再度特典演出ストック加算抽選に当選してほしい(ストックY1またはストックY2の値に所定の値が加算されること)と願いながら特典演出を消化することができるのである。
ただし、棚から牡丹餅的に獲得した特典演出を、自己が得た特典演出よりも常に後回しにして行うとした場合、特典演出の実行中に小役を残したまま特典演出を終了させればさせるほど、半端な数の小役を残したままの特典演出のセットが次から次へと加算されることになる。この場合には、遊技者は、ナビ小役数表示領域5904に表示される小役の数が半端である特典遊技が開始する度に、これは棚から牡丹餅的に獲得できた特典演出である特典演出であることを容易に理解できる上、特典演出が何回不本意な形で終了されたかを把握することもできる。
上記の例において、リプレイタイムのパンク役を入賞させることなく遊技を行うことにより、特典演出のストック(ストックY1またはストックY2)が全て放出された場合(つまり、ストックY1またはストックY2の値が0となる)、特典演出は終了し、演出表示装置590における演出表示領域5901aに表示されている画像は、通常遊技状態の画像へと戻る(図77の(f)参照)。ただし、この場合でも、リプレイタイムのパンク役に入賞するまでは、リプレイタイムが継続することは既に述べた。
別の例として、特典演出の実行中であって、かつ特典演出のストック(ストックY1またはストックY2)の値が1以上であった(つまり、特典演出が継続することが決定している)場合に、ボーナスに当選した場合ついて記載する。この場合も、誤ってリプレイタイムのパンク役を入賞させてしまった場合と同様、リプレイタイムのパンク役へ入賞させてしまった際に既に有している特典演出のセットと、当該特別演出にて獲得できるはずだった小役については、当該ボーナスの終了後に放出されることとなる。
ボーナスゲーム終了後に開始された特典演出が、自己の遊技の過程において自己が引き当てたものであるのか、それとも棚から牡丹餅的に獲得できたものであるのかは、特典演出の開始、若しくは終盤近くにおいて、ナビ小役数表示領域5904に半端な小役の数が表示されることによるしか遊技者には術がない。つまり、特典演出実行中において、ナビ小役数表示領域5904に表示されている小役を一つも獲得することなく、リプレイタイムのパンク役を入賞させてしまい、(不本意に)特典演出を終了させてしまった場合には、小役の数が減算されずに次回ボーナス終了後に特典演出として放出されるため、当該特典演出が開始されることのありがたみを遊技者が感じることができないのである。
したがって、このように、特典演出においてナビ小役数表示領域5904に表示された小役を一つも獲得することなく特典演出を終了させてしまった場合には、敢えて小役の数を1減算した上で次回ボーナス後に特典演出として放出するようにしてもよい。そうすれば、当該特典演出が開始された場合には、ナビ小役数表示領域5904に表示される小役の数は、本来の特典演出では表示されることのない半端な小役の数が表示されることから、遊技者は当該特典演出が、自己が不本意に特典演出を終了させてしまった際に残されていた特典演出なのか、それとも前に座っていた人が不本意に終了させてしまったものであるのかを明確に判別することができる。
一般的に、獲得できるはずであった小役を1減算されるとなると、遊技者が憤りを感じることはあるが、本実施形態におけるリプレイタイムのパンク役の入賞回避はナビゲートに従うものであり非常に容易であり、パンク役の入賞は遊技者の操作ミスによるものが多いと考えられる。このような状況下において、上記のようないわばペナルティ的な制裁を加えることにより、リプレイタイムのパンク役の入賞を回避できた人と、そうでなかった人との間での公平性を維持することも可能である。
本実施形態には、天井機能を搭載している。具体的にはボーナス終了に1079ゲームを超える遊技が行われた際にフラグが成立し(天井フラグという)、高確抽選状態への移行抽選および高確遊技加算抽選が行われるとともに、主制御基板409における内部抽選においてボーナスに当選するまで、小役の成立のみをナビゲートする(「無限ATナビ」という)。ナビゲートは音声やランプなどで行う他、液晶(演出表示装置590における演出表示領域5901aや図柄表示領域5901b)の表示などで遊技者にナビゲートするものであってもよい。
ここで、1079ゲームに到達したときに当該遊技状態が金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)中であった場合には、1079ゲームを超えた時点で天井フラグは成立するものの、当該特典演出が終了するまで当該天井フラグが成立したまま遊技は進行し、特典演出が終了した後に無限ATナビが発動する。特典演出終了後の無限ATナビも、上記のように音声等で小役の成立のみをナビゲートするものである。
なお、1079ゲームに到達したときに当該遊技状態がスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)中であった場合には、1079ゲームを超えた時点で天井フラグは成立するという点においては金さんTIMEの場合と同様であるが、当該特典演出が終了する場合とは、ボーナスに成立するか、不本意な形で当該特典演出を終了させた場合(リプレイタイムのパンク役を入賞させてしまった場合)が挙げられる。ここで、ボーナスに成立した場合には、成立していた天井フラグはリセットされる。しかし、不本意な形でスーパー金さんTIMEを終了させた場合は、当該終了させた時点から無限ATが発動する。
(ミッション遊技)
次に、ミッション遊技(あるいは「ミッション演出」ともいう。)を図80以降のフローチャートに基づいて説明する。ミッション遊技とは、遊技の最中に所定のミッションを遊技者に与えて、このミッションが決められた期間内(許容範囲)で達成されると、遊技者に対して、通常の遊技状態(通常遊技状態)を有利な遊技状態(有利遊技状態)に移行するようにしたものである。
主制御基板409は、始動レバー210の操作によって、ビックボーナスの成立、レギュラーボーナスの成立、小役の成立、リプレイの成立、ハズレの成立等のための抽選、モード移行抽選の他、ミッション遊技の発動抽選を行う。ミッション遊技発動抽選実行契機は、例えば、特定の小役(図63の当選役のうちの特定の小役)が成立した際、又は、毎ゲームである。したがって、遊技機は、ミッション遊技に、ボーナスやARTへの当選前の通常遊技状態(ARTの当選確率等が高確状態、又は、超高確状態の遊技状態移行前の状態を含む)から、突入することができる。なお、ミッション遊技の期間中は、遊技状態は通常遊技状態にあるため、有利遊技状態(ボーナス、ART等のように、より遊技媒体の獲得が期待できる状態)に比べて遊技媒体の消費量は多くなる。
ミッション遊技発動抽選に当選すると、主制御基板409は、図80のフローチャートをスタートさせる。主制御基板409は、次いで、ミッション内容決定抽選(S8000)と、ミッション許容範囲決定抽選(S8002)とを実行する。これらの処理の結果、ミッション内容とミッションの許容範囲が確定される。
主制御基板409は、S8000のミッション内容とS8002のミッション許容範囲に基づいて、ミッションの種別判定を実行する(S8003)。ミッションの種別には、複数図柄の配列に関する第1のミッションと、複数図柄の組み合せ以外、例えば、バトル等の液晶表示装置における特定演出に関する第2のミッションがある。
第1のミッションの例としては、「複数図柄の特定配列をM回転以内にN回揃えろ」(第1の条件)というものである。「特定配列」、「N回」、「揃えろ」が何れもミッションの要求(内容)に係る所定遊技状態の一つである。「M回以内に」というのが許容範囲(許容限界)である。第1のミッションは第1乃至第3のリールにおける複数図柄の特定配列、及び/又は液晶表示装置での複数図柄の特定配列に基づいて実行される。S8003において、主制御基板が第1のミッションを種別すると、S8004に移行する。
第2のミッションの例としては、「○○系バトルリーチ(所要時間S分)をT分以内に完結させろ」(第1の条件)というものである。「○○系バトルリーチ(所要時間S分)」、「完結させろ」がミッションの要求(内容)に係る所定遊技状態の一つであり、「T分以内に」というのがミッションの許容範囲である。「(所要時間S分)」がユーザに告知されるか否かは問われないが、S>Tであると、ミッションは「達成不可能ミッション」に分類される。S8003において、主制御基板が第2のミッションを種別すると、後述の図81に移行する。
主制御基板409は、第1のミッションを種別して、ミッション内容とミッションの許容範囲を決定すると、ミッション内容情報及び許容範囲情報を含むコマンドを周辺制御基板510に送信する(S8004)。周辺制御基板510は、ミッション演出画像の抽選を行い、抽選結果によって得られたミッション演出画像と共に、「複数図柄の特定配列をM回転以内にN回揃えろ」というミッションを液晶表示装置500に表示する。特定配列は、図63の当選役のうちの小役の何れか、又は、リプレイ図柄等である。例えば、第1リール乃至第3リールの「キリ−キリ−キリ」である。或いは、液晶表示装置(演出表示装置)590に表示される複数の図柄の特定の配列、例えば、既述の「手形−手形−手形」である。
ミッション演出画像としては、例えば、「ミッション指令」というテキストと共に、特別なミッションであることを遊技者に意識させるための、画像、色彩を有するものとしてよい。
N>Mであると、ミッションは実現不可能なものとして遊技者に認識されるが、後述の処理によって、実現不可能なミッションであっても、遊技者には達成可能なものとして提供される。このミッションの例として、「キリ」を5回転以内に10回揃えよ、というものがある。N≦Mであると、ミッションは実現可能なものとして遊技者に認識され、後述の処理によってミッションの達成がより容易になるものとして遊技者に提供される。このミッションの例として、「キリ」を10回転以内に5回転揃えよ、というものがある。
主制御基板409は、ミッション遊技処理を行いながら、メダル投入時の遊技処理を実行していく。主制御基板409は始動レバー210の操作によるスタート信号を受信すると(始動条件の成立)、RAMに設定されているゲーム数カウンタ(m:ミッション発動の際にリセットされて「0」になっている。)を「1」インクリメントする(S8006)。
次いで、主制御基板409は、第1リール乃至第3リールの組み合わせが特定配列に対応するものになるか否かを判定する(S8008)。この判定を否定すると、ボーナスゲームの成立の有無を判定し(S8010)、ボーナスゲームの成立を判定すると、ミッション達成コマンドを周辺制御基板510に送信する(S8012)。周辺制御基板はミッション達成コマンドを受けると、液晶表示装置にミッション達成演出を開始する。特定配列は通常ボーナス成立のための配列以外のものになる。
主制御基板409は、ボーナス図柄を成立させてボーナスゲームを開始させる際(S8014)ミッション遊技処理を終了し、周辺制御基板510はミッション達成演出を終了してボーナスゲームの演出を開始する。ステップ8010において、ボーナスの成立が否定され、特定配列以外の小役の成立等の判定を経て現在のゲームの処理を終了させた後、ステップS8022に移動して次ゲームの処理を行い、次いで、ステップS8006にリターンして、カウンタ(m)を「1」インクリメントする。ボーナスゲームの成立を以ってミッション達成としたのは、ボーナスによる遊技媒体の払い出しと、ミッション達成の際での遊技媒体の払い出しとの重畳を抑制するためであるが、ボーナス処理の後、ミッション遊技を終了することなく、主制御基板はS8006の処理に戻ってもよい。
S8008において、主制御基板409が特定配列の成立を判定すると、RAMに設定された特定配列成立数立カウンタ(n)を「1」インクリメントする(S8010:nはミッションの発動時にリセットされて初期値は「0」)。次いで、主制御基板409は、フリーズ演出抽選を実行し(S8018)、フリーズ抽選に当選すると、タイマにフリーズ継続時間を設定する(S8020:タイマに所定時間をセット)。フリーズ演出抽選に当選しないと、後述のステップS8032にジャンプする。
フリーズとは特定の図柄の組み合わせが有効ラインに成立した等の際に、遊技者側からの入力操作である、例えば、スタートボタン、ストップボタン、ベットボタンなどの動作を一定期間無効或いは保留にする演出である。主制御基板は、フリーズの間、フリーズ処理として、リールを遊技者の操作に依らずに回転させて複数の図柄の特定の配列を一回又は複数回完成させ、フリーズ期間内の特定の配列の成立をミッション達成のためにカウントすることよって、遊技者側の操作に基づくスタート信号によるリールの複数図柄の変動数が少ない場合でも、ミッション達成を実現させることができるようにする。この結果、遊技機は遊技者に不可能と思われるミッションの達成手段を提供することができるようになる。なお、フリーズに代えて、同一ゲームで特定図柄を連続して揃える0G連機能であってもよい。
次いで、主制御基板409は特定配列上乗せ回数抽選を実行し(S8024)、当選した特定図柄上乗せ回数を取得する。次に、上乗せ回数が1以上であるか否かを判定し(S8026)、これを肯定判定すると、タイマの残り時間を取得し、この時間内(フリーズ期間内)で、第1リールから第3リールを、上乗せ回数分前記特定配列が(液晶表示装置に)表示されるように、第1リール乃至第3リールの回転の開始及び停止を制御する(S8028)。主制御基板409は、特定配列カウンタ(n:S8016)に上乗せ回数分をインクリメントする。このステップは、特定配列数を補完する手段として機能する。
主制御基板409は、上乗せ回数が「0」である場合には、タイマアップ迄フリーズ状態を維持する(S8030:No)。フリーズ期間が終了すると(S8030:Yes)、ゲーム数カウンタ(m)の値と、特定配列成立数カウンタ(n)を読み込んで(S8032)、特定配列成数立カウンタ(n)とミッション内容(N)とを比較し、n≧Nであるか否かを判定する(S8034)。この判定を肯定すると、ミッション達成コマンドを周辺制御基板510に送信する。周辺制御基板はミッション達成コマンドを受け取ると、ミッション達成演出を表示装置に展開する(S8036)。
次いで、主制御基板は、遊技進行度としてのゲーム数カウンタ(m)の値と許容ゲーム数(M)とを比較し、ゲーム数カウンタの値が許容ゲーム数に等しいことを判定すると(S8042:Yes)、有利遊技としての、エーアールティ(ART)演出のコマンドを周辺制御基板510に送信し、これを受けて周辺制御基板は有利遊技を発動させて(S8039)、フローチャートを終了する。周辺制御基板510は、ミッション達成演出後、ARTのための処理を実行する。なお、有利遊技としては、ARTに代えて或いはこれに合わせて、AT、RT、ビッグ或いはレギュラーボーナスゲーム等でもよい。
主制御基板又は周辺制御基板が、ゲーム数カウンタの値が許容ゲーム数に到達していないことを判定すると(S8042:No)、ミッションを達成しても、許容回転数まで余裕があるので、ミッション遊技を終了して特別遊技形態を発動させる前に、ミッション遊技を継続させるかの抽選を実行する(S8044)。主制御基板又は周辺制御基板がミッション遊技の継続抽選の当選を判定する(ミッション遊技継続の選定する)と(S8044:Yes)、付加ミッション遊技の実行抽選(S8046)を行い、ミッションの継続抽選に当選しないことを判定すると(S8044:No)、周辺制御基板に有利遊技実行コマンドを送信する。周辺制御基板が有利遊技実行コマンドを受信すると、ミッション達成演出の際ミッション終了(ミッション達成)を宣言し、次いで、有利遊技を開始する(S8039)。一方、主制御基板がミッション遊技の継続を判定すると、主制御基板にミッション遊技継続コマンドを送信し、周辺制御基板がミッション遊技継続コマンドを受信すると、ミッション継続遊技中を表示装置に表示する。
S8042とS8044のそれぞれにおいて、抽選の代わりに、他の制御情報に基づいて選定基準を設定し、ミッション継続有無(付加ミッション実行有無)の選定を行ってもよい。例えば、最初のミッションの達成状況である。この例として、ミッション達成時での残りゲーム数(M−m)、ミッション達成時での有利遊技の対価(ARTのセット数、ARTの継続数等)がある。残りゲーム数が所定値以上、言い換えれば、残りゲーム数が多い場合にはミッションを継続する、あるいは、さらに、付加ミッションを実行する。残りゲーム数が多い場合、ミッションが早期に達成されたために、遊技者に、よりミッション遊技を楽しませるためである。また、当初のミッションで獲得できた有利遊技の対価が所定値より小さい場合にはミッションを継続させる、あるいは、さらに付加ミッションを実行させる。遊技者により多くの有利遊技対価を与えるためである。
したがって、残りゲーム数が多い場合でも、ミッションによって得られた有利遊技対価が大きい場合には、ミッションを継続させない、或いは、ミッションは継続させるが、付加ミッションを実行させないようにしてもよい。また、ミッションの達成度に応じて、異なる継続率の抽選テーブルを用いて、ミッションの継続抽選(付加ミッションの実行抽選)を行ってもよい。例えば、遊技機は、残りゲーム数が多い程継続率が高い抽選テーブルを採用することである。また、ミッション継続有無の判定(付加ミッション実行抽選)を、当初ミッションクリア前に特別図柄の配列に基づくようにしてもよい。このように、当初ミッションの遊技結果に基づいて、ミッション継続の要否、付加ミッション実行の要否の選定の基準(判定テーブル)が設定されるようにしてもよい。
主制御基板は、S8046において、付加ミッション遊技の実行抽選を行う。付加ミッションとは、当初ミッションの後に続く別のミッションのことである。主制御基板が付加ミッションの実行抽選の当選を判定すると、付加ミッション遊技の実行処理(図82)に移行する。この際、主制御基板は周辺制御基板に付加ミッション遊技移行コマンドを送信する。この送信を受けると、周辺制御基板は、付加ミッション遊技移行演出を実行する。この結果、遊技者は、当初ミッションの達成後に付加ミッションが加わった印象、或いは、当初ミッションが付加ミッションに変化、進化した印象(意外感など)を持つことができる。主制御基板が付加ミッション遊技実行抽選に当選しないことを判定すると(S8046:No)、次ゲーム処理(S8044)に移行して、当初のミッションゲームを付加ミッションに依らずに継続していく。この場合、遊技者には付加ミッションが提示されることなく、元のミッションが継続されるため、“特定図柄を規定回数揃えたが、残された回転数内でさらに特定図柄を揃えて、その積み増しを図ろう”という、ミッションの趣旨・意義を維持しつつ、さらに挑戦しようという意識を遊技者に醸し出させて、遊技機の興趣感を高めることができる。
ここで、付加ミッションゲーム以前の当初ミッションゲームは、本発明の特殊遊技形態に相当し、付加ミッションゲームが本発明の特別遊技形態に相当する。そして、本発明の主条件とは、当初ミッションゲームにおけるミッションが達成されたとするための条件(特定配列をM回転数以内にN回揃えること)であり、本発明の別条件とは、付加ミッションゲームにおける付加ミッションの形態がクリアとされるための、後述の条件である。
主制御基板が、S8042の否定判定、又は、S8044の否定判定後、有利遊技を発動する(S8039)際、ミッション達成に基づく当初の利益に加えて、特定配列カウンタ(n)の値に基づいて、追加利益の付与、又は、追加利益の付与の抽選を行ってもよい。例えば、ミッション達成の際の有利遊技の当初の特典をARTの発動だとすると、追加利益の例は、例えば、ARTの継続数の上乗せ、及び/又は、ARTのセット数の上乗せである。したがって、ミッションが許容ゲーム数到達以前に達成され、ミッションが継続されて、特定配列の上乗せがあると、それに応じて、有利遊技の特典が積み増しされて遊技者に有利となる。遊技者はミッションゲームを、ミッションの達成を単に目的とするだけでなく、ミッションを速く達成し、そして、ミッションの継続、或いは付加ミッションの発生を目指すようになるなど、ミッション遊技の態様が多彩になる。
主制御基板409がS8034の判定を否定すると、m=Mか否かの判定を行う(S8039)。この判定を肯定すると、ミッション許容範囲(M)内でミッションを達成できなかったとして、ミッション失敗コマンドを周辺制御基板510に送信する(S8040)とともに、カウンタm、nをリセットしてフローチャートを終了する。ミッション失敗コマンドを受信した周辺制御基板510は、液晶表示装置にミッション失敗演出を次ゲームが開始されるまで実行する。ステップS8038を否定判定すると、S8022に移行して次ゲームの処理を実行する。
M≧Nの場合、ミッションは遊技者に達成可能と思われるものとなり、本願発明のミッション処理の補完演出(既述のフリーズによる演出)によってミッションがミッション演出の中で速やかに達成される場合があるために、遊技者にはミッション遊技がスピード感に富んで進むものに成り得る。そして、M<Nの場合、ミッション演出は遊技者に達成不可能と思えるものになるが、補完演出(S8028)によってミッションが一気に達成されることもあるために、遊技者に意外感を与えるミッションの達成演出を提供することができる。
既述の実施形態では、複数図柄の特定配列、即ち、同一図柄三つの配列は液晶表示装置590で実現され、第1リール乃至第3リールには図65に示すように、異種図柄の不規則な組み合せが表示されるものであったが、図80以降の説明のミッション遊技の説明では、便宜上、複数図柄の特定配列を第1リール乃至第3リールで実現するようにしたものとする。この際、(図65の「キリ−キリ−キリ」)、液晶表示装置に図柄の特定配列の表示を行わないようにしてもよい。なお、液晶表示装置で特定の配列を成立させる図79以前の説明では、特定の配列に相当する相当配列がリール上で成立している。また、既述のミッション演出処理では、特定配列の上乗回数分リールを回動、停止することとしたが(S8028)、一部の回数又は全部の上乗せ回数を、リールを回転させることなく、液晶表示装置590上で図柄を変動させるようにしてもよい。すなわち、リール上の特定の配列と液晶表示装置の特定の配列との組み合わせを、ミッションの達成判定のために使用してもよい。
図81は、液晶表示装置590上で実行される第2のミッションの処理を説明するフローチャートである。このフローチャートは、「特定演出(所要時間S分)をT分以内に完結させろ」というミッションの処理を実行する。主制御基板は、第2のミッションを種別すると(図80のS8003)、ミッション内容情報及び許容範囲情報を含むコマンドを周辺制御基板510に送信する。周辺制御基板は、このコマンドを受けると、液晶表示装置500に、「特定演出(所要時間S分)をT分以内に完結させろ」というミッションを表示する。さらに、主制御基板は、ミッションの制限時間を管理するために、タイマをセット(タイマに許容時間T分をセット)する(S8100)。主制御基板はゲームをスタートさせると、タイマをスタートさせる(S8102)。なお、主制御装置は、タイマを一時記憶領域に設定する。
次いで、主制御基板は、特定演出を発生させるか否かの抽選を行い(S8104)、この抽選に当選すると、周辺制御基板に、特定演出設定コマンドを送信する。周辺制御基板はこのコマンドを受けると、液晶表示装置への特定演出の非促進処理を開始する。特定演出の非促進処理とは、特定演出の表示を促進する処理(S8112)とは異なり、特定演出の通常の再生速度での処理のことである。この抽選に当選しなかった場合は、S8120において、主制御基板はタイマが「0」、即ち、制限時間が経過したか否かをチェックし、制限時間が経過した場合は、図80のS8040に移行して、ミッションに失敗したとしてミッション遊技処理を終了する(S8124)。
一方、主制御基板は、S8120を否定判定、即ち、制限時間内であることを判定すると、現ゲームが終了して、次のゲームがスタートしたか否かを判定し、次のゲームがスタートすると(S8122:Y)、S8104にリターンする。次のゲームがスタートするまで(S8122:N)、主制御基板はタイマをチェックする(S8120)。
特定演出発生のための抽選は、第1リールから第3リールにおける複数図柄の特定の組み合せ、例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイが成立した際に行われるようにしてもよい。特定演出発生までの時間が長いと、残り時間が少なくなり、許容範囲(T分)の残り時間が所要時間(S分)より短くなると、液晶表示装置に表示されたミッションが当初S<Tである可能ミッションであってもゲームの進行にしたがって結果的に不可能ミッションになるが、ミッション処理は継続される。
主制御基板が特定演出を発生させると、ゲーム毎に第1リール乃至第3リールに特定図柄の組み合、例えば、「リプレイ」、「キリ」の組み合わせ等特定配列が成立したか否かを判定する(S8106)。主制御基板は、複数図柄の特定配列を判定しないと(S8106:N)、タイマをチェックし(S8126)、制限時間の範囲内である場合(S8126:N)、次ゲームがスタートするまでタイマをチェックする(S8128:N)。次ゲームがスタートすると(S8218:Y)、特定配列成立の有無判定(S8106)にリターンする。制限時間を越えると(S8126:Y)とミッションが失敗終了される。
主制御基板が、特定配列の成立を判定すると(S8106:Y)、特定演出の促進処理を行うか否かの抽選を行い(S8108)、抽選に当選した場合には、次ゲームがスタートする(S8110:Y)まで、タイマをチェックする(S8130:N)。制限時間を越えると(S8130:Y)、ミッションの失敗として処理される(S8124)。
主制御基板は、特定演出の促進処理のために、周辺制御基板に、促進処理のためのコマンドを送信する、周辺制御基板は、促進処理コマンドを受信し、次ゲームのスタートにしたがって、特定演出の促進処理を行う(S8112)。
特定演出の促進処理とは、例えば、特定演出の再生速度を上げたり、特定演出の途中から先までスキップさせたり、タイマの進行を一時的に停止して、特定演出を時間に対して相対的に早めたり、あるいは、これらの複数の組み合せなど、特定演出の進行を促進することをいう。再生速度の上昇率は一つでも、あるいは、2倍速、4倍速、10倍速のように複数でもよい。どの上昇率を選択するか抽選によって定めるようにしてもよい。演出の再生速度を上げる場合には、再生速度を上げる時間によって管理する。再生速度を上げる時間間隔如何によって、演出の完結までの実際の所要時間が変わってくる。演出の促進処理によって、演出の開始から終了まで要する実時間を当初の所要時間(S分)より短縮することができるために、演出の開始時では、演出の所要時間が許容時間を越えていて(S>T)、達成不可能とユーザに思われていた不可能ミッションでも、ゲームの進行とともにT分以内に完成可能なものに遷移するようになる。
なお、S8108の処理を省略して、特定配列が成立する(S8106:Y)と必ず促進処理が実行されるようにしてもよい。促進処理(S8112)の後、ゲームが終了すると(S8114:Y)、主制御基板は、タイマをチェックし(S8116)、制限時間が経過していると(S8116:Y)、ミッションを終了する(S8124)。制限時間内であるとき(S8116:N)、主制御時間は、特定演出が完結したか否かを判定する(S8118)。この判定は、例えば、主制御基板が、促進処理の結果、特定演出の最終フレームまで進んだか否かを、周辺制御基板を介してチェックすることによって達成される。主制御基板が、特定演出が完結されたと判定すると(S8118:Y)、ミッションが成功したとして、S8036(図81)に移行して、ミッション達成処理を行う。主制御基板が、特定演出の未完結を判定すると(S8118:N)、次ゲーム処理に移行する(S8128)。
主制御基板が促進処理を否定判定すると(S8108:N)、次ゲームがスタートするまで(S8132:N)タイマをチェックする(S8134)。主制御基板は、制限時間を越えると(S8134)、ミッションを失敗として処理し(S8124:Y)、制限時間内(S8134:N)に次ゲームがスタートすると(S8132:Y)、特定演出の既述の非促進処理を行う(S8136)。次いで、主制御基板は現ゲームの終了を判定すると(S8138:Y)、タイマのチェックを行う(S8116)。なお、図81において、主制御基板が第2のミッションを判別すると(図80:S8003)、次ゲームで、特定演出の発生抽選(S8102)を行ったが、これを行うことなく、特定演出を発生させるようにしてもよい。
図81のミッション処理によれば、ミッションが達成不可能なものに見えても(S>T)、演出促進処理によって、ミッションを達成できるようになり、また、ミッションが達成可能なものに見えても(S≦T)であっても、ミッションをユーザに報知した後演出の実際の発生までの時間が長くなると、演出発生後ミッションが達成不可能に見える形態に変化するが(S>残り時間)、演出促進処理によってミッションを達成することができるようになるなど、ミッションの進行の展開の多彩さをユーザに意識させることができる。またさらに、制限時間内に特定演出を完結させるなどミッションが達成されても、特定演出の結果がユーザにとって不利な場合(例えば、遊技者側キャラクタが敵側キャラクタに敗北する場合)、有利な場合よりも、ミッション達成の際のユーザに与えられる特別遊技の程度、例えば、ARTの継続数を少なくするようにしてもよい。
ミッションが達成可能なものであるか・ミッションが達成不可能なものであるか、さらに、ミッションの達成でもミッション処理の結果が遊技者に有利な場合であるか・不利な場合であるかの種々の組み合せによって、特別遊技の程度を変化させることができるために、特別遊技の多彩化を遊技者に意識させることができる。
図80と図81で説明したミッション処理(特殊遊技形態)において、ミッション開始後、ゲームの進行によっては、ミッション終了前に、当初可能だったミッションが不可能なミッションに遷移したり、当初不可能なミッションが可能なミッションに遷移したりする。これは、ミッションに対する要求量と許容範囲との相対値・差分が変更するためである。そこで、周辺制御装置は、ミッションの要求量と許容範囲との相対関係に応じて液晶表示装置の表示形態を変更してもよい。例えば、可能ミッションが不可能ミッションに変化した場合は背景色を緑から赤へ、不可能ミッションが可能ミッションに変化した場合は背景色を赤から緑へ変更し、要求量と許容範囲の差分の大小に応じて背景色を変えるようにして、遊技者にミッションの現在状態がどのようなものであるかを告知するようにしてもよい。色の告知に代え、或いは、色の告知とともに、テキストや画像の告知を行ってもよい。
次に、付加ミッション(或いは、追加ミッション)遊技(特別遊技形態)のための実行処理(図80:S8046:Yes)を図82に基づいて説明する。付加ミッション遊技は、例えば、「特定配列をA回転以内にB回揃えよ」という形態で提示される。付加ミッションの例として、次のものを例示する。
第1の例
容易ミッション:成立頻度が高い配列を求めるミッションである。例えば、「リプレイを1回揃えろ」である。単に、リプレイを揃えよ、でもよい。
第2の例
困難(試練的)ミッション:成立頻度が低い配列を求めるミッションを求めるミッションである。例えば、「キリを1回揃えろ」である。単に、キリを揃えよ、でもよい。
第3の例
不可能(超試練的)ミッション:図80で説明した不可能ミッションの達成を求めるミッションである。例えば、キリを5回揃えろ(残りゲーム数が3ゲームの場合)である。
このように付加ミッションとして、困難度等に応じて複数のものが存在できる。どのような種類の付加ミッションが選択されるかは、例えば、振り分けテーブルを用いた抽選に基づいて、主制御基板又は周辺制御基板が選択する。複数の付加ミッションを継続ゲーム中に展開するための形態には複数のパターンを設定することができる。例えば、一つの種類のミッション(容易ミッション等)のみ或いは一つの種類のミッションを主体とするパターン、或いは複数の種類のミッションを含むパターンがある。当初ミッションに応じて付加ミッションが選択されてもよい。例えば、当初ミッションの困難度に応じて、付加ミッションの困難度が選定されてもよい。当初ミッションが達成容易なものであれば、付加ミッションを達成が困難なものを主体にしたり、当初ミッションが達成困難なものであれば、付加ミッションを達成が容易なものを主体にしたり等である。どのような組み合わせにするかは適宜決定可能である。
またさらに、付加ミッションの実行抽選で付加ミッションの実行に当選すると、付加ミッションのモード抽選を行ってもよい。このモードには容易ミッション優位のモードと、困難ミッション優位モード等、付加ミッション実行モード選択抽選も行われる。容易ミッション優位モードは、容易ミッションの選択確率が高い振り分けテーブルで管理され、困難ミッション優位モードは、困難ミッションの選択確率が高い振り分けテーブルで管理される。どのモードが選択されるかは抽選によってもよいし、当初ミッションの達成状態によってもよい。あるいはこの組み合わせでもよい。
容易ミッションではミッション達成時での特典は困難ミッション達成時での特典に比較して、例えば、ARTのゲーム数の上乗せ数が+10程度の少ないものになるが、困難ミッションよりも確実に別特典が得られると云う点で、堅実な遊技性を遊技者に提供することができる。
容易ミッション優先モードでは、容易ミッションが優先して出現するが、その出現頻度を当初ミッションの達成状況に応じて変更するように、振分テーブルを選択してもよい。例えば、当初ミッションの達成によって得られた有利遊技の価値が小さい場合には、付加ミッション遊技が早期に達成、即ち、残りゲームが十分な状態で達成された場合には、付加ミッション遊技のゲームにおいて容易ミッションの出現頻度を高くすることができる。このようにすることによって、遊技者には付加ミッション遊技で当初ミッション遊技における有利遊技の対価が小さい場合であっても、それを挽回することができる。
モード抽選の際、当初ミッションの達成状態に応じて、モード振分テーブルを代えてもよい。なお、どのモードを選ぶかを遊技者に選択させてもよい。容易ミッションではミッション達成時での特典は困難ミッション達成時での特典よりも少なくする。例えば、前者達成時ではARTのゲーム数の上乗せ数が+10であり、後者達成時ではARTのゲーム数の上乗せ数が+100という具合である。したがって、容易ミッションは遊技者にコツコツと少ない特典を増やせるようにした堅実型遊技であり、困難ミッションは遊技者に一気に特典を増やせるようにした、いわば逆転タイプの遊技である。従って、最初のミッション達成時での有利遊技の対価が大きい場合には前者が選択される傾向にして、対価が小さい場合には後者が選択される傾向にしてもよい。本実施形態では、容易ミッションを遊技者に複数繰り返し提供することによって、遊技者に容易ミッションに基づく別特典の付与の加速機会を提供するために、容易ミッション優位モードが優先的に選定されるようにしている。
付加ミッションの遊技は、当初ミッション遊技で設定された許容ゲーム数(M)の範囲内(当初ミッション遊技での残りゲーム数)で継続される。付加ミッション自体は、付加ミッション開始の際のゲームで、或いは、付加ミッション開始後の毎ゲーム毎、又は、付加ミッション開始後の適宜なゲームで、遊技者に提供される等、一つ又は複数設定される。後述のように、付加ミッションが複数発動される場合、同一又は異なる種類の付加ミッションが組み合わされてよい。付加ミッションの例は既述のものに限定されない。なお、付加ミッション遊技が当初ミッションの許容ゲーム数を越えて実行されることを妨げるものではない。
主制御基板409は、付加ミッション遊技の実行抽選(S8046)の当選を判定すると、付加ミッションの内容を決定する(S8200)。付加ミッションの内容によって、即ち、付加指定配列(リプレイなど)が何か、既述のA,B夫々の値によって、付加ミッションが既述のどのタイプのものになるかを種別する(S8202)。付加ミッションの種別が必要なのは、付加ミッションの困難度に応じて、付加ミッション達成の際の価値(特典)を異なるようにするためである。
主制御基板は、S8202において、付加ミッションが不可能ミッションかそれ以外であるかを判別する。即ち、B(付加ミッションの許容範囲である許容ゲーム数)と残りゲーム数(当初ミッションの許容ゲーム数(M)から、ゲーム数カウンタの値(m)の差分(M−m)とを比較し、残りゲーム数がBより小さい場合(B−(M−m)>1)、又は、Aの方がBより小さい場合(S8202:Yes)には、付加ミッションを不可能ミッションと判定し、不可能ミッション遊技の実行処理に進む。付加ミッションが不可能ミッション以外(S8202:No)である場合には、図83の非不可能ミッション(容易ミッション又は困難ミッション)遊技の実行処理に移行する。
不可能ミッション遊技実行処理では、次ゲームが行われると(S8204)、主制御基板は、カウンタa(付加ミッションゲーム数カウンタ)と当初ミッション遊技スタート後のゲーム数カウンタ(図80の「m」)を夫々インクリメントする(S8206)。
主制御基板は、付加ミッション遊技処理の際でのボーナスゲームを有効にするために、ボーナスゲームの成立の有無を判定する(S8208)。ボーナスゲームが成立すると、ボーナスゲームの実行後(S8210)、付加ミッション遊技の終了をゲーム数カウンタmの値が許容ゲーム数(M)に到達したか、又は、カウンタaの値が付加ミッションの許容回転数(A)に到達したか、によって判定する(S8212)。主制御基板は、付加ミッション遊技の強制終了を判定しないと(S8212:No)、次ゲーム処理(S8204)に移行する。ボーナスゲーム中のゲーム数はゲーム数カウンタに加算されない。
一方、主制御基板が付加ゲーム(継続ゲーム)の終了を判定すると(S8212:Yes)、周辺制御基板に付加ミッション失敗演出コマンドを送信する。周辺制御基板は付加ミッション失敗演出コマンドを受信すると、表示装置に付加ミッションが失敗した演出を行う。次いで、主制御基板は、現在ゲーム数(m)が許容ゲーム数(M)に到達していない場合(S8215:No)には、ミッションゲームの追加可否判定を行う(S8246)。一方、現在ゲーム数(m)が許容ゲーム数(M)に到達している場合(S8215:Yes)、後述のステップS8246に移行し、付加ミッションの達成状況に応じて(S8246,S8242,S8244)、有利遊技を発動させる。即ち、主制御基板は、付加ミッションが一つでも達成されている場合には、この分の利益を当初ミッションの達成による利益に加えて、有利遊技を発動させる。付加ミッションの利益は、特典カウンタに基づいて決定される。
特典カウンタAは不可能ミッション(既述の第3の例)に対応し、特典カウンタBは容易ミッション(既述の第1の例)に対応し、特典カウンタCは困難ミッション(既述の第2の例)に対応する。どのカウンタにどの程度の値が記憶されているかによって、付加ミッションによる特典の内容が決まってくる。カウンタA>カウンタB>カウンタCの順で特典が大きく、そして、カウンタ値が大きいほど特典が大きい。どのカウンタにどのような値が記憶されたかを総合して付加ミッションによる特典が定まって来る。付加ミッションによる特典が大きいとは、例えば、既述のとおり、ARTの継続数、セット数の上乗せ数が大きいことをいう。各カウンタはメモリのRAM領域に形成される。個々の付加ミッションによる特典は通常当初ミッションの特典より低く設定されるが、これに限られるものではない。付加ミッションの一つ又は複数の達成によって、当初のミッションよりも大きな特典が与えられることある。例えば、当初のミッション達成による、ARTの当初の継続ゲーム数より、付加ミッションの達成による継続ゲーム数が上回ることがあるし、当初のミッション達成による、ARTの当初のセット数よりも付加ミッション達成による、ARTのセット数の上乗せ数が上回ることも可能である。このような形態では、遊技者はミッション達成時でのミッションの継続を期待し、そして、付加ミッションに基づく追加特典(別特典)を期待するものであるから、遊技者はミッション遊技に対する意欲を向上することができる。
主制御基板は、各付加ミッションが達成されると、対応する特典カウンタをインクリメントする。特典カウンタA〜Cの少なくとも一つが「1」以上であれば(S8216:Yes)、付加ミッションの達成があったことを意味し、カウンタA〜Cの全ての値が「0」である場合(S8216:No)である場合は全ての付加ミッションが失敗したことを意味する。前者の場合、主制御装置は、特典カウンタの値に応じて、付加ミッションの特典を決定する(S8242,S8244)。後者の場合は、主制御装置は、図80のS8039に移行して、当初ミッションを達成したことのみよる有利遊技を発動させる。なお、主制御基板が付加ミッションの内容を決定する際、複数の振り分けテーブルに基づいて、既述の第1の例から第3の例のミッションの当選確率を調整するようにしてもよい。
主制御基板が、ボーナス成立の成立を判定しないと(S8208:No)、図80のフリーズ処理(S8018からS8030)を実行する。即ち、フリーズ演出の当選判定を実行する。フリーズ演出に当選すると、付加指定配列上乗せ回数抽選(S8220)を行う。ここで、付加指定配列とは、既述の第1の例から第3の例で示した、第1リールから第3リール(或いは液晶表示装置)での成立図柄であるリプレイ等である。
続いて、主制御基板は、フリーズ演出の継続時間管理のためのタイマをセットする(S8224)。次に、主制御基板は、S8220で得られた付加指定配列上乗せ回数が1以上であるか否かを判定する(S8228)。この判定を肯定すると、主制御基板は、フリーズ演出として、付加指定配列を上乗せ分、第1リールから第3リールを回転させる。
続いて、主制御基板は、付加指定配列の成立分(上乗せ回数分)、カウンタbをインクリメントする(S8230)。カウンタbとは、付加指定配列の計数カウンタである。主制御基板は、S8208、S8228において、付加指定配列が成立する都度、カウンタbをインクリメントする。S8218において、フリーズ演出非当選を判定すると(S8218:No)、S8228をスキップして、S8230に移行する。
主制御基板は、タイマが「0」であることを判定すると(S8232:Yes)、フリーズ演出処理終了し、カウンタbの付加指定配列の成立数と付加指定配列の要求数(B)とを比較し、bがB以上であると、付加ミッション達成を判定し(S8234:Yes)、bがB未満であると(S8234:No)、付加ミッションの達成は未であるとして、S8212に移行する。主制御基板が、付加ミッション達成を判定すると、S8238に移行して、付加ミッション達成演出コマンドを周辺制御基板に送信し、周辺制御基板は付加ミッション達成演出を表示装置で行い、主制御基板は不可能付加ミッションの達成に基づいて、カウンタAをインクリメントする。次いで、主制御基板は、現在のゲーム数(m)が許容ゲーム数(M)か否かを判定し、これを否定判定すると(S8240:No)、残りゲーム数があるとして、付加ミッションの追加発行の抽選を実行する(S8246)。S8240を肯定判定すると、付加ミッションの達成に基づく特別遊技処理(S8242)に移行する。
主制御基板は、付加ミッション追加抽選に当選すると(S8246:Yes)、S8200に移行して、次の付加ミッションの内容を決定する。主制御基板が、付加ミッション追加抽選の非当選を判定すると(S8246:No)、S8242において、全ての特典カウンタの値をチェックする。全ての特典カウンタには、全種類の付加ミッションの達成数の累計値が付加ミッションの種類毎に記憶されているため、主制御装置は、全ゲーム数を終了した時点で、全ての特典カウンタの値に基づいて、発展型有利遊技(ART)の内容を決定する。発展型特別遊技とは、当初ミッションの達成に基づく有利遊技(図80:S8039)に付加ミッションの達成に基づく利益を加えた結果得られる有利遊技をいう。主制御基板は、周辺制御基板に発展型有利遊技実行コマンドを送信すると、周辺制御基板はこのコマンドを受けて、発展型有利遊技処理を発動し、実行する。主制御装置は周辺制御基板に発展型有利遊技実行コマンドを送信すると、図82のフローチャートを終了する。
S8242における付加ミッションの特典決定処理において、主制御基板は、複数種類がある付加ミッション毎のミッション達成のカウンタの値をチェックする。そして、各種類の付加ミッション毎にカウント値と各種類の付加ミッションについて設定され特典を乗じて、各種類の付加ミッション毎に合計の特典を求め、次いで、各種類の付加ミッション毎の合計の特典を加算して、付加ミッション全体の特典を算出する。
この付加ミッション全体の特典を算出する際、付加ミッションの達成が複数の場合、個々の付加ミッションについて定められた特典の単なる合計よりも、有利な特典が設定される。即ち、例えば、二つの付加ミッションが達成された場合を想定し、第1の付加ミッションの達成に与えられる特典を「α」とし、第2の付加ミッションの達成に与えられる特典を「β」とした際、第1と第2の付加ミッションの達成に基づく特典は、「α+β+a」となる。「a」が第1と第2の付加ミッションが達成されたことに対して与えらる賞特典である。
既述のとおり、本実施形態では、容易ミッションが優先して設定されるため、これに基づいて具体的に説明すると、容易ミッションの達成に依る特典が(ARTのゲーム数が)+10であるとして、第1の容易ミッションと第2の容易ミッションとが達成されると、二つの容易ミッションの達成に依る+20だけではなく、既述の「a」がさらに加算された、付加ミッションの合計の特典が+25となる。
さらに第3のミッションが達成されたとすると、特典の合計数は、「α」(第1ミッション達成の特典)+「β」(第2ミッション達成の特典)+「γ」(第3ミッション達成の特典)+「a」(第1ミッション達成と第2ミッション達成に対して与えられる第1の賞特典)+「b」(第1ミッション達成+第2ミッション達成+第3ミッション達成に対して与えられる第2の賞特典)になる。bはaと同じであるか、或いはaより大きい特典である。第1の容易ミッションと第2の容易ミッションと第3の容易ミッションが共に達成された場合には、例えば、合計の特典は、+35(a=5、b=10)である。
このように、付加ミッションの達成が複数になればなるほど、特典の増加率を上がるように構成することによって、遊技者は付加ミッション遊技において、より多くの付加ミッションの達成を目指すようになるため、付加ミッションの遊戯性がより遊技者にとって興趣感に富んだものにすることができる。
さらに、遊技者の興趣感を増すために、同一種類の付加ミッションの達成が単に複数と云うばかりでなく、同一種類の付加ミッションが連続のゲームで達成された場合には、特典の増加率をさらに向上させてもよい。例えば、三つの付加ミッションが達成されたとして、連続したミッションの達成を考慮しないとすると、その場合の合計の特典は、「α」+「β」+「γ」+「a」+「b」である。第1の付加ミッションから第3の付加ミッションまでが連続ゲームで達成された場合には、合計の特典は、「α」+「β」+「γ」+「a」+「b」+「c」+「d」(c:二つの付加ミッションが連続して達成された場合の追加特典、d:三つの付加ミッションが連続して達成された場合の追加特典となる。dはc以上である。)となる。あるいは、「α」+「β」+「γ」+「a’」+「b’」(a’>a、b’>b)でもよい。三つの容易ミッションが連続して達成された場合には、例えば、合計の特典は+50(c:5、d:10)となる。付加ミッション遊技の各ゲーム毎に、特典が遊技者に報知されることが遊技者が付加ミッション遊技の特典の加算状態がわかり好ましい。S8242は付加ミッション遊技が終了した後、合計の特典を算出しているが、付加ミッション遊技の各ゲーム毎に合計の特典を計算(更新)していくようにしてもよい。
既述の形態では、付加ミッションの達成判定が複数でかつ連続する場合に、特典がさらに追加されることを説明したが、達成判定が連続された場合に初めて特典が加算されるようにしてもよい。そして、異なる種類の付加ミッション間での複数の達成判定があった場合にも特典が加算されるようにしてもよい。なお、付加ミッションの達成判定が進むにしたがって、付加特典が増えるようにしたが、付加ミッションの達成判定が、1−3回まで、4−6回迄のように、達成判定のブロック毎に特典が増えるようにしてもよい。この場合1−3回までのブロックでは、各付加ミッションの達成判定に対して与えられる特典は同じである。
付加ミッションの肯定判定に基づく特典の追加処理の他の形態としては、有利な振分テーブルを利用するものがある。この振り分けテーブルの一例として下記表1のものがある。
この表において、+10〜+40は、付加ミッション達成時での特典(ARTの追加ゲーム数)である。0〜8/10は追加ゲーム数の出現確率である。この表から分かるように、テーブルA<テーブルC<テーブルDの順で有利なテーブルとなる。
付加ミッションの達成の判定が進むに従って、より有利なテーブル(不利なテーブルを利用しないようにする)。制御基板は、第1の付加ミッション達成判定ではテーブルAを利用して特典を決定し、第2の付加ミッション達成判定ではテーブルBを利用し、第3の付加ミッション達成判定ではテーブルCを利用して特典を決定し、あるいは、第1の付加ミッション達成判定ではテーブルAを利用して特典を決定し、第2の付加ミッション達成判定ではテーブルBまたはCを利用し、第3の付加ミッション達成判定ではテーブルCを利用して特典を決定する。なお、この例では、付加ミッションの達成判定が進むにしたがって、見た目上、追加ゲーム数が減少する場合はある。
前記制御基板は、付加ミッションとして提示されたミッション毎に達成また不達成のフラグ情報を、前記特典カウンタに対応する記録領域に記録することもできる。例えば、これによって、付加ミッションとして提示されたミッションが達成できない場合、この付加ミッションの関連ミッションとして分類される関連付加ミッションについてミッションが達成されているか否かをチェックする。
次いで、制御基板が、関連付加ミッションについて達成・未達成フラグをチェックし、達成されていない付加ミッションについて、関連付加ミッションに達成フラグが立っているか否かをチェックし、関連付加ミッションに達成フラグが立っている場合は、達成フラグの成立状況をチェックし、当該状況が所定条件を満たしている場合には、達成されていない付加ミッションに対する特典は与えられないが、関連付加ミッションの達成状況が所定条件を具備する場合には、達成されていない付加ミッションに対する特典に相当する救済特典を設定する。
例えば、既述の困難ミッションが提示されたものの達成されないが、容易ミッションが、ゲーム数の許容範囲までに、複数回、例えば、合計で5回、あるいは、3回連続で成立した場合には、困難ミッションの特典に対応する特典が、救済特典として設定される。さらに具体的にいうと、「キリ」を揃えよ、という、図柄の成立が困難なミッションを達成できないが、「リプレイ」を揃えよ、という図柄の成立が容易なミッションを規定数揃えた場合には、容易ミッションの成立に対して与えられる特典に加えて、困難ミッションの成立に対して与えられる特典が救済特典として加えられ、加えられた総合特典を当初ミッションの取得特典にさらに追加して、有利遊技(ART)の特典(継続ゲーム数及び/又はセット数)とする。
なお、救済特典は、達成されなかった付加ミッションの特典と同一でもよいし、これより大きい、或いは小さいものでもよい。また、特定役或いはチャンス役の図柄の成立を以って、達成されないミッションの特典に対応する救済特典を与えてもよい。このようにすることによって、遊技者は当初の付加ミッションを達成できずに落胆することなく、関連ミッションを揃えて達成されなかった付加ミッションの特典を復活させようとする意欲を持つことができる。なお、容易な付加ミッションを複数回達成できなくとも、困難な付加ミッションを達成することによって複数回数分の容易ミッションの特典を復活するようにしてもよい。また、関連性ミッションの達成の際、自身の特典を与えることなく、不達成ミッションの特典を救済特典としてもよい。またさらに、関連性ミッションの達成が規定回数を越えて達成された場合には、不達成ミッションの特典より大きい特典を救済特典としてもよい。
次に、図83に基づいて、非不可能付加ミッションの処理について説明する。主制御基板が非不可能付加ミッションを決定すると(図82、S8202:No)、次ゲームが実行され(S8300)、カウンタaとカウンタmとを夫々インクリメントする(S8302)。次いで、付加指定配列の成立の有無を判定する(S8304)。主制御基板が付加指定配列の成立を否定判定すると、ボーナスゲームの当選の有無を判定し(S8306)、ボーナスゲームに当選すると、ボーナスゲームを実行する(S8308)。ボーナスゲームへの非当選を判定すると、付加ミッションの強制終了の判定を行う(S8310)。主制御基板がこの判定を肯定すると、S8214(図82)に移行する。この判定を否定すると、S8300に移行する。
主制御基板が指定配列の成立を肯定判定すると、カウンタbをインクリメントし、次いで、カウンタbの値が付加指定配列の要求数(B)に到達したか否かを判定する(S8314)。付加指定配列の成立の加算値(b)が要求数(B)に到達したことを判定すると(S8314:Yes)と、付加ミッションが容易ミッションか困難ミッションかを区別するために、付加指定配列の種類を判定する(S8316)。主制御基板が、付加指定配列の成立確率が比較的高い組み合せ(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)に相当する容易ミッションを判定すると、特典カウンタBをインクリメントするとともに、周辺制御基板に容易ミッション達成コマンドを送信する。
一方、付加指定配列の成立確率が相対的に低い組み合せ(例えば、キリ−キリ−キリ)に相当する困難ミッションを判定すると、特典カウンタCをインクリメントするとともに、周辺制御基板に困難ミッション達成コマンドを送信する。このコマンドを受けて周辺制御基板は、それぞれの付加ミッションの達成演出を行う。次いで、主制御基板はS8240(図82)に移行する。一方、主制御基板が、指定配列が成立しても、指定配列の要求数に達していないことを判定すると(S8314:No)、S8212(図82)に移行する。
図80のミッション遊技処理によれば、ミッションが達成されても(S8036)、ミッション遊技の許容ゲーム数まで余裕がある場合(S8042:No)、ミッション遊技が強制終了されず、ミッション遊技が継続されることがある(S8044:Yes、S8046:No)。ミッション遊技が継続されると、継続期間中の特定配列の成立数に応じて、有利遊技状態の内容が向上されるために、ミッション達成の際、ミッション遊技を強制的に終了させていた従来のミッション遊技に比較して、あるいは、ミッションが単に達成されることを遊技者が目的とする従来のミッション遊技に比較して、継続可能ミッション遊技は、遊技者に、ミッションを速く達成し、かつ、早く達成した分、ミッション遊技による特典を上乗せしたい、という意欲を醸し出すことができ、遊技機のミッション遊技処理が効果的に実行される。
そして、当初ミッションが達成されても、当初ミッション遊技を単に継続させるのではなく、当初ミッションの許容ゲーム数の範囲内で続く付加ミッションを設定することもあることによって、ミッション遊技を多彩にする。さらに、付加ミッションを複数のパターン設け、夫々の付加ミッションに困難度の差を付け、どの付加ミッションを達成したかによって、付加ミッション達成に対する特典を異なるようにし、これにより、当初ミッションを単に継続する場合よりも一層ミッション遊技の形態を多彩にして遊技者の興趣感を向上することができる。
既述のステップS8044を次のように変更してもよい。ミッション遊技の継続の有無を抽選に基づくものとしたが、抽選によらず、ミッション遊技の継続の要件、条件を定め、制御基板がミッション遊技継続の要件に遊技状態が合致しているときにはミッション遊技を継続するようにしてもよい。例えば、ミッション遊技の発動時、特定の図柄配列をM回、Nゲーム以内に揃えろ、というミッションにおいて、MがNよりある程度小さい場合(第1の場合)、そして、ミッションの途中経過で、特定図柄配列を残りm回、nゲーム以内に揃えることが要求され、mがnよりある程度小さい場合(第2の場合)の少なくとも一方の場合、ミッションをクリアしても有利遊技状態を発動させるためにミッション遊技を終了させることなく、有利遊技状態の発動を先送りしてミッション遊技を継続させる(継続ミッション遊技終了後に有利遊技状態に移行させる)というものである。これらの場合は、ミッションの達成に余裕があるために、ミッションをクリアしてもミッション遊技を継続させようというものである。ここで、「ある程度余裕がある」とは、遊技者にとってミッションの達成が容易と思えるような値であって、特定の値に限定されるものではない。例えば、M(m)がN(n)より所定の割合以下、例えば、1/2以下の場合である。
ミッション遊技の継続の要件、条件は、固定ではなく可変でもよい。遊技状態によって、代えることができる。例えば、ボーナス、ART等の有利遊技の終了後のゲーム数に応じて代えてもよい。ゲーム数が増えるほど、要件や条件を緩和して、ミッション遊技が継続しやすくようにしてもよい。あるいは、ミッション遊技中に特定図柄の成立、或いは、チャンス役の成立等があった場合に、ミッションを継続するようにしてもよい。また、ミッション継続要否判定のための既述の要件値(一例として、M(m)がN(n)の1/2以下)を、ゲーム数等に応じて(遊技状態に応じて)、ゲーム毎等で、漸増或いは漸減するようにしてもよい。そして、要件値を抽選によって選択してもよい。
反対に、当初のミッションの達成が厳しいものだった場合(不可能ミッション、あるいは、特定図柄の配列の要求数と許容ゲーム数とが近い場合)、ミッションがクリアされたときは、ミッション遊技を継続させるよりも、直ちに、有利遊技が発動させることよい。
また、既述のステップS8044の抽選において、ミッションの達成にある程度余裕があるか、ミッションの達成が厳しいかに応じて、ミッション遊技の継続抽選の当選確率を、ミッション状態に応じて抽選テーブルを変える等によって、変更することができる。ある程度余裕があるミッションがクリアされた場合、ミッション遊技継続に当選する確率を高く、厳しいミッションがクリアされた場合は、前者よりもミッション遊技継続に当選する確率が低くなるようにしてもよい。
制御基板は、ミッション継続を選定(S8044:Y)、或いは、付加ミッションを選定した際(S8046:Y)、有利遊技の特典に制限を設けるか否かの選定と、制限を設ける場合にはその制限値の選定を行うようにしてもよい。制限値を設けた場合では、継続遊技、付加ミッション遊技で獲得された特典が制限値に到達した段階で継続遊技又は付加ミッション遊技が強制的に終了される。
有利遊技の特典に制限を設ける際の態様には、継続遊技又は付加ミッション遊技で得られた特典に制限を設ける形態と、当初ミッション達成によって得られた特典に、継続遊技又は付加ミッション遊技で得られた特典を加えた、有利遊技の対価そのものに制限値を設ける形態と、これら二つ形態を組み合せて制限を設定するパターンがある。制限値の形態としては、ARTのゲーム数、ARTのセット数、当初ミッションの特典を越えない、当初ミッションのn倍を超えない、或いは、当初ミッションの1/nを越えない、というものである。制限が設定されない場合には、有利遊技の特典又は付加ミッションの特典は、これら制限値によって制限されることなく増えることができる。
継続遊技、ミッション遊技に制限、そして、制限値を設定する際、制御基板は、抽選によって決定することもできるし、当初ミッションの達成状況に応じて決定してもよい。抽選テーブルにおいて、制限を設ける場合の確率と制限を設けない場合の確率は振分テーブルによって適宜設定される。当初ミッションの達成状況、ゲームモード等の遊技状態において、これら確率が異なる複数の振分テーブルに基づいて、遊技機は、継続遊技・付加ミッション遊技の特典に制限を設けてもよい。
当初ミッションの達成状況には、当初ミッション達成の際の特典の大小(ARTの継続数又はセット数の大小等)、特典の種類(ARTの種別等)、当初ミッション達成時での残りゲーム数等がある。例えば、当初ミッションの特典が小さい場合には制限値を設けることなく、残りゲーム数が少ない場合には制限値を設けることなく、当初ミッションの特典が大きい場合には制限値を設け、残りゲーム数が多い場合には制限値を設ける等である。
容易ミッションの達成頻度は、当初ミッションの達成頻度より圧倒的に大きいために、好適な形態では、制御基板は、付加ミッションとして容易ミッションを繰り返して提示して、遊技者に比較的小さい特典がコツコツと累積させる遊技を実現しつつ、ゲーム数、付加ミッションの特典に制限を設け、制限値を超えて特典が加算されることを抑制している。
このように構成することによって、当初ミッションが達成された後、遊技者には達成が容易な付加ミッションが繰り返し提示されて、遊技者はこれを頻繁に達成しようとした、退屈感が生じない遊戯性を提供する半面、事業者には、容易な付加ミッションの比較的少ない特典と制限値によって、大きな負担にならないようにしている。すなわち、付加ミッションの達成によって特典を付与し得る頻度は、当初ミッションが満たされたことによる特典が付与される頻度より高くしつつ、前者の特典を後者の特典よりもその価値を低くするように構成することで、付加ミッションの特典を、所定値を超えないように抑制する。
主制御基板は、付加ミッション遊技での各ゲームの際、特典カウンタの値をチェックして、各ゲームの際に付加ミッション遊技で得られた累計特典が制限値を超えていないか否かをチェックする。累計特典と制限値との差分が所定値以下になると、付加ミッション遊技の特典が制限値を越えようとしているものとして、制御基板は、付加ミッション遊技を強制的に終了させて、有利遊技を開始するようにしている。
遊技機は、制限値を、制限値1、制限値2・・・のように複数設定することができる。特典が制限値1に到達した際に、残りゲーム数があるか否かを判定し、残りゲーム数がある場合には、遊技継続抽選を行い、これに当選すると、残りゲーム数が無くならない限り、次の制限値2まで遊技を継続する。以後同じである。周辺制御基板は液晶表示画面にバトル演出等を表示しながら、継続ミッション或いは付加ミッションの遊技を進行させる。周辺制御基板が、これら遊技の特典が制限値に到達して、その段階で継続抽選に落選して遊技が終了される場合には、バトルの敗北演出の上、継続遊技又はミッション遊技を終了させる。
既述の実施形態では、主制御基板は、ミッションが達成されてミッション遊技を継続する際、あるいは、付加ミッション遊技を発動させてミッション遊技を継続させる際、ミッション遊技の残りゲーム数としたが、ミッション遊技の許容ゲーム数を増加、或いは、上乗せしてもよい。また、付加ミッションを達成する都度、ミッション遊技の許容ゲーム数を増加させてもよい。特に、後者の形態では、ミッション遊技の継続が上乗せされる興趣感を遊技者に醸し出すことができる。
図82,83のフローチャートによれば、主制御基板は、付加ミッション遊技として既述の容易ミッションをゲーム毎連続させるか或いは頻繁に発動させ、これが達成される都度特典カウンタに容易ミッションに対応する特典を次々とストックすることができる。したがって、主制御装置は当初ミッションの達成に係る主特典として有利遊技に容易ミッションの達成に基づく別特典を連続して追加していくという特典加速手段を実現することができる。したがって、遊技者は当初ミッション達成後に、容易ミッションを次々達成していきながら、別特典の追加の加速感を享受することができる。容易ミッションとは、当初のミッションに比較して、ミッション達成のための要件が容易なものをいう。例えば、既述の付加ミッションの中の第1の例は、典型的な容易ミッションである。
当初ミッションに比べて、成立し易い図柄の配列である場合、複数図柄の特定配列が少なくてよい場合等は容易なミッションである。当初ミッションが、成立の確率が相対的に低く成立が難しい図柄(例えば、チェリー)であり、付加ミッションが成立の確率が相対的に高く成立が容易な図柄(例えば、リプレイ)である場合、付加ミッションは当初ミッションよりも容易なミッションである。当初ミッションより付加ミッションの方が、要求数が少ない場合(当初ミッション:図柄の特定組み合わせがN回、付加ミッション:同一図柄の組み合わせがM回(N>M))も同じである。要求数が同じでも図柄の難易度が付加ミッションの方が低い場合(当初ミッション:ベルをN回、付加ミッション:リプレイをN回)の場合も同じである。
ここで、特に、主特典の程度に比較して別特典の程度を低くすれば、事業者に想定以上の遊技媒体の払い出しが要求されないため、遊技者に不利益となることはない。例えば、主特典をあるあるゲーム数の間継続されるARTとすると、別特典は少ないゲーム数の上乗せ(+10)である。主特典と別特典の組み合わせの態様の変形例として、別特典をARTのセット数の上乗せでもよい。この場合、主特典より別特典の方が利益の大きいものになる。
既述の実施形態では、ミッションの発動抽選、ミッションの達成のための判定処理、ミッションの処理を主制御基板が行うものとしたため、ミッションの達成の演出に、リールの制御を伴うフリーズでの演出(フリーズ期間中始動レバーの操作を無効或いはホールドする)を利用することができた(S8018〜S8026)。これに対して、フリーズの演出を利用しないのであれば、ミッションの発動抽選、ミッションの達成のための判定処理等のミッション遊技に係る制御処理を周辺制御基板(サブ基板)に全部あるいは一部を行わせてもよい。
既述の実施形態では、追加ミッションは当初ミッションと同様に、有利遊技状態が開始されていない通常遊技状態で実行され、付加ミッションが既述の容易ミッションであると、遊技者は投入した遊技媒体の価値を容易ミッション達成による特典にゲーム毎に変換できるような遊技性が実現出来るようになるために、追加ミッション遊技の際に投入された遊技媒体の価値と引き換えに、追加ミッションのゲーム回数・追加特典を得ることができるという遊技が実現される。
既述の実施形態において、遊技機は、ミッション継続を選択する際に、残りゲーム数(許容範囲)を増加或いは減少するようにしてもよい。なお、ミッションを遊技者に報知する際に、決定された許容ゲーム数を少なく遊技者に提示してよく、例えば、ミッション継続をした際に、正しい残りゲーム数を提示するようにしてもよい。これによって、遊技者はあたかもミッション遊技の許容ゲーム数が拡大されたかの利益感を享受することができる。また、既述の実施形態では、ミッション遊技の終了を、ミッション遊技のゲーム数が許容ゲーム数に達したか否かによって判定したが、他の形態でもよい。
例えば、ミッション遊技中のゲーム毎にミッション終了要否抽選を行い、抽選結果に基づいて許容ゲーム数(許容限界)以前にミッション遊技を終了させてもよい。また、遊技機は、ミッションの継続可否判定の際、付加ミッションのカウンタの値を参照し、付加ミッションの達成によって与えられた特典が当初ミッションの特典を上回るまでミッション遊技が継続されるようにしてもよい。また、遊技機は、ボーナスゲームでの小役の成立をミッション達成のために算入してもよい。
以上は、本発明をスロットマシン(パチスロ機)の一形態として説明したが、本発明は、これに限定されることはない。スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。また、本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
1 スロットマシン
50 遊技ユニット
80 連結具
100 外本体
101 底板
102 側板
103 天板
104 背板
105 仕切板
106 突段部
107 取付片
108 取付片
109 開口
110 メダル放出装置
111 メダル用補助収納箱
113 配線中継部材
114 ボス孔
115 レール部材
116 レール部材
117 ストッパー
118 取付具
119 本体側配線類
120 取付板
121 カバー体
122 主中継基板
123 周辺中継基板
124 コネクタ
125 コネクタ
126 開口
128 支持筒
129 配線ダクト
131 外部中継端子板
132 貫通孔
133 通気口
134a 透孔
200 扉形前面部材
201 メダル用受皿
202 操作部
203 投入口
205 ベットボタン
206 ベットボタン
207 メダルセレクタ
208 メダル返却ボタン
209 貯留メダル解除ボタン
210 始動レバー
211 リール停止ボタン
212 メダル樋
213 返却樋
214 透視窓
215 錠装置
216 額フレーム
217 発光ユニット
219 凹溝
220 扉開放検知スイッチ
221 低音スピーカ
230 意匠板
300 図柄変動表示装置
301a リール
301b リール
301c リール
302 装置ケース
304 底部板
305 天部板
306 右側板
307 左側板
308 後部板
309 カバー体
310 枠部
311 区画部
312 取付孔
314 基板ケース
315 リール主中継基板
318 バックライト中継基板
320 モータ取付板
321 リールモータ
321a 左リールモータ
321b 中リールモータ
321c 右リールモータ
322 バックライト
330 側面部材
330a 貫通孔
330b 円形収容部
330c 回転防止突部
331 遮光片
333 スリット
351a リール帯
351b リール帯
351c リール帯
400 ケース部材
401 開口部
402 補強桟
403 底板
428 コネクタホルダー
429 ホルダー主体
429a 受筒
430 透孔
431 取着片
432 ボタン形パネルファスナー
433 ベンチ部
434 ベンチ側板
435 爪片
436 指掛部
441 機能分離中継端子板
442 係止孔
443 天窓部
444 補強帯
450 遊技状態表示基板
452 ユニット側ガイド部
453 本体側ガイド部
454 結束バンド
455 バンド部
456 頭部
457 係止爪
458 ロゴ表示部
460 ユニット側透孔
460a 溝部
460b 貫通孔
461 本体側透孔
462 突出部
463 穴部
464 穴部形成部材
465 進入ガイド部
466 送出ガイド部
467 誘導面
468 堤部
469 ネジ
469a 遊孔
500 画像表示体
500b 収容部
500c 制動部材
500s 破線領域
501 前面開閉部材
502a 照明装置
502b 反射部材
508 受部
509 係合部
510 周辺制御基板
512 スピーカ
515 収容部
515a 周壁
516 開口部
520 開口部
521 金属板
522 金具
523 前側部分
524 受止部
525 後側部分
526 透孔
527 アース線
528 形端子
529 ネジ孔
530 雄ネジ
550 凹凸面
551 基板ケースユニット
552 基板ケース下部
553 基板ケース上部
554 小基板ケース
590 演出表示装置
591 表示パネル
591a 開口部(図柄表示窓)
592 液晶インバータ基板
593 ファンモータ
594 パネル装飾中継基板
595 基板
603 ビス
604 エラーランプ
605 ランプ
606 リプレイランプ
608 スタートランプ
610 ランプ
614 ランプ
700 連結具
801c 開口部
805 揺動規制部
820 伸縮アーム
850 主扉中継基板
851 メダルセレクタ用接続コネクタ
852 貯留メダル精算ボタン用接続コネクタ
853 ベットボタン用接続コネクタ
854 ベットボタン用接続コネクタ
855 始動レバー用接続コネクタ
856 リール停止ボタン用接続コネクタ
857 エラー解除スイッチ用接続コネクタ
858 対本体接続コネクタ部材
859 対本体接続コネクタ部材
860 扉装飾駆動基板
861 トップ装飾基板用接続コネクタ
862 左上装飾基板用接続コネクタ
863 左下装飾基板用接続コネクタ
864 右上装飾基板用接続コネクタ
865 右下装飾基板用接続コネクタ
866 下パネル照明点灯基板用接続コネクタ
867 スピーカ用接続コネクタ
868 スピーカ用接続コネクタ
871 トップ装飾基板
872 左上装飾基板
873 左下装飾基板
874 右上装飾基板
875 右下装飾基板
876 下パネル照明点灯基板
877 下パネル照明
900 扉基板収納ケース
901 扉装飾駆動基板収納部分
902 主扉中継基板収納部分
903 収納ケースカバー
910 コネクタ
920 コネクタ
5901a 演出表示領域
5901b 図柄表示領域(液晶リール)
5902a 左画像表示位置
5902b 中画像表示位置
5902c 右画像表示位置
5903 可動簾役物
5904 ナビ小役数表示領域

Claims (1)

  1. 遊技媒体を利用した遊技に基づいて複数図柄の変動を開始させ、次いで、当該複数図柄の変動を停止させる際の前記複数図柄の配列状態に対応して、遊技者に所定の有利遊技を提供し得る遊技機であって、
    ゲーム毎の始動条件の成立を契機として前記複数の図柄の変動を始動させる図柄変動始動手段と、
    内部抽選を実行する抽選手段と、
    前記複数図柄の変動を停止する図柄停止手段と、
    前記内部抽選の結果に応じて、前記複数図柄の変動を停止する際での当該複数図柄の配列状態を設定する、複数図柄配列状態設定手段と、
    前記遊技媒体の消費が比較的大きい通常遊技状態を設定する通常遊技状態設定手段と、
    前記遊技媒体が付与される機会を前記通常遊技状態より増加させる有利遊技状態を設定する有利遊技状態設定手段と、
    特定の条件を満たした場合に、特殊な遊技形態で遊技が進行する特殊遊技形態を開始する特殊遊技形態開始手段と、
    前記特殊遊技形態を開始する際、前記有利遊技状態に移行させるための条件を設定する条件設定手段と、
    前記特殊遊技形態の間、前記条件設定手段の前記条件が満たされたか否かを判定する条件判定手段と、
    前記条件が満たされたことに基づいて、特典を付与する特典設定手段と、
    前記特典を設定して前記有利遊技状態を開始する有利遊技状態開始手段と、
    前記特殊遊技形態を前記有利遊技状態の前に、特別な遊技形態で遊技が進行する特別遊技形態に移行させるための特別遊技形態移行手段と、
    前記特別遊技形態を、前記遊技媒体と引き換えに前記特典とは異なる特典が得られるように構成する価値変換手段と、
    前記条件判定手段が、前記条件が満たされたことを判定した際、前記特別遊技形態移行手段の実行の要否を選定する選定手段と、
    前記選定手段が、前記特別遊技形態移行手段の非実行を選定すると、前記有利遊技状態開始手段によって前記有利遊技状態を開始させ、前記特別遊技形態移行手段の実行を選定すると、前記特殊遊技形態を前記特別遊技形態に移行させ、当該特別遊技形態の終了後に前記有利遊技状態を開始させる特別遊技形態移行実行手段と、
    前記特別遊技形態移行手段の実行の要否の選定基準を設定する選定基準設定手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする遊技機。
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