JP2014068284A - 量子暗号鍵配付システムおよび量子暗号鍵配付方法 - Google Patents

量子暗号鍵配付システムおよび量子暗号鍵配付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】姿勢が変化する移動体を含む送受信ノード間において、単一光子光信号により量子暗号鍵を配布する際の、量子暗号光鍵の損失が発生し、装置オーバーヘッドが発生するという課題を解決する。
【解決手段】異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号と、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号とを送信する送信手段と、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号とし、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定するベル測定手段を有する受信手段と、を有し、前記受信手段は、前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、前記2種の基底に属する単一光子の偏光方向が、前記2種の基底とも一致する結果、あるいは、前記2種の基底とも一致しない結果を用いて量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布システムである。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、偏光自由度を用いて量子通信を行う量子暗号鍵配付システムに関し、特に、衛星等の姿勢が変化する移動体を含む送受信ノード間のように、量子暗号通信を行う送信ノードと受信ノードとの間の相対的方位関係が変化する場合に適した量子暗号通信システム及び量子暗号鍵配付方法に関する。
地球規模の地上遠隔地間で通信により安全に秘密鍵配付を行う方法として、衛星を介する量子暗号鍵配付が検討されている。また、航空機や自動車、戦車のような空中あるいは地上の移動体間やこれらと地上基地局間の量子暗号鍵配付が可能になれば、量子暗号鍵配付の適用範囲が広がるものと思われる。これらの利用シナリオにおいては、量子情報のキャリアとして、空間伝搬単一光子の偏光自由度を用いることが専ら考えられている。これは、空間伝搬光の偏光が伝搬中にほぼ保存されるという特性に依存している。一方、移動体の姿勢は移動中に刻一刻と変化するため、プロトコルで規定された偏光方向を量子暗号送受信ノード間でリアルタイムに校正し同期させる手段が必要となる。
例えば、その安全性が十分に分析されている非直交な4量子状態を用いた量子暗号鍵配付プロトコルであるBB84プロトコル(非特許文献1)においては、鍵伝送用光信号として水平(0°)方向、垂直(90°)方向に直線偏光した状態(タテ・ヨコ基底)の単一光子に加えて、これらを45度傾けた45°と135°の斜め方向に直線偏光した状態(ナナメ基底)の単一光子を用いる。0°および90°偏光の単一光子の量子状態、45°および135°偏光の単一光子の量子状態はそれぞれ直交しており、一方の基底系ならば直交量子状態をエラー無く確実に識別することは可能である。しかるに、タテ・ヨコ基底に属する単一光子偏光状態とナナメ基底に属する単一光子偏光状態、例えば0°と45°直線偏光の単一光子の量子状態は非直交であり、異なる基底系に属する量子状態を共にエラー無く確実に識別する測定は量子力学的に不可能である。
BB84プロトコルでは、例えば0°および45°直線偏光をデータ0とみなし、90°および135°直線偏光をデータ1と見なすと約束した上で、送信ノードから受信ノードに鍵データを4種の偏光からなる単一光子状態にエンコードして送出する。受信ノードは同じ約束の下で鍵データを復元する。従って、このプロトコルを実行する上では、送受信ノードの偏光方向をあらかじめ合致させ共有しなければならない。この偏光方向の共有は、送受信ノードが地表に固定的に設置されている場合には容易であり、プロトコルの実行前に送受信ノードの偏光方向を一度校正し、同期すれば済むが、移動体のように姿勢変化がある系では測定装置の方位が時々刻々と変化するため、継続的に送受信ノード間で偏光方向の変化を確認し、測定装置の方位回転をキャンセルするように単一光子の偏光に補正を加える手段が必要となる。
ところが、鍵伝送用単一光子は上記同様の理由で測定による任意の偏光状態の識別は不可能であり、通常の光通信のようにそれ自体を参照して自律的に偏光を補正することができない。そこで、送受信ノード間で鍵伝送用単一光子とは別に補助として偏光方向校正のための比較的強い偏光同期用光信号を送受信する方法が考えられた。
この偏光同期用光信号は任意偏光状態の識別が可能であり、その偏光回転を検出することによって、移動体の姿勢変化を検知し、鍵伝送用単一光子に加えるべき偏光補正を適切に予測することができる。この予測を基に鍵伝送用単一光子の偏光をリアルタイムに能動的に制御する。鍵伝送用単一光子と偏光同期用光信号は、移動体の姿勢変化に伴って同様の偏光回転をうけ、かつ姿勢変化による偏波回転はなめらかかつ予測可能であるので、鍵伝送用単一光子に対する偏光補正は原理的に可能である。
この際、極めて微弱な鍵伝送用単一光子への強い偏光同期用光信号の混入を防ぐため、鍵伝送用単一光子と偏光同期用光信号は波長多重や時間多重のような技術を用いて、同一の空間伝搬チャンネル上に多重化してほぼ同時に送られる。特許文献1、特許文献2および非特許文献1には、このような能動的偏光補正制御に基づいて送受信ノードの規定偏光方向の同期を行う量子暗号通信装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、送信機と受信機との間において量子暗号通信を行う量子暗号通信装置であって、送信機と受信機との間の相対的位置が変化した場合、それらの偏光基底軸を送信機と受信機とで合わせるために、送信機と受信機との間において、比較的強いパルス光からなる通信信号を送受信する第1通信手段と、送信機と受信機との間において、前記通信信号がオフの期間に、比較的弱い量子暗号信号を送受信する第2通信手段とを備える量子暗号通信装置が開示されている。
また、特許文献2では、量子暗号信号の偏光方向に合わせた偏光変調信号を受信し、送信側と受信側の偏光軸の相対角度差(Δθ)が予め設定された所定の偏光角度より大きいと+レベル、所定の偏光角度と等しいと0レベル、0度から所定の偏光角度の範囲の場合は−レベルの信号を出力するよう構成する偏光方向同期検出回路により、2つの偏光方向に変調された光信号を相対的に到来角度が変化しても角度変位成分を効率的に検出し、微弱光でも高精度に偏光軸方向を送信側の偏光基底軸に合わせる偏光方向同期検出回路及び受信装置が開示されている。
特開2009−65299号公報 特開2010−28493号公報
ベネット(Bennett)、ブラッサ−ド(Brassard)著 IEEEコンピュータ、システム、信号処理国際会議(IEEE Int. Conf. on Computers, Systems, and Signal Processing, Bangalore, India, p. 175 (1984)). Morio Toyoshima, Hideki Takenaka, Yozo Shoji, Yoshihisa Takayama, Masahiro Takeoka , Mikio Fujiwara, and Masahide Sasaki, "Polarization−Basis Tracking Scheme in Satellite Quantum Key Distribution,"International Journal of Optics, Vol. 2011, 254158 (2011).
特許文献1、特許文献2および非特許文献1の技術によれば、量子暗号光信号の偏光を能動的に制御する装置が受信ノードに必要となるが、これらの偏光制御装置は有限の光学損失を有するため量子暗号光鍵の損失が発生する。また、予測制御のために計算装置や信号制御装置、偏光制御素子駆動回路などの付加的装置が必要となり、装置オーバーヘッドの増加につながるといった問題があり、移動体を含む送受信ノード間において、装置オーバーヘッドの生じない量子暗号鍵配付の開発が望まれていた。
本発明は、移動体を含む送受信ノード間において、偏光自由度を用いて量子通信を行う量子暗号鍵配付の抱える上記の課題を鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、上述した課題である、姿勢が変化する移動体を含む送受信ノード間において、単一光子光信号により量子暗号鍵を配布する際の、量子暗号光鍵の損失が発生し、装置オーバーヘッドが発生するという課題を解決する量子暗号鍵配付システム及び量子暗号鍵配付方法を提供することにある。
異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号と、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号とを送信する送信手段と、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号とし、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定するベル測定手段を有する受信手段と、を有し、前記受信手段は、前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、前記2種の基底に属する単一光子の偏光方向が、前記2種の基底とも一致する結果、あるいは、前記2種の基底とも一致しない結果を用いて量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布システムである。
異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号を生成し、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号を生成し、前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とを送信し、前記第1の参照光信号を受信して、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号を生成し、前記量子暗号光信号を受信して、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定し、前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、協同変数の2量子ビット固有状態である最大エンタングル状態の|Φ>、|Φ>、|Ψ>、|Ψ>の中で、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>}を得た場合に量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布方法である。
本発明の量子暗号鍵配付システム及び量子暗号鍵配付方法によれば、姿勢が変化する移動体を含む送受信ノード間で量子暗号鍵を配付する場合であっても、量子暗号鍵の損失および装置オーバーヘッドの発生を生じることなく、量子暗号鍵配付を行うことができる。
本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムにおける信号を示すパルス波形図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付方法を説明するためのブロック図である。 関連するBB84プロトコルによる量子暗号鍵配付方法を説明するためのブロック図である。 スピン変数と光子の偏光状態の関係を示すポアンカレ球図である。 協同スピン変数の値と4つの最大エンタングル状態の関係を説明するための表図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムにおけるベル測定装置の動作を説明するための図である。 移動体の姿勢変化によって生じる偏光状態の変化を説明するための図である。 移動体の姿勢変化によって生じる偏光状態の変化を説明するための図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムの動作を説明するための図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムにおけるベル測定装置の動作を説明するための表図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付方法の効果を説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態による量子暗号鍵配付方法の効果を説明するためのブロック図である。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムの構成を示すブロック図である。単一光子光源11は、定まった直線偏光状態の単一光子の周期的光パルス列を出射する。この初期偏光状態の詳細についてはプロトコルにおいて規定する必要は無いが、直線偏光である必要がある。直線偏光状態の単一光子光パルス列は乱数発生器13から供給される2ビット乱数列に依存して、偏光変調器12により0°、45°、90°および135°のいずれかの回転角の偏光回転変調を受け、新たにランダムな4種の直線偏光状態の光パルス列(以下BB84状態と呼ぶ)となって、送信ノード1から受信ノード2に向けて出射される。
ここで、偏光変調器12は単一光子のパルス列に対して、1ビット飛ばしに偏光変調を施すものとする。偏光変調器12に与えられる4値の変調信号の例を図1Bの1Aに示す。このようにして得られた出射単一光子パルス列の例を図1Bの19に示す。この例では奇数番(1,3,...)の光パルス列はBB84状態の単一光子、偶数番(2,4,...)の光パルス列は初期状態と同一の直線偏光状態の単一光子になっている。
受信ノード2に到着した単一光子光パルス列19は、光スイッチ14によって1ビット飛ばしに2つの出力パスに分配される。このようにして得られた2つの出力光パルス列のうち一方はBB84状態の2倍周期の単一光子光パルス列1Bとなり、他方は初期状態と同一の直線偏光状態を持つ2倍周期の単一光子光パルス列になる。後者の光パルス列は乱数発生器16から供給される1ビット乱数列に依存して、偏光変調器15により0°または45°の回転角の偏光回転変調を受ける。偏光変調器15に与えられる2値の変調信号の例を図1Bの1Dに示す。
この結果、新たにランダムな2種の直線偏光状態の光パルス列1C(以下B92状態と呼ぶ)となって、BB84状態の単一光子光パルス列1Bと共にベル測定装置17に同期して入射される。ベル測定装置17は同期して入射した2つの光子のスピン協同変数を測定し、測定結果に応じて4種の測定結果を検出器18に出力する。
(動作の説明)
以下、本発明の実施形態による量子暗号鍵配付システムの動作について図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施形態による量子暗号鍵配付方法について説明するブロック図を、図3は、比較のためのBB84プロトコルに基づく、関連する量子暗号鍵配付方法について説明するブロック図を示す。
BB84プロトコルに基づく量子暗号鍵配付方法では、図3に示すように、送信ノードであるAliceのテリトリ内で送りたい鍵情報(ランダムビット列)をエンコードした量子ビット(1−qbit)列(図中Key)と、送信基底をランダム化するために用いるランダムビット列からなる古典ビット(1−cbit)列(図中Basis)を準備する。量子ビットは0°または90°偏光の単一光子に、古典ビットは偏光変調器に与えられる変調用信号に相当する。量子ビットは古典ビットの値iに依存した偏光回転に相当するユニタリ変換U(i)を与えられ、BB84状態のランダム量子ビット列が準備され、受信ノードであるBobに伝送される。伝送終了後、基底選択情報が受信ノードに伝送される。
受信ノードでは、観測基底をランダム化するために用いるランダムビット列からなる古典ビット(1−cbit)列(図中Basis2)を準備し、これに基づいて基底にマッチした観測装置(フォンノイマン観測)を選択し、量子ビットの観測を行い観測ビット値を得る。事後通信によって得た基底選択情報を基に、送信基底と観測基底がマッチした観測ビット値を鍵生成のソースとして用い、必要な後処理を経て安全な鍵を抽出する。
図3において、送信ノードと受信ノードとの間の相対的位置が変化した場合、それらの偏光基底軸を送信ノード側と受信ノード側とで合わせるためには、送信ノード側から受信ノード側へ伝送されるBB84情報と基底選択情報をエンコードした光信号とは別に、偏光補正のための比較的強い光信号を伝送することが必要となる(図3中に記載なし)。そして、この補正のために、計算装置や信号制御装置、偏光制御素子駆動回路などの付加的装置が必要となり、装置オーバーヘッドが増大していた。
一方、本実施形態による量子暗号鍵配付方法では、送信ノードにおいて同様の方法でBB84状態のランダム量子ビット列が準備されるが、これに加えて同一偏光状態に準備された参照用量子ビット列(図中Ref.)が準備され、共に受信ノードに伝送される。本実施形態では、前者量子ビット列は奇数番光パルス列、後者量子ビット列は偶数番光パルス列に相当する。参照用量子ビット列の偏光状態はプロトコルにおいて規定する必要はないが、直線偏光である必要がある。実用的にはBB84状態の0°偏光状態を選べば良い。この参照用量子ビット列には一切の鍵情報および基底情報が含まれていないことが重要である。
受信ノードでは、観測基底をランダム化するために用いるランダムビット列からなる古典ビット(1−cbit)列(図中Basis2)に基づいて、到着した参照用量子ビット列にビット値iに依存した偏光回転に相当するユニタリ変換V(i)を与えられ、B92状態のランダム量子ビット列が準備される。BB84状態のランダム量子ビット列とB92状態のランダム量子ビット列はベル測定に供せられ、4つの観測結果に基づき2ビットの古典ビット列が得られる。この古典ビット列と、事後通信によって得た基底選択情報を基に、送信基底と観測基底が整合したビットに関する送受信データを鍵生成のソースとして用いる。
次に、ベル測定の機能について説明し、BB84プロトコルにより送受信ノード間で安全なランダムビット列が共有できることを説明する。BB84プロトコルにおいては、送受信ノードで量子ビットのスピン変数σに関して(1−σ)/2の値を鍵データのビット値として採用する。
図4はスピン変数と光子の偏波状態の対応を示すポアンカレ球と呼ばれる図表である。σ=±1の状態はそれぞれ45°と135°の斜め方向に直線偏光した状態、σ=±1の状態はそれぞれ右回りと左回りの円偏光した状態、σ=±1の状態はそれぞれ0°と90°方向に直線偏光した状態に対応する。例えば、偏光ビームスプリッターを用いることにより0°と90°方向に直線偏光した光子の識別を行うことができるが、0°偏光光子(σ=1)が出力されたならば0、90°偏光光子(σ=−1)が出力されたならば1とする。直線偏光した任意の状態は、σ軸およびσ軸を含む大円上の点に対応し、ユニタリ変換U(i)は大円上のある1点(ある直線偏光状態)を、同じ大円上の異なる1点(異なる直線偏光状態)に移すy軸回りの回転変換に相当する。
ベル測定は、2つの量子ビット1,2のスピン変数σ、σ、σの個々の値を測定することなく、協同的スピン変数値{σ(+)σ、σ(+)σ、σ(+)σ}を測定する協同的測定である。ここで、(+)は排他的論理和である。σ(+)σ(i=x、y、z)の値は0または1をとり、送受信ノードの選択基底が合致したデータについて、送受信データの相関関係、すなわちパリティのみが決定される。例えば、σ(+)σ=0は2つの光子の偏光方向が45°であるか135°であるかは分からないが、2つの光子の偏光方向が一致し、従ってその光子によって伝送され、共有されたビット値が送受信ノード間で合致することを意味する。
図5は、可能な協同的スピン変数値{σ(+)σ、σ(+)σ、σ(+)σ}を示したもので、取り得る値の組合せは4種類であり、それぞれに対して該当協同変数の2量子ビット固有状態である最大エンタングル状態{|Φ>,|Φ>,|Ψ>,|Ψ>}がアサインされる。
このような2量子ビットの協同変数の測定を行うベル測定装置に対して受信ノードのBobからB92状態の量子ビットを、送信ノードのAliceからBB84状態の量子ビットを入射した場合の様子を図6に示す。B92状態はσ=1およびσ=1の状態が対応し、そのビット値は0である。Bobからσ=1である0°偏光光子を入射し、Aliceからσ=±1である0°または90°偏光光子を入射したとき、ベル測定により|Φ>または|Φ>の結果が得られた場合、図5の表よりσ(+)σ=0であるから、Aliceの入射光子はσ=1であったことが確定でき、Aliceのデータが0であったとわかる。また、ベル測定により|Ψ>または|Ψ>の結果が得られた場合、σ(+)σ=1であるから、Aliceの入射光子はσ=−1であったことが確定でき、Aliceのデータが1であったとわかる。
一方、Bobからσ=1である45°偏光光子を入射し、Aliceからσ=±1である45°または135°偏光光子を入射したとき、ベル測定により|Φ>または|Ψ>の結果が得られた場合、図5の表よりσ(+)σ=0であるから、Aliceの入射光子はσ=1であったことが確定でき、Aliceのデータが0であったとわかる。また、ベル測定により|Φ>または|Ψ>の結果が得られた場合、σ(+)σ=1であるから、Aliceの入射光子はσ=−1であったことが確定でき、Aliceのデータが1であったとわかる。
以上から、Bobの入力するB92状態とベル測定を一体としてみるならば、それはB92状態の基底によって測定基底を設定するフォンノイマン観測装置とみなすことができる。送信ノードから受信ノードに送られ、伝送路中で盗聴者がアクセス可能になる参照用量子ビット列には一切の鍵情報および基底情報が含まれていないため、安全性に影響を与えないことを考慮すると、本実施形態の量子暗号鍵配付システムはBB84プロトコルに基づく量子暗号鍵配付システムと同等であり、BB84プロトコルを用いて安全な鍵配送が可能であることがわかる。
次に、この量子暗号鍵配付システムにおいて簡単なプロトコル改変により、アライメントフリーの量子暗号鍵配付が可能になることを説明する。図7に示すように、通常の衛星間通信などの移動体通信では、送信側(たとえば衛星A20)と受信側(たとえば衛星B21)の間にずれ角θが生じ、従来はアライメントを要していた。このずれ角θは、ポアンカレ球に対しては、図8に示すy軸周りの回転角θに相当する。
Aliceは従来同様の方法でBB84状態を準備してBobに送付し、送付後送信基底を送付する。BobはB92状態をベル測定装置に送り、ベル測定装置により4種の測定結果を得る。ここで、プロトコルを改変する。4種の測定結果のうち、{|Φ>,|Ψ>}が得られた場合のみ鍵生成のソースとして採用し、{|Φ>,|Ψ>}が得られた場合はデータを棄却するようにする。
このため、Bobは測定に用いたB92状態の基底を報告することに加えて、ベル測定の結果{|Φ>,|Ψ>}(採用)、{|Φ>,|Ψ>}(棄却)のいずれの組合せが得られたかについても報告するようする。Aliceは報告された測定基底が送信基底と非整合であるか、ベル測定の結果が{|Φ>,|Ψ>}(棄却)であったビットについてはデータを棄却するようにする。この結果、従来のBB84プロトコルで生き残るビットの約半数が失われる。BB84プロトコルに対して、このルールを追加することにより、ベル測定で検出された測定データのうち、送受信ノードで送信および測定基底が整合し、かつベル測定の結果が{|Φ>,|Ψ>}(採用)であったビットのみが事後選択され、鍵生成に利用される。
この生き残ったビットのみを鍵生成に利用すれば、アライメントフリーの量子鍵配付が可能になることを、以下に説明する。図9は、図7に示すような移動体の姿勢変化により系に起こる変化を示している。図2との相違は、送受信ノード間で伝送される鍵生成に用いるBB84状態の量子ビット列と参照用量子ビット列の2つの量子ビット列に偏光回転に対応する任意のユニタリ変換W(図8のポアンカレ球上のy軸周りの回転)が作用する点にある。
ここで、ユニタリ変換Wは時間変化しても構わないが、2つの量子ビットで同一であることを仮定している。このような変換はバイラテラルな回転変換と呼ばれる。この仮定は、本実施形態のように2つの量子ビット列を交互交代で送る場合に、隣り合うビットの時間間隔の移動体の姿勢変化が小さい状況で成り立ち、現実の状況ではほぼ受け入れられる仮定である。
一方、最大エンタングル状態については{|Φ>,|Ψ>}の2つの状態が2量子ビットのy軸周りのバイラテラルな回転変換に対して不変であることが証明できる。これらの状態については、図10に示すように、共にσ(+)σ、σ(+)σの値は等しく、|Φ>のときσ(+)σ=σ(+)σ=0、|Ψ>のときσ(+)σ=σ(+)σ=1である。従って、Bobからビット0に対応するB92状態を供給したとき、送信基底と観測基底が整合したビットについて、ベル測定結果|Φ>が得られた場合Aliceビットは0、|Ψ>が得られた場合Aliceのビットは1であると判定できる。
図11は図9と同じ図を示しているが、この破線部の2つの偏光回転に関するユニタリ変換V(i)とWは交換可能である(実線内)。この結果、図12は図11と等価になる。図12で破線部は、{|Φ>,|Ψ>}のバイラテラルな変換に対する普遍性から実線内に示したように、Wが作用していないのと等価であるから、結局図2と等価になる。以上から、本実施形態による量子暗号鍵配布システム及び量子暗号鍵配布方法は、移動体の姿勢変化に依存せず動作することがわかる。
以上の本実施形態による量子暗号鍵配布システム及び量子暗号鍵配布方法を用いれば、姿勢が変化する移動体を含む送受信ノード間において、送受信ノードの相対的方位関係に依存せず、プロトコルの実行前および実行中に送受信ノードの規定偏光方向の校正が不要な、アライメントフリーの量子暗号鍵配布システム及び量子暗号鍵配布方法を実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
付記
(付記1)
異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号と、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号とを送信する送信手段と、
前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号とし、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定するベル測定手段を有する受信手段と、を有し、
前記受信手段は、前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、前記2種の基底に属する単一光子の偏光方向が、前記2種の基底とも一致する結果、あるいは、前記2種の基底とも一致しない結果を用いて量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布システム。
(付記2)
前記受信手段は、前記ベル測定手段が出力する協同変数の2量子ビット固有状態である最大エンタングル状態の|Φ>、|Φ>、|Ψ>、|Ψ>を受けて、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>を受けた場合は前記量子暗号鍵の生成源として採用し、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>を受けた場合は前記量子暗号鍵の生成源として棄却する、付記1記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記3)
前記量子暗号光信号に鍵情報がエンコードされた、付記1から2の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記4)
前記送信手段は、前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とを交互に送信する、付記1から3の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記5)
前記第1の参照光信号の単一光子の直線偏光は、前記4種類の直線偏光の内のひとつである、付記1から4の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記6)
前記異なる2種の基底は非直交である、付記1から5の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記7)
前記4種類の直線偏光は、0°、45°、90°および135°のいずれかの直線偏光である、付記1から6の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記8)
前記2種類の直線偏光は非直交な基底である、付記1から7の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記9)
前記2種類の直線偏光は0°または45°である、付記1から8の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記10)
前記単一光子の周期的光パルス列において、前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とは交互に位置している、付記1から9の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記11)
前記送信手段は、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列を出射する単一光子出射手段と、乱数列を発生する第1の乱数発生手段と、第1の偏光変調手段とを有し、前記第1の偏光変調手段は、前記周期的光パルス列の偶数番目および奇数番目の何れか一方に位置する単一光子に対しては前記乱数発生手段の出力に基づいて前記4種類の直線偏光の何れかに対応した偏光回転変調を施し、前記偶数番目および奇数番目の他方に位置する単一光子に対しては偏光回転変調を施さない、付記1から10の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記12)
前記受信手段は、前記交互に送信された前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とを分配する光スイッチを有する、付記1から11の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記13)
前記受信手段は、乱数列を発生する第2の乱数発生手段と、第2の偏光変調手段を有し、前記第2の偏光変調手段は、前記乱数列に基づいて、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に基づいて偏光回転変調を行うことで前記第2の参照光信号を生成する、付記1から12の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記14)
前記量子暗号光信号はBB84プロトコルを有する、付記1から13の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記15)
前記第2の参照光信号はB92プロトコルを有する、付記1から14の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
(付記16)
異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号を生成し、
直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号を生成し、
前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とを送信し、
前記第1の参照光信号を受信して、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号を生成し、
前記量子暗号光信号を受信して、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定し、
前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、協同変数の2量子ビット固有状態である最大エンタングル状態の|Φ>、|Φ>、|Ψ>、|Ψ>の中で、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>}を得た場合に量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布方法。
(付記17)
前記第1の参照光信号の単一光子の直線偏光は、前記4種類の直線偏光の内のひとつである、付記16記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記18)
前記異なる2種の基底は非直交である、付記16から17の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記19)
前記4種類の直線偏光は、0°、45°、90°および135°のいずれかの直線偏光である、付記16から18の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記20)
前記2種類の直線偏光は非直交な基底である、付記16から19の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記21)
前記2種類の直線偏光は0°または45°である、付記16から20の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記22)
前記量子暗号光信号の生成と、前記第1の参照光信号の生成とは、
前記周期的光パルス列の偶数番目および奇数番目の何れか一方に位置する単一光子に対しては前記4種類の直線偏光の何れかに対応した偏光回転変調を施し、前記偶数番目および奇数番目の他方に位置する単一光子に対しては偏光回転変調を施さない、付記16から21の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記23)
前記第2の参照光信号の生成は、
乱数列を発生し、前記乱数に基づいて、前記第1の参照光信号の単一光子を2種類に直線偏光した単一光子に偏光回転変調を行う、付記16から22の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記24)
前記量子暗号光信号はBB84プロトコルを有する、付記16から23の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
(付記25)
前記第2の参照光信号はB92プロトコルを有する、付記16から24の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
1 送信ノード
2 受信ノード
11 単一光子光源
12 偏光変調器
13 乱数発生器
14 光スイッチ
15 偏光変調器
16 乱数発生器
17 ベル測定装置
18 検出器
19 出射単一光子パルス列の例
1A 偏光変調器12に与えられる4値の変調信号の例
1B ランダムな4種の直線偏光状態(BB84状態)の光パルス列
1C ランダムな2種の直線偏光状態(B92状態)の光パルス列
1D 偏光変調器15に与えられる2値の変調信号の例
20 衛星A
21 衛星B

Claims (10)

  1. 異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号と、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号とを送信する送信手段と、
    前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号とし、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定するベル測定手段を有する受信手段と、を有し、
    前記受信手段は、前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、前記2種の基底に属する単一光子の偏光方向が、前記2種の基底とも一致する結果、あるいは、前記2種の基底とも一致しない結果を用いて量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布システム。
  2. 前記受信手段は、前記ベル測定手段が出力する協同変数の2量子ビット固有状態である最大エンタングル状態の|Φ>、|Φ>、|Ψ>、|Ψ>を受けて、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>を受けた場合は前記量子暗号鍵の生成源として採用し、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>を受けた場合は前記量子暗号鍵の生成源として棄却する、請求項1に記載の量子暗号鍵配布システム。
  3. 前記異なる2種の基底は非直交である、請求項1から2の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
  4. 前記4種類の直線偏光は、0°、45°、90°および135°のいずれかの直線偏光である、請求項1から3の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
  5. 前記単一光子の周期的光パルス列において、前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とは交互に位置している、請求項1から4の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
  6. 前記送信手段は、直線偏光した単一光子の周期的光パルス列を出射する単一光子出射手段と、乱数列を発生する第1の乱数発生手段と、第1の偏光変調手段とを有し、前記第1の偏光変調手段は、前記周期的光パルス列の偶数番目および奇数番目の何れか一方に位置する単一光子に対しては前記乱数発生手段の出力に基づいて前記4種類の直線偏光の何れかに対応した偏光回転変調を施し、前記偶数番目および奇数番目の他方に位置する単一光子に対しては偏光回転変調を施さない、請求項1から5の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
  7. 前記受信手段は、乱数列を発生する第2の乱数発生手段と、第2の偏光変調手段を有し、前記第2の偏光変調手段は、前記乱数列に基づいて、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に基づいて偏光回転変調を行うことで前記第2の参照光信号を生成する、請求項1から6の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布システム。
  8. 異なる2種の基底に属する4種類に直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる量子暗号光信号を生成し、
    直線偏光した単一光子の周期的光パルス列からなる第1の参照光信号を生成し、
    前記量子暗号光信号と前記第1の参照光信号とを送信し、
    前記第1の参照光信号を受信して、前記第1の参照光信号を構成する単一光子を2種類の直線偏光に変換した第2の参照光信号を生成し、
    前記量子暗号光信号を受信して、前記量子暗号光信号と前記第2の参照光信号とを同期してベル測定し、
    前記ベル測定手段のベル測定結果のうち、協同変数の2量子ビット固有状態である最大エンタングル状態の|Φ>、|Φ>、|Ψ>、|Ψ>の中で、前記|Φ>あるいは前記|Ψ>}を得た場合に量子暗号鍵を生成する、量子暗号鍵配布方法。
  9. 前記異なる2種の基底は非直交である、請求項8に記載の量子暗号鍵配布方法。
  10. 前記量子暗号光信号の生成と、前記第1の参照光信号の生成は、
    前記周期的光パルス列の偶数番目および奇数番目の何れか一方に位置する単一光子に対しては前記4種類の直線偏光の何れかに対応した偏光回転変調を施し、前記偶数番目および奇数番目の他方に位置する単一光子に対しては偏光回転変調を施さない、請求項8から9の何れか1項に記載の量子暗号鍵配布方法。
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